本発明の第1態様の部品実装システムは、
搬送面に対して傾斜した実装面を有するワークを搬送する搬送装置と、前記ワークの実装面にはんだを介して部品を装着する部品装着装置と、前記部品が装着された前記ワークを加熱してはんだ付けを行うリフロー装置と、を備える部品実装システムであって、
前記ワークは、パレットに回転可能に保持されたワーク固定部に固定され、
前記部品装着装置は、
前記部品を前記ワークの前記実装面に装着する装着ヘッドと、
前記パレットの下方から前記ワーク固定部に係合し、前記ワーク固定部を、第1軸を中心に回転させる第1回転駆動部と、
前記第1回転駆動部が前記ワーク固定部から分離しているとき、前記パレットを前記第1軸に直交する第2軸を中心に回転させる第2回転駆動部と、
前記第2回転駆動部によって前記搬送面に平行にされた前記ワークの前記実装面を、前記装着ヘッドによる部品の装着が可能な高さに位置させる昇降部と、
を備える。
本発明の第2態様の部品実装システムにおいては、更に、前記第1回転駆動部が前記ワーク固定部から分離しているとき、前記パレットに対して前記ワーク固定部が回転することを抑制するブレーキと、
前記ブレーキを前記ワーク固定部に装着するブレーキ装着機構部と、
を備え、
前記部品実装システムは、前記ワークが前記リフロー装置に搬送される前に前記ワーク固定部から前記ブレーキを分離するブレーキ分離機構部を備えていてもよい。
本発明の第3態様の部品実装システムにおいては、前記ブレーキ分離機構部は、前記部品装着装置に配置されていてもよい。
本発明の第4態様の部品実装システムにおいては、前記ブレーキ分離機構部は、前記ブレーキ装着機構部であってもよい。
本発明の第5態様の部品実装システムにおいては、前記ワーク固定部は、前記パレットの下面よりも下方に突出し、前記ブレーキが装着される装着部を有していてもよい。
本発明の第6態様の部品実装システムにおいては、前記パレットは、複数のワーク固定部を有しており、
前記複数のワーク固定部の下方には、複数の係合部が配置されていてもよい。
本発明の第7態様の部品実装システムにおいては、前記複数の係合部は、前記第2軸の延びる方向に沿って配置されていてもよい。
本発明の第8態様の部品実装方法は、
搬送面に対して傾斜した実装面を有するワークを固定したワーク固定部を、第1軸を中心に回転させるステップ、
前記ワーク固定部にブレーキを装着することによって、前記ワーク固定部の第1軸を中心とする回転を抑制するステップ、
前記ワーク固定部を保持するパレットを、前記第1軸に直交する第2軸を中心に回転させるステップ、
前記ワークに部品を装着するステップ、
前記ワーク固定部から前記ブレーキを分離するステップ、
前記ワークに装着された部品をはんだ付けするステップ、
を含む。
以下、本開示の実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。また、各図においては、説明を容易なものとするため、各要素を誇張して示している。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の部品実装システム1の一例の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、部品実装システム1は、ワークを搬送するために使用するキャリアシステム2、作業装置3、リフロー装置4、及びキャリアシステム2を搬送するための搬送装置99を備える。搬送装置99には、作業装置3又はリフロー装置4が装備するコンベア、各装置間に配置された中継コンベア、又は移載ロボット等が含まれる。部品実装システム1は、複数の実装面を有するワークに部品を実装するシステムである。ワークは、傾斜した複数の実装面を有する立体形状を有する。例えば、ワークは、キャリアシステム2によって搬送される搬送面に対して傾斜した1つ又は複数の実装面を有する。
作業装置3は、作業部97によってワークに所定の作業を実行する。実施の形態1では、作業装置3は、部品供給部98のフィーダ98aから供給される部品を装着ヘッド(作業部)97によって吸着する。作業ヘッド97は、部品を吸着した状態で、ワークの実装面まで移動し、ワークの実装面に部品を装着する。即ち、作業装置3は、ワークに部品を装着する部品装着装置として機能する。なお、ワークの実装面には、はんだが予め塗布されている。
リフロー装置4は、作業装置3で部品が装着されたワークを加熱することによって、はんだを溶融する。これにより、ワークに装着された部品をはんだ付けする。
なお、これらの装置は、制御部(図示なし)によって制御される。例えば、制御部は、これらの装置を機能させるプログラムを記憶したメモリと、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを含む。
次に、部品実装システム1の一連の動作の例について、図2A~2Dを用いて簡単に説明する。部品実装システム1の構成要素であるキャリアシステム2及び作業装置3の詳細な説明については後述する。図2A~2Dは、部品実装システム1の動作の一例を示す。図中のX,Y,Z方向は、それぞれ、部品実装システム1の奥行き方向、幅方向、高さ方向を示す。なお、XY平面は水平面を示す。なお、図2A~2Dでは、リフロー装置4の図示を省略している。
図2Aに示すように、キャリアシステム2は、ワーク5を固定するワーク固定部6と、ワーク固定部6を保持するパレット7と、パレット7を保持するキャリア8と、を備える。
実施の形態1では、パレット7には、複数のワーク固定部6が配置されている。このため、パレット7は、複数のワーク固定部6によって複数のワーク5を保持している。具体的には、パレット7には、搬送方向D1に沿って3つのワーク5が並べられている。また、キャリア8は、2つのパレット7を保持している。2つのパレットは、水平面(XY平面)上において、搬送方向D1と直交する方向(X方向)に並べて配置されている。
コンベア9は、ワーク5を載せたキャリアシステム2を作業装置3へ搬送する。具体的には、作業装置3は、コンベア9を駆動し、搬送方向D1に向かってキャリアシステム2を搬送する。
図2Bに示すように、作業装置3はキャリアシステム2が作業装置3の上方に来ると、コンベア9を停止する。次に、パレット7がキャリア8から取り外され、作業装置3に取り付けられる。
図2Cに示すように、作業装置3は、ワーク5の姿勢を変更し、ワーク5の実装面に部品を装着する。具体的には、作業装置3は、第1軸AX1を中心にしてワーク5を回転させた後、第1軸AX1に直交する第2軸AX2を中心にしてワーク5を回転させる。これにより、ワーク5の姿勢を変更する。実施の形態1では、第1軸AX1は、作業装置3の高さ方向(Z方向)に延びる軸である。第2軸AX2は、作業装置3の幅方向(Y方向)に延びる軸である。言い換えると、第2軸AX2は、搬送方向D1に沿って延びる軸である。
作業装置3は、ワーク5を回転させて、装着ヘッド(図示なし)によって部品をワーク5の実装面に装着する。このとき、キャリア8は、作業装置3の上方に配置されたままである。即ち、キャリアシステム2においては、キャリア8を別の場所に移動させることなく、作業装置3は、ワーク5を回転させて、ワーク5の実装面への部品の装着を行うことができる。
作業装置3でワーク5への部品の装着を完了すると、パレット7が作業装置3から取り外され、キャリア8に取り付けられる。
図2Dに示すように、作業装置3は、コンベア9を駆動し、キャリアシステム2を搬送方向D2に向かって搬送する。これにより、キャリアシステム2をリフロー装置4に搬送する。
リフロー装置4は、作業装置3で部品が装着されたワーク5をキャリアシステム2とともに加熱することによって、はんだを溶融する。これにより、ワーク5に装着された部品をはんだ付けする。
なお、これらの装置は、制御部(図示なし)によって制御される。例えば、制御部は、これらの装置を機能させるプログラムを記憶したメモリと、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサに対応する処理回路と、を備える。
[キャリアシステム]
キャリアシステム2について詳細に説明する。
図3は、キャリアシステム2の一例の概略構成を示す斜視図である。図4は、ワーク5を取り外した状態のキャリアシステム2の一例の概略構成を示す斜視図である。図5は、ワーク固定部6を取り外した状態のキャリアシステム2の一例の概略構成を示す斜視図である。図6は、図4のキャリアシステム2の平面図である。図7は、図4のキャリアシステム2を搬送方向D1と反対方向から見た図である。
図3~7に示すように、キャリアシステム2は、ワーク5を固定するワーク固定部6、ワーク固定部6を回転可能に保持するパレット7、パレット7を保持するキャリア8を備える。
<ワーク固定部>
図8は、ワーク固定部6の一例の正面図を示す。図8に示すように、ワーク固定部6は、ワーク5が載置される載置台10と、載置台10の下面から下方に突出した突出部11と、を備える。実施の形態1では、突出部11は、後述するブレーキが装着される装着部として機能する。本明細書では、突出部11を装着部11と称する場合がある。
載置台10は、円板状に形成されている。載置台10の上面には、ワーク5が固定される。例えば、ワーク5は、磁力によりワーク固定部6に固定される。あるいは、ワーク5は、ネジによってワーク固定部6に固定されてもよい。
突出部11は、載置台10の下面中央から下方に向かって突出している。突出部11は、円柱状に形成されている。突出部11の側壁には、後述するブレーキが装着されるブレーキ装着凹部12が形成されている。
図4及び図5に示すように、ワーク固定部6は、パレット7の貫通孔13に配置される。具体的には、突出部11の直径はパレット7の貫通孔13の直径よりも小さい一方、載置台10の直径はパレット7の貫通孔13よりも大きい。このため、パレット7の突出部11が貫通孔13に挿入された状態で、載置台10の下面がパレット7の上面で支持される。したがって、パレット7にワーク固定部6が取り付けられた状態においては、突出部11はパレット7の下面よりも下方に突出している。突出部11は、パレット7の貫通孔13と同心の外形形状を有する。
