以下、図面を参照しつつ、本開示に係る実施の形態を説明する。
以下の説明では実施の形態として、ビジネスモデルファクトリについて説明する。ビジネスモデルファクトリは、製造業におけるBOM(Bill Of Material:部品表)を用いた設計・製造システムに発想を得たビジネスモデルの製造システムである。金融機関は、ビジネスモデルファクトリを用いて、ビジネスモデルの設計図に基づき、顧客である事業体の「強み」を部品として調達し、組み立て、完成させることが、可能となる。すなわち、ビジネスモデルファクトリでは、「強み」を持つ複数の事業体を集め、協業させることにより、新たなビジネスモデルを創出することができる。「強み」とは、他社との差別化を図れるものであって、例えば、特許権を取得している技術や独自ノウハウである。「強み」はそれらに限らず、物流網や代理店網なども含む。ここでは、「強み」は、いわゆる経営資源要素とほぼ同等である。なお、以下の説明において、金融機関は銀行、事業体は企業として、説明する。
以下において、探索企業とは新たなビジネスモデルについての事業を実行するために、協業相手となる企業を探している企業である。提案企業とは探索企業の協業相手の候補となる企業である。いずれの企業もケースによって、探索企業にもなり得るし、提案企業にもなり得る。運営組織とは、探索企業と提案企業との橋渡しを行う組織である。ここで、運営組織は銀行とする。
更に、ビジネスモデルを統一的に扱えるようにするため、ビジネスモデルの構成を3階層からなる木構造で定義するものとする。第1階層はビジネスモデルに対応する。第1階層をビジネスモデル提供価値定義(提供価値定義情報)という。第1階層は木構造のルートノードである。第2階層は価値を提供するためのスキーム(提供の仕組み)に対応する。第2階層は木構造の中間ノードである。第2階層を価値提供スキーム(プロセス情報)という。第3階層は価値提供スキームを実現するために必要とする経営資源に対応する。第3階層は木構造のリーフノードである。第3階層をキーとなる経営資源(固有技術、経営資源情報)という。木構造を視覚的に表現したものを、ビジネスモデルチャートという。ビジネスモデルチャートを単にモデルチャートともいう。
図1はビジネスモデル開発システム100の構成例を示す説明図である。ビジネスモデル開発システム100は、上述のビジネスモデルファクトリに係る実施の形態の一例である。
ビジネスモデル開発システム100はメインサーバ1、行内サーバ2、金融機関端末3、探索企業端末4及び提案企業端末5を含む。メインサーバ1はビジネスモデル開発システム100を運用するために必要なデータを記憶し、各種処理を行う。行内サーバ2は銀行のみが用いるサーバである。行内サーバ2は外部には公開しない顧客企業の与信情報などを記憶している。ネットワークN1は公衆網である。ネットワークN2は、ファイアウォール等で、銀行外部から遮断されているネットワークである。
図2はメインサーバ1のハードウェア構成例を示すブロック図である。メインサーバ1はサーバコンピュータ等で構成する。メインサーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、通信部14、大容量記憶部15及び読み取り部16を含む。各構成はバスBで接続されている。
CPU11はROM12に記憶された制御プログラム1Pにしたがい、ハードウェア各部を制御する。RAM13は例えばSRAM(Static RAM)、DRAM(Dynamic RAM)又はフラッシュメモリである。RAM13はCPU11によるプログラムの実行時に発生するデータを一時的に記憶する。
通信部14は第1通信部141及び第2通信部142を含む。第1通信部141はネットワークN1を介して、探索企業端末4及び提案企業端末5と通信を行う。第2通信部142は、ネットワークN2を介して、行内サーバ2及び金融機関端末3と通信を行う。
大容量記憶部15は、例えばハードディスク又はSSD(Solid State Drive)などである。大容量記憶部15は各種データベース(DB:DataBase)を記憶する。大容量記憶部15は各種を記憶する。また、制御プログラム1Pを大容量記憶部15に記憶してもよい。各種DBは、メインサーバ1以外に記憶してもよい。例えばデータベースサーバに記憶してもよい。
読み取り部16はCD-ROM及びDVD-ROMを含む可搬型記憶媒体1aを読み取る。CPU11が読み取り部16を介して、制御プログラム1Pを可搬型記憶媒体1aより読み取り、大容量記憶部15に記憶してもよい。また、CPU11が通信部14を用い、ネットワークN1等を介して他のコンピュータから制御プログラム1Pをダウンロードし、大容量記憶部15に記憶してもよい。なお、メインサーバ1の機能をクラウドサービスにより提供してもよい。更にまた、半導体メモリ1bから、CPU11が制御プログラム1Pを読み込んでもよい。
図3は行内サーバ2のハードウェア構成例を示すブロック図である。行内サーバ2は、CPU21、ROM22、RAM23、通信部24、大容量記憶部25を含む。各構成はバスBで接続されている。CPU21、ROM22、RAM23及び通信部24は、それぞれメインサーバ1のCPU11、ROM12、RAM13及び通信部14と同様であるから説明を省略する。大容量記憶部25は、例えばハードディスク又はSSDなどである。大容量記憶部25は顧客DB251及び企業情報DB252を記憶する。また、制御プログラム2Pを大容量記憶部25に記憶してもよい。顧客DB251及び企業情報DB252は、行内サーバ2以外に記憶してもよい。例えばデータベースサーバに記憶してもよい。セキュリティや運用安定性が十分確保できるのであれば、クラウドストレージに顧客DB251及び企業情報DB252を記憶してもよい。
顧客DB251は銀行が保有している顧客の情報を記憶する。顧客DB251には、顧客名称、代表者名、所在地、取引支店、口座番号、口座残高等を記憶する。企業情報DB252は顧客である企業についての様々な情報を記憶する。企業情報は例えば、財務情報、IR(Investor Relations)情報及び財務分析情報、格付情報、与信情報及び信用リスク情報・劣化リスク情報、反社会勢力関連性情報、並びに人材情報(経営者、中核人材)、業界調査レポート及び企業調査レポートである。これらの企業情報は銀行が独自に収集、蓄積したものでもよいし、格付機関、シンクタンク、信用調査機関などの外部から取得したものでもよい。企業情報DB252に記憶している情報は、協業適格性情報の例である。なお、顧客DB251と企業情報DB252とを、単一のデータベースとしてもよい。
図4は金融機関端末3のハードウェア構成例を示すブロック図である。金融機関端末3はCPU31、ROM32、RAM33、通信部34、入力部35、表示部36及び大容量記憶部37を含む。各構成はバスBで接続されている。CPU31、ROM32、RAM33、通信部34及び大容量記憶部37は、それぞれメインサーバ1のCPU11、ROM12、RAM13、通信部14及び大容量記憶部15と同様であるから説明を省略する。
入力部35はキーボードやマウスである。表示部36は液晶表示装置である。表示部36はデータ処理の結果などを表示する。また、入力部35は表示部36と一体化したタッチパネルでもよい。なお、金融機関端末3は外部の表示装置に表示を行ってもよい。
探索企業端末4及び提案企業端末5は、金融機関端末3と同様な構成である。したがって、探索企業端末4及び提案企業端末5の構成の図示や詳しい説明は省略する。
次に、メインサーバ1が記憶するデータベースについて、説明する。図5は企業DB151の例を示す説明図である。企業DB151は企業の基本情報(事業体情報)を記憶するデータベースである。企業DB151は会社ID列、名称列、法人番号列、URL列、本社住所列、代表者列、設立年月日列、資本金列、売上高列、決算期列、従業員数列、業界・業種列及び主要事業列を含む。会社ID列は会社を一意に特定可能な会社IDを記憶する。名称列は会社の名称を記憶する。法人番号列は企業に付与された13桁の法人番号を記憶する。URL列は会社に関するインターネットホームページのURL(Uniform Resource Locator)を記憶する。本社住所列は会社の本社所在地の住所を記憶する。代表者列は会社代表者、例えば代表取締役の氏名を記憶する。設立年月日列は会社が設立された日を記憶する。資本金列は会社の資本金額を記憶する。売上高列は会社の売上高の金額を記憶する。決算期列は会社の決算期を記憶する。従業員数列は会社の従業員数を記憶する。業界・業種列は会社が属する業界・業種を記憶する。主要事業列は企業の主要事業を記憶する。
図6は事業DB152の例を示す説明図である。事業DB152は企業が行っている事業についての情報を記憶するデータベースである。事業DB152は会社ID列、事業ID列、事業列、提供する価値列、主力商品・サービス列、主要顧客列、主な得意先列、主な仕入先列、競合他社列、拠点列、提供可能資源要素列及び品目No.列を含む。会社ID列は会社ID(事業体の識別情報)を記憶する。事業ID列は事業を一意に特定可能な品目番号を記憶する。事業列は事業の名称を記憶する。提供する価値列は、会社が事業により顧客に提供する価値を記憶する。主力商品・サービス列は、事業における主な商品やサービスを記憶する。主要顧客列は事業の主な顧客を記憶する。主な得意先列は事業における主要な得意先を記憶する。主な仕入先列は事業における主要な仕入れ先を記憶する。競合他社列は事業における競合他社を記憶する。拠点列は事業における拠点を記憶する。拠点列は研究開発列、生産列、販売列及び物流列を含む。研究開発列は事業における研究開発拠点の情報を記憶する。生産列は事業における生産拠点の情報を記憶する。販売列は事業における販売拠点の情報を記憶する。物流列は事業における物流拠点の情報を記憶する。提供可能資源要素列は事業を行うために有している経営資源のうち、他社に提供可能な経営資源要素を記憶する。品目No.列は提供可能資源要素列に記憶する各経営資源要素に対応した品目番号を記憶する。
図7は品目DBの例を示す説明図である。品目DB153はビジネスモデルの構成要素となる部品の情報(部品情報)を記憶する。図8は品目DBの第1階層列の例を示す説明図である。図9は品目DBの第2階層列の例を示す説明図である。図10は品目DBの第3階層列の例を示す説明図である。品目DB153は品目No.列、名称列、区分列、第1階層列、第2階層列、第3階層列及び企業ID列を含む。品目No.列は品目を一意に特定可能な品目番号を記憶する。名称列は品目の名称を記憶する。区分列は品目の区分を記憶する。区分が1は、品目が第1階層に属すること、ビジネスモデル提供価値定義であることを示す。区分が2は、品目が第2階層に属すること、価値提供スキームであることを示す。区分が3は、品目が第3階層に属すること、経営資源要素であることを示す。第1階層列は、品目が第1階層に属する場合に、品目の内容を記憶する。第2階層列は、品目が第2階層に属する場合に、品目の内容を記憶する。第3階層列は、品目が第3階層に属する場合に、品目の内容を記憶する。第1階層列、第2階層列及び第3階層列は、1つのレコード内では区分に応じた1列のみに具体的な内容が記憶され、残りの2列は空白が記憶されるか空である。企業ID列は品目を保有する企業の企業IDを記憶する。
品目DB153の第1階層列は図8に示すように、事業コンセプト概要列、顧客へ提供する価値列、価値提供スキーム列及び収益モデル列を含む。図8に示す品目No.列は、図7との対照がしやすいように示している。事業コンセプト概要列は事業コンセプト(ビジネスモデル)の概要を記憶する。顧客へ提供する価値列は事業が顧客に提供する価値を記憶する。価値提供スキーム列は価値を提供するためのスキームを記憶する。収益モデル列は事業が収益を生む仕組み(収益モデル)を記憶する。
品目DB153の第2階層列は図9に示すように、機能・プロセス区分列、プロセス定義列及び経営資源要素列を含む。図9に示す品目No.列は、図7との対照がしやすいように示している。機能・プロセス区分列はその品目が属する機能・プロセス区分を記憶する。プロセス定義列はその品目の内容を記憶する。経営資源要素列はその品目がユニークな機能を発揮する上で、コアとなっている経営資源要素を記憶する。機能・プロセス区分は、例えば「研究開発」、「商品・サービス企画」、「営業・受注」、「設計・試作」、「調達」、「生産」、「販売」、「物流」、「サービス」、「情報収集・蓄積」、「分析・予測」、「請求・回収」及び「その他」である。
