JP7139613B2 - 開瞼装置 - Google Patents
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Description
特許文献2には、眼瞼を囲繞し顔面に接して装着される可撓性を有する上リングを備えた開瞼器が開示されている。
特許文献3には、ノ-ズパッド本体から下眼瞼方向を指向した弾性を有するア-ムを備えた構成が開示されている。
本発明の目的は、瞼が閉じることを規制するための部材が被験者の顔面の形状に倣いにくい場合に比べ、瞼が閉じることを規制する部材と瞼との間に隙間が生じることを起きにくくすることにある。
請求項2に記載の発明は、前記接触部材自体に、曲げ剛性が前記低剛性部よりも大きい高剛性部が設けられており、前記接触部材が被験者に対して固定された状態にて、前記高剛性部は、当該被験者の瞼の長手方向における中央部よりも当該被験者の目頭側に位置する請求項1に記載の開瞼装置である。
請求項3に記載の発明は、被験者に対して固定されて当該被験者の眼球の目頭側から目尻側にかけて配置されるとともに、当該眼球を覆う瞼を含む当該被験者の顔面に押し当てられて当該顔面から離れる方向に向かって凸となる接触部材であって、当該瞼に対向配置され当該瞼に接触する接触面と、当該接触面とは反対側に位置する反対面とを備えるとともに、当該瞼のうちの目頭側に位置する部分の対向位置に配置される目頭側部分および当該瞼のうちの目尻側に位置する部分の対向位置に配置される目尻側部分を備える接触部材と、前記接触部材を前記被験者に固定するための固定用部材と、前記接触部材よりも剛性を有する材料により構成され、当該接触部材の前記目頭側部分を支持する支持部材であって、当該接触部材の前記反対面の対向位置に配置され、当該目頭側部分を挟み、前記被験者の顔面が位置する側とは反対側から、当該目頭側部分を支持する支持部材と、を備える開瞼装置である。
請求項4に記載の発明は、前記固定用部材は、前記支持部材に接続され、当該支持部材を介し前記接触部材に接続されている請求項3に記載の開瞼装置である。
請求項5に記載の発明は、前記支持部材の一部が、前記被験者の顔面から離れる方向に向かって突出し、前記被験者の顔面から離れる方向に向かって突出する、前記支持部材の前記一部に、前記固定用部材が接続されている請求項4に記載の開瞼装置である。
図1(A)、(B)は、本実施形態の開瞼装置1を説明する図である。
図1(A)は、瞼に接触する側から開瞼装置1を眺めた場合の図であり、図1(B)は、図1(A)とは反対側から開瞼装置1を眺めた場合の図である。
言い換えると、図1(A)は、被験者に対向配置される側から開瞼装置1を眺めた場合の図であり、図1(B)は、図1(A)とは反対側から開瞼装置1を眺めた場合の図である。
また、瞼接触部材100には、被験者の眼球を覆う上瞼および下瞼の一方の瞼側に配置される第1部位111と、他方の瞼側に配置される第2部位112とが設けられている。
第1部位111および第2部位112の各々は、開瞼装置1が被験者に取り付けられると、被験者の眼球の目頭側から目尻側にかけて配置される。
第2部位112は、他方の瞼に接触して(他方の瞼に押し当てられ)、この他方の瞼が閉じることを規制する。
この場合、第1部位111は上瞼に接触し、第2部位112は下瞼に接触する。なお、本実施形態の開瞼装置1は、左目にも用いることができ、この場合、第1部位111が下瞼に接触し、第2部位112が上瞼に接触する。
第1部位111および第2部位112の各々は、目頭側端部118および目尻側端部119を有する。第1部位111および第2部位112の各々は、長手方向における一部(中央部)が、被験者の瞼に接触配置される。
目頭側部分113Mは、開瞼装置1が被験者に対して固定された場合に、被験者の目頭側に配置される。目頭側部分113Mは、中央部分113Cに接続して配置されるとともにこの中央部分113Cよりも被験者の目頭側に配置される。
