以下、実施形態の医用装置、医用装置の制御方法、およびプログラムを、図面を参照して説明する。本願でいう「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
(実施形態)
<構成>
図1は、実施形態の医用装置100を含む治療システム1の構成図である。治療システム1は、例えば、治療装置10と、医用装置100とを備える。
治療装置10は、例えば、寝台11と、放射線源12−1、12−2と、検出器13−1、13−2と、照射門14と、センサ15と、治療装置側制御部20とを備える。以下、符号におけるハイフンおよびこれに続く数字は、いずれの放射線源および検出器の組による透視用の放射線、或いは透視画像であるかを示すものとする。また、適宜、符号におけるハイフンおよびこれに続く数字を省略して説明を行う。
寝台11には、治療を受ける被検体Pが固定される。放射線源12−1は、被検体Pに対して放射線r−1を照射する。放射線源12−2は、放射線源12−1とは異なる角度から、被検体Pに対して放射線r−2を照射する。放射線r−1およびr−2は、電磁波の一例であり、例えばX線である。以下、これを前提とする。
放射線r−1は、検出器13−1によって検出される。放射線r−2は、検出器13−2によって検出される。検出器13−1および13−2は、例えばフラット・パネル・ディテクタ(FPD;Flat Panel Detector)、イメージインテンシファイア、カラーイメージインテンシファイアなどである。検出器13−1は、放射線r−1のエネルギーを検出してデジタル変換し、透視画像TI−1として医用装置100に出力する。検出器13−2は、放射線r−2のエネルギーを検出してデジタル変換し、透視画像TI−2として医用装置100に出力する。図1では、2組の放射線源および検出器を示したが、治療装置10は、3組以上の放射線源および検出器を備えてもよい。なお、以下では、放射線源12−1、12−2および検出器13−1、13−2を、撮影部30と総称する。
照射門14は、治療段階において、被検体Pに対して治療ビームBを照射する。治療ビームBには、例えば、重粒子線、X線、γ線、電子線、陽子線、中性子線などのいずれか1つ以上が含まれる。図1では、1つの照射門14のみを示したが、治療装置10は複数の照射門を備えてもよい。
センサ15は、被検体Pの外部呼吸位相を認識するためのセンサであり、被検体Pの身体に取り付けられる。センサ15は、被検体Pの呼吸波形を示す情報を医用装置100に出力する。センサ15は、例えば、圧力センサである。
治療装置側制御部20は、医用装置100からの制御信号に応じて、放射線源12−1、12−2、検出器13−1、13−2、および照射門14を動作させる。
医用装置100は、例えば、統括制御部110と、入力・表示部120と、入力操作取得部122と、表示制御部124と、取得部130と、参照画像作成部132と、画像処理部136と、ターゲット位置特定部140と、出力制御部150と、記憶部160とを備える。統括制御部110、入力操作取得部122、表示制御部124、取得部130、参照画像作成部132、画像処理部136、ターゲット位置特定部140、および出力制御部150は、例えば、少なくとも一部が、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェアプロセッサが記憶部160に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
以下、医用装置100の各部の機能について説明する。医用装置100の説明において、透視画像TIに対する処理として説明されたものは、特に注記が無い限り、透視画像TI−1、TI−2の双方に対して並行して実行されるものとする。統括制御部110は、医用装置100の機能を統括的に制御する。
入力・表示部120は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)表示装置、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイなどの表示装置と、操作者による入力操作を受け付ける入力装置とを含む。入力・表示部120は、表示装置と入力装置が一体に形成されたタッチパネルであってもよいし、マウスやキーボードなどの入力デバイスを備えてもよい。入力・表示部120は、「表示部」の一例である。
入力操作取得部122は、入力・表示部120に対してなされた操作(タッチ、フリック、スワイプ、クリック、ドラッグ、キー入力など)の内容を認識し、認識した操作の内容を統括制御部110に出力する。表示制御部124は、統括制御部110からの指示に応じて、入力・表示部120に画像を表示させる。
表示制御部124は、例えば、後述する治療の各段階の開始指示を受け付けるためのインターフェース画面を入力・表示部120に表示させる。さらに、表示制御部124は、治療ビームBの照射前の確認段階(治療前の確認段階)、および治療ビームBの照射段階において、被検体Pや治療装置1、医用装置100の状態を示す画面を入力・表示部120に表示させる。また、表示制御部124は、治療ビームBの照射前の確認段階(治療前の確認段階)、治療ビームBの照射段階(例えば内部呼吸同期による治療ビームBの照射中)、または内部呼吸同期による治療ビームBの照射スケジュールがひと区切り付いた時点で、内部呼吸同期から外部呼吸同期への切り替えを支援する画面を入力・表示部120に表示させることができる。この内容については、詳しく後述する。ここで、画像を表示させることには、演算結果に基づいて画像の要素を生成することと、予め作成された画像の要素を表示画面に割り当てることとが含まれる。
取得部130は、撮影部30から透視画像TIを取得する。また、取得部130は、センサ15の検出値、すなわち被検体Pの呼吸波形を示す情報を取得する。さらに、取得部130は、医用検査装置(不図示)から被検体Pの三次元ボリュームデータを取得する。三次元ボリュームデータの一例は、三次元CT(Computed Tomography)画像である。本実施形態では、時系列の三次元CT画像を「4DCT画像」と称する。
参照画像作成部132は、取得部130により取得された透視画像TIに基づいて、マーカレス追跡に使用される参照画像を生成する。本実施形態では、参照画像作成部132は、透視画像TIに基づいて、テンプレートマッチングに用いられるテンプレートを生成する。テンプレートは、「マーカレス追跡に使用される参照画像」の一例である。例えば、参照画像作成部132は、取得部130により取得された透視画像TIの一部を切り取ることで、テンプレートを生成する。ただし、「マーカレス追跡に使用される参照画像」は、テンプレートマッチングに用いられるテンプレートに限定されない。例えば、テンプレートマッチングではなく、機械学習によるマーカレス追跡が行われる場合は、機械学習の学習済みモデルに入力情報として入力される画像が「マーカレス追跡に使用される参照画像」の一例に該当する。
