JP7143629B2 - 骨形成促進材 - Google Patents

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Description

本発明は、骨分化を促進する培養技術に関する。
近年、iPS細胞、ES細胞や間葉系幹細胞を用いた再生医療の研究が盛んにおこなわれている。しかし、iPS細胞やES細胞等の多能性幹細胞は生体内でのがん化の危険性や倫理的な問題から、普遍的な臨床応用への展開にはまだ課題が多い。一方、間葉系幹細胞は取扱いが容易であり、腫瘍化のリスクが低いことから、より早期に実臨床に応用できることが期待される。間葉系幹細胞は、軟骨、脂肪及び骨へ分化することが一般的に知られており、最近では神経や肝臓など外胚葉系や中胚葉系にも分化し得ることが示唆されている。骨芽細胞は生体内から採取可能ではあるが、その採取量には限りがあることから、インビトロでの分化誘導により骨芽細胞を大量に得ることができれば、再生医療への応用が期待できる。間葉系幹細胞からの骨芽細胞分化には、骨芽細胞への分化を誘導する遺伝子を導入する手法や、骨芽細胞分化誘導因子の組み換えタンパク質を使用する方法が主に用いられている。その他に、低分子化合物を用いて多能性幹細胞の骨芽細胞への分化を誘導する方法も知られている(非特許文献1)。しかし、これらの条件による骨分化の効率は、まだ十分に満足できるものではなく、既存の骨分化をより促進する材料の開発は、今後の再生医療実用化に向けて重要である。
多糖類を用いた骨分化誘導に関していくつかの報告がある。非特許文献2では、バイオガラス、ジェランガム、キサンタンガム及びCaもしくはZnイオンの複合体からなるナノパーティクルによる骨分化促進が報告されている。また、非特許文献3ではジェランガム、キサンタンガム及びCaイオンを含むハイドロゲルにサイトカインを封入したキトサンナノパーティクルを用いた骨分化促進が報告されている。更に、ジェランガムでコートしたgold nanorodsによる骨分化促進が報告されている (非特許文献4)。しかし、いずれのケースにおいても、多糖類が固相として培養に供されており、培地中に溶解した多糖類が骨分化促進効果を有するか否かは不明である。
本発明者らは、液体培地中の粘度を実質的に高めることなく、浮遊状態を維持したまま、細胞や組織を培養することが可能な培地組成物の開発に成功している(特許文献1、2)。また、この培地組成物を用いた赤血球の製造方法(特許文献3)、血管平滑筋細胞の培養方法(特許文献4)、担癌哺乳動物モデルの作成方法(特許文献5)、癌細胞と癌周囲細胞を共培養する方法(特許文献6)等が報告されている。更に、細胞回収性が改善された培地組成物が報告されている(特許文献7)。
国際公開第2014/017513号 米国特許出願公開第2014/0106348号明細書 米国特許出願公開第2016/0060601号明細書 国際公開第2016/121896号 国際公開第2016/125884号 国際公開第2017/057599号 国際公開第2017/154952号
Stem Cell Reports 2014 2(6):751-60 ACS Appl. Mater. Interfaces 2016, 8, 13735-13747 International Journal of Nanomedicine 2013:8 47-59 RSC Adv., 2015, 5, 77996-78005
本発明は、骨分化(骨芽細胞への分化、骨芽細胞の石灰化等)を促進する新たな培養技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意工夫を重ねた結果、脱アシル化ジェランガム、寒天、ダイユータンガム、キサンタンガム等の多糖類を溶解した液体培地中で、間葉系幹細胞の骨芽細胞への分化を誘導すると、多糖類を含まない対照液体培地と比較して分化が促進されることを見出した。更に、多糖類を溶解した液体培地中で、骨芽細胞の石灰化を誘導すると、多糖類を含まない対照液体培地と比較して石灰化が促進されることを見出した。従来、多糖類を含有するゲル(固相)を足場材等として骨芽細胞の培養に使用し、骨分化を誘導した試験は報告されているが、多糖類を含有する液体培地(即ち、多糖類の水溶液)が、骨分化を促進したことは報告されていない。これらの知見に基づき、更に検討を加え、本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下に関する。
[1]多糖類を溶解した状態で含有する、骨分化促進用液体培地組成物。
[2]多糖類が、脱アシル化ジェランガム、寒天、ダイユータンガム、キサンタンガム又はそれらの塩である、[1]記載の液体培地組成物。
[3]多糖類が、脱アシル化ジェランガム又はその塩である、[2]記載の液体培地組成物。
[4]骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞を、[1]~[3]の何れか記載の液体培地組成物中で培養し、骨芽細胞への分化を誘導することを含む、骨芽細胞の製造方法。
[5]該間葉系細胞が、間葉系幹細胞である、[4]記載の製造方法。
[6]該間葉系細胞を、該液体培地組成物中で接着培養する、[4]又は[5]記載の製造方法。
[7]該液体培地組成物が、骨芽細胞分化誘導因子を含有する、[4]~[6]の何れか記載の製造方法。
[8]骨芽細胞分化誘導因子が、グルココルチコイド受容体作動剤、β-グリセロホスフェート、アスコルビン酸類、骨形成タンパク質、Rhoキナーゼ阻害剤、増殖因子、フラボン類、フラボノール類、フラバノン類、及びフラバノール類からなる群から選択される少なくとも1つの因子である、[7]記載の製造方法。
[9]骨芽細胞分化誘導因子が、β-グリセロホスフェート、及びアスコルビン酸類又はその塩を含む、[8]記載の製造方法。
[10]骨芽細胞を、[1]~[3]の何れか記載の液体培地組成物中で培養し、石灰化を誘導することを含む、骨芽細胞の石灰化誘導方法。
[11]該骨芽細胞を、該液体培地組成物中で接着培養する、[10]記載の製造方法。
[12]該液体培地組成物が、骨芽細胞石灰化誘導因子を含有する、[10]又は[11]記載の方法。
[13]骨芽細胞石灰化誘導因子が、骨芽細胞分化誘導因子が、グルココルチコイド受容体作動剤、β-グリセロホスフェート、アスコルビン酸類、骨形成タンパク質、Rhoキナーゼ阻害剤、増殖因子、フラボン類、フラボノール類、フラバノン類、及びフラバノール類からなる群から選択される少なくとも1つの因子である、[12]記載の製造方法。
[14]骨芽細胞石灰化誘導因子が、β-グリセロホスフェート、及びアスコルビン酸類を含む、[13]記載の方法。
本発明によれば、骨芽細胞への分化をインビトロで効率よく誘導することができる。また、本発明によれば、骨芽細胞の石灰化を効率よく誘導することができる。
種々の多糖類を含有する間葉系幹細胞骨芽細胞分化培地中で間葉系幹細胞から誘導された骨芽細胞のアリザリンレッドS染色像。沈着したカルシウムがアリザリンレッドSにより染色される。 脱アシル化ジェランガムを含有する骨芽細胞分化培地中でMC3T3‐E1細胞から誘導された骨芽細胞のアリザリンレッドS染色像。
(I)骨分化促進用液体培地組成物
本発明は、多糖類を溶解した状態で含有する、骨分化促進用液体培地組成物(以下、本発明の培地組成物と称する。)を提供する。本発明の培地組成物中で、骨分化(例、骨芽細胞への分化、骨芽細胞の石灰化)を誘導すると、該多糖類を用いないコントロールの場合と比較して、より強力な骨分化が達成される。本発明の液体培地組成物は、WO2014/017513 A1及びUS2014/0106348 A1の記載に従い、多糖類を液体培地に溶解することにより調製することが可能である。
本発明の培地組成物は流動性を有する液体であり、固化したゲルではない。一態様において、本発明の培地組成物の粘度は、37℃において、10 mPa・s以下であり、好ましくは9 mPa・s以下、6 mPa・s以下、又は4 mPa・s以下である。培地組成物の粘度は、例えば、37℃条件下でE型粘度計(東機産業株式会社製、TV-22型粘度計、機種:TVE -22L、コーンロータ:標準ロータ 1°34'×R24、回転数50rpm)を用いて測定することができる。
本発明の培地組成物は多糖類を溶解した状態で含有する。即ち、多糖類は、液体培地組成物中に溶解している。多糖類を含有する固体(例、ナノパーティクル等の固体粒子やゲル粒子)が液体培地組成物中に分散された態様は、多糖類が溶解した状態ではないので、本発明の培地組成物には包含されない。