中央部分113Cは、目頭側部分113Mと目尻側部分113Jとの間に配置され、開瞼装置1が被験者に対して固定された場合に、被験者の瞼の対向位置に配置される。
また、本実施形態の目尻側部分113Jは、弾性変形部として捉えることができ、開瞼装置1が被験者に装着されると、この目尻側部分113Jは弾性変形する(詳細は後述)。
本実施形態の開瞼装置1では、瞼接触部材100の目頭側端部118から目尻側端部119に至る領域の全てに支持部材200が配置されておらず、この領域内に、支持部材200が配置されていない箇所が存在する。
より具体的には、第1部位111および第2部位112の各々は、目頭側端部118および目尻側端部119を有するが、第1部位111および第2部位112の各々では、目頭側端部118から目尻側端部119に至る領域の全域に、支持部材200は設けられておらず、一部の領域に、支持部材200は設けられている。
言い換えると、支持部材200は、瞼接触部材100の目頭側端部118側に設けられている。
なお、支持部材200は、中央部分113Cまで延ばして設けてもよい。言い換えると、支持部材200は、目頭側部分113Mから中央部分113Cにかけて設けてもよい。
本実施形態では、開瞼装置1が被験者に取り付けられると、この支持部材200のうち目頭側部分113Mから突出している部分(図1(B)にて符号210で示す部分)は、瞼接触部材100よりも、被験者の顔面から離れた側に位置する。
鼻側ゴム紐310は、環状に形成されている。また、鼻側ゴム紐310は、支持部材200に取り付けられている。鼻側ゴム紐310は、開瞼装置1が被験者に取り付けられた際には、被験者の鼻側に位置する。
言い換えると、鼻側ゴム紐310は、測定装置(不図示)(眼球に関する測定を行う測定装置)による測定の対象となる眼球が位置する側とは反対側に位置する耳に対して取り付けられる。
さらに、この鼻側ゴム紐310は、支持部材200を、被験者の鼻側(被験者の目頭側)へ引っ張る。
言い換えると、耳側ゴム紐320は、測定対象となる眼球と同じ側に位置する耳に対して取り付けられる。耳側ゴム紐320は、瞼接触部材100の目尻側端部119に対して固定され、この目尻側端部119を、被験者の耳側(被験者の目尻側)へ引っ張る。
本実施形態では、この突出する部分に対して、鼻側ゴム紐310が取り付けられている。さらに、本実施形態では、支持部材200の一部が突出した結果、この一部と、瞼接触部材100との間に間隙1Bが設けられている。
なお、本明細書では、以下、支持部材200の突出した上記一部を、目頭側突出部210と称する。
被験者に対して開瞼装置1が取り付けられると、被験者の眼球(右目の眼球)の周囲に位置する部分に対して、瞼接触部材100が押し当てられる。
具体的には、上瞼に対して、瞼接触部材100の第1部位111が押し当てられ、下瞼に対して、瞼接触部材100の第2部位112が押し当てられる。これにより、上瞼および下瞼が閉じることが抑えられる。
図3(A)に示すように、本実施形態の開瞼装置1を被験者に取り付けると、被験者の左耳に対して、鼻側ゴム紐310が引っ掛けられ、被験者の右耳に対して耳側ゴム紐320が引っ掛けられる。さらに、上記のとおり、被験者の右目の上瞼および下瞼に対して瞼接触部材100が押し当てられる。
また、瞼接触部材100の目尻側端部119に対して、耳側ゴム紐320が取り付けられており、この目尻側端部119には、瞼接触部材100を右耳側へ引っ張る引っ張り力が作用する。
これにより、第1部位111、第2部位112の各々が有する目頭側部分113Mが、瞼(上瞼、下瞼)に対して押し当てられるようになる。言い換えると、目頭側部分113Mが、瞼に向けて付勢される。
本実施形態では、ゴム紐300から瞼接触部材100、支持部材200に作用する張力を利用して、回転モーメントを、瞼接触部材100、支持部材200に生じさせ、瞼接触部材100の目頭側部分113Mを瞼に向けて付勢する。
これにより、目頭側突出部210の根本部分あたりを中心に、瞼接触部材100、支持部材200が反時計回り方向に回転しようとする。そして、この回転により、瞼接触部材100の目頭側部分113Mが、瞼に向けて付勢される。
