JP7141875B2 - 放射線治療システム - Google Patents

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本発明は、被検体の呼吸動作に同期した照射タイミング信号を出力する呼吸同期装置と、照射タイミング信号の示すタイミングで被検体に放射線ビームを照射する放射線ビーム照射装置とを有する放射線治療システムに関する。
従来より、患者等の被検体の呼吸動作に同期して放射線ビームを被検体に照射する放射線治療システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、肺や肝臓等のような被検体の呼吸動作に伴って腫瘍や病巣が動く部位に対して放射線治療を行う場合、被検体の呼吸状態が当該被検体に対する放射線治療に大きく影響する。そこで、呼吸動作に同期して放射線治療を行う呼吸同期照射法を用いることにより、被検体に対する効果的な放射線治療を可能にしている。
特許第5610441号公報
ところで、放射線治療において、例えば、肺の腫瘍に関しては、被検体の呼吸動作に伴って、該腫瘍の位置が周期的に変動することが多く、その変動幅が2cm~3cmを超える場合がある。そのため、該腫瘍に対して放射線ビームを照射する放射線治療を行う場合、被検体の呼吸動作に伴う腫瘍の位置の変動を考慮する必要がある。
呼吸同期照射法では、呼吸同期装置(放射線治療装置用シンクロナイザ)を用いて被検体の体表の変動を検出し、検出した体表の変動に応じて、被検体に対する放射線ビームの照射タイミングを変動させる。この場合、体表の変動と、被検体内部の腫瘍の変動との間で相関関係が成り立つことが前提となる。
また、放射線治療システムにおいて、被検体内部の画像情報は、放射線ビーム照射装置側のモニタに表示される一方で、被検体の体表の変動情報は、呼吸同期装置側のモニタに表示される。従って、これらの情報は、同一のモニタ上に表示されないので、被検体の放射線治療を担当する医師又は放射線技師は、2つのモニタの表示内容を常に監視する必要があり、煩雑である。
さらに、被検体内部の画像情報から腫瘍又は関心領域を抽出し、抽出された腫瘍又は関心領域が任意の目標範囲内に収まったタイミングと、被検体の体表の変動情報に基づいて設定したタイミングとが一致した場合にのみ、放射線ビームを被検体に照射する技術があり、特許文献1に記載されている。
そして、近年、肺や肝臓を治療対象とした回転型強度変調放射線治療(VMAT;Volumetric Modulated Arc Therapy)が主流になりつつある。VMATは、放射線ビーム照射装置のガントリを回転させながら、ガントリの中央に位置する被検体に照射(回転照射)する放射線量を適宜調整しつつ放射線治療を行うものである。VMATは、従来の治療法に比べて、治療時間の短縮が見込める。しかしながら、特許文献1に記載された「被検体内部の画像情報から腫瘍又は関心領域を抽出し、抽出された腫瘍又は関心領域が任意の目標範囲内に収まったタイミングと、被検体の体表の変動情報に基づいて設定したタイミングとが一致した場合にのみ、放射線ビームを被検体に照射する手法」を、患者に息止めを反復指示しながらVMATに適用した場合、ガントリの角度によっては、被検体内部の画像中に腫瘍が写りにくい場合がある。
なぜならば、通常のリニアック治療装置のガントリには、治療用ビームと直交する位置に透視用X線管が配置され、ガントリの回転に伴い、透視用X線の照射方向も回転するためである。この結果、上記2つのタイミングを同時に得ることができず、VMATによる治療時間が却って長期化する可能性がある。
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、被検体内部の画像と被検体の体表の変動情報に応じた呼吸情報とを同じモニタで確認することが可能になると共に、従来の呼吸同期照射法と組み合わせて、局所制御性の高い放射線治療を可能とする放射線治療システムを提供することを目的とする。
本発明は、被検体の呼吸動作に同期した照射タイミング信号を出力可能な呼吸同期装置と、前記照射タイミング信号の示すタイミングで前記被検体に放射線ビームを照射可能な放射線ビーム照射装置とを有する放射線治療システムに関する。
そして、前記放射線治療システムは、前記被検体の内部を撮影した画像を内部画像情報として生成する画像撮影装置と、前記呼吸動作に応じた呼吸情報を生成する前記呼吸同期装置と、前記内部画像情報及び/又は前記呼吸情報に基づいて、前記被検体に対する前記放射線ビームの照射を指示する制御信号を生成する制御装置とを有する。
この場合、前記制御装置は、画像情報取得部、呼吸情報取得部、利用情報選択部、照射可否判定部、制御信号生成部及び制御信号出力部を有する。前記画像情報取得部は、前記画像撮影装置から前記内部画像情報を取得する。前記呼吸情報取得部は、前記呼吸同期装置から前記呼吸情報を取得する。前記利用情報選択部は、取得した前記内部画像情報及び/又は前記呼吸情報を、前記放射線ビームを前記被検体に照射可能か否かを判定するための利用情報として選択する。前記照射可否判定部は、選択された前記利用情報に基づいて、前記被検体に対する前記放射線ビームの照射が可能か否かを判定する。前記制御信号生成部は、前記被検体に対する前記放射線ビームの照射が可能と前記照射可否判定部が判定した場合、前記制御信号を生成する。前記制御信号出力部は、前記制御信号を前記放射線ビーム照射装置に出力する。
この構成によれば、適切な前記利用情報を選択し、選択した前記利用情報を用いて前記放射線ビームの照射可否判定を行うことができる。すなわち、VMATのように、ガントリの角度によっては、内部画像情報中に腫瘍が写りにくい場合、前記呼吸情報を前記利用情報として選択すればよい。また、前記被検体の体表の変動と、前記被検体内部の腫瘍の変動との間で相関関係が成り立たない場合には、前記内部画像情報を前記利用情報として選択すればよい。さらに、前記内部画像情報と前記呼吸情報とが取得される場合には、両方の情報を前記利用情報として選択することもできる。
また、VMATのように、ガントリの角度によっては、前記内部画像情報中に前記腫瘍が写りにくい場合は、前記腫瘍の代わりに、横隔膜の位置情報を前記利用情報として選択することも有効である。なぜならば、前記横隔膜の呼吸性移動と、その周辺の肝臓又は肺腫瘍の呼吸性移動とは、高い相関を示すことが知られており、さらに、前記内部画像情報(透視画像)中の横隔膜の頭側の端部は、ガントリの角度によらず、常に画像表示されることが知られているからである。なお、横隔膜の頭側の端部とは、横隔膜において被検体の頭尾方向に沿った該被検体の頭側の部分をいう。
従って、本発明では、従来の呼吸同期照射法と組み合わせた放射線治療システムを構築することが可能であり、簡単且つ低コストで局所制御性の高い放射線治療を実現することが可能となる。
また、前記内部画像情報及び前記呼吸情報の両方を取得できるので、これらの情報を同じモニタに表示することも可能となる。これにより、前記放射線治療システムを操作する医師又は放射線技師は、同じモニタに表示された前記内部画像情報及び前記呼吸情報を容易に確認することが可能となる。
具体的に、前記放射線治療システムでは、下記の第1~第4の判定手法のうち、いずれかの判定手法を用いて、前記被検体への前記放射線ビームの照射が可能であるか否かを判定する。
第1の判定手法は、前記呼吸情報を前記利用情報として選択した場合の判定手法である。
すなわち、第1の判定手法において、前記呼吸情報は、前記被検体の体表の変動に応じた呼吸波形であり、前記利用情報選択部が前記呼吸波形を前記利用情報として選択した場合、前記呼吸情報取得部は、前記呼吸同期装置から前記呼吸波形を新たに取得する。この場合、前記照射可否判定部は、前記呼吸情報取得部が新たに取得した前記呼吸波形が、予め設定された閾値範囲内に収まっているか否かを判定する。そして、前記呼吸波形が前記閾値範囲内に収まっていると前記照射可否判定部が判定した場合、前記制御信号生成部は、前記制御信号を生成する。
第2の判定手法は、前記内部画像情報を前記利用情報として選択した場合の判定手法である。
すなわち、第2の判定手法において、前記制御装置は、前記画像情報取得部が取得した前記内部画像情報中の腫瘍又は関心領域を抽出情報として抽出する抽出情報生成部をさらに有する。そして、前記利用情報選択部が前記内部画像情報を前記利用情報として選択した場合、前記画像情報取得部は、前記画像撮影装置から前記内部画像情報を新たに取得し、前記抽出情報生成部は、新たに取得された前記内部画像情報中の腫瘍又は関心領域を前記抽出情報として抽出する。この場合、前記照射可否判定部は、前記抽出情報生成部が抽出した前記抽出情報の示す腫瘍又は関心領域が、予め設定された前記放射線ビームの照射範囲内に収まっているか否かを判定する。前記腫瘍又は前記関心領域が前記照射範囲内に収まっていると前記照射可否判定部が判定した場合、前記制御信号生成部は、前記制御信号を生成する。
このように、第1及び第2の判定手法によれば、前記内部画像情報又は前記呼吸情報のうち、いずれか一方の情報に基づいて、前記被検体に対する前記放射線ビームの照射可否判定を容易に行うことができる。
第3の判定手法は、前記内部画像情報及び前記呼吸情報の両方を前記利用情報として選択した場合の判定手法である。