<パレット>
図4~6に示すように、パレット7は、上下方向に貫通した貫通孔13を有し、貫通孔13に配置されるワーク固定部6を回転可能に保持する。パレット7は、貫通孔13にワーク固定部6の突出部11を配置し、ワーク固定部6を、第1軸AX1を中心にして回転可能に保持する。貫通孔13は、上面視において、円形に形成されている。実施の形態1では、複数のワーク5に一括して作業を行うため、パレット7は、搬送方向D1に沿って設けられる複数の貫通孔13を有する。複数の貫通孔13のそれぞれには、ワーク固定部6が配置されている。即ち、パレット7には、複数のワーク固定部6が搬送方向D1に沿って配置されている。
パレット7は、長手方向を有する板状部材で形成されている。パレット7の長手方向は、キャリア8の搬送方向D1(Y方向)と同じ方向である。
パレット7は、キャリア8に保持される被保持部14を有する。被保持部14は、パレット7の短手方向(X方向)に延びる板状の部材で形成されている。言い換えると、被保持部14は、水平面(XY平面)において、搬送方向D1と直交する方向(X方向)に延びる板状の部材で形成されている。被保持部14は、パレット7の長手方向(X方向)の両端に配置されている。
被保持部14には、パレット7をキャリア8に位置決めする第1位置決め孔16が設けられている。第1位置決め孔16は、被保持部14を上下方向(Z方向)に貫通する孔である。具体的には、第1位置決め孔16は、被保持部14の長手方向(X方向)の一端側に設けられている。
パレット7には、作業装置3にパレット7を取り付けるときに使用される第2位置決め孔17が設けられている。第2位置決め孔17は、パレット7を作業装置3に位置決めするために用いられる。第2位置決め孔17は、パレット7を上下方向(Z方向)に貫通する孔であり、パレット7の長手方向(Y方向)の両端に設けられている。具体的には、第2位置決め孔17は、パレット7の長手方向(Y方向)の両端において中央部分に設けられている。
第1位置決め孔16及び第2位置決め孔17は、上面視において、円形に形成されている。
パレット7において、貫通孔13が形成されている部分と被保持部14との間には、パレット7の幅が小さくなる縮小部15が設けられている。パレット7の幅とは、パレット7の短手方向(X方向)の長さを意味する。縮小部15の幅は、貫通孔13が形成されている部分の幅、及び被保持部14の幅よりも小さい。即ち、縮小部15のX方向の長さは、貫通孔13が形成されている部分のX方向の長さよりも短く、且つ被保持部14のX方向の長さよりも短い。
<キャリア>
図4~6に示すように、キャリア8は、一対のガイド18、及び一対のガイド18の間でパレット7を保持する保持部19を有する。一対のガイド18は、L字状の部材で形成され、コンベア9の上に載置される。保持部19は、一対のガイド18の間において、水平面(XY平面)において搬送方向D1と交差する方向(X方向)に延びている。保持部19は、搬送方向D1と交差する方向(X方向)に延びる板状部材で形成されている。保持部19は、パレット7の被保持部14を保持する。
図9は、キャリア8の一例の概略構成を示す斜視図である。図9に示すように、保持部19は、互いに対向する一対の保持片を有する。一対の保持片は、板状の部材で形成されており、パレット7の縮小部15の幅よりも大きい間隔を有して配置されている。また、2つの保持片の間隔は、被保持部14の幅(X方向の長さ)よりも小さい。
保持部19は、パレット7の第1位置決め孔16に挿入される第1位置決めピン20を有している。第1位置決めピン20は、保持部19の上面から上方に向かって突出する円柱状のピンである。実施の形態1では、第1位置決めピン20は、保持部19の2つの保持片のうちいずれか一方に設けられている。
図10は、図4のキャリアシステム2のZ1部分の概略拡大図を示す。図10に示すように、保持部19は、第1位置決めピン20を被保持部14の第1位置決め孔16に挿入することによって、パレット7をキャリア8に位置決めし、保持している。
図4~6及び図9に示すように、キャリア8は、一対のガイド18を連結する連結部21を有している。連結部21は、水平面(XY平面)において搬送方向D1に直交する方向(X方向)に延びる板状部材で形成されている。連結部21は、搬送方向D1においてパレット7及び保持部19よりも外側に配置されている。連結部21は、保持部19から搬送方向D1に向かって所定の距離離れた位置に配置されている。所定の距離とは、パレット7の被保持部14の短手方向(Y方向)の長さ、即ち搬送方向D1における被保持部14の長さより大きい距離である。これにより、キャリア8の連結部21と保持部19との間に、パレット7の被保持部14が上下方向に通り抜け可能な開口22が形成されている。
また、図7に示すように、連結部21は、上方へ屈曲している。実施の形態1では、少なくともパレット7の長手方向(Y方向)の延長線上にある部分の連結部21が、上方へ屈曲している。具体的には、連結部21は、板状部材を上方へ向かって凹状に窪ませて形成されている。このように連結部21を上方へ向かって湾曲させておくことで、パレット保持部72がキャリア8からパレット7を持ち上げた際に連結部21と回転軸77とが干渉するのを防止する。
図4~7及び図9に示すように、実施の形態1では、キャリア8は、水平面(XY平面)において、搬送方向D1と直交する方向(X方向)に並んで配置される2つのパレット7を保持している。2つのパレットの間には、キャリア8の機械的強度を高めるための補強部23が設けられている。補強部23は、一対の連結部21との間を接続する板状部材で形成されている。
また、キャリア8において、ガイド18と保持部19とで囲われた領域に開口24が形成されている。開口24は、パレット7がキャリア8に対して相対的に搬送方向D1に向かってスライド移動したとき、パレット7が上下方向(Z方向)に通り抜け可能な大きさを有する。また、開口24は、ワーク5に作業を行う際にワーク固定部6及びパレット7を回転させても、ワーク5及びパレット7がキャリア8に接触しない程度の大きさを有する。
なお、キャリア8に対するパレット7の相対的なスライド移動は、キャリア8を搬送方向D1と反対方向に移動させるスライド部によって行われる。図6及び図9に示すように、キャリア8には、スライド部にキャリア8を位置決めする第3位置決め孔25が設けられている。スライド部については、後述する。
図11A~11Cは、キャリア8からパレット7を取り外す工程の一例を示す。図11Aに示すように、キャリア8に保持されたパレット7を上方向D3に向かって持ち上げる。これにより、キャリア8の保持部19に設けられた第1位置決めピン20がパレット7の第1位置決め孔16から抜ける。
図11Bに示すように、キャリア8を搬送方向D1と反対の方向D4に向かって移動させることにより、パレット7をキャリア8に対して相対的に搬送方向D1に向かってスライド移動させる。これにより、パレット7の一端において、被保持部14が開口22に位置すると共に、縮小部15が保持部19の2つの保持片の間に位置する。また、パレット7の残りの部分は、開口24に位置する。
図11Cに示すように、パレット7を下方向D5に移動させることによって、パレット7は開口22及び開口24を通り抜けて、キャリア8から取り外される。
なお、キャリア8にパレット7を取り付ける場合は、図11A~11Cに示す手順の逆の手順を実行する。
具体的には、キャリア8の下方からパレット7を上方向へ移動させる。このとき、パレット7の一端において、被保持部14が開口22を通過すると共に、縮小部15が保持部19の2つの保持片の間を通過する。また、パレット7の残りの部分は、開口24を通過する。これにより、パレット7がキャリア8の内側に配置される。
次に、キャリア8を搬送方向D1にスライド移動させることにより、パレット7をキャリア8に対して相対的に搬送方向D1と反対方向にスライド移動させる。そして、キャリア8の保持部19の第1位置決めピン20が、パレット7の第1位置決め孔16に挿入されるように、パレット7を下方に移動させる。
このようにして、パレット7をキャリア8に取り付けることができる。このような構成により、キャリア8を別の場所に移動させなくても、キャリア8からパレット7の取り外し及び取り付けを行うことができる。
[作業装置]
作業装置3について詳細に説明する。
図12は、作業装置3の一例の概略構成を示す斜視図である。図13は、パレット7を取り外した状態の作業装置3の一例の概略構成を示す斜視図である。図12及び図13に示すように、作業装置3は第1駆動部30、第2駆動部31、昇降部32及び固定ベース80を備える。
昇降部32は固定ベース80に設置されている。昇降部32は、固定ベース80に接続される昇降支持部81、昇降支持部81によって支持される昇降ベース82、及び昇降ベース82を昇降させる昇降モータ83を備える。昇降支持部81は、昇降軸受け部81aと、昇降軸受け部81aの内部を上下方向D13に移動可能な昇降シャフト81bと、昇降機構81cとを有する。昇降機構81cは昇降モータ83によって駆動されると昇降ベース82を固定ベース80に対して昇降させる。第2駆動部31は昇降ベース82に装着されており、昇降ベース82とともに昇降する。一方、第1駆動部30は固定ベース80に固定された支持ベース84に装着されている。
作業装置3は、ワーク5に作業を行う作業部97を備える。作業部97は、例えば、ワーク5の実装面に部品を装着する装着ヘッド、ワーク5の実装面にはんだ又は接着剤を塗布する塗布ヘッド、及びワーク5の部品の装着状態を検査する検査ヘッドのうち少なくともいずれか1つを含む。なお、作業装置3を構成する要素は、これらに限定されるものではない。