画像処理部136は、デフォーマブルレジストレーション、DRR(Digitally Reconstructed Radiograph)画像生成などの画像処理を行う。デフォーマブルレジストレーションとは、時系列の三次元ボリュームデータに対して、ある時点の三次元ボリュームデータについて指定された位置情報を、他の時点の三次元ボリュームデータに展開する処理である。DRR画像とは、3次元ボリュームデータに対して上記の仮想的な放射線源から放射線が照射されたと仮定した場合に、この放射線源に対応して三次元ボリュームデータから生成される仮想的な透視画像である。
ターゲット位置特定部140は、取得部130により取得された透視画像TIに基づきターゲット位置を特定する。「ターゲット」とは、被検体Pの患部、すなわち治療ビームBが照射される部位であってもよいし、マーカあるいは被検体Pの特徴箇所であってもよい。特徴箇所とは、横隔膜や心臓、骨など、透視画像TIにおいて周囲の箇所との差異が比較的鮮明に現れるため、透視画像TIをコンピュータが解析することで位置を特定しやすい箇所である。「ターゲット位置」とは、ターゲットの位置である。すなわち、ターゲット位置は、被検体Pの患部の位置でもよいし、マーカあるいは被検体Pの特徴箇所の位置であってもよい。ターゲット位置は、一点であってもよいし、二次元または三次元の広がりを持つ領域であってもよい。例えば、ターゲット位置特定部140は、取得部130により取得された透視画像TIに対して、参照画像作成部132が作成したテンプレートを用いたテンプレートマッチングを行うことで、透視画像TIにおけるターゲット位置を特定する。ただし、ターゲット位置特定部140によるターゲット位置の特定は、テンプレートマッチングに限定されない。ターゲット位置特定部140によるターゲット位置の特定は、機械学習などの手法によってもよい。
出力制御部150は、ターゲット位置特定部140により特定されたターゲット位置に基づいて、治療装置10に照射許可信号を出力する。例えば、ゲーテッド照射法の場合、出力制御部150は、ターゲット位置特定部140により特定されたターゲット位置がゲーティングウインドウ内に収まる場合に、治療装置10にゲートオン信号を出力する。ゲーティングウインドウとは、二次元平面または三次元空間において設定される領域である。ゲーティングウインドウとは、このゲーティングウインドウ内にターゲット位置が収まる場合に治療ビームBが照射されても良いことを示す領域であり、「照射可能範囲」の一例である。ゲートオン信号とは、治療装置10が被検体Pに治療ビームBを照射することを指示する信号である。ゲートオン信号は、「照射許可信号」の一例である。治療装置10は、ゲートオン信号が入力されている場合、治療ビームBを照射し、ゲートオン信号が入力されていない場合、治療ビームBを照射しない。なお、照射可能範囲は、固定的に設定されるものに限らず、患部の移動に追従して移動するものであってもよい。
記憶部160は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリなどにより実現される。記憶部160には、前述したプログラムの他、時系列の三次元ボリュームデータ、透視画像TI、センサ15の出力値などが格納される。
次に、内部呼吸同期から外部呼吸同期への切り替えを支援する機能について説明する。ここで、例えば被検体Pの被ばく量を少しでも減らした場合、外部呼吸同期による治療が好まれる場合がある。また、内部呼吸同期による治療の準備を進めていた段階、または内部呼吸同期による治療を行っていた段階で、何らかの理由で内部呼吸同期から外部呼吸同期へ切り替えたほうが好ましい場合があり得る。このため、医用装置100は、内部呼吸同期から外部呼吸同期への切り替えを支援するいくつかの機能部を有する。以下、これら機能部について詳しく説明する。
<出力制御部150>
図2は、出力制御部150の構成図である。出力制御部150は、第1判定部150a、第2判定部150b、閾値調整部150c、位相検出部150d、位相調整部150e、および切替許可部150fを有する。
第1判定部150aは、内部呼吸同期に基づき治療ビームBの照射タイミングを判定する。例えば、第1判定部150aは、ターゲット位置特定部140により特定されたターゲット位置に基づき、治療装置10に対する第1ゲートオン信号(内部呼吸同期に基づくゲートオン信号)の出力の可否を判定する。例えば、第1判定部150aは、前記ターゲット位置がゲーティングウインドウ内に収まる場合に、第1ゲートオン信号を出力すると判定し、前記ターゲット位置の少なくとも一部がゲーティングウインドウ内から外れる場合に、第1ゲートオン信号を出力しないと判定する。
第2判定部150bは、例えば外部呼吸同期により治療ビームBを照射すると仮定した場合に、外部呼吸同期に基づき治療ビームBの照射タイミングを判定する。例えば、第2判定部150bは、取得部130により取得された被検体Pの呼吸波形を示す情報に基づき、治療装置10に対する第2ゲートオン信号(外部呼吸同期に基づくゲートオン信号)の出力の可否を判定する。例えば、第2判定部150bは、呼吸波形の呼吸位相を示す検出値(出力値)と1つ以上の閾値(例えば1つまたは2つの閾値)とを比較する。そして、第2判定部150bは、上記1つ以上の閾値に対して上記検出値が所定の条件を満たす場合に、第2ゲートオン信号を出力すると判定し、上記1つ以上の閾値に対して上記検出値が所定の条件を満たさない場合に、第2ゲートオン信号を出力しないと判定する。上記1つ以上の閾値は、例えば記憶部160に記憶されている。閾値は、予め設定されていてもよいし、入力操作取得部122に対する操作者の操作により指定されてもよい。「所定の条件を満たす」とは、1つの閾値が用いられる場合、上記検出値が上記閾値以下となる(または上記検出値が上記閾値以上となる)ことである。また、「所定の条件を満たす」とは、2つの閾値が用いられる場合、上記検出値が2つの閾値の間の範囲に含まれることである。
閾値調整部150cは、第1判定部150aにより判定された第1ゲートオン信号の出力タイミングと、第2判定部150bにより判定された第2ゲートオン信号の出力タイミングとが異なる場合に、第2ゲートオン信号の出力タイミングを第1ゲートオン信号の出力タイミングに近付けるように、前記1つ以上の閾値に含まれる少なくとも1つの閾値を自動調整する(後述する図8参照)。また、閾値調整部150cは、位相検出部150dにより後述する位相ずれが検出された場合に、第1ゲートオン信号の出力タイミングに第2ゲートオン信号の出力タイミングを近付けるように、例えば第2ゲートオン信号の出力時間が短くなる方向に、前記1つ以上の閾値に含まれる少なくとも1つの閾値を自動調整する(後述する図10参照)。「閾値を自動調整する」とは、操作者による医用装置100の操作を必要とせずに、閾値の値を変更することを意味する。ただし、閾値調整部150cは、入力操作取得部122に対する操作者の操作に基づいて上記閾値を変更してもよい。
