JP7139933B2 - 電機子および電機子の製造方法 - Google Patents
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Description
図1~図8を参照して、本実施形態によるステータ100の構造について説明する。なお、ステータ100は、特許請求の範囲の「電機子」の一例である。
ステータコア10は、円筒形状を有する。また、ステータコア10は、複数枚の電磁鋼板(たとえば、珪素鋼板)が軸方向に積層されることにより、形成されている。そして、ステータコア10は、円環状のバックヨーク部11と、バックヨーク部11から径方向内側に径方向に沿って延びる複数のティース12とを含む。そして、ステータコア10には、周方向に隣り合う複数のティース12の間にスロット13が形成されている。
コイル部20は、図2に示すように、たとえば、複数の平角導線20aが互いに接合されることにより形成されている。平角導線20aは、図3に示すように、導電性部材20bと、絶縁被膜20cとを含む。導電性部材20bは、横断面形状が矩形状(たとえば、長方形状)を有する銅またはアルミニウムにより構成されている。絶縁被膜20cは、導電性部材20bの周囲を覆うように形成されている。
樹脂部30は、絶縁性の樹脂により形成されており、ステータコア10とコイル部20との電気的絶縁性を確保する機能を有する。たとえば、樹脂部30は、絶縁性の熱硬化性樹脂が成形されることにより、形成されている。そして、樹脂部30は、図1に示すように、ティース12のスロット13側の側面12aとコイル部20の平角導線20aとの間、および、バックヨーク部11の側面11aとコイル部20の平角導線20aとの間に設けられている。
ここで、本実施形態では、一方側部分31は、第1部分31aと第2部分31bとを含む。第1部分31aは、一方側部分31のうちの径方向内側の部分であり、かつ、周方向の最大厚みが第1厚みt1を有する部分である。そして、第2部分31bは、一方側部分31のうちの径方向外側の部分であり、かつ、周方向の最大厚みが第1厚みt1よりも大きい第2厚みt2を有する部分である。なお、「第1厚みt1」とは、ティース12の側面12aから後述する第1傾斜部42の頂部42c(図5参照)までの厚みで、かつ、軸方向から見て、最も厚みが大きい部分(径方向の位置P2近傍部分)の厚みを意味するものとする。また、「第2厚みt2」とは、ティース12の側面12aから後述する第2傾斜部43の頂部43c(図6参照)までの厚みで、かつ、軸方向から見て、最も厚みが大きい部分(径方向の位置P1の部分)の厚みを意味するものとする。
図4に示すように、開口部側部分33の径方向の厚みt4は、ヨーク部側部分34の径方向の厚みt5よりも大きい。また、開口部側部分33は、一方側部分31および他方側部分32と径方向の位置P3において接続されている。また、ヨーク部側部分34は、一方側部分31および他方側部分32と径方向の位置P1において接続されている。
次に、本実施形態のステータ100の製造方法について説明する。図9に、ステータ100の製造工程を説明するためのフローチャートを示す。
本実施形態の構造では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態の製造方法では、以下のような効果を得ることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、ティースの径方向内側の先端部に周方向に突出する凸部を設けないステータコアの例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図16に示す第1変形例のステータ300のように、ステータコア310のティース312には、ティース312の径方向内側の先端部に周方向に突出する凸部312aが設けられている。すなわち、ステータコア310では、ハンマー型のティース312により、セミオープン型のスロット313が形成されている。
また、上記実施形態では、第1傾斜部および第2傾斜部が、軸方向外側の両側の端面からスロットの軸方向中心に向かって周方向の厚みが大きくなるように、軸方向に対して傾斜するように形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図17に示す第2変形例のステータ400のように、樹脂部430の傾斜部431は、軸方向一方側(Z1方向側)の端面10aから軸方向他方側(Z2方向側)の端面10bに向かって周方向の厚みが大きくなるように、軸方向に対して傾斜するように形成されている。この場合、ステータ400の製造工程では、1つのスロット13に対して単一の型部材510がZ2方向に移動されることにより、型部材510がスロット13に配置され、樹脂部430を形成する工程の後、単一の型部材510がZ1方向に移動されることにより、型部材510がスロット13から抜き取られる。
また、上記実施形態では、コイル部を複数の略正方形状の平角導線により形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図18に示す第3変形例のコイル部520aのように、コイル部520aが長方形状を有するように形成されていてもよい。
また、上記実施形態では、第1部分に第1傾斜部を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図19に示す第4変形例のステータ600のように、第2部分の抜き勾配(傾斜角度)が型部材を引き抜くために十分な大きさである場合、第1部分630に第1傾斜部を設けずに、第1部分630を絶縁部41のみから構成してもよい。
また、上記実施形態では、ステータおよびステータの製造方法に、本発明を適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ロータおよびロータの製造方法に、本発明を適用してもよい。
11 バックヨーク部(ヨーク部) 12、312 ティース
12a 側面(ティースのスロット側の側面) 13、313 スロット
13a 開口部(スロットの開口部、スロットのうちの径方向内側の部分)
20、520a コイル部 20a 平角導線
30、330、430 樹脂部
