次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
本発明の実施の形態に係る原木加工装置1は、原木PWを回転しながら切削することにより所定板厚を有する単板を製造する装置として構成されており、図1に示すように、レースチャージャ2と、当該レースチャージャ2よりも原木PWの搬送方向(図1における左右方向)において上流側(図1における左側)に配置された第1および第2搬入コンベヤ4a,4bと、レースチャージャ2よりも原木PWの搬送方向において下流側(図1における右側)に配置されたベニヤレース6と、装置全体をコントロールする電子制御装置8と、を備えている。レースチャージャ2および第1および第2搬入コンベヤ4a,4bは、本発明における「原木供給装置」に対応し、ベニヤレース6は、本発明における「加工機」に対応する実施構成の一例である。
本発明の実施の形態に係るレースチャージャ2は、図1に示すように、主に、フレーム10と、当該フレーム10に支持された原木回転装置20と、当該原木回転装置20よりも原木PWの搬送方向の上流側においてフレーム10に支持された仮心出し用搬送装置40と、原木回転装置20よりも原木PWの搬送方向の下流側においてフレーム10に支持された振り子搬送装置50と、から構成されている。仮心出し用搬送装置40は、本発明における「原木供給部」に対応し、振り子搬送装置50は、本発明における「搬送部」に対応する実施構成の一例である。
フレーム10は、図1に示すように、下部フレーム12と、当該下部フレーム12上に配置された上部フレーム18,18と、を有している。下部フレーム12は、原木PWの搬送方向のうち水平方向に沿う方向の上流側に配置された前側フレーム14と、原木PWの搬送方向のうち水平方向に沿う方向の下流側に配置された後側フレーム15と、前側フレーム14および後側フレーム15を連結する中間フレーム16と、を有している。前側および後側フレーム14,15は、図2および図3に示すように、床面に設置される底壁14a,15aと、当該底壁14a,15aから鉛直方向に延出した一対の縦壁14b,14c,15b,15cと、を有しており、原木PWの搬送方向のうち水平方向に沿う方向の一方側から見た場合に、略U字状を有している。縦壁15b,15cは、縦壁14b,14cの高さよりも高い高さを有している。
前側フレーム14の縦壁14b,14cの上部であって、原木PWの搬送方向のうち水平方向に沿う方向の上流側の端面には、図1および図2に示すように、連結梁13が水平に取り付けられている。換言すれば、連結梁13によって縦壁14b,14cが連結されていると言うことができる。当該連結梁13には、図2に示すように、原木PWを検知するセンサS1,S1が設置されている(図2では、1つのセンサS1のみが記載されている)。センサS1,S1は、図1に示すように、仮心出し用搬送装置40が第2搬入コンベヤ4bから原木PWを受け取る位置である第1受取位置RP1と、仮心出し用搬送装置40が原木回転装置20の後述する心出し用スピンドル24a,24bに原木PWを受け渡す位置である第1受渡位置DP1と、の間に配置されている。なお、センサS1,S1は、当該センサS1,S1からの照射される光の光軸が、後述する各載置部42,42上に設定された基準線Bp,Bpを通る仮想鉛直線VVL,VVLと交差する位置であって、原木PWの搬送方向のうち水平方向に沿う方向の下流側を向くように設置されている。センサS1,S1は、本発明における「原木検知センサ」に対応する実施構成の一例である。
また、当該連結梁13の長手方向のほぼ中央部には、図2に示すように、原木PWの搬送方向のうち水平方向に沿う方向の上流側に向かって延出する延出片11が一体に取り付けられており、当該延出片11には、原木PWを検知するセンサS2,S3が取り付けられている。延出片11は、図4に示すように、第1搬入コンベヤ4aと第2搬入コンベヤ4bとの境界部に達する長さを有している。
センサS2は、図4に示すように、検知部が鉛直方向の下方向を向くように延出片11の先端部近傍に配置されている。これにより、センサS2が原木PWを検知したことによって、原木PWが第1搬入コンベヤ4aから第2搬入コンベヤ4bに受け渡されたことを知ることができる。また、センサS3は、検知部が第2搬入コンベヤ4bの原木PWを載置する載置面を含む平面に直交する方向を向くようにセンサS2よりも連結梁13寄りの位置に配置されている。当該センサS3が原木PWを検知してから検知しなくなるまでの搬送距離を測定することによって、第2搬入コンベヤ4bによる原木PWの搬送方向に沿う原木PWの直径を求めることができる。
中間フレーム16は、図2に示すように、前側フレーム14の縦壁14b,14cの上部と、後側フレーム15の縦壁15b,15cの上部と、を連結している。これにより、下部フレーム12は、当該下部フレーム12を側方(原木PWの搬送方向のうち水平方向に沿う方向および鉛直方向の両方に直交する方向)から見た場合に、図1に示すように、略逆U字状を有している。また、中間フレーム16の上面は、前側フレーム14の縦壁14b,14cの上面と面一となっている。中間フレーム16の上面には、図2に示すように、レールR1が設置されている。当該レールR1は、図1に示すように、前側フレーム14の縦壁14b,14cから中間フレーム16の下流側端部(後側フレーム15の縦壁15b,15cとの接続部)まで連続して設けられている。即ち、レールR1は、原木PWの搬送方向のうち水平方向に沿う方向に延在している。なお、縦壁15b,15cが縦壁14b,14cの高さよりも高い高さを有しているため、中間フレーム16の上面は縦壁15b,15cの上面よりも低い位置に配置されている。
また、中間フレーム16には、図1に示すように、センサS4が取り付けられている。当該センサS4は、後述する軸受箱22a,22bが原木PWの搬送方向の下流側に所定距離を移動したことを検知するためのセンサであり、心出し用スピンドル24a,24bが仮心出し用搬送装置40から原木を受け取る位置である第2受取位置RP2よりも原木PWの搬送方向の下流側の位置であって、後述するレールR1に近接した位置に取り付けられる。ここで、所定距離は、本実施の形態では、本発明の実施の形態に係る原木加工装置1に供給される原木PWの直径のうち想定される最大直径よりも若干大きな値に設定されており、第2受取位置RP2から原木PWの搬送方向の下流側に所定距離離れた位置が、心出し用スピンドル24a,24bから振り子搬送装置50の後述する挟持アーム56,56に原木PWを受け渡す位置である第2受渡位置DP2として設定されている。なお、本実施の形態では、センサS4が軸受箱22a,22bを検知してから当該軸受箱22a,22bを検知しなくなったときに、軸受箱22a,22bが所定距離移動したと判定される。
上部フレーム18,18は、当該下部フレーム12を側方(原木PWの搬送方向のうち水平方向に沿う方向および鉛直方向の両方に直交する方向)から見た場合に、図1および図2に示すように、略逆U字状を有しており、図2に示すように、上部フレーム18,18の一端が前側フレーム14の縦壁14b,14cの上面に一体に接続されており、他端が後側フレーム15の縦壁15b,15cの上面に一体に接続されている。なお、上部フレーム18,18の一端は、縦壁14b,14cの上面のうち原木PWの搬送方向であって水平方向に沿う方向の最上流側に配置されている。
また、上部フレーム18,18の一方の縦柱部18a,18aの高さ方向のほぼ中間部には、図1ないし図4に示すように、連結梁17が水平に取り付けられている。換言すれば、連結梁17によって縦柱部18a,18aが連結されていると言うことができる。連結梁17は、当該連結梁17のうち後述するレーザ測長器17aの取り付け面の法線が鉛直方向に対して傾斜した状態で縦柱部18a,18aに取り付けられている。より具体的には、連結梁17は、連結梁17の上側の取り付け面が原木PWの搬送方向のうち水平方向に沿う方向の下流側を向く方向に傾斜されている。当該連結梁17の上側の取り付け面には、原木PWの形状を計測するための複数のレーザ測長器17aが設置されている。複数のレーザ測長器17aは、図3に示すように、連結梁17の長手方向に沿って等間隔に配置されている。ここで、連結梁17の縦柱部18a,18aに対する傾斜角度は、レーザ測長器17aを連結梁17に設置した際に、レーザ測長器17aから照射されるレーザが原木回転装置20の後述する軸受箱22a、22bが第2受取位置RP2にあるときの心出し用スピンドル24a,24bの回転軸中心線に直交するような角度に設定されている。
原木回転装置20は、図2に示すように、レールR1上に配置された軸受箱22a,22bと、当該軸受箱22a,22bに回転可能かつ軸中心線方向に摺動可能に支持された心出し用スピンドル24a,24bと、当該心出し用スピンドル24aに図示しないタイミングベルトを介して接続されたモータM1と、心出し用スピンドル24a,24bの軸中心線方向の一方の端部に接続された図示しないシリンダロッドを有する流体シリンダCL1a,CL1bと、軸受箱22a,22bに接続された図示しないシリンダロッドを有する流体シリンダCL2a,CL2b(図2には流体シリンダCL2bのみ記載)と、から構成されている。軸受箱22a,22bは、本発明における「心出し部」に対応し、心出し用スピンドル24a,24bは、本発明における「第1心出し用スピンドル」および「第2心出し用スピンドル」に対応する実施構成の一例である。また、流体シリンダCL2a,CL2bは、本発明における「駆動部」に対応する実施構成の一例である。
軸受箱22a,22bは、図4に示すように、レールR1と係合するガイド付き摺動部23a,23bを有している。軸受箱22a,22bは、図1に示すように、流体シリンダCL2a,CL2bによって、レールR1上を第2受取位置RP2と第2受渡位置DP2との間で往復移動される。ここで、第2受取位置RP2は、図4に示すように、心出し用スピンドル24a,24bの回転軸中心線が、仮心出し用搬送装置40の後述する載置部42,42上に設定された基準線Bpを通る仮想鉛直線VVLと交差する位置として規定されており、心出し用スピンドル24a,24bが仮心出し用搬送装置40から原木PWを受け取る位置として規定されている。また、第2受渡位置DP2は、仮想鉛直線VVL側、即ち、第2受取位置RP2から原木PWの搬送方向の下流側に、本発明の実施の形態に係る原木加工装置1に供給される原木PWの直径のうち想定される最大直径よりも若干大きな距離離れた位置として規定されており、心出し用スピンドル24a,24bから振り子搬送装置50の後述する挟持アーム56,56に原木PWを受け渡す位置として規定されている。第2受取位置RP2は、本発明における「第2受取位置」および「受取位置」に対応し、第2受渡位置DP2は、本発明における「第2受渡位置」および「受渡位置」する実施構成の一例である。また、基準線Bpは、本発明における「基準部位」に対応する実施構成の一例である。