位相検出部150dは、第1判定部150aにより判定された第1ゲートオン信号の出力タイミングの位相と、第2判定部150bにより判定された第2ゲートオン信号の出力タイミングの位相とを検出する。そして、位相検出部150dは、第1ゲートオン信号の出力タイミングの位相と、第2ゲートオン信号の出力タイミングの位相との間に位相ずれがあるか否かを検出する。位相検出部150dは、上記位相ずれがある場合には、その位相ずれの大きさを検出する。
位相調整部150eは、位相検出部150dにより上記位相ずれが検出された場合に、上記位相ずれの大きさに基づき、上記位相ずれが小さくなるように第2ゲートオン信号の出力タイミングを自動調整する。「出力タイミングを自動調整する」とは、操作者による医用装置100の操作を必要とせずに、第2ゲートオン信号の出力タイミングを変更することを意味する。位相調整部150eによる「出力タイミングの変更」とは、例えば、治療ビームBの照射1回当たりのゲートオン信号の出力時間(出力期間)は変更せずに、ゲートオン信号の出力開始および出力終了のタイミングを早めるまたは遅らせることである(後述する図9参照)。ただし、位相調整部150eは、入力操作取得部122に対する操作者の操作に基づいて第2ゲートオン信号の出力タイミングを変更してもよい。
切替許可部150fは、第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとの違いが閾値以下であるか否かを判定する。「第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとの違い」とは、例えば、治療ビームBの照射1回当たりゲートオン信号の出力に関する、出力時間(出力期間)、出力開始のタイミング、および出力終了のタイミングのうち少なくとも1つにおける違いを意味する。切替許可部150fは、第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとの違いが閾値よりも大きい場合に、内部呼吸同期により治療ビームBが照射される照射モード(治療装置10に第1ゲートオン信号を出力し、第1ゲートオン信号に基づき治療ビームBが照射される照射モード、以下「第1照射モード」と称する)から、外部呼吸同期により治療ビームBが照射される照射モード(第2ゲートオン信号を治療装置10に出力し、第2ゲートオン信号に基づき治療ビームBが照射される照射モード、以下「第2照射モード」と称する)への切り替えを制限する(すなわち切り替えを許可しない)。一方で、切替許可部150fは、第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとの違いが閾値以下である場合に、第1照射モードから第2照射モードへの切り替えを許可する。切替許可部150fにより第1照射モードから第2照射モードへの切り替えが許可された場合、出力制御部150は、例えば、入力操作取得部122に対する操作者の操作であって、第2照射モードへの切り替えを示す操作が入力されたことに基づいて、第1照射モードから第2照射モードへ医用装置100の動作モードを切り替える。なお、出力制御部150は、切替許可部150fにより第2照射モードへの切り替えが許可された場合、第1照射モードから第2照射モードへ医用装置100の動作モードを自動的に切り替えてもよい。なお以下では、切替許可部150fの判定に用いられる閾値を、第2判定部150bにより第2ゲートオン信号の出力タイミングを判定するために用いられる閾値と区別するために、「閾値(許容範囲)」と称する場合がある。なお、切替許可部150fは、第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとの違いが閾値以下の場合に限らず、後述するターゲット位置誤差(第1ゲートオン信号の出力タイミングでのターゲット位置PTと、第2ゲートオン信号の出力タイミングでのターゲット位置PTとの誤差)が閾値以下である場合に、第1照射モードから第2照射モードへの切り替えを許可してもよい。
<表示制御部124>
図3は、表示制御部124によって入力・表示部120の画面に表示されるインターフェース画像IMの一例を示す図である。インターフェース画像IMは、例えば、領域A1−1、A1−2、A2、A3、A4、A5、A6、およびA7を含む。
領域A1−1では、透視画像TI−1に対してゲーティングウインドウGWやターゲット位置PTが重畳表示される。領域A1−2では、透視画像TI−2に対してゲーティングウインドウGWやターゲット位置PTが重畳表示される。領域A2には、各種グラフなどが表示される。
領域A3には、モードなどの選択を受け付けるセレクトウインドウSW、透視画像TIの撮影開始または撮影停止を指示するための第1ボタンB1、透視画像TIの撮影の一時停止を指示するための第2ボタンB2、治療セッションの終了を指示するための第3ボタンB3、時系列の透視画像TIを遡って確認するためのスライドバーやコマ送りスイッチなどが設定されたコントロールエリアCAなどが設定される。インターフェース画像IMの各部に対する操作は、例えば、タッチ操作、マウスによるクリック、あるいはキーボード操作などにより行われる。
領域A4には、モードに応じた治療段階が、次のステップに進むことを指示するためのボタンが設定される。領域A5には、センサ15の出力値に基づく外部呼吸波形のグラフなどが表示される。領域A6には、被検体Pの状態などを示すテキスト情報が表示される。領域A7では、被検体PのCT画像の断面に対し、X線の照射方向、および治療ビームBの照射方向が重畳表示される。
本実施形態では、表示制御部124は、内部呼吸同期から外部呼吸同期への切り替えを支援するための画像を入力・表示部120に表示させることができる。表示制御部124は、例えば、第1判定部150aにより判定された第1ゲートオン信号の出力タイミングと、第2判定部150bにより判定された第2ゲートオン信号の出力タイミングとを比較可能に表示させる。「比較可能に表示させる」とは、例えば、2つの表示対象を入力・表示部120の表示画面に同時に表示させる、または、2つの表示対象のそれぞれを表示する複数の画像を互いに切り替え可能に表示することを意味する。ただし、第1ゲートオン信号の出力タイミングおよび第2ゲートオン信号の出力タイミングの表示は、ゲートオン信号の出力タイミングを直接的に示す表示に限らず、ターゲット位置PTとゲーティングウインドウGWとの位置関係による間接的な表示などでもよい。
図4は、第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとが比較可能に表示された画面の一例を示す図である。この図4は、第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとが一致する場合の例を示す。
表示制御部124は、例えば、入力・表示部120の領域A1−1、A1−2に、透視画像TI−1および透視画像TI−2を表示させることに代えて、第1ゲートオン信号の出力タイミングに関する画像M1と、第2ゲートオン信号の出力タイミングに関する画像M2とをそれぞれ表示させる。
