以下、図面を参照して、本技術を適用した実施の形態について説明する。
〈第1の実施の形態〉
〈自動車保険システムの構成例〉
本技術は、ユーザの健康状態に関する時系列情報と、ユーザの車両への乗車に関する情報とに基づいて、自動車保険等の車両に関するサービスに対してユーザが負担するより適切な対価を求めることができるようにしたものである。
なお、車両に関するサービスは、自動車保険や、タクシーなどの運送サービス、バスや電車などの交通機関の利用に関するサービス、車両乗車時のコンテンツ視聴などのサービス等、車両への乗車に関するサービスであればどのようなものであってもよいが、以下では具体的な例として、主に自動車保険について説明する。この場合、車両への乗車に関するサービスは自動車保険であり、サービスに対する対価は保険料となる。
例えば健康的な生活をしているユーザは、事故率が低いはずであるので、そのようなユーザを優遇して保険料の値引き額を大きく設定すれば、事故率の低いユーザの負担を軽減させることができる。
また、事故率の低いユーザを優遇することにより、事故率の低いユーザがより多く自動車保険に加入するようになるだけでなく、加入しているユーザ自身も、より値引き額を大きくするために、事故率増加に繋がる日常の行動を控えるようになる。そうすると、事故の発生を抑制することができるだけでなく、保険会社が支払う保険金を減らすことができる。
本技術では、ユーザの非運転時の行動情報や生体情報などから得られる、ユーザの健康状態を示す健康状態時系列データと、ユーザが運転しているか否かを示す運転判定情報とに基づいてユーザの安全運転度合いを算出し、その安全運転度合いに基づいて保険料を決定するようにした。このように、ユーザの自己申告ではない、非運転時の健康状態時系列データを用いることで、より高精度に適切な保険料を算出することができる。
それでは、以下、より具体的な実施の形態について説明する。
図1は、本技術を適用した自動車保険システムの一実施の形態の構成例を示す図である。
図1に示す自動車保険システムは、自動車保険の被保険者であるユーザが所持する端末装置11と、自動車保険サービスを提供する保険会社により管理される保険管理サーバ12とからなる。これらの端末装置11および保険管理サーバ12は、通信網13を介して相互に接続されている。
端末装置11は、例えばスマートフォンなどの携帯型端末装置や、ユーザの腕等に装着可能なウェアラブルデバイスなどからなる。
端末装置11は、ユーザの健康状態に関する時系列のデータ、つまり各時刻のデータである健康状態時系列データを取得するとともに、ユーザが車両を運転しているか否かを判定し、その判定結果を示す運転判定情報を生成する。
また、端末装置11は、ユーザが運転を開始したタイミングで、運転判定情報および健康状態時系列データを、通信網13を介して保険管理サーバ12に送信する。このとき、例えば端末装置11は、ユーザが運転を開始する直前までの所定時間範囲の健康状態時系列データ、具体的には、例えば直近の1日分の健康状態時系列データを保険管理サーバ12に送信する。
保険管理サーバ12は、端末装置11から送信されてきた健康状態時系列データおよび運転判定情報を受信し、健康状態時系列データに基づいて、ユーザの安全運転の度合いを示す安全運転度合いを算出する。
また、保険管理サーバ12は、安全運転度合いに基づいてユーザの保険料を算出して、算出した保険料に関する情報である保険料金額情報を生成する。このようにユーザが運転を開始する直前までの健康状態時系列データに基づいて保険料を算出することで、より高精度に、より適切な保険料を算出することができる。しかも、健康状態時系列データは、ユーザによる自己申告のデータではなく、端末装置11により取得されたものであるので、より信憑性の高いデータである。したがって、このような健康状態時系列データを用いることで、より適切な保険料を決定することができる。
さらに、保険管理サーバ12は、生成された保険料金額情報を、通信網13を介して端末装置11に送信する。端末装置11は、保険管理サーバ12から保険料金額情報を受信すると、その保険料金額情報を表示させる。これにより、ユーザは、自身の保険料等を確認することができる。
なお、ここでは保険管理サーバ12は、保険会社により管理されるサーバであると説明したが、保険会社により保険料の算出を委託された他の会社のサーバであってもよい。また、保険管理サーバ12は、自動車保険の被保険者に関する情報を管理するサーバであってもよいし、そのようなサーバと接続された他のサーバであってもよい。
〈端末装置の構成例〉
次に、図1に示した端末装置11および保険管理サーバ12のより具体的な構成例について説明する。
端末装置11は、例えば図2に示すように構成される。
端末装置11は、通信部41、運転情報取得部42、行動情報取得部43、生体情報取得部44、制御部45、入力部46、記録部47、および表示部48を有している。
通信部41は、制御部45から供給された情報を、通信網13を介して保険管理サーバ12に送信したり、通信網13を介して保険管理サーバ12から送信されてきた情報を受信して制御部45に供給したりする。
運転情報取得部42は、例えばGPS(Global Positioning System)に代表される衛星測位システム等の自身の位置を測定する位置測定部や、加速度センサなどからなり、ユーザによる車両の運転を判定するための運転情報を取得し、制御部45に供給する。
行動情報取得部43は、例えば衛星測位システム等の位置測定部や、加速度センサなどからなり、ユーザの行動状態を求めるための行動情報を取得し、制御部45に供給する。
なお、1つの位置測定部や加速度センサが、運転情報取得部42としても行動情報取得部43としても機能するようにしてもよいし、取得目的とする情報ごとに位置測定部や加速度センサが運転情報取得部42や行動情報取得部43として設けられてもよい。
生体情報取得部44は、例えばユーザの心拍数や血圧、呼吸数を測定するための生体センサや、血圧計などからなり、ユーザの血圧や心拍数、呼吸数など生体の状態を示す生体情報を取得し、制御部45に供給する。例えば生体センサは、ユーザの所定の部位に光を照射するとともに、その光が血管等のユーザ内部で反射して得られた反射光を受光し、反射光の受光量に基づいて血圧や心拍数などを生体情報として算出する。
制御部45は、端末装置11全体の動作を制御する。制御部45は、運転判定処理部51、時系列データ生成部52、および表示制御部53を有している。
運転判定処理部51は、運転情報取得部42から供給された運転情報に基づいて、ユーザが車両を運転しているか否か、すなわち運転を開始したか否かを判定し、その判定結果を示す運転判定情報を生成する。
時系列データ生成部52は、行動情報取得部43から供給された行動情報、および生体情報取得部44から供給された生体情報に基づいて健康状態時系列データを生成し、記録部47に記録させる。なお、健康状態時系列データは、行動情報および生体情報の少なくとも何れか一方が用いられて生成されればよい。
表示制御部53は、各種の情報や画像の表示部48への表示を制御する。
入力部46は、例えば表示部48に重畳して設けられたタッチパネルや、ボタン、スイッチなどからなり、ユーザの操作に応じた信号を制御部45に供給する。記録部47は、不揮発性の記録媒体からなり、制御部45から供給された各種の情報を記録するとともに、必要に応じて記録している情報を制御部45に供給する。
表示部48は、例えば液晶表示パネルなどからなり、表示制御部53の制御に従って各種の情報や画像を表示する。
〈保険管理サーバの構成例〉
また、保険管理サーバ12は、例えば図3に示すように構成される。
保険管理サーバ12は、通信部81、記録部82、および制御部83を有している。
通信部81は、制御部83から供給された情報を、通信網13を介して端末装置11に送信したり、通信網13を介して端末装置11から送信されてきた情報を受信して制御部83に供給したりする。
記録部82は、例えば不揮発性の記録媒体からなり、自動車保険の被保険者である各ユーザの登録に関する情報や、保険料の算出に用いる情報、健康状態時系列データなどの各種の情報を記録している。また、記録部82は、記録している情報を必要に応じて制御部83に供給する。
制御部83は、保険管理サーバ12全体の動作を制御する。制御部83は、保険料算出部91を有している。保険料算出部91は、健康状態時系列データや記録部82に記録されている情報に基づいて、安全運転度合いや保険料を算出するとともに、保険料金額情報を生成する。
〈運転判定情報送信処理および保険料算出処理の説明〉
続いて、端末装置11および保険管理サーバ12の動作について説明する。すなわち、図4のフローチャートを参照して、端末装置11による運転判定情報送信処理、および保険管理サーバ12による保険料算出処理について説明する。
ステップS11において、端末装置11の運転判定処理部51は、運転情報取得部42から供給された運転情報に基づいて、運転判定処理を行う。この運転判定処理は、例えば一定周期ごとに行われる。
具体的には、運転情報取得部42から制御部45には、一定周期ごとに運転情報が供給される。例えば運転情報として、加速度センサにより計測された各時刻の加速度が供給される場合、運転判定処理部51は、予め記録している運転辞書と、運転情報として供給された加速度とに基づいて、端末装置11を所持しているユーザが運転を行っているか否かを判定する。
この場合、運転判定処理部51は、運転辞書として、学習により得られた、ユーザが運転を行っているときの加速度の変化を示すデータ、つまり運転時に測定されるであろう時系列に並べられた加速度のデータを記録している。運転判定処理部51は、このような運転辞書としての時系列の加速度と、運転情報として得られた時系列の加速度とを比較して、それらの時系列の加速度の類似の度合いを算出し、類似の度合いが閾値以上である場合、ユーザは運転中であると判定する。
なお、運転辞書は、外部から取得された、予め用意されたものとされてもよいし、実際にユーザが運転を行っているときに得られた運転情報から学習により生成されたものとされてもよい。
また、例えば運転情報として、衛星測位システム等の位置測定部で得られた端末装置11の位置、すなわち端末装置11を所持するユーザの位置を示すユーザ位置情報が供給される場合、各時刻のユーザ位置情報から、ユーザの移動速度を把握することができる。このような場合、運転判定処理部51は、運転情報から得られるユーザの移動速度が、予め定めた閾値以上の速度であるときに、ユーザは運転中であると判定する。
このような衛星測位システム等の位置測定部の出力を用いて運転判定処理を行う場合には、精度よく運転中であるかを特定することが可能となる。
また、運転判定処理部51は、運転辞書を用いた運転判定処理の判定結果と、ユーザ位置情報を用いた運転判定処理の判定結果とに基づいて、最終的な判定結果を求めるようにしてもよい。この場合、例えば両方の判定結果が運転中であるとされたときに、運転中であるとされるようにすることができる。
ステップS12において、運転判定処理部51は、ステップS11の運転判定処理の結果、ユーザは運転中であるか否かを判定する。
ステップS12において、運転中でないと判定された場合、ステップS13において、時系列データ生成部52は、行動情報取得部43から供給された行動情報、および生体情報取得部44から供給された生体情報に基づいて健康状態時系列データを生成する。
行動情報取得部43から制御部45には継続して、または一定の時間間隔で行動情報が出力され、生体情報取得部44から制御部45には継続して、または一定の時間間隔で生体情報が出力される。
例えば行動情報として、加速度センサにより計測された各時刻の加速度が供給される場合、時系列データ生成部52は、予め記録している睡眠辞書と、行動情報として供給された加速度とに基づいて、端末装置11を所持しているユーザが睡眠中か否かを判定する。
この場合、時系列データ生成部52は、睡眠辞書として、学習により得られた、ユーザが睡眠中であるときの加速度の変化を示すデータ、つまり睡眠時に測定されるであろう時系列に並べられた加速度のデータを記録している。時系列データ生成部52は、このような睡眠辞書としての時系列の加速度と、行動情報として得られた時系列の加速度とを比較して、それらの時系列の加速度の類似の度合いを算出し、類似の度合いが閾値以上である場合、ユーザは睡眠中であると判定する。また、時系列データ生成部52は、睡眠辞書と同様の辞書を利用して、ユーザが安静にしているかなどの行動の状態を判定する。
さらに、例えば行動情報として、衛星測位システム等の位置測定部で得られた端末装置11の位置、すなわち端末装置11を所持するユーザの位置を示すユーザ位置情報が供給される場合、時系列データ生成部52は各時刻のユーザ位置情報から、ユーザの行動を認識する。
具体的には、例えば時系列データ生成部52には、予め登録されたユーザの勤務地や自宅の所在地などの登録位置情報が保持されている。時系列データ生成部52は、登録位置情報と、行動情報として供給された各時刻のユーザ位置情報とを比較して、ユーザが勤務中であるかや、自宅にいるなどの行動を認識する。この場合、例えばユーザ位置情報が、登録位置情報により示されるユーザの勤務地近辺である間は、ユーザは勤務中であるとされる。
時系列データ生成部52は、このようにして得られた睡眠中であるかの判定結果や、安静にしている状態であるかの判定結果、ユーザ位置情報と登録位置情報に基づく行動の認識結果などに基づいて、各時刻のユーザの行動を示す行動認識時系列データを生成する。
例えば行動認識時系列データは、日時を示す時刻情報と、その日時にユーザが行っていた行動を示す情報とが対応付けられて時刻順、すなわち時系列に並べられたデータなどとされる。この行動認識時系列データを参照すれば、ユーザの労働時間や睡眠時間、すなわち労働を行っていた時間帯や、睡眠をとっていた時間帯、安静にしていた時間帯などのユーザの行動を把握することができる。
なお、行動認識時系列データは、ユーザの行動に関する情報であればどのようなものであってもよいが、例えば睡眠および労働の少なくとも何れかを含む、各時刻におけるユーザの行動を示す情報などとされる。
また、時系列データ生成部52は、生体情報取得部44から供給された、ユーザの各時刻における血圧や心拍数、呼吸数などの生体情報そのものや、生体情報から得られるユーザ自身の他の体の状態を示す情報に基づいて生体認識時系列データを生成する。例えば生体認識時系列データは、日時を示す時刻情報と、その日時における血圧や心拍数などのユーザ自身の状態、つまり生体状態を示す情報とが対応付けられて時刻順に並べられたデータなどとされる。
さらに、例えば生体情報取得部44としてのカメラから、ユーザの顔が含まれる画像が生体情報として取得された場合には、時系列データ生成部52が、生体情報として得られた画像に対する画像認識等によりユーザの疲労の度合いを推定し、その推定結果、つまりユーザの疲労度合いを示す生体認識時系列データを生成してもよい。
生体認識時系列データは、ユーザの生体の状態に関する情報であればどのようなものであってもよいが、例えば血圧、心拍数、呼吸数、および疲労度合いの少なくとも何れかを含む、各時刻におけるユーザの生体の状態を示す情報などとされる。
時系列データ生成部52は、以上のようにして得られた行動認識時系列データと生体認識時系列データからなるデータを健康状態時系列データとする。なお、この実施の形態では、健康状態時系列データには、少なくとも行動認識時系列データが含まれていればよいが、健康状態時系列データは、ユーザの健康状態に関するデータであれば、どのようなものであってもよい。
時系列データ生成部52は、生成した健康状態時系列データを記録部47に供給し、記録を指示する。
ステップS14において、記録部47は時系列データ生成部52から供給された健康状態時系列データを記録し、その後、処理はステップS11に戻る。
このようにユーザが車両を運転していない状態、つまり非運転の状態では、継続して、または一定の時間間隔で、健康状態時系列データが生成されて記録部47に記録される。なお、ここでは非運転時のみ健康状態時系列データが生成される例について説明するが、ユーザが運転を行っているときにも健康状態時系列データが生成されて記録部47に記録されるようにしてもよい。
また、ステップS12において、運転中であると判定された場合、すなわちユーザが車両に乗車して運転を開始した場合、運転判定処理部51は、ユーザが運転中である旨の運転判定情報を生成し、処理はステップS15へと進む。ここで、運転判定情報には、ユーザが運転を開始した時刻(日時)を示す情報が含まれているものとする。すなわち、運転判定情報を参照すれば、ユーザがどの時刻に車両の運転を行っていたかを把握することができるようになされている。
また、制御部45は、記録部47から健康状態時系列データを読み出して、読み出した健康状態時系列データと、生成された運転判定情報とを通信部41に供給する。
このとき記録部47から読み出される健康状態時系列データは、ステップS12で運転中であると判定された時刻までの所定時間範囲のデータ、具体的には、例えば直近の1日分などのデータとされる。この場合、特にステップS12で運転中であると判定された時刻よりも前の時刻における、ユーザが運転していないとき、つまり非運転の状態のときの健康状態時系列データが読み出される。なお、まだ保険管理サーバ12に送信されていない全時刻の健康状態時系列データが読み出されるようにしてもよい。
ステップS15において、通信部41は、制御部45から供給された運転判定情報および健康状態時系列データを、保険管理サーバ12に送信する。これにより、端末装置11から保険管理サーバ12へと、ユーザの車両への乗車前、すなわち車両の運転開始前の健康状態時系列データが送信されることになる。
運転判定情報および健康状態時系列データが送信されると、ステップS21において、保険管理サーバ12の通信部81は、端末装置11から送信されてきた運転判定情報および健康状態時系列データを受信して制御部83に供給する。このようにして受信された運転判定情報および健康状態時系列データは、適宜、記録部82に供給されて記録される。
ステップS22において、保険料算出部91は、通信部81から供給された健康状態時系列データに基づいて、安全運転度合いを算出する。このとき保険料算出部91は、ステップS21で受信された運転判定情報により示される運転開始の時刻や、記録部82に記録されている過去の健康状態時系列データ、記録部82に記録されているユーザの年齢や事故歴などの登録に関する情報等も参照して安全運転度合いを算出してもよい。
ここで、安全運転度合いは、その値(スコア)が大きいほど、今回の運転でユーザが安全運転する可能性が高い、つまり事故発生の確率が低いことを示している。
例えば基本的には、健康状態時系列データにより示される運転前日の睡眠時間が長ければ安全運転度合いのスコアが高くなるようにされ、健康状態時系列データにより示される運転前や運転前日の労働時間が短ければ安全運転度合いのスコアが高くなるようにされる。
より具体的には、例えば保険料算出部91は、ユーザの運転前日の睡眠時間が十分長い場合でも長時間労働後に運転をする場合には、安全運転度合いのスコアが低くなるようにする。また、例えば保険料算出部91は、運転前日の労働時間が短くても、運転前日の睡眠時間が短い場合には、安全運転度合いのスコアが低くなるようにする。
運転直前の労働時間や睡眠時間といったユーザの現在の疲労度合いに関わる情報は、ユーザが安全運転をする確率と強い相関を有する、ユーザの健康状態を示す情報である。そのため、このような健康状態を示す情報を用いれば、より高精度に安全運転度合いを算出することができる。
さらに、例えば健康状態時系列データに含まれる行動認識時系列データと生体認識時系列データとを組み合わせて安全運転度合いを算出するようにしてもよい。
具体的には、例えば保険料算出部91は、ユーザが運転前に安静にしている状態であったにも関わらず、その時のユーザの生体状態を示す心拍数や血圧、呼吸数などの数値が安静時から逸脱した値である場合、安全運転度合いのスコアが低くなるようにする。換言すれば、ユーザが安静にしていたのにも関わらず、健康状態時系列データにより示されるユーザの生体状態が健康ではない状態となっていた場合、そのような状態から一定時間内にユーザが車両の運転を開始したときには、安全運転度合いが小さくなるようにされる。このようにユーザの普段の行動と生体の状態との関連性を利用して安全運転度合いを算出するようにしてもよい。
ステップS23において、保険料算出部91は、ステップS22で算出した安全運転度合いと、記録部82に記録されている自動車保険申し込み時のユーザの保険や車両に関する情報とに基づいてユーザの保険料を算出し、保険料金額情報を生成する。