すなわち、第3の判定手法において、前記呼吸情報は、前記被検体の体表の変動に応じた呼吸波形であり、前記制御装置は、前記画像情報取得部が取得した前記内部画像情報中の腫瘍又は関心領域を抽出情報として抽出する抽出情報生成部をさらに有する。そして、前記利用情報選択部が前記内部画像情報及び前記呼吸波形を前記利用情報として選択した場合、前記画像情報取得部は、前記画像撮影装置から前記内部画像情報を新たに取得し、前記抽出情報生成部は、新たに取得された前記内部画像情報中の腫瘍又は関心領域を前記抽出情報として抽出し、前記呼吸情報取得部は、前記呼吸同期装置から前記呼吸波形を新たに取得する。前記照射可否判定部は、前記抽出情報生成部が抽出した前記抽出情報の示す腫瘍又は関心領域が、予め設定された前記放射線ビームの照射範囲内に収まっているか否かを判定すると共に、前記呼吸情報取得部が新たに取得した前記呼吸波形が、予め設定された閾値範囲内に収まっているか否かを判定する。そして、前記腫瘍又は前記関心領域が前記照射範囲内に収まり、且つ、前記呼吸波形が前記閾値範囲内に収まっていると前記照射可否判定部が判定した場合、前記制御信号生成部は、前記制御信号を生成する。
第3の判定手法によれば、前記内部画像情報及び前記呼吸情報の両方に対する判定結果がいずれも肯定的である場合にのみ、すなわち、両方の判定結果の論理積が「1」である場合にのみ、前記被検体への前記放射線ビームの照射が可能と判定する。この結果、前記放射線ビームの照射可否判定に対する精度を高めることができる。
第4の判定手法は、第3の判定手法と同様に、前記内部画像情報及び前記呼吸情報を前記利用情報として選択した場合の判定手法である。但し、第4の判定手法では、第3の判定手法と比べて、下記の点で異なる。
すなわち、前記照射可否判定部は、前記抽出情報生成部が抽出した前記抽出情報の示す腫瘍若しくは関心領域が、予め設定された前記放射線ビームの照射範囲内に収まっているか否かを判定し、及び/又は、前記呼吸情報取得部が新たに取得した前記呼吸波形が、予め設定された閾値範囲内に収まっているか否かを判定する。そして、前記腫瘍若しくは前記関心領域が前記照射範囲内に収まっているか、又は、前記呼吸波形が前記閾値範囲内に収まっていると前記照射可否判定部が判定した場合、前記制御信号生成部は、前記制御信号を生成する。
第4の判定手法によれば、前記内部画像情報に対する判定結果、及び、前記呼吸情報に対する判定結果のうち、いずれか一方の判定結果が肯定的である場合、すなわち、両方の判定結果の論理和が「1」である場合に、前記被検体への前記放射線ビームの照射が可能と判定する。この結果、前記放射線ビームの照射可否の判定を確実に行うことができる。
なお、上記の放射線治療システムは、下記の構成を備えてもよい。
すなわち、前記制御装置は、前記内部画像情報中の前記腫瘍又は前記関心領域の移動量と、前記呼吸波形の変動量との相関を算出する解析部をさらに有してもよい。
また、前記画像撮影装置は、前記内部画像情報を経時的に生成し、前記画像情報取得部は、前記画像撮影装置から前記内部画像情報をリアルタイムで取得し、前記抽出情報生成部は、リアルタイムで取得された前記内部画像情報中の腫瘍又は関心領域を前記抽出情報として抽出し、抽出した前記抽出情報を、前記腫瘍又は前記関心領域の時間変化を示す波形情報に変換すればよい。
さらに、前記関心領域は、前記腫瘍、又は、該腫瘍の動きとの相関が高い前記被検体内の組織であればよい。
また、前記画像撮影装置が前記内部画像情報を所定時間間隔で生成し、前記画像情報取得部が所定時間間隔で生成された前記内部画像情報を順次取得した場合、前記抽出情報生成部は、順次取得された複数の前記内部画像情報のうち、少なくとも2つの前記内部画像情報中の関心領域を前記抽出情報として抽出してもよい。これにより、前記照射可否判定部は、2つの前記関心領域の画像の画像相関に基づき、前記腫瘍又は前記関心領域が前記照射範囲内に収まっているか否かを判定する。
このように、時間軸の前後で取得される2つの前記関心領域の画像に対して画像相関を算出する場合、前記関心領域の位置変動が発生していれば、前記画像相関は相対的に低く算出される。これにより、前記画像相関が高ければ、前記腫瘍又は前記関心領域に対する前記放射線ビームの照射が可能と判定し、一方で、前記画像相関が低ければ、前記放射線ビームの照射は不可能と判定することができる。この結果、照射可否の判定をより正確に行うことができる。
具体的に、2つの前記関心領域は、前記被検体の横隔膜を含む。この場合、前記照射可否判定部は、一方の関心領域の画像を前記被検体の頭尾方向にずらした画像を新たに生成し、前記一方の関心領域の画像、及び、前記新たに生成した画像と、他方の関心領域の画像との画像相関を計算すればよい。これにより、前記照射可否判定部は、その計算結果を用いて前記関心領域の位置変動の有無を確認し、その確認結果に基づいて、前記腫瘍又は前記関心領域が前記照射範囲内に収まっているか否かを判定する。
前記横隔膜は、前記被検体の呼吸動作に伴って、該被検体の頭尾方向に位置変動する。従って、前記横隔膜を含む前記関心領域の画像に対する前記画像相関の計算結果を用いて、前記横隔膜の位置変動の有無を確認することで、前記腫瘍又は前記関心領域に対する照射可否の判定を一層正確に行うことができる。
さらにまた、前記画像撮影装置は、前記被検体に放射線を照射し、該被検体を透過した前記放射線に基づいて前記被検体内の放射線画像を生成する放射線撮像装置、前記被検体に前記放射線ビームを照射し、該被検体を透過した前記放射線ビームに基づいて前記被検体内の放射線画像を生成する前記放射線ビーム照射装置、又は、前記被検体に超音波を照射し、該被検体からの反射波に基づいて前記被検体内の超音波画像を生成する超音波撮像装置であればよい。
本発明によれば、被検体内部の画像と被検体の体表の変動情報に応じた呼吸情報とを同じモニタで確認することが可能になると共に、従来の呼吸同期照射法と組み合わせて、局所制御性の高い放射線治療を可能となる。
本実施形態に係る放射線治療システムのブロック図である。 図1の放射線治療システムの動作を示すフローチャートである。 図1の放射線治療システムの動作を示すフローチャートである。 図3の照射可否判定1のフローチャートである。 図3の照射可否判定2のフローチャートである。 図3の照射可否判定3(論理積)のフローチャートである。 図3の照射可否判定3(論理和)のフローチャートである。 図8Aは、腫瘍及び照射マージン情報を図示した画像図であり、図8Bは、照射マージン情報に応じた画素値の配列を示す図である。 画像情報取得部で取得される人体内部画像を時系列で図示した説明図である。 人体内部画像中の腫瘍及び関心領域を示す画像図である。 図11A及び図11Bは、人体内部画像中の関心領域を示す画像図である。 図12A~図12Cは、それぞれ、人体内部画像のX軸方向、Y軸方向及び斜辺方向に沿った腫瘍又は関心領域の移動量の時間変化を示す波形図である。 呼吸波形を示す図である。 図14Aは、自由呼吸下の腫瘍又は関心領域の変動の時間変化を示した波形図であり、図14Bは、息止め呼吸下の腫瘍又は関心領域の変動の時間変化を示した波形図である。 利用情報選択画面を示す図である。 人体内部画像と呼吸波形とを同じモニタ上に表示させたときの画面図である。 腫瘍又は関心領域の移動量と、呼吸波形の移動量との相関を示す図である。 図18Aは、腫瘍又は関心領域が照射マージン内に収まっている状態を図示した画像図であり、図18Bは、腫瘍又は関心領域が照射マージンから外れた状態を図示した画像図である。 図19A及び図19Bは、図5の照射可否判定2での判定処理に供される呼吸波形の波形図である。 治療対象が肝臓の場合に、肝臓の輪郭部分に関心領域を設定したときの図である。 図21Aは、人体内部画像から腫瘍又は関心領域を判断することができる場合における呼吸波形及び呼吸タイミングとの関係を示した図であり、図21Bは、人体内部画像から腫瘍又は関心領域を判断することができない場合における呼吸波形及び呼吸タイミングとの関係を示した図である。 図22Aは、肺腫瘍の治療時における人体正面の人体内部画像を示す図であり、図22Bは、人体側面の人体内部画像を示す図である。 被検体が息止め状態にあるときの透視画像の一例を示す図である。 図24Aは、横隔膜の頭側の端部を抽出した部分画像を示す図であり、図24Bは、図24A中の横隔膜を模式的に図示した説明図である。 図25Aは、透視画像の部分画像を示す図であり、図25Bは、図25A中の横隔膜を模式的に図示した説明図である。 図26Aは、図24Aの部分画像を被検体の頭尾方向の頭側にずらして生成した画像を示す図であり、図26Bは、図26A中の横隔膜を模式的に図示した説明図である。 図27Aは、図24Aの部分画像を被検体の頭尾方向の足側にずらして生成した画像を示す図であり、図27Bは、図27A中の横隔膜を模式的に図示した説明図である。
本発明に係る放射線治療システムの好適な実施形態について、添付の図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
[1.放射線治療システム10の概略構成]
図1に示す本実施形態に係る放射線治療システム10は、例えば、医療機関に設けられ、センサ12、呼吸同期装置14、放射線ビーム照射装置16、画像撮影装置18及び付帯装置20(以下、制御装置20ともいう。)を有する。
センサ12は、被検体の体表に配置された歪みセンサ、又は、被検体の体外に設けられたレーザ距離計等、被検体の呼吸動作に応じた体表の変動を逐次検出し、検出した体表の変動を検出信号として呼吸同期装置14に逐次出力する。