心出し用スピンドル24a,24bは、図2および図3に示すように、互いに対向する状態で軸受箱22a,22bに支持されており、原木PWの両木口面(長手方向の両端面)を挟持するための図示しないチャックを先端部に有している。心出し用スピンドル24a,24bは、流体シリンダCL1a,CL1bによって、軸中心線方向に往復移動される。心出し用スピンドル24a,24bが互いに接近する方向に移動されることによって、原木PWを挟持可能であり、心出し用スピンドル24a,24bが互いに離れる方向に移動されることによって、原木PWの挟持が解除可能である。なお、本実施の形態では、心出し用スピンドル24aのみがモータM1によって回転駆動される構成としており、心出し用スピンドル24a,24bによって原木PWを挟持した状態で、モータM1により心出し用スピンドル24aが回転駆動されることによって、心出し用スピンドル24a,24bおよび原木PWが一体回転する。ここで、モータM1には、図示しないロータリーエンコーダを有しており、心出し用スピンドル24aの回転角度、即ち、原木PWの回転角度を検出可能である。これにより、原木PWを所望の回転角度に位置制御が可能である。
仮心出し用搬送装置40は、図4に示すように、原木回転装置20の鉛直方向下方に配置されている。より具体的には、仮心出し用搬送装置40は、第2受取位置RP2に配置された軸受箱22a,22bの鉛直方向の真下に配置されている。このように、仮心出し用搬送装置40を原木回転装置20の鉛直方向下方に配置する構成とすることにより、原木加工装置1が原木PWの搬送方向に大型化することを良好に抑制することができる。
仮心出し用搬送装置40は、図3に示すように、第2搬入コンベヤ4bから搬入される原木PWを受け取り載置可能な載置部42,42と、鉛直方向に延在するよう前側フレーム14の縦壁14b,14cに支持されると共に載置部42,42にネジ係合された雄ネジロッド44,44と、当該雄ネジロッド44,44の下端に接続されたモータM2,M2と、を有しており、モータM2,M2が雄ネジロッド44,44を正逆回転させることによって、載置部42,42が第1受取位置RP1と第1受渡位置DP1との間で往復移動される。なお、モータM2,M2は、図示しないロータリーエンコーダを有しており、載置部42,42の鉛直方向の移動量を検出可能である。これにより、載置部42,42、即ち、原木PWを所望の鉛直方向の位置に位置制御が可能である。
載置部42,42は、図4に示すように、鉛直方向上方に向かって開口する略V字の載置面42a,42aを有しており、当該載置面42a,42aに原木PWを当接させて当該原木PWを保持する。なお、本実施の形態では、載置面42a,42aのV字を構成する2つの平面の交線を、後述する原木PWの仮回転軸中心線を求める際の基準線Bpとして用いる構成としている。また、載置部42,42は、前側フレーム14の縦壁14b,14cに鉛直方向に沿って設けられたレールR2と係合するガイド付き摺動部43,43を有している。これにより、載置部42,42が鉛直方向に往復移動される際の安定性が向上されている。
振り子搬送装置50は、図3に示すように、上部フレーム18,18に回転可能に支持された長尺状の回転フレーム52と、当該回転フレーム52に一体回転可能かつ当該回転フレーム52の長手方向に摺動可能に取り付けられたホルダ54,54と、当該ホルダ54,54に摺動可能に支持された挟持アーム56,56と、から構成されている。挟持アーム56,56は、本発明における「第1挟持アーム」および「第2挟持アーム」に対応する実施構成の一例である。
回転フレーム52は、図3に示すように、長手方向の両端に回転軸52a,52aを有しており、当該回転軸52a,52aが上部フレーム18,18の上面に固定された軸受箱53,53に支持されている。なお、回転軸52a,52aの回転軸中心線は、図1に示すように、原木PWの搬送方向のうち水平方向に沿う方向において、第2受渡位置DP2にある心出し用スピンドル24a,24bの回転軸中心線と、ベニヤレース6の後述する切削用スピンドル72a,72aの回転軸中心線と、の間に配置される。
一方の回転軸52aの軸端部には、モータM3の図示しない回転軸が接続されており、当該モータM3を駆動することによって、回転フレーム52が回転される。モータM3は、図示しないロータリーエンコーダを有しており、回転フレーム52の回転角度を検出可能である。これにより、回転フレーム52を所望の回転角度に位置制御可能である。
また、回転フレーム52は、図3に示すように、長手方向の中央部を除く両端部の下面(図2および図3の下側の面)にレールR3,R3を有している。レールR3,R3は、回転フレーム52の長手方向に沿って延在している。さらに、回転フレーム52は、図2および図3に示すように、長手方向のほぼ中央の下面(図2および図3の下側の面)に流体シリンダCL3a,CL3bを支持するための支持壁52bを有している。当該支持壁52bは、回転フレーム52の下面に対して垂直方向に突出している。なお、流体シリンダCL3a,CL3bは、その軸中心線方向が回転フレーム52の長手方向と平行となるように支持壁52bに支持されている。流体シリンダCL3a,CL3bのシリンダロッドの先端部は、ホルダ54,54に接続されている。
ホルダ54,54は、図3に示すように、上面にガイド付き摺動部54a,54aを有しており、当該ガイド付き摺動部54a,54aを回転フレーム52のレールR3,R3に係合することによって、回転フレーム52の長手方向に摺動可能に支持されている。また、ホルダ54,54は、当該ホルダ54,54の上面に対して垂直方向に延在するレールR4,R4を有している。
挟持アーム56,56は、図3に示すように、ガイド付き摺動部56a,56aを有しており、当該ガイド付き摺動部56a,56aをホルダ54,54のレールR4,R4に係合することによってホルダ54,54に摺動可能に支持されている。挟持アーム56,56は、ホルダ54,54に固定されたモータM4,M4に接続されており、当該モータM4,M4の駆動によってレールR4,R4上を摺動する。より具体的には、挟持アーム56,56は、図示しない雌ネジ部を有しており、モータM4,M4の図示しない回転軸に接続された雄ネジロッド(図示せず)が当該雌ネジ部にネジ係合されており、モータM4,M4が雄ネジロッド(図示せず)を正逆回転させることによって、挟持アーム56,56がレールR4,R4に沿って往復摺動される。なお、挟持アーム56,56は、ホルダ54,54の上面、即ち、回転フレーム52の下面に対して垂直方向に摺動する。また、挟持アーム56,56は、原木PWの両木口面(長手方向の両端面)を挟持するための爪56b,56bを先端部に有している。
こうしてホルダ54,54に支持された挟持アーム56,56は、回転フレーム52の回転に伴って回転軸52a,52aを回転中心として、ホルダ54,54と一体に揺動可能であると共に、回転軸52a,52aに近づく方向および遠ざかる方向にホルダ54,54に対して往復摺動可能である。なお、モータM4,M4は、図示しないロータリーエンコーダを有しており、モータM4,M4の回転軸(図示せず)、即ち、図示しない雄ネジロッドを所望の回転角度に位置制御が可能である。これにより、挟持アーム56,56を所望の位置に位置制御可能となっている。
第1および第2搬入コンベヤ4a,4bは、図1に示すように、無端環状のチェーンCHを一対のスプロケット62,62に巻き掛け、一方のスプロケット62を図示しないモータなどによって回転することによりチェーンCHをスプロケット62,62の回転方向に移動させながら原木PWを仮心出し用搬送装置40に搬入するチェーンコンベヤとして構成されている。
第1搬入コンベヤ4aは、図4に示すように、原木PWを載置する載置面が床面に対して平行となるように設置されている。第2搬入コンベヤ4bは、第1搬入コンベヤ4aの下流側端部から仮心出し用搬送装置40まで達する長さを有している。
また、第2搬入コンベヤ4bは、第1搬入コンベヤ4a側から仮心出し用搬送装置40側に向かって上り傾斜を有するように設置されている。具体的には、第2搬入コンベヤ4bの第1搬入コンベヤ4a側のスプロケット62が当該第1搬入コンベヤ4aのスプロケット62の位置よりも低い位置に設定され、第2搬入コンベヤ4bの仮心出し用搬送装置40側のスプロケット62が第1受取位置RP1にある仮心出し用搬送装置40の載置部42,42の載置面42a,42a(図4参照)よりも高い位置に設定されている。なお、第2搬入コンベヤ4bのチェーンCHは、複数の爪64を有している。当該複数の爪64によって、第2搬入コンベヤ4bが原木PWを搬送する際に、原木PWが第2搬入コンベヤ4bから転がり落ちることを防止している。なお、第2搬入コンベヤ4bのスプロケット62を回転させるモータ(図示せず)は、図示しないロータリーエンコーダを有しており、原木PWを所望の位置に位置制御可能であると共に、当該ロータリーエンコーダが出力するパルスをカウントすることにより原木PWの搬送距離を計算可能である。
ベニヤレース6は、図1ないし図3に示すように、後側フレーム15の縦壁15b,15cに回転可能に支持された切削用スピンドル72a,72bと、縦壁15b,15cに取り付けられ,切削用スピンドル72a,72bの軸方向の一方の端部に接続された図示しないシリンダロッドを有する流体シリンダCL4a,CL4bと、切削用スピンドル72a,72bに挟持された原木PWに向かって前後進可能に後側フレーム15に配置されたナイフ74と、から構成されている。切削用スピンドル72a,72bは、本発明における「第1切削用スピンドル」および「第2切削用スピンドル」に対応し、ナイフ74は、本発明における「刃」に対応する実施構成の一例である。
