JP7139933B2 - 電機子および電機子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電機子および電機子の製造方法に関する。
従来、電機子コアに形成された樹脂部を備える電機子が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、ステータコアのスロットの内面に絶縁性のスロット内面樹脂層(以下、「樹脂層」という)が成形されたステータが開示されている。このステータのステータコアは、環状に形成されている。そして、ステータコアのスロットは、内径側から外径側にわたって周方向の幅が略一定に形成されている。そして、各スロットには、断面形状が長方形状であり、互いに周方向の幅が等しい複数の平角線が径方向に並んで配置されている。また、平角線とスロットの内側面との間に、樹脂層が充填されている。そして、ステータコアに樹脂層を形成するために、樹脂層の平角線側の面には、金型が軸方向一方側に抜かれる際の抜き勾配を有する傾斜部が形成されている。そして、平角線に対して周方向両側の樹脂層は、傾斜部が設けられていることにより、軸方向他方側に向かって、徐々に周方向の厚みが大きくなるように形成されている。そして、樹脂層同士の距離が最も小さい位置に挿入可能な周方向の幅に合わせて、平角線の周方向の幅が設定されている。
特開2017-163797号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のステータでは、樹脂層に抜き勾配を形成するために、スロット内で対向する樹脂層同士の距離が比較的小さいものとなるため、平角線の周方向の幅を比較的小さくする必要があるという不都合がある。すなわち、上記特許文献1に記載のステータ(電機子)では、ステータコア(電機子コア)に絶縁性の樹脂層(樹脂部)を形成するために、平角線(コイル部)の周方向の幅が小さくなり、ステータ(電機子)の性能が低下するという問題点があると考えられる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、電機子コアのスロット内に絶縁性の樹脂部を形成する場合にも、電機子の性能が低下するのを防止することが可能な電機子および電機子の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における電機子は、環状のヨーク部と、ヨーク部から径方向内側に延びる複数のティースとを含み、周方向に隣り合う複数のティースの間にスロットが形成されている電機子コアと、スロットに配置されているコイル部と、ティースのスロット側の側面とコイル部との間に設けられているとともに、絶縁性の樹脂により形成されている樹脂部とを備え、スロットのうちの径方向外側の部分の周方向の幅は、スロットのうちの径方向内側の部分の周方向の幅よりも大きく、樹脂部は、樹脂部のうちの径方向内側の部分であり、かつ、周方向の最大厚みが第1厚みを有し、かつ、コイル部側の面が電機子コアの軸方向に対して傾斜する第1部分と、樹脂部のうちの径方向外側の部分であり、かつ、周方向の最大厚みが第1厚みよりも大きい第2厚みを有し、かつ、コイル部側の面が電機子コアの軸方向に対して傾斜する第2部分とを含み、第2部分の電機子コアの軸方向に対する傾斜角度は、第1部分の電機子コアの軸方向に対する傾斜角度よりも大きい
この発明の第1の局面による電機子では、上記のように、スロットのうちの径方向外側の部分の周方向の幅を、スロットのうちの径方向内側の部分の周方向の幅よりも大きくする。そして、樹脂部に、樹脂部のうちの径方向内側の部分であり、かつ、周方向の最大厚みが第1厚みを有する第1部分と、樹脂部のうちの径方向外側の部分であり、かつ、周方向の最大厚みが第1厚みよりも大きい第2厚みを有し、かつ、コイル部側の面が電機子コアの軸方向に対して傾斜する第2部分を設ける。これにより、スロットのうちの比較的周方向の幅が大きい径方向外側の部分において、比較的厚みが大きい第2厚みを有する第2部分に比較的大きな傾斜部(抜き勾配を有する部分)を形成することができる。このため、電機子を製造する際に、第2部分の比較的大きな傾斜部を用いて、型部材を軸方向に抜くことができる。この結果、第1部分の抜き勾配を小さくするか、または、抜き勾配をなくすことができる。これにより、第1部分の周方向の厚みを小さくすることができるので、コイル部の周方向に対向する樹脂部同士の距離が小さくなるのを防止することができる。その結果、電機子コアのスロット内に絶縁性の樹脂部を形成する場合にも、コイル部の周方向の幅が小さくなるのを防止することができるので、電機子の性能が低下するのを防止することができる。
この発明の第2の局面における電機子の製造方法は、環状のヨーク部と、ヨーク部から径方向内側に延びる複数のティースとを含み、周方向に隣り合う複数のティースの間にスロットが形成されている電機子コアと、スロットに配置されているコイル部とを備える、電機子の製造方法であって、スロットのうちの径方向外側の部分の周方向の幅が、スロットのうちの径方向内側の部分の周方向の幅よりも大きい電機子コアを準備する工程と、電機子コアを準備する工程の後、コイル部が配置される位置、および、ティースのスロット側の側面とコイル部が配置される位置との間に、周方向の面の少なくとも一部が電機子コアの軸方向に対して傾斜する型部材を配置する工程と、型部材を配置する工程の後、型部材とティースのスロット側の側面との間の充填空間に絶縁性の樹脂を充填することにより、樹脂部のうちの径方向内側の部分である第1部分と樹脂部のうちの径方向外側の部分である第2部分とを含む、樹脂部を形成する工程と、樹脂部を形成する工程の後、型部材をスロットから軸方向に移動させて、型部材を抜き取る工程とを備え、型部材を配置する工程は、型部材の周方向の面のうちの樹脂部の第2部分に対応する部分の電機子コアの軸方向に対する傾斜角度が、型部材の周方向の面のうちの樹脂部の第1部分に対応する部分の電機子コアの軸方向に対する傾斜角度よりも大きくなるように、型部材を配置する工程であり、樹脂部を形成する工程は、スロット内側の面が電機子コアの軸方向に対して傾斜するように第1部分および第2部分を形成するとともに、第2部分の周方向の最大厚みである第2厚みが、第1部分の周方向の最大厚みである第1厚みよりも大きくなるように、かつ、第2部分の電機子コアの軸方向に対する傾斜角度が、第1部分の電機子コアの軸方向に対する傾斜角度よりも大きくなるように、樹脂部を形成する工程である。