ここで、本実施形態では、鼻側ゴム紐310、目頭側突出部210等は、付勢手段として捉えることができ、この付勢手段によって、瞼接触部材100のうちの目頭側に配置される部分(目頭側部分113M)が、瞼に向けて付勢される。
この比較例では、目頭側突出部210が設けられていない。この場合、図3(B)に示すように、開瞼装置1は、一般的な眼帯と同様の形状を有する。この場合、瞼接触部材100のうちの目頭側に配置される部分が、被験者の瞼から浮きやすい。
具体的には、人間の顔は、目頭の部分が窪んでおり、さらに、鼻が設けられている部分では、顔面の一部が突出している。この場合、瞼接触部材100のうちの目頭側に近い部分が、瞼から浮きやすい。
これに対し、本実施形態では、目頭側でも、瞼接触部材100が瞼に対して押し当たりやすくなり、開瞼状態が維持されやすくなる。
より具体的には、本実施形態の瞼接触部材100には、曲げ剛性が、瞼接触部材100の他の部分よりも低い低剛性部が設けられている。そして、本実施形態では、この低剛性部にて瞼接触部材100が曲がり、上記のとおり、顔面から離れる方向に向かって瞼接触部材100が凸となる。
これにより、この中央部分113Cおよび目尻側部分113Jで、瞼接触部材100が曲がり、瞼接触部材100が、顔面から離れる方向に向かって凸となる。
付言すると、本実施形態では、瞼接触部材100には、支持部材200により支持されていない箇所が設けられ、この支持されていない箇所にて瞼接触部材100が曲がり、瞼接触部材100が、顔面から離れる方向に向かって凸となる。
より具体的には、中央部分113Cは、被験者の瞼の形状に倣って凸となるように弾性変形し、目尻側部分113Jは、被験者の頭骨の形状に倣って凸となるように弾性変形する。
また、目尻側部分113Jのみに低剛性部を設ける場合は、この目尻側部分113Jにて、瞼接触部材100が曲がり、顔面から離れる方向に向かって瞼接触部材100が凸となる。
これに対し、本実施形態のように、瞼接触部材100の一部の剛性が小さいと、瞼接触部材100が、被験者の顔面の形状に倣いやすくなり、瞼接触部材100と被験者の瞼との間に隙間が生じにくくなる。
本実施形態では、上記のとおり、回転モーメントを発生させて、目頭側部分113Mを被験者の瞼に付勢しているが、目頭側部分113Mの剛性が低いと、目頭側部分113Mが変形しやすく、目頭側部分113Mが瞼に対して付勢されにくくなる。
このため、本実施形態では、目頭側部分113Mについては、支持部材200により支持し、中央部分113C、目尻側部分113Jに比べ、曲げ剛性を大きくしている。
この構成例では、支持部材200が、樹脂の成形品により構成されている。さらに、この支持部材200は、図中矢印4Aで示す方向から眺めた場合の形状がU字となるように形成されている。
また、この支持部材200は、瞼接触部材100の目頭側部分113Mから中央部分113Cにかけて設けられている。さらに、この支持部材200は、瞼接触部材100の目頭側部分113Mが設けられている箇所から中央部分113Cが設けられている箇所に向かうに従い、厚みが次第に小さくなる。
瞼接触部材100は、上記と同様、第1部位111および第2部位112を備える。第1部位111および第2部位112の各々には、上記と同様、目頭側部分113M、中央部分113C、目尻側部分113Jが設けられている。
さらに、開瞼装置1が被験者に対して固定されると、シート状に形成された瞼接触部材100は、一方の面が被験者の顔面に対向するように配置される。
さらに、この構成例では、瞼接触部材100の目尻側部分113Jが、低剛性部となっており、開瞼装置1が被験者に対して固定されると、この目尻側部分113Jが設けられている箇所にて、瞼接触部材100が弾性変形する。
これにより、本実施形態では、上記と同様、被験者の顔面から離れる方向に向かって瞼接触部材100が凸となる。