呼吸同期装置14は、放射線治療装置用シンクロナイザとも呼称され、照射タイミング算出部14a、照射タイミング信号出力部14b、表示部14c及び音出力部14dを有する。照射タイミング算出部14aは、センサ12から入力される検出信号に基づいて、被検体の呼吸動作に同期した放射線ビームの照射タイミングを示す照射タイミング信号を生成する。また、照射タイミング算出部14aは、センサ12から逐次入力される検出信号に基づいて、被検体の呼吸動作に応じた呼吸情報(呼吸動作の時間変化を示す呼吸波形)を生成する。
照射タイミング信号出力部14bは、照射タイミング算出部14aで生成された照射タイミング信号を放射線ビーム照射装置16に出力する。従って、放射線ビーム照射装置16は、入力された照射タイミング信号の示す照射タイミングで放射線ビームを被検体に照射し、該被検体の腫瘍等の患部に対する放射線治療を行うことができる。なお、放射線治療システム10では、後述するように、照射タイミング信号出力部14bは、照射タイミング算出部14aが生成した照射タイミング信号ではなく、制御装置20が生成した照射タイミング信号(以下、制御信号ともいう。)を放射線ビーム照射装置16に出力する。
表示部14cは、各種の情報を表示するディスプレイである。音出力部14dは、各種の情報を音声として出力するスピーカである。
画像撮影装置18は、被検体内部を撮影した画像を人体内部画像(内部画像情報)として制御装置20に出力する。具体的に、画像撮影装置18は、(1)被検体に放射線を照射し、該被検体を透過した放射線に基づいて被検体内の放射線画像(人体内部画像、内部画像情報)を生成する放射線撮像装置、(2)放射線ビーム照射装置16、又は、(3)被検体に超音波を照射し、該被検体からの反射波に基づいて被検体内の超音波画像(人体内部画像、内部画像情報)を生成する超音波撮像装置、である。画像撮影装置18が放射線ビーム照射装置16である場合、放射線ビーム照射装置16は、被検体に放射線ビームを照射し、該被検体を透過した放射線ビームに基づいて被検体内の放射線画像(人体内部画像、内部画像情報)を生成する。
[2.制御装置20の構成]
制御装置20は、呼吸同期装置14の付帯装置であって、呼吸同期装置14の外部に設けられるか、又は、呼吸同期装置14に内蔵されている。すなわち、呼吸同期装置14の外部に制御装置20が設けられる場合、制御装置20は、ノート型のパーソナルコンピュータ(PC)等の携帯型のコンピュータであって、所定のプログラム(アプリケーションソフトウェア)を起動することによって、該制御装置20の機能を実現する。一方、呼吸同期装置14に制御装置20が内蔵される場合、呼吸同期装置14として機能するコンピュータにおいて、所定のプログラム(アプリケーションソフトウェア)を起動することにより、該制御装置20の機能が実現される。なお、図1では、呼吸同期装置14の外部に制御装置20が設けられる場合と、呼吸同期装置14に制御装置20が内蔵される場合との両方を図示している。以下の説明では、呼吸同期装置14の外部に制御装置20を設ける場合について説明する。
制御装置20は、画像情報取得部20a、抽出情報生成部20b、呼吸情報取得部20c、マージン情報取込部20d、利用情報選択部20e、照射可否判定部20f、制御信号生成部20g、制御信号出力部20h、解析部20i、表示部20j、操作部20k及び音出力部20lを有する。
画像撮影装置18は、被検体内部を所定時間間隔で撮影し、撮影した人体内部画像を出力可能である。従って、画像情報取得部20aは、画像撮影装置18から出力される人体内部画像を、リアルタイムにストリーミング又は画面キャプチャを利用して取得する。
抽出情報生成部20bは、画像情報取得部20aがリアルタイムで取得した人体内部画像に含まれる腫瘍又は関心領域を抽出情報として抽出し、さらには、抽出した抽出情報を腫瘍又は関心領域の時間変化を示す波形情報として生成する。
呼吸情報取得部20cは、呼吸同期装置14から呼吸波形(呼吸情報)を取得する。
マージン情報取込部20dは、画像撮影装置18、医療機関に設けられた治療計画装置22、又は、医療機関のサーバ24から、腫瘍又は関心領域に対して放射線ビームを照射する際の該放射線ビームの照射領域の誤差範囲(放射線ビームの照射範囲)を示す照射マージン情報を取得する。なお、サーバ24に照射マージン情報が保存されている場合、マージン情報取込部20dは、サーバ24から院内ネットワーク26を介して、照射マージン情報を取得する。
利用情報選択部20eは、表示部20j及び操作部20kによって実現されるものであり、取得された抽出情報及び/又は呼吸波形のうち、少なくとも1つの情報を用いて、放射線ビームを被検体に照射可能か否かを照射可否判定部20fで判定させるための利用情報として選択する。
この場合、例えば、表示部20jは、PCの表示画面、又は、タッチパネルの表示部分であり、操作部20kは、PCのキーボードやマウス、又は、タッチパネルのソフトキーである。被検体の放射線治療を担当する医師又は放射線技師は、表示部20jの表示内容を見ながら、操作部20kを操作することにより、所望の情報(抽出情報及び/又は呼吸波形)を利用情報として選択する。
照射可否判定部20fは、利用情報選択部20eで選択された利用情報と、マージン情報取込部20dが取り込んだ照射マージン情報とに基づいて、被検体に対する放射線ビームの照射が可能か否かを判定する。
制御信号生成部20gは、被検体に対する放射線ビームの照射が可能と照射可否判定部20fが判定した場合、被検体に対する放射線ビームの照射を指示する制御信号(照射タイミング信号)を生成する。制御信号生成部20gは、制御信号を呼吸同期装置14の照射タイミング信号出力部14bを介して放射線ビーム照射装置16に出力する。
解析部20iは、人体内部画像中の腫瘍又は関心領域の移動量と、呼吸波形の変動量との相関を算出する。
音出力部20lは、各種の情報を音声として出力するスピーカである。
[3.本実施形態の動作]
以上のように構成される本実施形態に係る放射線治療システム10の動作について、図2~図22Bを参照しながら説明する。ここでは、図2~図7のフローチャートに沿って、制御装置20の処理動作について主に説明する。また、この動作説明では、必要に応じて、図1も参照しながら説明する。
図2のステップS1において、放射線治療システム10を用いた被検体に対する放射線治療の治療計画を作成する。治療計画は、被検体である患者毎に予め作成される。この場合、画像撮影装置18は、被検体内部の撮影を行って人体内部画像を生成し、治療計画装置22は、画像撮影装置18が生成した人体内部画像に基づき治療計画を作成する。治療計画は、治療計画装置22及びサーバ24内の図示しない記憶装置に保存される。また、治療計画を作成することにより、被検体の任意の呼吸動作における腫瘍の位置が分かると共に、該治療計画に照射マージン情報が含まれることになる。
ステップS2において、マージン情報取込部20dは、画像撮影装置18から照射マージン情報を取得する。図8A及び図8Bは、照射マージン情報の一例を示す図である。図8Aでは、人体内部画像に写り込んでいる腫瘍30を取り囲むように、照射マージン情報を示す放射線ビームの誤差範囲(照射マージン32)が図示されている。また、図8Bでは、照射マージン情報を示す放射線ビームの誤差範囲が「1」の画素値の配列として図示されている。
なお、照射マージン情報は、治療計画の一部に含まれているので、マージン情報取込部20dは、治療計画装置22又はサーバ24から治療計画を取得することにより、照射マージン情報を取得してもよい。
その後、例えば、放射線ビーム照射装置16がVMATの放射線治療装置である場合、医師又は放射線技師は、放射線ビーム照射装置16を構成するガントリの中央部分に配置された寝台に被検体を横臥させる。そして、次のステップS3において、画像撮影装置18は、横臥した被検体の人体内部画像を取得する。
この場合、画像撮影装置18は、所定時間間隔で被検体内部を撮影し、撮影した被検体内部の画像を人体内部画像として順次生成する。画像情報取得部20aは、リアルタイムにストリーミング又は画面キャプチャを利用して、画像撮影装置18から人体内部画像を順次取得する。図9は、画像情報取得部20aが順次取得する人体内部画像を時系列で図示した説明図である。取得された人体内部画像は、表示部20jに表示される。
なお、人体内部画像は、少なくとも、被検体の1周期分の呼吸動作中に、被検体内部を撮影することによって得られる。また、画像情報取得部20aは、2次元データである人体内部画像(横方向(前後方向又は左右方向であるX方向)×縦方向(頭尾方向であるY方向)の画像)をリアルタイムで順次取得するので、実質的に、被検体内部の3次元の画像データ(横方向×縦方向×時間の画像)を取得していることになる。
ステップS4において、抽出情報生成部20bは、画像情報取得部20aでリアルタイムに取得された人体内部画像から、腫瘍30又は関心領域34(図10参照)を抽出し、抽出した腫瘍30又は関心領域34を抽出情報として出力する。
この場合、抽出情報生成部20bは、人体内部画像から腫瘍30又は関心領域34を抽出するため、腫瘍30又は関心領域34に対応する基準画像を予め設定し、リアルタイムに取得した人体内部画像の画素値の時間変化と、基準画像の画素値とを比較することにより、腫瘍30又は関心領域34を特定し、特定した腫瘍30又は関心領域34を追跡することにより、腫瘍30又は関心領域34を抽出情報として抽出する。