実施の形態1では、作業装置3は、複数のワーク固定部6に対応する位置に複数の第1駆動部30を有する。具体的には、作業装置3は、6つの第1駆動部30を有している。6つの第1駆動部30は、複数のワーク固定部6の下方に配置されている。また、複数の第1駆動部30は、第2軸AX2の延びる方向、即ち、搬送方向D1に沿って配置されている。
作業装置3は、第1駆動部30によって、パレット7に保持されたワーク固定部6を、第1軸AX1を中心にして回転させる。また、作業装置3は、第2駆動部31によって、パレット7を、第2軸AX2を中心にして回転させる。なお、第1駆動部30及び第2駆動部31は、それぞれ独立して動作する。即ち、第1駆動部30と第2駆動部31とは互いに切り離されて動作する。
また、作業装置3は、ワーク固定部6の回転を抑制するブレーキ33を有している。第2駆動部31が第2軸AX2を中心にしてパレット7を回転させているとき、ブレーキ33は、パレット7に対するワーク固定部6の第1軸AX1を中心とした回転を抑制する。
<第1駆動部>
図14は、第1駆動部30の一例の概略構成を示す図である。図15は、パレット7を取り付けた状態の第1駆動部30の一例の概略構成を示す拡大斜視図である。図16は、パレット7を取り外した状態の第1駆動部30の一例の概略構成を示す拡大斜視図である。図17は、図16に示す第1駆動部30の分解斜視図である。図18は、第1駆動部30の一例を、第1軸AX1を通る平面で切断した概略断面図である。なお、図15~18は、説明を簡略化するために、幾つかの要素の図示を省略している。
図14~18に示すように、第1駆動部30は、ワーク5を、第1軸AX1を中心として回転させる機構を有する。第1駆動部30は、ワーク固定部6に係合して第1軸AX1第1軸AX1を中心に回転させる第1回転駆動部を含んでいる。第1回転駆動部は、係合部34、第1モータ38、第1伝達機構を有する。第1伝達機構は、第1モータ38の動力を係合部34に伝達するものであり、実施の形態1では回転軸49、歯付プーリ39、歯付ベルト40等によって構成される。
詳細に説明すると、第1駆動部30は、係合部34、軸部35、ブレーキ作動部36、ブレーキ作動バー37、及び第1モータ38を備える。また、第1駆動部30は、第1モータ38の回転を軸部35に伝達するプーリ機構として、歯付プーリ39及び歯付ベルト40を備える。また、第1駆動部30の下端には、係合部34を上下方向(Z方向)に移動させるエアシリンダ41が取り付けられている。なお、第1駆動部30を構成する要素は、これらに限定されるものではない。
係合部34は、パレット7の下方からワーク固定部6に係合する。実施の形態1では、パレット7は、複数のワーク固定部6を有している。このため、複数のワーク固定部6の下方には、複数の係合部34が配置されている。複数の係合部34は、第2軸AX2の延びる方向に沿って配置されている。
係合部34は、円柱形状を有し、係合機構によってワーク固定部6に係合する。係合機構として、図16~18に示すように、係合部34は、ワーク固定部6に係合する芯出しピン42及び偏心ピン43を有する。
芯出しピン42は、係合部34の上面の中心において、上方に向かって突出している。即ち、芯出しピン42は、係合部34の上面において、第1軸AX1上に配置されている。偏心ピン43は、係合部34の上面の中心から離れた位置で上方に向かって突出している。即ち、偏心ピン43は、係合部34の上面において、第1軸AX1から偏心した位置に配置されている。芯出しピン42及び偏心ピン43は、円柱形状を有する。
図19は、ワーク固定部6の一例の底面斜視図である。図19に示すように、ワーク固定部6の突出部(装着部)11には、芯出し穴44及び偏心穴45が設けられている。芯出し穴44は、ワーク固定部6の中心に設けられている。芯出し穴44は、突出部11の下面から上方に向かって設けられている。芯出し穴44は、突出部11を下方から見て円形の形状を有する。偏心穴45は、ワーク固定部6の中心から偏心した位置に設けられている。偏心穴45は、突出部11の下面から上方に向かって設けられている。実施の形態1では、偏心穴45は、突出部11の側壁を貫通した溝で形成されている。
図18に示すように、係合部34とワーク固定部6との係合は、係合部34の芯出しピン42及び偏心ピン43をそれぞれ、ワーク固定部6の芯出し穴44及び偏心穴45に挿入することによって行われる。具体的には、昇降部32によってパレット7を下方に移動させることによって、係合部34はパレット7に対して相対的に上昇する。これにより、係合部34の芯出しピン42がワーク固定部6の芯出し穴44に挿入されると共に、偏心ピン43が偏心穴45に挿入される。
係合部34とワーク固定部6が係合されている状態で、係合部34を、第1軸AX1を中心にして回転させることによって、ワーク固定部6がパレット7に対して回転する。係合部34の芯出しピン42は第1軸AX1上に配置されているため、芯出しピン42がワーク固定部6の回転中心となる。
係合部34の偏心ピン43は、芯出しピン42から離れた位置にあり、回転中心から離れている。このため、係合部34が回転すると、偏心ピン43は芯出しピン42の周りを旋回する。これにより、ワーク固定部6は、係合部34の芯出しピン42を回転中心とし回転する。即ち、係合部34が回転することによって、ワーク固定部6が第1軸AX1を中心として回転する。
係合部34は、芯出しピン42を昇降自在に保持する第1収容穴46aと、偏心ピン43を昇降自在に保持する第2収容穴46bとを有する。実施の形態1では、第1収容穴46a及び第2収容穴46bは、係合部34の上面から下方に向かって設けられる穴である。図20において第1収容穴46aの中間部と第2収容穴46bの中間部にはピン46c、46dが貫通している。芯出しピン42とピン46cの間には芯出しピン42を上方へ付勢する弾性体46eが配置されている。偏心ピン43とピン46dの間には偏心ピン43を上方へ付勢する弾性体46fが配置されている。芯出しピン42は、弾性体46eの付勢力によって第1収容穴46aの上部に位置している。また、偏心ピン43も、弾性体46fの付勢力によって第2収容穴46bの上部に位置している。
係合部34とワーク固定部6とが正常に係合したとき、芯出しピン42はワーク固定部6の芯出し穴44に挿入され、且つ、偏心ピン43は偏心穴45に挿入される。係合部34とワーク固定部6とが正常に係合していないとき、芯出しピン42もしくは偏心ピン43はワーク固定部6の下面で押し下げられる。
このように、係合部34とワーク固定部6とが正常に係合していないとき、芯出しピン42及び偏心ピン43は、それぞれ第1収容穴46a及び第2収容穴46b内で下方へ移動する。これにより、係合部34とワーク固定部6とが正常に係合していないときに部品が破損することを抑制することができる。
作業装置3は、係合部34とワーク固定部との係合状態を検出する係合状態検出部を備える。係合状態検出部は、芯出しピン42及び/又は偏心ピン43が正常に挿入されたか収容されたか否かを検出する。
図20は、係合状態検出部の一例を示す図である。図20に示すように、係合部34には、第1収容穴46aと第2収容穴46bとを連通する検出孔47が設けられている。検出孔47は、第1収容穴46aの下部と第2収容穴46bの下部とを作業装置3の幅方向(Y方向)に連通している。
作業装置3は、芯出しピン42が第1収容穴46a内で下方へ移動しているか否か、又は偏心ピン43が第2収容穴46b内で下方へ移動しているか否かを検出する検出センサ48を備えている。実施の形態1では、検出センサ48は、一例として、光電センサを用いている。なお、検出センサ48は、光電センサに限定されるものではない。
検出センサ48は、光を投光する投光部48aと、光を受光する受光部48bと、を備える。投光部48aと受光部48bは、検出孔47の延びる方向(Y方向)に配置されており、検出孔47を間に挟んで互いに対向している。このため、投光部48aから投光される光は、検出孔47を通って受光部48bに入る。検出センサ48は、投光部48aから投光された光の量に対する受光部48bで受光した光を検出することによって、芯出しピン42もしくは偏心ピン43のいずれかが挿入に失敗していないか否かを検出する。芯出しピン42や偏心ピン43が挿入に失敗して下に移動すると、芯出しピン42や偏心ピン43で投光部48aから投光された光が遮断され、受光部48bで光を検出することができない。これにより、係合部34とワーク固定部6との係合が成功したか否かを判別できる。検出センサ48は係合部34とワーク固定部6との係合状態を検出する係合状態検出部として機能する。係合状態とは係合部34がワーク固定部6に正常に係合したか否かである。
検出センサ48が、係合部34とワーク固定部6が正常に係合していない、すなわち係合状態が異常であることを検出した場合、第1駆動部30は動作を停止することができる。
図14~18に示すように、軸部35は、係合部34に連結し、第1軸AX1を中心にして回転させる力を係合部34に伝達する。また、軸部35は、係合部34を上下方向に移動させる力を伝達する。図17~18に示すように、軸部35は、係合部34と連結する回転軸49と、回転軸49を回転可能かつ上下方向へ移動可能に支持する軸受け部50とを備える。
回転軸49は、丸棒で形成されている。回転軸49の上端は、係合部34の下面に設けられた孔に挿入される。これにより、回転軸49と係合部34とが連結されている。回転軸49の下端は、エアシリンダ41に連結されている。
軸受け部50は、下部にフランジ部50aを有する円筒形状を有している。また、フランジ部50aは、後述する昇降部32の支持ベース84にボルトによって固定されている。