画像M1は、ターゲット位置特定部140により特定されたターゲット位置PTと、ゲーティングウインドウGWとが透視画像TI−1に重畳表示された画像である。表示制御部124は、画像M1において、第1判定部150aにより判定された第1ゲートオン信号が出力されるタイミング(ターゲット位置PTがゲーティングウインドウGW内に収まるタイミング)で、入力・表示部120にゲーティングウインドウGWの色(例えば、ゲーティングウインドウGWの外形を示す枠線の色)を変更させる。例えば、図中の(a)および(b)のタイミングでは、ゲーティングウインドウGWの色が変更されておらず、第1ゲートオン信号が出力されていないことが分かる。一方で、図中の(c)のタイミングでは、ゲーティングウインドウGWの色が変更されており、第1ゲートオン信号が出力されていることが分かる。これにより、医師などは、内部呼吸同期により治療ビームBが照射されるタイミング(第1ゲートオン信号に基づいて治療ビームBが照射されるタイミング)を確認することができる。
画像M2は、ターゲット位置特定部140により特定されたターゲット位置PTと、ゲーティングウインドウGWとが透視画像TI−1に重畳表示された画像である。表示制御部124は、画像M2において、第2判定部150bにより判定された第2ゲートオン信号が出力されるタイミング(ターゲット位置PTがゲーティングウインドウGW内に収まっているか否かに関わらない)で、入力・表示部120にゲーティングウインドウGWの色を変更させる。例えば、図中の(a)および(b)のタイミングでは、ゲーティングウインドウGWの色が変更されておらず、第2ゲートオン信号が出力されていないことが分かる。一方で、図中の(c)のタイミングでは、ゲーティングウインドウGWの色(例えば、ゲーティングウインドウGWの外形を示す枠線の色)が変更されており、第2ゲートオン信号が出力されていることが分かる。これにより、医師などは、外部呼吸同期により治療ビームBが照射されると仮定した場合における治療ビームBが照射されるタイミング(第2ゲートオン信号に基づいて治療ビームBが照射されるタイミング)を確認することができる。
図5は、第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとが比較可能に表示された画面の一例であって、第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとが異なる場合の例を示す。この例は、第2ゲートオン信号の出力タイミングが第1ゲートオン信号の出力タイミングよりも早い場合の例である。この場合、表示制御部124は、画像M2において、ターゲット位置PTがゲーティングウインドウGW内に収まる前のタイミング(図中の(b)のタイミング)でも、第2判定部150bの判定結果に基づきゲーティングウインドウGWの色を変更させる。これにより、医師などは、ターゲット位置PTがゲーティングウインドウGW内に収まる前に第2ゲートオン信号の出力が開始されることを知ることができる。一方で、図5中の画像M1は、図4に示す画像M1と同様である。すなわち、表示制御部124は、図5中の(b)のタイミングでは、ゲーティングウインドウGWの色を変更させない。これにより、医師などは、第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとが異なることを知ることができる。
なお、表示制御部124により領域A1−1、A1−2に表示される画像は、上記例に限定されない。表示制御部124は、透視画像TI−1および透視画像TI−2のそれぞれに対して、第1ゲートオン信号の出力タイミングに関する画像M1と、第2ゲートオン信号の出力タイミングに関する画像M2とを表示してもよい。
例えば、図6は、入力・表示部120のインターフェース画像IMの別の一例を示す図である。インターフェース画像IMは、領域A1−1、領域A1−2に加え、領域A1−3、領域A1−4を有してもよい。表示制御部124は、例えば、領域A1−1に、透視画像TI−1と第1ゲートオン信号の出力タイミングとを示す画像M1を表示し、領域A1−2に、透視画像TI−2と第1ゲートオン信号の出力タイミングとを示す画像M1を表示し、領域A1−3に、透視画像TI−1と第2ゲートオン信号の出力タイミングとを示す画像M2を表示し、領域A1−4に、透視画像TI−2と第2ゲートオン信号の出力タイミングとを示す画像M2を表示してもよい。
なお、ゲートオン信号が出力されることを示す表示は、ゲーティングウインドウGWの色を変更させることに限定されない。表示制御部124は、ゲートオン信号が出力される場合に、他の方法で画像の一部を変化させてもよい。例えば、表示制御部124は、ゲートオン信号が出力される場合に、ゲーティングウインドウGWの色を変更させることに代えて、または加えて、ゲーティングウインドウGWの内側領域と外側領域のいずれかの色彩または輝度を変更させてもよい。
図7は、第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとが比較可能に表示された画面の別の一例を示す図である。図7は、領域A2に表示される画像の一例を示す。この図7は、第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとが一致する例を示す。表示制御部124は、例えば、第1ゲートオン信号の出力タイミングを時系列で表示した第1表示S1と、第2ゲートオン信号の出力タイミングを時系列で表示した第2表示S2とを表示する。第1表示S1および第2表示S2において、縦軸の「H」は、第1ゲートオン信号または第2ゲートオン信号が出力されている状態を示す。一方で、縦軸の「L」は、第1ゲートオン信号または第2ゲートオン信号が出力されていない状態を示す。第1表示S1および第2表示S2において、横軸は、時間の経過を示す。例えば、図中の破線矢印Aは、第1ゲートオン信号の出力タイミングを示す波形および第2ゲートオン信号の出力タイミングを示す波形が時間の経過とともに進む方向を示す。
さらに、表示制御部124は、第1ゲートオン信号が出力中であることを示す表示T1と、第2ゲートオン信号が出力中であることを示す表示T2とを表示させてもよい。表示T1は、例えば、第1ゲートオン信号が出力されている間のみ表示される、または明るくなる。表示T2は、例えば、第2ゲートオン信号が出力されている間のみ表示される、または明るくなる。
さらに、表示制御部124は、センサ15により検出された呼吸波形Wと、第2ゲートオン信号の出力タイミングの判定に用いられる閾値THとを示す表示S3を表示させてもよい。図7は、1つの閾値THが用いられ、呼吸波形Wの呼吸位相を示す検出値が閾値TH以下になった場合に、第2ゲートオン信号が出力される例を示す。