品目DB153の第3階層列は図10に示すように、品目分類列、現在の活用領域(用途)列、解決できる課題列、スペック・特長列及び検索キーワード列を含む。品目分類列は品目の分類を記憶する。品目の分類は、例えば「技術・ノウハウ」、「市場調査・マーケティング」、「調達価格交渉力」、「品質(歩留まり)・コスト(製造原価)・スピード(リードタイム)」、「生産体制・外注ネットワーク・生産設備・生産能力」、「販売体制とセールスフォース・販売チャネル」、「基盤顧客・市場地位・シェア」、「情報の収集・蓄積・活用」、「ブランド」及び「人材(質・量)」である。現在の活用領域(用途)列は品目の用途、現在の活用領域を記憶する。解決できる課題列は、品目により解決できる課題を記憶する。スペック・特長列は品目のスペックや特長を記憶する。検索キーワード列は品目を検索するためのキーワードを記憶する。
図11は品目管理DBの例を示す説明図である。品目管理DB154は従来のBOMに相当するものである。品目管理DB154はビジネスモデルを構成する品目の一覧を記憶する。品目管理DB154は上位層列、中位層列及び下位層列を含む。上位層列は主としてビジネスモデル提供価値定義の品目番号を記憶する。中位層列は主として価値提供スキームの品目番号を記憶する。下位層列は主として経営資源の品目番号を記憶する。中位層列には価値提供スキーム以外の品目番号を記憶してもよい。また、下位層列に経営資源以外の品目番号を記憶してもよい。複数のビジネスモデルを融合させて、新たなビジネスモデルを創造する場合、新たなビジネスモデルの価値提供スキームは、複数のビジネスモデルとして、表現されるからである。このように、品目管理DB154は品目同士の関係を記憶するデータベースである。
図12は探索ニーズDBの例を示す説明図である。探索ニーズDB155は経営資源調達型における探索ニーズを記憶する。探索ニーズDB155は探索No.列、募集企業列、探索目的列、探索対象技術列、従来技術列、問題状況列、要求スペック列、除外技術列、キーワード列及びチャート列を含む。探索No.列は探索ニーズを一意に特定可能な探索番号を記憶する。探索番号は新規にレコードが作られたときに発番される。募集企業列はニーズに合致するものを探索、あるいは募集している企業の企業IDを記憶する。探索目的列は探索の目的を記憶する。探索対象技術列は探索対象とする技術、探索ニーズに適合する技術を端的に表したものを記憶する。従来技術列は探索対象とする技術に関係する従来技術を記憶する。問題状況列は従来技術の問題状況を記憶する。要求スペック列は探索対象とする技術に要求するスペックを記憶する。除外技術列は探索するに当たり除外する技術を記入する。キーワード列は探索対象とする技術を検索するためのキーワードを入力する。チャート列は探索ニーズを必要としているビジネスモデルを表現するモデルチャートの第1階層の品目番号を記憶する。
図13は応募登録DBの例を示す説明図である。応募登録DB156は探索ニーズに対する応募のデータを記憶する。応募登録DB156は探索No.列、応募No.列、枝No.列、区分列、第3階層列、第2階層列及び企業ID列を含む。探索No.列は探索ニーズを特定するための探索番号を記憶する。応募No.列は応募データを特定するための応募番号を記憶する。ここでは応募番号は探索番号と同一としてある。枝No.列は列内で一意の枝番号を記憶する。枝番号は新規にレコードが作られたときに発番される。応募番号と枝番号とを合わせることにより、応募のデータを一意に特定可能となる。区分列は応募データが第2階層(価値提供スキーム)又は第3階層(キーとなる経営資源(固有技術))に属することを示す値を記憶する。応募データが第2階層の場合は2を、応募データが第3階層の場合は3を記憶する。第3階層列は分類列、用途列、解決できる課題列、スペック・特長列、添付ファイル列及びキーワード列を含む。第3階層列に含まれる各列は、区分列の値が3であるときに、データを記憶する。分類列は、応募に係る経営資源の分類を記憶する。用途列は応募に係る経営資源の用途、現在の活用領域を記憶する。解決できる課題列は応募に係る経営資源が解決できる課題を記憶する。スペック・特長列は応募に係る経営資源のスペックや特長を記憶する。添付ファイル列は応募に係る経営資源に関する資料ファイルの名称等を記憶する。資料ファイルの実体は品目番号と紐付けられ、大容量記憶部15に記憶される。キーワード列は、応募に係る経営資源に対する検索キーワードを記憶する。第2階層列は機能・プロセス区分列、プロセス定義列、経営資源列を含む。第2階層列に含まれる各列は、区分列の値が2であるときに、データを記憶する。機能・プロセス区分列は応募に係る提供価値スキームを示す機能・プロセスの区分を記憶する。プロセス定義列は応募に係る提供価値スキームの機能又はプロセスの内容を記憶する。経営資源列は応募に係る提供価値スキームの機能又はプロセスの有効性や競争優位性を形成しているコアとなる経営資源要素を記憶する。企業ID列は応募を行う企業の企業IDを記憶する。応募登録DB156に応募のデータが登録される際には、第2階層列又は第3階層列のデータに対して品目番号が発番され、品目DB153に記憶される。
図14は募集テーマDB157の例を示す説明図である。募集テーマDB157はアイデア募集型における募集するアイデアのテーマを記憶する。募集テーマDB157は企業ID列、募集No.列、テーマ列、前提条件列、評価基準列及び経営資源列を含む。企業ID列はアイデアを募集する企業(募集企業)の企業IDを記憶する。募集No.列はアイデアの募集テーマを一意に特定する募集番号を記憶する。募集番号は新規にレコードを追加するときに発番される。テーマ列は募集を行うテーマを記憶する。前提条件列は募集テーマに関するアイデアを考える上で、前提とする条件を記憶する。評価基準列はアイデアに対する評価の基準を記憶する。経営資源列はアイデアの募集に当たり、募集企業が提供可能な経営資源を記憶する。経営資源列は品目No.列、概要列、及び添付資料列を記憶する。品目No.列は経営資源に対応する品目番号を記憶する。概要列は経営資源の概要を記憶する。添付資料列は経営資源に関する添付資料のファイル内容を記憶する。添付資料列に、ファイル名及びファイル形式を記憶してもよい。また、添付資料列にはファイル名のみを記憶し、ファイルの実体を品目番号に紐付けて大容量記憶部15に記憶してもよい。
図15はアイデア応募DBの例を示す説明図である。アイデア応募DB158はアイデア募集に対する応募のデータを記憶する。アイデア応募DB158は企業ID列、募集No.列、応募No.列、枝番列、ビジネスモデル名列、概要列、提供価値列、スキーム列、添付資料列及びレシピ列を含む。企業ID列は応募している企業の企業IDを記憶する。募集No.列はどの募集テーマに対する応募であるかを示す募集テーマの募集番号を記憶する。応募No.列は応募を特定するための応募番号を記憶する。ここでは、応募番号は募集番号と同一としてある。枝番列は列内で一意の枝番号を記憶する。枝番号は新規にレコードが作られたときに発番される。応募番号と枝番号とを合わせることにより、応募のデータを一意に特定可能となる。ビジネスモデル名列は応募するアイデア(ビジネスモデル)の名称を記憶する。概要列はビジネスモデルのコンセプト概要を記憶する。提供価値列はビジネスモデルが顧客に提供する価値を記憶する。スキーム列は顧客へ価値をどのような仕組みで提供するかを示す提供スキームを記憶する。添付資料列は資料として添付された添付資料のファイル内容を設定する。添付資料列に、ファイル名及びファイル形式を記憶してもよい。また、添付資料列にはファイル名のみを記憶し、ファイルの実体は大容量記憶部15に記憶してもよい。レシピ列はビジネスモデルに対応するビジネスモデルチャートを特定する品目番号を記憶する。アイデア応募DB158に応募のデータが登録される際には、ビジネスモデル名列、概要列、提供価値列、スキーム列の内容が品目番号と対応付けられて、品目DB153に記憶される。
図16は評価DBの例を示す説明図である。評価DB159は案件別評価実績と品目別評価実績とを含む。案件別評価実績はその案件において各品目がどのような評価をされたかの記録である。案件別評価実績には協業適格性評価を含む。品目別評価実績はその品目がどれだけ関心を集め、どのような案件で採用候補にあがり、実際に採用され活用されたかなどを含む。図16に示すのは評価DB159のうち、品目別評価実績の例である。案件とは経営資源調達型、及びアイデア募集型を含む、個々のビジネスモデル開発プロセスである。評価DB159は品目No.列、被検索履歴列、閲覧履歴列、ロングリスト履歴列、課題解決力評価点列、ショートリスト履歴列、最終選定・成約実績列、事業化後の業績列、及び上位階層での評価の波及列を含む。品目No.列は品目No.を記憶する。被検索履歴列は検索に対してヒットした履歴を記憶する。検索された日時、検索者、検索に使用されたキーワードなどを記憶する。閲覧履歴列は閲覧された履歴を記憶する。閲覧された日時、閲覧者、検索に使用されたキーワードなどを記憶する。ロングリスト履歴列はロングリストに抽出された回数、抽出された案件のID(探索No.や募集No.)等を記憶する。課題解決力評価点列は課題解決力評価についての評価点を記憶する。課題解決力評価における各評価項目の平均点、又は合計点を記憶する。ショートリスト履歴列は、ショートリストに抽出された回数、抽出された案件のID(探索No.や募集No.)等を記憶する。最終選定・成約実績列は開発プロセス(開発案件)において最終選定に残った場合、成約に至った場合の履歴を記憶する。事業化後の業績列は品目が第1階層の場合、ビジネスモデルを事業化した後の事業実績を記憶する。例えば、事業化後3年経過時点の業績を4段階評価した結果の数値を記憶する。上位階層での評価の波及列は、品目が第2階層又は第3階層の場合、上位層での評価を波及させた評価を記憶する。上位層の評価と階層の評価とを連動させる。
図17は開示設定DBの例を示す説明図である。開示設定DB15Aは各品目の各項目についての開示設定を記憶する。開示設定DB15Aは品目No.列、区分列、第1階層列、第2階層列、第3階層列及び企業ID列を含む。品目No.列は設定対象の品目番号を記憶する。区分列は品目の区分を記憶する。品目が第1階層の場合、区分列は1を記憶する。品目が第2階層の場合、区分列は2を記憶する。品目が第3階層の場合、区分列は3を記憶する。第1階層列、第2階層列及び第3階層列の各列は、該当する階層の開示設定を記憶する。企業ID列は品目を所有する企業の企業IDを記憶する。
第1階層列は更に、概要列、提供価値列、スキーム列及び収益列を含む。概要列は概要(事業コンセプト概要)に対する開示設定を記憶する。提供価値列は顧客へ提供する価値に対する開示設定を記憶する。スキーム列は価値提供スキームに対する開示設定を記憶する。収益列は収益モデルに対する開示設定を記憶する。第2階層列は更に、区分列、定義列及び経営資源列を含む。区分列には品目の機能・プロセス区分に対する開示設定を記憶する。定義列にはプロセス定義に対する開示設定を記憶する。経営資源列はコアとなる経営資源要素に対する開示設定を記憶する。第3階層列は更に、品目分類列、活用領域列、解決課題列、スペック列及びキーワード列を含む。品目分類列は品目分類に対する開示設定を記憶する。活用領域列は現在の活用領域に対する開示設定を記憶する。解決課題列は解決できる課題に対する開示設定を記憶する。スペック列はスペック・特長に対する開示設定を記憶する。キーワード列は検索キーワードに対する開示設定を記憶する。
例えば、開示設定は「開示」、「限定開示」、「非開示」の3種類である。「開示」は全てのユーザが参照可能である。「限定開示」は一部のユーザが参照可能である。「非開示」は所有するユーザ以外は参照不可である。なお、運営組織に属するユーザは開示設定に関わらず、全品目の全項目が参照可能である。また、ビジネスモデル開発プロセスの進行状況によって、メインサーバ1が更新する他、運営組織のユーザが進行状況に合わせて、更新する。更にまた、開示設定DB15Aの内容として、更新日時及び更新者のID(企業の場合は企業ID、運営組織の場合は各ユーザのID)を記憶してもよい。
図18は限定グループDBの例を示す説明図である。限定グループDB15Bは限定開示に設定された品目の参照権限を記憶する。限定グループDB15Bは品目No.列、探索No.列、応募No.列、成約No.列及び企業ID列を含む。品目No.列は設定対象の品目番号を記憶する。探索No.列は参照権限が経営資源調達型開発プロセスに関連している場合、当該開発プロセスに振られた探索番号を記憶する。応募No.列は参照権限がアイデア募集型開発プロセスに関連している場合、当該開発プロセスに振られた応募番号を記憶する。成約No.は開発プロセスが成約に至った場合に振られた当該成約を特定する成約番号を記憶する。企業ID列は参照が許可された企業の企業IDを記憶する。限定グループDB15Bの設定にしたがい、各品目の評価情報の参照権限も制御可能である。
限定グループDB15Bは探索番号又は応募番号に対応付けて、参照権限を設定可能であるので、ビジネスモデル開発プロセス毎に設定可能である。それにより、同一の企業が複数の開発プロセスに、探索企業、提案企業として参加し、当該複数の開発プロセスに共通する要素があったとしても、プロセス毎の権限が混ざり合うことなく、設定可能である。また、運営組織のユーザが設定を行う場合、例えば、ロングリスト、ショートリストの内容に合わせて、企業ID列に記憶する内容を変更するよう、メインサーバ1に指示すればよいので、容易に設定可能である。開示設定DB15A及び限定グループDB15Bにより、許可情報が構成されている。