本発明に用いる多糖類の好ましい具体例としては、特に制限されるものではないが、単糖類(例えば、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、ヘプトース等)が10個以上重合した多糖類が挙げられる。液体培地組成物中に溶解した状態で含有される必要から、本発明に用いる多糖類は、水溶性多糖類である。一態様において、多糖類は、アニオン性の官能基を有する酸性多糖類である。アニオン性の官能基としては、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基及びそれらの塩が挙げられ、カルボキシ基またはその塩が好ましい。ここにいう酸性多糖類とは、その構造中にアニオン性の官能基を有すれば特に制限されないが、例えば、ウロン酸(例えば、グルクロン酸、イズロン酸、ガラクツロン酸、マンヌロン酸)を有する多糖類、構造中の一部に硫酸基又はリン酸基を有する多糖類、或いはその両方の構造を持つ多糖類であって、天然から得られる多糖類のみならず、微生物により産生された多糖類、遺伝子工学的に産生された多糖類、或いは酵素を用いて人工的に合成された多糖類も含まれる。より具体的には、ヒアルロン酸、ジェランガム、脱アシル化ジェランガム(以下、DAGという場合もある)、ラムザンガム、ダイユータンガム、キサンタンガム、カラギーナン、ヘキスロン酸、フコイダン、ペクチン、ペクチン酸、ペクチニン酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、ヘパリチン硫酸、ケラト硫酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ラムナン硫酸、アルギン酸及びそれらの塩が例示される。酸性多糖類は、好ましくは、脱アシル化ジェランガム、ダイユータンガム、キサンタンガム、ヒアルロン酸、カラギーナン、アルギン酸又はそれらの塩であり、より好ましくは、脱アシル化ジェランガム、ダイユータンガム、キサンタンガムまたはそれらの塩である。ここでいう塩とは、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムといったアルカリ金属の塩、カルシウム、バリウム、マグネシウムといったアルカリ土類金属の塩又はアルミニウム、亜鉛、銅、鉄、アンモニウム、有機塩基及びアミノ酸等の塩が挙げられる。
一態様において、多糖類は、中性多糖類である。中性多糖類としては、アガロース、タマリンドシードガム、グァーガム、ローカストビーンガム、澱粉、プルラン等を挙げることができるが、これらに限定されない。中性多糖類は、好ましくはアガロースである。
これらの多糖類の重量平均分子量は、通常10,000乃至50,000,000であるが、これに限定されない。当該分子量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるプルラン換算で測定できる。
更に、リン酸化された脱アシル化ジェランガムを使用することもできる。当該リン酸化は公知の手法で行うことができる。
本発明においては、上記多糖類を複数種(好ましくは4種、さらに好ましくは3種、さらに好ましくは2種)組み合わせて使用することができる。多糖類の組み合わせの種類は、骨分化(例、骨芽細胞への分化、骨芽細胞の石灰化)を促進できるものであれば特に限定されないが、好ましくは、当該組合せは少なくとも脱アシル化ジェランガム、寒天、ダイユータンガム、キサンタンガム又はそれらの塩を含む。
脱アシル化ジェランガムとは、1-3結合したグルコース、1-4結合したグルクロン酸、1-4結合したグルコース及び1-4結合したラムノースの4分子の糖を構成単位とする直鎖状の高分子多糖類であり、以下の一般式(I)において、R1、R2が共に水素原子であり、nは2以上の整数で表わされる多糖類である。ただし、R1がグリセリル基を、R2がアセチル基を含んでいてもよいが、アセチル基及びグリセリル基の含有量は、好ましくは10%以下であり、より好ましくは1%以下である。
Figure 0007143629000001
培地組成物中の上記多糖類の濃度は、多糖類の種類に依存し、骨分化(例、骨芽細胞への分化、骨芽細胞の石灰化)を促進し、且つ培地組成物が液体の状態を維持できる範囲で適宜設定することができる。例えば、脱アシル化ジェランガム又はその塩の場合、通常0.001%(w/v)以上、好ましくは0.005%(w/v)以上である。液体の状態を維持する観点から、脱アシル化ジェランガム又はその塩の濃度は、通常0.1%(w/v)以下、好ましくは0.03%(w/v)以下である。一態様において、脱アシル化ジェランガム又はその塩の濃度は、0.005~0.03%(w/v)である。
寒天の場合、通常0.03%(w/v)以上である。液体の状態を維持する観点から、寒天濃度は、通常0.10%(w/v)以下である。一態様において、寒天濃度は、0.03~0.10%(w/v)である。
キサンタンガム又はその塩の場合、通常0.03%(w/v)以上である。液体の状態を維持する観点から、キサンタンガム又はその塩の濃度は、通常0.10%(w/v)以下である。一態様において、キサンタンガム又はその塩の濃度は、0.03~0.10%(w/v)である。
ダイユータンガム又はその塩の場合、通常0.01%(w/v)以上、好ましくは0.03%(w/v)以上である。液体の状態を維持する観点から、ダイユータンガム又はその塩の濃度は、通常0.10%(w/v)以下である。一態様において、ダイユータンガム又はその塩の濃度は、0.03~0.10%(w/v)である。
上記多糖類を複数種(好ましくは2種)組み合わせて使用する場合、当該多糖類の濃度は、当該多糖類の組み合わせが骨分化(例、骨芽細胞への分化、骨芽細胞の石灰化)を促進し、且つ培地組成物が液体の状態を維持できる範囲で、適宜設定することができる。
なお該濃度は、以下の式で算出できる。
濃度[%(w/v)]=特定化合物の重量(g)/培地組成物の容量(ml)×100
本発明の培地組成物は、2価金属カチオンを含有してもよい。2価金属カチオンとしては、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、マンガンイオン、2価の鉄イオン、銅イオン等が挙げられる。好ましくは、本発明の培地組成物はカルシウムイオンおよびマグネシウムイオンのうちの少なくとも一方を含み、より好ましくはカルシウムイオンを含む。本発明の培地組成物中の2価金属カチオン濃度は、該培地組成物が骨分化(例、骨芽細胞への分化、骨芽細胞の石灰化)を促進する範囲で、適宜設定することができる。一態様において、本発明の培地組成物中のカルシウムイオン濃度は、0.1mM及至300mMで、好ましくは、0.5mM及至100mMであるが、これらに限定されない。哺乳動物細胞の骨分化培養(例、骨芽細胞分化のための培養、骨芽細胞の石灰化のための培養)に使用する一般的な液体培地には、カルシウムイオンが含まれる。
本発明の培地組成物は、哺乳動物細胞の骨分化培養(例、骨芽細胞分化のための培養、骨芽細胞の石灰化のための培養)に用いられる液体培地に、上述の多糖類を溶解することにより調製することができる。液体培地としては、例えばダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium;DMEM)、ハムF12培地(Ham’s Nutrient Mixture F12)、DMEM/F12培地、マッコイ5A培地(McCoy’s 5A medium)、イーグルMEM(Eagle’s Minimum Essential Medium;EMEM)、αMEM(alpha Modified Eagles’s Minimum Essential Medium;αMEM)、MEM(Minimum Essential Medium)、RPMI1640培地、イスコフ改変ダルベッコ培地(Iscove’s Modified Dulbecco’s Medium;IMDM)、MCDB131培地、ウィリアム培地E、IPL41培地、Fischer’s培地、StemPro34(インビトロジェン社製)、X-VIVO 10(ケンブレックス社製)、X-VIVO 15(ケンブレックス社製)、HPGM(ケンブレックス社製)、StemSpan H3000(ステムセルテクノロジー社製)、StemSpanSFEM(ステムセルテクノロジー社製)、StemlineII(シグマアルドリッチ社製)、QBSF-60(クオリティバイオロジカル社製)、StemProhESCSFM(インビトロジェン社製)、Essential8(登録商標)培地(ギブコ社製)、mTeSR1或いは2培地(ステムセルテクノロジー社製)、リプロFF或いはリプロFF2(リプロセル社製)、PSGro hESC/iPSC培地(システムバイオサイエンス社製)、NutriStem(登録商標)培地(バイオロジカルインダストリーズ社製)、CSTI-7培地(細胞科学研究所社製)、MesenPRO RS培地(ギブコ社製)、MF-Medium(登録商標)、間葉系幹細胞増殖培地(東洋紡株式会社製)、Sf-900II(インビトロジェン社製)、Opti-Pro(インビトロジェン社製)、骨芽細胞分化培地(タカラバイオ社製)、骨芽細胞石灰化培地(タカラバイオ社製)などが挙げられる。