例えば保険料算出部91は、算出した安全度合いと、車両の走行距離や乗車時間、ユーザの事故の履歴、車両の車種、運転を行っているときの時刻などの保険料の算出に必要となる他の情報とに基づいて、ユーザの自動車保険の保険料を算出する。
ユーザの保険料の算出にあたっては、運転判定情報や、ユーザの運転する車両の車種、車両の走行距離や乗車時間等のうちの少なくとも何れかであるユーザの車両への乗車に関する情報と、健康状態時系列データとが少なくとも用いられるようにすることができる。
ここでは、健康状態時系列データは、保険料の算出に用いる安全運転度合いを求めるときに用いられる。また、乗車に関する情報としての運転判定情報により示されるユーザが運転を開始した時刻は、例えば安全度合いの算出に用いる健康状態時系列データを選択するために用いられる。
保険料算出部91は、算出した保険料の金額や、ユーザの保険料の値引き金額などを示す情報を保険料金額情報として生成し、保険料金額情報を記録部82に供給して記録させるとともに、通信部81にも保険料金額情報を供給する。
ステップS24において、通信部81は、保険料算出部91から供給された保険料金額情報を端末装置11に送信し、保険料算出処理は終了する。
保険管理サーバ12から保険料金額情報が送信されると、ステップS16において、端末装置11の通信部41は、保険管理サーバ12から送信されてきた保険料金額情報を受信して、制御部45に供給する。
ステップS17において、表示制御部53は、通信部41から供給された保険料金額情報を表示部48に供給して表示させ、運転判定情報送信処理は終了する。表示部48により保険料金額情報が表示されると、ユーザはその表示を見ることにより、自身の保険料や、保険料の値引き金額など、自動車保険の内容に関する情報を確認することができる。
以上のようにして端末装置11は、ユーザが運転を行っていないときには健康状態時系列データを生成して記録し、ユーザが運転を開始すると、これまでに生成された健康状態時系列データと、運転判定情報とを送信する。また、保険管理サーバ12は、端末装置11から健康状態時系列データと運転判定情報とを受信して、健康状態時系列データに基づいて保険料を算出する。
このようにユーザが運転を行っていないとき、かつユーザが運転を行う前の所定期間の健康状態時系列データを用いてユーザの運転開始時、つまり乗車時に保険料を算出することで、自動車保険のより適切な保険料を算出することができる。
特に、健康状態時系列データは、ユーザの運転時からは分からない情報であるが、事故の発生の確率と強い相関のある健康状態に関する情報であるので、このような情報を用いれば、より高精度に適切な保険料を決定することができる。また、健康状態時系列データは、時系列のデータであるので、さらに高精度に適切な保険料を決定することができる。
〈第2の実施の形態〉
〈車載端末装置の構成例〉
また、以上においては、ユーザが所持する端末装置11において、ユーザが運転中であるか否かを判定する例について説明したが、ユーザが運転する車両に取り付けられたカーナビゲーション装置などにより運転中であるかの判定を行うようにしてもよい。
そのような場合、自動車保険システムは、例えば上述した端末装置11および保険管理サーバ12と、車両に設置された車載端末装置とから構成される。車載端末装置は、例えばカーナビゲーション装置などの車両に取り付けられる端末装置とされてもよいし、車両に備えられた装置とされてもよい。
例えば自動車保険システムを構成する車載端末装置は、図5に示すように構成される。
図5に示す車載端末装置111は、通信部121、運転者認証情報取得部122、運転情報取得部123、制御部124、入力部125、記録部126、および表示部127を有している。
通信部121は、制御部124から供給された情報を、通信網13を介して端末装置11や保険管理サーバ12に送信したり、端末装置11や保険管理サーバ12から通信網13を介して送信されてきた情報を受信して制御部124に供給したりする。
なお、車載端末装置111に端末装置11が接続されるようにし、通信部121により、直接、端末装置11と情報の授受が行われるようにしてもよい。
運転者認証情報取得部122は、例えばカメラや生体認識センサなどからなり、運転者であるユーザを認証するための運転者認証情報を取得して制御部124に供給する。
例えば運転者認証情報は、顔認識や指紋認識、網膜認識、静脈認識などに用いられる画像や、光の照射と反射光の受光を利用したセンシング情報などとされる。
運転情報取得部123は、図2に示した端末装置11の運転情報取得部42に対応する。すなわち、運転情報取得部123は、例えば衛星測位システム等の自身の位置を測定する位置測定部や、加速度センサなどからなり、ユーザによる車両の運転を判定するための運転情報を取得して制御部124に供給する。
なお、車載端末装置111が車両に電気的に接続可能な場合や、車載端末装置111が車両自体に備えられた装置である場合には、運転情報として、車両の走行状態を示す車速パルスを取得するようにしてもよい。車速パルスを用いれば、正確に車両が運転されているか否か、つまり車両が走行しているか否かを判定することができる。
制御部124は、車載端末装置111全体の動作を制御する。制御部124は、認証処理部131、運転判定処理部132、および表示制御部133を有している。
認証処理部131は、運転者認証情報取得部122から供給された運転者認証情報に基づいて、顔認識や指紋認識、網膜認識、静脈認識などによりユーザの認証を行う。
運転判定処理部132は、図2に示した端末装置11の運転判定処理部51に対応し、運転情報取得部123から供給された運転情報に基づいて、運転判定処理を行う。
表示制御部133は、各種の情報や画像の表示部127への表示を制御する。
入力部125は、例えば表示部127に重畳して設けられたタッチパネルや、ボタン、スイッチなどからなり、ユーザの操作に応じた信号を制御部124に供給する。記録部126は、不揮発性の記録媒体からなり、制御部124から供給された各種の情報を記録するとともに、必要に応じて記録している情報を制御部124に供給する。
表示部127は、例えば液晶表示パネルなどからなり、表示制御部133の制御に従って各種の情報や画像を表示する。
〈運転判定情報送信処理、運転判定処理、および保険料算出処理の説明〉
続いて、自動車保険システムを構成する端末装置11、車載端末装置111、および保険管理サーバ12の動作について説明する。すなわち、図6のフローチャートを参照して、端末装置11による運転判定情報送信処理、車載端末装置111による運転判定処理、および保険管理サーバ12による保険料算出処理について説明する。
この実施の形態では、端末装置11は、車載端末装置111から運転判定情報を受信することで、ユーザが自動車保険の対象となる車両を運転中であるか否かを特定することができる。端末装置11では、ユーザが自動車保険の対象となる車両を運転していない非運転期間中は、継続して健康状態時系列データの生成と記録を行う。
すなわち、ステップS51において時系列データ生成部52は、健康状態時系列データを生成し、ステップS52において記録部47は、ステップS51の処理で生成された健康状態時系列データを記録する。なお、これらのステップS51およびステップS52では、図4のステップS13およびステップS14における場合と同様の処理が行われる。
但し、ステップS51では、時系列データ生成部52が、行動情報に基づいてユーザが自動車保険の対象となる車両とは異なる他の車両を運転していたかを判定し、その判定結果も用いて行動認識時系列データを生成するようにしてもよい。
そのような場合、時系列データ生成部52は、例えば予め保持している運転辞書と、行動情報としての加速度センサにより測定された各時刻の加速度とを比較して、ユーザが他の車両を運転しているかを特定する。また、例えば時系列データ生成部52は、衛星測位システム等の位置測定部により測定された行動情報としての各時刻のユーザ位置情報を用いてユーザの移動速度を求め、この移動速度と閾値とを比較することにより、ユーザが他の車両を運転しているかを特定してもよい。
このようにして得られる行動認識時系列データを参照すれば、ユーザが各時刻において、睡眠をとっていた、労働していた、他の車両を運転していた、安静にしていたなどの行動を把握することができる。
一方、車載端末装置111では、ユーザが自動車保険の対象となる車両を運転しているかを判定するために、ユーザの認証が行われる。
すなわち、ステップS71において、車載端末装置111の運転者認証情報取得部122は、運転者認証情報を取得して制御部124に供給する。ステップS71では、車両の運転席にいるユーザについて、運転者認証情報が取得される。
ステップS72において、認証処理部131は、運転者認証情報取得部122から供給された運転者認証情報に基づいて、顔認識や指紋認識、網膜認識、静脈認識などによりユーザ、つまり運転者の認証処理を行う。
ステップS73において、認証処理部131は、ステップS72の認証処理の結果に基づいて、ユーザが正しく認証されたか否かを判定する。
例えば、ステップS72における認証処理によって、車両の運転席にいるユーザが、自動車保険の被保険者となっているユーザであると特定された場合、ユーザが正しく認証されたと判定される。このようにしてユーザが認証された場合には、その後、車両が運転されたときには、車両の運転者は、運転席にいる認証されたユーザであることが分かる。
ステップS73において、ユーザが正しく認証されなかったと判定された場合、処理はステップS71に戻り、上述した処理が繰り返し行われる。
これに対して、ステップS73において、ユーザが正しく認証されたと判定された場合、ステップS74において、運転判定処理部132は、運転情報取得部123から供給された運転情報に基づいて、運転判定処理を行う。
なお、ステップS74では、図4のステップS11と同様の処理が行われる。但し、運転情報取得部123において車速パルスが運転情報として得られる場合には、例えば運転判定処理部132は、運転情報として得られた車速パルスに基づいて運転判定処理を行う。
ステップS75において、運転判定処理部132は、ステップS74の運転判定処理の結果、ユーザは運転中であるか否かを判定する。
ステップS75において運転中でないと判定された場合、処理はステップS74に戻り、上述した処理が繰り返し行われる。
これに対してステップS75において、運転中であると判定された場合、すなわち認証されたユーザが車両の運転を開始した場合、運転判定処理部132は、ユーザが運転中である旨の運転判定情報を生成して通信部121に供給し、処理はステップS76へと進む。
ステップS76において、通信部121は、運転判定処理部132から供給された運転判定情報を端末装置11に送信し、運転判定処理は終了する。
なお、運転判定情報の送信時には、どのユーザが運転を行っているかを特定できるように、運転判定情報とともに運転者であるユーザを識別するユーザ識別情報も送信したり、どの車両かを特定できるように車両を識別する車両識別情報も運転判定情報とともに送信したりするようにしてもよい。
車載端末装置111から運転判定情報が送信されると、ステップS53において、端末装置11の通信部41は、車載端末装置111から送信されてきた運転判定情報を受信して制御部45に供給する。
このようにして運転判定情報が受信されると、ユーザにより運転が開始されたことが分かるので、時系列データ生成部52は、健康状態時系列データの生成を停止する。なお、ユーザによる車両の運転中にも健康状態時系列データの生成と記録が継続して行われるようにしてもよい。
例えば運転判定情報を受信していない状態では、ユーザが自動車保険の対象となる車両を運転していないので、行動情報から特定されるユーザの車両の運転という行動が、自動車保険の対象となる車両以外の他の車両の運転であることを特定することができる。
また、制御部45は、記録部47から健康状態時系列データを読み出して、読み出した健康状態時系列データと、受信された運転判定情報とを通信部41に供給する。
このとき記録部47から読み出される健康状態時系列データは、例えばステップS53で運転判定情報が受信された時刻、つまり運転判定情報により示される、ユーザが運転を開始した時刻までの所定時間範囲のデータとされる。なお、まだ保険管理サーバ12に送信されていない全時刻の健康状態時系列データが読み出されるようにしてもよい。
このようにして運転判定情報と健康状態時系列データが通信部41に供給されると、その後、ステップS54乃至ステップS56の処理が行われて運転判定情報送信処理は終了するが、これらの処理は図4のステップS15乃至ステップS17の処理と同様であるので、その説明は省略する。
また、ステップS54において、通信部41により運転判定情報および健康状態時系列データが送信されると、ステップS81において、保険管理サーバ12の通信部81は、端末装置11から送信されてきた運転判定情報および健康状態時系列データを受信して制御部83に供給する。
運転判定情報および健康状態時系列データが受信されると、その後、ステップS82乃至ステップS84の処理が行われて保険料算出処理は終了するが、これらの処理は図4のステップS22乃至ステップS24の処理と同様であるので、その説明は省略する。
但し、この実施の形態では、健康状態時系列データを構成する行動認識時系列データから、ユーザが他の車両を運転していたことを把握することができるので、その運転も考慮して安全度合いを算出することが可能である。
例えばユーザが配送業で他の車両を運転後、終業して自宅へと戻り、自動車保険の対象となる車両の運転を開始したといった場合には、ユーザは長時間、運転動作をすることになる。したがって、そのようなときには、保険料算出部91は、ステップS82では他の車両の運転時間も考慮して安全運転度合いを低く算出するなどとすることもできる。
以上のようにして端末装置11は、ユーザが運転を行っていないときには健康状態時系列データを生成して記録し、ユーザが運転を開始して運転判定情報を受信すると、これまでに生成された健康状態時系列データと、運転判定情報とを送信する。また、保険管理サーバ12は、端末装置11から健康状態時系列データと運転判定情報とを受信して、健康状態時系列データに基づいて保険料を算出する。
このようにユーザが運転を行っていないとき、かつユーザが運転を行う前の所定期間の健康状態時系列データを用いてユーザの運転開始時、つまり乗車時に保険料を算出することで、自動車保険のより適切な保険料を算出することができる。特に、この実施の形態では、車両側に設置された車載端末装置111によりユーザの認証と運転判定処理を行うので、より高精度に運転開始を検出し、保険料の算出を行うことができる。
なお、この実施の形態では、車載端末装置111から端末装置11へと運転判定情報が送信される場合について説明したが、車載端末装置111が端末装置11から健康状態時系列データを取得し、その健康状態時系列データと運転判定情報を保険管理サーバ12へと送信するようにしてもよい。また、保険料金額情報の受信および表示も車載端末装置111において行われるようにしてもよい。
さらに、車載端末装置111が保険管理サーバ12へと運転判定情報を送信し、その運転判定情報を受信した保険管理サーバ12が、端末装置11に対して健康状態時系列データの送信を要求し、健康状態時系列データを受信するようにしてもよい。
〈第3の実施の形態〉
〈申し込み処理および受け付け処理の説明〉
さらに、自動車保険システムが端末装置11、車載端末装置111、および保険管理サーバ12から構成される場合、自動車保険の対象となる車両は、カーシェアの車両とされ、自動車保険は、例えば掛け捨ての保険などとすることもできる。
以下では、そのような場合に自動車保険システムにおいて行われる処理について説明する。まず、ユーザが端末装置11を操作して自動車保険の申し込みを行うときに行われる処理について説明する。すなわち、以下、図7のフローチャートを参照して、端末装置11による申し込み処理、および保険管理サーバ12による受け付け処理について説明する。
ステップS111において時系列データ生成部52は、健康状態時系列データを生成し、ステップS112において記録部47は、ステップS111の処理で生成された健康状態時系列データを記録する。
なお、これらのステップS111およびステップS112では、図6のステップS51およびステップS52における場合と同様の処理が行われる。また、この実施の形態では、継続して、常時、健康状態時系列データの生成と記録が行われる。
ステップS113において、制御部45は、自動車保険の申し込みをするための保険申し込み情報を生成する。
すなわち、ユーザは、入力部46を操作して、掛け捨ての自動車保険の申し込みのために必要な情報を入力する。ここで、必要な情報とは、例えば運転開始時刻等を特定可能な車両の利用日時や、ユーザがカーシェアサービスに登録している会員番号、免許証の番号、カーシェアで利用する希望車種などの情報とされる。
制御部45は、ユーザによる操作に応じて入力部46から供給される信号に基づいて、ユーザにより入力された会員番号や、免許証の番号、希望車種、車両の利用日時などの情報を含む、自動車保険を申し込みたい旨の情報を保険申し込み情報として生成する。
また、制御部45は、生成した保険申し込み情報を通信部41に供給する。このような保険申し込み情報の生成は、例えばカーシェアのサービスにより車両に乗車する数日前から数時間前などに行われる。
ステップS114において、通信部41は、制御部45から供給された保険申し込み情報を、保険管理サーバ12に送信する。なお、この保険申し込み情報は、必要に応じてカーシェアサービスを提供している会社により管理されているサーバにも送信される。
保険申し込み情報が送信されると、ステップS131において、保険管理サーバ12の通信部81は、端末装置11から送信されてきた保険申し込み情報を受信して制御部83に供給する。
ステップS132において、制御部83は、通信部81から供給された保険申し込み情報に基づいて受け付け処理を行い、ユーザの自動車保険への加入を受け付ける。受け付け処理では、ユーザが自動車保険に加入するのに必要な登録などの処理が行われる。
ステップS133において、制御部83は、ユーザがカーシェアによる車両の運転を開始する予定の時刻である運転予定時刻の所定時間前となったか否かを判定する。ここでは、例えば運転予定時刻の数時間前や数分前となったかが判定される。
ステップS133において、まだ運転予定時刻の所定時間前となっていないと判定された場合、処理はステップS133に戻り、上述した処理が繰り返し行われる。
これに対して、ステップS133において、運転予定時刻の所定時間前となったと判定された場合、制御部83は、直近の健康状態時系列データの送信を要求する旨の送信要求を生成して通信部81に供給し、処理はステップS134に進む。
このような送信要求は、ユーザによる車両の運転前、つまり車両への乗車前における健康状態時系列データの送信を要求するものであるが、自動車保険の保険料という自動車保険サービスの対価のユーザに対する提示前における健康状態時系列データの送信を要求するものであるともいうことができる。
ステップS134において、通信部81は、制御部83から供給された、健康状態時系列データの送信要求を端末装置11に送信する。
すると、ステップS115において、端末装置11の通信部41は、保険管理サーバ12から送信されてきた送信要求を受信して制御部45に供給する。制御部45は、送信要求が供給されると、その送信要求に応じて、直近の所定期間内に得られた健康状態時系列データを記録部47から読み出して通信部41に供給する。ここでは、例えば直近の1日分の健康状態時系列データが読み出されるなどとされる。
ステップS116において、通信部41は、制御部45から供給された健康状態時系列データを、保険管理サーバ12に送信する。
すると、ステップS135において、通信部81は、端末装置11から送信されてきた健康状態時系列データを受信して制御部83に供給する。
健康状態時系列データが受信されると、その後、ステップS136乃至ステップS138の処理が行われて受け付け処理は終了するが、これらの処理は、図4のステップS22乃至ステップS24の処理と同様であるので、その説明は省略する。
但し、ステップS136では、ユーザの運転開始時刻は、ステップS131で受信された保険申し込み情報から特定することができるので、特定した運転開始時刻、より詳細には運転予定時刻に応じた時間範囲の健康状態時系列データ等が用いられて安全運転度合いが算出される。
また、第2の実施の形態と同様に、健康状態時系列データを構成する行動認識時系列データに、他の車両を運転していたという行動を示す情報も含まれるようにし、安全運転度合いの算出時に、ユーザの他の車両の運転状況も利用してもよい。