切削用スピンドル72a,72bは、図2および図3に示すように、互いに対向する状態、かつ、心出し用スピンドル24a,24bと平行となるように縦壁15b,15cに支持されている。また、切削用スピンドル72a,72bは、原木PWの両木口面(長手方向の両端面)を挟持するための図示しないチャックを先端部に有している。切削用スピンドル72a,72bは、流体シリンダCL4a,CL4bによって、軸中心線方向に往復移動される。切削用スピンドル72a,72bが互いに接近する方向に移動されることによって、原木PWの両木口面(長手方向の両端面)を挟持可能であり、切削用スピンドル72a,72bが互いに離れる方向に移動されることによって、原木PWの両木口面(長手方向の両端面)の挟持が解除可能である。なお、本実施の形態では、切削用スピンドル72aのみが図示しないモータによって回転駆動される構成としており、切削用スピンドル72a,72bによって原木PWの両木口面(長手方向の両端面)を挟持した状態で、モータ(図示せず)により切削用スピンドル72aが回転駆動されることによって、切削用スピンドル72a,72bおよび原木PWが一体回転する。
ナイフ74は、後側フレーム15に対して水平方向に往復移動可能に配置された図示しない鉋台に取り付けられている。当該鉋台が切削用スピンドル72a,72bに挟持された原木PWに所定の速度で近付くことによって、原木PWから所望の厚さの単板が剥き出される。
電子制御装置8は、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROMと、データを一時的に記憶するRAMと、入出力ポートおよび通信ポートと、を備えている。電子制御装置8には、原木PWを検知するセンサS1,S2,S3からの検知信号や、軸受箱22a,22bが第2受渡位置DP2に到達しことを検知するセンサS4からの検知信号、レーザ測長器17aからの原木PWの外周面までの距離、モータM1,M2,M3,M4および図示しないモータのロータリーエンコーダからのパルスなどが入力ポートを介して入力されている。また、電子制御装置8からは、第1および第2搬入コンベヤ4a,4bへの駆動信号や、流体シリンダCL1a,CL1b,CL2a,CL2b,CL3a,CL3b,CL4a,CL4bへの駆動信号、モータM1,M2,M3,M4および図示しないモータへの駆動信号、図示しない鉋台への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。
次に、こうして構成された原木加工装置1の動作、特に、レースチャージャ2によってベニヤレース6へ原木が供給される際の動作について説明する。図5は、本発明の実施の形態に係る原木加工装置1の電子制御装置8により実行される第1搬入コンベヤ駆動処理ルーチンの一例を示すフローチャートであり、図6は、本発明の実施の形態に係る原木加工装置1の電子制御装置8により実行される第2搬入コンベヤ駆動処理ルーチンの一例を示すフローチャートであり、図7および図8は、本発明の実施の形態に係る原木加工装置1の電子制御装置8により実行される仮心出し用搬送装置駆動処理ルーチンの一例を示すフローチャートであり、図9および図10は、本発明の実施の形態に係る原木加工装置1の電子制御装置8により実行される原木回転装置駆動処理ルーチンの一例を示すフローチャートであり、図11は、本発明の実施の形態に係る原木加工装置1の電子制御装置8により実行される振り子搬送装置駆動処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。なお、第1搬入コンベヤ駆動処理と、第2搬入コンベヤ駆動処理と、仮心出し用搬送装置駆動処理と、原木回転装置駆動処理と、振り子搬送装置駆動処理とは同時に並行して行なわれる。説明の容易のために、第1搬入コンベヤ駆動処理、第2搬入コンベヤ駆動処理、仮心出し用搬送装置駆動処理、原木回転装置駆動処理、振り子搬送装置駆動処理の順に説明する。
[第1搬入コンベヤ駆動処理]
第1搬入コンベヤ駆動処理では、電子制御装置8のCPUは、まず、第2搬入コンベヤ搬送フラグFsが値0であるか否かを判定する処理を実行する(ステップS100)。ここで、第2搬入コンベヤ搬送フラグFsは、後述する本ルーチンの処理により設定されるフラグであり、センサS2がONしたとき、即ち、第2搬入コンベヤ4b上に原木PWが搬入されたときに値1が設定され、第2搬入コンベヤ4bによる原木PWの搬送が完了して再び第2搬入コンベヤ4bに原木PWを搬入してもよい状態となったときに値0が設定される。
第2搬入コンベヤ搬送フラグFsが値0であるとき、即ち、第2搬入コンベヤ4bに原木PWを搬入してもよい状態であるときには、第2搬入コンベヤ4bに原木PWを搬入するべく、第1搬入コンベヤ4aを駆動する処理時を実行する(ステップS102)。一方、ステップS100で第2搬入コンベヤ搬送フラグFsが値0でないと判定されたとき、即ち、第2搬入コンベヤ4b上に既に原木PWが搬入されているときには、何もせずに本ルーチンを終了する。
続いて、センサS2がONしたか否かを判定する処理を実行し(ステップS104)、センサS2がONしたときには(図12参照)、第2搬入コンベヤ搬送フラグFsを値1に設定すると共に(ステップS106)、第1搬入コンベヤ4aを停止して(ステップS108)、本ルーチンを終了する。ステップS104でセンサS2がONしていないと判定されたときには、センサS2がONするまでステップS102~S104の処理を繰り返し実行する。
[第2搬入コンベヤ駆動処理]
第2搬入コンベヤ駆動処理では、電子制御装置8のCPUは、まず、第2搬入コンベヤ搬送フラグFsが値1であるか否かを判定する処理を実行する(ステップS200)。第2搬入コンベヤ搬送フラグFsが値1であるとき、即ち、第2搬入コンベヤ4b上に既に原木PWが搬入されているときには、第1受取位置セットフラグFrp1が値1であるか否かを判定する処理を実行する(ステップS202)。ここで、第1受取位置セットフラグFrp1は、後述する仮心出し用搬送装置駆動処理ルーチンの処理により設定されるフラグであり、仮心出し用搬送装置40の載置部42,42が第1受取位置RP1にあるときに値1が設定され、仮心出し用搬送装置40の載置部42,42が第1受取位置RP1から移動したときに値0が設定される。
第1受取位置セットフラグFrp1が値1であるとき、即ち、仮心出し用搬送装置40の載置部42,42が第1受取位置RP1にあるときには、搬入完了フラグFvvlが値0であるか否かを判定する処理を実行する(ステップ■204)。ここで、搬入完了フラグFvvlは、本ルーチンの後述する処理により設定されるフラグであり、第2搬入コンベヤ4bが、仮心出し用搬送装置40の載置部42,42により搬送可能な状態まで原木PWの搬入を完了しているとき、即ち、原木PWの後述する仮直径の中心点が後述する仮想鉛直線VVL上に到達したときに値1が設定され、それ以外のときには値0が設定される。
そして、搬入完了フラグFvvlが値0であると判定されたとき、即ち、原木PWの後述する仮直径の中心点が後述する仮想鉛直線VVL上に到達していないとき、換言すれば、第2搬入コンベヤ4bが、仮心出し用搬送装置40の載置部42,42により搬送可能な状態まで原木PWの搬入を完了していないときに、第2搬入コンベヤ4bを駆動する処理を実行すると共に(ステップS206)、センサS3がONしたか否かを判定する処理時を実行する(ステップS208)。
センサS3がONしたときには(図13参照)、原木PWの仮直径の測定を開始する処理を実行する(ステップS210)。ここで、「原木PWの仮直径の測定を開始する」とは、本実施の形態では、第2搬入コンベヤ4bを駆動させる図示しないモータが有するロータリーエンコーダ(図示せず)が出力するパルスの積算を開始することを意味する。また、原木PWの仮直径とは、第2搬入コンベヤ4bによって搬送される原木PWの当該搬送方向に沿う方向の直径として規定される。
続いて、センサS3がOFFしたか否かを判定する処理を実行し(ステップS212)、センサS3がOFFしたときには(図14参照)、原木PWの仮直径の測定を完了する処理を実行する(ステップS214)。ここで、「原木PWの仮直径の測定を完了する」とは、本実施の形態では、第2搬入コンベヤ4bを駆動させる図示しないモータが有するロータリーエンコーダ(図示せず)が出力するパルスの積算を終了することを意味する。一方、ステップS212において、センサS3がOFFしていないと判定されたときには、センサS3がOFFするまで、ステップS212の処理を繰り返し実行する。
そして、センサS3がONしてからOFFするまでのパルスの積算値を利用して原木PWの仮直径を算定すると共に、当該原木PWの仮直径の中心点から仮想鉛直線VVLまでの距離L1を算定する処理を実行し(ステップS216)、原木PWの仮直径の中心点が仮想鉛直線VVL上に到達したか否かを判定する(ステップS218)。なお、原木PWの仮直径の中心点が仮想鉛直線VVL上に到達したか否かの判定は、センサS3がOFFしてからのパルスを積算し、当該パルスの積算値を利用して算定した原木PWの移動距離が距離L1になったか否かを判定することにより行うことができる。
原木PWの仮直径の中心点が仮想鉛直線VVL上に到達したときには(図16参照)、搬入完了フラグFvvlを値1に設定すると共に(ステップS220)、第2搬入コンベヤ4bの駆動を停止して(ステップS222)、本ルーチンを終了する。一方、ステップS218において、原木PWの仮直径の中心点が仮想鉛直線VVL上に到達していないと判定されたときには、原木PWの仮直径の中心点が仮想鉛直線VVL上に到達するまでステップS218の処理を繰り返し実行し、原木PWの仮直径の中心点が仮想鉛直線VVL上に到達したときに(図16参照)、搬入完了フラグFvvlを値1に設定すると共に(ステップS220)、第2搬入コンベヤ4bの駆動を停止して(ステップS222)、本ルーチンを終了する。
なお、ステップS200で第2搬入コンベヤ搬送フラグFsが値1でないと判定されたときや、ステップS202で第1受取位置セットフラグFrp1のが値1でないと判定されたとき、ステップS204で搬入完了フラグFvvlが値0でないと判定されたとき、ステップS208でセンサS3がONしていないと判定されたときには、何もせずに、本ルーチンを終了する。ここで、第2搬入コンベヤ駆動処理ルーチンを実行する電子制御装置8は、本発明における「制御部」に対応する実施構成の一例である。