軸受け部50は、回転軸49を内部に保持している。軸受け部50は、回転軸49を、第1軸AX1を中心にして回転可能に支持している。また、軸受け部50は、回転軸49を上下方向(Z方向)に摺動可能に支持している。詳細には図18に示すように、軸受け部50は第1軸AX1方向に貫通した貫通孔50b内に第1軸AX1を中心に回転自在な軸保持体50cを保持している。さらに軸保持体50cは回転軸49を第1軸AXに沿って上下動自在かつ軸保持体50cに対しては回転不能な状態で保持している。これにより軸受け部50は軸保持体50cを介して回転軸49を、第1軸AX1を中心にして回転可能かつ、上下方向(Z方向)に摺動可能に支持している。
図18に示すように、軸保持体50cは軸受け部50を貫通している。軸保持体50cの下端部は支持ベース84よりも下方に位置する。軸保持体50cの下端部には歯付プーリ39が装着されている。
図14に示すように、回転軸49の回転は、プーリ機構により第1モータ38の回転が伝達されることによって行われる。回転軸49は、歯付プーリ39と歯付ベルト40とを介して第1モータ38の回転軸に連結されている。第1モータ38の回転軸が回転すると、歯付プーリ39と歯付ベルト40とによって、回転軸49に回転する力が伝達される。これにより、回転軸49は、第1軸AX1を中心にして回転することができる。また、回転軸49の回転は係合部34に伝達され、係合部34が第1軸AX1を中心にして回転する。
図14及び図15に示すように、回転軸49の上下方向の移動は、回転軸49の下端に連結されるエアシリンダ41によって行われる。エアシリンダ41は、回転軸49を上下方向D6に移動させることによって、回転軸49が上下方向D6に移動する。これにより、回転軸49の上端に連結されている係合部34が上下方向D6に移動する。
実施の形態1では、エアシリンダ41によって回転軸49を下方向へ移動させることによって、係合部34をワーク固定部6から分離する。これにより、係合部34が下方向に移動し、芯出しピン42及び偏心ピン43がそれぞれ芯出し穴44及び偏心穴45から抜け、係合部34とワーク固定部6との係合が解除される。
エアシリンダ41、ブレーキ作動部36及びブレーキ作動バー37は、ブレーキ33を装着するブレーキ装着機構部として機能している。具体的には、ブレーキ33をワーク固定部6の装着部11にブレーキ33を装着することによってブレーキ33を作動している。また、エアシリンダ41、ブレーキ作動部36及びブレーキ作動バー37は、ブレーキ33をワーク固定部6から分離するブレーキ分離機構部としても機能している。具体的には、ブレーキ作動部36及びブレーキ作動バー37は、ワーク固定部6の装着部11からブレーキ33を分離することによってブレーキ33の作動を解除している。このように、実施の形態1では、ブレーキ作動部36及びブレーキ作動バー37は、ブレーキ33をワーク固定部6に装着する機構とブレーキ33をワーク固定部6から分離する機構の両方を兼ねている。即ち、ブレーキ分離機構部ブレーキ装着機構部として機能している。
ブレーキ作動部36及びブレーキ作動バー37を説明する前に、ブレーキ33について説明する。
図14及び図15に示すように、ブレーキ33は、ワーク固定部6に装着され、ワーク固定部6がパレット7に対して回転することを抑制する。具体的には、ブレーキ33は、第1駆動部30がワーク固定部6を、第1軸AX1を中心に回転させているとき、パレット7に対してワーク固定部6が回転することを許容する。一方、ブレーキ33は、第2駆動部31がパレット7を、第2軸AX2を中心にして回転させているとき、パレット7に対してワーク固定部6が回転することを抑制する。
図17及び図18に示すように、ブレーキ33は、環状に接続される複数のブレーキ要素51と、複数のブレーキ要素51を互いに近接する方向に付勢する弾性部材52と、を有する。なお、図17では、弾性部材52の一部の図示を省略している。
複数のブレーキ要素51は、それぞれ、円弧状に形成されている。実施の形態1では、3つのブレーキ要素51が接続されることによって、環状のブレーキ33を形成している。
弾性部材52は、ブレーキ要素51の内部に配置され、複数のブレーキ要素51を互いに近接する方向に付勢する。複数のブレーキ要素51が互いに近接する方向とは、ブレーキ33の円周方向である。弾性部材52は、例えば、コイルばねである。複数のブレーキ要素の内部には弾性部材52が配置されており、複数のブレーキ要素をそれぞれ接続している。実施の形態1では、3つのブレーキ要素51を接続するため、3つの弾性部材52が配置されている。
複数のブレーキ要素51の内壁には、ブレーキ33の径方向内側に向かって突出するブレーキ装着凸部53が設けられている。ブレーキ装着凸部53は、複数のブレーキ要素51の内周に沿って環状に設けられている。ブレーキ33では、ブレーキ33の内側にワーク固定部6の突出部(装着部)11が配置される。ブレーキ33が作動したとき、ブレーキ装着凸部53は、ワーク固定部6の装着部11に設けられたブレーキ装着凹部12に係合する(図24A、図24B参照)。
複数のブレーキ要素51の外壁には、ブレーキ33の径方向内側に向かって窪むブレーキ溝部54が設けられている。ブレーキ溝部54は、複数のブレーキ要素51の外周に沿って環状に設けられている。ブレーキ溝部54には、後述するブレーキ保持部が係合する。
図21は、ブレーキ33の一例の底面斜視図である。図22は、ブレーキ33の一例の断面斜視図である。図21及び図22に示すように、複数のブレーキ要素51の下面には、ブレーキ作動部36が挿入されるブレーキ穴55がそれぞれ設けられている。ブレーキ穴55は、ブレーキ33を下方から見たとき円弧状に形成されている。実施の形態1では、3つのブレーキ穴55が120°の間隔で同心円上に設けられている。
ブレーキ穴55は、ブレーキ要素51の下面から上面に向かって幅が小さくなっている。具体的には、ブレーキ穴55を形成する内壁が、傾斜面56を含んでいる。実施の形態1では、傾斜面56は、ブレーキ穴55を形成する内壁のうちブレーキ要素51の外周側に位置する内壁である。傾斜面56は、ブレーキ33の径方向内側に傾斜している。
図23A及び図23Bは、ブレーキ33の動作の一例を示す図である。図23Aは、ブレーキ33が作動していないときの状態の一例を示す。図23Bは、ブレーキ33が作動しているときの状態の一例を示す。
図23Aに示すように、ブレーキ33が作動していないとき、ブレーキ33は、弾性部材52の付勢力に抗して隣接する複数のブレーキ要素51間の間隔を広げている。具体的には、ブレーキ作動部36がブレーキ穴55に挿入されることによって、複数のブレーキ要素51がブレーキ33の径方向外側D7に移動する。このように、複数のブレーキ要素51が弾性部材52の付勢力に抗して、隣接するブレーキ要素51間の間隔を広げている。これにより、ブレーキ33の内径Da1を大きくし、ブレーキ33の内側に配置されるワーク固定部6の装着部11とブレーキ33との係合を解除する。
図23Bに示すように、ブレーキ33が作動しているとき、ブレーキ33は、弾性部材52の付勢力によって隣接する複数のブレーキ要素51間の間隔を狭めている。具体的には、ブレーキ作動部36がブレーキ穴55から引き抜かれることによって、弾性部材52の付勢力により隣接するブレーキ要素51間の間隔を狭める。これにより、複数のブレーキ要素51がブレーキ33の径方向内側D8に移動し、ブレーキ33の内径Da1から内径Da2に小さくしている。その結果、ブレーキ33の内側に配置されるワーク固定部6とブレーキ33とを係合する。
次に、ブレーキ作動部36について説明する。図17に示すように、ブレーキ作動部36は、中央に上下方向に貫通する開口36aを有する環状の部材で形成されている。ブレーキ作動部36は、環状の部材の上面にローラ部57を有しているローラ部57は、円弧状の部材に2つのローラが取り付けられている。ローラ部57は、ブレーキ33のブレーキ要素51の下面に設けられたブレーキ穴55に挿入される。したがって、ローラ部57は、ブレーキ穴55の位置に対応して配置されている。実施の形態1では、3つのローラ部57が120°の間隔で同心円上に配置されている。また、開口36aは係合部34が通過可能な大きさであり、係合部34が開口36aを通ってワーク固定部6に係合するのを許容する。
ブレーキ作動部36は、ローラ部57をブレーキ穴55に挿入することによって、ブレーキ33の作動を解除する。また、ブレーキ作動部36は、ローラ部57をブレーキ穴55から引き抜くことによって、ブレーキ33を作動する。
図24A及び図24Bは、ブレーキ作動部36の動作の一例を示す図である。図24Aは、ブレーキ33の作動が解除されている状態を示す。図24Bは、ブレーキ33が作動している状態を示す。図24Aに示すように、ブレーキ作動部36は、ブレーキ33の下方において、ローラ部57をブレーキ穴55に挿入する。このとき、ローラ部57は、ローラ部57のローラがブレーキ穴55の傾斜面56に接触しながら、ブレーキ穴55に挿入される。これにより、ブレーキ要素51がブレーキ33の径方向外側D9に向かって移動し、ブレーキ装着凸部53がワーク固定部6のブレーキ装着凹部12から抜ける。これにより、ブレーキ33の複数のブレーキ要素51が、ワーク固定部6の装着部11から分離する。このように、ブレーキ作動部36のローラ部57がブレーキ穴55に挿入されることによって、ブレーキ33の作動が解除される。
図24Bに示すように、ブレーキ作動部36を下方向D10に移動させ、ローラ部57をブレーキ穴55から引き抜く。これにより、ブレーキ要素51は、弾性部材52の付勢力によってブレーキ33の径方向内側D11に向かって移動し、ブレーキ33の内側に配置されたワーク固定部6の装着部11に押し付けられる。このとき、ブレーキ装着凸部53がワーク固定部6のブレーキ装着凹部12に係合する。このように、ブレーキ作動部36のローラ部57がブレーキ穴55から引き抜かれることによって、ブレーキ33が作動する。
また、複数のブレーキ要素51は、弾性部材52の付勢力によって上方向D12の力がかかる。これにより、複数のブレーキ要素51は、パレット7の下面に押し付けられる。