次に、ビジネスモデル開発システム100の運用イメージについて説明する。ここでは、ビジネスモデルを完成する手順(プロセス)として、2つのプロセスを挙げる。2つのプロセスは、経営資源調達型ビジネス創造プロセス(以下、「経営資源調達型」ともいう。)及びアイデア募集型ビジネス創造プロセス(以下、「アイデア募集型」ともいう。)である。経営資源調達型はビジネスモデルのアイデアはあるが、完成させるための部品が不足している企業が採用するプロセスである。アイデア募集型は、ビジネスモデルを構成するであろう部品を一部保有しているが、ビジネスモデルのアイデアを見出だせていない企業が採用するプロセスである。
図19は経営資源調達型のプロセス例を示すシーケンス図である。図19において、探索企業、提案企業及び運営組織の列は、それぞれが行う作業を示している。ビジネスモデル開発システム100の列は、ビジネスモデル開発システム100において行われる処理を示す。
探索企業は自らの企業情報を登録する(ステップS1)。企業がビジネスモデル開発システム100のユーザとなるには、自らの企業情報を登録することが必須となっている。企業情報を登録すると、運営者からビジネスモデル開発システム100にアクセスするためのIDとパスワードが付与される。
図20及び図21は企業情報登録画面の例を示す説明図である。図20は基本情報入力画面d01の一例を示す説明図である。図21は事業情報入力画面d02の一例を示す説明図である。企業情報登録画面は、基本情報入力画面d01及び事業情報入力画面d02を含む。
基本情報入力画面d01は入力欄d011、詳細ボタンd012、登録ボタンd013、クリアボタンd014及びキャンセルボタンd015を含む。入力欄d011は会社名、法人番号、ホームページのURL、本社住所など、会社の基本情報を文字入力する欄である。詳細ボタンd012は事業情報入力画面を呼び出すためのボタンである。登録ボタンd013は内容を確定し、企業DB151に登録するためのボタンである。クリアボタンd014は入力欄d011全てをクリアするためのボタンである。キャンセルボタンd015は基本情報の登録をキャンセルするためのボタンである。
事業情報入力画面d02は入力欄d021、ライブラリ表示ボタンd022、登録ボタンd023、クリアボタンd024及びキャンセルボタンd025を含む。入力欄d021は顧客へ提供する価値、主力商品・サービスなど、事業に関する情報を文字入力する欄である。ライブラリ表示ボタンd022はビジネスモデル価値提供プロセスライブラリを呼び出すためのボタンである。登録ボタンd023は内容を確定し、事業DB152等に登録するためのボタンである。クリアボタンd024は入力欄d021全てをクリアするためのボタンである。キャンセルボタンd025は事業情報の登録をキャンセルするためのボタンである。なお、入力欄d021において、被検索キーワードは必須入力である。被検索キーワードを入力されていなければ、他社による検索にヒットすることが困難になるからである。被検索キーワードは、他社が自社の強みを検索すると想定した場合に、入力されるであろうキーワードを入力する。例えば、要求仕様を表す用語である。
ユーザがライブラリ表示ボタンd022を操作すると、ビジネスモデル価値提供プロセスライブラリ画面(図示しない)が表示される。当該画面において、自社の事業(ビジネスモデル)が当てはまりそうなパターンをユーザは選択する。ユーザが選択すると、階層構造化された既存ビジネスモデルが自動生成される。ユーザが自動生成された既存ビジネスモデルを加筆修正により自社のビジネスモデルについての階層構造化された表現(階層構造化データ)を完成させることが可能である。
例えば、図21に示す株式会社BMFの「生産管理システム開発」事業については、価値提供プロセスライブラリから「システム導入」のパターンを選択する。すると、ビジネスモデルの要素として、(1)引合・提案・受注、(2)業務設計、(3)システム設計・開発、(4)初期データ入力、(5)システム運用が表示される。(2)(3)をそれぞれ「生産管理業務設計・要件定義」「生産管理システム設計・開発」に修正し、提供可能な経営資源要素をこれらと関連付けることにより、ビジネスモデルについての階層構造化された表現が完成する。
探索企業が事業情報入力画面d02を用いて、事業(ビジネスモデル)の情報を登録することは、ビジネスモデル開発システム100においては、探索企業が提供可能な経営資源要素の登録となる(ステップS21)。すなわち、ビジネスモデル開発システム100において新たな部品が調達可能となったことを示す。更に、探索企業がビジネスモデル価値提供プロセスライブラリ画面を用いて作成した階層構造化データを登録したことは、ビジネスモデル開発システム100においては、探索企業が既に実行しているビジネスモデルのレシピの登録となる(ステップS22)。それに伴いレシピを構成する部品の中で新規なものが品目登録される(ステップS23)。すなわち、新たな部品が品目DB153に登録される。
事業情報入力画面d02は入力欄d021において、提供可能な経営資源要素を適切に記入してもらうことが、重要である。図21に示す例において、提供可能な経営資源要素(内容欄)のうち、何らかの記入が望ましい。記入されない場合は「経営資源1」、「経営資源2」などの定型の文字列をビジネスモデル開発システム100が自動記入してもよい。又は、当該企業を担当する銀行員が、ヒアリングして記入してもよい。分類1欄及び分類2欄は、バリューチェーンの主活動及び支援活動を選択肢として表示し、その中で提供可能な活動をチェックボックスやプルダウンメニューで選択させてもよい。被検索キーワードは必須項目であるが、企業担当者が後日、代理入力するという付帯条件つきで、空欄としてもよい。なお、経営資源要素を、ビジネスモデル開発システム100がクローリングにより収集してもよい。クローリングにより収集した情報の中から、テンプレートマッチングで抽出する。又は、ディープラーニングなどのAI技術により抽出する。
探索企業は探索ニーズを登録する(ステップS2)。ここで、探索ニーズとは探索企業が構想した(又は設計した)新たなビジネスモデルの中で、調達の見込みが立っていない要素(部品)についての情報を登録することである。図22は探索ニーズ登録画面の例を示す説明図である。探索ニーズ登録画面d03は探索企業欄d031、探索目的欄d032、探索技術欄d033、詳細ボタンd034、ビジネスモデル設計図登録ボタンd035、確認ボタンd036、クリアボタンd037、及びキャンセルボタンd038を含む。探索企業欄d031は探索企業の名称が表示される。探索目的欄d032は探索を行う目的を記入する。探索の目的は新たなビジネスモデルの概要を端的に表す内容とすることが望ましい。探索の目的は必須入力である。探索目的欄に探索の目的が入力できないということは、新たなビジネスモデルの内容が固まっていない可能性が高いため、探索ニーズの登録はすべきではないからである。探索技術欄d033は探索対象とする技術を記入する。探索技術欄d033は3つであるが、それに限らない。2つ以下でもよいし、4つ以上でもよい。また、ユーザが探索技術欄d033の数を設定させてもよい。詳細ボタンd034は技術内容画面を開くためのボタンである。ビジネスモデル設計図登録ボタンd035は、レシピ登録画面を開くためのボタンである。確認ボタンd036は登録内容を確認するための確認画面に遷移するためのボタンである。クリアボタンd037は記入内容をクリアするためのボタンである。キャンセルボタンd038は入力を中止するためのボタンである。
図23は技術内容画面の例を示す説明図である。技術内容画面d04は探索対象技術の内容を記入するための画面である。技術内容画面d04は探索No欄d041、探索技術欄d042、従来技術欄d043、問題状況欄d044、スペック欄d045、除外技術欄d046、キーワード欄d047、確認ボタンd048、クリアボタンd049及びキャンセルボタンd04Aを含む。探索No欄d041は探索ニーズを特定するための探索番号が表示される。探索番号は自動的に発番される番号である。探索番号をユーザは入力することはできない。探索技術欄d042は探索ニーズ登録画面d03の探索技術欄d033に記入された探索対象とする技術のうちの1つが表示される。従来技術欄d043は探索対象とする技術に関係する従来技術の内容を記入する。問題状況欄d044は従来技術の問題状況を記入する。スペック欄d045は探索対象とする技術に要求するスペックを記入する。スペックは探索条件ともいえる。除外技術欄d046は探索するに当たり除外する技術を記入する。除外技術欄d046には探索条件の内容では適合しそうだが、問題を解決できないことを、探索企業が既知の場合などに記入する。キーワード欄d047は探索対象とする技術を検索するためのキーワードを入力する。他社が検索すると想定した場合に、入力されるであろうキーワードを想定して入力することが望ましい。確認ボタンd048は登録内容を確認するための確認画面に遷移するためのボタンである。クリアボタンd049は記入内容をクリアするためのボタンである。キャンセルボタンd04Aは入力を中止するためのボタンである。
図24は探索ニーズ確認画面の例を示す説明図である。探索ニーズ確認画面d05は探索ニーズ登録画面d03及び技術内容画面d04で入力した内容確認するための画面である。また、探索ニーズ確認画面d05は開示設定を行うための画面である。探索ニーズ確認画面d05は内容表示欄d051、開示設定欄d052、登録ボタンd053、戻るボタンd054及びキャンセルボタンd055を含む。内容表示欄d051は探索ニーズ登録画面d03及び技術内容画面d04で入力した内容表示を表示する。開示設定欄d052は各項目の開示設定を行うための欄である。開示に設定された項目は全てのユーザに開示される。しかし、開示に設定されているが、限定にバツ印が入っている場合は、限定したユーザのみに開示される。例えば、後述するロングリストに掲載された企業のみ開示される。非開示は他のユーザには開示されない。しかし、非開示であっても、運営組織のユーザには開示される。登録ボタンd053は探索ニーズを登録するためのボタンである。戻るボタンd054は、前画面に戻るためのボタンである。キャンセルボタンd055は登録を中止するためのボタンである。
図25はレシピ登録画面の例を示す説明図である。レシピ登録画面d06は第1階層登録領域d061、第2、3階層登録領域d062、d063、モデルチャートボタンd064、領域増減ボタンd065、d066、確認ボタンd067及びキャンセルボタンd068を含む。第1階層登録領域d061はビジネスモデルの内容を登録するための領域である。第2、3階層登録領域d062、d063はビジネスモデルを構成するスキーム、経営資源要素を登録するための領域である。モデルチャートボタンd064はモデルチャート登録画面を開くためのボタンである。領域増減ボタンd065、d066はそれぞれ第2、3階層登録領域の追加・削除するためのボタンである。領域増減ボタンd065の+ボタンを操作すると、第2、3階層登録領域d062の下に新たな第2、3階層登録領域が追加される。領域増減ボタンd065の-ボタンを操作すると、第2、3階層登録領域d062が削除される。確認ボタンd067は登録内容を確認するための図示しない確認画面に遷移するためのボタンである。確認画面では、探索ニーズ確認画面d05と同様に、登録内容を確認すると共に、各項目に対する開示設定をする。キャンセルボタンd068は入力を中止するためのボタンである。
なお、領域増減ボタンd065、d066の+ボタンを操作すると新規追加、引用追加を含む選択メニューを表示してもよい。新規追加が選択された場合は第2、3階層登録領域を追加する。引用追加が選択された場合は既に登録してある部品を取り込むことが可能である。既に部品登録がなされている場合には、重複登録とならないように引用追加を用いるようにする。重複登録を防ぐために、新規追加の場合、既登録の部品との類似判定を行い、類似度の高い部品が既登録の場合は、警告を発するようにしてもよい。