[仮心出し用搬送装置駆動処理]
仮心出し用搬送装置駆動処理では、電子制御装置8のCPUは、まず、第1受取位置セットフラグFrp1が値1であるか否かを判定する処理を実行し(ステップS300)、第1受取位置セットフラグFrp1が値1であるとき、即ち、仮心出し用搬送装置40の載置部42,42が第1受取位置RP1にあるときには、搬入完了フラグFvvlが値1であるか否かを判定する処理を実行する(ステップS302)。そして、搬入完了フラグFvvlが値1であるとき、即ち、原木PWの仮直径の中心点が仮想鉛直線VVL上に到達しているときには(図16参照)、心出し用スピンドル挟持フラグFcsが値1であるか否かを判定する処理を実行する(ステップS304)。ここで、心出し用スピンドル挟持フラグFcsは、後述する原木回転装置駆動処理により設定されるフラグであり、心出し用スピンドル24a,24bによって原木PWの両木口面(長手方向の両端面)が挟持されたときに値1が設定され、心出し用スピンドル24a,24bによる原木PWの両木口面(長手方向の両端面)の挟持が解除されたときに値0が設定される。
心出し用スピンドル挟持フラグFcsが値1であるとき、即ち、心出し用スピンドル24a,24bによって原木PWの両木口面(長手方向の両端面)が挟持されているときには、第2受渡位置セットフラグFdp2が値1であるか否かを判定する処理を実行する(ステップS306)。ここで、第2受渡位置セットフラグFdp2は、後述する原木回転装置駆動処理により設定されるフラグであり、原木回転装置20の軸受箱22a,22bが、心出し用スピンドル24a,24bから振り子搬送装置50の挟持アーム56,56に原木PWを受け渡す位置である第2受渡位置DP2に到達したときに値1に設定され、当該軸受箱22a,22bが、第2受渡位置DP2から移動したときに値0が設定される。
ステップS304で心出し用スピンドル挟持フラグFcsが値1でないと判定されたとき、即ち、心出し用スピンドル24a,24bによる原木PWの両木口面(長手方向の両端面)の挟持が解除されているとき、あるいは、ステップS306で第2受渡位置セットフラグFdp2が値1であると判定されたとき、即ち、原木回転装置20の軸受箱22a,22bが第2受渡位置DP2に到達しているとき、換言すれば、原木PWの両木口面(長手方向の両端面)を挟持した状態の心出し用スピンドル24a,24b(軸受箱22a,22b)が第2受取位置RP2に対して、原木加工装置1に供給される原木PWの直径のうち想定される最大直径よりも離れた位置にあるときに、仮心出し用搬送装置40の載置部42,42を上昇させると共に、第1受取位置セットフラグFrp1および搬入完了フラグFvvlを共に値0にリセットする処理を実行する(ステップS308)。
即ち、原木PWを載置した仮心出し用搬送装置40の載置部42,42を上昇させても、当該載置部42,42によって搬送される原木PWが、原木回転装置20の軸受箱22a,22bによって搬送される原木PWと接触しない状態にある場合にのみ載置部42,42を上昇させるのである。このように、本実施の形態では、原木回転装置20の軸受箱22a,22b(心出し用スピンドル24a,24b)が第2受取位置RP2に到達するのを待つことなく、原木PWを載置した載置部42,42を上昇させても、当該載置部42,42によって搬送される原木PWが、軸受箱22a,22bによって搬送される原木PWと接触しない状態にあるか否かのみに基づいて、原木PWを第1受渡位置DP1に搬送するため、原木PWを切削用スピンドル72a,72bまで搬送する際の時間の短縮を図ることができる。
続いて、センサS1,S1がONしたか否かを判定する処理を実行する(ステップS310)。センサS1,S1がONしたときには(図17参照)、載置部42,42を第1受渡位置DP1まで移動させるのに必要な距離L2、即ち、第1受取位置RP1にある原木PWの仮回転軸中心線を、第2受取位置RP2にある原木回転装置20の心出し用スピンドル24a,24bの回転軸中心線に合致させるために載置部42,42を移動させる必要がある距離L2を算定する処理を実行する(ステップS312)。一方、ステップS310において、センサS1,S1がONしていないと判定されたときには、センサS1,S1がONするまでステップS310の処理を繰り返し実行し、センサS1,S1がONしたときに(図17参照)、載置部42,42を第1受渡位置DP1まで移動させるのに必要な距離L2を算定する処理を実行する(ステップS312)。
ここで、距離L2の算定は、本実施の形態では、載置部42,42を往復移動させるモータM2,M2が有するロータリーエンコーダから出力されるパルスを積算し、当該パルスの積算値を利用して算定する構成とした。具体的には、図15に示すように、第1受取位置RP1にある載置部42,42上に設定された基準線BpからセンサS1,S1までの鉛直方向の高さHs1と、センサS1,S1から,軸受箱22a,22bが第2受取位置RP2にあるときの心出し用スピンドル24a,24bの回転軸中心線までの鉛直方向の高さHssと、載置部42,42の載置面42a,42aの開き角2θと、を予め測定して電子制御装置8のROMに記憶しておき、原木PWがセンサS1,S1によって検知されたときに、基準線Bpが移動した高さHbpを算定すると共に、式(1)ないし式(3)を用いて距離L2を求める。ここで、高さHbpは、本実施の形態では、載置部42,42が上昇し始めてから原木PWがセンサS1,S1によって検知されるまでにモータM2,M2が有するロータリーエンコーダから出力されたパルスの積算値を利用して求める構成とした。なお、rは、2つの載置面42a,42aおよびセンサS1,S1からの照射される光の光軸に接する仮想円VCの半径であり、原木PWの仮想半径として規定される。また、Hbcは、センサS1,S1が原木PWを検知した際の載置部42,42上の基準線Bpから原木PWの仮回転軸中心線までの高さである。ここで、高さHs1は、本発明における「第6距離」に対応し、高さHssは、本発明における「第7距離」に対応し、開き角2θは、本発明における「載置部の幾何学形状」に対応し、高さHbpは、本発明における「移動量」に対応し、距離L2は、本発明における「第8距離」に対応する実施構成の一例である。また、式(1)ないし式(3)を用いて距離L2を求める態様は、本発明における「前記第1受取位置に配置された前記原木供給部の前記基準部位から前記原木検知センサまでの第6距離と、前記第1受取位置にある前記原木が前記原木検知センサによって検知されるまでに移動した前記基準部位の移動量と、前記載置部の幾何学形状と、を用いて前記第1受取位置から前記第1受渡位置に向かう方向に沿う前記原木の仮想半径を算定すると共に、該仮想半径と,前記原木検知センサから前記第2受取位置に配置された前記第1および第2心出し用スピンドルの回転軸中心線までの第7距離と,の和から第8距離を算定して、」に対応する実施構成の一例である。
(数1)
L2=r+Hss・・・・・・・・・・(1)
r=Hbc・cosθ・・・・・・・・(2)
Hbc=Hs1-Hbp-r・・・・・(3)
こうして、距離L2が求まると、載置部42,42が第1受渡位置DP1に到達したか否か、即ち、原木PWの仮回転軸中心線が心出し用スピンドル24a,24bの回転軸中心線に合致するまで載置部42,42が上昇したか否かを判定する処理を実行し(ステップS314)、載置部42,42が第1受渡位置DP1に到達したとき、即ち、原木PWの仮回転軸中心線が心出し用スピンドル24a,24bの回転軸中心線に合致するまで載置部42,42が上昇したときに、載置部42,42の駆動を停止する(ステップS316)。一方、ステップS314において、載置部42,42が第1受渡位置DP1に到達していないと判定されたとき、即ち、原木PWの仮回転軸中心線が心出し用スピンドル24a,24bの回転軸中心線に合致するまで載置部42,42が上昇していないときには、載置部42,42が第1受渡位置DP1に到達するまでステップS314の処理を繰り返し実行し、載置部42,42が第1受渡位置DP1に到達したとき、即ち、原木PWの仮回転軸中心線が心出し用スピンドル24a,24bの回転軸中心線に合致するまで載置部42,42が上昇したときに、載置部42,42の駆動を停止する(ステップS316)。そして、第1受渡位置セットフラグFdp1を値1に設定すると共に、下降経過時間フラグFtdを値0に設定する(ステップS318)。ここで、第1受渡位置セットフラグFdp1は、載置部42,42が第1受渡位置DP1に到達したとき(図18参照)、即ち、原木PWの仮回転軸中心線が心出し用スピンドル24a,24bの回転軸中心線に合致するまで載置部42,42が上昇したときに値1に設定され、それ以外では値0に設定される。また、下降経過時間フラグFtdは、本ルーチンの後述する処理により設定されるフラグであり、載置部42,42が第1受取位置RP1に向けて駆動されたときから所定時間Td*経過したときに値1が設定され、載置部42,42が第1受渡位置DP1に到達したときに値0に設定される。
このように、本実施の形態では、原木回転装置20による後述する原木PWの切削軸中心線を測定する工程の前、即ち、心出し用スピンドル24a,24bに原木PWを受け渡すよりも前の段階で、原木PWの仮回転軸中心線を求め、当該仮回転軸中心線を心出し用スピンドル24a,24bの回転軸中心線に一致させるため、心出し用スピンドル24a,24bによって原木PWの両木口面(長手方向の両端面)が挟持された際に、原木PWの切削軸中心線と、心出し用スピンドル24a,24bの回転軸中心線と、の偏差(軸中心線ずれ)を抑制できる。これにより、後述する原木回転装置駆動処理ルーチンの処理により実行される心出し用スピンドル24a,24bによる原木PWの回転の際(ステップS410)の原木PWの振れを抑制することができる。なお、原木PWの切削軸中心線とは、切削用スピンドル72a,72bによって原木PWの両木口面(長手方向の両端面)が挟持された状態で当該原木PWが回転される際の回転軸中心線として規定される。