31a、31b、630 第1部分 31b、32b 第2部分
33 開口部側部分 34 ヨーク部側部分
100、300、400、600 ステータ 210 一方型部材(型部材)
212、214、215、222、224、225 面(周方向の面)
220 他方型部材(型部材) 510 型部材
Claims (10)
- 環状のヨーク部と、前記ヨーク部から径方向内側に延びる複数のティースとを含み、周方向に隣り合う前記複数のティースの間にスロットが形成されている電機子コアと、
前記スロットに配置されているコイル部と、
前記ティースの前記スロット側の側面と前記コイル部との間に設けられているとともに、絶縁性の樹脂により形成されている樹脂部とを備え、
前記スロットのうちの前記径方向外側の部分の周方向の幅は、前記スロットのうちの前記径方向内側の部分の周方向の幅よりも大きく、
前記樹脂部は、前記樹脂部のうちの前記径方向内側の部分であり、かつ、周方向の最大厚みが第1厚みを有し、かつ、前記コイル部側の面が前記電機子コアの軸方向に対して傾斜する第1部分と、前記樹脂部のうちの径方向外側の部分であり、かつ、周方向の最大厚みが前記第1厚みよりも大きい第2厚みを有し、かつ、前記コイル部側の面が前記電機子コアの軸方向に対して傾斜する第2部分とを含み、
前記第2部分の前記電機子コアの軸方向に対する傾斜角度は、前記第1部分の前記電機子コアの軸方向に対する傾斜角度よりも大きい、電機子。 - 前記ティースのうちの前記第1部分と周方向に隣接する部分の周方向の幅と、前記ティースのうちの前記第2部分と周方向に隣接する部分の周方向の幅とは、等しい、請求項1に記載の電機子。
- 前記ティースは、前記樹脂部と周方向に隣接する部分の全域において、前記ティースの周方向の幅が一定になるように形成されている、請求項2に記載の電機子。
- 前記スロットは、前記スロットのうちの前記径方向外側の部分の周方向の幅が前記径方向内側から前記径方向外側に向かって徐々に大きくなるように形成されており、
前記第2部分は、前記第2厚みが前記径方向外側に向かって徐々に大きくなるように形成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の電機子。 - 前記コイル部は、複数の平角導線により形成されており、
前記複数の平角導線は、前記複数のスロット内に径方向に並んで配置されており、
前記第2部分は、前記複数の平角導線のうちの最も前記径方向外側の前記平角導線と前記側面との周方向の間に形成された前記樹脂部の部分を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の電機子。 - 前記第2部分の前記傾斜角度は、前記径方向外側に向かって徐々に大きくなるように形成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の電機子。
- 前記スロットには、前記径方向内側に開口する開口部が設けられており、
前記樹脂部は、前記第1部分および前記第2部分に加えて、最も前記径方向内側に配置されている前記コイル部よりも前記開口部側に設けられ、前記電機子コアの軸方向に対して傾斜する開口部側部分と、前記ヨーク部と前記コイル部との径方向の間に設けられ、前記電機子コアの軸方向に対して傾斜するヨーク部側部分とをさらに含み、
前記開口部側部分の前記電機子コアの軸方向に対する傾斜角度は、前記ヨーク部側部分の前記電機子コアの軸方向に対する傾斜角度よりも大きい、請求項1~6のいずれか1項に記載の電機子。 - 前記第2部分は、前記電機子コアの軸方向外側の両端面から前記スロットの軸方向内側に向かって周方向の厚みが大きくなるように、前記電機子コアの軸方向に対して傾斜するように形成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の電機子。
- 前記第2部分は、前記電機子コアの軸方向外側の両端面から前記スロットの軸方向の中央部に向かって周方向の厚みが大きくなるように、前記電機子コアの軸方向に対して傾斜するように形成されている、請求項8に記載の電機子。
- 環状のヨーク部と、前記ヨーク部から径方向内側に延びる複数のティースとを含み、周方向に隣り合う前記複数のティースの間にスロットが形成されている電機子コアと、前記スロットに配置されているコイル部とを備える、電機子の製造方法であって、
前記スロットのうちの前記径方向外側の部分の周方向の幅が、前記スロットのうちの前記径方向内側の部分の周方向の幅よりも大きい前記電機子コアを準備する工程と、
前記電機子コアを準備する工程の後、前記コイル部が配置される位置、および、前記ティースの前記スロット側の側面と前記コイル部が配置される位置との間に、周方向の面の少なくとも一部が前記電機子コアの軸方向に対して傾斜する型部材を配置する工程と、
前記型部材を配置する工程の後、前記型部材と前記ティースの前記スロット側の側面との間の充填空間に絶縁性の樹脂を充填することにより、前記樹脂部のうちの前記径方向内側の部分である第1部分と前記樹脂部のうちの径方向外側の部分である第2部分とを含む、樹脂部を形成する工程と、
前記樹脂部を形成する工程の後、前記型部材を前記スロットから軸方向に移動させて、前記型部材を抜き取る工程とを備え、
前記型部材を配置する工程は、前記型部材の周方向の面のうちの前記樹脂部の前記第2部分に対応する部分の前記電機子コアの軸方向に対する傾斜角度が、前記型部材の周方向の面のうちの前記樹脂部の前記第1部分に対応する部分の前記電機子コアの軸方向に対する傾斜角度よりも大きくなるように、型部材を配置する工程であり、
前記樹脂部を形成する工程は、前記スロット内側の面が前記電機子コアの軸方向に対して傾斜するように前記第1部分および前記第2部分を形成するとともに、前記第2部分の周方向の最大厚みである第2厚みが、前記第1部分の周方向の最大厚みである第1厚みよりも大きくなるように、かつ、前記第2部分の前記電機子コアの軸方向に対する傾斜角度が、前記第1部分の前記電機子コアの軸方向に対する傾斜角度よりも大きくなるように、前記樹脂部を形成する工程である、電機子の製造方法。
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