以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図中、互いに同一又は同等の構成には、互いに同一の符号を付す。
図1に示す投影システム1は、映画、テレビ番組等のコンテンツに含まれる画像であるコンテンツ画像を投影面2に投影することにより出力すると共に、当該コンテンツに含まれる音声であるコンテンツ音声を出力する。投影面2は、プロジェクタスクリーン、部屋の内壁、建物の外壁等の画像を投影可能な面である。投影システム1は、投影制御装置3と、投影装置4と、を備えている。投影制御装置3は、送信装置の一例であり、投影装置4は、受信装置の一例である。投影制御装置3は、ノートPC(Personal Computer)であり、HDMI規格に準拠した接続ケーブルであるHDMIケーブル5を介して投影装置4に接続されている。投影制御装置3は、投影装置4との間でHDMIケーブル5を介して有線通信を行うことにより、投影装置4との間でHDMI規格に従って信号をやり取りする。後述するように、ソース機器である投影制御装置3は、コンテンツを表すデータ信号を、HDMIケーブル5を介して、シンク機器である投影装置4へ送信する。投影装置4は、プロジェクタであり、投影制御装置3から受信したデータ信号に応じて、コンテンツ画像及びコンテンツ音声を出力する。また、投影制御装置3は、ユーザによる指示に応じた制御信号を、HDMIケーブル5を介して投影装置4へ送信することにより、投影装置4を制御する。
なお、本実施形態では、投影制御装置3がノートPCであるものとして説明するが、これは一例に過ぎず、投影制御装置3は、タブレット端末、スマートフォン等のノートPC以外の任意の電子機器であってよい。さらに、本実施形態では、投影制御装置3と投影装置4とが、HDMI規格に従って信号をやり取りするものとして説明するが、これは一例に過ぎず、投影制御装置3と投影装置4とは、接続ケーブルを介した有線通信を行うことにより、DVI規格等のHDMI規格以外のインタフェース規格に従って信号をやり取りしてもよい。さらに、本実施形態では、送信装置が投影制御装置3であり、受信装置が投影装置4であるものとして説明するが、これは一例に過ぎず、送信装置及び受信装置は、任意の電子機器であってよい。
以下、投影制御装置3の構成について、図2を参照して説明する。投影制御装置3は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)300と、記憶部301と、操作部302と、表示部303と、クロック信号発生回路304と、HDMI送信部305と、無線通信部306と、システムバス307と、を備えている。
CPU300は、記憶部301に記憶されたプログラム及びデータに従って、投影制御装置3の各部を制御する。記憶部301は、何れも図示しないROM(Read Only Memory)と、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)等のデータ書き込み可能な不揮発性メモリと、を備え、CPU300が各種処理を実行するために用いるプログラム及びデータを不揮発的に記憶する。具体的に、記憶部301は、コンテンツ画像及びコンテンツ音声を含むコンテンツを表すコンテンツデータと、後述する周波数決定データと、を予め記憶している。コンテンツデータは、コンテンツの開始時刻からコンテンツの終了時刻までの期間の各時刻におけるコンテンツ画像を表すコンテンツ画像データと、当該期間の各時刻におけるコンテンツ音声を表すコンテンツ音声データと、を互いに対応付けて時系列順に含んでいる。記憶部301は、上述したROM及び不揮発性メモリに加えて、CPU300のワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)を備えている。
操作部302は、何れも図示しないキーボード、タッチパッド、マウス、操作スイッチ等の操作子を備え、当該操作子に対するユーザによる操作に従って各種指示の入力を受け付ける。表示部303は、ディスプレイを備え、CPU300による制御に従い、各種画像を当該ディスプレイに表示する。クロック信号発生回路304は、CPU300による制御に従い、複数の周波数のうち何れかの周波数のクロック信号を生成する。HDMI送信部305は、CPU300による制御に従い、HDMI規格に則って信号を投影装置4へ送信する。具体的に、HDMI送信部305は、HDMIケーブル5が接続される図示しないコネクタを備え、HDMIケーブル5を介して投影装置4との間で有線通信を行うことにより、HDMI規格に準拠した伝送方式であるTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)(登録商標)方式により信号を投影装置4へ送信する。無線通信部306は、CPU300による制御に従い、投影制御装置3の外部の装置との間で無線通信を行うことにより、当該外部の装置との間でデータをやり取りする。システムバス307は、コマンド及びデータの伝送経路であり、CPU300~無線通信部306を相互に接続している。
CPU300は、記憶部301に記憶されたプログラムを実行して投影制御装置3の各部を制御することにより、図2に示す指示受付部30、信号生成部31及び送信制御部32として機能する。なお、本実施形態では、単一のプロセッサであるCPU300が指示受付部30~送信制御部32として機能するものとして説明するが、これは一例に過ぎず、複数のプロセッサが、記憶部301に記憶されたプログラムをそれぞれ実行することにより、互いに協働して指示受付部30~送信制御部32として機能するように構成してもよい。
指示受付部30は、ユーザが、操作部302が備える操作子を操作することにより入力した各種指示を受け付ける。信号生成部31は、何れも後述する出力開始信号、出力終了信号、データ信号、クロック信号、ミュート指示信号、ミュート解除信号等の各種信号を生成する。送信制御部32は、HDMI送信部305を制御し、信号生成部31により生成された信号を、HDMIケーブル5を介して投影装置4へ送信させる。以下、各部の機能の詳細について説明する。
指示受付部30が、ユーザによる操作部302に対する操作に従って、投影装置4による画像及び音声の出力を開始させる出力開始指示を受け付けた場合、信号生成部31が、出力開始信号を生成し、送信制御部32が、HDMI送信部305に、信号生成部31により生成された出力開始信号を投影装置4へ送信させる。出力開始信号は、投影装置4による画像及び音声の出力の開始を指示する制御信号である。出力開始信号が投影装置4へ送信されたことに応じて、投影装置4による画像及び音声の出力が開始される。指示受付部30が、ユーザによる操作部302に対する操作に従って、投影装置4による画像及び音声の出力を終了させる出力終了指示を受け付けた場合、信号生成部31が、出力終了信号を生成し、送信制御部32が、HDMI送信部305に、信号生成部31により生成された出力終了信号を投影装置4へ送信させる。出力終了信号は、投影装置4による画像及び音声の出力の終了を指示する制御信号である。出力終了信号が投影装置4へ送信されたことに応じて、投影装置4による画像及び音声の出力が終了する。
信号生成部31は、記憶部301に記憶されたコンテンツデータに従って、コンテンツを表すデータ信号を生成する。送信制御部32は、HDMI送信部305に、信号生成部31が生成したデータ信号を投影装置4へ送信させる。後述するように、投影装置4は、投影制御装置3から受信したデータ信号に応じて画像及び音声を出力する。なお、本実施形態では、信号生成部31が、記憶部301に予め記憶されたコンテンツデータに従ってデータ信号を生成するものとして説明するが、これは一例に過ぎない。信号生成部31は、投影制御装置3の外部の情報処理装置から無線通信部306を介してコンテンツデータを受信し、受信したコンテンツデータに従ってデータ信号をリアルタイムで生成してもよい。
信号生成部31は、コンテンツ画像を表すコンテンツ画像信号と、コンテンツ音声を表すコンテンツ音声信号とを、データ信号として生成する。換言すれば、信号生成部31は、コンテンツ画像信号とコンテンツ音声信号とを含むデータ信号を生成する。信号生成部31は、コンテンツデータが含むコンテンツ音声を表すコンテンツ音声データに従ってコンテンツ音声信号を生成する。また、信号生成部31は、コンテンツデータが含むコンテンツ画像を表すコンテンツ画像データに従ってコンテンツ画像信号を生成する。具体的に、信号生成部31は、第1解像度と、第1解像度より高い第2解像度と、のうち出力解像度として現在設定されている解像度でコンテンツ画像を表す画像信号をコンテンツ画像信号として生成する。また、信号生成部31は、RGB信号と、YCbCr信号と、のうち出力信号種別として現在設定されている信号種別の画像信号をコンテンツ画像信号として生成する。また、信号生成部31は、第1フレームレートと、第1フレームレートより大きい第2フレームレートと、のうち出力フレームレートとして現在設定されているフレームレートの画像信号をコンテンツ画像信号として生成する。