ここで、本実施形態では、瞼接触部材100は、シート状に形成されており、瞼接触部材100がシート状に形成されていない場合に比べ、瞼接触部材100は変形しやすくなる。そして、この場合、被験者の顔面の形状に瞼接触部材100が倣いやすくなる。
言い換えると、この構成例では、規制部4Eの曲げ剛性の方が、弾性変形部4Fの曲げ剛性よりも大きくなっている。さらに説明すると、本実施形態では、規制部4Eの肉厚の方が、弾性変形部4Fの肉厚よりも大きくなっている。
これにより、本実施形態では、規制部4Eの方が、弾性変形部4Fよりも変形しにくく、規制部4Eの方が、弾性変形部4Fに比べ、被験者の顔面から離れる方向に向かって凸となりにくくなる。
これに対し、規制部4Eの方が、弾性変形部4Fよりも、被験者の顔面から離れる方向に向かって凸となりにくいと、瞼を抑えるための荷重が瞼に伝わりやすくなり、瞼が閉じにくくなる。
ここで、図3(A)等にて示した構成例では、目頭側突出部210を設けることで、鼻側引っ張り力作用箇所90Nを、被験者の顔面から離した。
このように、鼻側引っ張り力作用箇所90Nを、被験者の顔面から離すと(瞼接触部材100の目頭側部分113Mよりも被験者の顔面から離れた側に位置させると)、上記と同様、支持部材200に回転モーメントが作用する。これにより、上記と同様、目頭側部分113Mが、被験者の瞼に付勢され、目頭側部分113Mが、被験者の瞼から浮きにくくなる。
ところで、瞼接触部材100の部分的な剛性の低下は、支持部材200を利用しないで行ってもよい。付言すると、支持部材200に相当する部材が設けられていない場合であっても、瞼接触部材100の材質や形状等を工夫することで、瞼接触部材100の部分的な曲げ剛性の低下を行える。
より具体的には、例えば、瞼接触部材100の中央部分113Cおよび目尻側部分113Jの肉厚を、目頭側部分113Mの肉厚よりも小さくすることで、瞼接触部材100の部分的な剛性の低下を行える。
また、例えば、中央部分113Cの肉厚を、目頭側部分113Mの肉厚および目尻側部分113Jの肉厚よりも小さくすることで、瞼接触部材100の部分的な剛性の低下を行える。
例えば、2色成形により瞼接触部材100を形成するとともに、目頭側部分113Mを硬質の材料で形成し、中央部分113Cおよび目尻側部分113Jを軟質の材料により形成することで、瞼接触部材100の部分的な剛性の低下を行える。
また、例えば、2色成形により瞼接触部材100を形成するとともに、目頭側部分113Mおよび目尻側部分113Jを硬質の材料で形成し、中央部分113Cを軟質の材料により形成することで、瞼接触部材100の部分的な剛性の低下を行える。
なお、剛性を次第に低下させる方法としては、例えば、目頭側部分113Mから目尻側部分113Jに向かうに従い、瞼接触部材100の肉厚を次第に小さくする。また、例えば、瞼接触部材100を構成する材料の組成を、目頭側部分113Mから目尻側部分113Jに向かうに従い変化させる。
図6に示すように、この構成例でも、被験者の瞼に配置される瞼接触部材100が設けられている。この瞼接触部材100は、環状に形成されている(外周縁が楕円状となるように形成されている)。なお、図6、図7にて示すこの構成例では、図1等にて示した支持部材200は設けられていない。
第1規制部111は、被験者の上瞼および下瞼のうちの一方の瞼に接触して、この一方の瞼が閉じることを規制する。第2規制部112は、他方の瞼に接触して、この他方の瞼が閉じることを規制する。
さらに、この構成例では、図6に示すように、第1規制部111(第1接触部材の一例)と第2規制部112(第2接触部材の一例)との離間距離L1が、19.0mm以上34.0mm以下となっている。
より具体的には、第1規制部111と第2規制部112との離間距離L1とは、鼻側引っ張り用部材370(詳細は後述)の延び方向(図中、破線10Dで示す方向)と直交する方向における、縁部111Aと縁部112Aとの離間距離であって、この離間距離が最大となる部分における離間距離を指す。