この発明の第2の局面による電機子の製造方法では、上記のように構成することにより、第1の局面による電機子と同様に、電機子コアのスロット内に絶縁性の樹脂部を形成する場合にも、電機子の性能が低下するのを防止することが可能な電機子の製造方法を提供することができる。
本発明によれば、上記のように、電機子コアのスロット内に絶縁性の樹脂部を形成する場合にも、電機子の性能が低下するのを防止することができる。
一実施形態によるステータ(回転電機)の構成を示す断面図である。 一実施形態によるコイル部の構成を模式的に示した図である。 一実施形態による平角導線の構成を示す断面図である。 一実施形態による樹脂部の構成を示す断面図である。 一実施形態による径方向の位置P2におけるスロット内の構成を示す断面図である。 一実施形態による径方向の位置P3におけるスロット内の構成を示す断面図である。 一実施形態による径方向の位置P1におけるスロット内の構成を示す断面図である。 一実施形態によるスロット内の構成を周方向に見た断面図である。 一実施形態によるステータの製造工程を示すフローチャートである。 一実施形態によるステータコアを樹脂する工程を説明するための図である。 一実施形態による一方型部材および他方型部材を配置する工程(配置前)を説明するための図である。 一実施形態による一方型部材および他方型部材を配置する工程(配置後)を説明するための図である。 一実施形態による樹脂部の一方側部分および他方側部分を形成する工程を説明するための図である。 一実施形態による樹脂部の開口部側部分およびヨーク部側部分を形成する工程を説明するための図である。 一実施形態による一方型部材および他方型部材を抜き取る工程を説明するための図である。 一実施形態の第1変形例によるステータの構成を示す図である。 一実施形態の第2変形例によるステータの構成を示す図である。 一実施形態の第3変形例によるコイル部の構成を示す図である。 一実施形態の第4変形例によるステータの構成を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
[本実施形態の構造]
図1~図8を参照して、本実施形態によるステータ100の構造について説明する。なお、ステータ100は、特許請求の範囲の「電機子」の一例である。
ステータ100は、ロータ101と共に、回転電機102の一部を構成する。回転電機102は、たとえば、モータ、ジェネレータ、または、モータ兼ジェネレータとして構成される。ステータ100は、円環形状を有する。ステータ100は、図1に示すように、ロータ101の径方向外側に配置されている。すなわち、本実施形態では、ステータ100は、インナーロータ型の回転電機102の一部を構成する。なお、図1では、ステータ100の一部のみを図示しているが、図示していないステータ100の部分においても、図1と同様に構成されている。
本願明細書では、「軸方向(中心軸線方向)」とは、図1に示すように、ステータ100の中心軸線(ロータ101の回転軸線)に沿った方向(Z方向)を意味する。また、「周方向」とは、ステータ100の周方向(A1方向、A2方向)を意味する。また、「径方向」とは、ステータ100の半径方向(R方向)を意味する。また、「径方向内側」とは、径方向に沿ってステータ100の中心軸線に向かう方向(R1方向)を意味する。また、「径方向外側」とは、径方向に沿ってステータ100の外に向かう方向(R2方向)を意味する。
図1に示すように、ステータ100は、ステータコア10と、コイル部20と、樹脂部30とを備える。コイル部20は、横断面形状が長方形状(たとえば、略正方形状)を有する平角導線20aが巻回されているか、または、複数の平角導線20aが互いに接合されることにより、形成されている。なお、図2には、複数の平角導線20aが互いに接合されることにより、コイル部20が形成されている例を図示している。また、ステータコア10は、特許請求の範囲の「電機子コア」の一例である。
(ステータコアの構造)
ステータコア10は、円筒形状を有する。また、ステータコア10は、複数枚の電磁鋼板(たとえば、珪素鋼板)が軸方向に積層されることにより、形成されている。そして、ステータコア10は、円環状のバックヨーク部11と、バックヨーク部11から径方向内側に径方向に沿って延びる複数のティース12とを含む。そして、ステータコア10には、周方向に隣り合う複数のティース12の間にスロット13が形成されている。
ティース12は、本実施形態では、図1に示すように、樹脂部30の一方側部分31または他方側部分32と周方向に隣接する部分の全域において、ティース12の周方向の幅W1が略一定になるように形成されている。たとえば、ティース12のうちのバックヨーク部11に接続する位置P1における周方向の幅は、W1である。また、ティース12のうちの径方向中央部の位置P2の周方向の幅は、W1である。また、ティース12のうちの先端部12b側の位置P3における周方向の幅は、W1である。これにより、ティース12は、軸方向に見て、略長方形状を有するように形成されている。なお、ティース12のうちの後述する第1部分31aおよび32aと周方向に隣接する部分の周方向の幅W1と、ティース12のうちの第2部分31bおよび32bと周方向に隣接する部分の周方向の幅W1とは、等しい。
スロット13は、ティース12の側面12aと、バックヨーク部11の径方向内側の側面11aとに囲まれた領域である。また、スロット13には、径方向内側に向かって開口する開口部13aが形成されている。また、スロット13は、軸方向に延びるように形成されている。また、スロット13の幅は、径方向内側から径方向外側に向かって、徐々に大きくなるように形成されている。すなわち、スロット13において、バックヨーク部11の側面11aの周方向の幅W2は、開口部13aの周方向の幅W3よりも大きい。また、スロット13は、軸方向に見て、台形状または扇状に形成されている。すなわち、スロット13は、スロット13の周方向の幅が径方向内側から径方向外側に向かって徐々に大きくなるように形成されている。なお、開口部13aは、特許請求の範囲の「スロットのうちの径方向内側の部分」の一例である。