具体的には、テンプレートマッチング処理等のパターンマッチング処理や、動画像解析や対象追跡に用いられるオプティカルフロー手法を用いて、人体内部画像中、基準画像の画素値と略一致する画素値領域を、腫瘍30又は関心領域34として抽出する。この場合、テンプレートマッチングでは、リアルタイムに取得する人体内部画像を走査し、人体内部画像の各位置における基準画像との類似度を算出し、最も類似度が高い領域を腫瘍30又は関心領域34として検出し、追跡を行う。また、リアルタイム性を考慮し、人体内部画像における基準画像の走査範囲を限定することにより、追跡に関わる処理速度の向上を図ることも可能である。
図10には、人体内部画像(肺の画像)中、一方の肺に腫瘍30が存在し、該腫瘍30を取り囲むように関心領域34が設定されている場合を図示している。また、図11A及び図11Bには、人体内部画像中、肺の下方の横隔膜36に関心領域34が設定されている場合を図示している。このように、抽出情報生成部20bは、腫瘍30、又は、横隔膜36のような腫瘍30の動きと相関が高い体内組織を、抽出情報として抽出する。これらの腫瘍30又は関心領域34は、人体内部画像と共に表示部20jに表示される。
また、図20には、人体内部画像(肝臓の画像)中、肝臓の任意の輪郭を含むように関心領域34が設定されている場合を図示している。例えば、腫瘍30を人体内部画像中から識別困難な場合もある。この場合、腫瘍30を関心領域34に含めることが困難であるため、関心のある臓器(関心臓器)の任意の輪郭を関心領域34に設定することで、抽出情報生成部20bは、腫瘍30の動きと相関が高い関心臓器の輪郭を、抽出情報として抽出する。この関心領域34は、人体内部画像と共に表示部20jに表示される。
上記の説明では、人体内部画像を走査することにより抽出情報を抽出する場合について説明したが、腫瘍30又は関心領域34の画素値を波形として表示し、表示された波形を用いて追跡することも可能である。図12A~図12Cは、それぞれ、人体内部画像における腫瘍30又は関心領域34のX軸方向(横方向、図12A参照)、Y軸方向(縦方向、図12B参照)、斜辺方向(斜め方向、図12C参照)の移動量の時間変化を示す図である。
ステップS5において、呼吸情報取得部20cは、呼吸同期装置14の照射タイミング算出部14aから、被検体の体表の変動に応じた呼吸波形を取得する。図13には、呼吸波形の一例を示す。呼吸波形は、表示部20jに表示される。
上記の説明では、ステップS2において、照射マージン情報を治療計画装置22等から取得しているが、本実施形態では、ステップS2の処理を省略する代わりに、ステップS6の処理を行ってもよい。
ステップS6において、医師又は放射線技師は、操作部20kを操作することにより、腫瘍30に放射線ビームを照射するときの誤差範囲(放射線ビームの照射範囲)を手動入力してもよい。これにより、マージン情報取込部20dは、手動入力された誤差範囲を照射マージン情報として設定(取得)する。
具体的に、図14Aに示すように、被検体の自由呼吸下における腫瘍30又は関心領域34の時間変化を示す波形が表示部20jに表示されている場合、医師又は放射線技師は、表示部20jの表示内容を見ながら操作部20kを操作し、誤差範囲を示す所定の帯状の範囲(照射マージン38)を設定することができる。また、図14Bに示すように、被検体の息止め呼吸下における腫瘍30又は関心領域34の時間変化を示す波形が表示部20jに表示されている場合、医師又は放射線技師は、表示部20jの表示内容を見ながら操作部20kを操作し、誤差範囲を示す所定の帯状の範囲(照射マージン40)を設定することができる。
ステップS5又はS6後の図3のステップS7において、医師又は放射線技師は、後述する被検体に対する放射線ビームの照射可否判定に用いる利用情報を選択するため、どのような利用情報を選択可能であるかを確認する。ここで、利用情報とは、(1)人体内部画像から抽出された腫瘍30又は関心領域34を示す抽出情報、(2)呼吸波形、をいう。医師又は放射線技師は、操作部20kを操作することにより、選択可能な利用情報を表示部20jに表示するよう、制御装置20に指示する。制御装置20は、現時点で選択可能な利用情報を示す画面(図15の利用情報選択画面42)を表示部20jに表示させる。
図15は、表示部20jに表示された利用情報選択画面42を示す図である。図15では、利用情報選択画面上に、(1)人体内部画像(腫瘍30又は関心領域34)及び呼吸波形の両方を利用情報として選択可能である旨の文字情報とラジオボタン42a、(2)人体内部画像のみが利用情報として選択可能である旨の文字情報とラジオボタン42b、(3)呼吸波形のみが利用情報として選択可能である旨の文字情報とラジオボタン42c、が表示されている。
また、利用情報選択画面42には、(1)の人体内部画像及び呼吸波形を選択した場合、人体内部画像に対する判定結果と、呼吸波形に対する判定結果との論理積を照射可否判定に利用するか、又は、人体内部画像に対する判定結果と、呼吸波形に対する判定結果との論理和を照射可否判定に利用するか、を選択するためのラジオボタン42d、42eも表示されている。
なお、利用情報選択画面42がタッチパネルに表示される場合、各ラジオボタン42a~42eは、前述の操作部20kに対応することになる。
従って、ステップS7において、医師又は放射線技師は、利用情報選択画面42の表示内容を視認することにより、人体内部画像から腫瘍30又は関心領域34が抽出されたかどうか、呼吸同期装置14から呼吸波形が取得されたかどうか、腫瘍30又は関心領域34と呼吸波形との相関関係、をそれぞれ確認することができる。
なお、画像情報取得部20aで人体内部画像が取得できない場合、又は、抽出情報生成部20bで腫瘍30又は関心領域34を抽出できない場合には、例えば、利用情報選択画面42に、「呼吸波形のみ利用」の文字表示と、該文字表示に応じたラジオボタン42cのみが表示される。また、呼吸情報取得部20cで呼吸波形が取得できない場合には、例えば、利用情報選択画面42に、「人体内部画像のみ利用」の文字表示と、該文字表示に応じたラジオボタン42bのみが表示される。さらに、人体内部画像及び呼吸波形の両方が取得できた場合には、図15に示す表示内容となる。
ステップS8において、医師又は放射線技師は、利用情報選択画面42の表示内容を見ながら操作部20kを操作することにより、又は、所望の表示内容に応じたラジオボタン42a~42eを選択することにより、利用情報を選択する。
前述のように、人体内部画像から腫瘍30又は関心領域34が抽出できない場合、例えば、腫瘍30が被検体の骨に隠れて該腫瘍30を抽出することができない場合、又は、腫瘍30又は関心領域34として金マーカを利用する際に、金マーカの脱落や位置ズレの可能性がある場合には、腫瘍30又は関心領域34を利用情報として選択することができない。このような場合、医師又は放射線技師は、「呼吸波形のみ利用」に応じたラジオボタン42cを選択する。
また、人体内部画像のみ利用したい場合、例えば、腫瘍30又は関心領域34の位置情報と呼吸波形との相関がないことが明確である場合、腫瘍30又は関心領域34の波形と呼吸波形とが逆位相の関係(反転した関係)にある場合、医師又は放射線技師は、「人体内部画像のみ利用」に応じたラジオボタン42bを選択する。
さらに、呼吸波形及び人体内部画像の両方の情報を利用したい場合、医師又は放射線技師は、「人体内部画像と呼吸波形を両方利用」に応じたラジオボタン42aを選択する。この場合、医師又は放射線技師は、「論理積」又は「論理和」に応じたラジオボタン42d、42eも併せて選択する。
ステップS9において、照射可否判定部20fは、ステップS8の選択結果に応じて、後述するステップS10~S12のいずれの判定処理を実行すべきかを決定する。
ステップS9で「人体内部画像のみ利用」が選択された場合、照射可否判定部20fは、ステップS10に進み、「照射可否判定1」の判定処理を実行する。ステップS9で「呼吸波形のみ利用」が選択された場合、照射可否判定部20fは、ステップS11に進み、「照射可否判定2」の判定処理を実行する。ステップS9で「人体内部画像と呼吸波形を両方利用」が選択された場合、照射可否判定部20fは、ステップS12に進み、「照射可否判定3」の判定処理を実行する。なお、ステップS10~S12の各判定処理の詳細については、後述するが、これらの判定処理では、いずれも、腫瘍30又は関心領域34が照射マージン情報内(放射線ビームの照射範囲)に収まっているか否かを判定する。
ステップS10~S12のいずれかの判定処理において、肯定的な判定結果が得られた場合、すなわち、腫瘍30又は関心領域34が照射マージン情報内に収まっていると判定された場合(ステップS10~S12:YES)、ステップS13に進む。一方、いずれかの判定処理で否定的な判定結果が得られた場合、すなわち、腫瘍30又は関心領域34が照射マージン情報内に収まっていないと判定された場合(ステップS10~S12:NO)、制御装置20は、処理を終了する。
ステップS13において、照射可否判定部20fは、肯定的な判定結果を制御信号生成部20gに通知し、制御信号生成部20gは、制御信号を生成して制御信号出力部20hに出力する。制御信号出力部20hは、入力された制御信号を照射タイミング信号出力部14bに出力する。照射タイミング信号出力部14bは、入力された制御信号を照射タイミング信号として放射線ビーム照射装置16に出力する。これにより、放射線ビーム照射装置16は、入力された制御信号に基づいて、被検体に対する放射線ビームの照射を行う。