言い換えると、本実施形態では、被験者の眼球(測定対象となる眼球)を挟み鼻側とは反対側へ、瞼接触部材100を引っ張る耳側引っ張り用部材380が設けられている。
耳側引っ張り用部材380は、被験者の眼球を挟み鼻側とは反対側に向かって延びるように配置され、本実施形態では、耳側引っ張り用部材380により、鼻側とは反対側へ、瞼接触部材100(規制部110)が引っ張られる。
本実施形態では、この突出部500の各々の突出方向における先端部に対して、鼻側引っ張り用部材370が取り付けられており、本実施形態では、瞼接触部材100を被験者の鼻側へ引っ張るための引っ張り力を、この突出部500の各々が受ける。
より具体的には、本実施形態では、突出部500の各々の先端部に対して、鼻側引っ張り用部材370の端部が固定されており、突出部500の各々は、自身の先端部にて、鼻側引っ張り用部材370からの引っ張り力を受ける。
また、本実施形態の開瞼装置1は、一部品により構成され、瞼接触部材100、鼻側引っ張り用部材370、耳側引っ張り用部材380、および、突出部500は、一体となって形成されている。
また、突出部500は、瞼接触部材100、鼻側引っ張り用部材370、および耳側引っ張り用部材380よりも厚みが厚い部分を有し、剛性が高い。付言すると、突出部500は、回転モーメントによって、規制部110を瞼に対して押し当てるのに必要な剛性を有している。一方、瞼接触部材100、鼻側引っ張り用部材370、および耳側引っ張り用部材380は、開瞼装置1が装着された場合に、被験者の顔の形状に沿いやすいような柔軟性を有している。
また、瞼接触部材100の第1規制部111および第2規制部112はゴム材料などの弾性を有する材料により構成されているため、開瞼装置1が装着された状態で、第1規制部111および第2規制部112の位置(第1規制部111と第2規制部112との離間距離L1等)の調整が可能となっている。すなわち、開瞼装置1が装着された状態で、より好ましい位置に第1規制部111又は第2規制部112を微調整できるようになっている。
これにより、本実施形態では、図7に示すように、回転軸11Aを中心に瞼接触部材100を回転させる回転モーメントMが、瞼接触部材100に作用する。
付言すると、被験者の眼球を覆う下瞼側から上瞼側に向かう方向に沿う回転軸11Aを中心に瞼接触部材100を回転させる回転モーメントMが瞼接触部材100に作用する。
より具体的には、瞼接触部材100のうちの目頭側に位置する部分を被験者の顔面に近づけ、瞼接触部材100のうちの目尻側に位置する部分を被験者の顔面から離そうとする回転モーメントMが瞼接触部材100に作用する。
言い換えると、本実施形態では、第1突出部510、第2突出部520の各々に設けられた引っ張り力受け部530が、被験者の一方の目の目頭と他方の目の目頭とを通る直線11B上から外れた箇所に位置する。
より具体的には、第1突出部510が、直線11Bよりも図中上方側(被験者の額側)に位置し、第2突出部520が、直線11Bよりも図中下方側(被験者の頬側)に位置する。
言い換えると、本実施形態では、被験者の下瞼側から上瞼側に向かう方向(図中、矢印11Cで示す方向)(以下、「上下方向」と称する)において、第1突出部510と第2突出部520は、互いにずらされて配置されている。
より具体的には、本実施形態では、被験者の顔面に対する法線と交差する方向に沿って進行する光であって、上下方向と交差する方向(図7にて符号11Dで示す方向)(以下、「交差方向」と称する)に沿って進行する光を通すための光通過部590が設けられている。
付言すると、本実施形態では、第1突出部510と第2突出部520は、互いに離間した状態で配置され、第1突出部510と第2突出部520との間には、光を通すための間隙が設けられている。
なお、光通過部590は、第1突出部510と第2突出部520とを互いに離し両者の間に間隙を設けることで形成してもよいし、その他に、例えば、切り欠きや貫通孔を形成することで形成してもよい。また、その他に、例えば、光が進行していく経路上の部材を、透明な材料で構成することで、光通過部590を形成してもよい。