このように、ブレーキ作動部36のローラ部57がブレーキ穴55から引き抜かれることによって、ブレーキ33を作動する。ブレーキ33が作動状態にあるとき、ブレーキ33は、弾性部材52の付勢力によって、ワーク固定部6の装着部(突出部11)及びパレット7の下面に押し付けている。その結果、ブレーキ33は、ワーク固定部6がパレット7に対して回転することを抑制することができる。
以上のように、ブレーキ作動部36のローラ部57がブレーキ穴55に挿入されるとき、隣接する複数のブレーキ要素51間の間隔を広げることによってブレーキ33をワーク固定部6の装着部11から分離する。これにより、ブレーキ33の作動を解除し、ワーク固定部6がパレット7に対して回転することを許容する。一方、ブレーキ作動部36のローラ部57がブレーキ穴55から引き抜かれるとき、隣接する複数のブレーキ要素51間の間隔を狭めることによってブレーキ33をワーク固定部6の装着部11に装着する。これにより、ブレーキ33を作動し、ワーク固定部6がパレット7に対して回転することを抑制する。
図16、図40Aに示すように、軸受け部50はブレーキ作動バー37を備える。ブレーキ作動バー37は軸受け部50のフランジ部50aに配置されている。
ブレーキ作動バー37は、上下方向に長さを可変するバーで形成されている。図17に示すように、ブレーキ作動バー37は、円筒部材59と、円筒部材59の内部を摺動可能な円柱部材60と、円筒部材59の内部に配置され、円柱部材60を上方向に付勢する弾性体37a(図40A~図40E参照)とを備える。円柱部材60が円筒部材59の内部を上下方向に摺動することによって、ブレーキ作動バー37の長さを変更することができる。また、円柱部材60は、弾性体によって上方向に付勢されている。円柱部材60の上端にはブレーキ作動部36を支持する支持部60aを有する。支持部60aはブレーキ作動部36の下面に形成された受穴58に挿入されるピン60bを備えている。ブレーキ33を作動させる際、またはブレーキ33がワーク固定部6に装着されている間は、ブレーキ作動部36は支持部60aで一時的に支持される。
実施の形態1では、第1駆動部30は、3つのブレーキ作動バー37を有している。3つのブレーキ作動バー37は、120°の間隔で同心円上に配置されている。
円柱部材60の上端付近の側壁には、ピン61が配置されている。ピン61は、環状部材62を支持している。すなわち、円柱部材60はピン61によって環状部材62と連結している。実施の形態1では、1つの環状部材62を、これを取り囲む3つの円柱部材60で支持しており、1つの環状部材62を介して3つの円柱部材60が連結されていると言える。従って、3つの円柱部材60は環状部材62とともに上下方向へ移動可能になっている。
環状部材62は、係合部34の外壁を取り囲む部材である。即ち、環状部材62の内側に、係合部34が配置されている。係合部34の下部は環状部材62の内径よりも小さいが、係合部34の上部は環状部材62の内径より大きな径大部34aとなっている。環状部材62は円柱部材60とともに弾性体37aによって上方へ押し上げられるが、その上限位置は環状部材62が径大部34aに当接する位置までである。の外壁には、円柱部材60のピン61が挿入される挿入穴63が設けられている。環状部材62の挿入穴63に、円柱部材60のピン61が挿入されることによって、環状部材62と円柱部材60とが係合される。
図25は、ブレーキ保持構造の一例を示す図である。図25では、説明のためにパレット7から2つのブレーキ33を取り外し、4つのブレーキ33が取り付けられた状態を示す。図25に示すように、ブレーキ33は、ブレーキ保持部64によって保持されている。ブレーキ保持部64は、ブレーキ保持プレート65と、ブレーキ保持プレート65を支持する複数のブレーキ保持バー66と、を備える。
ブレーキ保持プレート65は、矩形状の板状部材で形成されている。また、ブレーキ保持プレート65は、上下方向(Z方向)に貫通するブレーキ装着孔67を有する。実施の形態1では、ブレーキ保持プレート65には3つのブレーキ装着孔67が設けられている。ブレーキ装着孔67は、上下方向から見て、円形に形成されている。
ブレーキ保持プレート65は、ブレーキ装着孔67のエッジがブレーキ33の側壁に設けられたブレーキ溝部54に係合する。ブレーキ装着孔67の直径は、ブレーキ33が作動していないときの状態(図23A参照)のブレーキ33の外径より小さく、ブレーキ33が作動しているときの状態(図23B参照)のブレーキ33の外径より大きい。このような構成により、ブレーキ33が作動していないとき、ブレーキ装着孔67内においてブレーキ33のブレーキ溝部54にブレーキ保持プレート65が係合する。一方、ブレーキ33が作動しているとき、ブレーキ33の外径がブレーキ装着孔67の直径よりも小さくなり、ブレーキ装着孔67内においてブレーキ溝部54とブレーキ保持プレート65との係合が解除される。
図40Aには、ブレーキ保持プレート65がブレーキ33を保持した状態が示されている。ブレーキ保持プレート65は複数のブレーキ保持バー66を有している。複数のブレーキ保持バー66は、駆動ベース70の底部70aと昇降部32の昇降ベース82とを貫通し、その下端部66aは支持ベース84の上方に達している。ブレーキ保持バー66は底部70aに設けたガイド部70gによって上下方向へ移動自在に保持されている。またブレーキ保持バー66は、下端部66aと底部70aの間にコイルバネ66bを保持している。ブレーキ保持バー66はコイルバネ66bの反発力によって常に下に付勢されている。すなわち、ブレーキ保持プレート65は保持したブレーキ33とともにコイルバネ66bによって下に付勢されている。
図40Aに示すように、ブレーキ作動部36は底部70aに載置されている。ブレーキ保持プレート65に保持されたブレーキ33のブレーキ穴55には、ローラ部57が挿入されている。ブレーキ保持プレート65がブレーキ33を保持した状態を維持するためには、ブレーキ作動部36のローラ部57がブレーキ穴55から抜けないようにしておく必要がある。すなわち、ブレーキ33が作動するとブレーキ33の外径がブレーキ装着孔67の直径より小さくなるからである。前述のコイルバネ66bはブレーキ保持プレート65に保持されたブレーキ33をブレーキ作動部36へ押付ける機能を有している。
図40Aに示すように、底部70aと昇降ベース82には、軸受け部50が通過可能な貫通孔70h、82hが形成されている。貫通孔70h、82hは、係合部34とブレーキ作動バー37が通過できる形状と大きさとなっている。後述する昇降部32によって底部70aと昇降ベース82が下降すると、底部70a上に載っているブレーキ作動部36の受穴58にピン60bが挿入され、ブレーキ作動部36を支持する部材が底部70aから円柱部材60に切り替わる(図40B参照)。さらに底部70aと昇降ベース82が下降すると、これらとともに下降してきたワーク固定部6の芯出し穴44及び偏心穴45に係合部34の芯出しピン42及び偏心ピン43が挿入される(図40C参照)。
第1モータ38及びエアシリンダ41は、第1駆動部30を駆動する駆動源である。実施の形態1では、第1モータ38は、歯付プーリ39及び歯付ベルト40を介して軸部35の回転軸49を回転させている。即ち、第1駆動部30は、第1モータ38の回転によって、ワーク固定部6を、第1軸AX1を中心にして回転させている。実施の形態1では、第1モータ38は、複数の第1駆動部30のそれぞれの係合部34を回転させている。
エアシリンダ41は、係合部34を下方向に移動させ、ワーク固定部6から係合部34を分離する。具体的には、ワーク固定部6の回転が終了した後、エアシリンダ41は、係合部34を下方向に移動させ、係合部34がパレット7に対して相対的に降下する。これにより、係合部34の芯出しピン42及び偏心ピン43をワーク固定部6の芯出し穴44及び偏心穴45から引き抜き、係合部34とワーク固定部6の係合を解除する。係合部34とワーク固定部6の係合を解除すると、ワーク固定部6が第1駆動部30から分離可能となる。係合部34がエアシリンダ41によって下降すると、径大部34aによって環状部材62も押し下げられ、これに連結している円柱部材60も下降する。円柱部材60が下降すると支持部60aで支持されていたブレーキ作動部36も下降して、ブレーキ穴55からローラ部57が引き抜かれる。ブレーキ33の弾性部材52がブレーキ要素51を引き寄せる力はブレーキ穴55の傾斜面56によってローラ部57にも作用するが、その力の方向はローラ部57をブレーキ穴55から押し出す方向である。従って、支持部60a下降すればブレーキ作動部36も下降し、結果としてブレーキ穴55からローラ部57が引き抜かれてブレーキ33を作動させる。それとは逆に、係合部34がエアシリンダ41によって上昇すると、係合部34とワーク固定部6とが係合し、ブレーキ作動部36の弾性体37aによってブレーキ作動部36が押し上げられてローラ部57がブレーキ穴55に挿入される。これにより、ブレーキ33の作動が解除される。すなわち、エアシリンダ41、ブレーキ作動部36及びブレーキ作動バー37は、ブレーキ33を作動させるブレーキ駆動機構としても機能する。
実施の形態1では、作業装置3は、エアシリンダ41とブレーキ作動部36とによって、ワーク固定部6に対してブレーキ33を着脱している。このように、実施の形態1では、エアシリンダ41及びブレーキ作動部36は、ブレーキ着脱部を構成している。
<第2駆動部>
図26は、第2駆動部31の一例の斜視図である。図27は、パレット7を取り外した状態の第2駆動部31の一例の斜視図である。図28は、第2駆動部31の一例の正面図である。なお、図26~28では、説明を容易にするため、第2駆動部31以外の要素も図示している。