本発明の培地組成物には、ナトリウム、カリウム、リン、塩素、各種アミノ酸、各種ビタミン、抗生物質、血清(又はその代替物)、脂肪酸、糖などを当業者は目的に応じて自由に添加してもよい。例えば、ウシ胎児血清、ヒト血清、ウマ血清、インスリン、トランスフェリン、ラクトフェリン、コレステロール、エタノールアミン、亜セレン酸ナトリウム、モノチオグリセロール、2-メルカプトエタノール、ウシ血清アルブミン、ピルビン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、各種ビタミン、各種アミノ酸、コラーゲン、メチルセルロース、各種サイトカイン、各種ホルモン、各種増殖因子、各種細胞外マトリックス、各種細胞接着分子などから選択される1種以上を、本発明の培地組成物に添加することができる。
好ましい態様において、本発明の培地組成物は、脱アシル化ジェランガム、寒天、ダイユータンガム、キサンタンガム又はそれらの塩を溶解した状態で含有する。
脱アシル化ジェランガム又はその塩の場合、通常0.001%(w/v)以上、好ましくは0.005%(w/v)以上である。液体の状態を維持する観点から、脱アシル化ジェランガム又はその塩の濃度は、通常0.1%(w/v)以下、好ましくは0.03%(w/v)以下である。一態様において、脱アシル化ジェランガム又はその塩の濃度は、0.005~0.03%(w/v)である。
寒天の場合、通常0.03%(w/v)以上である。液体の状態を維持する観点から、寒天濃度は、通常0.10%(w/v)以下である。一態様において、寒天濃度は、0.03~0.10%(w/v)である。
キサンタンガム又はその塩の場合、通常0.03%(w/v)以上以上である。液体の状態を維持する観点から、キサンタンガム又はその塩の濃度は、通常0.10%(w/v)以下である。一態様において、キサンタンガム又はその塩の濃度は、0.03~0.10%(w/v)である。
ダイユータンガム又はその塩の場合、通常0.01%(w/v)以上、好ましくは0.03%(w/v)以上である。液体の状態を維持する観点から、ダイユータンガム又はその塩の濃度は、通常0.10%(w/v)以下である。一態様において、ダイユータンガム又はその塩の濃度は、0.03~0.10%(w/v)である。
該培地組成物の粘度は、37℃において、10 mPa・s以下であり、好ましくは9 mPa・s以下、6 mPa・s以下、又は4 mPa・s以下である。
(II)骨芽細胞の製造方法
本発明は、骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞を、上記本発明の培地組成物中で培養し、骨芽細胞への分化を誘導することを含む、骨芽細胞の製造方法(以下、本発明の製造方法1と称する)を提供するものである。
本発明に用いる間葉系細胞は、哺乳動物の生体から分離した初代細胞、該初代細胞を継代培養することにより樹立した細胞株、iPS細胞等の多能性幹細胞からインビトロで誘導した細胞、又は腫瘍細胞である。哺乳動物としては、例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモット等のげっ歯類、ウサギ等のウサギ目、ブタ、ウシ、ヤギ、ウマ、ヒツジ等の有蹄目、イヌ、ネコ等のネコ目、ヒト、サル、アカゲザル、カニクイザル、マーモセット、オランウータン、チンパンジーなどの霊長類等を挙げることが出来る。哺乳動物は、好ましくはげっ歯類(マウス等)又は霊長類であり、より好ましくはヒトである。
間葉系細胞とは、骨、軟骨、脂肪、骨格筋、靭帯、腱等の結合織を構成する細胞、或いはその幹細胞又は前駆細胞を意味し、発生学的に中胚葉由来の細胞である。骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞としては、間葉系幹細胞、線維芽細胞等を挙げることができるが、これらに限定されない。また、これらの骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞を含む、骨髄細胞、歯髄細胞、歯根膜細胞、胎盤、羊膜等も、本発明の方法において骨芽細胞を製造するための原料として使用し得る。本発明に用いる骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞は、好ましくは、間葉系幹細胞である。
間葉系幹細胞とは、脂肪細胞、骨芽細胞、及び軟骨細胞へ分化する能力を有する体性幹細胞で、さらに血小板や肝臓などにも分化し得る。間葉系幹細胞は、主に脂肪組織由来、骨髄由来、又は歯髄由来の細胞である。例えば、脂肪由来間葉系幹細胞は、哺乳動物から摘出した脂肪組織(皮下脂肪組織、内臓脂肪組織等)を、コラゲナーゼなどの組織分解性酵素で消化して細胞懸濁液を得て、得られた細胞懸濁液をInt J Obes Relat Metab Disord. 1996 Mar;20 Suppl 3:S77-83などに記載される方法に準じて、例えば遠心分離などにより分画し、沈殿を間葉系幹細胞に富む画分として回収することにより単離することができる。骨髄由来間葉系幹細胞は、パーコールグラディエント法により骨髄液から単離することができる(Hum. Cell, vol.10, p.45-50, 1997)。或いは、骨髄穿刺後の造血幹細胞等の培養、継代により骨髄由来間葉系幹細胞を単離することができる(Journal of Autoimmunity, 30 (2008) 163e171)。市販された間葉系幹細胞を用いてもよい。
骨芽細胞とは、骨組織において骨形成を行う細胞である。骨芽細胞は石灰化能を有する。骨芽細胞は、オステオカルシン陽性、アルカリフォルファターゼ陽性、及び/又はI型コラーゲン陽性であり得る。
骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞から骨芽細胞への分化を誘導するため、培養に用いる本発明の培地組成物は骨芽細胞分化誘導因子を含む。骨芽細胞分化誘導因子としては、公知のものを使用することができ、
例えば、グルココルチコイド受容体作動剤、β-グリセロホスフェート、アスコルビン酸類、骨形成タンパク質(WO2004/106502)、Rhoキナーゼ阻害剤(WO2001/017562)、増殖因子(WO2010/055616)、フラボン類、フラボノール類、フラバノン類、及びフラバノール類(JP2009-256350A)からなる群から選択される少なくとも1種の因子、好ましくは前記群から選択される2種以上の因子を組み合わせて使用する。グルココルチコイド受容体作動剤としては、特に限定されないが、例えばデキサメタゾン、コルチゾール、プレドニゾロン、ベタメタゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニド等を挙げることができ、好ましくはデキサメタゾン又はコルチゾールである。アスコルビン酸類としては、特に限定されないが、例えばL-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸2-リン酸、又はこれらの塩(例、ナトリウム塩)を挙げることができる。骨形成タンパク質としては、特に限定されないが、例えばBMP-2、BMP-4等を挙げることができる。Rhoキナーゼ阻害剤としては、特に限定されないが、例えばY-27632等を挙げることができる。増殖因子としては、特に限定されないが、例えば、EGF、FGF-2、PDGF、TGF-β等を挙げることができる。フラボン類としては、特に限定されないが、例えば、ケンフェロールを挙げることができる。
好適な骨芽細胞分化誘導因子の組み合わせとしては、
・β-グリセロホスフェート及びアスコルビン酸類(例、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸2-リン酸、又はこれらの塩(例、ナトリウム塩))
・グルココルチコイド受容体作動剤(例、コルチゾール、デキサメタゾン)、β-グリセロホスフェート及びアスコルビン酸類(例、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸2-リン酸又はこれらの塩(例、ナトリウム塩))
・骨形成タンパク質(例、BMP-2)、β-グリセロホスフェート及びアスコルビン酸類(例、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸2-リン酸又はこれらの塩(例、ナトリウム塩))