信号生成部31は、複数の周波数のクロック信号を生成可能なクロック信号発生回路304に、現在設定されている出力解像度、出力信号種別及び出力フレームレートに応じた周波数のクロック信号を生成させる。具体的に、信号生成部31は、記憶部301に記憶された、出力解像度と、出力信号種別と、出力フレームレートと、クロック信号の周波数と、の間の対応関係を示す周波数決定データを参照することにより、現在設定されている出力解像度、出力信号種別及び出力フレームレートに対応する周波数を特定し、クロック信号発生回路304に、特定された周波数のクロック信号を生成させる。送信制御部32は、HDMI送信部305に、クロック信号発生回路304により生成されたクロック信号を投影装置4へ送信させる。投影装置4は、投影制御装置3から受信したクロック信号に従って各種処理の実行タイミングを決定し、各種処理を実行する。周波数決定データは、PC、タブレット端末等の投影制御装置3の外部の情報処理装置により、出力解像度と、出力信号種別と、出力フレームレートと、クロック信号の周波数と、の間の対応関係を設定する操作を受け付けることにより生成された後、無線通信部306を介して当該情報処理装置から取り込まれ、記憶部301に予め記憶されている。
指示受付部30が、ユーザによる操作部302に対する操作に従って、出力解像度を変更する指示と、出力信号種別を変更する指示と、出力フレームレートを変更する指示と、のうち何れかを受け付けた場合、信号生成部31が、設定変更処理を開始する。設定変更処理において、信号生成部31は、指示受付部30が受け付けた指示に応じて、現在設定されている出力解像度、出力信号種別及び出力フレームレートを、ユーザが指定した出力解像度、出力信号種別及び出力フレームレートへ変更する。さらに、設定変更処理において、信号生成部31は、記憶部301に記憶された周波数決定データを参照することにより、変更後の出力解像度、出力信号種別及び出力フレームレートに対応するクロック信号の周波数を特定し、クロック信号発生回路304が生成するクロック信号の周波数を、現在設定されている周波数から、特定された周波数へ変更する。
投影制御装置3が、設定変更処理を行い、投影装置4へ送信されるクロック信号の周波数を変更した場合、クロック信号の周波数が乱れ、投影装置4へ送信されるデータ信号が不安定になる。投影装置4が、投影制御装置3から受信した不安定なデータ信号に応じて画像及び音声を出力した場合、画像のちらつき又は音声ノイズが発生し、ユーザに不快感を与えてしまう虞がある。このため、指示受付部30が、出力解像度、出力信号種別又は出力フレームレートを変更する指示を受け付けた場合、信号生成部31が、設定変更処理を開始する前に、ミュート指示信号を生成し、送信制御部32が、HDMI送信部305に、信号生成部31により生成されたミュート指示信号を投影装置4へ送信させる。ミュート指示信号は、投影制御装置3から受信したデータ信号に応じた画像の出力及び音声の出力が実行されないように制御するミュート処理の開始を投影装置4に指示する制御信号である。ミュート指示信号が投影装置4へ送信されたことに応じて、投影装置4によるミュート処理が開始される。このような構成によれば、投影制御装置3は、設定開始処理が開始される前に投影装置4へミュート指示信号を送信し、ミュート処理を開始させることにより、不安定なデータ信号に応じて画像及び音声が出力され、画像のちらつき又は音声ノイズが発生してユーザに不快感を与える可能性を低下させることができる。すなわち、このような構成によれば、ミュート処理を適切に制御することができる。ミュート処理は、データ信号に応じた出力停止の一例である。ミュート指示信号は、出力停止信号の一例である。
設定変更処理が行われ、クロック信号の周波数が変更されたことにより乱れたクロック信号の周波数は、設定変更処理が完了してから時間が経つと一定になる。クロック信号の周波数が一定になると、不安定になっていたデータ信号が安定し、投影装置4が、受信したデータ信号に応じて画像及び音声の出力を行っても、画像のちらつき又は音声ノイズが発生する虞が無くなる。このため、設定変更処理が完了した場合、設定変更処理の実行に伴って開始されたミュート処理を終了させ、投影装置4に、データ信号に応じた画像及び音声の出力を再開させることが望ましい。そこで、信号生成部31は、設定変更処理が完了した場合、ミュート処理の終了を投影装置4に指示する制御信号であるミュート解除信号を生成し、送信制御部32が、HDMI送信部305に、信号生成部31により生成されたミュート解除信号を投影装置4へ送信させる。ミュート解除信号が投影装置4へ送信されたことに応じて、投影装置4によるミュート処理が終了する。ミュート処理の終了は、出力停止の解除の一例である。ミュート解除信号は、出力停止解除信号の一例である。
なお、本実施形態では、投影制御装置3が、出力解像度、出力信号種別又は出力フレームレートを変更する指示を受け付けた場合、クロック信号の周波数を変更するものとして説明するが、これは一例に過ぎない。投影制御装置3は、任意の事象の発生を契機としてクロック信号の周波数を変更することができる。例えば、投影装置4が、複数のスピーカを備え、複数の音場モードのうち現在設定されている音場モードでデータ信号に応じた音声を出力するように構成されている場合、ユーザによる指示に従って音場モードが変更されたときに、投影制御装置3がクロック信号の周波数を変更するように構成してもよい。
なお、ユーザが操作部302を操作することにより入力した、投影装置4にミュート処理を開始させる指示を指示受付部30が受け付けた場合、信号生成部31がミュート指示信号を生成し、送信制御部32が、HDMI送信部305に、生成されたミュート指示信号を投影装置4へ送信させるように構成してもよい。また、ユーザが操作部302を操作することにより入力した、投影装置4にミュート処理を終了させる指示を指示受付部30が受け付けた場合、信号生成部31がミュート解除信号を生成し、送信制御部32が、HDMI送信部305に、生成されたミュート解除信号を投影装置4へ送信させるように構成してもよい。
以下、投影装置4の構成について、図3を参照して説明する。投影装置4は、図3に示すように、CPU400と、記憶部401と、操作部402と、HDMI受信部403と、クロック信号安定判定回路404と、無線通信部405と、画像投影部406と、音声出力部407と、システムバス408と、を備えている。
CPU400は、記憶部401に記憶されたプログラム及びデータに従って、投影装置4の各部を制御する。記憶部401は、何れも図示しないROM及び不揮発性メモリを備え、CPU400が各種処理を実行するために用いるプログラム及びデータを不揮発的に記憶する。記憶部401は、CPU400のワークエリアとして機能するRAMを備えている。操作部402は、操作スイッチ等の操作子を備え、当該操作子に対するユーザによる操作に従って各種指示の入力を受け付ける。HDMI受信部403は、CPU400による制御に従い、上述した出力開始信号、出力終了信号、データ信号、クロック信号、ミュート指示信号、ミュート解除信号等の各種信号をHDMI規格に則って投影制御装置3から受信する。HDMI受信部403は、信号受信部の一例である。具体的に、HDMI受信部403は、HDMIケーブル5が接続される図示しないコネクタを備え、HDMIケーブル5を介して投影制御装置3との間で有線通信を行うことにより、信号を投影制御装置3からTMDS方式により受信する。
クロック信号安定判定回路404は、HDMI受信部403が投影制御装置3から受信したクロック信号の周波数が一定であるか否か、すなわちクロック信号の周波数が安定しているか否かを判定し、当該判定の結果を示す判定信号をCPU400へ出力する。無線通信部405は、CPU400による制御に従い、投影装置4の外部の装置との間で無線通信を行うことにより、当該外部の装置との間でデータをやり取りする。画像投影部406は、何れも図示しないランプユニットと、投影デバイスと、光学レンズユニットと、を備え、CPU400による制御に従い、投影面2に画像を投影する。音声出力部407は、何れも図示しないDAC(Digital-to-Analog Converter)と、アンプと、スピーカと、を備え、CPU400による制御に従い、音声を出力する。システムバス408は、コマンド及びデータの伝送経路であり、CPU400~音声出力部407を相互に接続している。
CPU400は、記憶部401に記憶されたプログラムを実行して投影装置4の各部を制御することにより、図3に示す受信制御部40、出力部41、ミュート処理部42及び受信状態判別部43として機能する。CPU400は、プロセッサの一例である。なお、本実施形態では、単一のプロセッサであるCPU400が受信制御部40~受信状態判別部43として機能するものとして説明するが、これは一例に過ぎず、複数のプロセッサが、記憶部401に記憶されたプログラムをそれぞれ実行することにより、互いに協働して受信制御部40~受信状態判別部43として機能するように構成してもよい。