このようにして保険料金額情報が生成されて端末装置11に送信されると、端末装置11では、ステップS117およびステップS118の処理が行われて申し込み処理が終了するが、これらの処理は図4のステップS16およびステップS17の処理と同様であるので、その説明は省略する。
この場合、端末装置11の表示部48には、ユーザがカーシェアの車両の運転を開始する直前に自動車保険の保険料等を示す保険料金額情報が表示されることになる。このとき、例えば一例として図8に示す表示が行われる。
図8の矢印Q11に示す例では、表示部48には保険料金額情報として保険料の値引き額を示す文字情報「現時点での値引き参考額は、1500円です。」と、値引き額や安全運転に関連するアドバイスを示す文字情報「このまま健康的な生活を続けて下さい。」とが表示されている。
この例では、表示された保険料の値引き額は、現時点でのユーザの睡眠時間や労働時間などから算出された仮の値引き金額となっている。このように保険料金額情報として、仮の保険料や値引き額を表示する場合には、ユーザが運転を開始する直前ではなく、自動車保険の申し込みが行われた時点で、保険料金額情報が提示されるようにしてもよい。そのような場合には、ステップS132が行われた後、直ちに、ステップS134乃至ステップS138の処理が行われる。
また矢印Q11に示す例では、アドバイスを示す文字情報も表示されている。この例では、ユーザに対して、十分な睡眠がとれていて労働時間も長すぎず、安全運転できる健康状態であることを提示し、そのようなペースを保つように促すことができる。さらに、この例では、ユーザに対して大きい値引き額が得られていることも提示することができる。
なお、保険料金額情報としてアドバイスを示す文字情報を表示するか否かをユーザ自身が設定できるようにしてもよい。
これに対して矢印Q12に示す例では、表示部48には保険料金額情報として保険料の値引き額を示す文字情報「現時点での値引き参考額は、1300円です。」と、値引き額や安全運転に関連するアドバイスを示す文字情報「仕事お忙しいですか?運転前日は、なるべく早く帰宅されることをおススメします。」とが表示されている。
このような表示を行なえば、ユーザに対して現時点での仮の値引き額を提示することができる。また、ユーザに対して安全運転を行うために、またより大きな値引き額を得るために、仕事を控え前日には十分に睡眠をとるように注意を促すことができる。すなわち、ユーザに対して、保険料というサービスの対価と、睡眠や労働などのユーザの行動との関係を提示(通知)することができる。
以上のようにして端末装置11は、普段からユーザの健康状態時系列データを生成して記録しておき、自動車保険の申し込みに応じて、保険管理サーバ12から要求があると、これまでに生成された健康状態時系列データを送信する。また、保険管理サーバ12は、端末装置11から健康状態時系列データを受信して保険料を算出する。
このようにユーザが運転を行っていないとき、かつユーザが運転を行う前の所定期間の健康状態時系列データを用いて保険料を算出することで、自動車保険のより適切な保険料を算出することができる。
〈運転判定処理、保険料金額情報送信処理、および保険料金額情報受信処理の説明〉
図7を参照して説明した処理が行われ、自動車保険の申し込みと受け付けが行われると、その後、ユーザはカーシェアの車両に乗車し、運転を行う。以下、図9を参照して、ユーザが車両を運転するときに行われる処理について説明する。すなわち、図9のフローチャートを参照して、車載端末装置111による運転判定処理、保険管理サーバ12による保険料金額情報送信処理、および端末装置11による保険料金額情報受信処理について説明する。
車載端末装置111による運転判定処理が開始されると、ステップS161乃至ステップS165の処理が行われて、運転者であるユーザの認証、すなわち車両に運転者として乗車してきたユーザの認証と、ユーザが運転を開始したか、つまり運転中であるかの判定が行われる。なお、これらのステップS161乃至ステップS165の処理は、図6のステップS71乃至ステップS75の処理と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS165において、運転中であると判定されると、運転判定処理部132は、ユーザが運転中である旨の運転判定情報を生成して通信部121に供給し、処理はステップS166へと進む。
ステップS166において、通信部121は、運転判定処理部132から供給された運転判定情報を保険管理サーバ12に送信し、運転判定処理は終了する。
なお、運転判定情報の送信時には、運転判定情報とともに運転者であるユーザを識別するユーザ識別情報や、車両を識別する車両識別情報も送信されるようにしてもよい。また、ここでは運転判定情報が車載端末装置111から保険管理サーバ12へと直接送信される例について説明したが、運転判定情報が車載端末装置111から端末装置11へと送信され、さらに端末装置11が保険管理サーバ12へと運転判定情報を送信してもよい。
車載端末装置111から運転判定情報が送信されると、ステップS171において、保険管理サーバ12の通信部81は、車載端末装置111から送信されてきた運転判定情報を受信して制御部83に供給する。
ステップS172において、保険料算出部91は、ユーザの自動車保険の保険料を確定させる。通常、図7のステップS134で健康状態時系列データを受信した時刻、つまり当初の運転予定時刻の所定時間前の時刻から、ステップS171で運転判定情報を受信した時刻、つまり実際に運転を開始した時刻までの間の時間は短いので、図7のステップS137で算出した保険料に変更は生じない。そのため、ステップS172では、保険料算出部91は図7のステップS137で算出した保険料を、最終的に確定させた保険料として、最終的な保険料金額情報を生成する。
一方、何らかの事情により、実際の運転開始時刻が、申し込み時における運転予定時刻と大きく異なってしまう場合もあり得る。そのような場合、例えばステップS171で運転判定情報を受信した後、図7のステップS134乃至ステップS137と同様の処理を行って、最終的な保険料を再度算出すればよい。
最終的な保険料金額情報が生成されると、保険料算出部91は、その保険料金額情報を通信部81に供給する。
ステップS173において、通信部81は、保険料算出部91から供給された保険料金額情報を端末装置11に送信し、保険料金額情報送信処理は終了する。
また、保険料金額情報が送信されると、端末装置11ではステップS181およびステップS182の処理が行われて保険料金額情報受信処理が終了するが、これらの処理は図4のステップS16およびステップS17の処理と同様であるので、その説明は省略する。
この場合、例えば表示部48には、図10に示す保険料金額情報が表示される。
この例では、表示部48には保険料金額情報として保険料の確定した値引き額を示す文字情報「値引き確定金額は、1200円です。」と、値引き額や安全運転に関連するアドバイスを示す文字情報「昨日はあまりお休みになれませんでしたね。運転前は十分な睡眠を心がけましょう。」とが表示されている。
このような表示を行なえば、ユーザに対して最終的に確定した値引き額を提示することができる。さらに、ユーザに対して安全運転を行うために、またより大きな値引き額を得るために、仕事を控え前日には十分に睡眠をとるように注意を促すことができる。なお、図10に示す例においても、保険料金額情報としてアドバイスを示す文字情報を表示するか否かをユーザ自身が設定できるようにしてもよい。
なお、ここでは最終的な保険料金額情報を端末装置11に送信する例について説明したが、最終的な保険料金額情報が車載端末装置111に送信されるようにしてもよい。そのような場合、車載端末装置111の通信部121が保険料金額情報を受信し、表示制御部133が保険料金額情報を表示部127に供給して表示させる。
以上のようにして車載端末装置111は、ユーザが運転を開始すると運転判定情報を生成して保険管理サーバ12へと送信する。また、保険管理サーバ12は、運転判定情報を受信すると、保険料を確定させて最終的な保険料金額情報を生成し、端末装置11に送信する。これにより、ユーザは、最終的に確定した保険料を知ることができる。
〈第4の実施の形態〉
〈時系列データ送信処理および時系列データ受信処理の説明〉
なお、以上においては非運転時に端末装置11において健康状態時系列データを生成し、運転が開始されたとき等のタイミングで健康状態時系列データが保険管理サーバ12に送信される場合について説明した。しかし、一定量の健康状態時系列データが得られた時点で保険管理サーバ12への送信が行われるようにしてもよい。
以下、図11を参照して、そのような場合に行われる処理について説明する。すなわち、図11のフローチャートを参照して、端末装置11による時系列データ送信処理、および保険管理サーバ12による時系列データ受信処理について説明する。
ステップS211において、行動情報取得部43および生体情報取得部44は、それぞれ行動情報および生体情報を取得して制御部45に供給する。なお、健康状態時系列データを生成するにあたり、必ずしも生体情報は取得されなくてもよい。
ステップS212において、時系列データ生成部52は、行動情報取得部43から供給された行動情報、および生体情報取得部44から供給された生体情報に基づいて、健康状態時系列データを生成する。なお、ステップS212では、図4のステップS13と同様の処理が行われる。
ステップS213において、時系列データ生成部52は、ステップS212で生成した健康状態時系列データの暗号化および圧縮を行う。
健康状態時系列データを所定の方式で暗号化することでセキュリティを向上させることができる。また、健康状態時系列データを所定の方式で圧縮すれば、データ量を少なくし、健康状態時系列データの授受に必要な通信コストを低減させることができる。特に、この例では、行動情報や生体情報ではなく、それらの情報から得られた健康状態時系列データを送信するので、データ量が少なくて済み、通信コストを低く抑えることができる。
ステップS214において、時系列データ生成部52は、健康状態時系列データが一定量だけ得られたか否かを判定する。
ステップS214において、健康状態時系列データが一定量得られていないと判定された場合、処理はステップS211に戻り、上述した処理が繰り返し行われる。
これに対して、ステップS214において健康状態時系列データが一定量得られたと判定された場合、時系列データ生成部52は、これまでに生成され、暗号化および圧縮が行われた健康状態時系列データを通信部41に供給して、処理はステップS215へと進む。
なお、一定量の健康状態時系列データが得られた後も、継続して健康状態時系列データを生成する処理は行われる。但し、健康状態時系列データの生成が常時行われるようにしてもよいが、基本的には、ユーザが車両を運転している間は、健康状態時系列データの生成は行われない。
ステップS215において、通信部41は、時系列データ生成部52から供給された健康状態時系列データを保険管理サーバ12に送信する。このとき、例えば健康状態時系列データとともに、ユーザを識別するユーザ識別情報も送信されるようにしてもよい。
すると、ステップS221において、保険管理サーバ12の通信部81は、端末装置11から送信されてきた健康状態時系列データを受信し、制御部83に供給する。
ステップS222において、制御部83は、通信部81から供給された健康状態時系列データを記録部82に供給し、記録させる。このとき、記録部82は、どのユーザの健康状態時系列データであるかが特定できるように記録を行う。
ステップS223において、保険料算出部91は、記録部82に記録されている健康状態時系列データに基づいて、保険料参考情報を生成する。
ここで、保険料参考情報は、現在の自動車保険の保険料や値引き額を示す情報、保険料や健康状態に関するアドバイスを示す情報などが含まれている。例えばアドバイスとして、具体的な保険料の目標金額、つまり値引きの目標金額と、その目標金額を達成するために必要となるユーザの行動とを示す情報などが含まれるようにすることができる。
保険料参考情報の生成時には、ステップS221で受信された直近の健康状態時系列データだけでなく、既に記録部82に記録されている過去の健康状態時系列データや、自動車保険申し込み時のユーザの保険や車両に関する情報なども必要に応じて用いられる。
また、制御部83は、記録部82に記録されている健康状態時系列データを読み出し、読み出した健康状態時系列データと、ステップS223で生成された保険料参考情報とを通信部81に供給する。
ステップS224において、通信部81は、制御部83から供給された健康状態時系列データおよび保険料参考情報を端末装置11に送信し、時系列データ受信処理は終了する。
なお、より詳細には、健康状態時系列データおよび保険料参考情報の送信は、例えば1日に1度などの特定の頻度で行われるようにすればよい。その際、まだ送信されていない分だけ健康状態時系列データが読み出されて送信されるようにすればよい。
健康状態時系列データおよび保険料参考情報が送信されると、ステップS216において、端末装置11の通信部41は、保険管理サーバ12から送信されてきた健康状態時系列データおよび保険料参考情報を受信して制御部45に供給する。
ステップS217において、制御部45は、通信部41から供給された健康状態時系列データを記録部47に供給し、記録させる。なお、保険料参考情報も記録されるようにしてもよい。
ステップS218において、表示制御部53は、ステップS216で受信された健康状態時系列データおよび保険料参考情報を表示部48に供給して表示させ、時系列データ送信処理は終了する。
なお、健康状態時系列データおよび保険料参考情報の表示のタイミングは、同時でもよいし異なっていてもよい。例えば保険料参考情報の表示タイミングを、ユーザが車両を運転する直前などとするようにしてもよい。
ステップS218の処理が行われると、例えば図12に示す保険料参考情報が表示部48に表示される。この例では、表示部48には保険料参考情報として現時点での保険料の値引き額を示す文字情報「現時点での値引き参考額は、1300円です。」と、値引き額や安全運転に関連するアドバイスを示す文字情報「ここ数日はあまり睡眠を取っていないようですね。これから1週間平均8時間睡眠で値引き額が1500円に増えます。」とが表示されている。
このような表示を行なえば、ユーザに対して現時点での値引き額を提示することができる。さらに、ユーザに対して安全運転を行うために、またより大きな値引き額を得るために、十分に睡眠をとるように注意を促すことができる。しかも、この例では、目標となる値引き金額である1500円と、その値引きを受けるためにユーザがすべき行動である1週間で平均8時間睡眠とが具体的に提示されており、ユーザの健康的な生活を促進することができるとともに、ユーザのモチベーションを向上させることができる。
このように図12に示す保険料参考情報の表示では、睡眠や労働等のユーザの行動と、値引き額、つまり保険料というサービスの対価との関係を示す情報が、保険管理サーバ12から端末装置11に通知されることになる。
なお、図12に示す例においても、保険料参考情報としてアドバイスを示す文字情報を表示するか否かをユーザ自身が設定できるようにしてもよい。
また、保険料参考情報では、ユーザが十分な睡眠をとっていないときや、労働時間が長いときには、十分に睡眠をとるように促したり、長時間の労働後の運転を控えるように促したりするなどの警告を、適宜、アドバイスとして表示させることもできる。
さらに、この実施の形態では、端末装置11の電源がオフとなっている状態では、健康状態時系列データの生成を行うことはできない。そのため、端末装置11の電源がオフされている状態が長いと、正確に保険料を算出できなくなることがある。
そこで、端末装置11から受信される健康状態時系列データが少ない場合、つまり端末装置11の電源がオフされている期間が長い場合には、ステップS223において、ユーザに対して、端末装置11の電源をオンしておくように促すアドバイス(メッセージ)が含まれる保険料参考情報が生成されるようにしてもよい。そのような場合、ステップS218では、例えば図13に示す保険料参考情報が表示される。
この例では、表示部48には保険料参考情報として現時点での保険料の値引き額を示す文字情報「現時点での値引き参考額は、800円です。」と、端末装置11の電源をオンしておくように促すアドバイスを示す文字情報「端末の電源が落ちている時間が長かったようです。電源を常時入れていると、値引き金額が増える可能性があります。」とが表示されている。
このような表示を行なえば、ユーザに対して現時点での値引き額を提示することができる。例えば、端末装置11がオフされている時間が所定時間以上である場合、保険料算出部91は、ユーザに対する値引き金額が最も不健康な生活をしているときと同じ金額、つまり最低の値引き金額にするなどとすることができる。換言すれば、安全運転度合いのスコアを最低スコアとするなどとすることができる。
さらに、ユーザに対して電源がオフされている時間が長かった旨と、電源をオンすれば値引き金額が増える可能性がある旨のメッセージを提示することで極力、端末装置11の電源をオンしておくように促すことができる。また、ユーザは、どのように行動すれば、値引き金額が増えるかを具体的に把握することができる。
例えば図13に示す保険料参考情報の表示は、健康状態時系列データが得られない状態が所定期間以上続いた場合や、健康状態時系列データが得られなかった状態が所定回数以上発生したときなどに行われる。
以上のようにして端末装置11は、健康状態時系列データが一定量得られるごとに、健康状態時系列データを保険管理サーバ12へと送信する。また、保険管理サーバ12は、健康状態時系列データを受信して記録するとともに、定期的に保険料参考情報を生成して端末装置11に送信する。このように一定量ずつ健康状態時系列データを保険管理サーバ12に送信することで、通信コストを低く抑えることができる。
〈運転判定情報送信処理および保険料算出処理の説明〉
また、図11を参照して説明したように、一定量ずつ健康状態時系列データが保険管理サーバ12に送信される場合、第1の実施の形態のように端末装置11で運転判定処理が行われるときには、図14に示す処理が行われる。すなわち、以下、図14のフローチャートを参照して、端末装置11による運転判定情報送信処理、および保険管理サーバ12による保険料算出処理について説明する。
運転判定情報送信処理が開始されると、ステップS251およびステップS252の処理が行われて、運転中であるかの判定が行われるが、これらの処理は図4のステップS11およびステップS12の処理と同様であるので、その説明は省略する。
なお、ステップS252において、運転中でないと判定された場合、処理はステップS251に戻り、上述した処理が繰り返し行われる。
これに対して、ステップS252において運転中であると判定された場合、すなわちユーザが車両の運転を開始した場合、運転判定処理部51は、ユーザが運転中である旨の運転判定情報を生成して通信部41に供給し、処理はステップS253へと進む。
ステップS253において、通信部41は、運転判定処理部51から供給された運転判定情報を保険管理サーバ12に送信する。
すると、ステップS261において、保険管理サーバ12の通信部81は、端末装置11から送信されてきた運転判定情報を受信して制御部83に供給する。
ステップS262において、制御部83は、通信部81から供給された運転判定情報に基づいて、記録部82からユーザの健康状態時系列データを読み出す。具体的には、運転判定情報により示されるユーザの運転開始時刻から、所定時間範囲内の健康状態時系列データ、例えば運転開始前の直近1日分の健康状態時系列データが読み出される。なお、読み出された健康状態時系列データに対して、必要に応じて復号や解凍処理が行われる。
健康状態時系列データが読み出されると、その後、ステップS263乃至ステップS265の処理が行われて保険料算出処理は終了するが、これらの処理は図4のステップS22乃至ステップS24の処理と同様であるので、その説明は省略する。
また、ここでは記録部82から健康状態時系列データを読み出す例について説明したが、図4における場合と同様に、端末装置11から運転判定情報とともに健康状態時系列データを受信するようにしてもよい。
さらに、保険管理サーバ12から端末装置11へと保険料金額情報が送信されると、端末装置11では、ステップS254およびステップS255の処理が行われて運転判定情報送信処理は終了する。なお、これらのステップS254およびステップS255の処理は、図4のステップS16およびステップS17の処理と同様であるので、その説明は省略する。