・グルココルチコイド受容体作動剤(例、デキサメタゾン)、β-グリセロホスフェート及び増殖因子(例、EGF、FGF-2、PDGF、TGF-β)(WO2010/055616)
・グルココルチコイド受容体作動剤(例、コルチゾール、デキサメタゾン)、β-グリセロホスフェート、アスコルビン酸類(例、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸2-リン酸又はこれらの塩(例、ナトリウム塩))及び骨形成タンパク質(例、BMP-4)(WO2004/106502)
・骨形成タンパク質(例、BMP-2)及びRhoキナーゼ阻害剤(例、Y-27632)(WO2001/017562)
・骨形成タンパク質(例、BMP-2)及びケンフェロール(JP2009-256350A)
等を挙げることができるが、これらに限定されない。
本発明の培地組成物中に添加する骨芽細胞分化誘導因子の濃度は、骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞から骨芽細胞への分化を誘導する濃度(有効濃度)であり、当該技術分野において骨芽細胞分化を誘導する際に一般的に使用される濃度を、本発明に適用することができる。
グルココルチコイド受容体作動剤(例、デキサメタゾン、コルチゾール)は、種類により異なるが、例えば、0.01~100μMの濃度で添加する。
β-グリセロホスフェートは、例えば、1~50 mMの濃度で添加する。
アスコルビン酸類(例、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸2-リン酸又はこれらの塩(例、ナトリウム塩))は、種類により異なるが、例えば、5~500μMの濃度で添加する。
骨形成タンパク質(例、BMP-2、BMP-4)は、種類により異なるが、例えば、10~1000 ng/mlの濃度で添加する。
Rhoキナーゼ阻害剤(例、Y-27632)は、種類により異なるが、例えば、3~30 μMの濃度で添加する。
フラボン類(例、ケンフェロール)は、種類により異なるが、例えば、3.5~35 μMの濃度で添加する。
骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞から骨芽細胞への分化を促進するため、本発明の培地組成物は血清(例、牛胎仔血清、ヒト血清)やその代替物を含有していてもよい。血清又はその代替物は、例えば、0.1~20%(v/v)の濃度で添加する。
好ましい一態様において、本発明の培地組成物は、グルココルチコイド受容体作動剤(例、コルチゾール、デキサメタゾン)、β-グリセロホスフェート、アスコルビン酸類(例、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸2-リン酸又はこれらの塩(例、ナトリウム塩))、及び血清を含有する。
本発明の製造方法1においては、骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞を、上記骨芽細胞分化誘導因子を含有する本発明の培地組成物中で培養する。該培養は、接着培養及び浮遊培養の何れで行ってもよいが、好ましくは接着培養に付す。本発明において、接着培養とは、細胞を固相担体上に接着した状態で培養することをいう。従って、マイクロビーズ等の固相担体上に細胞を接着させて、この固相担体を液体培地中に浮遊(分散)した状態で、細胞を培養する態様は、接着培養に包含される。
骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞を接着培養する際には、細胞の接着培養に一般的に用いられるフラスコ、ディッシュ、ペトリデッシュ、マルチディッシュ、マイクロプレート、マイクロウエルプレート、マルチプレート、マルチウエルプレート、チャンバースライド等の培養容器を用いて培養することが可能である。これらの培養容器は細胞接着性であることが望ましい。細胞接着性の培養容器としては、培養容器の表面が、細胞との接着性を向上させる目的で人工的に処理(例えば、細胞外マトリクス、ポリマー等によるコーティング処理)されたものを使用できる。コーティング処理は、例えば、細胞外マトリクスやポリマーを含有する溶液を培養容器に添加し、一定時間(例、30分以上)インキュベートした後、該溶液を除去することにより行うことができる。細胞外マトリクスとしては、フィブロネクチン、コラーゲン、ラミニン、プロテオグリカン、ヒアルロン酸、テネイシン、エンタクチン、エラスチン、フィブリリン等の物質またはこれらの断片が挙げられる。マトリゲル(登録商標)(コーニング社)等の基底膜調製物を用いてもよい。細胞外マトリクスは、好ましくはフィブロネクチンである。好ましい態様において、骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞(例、間葉系幹細胞)を、フィブロネクチンコートした固相担体上に接着した状態で、上記骨芽細胞分化誘導因子を含有する本発明の培地組成物中で接着培養する。
本発明の製造方法1において骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞を培養する際には、適切な培地を用いて、骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞を接着培養に付した上で、該培地を、上記骨芽細胞分化誘導因子を含有する本発明の培地組成物に交換すればよい。或いは、骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞を、上記骨芽細胞分化誘導因子を含有する本発明の培地組成物中に懸濁した上で、接着培養可能な培養容器中に播種し、接着培養に付せばよい。必要に応じて、培地を、適宜新鮮な骨芽細胞分化誘導因子を含有する本発明の培地組成物に交換してもよい。
一態様において、骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞を維持培養(例、単層培養)から回収し、これを、単一細胞、又はこれに近い状態にまで分散する。骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞の分散は、適切な細胞解離液を用いて行われる。細胞解離液としては、例えば、EDTA;トリプシン、コラゲナーゼIV、メタロプロテアーゼ等のタンパク分解酵素等を単独で又は適宜組み合わせて用いることができる。分散された骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞を、適切な液体培地に分散し、接着培養可能な適切な固相担体(例、フィブロネクチン等の細胞外マトリクスでコートした固相担体)上に播種し、接着培養に付す。骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞の接着培養が確立された段階で、培地を、上記骨芽細胞分化誘導因子を含有する本発明の培地組成物に交換し、骨芽細胞への分化を誘導する。
分化誘導開始時の、骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞の濃度は、本発明の方法により、骨芽細胞への分化が誘導される限り、特に限定されないが、通常1.0×102~1.0×107個/ml、好ましくは1.0×103~1.0×106個/ml、より好ましくは1.0×104~1.0×105個/ml(例、3.0×104~9.0×104個/ml)である。
骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞を培養する際の温度は、通常25乃至39℃、好ましくは37℃である。CO2濃度は、通常、培養の雰囲気中、4乃至10体積%であり、好ましくは5体積%である。酸素濃度は、培養の雰囲気中、15~50体積%であり、好ましくは20体積%である。
骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞を、骨芽細胞分化誘導因子を含有する本発明の培地組成物中で培養することにより、骨芽細胞への分化が誘導される。本発明の製造方法1においては、骨芽細胞への分化誘導培養に使用する液体培地組成物中に、多糖類が溶解した状態で含まれていることにより、該多糖類を含まないコントロール液体培地組成物を用いた場合と比較して、骨芽細胞への分化が促進される。即ち、本発明の製造方法によると、例えば、骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞が、より短期間で骨芽細胞へと分化し;骨芽細胞へ分化する細胞の割合が増え;同じ数の骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞から、より多くの骨芽細胞を獲得することが期待できる。骨芽細胞への分化が誘導されたことは、細胞に沈着したハイドロキシアパタイトを、OsteoImage(登録商標)Staining Reagent(LONZA社製)等の染色試薬を用いて検出することにより確認することができる。或いは、細胞内に沈着したカルシウムを、アリザリンレッドS等の染色試薬を用いて検出することによっても、骨芽細胞の出現を確認することができる。或いは、骨芽細胞への分化が誘導されたことは、骨芽細胞マーカータンパク質又はそれをコードするmRNAの発現を検出することにより確認してもよい。骨芽細胞マーカータンパク質の発現は、該マーカーに対する抗体を用いた免疫学的手法(例、フローサイトメトリー、免疫組織化学等)により実施することができる。骨芽細胞マーカーをコードするmRNAの発現は、RT-PCR等の周知の遺伝子工学的手法により実施することができる。骨芽細胞マーカーとしては、オステオカルシン、アルカリフォスファターゼ、I型コラーゲン等を挙げることができるが、これらに限定されない。アルカリフォスファターゼは、BCIP/NBT等の基質とのインキュベーションによる発色により検出することもできる。一態様において、本発明の製造方法1は、培養物中に骨芽細胞が出現したことを確認する
工程を含む。一態様において、培養物中に骨芽細胞が出現するまで、骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞の骨芽細胞分化誘導因子を含有する本発明の培地組成物中での培養が行われる。
骨芽細胞の分化誘導に要する培養期間は、骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞の種類や、骨芽細胞誘導因子の種類にもよるが、骨芽細胞誘導因子を含有する本発明の培地組成物中での培養開始から、通常9日以上、好ましくは12日以上、15日以上、18日以上、20日以上、又は23日以上である。
誘導された骨芽細胞を、適切な細胞解離液を用いて固相担体から骨芽細胞を剥離し、遠心分離に付すことにより回収し、単離することができる。細胞解離液としては、例えば、EDTA;トリプシン、コラゲナーゼIV、メタロプロテアーゼ等のタンパク分解酵素等を単独で又は適宜組み合わせて用いることができる。
(III)骨芽細胞の石灰化誘導方法
本発明は、骨芽細胞を、上記本発明の培地組成物中で培養し、石灰化を誘導することを含む、骨芽細胞の石灰化誘導方法(以下、本発明の誘導方法1と称する)を提供するものである。
本発明の誘導方法1に用いる骨芽細胞は、哺乳動物の生体から分離した初代細胞、該初代細胞を継代培養することにより樹立した細胞株、iPS細胞等の多能性幹細胞や骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞から本発明の製造方法1等の方法によりインビトロで誘導した細胞、又は腫瘍細胞である。哺乳動物としては、例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモット等のげっ歯類、ウサギ等のウサギ目、ブタ、ウシ、ヤギ、ウマ、ヒツジ等の有蹄目、イヌ、ネコ等のネコ目、ヒト、サル、アカゲザル、カニクイザル、マーモセット、オランウータン、チンパンジーなどの霊長類等を挙げることが出来る。哺乳動物は、好ましくはげっ歯類(マウス等)又は霊長類であり、より好ましくはヒトである。
骨芽細胞の石灰化を誘導するため、培養に用いる本発明の培地組成物は骨芽細胞石灰化誘導因子を含む。骨芽細胞石灰化誘導因子としては、公知のものを使用することができ、
例えば、グルココルチコイド受容体作動剤、β-グリセロホスフェート、アスコルビン酸類、骨形成タンパク質(WO2004/106502)、Rhoキナーゼ阻害剤(WO2001/017562)、増殖因子(WO2010/055616)、フラボン類、フラボノール類、フラバノン類、及びフラバノール類(JP2009-256350A)からなる群から選択される少なくとも1種の因子、好ましくは前記群から選択される2種以上の因子を組み合わせて使用する。グルココルチコイド受容体作動剤としては、特に限定されないが、例えばデキサメタゾン、コルチゾール、プレドニゾロン、ベタメタゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニド等を挙げることができ、好ましくはデキサメタゾン又はコルチゾールである。アスコルビン酸類としては、特に限定されないが、例えばL-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸2-リン酸、又はこれらの塩(例、ナトリウム塩)を挙げることができる。骨形成タンパク質としては、特に限定されないが、例えばBMP-2、BMP-4等を挙げることができる。Rhoキナーゼ阻害剤としては、特に限定されないが、例えばY-27632等を挙げることができる。増殖因子としては、特に限定されないが、例えば、EGF、FGF-2、PDGF、TGF-β等を挙げることができる。フラボン類としては、特に限定されないが、例えば、ケンフェロールを挙げることができる。
好適な骨芽細胞石灰化誘導因子の組み合わせとしては、
・β-グリセロホスフェート及びアスコルビン酸類(例、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸2-リン酸、又はこれらの塩(例、ナトリウム塩))
・グルココルチコイド受容体作動剤(例、コルチゾール、デキサメタゾン)、β-グリセロホスフェート及びアスコルビン酸類(例、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸2-リン酸又はこれらの塩(例、ナトリウム塩))
・骨形成タンパク質(例、BMP-2)、β-グリセロホスフェート及びアスコルビン酸類(例、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸2-リン酸又はこれらの塩(例、ナトリウム塩))
・グルココルチコイド受容体作動剤(例、デキサメタゾン)、β-グリセロホスフェート及び増殖因子(例、EGF、FGF-2、PDGF、TGF-β)(WO2010/055616)
・グルココルチコイド受容体作動剤(例、コルチゾール、デキサメタゾン)、β-グリセロホスフェート、アスコルビン酸類(例、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸2-リン酸又はこれらの塩(例、ナトリウム塩))及び骨形成タンパク質(例、BMP-4)(WO2004/106502)
・骨形成タンパク質(例、BMP-2)及びRhoキナーゼ阻害剤(例、Y-27632)(WO2001/017562)
・骨形成タンパク質(例、BMP-2)及びケンフェロール(JP2009-256350A)
等を挙げることができるが、これらに限定されない。
本発明の培地組成物中に添加する骨芽細胞石灰化誘導因子の濃度は、骨芽細胞の石灰化を誘導する濃度(有効濃度)であり、当該技術分野において骨芽細胞の石灰化を誘導する際に一般的に使用される濃度を、本発明に適用することができる。
グルココルチコイド受容体作動剤(例、デキサメタゾン、コルチゾール)は、種類により異なるが、例えば、0.01~100 μMの濃度で添加する。
β-グリセロホスフェートは、例えば、1~50 mMの濃度で添加する。
アスコルビン酸類(例、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸2-リン酸又はこれらの塩(例、ナトリウム塩))は、種類により異なるが、例えば、5~500 μMの濃度で添加する。
骨形成タンパク質(例、BMP-2、BMP-4)は、種類により異なるが、例えば、10~1000 ng/mlの濃度で添加する。
Rhoキナーゼ阻害剤(例、Y-27632)は、種類により異なるが、例えば、3~30 μMの濃度で添加する。
フラボン類(例、ケンフェロール)は、種類により異なるが、例えば、3.5~35 μMの濃度で添加する。
石灰化を促進するため、本発明の培地組成物は血清(例、牛胎仔血清、ヒト血清)やその代替物を含有していてもよい。血清又はその代替物は、例えば、0.1~20%(v/v)の濃度で添加する。
好ましい一態様において、本発明の培地組成物は、グルココルチコイド受容体作動剤(例、コルチゾール、デキサメタゾン)、β-グリセロホスフェート、アスコルビン酸類(例、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸2-リン酸又はこれらの塩(例、ナトリウム塩))、及び血清を含有する。