受信制御部40は、HDMI受信部403を制御し、上述した出力開始信号、出力終了信号、データ信号、クロック信号、ミュート指示信号、ミュート解除信号等の各種信号を投影制御装置3からHDMIケーブル5を介して受信させる。
出力部41は、画像投影部406に、HDMI受信部403により受信されたデータ信号に応じた画像を投影面2に投影させ、音声出力部407に、当該受信されたデータ信号に応じた音声を出力させる。具体的に、出力部41は、画像投影部406に、受信されたデータ信号が含むコンテンツ画像信号が表すコンテンツ画像を投影させ、音声出力部407に、当該データ信号が含むコンテンツ音声信号が表すコンテンツ音声を出力させる。すなわち、出力部41は、HDMI受信部403により受信されるデータ信号に応じた出力を指示する。なお、本実施形態では、出力部41が、データ信号に応じて、画像と音声との両方を出力するものとして説明するが、これは一例に過ぎず、出力部41が、データ信号に応じて、画像と音声とのうち何れか一方のみを出力するように構成してもよい。
ミュート処理部42は、出力部41によるデータ信号に応じた画像の出力及び音声の出力が実行されないように制御するミュート処理を実行する。具体的に、ミュート処理において、ミュート処理部42は、画像投影部406を制御し、データ信号が含むコンテンツ画像信号に応じたコンテンツ画像の出力を停止させると共に、音声出力部407を制御し、データ信号が含むコンテンツ音声信号に応じたコンテンツ音声の出力を停止させる。ミュート処理部42によるミュート処理の制御の詳細については、後述する。なお、ミュート処理において、ミュート処理部42が、データ信号に応じた画像の出力及び音声の出力を停止すると共に、画像投影部406を制御し、ブルーバック、黒画面等の、コンテンツ画像と異なる予め設定されたミュート画像を投影面2に投影させるように構成してもよい。なお、本実施形態では、ミュート処理において、ミュート処理部42が、出力部41によるデータ信号に応じた画像の出力と音声の出力との両方が実行されないように制御するものとして説明するが、これは一例に過ぎない。ミュート処理部42は、ミュート処理において、出力部41によるデータ信号に応じた画像の出力と音声の出力とのうち一方が実行されないように制御すると共に、出力部41によるデータ信号に応じた画像の出力と音声の出力とのうち他方が実行されるように制御してもよい。
受信状態判別部43は、HDMI受信部403によるクロック信号の受信状態が、HDMI受信部403が投影制御装置3からデータ信号を受信することが可能である信号安定状態と、HDMI受信部403が投影制御装置3からデータ信号を受信できないときがある信号不安定状態と、のうち何れの状態であるかを判別する。信号安定状態は、第1状態の一例である。信号不安定状態は、第2状態の一例である。以下、理解を容易にするため、HDMI受信部403によるクロック信号の受信状態を、単に「受信状態」と称する場合がある。信号安定状態は、通常時における受信状態、すなわち投影制御装置3と投影装置4との間の通信が正常に行われている場合における受信状態である。受信状態が信号安定状態である場合、HDMI受信部403は、投影制御装置3からデータ信号等の各種信号を正常に受信できる。投影制御装置3が、上述した設定変更処理を行い、投影制御装置3から投影装置4へ送信されるクロック信号の周波数を変更したことにより、クロック信号の周波数が乱れた場合、受信状態が信号不安定状態になる。受信状態が信号不安定状態である場合、HDMI受信部403は、投影制御装置3からデータ信号等の各種信号を正常に受信できない。
受信状態が信号安定状態である場合、HDMI受信部403が投影制御装置3から受信したクロック信号の周波数は一定であるのに対し、受信状態が信号不安定状態である場合、当該クロック信号の周波数は乱れている。このため、受信状態判別部43は、クロック信号安定判定回路404を制御し、HDMI受信部403が受信したクロック信号の周波数が一定であるか否かを判定させ、クロック信号安定判定回路404から入力された判定信号が示す当該判定の結果に従って、受信状態を判別する。具体的に、受信状態判別部43は、クロック信号の周波数が一定であるとクロック信号安定判定回路404が判定した場合、すなわち、クロック信号の周波数が安定しているとクロック信号安定判定回路404が判定した場合、受信状態が信号安定状態であると判別する。受信状態判別部43は、クロック信号の周波数が乱れているとクロック信号安定判定回路404が判定した場合、すなわち、クロック信号の周波数が不安定であるとクロック信号安定判定回路404が判定した場合、受信状態が信号不安定状態であると判別する。受信状態判別部43は、HDMI受信部403が一定の周波数で受信し続けていたクロック信号の周波数が乱れた場合、受信状態が信号安定状態から信号不安定状態になったと判別する。受信状態判別部43は、受信状態が信号不安定状態になった後に、HDMI受信部403がクロック信号を一定の周波数で受信し続けられるようになった場合、受信状態が信号不安定状態から信号安定状態になったと判別する。
以下、ミュート処理部42によるミュート処理の制御の詳細について説明する。ミュート処理部42は、出力部41が、画像投影部406及び音声出力部407に、HDMI受信部403が受信したデータ信号に応じた画像及び音声を出力させているときに、HDMI受信部403がミュート指示信号を投影制御装置3から受信した場合、出力停止の一例であるミュート処理を開始する。換言すれば、ミュート処理部42は、データ信号に応じた出力中にHDMI受信部403がミュート指示信号を受信した場合、当該データ信号に応じた出力停止を指示する。なお、受信状態が信号安定状態でなければ、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信することができないため、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信したタイミング、すなわち、ミュート処理が開始されたタイミングの受信状態は、信号安定状態である。ミュート処理部42は、HDMI受信部403がミュート解除信号を受信した場合、出力停止の一例であるミュート処理を終了する。換言すれば、ミュート処理部42は、ミュート解除信号を受信した場合、出力停止の解除を指示する。
ミュート処理部42は、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信したタイミング以降に、HDMI受信部403が一定の周波数で受信し続けていたクロック信号の周波数が乱れたことに基づき、受信状態が信号安定状態から信号不安定状態になったと受信状態判別部43によって判別された場合、HDMI受信部403がクロック信号を一定の周波数で受信し続けられるようになったことに基づき、受信状態が信号不安定状態から信号安定状態になったと受信状態判別部43によって判別されたときに、HDMI受信部403がミュート解除信号を受信していなくても、出力停止の一例であるミュート処理を終了する。換言すれば、ミュート処理部42は、HDMI受信部403によるミュート指示信号の受信後に、受信状態が信号安定状態から信号不安定状態へ変化したことを受信状態判別部43が検出し、かつ受信状態が信号不安定状態から信号安定状態へ変化したことを受信状態判別部43が検出した場合に、HDMI受信部403がミュート解除信号を受信していなくても出力停止の解除を指示する。
すなわち、ミュート処理部42は、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信したタイミング以降に、受信状態が信号安定状態から信号不安定状態になった場合、HDMI受信部403がミュート解除信号を受信したタイミングと、受信状態が信号不安定状態から信号安定状態になったタイミングと、のうち早い方のタイミングでミュート処理を終了する。
上述したように、ミュート処理部42は、HDMI受信部403によるミュート解除信号の受信の有無と、HDMI受信部403の受信状態と、に応じてミュート処理を制御する。このような構成により、投影装置4は、ミュート処理を適切に制御することができる。