ここで、第1突出部510と第2突出部520との離間距離L3とは、第1突出部510と第2突出部520との離間距離のうちの、第1突出部510と第2突出部520とが最も接近している部分における離間距離を指す。
これに対し、第1突出部510と第2突出部520との離間距離L3を、14mm以上とすると、角膜についての測定時における光路上に、第1突出部510や第2突出部520が位置しにくくなる。
人間の頭蓋骨には、眼球の収まる、頭蓋骨のくぼみである眼窩950が存在する。
本実施形態では、第1規制部111および第2規制部112は、上瞼(図8では不図示)、下瞼のいずれかに押し当てられるとともに、図8に示すように、被験者の頭蓋骨のうちの、眼窩950の周囲に位置する縁部分960に押し当てられる。
離間距離L1を、19.0mm以上~34.0mm以下とすると、第1規制部111および第2規制部112の一方の規制部が、一方の縁部分960(眉毛側又は頬側の一方の縁部分)に押し当てられ、また、他方の規制部が、他方の縁部分960に押し当てられる可能性が高くなる。
また、第1規制部111と第2規制部112との離間距離L1を、34.0mmよりも大きくすると、瞼から離れた位置に、第1規制部111と第2規制部112の一方又は両方が、位置しやすくなり、開瞼機能が低下しやすくなる。
本実施形態では、図9に示すように、第1突出部510、第2突出部520の各々に設けられた引っ張り力受け部530は、規制部110から離れた箇所に配置されている。
さらに、本実施形態では、引っ張り力受け部530と、規制部110のうちの被験者の顔面に接触する接触部分110Aとの離間距離L7が、8mm以上となっている。
ここで、引っ張り力受け部530と接触部分110Aとの離間距離L7とは、開瞼装置1が被験者に装着されていない場合における(開瞼装置1が自然状態にある場合における)、引っ張り力受け部530と接触部分110Aとの離間距離を指す。
より具体的には、引っ張り力受け部530と接触部分110Aとの離間距離L7とは、引っ張り力受け部530を通る直線13Aであって、接触部分110Aを通る平面13Cと直交する直線13A上における、引っ張り力受け部530と接触部分110Aとの離間距離を指す。
ここで、図10では、A、B、C、Dの順に、評価結果が良いことを示している。付言すると、Dに近いほど、評価結果が良いことを示している。
また、装着感とは、ユーザが開瞼装置1を装着したときの被験者の感覚である。より具体的には、装着感とは、開瞼装置1が被験者に取り付けられたときの、被験者の痛みの感じにくさをいい、装着感が良いとは、被験者が痛みを感じにくい状態をさす。
付言すると、本実施形態では、離間距離L7が8mm未満の場合も、開瞼機能が得られ、また、装着感も一応良好なものが得られるが、離間距離L7が8mm以上となると、この開瞼機能がさらに向上した。
ここで、本実施形態では、離間距離L7が大きくなると、瞼接触部材100がより強く瞼に押し当てられ開瞼機能が向上する。また、離間距離L7が大きくなると、鼻への鼻側引っ張り用部材370の押し付け力が小さくなり、被験者の装着感が向上する。
様々な実験を行った結果、離間距離L7を、24mmよりも大きくすると、眼球に関する測定を行う測定装置と、開瞼装置1の干渉が起こりやすくなることが判明した。24mm以下とすると、この干渉が起きにくくなる。
本実施形態では、鼻側部372に、この鼻側部372の長手方向に沿った間隙(溝)372Aが形成されている。付言すると、鼻側部372では、鼻側引っ張り用部材370が分岐しており、第1分岐部372Bおよび第2分岐部372Cが設けられている。この第1分岐部372Bと第2分岐部372Cとの間に、間隙372Aが設けられている。
これにより、本実施形態では、測定対象ではない方の目の視線が、鼻側引っ張り用部材370により遮られることが抑制される。