ステップS14において、制御装置20の音出力部20lは、照射可否判定部20fが肯定的な判定結果であり、且つ、制御装置20から呼吸同期装置14に制御信号が出力される場合にのみ、任意の音を出力する。これにより、医師又は放射線技師は、被検体に対する放射線ビームの照射が行われることを把握することができる。なお、制御装置20から呼吸同期装置14に制御信号が出力されるので、呼吸同期装置14の音出力部14dは、照射タイミング信号出力部14bへの制御信号の入力に基づき、任意の音を出力してもよい。
ステップS15において、治療計画の作成時に画像撮影装置18によって撮影された人体内部画像、及び、呼吸同期装置14が生成した呼吸波形と、放射線治療中に画像撮影装置18によって撮影された人体内部画像、及び、呼吸同期装置14が生成した呼吸波形とを、表示部20jに同時に表示させる場合、制御装置20は、それぞれのデータを読み込み、表示部20jに表示させる。図16の左側は、治療計画時の人体内部画像及び呼吸波形を示し、右側は、放射線治療中の人体内部画像及び呼吸波形を示す。この場合、左右に表示された人体内部画像の任意の位置、例えば、腫瘍30の位置に設定された頭尾方向(被検体の上下方向)及び/又は左右方向の基準線44、46を動かすことにより、治療計画時及び放射線治療中の腫瘍30の位置と呼吸波形との関係を容易に確認することができる。
次のステップS16において、解析部20iは、データ解析機能として、人体内部画像中の腫瘍30又は関心領域34の時間経過に対する移動量と、呼吸波形の時間経過に対する変動量との相関を算出し、算出結果を相関図として表示部20jに表示させ、さらには、相関係数を算出して表示部20jに表示させる。図17は、呼吸波形の移動量をX軸成分とし、腫瘍30又は関心領域34の移動量をY軸成分とした相関図を示す。
なお、ステップS15及びS16は、制御装置20の必須の処理ではない。従って、ステップS15及びS16を省略することも可能である。
[4.照射可否判定1の説明]
次に、ステップS10の照射可否判定1について、図4、図18A及び図18Bを参照しながら説明する。
図4のステップS101において、照射可否判定部20f(図1参照)は、画像撮影装置18からマージン情報取込部20dを介して、現時点での照射マージン情報を取得する。すなわち、時間経過に伴って被検体が動いたり、又は、腫瘍30の位置が変化する場合もあり得るので、照射可否判定部20fは、最新の照射マージン情報を取得する。なお、被検体の動きや、腫瘍30の位置変化が許容範囲内である場合には、ステップS101の処理は省略される。
ステップS102において、照射可否判定部20fは、画像情報取得部20aに対して現時点の人体内部画像の取得を要請する。すなわち、時間経過に伴って被検体が動いたり、又は、腫瘍30の位置が変化する場合もあり得るので、照射可否判定部20fは、最新の人体内部画像の取得を画像情報取得部20aに要請する。画像情報取得部20aは、照射可否判定部20fの要請に従って、画像撮影装置18から現時点の人体内部画像を取得する。
抽出情報生成部20bは、ステップS103において、画像情報取得部20aが取得した最新の人体内部画像に対する基準画像を設定し、次のステップS104において、前述のステップS4と同様に、当該人体内部画像中の腫瘍30又は関心領域34を抽出する。
次のステップS105において、照射可否判定部20fは、ステップS2、S6又はS101において予め取得された照射マージン情報を用いて、抽出情報である腫瘍30又は関心領域34が照射マージン内に収まっているか否かを判定する。
例えば、図18Aのように、人体内部画像中の一方の肺に腫瘍30又は関心領域34が存在する場合、腫瘍30又は関心領域34が照射マージン情報(照射マージン32)内にあれば(ステップS105:YES)、照射可否判定部20fは、ステップS106において、照射可否判定の結果を「1」(正)、すなわち、被検体に対する放射線ビームの照射は可能と判断する。
一方、図18Bのように、腫瘍30又は関心領域34が照射マージン32から外れている場合(ステップS105:NO)、照射可否判定部20fは、ステップS107において、照射可否判定の結果を「0」(誤)、すなわち、被検体に対する放射線ビームの照射は不可能と判断する。
[5.照射可否判定2の説明]
次に、ステップS11の照射可否判定2について、図5、図19A及び図19Bを参照しながら説明する。
図5のステップS111において、照射可否判定部20f(図1参照)は、図4のステップS101と同様に、画像撮影装置18からマージン情報取込部20dを介して、現時点での照射マージン情報を取得する。この場合も、被検体の動きや、腫瘍30の位置変化が許容範囲内である場合には、ステップS111の処理は省略される。
次のステップS112において、照射可否判定部20fは、呼吸同期装置14から呼吸情報取得部20cを介して、現時点での呼吸波形を取得する。すなわち、時間経過に伴って被検体の体表が変化する場合もあり得るので、照射可否判定部20fは、最新の呼吸波形を取得する。
次のステップS113において、照射可否判定部20fは、図19Aに示すように、被検体の自由呼吸下に対して予め設定された呼吸タイミング(例えば、閾値48よりも小さい呼吸振幅の領域)に呼吸波形が合致した場合(ステップS113:YES)、ステップS114において、照射可否判定の結果を「1」(正)、すなわち、被検体に対する放射線ビームの照射は可能と判断する。
また、図19Bに示すように、被検体の息止め呼吸下に対して予め設定された呼吸タイミング(例えば、呼吸波形の振幅が閾値範囲50内)に呼吸波形が収まっている場合(ステップS113:YES)、照射可否判定部20fは、被検体に対する放射線ビームの照射が可能と判断してもよい。一方、ステップS113で否定的な判断結果となった場合(ステップS113:NO)、照射可否判定部20fは、ステップS115において、照射可否判定の結果を「0」(誤)、すなわち、被検体に対する放射線ビームの照射は不可能と判断する。
[6.照射可否判定3(論理積)の説明]
次に、ステップS12の照射可否判定3のうち、論理積の判定処理、すなわち、腫瘍30又は関心領域34に対する判定処理と、呼吸波形に対する判定処理との両方が肯定的な判定結果となった場合に、放射線ビームの照射を許可する場合について、図6を参照しながら説明する。
図6のステップS121において、照射可否判定部20f(図1参照)は、図4のステップS101及び図5のステップS111と同様に、画像撮影装置18からマージン情報取込部20dを介して、現時点での照射マージン情報を取得する。この場合も、被検体の動きや、腫瘍30の位置変化が許容範囲内である場合には、ステップS121の処理は省略される。
ステップS122において、照射可否判定部20fは、図4のステップS102と同様に、画像情報取得部20aに対して現時点の人体内部画像を取得させる。その後、抽出情報生成部20bは、ステップS123において、図4のステップS103と同様に、最新の人体内部画像に対する基準画像を設定する。また、抽出情報生成部20bは、ステップS124において、図4のステップS104と同様に、当該人体内部画像中の腫瘍30又は関心領域34を抽出する。
次のステップS125において、照射可否判定部20fは、ステップS2、S6又はS121において予め取得された照射マージン情報を用いて、図4のステップS105と同様に、抽出情報である腫瘍30又は関心領域34が照射マージン情報内に収まっているか否かを判定する。
この場合、腫瘍30又は関心領域34が照射マージン情報内にあれば(ステップS125:YES)、照射可否判定部20fは、腫瘍30又は関心領域34に対する判定結果としては「1」(正)と判定し、次のステップS126に進む。
ステップS126において、照射可否判定部20fは、ステップS121等と同様に、画像撮影装置18からマージン情報取込部20dを介して、現時点での照射マージン情報を取得する。
ステップS127において、照射可否判定部20fは、図5のステップS112と同様に、呼吸同期装置14から呼吸情報取得部20cを介して、現時点での呼吸波形を取得する。
ステップS128において、照射可否判定部20fは、図5のステップS113と同様に、呼吸波形が放射線ビームを照射可能な所定の呼吸タイミングの範囲内にあるか否かを判定する。
この場合、照射可否判定部20fは、被検体の自由呼吸下に対して予め設定された呼吸タイミングに呼吸波形が合致していれば(ステップS128:YES)、呼吸波形に対する判定結果としては「1」(正)と判定し、次のステップS129に進む。
ステップS129において、照射可否判定部20fは、ステップS125での腫瘍30又は関心領域34に対する判定結果と、ステップS128での呼吸波形に対する判定結果とが、いずれも「1」(正)であるため、これらの判定結果の論理積は「1」、すなわち、被検体に対する放射線ビームの照射は可能と判定する。
一方、ステップS125、S128で否定的な判定結果(ステップS125:NO、又は、ステップS128:NO)となった場合、すなわち、少なくとも一方の判定結果が「0」(誤)となった場合、照射可否判定部20fは、ステップS130において、被検体に対する放射線ビームの照射は不可能と判定する。