また、スロット13には、コイル部20が配置されている。具体的には、スロット13には、互いに同一の周方向の幅W4(図3参照)を有する複数の平角導線20aが径方向に並んで配置されている。また、複数の平角導線20aのうちの最も径方向外側の径方向の位置P1に配置された平角導線23が位置するスロット13の部分の周方向の幅は、W5である。また、平角導線23が位置するスロット13の部分は、「スロットのうちの径方向外側の部分」の一例である。
(コイル部の構成)
コイル部20は、図2に示すように、たとえば、複数の平角導線20aが互いに接合されることにより形成されている。平角導線20aは、図3に示すように、導電性部材20bと、絶縁被膜20cとを含む。導電性部材20bは、横断面形状が矩形状(たとえば、長方形状)を有する銅またはアルミニウムにより構成されている。絶縁被膜20cは、導電性部材20bの周囲を覆うように形成されている。
図2に示すように、コイル部20は、スロット13内(図1参照)に配置され、軸方向に沿って延びる脚部21と、ステータコア10の端面10aまたは10b(図5参照)から軸方向外側に突出するとともに、互いに異なるスロット13に配置された脚部21同士を接続するコイルエンド部22とを含む。たとえば、複数の平角導線20aのコイルエンド部22同士が接合されることにより、コイル部20が形成されている。
(樹脂部の構成)
樹脂部30は、絶縁性の樹脂により形成されており、ステータコア10とコイル部20との電気的絶縁性を確保する機能を有する。たとえば、樹脂部30は、絶縁性の熱硬化性樹脂が成形されることにより、形成されている。そして、樹脂部30は、図1に示すように、ティース12のスロット13側の側面12aとコイル部20の平角導線20aとの間、および、バックヨーク部11の側面11aとコイル部20の平角導線20aとの間に設けられている。
また、樹脂部30は、ステータコア10に対して一体的に成形されている。たとえば、ステータコア10を構成する積層された複数の電磁鋼板の軸方向の隙間の一部を満たすように、形成されている。すなわち、ステータコア10を構成する複数枚の電磁鋼板は、樹脂部30により互いに接着(固定)されている。これにより、ステータコア10のバックヨーク部11には、複数の電磁鋼板同士を接合するためのカシメ部を設ける必要がなくなるので、カシメ部を設けることに起因する磁束の通過の阻害を防止することが可能となる。
図4に示すように、樹脂部30は、軸方向に見て、径方向に並んで配置された複数の平角導線20aの全体を囲むように形成されている。すなわち、樹脂部30は、複数の平角導線20aに対して、周方向の一方側(A1方向側)に設けられた一方側部分31と、周方向の他方側(A2方向側)に設けられた他方側部分32と、径方向内側に設けられた開口部側部分33と、ヨーク部側部分34とを含む。
〈一方側部分および他方側部分の構成〉
ここで、本実施形態では、一方側部分31は、第1部分31aと第2部分31bとを含む。第1部分31aは、一方側部分31のうちの径方向内側の部分であり、かつ、周方向の最大厚みが第1厚みt1を有する部分である。そして、第2部分31bは、一方側部分31のうちの径方向外側の部分であり、かつ、周方向の最大厚みが第1厚みt1よりも大きい第2厚みt2を有する部分である。なお、「第1厚みt1」とは、ティース12の側面12aから後述する第1傾斜部42の頂部42c(図5参照)までの厚みで、かつ、軸方向から見て、最も厚みが大きい部分(径方向の位置P2近傍部分)の厚みを意味するものとする。また、「第2厚みt2」とは、ティース12の側面12aから後述する第2傾斜部43の頂部43c(図6参照)までの厚みで、かつ、軸方向から見て、最も厚みが大きい部分(径方向の位置P1の部分)の厚みを意味するものとする。
他方側部分32は、一方側部分31と同様に、第1部分32aと第2部分32bとを含む。また、第2部分31bおよび32bは、複数の平角導線20aのうちの最も径方向外側の平角導線23と側面12aとの周方向の間に形成された樹脂部30の部分を含んでいる。また、第1部分31aと第2部分31bとの径方向の境界の位置は、位置P2であり、第1部分32aと第2部分32bとの径方向の境界の位置は、位置P2である。また、位置P2の樹脂部30の部分は、第2部分31bおよび32bに属するものとする。
図5に示すように、第1部分31aおよび32aと、第2部分31bおよび32bとには、それぞれ、絶縁部41が設けられている。絶縁部41は、ティース12の側面12aに接着されている部分であり、一定の厚みt11を有する。厚みt11は、平角導線20aとティース12の側面12aとの空間絶縁距離以上の大きさに設定されている。たとえば、厚みt11は、0.2mm以上に設定されている。
図6に示すように、第1部分31aおよび32aには、それぞれ、第1傾斜部42が設けられている。第1傾斜部42は、第1部分31aおよび32aのうちの絶縁部41のスロット13内側に設けられた部分である。第1傾斜部42は、径方向の位置P3において、ステータコア10の軸方向外側の端面10aおよび10bから、軸方向中心C1に向かって徐々に周方向の厚みが略0からt13まで大きくなるように、軸方向に対して傾斜するように形成されている。これにより、第1傾斜部42は、径方向に見て、頂部42cとする断面形状が略三角形状を有するように形成されている。
具体的には、径方向の位置P3において、第1傾斜部42の周方向の側面42a(コイル部20側の面)は、端面10aから、軸方向中心C1に向かって、軸方向に対して傾斜角度βを有するように形成されている。また、径方向の位置P3において、第1傾斜部42の周方向の側面42bは、端面10bから、軸方向中心C1に向かって、軸方向に対して傾斜角度βを有するように形成されている。なお、厚みt11に厚みt13を加算した厚みは、第1部分31aおよび32aの厚みt3である。傾斜角度βは、たとえば、0.5度以上の大きさである。
図4に示すように、第1部分31aおよび32aは、第1部分31aおよび32aの厚みが径方向の位置P3から径方向の位置P2(の近傍部分)に向かってt3からt1に徐々に大きくなるように、形成されている。すなわち、図5に示すように、第1傾斜部42は、径方向の位置P2の近傍においては、最大の厚みがt13よりも大きいt12となる。すなわち、厚みt1は、t11にt12を加算した大きさである。また、側面42aおよび42bの傾斜角度は、径方向の位置P3から径方向の位置P2に向かって、βからαに徐々に大きくなる。
