JP7144803B2 - 動物飼育ケージ - Google Patents
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斯かる回転ホイール付きのケージでマウスやラット等のげっ歯類を飼育すると、1日当たり数千回程度ホイールを回転させるので、それらの動物は運動に対する選好性を有していると考えられている。そこで、これまで多くの研究で当該回転ホイールを用いて動物の運動量測定が行なわれていたが、例えば夜運動と昼運動の対比や効果性の検討等において、より精度の高い運動量の測定には、動物が回転ホイールを回すことができる状況とできない状況を切り替える必要があった。
動物が前記ブレーキ解除用レバーを押したときに、ブレーキ解除用レバー及びブレーキ作動用レバーを没入させると共に、ディスクブレーキ部を解除する手段と、当該解除後所定時間経過後にディスクブレーキ部を作動せしめる手段と、当該作動後所定時間経過後にブレーキ解除用レバー及びブレーキ作動用レバーを突出させる手段と;
動物が前記ブレーキ作動用レバーを押したときに、ブレーキ解除用レバー及びブレーキ作動用レバーを没入させる手段と、当該没入後所定時間経過後にブレーキ解除用レバー及びブレーキ作動用レバーを突出させる手段と;
を有することを特徴とする動物飼育ケージにより上記課題を解決したものである。
当該図1において、10はケージ本体で、その内部に運動用回転ホイール20が設置されている。30は当該回転ホイール20の回転と停止を制御するディスクブレーキシステムで、回転ホイール20の回転軸21と連結されたディスクブレーキ部31と、ケージ本体10の外部に配置された、操作画面32a付きのブレーキ制御装置部32と、ケージ本体10の内部に配置されたブレーキ解除用レバーA及びブレーキ作動用レバーBとを有し、ディスクブレーキ部31、ブレーキ解除用レバーA及びブレーキ作動用レバーBはそれぞれブレーキ制御装置部32に接続されている。
また、本発明に用いるブレーキ解除用レバーA及びブレーキ作動用レバーBとしては、特にその種類は限定されないが、本実施の形態においては突出・没入可能なリトクラタブルレバーを用い、ケージ本体10の内壁に設置している。これによりケージ本体10の内部においてレバーが障害物にならないばかりでなく、後述のように、当該ブレーキ解除用レバーAとブレーキ作動用レバーBの何れか一方のみを突出させることにより、動物にレバー選択の事前学習をさせることが可能となる。
このブレーキ制御装置部32は、実験者が電源を入れたときに、ディスクブレーキ部31作動状態で操作画面に操作項目を表示する手段と、当該ディスクブレーキ部31作動状態において実験者が操作画面32a中の項目「自由選好」を選択したときに、ブレーキ解除用レバーA及びブレーキ作動用レバーBを突出させる手段と;
動物が前記ブレーキ解除用レバーAを押したときに、ブレーキ解除用レバーA及びブレーキ作動用レバーBを没入させると共に、ディスクブレーキ部31を解除する手段と、当該解除後、予め設定した所定時間経過後にディスクブレーキ部31を作動せしめる手段と、当該作動後、予め設定した所定時間経過後にブレーキ解除用レバーA及びブレーキ作動用レバーBを突出させる手段と;
動物がブレーキ解除用レバーAではなく、ブレーキ作動用レバーBを押したときに、ブレーキ解除用レバーA及びブレーキ作動用レバーBを没入させる手段と、当該没入後、予め設定した所定時間経過後にブレーキ解除用レバーA及びブレーキ作動用レバーBを突出させる手段と;
実験者が操作画面32a中の項目「終了」を選択したときに、ブレーキ解除レバーA及びブレーキ作動レバーBを没入させて電源を切る手段と;
を有しており、斯かる各手段は、ブレーキ制御装置部32にインストールされた、各手段として機能させるためのプログラムによって実行される。
次に、当該ディスクブレーキ部31作動状態(回転ホイール20の回転不能)において実験者が操作画面32a中の項目「自由選好」を選択したときに、ブレーキ解除レバーA及びブレーキ作動レバーBを突出させる(図2(a)参照)。
次に、当該解除後、予め設定した所定時間(例えば10秒間)経過後にディスクブレーキ部31を作動せしめる。これにより回転ホイール20が回転不能となり、動物が運動できない状況となる(図2(b-4)参照)。
次に、当該作動後、予め設定した所定時間(例えば60秒間前後)の待機時間を設け(図2(d)参照)、当該時間経過後にブレーキ解除用レバーA及びブレーキ作動用レバーBを突出させる(図2(a)参照)。