以上のようにして保険管理サーバ12は、端末装置11から運転判定情報を受信すると、その運転判定情報に基づいて、予め端末装置11から受信しておいた健康状態時系列データを読み出して保険料を算出する。この場合においてもユーザが運転を行っていないとき、かつユーザが運転を行う前の所定期間の健康状態時系列データを用いて、ユーザの運転開始時、つまり乗車時に保険料を算出することができ、自動車保険のより適切な保険料を算出することができる。
〈第5の実施の形態〉
〈運転判定情報送信処理、運転判定処理、および保険料算出処理の説明〉
また、図11を参照して説明したように、一定量ずつ健康状態時系列データを保険管理サーバ12に送信する手法は、第2の実施の形態にも適用することができる。
そのような場合、自動車保険システムは、端末装置11、車載端末装置111、および保険管理サーバ12から構成される。
この自動車保険システムでは、図11を参照して説明した処理が行われて、端末装置11から保険管理サーバ12へと一定量ずつ健康状態時系列データが送信されて蓄積される。
また、端末装置11、車載端末装置111、および保険管理サーバ12では、それぞれ図15に示す処理が行われる。以下、図15のフローチャートを参照して、端末装置11による運転判定情報送信処理、車載端末装置111による運転判定処理、および保険管理サーバ12による保険料算出処理について説明する。
まず、車載端末装置111では、運転判定処理として、ステップS291乃至ステップS296の処理が行われ、ユーザが車両の運転を開始すると運転判定情報が生成されて端末装置11へと送信される。なお、これらのステップS291乃至ステップS296の処理は、図6のステップS71乃至ステップS76の処理と同様であるので、その説明は省略する。
車載端末装置111から運転判定情報が送信されると、ステップS311において、端末装置11の通信部41は、車載端末装置111から送信されてきた運転判定情報を受信して制御部45に供給する。
また、制御部45は、受信された運転判定情報を通信部41に供給して送信を指示する。
ステップS312において、通信部41は、制御部45から供給された運転判定情報を保険管理サーバ12に送信する。
すると、ステップS301において、保険管理サーバ12の通信部81は、端末装置11から送信されてきた運転判定情報を受信して制御部83に供給する。
運転判定情報が受信されると、その後、ステップS302乃至ステップS305の処理が行われて保険料算出処理は終了するが、これらの処理は図14のステップS262乃至ステップS265の処理と同様であるので、その説明は省略する。
また、保険管理サーバ12から端末装置11へと保険料金額情報が送信されると、端末装置11では、ステップS313およびステップS314の処理が行われて運転判定情報送信処理が終了するが、これらの処理は図14のステップS254およびステップS255の処理と同様であるので、その説明は省略する。
以上のように車載端末装置111において運転判定処理を行う場合においても、ユーザが運転を行っていないとき、かつユーザが運転を行う前の所定期間の健康状態時系列データを用いて、自動車保険のより適切な保険料を算出することができる。
〈第6の実施の形態〉
〈申し込み処理および受け付け処理の説明〉
さらに、図11を参照して説明したように、一定量ずつ健康状態時系列データを保険管理サーバ12に送信する手法は、第3の実施の形態にも適用することができる。
そのような場合、自動車保険システムは、端末装置11、車載端末装置111、および保険管理サーバ12から構成される。
この自動車保険システムでは、図11を参照して説明した処理が行われて、端末装置11から保険管理サーバ12へと一定量ずつ健康状態時系列データが送信されて蓄積される。
また、カーシェアについての掛け捨ての自動車保険の申し込み時には、端末装置11および保険管理サーバ12では、図16に示す処理が行われる。以下、図16のフローチャートを参照して、端末装置11による申し込み処理、および保険管理サーバ12による受け付け処理について説明する。
申し込み処理が開始されると、ステップS341およびステップS342の処理が行われて、保険申し込み情報が送信される。なお、これらのステップS341およびステップS342の処理は、図7のステップS113およびステップS114の処理と同様であるので、その説明は省略する。
また、保険申し込み情報が送信されると、保険管理サーバ12では、ステップS351乃至ステップS353の処理が行われる。なお、ステップS351乃至ステップS353の処理は、図7のステップS131乃至ステップS133の処理と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS353において、運転予定時刻の所定時間前となったと判定されると、ステップS354において、制御部83は、記録部82からユーザの健康状態時系列データを読み出す。具体的には、ユーザの運転予定時刻から、所定時間範囲内の健康状態時系列データ、例えば運転予定時刻前の直近1日分の健康状態時系列データが読み出される。このとき、読み出された健康状態時系列データに対して、必要に応じて復号や解凍処理が行われる。
健康状態時系列データが読み出されると、その後、ステップS355乃至ステップS357の処理が行われて受け付け処理は終了するが、これらの処理は図7のステップS136乃至ステップS138の処理と同様であるので、その説明は省略する。
また、保険管理サーバ12から端末装置11へと保険料金額情報が送信されると、端末装置11では、ステップS343およびステップS344の処理が行われて申し込み処理が終了するが、これらの処理は図7のステップS117およびステップS118の処理と同様であるので、その説明は省略する。
以上のように自動車保険の申し込みと受け付けが行われると、その後、端末装置11、車載端末装置111、および保険管理サーバ12では、図9を参照して説明した保険料金額情報受信処理、運転判定処理、および保険料金額情報送信処理が行われる。
このようにカーシェアを行う場合においても、ユーザが運転を行っていないとき、かつユーザが運転を行う前の所定期間の健康状態時系列データを用いて、自動車保険のより適切な保険料を算出することができる。
〈第7の実施の形態〉
〈保険管理サーバの構成例〉
なお、第4の実施の形態では、健康状態時系列データが一定量ずつ保険管理サーバ12へと送信される。このようにユーザの行動や生体の状態を認識した結果を示す健康状態時系列データは、ユーザにより改竄される恐れもあるだけでなく、健康状態時系列データを求めるための端末装置11での計算コストも大きくなってしまう。
そこで、健康状態時系列データの改竄を防止するために、端末装置11から保険管理サーバ12へと行動情報および生体情報が送信され、保険管理サーバ12において健康状態時系列データが生成されるようにしてもよい。
そのような場合、保険管理サーバ12は、例えば図17に示すように構成される。なお、図17において図3における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は省略する。
図17に示す保険管理サーバ12は、通信部81、記録部82、および制御部83を有しており、制御部83は、保険料算出部91および時系列データ生成部161を有している。すなわち、図17に示す保険管理サーバ12の構成は、図3に示した保険管理サーバ12の構成に対して、制御部83にさらに時系列データ生成部161を設けた構成となっており、その他の構成は図3の保険管理サーバ12の構成と同じとなっている。
時系列データ生成部161は、図2の端末装置11の時系列データ生成部52に対応し、行動情報および生体情報に基づいて健康状態時系列データを生成する。
〈情報送信処理および情報受信処理の説明〉
次に、保険管理サーバ12において健康状態時系列データを生成するときに端末装置11および保険管理サーバ12により行われる処理について説明する。すなわち、以下、図18のフローチャートを参照して、端末装置11による情報送信処理、および保険管理サーバ12による情報受信処理について説明する。
端末装置11による情報送信処理が開始されると、ステップS381の処理が行われ、行動情報および生体情報が取得されるが、ステップS381の処理は図11のステップS211の処理と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS382において、制御部45は、行動情報取得部43から供給された行動情報、および生体情報取得部44から供給された生体情報の暗号化および圧縮を行う。すなわち、行動情報が所定の方式で暗号化および圧縮されるとともに、生体情報も所定の方式で暗号化および圧縮される。
ステップS383において、制御部45は、行動情報および生体情報を送信するか否かを判定する。
例えば健康状態時系列データに代えて、行動情報および生体情報を保険管理サーバ12に送信するようにすれば、これらの行動情報および生体情報を端末装置11で改竄することは困難であるから、不正を防止してセキュリティを向上させることができる。
一方で、行動情報や生体情報は、健康状態時系列データと比べるとデータ量が多いので、これらの行動情報や生体情報を送信する場合には、健康状態時系列データを送信する場合と比較して通信コストと端末装置11の消費電力が多くなってしまう。
そこで、この実施の形態では端末装置11は、例えばWi-Fi(登録商標)などの予め定められた通信接続がされた場合、つまりユーザにとって通信コストの低い通信が可能な状態となった場合、または端末装置11が充電中の状態となった場合に、ステップS383において行動情報および生体情報を送信すると判定される。
例えばユーザにとって最も通信コストが低くなるような通信が可能となる通信接続の方式を予め登録しておき、予め登録された方式での通信接続となったときに送信処理を行うようにすれば、低い通信コストで送信を行うことができる。また、端末装置11の充電中に送信処理を行うようにすれば、端末装置11のバッテリの残量が減ってしまうこともない。
なお、ここでは予め定められた通信接続がされた場合、または充電中の状態となった場合の何れか一方の状態となったときに行動情報および生体情報を送信すると判定される例について説明する。しかし、予め定められた通信接続がされ、かつ充電中の状態となった場合に行動情報および生体情報を送信すると判定されるようにしてもよいし、予め定められた通信接続がされた場合にのみ、または充電中の状態となった場合にのみ行動情報および生体情報を送信すると判定されるようにしてもよい。
ステップS383において、行動情報および生体情報を送信しないと判定された場合、処理はステップS381に戻り、上述した処理が繰り返し行われる。
これに対して、ステップS383において、行動情報および生体情報を送信すると判定された場合、制御部45は、ステップS382で得られた、暗号化および圧縮が行われた行動情報および生体情報を通信部41に供給し、処理はステップS384に進む。
ステップS384において、通信部41は、制御部45から供給された行動情報および生体情報を保険管理サーバ12に送信する。
すると、ステップS391において、保険管理サーバ12の通信81は、端末装置11から送信されてきた行動情報および生体情報を受信して制御部83に供給する。
ステップS392において、時系列データ生成部161は、通信部81から供給された行動情報および生体情報に基づいて、健康状態時系列データを生成する。なお、ステップS392では、必要に応じて行動情報や生体情報の復号や解凍処理が行われた後、図11のステップS212と同様の処理が行われる。
健康状態時系列データが生成されると、その後、ステップS393乃至ステップS395の処理が行われて情報受信処理は終了するが、これらの処理は図11のステップS222乃至ステップS224の処理と同様であるので、その説明は省略する。
また、ステップS395の処理が行われて保険管理サーバ12から健康状態時系列データおよび保険料参考情報が送信されると、端末装置11ではステップS385乃至ステップS387の処理が行われて情報送信処理は終了する。なお、これらのステップS385乃至ステップS387の処理は、図11のステップS216乃至ステップS218の処理と同様であるので、その説明は省略する。
以上のようにして端末装置11は、行動情報および生体情報を取得し、所定のタイミングでそれらの行動情報および生体情報を保険管理サーバ12に送信する。また、保険管理サーバ12は、受信した行動情報および生体情報から健康状態時系列データを生成する。
このようにすることで、端末装置11における通信コストと消費電力を低く抑えつつ、健康状態時系列データの改竄を防止し、セキュリティを向上させることができる。また、端末装置11での計算コストも低減させることができる。
以上の処理により保険管理サーバ12に健康状態時系列データが記録されると、その後、自動車保険システムでは、適宜、例えば図14を参照して説明した処理や、図15を参照して説明した処理、図16を参照して説明した処理、図9を参照して説明した処理などが行われる。
また、図18を参照して説明した情報送信処理では、行動情報と生体情報の両方が送信される場合について説明したが、行動情報のみが送信されるか、または行動情報と生体情報の両方が送信されるかをユーザが設定できるようにしてもよい。
そのような場合、端末装置11は、例えば表示部48に図19に示す設定画面を表示させて設定を行う。
図19に示す例では、設定画面には、生体情報を送信する旨の文字情報「生体情報を送信します」と、チェックボックスCB11とが表示されている。
また、設定画面には、生体情報を送信する設定としたときのユーザのメリットを示す文字情報「同意いただくと保険料値引き額がUPします。同意いただけない場合は、心拍数、呼吸数、血圧などの生体情報は一切送信されません。」がメッセージとして表示されている。
すなわち、メッセージとして、ユーザが提供する情報の種類や量と、サービスの対価である保険料との関係を示す情報が表示されている。このような提示を行うことで、ユーザは、サービスに利用される自身の情報の種類や量、つまり自身の情報の開示範囲と、保険料の値引きというサービスの対価とを比較して、ユーザ自身に合った設定を行うことができる。
また、ユーザの血圧や心拍数などの生体情報は、ユーザの疲労度合い、つまり安全運転度合いに大きく影響する情報である。そのため、保険管理サーバ12側にとっても、生体情報を提供してくれたユーザを優遇し、保険料の値引きを大きくすることでユーザの生体情報の提供を促進すれば、より高精度に、より適切な保険料を算出することができる。
この例では、例えばユーザが入力部46を操作してチェックボックスCB11にチェック記号が表示された状態とされると、生体情報が送信される設定とされる。この場合、制御部45は、入力部46からの信号に基づいて、生体情報を送信する旨の送信フラグを生成し、記録部47に記録する。そして、図18のステップS384の処理では、送信フラグが参照されて、行動情報および生体情報が保険管理サーバ12へと送信される。
これに対して、例えばチェックボックスCB11にチェック記号が表示されていない状態とされると、生体情報が送信されない設定とされる。この場合、制御部45は、入力部46からの信号に基づいて、生体情報を送信しない旨の送信フラグを生成し、記録部47に記録する。そして、図18のステップS384の処理では、送信フラグが参照されて、行動情報のみが保険管理サーバ12へと送信される。
また、生体情報を送信するか否かを示す送信フラグは、通信部41により保険管理サーバ12にも送信される。この場合、保険管理サーバ12の通信部81は、端末装置11からの送信フラグを受信し、受信された送信フラグは記録部82に記録される。さらに、保険料算出部91による保険料の算出時には、記録部82に記録された送信フラグが参照されて、その送信フラグの値、つまり生体情報が送信されるか否かに応じて、保険料の値引き額が決定される。具体的には、生体情報を提供する場合の方が、生体情報の提供がない場合よりも値引き額が大きくなるようにされる。
なお、図19に示した生体情報を送信するか否かの設定画面は、設定時に保険管理サーバ12において生成されて、保険管理サーバ12の通信部81により端末装置11に送信され、通信部41により受信されるようにしてもよい。この場合、生体情報の提供をすることにより値引き額が増える旨の通知が保険管理サーバ12から端末装置11に対して行われることになる。また、生体情報にも血圧や心拍数、呼吸数など、様々な種類があるので、ユーザがそれらの種類のうちの任意のいくつかを、送信する生体情報として選択できるようにしてもよい。
〈第8の実施の形態〉
〈情報送信処理および情報受信処理の説明〉
また、第7の実施の形態では、端末装置11の通信接続の状態や充電中であるかなど、所定の条件を満たす状態となったときに行動情報と生体情報が送信される例について説明した。しかし、これらの行動情報や生体情報が一定量だけ得られたときに送信されるようにしてもよい。
そのような場合、自動車保険システムを構成する保険管理サーバ12は、例えば図17に示した構成とされる。また、このとき端末装置11と保険管理サーバ12により図20に示す処理が行われる。以下、図20のフローチャートを参照して、端末装置11により行われる情報送信処理、および保険管理サーバ12により行われる情報受信処理について説明する。
端末装置11による情報送信処理が開始されると、ステップS421およびステップS422の処理が行われて行動情報および生体情報の取得と、暗号化および圧縮が行われる。なお、これらのステップS421およびステップS422の処理は、図18のステップS381およびステップS382の処理と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS423において、制御部45は、行動情報および生体情報が一定量だけ得られたか否かを判定する。
ステップS423において、行動情報および生体情報が一定量得られていないと判定された場合、処理はステップS421に戻り、上述した処理が繰り返し行われる。
これに対して、ステップS423において、行動情報および生体情報が一定量得られたと判定された場合、制御部45は、ステップS422で得られた、暗号化および圧縮が行われた行動情報および生体情報を通信部41に供給し、処理はステップS424に進む。
ステップS424において、通信部41は、制御部45から供給された行動情報および生体情報を保険管理サーバ12に送信する。
すると、保険管理サーバ12では、情報受信処理として、ステップS441乃至ステップS445の処理が行われる。なお、これらのステップS441乃至ステップS445の処理は、図18のステップS391乃至ステップS395の処理と同様であるので、その説明は省略する。
また、保険管理サーバ12で情報受信処理が行われ、健康状態時系列データおよび保険料参考情報が送信されると、その後、端末装置11では、ステップS425乃至ステップS427の処理が行われて情報送信処理は終了する。なお、これらのステップS425乃至ステップS427の処理は、図18のステップS385乃至ステップS387の処理と同様であるので、その説明は省略する。
以上のようにして端末装置11は、行動情報および生体情報を取得し、一定量だけ取得されたタイミングでそれらの行動情報および生体情報を保険管理サーバ12に送信する。また、保険管理サーバ12は、受信した行動情報および生体情報から健康状態時系列データを生成する。
このようにすることで健康状態時系列データの改竄を防止し、セキュリティを向上させることができる。特に、この実施の形態で説明した処理では、一定量の行動情報と生体情報が得られると直ちにそれらの情報が送信されるので、上述した第6の実施の形態や第7の実施の形態よりもセキュリティを向上させることができる。
以上の処理により保険管理サーバ12に健康状態時系列データが記録されると、その後、自動車保険システムでは、適宜、例えば図14を参照して説明した処理や、図15を参照して説明した処理、図16を参照して説明した処理、図9を参照して説明した処理などが行われる。
なお、端末装置11では、第7の実施の形態と同様に生体情報を送信するか否かを設定できるようにしてもよい。
また、端末装置11において、図20を参照して説明したように行動情報および生体情報が一定量だけ得られたときに送信されるか、または図18を参照して説明したように、所定の条件が満たされる状態となったときに行動情報および生体情報が送信されるかを設定できるようにしてもよい。
そのような場合、端末装置11は、例えば表示部48に図21に示す設定画面を表示させて設定を行う。なお、図21に示す例では、特に生体情報は送信せずに行動情報のみが送信される場合を例として説明しているが、行動情報と生体情報の両方が送信される場合においても同様の設定を行なえばよい。
図21に示す例では、設定画面には行動情報を常時送信する旨の文字情報「行動情報を常時送信します」と、チェックボックスCB21とが表示されている。