[7.照射可否判定3(論理和)の説明]
次に、ステップS12の照射可否判定3のうち、論理和の判定処理、すなわち、腫瘍30又は関心領域34に対する判定処理と、呼吸波形に対する判定処理とのうち、いずれか一方が肯定的な判定結果となった場合に、放射線ビームの照射を許可する場合について、図7を参照しながら説明する。
図7のステップS131において、照射可否判定部20f(図1参照)は、図6のステップS121と同様に、画像撮影装置18からマージン情報取込部20dを介して、現時点での照射マージン情報を取得する。この場合も、被検体の動きや、腫瘍30の位置変化が許容範囲内である場合には、ステップS131の処理は省略される。
ステップS132において、照射可否判定部20fは、図6のステップS122と同様に、画像情報取得部20aに対して現時点の人体内部画像を取得させる。その後、抽出情報生成部20bは、ステップS133において、図6のステップS123と同様に、最新の人体内部画像に対する基準画像を設定する。また、抽出情報生成部20bは、ステップS134において、図6のステップS124と同様に、当該人体内部画像中の腫瘍30又は関心領域34を抽出する。
次のステップS135において、照射可否判定部20fは、図6のステップS125と同様に、予め取得された照射マージン情報を用いて、抽出情報である腫瘍30又は関心領域34が照射マージン情報内に収まっているか否かを判定する。
この場合、腫瘍30又は関心領域34が照射マージン情報内にあれば(ステップS135:YES)、照射可否判定部20fは、腫瘍30又は関心領域34に対する判定結果としては「1」(正)と判定し、次のステップS136に進む。
ステップS136において、照射可否判定部20fは、「1」(正)の論理和の判定結果が得られたので、被検体に対する放射線ビームの照射は可能と判定する。
一方、ステップS135において、腫瘍30又は関心領域34が照射マージン情報から外れていれば(ステップS135:NO)、照射可否判定部20fは、腫瘍30又は関心領域34に対する判定結果としては「0」(誤)と判定し、次のステップS137に進む。
ステップS137において、照射可否判定部20fは、図6のステップS126と同様に、画像撮影装置18からマージン情報取込部20dを介して、現時点での照射マージン情報を取得する。
ステップS138において、照射可否判定部20fは、図6のステップS127と同様に、呼吸同期装置14から呼吸情報取得部20cを介して、現時点での呼吸波形を取得する。
ステップS139において、照射可否判定部20fは、図6のステップS128と同様に、呼吸波形が放射線ビームを照射可能な所定の呼吸タイミングの範囲内にあるか否かを判定する。
この場合、照射可否判定部20fは、被検体の自由呼吸下に対して予め設定された呼吸タイミングに呼吸波形が合致していれば(ステップS139:YES)、呼吸波形に対する判定結果としては「1」(正)と判定し、ステップS136に進む。
ステップS136において、照射可否判定部20fは、「1」(正)の論理和の判定結果が得られたので、被検体に対する放射線ビームの照射は可能と判定する。
一方、ステップS139で否定的な判定結果(ステップS139:NO)となった場合、すなわち、いずれの判定結果も「0」(誤)となった場合、照射可否判定部20fは、ステップS140において、被検体に対する放射線ビームの照射は不可能と判定する。
ここで、図7の照射可否判定3(論理和)の有効例について、図21A及び図21Bを参照しながら説明する。
被検体が息止めをしている状態でのVMATの治療中、ガントリの角度(回転角度)によっては、図21Bのように腫瘍30が肋骨52等に隠れてしまい、腫瘍30の抽出が困難な場合がある。この場合、図6の照射可否判定3(論理積)を実行すると、息止め呼吸下に対して予め設定された呼吸タイミング(例えば、呼吸波形の振幅が閾値範囲50内)に呼吸波形が収まっているにも関わらず、照射可否判定部20f(図1参照)は、ステップS130において、被検体に対する放射線ビームの照射は不可能と判定する。
これに対して、図7の照射可否判定3(論理和)を実行した場合、ステップS135において、被検体に対する放射線ビームの照射は不可能と判断されても(ステップS135:NO)、息止め呼吸下に対して予め設定された呼吸タイミング(例えば、閾値範囲50内)に呼吸波形が収まっていれば(ステップS139:YES)、照射可否判定部20fは、ステップS136において、被検体に対する放射線ビームの照射は可能と判定する。
論理和に関する他の実施例として、腫瘍30と相関を持って呼吸性移動する横隔膜36(図11A及び図11B参照)の透視画像(人体内部画像)や、肝臓の腫瘍30に対して、横隔膜36の透視画像のみならず、肝臓の辺縁部の透視画像を利用することにより、呼吸波形を参照することなく照射タイミングを生成することもできる。
このような場合では、従来の手法(例えば、特許文献1に記載されている手法)よりも効率的な治療が見込める。すなわち、ガントリの角度により、何らかの原因で画像処理が適正に実施することができない照射タイミングが発生しても、本実施形態では、ガントリの回転中にVMATによる放射線ビームの照射が不用意に中断されることを回避することができる。
上記の対策に加え、横隔膜36の頭側端部を関心領域34に設定する方法について、図22A及び図22Bを参照しながら説明する。横隔膜36の頭側端部は、ガントリの角度に依存しないため、被検体が息止めしている状態でのVMATによる放射線ビームの照射時におけるリファレンスとして、臨床でも用いられている。なお、横隔膜36の頭側の端部とは、横隔膜36において被検体の頭尾方向に沿った該被検体の頭側の部分をいう。
ここで、肺腫瘍の治療時における人体正面の人体内部画像を図22Aに示し、人体側面(人体正面からガントリが90°回転した位置)の人体内部画像を図22Bに示す。図22A及び図22Bに示す各人体内部画像より、横隔膜36を確認することができる。これらの人体内部画像から横隔膜36の頭側端部を抽出するために、人体内部画像を微分した後、エッジ抽出を行い、さらに、横方向(被検体の左右方向又は前後方向)に画素を加算して加算後画像54を作成する。なお、加算後画像54とは、グレースケール画像の白色部分が、横隔膜36の頭側端部を示す画像をいう。
この加算後画像54を連続的に取得することで、横隔膜36の頭側端部の時間的な移動量が分かる。そして、この移動量に照射マージンを設定する。例えば、リファレンスとなる横隔膜36の頭側端部に±2.5mmの照射マージンを設定した場合、それに対してリアルタイムに取得する横隔膜36の頭側端部の座標が±2.5mm以内の範囲であれば、放射線ビームの照射は可能と判断し、一方で、この範囲から外れた場合は、放射線ビームの照射は不可能と判断することができる。
[8.息止め状態での他の実施形態]
本実施形態では、VMATの治療を行う際、被検体が息止めをしている状態において、画像撮影装置18は、所定時間間隔(例えば、約180ms間隔)で被検体の透視画像(人体内部画像、内部画像情報)を生成し、画像情報取得部20aは、生成された透視画像を順次取得する。そこで、所定時間間隔で得られる透視画像を用いて被検体の息止め状態を確認し、その確認結果を利用して放射線ビームの照射可否判定を行う手法について、図23~図27Bを参照しながら説明する。
ここでは、一例として、透視画像中の関心領域34としての横隔膜36の位置変動に基づき、被検体の息止め状態を確認する手法について説明する。この手法は、図4のステップS105、図6のステップS125、又は、図7のステップS135において、照射可否判定部20f(図1参照)が被検体に対する照射可否判定を行う際、腫瘍30又は関心領域34が照射マージン情報内にあるかどうかの判定処理に適用される。
なお、これらの判定処理は、ステップS102、S103、S122、S123、S132、S133の各処理が前提であることに留意する。すなわち、ステップS102、S122、S132において、画像情報取得部20aは、透視画像(例えば、図23の透視画像)を順次取得する。また、ステップS103、S104、S123、S124、S133、S134において、抽出情報生成部20bは、横隔膜36を含む画像(例えば、図24A及び図25Bの部分画像)を抽出する。
横隔膜36の位置は、被検体の呼吸動作に伴い、頭尾方向に変動する。前述のように、透視画像は、180ms程度の短い時間間隔で取得される。そのため、ガントリを回転させつつ、連続して2枚の透視画像を取得する場合、ガントリは、高々1°程度しか回転しない。つまり、2枚の透視画像の間では、被検体の形状(解剖形状)はほとんど変化しない。従って、照射可否判定部20fは、ステップS105、S125、S135において、2枚の透視画像に含まれる横隔膜36の画像(後述の部分画像)に対する画像相関を計算することにより、横隔膜36の位置変動を知ることができる。なお、以下の説明では、部分画像を透視画像と呼称する場合がある。
より具体的に説明する。任意の時刻t(i-1)に取得される透視画像をp(i-1)とする。また、時刻t(i-1)から時間間隔Δtだけ経過した時刻t(i)(=t(i-1)+Δt)に取得される透視画像をp(i)とする。ここで、Δt=180msとする。この場合、透視画像p(i-1)と透視画像p(i)との相関係数(画像相関)は、横隔膜36の位置が変動していない場合、0.9999程度であることが分かった。