続いて、心出し用スピンドル挟持フラグFcsが値1であるか否かを判定する処理を実行する(ステップS320)。心出し用スピンドル挟持フラグFcsが値1でないと判定されたとき、即ち、心出し用スピンドル24a,24bによる原木PWの両木口面(長手方向の両端面)の挟持が解除されているときには、心出し用スピンドル挟持フラグFcsが値1となるまで、即ち、心出し用スピンドル24a,24bによって原木PWの両木口面(長手方向の両端面)が挟持されるまでステップS320の処理を繰り返し実行する。心出し用スピンドル挟持フラグFcsが値1であるときには、載置部42,42を第1受取位置RP1まで戻すべく駆動すると共に(図19参照)、第1受取位置RP1に向けて駆動したときからの経過時間としての下降経過時間Tdを図示しないタイマによって計時する処理を実行する(ステップS322)。
そして、第1受渡位置セットフラグFdp1を値0にリセットすると共に(ステップS324)、下降経過時間Tdが所定時間Td*になったか否かの判定を行う処理を実行する(ステップS326)。ここで、所定時間Td*は、後述する原木回転装置駆動処理によって実行される原木PWの回転処理(ステップS406)に際し、原木PWを回転しても回転される原木PWが載置部42,42に干渉しない安全な距離まで当該載置部42,42が下降され得る時間として設定される。
下降経過時間Tdが所定時間Td*になったとき、即ち、原木PWを回転しても回転される原木PWが載置部42,42に干渉しない安全な距離まで当該載置部42,42が下降したときは、下降経過時間フラグFtdを値1に設定する(ステップS328)。一方、ステップS326において、下降経過時間Tdが所定時間Td*でないと判定されたとき、即ち、原木PWを回転しても回転される原木PWが載置部42,42に干渉しない安全な距離まで当該載置部42,42が下降していないときには、下降経過時間Tdが所定時間Td*になるまでステップS326の処理を繰り返し実行し、下降経過時間Tdが所定時間Td*になったときに、下降経過時間フラグFtdを値1に設定する(ステップS328)。そして、載置部42,42が第1受取位置RP1に到達したか否かを判定する処理を実行し(ステップS330)、載置部42,42が第1受取位置RP1に到達したときに、第1受取位置セットフラグFrp1を値1に設定すると共に、第2搬入コンベヤ搬送フラグFsを値0にリセットして(ステップS332)、本ルーチンを終了する。一方、ステップS330において、載置部42,42が第1受取位置RP1に到達していないと判定されたときには、載置部42,42が第1受取位置RP1に到達するまでステップS330の処理を繰り返し実行し、載置部42,42が第1受取位置RP1に到達したときに、第1受取位置セットフラグFrp1を値1に設定すると共に、第2搬入コンベヤ搬送フラグFsを値0にリセットして(ステップS332)、本ルーチンを終了する。
なお、ステップS300で第1受取位置セットフラグFrp1が値1でないとき、即ち、仮心出し用搬送装置40の載置部42,42が第1受取位置RP1にないときや、ステップS302で搬入完了フラグFvvlが値1でないとき、即ち、仮心出し用搬送装置40の載置部42,42が原木PWを搬送可能な状態まで第2搬入コンベヤ4bによる原木PWの搬入が完了されていないとき、ステップS306で第2受渡位置セットフラグFdp2が値1でないとき、即ち、軸受箱22a,22bが第2受渡位置DP2にないとき、には、何もせずに本ルーチンを終了する。
[原木回転装置駆動処理]
原木回転装置駆動処理では、電子制御装置8のCPUは、まず、第2受取位置セットフラグFrp2が値1であるか否かを判定すると共に(ステップS400)、第1受渡位置セットフラグFdp1が値1であるか否かを判定し(ステップS402)、第2受取位置セットフラグFrp2および第1受渡位置セットフラグFdp1が共に値1であるとき、即ち、心出し用スピンドル24a,24b(軸受箱22a,22b)が第2受取位置RP2に到達しており、かつ、載置部42,42が第1受渡位置DP1に到達しているときには、心出し用スピンドル24a,24bを互いに接近させるべく流体シリンダCL1a,CL1b(図2および図3参照)を駆動して、原木PWの両木口面(長手方向の両端面)を心出し用スピンドル24a,24bによって挟持し(ステップS404)、心出し用スピンドル挟持フラグFcsを値1に設定する(ステップS406)。このとき、原木PWの仮回転軸中心線は、心出し用スピンドル24a,24bの回転軸中心線と合致している。
続いて、下降経過時間フラグFtdが値1であるか否かを判定する処理を実行する(ステップS408)。下降経過時間フラグFtdが値1であるとき、即ち、原木PWを回転しても回転される原木PWが載置部42,42に干渉しない安全な距離まで当該載置部42,42が下降したときは、モータM1を駆動して、原木PWを挟持させたまま心出し用スピンドル24a,24bを1回転させ、原木PWの外周形状を計測する(ステップS410)。ここで、原木PWの外周形状の測定は、本実施の形態では、複数のレーザ測長器17aからの原木PWの外周面までの距離と、モータM1が有するロータリーエンコーダ(図示せず)から出力されるパルスと、を利用して、心出し用スピンドル24a,24bの回転軸中心線回りに一定の角度毎の原木PWの外周面までの距離を測定することによって行う構成とした。
こうして、計測した原木PWの外周形状を基に、原木PWの切削軸中心線を算定し(ステップS412)、算定した原木PWの切削軸中心線に応じた回転角度αとなるように心出し用スピンドル24a,24bを回転させて原木PWの回転方向の位置決めを行う(ステップS414)。ここで、原木PWの切削軸中心線とは、原木PWから最も歩留まり良く単板を得ることができる当該原木PWの回転軸中心線として規定される。また、原木PWの切削軸中心線に応じた回転角度αは、図20に示すように、心出し用スピンドル24a,24bが第2受渡位置DP2にある状態において、原木PWの切削軸中心線と原木PWの両木口面(長手方向の両端面)との2つ交点P1,P2を、心出し用スピンドル24a,24bの回転軸中心線に沿う方向の一方側から見たときに、当該2つの交点P1,P2を結ぶ仮想直線VL1が振り子搬送装置50の回転フレーム52の回転軸52aの回転軸中心線52a’を通るまで、即ち、仮想直線VL1が回転軸中心線52a’を中心とする無数の放射線の1つと合致するまでの原木PWの回転角度として規定される。
そして、原木PWを切削軸中心線に応じた回転角度αに位置決めするのと同時に、流体シリンダCL2a,CL2bを駆動して、軸受箱22a,22bを第2受渡位置DP2に向けて移動させると共に(ステップS416、図21参照)、第2受取位置セットフラグFrp2を値0にリセットする(ステップS418)。ここで、第2受取位置セットフラグFrp2は、軸受箱22a,22bが第2受取位置RP2にあるときに値1が設定され、軸受箱22a,22bが第2受取位置RP2から移動したときに値0にリセットされる。
続いて、軸受箱22a,22bが第2受渡位置DP2に到達したか否かを判定する処理を実行し(ステップS420)、軸受箱22a,22bが第2受渡位置DP2に到達したときに、軸受箱22a,22bの移動を停止させて(ステップS422)、第2受渡位置セットフラグFdp2を値1に設定する(ステップS424)。このとき、軸受箱22a,22bは、第2受取位置RP2に対して、原木加工装置1に供給される原木PWの直径のうち想定される最大直径よりも離れた位置にある。なお、本実施の形態では、センサS4がONしてからOFFとなったときに、軸受箱22a,22bが第2受渡位置DP2に到達したと判定する構成とした。一方、ステップS420で軸受箱22a,22bが第2受渡位置DP2に到達していないと判定したときには、軸受箱22a,22bが第2受渡位置DP2に到達するまでステップS416~S420の処理を繰り返し実行する。
次に、挟持アーム挟持フラグFsaが値1であるか否かを判定する処理を実行する(ステップS426)。ここで、挟持アーム挟持フラグFsaは、後述する振り子搬送装置駆動処理ルーチンの処理により設定されるフラグであり、挟持アーム56,56によって原木PWの両木口面(長手方向の両端面)が挟持されたときに値1が設定され、挟持アーム56,56による原木PWの両木口面(長手方向の両端面)の挟持が解除されたときに値0に設定される。
挟持アーム挟持フラグFsaが値1であるとき、即ち、挟持アーム56,56によって原木PWの両木口面(長手方向の両端面)が挟持されたときには(図22参照)、心出し用スピンドル24a,24bによる原木PWの両木口面(長手方向の両端面)の挟持を解除する(ステップS428)。一方、挟持アーム挟持フラグFsaが値1でないとき、即ち、挟持アーム56,56によって原木PWの両木口面(長手方向の両端面)が挟持されていないときには、挟持アーム56,56によって原木PWの両木口面(長手方向の両端面)が挟持されるまで、ステップS426の処理を繰り返し実行し、挟持アーム挟持フラグFsaが値1となったとき、即ち、挟持アーム56,56によって原木PWの両木口面(長手方向の両端面)が挟持されたときに、心出し用スピンドル24a,24bによる原木PWの両木口面(長手方向の両端面)の挟持を解除する(ステップS428)。そして、心出し用スピンドル挟持フラグFcsを値0にリセットして(ステップS430)、軸受箱22a,22bを第2受取位置RP2に戻すべく軸受箱22a,22bを移動させて(ステップS432、図23参照)、第2受渡位置セットフラグFdp2を値0にリセットする処理を実行する(ステップS434)。即ち、心出し用スピンドル24a,24bから挟持アーム56,56に原木PWを受け渡すと同時に(ステップS428)、軸受箱22a,22bを第2受取位置RP2に向けて移動させる(ステップS432)。
そして、軸受箱22a,22bが第2受取位置RP2に到達したか否かを判定する処理を実行すると共に(ステップS436)、軸受箱22a,22bが第2受取位置RP2に到達したときに(図24参照)、第2受取位置セットフラグFrp2を値1に設定して(ステップS438)、本ルーチンを終了する。一方、ステップS436で軸受箱22a,22bが第2受取位置RP2に到達していないと判定されたときには、軸受箱22a,22bが第2受取位置RP2に到達するまでステップS432~S436の処理を繰り返し実行する。