図7に示すように、第2部分31bおよび32bには、それぞれ、第2傾斜部43が設けられている。第2傾斜部43は、第2部分31bおよび32bのうちの絶縁部41のスロット13内側に設けられた部分である。第2傾斜部43は、径方向の位置P1において、ステータコア10の軸方向外側の端面10aおよび10bから、軸方向中心C1に向かって徐々に周方向の厚みが略0からt14まで大きくなるように、軸方向に対して傾斜するように形成されている。これにより、第2傾斜部43は、径方向に見て、頂部43cとする断面形状が略三角形状を有するように形成されている。
具体的には、第2傾斜部43の周方向の側面43a(コイル部20側の面)は、径方向の位置P1において、端面10aから、軸方向中心C1に向かって軸方向に対して傾斜角度γを有するように形成されている。また、第1傾斜部42の周方向の側面42bは、径方向の位置P1において、端面10bから、軸方向中心C1に向かって軸方向に対して傾斜角度γを有するように形成されている。なお、厚みt11に厚みt14を加算した厚みは、第2部分31bおよび32bの厚みt2である。
また、第2部分31bおよび32bは、第2部分31bおよび32bの厚みが径方向の位置P2から径方向の位置P1に向かってt12からt14に徐々に大きくなるように、形成されている。また、側面43aおよび43bの傾斜角度は、径方向の位置P2から径方向の位置P1に向かって、αからγに徐々に大きくなる。
また、第1傾斜部42の傾斜角度および第2傾斜部43の傾斜角度は、ステータ100の製造工程における一方型部材210および他方型部材220の抜き勾配(傾斜角度)に対応する。
また、第1部分31aと第1部分31bとの周方向の距離はD1であり、第2部分32aと第2部分32bとの周方向の距離はD1である。なお、距離D1は、一定の大きさであり、平角導線20aの周方向の幅W4以上の大きさである。
〈開口部側部分およびヨーク部側部分の構成〉
図4に示すように、開口部側部分33の径方向の厚みt4は、ヨーク部側部分34の径方向の厚みt5よりも大きい。また、開口部側部分33は、一方側部分31および他方側部分32と径方向の位置P3において接続されている。また、ヨーク部側部分34は、一方側部分31および他方側部分32と径方向の位置P1において接続されている。
図8に示すように、開口部側部分33は、開口部側絶縁部44と、最も径方向内側に配置された平角導線24よりも開口部13a側に形成され、軸方向に対して傾斜する開口部側傾斜部45とを含む。また、ヨーク部側部分34は、ヨーク部側絶縁部46と、バックヨーク部11の側面11aと、最も径方向外側に配置された平角導線23との間に形成され、軸方向に対して傾斜するヨーク部側傾斜部47とを含む。開口部側絶縁部44、および、ヨーク部側絶縁部46は、絶縁部41と同様に構成されており、径方向に厚みt11を有する。ヨーク部側絶縁部46は、バックヨーク部11の側面11aに隣接(接着)した部分である。
開口部側傾斜部45は、径方向の最大厚みt15を有する。また、ヨーク部側傾斜部47は、径方向の最大厚みt16を有する。そして、最大厚みt15は、最大厚みt16よりも大きい。また、開口部側傾斜部45の傾斜角度δ(側面45aおよび45bの軸方向に対する角度)は、ヨーク部側傾斜部47の傾斜角度ε(側面47aおよび47bの軸方向に対する角度)よりも大きい。たとえば、傾斜角度εは、0度以上でかつ傾斜角度δ未満であり、傾斜角度δは、0.5度以上である。
[本実施形態の製造方法]
次に、本実施形態のステータ100の製造方法について説明する。図9に、ステータ100の製造工程を説明するためのフローチャートを示す。
まず、ステップS1において、図10に示すように、ステータコア10が準備される。具体的には、複数の電磁鋼板が軸方向に積層される。また、この工程では、スロット13のうちの径方向の位置P1の部分の周方向の幅W5が、スロット13のうちの開口部13aの周方向の幅W3よりも大きいステータコア10が準備される。
ステップS2において、図11に示すように、ステータコア10に一方型部材210と他方型部材220とが配置される。一方型部材210は、先端面211をZ2方向に向けた状態で、Z2方向に移動されることにより、一方型部材210がスロット13に挿入される。他方型部材220は、先端面221をZ1方向に向けた状態で、Z1方向に移動されることにより、他方型部材220がスロット13に挿入される。
詳細には、ステータコア10の各スロット13に、コイル部20が配置される位置、および、ティース12のスロット13側の側面12aとコイル部20が配置される位置との間に、周方向の面212の少なくとも一部が軸方向に対して傾斜する一方型部材210と、周方向の面222の少なくとも一部が軸方向に対して傾斜する他方型部材220とが軸方向に挿入される。
一方型部材210の面212は、第1傾斜部42の側面42a(図6参照)および第2傾斜部43の側面43a(図7参照)に対応する形状を有する。他方型部材220の面222は、第1傾斜部42の側面42b(図6参照)および第2傾斜部43の側面43b(図7参照)に対応する形状を有する。すなわち、一方型部材210の面212および他方型部材220の面222は、径方向の位置P2においては、傾斜角度αを有し、径方向の位置P3においては、傾斜角度βを有し、径方向の位置P1においては、傾斜角度γを有する。
図12に示すように、ステータコア10よりもZ1方向側から、先端面211が軸方向中心C1に位置するように一方型部材210がスロット13に挿入され、ステータコア10よりもZ2方向側から、先端面221が軸方向中心C1に位置するように他方型部材220がスロット13に挿入される。先端面211と先端面221とは、軸方向に対向する(当接する)。
また、図13に示すように、一方型部材210の面213は、開口部側傾斜部45の側面45a(図8参照)に対応する形状を有する。一方型部材210の面214は、ヨーク部側傾斜部47の側面47a(図8参照)に対応する形状を有する。他方型部材220の面223は、開口部側傾斜部45の側面45b(図8参照)に対応する形状を有する。他方型部材220の面224は、ヨーク部側傾斜部47の側面47b(図8参照)に対応する形状を有する。すなわち、一方型部材210の面213および他方型部材220の面223は、傾斜角度δを有する。すなわち、一方型部材210の面214および他方型部材220の面224は、傾斜角度εを有する。