さらに、表示制御部124は、第1ゲートオン信号のゲートオン比率(第1ゲートオン比率)と、第2ゲートオン信号のゲートオン比率(第2ゲートオン比率)とをそれぞれ算出し、それらを比較可能に表示させてもよい。「ゲートオン比率」とは、ゲートオン信号が出力されている時間を、ゲートオン信号が出力されている時間とゲートオン信号が出力されていない時間との合計で除算した値である。すなわち、「ゲートオン比率」とは、治療ビームBの照射を伴う治療が開始された後の経過時間のなかで、治療ビームBが照射されている時間である。「ゲートオン比率」は、「照射時間率」の一例である。さらに、表示制御部124は、第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとの一致率と、第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとの不一致率とのうち少なくとも一方を算出し、それらを表示させてもよい。「第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとの一致率」とは、例えば、第1ゲートオン信号の出力タイミングに対して第2ゲートオン信号の出力タイミングが重なる時間を、第1ゲートオン信号が出力されている時間で除算した値であるが、別の定義が用いられてもよい。また、「第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとの不一致率」とは、例えば、第1ゲートオン信号の出力タイミングに対して第2ゲートオン信号の出力タイミングが重ならない時間を、第1ゲートオン信号が出力されている時間で除算した値であるが、別の定義が用いられてもよい。
また、表示制御部124は、第1ゲートオン信号の出力タイミングでのターゲット位置PTと、第2ゲートオン出力タイミングでのターゲット位置PTとの誤差であるターゲット位置誤差を表示してもよい。ターゲット位置誤差は、数値で表示されてもよいし、グラフに表示されてもよい。また、ターゲット位置誤差は、最大値のみ表示されてもよい。
また、表示制御部124は、第2ゲートオン信号の出力タイミングに対応する範囲(第2ゲートオン信号が出力されている期間にターゲット位置PTが存在する範囲)を透視画像TI上に表示してもよい。表示制御部124は、例えば、複数呼吸の第2ゲートオン信号の出力タイミングに対応する範囲のAND領域またはOR領域を表示してもよい。表示制御部124は、第2ゲートオン信号の出力タイミングに対応する範囲と、第1ゲートオン信号を出力するためのゲーティングウインドウGWとを比較可能に入力・表示部120に表示してもよい。これにより、医師などは、第2ゲートオン信号の出力タイミングに対応する範囲と、第1ゲートオン信号を出力するためのゲーティングウインドウGWと容易に比較することができる。
図8、第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとが異なる場合の一例を示す図である。この例では、例えば、閾値THが最適な値に対して高く設定されているため、第2ゲートオン信号が出力される時間(期間)が、第1ゲートオン信号が出力される時間に比べて長くなっている。このような場合、本実施形態では、閾値調整部150cにより閾値THが自動調整され、第2ゲートオン信号の出力タイミングが第1ゲートオン信号の出力タイミングに近付けられる(図中の白矢印を参照)。
図9は、第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとが異なる場合の別の例を示す図である。図9は、位相調整部150eにより上記位相ずれが低減される例を示す。この例では、例えば、第1ゲートオン信号の出力タイミングの位相と、第2ゲートオン信号の出力タイミングの位相との間に位相ずれがあるため、第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとが異なる。このような場合、本実施形態では、位相検出部150dにより上記位相ずれが検出される。そして、位相調整部150eにより第2ゲートオン信号の出力タイミングが自動調整され、上記位相ずれが低減される(例えば位相ずれが無くなる)(図中の白矢印を参照)。
なお、図9のような出力タイミングの調整は、出力タイミング自体を直接調整(ずらす)ことに代えて、閾値調整部150cにより閾値を調整することで行うこともできる。例えば、閾値調整部150cは、1つの閾値THを、2つの閾値(出力開始用閾値THsおよび出力終了用閾値THe)に変更してもよい。出力開始用閾値THsは、第2ゲートオン信号の出力開始のタイミングを決めるための閾値である。出力終了用閾値THeは、第2ゲートオン信号の出力終了のタイミングを決めるための閾値である。本変形例では、出力開始用閾値THsと出力終了用閾値THeとは、別々の値に設定される。図9に示す例では、第2判定部150bは、呼吸波形の位相の検出値が出力開始用閾値THsを下回る場合に、第2ゲートオン信号を出力すると判定する。一方で、第2判定部150bは、呼吸波形の位相の検出値が出力終了用閾値THeを上回る場合に、第2ゲートオン信号を終了すると判定する。図9では、説明の便宜上、呼吸波形Wのなかで第2ゲートオン信号が出力される期間に含まれる部分を太線で示す。なお、出力開始用閾値THsおよび出力終了用閾値THeの各々は、元の閾値THよりも大きな値でもよく、小さな値でもよい。
図10は、図9のように第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとの間に位相ずれがある場合において、閾値調整部150cにより上記位相ずれが低減される例を示す。このような場合、例えば、閾値調整部150cにより閾値THが自動調整され、上記位相ずれが低減される(例えば位相ずれが無くなる)(図中の白矢印を参照)。なお、図9のような位相調整部150eによる位相ずれの低減と、図10のような閾値調整部150cによる位相ずれの低減は、いずれか一方のみが行われてもよく、互いに組み合わせて行われてもよい。
以上説明した内部呼吸同期から外部呼吸同期への切り替えを支援するための出力制御部150および表示制御部124の制御は、治療前の確認段階で行われてもよいし、治療中、すなわち内部呼吸同期により被検体Pに治療ビームBが照射されている状態で行われてもよいし、内部呼吸同期による治療ビームBの照射スケジュールがひと区切り付いた時点(一日の治療の途中で治療装置10を停止させた状態)で行われてもよい。治療中に上記制御が行われる場合は、治療に用いられている透視画像TI、ターゲット位置PT、および呼吸波形などの情報に基づき、出力制御部150および表示制御部124の上記制御が行われてもよい。治療前の確認段階や、治療装置10を停止させた状態で上記制御が行われる場合は、透視画像TI、ターゲット位置PT、および呼吸波形などの情報は、確認段階やそれまでの治療中に取得されて記憶部160に記憶されている情報が用いられる。
<治療の流れ>