本発明の誘導方法1においては、骨芽細胞を、上記骨芽細胞石灰化誘導因子を含有する本発明の培地組成物中で培養する。該培養は、接着培養及び浮遊培養の何れで行ってもよいが、好ましくは接着培養に付す。
骨芽細胞を接着培養する際には、細胞の接着培養に一般的に用いられるフラスコ、ディッシュ、ペトリデッシュ、マルチディッシュ、マイクロプレート、マイクロウエルプレート、マルチプレート、マルチウエルプレート、チャンバースライド等の培養容器を用いて培養することが可能である。これらの培養容器は細胞接着性であることが望ましい。細胞接着性の培養容器としては、培養容器の表面が、細胞との接着性を向上させる目的で人工的に処理(例えば、細胞外マトリクス、ポリマー等によるコーティング処理)されたものを使用できる。コーティング処理は、例えば、細胞外マトリクスやポリマーを含有する溶液を培養容器に添加し、一定時間(例、30分以上)インキュベートした後、該溶液を除去することにより行うことができる。細胞外マトリクスとしては、フィブロネクチン、コラーゲン、ラミニン、プロテオグリカン、ヒアルロン酸、テネイシン、エンタクチン、エラスチン、フィブリリン等の物質またはこれらの断片が挙げられる。マトリゲル(登録商標)(コーニング社)等の基底膜調製物を用いてもよい。細胞外マトリクスは、好ましくはフィブロネクチンである。好ましい態様において、骨芽細胞を、フィブロネクチンコートした固相担体上に接着した状態で、上記骨芽細胞石灰化誘導因子を含有する本発明の培地組成物中で接着培養する。
本発明の誘導方法1において骨芽細胞を培養する際には、適切な培地を用いて、骨芽細胞を接着培養に付した上で、該培地を、上記骨芽細胞石灰化誘導因子を含有する本発明の培地組成物に交換すればよい。或いは、骨芽細胞を、上記骨芽細胞石灰化誘導因子を含有する本発明の培地組成物中に懸濁した上で、接着培養可能な培養容器中に播種し、接着培養に付せばよい。必要に応じて、培地を、適宜新鮮な骨芽細胞石灰化誘導因子を含有する本発明の培地組成物に交換してもよい。
一態様において、骨芽細胞を維持培養(例、単層培養)から回収し、これを、単一細胞、又はこれに近い状態にまで分散する。骨芽細胞の分散は、適切な細胞解離液を用いて行われる。細胞解離液としては、例えば、EDTA;トリプシン、コラゲナーゼIV、メタロプロテアーゼ等のタンパク分解酵素等を単独で又は適宜組み合わせて用いることができる。分散された骨芽細胞を、適切な液体培地に分散し、接着培養可能な適切な固相担体(例、フィブロネクチン等の細胞外マトリクスでコートした固相担体)上に播種し、接着培養に付す。骨芽細胞の接着培養が確立された段階で、培地を、上記骨芽細胞石灰化誘導因子を含有する本発明の培地組成物に交換し、石灰化を誘導する。
分化誘導開始時の、骨芽細胞の濃度は、石灰化が誘導される限り、特に限定されないが、通常1.0×102~1.0×107個/ml、好ましくは1.0×103~1.0×106個/ml、より好ましくは1.0×104~1.0×105個/ml(例、3.0×104~9.0×104個/ml)である。
骨芽細胞を培養する際の温度は、通常25乃至39℃、好ましくは37℃である。CO2濃度は、通常、培養の雰囲気中、4乃至10体積%であり、好ましくは5体積%である。酸素濃度は、培養の雰囲気中、15~50体積%であり、好ましくは20体積%である。
骨芽細胞を、骨芽細胞石灰化誘導因子を含有する本発明の培地組成物中で培養することにより、石灰化が誘導される。本発明の誘導方法1においては、石灰化誘導培養に使用する液体培地組成物中に、多糖類が溶解した状態で含まれていることにより、該多糖類を含まないコントロール液体培地組成物を用いた場合と比較して、石灰化が促進される。即ち、本発明の誘導方法によると、例えば、骨芽細胞が、より短期間で石灰化し;石灰化によるカルシウム(ヒドロキシアパタイト)の沈着を有する細胞の割合が増えることが期待できる。石灰化が誘導されたことは、細胞に沈着したハイドロキシアパタイトを、OsteoImage(登録商標)Staining Reagent(LONZA社製)等の染色試薬を用いて検出することにより確認することができる。或いは、細胞内に沈着したカルシウムを、アリザリンレッドS等の染色試薬を用いて検出することによっても、石灰化を確認することができる。一態様において、本発明の誘導方法1は、石灰化によるカルシウム(ヒドロキシアパタイト)の沈着が培養物中に出現したことを確認する工程を含む。一態様において、培養物中に石灰化によるカルシウム(ヒドロキシアパタイト)の沈着が出現するまで、骨芽細胞の骨芽細胞石灰化誘導因子を含有する本発明の培地組成物中での培養が行われる。
石灰化に要する培養期間は、骨芽細胞石灰化誘導因子の種類にもよるが、骨芽細胞石灰化誘導因子を含有する本発明の培地組成物中での培養開始から、通常9日以上、好ましくは12日以上、15日以上、18日以上、20日以上、又は23日以上である。
(IV)培養調製物
本発明は、
(1)骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞及び/又は骨芽細胞、及び
(2)本発明の培地組成物
を含む、培養調製物を提供する。本発明の培養調製物において、骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞及び/又は骨芽細胞は、固相担体(例、適切な固相担体(例、フィブロネクチン等の細胞外マトリクスでコートした固相担体)上に接着した状態で存在し得る。
骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞は、好ましくは間葉系幹細胞である。
好ましい態様において、本発明の培地組成物は、脱アシル化ジェランガム、寒天、ダイユータンガム、キサンタンガム又はそれらの塩を溶解した状態で含有する。
脱アシル化ジェランガム又はその塩の場合、その濃度は、通常0.001%(w/v)以上、好ましくは0.005%(w/v)以上である。液体の状態を維持する観点から、脱アシル化ジェランガム又はその塩の濃度は、通常0.1%(w/v)以下、好ましくは0.03%(w/v)以下である。一態様において、脱アシル化ジェランガム又はその塩の濃度は、0.005~0.03%(w/v)である。
寒天の場合、その濃度は、通常0.03%(w/v)以上である。液体の状態を維持する観点から、寒天濃度は、通常0.1%(w/v)以下である。一態様において、寒天濃度は、0.03~0.10%(w/v)である。
キサンタンガム又はその塩の場合、その濃度は、通常0.03%(w/v)以上である。液体の状態を維持する観点から、キサンタンガム又はその塩の濃度は、通常0.01%(w/v)以下である。一態様において、キサンタンガム又はその塩の濃度は、0.03~0.10%(w/v)である。
ダイユータンガム又はその塩の場合、その濃度は、通常0.03%(w/v)以上である。液体の状態を維持する観点から、ダイユータンガム又はその塩の濃度は、通常0.10%(w/v)以下である。一態様において、ダイユータンガム又はその塩の濃度は、0.03~0.10%(w/v)である。
該培地組成物の粘度は、37℃において、10 mPa・s以下であり、好ましくは9 mPa・s以下、6 mPa・s以下、又は4 mPa・s以下である。
一態様において、本発明の培地組成物は、骨芽細胞分化誘導因子を含有する。
骨芽細胞分化誘導因子は、グルココルチコイド受容体作動剤、β-グリセロホスフェート、アスコルビン酸類、骨形成タンパク質、Rhoキナーゼ阻害剤、増殖因子、フラボン類、フラボノール類、フラバノン類、及びフラバノール類からなる群から選択される少なくとも1種の因子であり得る。
好ましくは、骨芽細胞分化誘導因子は、以下のいずれかの組み合わせを含む:
・β-グリセロホスフェート及びアスコルビン酸類(例、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸2-リン酸、又はこれらの塩(例、ナトリウム塩))
・グルココルチコイド受容体作動剤(例、コルチゾール、デキサメタゾン)、β-グリセロホスフェート及びアスコルビン酸類(例、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸2-リン酸又はこれらの塩(例、ナトリウム塩))
・骨形成タンパク質(例、BMP-2)、β-グリセロホスフェート及びアスコルビン酸類(例、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸2-リン酸又はこれらの塩(例、ナトリウム塩))