具体的に、投影制御装置3は、上述したように、設定変更処理を実行する場合、設定変更処理を開始する前にミュート指示信号を投影装置4へ送信する。投影装置4は、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信した場合、ミュート処理を開始する。投影制御装置3は、設定変更処理が完了したときに、ミュート解除信号を投影装置4へ送信する。投影装置4は、HDMI受信部403がミュート解除信号を受信した場合、ミュート処理を終了する。このような構成により、投影装置4は、設定変更処理が未だ完了しておらず、投影制御装置3がミュート解除信号を送信していないときに、ミュート処理が終了されてしまう可能性を低下させることができる。このような構成によれば、投影装置4が、設定変更処理が未だ完了しておらず、HDMI受信部403の受信状態が依然として信号不安定状態であるときにHDMI受信部403により受信されたデータ信号に応じて画像及び音声を出力してしまい、画像のちらつき又は音声ノイズが発生する可能性を低下させることができる。すなわち、このような構成によれば、投影装置4は、ミュート処理を適切に制御することができる。
設定変更処理が完了したことに応じて投影制御装置3から投影装置4へミュート解除信号が送信されたタイミングにおいて、投影装置4へ送信されるクロック信号の周波数が、設定変更処理が完了しているにも関わらず未だ一定になっておらず、HDMI受信部403の受信状態が依然として信号不安定状態であった場合、HDMI受信部403が、ミュート解除信号の受信に失敗する虞がある。このとき、投影装置4が、HDMI受信部403によるミュート解除信号の受信の有無のみに応じてミュート処理の終了を制御していた場合、設定変更処理の実行に伴って開始され、設定変更処理の完了に伴って終了するべきミュート処理が、設定変更処理が完了し、投影制御装置3からミュート解除信号が送信された後も不必要に継続されてしまい、データ信号に応じた画像及び音声の出力が再開されないため、ユーザにとって不便である。
しかし、投影装置4は、上述したように、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信したタイミング以降に、受信状態が信号安定状態から信号不安定状態になったと判別された場合、受信状態が信号不安定状態から信号安定状態になったと判別されたときに、HDMI受信部403がミュート解除信号を受信していなくても、ミュート処理を終了する。このような構成により、投影装置4は、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信したタイミング以降に、設定変更処理が行われ、クロック信号の周波数が乱れたことに応じて、受信状態が信号安定状態から信号不安定状態になったと判別された場合に、受信状態が信号不安定状態である期間にHDMI受信部403がミュート解除信号の受信に失敗したとしても、設定変更処理が完了し、HDMI受信部403がクロック信号を一定の周波数で受信し続けられるようになったとき、受信状態が信号不安定状態から信号安定状態になったと判別されたことに応じてミュート処理を終了することができる。換言すれば、投影装置4は、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信したタイミング以降に、受信状態が信号安定状態から信号不安定状態になったと判別された場合、実行中のミュート処理が、設定変更処理の実行に伴うミュート処理であるものと推定し、受信状態が信号不安定状態から信号安定状態になったときに、当該設定変更処理が完了したものと推定して、HDMI受信部403がミュート解除信号を受信していなくても、実行中のミュート処理を終了する。このような構成により、投影装置4は、ミュート処理が不必要に継続される可能性を低下させることができる。すなわち、投影装置4は、このような構成により、ミュート処理を適切に制御することができる。
次に、投影装置4の動作について、比較例に係る投影装置の動作と比較することにより説明する。まず、投影制御装置3からミュート指示信号を受信した場合にミュート処理を開始し、投影制御装置3からミュート解除信号を受信した場合にミュート処理を終了する比較例に係る投影装置の動作について図4を参照して説明する。本実施形態に係る投影装置4が、上述したように、HDMI受信部403の受信状態に応じてミュート処理の終了を制御するのに対して、比較例に係る投影装置は、HDMI受信部403の受信状態を参酌することなく、ミュート解除信号の受信の有無のみに応じてミュート処理の終了を制御する。
以下、図4に示す時刻T1において、投影制御装置3が、出力解像度、出力信号種別又は出力フレームレートを変更する指示を受け付けた場合を例に用いて説明する。投影制御装置3は、時刻T1において上述の指示を受け付けたことに応じて、時刻T1より後の時刻T2において、ミュート指示信号を投影装置4へ送信したものとする。比較例に係る投影装置は、時刻T2において、投影制御装置3からミュート指示信号を受信したことに応じてミュート処理を開始する。投影制御装置3は、ミュート指示信号を送信した時刻T2より後の時刻T3において、時刻T1で受け付けた指示に従い、出力解像度、出力信号種別又は出力フレームレートを変更すると共に、クロック信号の周波数を変更する設定変更処理を開始したものとする。時刻T3において開始された設定変更処理は、時刻T5において完了したものとする。このとき、比較例に係る投影装置による信号の受信状態は、クロック信号の周波数を変更する設定変更処理が行われ、クロック信号の周波数が乱れたことにより、設定変更処理が開始された時刻T3より後の時刻T4から、設定変更処理が完了した時刻T5より後の時刻T7までの期間にわたって信号不安定状態になったものとする。すなわち、時刻T4において、一定だったクロック信号の周波数が乱れ、受信状態が信号安定状態から信号不安定状態になり、時刻T7において、乱れていたクロック信号の周波数が一定になり、受信状態が信号不安定状態から信号安定状態になったものとする。投影制御装置3は、時刻T5において設定変更処理が完了したことに応じて、受信状態が信号不安定状態から信号安定状態になる時刻T7より前の時刻T6において、ミュート解除信号を投影装置4へ送信したものとする。比較例に係る投影装置は、受信状態が依然として信号不安定状態である時刻T6において、投影制御装置3から送信されたミュート解除信号の受信に失敗したものとする。この場合、比較例に係る投影装置は、本来であれば、時刻T6において、投影制御装置3からミュート解除信号を受信し、受信したミュート解除信号に従ってミュート処理を終了するべきであったにも関わらず、ミュート解除信号の受信に失敗したことにより、時刻T6以降もミュート処理を終了することなく継続する。このような場合、時刻T6以降もデータ信号に応じた画像及び音声の出力が再開されず、ユーザにとって不便である。
次に、本実施形態に係る投影装置4の動作について、図5を参照しつつ、比較例に係る投影装置の動作の説明に用いた上述の状況と同様の状況を例に用いて説明する。すなわち、図5に示す例において、投影制御装置3は、時刻T1において、出力解像度、出力信号種別又は出力フレームレートを変更する指示を受け付け、時刻T2において、ミュート指示信号を投影装置4へ送信し、時刻T3から時刻T5にわたって設定変更処理を行い、時刻T6において、ミュート解除信号を投影装置4へ送信する。投影装置4は、時刻T2において、HDMI受信部403が投影制御装置3からミュート指示信号を受信したことに応じて、ミュート処理を開始する。時刻T3において投影制御装置3により設定変更処理が開始されたことにより、時刻T3より後の時刻T4において、一定だったクロック信号の周波数が乱れ、投影装置4が備えるHDMI受信部403の受信状態が、信号安定状態から信号不安定状態になったものとする。また、時刻T5において投影制御装置3による設定変更処理が完了したことにより、時刻T5より後の時刻T7において、乱れていたクロック信号の周波数が一定になり、受信状態が信号不安定状態から信号安定状態になったものとする。投影装置4は、受信状態が依然として信号不安定状態である時刻T6において投影制御装置3から送信されたミュート解除信号の受信に失敗したものとする。この場合、投影装置4は、比較例に係る投影装置と同様に、本来であれば、時刻T6において、投影制御装置3からミュート解除信号を受信し、受信したミュート解除信号に従ってミュート処理を終了するべきであったにも関わらず、ミュート解除信号の受信に失敗したことにより、時刻T6以降もミュート処理を終了することなく継続する。
しかし、図5に示す例では、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信した時刻T2より後の時刻T4において受信状態が信号安定状態から信号不安定状態になっており、かつ、時刻T4より後の時刻T7において受信状態が信号不安定状態から信号安定状態になっているため、投影装置4は、HDMI受信部403がミュート解除信号を受信していなくても、ミュート処理を終了する。具体的に、投影装置4は、時刻T7において受信状態が信号不安定状態から信号安定状態になったことに応じて、時刻T7より後の時刻T8において、ミュート処理を終了したものとする。このように、投影装置4は、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信した時刻T2より後の時刻T4においてクロック信号の周波数が乱れたことに基づき、実行中のミュート処理が設定変更処理の実行に伴うミュート処理であると推定し、時刻T7において受信状態が信号不安定状態から信号安定状態になったとき、設定変更処理が終了したものと推定して時刻T8においてミュート処理を終了する。このような構成により、投影装置4は、ミュート処理を適切に制御することができる。