本実施の形態によれば、心出し用スピンドル24a,24bから挟持アーム56,56に原木PWを受け渡すと同時に(ステップS428)、軸受箱22a,22bを第2受取位置RP2に向けて移動させ(ステップS432)、さらに、軸受箱22a,22bが第2受取位置RP2に戻ったときに、載置部42,42が第1受渡位置DP1に到達していれば(ステップS402)、即ち、新たな原木が第2受取位置RP2にセットされていれば、心出し用スピンドル24a,24bによって当該新たな原木PWの両木口面(長手方向の両端面)を挟持して(ステップS404)、当該新たな原木PWを回転して外周形状を計測すると共に(ステップS410)、当該新たな原木PWの切削軸中心線を算定し(ステップS412)、当該新たな原木PW切削軸中心線に応じた回転角度αに位置決めするのと同時に(ステップS414)、軸受箱22a,22bを第2受渡位置DP2に移動させて(ステップS416~S424)、挟持アーム56,56への受け渡しの準備をしておくことができる。即ち、後述する振り子搬送装置駆動処理ルーチンにより実行される挟持アーム56,56から切削用スピンドル72a,72bへの原木PWの受け渡し処理(ステップS518)を待つことなく、新たな原木PWを挟持アーム56,56へ受け渡す準備をしておくことができる。これにより、原木PWを切削用スピンドル72a,72bまで搬送する際の時間のさらなる短縮を図ることができる。
なお、ステップS400で第2受渡位置セットフラグFdp2が値1でないと判定されたとき、即ち、軸受箱22a,22bが第2受取位置RP2に到達していないときや、ステップS402で第1受渡位置セットフラグFdp1が値1でないと判定されたとき、即ち、載置部42,42が第1受渡位置DP1に到達していないとき、ステップS408で下降時間経過フラグFtdが値1でないと判定されたとき、即ち、載置部42,42が第1受取位置RP1に向けて駆動されたときから所定時間Td*経過していないときには、何もせずに本ルーチンを終了する。
[振り子搬送装置駆動処理]
振り子搬送装置駆動処理では、電子制御装置8のCPUは、まず、第2受渡位置セットフラグFdp2が値1であるか否かを判定する処理を実行し(ステップS500)、第2受渡位置セットフラグFdp2が値1であるとき、即ち、原木回転装置20の軸受箱22a,22bが第2受渡位置DP2に到達しているときには、原木PWの切削軸中心線に応じた挟持アーム56,56の姿勢を設定する(ステップS502)。原木PWの切削軸中心線に応じた挟持アーム56,56の姿勢とは、図20に示すように、挟持アーム56,56の摺動軸中心線56c,56c(回転軸52aを通る挟持アーム56,56の揺動方向の中心線)が、回転角度αに位置決めされた原木PWの2つの交点P1,P2を結ぶ仮想直線VL1(心出し用スピンドル24a,24bが第2受渡位置DP2にある状態において、回転軸中心線52a’を通る仮想直線VL1)と合致すると共に、一方の挟持アーム56と交点P1との相対的な位置関係と、他方の挟持アーム56と交点P2との相対的な位置関係と、が同じとなる状態として規定される。
こうして、原木PWの切削軸中心線に応じた挟持アーム56,56の姿勢が設定されると、当該設定された姿勢となるように、モータM3を駆動して回転フレーム52を回転させると共に(回転角度β、図20、図22参照)、モータM4,M4を駆動して挟持アーム56,56を摺動させる(ステップS504)。そして、挟持アーム56,56を互いに接近させるべく流体シリンダCL3a,CL3b(図2および図3参照)を駆動して、原木PWの両木口面(長手方向の両端面)を挟持アーム56,56によって挟持し(ステップS506)、挟持アーム挟持フラグFsaを値1に設定する(ステップS508)。
続いて、心出し用スピンドル挟持フラグFcsが値0であるか否かを判定する処理を実行し(ステップS510)、心出し用スピンドル挟持フラグFcsが値0であるとき、即ち、心出し用スピンドル24a,24bによる原木PWの両木口面(長手方向の両端面)の挟持が解除されたときに、ベニヤレース6の準備が完了しているか否かを判定する処理を実行し(ステップS512)、ベニヤレース6の準備が完了していれば切削用スピンドル72a,72bへの原木PWの受渡しを行う処理を実行する(ステップS518、図23、図24参照)。一方、ステップS512において、ベニヤレース6の準備が完了してないと判定されたときには、ベニヤレース6の準備が完了するまでステップS512の処理を繰り返し実行し、ベニヤレース6の準備が完了したときに、切削用スピンドル72a,72bへの原木PWの受渡しを行う処理を実行する(ステップS518、図23、図24参照)。
そして、切削用スピンドル72a,72bへの原木PWの受渡しが完了したか否かを判定する処理を実行すると共に(ステップS520)、切削用スピンドル72a,72bへの原木PWの受渡しが完了しているときには、挟持アーム56,56による原木PWの両木口面(長手方向の両端面)の挟持を解除し(ステップS522)、挟持アーム挟持フラグFsaを値0にリセットして(ステップS524)、本ルーチンを終了する。一方、ステップS520において、切削用スピンドル72a,72bへの原木PWの受渡しが完了していないと判定されたときには、切削用スピンドル72a,72bへの原木PWの受渡しが完了するまでステップS520の処理を繰り返し実行し、切削用スピンドル72a,72bへの原木PWの受渡しが完了したときに、挟持アーム56,56による原木PWの両木口面(長手方向の両端面)の挟持を解除し(ステップS522)、挟持アーム挟持フラグFsaを値0にリセットして(ステップS524)、本ルーチンを終了する。
一方、ステップS500で第2受渡位置セットフラグFdp2が値1でないと判定されたとき、即ち、原木回転装置20の軸受箱22a,22bが第2受渡位置DP2に到達していないときや、ステップS510で心出し用スピンドル挟持フラグFcsが値0でないと判定されたとき、即ち、心出し用スピンドル24a,24bによる原木PWの両木口面(長手方向の両端面)の挟持が解除されていないときには、何もせずに本ルーチンを終了する。
本実施の形態では、第2受渡位置DP2とセンサS4の配置位置とを同じ位置として構成したが、これに限らない。例えば、第2受渡位置DP2は、センサ4の配置位置よりも原木PWの搬送方向において下流側に配置する構成としても良い。当該構成の場合、軸受箱22a,22bが第2受渡位置DP2に到達するよりも前に、仮心出し用搬送装置40によって、第1受渡位置DP1(第2受取位置RP2)に新たな原木PWを準備しておくことができる。
本実施の形態では、原木PWを回転しても回転される原木PWが載置部42,42に干渉しない安全な距離まで当該載置部42,42が下降したか否かを、載置部42,42を第1受取位置RP1に向けて駆動したときからの経過時間を計時することにより行う構成としたが、これに限らない。例えば、載置部42,42を第1受取位置RP1に向けて駆動したときからの載置部42,42の移動距離を計測し、当該計測した移動距離が、原木PWを回転しても回転される原木PWが載置部42,42に干渉しない安全な距離となったか否かを判定する構成としても良い。
本実施の形態では、センサS4によって、軸受箱22a,22bが第2受渡位置DP2に到達したか否かを判定する構成としたが、これに限らない。例えば、軸受箱22a,22bの移動距離を計測して、当該移動距離が、原木加工装置1に供給される原木PWの直径のうち想定される最大直径以上になったか否かを判定することにより行う構成としても良い。なお、軸受箱22a,22bの移動距離の計測は、例えば、流体シリンダCL2a,CL2bのストロークを検出することにより行うことができる。
本実施の形態では、原木PWを載置した仮心出し用搬送装置40の載置部42,42を上昇させても、当該載置部42,42によって搬送される原木PWが、原木回転装置20の軸受箱22a,22bによって搬送される原木PWと接触しない状態にあるか否かをセンサS4によって検知する構成としたが、これに限らない。例えば、第2搬入コンベヤ4bで原木PWを搬送中に測定される原木PWの仮直径を電子制御装置8のROMの所定の記憶領域に記憶しておき、当該記憶された原木PWの仮直径を用いて、載置部42,42を上昇させても当該載置部42,42によって搬送される原木PWが、軸受箱22a,22bによって搬送されている原木PWと接触しない状態にあるか否かを検知する構成としても良い。この場合、図6の第2搬入コンベヤ駆動処理および図7の仮心出し用搬送装置駆動処理に変えて図25の第2搬入コンベヤ駆動処理および図26の仮心出し用搬送装置駆動処理を行うことができる。なお、当該構成の場合には、センサS4は、軸受箱22a,22bが第2受渡位置DP2に到達したか否かを検知するのみに用いられる。
図25の第2搬入コンベヤ駆動処理は、図6の第2搬入コンベヤ駆動処理のステップS216の処理をステップS1216の処理に変えた点を除いて、図6の第2搬入コンベヤ駆動処理と同一の処理を行う。また、図26の仮心出し用搬送装置駆動処理は、図7の仮心出し用搬送装置駆動処理のステップS306の処理をステップS1305およびステップS1306の処理に変えた点を除いて、図7の仮心出し用搬送装置駆動処理と同一の処理を行う。したがって、以下では、図25の第2搬入コンベヤ駆動処理および図26の仮心出し用搬送装置駆動処理のうち図6の第2搬入コンベヤ駆動処理および図7の仮心出し用搬送装置駆動処理とは異なる処理の部分についてのみ説明する。
図25の第2搬入コンベヤ駆動処理が実行されると、電子制御装置8のCPUは、図6の第2搬入コンベヤ駆動処理ルーチンのステップS200~S214までの処理と同様の処理を実行する。ここで、センサS3がONしてからOFFするまでのパルスの積算値を利用して原木PWの仮直径を算定するステップS208~S214までの処理を実行する電子制御装置8は、本発明における「測定部」に対応する実施構成の一例である。
そして、センサS3がONしてからOFFするまでのパルスの積算値を利用して原木PWの仮直径を算定すると共に算定した原木PWの仮直径をROMの所定領域に記憶し、原木PWの仮直径の中心点から仮想鉛直線VVLまでの距離L1を算定する処理を実行する(ステップS1216)。続いて、図6の第2搬入コンベヤ駆動処理ルーチンのステップS218~S222までの処理と同様の処理を実行して、本ルーチンを終了する。ここで、センサS3がONしてからOFFするまでのパルスの積算値を利用して原木PWの仮直径を算定すると共に算定した原木PWの仮直径をROMの所定領域に記憶するステップS1216を実行する電子制御装置8は、本発明における「記憶部」に対応する実施構成の一例である。