・グルココルチコイド受容体作動剤(例、デキサメタゾン)、β-グリセロホスフェート及び増殖因子(例、EGF、FGF-2、PDGF、TGF-β)(WO2010/055616)
・グルココルチコイド受容体作動剤(例、コルチゾール、デキサメタゾン)、β-グリセロホスフェート、アスコルビン酸類(例、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸2-リン酸又はこれらの塩(例、ナトリウム塩))及び骨形成タンパク質(例、BMP-4)(WO2004/106502)
・骨形成タンパク質(例、BMP-2)及びRhoキナーゼ阻害剤(例、Y-27632)(WO2001/017562)
・骨形成タンパク質(例、BMP-2)及びケンフェロール(JP2009-256350A)
一態様において、本発明の培地組成物は、骨芽細胞石灰化誘導因子を含有する。
骨芽細胞石灰化誘導因子は、グルココルチコイド受容体作動剤、β-グリセロホスフェート、アスコルビン酸類、骨形成タンパク質、Rhoキナーゼ阻害剤、増殖因子、フラボン類、フラボノール類、フラバノン類、及びフラバノール類からなる群から選択される少なくとも1種の因子であり得る。
好ましくは、骨芽細胞石灰化誘導因子は、以下のいずれかの組み合わせを含む:
・β-グリセロホスフェート及びアスコルビン酸類(例、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸2-リン酸、又はこれらの塩(例、ナトリウム塩))
・グルココルチコイド受容体作動剤(例、コルチゾール、デキサメタゾン)、β-グリセロホスフェート及びアスコルビン酸類(例、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸2-リン酸又はこれらの塩(例、ナトリウム塩))
・BMP-2、β-グリセロホスフェート及びアスコルビン酸類(例、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸2-リン酸又はこれらの塩(例、ナトリウム塩))
・グルココルチコイド受容体作動剤(例、デキサメタゾン)、β-グリセロホスフェート及び増殖因子(例、EGF、FGF-2、PDGF、TGF-β)(WO2010/055616)
・グルココルチコイド受容体作動剤(例、コルチゾール、デキサメタゾン)、β-グリセロホスフェート、アスコルビン酸類(例、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸2-リン酸又はこれらの塩(例、ナトリウム塩))及び骨形成タンパク質(例、BMP-4)(WO2004/106502)
・骨形成タンパク質(例、BMP-2)及びRhoキナーゼ阻害剤(例、Y-27632)(WO2001/017562)
・骨形成タンパク質(例、BMP-2)及びケンフェロール(JP2009-256350A)
骨芽細胞分化誘導因子又は骨芽細胞石灰化誘導因子に加え、本発明の培地組成物は、血清を含有してもよい。
(IV)項における各用語の定義は、特にことわりのない限り、上記(I)項、(II)項及び(III)項において記載したものと同一である。
ここで述べられた特許および特許出願明細書を含む全ての刊行物に記載された内容は、ここに引用されたことによって、その全てが明示されたと同程度に本明細書に組み込まれるものである。
次に、本発明の有用性について、以下の試験例において具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。なお、COインキュベーターにおけるCOの濃度(%)は、雰囲気中のCOの体積%で示した。また、PBSはリン酸緩衝生理食塩水(シグマアルドリッチジャパン社製)を意味し、FBSは牛胎仔血清(Biological Industries社製)を意味する。また、(w/v)は、単位体積あたりの重量、(v/v)は単位体積あたりの体積を表す。
[試験例1] ヒト骨髄由来間葉系幹細胞への作用(石灰化アッセイ)
ヒトフィブロネクチン溶液(タカラバイオ社製)をPBSで10μg/mLとなるように希釈し、96ウェル平底マイクロプレート(コーニング社製、#3603)に1ウェルあたり100μL添加し、1時間室温に静置した後、上記のフィブロネクチン溶液を除去した。引き続き、ヒト骨髄由来間葉系幹細胞(タカラバイオ社製)を間葉系幹細胞増殖培地2(タカラバイオ社製)に懸濁し、上記のプレートに3000cells/100μL/ウェルになるように分注し、COインキュベーター(37℃、5%CO)で2日間培養した。特許文献1(WO2014/017513)の方法に従い、0.75%(w/v)の脱アシル化ジェランガム(KELCOGEL CG-LA、三昌社製)水溶液を調製した。また、1%(w/v)寒天(和光純薬社製)水溶液、1%(w/v)キサンタンガム(KELTROL CG、三昌社製)水溶液及び0.3%(w/v)ダイユータンガム(KELCO-CRETE、三昌社製)水溶液も同様の方法で調製を行った後、0.005%(w/v)、0.015%(w/v)、0.03%(w/v)の脱アシル化ジェランガム;0.03%(w/v)、0.1%(w/v)の寒天;0.03%(w/v)、0.1%(w/v)のキサンタンガム;及び0.03%(w/v)、0.1%(w/v)のダイユータンガムを含有する間葉系幹細胞骨芽細胞分化培地(タカラバイオ社製)をそれぞれ調製した。また、比較対象として同一濃度の脱アシル化ジェランガム、寒天、キサンタンガム及びダイユータンガムをそれぞれ含む間葉系幹細胞増殖培地2も調製した。培養3日目に培地を除去後、上記の脱アシル化ジェランガム、寒天、キサンタンガム又はダイユータンガムを含む間葉系幹細胞骨芽細胞分化培地もしくは間葉系幹細胞増殖培地2を100μL/ウェル添加し、引き続き細胞をCOインキュベーター(37℃、5%CO)で3日間培養した。上記と同様の培地交換は培養6日目及び9日目にも行った。培養12日目に培地を除去し、PBSを100μL/ウェルで添加し、除去した。引き続き、エタノール(99.5%(v/v))(和光純薬社製)を100μL/ウェルで添加し、1時間室温で静置した。10倍濃度のOsteoImage(登録商標)Wash buffer(OsteoImage(登録商標)石灰化アッセイ、LONZA社製)を精製水で10倍希釈し、1倍濃度のOsteoImage(登録商標)Wash bufferとした。エタノール(99.5%(v/v))を除去し、上記の1倍濃度のOsteoImage(登録商標)Wash bufferを200μL/ウェルで添加し、除去した。OsteoImage(登録商標)Staining Reagent(OsteoImage(登録商標)石灰化アッセイ、LONZA社製)をStaining Reagent Dilution Buffer(OsteoImage(登録商標)石灰化アッセイ、LONZA社製)を用いて1:100の比率で希釈した。上記のOsteoImage(登録商標)Staining Reagent溶液を200μL/ウェルで添加し、遮光下、室温で30分間静置した。30分後に1倍濃度のOsteoImage(登録商標)Wash bufferを200μL/ウェルで添加し、除去した。本操作は2度行った。最後に1倍濃度のOsteoImage(登録商標)Wash bufferを100μL/ウェル添加し、FlexStation3(Molecular Devices社製)にて蛍光強度(RFU値、励起波長:490nm、蛍光波長:520nm)を測定し、細胞に沈着したハイドロキシアパタイト量を測定した。測定したRFU値を表1に示す。
Figure 0007143629000002
[試験例2] ヒト骨髄由来間葉系幹細胞への作用(アリザリン染色)