図26~28に示すように、第2駆動部31は、ワーク5を、第2軸AX2を中心として回転させる機構を有する。第2駆動部31は、第1回転駆動部の係合部34がワーク固定部6から分離しているとき、パレット7を第1軸AX1に直交する第2軸AX2を中心に回転させる第2回転駆動部を含む。第2回転駆動部は、パレット保持部72、第2モータ73、第2伝達機構を含む。第2伝達機構は、第2モータ73の動力をパレット保持部72に伝達する回転軸部71、中継軸74、歯付プーリ74a,75a,75b,75c、歯付ベルト76a,76bを含んでいる。
具体的に説明すると、第2駆動部31は、駆動ベース70、回転軸部71、パレット保持部72、及び第2モータ73を有する。また、第2駆動部31は、第2モータ73の回転をパレット保持部72に伝達する第2伝達機構を含んでいる。第2伝達機構として、回転軸部71、中継軸74、歯付プーリ74a,75a,75b,75c、歯付ベルト76a,76bを備える。
駆動ベース70は、第2駆動部31のベースとなる部材である。駆動ベース70は昇降部32の昇降ベース82上に固定されている。駆動ベース70は、板状の底部70aと、底部70aの上面から上方へ向かって延びる一対の側壁70b,70cを有する。実施の形態1では、底部70aは、搬送方向D1、即ち第2駆動部31のY方向に長手方向を有する板状の部材で形成されている。側壁70b,70cは、底部70aの長手方向の端部にそれぞれ配置され、且つ互いに対向して配置されている。
回転軸部71は、駆動ベース70の側壁70b,70cにそれぞれ回転可能に保持され、第2モータ73によって回転させられる。回転軸部71は、第2軸AX2上を延びる回転軸77を有している。回転軸部71の回転軸77は、側壁70b,70cを貫通している。回転軸部71は、中継軸74、歯付プーリ75a,75b及び歯付ベルト76a,76bを介して、第2モータ73と接続されている。中継軸74、歯付プーリ75a,75b及び歯付ベルト76a,76bを介して第2モータ73の回転が回転軸部71に伝達されることによって、回転軸77が第2軸AX2を中心として回転する。
実施の形態1では、駆動ベース70の側壁70bには、2つの第1回転軸部71aが保持され、側壁70cに2つの第2回転軸部71bが保持されている。第1回転軸部71aと第2回転軸部71bとは、互いに対向して配置されている。本明細書では、第1回転軸部71aと第2回転軸部71bとを回転軸部71と称している。
パレット保持部72は、回転軸部71の先端に取り付けられ、パレット7を保持する。具体的には、パレット保持部72は、回転軸部71において、駆動ベース70の側壁70b,70cの内側に配置される回転軸の先端に取り付けられている。パレット保持部72は、パレット7が載置される載置面72aを有する。パレット保持部72は、例えば、L字状の部材で形成されている。
載置面72aには、パレット7を位置決めする第2位置決めピン78が設けられている。第2位置決めピン78は、載置面72aから上方へ向かって突出する円柱形状のピンである。
図29は、図26の第2駆動部31のZ2部分の拡大斜視図である。図29に示すように、第2位置決めピン78がパレット7の第2位置決め孔17に挿入される。このように、第2位置決めピン78をパレット7の第2位置決め孔17に挿入した状態で、パレット7は、パレット保持部72の載置面72a上に載置される。これにより、上方向を除いてパレット7の移動が抑制される。なおパレット保持部72としては磁力や負圧を利用してパレット7を保持するものでもよい。
第2駆動部31は、パレット保持部72でパレット7を保持した状態で、第2モータ73によって回転軸部71の回転軸77を回転させる。これにより、パレット7を、第2軸AX2を中心として回転させることができる。
第2モータ73は、回転軸部71を回転させる駆動源である。第2モータ73の回転は、中継軸74、歯付プーリ74a,75a,75b及び歯付ベルト76a,76bを介して、回転軸部71に伝達される。
<昇降部>
図30は、昇降部32の一例の斜視図である。図31は、昇降部32の一例の正面図である。なお、図30及び図31では、説明を容易にするために、第1駆動部30及び/又は第2駆動部31を図示している。図30及び図31に示すように、昇降部32は、固定ベース80、固定ベース80に接続される昇降支持部81、昇降支持部81によって支持される昇降ベース82、及び昇降ベース82を昇降させる昇降モータ83を備える。
なお、昇降部32を構成する要素は、これらに限定されるものではない。
固定ベース80は、固定された板状部材である。昇降部32は、固定ベース80に対して昇降ベース82を昇降させる。
昇降支持部81は、固定ベース80に接続されると共に、昇降ベース82を支持する。昇降支持部81は、昇降軸受け部81aと、昇降軸受け部81aの内部を上下方向D13に移動可能な昇降シャフト81bと、昇降機構81cと、を有する。
昇降軸受け部81aは、円筒形状を有し、固定ベース80を貫通して配置されている。昇降シャフト81bは、円柱形状を有し、昇降軸受け部81aの内部を上下方向(Z方向)に移動可能である。昇降シャフト81bの上端は、昇降ベース82に接続されている。昇降機構81cは上下方向に延びた送りねじと送りねじに螺合するナットを含み、ナットが昇降ベース82に連結され、送りねじが昇降モータ83に連結されている。昇降モータ83が送りねじを回転させるとナットに連結された昇降ベース82が昇降する。
昇降モータ83は、昇降ベース82に接続され、昇降ベース82を上下方向D13に移動させる駆動源である。
昇降ベース82は、上下方向D13に昇降する板状部材である。昇降ベース82は、第2駆動部31を備えている。具体的には、第2駆動部31の駆動ベース70が昇降ベース82にねじなどによって固定されている。よって、昇降ベース82が上下方向D13に移動するとき、第2駆動部31も上下方向D13に移動する。また、第2駆動部31のパレット保持部72にパレット7が保持されている場合、昇降ベース82を昇降させることによって、パレット7を昇降させることができる。これにより、パレット7やワーク固定部6を第1駆動部30の係合部34に対して上下方向に移動させ、ワーク固定部6を係合部34に係合する作業やワーク固定部6にブレーキ33を着脱する作業を実行可能な位置まで下降させることができる。
支持ベース84は、固定ベース80と昇降ベース82との間に配置される。具体的には、支持ベース84は、複数のバーによって固定ベース80に固定して取り付けられている。支持ベース84には、第1駆動部30が装着されている。
昇降部32は、係合部34をワーク固定部6に係合分離する係合分離部として機能する。実施の形態1では、係合分離部は、昇降部32と、エアシリンダ41と、回転軸49と、を含む。本明細書では、昇降部32を第1昇降部32と称し、エアシリンダ41と回転軸49とで構成される昇降機構を第2昇降部と称する。即ち、実施の形態1では、係合分離部は、第1昇降部32と、第2昇降部とで構成されている。具体的には、第1駆動部30の係合部34とワーク固定部6との係合は第1昇降部32によって行われ、係合部34とワーク固定部6との分離は第2昇降部によって行われる。
また、昇降部32は、第2回転駆動部によって搬送面に平行にされたワーク5の実装面を、装着ヘッド(作業部)97による部品の装着が可能な高さに位置させる。
図32は、第1駆動部30及び昇降部32の接続構造の一例を示す部分断面図である。図32に示すように、第1駆動部30の軸受け部50が支持ベース84に、ねじによって接続されている。例えば、軸受け部50のフランジ部50aと支持ベース84とが接続されている。
このように、昇降部32においては、昇降モータ83によって、昇降ベース82を固定ベース80及び支持ベース84に対して、上下方向D13に移動させている。これにより、第2駆動部31をコンベア9、第1駆動部30、ブレーキ保持部64に対して相対的に昇降させることができる。
実施の形態1では、作業装置3は、キャリア8からパレット7を取り外し、パレット7を第2駆動部31に装着するパレット着脱機構を有する。図33は、パレット着脱機構を備える作業装置3の一例を示す斜視図である。図33に示すように、パレット着脱機構は、昇降部32とスライド部90とによって実現されている。
図11A~図11Cに示すように、キャリア8からパレット7の取り外しは、パレット7を上方に持ち上げた後、パレット7をキャリア8に対して相対的に搬送方向D1にスライド移動させた後、パレット7を下方に移動させることによって行っている。一方、キャリア8へのパレット7の取り付けは、取り外しと逆の手順により行っている。
昇降部32は、昇降ベース82を昇降させることによって、パレット7を上下方向に移動させる。具体的には、パレット7は、第2駆動部31のパレット保持部72によって保持されており、第2駆動部31は昇降ベース82によって支持されている。したがって、昇降ベース82を昇降することによって、第2駆動部31と共にパレット7を上下方向に移動させることができる。
スライド部90は、キャリア8をスライド移動させることによって、パレット7をキャリア8に対して相対的にスライド移動させる。図33に示すように、スライド部90は、支持ベース84に取り付けられている。スライド部90は、キャリア8の第3位置決め孔25に挿入される第3位置決めピン91とリフトピン92を有している。また、スライド部90は、第3位置決めピン91とリフトピン92を上方へ移動可能な機構を有する。具体的にはエアシリンダ93を備えている。キャリア8がコンベア9によってスライド部90の上方に搬送されてくるとエアシリンダ93を作動させて第3位置決めピン91とリフトピン92を上方へ移動させる。これにより第3位置決めピン91とリフトピン92はキャリア8をコンベア9から少しだけ持ち上げるとともに、第3位置決めピン91が第3位置決め孔25に挿入される。スライド部90は、スライド部90は、第3位置決めピン91をキャリア8の第3位置決め孔25に挿入した状態で、キャリア8をスライド移動させる。スライド部90は、エアシリンダ93が取り付けられた部材をスライドさせるアクチュエータ(図示せず)を備えており、アクチュエータが作動することにより、パレット7をキャリア8に対して相対的に移動させている。