以下、上述した物理的・機能的構成を備える投影制御装置3が実行する送信処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。投影制御装置3は、HDMIケーブル5を介して投影装置4に接続されている。投影制御装置3は、投影制御装置3の外部の情報処理装置により生成されたコンテンツデータ及び周波数決定データを、無線通信部306を介して取り込み、記憶部301に予め記憶している。表示部303は、指示受付画面を表示している。この状態において、指示受付部30が、ユーザが操作部302を操作することによって入力した、投影装置4による画像及び音声の出力を開始させる出力開始指示を受け付けると、CPU300は、図6のフローチャートに示す送信処理を開始する。
図6のフローチャートに示す送信処理が開始されると、まず、CPU300が、送信開始処理を実行する(ステップS101)。送信開始処理において、CPU300は、記憶部301が備えるRAMの記憶領域に設けられた後述するソースミュートフラグをクリアして初期状態であるオフ状態にセットする。さらに、送信開始処理において、CPU300は、出力解像度を、デフォルトの出力解像度である第1解像度に設定し、出力信号種別を、デフォルトの出力信号種別であるRGB信号に設定し、出力フレームレートを、デフォルトの出力フレームレートである第1フレームレートに設定する。ステップS101の処理の実行後、信号生成部31が、投影装置4による画像及び音声の出力の開始を指示する出力開始信号を生成する(ステップS102)。ステップS102の処理の実行後、送信制御部32が、HDMI送信部305に、ステップS102で生成された出力開始信号を投影装置4へ送信させる(ステップS103)。
ステップS103の処理の実行後、信号生成部31は、データ信号及びクロック信号の生成を開始する(ステップS104)。以後、信号生成部31は、記憶部301に記憶されたコンテンツデータに従い、コンテンツの開始時刻から終了時刻までの期間の各時刻におけるコンテンツの内容を表すデータ信号を時系列順に順次生成する。信号生成部31は、データ信号として、コンテンツ画像信号とコンテンツ音声信号とを生成する。信号生成部31は、コンテンツデータが含むコンテンツ画像データに従い、現在設定されている出力解像度でコンテンツ画像を表し、現在設定されている出力フレームレートを有する、現在設定されている出力信号種別の画像信号を、コンテンツ画像信号として生成する。信号生成部31は、コンテンツデータが含むコンテンツ音声データに従い、コンテンツ音声信号を生成する。また、ステップS104において、信号生成部31は、記憶部301に記憶された周波数決定データを参照することにより、現在設定されている出力解像度、出力信号種別及び出力フレームレートに対応するクロック信号の周波数を特定し、クロック信号発生回路304に、特定された周波数のクロック信号の生成を開始させる。ステップS104の処理の実行後、送信制御部32が、HDMI送信部305に、データ信号及びクロック信号の送信を開始させる(ステップS105)。以後、HDMI送信部305は、送信制御部32による制御に従い、信号生成部31により生成されたデータ信号及びクロック信号を投影装置4へ逐次送信する。
ステップS105の処理の実行後、CPU300は、ソースミュートフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS106)。ソースミュートフラグは、投影装置4がミュート処理を実行している場合、オン状態にセットされており、投影装置4がミュート処理を実行していない場合、オフ状態にセットされている。ステップS106において、CPU300は、ソースミュートフラグがオン状態であるか否かを判定することにより、投影装置4がミュート処理を実行中であるか否かを判定する。ステップS106において、ソースミュートフラグがオン状態にセットされていないと判定された場合、すなわち、投影装置4がミュート処理を実行していないと判定された場合(ステップS106;No)、指示受付部30が、現在設定されている出力解像度、出力信号種別又は出力フレームレートを変更する指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS107)。ステップS107において、出力解像度、出力信号種別又は出力フレームレートを変更する指示を指示受付部30が受け付けていないと判定された場合(ステップS107;No)、処理はステップS116へ移る。
ステップS107において、出力解像度、出力信号種別又は出力フレームレートを変更する指示を指示受付部30が受け付けたと判定された場合(ステップS107;Yes)、信号生成部31が、ミュート指示信号を生成する(ステップS108)。ステップS108の処理の実行後、送信制御部32が、HDMI送信部305に、ステップS108で生成されたミュート指示信号を投影装置4へ送信させる(ステップS109)。ステップS109の処理の実行後、CPU300は、ソースミュートフラグをオン状態にセットする(ステップS110)。このように、投影制御装置3は、出力解像度、出力信号種別又は出力フレームレートを変更する指示を指示受付部30が受け付けた場合(ステップS107;Yes)、設定変更処理を開始する(ステップS111)よりも前に、ミュート指示信号を投影装置4へ送信し(ステップS109)、投影装置4にミュート処理を開始させる。また、ソースミュートフラグは、ミュート指示信号が投影装置4へ送信され(ステップS109)、投影装置4がミュート処理を開始したときにオン状態にセットされる(ステップS110)。
ステップS110の処理の実行後、信号生成部31が、設定変更処理を開始する(ステップS111)。設定変更処理において、信号生成部31は、現在設定されている出力解像度、出力信号種別及び出力フレームレートを、ユーザが指定した出力解像度、出力信号種別及び出力フレームレートへ変更する。さらに、設定変更処理において、信号生成部31は、周波数決定データを参照することにより、変更後の出力解像度、出力信号種別及び出力フレームレートに対応するクロック信号の周波数を特定し、クロック信号発生回路304が生成するクロック信号の周波数を、現在設定されている周波数から、特定された周波数へ変更させる。ステップS111の処理の実行後、処理はステップS116へ移る。
ステップS106において、ソースミュートフラグがオン状態であると判定された場合、すなわち、投影装置4がミュート処理を実行中であると判定された場合(ステップS106;Yes)、CPU300は、ステップS111で開始された設定変更処理が完了したか否かを判定する(ステップS112)。ステップS112において、設定変更処理が未だ完了していないと判定された場合(ステップS112;No)、処理はステップS116へ移る。ステップS112において、設定変更処理が完了したと判定された場合(ステップS112;Yes)、信号生成部31が、ミュート解除信号を生成する(ステップS113)。ステップS113の処理の実行後、送信制御部32が、HDMI送信部305に、ステップS113で生成されたミュート解除信号を投影装置4へ送信させる(ステップS114)。ステップS114の処理の実行後、CPU300は、ソースミュートフラグをクリアしてオフ状態にセットする(ステップS115)。ステップS115の処理の実行後、処理はステップS116へ移る。このように、投影制御装置3は、設定変更処理が完了した場合(ステップS112;Yes)、ミュート解除信号を投影装置4へ送信し(ステップS114)、投影装置4にミュート処理を終了させる。また、ソースミュートフラグは、ミュート解除信号が投影装置4へ送信され(ステップS114)、投影装置4がミュート処理を終了したときにオフ状態にセットされる(ステップS115)。
ステップS116において、CPU300は、投影装置4による画像及び音声の出力を終了させる出力終了指示を指示受付部30が受け付けたか否かを判定する(ステップS116)。ステップS116において、出力終了指示を指示受付部30が受け付けていないと判定された場合(ステップS116;No)、処理はステップS106へ戻る。ステップS116において、出力終了指示を指示受付部30が受け付けたと判定された場合(ステップS116;Yes)、送信制御部32が、HDMI送信部305に、データ信号及びクロック信号の生成を終了させる(ステップS117)。ステップS117の処理の実行後、信号生成部31が、データ信号及びクロック信号の送信を終了する(ステップS118)。ステップS118の処理の実行後、信号生成部31は、投影装置4による画像及び音声の出力の終了を指示する出力終了信号を生成する(ステップS119)。ステップS119の処理の実行後、送信制御部32が、HDMI送信部305に、ステップS119で生成された出力終了信号を投影装置4へ送信させ(ステップS120)、送信処理を終了する。