ヒトフィブロネクチン溶液(タカラバイオ社製)をPBSで10μg/mLとなるように希釈し、96ウェル平底マイクロプレート(コーニング社製、#3585)に1ウェルあたり100μL添加し、1時間室温に静置した後、上記のフィブロネクチン溶液を除去した。引き続き、ヒト骨髄由来間葉系幹細胞(タカラバイオ社製)を間葉系幹細胞増殖培地2(タカラバイオ社製)に懸濁し、上記のプレートに3000cells/100μL/ウェルになるように分注し、COインキュベーター(37℃、5%CO)で2日間培養した。特許文献1(WO2014/017513)の方法に従い、0.75%(w/v)の脱アシル化ジェランガム(KELCOGEL CG-LA、三昌社製)水溶液を調製した。また、1%(w/v)寒天(和光純薬社製)水溶液、1%(w/v)キサンタンガム(KELTROL CG、三昌社製)水溶液及び0.3%(w/v)ダイユータンガム(KELCO-CRETE、三昌社製)水溶液も同様の方法で調製を行った後、0.005%(w/v)、0.015%(w/v)、0.03%(w/v)の脱アシル化ジェランガム;0.03%(w/v)、0.1%(w/v)の寒天;0.03%(w/v)、0.1%(w/v)のキサンタンガム;及び0.03%(w/v)、0.1%(w/v)のダイユータンガムを含有する間葉系幹細胞骨芽細胞分化培地(タカラバイオ社製)をそれぞれ調製した。また、比較対象として同一濃度の脱アシル化ジェランガム、寒天、キサンタンガム及びダイユータンガムをそれぞれ含む間葉系幹細胞増殖培地2も調製した。培養3日目に培地を除去後、上記の脱アシル化ジェランガム、寒天、キサンタンガム又はダイユータンガムを含む間葉系幹細胞骨芽細胞分化培地もしくは間葉系幹細胞増殖培地2を100μL/ウェル添加し、引き続き細胞をCOインキュベーター(37℃、5%CO)で培養した。上記と同様の培地交換は培養6日目及び9日目にも行った。培養12日目に培地を除去し、PBSを100μL/ウェルで添加し、除去した。引き続き、エタノール(99.5%(v/v))(和光純薬社製)を100μL/ウェルで添加し、1時間室温で静置した。アリザリンレッドS(和光純薬社製)を精製水に溶解して、1%(w/v)アリザリンレッドS溶液を調製した。引き続き、エタノール(99.5%(v/v))を除去し、上記の1%(w/v)アリザリンレッドS溶液を100μL/ウェルで添加し、5分間室温で静置した。アリザリンレッドS溶液を除去後に精製水を200μL/ウェルで添加後、除去した。上記の操作を3回行った後、各ウェルの画像を顕微鏡下で取得した。取得した画像を図1に示す。図1に示すように、多糖類を何も添加していない間葉系幹細胞骨芽細胞分化培地群(Control)と比較して、脱アシル化ジェランガム、寒天、キサンタンガム及びダイユータンガムをそれぞれ添加した間葉系幹細胞骨芽細胞分化培地群ではアリザリンレッドSによる強い染色が認められた。
[試験例3] マウスMC3T3‐E1細胞への作用(石灰化アッセイ)
MEM alpha(シグマ社製)にFBSを10%(v/v)となるように添加し、さらに200mMのL‐グルタミン溶液(和光純薬社製)を2mMとなるように添加した培地を調製した(増殖培地)。上記の培地にマウスMC3T3‐E1細胞(eCACC社製)を懸濁し、96ウェル平底マイクロプレート(コーニング社製、#3603)に4000cells/100μL/ウェルになるように分注し、COインキュベーター(37℃、5%CO)で1日間培養した。L‐アスコルビン酸 2‐ホスフェート(シグマ社製)を5mMとなるようにMEM alphaに溶解した。β‐グリセロホスフェート(シグマ社製)を1MとなるようにMEM alphaに溶解した。分化培地として、増殖培地に上記のL‐アスコルビン酸 2‐ホスフェート及びβ‐グリセロホスフェートを、それぞれ、50μM及び10mMとなるように添加した。特許文献1(WO2014/017513)の方法に従い、0.75%(w/v)の脱アシル化ジェランガム(KELCOGEL CG-LA、三昌社製)水溶液を調製した後、0.005%(w/v)、0.015%(w/v)、0.03%(w/v)の脱アシル化ジェランガムを含有する分化培地を調製した。また、比較対象として同一濃度の脱アシル化ジェランガムを含む増殖培地も調製した。培養2日目に培地を除去後、上記の脱アシル化ジェランガムを含む分化培地及び増殖培地を、それぞれ、100μL/ウェル添加し、引き続き、細胞をCOインキュベーター(37℃、5%CO)で培養した。上記と同様の培地交換を培養5日目、8日目、11日目、14日目、17日目及び20日目にも実施した。以降の操作は試験例1に従って行い、細胞に沈着したハイドロキシアパタイト量を測定した。測定したRFU値を表2に示す。
Figure 0007143629000003
[試験例4] マウスMC3T3‐E1細胞への作用(アリザリン染色)
MEM alpha(シグマ社製)にFBSを10%(v/v)となるように添加し、さらに200mMのL‐グルタミン溶液(和光純薬社製)を2mMとなるように添加した培地を調製した(増殖培地)。上記の培地にマウスMC3T3‐E1細胞(eCACC社製)を懸濁し、96ウェル平底マイクロプレート(コーニング社製、#3585)に4000cells/100μL/ウェルになるように分注し、COインキュベーター(37℃、5%CO)で1日間培養した。L‐アスコルビン酸 2‐ホスフェート(シグマ社製)を5mMとなるようにMEM alphaに溶解した。β‐グリセロホスフェート(シグマ社製)を1MとなるようにMEM alphaに溶解した。分化培地として、増殖培地に上記のL‐アスコルビン酸 2‐ホスフェート及びβ‐グリセロホスフェートを、それぞれ、50μM及び10mMとなるように添加した。特許文献1(WO2014/017513)の方法に従い、0.75%(w/v)の脱アシル化ジェランガム(KELCOGEL CG-LA、三昌社製)水溶液を調製した後、0.005%(w/v)、0.015%(w/v)、0.03%(w/v)の脱アシル化ジェランガムを含有する分化培地を調製した。また、比較対象として同一濃度の脱アシル化ジェランガムを含む増殖培地も調製した。培養2日目に培地を除去後、上記の脱アシル化ジェランガムを含む分化培地及び増殖培地を、それぞれ、100μL/ウェル添加し、引き続き、細胞をCOインキュベーター(37℃、5%CO)で培養した。上記と同様の培地交換を培養5日目、8日目、11日目、14日目、17日目及び20日目にも実施した。以降の操作は試験例2に従って行い、顕微鏡にて画像を取得した。取得した画像を図2に示す。図2に示すように、多糖類を何も添加していない分化培地群(Control)と比較して、脱アシル化ジェランガムを添加した分化培地群ではアリザリンレッドSによる強い染色が認められた。
[試験例5] 多糖類を含有する液体培地組成物の粘度測定
試験例1及び2で使用した、以下の多糖類を含有する間葉系幹細胞骨芽細胞分化培地(タカラバイオ社製)の粘度を測定した。
脱アシル化ジェランガム(DAG) 0.03%(w/v)
寒天 0.1%(w/v)
キサンタンガム 0.1%(w/v)
ダイユータンガム 0.1%(w/v)
E型粘度計(東機産業株式会社製、TV-22型粘度計、機種:TVE -22L、コーンロータ:標準ロータ 1°34'×R24)を使用した。37℃にてサンプルを2時間静置し、50rpmで1分間遠心した後、粘度を測定した。結果を以下の表に示す。
Figure 0007143629000004

本発明によれば、骨芽細胞への分化をインビトロで効率よく誘導することができる。また、本発明によれば、骨芽細胞の石灰化を効率よく誘導することができる。

Claims (13)

  1. 多糖類を溶解した状態で含有する、骨分化促進用液体培地組成物であって、多糖類が、脱アシル化ジェランガム、寒天、ダイユータンガム、キサンタンガム又はそれらの塩である、液体培地組成物
  2. 多糖類が、脱アシル化ジェランガム又はその塩である、請求項記載の液体培地組成物。
  3. 骨芽細胞への分化能を有する間葉系細胞を、請求項1又は2記載の液体培地組成物中で培養し、骨芽細胞への分化を誘導することを含む、骨芽細胞の製造方法。
  4. 該間葉系細胞が、間葉系幹細胞である、請求項記載の製造方法。
  5. 該間葉系細胞を、該液体培地組成物中で接着培養する、請求項又は記載の製造方法。
  6. 該液体培地組成物が、骨芽細胞分化誘導因子を含有する、請求項の何れか1項記載の製造方法。
  7. 骨芽細胞分化誘導因子が、グルココルチコイド受容体作動剤、β-グリセロホスフェート、アスコルビン酸類、骨形成タンパク質、Rhoキナーゼ阻害剤、増殖因子、フラボン類、フラボノール類、フラバノン類、及びフラバノール類からなる群から選択される少なくとも1つの因子である、請求項記載の製造方法。
  8. 骨芽細胞分化誘導因子が、β-グリセロホスフェート、及びアスコルビン酸類又はその塩を含む、請求項記載の製造方法。
  9. 骨芽細胞を、請求項1又は2記載の液体培地組成物中で培養し、石灰化を誘導することを含む、骨芽細胞の石灰化誘導方法。
  10. 該骨芽細胞を、該液体培地組成物中で接着培養する、請求項記載の方法。
  11. 該液体培地組成物が、骨芽細胞石灰化誘導因子を含有する、請求項又は10記載の方法。
  12. 骨芽細胞石灰化誘導因子が、グルココルチコイド受容体作動剤、β-グリセロホスフェート、アスコルビン酸類、骨形成タンパク質、Rhoキナーゼ阻害剤、増殖因子、フラボン類、フラボノール類、フラバノン類、及びフラバノール類からなる群から選択される少なくとも1つの因子である、請求項11記載の方法。
  13. 骨芽細胞石灰化誘導因子が、β-グリセロホスフェート、及びアスコルビン酸類を含む、請求項12記載の方法。
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