また、設定画面には、行動情報を常時送信する設定としたときのユーザのメリットを示す文字情報「同意いただくと保険料値引き額がUPします。ただし、消費電力・通信費が増すことがあります。同意いただけない場合は、充電中もしくはWifi接続時のみ情報を送信します。」がメッセージとして表示されている。
例えば行動情報を常時送信するようにすれば、行動情報を充電中などの特定の条件が満たされるときにのみ送信する場合よりも、一度の通信のデータ量も少ないだけでなく、改竄などの不正も困難となるため、より適切な保険料を算出することができる。
そのため、保険管理サーバ12側にとっても、行動情報を常時送信するように設定してくれたユーザを優遇し、保険料の値引きを大きくすることでユーザの行動情報の常時送信を促進すれば、不正を防止してセキュリティを向上させることができる。
この例では、例えばユーザが入力部46を操作してチェックボックスCB21にチェック記号が表示された状態とされると、行動情報が常時送信される設定、つまり行動情報が一定量だけ取得されると、直ちに送信される設定とされる。この場合、制御部45は、入力部46からの信号に基づいて、行動情報を常時送信する旨の常時送信フラグを生成し、記録部47に記録する。そして、常時送信フラグが参照されて、情報送信処理として図20を参照して説明した処理が行われる。
これに対して、例えばチェックボックスCB21にチェック記号が表示されていない状態とされると、所定条件が満たされたときに行動情報が送信される設定とされる。この場合、制御部45は、入力部46からの信号に基づいて、常時送信をしない旨の常時送信フラグを生成し、記録部47に記録する。そして、常時送信フラグが参照されて、情報送信処理として図18を参照して説明した処理が行われる。
また、行動情報を常時送信するか否かを示す常時送信フラグは、通信部41により保険管理サーバ12にも送信される。この場合、保険管理サーバ12の通信部81は、端末装置11からの常時送信フラグを受信し、受信された常時送信フラグは記録部82に記録される。さらに、保険料算出部91による保険料の算出時には、記録部82に記録された常時送信フラグが参照されて、その常時送信フラグの値、つまり行動情報が常時送信されるか否かに応じて、保険料の値引き額が決定される。具体的には、行動情報を常時送信する場合の方が、常時送信をしない場合よりも値引き額が大きくなるようにされる。
なお、図21に示した行動情報を常時送信するか否かの設定画面は、設定時に保険管理サーバ12において生成されて端末装置11に送信されるようにしてもよい。この場合、行動情報の常時送信をすることにより値引き額が増える旨の通知が保険管理サーバ12から端末装置11に対して行われることになる。
〈第9の実施の形態〉
〈端末装置の構成例〉
ところで、端末装置11で得られる生体情報、つまり生体認識時系列データと、実際にユーザが車両を運転しているときの運転内容とには強い関連性がある。
例えばユーザの心拍数が高いときなどには、ユーザは安全な運転をすることができないこともある。そこで、端末装置11において、運転時に健康状態時系列データと、運転内容を示す運転状態情報とを生成するようにしてもよい。これにより、保険管理サーバ12において、運転時の健康状態時系列データおよび運転状態情報から、ユーザが安全な運転をすることができない可能性のあるときには、その旨のメッセージをユーザが車両を運転する前に提示することができるようになる。
具体的には、例えばユーザが心拍数が高いときに、いわゆるフラフラ運転などの不安定な運転をした履歴がある場合、ユーザが心拍数が高い状態で車両に乗車しようとしたときに警告等のメッセージを提示し、注意を促すことができる。
このように健康状態時系列データとともに運転状態情報を生成する場合、端末装置11は、例えば図22に示すように構成される。なお、図22において図2における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は省略する。
図22に示す端末装置11は、通信部41、乗車情報取得部201、運転情報取得部42、行動情報取得部43、生体情報取得部44、制御部45、入力部46、記録部47、および表示部48を有している。また、制御部45は、運転判定処理部51、時系列データ生成部52、表示制御部53、乗車判定処理部221、および運転状態生成部222を有している。
図22に示す端末装置11は、図2に示した端末装置11に対して、新たに乗車情報取得部201、乗車判定処理部221、および運転状態生成部222が設けられた構成となっている。
乗車情報取得部201は、例えば近距離無線通信を行うビーコンや、衛星測位システム等の自身の位置を測定する位置測定部などからなり、ユーザの車両への乗車を検出するための乗車情報を取得し、制御部45に供給する。
乗車判定処理部221は、乗車情報取得部201から供給された乗車情報に基づいて、自動車保険の対象となっている車両にユーザが乗車したか否かを判定する乗車判定処理を行う。
例えば乗車情報取得部201がビーコンからなる場合、自動車保険の対象となっている車両にもビーコンが設けられている。端末装置11が車両に接近すると、つまり車両から所定距離の領域内に端末装置11が入ると、乗車情報取得部201は、車両のビーコンから近距離無線通信により、車両に接近した旨の信号を受信して制御部45へと出力する。乗車判定処理部221は、乗車情報取得部201から車両に接近した旨の信号が供給された場合、ユーザが乗車したと判定する。
また、例えば乗車情報取得部201が位置測定部からなる場合、乗車判定処理部221は、位置測定部から出力された位置情報により示される端末装置11の位置が、自動車保険の対象となっている車両近傍の位置である場合、ユーザが乗車したと判定する。
なお、乗車判定処理は、何らかの方法によりユーザが車両に接近した、またはユーザが車両の運転席に座ったことを検出可能であれば、つまりユーザの車両への乗車を検出可能であれば、どのような方法により行われてもよい。
運転状態生成部222は、運転情報取得部42から供給された運転情報に基づいて、各時刻におけるユーザによる車両の運転の状態を示す運転状態情報を生成する。例えば運転状態情報により示される運転の状態は、急加速、急ブレーキ、急ハンドル、不安定な走行などの実際の運転の状態である。これらの運転の状態は、運転情報としての位置測定部による位置の測定結果や、加速度センサによる加速度の測定結果から得ることができる。
〈保険管理サーバの構成例〉
また、端末装置11において運転状態情報が生成される場合、保険管理サーバ12は、例えば図23に示すように構成される。なお、図23において図3における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は省略する。
図23に示す保険管理サーバ12は通信部81、記録部82、および制御部83を有しており、制御部83は、保険料算出部91および危険運転判定部251を有している。
図23に示す保険管理サーバ12の構成は、図3に示した保険管理サーバ12の構成に、さらに危険運転判定部251を設けた構成となっている。
危険運転判定部251は、端末装置11から受信した、ユーザが車両を運転しているときに取得された健康状態時系列データと運転状態情報とに基づいて、ユーザが危険運転をしたか否かを判定し、その判定結果に応じて危険運転情報を生成する。
ここで、危険運転情報は、例えば急加速などの危険運転の内容を示す情報である。また、危険運転情報に、危険運転の発生日時などの情報が含まれるようにしてもよい。
〈運転状態情報送信処理および危険運転判定処理の説明〉
この実施の形態では、自動車保険システムは、図22に示した端末装置11と、図23に示した保険管理サーバ12とから構成される。以下、自動車保険システムの具体的な動作について説明する。
端末装置11では、ユーザによる車両の運転時と、非運転時との両方の状態のときに、つまり常時、健康状態時系列データの生成が行われる。特に、運転時には、健康状態時系列データだけでなく、運転状態情報の生成も行われる。
以下、図24を参照して、このような健康状態時系列データを生成する処理について説明する。すなわち、以下、図24のフローチャートを参照して、端末装置11による運転状態情報送信処理、および保険管理サーバ12による危険運転判定処理について説明する。
運転状態情報送信処理が開始されると、ステップS471乃至ステップS474の処理が行われる。なお、これらのステップS471乃至ステップS474の処理は、図4のステップS11乃至ステップS14の処理と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS472において、運転中であると判定された場合、ステップS475において、時系列データ生成部52は、健康状態時系列データを生成する。なお、ステップS475では、ステップS473と同様の処理が行われて健康状態時系列データが生成される。
なお、運転中の健康状態時系列データとしては、特に生体認識時系列データが重要であることから、行動認識時系列データは生成されないようにしてもよい。
ステップS476において運転状態生成部222は、運転情報取得部42から供給された運転情報に基づいて運転状態情報を生成する。
ステップS477において、制御部45は、ステップS475で得られた健康状態時系列データ、およびステップS476で得られた運転状態情報を記録部47に供給し、記録させる。なお、より詳細には、ユーザが車両を運転している間、継続してステップS475およびステップS476の処理が行われる。
また、制御部45は、ステップS475およびステップS476で得られた健康状態時系列データおよび運転状態情報を、通信部41に供給する。
ステップS478において、通信部41は、制御部45から供給された健康状態時系列データおよび運転状態情報を保険管理サーバ12に送信し、運転状態情報送信処理は終了する。
なお、ここでは運転中に得られた健康状態時系列データが送信される例について説明したが、運転中だけでなく、運転前の所定時間範囲内の健康状態時系列データも送信されるようにしてもよい。この場合、保険管理サーバ12では、例えば前日の睡眠時間や労働時間と、危険運転との関連性等を把握することができる。
また、運転中に得られた健康状態時系列データおよび運転状態情報が送信されると、ステップS491において、保険管理サーバ12の通信部81は、端末装置11から送信されてきた健康状態時系列データおよび運転状態情報を受信して制御部83に供給する。
ステップS492において、危険運転判定部251は、通信部81から供給された運転状態情報に基づいて、ユーザの運転が危険運転であるか否かを判定する。
例えば運転状態情報により示される急加速や急ブレーキなどの運転内容と、危険度の高い運転内容の頻度などから危険運転であるかが判定される。なお、保険管理サーバ12が端末装置11から運転中の運転情報を取得し、保険管理サーバ12において運転情報から運転状態情報を生成するようにしてもよい。
ステップS492において危険運転でないと判定された場合、危険運転判定処理は終了する。
これに対して、ステップS492において危険運転であると判定された場合、ステップS493において、危険運転判定部251は、運転状態情報やステップS492における判定結果に基づいて危険運転情報を生成する。
ステップS494において、危険運転判定部251は、生成された危険運転情報と、ステップS491で受信した健康状態時系列データとを記録部82に供給し、それらの危険運転情報と健康状態時系列データとを対応付けて記録させ、危険運転判定処理は終了する。
以上のようにして、端末装置11は、ユーザの運転中に健康状態時系列データと運転状態情報を生成し、保険管理サーバ12に送信する。また、保険管理サーバ12は、運転状態情報から危険運転であるかを判定し、危険運転が行われたときには危険運転情報と健康状態時系列データとを対応付けて記録する。これにより、ユーザが危険運転を行ったときの健康状態、特に生体の状態を記録しておくことができる。
〈乗車判定情報送信処理および保険料算出処理の説明〉
また、この自動車保険システムでは、ユーザが車両に乗車したタイミング、より詳細には、ユーザが乗車する直前、または乗車直後に保険料金額情報が表示される。
以下、図25のフローチャートを参照して、このときに行われる処理について説明する。すなわち、以下、図25のフローチャートを参照して、端末装置11による乗車判定情報送信処理、および保険管理サーバ12による保険料算出処理について説明する。
ステップS521において、端末装置11の乗車判定処理部221は、乗車情報取得部201から供給された乗車情報に基づいて乗車判定処理を行う。例えばユーザが自動車保険の対象となる車両に乗車したか、またはユーザが車両近傍にいる場合、ユーザが乗車したと判定される。
ステップS522において、乗車判定処理部221は、ステップS251の乗車判定処理の判定結果に基づいて、ユーザが車両に乗車したか否かを判定する。ステップS521において、乗車していないと判定された場合、処理はステップS521に戻り、上述した処理が繰り返し行われる。
これに対して、ステップS522において乗車したと判定された場合、乗車判定処理部221は、ユーザが車両に乗車した旨の乗車判定情報を生成し、処理はステップS523に進む。また、このとき、制御部45は、記録部47から、ユーザが乗車する前の所定時間範囲、例えば直近1日分の健康状態時系列データを読み出して、読み出した健康状態時系列データと、乗車判定情報とを通信部41に供給する。
ステップS523において、通信部41は、乗車判定情報および健康状態時系列データを保険管理サーバ12に送信する。
すると、ステップS541において、保険管理サーバ12の通信部81は、端末装置11から送信されてきた乗車判定情報および健康状態時系列データを受信して制御部83に供給する。
ステップS542において、保険料算出部91は、通信部81から供給された健康状態時系列データに基づいて、安全運転度合いを算出する。
なお、ステップS542では図4のステップS22と同様の処理が行われる。ステップS542では、適宜、乗車判定情報により示される乗車時刻や、記録部82に記録されている過去の健康状態時系列データ、記録部82に記録されているユーザの年齢や事故歴などの登録に関する情報等も参照されて安全運転度合いが算出されてもよい。
ステップS543において、保険料算出部91は、ステップS542で算出した安全運転度合いと、記録部82に記録されている、互いに対応付けられた危険運転時の危険運転情報および健康状態時系列データとに基づいて保険料を算出し、保険料金額情報を生成する。このとき、保険料算出部91は、記録部82に記録されている自動車保険申し込み時のユーザの保険や車両に関する情報や、ステップS541で受信した健康状態時系列データなども参照して、保険料を算出する。
例えば保険料算出部91は、ステップS541で受信した健康状態時系列データと、危険運転時の健康状態時系列データとの類似の度合いを算出し、その類似の度合いが所定値以上である場合には、保険料の値引き額を所定額だけ減額するなどとする。すなわち、運転直前のユーザの健康状態が、過去に危険運転をしたときと類似する健康状態であるときには、保険料の値引き額が少なくなるようになされる。なお、健康状態時系列データの類似の度合いは、例えば睡眠時間や労働時間、心拍数や血圧などの情報ごとに算出される。
ステップS544において、保険料算出部91は、ステップS541で受信した健康状態時系列データと、危険運転時の健康状態時系列データとに基づいて、健康状態に関するコメント情報を生成する。
例えば保険料算出部91は、ステップS541で受信した健康状態時系列データと、危険運転時の健康状態時系列データとの類似の度合いが所定値以上である場合、以前にユーザが同じような健康状態で危険運転した旨を伝えるとともに、運転を控えたり、安全運転を促したりする旨のメッセージをコメント情報として生成する。このとき、例えばコメント情報では、睡眠不足であった、長時間労働をした、心拍数が多かった、血圧が高かったなどの具体的な理由も通知されるようにすることができる。
また、保険料算出部91は、生成したコメント情報と保険料金額情報とを通信部81に供給する。
ステップS545において、通信部81は、保険料算出部91から供給された保険料金額情報およびコメント情報を端末装置11に送信し、保険料算出処理は終了する。
すると、ステップS524において、端末装置11の通信部41は保険管理サーバ12から送信されてきた保険料金額情報およびコメント情報を受信して制御部45に供給する。
ステップS525において、表示制御部53は、通信部41から供給された保険料金額情報およびコメント情報を表示部48に供給して表示させ、乗車判定情報送信処理は終了する。
以上のようにして端末装置11は、ユーザが車両に乗車すると乗車判定情報および健康状態時系列データを保険管理サーバ12に送信する。また、保険管理サーバ12は、乗車判定情報および健康状態時系列データを受信して保険料金額情報およびコメント情報を生成し、端末装置11に送信する。
これにより、ユーザに対して保険料等を提示することができるだけでなく、コメント情報により運転を控えたり、安全運転を心がけたりするよう促すことができ、事故の発生を抑制することができる。
〈第10の実施の形態〉
〈車載端末装置の構成例〉
また、自動車保険システムを構成する車載端末装置111において、運転者認証情報からユーザの疲労度合いを算出できる場合、そのような疲労度合いを安全運転度合い、つまり保険料の算出に利用することができる。
運転者認証情報としてユーザの顔を含む画像が得られる場合、運転者認証情報を用いれば、推定により高精度にユーザの疲労度合いを示す疲労度推定情報を得ることができる。
これに対して、例えば行動情報や生体情報は低コストで、常時得ることのできる情報であるが、それらの情報から得られた健康状態時系列データを用いて疲労度合いを算出しても、疲労度推定情報ほど高精度には疲労度合いを求めることができない。
そこで、運転者認証情報から得られたユーザの疲労度合いを示す疲労度推定情報と、健康状態時系列データから算出された疲労度合いとを比較して、その比較結果に応じて安全運転度合い、すなわち保険料を補正すれば、より適切な保険料を算出することができる。
具体的には、例えば健康状態時系列データから求めた疲労度合いが、疲労度推定情報により示される疲労度合いよりも小さい場合、次回、安全運転度合いを算出するときには、安全運転度合いが少し小さめに算出されるように補正が行われる。
このように運転者認証情報から疲労度推定情報を求める場合、車載端末装置111は、例えば図26に示すように構成される。なお、図26において図5における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は省略する。
図26に示す車載端末装置111は、通信部121、運転者認証情報取得部122、運転情報取得部123、制御部124、入力部125、記録部126、および表示部127を有している。また、制御部124は、認証処理部131、運転判定処理部132、表示制御部133、および疲労度推定部281を有している。
図26に示す車載端末装置111の構成は、図5に示した車載端末装置111の構成にさらに疲労度推定部281を設けた構成となっている。
疲労度推定部281は、運転者認証情報取得部122から供給された運転者認証情報に基づいてユーザの疲労度合いを推定し、その推定結果示す疲労度推定情報を生成する。
車載端末装置111が図26に示した構成とされる場合、自動車保険システムは、図2に示した端末装置11、図26に示した車載端末装置111、および図3に示した保険管理サーバ12から構成される。
〈運転判定情報送信処理、運転判定処理、および保険料算出処理の説明〉
次に、このような自動車保険システムの具体的な動作について説明する。すなわち、以下、図27のフローチャートを参照して、端末装置11による運転判定情報送信処理、車載端末装置111による運転判定処理、および保険管理サーバ12による保険料算出処理について説明する。
端末装置11では、運転判定情報送信処理が開始されると、ステップS571およびステップS572の処理が行われる。すなわち、ユーザが自動車保険の対象となる車両を運転していない非運転期間中は、継続して健康状態時系列データの生成と記録が行われる。
なお、ステップS571およびステップS572の処理は、図6のステップS51およびステップS52の処理と同様であるので、その説明は省略する。
一方、車載端末装置111では、ユーザが自動車保険の対象となる車両を運転しているかを判定するために、ユーザの認証が行われる。