ステップS3において、図14に示すように、樹脂部30が形成される。すなわち、図12に示すように、一方型部材210および他方型部材220とティース12の側面12aとの間の充填空間CL1、および、図13に示すように、一方型部材210および他方型部材220とバックヨーク部11の側面11aとの間の充填空間CL2に、図示しない樹脂注入ノズルから、溶融状態の絶縁性の樹脂(熱硬化性樹脂)を流し込み、絶縁性の樹脂を充填することにより、樹脂部30が形成される。
この工程では、第1傾斜部42、第2傾斜部43、開口部側傾斜部45、および、ヨーク部側傾斜部47を有する樹脂部30が形成される。そして、樹脂部30のうちの第2部分31bおよび32bの最大の厚みt2が、樹脂部30のうちの第1部分31aおよび32aの最大の厚みt1よりも大きくなるように、樹脂部30が形成される。
ステップS4において、図15に示すように、一方型部材210および他方型部材220がステータコア10から抜き取られる。具体的には、一方型部材210がZ1方向側に移動されることにより、スロット13から一方型部材210が引き抜かれる。また、他方型部材220がZ2方向側に移動されることにより、スロット13から他方型部材220が引き抜かれる。なお、第1傾斜部42、第2傾斜部43、開口部側傾斜部45、および、ヨーク部側傾斜部47の傾斜は、一方型部材210および他方型部材220が引き抜かれる際の抜き勾配として機能する。
ステップS5において、図5~図8に示すように、コイル部20が形成される。具体的には、各スロット13において、複数の平角導線20aが径方向に並んで配置されるように、複数の平角導線20aの脚部21が軸方向に沿ってスロット13に挿入される。その後、たとえば、複数の平角導線20a同士が接続させることにより、コイル部20が形成される。たとえば、複数のコイルエンド部22同士が接合されることにより、複数の平角導線20a同士が接続される。その後、図1に示すように、ステータ100が完成される。なお、ステータ100とロータ101とが組み合わされることにより、回転電機102が製造される。
[本実施形態の構造の効果]
本実施形態の構造では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように構成することにより、スロット(13)のうちの径方向外側の部分の周方向の幅(W5)を、スロット(13)のうちの径方向内側の部分(13a)の周方向の幅(W2)よりも大きくする。そして、樹脂部(30)に、樹脂部(30)のうちの径方向内側の部分であり、かつ、周方向の最大厚みが第1厚み(t1、t3)を有する第1部分(31a、32a)と、樹脂部(30)のうちの径方向外側の部分であり、かつ、周方向の最大厚みが第1厚み(t1、t3)よりも大きい第2厚み(t2)を有し、かつ、コイル部(20)側の面が電機子コア(10)の軸方向に対して傾斜する第2部分(31b、32b)を設ける。これにより、スロット(13)のうちの比較的周方向の幅(W5)が大きい径方向外側の部分において、比較的厚みが大きい第2厚み(t2)を有する第2部分(31b、32b)に比較的大きな傾斜部(43)(抜き勾配を有する部分)を形成することができる。このため、電機子(100)を製造する際に、第2部分(31b、32b)の比較的大きな傾斜部(43)を用いて、型部材(210、220)を軸方向に抜くことができる。この結果、第1部分(31a、32a)の抜き勾配(β)を小さくするか、または、抜き勾配(β)をなくすことができる。これにより、第1部分(31a、32a)の周方向の厚み(t1)を小さくすることができるので、コイル部(20)の周方向に対向する樹脂部(30)同士の距離(D1)が小さくなるのを防止することができる。その結果、電機子コア(10)のスロット(13)内に絶縁性の樹脂部(30)を形成する場合にも、コイル部(20)の周方向の幅(W4)が小さくなるのを防止することができるので、電機子(100)の性能が低下するのを防止することができる。
また、本実施形態では、ティース(12)のうちの第1部分(31a、32a)と周方向に隣接する部分の周方向の幅(W1)と、ティース(12)のうちの第2部分(31b、32b)と周方向に隣接する部分の周方向の幅(W1)とは、等しい。ここで、電機子コアでは、ティースにおける周方向の最小の幅により、ティースを通過する磁束の量が制限される。このため、電機子コアでは、ティースの周方向の最小の幅が大きくなる程、ティースを通過する磁束の量が多くなるため、電機子コアの性能が高く、ティースの周方向の最小の幅が小さくなる程、ティースを通過する磁束の量が少なくなるため、電機子コアの性能が低くなるという特性がある。また、一般的に、ヨーク部から径方向内側に向かって延びるティースを有する電機子コアでは、ティースとヨーク部との接続部分(径方向外側の部分)における周方向の幅は、ティースの先端部側の部分(径方向内側の部分)の周方向の幅よりも大きい。これを考慮して、上記のように構成すれば、ティース(12)のうちの周方向の幅を小さくする余地があるティース(12)の径方向外側の部分の周方向の幅を、ティース(12)の径方向内側の部分の周方向の幅(W1)と等しくなるように、小さくすることができる。これにより、スロット(13)のうちの径方向外側の部分の周方向の幅(W5)を、スロット(13)のうちの径方向内側の部分(13a)の周方向の幅(W2)よりも、容易に大きくすることができる。この結果、樹脂部(30)に、最大厚みが比較的大きい第2厚み(t2)を有する第2部分(31b、32b)を、容易に設けることができる。
また、本実施形態では、上記のように、ティース(12)は、樹脂部(30)と周方向に隣接する部分の全域において、ティース(12)の周方向の幅(W1)が一定になるように形成されている。このように構成すれば、電機子コア(10)の性能が低下するのを防止しながら、ティース(12)の径方向外側の部分(P1)において、ティース(12)の側面とコイル部(20)との距離を大きくすることができる。この結果、第1厚み(t1、t3)よりも大きい第2厚み(t2)を有する第2部分(31b、32b)を含む樹脂部(30)を、容易に形成することができる。