そこで、照射可否判定部20fは、時刻t(i-1)に取得された透視画像p(i-1)について、頭尾方向に所定値だけシフトした画像を予め生成しておき、生成した画像と、時刻t(i)に取得された透視画像p(i)とを比較することで、横隔膜36が変動したかどうかを調べることができる。
すなわち、時刻t(i-1)における透視画像p(i-1)を頭尾方向に所定値(被検体の解剖形状では頭尾方向に±dmm)だけシフトした画像を、それぞれ、p(i-1、-d)、p(i-1、+d)とする。なお、画像p(i-1、-d)は、透視画像p(i-1)を頭尾方向の足側に-dmmの画素分だけシフトして生成された画像をいう。また、画像p(i-1、+d)は、透視画像p(i-1)を頭尾方向の頭側に+dmmの画素分だけシフトして生成された画像をいう。
次に、照射可否判定部20fは、p(i-1、-d)、p(i-1)及びp(i-1、+d)の3つの画像と、時刻t(i)に取得された透視画像p(i)との画像相関を計算する。この場合、3つの画像相関の計算結果のうち、透視画像p(i-1)と透視画像p(i)との画像相関の計算結果が最も高ければ、照射可否判定部20fは、横隔膜36の位置変動はないと結論付けることができる。一方、画像p(i-1、-d)又は画像p(i-1、+d)と透視画像p(i)との画像相関の計算結果が最も高ければ、照射可否判定部20fは、横隔膜36の位置が変動したと結論付けることができる。
なお、横隔膜36の位置ずれの発生には、透視画像を取得するための時間間隔Δt(例えば、180ms)よりも長い時間を要する可能性がある。そのため、照射可否判定部20fは、n×Δt(例えば、n=2又は3)の時間間隔を開けて取得された2枚の透視画像(部分画像)に対して、上記の画像相関処理を行うことが望ましい。これにより、横隔膜36が急激に動作する場合、又は、横隔膜36が緩慢に動作する場合、いずれの場合でも、横隔膜36の位置変動の発生の有無を容易に検出することができる。
上記の画像相関処理では、透視画像全体を対象として画像相関の計算を行ってもよいし、又は、横隔膜36を含む一部領域(部分画像)に対して画像相関の計算を行ってもよい。部分画像に対して画像相関の計算を行えば、画像相関に係る検出感度の向上と計算の高速化とを容易に実現することができ、効果的である。
なお、画像相関処理の対象となる2枚の透視画像は、ガントリの回転角度が所定の閾値角度(例えば、5°)以内の間隔で取得された透視画像であることが望ましい。閾値角度を超える2枚の透視画像の間では、透視画像に写り込んだ被検体の形状(解剖形状)の違いが、画像相関の計算結果に大きな影響を及ぼし、横隔膜36の位置ずれを正しく検出することが困難になる場合があるからである。
図23~図27Bは、上記の画像相関処理の適用例を図示したものである。図23は、被検体が息止め状態にあるときの透視画像p(i-1)の一例を示す。図24Aは、透視画像p(i-1)の一部、例えば、横隔膜36の頭側の端部を抽出した部分画像を示す。また、図24Bは、説明の容易化のため、図24A中の横隔膜36を模式的に図示した説明図である。
図25Aは、透視画像p(i-1)を取得した時刻t(i-1)から時間間隔Δtだけ経過した時刻t(i)における透視画像p(i)の部分画像を示す。また、図25Bは、説明の容易化のため、図25A中の横隔膜36を模式的に図示した説明図である。
この場合、図24Aの透視画像p(i-1)の部分画像と、図25Aの透視画像p(i)の部分画像との画像相関(相関係数)は、0.99996であった。
図26Aは、図24Aの透視画像p(i-1)の部分画像を、被検体の頭尾方向の頭側に10ピクセル分(被検体の解剖形状では頭側にd=+5mm)だけずらすことで生成された画像p(i-1、+d)を示す。図26Bは、図26A中の横隔膜36を模式的に図示した説明図である。なお、図26B中の破線は、図25Bでの横隔膜36の位置を図示したものである。
図27Aは、図24Aの透視画像p(i-1)の部分画像を、被検体の頭尾方向の足側に10ピクセル分(被検体の解剖形状では足側にd=-5mm)だけずらすことで生成された画像p(i-1、-d)を示す。図27Bは、図27A中の横隔膜36を模式的に図示した説明図である。なお、図27B中の破線は、図25Bでの横隔膜36の位置を図示したものである。
この場合、図25Aの透視画像p(i)の部分画像と、図26Aの画像p(i-1、+d)との画像相関(相関係数)は、0.99873であった。また、図25Aの透視画像p(i)の部分画像と、図27Aの画像p(i-1、-d)との画像相関(相関係数)は、0.99897であった。従って、図24Aの透視画像p(i-1)の部分画像と、図25Aの透視画像p(i)の部分画像との画像相関が最も高いことから、横隔膜36の位置変動が発生していないと容易に判断することができる。
[9.本実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態に係る放射線治療システム10では、利用情報選択部20e及び照射可否判定部20f等を有する制御装置20を具備することにより、適切な利用情報を選択し、選択した利用情報を用いて放射線ビームの照射可否判定を行うことができる。すなわち、VMATのように、ガントリの角度によっては、人体内部画像中に腫瘍30が写りにくい場合には、呼吸波形を利用情報として選択すればよい。また、被検体の体表の変動を示す呼吸波形と、被検体内部の腫瘍30の変動との間で相関関係が成り立たない場合には、人体内部画像中の腫瘍30又は関心領域34を利用情報として選択すればよい。さらに、人体内部画像と呼吸波形とが取得される場合には、両方の情報を利用情報として選択することもできる。
さらに、VMATのように、ガントリの角度によっては、人体内部画像中に腫瘍30が写りにくい場合は、腫瘍30の代わりに、横隔膜36の位置情報を利用情報として選択することも有効である。なお、肝臓内の腫瘍30を治療する場合、腫瘍30と相関しながら動く透視した肝臓の辺縁部(例えば、肝臓における被検体の頭側の端部位置)を利用情報として選択することも有効である。
従って、本実施形態では、従来の呼吸同期照射法と組み合わせた放射線治療システム10を構築することが可能であり、簡単且つ低コストで局所制御性の高い放射線治療を実現することが可能となる。
また、制御装置20では、人体内部画像及び呼吸波形の両方を取得できるので、これらの情報を同じ表示部20j(モニタ)に表示することも可能となる。これにより、放射線治療システム10を操作する医師又は放射線技師は、同じモニタに表示された人体内部画像及び呼吸波形を容易に確認することが可能となる。
この場合、制御装置20の照射可否判定部20fは、図4の照射可否判定1、又は、図5の照射可否判定2により、被検体に対する放射線ビームの照射が可能であるか否かを判定することができる。これにより、人体内部画像又は呼吸波形のうち、いずれか一方の情報に基づいて、被検体に対する放射線ビームの照射可否判定を容易に行うことができる。
また、照射可否判定部20fは、図6の照射可否判定3によって、人体内部画像及び呼吸波形の両方に対する判定結果がいずれも肯定的である場合にのみ、すなわち、両方の判定結果の論理積が「1」である場合にのみ、被検体に対する放射線ビームの照射が可能と判定する。この結果、放射線ビームの照射可否判定に対する精度を高めることができる。
さらに、照射可否判定部20fは、図7の照射可否判定3によって、人体内部画像に対する判定結果、及び、呼吸波形に対する判定結果のうち、いずれか一方の判定結果が肯定的である場合、すなわち、両方の判定結果の論理和が「1」である場合に、被検体に対する放射線ビームの照射が可能と判定する。この結果、放射線ビームの照射可否の判定を確実に行うことができる。
また、画像撮影装置18が透視画像を時間間隔Δtで生成し、画像情報取得部20aが時間間隔Δtで生成された透視画像を順次取得した場合、抽出情報生成部20bは、順次取得された複数の透視画像のうち、少なくとも2つの透視画像中の関心領域34を抽出情報として抽出する。これにより、照射可否判定部20fは、2つの関心領域34の画像の画像相関(相関係数)に基づき、腫瘍30又は関心領域34が照射マージン情報内に収まっているか否かを判定することができる。
このように、時間軸の前後で取得される2つの関心領域34の画像に対して画像相関を算出する場合、関心領域34の位置変動が発生していれば、画像相関は相対的に低く算出される。これにより、画像相関が高ければ、腫瘍30又は関心領域34に対する放射線ビームの照射が可能と判定し、一方で、画像相関が低ければ、放射線ビームの照射は不可能と判定することができる。この結果、照射可否の判定をより正確に行うことができる。
具体的に、2つの関心領域34は、被検体の横隔膜36を含む。この場合、照射可否判定部20fは、一方の関心領域34(横隔膜36)の画像を被検体の頭尾方向にずらした画像を新たに生成し、一方の関心領域34の画像、及び、新たに生成した画像と、他方の関心領域34(横隔膜36)の画像との画像相関を計算すればよい。これにより、照射可否判定部20fは、その計算結果を用いて関心領域34(横隔膜36)の位置変動の有無を確認し、その確認結果に基づいて、腫瘍30又は関心領域34が照射マージン情報内に収まっているか否かを判定することができる。