すなわち、運転判定処理が開始されると、ステップS591乃至ステップS593の処理が行われるが、これらの処理は図6のステップS71乃至ステップS73の処理と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS593においてユーザが認証されたと判定された場合、ステップS594において、疲労度推定部281は、運転者認証情報取得部122から供給された運転者認証情報に基づいて、疲労度推定情報を生成する。
例えば運転者認証情報として、運転者であるユーザの顔を被写体として含む画像が供給された場合、疲労度推定部281は、画像認識等によりユーザの表情から、ユーザの現在の疲労度合いを推定し、その推定結果を示す疲労度推定情報を生成する。
なお、画像に基づく疲労度合いの推定には、予め学習により得られた辞書などが用いられてもよい。また、例えば運転者認証情報として得られた脈拍数や呼吸数などから疲労度合いを推定するようにしてもよい。そのような場合、例えば脈拍数や呼吸数などを測定するためのセンサが車両のハンドル部分などに運転者認証情報取得部122として設けられる。
さらに、ここでは車載端末装置111において疲労度推定情報を生成する場合を例として説明するが、疲労度推定情報は、端末装置11や保険管理サーバ12で生成されるようにしてもよい。そのような場合、車載端末装置111で得られた運転者認証情報を、端末装置11や保険管理サーバ12に送信すればよい。
疲労度推定情報が生成されると、疲労度推定部281は、得られた疲労度推定情報を通信部121に供給する。さらに、その後、ステップS595およびステップS596の処理が行われて、ユーザが運転中であるかが判定される。なお、これらのステップS595およびステップS596の処理は、図6のステップS74およびステップS75の処理と同様であるので、その説明は省略する。
また、ステップS596において運転中であると判定された場合、運転判定処理部132は、ユーザが運転中である旨の運転判定情報を生成して通信部121に供給し、処理はステップS597へと進む。
ステップS597において、通信部121は、運転判定処理部132から供給された運転判定情報、および疲労度推定部281から供給された疲労度推定情報を端末装置11に送信し、運転判定処理は終了する。
すると、ステップS573において、端末装置11の通信部41は、車載端末装置111から送信されてきた運転判定情報および疲労度推定情報を受信して制御部45に供給する。また、制御部45は、記録部47から、運転判定情報が受信された時刻までの所定時間範囲内の健康状態時系列データを読み出して、読み出した健康状態時系列データと、受信された運転判定情報および疲労度推定情報とを通信部41に供給する。
ステップS574において、通信部41は、制御部45から供給された運転判定情報、疲労度推定情報、および健康状態時系列データを保険管理サーバ12に送信する。
するとステップS611において、保険管理サーバ12の通信部81は、端末装置11から送信されてきた運転判定情報、疲労度推定情報、および健康状態時系列データを受信して制御部83に供給する。
ステップS612において、保険料算出部91は、通信部81から供給された健康状態時系列データに基づいて、現在のユーザの疲労度合い示す疲労度を算出する。例えば疲労度の算出では、安全運転度合いと同様に、睡眠時間が短いほど疲労度が高くなり、労働時間が長いほど疲労度が高くなるなどとされる。また、例えば血圧や心拍数などの値と、それらの通常時における値との差が大きいほど疲労度が高くなるようにされる。
ステップS613において、保険料算出部91は、ステップS612で算出した疲労度、および予め保持している疲労度の補正値に基づいて安全運転度合いを算出する。
例えば補正値は、健康状態時系列データから算出された疲労度と、疲労度推定情報とから求められた、疲労度を補正するための値である。保険料算出部91は、保持している補正値を、ステップS612で得られた疲労度に乗算し、補正値が乗算されて補正された疲労度に基づいて、安全運転度合いを算出する。
なお、安全運転度合いの算出時には、図6のステップS82における場合と同様に、ステップS611で受信された運転判定情報や健康状態時系列データなど、他の情報も用いられてもよい。
安全運転度合いが算出されると、その後、ステップS614およびステップS615の処理が行われて、保険料金額情報が端末装置11に送信されるが、これらの処理は、図6のステップS83およびステップS84の処理と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS616において、保険料算出部91は、ステップS612で算出された疲労度、およびステップS611で受信した疲労度推定情報に基づいて、保持している補正値を更新し、保険料算出処理は終了する。
ステップS616では、保険料算出部91は、より推定精度の高い疲労度推定情報により示される疲労度合いが真の疲労度合いであるとみなし、疲労度推定情報により示される疲労度合いと、ステップS612で算出された疲労度との差の分だけ、ステップS612で算出された疲労度が補正されるように補正値を更新する。
具体的には、例えば補正値が倍率係数である場合、その初期値は1.0とされる。そして、例えば疲労度推定情報により示される疲労度合いが、ステップS612で算出された疲労度の1.5倍の値であるときには、補正値は1.0から1.5に更新される。このようにして補正された補正値は、次回のステップS613の処理を行う際に利用される。
なお、ここでは、補正値により疲労度を補正する場合を例として説明したが、直接、安全運転度合いを補正する補正値を求めるようにしてもよいし、保険料の値引き額の補正値を求めて、値引き額を補正するようにしてもよい。すなわち、最終的に、疲労度推定情報に基づいて保険料が補正されるようにすればよい。
また、保険管理サーバ12から保険料金額情報が送信されると、端末装置11では、ステップS575およびステップS576の処理が行われて運転判定情報送信処理が終了するが、これらの処理は図6のステップS55およびステップS56の処理と同様であるので、その説明は省略する。
以上のようにして車載端末装置111は、運転判定情報とともに疲労度推定情報を生成する。また、保険管理サーバ12は、疲労度推定情報を利用して保険料を算出する。このように、より推定精度の高い疲労度推定情報も用いて保険料を算出することで、より高精度に、より適切な保険料を算出することができる。
〈第11の実施の形態〉
〈車載端末装置の構成例〉
また、自動車保険システムが端末装置11、車載端末装置111、および保険管理サーバ12から構成される場合、車載端末装置111が端末装置11から健康状態時系列データを取得して保険管理サーバ12に送信したり、車載端末装置111において保険料金額情報を表示したりすることもできる。また、その際に、保険料の算出のために生体情報を保険管理サーバ12に提供するか否かも選択できるようにしてもよい。
そのような場合、車載端末装置111は、例えば図28に示すように構成される。なお、図28において、図5における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は省略する。
図28に示す車載端末装置111は、通信部121、運転者認証情報取得部122、制御部124、入力部125、記録部126、および表示部127を有している。また、制御部124は、認証処理部131、表示制御部133、および生体情報取得部311を有している。
図28に示す車載端末装置111の構成は、運転情報取得部123および運転判定処理部132が設けられておらず、新たに生体情報取得部311が設けられた点で図5に示した車載端末装置111の構成と異なり、その他の点では図5の車載端末装置111と同じ構成となっている。
生体情報取得部311は、通信部121を介して端末装置11から生体情報を取得したり、運転者認証情報取得部122から出力される運転者認証情報の一部または全部を生体情報として取得したりする。
また、車載端末装置111が図28に示す構成とされる場合、自動車保険システムを構成する端末装置11および保険管理サーバ12は、それぞれ図2および図3に示した構成とされる。
この自動車保険システムでは、車載端末装置111においてユーザの認証が行われると、ユーザは、その後、車両の運転を開始するものとされる。車両の運転が開始されるとされた場合、車載端末装置111は、端末装置11から健康状態時系列データを取得して保険管理サーバ12へと送信する。
なお、この実施の形態では、健康状態時系列データは、基本的には行動認識時系列データのみからなるものとし、健康状態時系列データとしての生体認識時系列データを得るための生体情報を保険管理サーバ12に送信するかがユーザにより選択できるようになされている。また、保険管理サーバ12に生体情報を提供する場合には、ユーザは保険料の値引きを受けることができるようになされている。ここでは、保険管理サーバ12に生体情報が送信される場合について説明するが、生体認識時系列データが送信されてもよい。
この場合、車載端末装置111には、例えば図29に示すような保険料金額情報が保険管理サーバ12から送信されてくる。
すなわち、まず車載端末装置111には、図29の矢印Q51に示す保険料金額情報が表示される。この保険料金額情報には、保険料を示す文字情報「保険料は1500円です。」と、生体情報を送信するか否かを問う文字情報「生体情報を送信することで、値引きされる可能性があります。」とが表示されている。
さらに、保険料金額情報には、生体情報を送信することを選択するときに操作されるオプション選択ボタンBT11と、生体情報を送信しないことを選択するときに操作されるキャンセルボタンBT12とが表示されている。
ここで、ユーザによりキャンセルボタンBT12が操作された場合、生体情報の送信は行われず、例えば保険料金額情報の表示は終了される。
これに対して、オプション選択ボタンBT11が選択された場合、表示部127の表示は、例えば矢印Q52に示す選択画面へと遷移する。
この選択画面には、生体情報の取得元として車載端末装置111の運転者認証情報取得部122としてのカメラを選択する選択ボタンBT21と、生体情報の取得元として端末装置11を選択する選択ボタンBT22とが設けられている。
例えば、ユーザにより選択ボタンBT21が操作されると、生体情報取得部311は、運転者認証情報取得部122としてのカメラを起動させ、そのカメラからユーザの顔を被写体とする画像を生体情報として取得し、通信部121により保険管理サーバ12に送信する。このような画像は、車載端末装置111では運転者認証情報としても用いられる。
一方、ユーザにより選択ボタンBT22が操作されると、生体情報取得部311は、通信部121を介して端末装置11から生体情報を取得するとともに、取得した生体情報を通信部121により保険管理サーバ12に送信する。
このようにして生体情報が送信されると、保険管理サーバ12では、生体情報から得られる生体認識時系列データも健康状態時系列データとして用いられて、保険料の再計算が行われ、再計算後の保険料金額情報が保険管理サーバ12から送信されてくる。
すると、車載端末装置111の表示部127には、例えば矢印Q53に示す保険料金額情報が表示される。この保険料金額情報には、値引きされた旨の文字情報「送信されたデータに基づいて、保険料が値引きされました。」と、値引き額と値引き後の保険料を示す文字情報「保険料は800です。(値引き額700円)」とが表示されている。
このように生体情報の送信の可否を選択できるようにするだけでなく、生体情報の取得元も選択できるようにすることで、ユーザは自動車保険サービスを利用する際に、自分に合った選択を行うことができる。また、自動車保険システムにおいても生体情報の提供を促進し、生体情報を用いて、より高精度に、より適切な保険料を算出することができる。
〈運転判定処理の説明〉
次に、自動車保険システムのより具体的な動作について説明する。
まず、図30のフローチャートを参照して、車載端末装置111による運転判定処理について説明する。
なお、ステップS641乃至ステップS643の処理は、図6のステップS71乃至ステップS73の処理と同様であるので、その説明は省略する。また、この実施の形態では、ユーザの認証がされると、ユーザにより車両が運転されると判定されるが、ステップS643において認証されたと判定された後、図6のステップS74およびステップS75と同様の処理が行われるようにしてもよい。
ステップS643においてユーザが認証されたと判定された場合、制御部124は、健康状態時系列データの送信を要求する旨の送信要求を生成して通信部121に供給し、処理はステップS644に進む。
ステップS644において通信部121は、制御部124から供給された健康状態時系列データの送信要求を端末装置11に送信する。すると、端末装置11からは、送信要求に応じて健康状態時系列データが送信されてくる。ここでは、健康状態時系列データは、行動認識時系列データのみからなるものとする。
ステップS645において、通信部121は、端末装置11から送信されてきた健康状態時系列データを受信して制御部124に供給する。
また、制御部124は、通信部121から供給された健康状態時系列データを通信部121に供給する。このとき、制御部124が、ユーザが車両の運転を開始した旨の運転判定情報も通信部121に供給するようにしてもよい。
ステップS646において、通信部121は、制御部124から供給された健康状態時系列データを保険管理サーバ12に送信する。すると、保険管理サーバ12からは保険料金額情報が送信されてくる。
ステップS647において、通信部121は、保険管理サーバ12から送信されてきた保険料金額情報を受信して制御部124に供給する。
ステップS648において、表示制御部133は、通信部121から供給された保険料金額情報を表示部127に供給して表示させる。
これにより、表示部127には、例えば図29の矢印Q51に示した保険料金額情報が表示される。すると、ユーザは、入力部125を操作することで、オプション選択ボタンBT11やキャンセルボタンBT12を操作したり、選択画面において選択ボタンBT21や選択ボタンBT22を操作したりする。
ステップS649において、制御部124は、入力部125からの信号に基づいて、ユーザにより値引きオプションが選択されたか否かを判定する。
ここでは、ユーザによりオプション選択ボタンBT11が操作された場合、値引きオプションが選択されたと判定される。これに対して、ユーザによりキャンセルボタンBT12が操作された場合、値引きオプションが選択されなかったと判定される。
ステップS649において値引きオプションが選択されなかったと判定された場合、ステップS650乃至ステップS656の処理はスキップされて運転判定処理は終了する。
これに対して、ステップS649において、値引きオプションが選択されたと判定された場合、ステップS650において制御部124は、入力部125からの信号に基づいて、端末装置11から生体情報を取得するか否かを判定する。
例えば図29の矢印Q52に示す選択画面で選択ボタンBT21が操作された場合、端末装置11から生体情報を取得しない、つまり車載端末装置111で生体情報を取得すると判定される。これに対して、選択画面で選択ボタンBT22が操作された場合、端末装置11から生体情報を取得すると判定される。
ステップS650において、端末装置11から生体情報を取得すると判定された場合、生体情報取得部311は、生体情報の送信を要求する送信要求を生成して通信部121に供給し、処理はステップS651へと進む。
ステップS651において、通信部121は、生体情報取得部311から供給された生体情報の送信要求を端末装置11に送信する。すると、端末装置11からは送信要求に応じて生体情報が送信されてくる。
ステップS652において、通信部121は、端末装置11から送信されてきた生体情報を受信して制御部124の生体情報取得部311に供給する。これにより、生体情報取得部311によって、端末装置11から生体情報が取得されたことになる。
なお、生体情報ではなく、生体情報から得られた生体認識時系列データを受信するようにしてもよいし、生体情報取得部311が受信した生体情報から生体認識時系列データを生成してもよい。
制御部124は、通信部121から供給された生体情報を、保険管理サーバ12に送信するものとして通信部121に供給し、処理はステップS654に進む。
これに対して、ステップS650において、端末装置11から生体情報を取得しない、つまり車載端末装置111で生体情報を取得すると判定された場合、処理はステップS653へと進む。
ステップS653において、生体情報取得部311は、運転者認証情報取得部122としてのカメラから画像を取得することで、生体情報を取得する。このようにして取得された生体情報としての画像は、例えばユーザの疲労度合いなどの生体状態を示す生体認識時系列データの生成に用いられる。なお、カメラから取得された画像から生体認識時系列データを生成するようにしてもよい。
また、制御部124は、取得された生体情報を通信部121に供給し、処理はステップS654へと進む。
ステップS652またはステップS653の処理が行われると、ステップS654において、通信部121は、制御部124から供給された生体情報を保険管理サーバ12に送信する。なお、車載端末装置111で取得した生体情報と、端末装置11から取得した生体情報との両方を保険管理サーバ12に送信するようにしてもよい。
また、生体情報が送信されると、保険管理サーバ12では、送信された生体情報も用いられて保険料の再計算が行われ、保険管理サーバ12から車載端末装置111には、再計算された保険料金額情報が送信されてくる。
ステップS655において、通信部121は、保険管理サーバ12から送信されてきた、再計算された保険料金額情報を受信して制御部124に供給する。
ステップS656において、表示制御部133は、通信部121から供給された、再計算された保険料金額情報を表示部127に供給して表示させ、運転判定情報は終了する。これにより、例えば表示部127には、図29の矢印Q53に示した保険料金額情報が表示される。
なお、ステップS655において受信された、再計算された保険料金額情報を、通信部121が端末装置11に送信するようにしてもよい。
以上のようにして車載端末装置111は、ユーザの選択操作に応じて生体情報を取得し、保険管理サーバ12に送信する。このようにすることで、保険管理サーバ12において、より高精度に、より適切な保険料を算出することができるようになる。
〈健康状態時系列データ送信処理の説明〉
次に、図31のフローチャートを参照して、端末装置11による健康状態時系列データ送信処理について説明する。
なお、ステップS681およびステップS682の処理は、図6のステップS51およびステップS52の処理と同様であるので、その説明は省略する。また、ステップS682では、取得された各時刻の生体情報も記録部47に記録される。
さらに、図30のステップS644の処理が行われると、ステップS683において、通信部41は、車載端末装置111から送信されてきた、健康状態時系列データの送信要求を受信して制御部45に供給する。
制御部45は、通信部41から供給された送信要求に応じて、記録部47から健康状態時系列データとして行動認識時系列データを読み出して通信部41に供給する。このとき、例えば直近1日分などの所定時間範囲の行動認識時系列データが読み出される。
ステップS684において、通信部41は、制御部45から供給された健康状態時系列データを車載端末装置111に送信する。これにより、図30のステップS645の処理が行われる。
ステップS685において、制御部45は、生体情報の送信が要求されたか否かを判定する。例えば図30のステップS651の処理が行われ、その結果、通信部41が生体情報の送信要求を受信した場合、生体情報の送信が要求されたと判定される。この場合、通信部41は、受信した送信要求を制御部45に供給する。
ステップS685において、生体情報の送信が要求されなかったと判定された場合、ステップS686の処理はスキップされ、健康状態時系列データ送信処理は終了する。
これに対して、ステップS685において生体情報の送信が要求されたと判定された場合、制御部45は、通信部41から供給された送信要求に応じて、記録部47から現時刻までの所定時間範囲内の生体情報を読み出して通信部41に供給し、処理はステップS686に進む。
ステップS686において、通信部41は、制御部45から供給された生体情報を車載端末装置111に送信し、健康状態時系列データ送信処理は終了する。これにより、車載端末装置111では、図30のステップS652の処理が行われる。
以上のようにして端末装置11は、車載端末装置111の要求に応じて生体情報を送信する。なお、生体情報ではなく生体認識時系列データが送信されてもよい。
〈保険料算出処理の説明〉