一方、図26の仮心出し用搬送装置駆動処理が実行されると、電子制御装置8のCPUは、図7の仮心出し用搬送装置駆動処理ルーチンのステップS300~S304までの処理と同様の処理を実行する。そして、ステップS304で心出し用スピンドル挟持フラグFcsが値1であると判定されたときに、載置部上昇許可距離d*の算定を行う処理を実行する(ステップS1305)。ここで、載置部上昇許可距離d*は、載置部42,42を上昇させても当該載置部42,42によって搬送される原木PWが、軸受箱22a,22bによって搬送されている原木PWと接触しない,軸受箱22a,22bの第2受取位置RP2からの移動距離として規定されており、電子制御装置8のROMの記憶領域に記憶された原木PWの仮直径のうち第2受取位置RP2に搬送された原木PWの仮直径di―1と、第2搬入コンベヤ4bから載置部42,42に搬送された原木PWの仮直径diと、安全値Svと、を用いて、d*=(di―1+di)/2+Svにより算定することができる。なお、安全値Svは、一本の原木PWにおいて生じ得る最大直径と最小直径との差のうち想定され得る最大値として設定される値である。ここで、載置部上昇許可距離d*を算定するステップS1305を実行する電子制御装置8は、本発明における「算定部」に対応する実施構成の一例である。ここで、載置部上昇許可距離d*は、本発明における「安全距離」に対応し、原木の仮直径di-1は、本発明における「第1仮直径」に対応し、原木の仮直径diは、本発明における「第2仮直径」に対応する実施構成の一例である。
続いて、軸受箱22a,22bの第2受取位置RP2からの移動距離BLが載置部上昇許可距離d*よりも大きいか否かを判定する処理を実行する(ステップS1306)。ここで、移動距離BLは、例えば、流体シリンダCL2a,CL2bに設けた図示しないストロークセンサの値を読み込むことにより測定することができる。移動距離BLが載置部上昇許可距離d*よりも大きいときには、図7の仮心出し用搬送装置駆動処理ルーチンのステップS308~S314および図8の仮心出し用搬送装置駆動処理ルーチンから分岐した部分のステップS316~S332の処理と同様の処理を実行して、本ルーチンを終了する。当該構成においても、本実施の形態に係る原木加工装置1と同様の効果、例えば、原木PWを切削用スピンドル72a,72bまで搬送する際の時間の短縮を図ることができる。ここで、軸受箱22a,22bの第2受取位置RP2からの移動距離BLが載置部上昇許可距離d*よりも大きいか否かを判定するステップS1306、および、載置部42を上昇させるステップS308を実行する電子制御装置8は、本発明における「制御部」に対応する実施構成の一例である。
上述した図26に例示する変形例では、軸受箱22a,22bの第2受取位置RP2からの移動距離BLが載置部上昇許可距離d*よりも大きくなったときに、第2受取位置RP2に新たな原木PWを供給するべく載置部42,42を第2受取位置RP2に向けて移動させる構成としたが、これに限らない。例えば、軸受箱22a,22bの移動距離BLが載置部上昇許可距離d*よりも大きくなる前であっても、第1および第2心出し用スピンドル24a,24bが挟持している原木PWに接触しない範囲において、載置部42,42を第2受取位置RP2に向けて移動させる構成としても良い。この場合、図26の仮心出し用搬送装置駆動処理に変えて図27の仮心出し用搬送装置駆動処理を行うことができる。
図27の仮心出し用搬送装置駆動処理は、図26の仮心出し用搬送装置駆動処理のステップS1305~ステップS312の処理をステップS2305~ステップS2308の処理に変えた点を除いて、図26の仮心出し用搬送装置駆動処理と同一の処理を行う。したがって、以下では、図27の仮心出し用搬送装置駆動処理のうち図26の仮心出し用搬送装置駆動処理とは異なる処理の部分についてのみ説明する。
図27の仮心出し用搬送装置駆動処理が実行されると、電子制御装置8のCPUは、図26の仮心出し用搬送装置駆動処理ルーチンのステップS300~S304までの処理と同様の処理を実行する。そして、ステップS304で心出し用スピンドル挟持フラグFcsが値1であると判定されたときに、安全距離dsの算定の処理を実行すると共に(ステップS2305)、載置部上昇可能距離dc*の算定を行う処理を実行する(ステップS2306)。ここで、安全距離dsは、載置部42,42によって搬送される原木PWが、軸受箱22a,22bによって搬送されている原木PWと接触しない距離として規定されており、センサS3がONしてからOFFするまでのパルスの積算値を利用して算定し、電子制御装置8のROMの記憶領域に記憶された原木PWの仮直径のうち第2受取位置RP2に搬送された原木PWの仮直径di―1と、第2搬入コンベヤ4bから載置部42,42に搬送された原木PWの仮直径diと、安全値Svと、を用いて、ds=(di―1+di)/2+Svにより算定することができる。なお、安全値Svは、一本の原木PWにおいて生じ得る最大直径と最小直径との差のうち想定され得る最大値として設定される値である。
また、載置部上昇可能距離dc*は、上述した安全距離dsを維持可能な載置部42,42の上昇距離として設定されるものであり、原木PWを載置した状態の載置部42,42を上昇させても当該載置部42,42上の原木PWが、軸受箱22a,22bによって搬送されている原木PWと接触しない,載置部42,42の第1受取位置RP1からの移動距離として算定される。載置部上昇可能距離dc*の算定は、本変形例では、図28に示すように、第1受取位置RP1にある載置部42,42上に設定された基準線Bpから、第2受取位置RP2にある第1および第2心出し用スピンドル24a,24bの回転軸中心線までの高さHbsと、載置部42,42の載置面42a,42aの開き角2θと、を予め測定して電子制御装置8のROMに記憶しておき、軸受箱22a,22bの第2受取位置RP2からの移動距離BLと、安全距離dsと、に基づいて、式(4)および式(5)を用いて求める構成とした。
なお、高さHbcは、基準線Bpから載置部42,42に載置されている原木PWの仮回転軸中心線までの高さであり、高さHcは、原木を把持した第1および第2心出し用スピンドル24a,24bの軸中心線と載置部42,42によって搬送される原木PWの仮回転軸中心線との距離が安全距離dsとなったときの、載置部42、42に載置されている原木PWの仮回転軸中心線から,第2受取位置RP2にある心出し用スピンドル24a,24bまでの回転軸中心線までの高さである。
ここで、高さHbcは、本発明における「第1距離」に対応し、移動距離BLは、本発明における「第2距離」に対応し、高さHcは、本発明における「第3距離」に対応し、高さHbsは、本発明における「第4距離」に対応し、開き角2θは、本発明における「載置部の幾何学形状」に対応し、載置部上昇可能距離dc*は、本発明における「第5距離」に対応する実施構成の一例である。また、式(4)およびし式(5)を用いて載置部上昇可能距離dc*を求める態様は、本発明における「前記第2仮直径と前記載置部の幾何学形状とを用いて、前記基準部位から,前記載置部に載置された前記原木の仮回転軸中心線までの第1距離を算定すると共に、前記安全距離と,前記心出し部が前記第2受取位置から前記第2受渡位置に向かって移動した第2距離と,を用いて、前記原木の仮回転軸中心線から,前記心出し部が前記第2受取位置にあるときの前記第1および第2心出し用スピンドルの回転軸中心線までの第3距離を算定し、前記原木供給部が前記第1受取位置にあるときの前記基準部位から前記心出し部が前記第2受取位置にあるときの前記第1および第2心出し用スピンドルの回転軸中心線までの距離である第4距離から前記第1および第3距離を減じて第5距離を算定して、」に対応する実施構成の一例である。
(数2)
dc*=Hbs-Hc-Hbc・・・・・・(4)
Hc=√(ds2-BL2)・・・・・・・・(5)
こうして、載置部上昇可能距離dc*が求まると、載置部42,42を載置部上昇可能距離dc*だけ上昇させると共に第1受取位置セットフラグFrp1および搬入完了フラグFvvlを値1にリセットする(ステップS2308)。そして、図7の仮心出し用搬送装置駆動処理ルーチンのステップS314および図8の仮心出し用搬送装置駆動処理ルーチンから分岐した部分のステップS316~S328の処理と同様の処理を実行して、本ルーチンを終了する。当該構成によれば、心出し用スピンドル24a,24bに挟持された原木PWが、第2受渡位置DP2、即ち、第2受取位置RP2から,原木加工装置1に供給される原木PWの直径のうち想定される最大直径よりも離れた位置、あるいは、第2受取位置RP2から載置部上昇許可距離d*だけ離れた位置に到達する以前に、第2受取位置RP2に新たな原木PWを供給するべく、載置部42,42を第1受渡位置DP1に向けて移動させるため、原木PWを切削用スピンドル72a,72bまで搬送する際の時間の短縮をより一層図ることができる。ここで、ステップS2305~ステップS2308を実行する電子制御装置8は、本発明における「制御部」に対応する実施構成の一例である。
本実施の形態では、第2搬入コンベヤ搬送フラグFsが値1である、即ち、第2搬入コンベヤ4b上に既に原木PWが搬入されており(ステップS200)、かつ、第1受取位置セットフラグFrp1が値1である、即ち、仮心出し用搬送装置40の載置部42,42が第1受取位置RP1にあり(ステップS202)、かつ、搬入完了フラグFvvlが値0である、即ち、第2搬入コンベヤ4bが、仮心出し用搬送装置40の載置部42,42により搬送可能な状態まで原木PWの搬入を完了していない(ステップS204)ときに、第2搬入コンベヤ4bを駆動して(ステップS206)、載置部42,42に原木PWを供給する構成としたが、これに限らない。例えば、上記条件(ステップS200~S204)に加えて、第2受渡位置セットフラグFdp2が値1である、即ち、原木PWの両木口面(長手方向の両端面)を挟持した状態の心出し用スピンドル24a,24b(軸受箱22a,22b)が第2受取位置RP2に対して、原木加工装置1に供給される原木PWの直径のうち想定される最大直径よりも離れた位置にあるときに、載置部42,42に原木PWを供給する構成としても良い。この場合、図6の第2搬入コンベヤ駆動処理に変えて図29および図30の第2搬入コンベヤ駆動処理を行うことができる。図29および図30の第2搬入コンベヤ駆動処理では、図6の第2搬入コンベヤ駆動処理のステップS204とステップS206の間に、第2受渡位置セットフラグFdp2が値1であるか否かの判定を行うステップS205を追加した点を除いて、図6の第2搬入コンベヤ駆動処理と同じ処理が実行される。