図26は第1階層登録領域の例を示す説明図である。第1階層登録領域d061は品目No.欄d0611、名称欄d0612、品目区分プルダウンd0613、概要欄d0614、提供価値欄d0615、スキーム欄d0616、収益欄d0617及び記入者欄d0618を含む。品目No.欄d0611は品目を特定するための品目番号が表示される。品目番号は自動的に発番される番号である。品目番号をユーザは入力することはできない。名称欄d0612は品目の名称を記入するための欄である。品目区分プルダウンd0613は品目区分を設定するためのプルダウンメニューである。しかし、経営資源調達型の場合は、第1階層は必須で、1つである。そのため、品目区分プルダウンd0613は変更不可となっている。概要欄d0614は事業コンセプト(ビジネスモデル)の概要を記入するための欄である。提供価値欄d0615は顧客へ提供する価値を入力するための欄である。スキーム欄d0616は価値を提供するためのスキームを記入するための欄である。収益欄d0617は事業が収益を生むための仕組み(収益モデル)を入力するための欄である。記入者欄d0618は登録を行う企業名が記入される。記入者欄d0618はログインユーザを判断し、自動的に記入される。運営組織が代理で入力する場合は、別途表示される設定画面で企業を指定する。なお、複数のビジネスモデルを組み合わせた複合ビジネスモデルを定義する場合は、まず各ビジネスモデルを定義する。更に、複合ビジネスモデルの定義する際に、第1階層を登録すると共に、後述するモデルチャート登録画面を用いて、定義済の各ビジネスモデルを第2階層又は第3階層とすればよい。
図27は第2階層登録領域の例を示す説明図である。第2階層登録領域d062は品目No.欄d0621、名称欄d0622、品目区分プルダウンd0623、機能・プロセス区分プルダウンd0624、定義欄d0625、コア欄d0626及び記入者欄d0627を含む。品目No.欄d0621は品目を特定するための品目番号が表示される。品目番号は自動的に発番される番号である。品目番号をユーザは入力することはできない。名称欄d0622は品目の名称を記入するための欄である。品目区分プルダウンd0623は品目区分を設定するためのプルダウンメニューである。登録する品目が提供価値スキーム(第2階層)であるか、又は経営資源要素(第3階層)であるかを設定する。品目区分プルダウンd0623の選択内容によって、品目区分プルダウンd0623の下に表示される欄の内容が変化する。機能・プロセス区分プルダウンd0624は機能・プロセス区分を設定するためのプルダウンメニューである。品目を示す機能・プロセスをプルダウンメニューから選択する。定義欄d0625は機能又はプロセスの内容を記入するための欄である。コア欄d0626はコアとなる経営資源要素を記入するための欄である。記入者欄d0627は登録を行う企業名が記入される。記入者欄d0627はログインユーザを判断し、自動的に記入される。運営組織が代理で入力する場合は、別途表示される設定画面で企業を指定する。
機能・プロセス区分プルダウンd0624で選択可能な区分は、品目DB153を説明した際に例示した13区分である。図27では定義欄d0625には「プロセス定義」とあるが、機能・プロセス区分プルダウンd0624の選択内容によって、「機能定義」などに切り替わるようにしてもよい。
図28は第3階層登録領域の例を示す説明図である。第3階層登録領域d063は品目No.欄d0631、名称欄d0632、品目区分プルダウンd0633、品目分類プルダウンd0634、用途欄d0635、課題欄d0636、スペック・特長欄d0637、検索キーワード欄d0638及び記入者欄d0639を含む。品目No.欄d0631は品目を特定するための品目番号が表示される。品目番号は自動的に発番される番号である。品目番号をユーザは入力することはできない。名称欄d0632は品目の名称を記入するための欄である。品目区分プルダウンd0633は品目区分を設定するためのプルダウンメニューである。登録する品目が提供価値スキーム(第2階層)であるか、又は経営資源要素(第3階層)であるかを設定する。品目区分プルダウンd0633の選択内容によって、品目区分プルダウンd0633の下に表示される欄の内容が変化する。品目分類プルダウンd0634は品目の分類を設定するためのプルダウンメニューである。用途欄d0635は品目の用途、現在の活用領域を記入するための欄である。課題欄d0636は品目により、解決できる課題を記入するための欄である。スペック・特長欄d0637は品目のスペックや特長を記入するための欄である。検索キーワード欄d0638は当該品目を検索するためのキーワードを入力する。他社が検索すると想定した場合に、入力されるであろうキーワードを想定して入力することが望ましい。記入者欄d0639は登録を行う企業名が記入される。記入者欄d0639はログインユーザを判断し、自動的に記入される。運営組織が代理で入力する場合は、別途表示される設定画面で企業を指定する。
図29はモデルチャート登録画面の例を示す説明図である。モデルチャート登録画面d07は価値列d071、スキーム列d072、経営資源列d073、保存ボタンd074、及びキャンセルボタンd075を含む。モデルチャート登録画面d07には、レシピ登録画面d06で入力した第1階層、第2階層及び第3階層の品目(部品)が表示される。価値列d071にはビジネスモデルを示す第1階層の部品が表示される。スキーム列d072には価値スキームを示す第2階層の部品が表示される。経営資源列d073には経営資源要素を示す第3階層の部品が表示される。モデルチャート登録画面d07において、それぞれの部品をマウス等でクリックするとその内容(図26、図27で設定した内容)が表示される。それぞれの部品同士を、マウス等を用いて線でつなぐと、部品同士を階層構造として関連付けることが可能である。図29に示す例では、探索しようとしている技術(探索100011、100012)以外の部品は全て株式会社BMFが保有している。保存ボタンd074は作成・編集したモデルチャートを記憶するためのボタンである。モデルチャートを記憶し、モデルチャート登録画面d07は閉じられ、前の画面に戻る。キャンセルボタンd075は、モデルチャートを作成・編集した内容を破棄し、前画面に戻るためのボタンである。
図19に戻る。ここまでで、探索企業は探索ニーズの登録が完了する。登録後、探索企業は探索ニーズの選定基準を設定する(ステップS3)。選定基準の設定は、ビジネスモデル開発システム100においては、要求仕様の登録となる(ステップS24)。これについては後述する。図26から図28で示した入力フォームにより入力されたデータは、案件別にトランザクションデータとして記憶されると共に、マスタデータとして品目DB153にも登録されることになる。既にマスタデータとして登録済みの第2、3階層の部品を活用する場合には、品目DB153から情報を取得し、追記(入力)する。
この段階で、ビジネスモデル開発システム100は、探索ニーズ及び要求仕様に基づきロングリストの作成を行う(ステップS25)。作成されたロングリストに基づき、運営組織は受注候補企業の選定を行う(ステップS4)。運営組織は候補企業に対して、応募の勧誘を行う。それに応じた企業であって、ビジネスモデル開発システム100の既存ユーザでない企業は自らの企業情報を登録する(ステップS5)。企業情報の登録は、探索企業の場合と同じであるので、省略する。
企業情報を登録した提案企業は、探索企業の募集に対して、応募・提案を行う(ステップS6)。図30は応募登録画面の例を示す説明図である。応募登録画面d08は探索No.欄d081、対象技術欄d082、応募No.欄d083、品目区分プルダウンd084、品目分類プルダウンd085、用途欄d086、課題欄d087、スペック・特長欄d088、添付ファイル欄d089、検索キーワード欄d08A、記入者欄d08B、確認ボタンd08C、クリアボタンd08D、キャンセルボタンd08Eを含む。探索No.欄d081は探索ニーズを特定するための探索番号が表示される。探索番号は探索企業が探索ニーズ登録画面d03を用いて探索ニーズを登録したとき自動的に発番される番号である。提案企業が選択した探索ニーズに対応した探索番号が探索No.欄d081に表示される。対象技術欄d082は探索対象技術の名称が表示される。応募No.欄d083は応募を特定するための応募番号が表示される。応募番号は自動的に発番される番号である。応募番号をユーザは入力することはできない。品目区分プルダウンd084は品目区分を設定するためのプルダウンメニューである。応募する品目が提供価値スキーム(第2階層)であるか、又は経営資源要素(第3階層)であるかを設定する。品目区分プルダウンd084の選択内容によって、品目区分プルダウンd084の下に表示される欄の内容が変化する。品目分類プルダウンd085は品目の分類を設定するためのプルダウンメニューである。用途欄d086は品目の用途、現在の活用領域を記入するための欄である。課題欄d087は品目により、解決できる課題を記入するための欄である。スペック・特長欄d088は品目のスペックや特長を記入するための欄である。添付ファイル欄d089は資料を添付する場合に資料ファイルを貼り付けるための欄である。例えば、添付するファイルを添付ファイル欄d089にドラッグ&ドロップすることにより、添付する資料ファイルを設定する。検索キーワード欄d08Aは応募する品目(部品)に対する検索キーワードを記入するための欄である。検索キーワード欄d08Aに適切なキーワードを設定しておくことにより、応募で採用されなかったとしても、その後の募集において、候補企業の選定のための検索において抽出される可能性がある。記入者欄d08Bは記入者である企業名称等が表示される。記入者欄d08Bはログインユーザを判断し、自動的に記入される。運営組織が代理で入力する場合は、別途表示される設定画面で企業を指定する。確認ボタンd08Cは登録内容を確認するための図示しない確認画面に遷移するためのボタンである。確認画面では、探索ニーズ確認画面d05と同様に、登録内容を確認すると共に、各項目に対する開示設定をする。クリアボタンd08Dは記入内容をクリアするためのボタンである。キャンセルボタンd08Eは入力を中止するためのボタンである。
提案企業が応募することにより、ビジネスモデル開発システム100においては、同時に提案企業が有する強みが新たに登録されることになる(ステップS26)。すなわち、図30で入力されたデータは、案件別にトランザクションデータとして記憶されると共に、マスタデータとして品目DB153にも登録されることになる。
探索企業は提案企業からの提案内容を精査したり、質疑をしたりする。提案企業は探索企業に対して補足説明をしたり、質疑に対する応答をしたりする。これらのやり取りは、ビジネスモデル開発システム100を用いなくともよい。提案内容精査及び質疑応答の内容は、提案内容評価を通して、品目=「強み」の追加情報としてビジネスモデル開発システム100に記録される。
探索企業は提案企業を絞り込むため、提案内容の評価(第1次選定)を行う(ステップS7)。図31は評価画面d09の内容を示す説明図である。図31Aは評価基準画面に表示される評価基準表の例を示す説明図である。評価項目は課題解決力の評価項目と、協業適格性の評価項目とが設定される。評価基準は企業や事例によって、ばらつきがでないように変更しないことが望ましい。課題解決力評価は探索企業が実施(入力)し、評価DB159に取り込まれる。1次選定において、探索企業が提案内容精査及び質疑応答の内容を入力してもよい。協業適格性の評価は銀行が行内サーバ2に記憶されている与信情報などを用いて実施する。評価結果(協業適格性評価情報)はメインサーバ1の評価DB159に記憶する。
図31Bは評価一覧画面に表示される評価一覧表の例を示す説明図である。協業適格性評価は銀行が行うため、評価一覧画面d10の評価一覧表には課題解決力評価のみが提示される。探索企業は各提案企業について、評価基準に従って評価を入力する。入力した評価(課題解決力評価情報)はビジネスモデル開発システム100に送信され、評価DB159に記憶される。銀行が行った協業適格性評価を探索企業に開示するかどうかは、案件毎に銀行が判断する。
ビジネスモデル開発システム100においては、探索企業による各提案企業の提案の評価が、各提案企業の強みの評価に反映される(ステップS27)。ビジネスモデル開発システム100は探索企業の評価結果に基づいて、ショートリストを作成する(ステップS28)。作成されたショートリストに基づき、運営組織は面談候補企業の選定を行う(ステップS8)。ショートリストの作成又は面談候補先の選定に際しては、運営組織による協業適格性評価が考慮される。
探索企業は運営組織が提示した面談候補先からプレゼンテーションを行ってもらう企業を選択する。選択された提案企業はプレゼンテーションを行う。プレゼンテーションに基づき、探索企業は提案企業の評価を行う(第2次選定)(ステップS9)。評価項目は第1次選定と同じでもよいし、異ならせてもよい。第2次選定は第1次選定の見直しと捉えるのであれば、第2次選定の評価項目は第1次選定と同じでよい。第2次選定は第1次選定では評価できない内容を評価するのであれば、第2次選定の評価項目は第1次選定と異なることになる。探索企業はプレゼンテーションを行った各提案企業について、評価基準に従って評価を入力する。入力した評価はビジネスモデル開発システム100に送信される。ビジネスモデル開発システム100においては、プレゼンテーションを行った各提案企業の評価が、各提案企業の強みの評価に反映される(ステップS29)。