次に、当該没入後、予め設定した所定時間(例えば60秒間前後)の待機時間を設け(図2(d)参照)、当該時間経過後にブレーキ解除用レバーA及びブレーキ作動用レバーBを突出させる(図2(a)参照)。
そこで、ブレーキ制御装置部32としては、動物に当該事前学習をさせる手段を更に有するものが望ましい。以下斯かる事前学習手段についてディスクブレーキシステムの他の作動例を示す図3と共に説明する。
まず、ディスクブレーキ部31の作動状態において、実験者が操作画面32a中の項目「ブレーキ解除学習」を選択したときに、ブレーキ解除用レバーAのみを突出させる手段(図3(1)(a)参照)と、動物がブレーキ解除用レバーAを押したとき(図3(1)(b)参照)に、ブレーキ解除用レバーAを没入させる(図3(1)(c)参照)と共に、ディスクブレーキ部31を解除する(回転ホイールが回転可能となり、動物が運動できる)手段(図3(1)(d)参照)と、当該解除後、予め設定した所定時間(例えば10秒間)経過後にディスクブレーキ部31を作動せしめる(回転ホイールが回転不能となり、動物が運動できない)手段(図3(1)(e)参照)と当該作動後、予め設定した所定時間(例えば60秒間前後:図3(f)参照)経過後にブレーキ解除レバーAのみを突出させる(図3(1)(a)参照)手段(これにより動物が再びレバーを押すことができる状態となる)とを含むブレーキ制御装置部32が望ましいものとして挙げられる。
而して、この実施の形態に係る動物飼育ケージを用いれば、動物に事前学習をさせた上で、動物の運動に対する選好性を測定評価し得るので、より効率的に運動量と選好性のデータを取得することができる。
20:回転ホイール
21:回転軸
30:ディスクブレーキシステム
31:ディスクブレーキ部
32:ブレーキ制御装置部
32a:操作画面
A:ブレーキ解除用レバー
B:ブレーキ作動用レバー
Claims (5)
- 動物の運動用回転ホイール付き飼育ケージであって、当該回転ホイールの回転と停止を制御するディスクブレーキシステムを備え、当該ディスクブレーキシステムが、ケージ本体の外部において回転ホイールの回転軸と連結されたディスクブレーキ部と、ケージ本体の外部に配置された、操作画面付きのブレーキ制御装置部と、ケージ本体の内部に配置されたブレーキ解除用レバー及びブレーキ作動用レバーとを有することを特徴とする動物飼育ケージ。
- 前記ブレーキ解除用レバー及びブレーキ作動用レバーが、ケージ内壁に設置された突出・没入可能なリトラクタブルレバーであることを特徴とする請求項1記載の動物飼育ケージ。
- 前記ブレーキ制御装置部が、ディスクブレーキ部作動状態において実験者が操作画面中の項目「自由選好」を選択したときに、ブレーキ解除用レバー及びブレーキ作動用レバーを突出させる手段と;
動物が前記ブレーキ解除用レバーを押したときに、ブレーキ解除用レバー及びブレーキ作動用レバーを没入させると共に、ディスクブレーキ部を解除する手段と、当該解除後所定時間経過後にディスクブレーキ部を作動せしめる手段と、当該作動後所定時間経過後にブレーキ解除用レバー及びブレーキ作動用レバーを突出させる手段と;
動物が前記ブレーキ作動用レバーを押したときに、ブレーキ解除用レバー及びブレーキ作動用レバーを没入させる手段と、当該没入後所定時間経過後にブレーキ解除用レバー及びブレーキ作動用レバーを突出させる手段と;
を有することを特徴とする請求項2記載の動物飼育ケージ。 - 前記ブレーキ制御装置部が、ディスクブレーキ部作動状態において実験者が操作画面中の項目「ブレーキ解除学習」を選択したときに、ブレーキ解除用レバーのみを突出させる手段と、動物がブレーキ解除用レバーを押したときに、ブレーキ解除用レバーを没入させると共に、ディスクブレーキ部を解除する手段と、当該解除後所定時間経過後にディスクブレーキ部を作動せしめる手段と、当該作動後所定時間経過後にブレーキ解除用レバーのみを突出させる手段とを有することを特徴とする請求項2又は3記載の動物飼育ケージ。
- 前記ブレーキ制御装置部が、ディスクブレーキ部作動状態において実験者が操作画面中の項目「ブレーキ作動学習」を選択したときに、ブレーキ作動用レバーのみを突出させる手段と、動物がブレーキ作動用レバーを押したときに、ブレーキ作動用レバーを没入させる手段と、当該没入後所定時間経過後にブレーキ作動用レバーのみを突出させる手段とを有することを特徴とする請求項2~4の何れか1項記載の動物飼育ケージ。
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2018
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