次に、上述した物理的・機能的構成を備える投影装置4が実行する受信処理について、図7のフローチャートを参照して説明する。投影装置4は、HDMIケーブル5を介して投影制御装置3に接続されている。この状態において、投影制御装置3が、上述した送信処理を実行することにより出力開始信号を投影装置4へ送信し、投影装置4が備えるHDMI受信部403が出力開始信号を受信すると、CPU400が、図7のフローチャートに示す受信処理を開始する。
図7のフローチャートに示す受信処理が開始されると、まず、CPU400が、受信開始処理を実行する(ステップS201)。受信開始処理において、CPU400は、記憶部401が備えるRAMの記憶領域に設けられた何れも後述するシンクミュートフラグ及び不安定フラグをクリアして初期状態であるオフ状態にセットする。ステップS201の処理の実行後、受信制御部40が、HDMI受信部403に、データ信号及びクロック信号の受信を開始させる(ステップS202)。以後、HDMI受信部403は、受信制御部40による制御に従い、データ信号及びクロック信号を投影制御装置3から逐次受信する。ステップS202の処理の実行後、CPU400は、ミュート処理の実行を制御するミュート実行制御処理を実行する(ステップS203)。ステップS203で実行されるミュート実行制御処理の詳細については、後述する。
ステップS203のミュート実行制御処理の実行後、CPU400は、シンクミュートフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS204)。シンクミュートフラグは、ミュート処理部42がミュート処理を実行している場合、オン状態にセットされており、ミュート処理部42がミュート処理を実行していない場合、オフ状態にセットされている。ステップS204において、CPU400は、シンクミュートフラグがオン状態であるか否かを判定することにより、ミュート処理部42がミュート処理を実行中であるか否かを判定する。
ステップS204において、シンクミュートフラグがオフ状態であると判定された場合、すなわち、ミュート処理部42がミュート処理を実行していないと判定された場合(ステップS204;No)、出力部41が、HDMI受信部403が投影制御装置3から受信したデータ信号に応じて画像及び音声を出力する(ステップS205)。ステップS205において、出力部41は、画像投影部406を制御し、受信されたデータ信号が含むコンテンツ画像信号が表すコンテンツ画像を投影面2に投影させると共に、音声出力部407を制御し、当該データ信号が含むコンテンツ音声信号が表すコンテンツ音声を出力させる。ステップS205の処理の実行後、処理はステップS206へ移る。ステップS204において、シンクミュートフラグがオン状態であると判定された場合、すなわち、ミュート処理部42がミュート処理を実行中であると判定された場合(ステップS204;Yes)、データ信号に応じて画像及び音声を出力するステップS205の処理が実行されることなく、処理はステップS206へ移る。
ステップS206において、CPU400は、HDMI受信部403が出力終了信号を投影制御装置3から受信したか否かを判定する(ステップS206)。ステップS206において、HDMI受信部403が出力終了信号を受信していないと判定された場合(ステップS206;No)、処理はステップS203へ戻る。ステップS206において、HDMI受信部403が出力終了信号を受信したと判定された場合(ステップS206;Yes)、受信制御部40が、HDMI受信部403に、データ信号及びクロック信号の受信を終了させ(ステップS207)、受信処理を終了する。
以下、上述した受信処理のステップS203にて実行されるミュート実行制御処理の詳細について説明する。ステップS203において、CPU400は、図8のフローチャートに示すミュート実行制御処理を実行する。
図8のフローチャートに示すミュート実行制御処理が開始されると、まず、CPU400は、シンクミュートフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS301)。ステップS301において、シンクミュートフラグがオン状態であると判定された場合(ステップS301;Yes)、処理はステップS305へ移る。ステップS301において、シンクミュートフラグがオフ状態であると判定された場合(ステップS301;No)、CPU400は、HDMI受信部403が投影制御装置3からミュート指示信号を受信したか否かを判定する(ステップS302)。ステップS302において、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信していないと判定された場合(ステップS302;No)、CPU400は、ミュート実行制御処理を終了する。ステップS302において、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信したと判定された場合(ステップS302;Yes)、ミュート処理部42が、ミュート処理を開始する(ステップS303)。ステップS303の処理の実行後、CPU400は、シンクミュートフラグをオン状態にセットする(ステップS304)。ステップS304の処理の実行後、処理はステップS305へ移る。このように、シンクミュートフラグは、ミュート処理部42がミュート処理を開始したこと(ステップS303)に応じてオン状態にセットされる(ステップS304)。
ステップS305において、CPU400は、不安定フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS305)。不安定フラグは、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信したタイミング以降に、受信状態が信号安定状態から信号不安定状態に未だなっていない場合、オフ状態にセットされており、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信したタイミング以降に、受信状態が信号安定状態から信号不安定状態になったことがある場合、オン状態にセットされている。ステップS305において、CPU400は、不安定フラグがオン状態であるか否かを判定することにより、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信したタイミング以降に、受信状態が信号安定状態から信号不安定状態になったことがあるか否かを判定する。ステップS305の処理は、シンクミュートフラグがオン状態である場合(ステップS301;Yes)や、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信したこと(ステップS302;Yes)に応じてミュート処理が開始され(ステップS303)、シンクミュートフラグがオン状態にセットされた(ステップS304)後に実行される。すなわち、ステップS305の処理は、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信したタイミング以降に、ミュート処理が実行されている状態において実行される。
ステップS305において、不安定フラグがオフ状態であると判定された場合、すなわち、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信したタイミング以降に、受信状態が信号安定状態から信号不安定状態に未だなっていないと判定された場合(ステップS305;No)、受信状態判別部43が、クロック信号安定判定回路404に、HDMI受信部403が投影制御装置3から受信したクロック信号の周波数が一定であるか否かを判定させる(ステップS306)。ステップS306において、クロック信号の周波数が乱れていると判定された場合(ステップS306;No)、受信状態判別部43は、受信状態が信号安定状態から信号不安定状態になったと判別する(ステップS307)。このような構成により、受信状態判別部43は、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信したタイミング以降、受信状態が信号安定状態から信号不安定状態に未だなっておらず、HDMI受信部403がクロック信号を一定の周波数で受信し続けていた場合(ステップS305;No)に、クロック信号の周波数が乱れたとき(ステップS306;No)、受信状態が信号安定状態から信号不安定状態になったと判別する(ステップS307)。ステップS307の処理の実行後、CPU400は、不安定フラグをオン状態にセットする(ステップS308)。このように、不安定フラグは、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信したタイミング以降に、受信状態が信号安定状態から信号不安定状態になったこと(ステップS307)に応じてオン状態にセットされる(ステップS308)。ステップS308の処理の実行後、処理はステップS310へ移る。ステップS306において、クロック信号の周波数が一定であると判定された場合(ステップS306;Yes)、受信状態判別部43は、現在の受信状態が信号安定状態であると判別する(ステップS309)。ステップS309の処理の実行後、処理はステップS310へ移る。