探索企業は最終的に採用する提案企業を選択し、契約を結ぶ(成約)(ステップS10)。その結果、ビジネスモデルが完成する。その際、成約番号が発番され、限定グループDB15Bの成約No.列(採用情報)に記憶される。それに伴い、ビジネスモデル開発システム100はレシピを更新する。未完成だったレシピは完成されたビジネスモデルのレシピとして登録される(ステップS30)。ここでの完成とは部品の調達先決定までの完了をいう。図32はモデルチャート表示画面の例を示す説明図である。選定結果入力がされると、自動的に図32に示すモデルチャートが生成又は更新される。モデルチャート表示画面d11は価値列d111、スキーム列d112、経営資源列d113、戻るボタンd114及び編集ボタンd115を含む。価値列d111、スキーム列d112及び経営資源列d113はモデルチャート登録画面d07と同様であるから、説明を省略する。図32に示す例では、探索していた技術(図29の探索100011、100012)の募集に対して、固有の品目(i110021、i110032)が選定されたことを示している。戻るボタンd114はモデルチャート表示画面d11を閉じて、前の画面に戻るためのボタンである。編集ボタンd115はビジネスモデルチャートを変更可能な編集モードに変更するためのボタンである。
ビジネスモデル開発システム100はビジネスモデルの完成に伴い、応募で採用された品目(強み)の評価を行い、更新する(ステップS31)。探索企業と成約した提案企業は協業を行い、ビジネスモデル開発を行い、それ基づく事業を行う(ステップS11)。運営組織は事業の業績をトレースする(ステップS12)。ビジネスモデル開発システム100は業績に基づきビジネスモデルの評価を行うと共に、ビジネスモデルを構成する部品(強み)の評価を行う(ステップS32)。そして、強みの評価に反映される(ステップS33)。
以上のように、ビジネスモデル開発システム100は探索企業と提案企業とを結びつけるプロセスを支援する。そして、支援を通じて、各企業の強み(経営資源要素)情報及び強みの評価情報を蓄積する。
図19のステップS25でロングリストに選定されなかった提案企業、ロングリストには選定されていたがステップS28でショートリストに選定されなかった提案企業、ショートリストには選定されていたがステップS30でビジネスモデルに登録されなかった提案企業には、その旨を通知してもよい。通知をうけた提案企業は、どのような評価基準で選定されなかったのかを把握したり、自社の弱みを把握したりすることができる。また、それぞれのステップで選定を通過するチャンスを増加させるため、提案企業は開示していなかった情報を追加更新することが期待される。その結果、ビジネスモデル開発システム100において、各企業の情報開示が促される。
図33はアイデア募集型のプロセス例を示すシーケンス図である。図33の記載形式は図19と同様である。探索企業は自らの企業情報を登録する(ステップS41)。登録する趣旨等は、図19のステップS1と同様なので、詳細な説明は省略する。探索企業の企業情報の登録により、ビジネスモデル開発システム100は提供可能な経営資源要素の登録をする(ステップS61)
次に、探索企業は募集テーマを登録する(ステップS42)。募集とは探索企業が、自社の強みである経営資源要素の活用を図れるビジネスモデルの提案を求めることである。図34は募集テーマ登録画面の例を示す説明図である。募集テーマ登録画面d12は募集企業欄d121、募集No.欄d122、募集テーマ欄d123、前提条件欄d124、評価基準欄d125、経営資源欄d126、確認ボタンd127、クリアボタンd128及びキャンセルボタンd129を含む。募集企業欄d121は募集を行う探索企業の名称がユーザに応じて表示される。募集No.欄d122は募集テーマを特定するための募集番号が表示される。募集番号は自動的に発番される番号である。募集番号をユーザは入力することはできない。募集テーマ欄d123は募集を行うテーマを記入するための欄である。テーマは少なくとも技術分野が分かるものであることが望ましい。前提条件欄d124は募集テーマの前提条件を入力するための欄である。前提条件は募集テーマに関するアイデアを考える上で、前提とする内容である。評価基準欄d125はアイデアを評価する基準を入力するための欄である。応募されたアイデアを探索企業がどのような基準で評価しようと考えているのか、それを端的に表現し記入する。経営資源欄d126は提供可能な経営資源を入力するための欄である。提供可能な経営資源とは、探索企業がアイデアを実現の際には、提供したいと考えている経営資源である。確認ボタンd127は登録内容を確認するための図示しない確認画面に遷移するためのボタンである。確認画面では、探索ニーズ確認画面d05と同様に、登録内容を確認すると共に、各項目に対する開示設定をする。クリアボタンd128は記入内容をクリアするためのボタンである。キャンセルボタンd129は入力を中止するためのボタンである。図34において、前提条件欄d124は3つ、評価基準欄d125は7つ、経営資源欄d126は3行となっているが、それに限らない。それぞれの数が前後してもよいし、ユーザにそれぞれの数を設定させてもよい。
ここまでで、探索企業は募集テーマの登録が完了する。これにより、ビジネスモデル開発システム100には新たな品目が登録される(ステップS63)。登録後、探索企業は募集テーマの選定基準を設定する(ステップS43)。アイデア評価基準をもとに、上述の図31に示した評価基準表と同様なものを作成する。詳細は後述する。
運営組織は募集テーマ及び選定基準を確認した上で、必要な項目を募集要項としてまとめ、提案企業に対する通知及び開示を行う(ステップS44)。募集に応募しようとしている企業であって、ビジネスモデル開発システム100の既存ユーザでない企業は自らの企業情報を登録する(ステップS45)。企業情報の登録は、探索企業の場合と同じであるので、省略する。
企業情報を登録した提案企業は、探索企業の募集に対して、ビジネスモデル(アイデア)の応募を行う(ステップS46)。図35はアイデア登録画面の例を示す説明図である。アイデア登録画面d13は募集企業欄d131、募集No.欄d132、募集テーマ欄d133、応募企業欄d134、応募No.欄d135、ビジネスモデル名欄d136、コンセプト概要欄d137、提供価値欄d138、提供スキーム欄d139、添付ファイル欄d13A、ビジネスモデル設計図登録ボタンd13B、確認ボタンd13C、クリアボタンd13D及びキャンセルボタンd13Eを含む。募集企業欄d131には募集企業の名称が表示される。募集No.欄d132には募集テーマを特定するための募集番号が表示される。募集番号は探索企業が募集テーマ登録画面d12を用いて募集テーマを登録したとき、自動的に発番される番号である。提案企業が選択した募集テーマに対応した募集番号が募集No.欄d132に表示される。募集テーマ欄d133には募集テーマが表示される。応募企業欄d134には募集テーマに対して応募する企業の名称が表示される。応募No.欄d135には応募を特定するための応募番号が表示される。応募番号は自動的に発番される番号である。応募番号をユーザは入力することはできない。ビジネスモデル名欄d136は応募するアイデア(ビジネスモデル)の名称を記入するための欄である。名称はアイデアを具現化した事業の内容を端的に表すものが望ましい。コンセプト概要欄d137は事業コンセプトの概要を入力するための欄である。想定する顧客、提供する商品・サービスの概要を記入する。提供価値欄d138は事業が顧客に提供する価値の内容を記入する。提供スキーム欄d139は顧客へ価値をどのような仕組みで提供するかを記入する。添付ファイル欄d13Aは資料としてファイルを添付する場合にファイル名を設定する。ビジネスモデル設計図登録ボタンd13Bは、レシピ登録画面を開くためのボタンである。確認ボタンd13Cは登録内容を確認するための図示しない確認画面に遷移するためのボタンである。確認画面では、探索ニーズ確認画面d05と同様に、登録内容を確認すると共に、各項目に対する開示設定をする。クリアボタンd13Dは記入内容をクリアするためのボタンである。キャンセルボタンd13Eは入力を中止するためのボタンである。
アイデア登録画面d13において、提案企業は、ビジネスモデル設計図登録ボタンd13Bを操作し、レシピ登録画面を開く。開いたレシピ登録画面で、ビジネスモデル設計図を登録する。レシピ登録画面は上述の図25から図28で示したものと同様であるから、図示及び説明を省略する。レシピ登録画面より、更に開くモデルチャート登録画面について、説明する。
図36はモデルチャート登録画面の例を示す説明図である。モデルチャート登録画面d14は価値列d141、スキーム列d142、経営資源列d143、保存ボタンd144、及びキャンセルボタンd145を含む。モデルチャート登録画面d14において、価値列d141にはレシピ登録画面で入力した第1階層の品目が、スキーム列d142には第2階層の品目が、経営資源列d143には第3階層の品目が表示される。モデルチャート登録画面d14において、それぞれの部品をマウス等でクリックするとその内容(レシピ登録画面での入力内容)が表示される。それぞれの部品同士を、マウス等を用いて線でつなぐと、部品同士を階層構造として関連付けることが可能である。保存ボタンd144は作成・編集したモデルチャートを記憶するためのボタンである。モデルチャートを記憶し、モデルチャート登録画面d14は閉じられ、前の画面に戻る。キャンセルボタンd145は、モデルチャートを作成・編集した内容を破棄し、前画面に戻るためのボタンである。
図36は、DEF株式会社が行っているアイデア募集に対して、GHI株式会社が応募する場合において、作成したモデルチャートを表示している。そのため、DEF株式会社及びGHI株式会社が保有する品目が明示されている。図36に示す例では、GHI株式会社が保有している品目はi110021のブロックチェーンによるトレーサビリティであることを示している。また、DEF株式会社が保有している品目はi110040のIoTプラットフォームであることを示している。そして、これは図34に示した募集テーマ登録画面に記入されていたDEF株式会社が指定した提供可能な経営資源となっている。
提案企業が応募を行うことにより、ビジネスモデル開発システム100は新たなレシピを登録する(ステップS64)。ビジネスモデル開発システム100は、品目別(主に経営資源要素別)に候補企業リストを作成し、レシピと共に運営組織宛に出力する(ステップS65)。なお、レシピに、探索企業及び提案企業以外の企業の経営資源要素を含んでいる場合には、当該企業の情報も運営組織宛に送付する。新たなレシピ登録は、ビジネスモデル開発システム100において、新たな品目の登録あるいは品目情報の追加となる(ステップS66)。
探索企業は提案企業からの提案内容を精査したり、質疑をしたりする。提案企業は探索企業に対して補足説明をしたり、質疑に対する応答をしたりする。これらのやり取りは、ビジネスモデル開発システム100を用いなくともよい。提案内容精査及び質疑応答の内容は、提案内容評価を通して、品目=「強み」の追加情報としてビジネスモデル開発システム100に記録される。
探索企業は提案企業を絞り込むため、提案内容の評価(第1次選定)を行う(ステップS47)。図37は評価画面の内容を示す説明図である。図37Aは評価基準画面に表示される評価基準表の例を示す説明図である。探索企業は、募集テーマ登録画面d12(図34)のアイデア評価基準d125を参照しつつ、評価項目にしたがい評価を行う。1次選定において、探索企業が提案内容精査及び質疑応答の内容を入力してもよい。協業適格性の評価は銀行が行内サーバ2に記憶されている与信情報などを用いて実施する。評価結果はメインサーバ1の評価DB159に記憶する。
図37Bは評価一覧画面に表示される評価一覧表の例を示す説明図である。評価にあたって、運営組織は探索企業に対して、ステップS65で出力されたビジネスモデルの仮説(提案企業のレシピと提供候補企業リスト)に基づいて、情報提供やアドバイスを行ってもよい(ステップS48)。例えばビジネスモデルの各構成要素(部品)の提供候補企業リストにより、当該アイデアの実現可能性を具体例で判断可能となる。
ビジネスモデル開発システム100においては、探索企業による各提案企業の提案したビジネスモデルの評価が登録される(ステップS67)。そして、各ビジネスモデルの評価は、モデルに含まれる強み(経営資源要素、部品)の評価に反映される。
第1次選定で選択された提案企業はビジネスモデルの設計を詳細に行う(ステップS49)。その結果、ビジネスモデル開発システム100が記憶しているレシピが更新される(ステップS68)。