横隔膜36は、被検体の呼吸動作に伴って、該被検体の頭尾方向に位置変動する。従って、横隔膜36を含む関心領域34の画像に対する画像相関の計算結果を用いて、横隔膜36の位置変動の有無を確認することで、腫瘍30又は関心領域34に対する照射可否の判定を一層正確に行うことができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることは勿論である。
10…放射線治療システム 14…呼吸同期装置
16…放射線ビーム照射装置 18…画像撮影装置
20…制御装置 20a…画像情報取得部
20c…呼吸情報取得部 20e…利用情報選択部
20f…照射可否判定部 20g…制御信号生成部
20h…制御信号出力部

Claims (11)

  1. 被検体の呼吸動作に同期した照射タイミング信号を出力可能な呼吸同期装置と、前記照射タイミング信号の示すタイミングで前記被検体に放射線ビームを照射可能な放射線ビーム照射装置とを有する放射線治療システムにおいて、
    前記被検体の内部を撮影した画像を内部画像情報として生成する画像撮影装置と、前記呼吸動作に応じた呼吸情報を生成する前記呼吸同期装置と、前記内部画像情報及び前記呼吸情報のうち、少なくとも1つの情報に基づいて、前記被検体に対する前記放射線ビームの照射を指示する制御信号を生成する制御装置とを有し、
    前記制御装置は、
    前記画像撮影装置から前記内部画像情報を取得する画像情報取得部と、
    前記呼吸同期装置から前記呼吸情報を取得する呼吸情報取得部と、
    取得した前記内部画像情報及び前記呼吸情報を表示する表示部と、
    取得した前記内部画像情報及び前記呼吸情報のうち、少なくとも1つの情報を、前記放射線ビームを前記被検体に照射可能か否かを判定するための利用情報として選択する利用情報選択部と、
    選択された前記利用情報に基づいて、前記被検体に対する前記放射線ビームの照射が可能か否かを判定する照射可否判定部と、
    前記被検体に対する前記放射線ビームの照射が可能と前記照射可否判定部が判定した場合、前記制御信号を生成する制御信号生成部と、
    前記制御信号を前記放射線ビーム照射装置に出力する制御信号出力部と、
    を有することを特徴とする放射線治療システム。
  2. 請求項1記載の放射線治療システムにおいて、
    前記呼吸情報は、前記被検体の体表の変動に応じた呼吸波形であり、
    前記利用情報選択部が前記呼吸波形を前記利用情報として選択した場合、前記呼吸情報取得部は、前記呼吸同期装置から前記呼吸波形を新たに取得し、
    前記照射可否判定部は、前記呼吸情報取得部が新たに取得した前記呼吸波形が、予め設定された閾値範囲内に収まっているか否かを判定し、
    前記呼吸波形が前記閾値範囲内に収まっていると前記照射可否判定部が判定した場合、前記制御信号生成部は、前記制御信号を生成することを特徴とする放射線治療システム。
  3. 請求項1記載の放射線治療システムにおいて、
    前記制御装置は、前記画像情報取得部が取得した前記内部画像情報中の腫瘍又は関心領域を抽出情報として抽出する抽出情報生成部をさらに有し、
    前記利用情報選択部が前記内部画像情報を前記利用情報として選択した場合、前記画像情報取得部は、前記画像撮影装置から前記内部画像情報を新たに取得し、
    前記抽出情報生成部は、新たに取得された前記内部画像情報中の腫瘍又は関心領域を前記抽出情報として抽出し、
    前記照射可否判定部は、前記抽出情報生成部が抽出した前記抽出情報の示す腫瘍又は関心領域が、予め設定された前記放射線ビームの照射範囲内に収まっているか否かを判定し、
    前記腫瘍又は前記関心領域が前記照射範囲内に収まっていると前記照射可否判定部が判定した場合、前記制御信号生成部は、前記制御信号を生成することを特徴とする放射線治療システム。
  4. 請求項1記載の放射線治療システムにおいて、
    前記呼吸情報は、前記被検体の体表の変動に応じた呼吸波形であり、
    前記制御装置は、前記画像情報取得部が取得した前記内部画像情報中の腫瘍又は関心領域を抽出情報として抽出する抽出情報生成部をさらに有し、
    前記利用情報選択部が前記内部画像情報及び前記呼吸波形を前記利用情報として選択した場合、前記画像情報取得部は、前記画像撮影装置から前記内部画像情報を新たに取得し、前記抽出情報生成部は、新たに取得された前記内部画像情報中の腫瘍又は関心領域を前記抽出情報として抽出し、前記呼吸情報取得部は、前記呼吸同期装置から前記呼吸波形を新たに取得し、
    前記照射可否判定部は、前記抽出情報生成部が抽出した前記抽出情報の示す腫瘍又は関心領域が、予め設定された前記放射線ビームの照射範囲内に収まっているか否かを判定すると共に、前記呼吸情報取得部が新たに取得した前記呼吸波形が、予め設定された閾値範囲内に収まっているか否かを判定し、
    前記腫瘍又は前記関心領域が前記照射範囲内に収まり、且つ、前記呼吸波形が前記閾値範囲内に収まっていると前記照射可否判定部が判定した場合、前記制御信号生成部は、前記制御信号を生成することを特徴とする放射線治療システム。
  5. 請求項1記載の放射線治療システムにおいて、
    前記呼吸情報は、前記被検体の体表の変動に応じた呼吸波形であり、
    前記制御装置は、前記画像情報取得部が取得した前記内部画像情報中の腫瘍又は関心領域を抽出情報として抽出する抽出情報生成部をさらに有し、
    前記利用情報選択部が前記内部画像情報及び前記呼吸情報を前記利用情報として選択した場合、前記画像情報取得部は、前記画像撮影装置から前記内部画像情報を新たに取得し、前記抽出情報生成部は、新たに取得された前記内部画像情報中の腫瘍又は関心領域を前記抽出情報として抽出し、前記呼吸情報取得部は、前記呼吸同期装置から前記呼吸波形を新たに取得し、
    前記照射可否判定部は、前記抽出情報生成部が抽出した前記抽出情報の示す腫瘍若しくは関心領域が、予め設定された前記放射線ビームの照射範囲内に収まっているか否か判定処理と、前記呼吸情報取得部が新たに取得した前記呼吸波形が、予め設定された閾値範囲内に収まっているか否か判定処理とのうち、少なくとも1つの判定処理を実行し、
    前記腫瘍若しくは前記関心領域が前記照射範囲内に収まっているか、又は、前記呼吸波形が前記閾値範囲内に収まっていると前記照射可否判定部が判定した場合、前記制御信号生成部は、前記制御信号を生成することを特徴とする放射線治療システム。
  6. 請求項4又は5記載の放射線治療システムにおいて、
    前記制御装置は、前記内部画像情報中の前記腫瘍又は前記関心領域の移動量と、前記呼吸波形の変動量との相関を算出する解析部をさらに有することを特徴とする放射線治療システム。
  7. 請求項3~6のいずれか1項に記載の放射線治療システムにおいて、
    前記画像撮影装置は、前記内部画像情報を経時的に生成し、
    前記画像情報取得部は、前記画像撮影装置から前記内部画像情報をリアルタイムで取得し、
    前記抽出情報生成部は、リアルタイムで取得された前記内部画像情報中の腫瘍又は関心領域を前記抽出情報として抽出し、抽出した前記抽出情報を、前記腫瘍又は前記関心領域の時間変化を示す波形情報に変換することを特徴とする放射線治療システム。
  8. 請求項3~7のいずれか1項に記載の放射線治療システムにおいて、
    前記関心領域は、前記腫瘍、又は、該腫瘍の動きとの相関が高い前記被検体内の組織であることを特徴とする放射線治療システム。
  9. 請求項3~8のいずれか1項に記載の放射線治療システムにおいて、
    前記画像撮影装置は、前記内部画像情報を所定時間間隔で生成し、
    前記画像情報取得部は、所定時間間隔で生成された前記内部画像情報を順次取得し、
    前記抽出情報生成部は、順次取得された複数の前記内部画像情報のうち、少なくとも2つの前記内部画像情報中の関心領域を前記抽出情報として抽出し、
    前記照射可否判定部は、2つの前記関心領域の画像の画像相関に基づき、前記腫瘍又は前記関心領域が前記照射範囲内に収まっているか否かを判定することを特徴とする放射線治療システム。
  10. 請求項9記載の放射線治療システムにおいて、
    2つの前記関心領域は、前記被検体の横隔膜を含み、
    前記照射可否判定部は、一方の関心領域の画像を前記被検体の頭尾方向にずらした画像を新たに生成し、前記一方の関心領域の画像、及び、前記新たに生成した画像と、他方の関心領域の画像との画像相関を計算し、その計算結果を用いて前記関心領域の位置変動の有無を確認し、その確認結果に基づいて、前記腫瘍又は前記関心領域が前記照射範囲内に収まっているか否かを判定することを特徴とする放射線治療システム。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載の放射線治療システムにおいて、
    前記画像撮影装置は、
    前記被検体に放射線を照射し、該被検体を透過した前記放射線に基づいて前記被検体内の放射線画像を生成する放射線撮像装置、
    前記被検体に前記放射線ビームを照射し、該被検体を透過した前記放射線ビームに基づいて前記被検体内の放射線画像を生成する前記放射線ビーム照射装置、
    又は、前記被検体に超音波を照射し、該被検体からの反射波に基づいて前記被検体内の超音波画像を生成する超音波撮像装置であることを特徴とする放射線治療システム。
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