以下、治療システム1における治療の流れについて説明する。治療システム1は、例えば、計画段階、位置決め段階、準備段階、確認段階、治療段階の複数の段階に分けて行われる。また、治療システム1は、例えば、内部呼吸同期であるマーカレス追跡およびマーカ追跡、外部呼吸同期の3つのモードを切り替えて治療を行うことができる。マーカレス追跡には、テンプレートマッチング法や、機械学習を用いた手法などがある。以下では、テンプレートマッチング法を用いたマーカレス追跡について説明し、照射方法としてゲーテッド照射法を採用するものとして説明する。医用装置100は、テンプレートマッチング法と、機械学習を用いた手法とを切り替え可能であってもよい。
[計画段階]
計画段階において、まず、被検体PのCT撮影が行われる。CT撮影では、様々な呼吸位相毎に、様々な方向から被検体Pが撮影される。次に、CT撮影の結果に基づいて4DCT画像が生成される。4DCT画像は、三次元のCT画像(前述した三次元ボリュームデータの一例)を時系列にn個並べたものである。このn個および時系列画像の時間間隔を乗算して求められる期間は、例えば、呼吸位相が1周期分変化する期間をカバーするように設定される。4DCT画像は、記憶部160に格納される。
次に、医師や放射線技師などが、n個のCT画像のうち、例えば1つのCT画像に対して、輪郭を入力する。この輪郭は、患部である腫瘍の輪郭や治療ビームBを照射したくない臓器の輪郭などである。次に、例えば画像処理部136が、デフォーマブルレジストレーションによって、n個のCT画像のそれぞれについて輪郭を設定する。この場合、画像処理部136は、例えば、各CT画像に含まれる2つ以上の特徴的な要素の位置がn個のCT画像においてどのように変化するかに基づき、n個のCT画像における患部や臓器の移動を推定し、n個のCT画像において推定された患部や臓器の移動を反映した位置に患部や臓器の輪郭を展開する。
次に、治療計画が決定される。治療計画とは、設定された輪郭情報に基づいて、患部がどの位置にあるときに、どこに、どの方向から、どれだけの治療ビームBを照射するかを規定するものであり、ゲーテッド照射法や追尾照射法などの治療法に応じて決定される。なお、計画段階の処理の一部または全部は、外部装置によって実行されてもよい。例えば、4DCT画像を生成する処理は、CT装置によって実行されてもよい。
ここで、腫瘍の輪郭で区画される領域や、その領域の重心、或いは被検体Pの特徴箇所の位置などがターゲット位置PTとなる。更に、治療計画において、ターゲット位置PTがどの位置にあれば治療ビームBを照射してよいかが決定される。デフォーマブルレジストレーションによって輪郭が設定された際に、ターゲット位置PTに対してマージンが自動的に、または手動で設定され、マージンを反映させてゲーティングウインドウが設定される。このマージンは、装置や位置決めの誤差などを吸収するためのものである。
[位置決め段階]
位置決め段階においては、寝台位置の調整が行われる。被検体Pは寝台11に寝かされ、シェルなどで固定される。まず、寝台位置の粗い調整が行われる。この段階において、作業者が、被検体Pの位置と姿勢を目視で確認し、照射門14からの治療ビームBが当たりそうな位置へ寝台11を動かす。これにより、寝台11の位置が粗く調整される。次に、寝台位置を細かく調整するために利用する透視画像TIが撮影される。例えば、3D−2Dレジストレーションが行われる場合は透視画像TIが撮影される。透視画像TIは、例えば被検体Pが息を吐き切ったタイミングで撮影される。寝台11の位置は粗く調整済みであるため、透視画像TIには、被検体Pの患部付近が写っている。
3D−2Dレジストレーションが行われる場合、この段階において、放射線源12−1、12−2、検出器13−1、13−2、および被検体Pの治療計画情報を使用して三次元ボリュームデータからDRR画像が生成される。DRR画像と透視画像TIに基づいて寝台移動量が算出され、寝台11が移動させられる。透視画像TIの撮影、補正部131による補正、寝台移動量算出、寝台11の移動を繰り返すことで、寝台11の位置が細かく調整される。
[準備段階]
位置決め段階が終了すると、準備段階に移行する。まず4DCT画像から各位相のDRR画像が作成される。DRR画像の作成は4DCT画像撮影以降であればいつ実施してもよい。このとき、治療計画において設定されたゲーティングウインドウGWを射影した位置がDRR画像上のゲーティングウインドウGWとして設定される。準備段階では、まず参照画像を作成するための透視画像TIの撮影が行われる。透視画像TIは、例えば、被検体Pの2呼吸分をカバーするように撮影される。また、被検体Pが深呼吸を行う間、被検体Pの外部呼吸波形が、透視画像TIと同期してセンサ15により取得される。取得された外部呼吸波形は、表示制御部124により入力・表示部120に表示される。撮影された透視画像TIには、外部呼吸波形から求められる被検体Pの呼吸位相に基づく追跡値が対応付けられる。
また、この段階において、DRR画像とDRR画像上のターゲット位置PTの情報から、透視画像TIとターゲット位置PTとの関係が学習され、さらに、医師によるターゲット位置PTの修正が受け付けられる。そして、ターゲット位置PTが学習された透視画像TIの中から、追跡値に基づいて、一つ以上のテンプレートT(参照画像)が選択される。例えば、テンプレートTは、透視画像T1の一部を切り出すことで得られる。テンプレートTは、透視画像TIの特徴的な一部を切り出したものであってよい。また、テンプレートTは、透視画像TIから切り出された画像に対して、濃淡を強くするなど所定の処理が行われることで得られてもよい。ターゲット位置PTの学習は、計画段階から治療段階までの間の、いずれのタイミングで実施されてもよい。例えば、被検体Pの2呼吸分の透視画像TIうち、前半の1呼吸分の透視画像TIからテンプレートを作成した場合、そのテンプレートを使用して、後半の1呼吸分の透視画像TIでターゲットの追跡ができるか確認してもよい。その際、表示制御部124はDRR画像上に設定されたゲーティングウインドウを透視画像TI上に表示してもよい。
[確認段階]
そして、再度、透視画像TIの撮影が開始される。ターゲット位置特定部140は、時系列で入力される透視画像TIに対してテンプレートTとのマッチングを行い、透視画像TIに対してターゲット位置PTを割り付ける。表示制御部124は、透視画像TIを動画として入力・表示部120に表示させながら、ターゲット位置PTが割り付けられた透視画像TIのフレームにターゲット位置PTを重畳表示させる。この結果、医師などによりターゲット位置PTの追跡結果が確認される。
この際に、表示制御部124はDRR画像上に設定されたゲーティングウインドウを透視画像TI上に表示する。出力制御部150は、透視画像TI−1、TI−2の双方に関して、ターゲット位置PTがゲーティングウインドウ内に収まっているか否かを判定する。治療段階では、ターゲット位置PTがゲーティングウインドウ内に収まっている場合にゲートオン信号が治療装置10に出力されるのであるが、準備段階では、ゲートオン信号の出力の有無が統括制御部110を介して表示制御部124に伝えられる。表示制御部124は、動画の表示に併せてゲートオン信号の出力の有無を入力・表示部120に表示させる。この結果、医師などによりゲートオン信号の出力タイミングが確認される。