提案企業が探索企業に対して、プレゼンテーションを行う。探索企業はプレゼンテーションの内容の評価を行う(第2次選定)(ステップS50)。評価項目は第1次選定と同じでもよいし、異ならせてもよい。第2次選定は第1次選定の見直しと捉えるのであれば、第2次選定の評価項目は第1次選定と同じでよい。第2次選定は第1次選定では評価できない内容を評価するのであれば、第2次選定の評価項目は第1次選定と異なることになる。探索企業はプレゼンテーションを行った各提案企業について、評価基準に従って評価を入力する。入力した評価はビジネスモデル開発システム100の評価DB159に送信される。ビジネスモデル開発システム100においては、プレゼンテーションを行った各提案企業の評価が、ビジネスモデルの評価として記憶される(ステップS69)。そして、各ビジネスモデルの評価は、モデルに含まれる強み(経営資源要素、部品)の評価に反映される。
探索企業は最終的に採用する提案企業を選択し、契約を結ぶ(成約)(ステップS51)。成約した提案企業(以下、協業企業)が提案したビジネスモデルは、ビジネスモデル開発システム100において、仕掛り登録される(ステップS70)。その際、成約番号が発番され、限定グループDB15Bの成約No.列(採用情報)に記憶される。それに伴い、ビジネスモデル開発システム100はビジネスモデルの評価を更新する(ステップS71)。ビジネスモデルの評価は、モデルに含まれる強み(経営資源要素、部品)の評価に反映される。
探索企業と協業企業とで、ビジネスモデルの開発(事業化)を行う(ステップS52)。開発終了後に、探索企業又は協業企業はビジネスモデルをビジネスモデル開発システム100に登録する(ステップS72)。それに伴い、ビジネスモデル開発システム100はビジネスモデルの評価を更新する(ステップS73)。ビジネスモデルの評価は、モデルに含まれる強み(経営資源要素、部品)の評価に反映される。
探索企業及び協業企業は新規事業をスタートアップする(ステップS53)。運営組織はスタートアップした事業の業績をトレースする(ステップS54)。運営組織は業績に基づくビジネスモデルの評価を行い、ビジネスモデル開発システム100に登録する(ステップS74)。ビジネスモデルの評価は、モデルに含まれる強み(経営資源要素、部品)の評価に反映される。
メインサーバ1等が行う情報処理について、説明する。まず、経営資源要素の収集について、説明する。経営資源要素の収集は、ビジネスモデル開発システム100に新たな企業が登録される際に行われる(図19のステップS21、図33のS61など)。図38は企業情報登録処理の手順例を示すフローチャートである。メインサーバ1のCPU11は基本情報入力画面d01を出力する(ステップS101)。CPU11はユーザが事業詳細の入力を選択したか否かを判定する(ステップS102)。CPU11はユーザが事業詳細の入力を選択したと判定した場合(ステップS102でYES)、事業情報入力画面d02を出力する(ステップS103)。CPU11はユーザがデータ登録を選択したか否かを判定する(ステップS104)。CPU11はユーザがデータ登録を選択していないと判定した場合(ステップS104でNO)、ライブラリが選択されたか否かを判定する(ステップS105)。CPU11はライブラリが選択されていないと判定した場合(ステップS105でNO)、処理をステップS101へ戻す。CPU11はライブラリが選択されたと判定した場合(ステップS105でYES)、ビジネスモデル価値提供プロセスライブラリ画面を出力する(ステップS106)。CPU11はライブラリのいずれかのパターンが選択されたか否かを判定する(ステップS107)。CPU11はライブラリのいずれかのパターンも選択されていないと判定した場合(ステップS107でNO)、処理をステップS103に戻す。CPU11はライブラリのいずれかのパターンが選択されたと判定した場合(ステップS107でYES)、選択されたパターンを用いてビジネスモデルチャートを作成するための作成画面を出力する(ステップS108)。CPU11はビジネスモデルチャートの記憶が指示されたか否かを判定する(ステップS109)。CPU11はビジネスモデルチャートの記憶が指示されていないと判定した場合(ステップS109でNO)、処理をステップS103に戻す。CPU11はビジネスモデルチャートの記憶が指示されていると判定した場合(ステップS109でYES)、ビジネスモデルチャートを記憶する(ステップS110)。CPU11は、作成画面で設定された品目の接続関係を、品目管理DB154に記憶する。CPU11は処理をステップS103に戻す。CPU11はユーザがデータ登録を選択したと判定した場合(ステップS104でYES)、ユーザが入力した事業情報をRAM13などに設けた一時記憶領域に記憶する(ステップS111)。CPU11は処理をステップS101に戻す。CPU11はユーザが事業詳細の入力を選択していないと判定した場合(ステップS102でNO)、基本情報を記憶する(ステップS112)。基本情報は企業DB151に記憶する。CPU11は事業情報がRAM13などに設けた一時記憶領域に記憶されているか否かを判定する(ステップS113)。CPU11は事業情報が一時記憶領域に記憶されていると判定した場合(ステップS113でYES)、一時記憶領域に記憶されている事業の詳細情報を記憶し(ステップS114)、企業情報登録処理を終了する。事業の詳細情報は事業DB152に記憶する。CPU11は事業情報が一時記憶領域に記憶されていないと判定した場合(ステップS113でNO)、企業情報登録処理を終了する。
次に探索ニーズ登録処理(ステップS2)について、説明する。図39は探索ニーズ登録処理の手順例を示すフローチャートである。CPU11は探索ニーズ登録画面d03を出力する(ステップS121)。CPU11は探索ニーズ登録画面d03において、設計図登録が指示されたか否かを判定する(ステップS122)。CPU11は設計図登録が指示されたと判定した場合(ステップS122でYES)、レシピ登録画面d06を出力する(ステップS123)。CPU11はレシピ登録画面d06において、チャート作成が指示されたか否かを判定する(ステップS124)。CPU11はチャートが指示されたと判定した場合(ステップS124でYES)、モデルチャート登録画面d07を出力する(ステップS125)。CPU11は確認が指示されたか否かを判定する(ステップS126)。CPU11は確認が指示されたと判定した場合(ステップS126でYES)、探索ニーズ確認画面d05を出力する(ステップS127)。CPU11は登録が指示されたか否か判定する(ステップS128)。CPU11は登録が指示されたと判定した場合(ステップS128でYES)、探索ニーズ登録を行う(ステップS129)。探索ニーズ登録画面d03で設定した内容が、探索ニーズDB155に登録される。レシピ登録画面d06で設定した内容が、品目DB153に登録される。モデルチャート登録画面d07で設定した内容が、品目管理DB154に登録される。CPU11は探索ニーズ登録処理を終了する。CPU11は登録が指示されていないと判定した場合(ステップS128でNO)、戻るが指示されたか否かを判定する(ステップS130)。CPU11は戻るが指示されたと判定した場合(ステップS130でYES)、処理をステップS121に戻す。CPU11は戻るが指示されていないと判定した場合(ステップS130でNO)、探索ニーズ登録処理を終了する。CPU11は確認が指示されていないと判定した場合(ステップS126でNO)、戻るが指示されたか否かを判定する(ステップS131)。CPU11は戻るが指示されたと判定した場合(ステップS131でYES)、処理をステップS121に戻す。CPU11は戻るが指示されていないと判定した場合(ステップS131でNO)、処理をステップS129に移す。CPU11はチャートが指示されていないと判定した場合(ステップS124でNO)、CPU11は確認が指示されたか否かを判定する(ステップS132)。CPU11は確認が指示されたと判定した場合(ステップS132でYES)、処理をステップS127へ移す。CPU11は確認が指示されていないと判定した場合(ステップS132でNO)、探索ニーズ登録処理を終了する。CPU11は設計図登録が指示されていないと判定した場合(ステップS122でNO)、CPU11は確認が指示されたか否かを判定する(ステップS133)。CPU11は確認が指示されたと判定した場合(ステップS133でYES)、処理をステップS127へ移す。CPU11は確認が指示されていないと判定した場合(ステップS133でNO)、クリアが指示されたか否かを判定する(ステップS134)。CPU11はクリアが指示されたと判定した場合(ステップS134でYES)、設定した内容をクリアし(ステップS135)、処理をステップS121へ戻す。CPU11はクリアが指示されていないと判定した場合(ステップS134でNO)、探索ニーズ登録処理を終了する。
続いて、ロングリスト作成処理(ステップS25)について、説明する。図40はロングリスト作成処理の手順例を示すフローチャートである。CPU11は探索ニーズ登録処理により登録された探索ニーズなどから、探索すべき部品の要求仕様を取得する(ステップS141)。CPU11は取得した要求仕様に適合する部品を、品目DB153で検索する(ステップS142)。CPU11は検索にヒットした各部品について、部品を保有している企業の企業情報を、行内サーバ2の顧客DB251及び企業情報DB252から取得し(ステップS143)、主に協業適格性の観点から評価を行う。CPU11は評価に基づき、企業の絞り込みを行う(ステップS144)。CPU11は絞り込んだ結果であるロングリストを出力する(ステップS145)。ロングリストは大容量記憶部15などに記憶する。
なお、各データベースにおいて、企業データの突合は法人番号を用いる。その他のコード、東京商工リサーチ(TSR:TOKYO SHOKO RESEARCH, LTD.)が発行するTSR企業コード、帝国データバンク(TDB:Teikoku Databank, Ltd.)が発行するTDB企業コードなどを使用してもよい。また、各企業の評価を予め行っておき、行内サーバの顧客DB251などに記憶しておいてもよい。
次に、応募・提案の登録(ステップS6)、それに付随する「強み」情報の更新(ステップS26等)について説明する。図41は応募登録処理の手順例を示すフローチャートである。CPU11は応募登録画面d08を出力する(ステップS151)。CPU11は確認が指示されたか否かを判定する(ステップS152)。CPU11は確認が指示されたと判定した場合(ステップS152でYES)、設定された応募情報を応募登録DB156に登録する(ステップS153)。CPU11は「強み」情報の更新を行い(ステップS154)、応募登録処理を終了する。CPU11は確認が指示されていないと判定した(ステップS152でNO)、クリアが指示されたか否か判定する(ステップS155)。CPU11はクリアが指示されたと判定した場合(ステップS155でYES)、設定をクリアし(ステップS156)、処理をステップS151へ戻す。CPU11はクリアが指示されていない判定した場合(ステップS155でNO)、設定を破棄し応募登録処理を処理する。
「強み」情報更新処理(ステップS154)について、説明する。「強み」情報更新処理は、上述の応募登録処理から呼び出されるだけでなく、ビジネスモデル開発プロセスの様々な場面で呼び出される。図19に示したように、経営資源調達型のプロセスでは、ステップS26、S27、S29、S31、S33のぞれぞれとして実行される。ステップS26はロングリストが作成された後である。ステップS27は1次選定された後である。ステップS29は2次選定された後である。ステップS31は完成したビジネスモデルが登録された後である。ステップS33は開発されたビジネスモデルが事業化されたら繰り返し行う業績トレースの後である。
図33に示したように、アイデア募集型のプロセスでは、ビジネスモデルが評価された後に、「強み」情報更新処理が呼び出される。アイデア募集型のプロセスでは、ステップS67、S69、S68、S70、S74のそれぞれで、ビジネスモデルの評価がされた後、当該ビジネスモデルを構成する部品である「強み」の情報が更新される。