また、本実施形態では、上記のように、スロット(13)は、スロット(13)のうちの径方向外側の部分の周方向の幅が径方向内側から径方向外側に向かって徐々に大きくなるように形成されており、第2部分(31b、32b)は、第2厚み(t2)が径方向外側に向かって徐々に大きくなるように形成されている。このように構成すれば、スロット(13)の径方向外側の部分内において、コイル部(20)とティース(12)の側面との隙間を満たすように、第2部分(31b、32b)を形成することができるので、不要な隙間が生じない分、電機子(100)が大型化するのを防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、コイル部(20)は、複数の平角導線(20a)により形成されており、複数の平角導線(20a)は、複数のスロット(13)内に径方向に並んで配置されており、第2部分(31b、32b)は、複数の平角導線(20a)のうちの最も径方向外側の平角導線(20a、23)と側面(12a)との周方向の間に形成された樹脂部(30)の部分を含む。ここで、径方向に並んで配置された複数の平角導線(20a)が互いに同一の種類の平角導線(20a)の場合、複数の平角導線(20a)の周方向の幅(W4)は、略一定となる。この場合、最も径方向外側の平角導線(20a)とティース(12)の側面(12a)との周方向の距離が、他の平角導線(20a)とティースとの周方向の距離よりも大きくなる。これを考慮して、上記のように構成すれば、周方向の隙間が比較的大きい位置(最も径方向外側の平角導線(20a)とティース(12)の側面(12a)との間)に、第2部分(31b、32b)を形成することができるので、第2厚み(t2)が第1厚み(t1、t3)よりも大きい第2部分(31b、32b)を容易に形成することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1部分(31a、32a)は、コイル部(20)側の面(42a、42b)が電機子コア(10)の軸方向に対して傾斜するように形成されており、第2部分(31b、32b)の電機子コア(10)の軸方向に対する傾斜角度(α、γ)は、第1部分(31a、32a)の電機子コア(10)の軸方向に対する傾斜角度(β)よりも大きい。このように構成すれば、樹脂部(30)を形成する際に、第2部分(31b、32b)に設けられた傾斜部(43)に加えて、第1部分(31a、32a)に設けられた傾斜部(42)により、容易に型部材(210、220)を抜くことができる。そして、第1部分(31a、32a)を電機子コア(10)の軸方向に対して傾斜するように形成した場合でも、第2部分(31b、32b)の傾斜角度(抜き勾配)(γ)が第1部分(31a、32a)の傾斜角度(β)(抜き勾配)よりも大きいので、第1部分(31a、32a)の第1厚み(t1、t3)が増大するのを防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第2部分(31b、32b)の傾斜角度は、径方向外側に向かって徐々に(αからγに)大きくなるように形成されている。このように構成すれば、第2部分(31b、32b)の傾斜角度が一定に設定されている場合と異なり、第2部分(31b、32b)においても径方向外側の部分の傾斜角度(γ)(抜き勾配)を大きくすることができるとともに、径方向内側の部分の傾斜角度(α)を小さくすることができる。この結果、第2部分(31b、32b)の第2厚み(t2)を第1厚み(t1、t3)よりも大きくする場合でも、第2部分(31b、32b)のうちの径方向内側の部分の傾斜角度(α)が増大して第2部分(31b、32b)の厚みが必要以上に増大することを防止することができる。これにより、コイル部(20)の周方向の幅(W4)が小さくなるのを、より一層防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、スロット(13)には、径方向内側に開口する開口部(13a)が設けられており、樹脂部(30)は、第1部分(31a、32a)および第2部分(31b、32b)に加えて、最も径方向内側に配置されているコイル部(20、24)よりも開口部(13a)側に設けられ、電機子コア(10)の軸方向に対して傾斜する開口部側部分(33)と、ヨーク部(11)とコイル部(20)との径方向の間に設けられ、電機子コア(10)の軸方向に対して傾斜するヨーク部側部分(34)とをさらに含み、開口部側部分(33)の電機子コア(10)の軸方向に対する傾斜角度(δ)は、ヨーク部側部分(34)の電機子コア(10)の軸方向に対する傾斜角度(ε)よりも大きい。このように構成すれば、ヨーク部側部分(34)により、コイル部(20)とヨーク部(11)との絶縁性能を向上させることができるとともに、開口部側部分(33)により、コイル部(20)とコイル部(20)よりも開口部(13a)側の部材(たとえば、ロータ(101))との絶縁性能を向上させることができる。ここで、ヨーク部を通過する磁束の量は、ヨーク部の径方向の幅により制限される。すなわち、ヨーク部の径方向の幅を小さくした場合、ヨーク部を通過することが可能な磁束の量が減少して、電機子の性能が低下する。これを考慮して、上記のように構成すれば、開口部側部分(33)の傾斜角度(δ)を比較的大きくする分、比較的大きな厚みを有するヨーク部側部分を形成する必要がないので、ヨーク部(11)の径方向の幅が小さくなるのを防止することができる。この結果、コイル部(20)とヨーク部(11)との絶縁性能を向上させ、かつ、コイル部(20)とコイル部(20)よりも開口部(13a)側の部材(101)との絶縁性能を向上させながら、ヨーク部(11)の径方向の幅を確保することにより、電機子(100)の性能が低下するのを防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第2部分(31b、32b)は、電機子コア(10)の軸方向外側の両端面(10a、10b)からスロット(13)の軸方向内側に向かって周方向の厚みが大きくなるように、電機子コア(10)の軸方向に対して傾斜するように形成されている。ここで、軸方向両側から型部材(210、220)をスロット(13)に挿入する場合と、軸方向一方側のみから型部材をスロット(13)に挿入する場合とにおいて、互いに同一の抜き勾配が形成されている場合、樹脂部の周方向の最大の厚みは、軸方向一方側のみから型部材をスロット(13)に挿入する場合が大きくなる。