[治療段階]
治療段階では、出力制御部150が、透視画像TI−1、TI−2の双方に関して、ターゲット位置PTがゲーティングウインドウGW内に収まっている場合にゲートオン信号(第1ゲートオン信号)を治療装置10に出力する。これによって、治療ビームBが被検体Pの患部に照射され、治療が行われる。なお、ターゲット位置PTが患部の位置である場合には、追跡したターゲット位置がゲーティングウィンドウ内に収まっている場合に治療ビームBが照射され、ターゲット位置PTが被検体Pの特徴箇所の位置である場合には、予め学習されたターゲット位置PTと患部の位置との関係に基づいて、ターゲット位置PTから導出された患部の位置がゲーティングウィンドウ内に収まっている場合に治療ビームBが照射される。なお、これらの複合手法によって患部の位置に治療ビームBが照射されてもよい。すなわち、ターゲット位置PTとして患部の位置と、特徴箇所の位置とをそれぞれ設定しておき、患部が第1ゲーティングウインドウに収まり、特徴箇所が第2ゲーティングウインドウに収まる場合に治療ビームBを照射するようにしてもよい。なお、「ターゲット位置PTが患部の位置である場合において、ターゲット位置PTがゲーティングウインドウ内に収まっている場合」と、「ターゲット位置PTが被検体Pの特徴箇所の位置である場合において、ターゲット位置PTから導出された患部の位置がゲーティングウインドウ内に収まっている場合」の各々は、「所定の対象が照射可能範囲に収まっている場合」の一例であり、「ターゲット位置と照射可能範囲とが所定の関係を満たす場合」の一例である。本実施形態では、「ターゲット位置PTがゲーティングウインドウ内に収まる場合」を例として説明しているが、各所におけるこの記載は、「所定の対象がゲーティングウインドウに収まっている場合」と読み替えられてもよい。
次に、内部呼吸同期から外部呼吸同期へ切り替える場合に行われる医用装置100の処理の流れについて説明する。図9は、内部呼吸同期から外部呼吸同期へ切り替える場合に行われる医用装置100の処理の流れの一例を示すフローチャートである。ここでは、内部呼吸同期による治療中(第1ゲートオン信号に基づいて治療ビームBが照射されている状態)において内部呼吸同期から外部呼吸同期へ切り替える場合を説明する。
まず、第1判定部150aがターゲット位置特定部140により特定されたターゲット位置PTに基づき第1ゲートオン信号の出力タイミングを判定する(ステップS102)。具体的には、第1判定部150aは、ターゲット位置PTがゲーティングウインドウGW内に収まる場合に、第1ゲートオン信号を出力すると判定する。出力制御部150は、第1判定部150aの判定結果に基づき、治療装置10に第1ゲートオン信号を出力する。これにより、被検体Pに治療ビームBが照射される。
このS102と略同時に、第2判定部150bは、被検体Pの呼吸波形に基づいて治療ビームBを照射すると仮定した場合に、呼吸波形に基づいて治療装置10に第2ゲートオン信号を出力するタイミングを判定する(ステップS104)。そして、表示制御部124は、第1判定部150aにより判定された第1ゲートオン信号の出力タイミングと、第2判定部150bにより判定された第2ゲートオン信号の出力タイミングとを、入力・表示部120の表示画面に比較可能に表示させる(ステップS106)。これにより、第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとが一致しているか否かが医師などによって確認可能になる。
切替許可部150fは、第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとの違いが閾値(許容範囲)以下であるか否かを判定する(ステップS108)。第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとの違いが閾値(許容範囲)よりも大きい場合、位相検出部150dは、第1ゲートオン信号の出力タイミングの位相と第2ゲートオン信号の出力タイミングの位相との間に位相ずれがあるか否を判定する(ステップS110)。
位相検出部150dにより第1ゲートオン信号の出力タイミングの位相と第2ゲートオン信号の出力タイミングの位相との間に位相ずれがある(またはある閾値よりも大きい)と判定された場合、位相調整部150eは、上記位相ずれを小さくするように(例えば位相ずれを無くすように)、第2ゲートオン信号の出力タイミングに関する位相と閾値とのうちいずれか一方または両方を補正する(ステップS112)。この場合、本フローは、S106の前に戻り、再びS106の処理が行われる。これにより、表示制御部124は、第1ゲートオン信号の出力タイミングと、位相ずれ調整後の第2ゲートオン信号の出力タイミングとを、入力・表示部120の表示画面に比較可能に表示させる。これにより、第1ゲートオン信号の出力タイミングと、位相ずれ調整後の第2ゲートオン信号の出力タイミングとが一致するか否かが医師などによって確認可能になる。そして、再びS108の判定処理が行われる。
一方で、第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとの違いが閾値(許容範囲)よりも大きく、且つ、第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2のゲートオン信号の出力タイミングとの間に位相ずれが無い(またはある閾値よりも小さい)場合、閾値調整値150cは、第2ゲートオン信号の出力タイミングを第1ゲートオンの出力タイミングに近付けるように閾値THを補正する(ステップS114)。この場合、本フローは、S106の前に戻り、再びS106の処理が行われる。これにより、表示制御部124は、第1ゲートオン信号の出力タイミングと、閾値THが調整された後の第2ゲートオン信号の出力タイミングとを、入力・表示部120の表示画面に比較可能に表示する。これにより、第1ゲートオン信号の出力タイミングと、閾値TH調整後の第2ゲートオン信号の出力タイミングとが一致するか否かが医師などによって確認可能になる。そして、再びS108の判定処理が行われる。
第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとの違いが閾値(許容範囲)以下の場合、切替許可部150fは、内部呼吸同期に基づき治療ビームBが照射される第1照射モードから、外部呼吸同期に基づき治療ビームBが照射される第2照射モードへの切り替えを許可する(ステップS122)。これにより、入力操作取得部122は、第1照射モードから第2照射モードへの切り替えを示す操作者の切り替え操作を受け付ける(ステップS124)。