図42及び図43は「強み」情報更新処理の手順例を示すフローチャートである。CPU11は実行しているプロセスが経営資源調達型か否かを判定する(ステップS161)。プロセスの判定は例えば、呼び出し元からもらった引数を用いて行う。CPU11はプロセスが経営資源調達型と判定した場合(ステップS161でYES)、CPU11は応募登録に伴う呼び出しか否かを判定する(ステップS162)。CPU11は応募登録に伴う呼び出しであると判定した場合(ステップS162でYES)、作成されたロングリストを取得する(ステップS163)。CPU11はロングリストに選定された部品(強み)の評価を予め定めたアルゴリズムにて、更新する(ステップS164)。CPU11は「強み」情報更新処理を終了する。CPU11は応募登録に伴う呼び出しではないと判定した場合(ステップS162でNO)、1次選定に伴う呼び出しか否かを判定する(ステップS165)。CPU11は1次選定に伴う呼び出しと判定した場合(ステップS165でYES)、1次評価の結果を取得する(ステップS166)。CPU11は1次評価結果に基づき、予め定めたアルゴリズムにて部品(強み)の評価を更新する(ステップS167)。CPU11は1次選定に伴う呼び出しではないと判定した場合(ステップS165でNO)、2次選定に伴う呼び出しか否かを判定する(ステップS168)。CPU11は2次選定に伴う呼び出しと判定した場合(ステップS168でYES)、2次評価の結果を取得する(ステップS169)。また、2次選定後に作成されたショートリストを取得する(ステップS170)。CPU11は2次評価結果及びショートリストに基づき、予め定めたアルゴリズムにて部品(強み)の評価を更新する(ステップS171)。例えば、プレゼンテーションの対象になった部品は、ショートリストに選定されたが、プレゼンテーションの対象にならなかった部品よりも高く評価する。CPU11は2次選定に伴う呼び出しではないと判定した場合(ステップS168でNO)、成約に伴う呼び出しか否かを判定する(ステップS172)。CPU11は成約に伴う呼び出しと判定した場合(ステップS172でYES)、成約されたビジネスモデルを構成する部品の評価を予め定めたアルゴリズムにて更新する(ステップS173)。CPU11は成約に伴う呼び出しではないと判定した場合(ステップS172でNO)、呼び出しの契機となったビジネスモデルの評価を取得する(ステップS174)。CPU11はビジネスモデルの評価に基づき、予め定めたアルゴリズムにて部品(強み)の評価を更新する(ステップS175)。
CPU11はプロセスが経営資源調達型ではないと判定した場合(ステップS161ででNO)、処理を図43のステップS176へ移す。以降は、アイデア募集型プロセスにおける処理である。CPU11は1次選定に伴う呼び出しか否かを判定する(ステップS176)。CPU11は1次選定に伴う呼び出しと判定した場合(ステップS176でYES)、1次選定の対象となったビジネスモデルの評価を取得する(ステップS177)。CPU11はビジネスモデルの評価に基づき、ビジネスモデルを構成する部品(強み)の評価を、予め定めたアルゴリズムにて更新する(ステップS178)。CPU11は1次選定に伴う呼び出しではないと判定した場合(ステップS176でNO)、CPU11は2次選定に伴う呼び出しか否かを判定する(ステップS179)。CPU11は1次選定に伴う呼び出しと判定した場合(ステップS179でYES)、2次選定の対象となったビジネスモデルの評価を取得する(ステップS180)。CPU11はビジネスモデルの評価に基づき、ビジネスモデルを構成する部品(強み)の評価を、予め定めたアルゴリズムにて更新する(ステップS181)。CPU11は2次選定に伴う呼び出しではないと判定した場合(ステップS179でNO)、成約に伴う呼び出しか否かを判定する(ステップS182)。CPU11は成約に伴う呼び出しであると判定した場合(ステップS182でYES)、成約に伴う仕掛りビジネスモデルの評価を取得する(ステップS183)。CPU11は仕掛りビジネスモデルの評価に基づき、ビジネスモデルを構成する部品(強み)の評価を、予め定めたアルゴリズムにて更新する(ステップS184)。CPU11は成約に伴う呼び出しではないと判定した場合(ステップS182でNO)、開発完了に伴う呼び出しか否かを判定する(ステップS185)。CPU11は開発完了に伴う呼び出しと判定した場合(ステップS185でYES)、処理をステップS183へ移す。CPU11は開発完了に伴う呼び出しではないと判定した場合(ステップS185でNO)、ビジネスモデルに係る事業の業績トレースに基づく、当該ビジネスモデルの評価を取得する(ステップS186)。CPU11は事業の業績トレースに基づくビジネスモデルの評価に基づき、ビジネスモデルを構成する部品(強み)の評価を、予め定めたアルゴリズムにて更新する(ステップS187)。CPU11は評価更新(S164、S167、S171、S175、S178、S181、S184、S187)の後、「強み」情報更新処理を終了する。なお、ステップS161の分岐はプロセスにより判定したが、「強み」情報の更新対象の品目が第1階層に属するか否かで判定しても良い。更新対象品目が第1階層であれば、ステップS162以降を実行し、更新対象品目が第1階層でなければ、図43のステップS176以降を実行する。
図43及び図44で示した評価は、ビジネスモデル開発プロセスにおけるものであったが、それに限らない。それ以外の場面でも評価を更新してもよい。それ以外の場面とは、例えば、ビジネスモデル開発プロセスに入る前などの下調べや技術動向調査などの場面である。このような場面に対応する評価としては、検索ヒット回数、閲覧回数を蓄積する。これらの回数が多いものが高い評価を得ていると考えられる。「強み」情報更新処理を以下のように、実現してもよい。部品情報を更新する必要がある処理と、評価更新のために取得する情報、取得した情報に基づく評価更新アルゴリズムとを、予め対応付けてデータベースに記憶しておく。CPU11は何らかの処理が発生するたびに、部品情報を更新する必要がある処理か否かを判定する。部品情報を更新する必要がある処理と判定した場合、評価更新のための情報を取得し、予め定めた評価更新アルゴリズムにより、部品情報を更新する。
更に、ショートリスト作成について、説明する。図44はショートリスト作成処理の手順例を示すフローチャートである。CPU11はロングリストを取得する(ステップS191)。CPU11はロングリストに含まれる部品に関する評価を取得する(ステップS192)。ここでは、1次選定における探索企業の評価などである。CPU11は取得した評価に基づき、ロングリストを絞り込んだショートリストを作成する(ステップS193)。CPU11はショートリストを出力する(ステップS194)。CPU11はショートリスト作成処理を終了する。
図45は成約処理の手順例を示すフローチャートである。図45に示す処理は成約時に行われる処理のうち、採用された部品の登録処理である。CPU11は成約になった開発プロセスが経営資源調達型か否か判定する(ステップS201)。CPU11は成約になった開発プロセスが経営資源調達型であると判定した場合(ステップS201でYES)、成約になった応募データ(部品)を選択する(ステップS202)。CPU11は新たな品番を発番する(ステップS203)。CPU11は選択した応募データの内容を応募登録DB156から取得し、当該応募データを新たな品番と対応付けて品目DB153に記憶する(ステップS204)。CPU11は成約になった応募データで未処理のものがあるか否かを判定する(ステップS205)。CPU11は成約になった応募データで未処理のものがあると判定した場合(ステップS205でYES)、処理をステップS202に戻す。CPU11は成約になった応募データで未処理のものがないと判定した場合(ステップS205でNO)、成約処理を終了する。CPU11は成約になった開発プロセスが経営資源調達型でないと判定した場合(ステップS201でNO)、成約になったアイデアのデータを選択する(ステップS206)。CPU11は新たな品番を発番する(ステップS207)。CPU11は選択したアイデアデータの内容をアイデア応募DB158から取得し、当該アイデアデータを新たな品番と対応付けて品目DB153に記憶する(ステップS208)。CPU11は当該アイデアデータに関する品目管理DB154のレコードを更新し(ステップS209)、成約処理を終了する。成約処理により、経営資源調達型開発プロセスで新たに採用された価値提供スキーム、経営資源要素が品目DB153に登録され、以後、調達可能な部品となる。また、成約処理により、アイデア募集型開発プロセスで開発されたビジネスモデル価値定義が、品目DB153に登録され、以後の開発における参考例となると共に、ビジネスモデル自体が新たなビジネスモデルの部品としての活用が可能となる。更にまた、経営資源調達型開発プロセスおいて、採用されなかった部品も全て品目DB153に登録されるので、以後、活用可能となる。採用されなかった部品から、新たなビジネスモデルが創出される可能性もある。一方、アイデア募集型開発プロセスで登録されたビジネスモデル価値定義については、採用されなかったビジネスモデルも、漠然としたアイデアではなくビジネスモデルチャートで表現される設計図(レシピ)がデータとして記憶される。部品が見つからなかったビジネスモデルは必要部品の調達待ちとしておき、条件を満たす部品が登録されたら、調達可能となった旨を通知することが可能である。なお、ステップS201の分岐はプロセスにより判定したが、成約になった品目が第1階層に属するか否かで判定しても良い。成約品目が第1階層であれば、ステップS202以降を実行し、更新対象品目が第1階層でなければ、ステップS206以降を実行する。
以上のように、ビジネスモデル開発システム100は探索企業と提案企業とを結びつけるプロセスを支援する。ビジネスモデル開発システム100において、参加企業が増えるたびに、参加企業の行う事業が既存ビジネスモデルとして蓄積される。同時に、当該ビジネスモデルを構成する提供可能資源が蓄積される。ビジネスモデルも提供可能資源も1つの部品として、品目DB153として一元化して記憶される。それにより、経営資源調達型、アイデア募集型の開発プロセスにおいて、登録された部品の活用が図られる。経営資源調達型、アイデア募集型の開発プロセスは、ビジネスモデル開発手法の例であり、他の手法も採用可能である。例えば、運営組織が複数の企業を引き合わせ、引き合わされた企業は自社資源と他社資源とを合わせた新たなビジネスモデルを互いに提案し合い、新たなビジネスモデルを開発する手法である。
また、ビジネスモデル開発プロセスを通じて、更に新たなビジネスモデルや強み(経営資源要素)が蓄積される。更には、経営資源調達型のプロセスにおいては開発プロセスを通じて、提案企業が応募した強みが評価される。アイデア募集型のプロセスにおいては開発プロセスを通じて、提案企業が提案したビジネスモデルの評価が行われる。それに連動して、ビジネスモデルに含まれる強み(経営資源要素)の評価が更新される。
このように、ビジネスモデル開発システム100はビジネスモデル開発に利用されることにより、データの充実が図られる。そして、充実したデータを活用することにより、さらなるビジネスモデルの開発が行われ、データが拡充されるというスパイラルに成長していくことが可能である。ビジネスモデルのレシピ登録を通して、ビジネスモデル開発システム100に新たな部品が登録、あるいは既登録部品の追加情報が付加されることになる。
ビジネスモデルの開発案件を通して、部品情報がリッチ化していくプロセスとなっている。
更にまた、ビジネスモデル開発システム100においては、品目データが蓄積されることにより、ビジネスモデルのレシピ(各経営資源要素の調達先が未定のもの)を入力すれば、各経営資源要素の調達先候補企業リストが即時入手できるようになり、よりスピーディーに具体的な新規事業のデザインが可能となる。また現行のビジネスモデルをレシピとして入力すれば、キーとなる経営資源についての調達可能先リストも入手可能である。これにより、価値提供スキームの組み換えや成長に合わせた調達先追加にも対応可能となる。
また、ビジネスモデル開発システム100を活用すれば、従来のビジネスマッチングサービスとは一線を画した以下のような事業創造支援サービスが提供できることになる。「設計図」があれば、それぞれの構成要素について、提供候補企業のリストが入手できる。更に協業適格性評価により提供企業の組み合わせの良し悪しの判断を加味していけば、いくつかの「完成図」代替案も入手可能となる。この特徴を活かして、運営組織が主体となって、「設計図」を提供し、必要な「部品」を集めて、新しいビジネスモデルをプロデュースするような事業創造プロセスを提供することが可能となる。このようなビジネスモデルの開発手法をコンソーシアム型事業開発という。コンソーシアム型事業開発については、後述する。このように、上述したアイデア募集型プロセス及び経営資源調達型プロセスはビジネスモデル開発システム100を用いた開発手法の典型例である。後述するコンソーシアム型事業開発を含めて、他の開発手法にもビジネスモデル開発システム100は活用可能である。
なお、品目DB153に記憶する部品のデータはユーザである企業が入力するか、銀行員が代行する。それに限らず、クローリングを用いて得た経営資源に関する情報をテキスト分析し、分析結果に基づき、部品情報を生成し品目DB153に登録してもよい。ここで、情報収集する情報は、専門誌・学会論文情報、特許情報、新聞・雑誌情報、技術調査レポートなどである。