なお、本実施形態では、図6に示すように、耳側引っ張り用部材380についても、シート状(帯状)となっており、耳側引っ張り用部材380側でも、開瞼装置1が被験者に対してより安定的に固定される。
本実施形態では、被験者の後頭部にて、被引っ掛け部374に対して引っ掛け部375が引っ掛けられることで、鼻側引っ張り用部材370と耳側引っ張り用部材380とが相互に固定され、開瞼装置1が被験者に固定される。
これにより、本実施形態では、瞼接触部材100のうちの目尻側に配置される部分が変形しやすくなり、この目尻側に配置される部分が、被験者の瞼に対して密着しやすくなる。そして、この場合、瞼接触部材100と瞼との間に隙間が生じにくくなる。
ここで、例えば、突出部500が、図1(B)にて示した中央部分113Cや目尻側部分113Jに相当する箇所から突出していると、この突出部500に起因して、中央部分113Cや目尻側部分113Jの柔軟性が低下してしまう。この場合、中央部分113Cや目尻側部分113Jは、変形しにくくなり、瞼への密着度合いが低下してしまう。
但し、これに限らず、瞼接触部材100、突出部500、鼻側引っ張り用部材370、耳側引っ張り用部材380の一部又は全部を別部品として、これらの部品を連結して開瞼装置1を構成するようにしてもよい。
すなわち、開瞼装置1を被験者に固定するための部材としては、瞼が閉じることを規制するよう瞼接触部材100を機能させることができる部材であれば、形状や材質は問わない。
Claims (5)
- 被験者に対して固定されて当該被験者の眼球の目頭側から目尻側にかけて配置されるとともに、当該眼球を覆う瞼を含む当該被験者の顔面に押し当てられて当該顔面から離れる方向に向かって凸となる接触部材と、
前記接触部材を前記被験者に固定するための固定用部材と、
を備え、
前記接触部材には、厚みが互いに異なる部分が設けられ、当該接触部材自体に、曲げ剛性が当該接触部材の他の部分よりも低い低剛性部が設けられ、当該接触部材が被験者に対して固定された状態にて、当該低剛性部にて当該接触部材が曲がり、前記離れる方向に向かって当該接触部材が凸となり、
前記接触部材が被験者に対して固定された状態にて、前記低剛性部は、前記被験者の瞼の長手方向における中央部よりも当該被験者の目尻側に位置し、又は、当該中央部から目尻側にかけて位置する開瞼装置。 - 前記接触部材自体に、曲げ剛性が前記低剛性部よりも大きい高剛性部が設けられており、
前記接触部材が被験者に対して固定された状態にて、前記高剛性部は、当該被験者の瞼の長手方向における中央部よりも当該被験者の目頭側に位置する請求項1に記載の開瞼装置。 - 被験者に対して固定されて当該被験者の眼球の目頭側から目尻側にかけて配置されるとともに、当該眼球を覆う瞼を含む当該被験者の顔面に押し当てられて当該顔面から離れる方向に向かって凸となる接触部材であって、当該瞼に対向配置され当該瞼に接触する接触面と、当該接触面とは反対側に位置する反対面とを備えるとともに、当該瞼のうちの目頭側に位置する部分の対向位置に配置される目頭側部分および当該瞼のうちの目尻側に位置する部分の対向位置に配置される目尻側部分を備える接触部材と、
前記接触部材を前記被験者に固定するための固定用部材と、
前記接触部材よりも剛性を有する材料により構成され、当該接触部材の前記目頭側部分を支持する支持部材であって、当該接触部材の前記反対面の対向位置に配置され、当該目頭側部分を挟み、前記被験者の顔面が位置する側とは反対側から、当該目頭側部分を支持する支持部材と、
を備える開瞼装置。 - 前記固定用部材は、前記支持部材に接続され、当該支持部材を介し前記接触部材に接続されている請求項3に記載の開瞼装置。
- 前記支持部材の一部が、前記被験者の顔面から離れる方向に向かって突出し、
前記被験者の顔面から離れる方向に向かって突出する、前記支持部材の前記一部に、前記固定用部材が接続されている請求項4に記載の開瞼装置。
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