続いて、図32のフローチャートを参照して、保険管理サーバ12による保険料算出処理について説明する。
ステップS701において、通信部81は、車載端末装置111から送信されてきた健康状態時系列データを受信して制御部83に供給する。ここで、受信される健康状態時系列データは、図30のステップS646により送信されたものであり、ここでは行動認識時系列データのみからなる健康状態時系列データとされる。
健康状態時系列データが受信されると、その後、ステップS702乃至ステップS704の処理が行われて保険料金額情報が送信されるが、これらの処理は、図6のステップS82乃至ステップS84の処理と同様であるので、その説明は省略する。但し、ステップS704では、保険料金額情報は車載端末装置111に送信される。
ステップS705において、制御部83は、車載端末装置111から生体情報が送信されてきたか否かを判定する。
ステップS705において、生体情報が送信されてこなかったと判定された場合、ステップS706乃至ステップS709の処理はスキップされて保険料算出処理は終了する。
これに対して、ステップS705において生体情報が送信されてきたと判定された場合、ステップS706において、通信部81は、車載端末装置111から送信されてきた生体情報を受信して制御部83に供給する。この場合、図30のステップS654の処理で送信された生体情報が受信される。また、受信された生体情報は、適宜、記録部82へと供給されて記録される。
ステップS707において、保険料算出部91は、通信部81から供給された生体情報、ステップS701で受信した健康状態時系列データ、記録部82に記録されているユーザの年齢や事故歴などの登録に関する情報等に基づいて安全運転度合いを再計算する。
このとき、保険料算出部91は、適宜、生体情報に基づいて生体認識時系列データを生成し、得られた生体認識時系列データを用いて安全運転度合いを計算する。なお、ここでの安全運転度合いの計算は、例えば図6のステップS82における場合と同様である。
ステップS708において、保険料算出部91は、ステップS707で算出した安全運転度合いと、記録部82に記録されている自動車保険申し込み時のユーザの保険や車両に関する情報とに基づいてユーザの保険料を再計算し、保険料金額情報を生成する。このとき、例えば生体情報の提供に基づく保険料の値引きなども必要に応じて行われる。また、ここでの保険料の算出の計算は、例えば図6のステップS83における場合と同様である。
保険料算出部91は、再計算により得られた保険料金額情報を通信部81に供給する。
ステップS709において、通信部81は、保険料算出部91から供給された保険料金額情報を車載端末装置111に送信し、保険料算出処理は終了する。これにより、車載端末装置111では、図30のステップS655の処理が行われる。
以上のようにして保険管理サーバ12は、車載端末装置111から生体情報が送信されてきた場合には、その生体情報を受信して保険料の再計算を行う。これにより、より高精度に、より適切な保険料を算出することができる。
〈第12の実施の形態〉
〈運送システムについて〉
なお、以上においては、車両に関するサービスが自動車保険である場合を例として説明してきた。しかし、本技術は、自動車保険システムだけでなく、車両への乗車に関するサービス全般に適用可能である。
例えば本技術は、運送サービスに対しても適用可能であり、以下では、本技術を運送サービスに適用した場合について説明を行う。
例えば本技術は、自動運転の車両によりユーザに対してタクシーサービス、つまり運送サービスを提供する場合に適用することができる。
具体的には、例えば図33に示すようにタクシー会社が、サービスを提供するために巡回および停止させている複数の車両TX11-1乃至車両TX11-5があるとする。なお、以下、車両TX11-1乃至車両TX11-5を特に区別する必要のない場合、単に車両TX11とも称する。
これらの車両TX11は、サービス利用者であるユーザを乗せて、所望の目的地まで運送する自動運転機能を有する車両である。以下では、車両TX11は自動運転されるものとして説明を行うが必ずしもその必要はなく、運転手により運転されるようにしてもよい。
また、図33では各円はユーザを表している。各ユーザは自身が所有する端末装置を用いて、ユーザの現在位置を示す位置情報をタクシー会社に提供することで、例えば優先的な配車や乗車料金の値引きなどを受けることができる。
この例では、ユーザを表す円のうち、ハッチが施された円は位置情報を提供しているユーザを表している。これに対して、ハッチが施されていない円は位置情報の提供を行っていないユーザを表している。
タクシー会社が管理する管理サーバは、各ユーザから提供された位置情報に基づいて、車両TX11を巡回させたり停車させておいたりする領域を決定し、その決定に応じて各車両TX11に巡回や停車を指示する。これにより、車両TX11の配車効率を向上させることができる。
配車指示においては、例えば位置情報を提供しているユーザが、より多く集まっている領域付近に重きが置かれる。
この例では、領域AE11と領域AE12とに略同じ数のユーザが集まっているが、領域AE12と比較して、領域AE11には位置情報を提供しているユーザがより多く集まっている。そのため、領域AE12付近よりも領域AE11付近に、より多くの車両TX11が配置されている。
管理サーバでは、位置情報の提供のないユーザの現在位置は把握することができないが、位置情報を提供したユーザの現在位置は把握することができる。そこで、現在位置を把握できているユーザが多く集まっている領域付近に、より多くの車両TX11を配置することで、より効率的にサービス提供を行うことができる。
〈端末装置の構成例〉
以上のような運送サービスの提供を実現する運送サービスシステムは、例えば図34乃至図36に示す端末装置、管理サーバ、および車両から構成される。
図34は、運送サービスの提供を受けるユーザが所持する端末装置の構成例を示す図である。
図34に示す端末装置401は、例えばスマートフォンなどの携帯型端末装置や、ユーザの腕等に装着可能なウェアラブルデバイスなどからなる。
端末装置401は、通信部411、位置情報取得部412、制御部413、入力部414、記録部415、および表示部416を有している。
通信部411は、タクシー会社が管理する管理サーバ等の外部の装置との間で情報の授受を行う。すなわち、通信部411は、外部から送信されてきた情報を受信して制御部413に供給するとともに、制御部413から供給された情報を外部の装置に送信する。
位置情報取得部412は、例えばGPSに代表される衛星測位システム等の自身の位置を測定する位置測定部などからなり、端末装置401の位置を測定し、その測定結果を位置情報として制御部413に供給する。
制御部413は、端末装置401全体の動作を制御する。制御部413は申し込み処理部421および表示制御部422を有している。申し込み制御部421は、車両の配車の申し込みに関する処理を行う。また、表示制御部422は、各種の情報や画像の表示部416への表示を制御する。
入力部414は、例えば表示部416に重畳して設けられたタッチパネルや、ボタン、スイッチなどからなり、ユーザの操作に応じた信号を制御部413に供給する。記録部415は、不揮発性の記録媒体からなり、制御部413から供給された各種の情報を記録するとともに、必要に応じて記録している情報を制御部413に供給する。
表示部416は、例えば液晶表示パネルなどからなり、表示制御部422の制御に従って各種の情報や画像を表示する。
〈管理サーバの構成例〉
また、図35は、運送サービスを提供するタクシー会社により管理される管理サーバの構成例を示す図である。
図35に示す管理サーバ451は、通信部461、制御部462、および記録部463を有している。
通信部461は、制御部462から供給された情報を端末装置401等の外部の装置に送信したり、外部の装置から送信されてきた情報を受信して制御部462に供給したりする。
制御部462は、管理サーバ451全体の動作を制御する。制御部462は、値引き率算出部471、配車管理部472、および料金算出部473を有している。
値引き率算出部471は、ユーザごとに、提供するサービスの対価である乗車料金に対する値引き率を算出する。配車管理部472は、端末装置401からの位置情報に基づいて、サービスの提供に用いる車両の配車管理を行う。料金算出部473は、サービス利用時における乗車料金を算出する。
記録部463は、例えば不揮発性の記録媒体からなり、サービスの利用者である各ユーザの登録に関する情報などの各種の情報を記録している。また、記録部463は、記録している情報を必要に応じて制御部462に供給する。
〈車両の構成例〉
また、図36は、タクシー会社により管理され、サービスを利用するユーザを目的地まで運送する車両の構成例を示している。
図36に示す車両501は、通信部511、乗降情報取得部512、制御部513、記録部514、および表示部515を有している。この車両501は、図33に示した車両TX11に対応する。
通信部511は、外部の装置から送信されてきた情報を受信して制御部513に供給したり、制御部513から供給された情報を外部の装置に送信したりする。
乗降情報取得部512は、例えばカメラやセンサなどからなり、ユーザの乗車や降車を検出するための乗降情報を取得して制御部513に供給する。
制御部513は、車両501全体の動作を制御する。制御部513は、例えば運転制御部521および乗降判定部522を有している。運転制御部521は、車両501の運転、すなわち車両501の走行を制御する。乗降判定部522は、乗降情報取得部512から供給された乗降情報に基づいて、ユーザの乗車や降車を判定する。
記録部514は、例えば不揮発性の記録媒体からなり、制御部513から供給された情報を記録するとともに、必要に応じて記録している情報を制御部513に供給する。表示部515は、例えば液晶表示パネルなどからなり、制御部513から供給された情報や画像を表示する。
〈位置情報送信の設定について〉
ところで、ユーザは端末装置401により、常時、自身の位置情報を管理サーバ451に送信するか否かを設定することができる。
例えば、そのような位置情報の送信についての設定を行う場合、端末装置401の表示部416には、図37に示す設定画面が表示される。
この設定画面には、位置情報を常時送信する旨の文字情報「位置情報を常時送信します」と、その設定を確定させるためのチェックボックスCB41とが表示されている。
また、設定画面には、位置情報を送信すると値引きが受けられる旨の説明、つまりユーザに位置情報の常時送信を促すための料金値引きの説明と、位置情報を常時送信することに伴うリスクに関する説明とを示すメッセージも表示されている。
例えばユーザが入力部414を操作することで、チェックボックスCB41を操作して、チェックボックスCB41にチェック記号が表示された状態とされると、位置情報が常時送信される設定とされる。この場合、制御部413は、入力部414からの信号に基づいて、位置情報を送信する旨の送信フラグを生成し、記録部415に記録させる。
この場合、常時、より詳細には一定周期などで位置情報が管理サーバ451へと送信される。なお、管理サーバ451では、ユーザがどこに何人いるかを把握できればよいので、位置情報の送信時にはユーザ本人を特定可能な情報は送信されない。ユーザ本人を特定可能な情報は、例えば配車時など、本人特定が必要なときにのみ送信されるようになされている。
一方、チェックボックスCB41にチェック記号が表示されない状態とされると、位置情報が常時送信されない設定とされる。この場合、制御部413は、入力部414からの信号に基づいて、位置情報を送信しない旨の送信フラグを生成し、記録部415に記録させる。
このようにチェックボックスCB41にチェック記号が表示されない状態とされると、設定画面には、例えば図38に示すように、位置情報の常時送信の取り止めに関する説明を示す文字情報が表示される。なお、図38において図37における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は省略する。
この例では、設定画面には、常時送信を取り止めた状態が所定日数だけ続いた場合には、値引き率がリセットされる旨の説明が表示されている。例えば管理サーバ451では、一度、位置情報の常時送信を取り止めた場合、その後、位置情報の常時送信を行う設定が所定期間だけ継続してなされないと、値引き率がリセットされるまでの日数のカウントは初期化されないようになされている。
端末装置401では、ユーザにより設定された、位置情報を常時送信するか否かを示す送信フラグが記録部415に記録される。また、この送信フラグは、通信部411により管理サーバ451にも送信される。
管理サーバ451では、端末装置401から送信されてきた送信フラグを通信部461が受信して制御部462に供給し、制御部462は、通信部461から供給された送信フラグを記録部463に供給して記録させる。
また、例えば記録部463には、ユーザが何日間継続して位置情報を常時送信する設定としているか、すなわち送信フラグの値が、何日間継続して、位置情報を常時送信する旨の値となっているかを示す継続設定情報が送信フラグに対応付けられて記録されている。
管理サーバ451では、各ユーザの送信フラグと継続設定情報を管理することで、各ユーザの値引き率を算出することができるようになされている。
〈位置情報送信処理および配置位置更新処理の説明〉
次に、以上において説明した運送サービスシステムの具体的な動作について説明する。
まず、端末装置401による位置情報送信処理、および管理サーバ451による配置位置更新処理について説明する。
端末装置401に記録されている送信フラグが位置情報を送信する旨の値である場合、端末装置401は、一定周期で位置情報を管理サーバ451に送信する。
すなわち、ステップS741において、制御部413は、位置情報取得部412から出力された位置情報を取得して、通信部411に供給する。
ステップS742において、通信部411は制御部413から供給された位置情報を管理サーバ451に送信し、位置情報送信処理は終了する。
すると、ステップS761において、管理サーバ451の通信部461は、端末装置401から送信されてきた位置情報を受信して制御部462に供給する。
ステップS762において、配車管理部472は、各ユーザの端末装置401から受信された位置情報に基づいて、各車両501の配置位置を更新して配置位置更新処理は終了する。
例えば配車管理部472は、受信した位置情報に基づいて、車両501ごとに、その車両501の更新後の配置位置での停車または巡回を指示する配置指示情報を生成し、通信部461に供給する。そして、通信部461は配車管理部472から供給された配置指示情報を車両501に送信する。
すると、車両501の通信部511は、管理サーバ451から送信されてきた配置指示情報を受信して制御部513に供給する。また、運転制御部521は、通信部511から供給された配置指示情報に基づいて、適宜、車両501を走行させ、指示された配置位置へと移動させる。
以上のようにして管理サーバ451は、各端末装置401から位置情報を受信して車両501の配置位置を更新し、適切な位置に車両501を配置する。これにより、車両501の配車効率を向上させることができる。
〈値引き率情報送信処理および値引き率情報受信処理の説明〉
また、管理サーバ451は、一定周期や位置情報の常時送信の設定が変更されたときなど、所定のタイミングでユーザに対する値引きに関する情報である値引き率情報を生成し、端末装置401に送信する。
以下、図40のフローチャートを参照して、このような場合に行われる処理について説明する。すなわち、以下、図40のフローチャートを参照して、管理サーバ451による値引き率情報送信処理、および端末装置401による値引き率情報受信処理について説明する。
ステップS791において、管理サーバ451の値引き率算出部471は、記録部463に記録されている継続設定情報および送信フラグに基づいて、ユーザに対する乗車料金の値引き率を算出する。
例えば、所定期間継続して送信フラグが位置情報を常時送信しない旨の値となっているユーザについては、そのユーザの値引き率は1%などの予め定められた値とされる。また、例えば継続して送信フラグが位置情報を常時送信する旨の値となっているユーザについては、継続設定情報により示される継続日数が多いほど値引き率が大きくなるようにユーザの値引き率が定められる。
値引き率算出部471は、このようにして算出した値引き率を記録部463に供給し、継続設定情報および送信フラグとともにユーザごとに記録させる。なお、ここではユーザに対する乗車料金の値引きは、値引き率に基づいて行われる例について説明するが、乗車料金の値引きは、ユーザごとに値引き額を定めることにより行われてもよい。
ステップS792において、値引き率算出部471は、ステップS791において算出した値引き率に基づいて、ユーザが受けることのできる値引き率などの情報を通知するための値引き率情報を生成し、通信部461に供給する。
例えば値引き率情報には、その他、目標となる値引き率とその値引き率とするために必要なユーザの行動、ユーザに対する各種の通知などが含まれるようにしてもよい。
ステップS793において、通信部461は、値引き率算出部471から供給された値引き率情報を端末装置401に送信し、値引き率情報送信処理は終了する。
また、ステップS811において、端末装置401の通信部411は、管理サーバ451から送信されてきた値引き率情報を受信して制御部413に供給する。
ステップS812において、表示制御部422は、通信部411から供給された値引き率情報を表示部416に供給して表示させ、値引き率情報受信処理は終了する。
例えば表示部416には、図41に示す値引き率情報が表示される。
例えば図41の矢印Q61に示す例では、値引き率情報の表示画面には、現時点での値引き率を示す文字情報「現時点での値引き率は20%です。」が表示されている。
また、目標となる値引き率と、そのために必要となるユーザの行動とを示す文字情報「あと5日位置情報提供を継続していただくと、25%にUPします。」も表示されている。すなわち、目標とする値引き率と、その目標達成のアドバイスが表示されている。このような表示を行って、目標設定をすることにより、ユーザに対して位置情報提供の更なる継続を促すことができる。
矢印Q62に示す例では、値引き率情報の表示画面には、現時点での値引き率を示す文字情報「現時点での値引き率は1%です。」が表示されている。さらに、位置情報の送信がされなかったことから値引き率がリセットされた旨の文字情報と、位置情報の提供を促す文字情報(メッセージ)も表示されている。
以上のようにして管理サーバ451はユーザごとに値引き率を算出し、その値引き率を示す値引き率情報を端末装置401に送信する。これにより、端末装置401では、ユーザに値引き率を提示することができる。また、位置情報の提供状況に応じて値引き率を定めることで、ユーザごとに、サービスに対するより適切な対価を算出することができるようになる。
〈申し込み処理、受け付け処理、および運送処理の説明〉
続いて、ユーザが車両501による運送サービスの提供を受けるときに運送サービスシステムにより行われる処理について説明する。すなわち、以下、図42のフローチャートを参照して、端末装置401による申し込み処理、管理サーバ451による受け付け処理、および車両501による運送処理について説明する。
ステップS821において、端末装置401の申し込み処理部421は、入力部414からの信号に基づいて、運送サービス、つまり車両501の配車の申し込みを行う配車申し込み情報を生成する。
例えばユーザが入力部414を操作して配車申し込みを指示すると、表示制御部422は表示部416を制御して図43に示す申し込み画面を表示させる。配車の申し込みは、例えば乗車希望時刻の数時間前から数分前などに行われる。
図43に示す申し込み画面には、ユーザの現在位置に車両501を配車するときに操作されるチェックボックスCB51と、ユーザが指定した位置に車両501を配車するときに操作されるチェックボックスCB52とが表示されている。また、申し込み画面には、チェックボックスCB52が操作されたときに、具体的な配車位置を指定するための位置指定ボタンBT51も表示されている。
例えばユーザの現在位置への配車を指示する場合、ユーザは入力部414を操作することで、チェックボックスCB51にチェック記号を表示させる。
これに対して、ユーザが指定した場所への配車を指示する場合、ユーザは入力部414を操作することで、チェックボックスCB52にチェック記号を表示させる。このとき、ユーザは、さらに位置指定ボタンBT51を操作して配車位置の指定を行う。