上述のビジネスモデル開発プロセスにおいては、キャパシティを考慮することが望ましい。各企業の経営資源要素には、量的な提供限界があるからである。品目DB153に量的なパラメータを含める共に、ビジネスモデルのレシピにも、各構成部品のスペックとして、量的なパラメータ(例えば、現時点での対応能力と対応能力増強の中期的な見通し、等)を含めてもよい。
上述のビジネスモデル開発システム100において、運営組織は1つの金融機関を想定した記載となっているが、それに限らない。複数の金融機関それぞれが運用するビジネスモデル開発システム100を連係できるようにしてもよい。その場合、各データに運営組織を特定するコード、例えば、統一金融機関コードを付す。それにより、運営組織毎のデータの切り分けや権限設定を適切に行うことが可能となる。
部品のメンテナンス機能について述べる。経営資源調達型開発プロセス及びアイデア募集型開発プロセスと関係なく、品目DB153に部品情報を登録してもよい。また、品目管理DB154を活用して、同一階層(第1階層、第2階層又は第3階層)の部品を階層的に定義してもよい。図46は部品の分割と部品の統合の例を示す説明図である。図46は品目管理DB154の変化を示している。本来、品目管理DB154には品目No.が記憶されるが、説明の簡単化のために名称を記載している。図46Aは部品の分割の例を示す。技術Aという部品が既に登録されているとする。ここで、技術Aには複数の技術が含まれており、一部の技術を独立して活用することが可能である場合、部品の分割が可能とする。図46Aでは技術Aを技術A1と技術A2とに分割する場合を示している。手順としては、レシピ登録画面d06(図25)と同様な画面を用いて、技術A1と技術A2とを品目DB153に登録する。次に、モデルチャート登録画面d07(図29)と同様な画面で、技術Aの下位に技術A1と技術A2とが接続されるツリーを作成する。その結果、図46Aの右側に示すように、技術A、技術A1及び技術A2の関係を示すレコードが品目管理DB154に追加される。
図46Bは部品の統合の例を示す。技術A2及び技術Bという部品が既に登録されているとする。ここで、技術A2と技術Bとを組み合わせることにより、新たな技術課題の解決が可能となった場合、統合した部品を新たな部品、技術Dとして登録する。手順としては、レシピ登録画面d06(図25)と同様な画面を用いて、技術Dを品目DB153に登録する。次に、モデルチャート登録画面d07(図29)と同様な画面で、技術Dは、技術A2と技術Bとで構成されることを示すツリーを作成する。その結果、図46Bの右側に示すように、技術D、技術A2及び技術Bの関係を示すレコードが品目管理DB154に追加される。
上述のビジネスモデル開発においては、経営資源調達型とアイデア募集型との2つ開発プロセスを説明した。企業同士のマッチングとしては、いずれも1対1を主としている。しかしながら、ビジネスモデル開発システム100においては、多数の企業の多数の部品が蓄積して行くことにより、3社以上の企業が事業開発を行うコンソーシアム型事業開発(以下、「コンソーシアム型」ともいう。)が可能となる。すなわち、以下の2点の特長により、従来のビジネスマッチングサービスとは一線を画した共創による事業創造支援サービスが提供可能である。特長の1点は、「設計図」があれば、それぞれの構成要素について、提供候補企業の「部品」のリストが入手可能となる。更に協業適格性評価により組み合わせの良し悪しの判断を加味した上で、提供企業を選定し、「完成図」が出来上がるという点である。もう1点の特長は、運営組織が主体となって、「設計図」を提供し、必要な「部品」を集めて、新しいビジネスモデルをプロデュースすることが可能となる点である。「設計図」とは各部品の調達先が未定のレシピである。「完成図」とは各部品の調達先が決定しているレシピである。
以下、コンソーシアム型のプロセスにおいて、特に重要な協業組み合わせの最適化について説明する。図47は企業選定処理の手順例を示すフローチャートである。企業選定処理は設計図を入力すると、設計図に含まれる各部品の調達先企業の選定を行い、完成図を出力する処理である。
CPU11は、ビジネスモデルの設計図を取得する(ステップS221)。設計図に含まれる経営資源要素(部品)の中で、キーとなる経営資源要素を取得する(ステップS222)。キーとなる経営資源要素は、ユーザが競争優位を決定づける経営資源要素を選定し、指定する。キーとなる経営資源要素は1つとするのではなく、戦略的重要度による優先順位付けをしてもよい。CPU11は、経営資源要素別に提供可能企業のリストアップを行う(ステップS223)。CPU11は品目DB159に対して、キーワード検索を行い、ロングリストを生成する。更に、探索目的適合度や要求スペック充足度による絞込みを行ってもよい。CPU11は、経営資源要素別に課題解決力評価による提供可能企業の優先順位設定する(ステップS224)。各経営資源要素について、第1優先順位の提供候補企業の組み合わせを初期値(パターン)とする。
CPU11は協業適格性評価で適用する評価項目を設定する(ステップS225)。ここでは、全ての評価項目を適用する。
CPU11は協業組み合わせ評価を行う(ステップS226)。まず、ステップS222で取得したキーとなる経営資源について、ステップS223でリストアップし、ステップS224で順位付けしたリストの上位企業から協業適格性評価を行う。協業適格性評価の結果が所定の条件を満たせば、当該企業を選定する。条件を満たさない場合は、下位の企業について評価を行い、条件を満たす企業が選定できるまで繰り返す。キーとなる経営資源について、企業が選定できたら、その他の経営資源要素について、協業適格性評価に基づき選定を行う。選定の際、企業同士の相性により選定、非選定を決める場合、キーとなる経営資源についての選定企業を優先的に残す。
CPU11は全ての経営資源要素の中で、企業が未選定のものがあるか否かを判定する(ステップS227)。CPU11は企業が未選定の経営資源があると判定した場合(ステップS227でYES)、適用する協業適格性評価の項目を更新する(ステップS228)。例えば、評価項目が全部で4つの場合、適用項目を1つ削り3つにする。協業適格性評価の項目うち、削除する項目をランダムに決定してもよいし、予め削除順を定めてもよい。CPU11は処理をステップS226へ戻す。CPU11は企業が未選定の経営資源がないと判定した場合(ステップS227でNO)、完成図を出力する(ステップS229)。協業適格性評価の評価項目を1つにしても選定できない場合は、課題解決力評価が最も高い企業を選定してもよいし、選定できなかった旨を出力してもよい。
図48から図50は企業選定処理の例を示す説明図である。図48は、設計図欄480、第1階層欄481、第2階層欄482、第3階層欄483及び候補企業欄484を含む。設計図欄480は設計図を示す欄である。設計図欄480は第1階層欄481、第2階層欄482及び第3階層欄483を含んでいる。第1階層欄481、第2階層欄482及び第3階層欄483はそれぞれ第1階層、第2階層及び第3階層のノードを表示している。第3階層のノードは、標準工程設計ノウハウ4831、リソース・ネットワーク最適化4832、ライン稼働予定情報の取得4833、スケジューリング最適化4834、ブロックチェーンによるトレーサビリティの確保4835及びIoTによる稼働状況可視化4836である。候補企業欄484は第3階層の各ノードに対応して候補企業を表示している。候補企業欄484は第1位列4841、第2位列4842、第3位列4843、第4位列4844及び第5位列4845を含む。第1位列4841から第5位列4845は各ノードに対応する候補企業の課題解決力評価の順位を示している。例えば、リソース・ネットワーク最適化4832に対する候補企業は、第1位がD社、第2位がE社、第3位がF社、第4位がG社、第5位がH社となっている。また、標準工程設計ノウハウ4831は候補企業が3社のみであり、第4位及び第5位は空欄となっている。
図49は、図48に表示した第3階層欄483及び候補企業欄484を再掲している。他に、評価項目採否表491及び結果表492を表示している。評価項目採否表491は協業適格性評価の際に、どの項目を適用したかを示している。図49は4つ項目全てを適用したことを示している。結果表492は協業適格性評価による結果を示す。結果表492は評価項目毎に結果を示している。第1行4921は財務的健全性評価の結果を示す。ここでは、I社は財務的なリスクを有することを示している。第2行4922は法務的健全性評価の結果を示す。ここでは、L社は法務的のリスクを有することを示している。第3行4923は取組姿勢の評価結果を示す。ここでは、D社は取組姿勢に問題があることを示している。第4行4924は協業障壁評価の結果を示す。ここでは、A社とK社とは過去に事故があり、両者を同時に選定することは避けるべきであることを示す。
結果表492によれば、I社、L社、D社は選定すべきではない。A社及びD社の2社を共に選定すべきではなく、A社を選定するならばD社は非選定とすべきであり、D社を選定するならばA社は非選定とすべきである。これらを適用すると、候補企業欄484に示したようになる。候補企業の中で、四角で囲まれた企業が選定企業である。
標準工程設計ノウハウ4831については、1位のA社が選定される。リソース・ネットワーク最適化4832及び選定ライン稼働予定情報の取得4833については、1位のD社は選定すべきではないので、2位のE社が選定される。スケジューリング最適化4834については、1位のA社が選定される。ブロックチェーンによるトレーサビリティの確保4835については、1位のI社は選定すべきではないので、2位のJ社が選定される。IoTによる稼働状況可視化4836については、1位のK社はA社と共に選定すべきではなく、2位のL社も選定すべきではないので、3位のM社が選定される。IoTによる稼働状況可視化4836において、K社を選定する場合は、標準工程設計ノウハウ431及びスケジューリング最適化4834については、B社が選定となる。A社、K社のいずれを選定すべきかを、次のように判定する。例えば、A社が担当する予定の標準工程設計ノウハウ431及びスケジューリング最適化4834と、K社が担当する予定のIoTによる稼働状況可視化4836との重要度に応じて判断する。標準工程設計ノウハウ431又はスケジューリング最適化4834が、IoTによる稼働状況可視化4836よりも重要度が高ければ、A社選定し、その逆であれば、K社を採用する。
図50は、図49と同様に評価項目採否表491、結果表492、第3階層欄483、及び候補企業欄484を表示している。評価項目採否表491に示すように、図50の例では協業適格性評価では全項目を適用するのではなく、法務的健全性及び協業障壁の2項目を適用する。したがって、候補企業を選定する際には、法務的リスクがあるL社は選定すべきではない。そして、A社及びK社を選定することは避けるべきである。
これらを適用すると、候補企業欄484に示したようになる。図49と同様に、四角で囲まれた企業が選定企業である。標準工程設計ノウハウ431については、1位のA社が選定される。リソース・ネットワーク最適化4832及び選定ライン稼働予定情報の取得4833については、1位のD社が選定される。スケジューリング最適化4834については、1位のA社が選定される。ブロックチェーンによるトレーサビリティの確保4835については、1位のI社が選定される。IoTによる稼働状況可視化4836については、1位のK社はA社と共に選定すべきではなく、2位のL社も選定すべきではないので、3位のM社が選定される。A社、K社のいずれを選定すべきかの判定は、図49の場合と同様である。
なお、協業適格性評価の際に適用する評価項目は、運営組織が選択してもよい。例えば、全項目の中から、幾つかを選択してもよい。また、適用する評価項目の組み合わせを複数パターン用意しておき、運営組織が指定したパターンで評価してもよい。複数のパターンを運営組織が指定した場合は、それぞれについての選定結果を切り替えて表示できることが望ましい。
行内サーバ2やインターネットからクローリングなどによって、協業適格性評価の評価根拠となる情報を取得し、評価項目と評価根拠を対応付けて、運営組織に提示してもよい。運営組織は提示された内容を参考に、適用評価項目を選択してもよい。協業適格性評価の評価項目は4つに限定されない。3つ以下でも5つ以上でもよい。
コンソーシアム型では、単純に各構成要素の部品提供企業リストを出力するだけにとどまらず、その部品保有企業間の協業適格性の評価・チェックを通して、実現可能性が高い部品組み合わせ案を複数生成することが望まれる。したがって、全ての評価パターンで企業の選定を行い、複数の結果を運営組織が切り替えながら、最終的に選定企業を決定してもよい。
各実施の形態で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。