ステップS305において、不安定フラグがオン状態であると判定された場合、すなわち、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信したタイミング以降に、受信状態が信号安定状態から信号不安定状態になったことがあると判定された場合(ステップS305;Yes)、受信状態判別部43が、クロック信号安定判定回路404に、HDMI受信部403が投影制御装置3から受信したクロック信号の周波数が一定であるか否かを判定させる(ステップS313)。ステップS313において、クロック信号の周波数が乱れていると判定された場合(ステップS313;No)、受信状態判別部43は、現在の受信状態が信号不安定状態であると判別する(ステップS314)。ステップS314の処理の実行後、処理はステップS310へ移る。
ステップS310において、CPU400は、HDMI受信部403が投影制御装置3からミュート解除信号を受信したか否かを判定する(ステップS310)。ステップS310において、HDMI受信部403がミュート解除信号を受信していないと判定された場合(ステップS310;No)、CPU400は、ミュート実行制御処理を終了する。ステップS310において、HDMI受信部403がミュート解除信号を受信したと判定された場合(ステップS310;Yes)、ミュート処理部42が、ミュート処理を終了する(ステップS311)。ステップS311の処理の実行後、CPU400は、シンクミュートフラグをクリアしてオフ状態にセットし(ステップS312)、ミュート実行制御処理を終了する。このような構成により、投影装置4は、HDMI受信部403がミュート解除信号を受信した場合(ステップS310;Yes)、ミュート処理を終了する(ステップS311)。また、このように、シンクミュートフラグは、ミュート処理部42がミュート処理を終了したこと(ステップS311)に応じてオフ状態にセットされる(ステップS312)。
ステップS313において、クロック信号の周波数が一定であると判定された場合(ステップS313;Yes)、受信状態判別部43は、受信状態が信号不安定状態から信号安定状態になったと判別する(ステップS315)。このような構成により、受信状態判別部43は、受信状態が信号安定状態から信号不安定状態になった後に(ステップS305;Yes)、HDMI受信部403がクロック信号を一定の周波数で受信し続けられるようになった場合(ステップS313;Yes)、受信状態が信号不安定状態から信号安定状態になったと判別する(ステップS315)。ステップS315の処理の実行後、CPU400は、不安定フラグをクリアしてオフ状態にセットする(ステップS316)。ステップS316の処理の実行後、ミュート処理部42が、ミュート処理を終了する(ステップS311)。ステップS311の処理の実行後、CPU400は、シンクミュートフラグをクリアしてオフ状態にセットし(ステップS312)、ミュート実行制御処理を終了する。このように、不安定フラグは、ミュート処理部42がミュート処理を終了したこと(ステップS311)に応じてオフ状態にセットされる(ステップS316)。
上述したように、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信した(ステップS302;Yes)タイミング以降に、HDMI受信部403が一定の周波数で受信し続けていたクロック信号の周波数が乱れたこと(ステップS306;No)に基づき、受信状態が信号安定状態から信号不安定状態になったと受信状態判別部43によって判別された場合(ステップS307)、不安定フラグがオン状態にセットされる(ステップS308)。投影装置4は、ミュート処理が実行されている状態において、不安定フラグがオン状態である場合(ステップS305;Yes)、受信状態が信号不安定状態から信号安定状態になったとき(ステップS315)に、HDMI受信部403がミュート解除信号を受信したか否かを判定するステップS310の処理を実行することなく、ミュート処理を終了する(ステップS311)。このような構成により、投影装置4は、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信したタイミング以降に、受信状態が信号安定状態から信号不安定状態になった場合、受信状態が信号不安定状態から信号安定状態になったときに、HDMI受信部403がミュート解除信号を受信していなくても、ミュート処理を終了する。
以上説明したように、投影装置4は、HDMI受信部403によるミュート指示信号の受信後に、HDMI受信部403によるクロック信号の受信状態が信号安定状態から信号不安定状態へ変化したことを検出し、かつクロック信号の受信状態が信号不安定状態から信号安定状態へ変化したことを検出した場合に、HDMI受信部403がミュート解除信号を受信していなくてもミュート処理を終了する(すなわち、出力停止の解除を指示する)。このような構成によれば、出力停止の一例であるミュート処理を適切に制御することができる。
また、投影装置4は、HDMI受信部403がミュート解除信号を受信した場合、ミュート処理を終了する。このような構成によれば、ミュート処理を適切に制御することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態において、ミュート処理部42が、HDMI受信部403によるミュート指示信号の受信後に、HDMI受信部403によるクロック信号の受信状態が、信号安定状態から信号不安定状態へ変化したことを受信状態判別部43が検出し、かつ、当該受信状態が信号不安定状態から信号安定状態へ変化したことを受信状態判別部43が検出した場合、当該受信状態が継続して信号安定状態である継続時間が基準時間を超えるまでミュート処理を継続させ(すなわち、出力停止を継続させ)、当該継続時間が当該基準時間を超えたときにミュート処理を終了させるように構成してもよい。具体的に、この場合、記憶部401が備えるRAMの記憶領域に、継続時間を計測するタイマを設け、ミュート処理部42が、当該タイマのタイマ値が基準時間に対応する閾値以下であればミュート処理を継続し、当該タイマ値が当該閾値を超えたときにミュート処理を終了するように構成すればよい。
このような構成によれば、投影装置4は、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信したタイミング以降に、受信状態が、信号安定状態から信号不安定状態になり、その後、信号不安定状態から信号安定状態になった場合、受信状態が、信号安定状態になってから基準時間以内に、再び信号不安定状態になったとき、ミュート処理を継続しているため、受信状態が信号不安定状態である期間に受信されたデータ信号に応じて画像及び音声が出力されることにより画像のちらつき又は音声ノイズが発生する可能性を低下させることができる。すなわち、このような構成によれば、ミュート処理を適切に制御することができる。
上記実施形態において、受信状態判別部43が、HDMI受信部403によるクロック信号の受信状態が、信号安定状態と、信号不安定状態と、HDMI受信部403により受信されたクロック信号の周波数が一定であるにも関わらずHDMI受信部403がデータ信号を受信できないときがある受信異常状態と、のうち何れの状態であるかを判別し、ミュート処理部42が、当該判別の結果に応じてミュート処理を制御するように構成してもよい。HDMIケーブル5の品質不良、HDMI受信部403の備えるコネクタとHDMIケーブル5との間の接続不良等の、投影制御装置3から送信されるクロック信号の周波数の変更以外の要因により、投影制御装置3と投影装置4との間の通信状態が悪化した場合、受信状態が受信異常状態になる。