この点に基づいて、上記のように構成すれば、先端部(211、221)の周方向の幅が比較的大きく、樹脂部(30)の周方向の厚み(t1、t2)を小さく構成することが可能な型部材(210)を、電機子コア(10)の軸方向一方側からスロット(13)に挿入するとともに、先端部(211、221)の周方向の幅が比較的大きく、樹脂部(30)の周方向の厚み(t1、t2)を小さく構成することが可能な型部材(220)を、電機子コア(10)の軸方向他方側からスロット(13)に挿入することができるので、第2部分(31b、32b)の第2厚み(t2)が増大するのを防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第2部分(31b、32b)は、電機子コア(10)の軸方向外側の両端面(10、10b)からスロット(13)の軸方向の中央部(C1)に向かって周方向の厚み(t1)が(t2に)大きくなるように、電機子コア(10)の軸方向に対して傾斜するように形成されている。このように構成すれば、第2部分(31b、32b)における、中央部(C1)から電機子コア(10)の軸方向一方側からに向かう抜き勾配(α、γ)と、電機子コア(10)の軸方向他方側から中央部(C1)に向かう抜き勾配(α、γ)とを略同一にすることができる。この結果、中央部(C1)から電機子コア(10)の軸方向一方側からに向かう抜き勾配(α、γ)と、電機子コア(10)の軸方向他方側から中央部(C1)に向かう抜き勾配(α、γ)との両方を比較的小さな値(必要最小の大きさ)に設定すれば、第2部分(31b、32b)の第2厚み(t1)が必要以上に大きくなるのを防止することができる。
[本実施形態の製造方法の効果]
本実施形態の製造方法では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように構成することにより、電機子コア(10)のスロット(13)内に絶縁性の樹脂部(30)を形成する場合にも、電機子(100)の性能が低下するのを防止することが可能な電機子(100)の製造方法を提供することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
〈第1変形例〉
たとえば、上記実施形態では、ティースの径方向内側の先端部に周方向に突出する凸部を設けないステータコアの例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図16に示す第1変形例のステータ300のように、ステータコア310のティース312には、ティース312の径方向内側の先端部に周方向に突出する凸部312aが設けられている。すなわち、ステータコア310では、ハンマー型のティース312により、セミオープン型のスロット313が形成されている。
また、上記実施形態では、樹脂部に、開口部側部分を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図16に示す第1変形例のステータ300のように、樹脂部330には、開口部側部分が設けられておらず、軸方向に見て、略U字状に形成されている。
〈第2変形例〉
また、上記実施形態では、第1傾斜部および第2傾斜部が、軸方向外側の両側の端面からスロットの軸方向中心に向かって周方向の厚みが大きくなるように、軸方向に対して傾斜するように形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図17に示す第2変形例のステータ400のように、樹脂部430の傾斜部431は、軸方向一方側(Z1方向側)の端面10aから軸方向他方側(Z2方向側)の端面10bに向かって周方向の厚みが大きくなるように、軸方向に対して傾斜するように形成されている。この場合、ステータ400の製造工程では、1つのスロット13に対して単一の型部材510がZ2方向に移動されることにより、型部材510がスロット13に配置され、樹脂部430を形成する工程の後、単一の型部材510がZ1方向に移動されることにより、型部材510がスロット13から抜き取られる。
〈第3変形例〉
また、上記実施形態では、コイル部を複数の略正方形状の平角導線により形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図18に示す第3変形例のコイル部520aのように、コイル部520aが長方形状を有するように形成されていてもよい。
〈第4変形例〉
また、上記実施形態では、第1部分に第1傾斜部を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図19に示す第4変形例のステータ600のように、第2部分の抜き勾配(傾斜角度)が型部材を引き抜くために十分な大きさである場合、第1部分630に第1傾斜部を設けずに、第1部分630を絶縁部41のみから構成してもよい。
〈その他の変形例〉
また、上記実施形態では、ステータおよびステータの製造方法に、本発明を適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ロータおよびロータの製造方法に、本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では、コイル部を複数の平角導線を接合することにより、形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、平角導線を複数回巻回することにより、コイル部を形成してもよい。
また、上記実施形態では、第2厚みが径方向外側に向かって徐々に大きくなるように、第2部分を構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、一定の第2厚みを有するように第2部分を構成してもよい。
また、上記実施形態では、第2部分の傾斜角度が径方向外側に向かって徐々に大きくなるように、第2部分を構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、一定の傾斜角度を有するように第2部分を構成してもよい。
また、上記実施形態では、コイル部を平角導線により構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、コイル部を断面形状が円状を有する導線により構成してもよい。
10、310 ステータコア(電機子コア) 10a、10b 端面(両端面)
11 バックヨーク部(ヨーク部) 12、312 ティース
12a 側面(ティースのスロット側の側面) 13、313 スロット
13a 開口部(スロットの開口部、スロットのうちの径方向内側の部分)
20、520a コイル部 20a 平角導線