第3位置決めピン91は、上下方向に移動可能な機構を有する。第3位置決めピン91は、キャリア8が作業装置3に搬送されてきたときに上方向に移動し、第3位置決め孔25に挿入される。また、第3位置決めピン91は、キャリア8にパレット7が戻されるまで第3位置決め孔25に挿入された状態を保ち、キャリアシステムを作業装置3から搬出するときに下方向に移動し、第3位置決め孔25から抜かれる。
図34A及び図34Bは、第3位置決めピン91の動作の一例を示す図である。図35A及び図35Bは、第3位置決めピン91の動作の一例を示す拡大斜視図である。図34A及び図35Aに示すように、コンベア9によってキャリア8が作業装置3に搬送されてきたとき、スライド部90は第3位置決めピン91を上方向D14に向かって移動させる。これにより、図34B及び図35Bに示すように、第3位置決めピン91をキャリア8の第3位置決め孔25に挿入する。
図36A~36Cは、パレット7をキャリア8から取り外す動作の一例を示す図である。図36A~36Cは、パレット7の第2位置決め孔17周辺を拡大した図である。図36Aに示すように、昇降部32が昇降ベース82を上方向D15に移動させることによって、第2駆動部31のパレット保持部72の第2位置決めピン78をパレット7の第2位置決め孔17に挿入する。
図36Bに示すように、第2位置決めピン78を第2位置決め孔17に挿入した状態で、昇降部32は、更に昇降ベース82を上昇させる。これにより、パレット7がキャリア8から持ち上がり、キャリア8の第1位置決めピン20がパレット7の第1位置決め孔16から抜かれる。
次に、スライド部90によって、キャリア8を搬送方向D16と反対方向D17にスライド移動させることによって、パレット7をキャリア8に対して相対的に搬送方向D16に移動させる。これにより、図36Cに示すように、パレット7とキャリア8との係合が解除される。
図37A及び図37Bは、キャリア8をスライド移動させる動作の一例を示す図である。図37A及び図37Bは、作業装置3を上方から見た図を示す。図37Aに示すように、スライド部90は、キャリア8を搬送方向D16と反対方向D17に移動させる。これにより、図37Bに示すように、スライド部90は、パレット7を開口22及び開口24に配置する。具体的には、パレット7の被保持部14が開口22に配置され、縮小部15が保持部19の2つの保持片の間に配置され、それ以外の部分が開口24に配置される。
図37Bに示す状態で、昇降部32は昇降ベース82を下方向に移動させることによって、パレット7をキャリア8の下方に移動させる。このとき、パレット7は開口22及び開口24を通り抜けて下方に移動し、キャリア8から取り外される。
[部品実装システムの動作]
次に、部品実装システム1の動作の一例、即ち部品実装方法の一例について詳細に説明する。
図38は、部品実装方法のフローチャートの一例を示す。なお、図38のフローチャートは、部品実装方法の一例であり、これらのステップに限定されない。
図38に示すように、ステップST1では、コンベア9によって、パレット7を保持するキャリア8を作業装置3に搬送する。具体的には、図2Aに示すように、作業装置3のコンベア9によって、キャリア8を搬送方向D1へ移動させる。図2Bに示すように、キャリア8が作業装置3の上方に移動してくると、コンベア9が停止する。なお、パレット7には、ワーク5を固定したワーク固定部6が回転可能に保持されている。
ステップST2では、昇降部32及びスライド部90によって、パレット7をキャリア8から取り外し、作業装置3に取り付ける。
図34A~34B及び図35A~35Bに示すように、スライド部90が第3位置決めピン91を上方向D14に移動させ、キャリア8の第3位置決め孔25に第3位置決めピン91を挿入する。これにより、キャリア8を作業装置3の上方に位置決めすることができる。
図36A~図36Cに示すように、昇降部32が昇降ベース82を上昇させることによって第2駆動部31を上昇させる。これにより、第2駆動部31のパレット保持部72の第2位置決めピン78をパレット7の第2位置決め孔17に挿入する。昇降部32は、昇降ベース82を更に上昇させ、パレット7の被保持部14をキャリア8の保持部19から持ち上げ、キャリア8の第1位置決めピン20をパレット7の第1位置決め孔16から抜く。
スライド部90は、キャリア8を搬送方向D16と反対方向D17に移動させることによって、パレット7をキャリア8に対して相対的に搬送方向D16へ移動させる。これにより、図37A及び図37Bに示すように、パレット7の被保持部14が開口22に配置され、縮小部15が保持部19の2つの保持片の間に配置され、それ以外の部分が開口24に配置される。
昇降部32は昇降ベース82を下方向に移動させることによって、パレット7をキャリア8の開口22及び開口24を通して、下方に移動させる。これにより、パレット7をキャリア8から取り外す。
また、第2駆動部31のパレット保持部72の第2位置決めピン78をパレット7の第2位置決め孔17に挿入した状態で、パレット7はパレット保持部72によって保持されている。即ち、パレット7は第2駆動部31によって保持されている。これにより、パレット7が作業装置3に取り付けられた状態となる。
ステップST3では、第1駆動部30をワーク固定部6に係合させ、必要であれば第1駆動部30によって、ワーク固定部6を、第1軸AX1を中心に回転させる。また、ステップST4では、第1駆動部30によって、ワーク固定部6にブレーキ33を装着する。
ステップST3及びステップST4については、図39A~39D及び図40A~40Eを用いて詳細に説明する。図39A~39Dは、第1駆動部30の動作の一例の部分拡大斜視図である。図40A~40Eは、第1駆動部30の動作の一例を説明する図である。
図39A及び図40Aに示すように、パレット7はキャリア8から取り外された後、第1駆動部30の上方に位置している。即ち、パレット7がキャリア8から取り外された後においては、第1駆動部30とワーク固定部6とは分離している。
ブレーキ33は、ブレーキ保持プレート65によって保持され、第1駆動部30の係合部34の上方に配置されている。具体的には、ブレーキ33のブレーキ溝部54にブレーキ保持プレート65が係合されることによって、ブレーキ33が保持される。
ブレーキ33のブレーキ穴55には、ブレーキ作動部36のローラ部57が挿入されている。このため、ブレーキ33が作動していない状態である。ブレーキ作動部36は、第2駆動部31の駆動ベース70によって支持されており、ブレーキ作動バー37と分離している。
図39B及び図40Bに示すように、昇降部32は、昇降ベース82を第2駆動部31の駆動ベース70と共に下方向D18に移動させる。また、これに先立ち、第1駆動部30のエアシリンダ41を作動させて係合部34を上昇させておく。これにより、ワーク固定部6を第1駆動部30に取り付ける。
パレット7は、第2駆動部31のパレット保持部72に保持されている。このため、第2駆動部31の駆動ベース70が下方向D18に移動すると、パレット7も下方向D18に移動する。一方、第1駆動部30は、昇降ベース82に連結されておらず、支持ベース84に支持されている。このため、昇降ベース82及び駆動ベース70の下降に伴ってパレット7が下方向D18に移動すると、第1駆動部30はパレット7に対して相対的に上方向に移動する。これにより、第1駆動部30の係合部34は、パレット7の下方からワーク固定部6に係合する。
昇降ベース82及び駆動ベース70の下降に伴ってブレーキ保持プレート65が下降するため、ブレーキ33も下降する。そして、ブレーキ保持バー66の下端部66aが支持ベース84の上面に着地するとブレーキ保持プレート65の下降が止まる。これにより、ブレーキ33がブレーキ保持プレート65によって所定の高さ位置に保持され、所定の高さ位置から下降しなくなる。
また、昇降ベース82及び駆動ベース70の下降に伴って、ブレーキ作動部36も下降していくが、ブレーキ保持プレート65の下降が止まるタイミングでブレーキ作動部36はブレーキ作動バー37の円柱部材60に係合する。具体的には、ブレーキ作動部36の下面に設けられた受穴58に、円柱部材60の支持部60aに設けたピン60bが挿入される。ブレーキ作動部36と円柱部材60とが係合すると、ブレーキ作動部36は、ブレーキ作動バー37によって支持される。円柱部材60は、円筒部材59の内部の弾性体によって上方向に付勢されている。このため、ブレーキ作動部36がブレーキ作動バー37によって上方向に押された状態で支持される。その結果、ブレーキ33のブレーキ穴55にローラ部57を挿入した状態を維持することができる。
図39C及び図40Cに示すように、さらに昇降ベース82及び駆動ベース70の下降が継続されると、ワーク固定部6のブレーキ装着凹部12がブレーキ33の内部に位置する高さまでパレット7が下降する。これにより第1駆動部30の係合部34は、パレット7の下方からワーク固定部6に係合する。具体的には、係合部34の芯出しピン42及び偏心ピン43が、それぞれ、ワーク固定部6の芯出し穴44及び偏心穴45に挿入される。芯出しピン42は、第1軸AX1上に配置されている。このため、芯出しピン42を芯出し穴44に挿入することによって、芯出しピン42をワーク固定部6の回転中心として機能させることができる。