例えば位置指定ボタンBT51が操作されると、表示部416には地図が表示され、ユーザはその地図上の所望の位置を配車位置として指定することができるようになっている。なお、配車位置の指定は、地図上の位置の指定に限らず、その他、配車位置の検索や入力などを行うことにより指定することができるようにしてもよい。
このようにして配車の指示がなされると、申し込み処理部421は、入力部414からの信号に基づいて、配車位置を示す情報や、配車希望時刻を示す情報、ユーザを特定するユーザ識別情報などからなる配車申し込み情報を生成する。
なお、ユーザの現在位置が配車位置として指定される場合には、配車申し込み情報に配車位置を示す情報が含まれるのではなく、配車申し込み情報とは別に、ユーザ本人を特定するユーザ識別情報と、位置情報取得部412で得られた位置情報とが、配車希望時刻の数分前などに管理サーバ451に送信されるようにしてもよい。
図42のフローチャートの説明に戻り、申し込み処理部421は、配車申し込み情報を生成すると、その配車申し込み情報を通信部411に供給する。
ステップS822において、通信部411は、申し込み処理部421から供給された配車申し込み情報を管理サーバ451に送信する。
すると、ステップS841において、管理サーバ451の通信部461は、端末装置401から送信されてきた配車申し込み情報を受信して制御部462に供給する。
制御部462は、通信部461から供給された配車申し込み情報に基づいて、適宜、配車申し込みの受け付けを行う。
ステップS842において、配車管理部472は、ステップS841で受信された配車申し込み情報に基づいて、車両501に対して指定位置への配車を指示する。
例えば配車管理部472は、配車申し込み情報に含まれている配車位置を示す情報に基づいて、その情報より示される位置を配置位置とする配置指示情報を生成し、通信部461に供給する。また、通信部461は、配車管理部472から供給された配置指示情報を車両501に送信する。ここで、配置指示情報の送信先は、例えば配置指示情報により示される配置位置近傍におり、かつ現時点で乗客を乗せていない車両501などとされる。
配置指示情報が車両501に送信されると、ステップS861において、車両501の通信部511は、管理サーバ451から送信されてきた配置指示情報を受信して制御部513に供給する。
また、運転制御部521は、通信部511から供給された配置指示情報に応じて、車両501を走行させ、配置指示情報により示される位置へと車両501を移動させる。
ステップS862において、乗降判定部522は、乗降情報取得部512から供給された乗降情報に基づいて、ユーザの乗車判定を行う。
例えば乗車判定、つまりユーザが乗車したか否かの判定はどのような方法により行われてもよいが、例えば乗降情報取得部512としてのカメラにより撮影された画像が乗降情報として得られた場合には、乗降判定部522は乗降情報としての画像に対する画像認識等を行うことで、ユーザが乗車したかを判定する。
その他、例えば乗降情報取得部512としてのセンサにより得られた、車両501のドアの開閉やシートベルトの装着状態、近距離無線通信を利用した、ユーザが所持する端末装置401の車両501への接近の検出結果などに基づいて、乗車判定が行われるようにしてもよい。このような乗車判定は、例えばユーザの配車希望時刻の数分前から行われる。なお、管理サーバ451から車両501にユーザを特定するために必要となる情報や、ユーザの配車希望時刻が供給されるようにしてもよい。
ステップS863において、乗降判定部522は、ユーザが乗車したか否かを判定する。ステップS863においてまだ乗車していないと判定された場合、処理はステップS862に戻り、上述した処理が繰り返される。
これに対して、ステップS863において乗車したと判定された場合、乗降判定部522は、ユーザが乗車した旨の乗車判定情報を生成して通信部511に供給し、処理はステップS864に進む。
ステップS864において、通信部511は、乗降判定部522から供給された乗車判定情報を管理サーバ451に送信する。
ユーザが乗車すると、車両501は、適宜、管理サーバ451と通信を行いながら、ユーザが指定した目的地へと移動する。なお、目的地は配車申し込み時に指定され、その目的地を示す情報が配車申し込み情報に含まれるようにしてもよいし、ユーザが車両501に乗車した後に指定するようにしてもよい。
また、乗車判定情報が送信されると、ステップS843において管理サーバ451の通信461は、車両501から送信されてきた乗車判定情報を受信して制御部462に供給する。このような乗車判定情報を受信することにより、管理サーバ451では、ユーザが車両501に乗車したことを把握することができる。
ステップS844において、料金算出部473は、記録部463に記録されているユーザの値引き率に基づいて初乗り料金を算出し、その料金を示す初乗り料金情報を生成する。
例えば初乗り料金は、予め定められた初乗り料金の金額である基本料金にユーザの値引き率を乗算して得られる金額とされる。料金算出部473は、生成した初乗り料金情報を通信部461に供給する。
ステップS845において、通信部461は、料金算出部473から供給された初乗り料金情報を端末装置401に送信する。
すると、ステップS823において、端末装置401の通信部411は管理サーバ451から送信されてきた初乗り料金情報を受信して制御部413に供給する。
ステップS824において、表示制御部422は、通信部411から供給された初乗り料金情報を表示部416に供給して表示させる。これにより、ユーザは値引き後の初乗り料金を知ることができる。なお、ここでは端末装置401に初乗り料金情報を送信する例について説明したが、車両501に初乗り料金情報を送信し、車両501において初乗り料金情報を表示するようにしてもよい。
また、車両501が目的地に到着すると、車両501では、ユーザが降車したか否か、つまりユーザの下車判定が行われる。
ステップS865において、乗降判定部522は、乗降情報取得部512から供給された乗降情報に基づいてユーザの下車判定を行う。
この下車判定では、例えば乗降情報取得部512としてのカメラにより撮影された画像が乗降情報として得られた場合には、乗降判定部522は乗降情報としての画像上でユーザが観察されなくなったか否かを特定することで、ユーザが下車したかを判定する。
その他、例えば乗降情報取得部512としてのセンサにより得られた、車両501のドアの開閉やシートベルトの装着状態、近距離無線通信を利用した、ユーザが所持する端末装置401の車両501への接近の検出結果などに基づいて、下車判定が行われてもよい。
なお、ステップS865およびステップS866では、ユーザが下車したか否かを判定するのではなく、目的地に到着したか否かを判定するようにしてもよい。
ステップS866において、乗降判定部522は、ユーザが下車したか否かを判定する。ステップS866においてまだ下車していないと判定された場合、処理はステップS865に戻り、上述した処理が繰り返される。
これに対して、ステップS866において下車したと判定された場合、乗降判定部522は、ユーザが下車した旨の下車判定情報を生成して通信部511に供給し、処理はステップS867に進む。
ステップS867において、通信部511は、乗降判定部522から供給された下車判定情報を管理サーバ451に送信し、運送処理は終了する。
また、下車判定情報が送信されると、ステップS846において管理サーバ451の通信461は、車両501から送信されてきた下車判定情報を受信して制御部462に供給する。このような下車判定情報を受信することにより、管理サーバ451では、ユーザが車両501を下車したことを把握することができる。
ステップS847において、料金算出部473は、記録部463に記録されているユーザの値引き率と、車両501の走行距離や走行時間等とに基づいて最終料金を算出し、その料金を示す最終料金情報を生成する。なお、管理サーバ451は、適宜、車両501と通信を行うことで、車両501の走行距離や走行時間を得ることができる。
例えば最終料金は、ユーザの乗車時間や走行距離等から算出される一般の乗車料金にユーザの値引き率を乗算して得られる金額とされる。料金算出部473は、生成した最終料金情報を通信部461に供給する。
ステップS848において、通信部461は、料金算出部473から供給された最終料金情報を端末装置401に送信し、受け付け処理は終了する。
すると、ステップS825において、端末装置401の通信部411は管理サーバ451から送信されてきた最終料金情報を受信して制御部413に供給する。
ステップS826において、表示制御部422は、通信部411から供給された最終料金情報を表示部416に供給して表示させ、申し込み処理は終了する。これにより、ユーザは値引き後の最終的な乗車料金を知ることができる。なお、ここでは端末装置401に最終料金情報を送信する例について説明したが、車両501に最終料金情報を送信し、車両501において最終料金情報を表示するようにしてもよい。
以上のようにして管理サーバ451は、端末装置401から配車申し込み情報を受信して、配車申し込みを受け付けるとともに、車両501からの乗車判定情報や下車判定情報に基づいて料金を算出し、初乗り料金情報や最終料金情報を端末装置401に送信する。これにより、ユーザは、面倒な手続きをせずに運送サービスの提供を受けることができる。
なお、本技術では、以上において説明した各実施の形態を適宜、組み合わせるようにしても勿論よい。
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
図44は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)901,ROM(Read Only Memory)902,RAM(Random Access Memory)903は、バス904により相互に接続されている。
バス904には、さらに、入出力インターフェース905が接続されている。入出力インターフェース905には、入力部906、出力部907、記録部908、通信部909、及びドライブ910が接続されている。
入力部906は、キーボード、マウス、マイクロホン、撮像素子などよりなる。出力部907は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記録部908は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部909は、ネットワークインターフェースなどよりなる。ドライブ910は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体911を駆動する。
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU901が、例えば、記録部908に記録されているプログラムを、入出力インターフェース905及びバス904を介して、RAM903にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
コンピュータ(CPU901)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブル記録媒体911に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブル記録媒体911をドライブ910に装着することにより、入出力インターフェース905を介して、記録部908にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部909で受信し、記録部908にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM902や記録部908に、あらかじめインストールしておくことができる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
さらに、本技術は、以下の構成とすることも可能である。
(1)
ユーザの健康状態に関する健康状態情報を受信する受信部と、
前記ユーザの車両への乗車前、または前記ユーザに対する車両への乗車に関するサービスの対価の提示前における前記健康状態情報に基づいて、前記サービスの対価を算出する算出部と、
前記サービスの対価を示す情報を送信する送信部と
を備える情報処理装置。
(2)
前記健康状態情報は、前記ユーザの行動に関する情報である
(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記ユーザの行動に関する情報は、睡眠および労働の少なくとも何れかを含む各時刻における前記ユーザの行動を示す情報である
(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記送信部は、前記サービスの対価と、前記ユーザの行動との関係を示す情報を送信する
(2)または(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記健康状態情報は、前記ユーザの生体の状態に関する情報である
(1)乃至(4)の何れか一項に記載の情報処理装置。
(6)
前記ユーザの生体の状態に関する情報は、血圧、心拍数、呼吸数、および疲労度合いの少なくとも何れかを含む各時刻における前記ユーザの生体の状態を示す情報である
(5)に記載の情報処理装置。
(7)
前記送信部は、前記ユーザから提供される、前記ユーザの生体の状態に関する情報の種類または量と、前記サービスの対価との関係を示す情報を送信する
(5)または(6)に記載の情報処理装置。
(8)
前記サービスの対価は、自動車保険の保険料である
(1)乃至(7)の何れか一項に記載の情報処理装置。
(9)
前記算出部は、前記ユーザが車両を運転する直前の所定期間の前記健康状態情報に基づいて、前記サービスの対価を算出する
(8)に記載の情報処理装置。
(10)
前記受信部は、前記ユーザが車両を運転しているときの前記健康状態情報と、前記ユーザによる車両の運転状態を示す運転状態情報とをさらに受信し、
前記ユーザが車両を運転しているときの前記運転状態情報に基づいて、前記ユーザが危険運転をしたか否かを判定する危険運転判定部をさらに備え、
前記算出部は、前記ユーザが車両を運転する直前の所定期間の前記健康状態情報と、前記ユーザが危険運転をしたときの前記健康状態情報とに基づいて、前記サービスの対価を算出する
(9)に記載の情報処理装置。
(11)
前記受信部は、前記ユーザの疲労度合いを示す疲労度推定情報をさらに受信し、
前記算出部は、前記疲労度推定情報に基づいて前記サービスの対価を補正する
(8)または(9)に記載の情報処理装置。
(12)
前記算出部は、前記健康状態情報と、前記ユーザの乗車に関する情報とに基づいて、前記サービスの対価を算出する
(1)乃至(11)の何れか一項に記載の情報処理装置。
(13)
前記ユーザの乗車に関する情報は、車両の車種、運転開始時刻、および運転予定時刻の少なくとも何れかである
(12)に記載の情報処理装置。
(14)
ユーザの健康状態に関する健康状態情報を受信し、
前記ユーザの車両への乗車前、または前記ユーザに対する車両への乗車に関するサービスの対価の提示前における前記健康状態情報に基づいて、前記サービスの対価を算出し、
前記サービスの対価を示す情報を送信する
ステップを含む情報処理方法。
(15)
ユーザの健康状態に関する健康状態情報を受信し、
前記ユーザの車両への乗車前、または前記ユーザに対する車両への乗車に関するサービスの対価の提示前における前記健康状態情報に基づいて、前記サービスの対価を算出し、
前記サービスの対価を示す情報を送信する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
(16)
ユーザの健康状態に関する健康状態情報を記録する記録部と、
前記ユーザの車両への乗車に関するサービスの対価を算出するための前記健康状態情報を送信するとともに、前記サービスの対価を示す情報を受信する通信部と、
前記サービスの対価を示す情報の表示を制御する表示制御部と
を備える情報処理装置。
(17)
前記健康状態情報は、前記ユーザの行動に関する情報である
(16)に記載の情報処理装置。
(18)
前記ユーザの行動に関する情報は、睡眠および労働の少なくとも何れかを含む各時刻における前記ユーザの行動を示す情報である
(17)に記載の情報処理装置。
(19)
前記通信部は、前記サービスの対価と、前記ユーザの行動との関係を示す情報を受信し、
前記表示制御部は、前記サービスの対価と、前記ユーザの行動との関係を示す情報の表示を制御する
(17)または(18)に記載の情報処理装置。
(20)
前記健康状態情報は、前記ユーザの生体の状態に関する情報である
(16)乃至(19)の何れか一項に記載の情報処理装置。
(21)
前記ユーザの生体の状態に関する情報は、血圧、心拍数、呼吸数、および疲労度合いの少なくとも何れかを含む各時刻における前記ユーザの生体の状態を示す情報である
(20)に記載の情報処理装置。
(22)
前記通信部は、前記ユーザから提供される、前記ユーザの生体の状態に関する情報の種類または量と、前記サービスの対価との関係を示す情報を受信し、
前記表示制御部は、前記ユーザの生体の状態に関する情報の種類または量と、前記サービスの対価との関係を示す情報の表示を制御する
(20)または(21)に記載の情報処理装置。
(23)
前記サービスの対価は、自動車保険の保険料である
(16)乃至(22)の何れか一項に記載の情報処理装置。
(24)
前記ユーザが車両を運転しているか否かを判定する運転判定処理部をさらに備え、
前記通信部は、前記ユーザが車両を運転する直前の所定期間の前記健康状態情報を送信する
(23)に記載の情報処理装置。
(25)
前記ユーザが車両を運転しているか否かを判定する運転判定処理部と、
前記ユーザによる車両の運転状態を示す運転状態情報を生成する運転状態情報生成部と
をさらに備え、
前記通信部は、前記ユーザが車両を運転しているときの前記健康状態情報および前記運転状態情報を送信する
(23)に記載の情報処理装置。
(26)
ユーザの健康状態に関する健康状態情報を記録し、
前記ユーザの車両への乗車に関するサービスの対価を算出するための前記健康状態情報を送信するとともに、前記サービスの対価を示す情報を受信し、
前記サービスの対価を示す情報の表示を制御する
ステップを含む情報処理方法。
(27)
ユーザの健康状態に関する健康状態情報を記録し、
前記ユーザの車両への乗車に関するサービスの対価を算出するための前記健康状態情報を送信するとともに、前記サービスの対価を示す情報を受信し、
前記サービスの対価を示す情報の表示を制御する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
(28)
車両に乗車したユーザを認証する認証処理部と、
認証された前記ユーザの健康状態に関する健康状態情報を取得する健康状態情報取得部と、
前記ユーザの車両への乗車に関するサービスの対価を算出するための前記健康状態情報を送信するとともに、前記サービスの対価を示す情報を受信する通信部と
を備える情報処理装置。
(29)
前記健康状態情報取得部は、前記ユーザの端末装置から前記健康状態情報を取得する
(28)に記載の情報処理装置。
(30)
前記サービスの対価を示す情報の表示を制御する表示制御部をさらに備える
(28)または(29)に記載の情報処理装置。
(31)
前記通信部は、前記サービスの対価を示す情報を前記ユーザの端末装置に送信する
(28)または(29)に記載の情報処理装置。
(32)
前記健康状態情報は、前記ユーザの生体の状態に関する情報である
(28)乃至(31)の何れか一項に記載の情報処理装置。
(33)
前記ユーザの生体の状態に関する情報は、血圧、心拍数、呼吸数、および疲労度合いの少なくとも何れかを含む各時刻における前記ユーザの生体の状態を示す情報である
(32)に記載の情報処理装置。
(34)
前記サービスの対価は、自動車保険の保険料である
(28)乃至(33)の何れか一項に記載の情報処理装置。
(35)
車両に乗車したユーザを認証し、
認証された前記ユーザの健康状態に関する健康状態情報を取得し、
前記ユーザの車両への乗車に関するサービスの対価を算出するための前記健康状態情報を送信するとともに、前記サービスの対価を示す情報を受信する
ステップを含む情報処理方法。
(36)
車両に乗車したユーザを認証し、
認証された前記ユーザの健康状態に関する健康状態情報を取得し、
前記ユーザの車両への乗車に関するサービスの対価を算出するための前記健康状態情報を送信するとともに、前記サービスの対価を示す情報を受信する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。