30、330、430 樹脂部
31a、31b、630 第1部分 31b、32b 第2部分
33 開口部側部分 34 ヨーク部側部分
100、300、400、600 ステータ 210 一方型部材(型部材)
212、214、215、222、224、225 面(周方向の面)
220 他方型部材(型部材) 510 型部材

Claims (10)

  1. 環状のヨーク部と、前記ヨーク部から径方向内側に延びる複数のティースとを含み、周方向に隣り合う前記複数のティースの間にスロットが形成されている電機子コアと、
    前記スロットに配置されているコイル部と、
    前記ティースの前記スロット側の側面と前記コイル部との間に設けられているとともに、絶縁性の樹脂により形成されている樹脂部とを備え、
    前記スロットのうちの前記径方向外側の部分の周方向の幅は、前記スロットのうちの前記径方向内側の部分の周方向の幅よりも大きく、
    前記樹脂部は、前記樹脂部のうちの前記径方向内側の部分であり、かつ、周方向の最大厚みが第1厚みを有し、かつ、前記コイル部側の面が前記電機子コアの軸方向に対して傾斜する第1部分と、前記樹脂部のうちの径方向外側の部分であり、かつ、周方向の最大厚みが前記第1厚みよりも大きい第2厚みを有し、かつ、前記コイル部側の面が前記電機子コアの軸方向に対して傾斜する第2部分とを含
    前記第2部分の前記電機子コアの軸方向に対する傾斜角度は、前記第1部分の前記電機子コアの軸方向に対する傾斜角度よりも大きい、電機子。
  2. 前記ティースのうちの前記第1部分と周方向に隣接する部分の周方向の幅と、前記ティースのうちの前記第2部分と周方向に隣接する部分の周方向の幅とは、等しい、請求項1に記載の電機子。
  3. 前記ティースは、前記樹脂部と周方向に隣接する部分の全域において、前記ティースの周方向の幅が一定になるように形成されている、請求項2に記載の電機子。
  4. 前記スロットは、前記スロットのうちの前記径方向外側の部分の周方向の幅が前記径方向内側から前記径方向外側に向かって徐々に大きくなるように形成されており、
    前記第2部分は、前記第2厚みが前記径方向外側に向かって徐々に大きくなるように形成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の電機子。
  5. 前記コイル部は、複数の平角導線により形成されており、
    前記複数の平角導線は、前記複数のスロット内に径方向に並んで配置されており、
    前記第2部分は、前記複数の平角導線のうちの最も前記径方向外側の前記平角導線と前記側面との周方向の間に形成された前記樹脂部の部分を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の電機子。
  6. 前記第2部分の前記傾斜角度は、前記径方向外側に向かって徐々に大きくなるように形成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の電機子。
  7. 前記スロットには、前記径方向内側に開口する開口部が設けられており、
    前記樹脂部は、前記第1部分および前記第2部分に加えて、最も前記径方向内側に配置されている前記コイル部よりも前記開口部側に設けられ、前記電機子コアの軸方向に対して傾斜する開口部側部分と、前記ヨーク部と前記コイル部との径方向の間に設けられ、前記電機子コアの軸方向に対して傾斜するヨーク部側部分とをさらに含み、
    前記開口部側部分の前記電機子コアの軸方向に対する傾斜角度は、前記ヨーク部側部分の前記電機子コアの軸方向に対する傾斜角度よりも大きい、請求項1~のいずれか1項に記載の電機子。
  8. 前記第2部分は、前記電機子コアの軸方向外側の両端面から前記スロットの軸方向内側に向かって周方向の厚みが大きくなるように、前記電機子コアの軸方向に対して傾斜するように形成されている、請求項1~のいずれか1項に記載の電機子。
  9. 前記第2部分は、前記電機子コアの軸方向外側の両端面から前記スロットの軸方向の中央部に向かって周方向の厚みが大きくなるように、前記電機子コアの軸方向に対して傾斜するように形成されている、請求項に記載の電機子。
  10. 環状のヨーク部と、前記ヨーク部から径方向内側に延びる複数のティースとを含み、周方向に隣り合う前記複数のティースの間にスロットが形成されている電機子コアと、前記スロットに配置されているコイル部とを備える、電機子の製造方法であって、
    前記スロットのうちの前記径方向外側の部分の周方向の幅が、前記スロットのうちの前記径方向内側の部分の周方向の幅よりも大きい前記電機子コアを準備する工程と、
    前記電機子コアを準備する工程の後、前記コイル部が配置される位置、および、前記ティースの前記スロット側の側面と前記コイル部が配置される位置との間に、周方向の面の少なくとも一部が前記電機子コアの軸方向に対して傾斜する型部材を配置する工程と、
    前記型部材を配置する工程の後、前記型部材と前記ティースの前記スロット側の側面との間の充填空間に絶縁性の樹脂を充填することにより、前記樹脂部のうちの前記径方向内側の部分である第1部分と前記樹脂部のうちの径方向外側の部分である第2部分とを含む、樹脂部を形成する工程と、
    前記樹脂部を形成する工程の後、前記型部材を前記スロットから軸方向に移動させて、前記型部材を抜き取る工程とを備え、
    前記型部材を配置する工程は、前記型部材の周方向の面のうちの前記樹脂部の前記第2部分に対応する部分の前記電機子コアの軸方向に対する傾斜角度が、前記型部材の周方向の面のうちの前記樹脂部の前記第1部分に対応する部分の前記電機子コアの軸方向に対する傾斜角度よりも大きくなるように、型部材を配置する工程であり、
    前記樹脂部を形成する工程は、前記スロット内側の面が前記電機子コアの軸方向に対して傾斜するように前記第1部分および前記第2部分を形成するとともに、前記第2部分の周方向の最大厚みである第2厚みが、前記第1部分の周方向の最大厚みである第1厚みよりも大きくなるように、かつ、前記第2部分の前記電機子コアの軸方向に対する傾斜角度が、前記第1部分の前記電機子コアの軸方向に対する傾斜角度よりも大きくなるように、前記樹脂部を形成する工程である、電機子の製造方法。
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