この場合、受信状態判別部43は、HDMI受信部403が投影制御装置3からデータ信号を正常に受信できるか否かを判定し、HDMI受信部403がデータ信号を正常に受信できると判定した場合、受信状態が信号安定状態であると判別し、HDMI受信部403がデータ信号を正常に受信できないと判定した場合、受信状態が信号不安定状態又は受信異常状態であると判別する。より具体的に、受信状態判別部43は、HDMI受信部403が受信したデータ信号に対してエラー率の検出を行い、検出されたエラー率が予め設定された正常閾値以下である場合、HDMI受信部403がデータ信号を正常に受信できると判定し、検出されたエラー率が正常閾値より大きい場合、HDMI受信部403がデータ信号を正常に受信できないと判定する。本変形例では、HDMI受信部403がデータ信号を正常に受信できる場合におけるデータ信号のエラー率である第1エラー率と、HDMI受信部403が信号を正常に受信できない場合におけるデータ信号のエラー率である第2エラー率と、を測定する実験を行い、測定された第1エラー率より大きく、測定された第2エラー率より小さい値を、正常閾値として予め設定している。受信状態判別部43は、受信状態が信号不安定状態又は受信異常状態であると判別した場合、クロック信号安定判定回路404に、HDMI受信部403が受信したクロック信号の周波数が一定であるか否かを判定させ、クロック信号の周波数が一定であると判定された場合、受信状態が受信異常状態であると判別し、クロック信号の周波数が乱れていると判定された場合、受信状態が信号不安定状態であると判別する。
ミュート処理部42は、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信したタイミング以降に、受信状態が信号安定状態から受信異常状態になったと判別された場合、HDMI受信部403がミュート解除信号を投影制御装置3から受信するまでミュート処理を継続し、HDMI受信部403がミュート解除信号を受信したときにミュート処理を終了する。また、ミュート処理部42は、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信したタイミング以降に、受信状態が、信号安定状態から受信異常状態になったと判別された場合、受信状態が受信異常状態から信号安定状態になったときにミュート処理を継続し、HDMI受信部403がミュート解除信号を受信したことに応じてミュート処理を終了する。換言すれば、ミュート処理部42は、HDMI受信部403によるミュート指示信号の受信後に、クロック信号の受信状態が、信号安定状態から受信異常状態へ変化したことを受信状態判別部43が検出し、かつクロック信号の受信状態が受信異常状態から信号安定状態へ変化したことを受信状態判別部43が検出した場合、ミュート処理を継続させる(すなわち、出力停止を継続させる)。
このような構成により、HDMI受信部403がミュート指示信号を受信し、ミュート処理が開始されたタイミング以降に、HDMI受信部403が備えるコネクタとHDMIケーブル5との間の接続不良等の要因により、受信状態が信号安定状態から受信異常状態になり、その後、当該要因が除去されたことにより受信状態が受信異常状態から信号安定状態になった場合に、投影制御装置3がミュート解除信号を送信していないにも関わらずミュート処理が終了されてしまう可能性を低下させることができる。すなわち、このような構成によれば、出力停止の一例であるミュート処理を適切に制御することができる。
なお、本発明に係る各機能を実現するための構成を予め備えた専用の受信装置を本発明に係る受信装置として提供できることはもとより、プログラムの適用により、既存の受信装置を、本発明に係る受信装置として機能させることもできる。すなわち、本発明に係る受信装置の各機能を実現させるためのプログラムを、既存の受信装置を制御するCPU等のプロセッサが実行できるように適用することで、当該既存の受信装置を本発明に係る受信装置として機能させることができる。
なお、このようなプログラムの適用方法は任意である。プログラムを、例えば、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、メモリーカード等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納して適用できる。さらに、プログラムを搬送波に重畳し、インターネット等の通信媒体を介して適用することもできる。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)にプログラムを掲示して配信してもよい。そして、このプログラムを起動し、OS(Operating System)の制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上記の処理を実行できるように構成してもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とが含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記1)
送信装置から送信されるデータ信号、クロック信号、出力停止信号及び出力停止解除信号を受信する信号受信部と、
少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
受信される前記データ信号に応じた出力を指示し、
前記データ信号に応じた出力中に前記出力停止信号を受信した場合、前記データ信号に応じた出力停止を指示し、
前記出力停止信号の受信後に、前記クロック信号の受信状態が第1状態から第2状態へ変化したことを検出し、かつ前記クロック信号の受信状態が前記第2状態から前記第1状態へ変化したことを検出した場合に、前記出力停止解除信号を受信していなくても前記出力停止の解除を指示する、
ことを特徴とする受信装置。
(付記2)
前記クロック信号の受信状態が前記第1状態である場合、前記信号受信部が前記データ信号を受信することが可能であり、
前記クロック信号の受信状態が前記第2状態である場合、前記信号受信部が前記データ信号を受信できないときがある、
ことを特徴とする付記1に記載の受信装置。
(付記3)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記出力停止解除信号を受信した場合、前記出力停止の解除を指示する、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の受信装置。
(付記4)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記出力停止信号の受信後に、前記クロック信号の受信状態が、前記第1状態から前記第2状態へ変化したことを検出し、かつ前記クロック信号の受信状態が前記第2状態から前記第1状態へ変化したことを検出した場合、前記クロック信号の受信状態が継続して前記第1状態である継続時間が基準時間を超えるまで前記出力停止を継続させ、前記継続時間が前記基準時間を超えたときに前記出力停止の解除を指示する、
ことを特徴とする付記1乃至3の何れか一つに記載の受信装置。
(付記5)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記出力停止信号の受信後に、前記クロック信号の受信状態が、前記第1状態から前記クロック信号の周波数が一定であるにも関わらず前記データ信号を受信できないときがある第3状態へ変化したことを検出し、かつ前記クロック信号の受信状態が前記第3状態から前記第1状態へ変化したことを検出した場合、前記出力停止を継続させる、
ことを特徴とする付記1乃至4の何れか一つに記載の受信装置。
(付記6)
投影面に画像を投影する画像投影部と、
音声を出力する音声出力部と、
をさらに備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記画像投影部に、前記データ信号に応じた画像を投影させ、
前記音声出力部に、前記データ信号に応じた音声を出力させる、
ことを特徴とする付記1乃至5の何れか一つに記載の受信装置。
(付記7)
送信装置から受信されるデータ信号に応じた出力を指示し、
前記データ信号に応じた出力中に前記送信装置から出力停止信号を受信した場合、前記データ信号に応じた出力停止を指示し、
前記出力停止信号の受信後に、前記送信装置から受信されるクロック信号の受信状態が第1状態から第2状態へ変化したことを検出し、かつ前記クロック信号の受信状態が前記第2状態から前記第1状態へ変化したことを検出した場合に、前記送信装置から出力停止解除信号を受信していなくても前記出力停止の解除を指示する、
ことを特徴とする受信方法。
(付記8)
少なくとも1つのプロセッサに、
送信装置から受信されるデータ信号に応じた出力を指示させ、
前記データ信号に応じた出力中に前記送信装置から出力停止信号を受信した場合、前記データ信号に応じた出力停止を指示させ、
前記出力停止信号の受信後に、前記送信装置から受信されるクロック信号の受信状態が第1状態から第2状態へ変化したことを検出し、かつ前記クロック信号の受信状態が前記第2状態から前記第1状態へ変化したことを検出した場合に、前記送信装置から出力停止解除信号を受信していなくても前記出力停止の解除を指示させる、
ことを特徴とするプログラム。