出力制御部150は、入力操作取得部122に対する操作者の上記切り替え操作の有無を判定する(ステップS126)。出力制御部150は、入力操作取得部122に対する操作者の上記切り替え操作が無い場合、入力操作取得部122に対する切り替え操作の入力を継続的に監視する。一方で、出力制御部150は、入力操作取得部122に対する操作者の上記切り替え操作があった場合、治療装置10に第1ゲートオン信号を出力することに代えて、治療装置10に第2ゲートオン信号を出力する。これにより、第1照射モードから第2照射モードへの切り替えが行われる(ステップS128)。なお、本実施形態では、操作者による切り替え操作が行われるものとして記載したが、第1照射モードから第2照射モードへの切り替えは、S122の許可に基づいて出力制御部150により自動的に行われてもよい。
表示制御部124は、確認画像および治療画像において、ゲートオン信号を出力する際(確認段階では出力する条件が成立した際)に、ゲーティングウインドウGWの色(例えば、ゲーティングウインドウGWの外形を示す枠線の色)を変更するようにしてもよい。例えば、透視画像TI−1とTI−2のいずれにおいてもターゲット位置PTがゲーティングウインドウGW内に収まっていない場合に第1の色、透視画像TI−1とTI−2のいずれか一方のみにおいてターゲット位置PTがゲーティングウインドウGWに収まっている場合に第2の色、透視画像TI−1とTI−2の双方においてターゲット位置PTがゲーティングウインドウGWに収まっている場合に(すなわちゲートオン信号を出力する条件が成立した場合に)第3の色でゲーティングウインドウGWの枠線を表示してよい。また、透視画像TI−1とTI−2のいずれにおいてもターゲット位置PTがゲーティングウインドウGW内に収まっていない場合には、エラーアイコンを表示してもよい。
また、表示制御部124は、ゲートオン信号を出力する条件が成立した場合に、ゲーティングウインドウGWの内側領域と外側領域のいずれかの色彩または輝度を変更してもよい。更に、医用装置100は、ゲートオン信号を出力する条件が成立した場合に、音または振動で通知する通知部126を備えてもよい。
以上のような構成によれば、信頼性をより高く感じる医用装置100を提供することができる。すなわち、本実施形態では、出力制御部150は、ターゲット位置PTがゲーティングウインドウGW内に収まる場合に治療装置10に第1ゲートオン信号を出力し、被検体Pの呼吸波形に基づいて治療ビームBを照射すると仮定した場合に、被検体Pの呼吸波形に基づいて治療装置10に第2ゲートオン信号を出力するタイミングを判定する。表示制御部124は、出力制御部150により判定された第1ゲートオン信号と第2ゲートオン信号との出力タイミングを比較可能に表示する。このような構成によれば、医師などは、内部呼吸同期による場合のゲートオン信号の出力タイミングと、外部呼吸同期による場合のゲートオン信号の出力タイミングとを容易に比較して確認することができる。これにより、医師などは、より高い安心感を持って、内部呼吸同期による照射モードから外部呼吸同期による照射モードに治療装置10の動作モードを切り替えることができる。
本実施形態では、出力制御部150は、第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとが異なる場合、第2ゲートオン信号の出力タイミングを第1ゲートオン信号の出力タイミングに近付けるように、第2ゲートオン信号の出力タイミングの判定に用いられる少なくとも1つの閾値を自動、または操作者の手動操作により調整する。このような構成によれば、第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとが異なる場合に、内部呼吸同期による第1ゲートオン信号の出力タイミングに基づき、第2ゲートオン信号の出力タイミングを補正することができる。これにより、外部呼吸同期により治療を行う場合でも、内部呼吸同期と同レベルの高精度の治療を続けることができる。
本実施形態では、出力制御部150は、第1ゲートオン信号の出力タイミングの位相と第2ゲートオン信号の出力タイミングの位相との間に位相ずれがある場合に、上記位相ずれを小さくするように第2ゲートオン信号の出力タイミングを自動、または操作者の手動操作により調整する。このような構成によれば、第1ゲートオン信号の出力タイミングの位相と第2ゲートオン信号の出力タイミングの位相との間に位相ずれがある場合に、内部呼吸同期による第1ゲートオン信号の出力タイミングに基づき、第2ゲートオン信号の出力タイミングの位相を補正することができる。これにより、外部呼吸同期により治療を行う場合でも、内部呼吸同期と同レベルの高精度の治療を続けることができる。
本実施形態では、表示制御部124は、第1ゲートオン信号が出力されている時間に基づいて得られる第1ゲートオン比率と、第2ゲートオン信号が出力されている時間に基づいて得られる第2ゲートオン比率とを比較可能に表示する。このような構成によれば、第1ゲートオン比率と第2ゲートオン比率との比較にも基づき、ゲートオン比率も考慮して内部呼吸同期による治療から外部呼吸同期による治療への切り替えを検討することができる。これにより、医用装置100の利便性を高めることができる。
本実施形態では、出力制御部150は、第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとの違いが閾値以下の場合に、第2ゲートオン信号を治療装置10に出力する照射モードへの切り替えを許可する。このような構成によれば、第1ゲートオン信号の出力タイミングと第2ゲートオン信号の出力タイミングとの違いが許容範囲から外れている場合に、外部呼吸同期への切り替えを制限することができる。これにより、医用装置100の信頼性をより高く訴求することができる。
本実施形態では、出力制御部150は、ターゲット位置PTがゲーティングウインドウGW内に収まる場合に治療装置10に第1ゲートオン信号を出力し、被検体Pの呼吸波形に基づいて治療ビームBを照射すると仮定した場合に、被検体Pの呼吸波形に基づいて治療装置10に第2ゲートオン信号を出力するタイミングを判定する。表示制御部124は、ターゲット位置PTおよびゲーティングウインドウGWを被検体Pの透視画像TIに重畳した画像M2を入力・表示部120に表示するとともに、出力制御部150により判定された第2ゲートオン信号を出力するタイミングで画像M2の一部を変化させる。このような構成によれば、医師などが、内部呼吸同期により導出されたターゲット位置PTがゲーティングウインドウGW内に収まるタイミングと、外部呼吸同期による場合のゲートオン信号の出力タイミングとを容易に比較して確認することができる。これにより、医師などは、より高い安心感を持って、内部呼吸同期による照射モードから外部呼吸同期による照射モードに治療装置10の動作モードを切り替えることができる。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、表示制御部は、内部呼吸同期により導出された第1ゲートオン信号と、外部呼吸同期により導出された第2ゲートオン信号との出力タイミングを比較可能に表示する。このような構成によれば、医用装置100の信頼性をより高く訴求することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。