次に、第1駆動部30は、第1モータ38によって軸部35の回転軸49を回転させ、回転軸49に連結された係合部34を回転させる(図14参照)。これにより、芯出しピン42の周りを偏心ピン43が旋回し、係合部34と係合しているワーク固定部6が係合部34の芯出しピン42を回転中心として回転する。即ち、係合部34が回転することによって、ワーク固定部6が第1軸AX1を中心として回転する。これによりワーク固定部6に固定されているワーク5の実装面のうち、作業を予定している実装面が第2軸AX2と平行になるように調整する。なお係合部34がワーク固定部6に係合した時点で作業を予定している実装面が第2軸AX2と平行になっている場合は係合部34を回転させる必要はなく、この作業をスキップしてもよい。
図40Dに示すように、第1駆動部30によるワーク固定部6の回転が完了すると、ワーク固定部6にブレーキ33を装着する。具体的には、第1駆動部30は、エアシリンダ41によって回転軸49を下方向に移動させる(図14参照)。これにより、回転軸49の上端に連結された係合部34を下方向D19に移動させる。
係合部34が下方向D19に移動すると、係合部34の芯出しピン42及び偏心ピン43が芯出し穴44及び偏心穴45から引き抜かれる。これにより、係合部34とワーク固定部6との係合を解除し、係合部34がワーク固定部6から分離する。
また、係合部34が下方向D19に移動すると、係合部34の径大部34aで環状部材62も下方向D19に押し下げられる。環状部材62は、ピン61で円柱部材60と連結されているので支持部60aも下降する。これによりブレーキ作動部36も下方向D19に移動する。
ブレーキ作動部36が下方向D19に移動すると、ローラ部57がブレーキ33のブレーキ穴55から下方向に引き抜かれる。ブレーキ穴55からローラ部57が引き抜かれると、ブレーキ33が作動する(図24A及び図24B参照)。ブレーキ33が作動すると、ブレーキ33の複数のブレーキ要素51がブレーキ33の径方向内側D20に向かって移動する。これにより、ブレーキ溝部54とブレーキ保持プレート65との係合が解除され、ブレーキ33がブレーキ保持プレート65から分離し、ブレーキ33がワーク固定部6の装着部11に装着される。
具体的には、ブレーキ33が作動すると、ブレーキ33の内側に設けられているブレーキ装着凸部53が、ワーク固定部6のブレーキ装着凹部12に係合する。また、複数のブレーキ要素51は、弾性部材52によって、ワーク固定部6の装着部(突出部)11及びパレット7の下面に押し付けられる(図24B参照)。これにより、ブレーキ33がワーク固定部6に装着され、パレット7に対するワーク固定部6の回転を抑制する。即ち、ブレーキ33がワーク固定部6に装着されることによって、ワーク固定部6の第1軸AX1を中心とする回転が抑制される。
このように、ブレーキ33が作動すると、ブレーキ33は、ブレーキ保持プレート65から分離し、ワーク固定部6に装着される。
図39D及び図40Eに示すように、昇降部32は、昇降ベース82及び駆動ベース70を上方向D21に移動させることによって、パレット7を上方向D21に移動する。これにより、ブレーキ33が装着された状態でワーク固定部6が第1駆動部30から離れる。
このようにして、第1駆動部30によって、ワーク固定部6を、第1軸AX1を中心に回転させた後、ワーク固定部6にブレーキ33を装着し、ワーク固定部6を第1駆動部30から切り離している。
図38に戻って、ステップST5では、第2駆動部31によって、パレット7を、第2軸AX2を中心にして回転させる(図26参照)。パレット7を回転させるとき、ワーク固定部6はパレット7に対する回転が抑制されている。このため、パレット7を回転させても、ワーク固定部6が第1軸AX1を中心として回転することが抑制され、ずれを抑制することができる。これにより、ワーク5の実装面を作業部97による作業が可能な方向に向ける。具体的には、ワーク5の実装面を搬送面に対して平行にする。また昇降部32によってワーク5の実装面の高さを作業部による作業が可能な高さに調整する。具体的にはワーク5の実装面を搬送面から所定の範囲内の高さに位置させる。
ステップST6では、作業部によって、ワーク固定部6に固定されたワーク5に部品を装着する。作業部は、例えば、部品をワーク5へ装着する装着ヘッドである。図2Cに示すように、第1駆動部30及び第2駆動部31によってワーク5を回転させた後、作業部は、ワーク5の実装面に部品を装着する。
ステップST7では、他に作業の必要な実装面があるかどうかを判断する。必要な実装面があればステップST3に戻る。必要な実装面がなければステップST8へ移行する。
ステップST8では、ブレーキ作動部36によって、ワーク固定部6からブレーキ33を分離する。ステップST8では、ステップST3及びST4で説明した図39A~39D及び図40A~40Fの工程を逆順で行うことによって、ブレーキ33をワーク固定部6から分離する。具体的には、ブレーキ作動部36をブレーキ33のブレーキ穴55に挿入することによって、ブレーキ33の作動を解除し、ブレーキ33をワーク固定部6から分離する。分離したブレーキ33は、ブレーキ保持プレート65によって保持される。
ステップST9では、昇降部32及びスライド部90によって、パレット7をキャリア8に取り付ける。ステップST9では、昇降部32及びスライド部90によって、パレット7を作業装置3から取り外し、キャリア8に取り付ける。ステップST9では、ステップST2で説明した工程を逆順で行うことによって、パレット7をキャリア8によって保持する。
ステップST10では、キャリアシステム2によって、キャリア8をリフロー装置4に搬送する。具体的には、パレット7をキャリア8に取り付けると、スライド部90が第3位置決めピン91を下方向に移動させ、キャリア8の第3位置決め孔25から第3位置決めピン91を引き抜く。その後、図2Dに示すように、作業装置3は、コンベア9を駆動し、キャリア8をリフロー装置4に搬送する。
ステップST11では、リフロー装置4によって、ワーク5に装着された部品をはんだ付けする。リフロー装置4は、作業装置3で部品が装着されたワークを加熱することによって、はんだを溶融する。これにより、ワークに装着された部品をはんだ付けする。
このように、部品実装方法では、ステップST1~ST11を行うことによって、ワーク5に部品を実装する。
[効果]
部品実装システム1によれば、上記構成により、生産性を向上させることができる。また、部品実装システム1を構成するキャリアシステム2及び作業装置3単独であっても、生産性を向上させるという効果を奏することができる。
キャリアシステム2は、ブレーキ33が着脱可能なワーク固定部6にワーク5を固定した状態でコンベア9によって搬送され、後段の作業装置3の作業を効率良く行えるようにしている。
作業装置3は、第1駆動部30と第2駆動部31とが、それぞれ独立して、ワーク5を第1軸AX1及び第2軸AX2を中心に回転させることができる。これにより、ワーク5を効率良く回転させることができる。また、複数の回転軸が連動してワーク5を回転させる構成に比べて、ワーク5を回転させるスペースを小さくすることができるため、装置の小型化を実現することができる。
なお、実施の形態1では、6つのワーク5に部品を実装する部品実装システム1の構成の例を説明したが、これに限定されない。部品実装システムは、1つ又は複数のワーク5に部品を実装する構成であってもよい。
実施の形態1では、キャリアシステム2として、ワーク固定部6、パレット7及びキャリア8を備える例について説明したが、キャリアシステム2を構成する要素はこれらに限定されない。実施の形態1で説明したキャリアシステム2を構成する要素は、一例であって、これらの要素の一部を削除してもよいし、他の要素を加えてもよい。
実施の形態1では、作業装置3として、作業部97、第1駆動部30、第2駆動部31及び昇降部32を備える例について説明したが、作業装置3を構成する要素はこれらに限定されない。実施の形態1で説明した作業装置3を構成する要素は、一例であって、これらの要素の一部を削除してもよいし、他の要素を加えてもよい。
また、作業装置3は、ワーク5の実装面に部品を装着する装着ヘッドを備える部品装着装置として説明したが、これに限定されない。作業装置3は、はんだ又は接着剤を塗布する塗布ヘッドを備える塗布装置、部品の装着状態を検査する検査ヘッドを備える検査装置、あるいはこれらの装置を組み合わせたものであってもよい。
実施の形態1では、係合分離部は、第1昇降部32と、エアシリンダ41及び回転軸49を含む第2昇降部とで構成される例について説明したが、これに限定されない。即ち、実施の形態1では、係合部34とワーク固定部6との係合及び分離は、それぞれ、異なる機構で行う例について説明したが、これに限定されない。係合部34とワーク固定部6との係合及び分離は、同じ機構で行われてもよい。例えば、係合分離部は、は第1昇降部32のみ、もしくは、第2昇降部のみで構成してもよい。
実施の形態1では、ブレーキ33は、作業装置3の第1駆動部30の上方に配置される例について説明したが、これに限定されない。ブレーキ33は、第1駆動部30によるワーク固定部6の回転が完了した後に、ワーク固定部6に装着されれば、部品実装システム1のどの位置に配置されていてもよい。
実施の形態1では、エアシリンダ41、ブレーキ作動部36及びブレーキ作動バー37は、ブレーキ装着機構部及びブレーキ分離機構部として機能する例について説明している。即ち、実施の形態1では、ブレーキ装着機構部は、ブレーキ分離機構部としても機能する例を説明している。しかしながら、部品実装システム1は、ブレーキ装着機構部とブレーキ分離機構部とをそれぞれ別々に備えていてもよい。この場合、ブレーキ分離機構部は、ワーク5がリフロー装置4に搬送される前にワーク固定部6からブレーキ33を分離すればよい。
実施の形態1では、部品実装方法として、ステップST1~ST11を含む方法の例を説明したが、これに限定されない。これらのステップST1~ST11のいくつかは削除されてもよい。また、部品実装方法は、別のステップを追加してもよい。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。