当該構成によれば、例えば、第1受取位置■P1と第1受渡位置DP1(第2受取位置RP2)とが接近して配置されているような場合に、第1および第2心出しスピンドル24a,24bが原木PWを挟持しているときに、第1受取位置■P1に新たな原木PWが供給されると、当該第1受取位置■P1に供給される新たな原木PWが、第1および第2心出しスピンドル24a,24bが挟持している原木PWと接触してしまうような不都合を良好に防止することができる。
本実施の形態では、センサS1,S1からの照射される光の光軸が、各載置部42,42上に設定された基準線Bp,Bpを通る仮想鉛直線VVL,VVLと交差する位置に、センサS1,S1を配置する構成としたが、これに限らない。例えば、連結梁13の長手方向のほぼ中央部に、センサS1を1つのみ配置する構成でも良い。
本実施の形態では、センサS1,S1による原木PWの検知を利用して原木PWの仮回転軸中心線を求め、原木PWの仮回転軸中心線が心出し用スピンドル24a,24bの回転軸中心線に合致するように載置部42,42を駆動する構成としたが、これに限らない。例えば、図31および図32に例示する変形例の仮心出し用搬送装置140によりセンサS1,S1を用いずに原木PWの仮回転軸中心線を心出し用スピンドル24a,24bの回転軸中心線に合致させる構成としても良い。
変形例の仮心出し用搬送装置140は、図31および図32に示すように、上側載置部132,132を備える点を除いて本実施の形態に係る仮心出し用搬送装置40と同一の構成を有している。上側載置部132,132は、鉛直方向において載置部42,42と対向するように配置されている。上側載置部132,132は、基本的には、載置部42,42と同じ形状に形成されている。即ち、上側載置部132,132は、略V字の載置面42a,42aおよび当該載置面42a,42a上に設けた基準線Bp2を有している。仮心出し用搬送装置140は、本発明における「原木供給部」に対応する実施構成の一例である。
また、上側載置部132,132は、鉛直方向に延在するように配置された図示しない雄ネジロッドにネジ係合されており、当該図示しない雄ネジロッドの一端に接続された図示しないモータによって雄ネジロッド(図示せず)を正逆回転させることによって、上側載置部132,132が載置部42,42に対して接近および離反される。
電子制御装置8は、上側載置部132,132の基準線Bp2から第2受取位置RP2にあると仮定したときの心出し用スピンドル24a,24bの回転軸中心線までの距離B1と、載置部42,42の基準線Bpから第2受取位置RP2にあると仮定したときの心出し用スピンドル24a,24bの回転軸中心線までの距離B2と、が常に同じになるように図示しないモータおよびモータM4,M4を制御する。
こうして構成された変形例の仮心出し用搬送装置140は、第1受取位置RP1に原木PWがセットされ、かつ、仮心出し用搬送装置140により原木PWを第1受渡位置DP1に移動させても、当該仮心出し用搬送装置140によって搬送される原木PWが、原木回転装置20の軸受箱22a,22bによって搬送される原木PWと接触しない状態にあるときに、載置部42,42および上側載置部132,132を互いに接近するように駆動して、図32に示すように、載置部42,42および上側載置部132,132によって原木PWが挟み込まれた状態とする。ここで、載置部42,42および上側載置部132,132によって原木PWが挟み込まれた否かの判定は、モータM4,M4や図示しないモータの負荷変動から判定することができる。
このように、載置部42,42および上側載置部132,132によって原木PWが挟み込むことによって、原木PWの仮回転軸中心線(鉛直方向における原木PWの中心)を、心出し用スピンドル24a,24bの回転軸中心線に合致させることができる。
本実施の形態では、第1受取位置RP1と第1受渡位置DP1との間に、原木PWの搬送方向のうち水平方向に沿う方向の下流側を向くように設置されたセンサS1,S1によって、原木PWを検知し、当該センサS1,S1による原木PWの検知を利用して原木PWの仮回転軸中心線を求め、当該仮回転軸中心線を心出し用スピンドル24a,24bに合致させる構成としたが、これに限らない。例えば、図33に示すように、センサS1,S1に変えて測長センサ230による原木PWの検知を利用して原木PWの仮回転軸中心線を求め、当該仮回転軸中心線を心出し用スピンドル24a,24bに合致させる構成としても良い。
当該変形例では、図33に示すように、第2搬入コンベヤ4bの下流端部に固定V字台262,262が配置し、当該固定V字台262の配置位置を第1受取位置RP1としている。固定V字台262,262は、鉛直方向上方に向かって開口する略V字の載置面262a,262aを有している。当該変形例では、載置面262a,262aのV字を構成する2つの平面の交線を、原木PWの仮回転軸中心線を求める際の基準線Bpfとして用いる構成としており、仮想鉛直線VVLが心出し用スピンドル24a,24bの回転軸中心線と当該基準線Bpfと載置部42の基準線Bpとを通る直線として規定されている。
測長センサ230は、図33に示すように、当該測長センサ230から照射されるレーザが仮想鉛直線VVLを通るように、上部フレーム18に配置されている。
当該変形例では、図33に示すように、固定V字台262,262上に設定された基準線Bpfから心出し用スピンドル24a,24bの軸中心線までの鉛直方向の高さHfsと、基準線Bpfから測長センサ230までの鉛直方向の高さHbsと、固定V字台262,262の載置面262a,262aの開き角2θと、初期位置にある載置部42,42上の基準線Bpと基準線Bpfとの距離Hbbと、を予め測定して電子制御装置8のROMに記憶しておき、測長センサ230によって原木PWが検知されたときに、式(6)ないし式(8)を用いて、原木PWの仮回転軸中心線を心出し用スピンドル24a,24bに合致させるために載置部42,42を上昇させる必要がある距離L2を求める構成である。
(数3)
L2=Hfs+Hbb-Hfc・・・・・・・・・・・・・・(6)
r=(Hbs-Hp)・cosθ/(1+cosθ)・・・・(7)
Hfc=r/cosθ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(8)
なお、rは、2つの載置面262a,262aに接すると共に、測長センサ230が検知した原木PWの上部の点(測長センサ230から照射される光軸と原木PWとの交点)を通る原木PW(に相当する仮想円)の仮想半径であり、Hfcは、基準線Bpfから原木PWの仮回転軸中心線までの高さであり、Hpは、測長センサ230により測定される原木PWまでの距離(仮想鉛直線VVLに沿う方向の距離)である。
当該変形例においても、心出し用スピンドル24a,24bに原木PWを受け渡すよりも前の段階で、原木PWの仮回転軸中心線を求め、当該仮回転軸中心線を心出し用スピンドル24a,24bの回転軸中心線に一致させることができるため、心出し用スピンドル24a,24bによって原木PWの両木口面(長手方向の両端面)が挟持された際に、原木PWの切削軸中心線と、心出し用スピンドル24a,24bの回転軸中心線と、の偏差(軸中心線ずれ)を抑制でき、心出し用スピンドル24a,24bによる原木PWの回転の際の原木PWの振れを抑制することができるという作用効果を奏する。
本実施の形態では、心出し用スピンドル24a,24bから切削用スピンドル72a,72bへの原木PWの搬送に振り子搬送装置50を用いる構成としたが、これに限らない。例えば、図34に例示する変形例のレースチャージャ302に示すように、搬送に振り子搬送装置50に変えて走行搬送装置350を用いる構成や、図35に例示する変形例のレースチャージャ402に示すように、搬送に振り子搬送装置50に変えて固定搬送装置450を用いる構成としても良い。レースチャージャ302,402は、本発明における「原木供給装置」に対応する実施構成の一例である。
変形例の走行搬送装置350は、図34に示すように、回転フレーム52に変えて移動梁352がレールR5,R5にガイド付き摺動部材352a,352aを介して支持されている点、および、移動梁352にネジ係合された雄ネジロッド355,355と当該雄ネジロッド355,355を回転駆動するモータM5,M5を有する点を除いて上述した本実施の形態の振り子搬送装置50と同一の構成を有している。したがって、走行搬送装置350の各構成のうち振り子搬送装置50と同一の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は重複するため省略する。走行搬送装置350は、本発明における「搬送部」に対応する実施構成の一例である。
走行搬送装置350は、その長手方向の両端が上部フレーム18,18の上面に設置されたレールR5,R5にガイド付き摺動部材352a,352aを介して支持された長尺状の移動梁352と、当該移動梁352にネジ係合された雄ネジロッド355,355と、当該移動梁352の長手方向に摺動可能に当該移動梁352に取り付けられたホルダ54,54と、当該ホルダ54,54に摺動可能に支持された挟持アーム56,56と、から構成されている。
ホルダ54,54の移動梁352への取り付け方は、上述した本実施の形態の振り子搬送装置50と同様である。即ち、ホルダ54,54は、移動梁352の長手方向の中央部を除く両端部の下面に当該移動梁352の長手方向に沿うように設けられた図示しないレールにガイド付き摺動部54a,54a(図3参照)を介して取り付けられると共に、移動梁352の長手方向のほぼ中央の下面に下方に向かって突設された図示しない支持壁に支持された流体シリンダCL3a,CL3b(図3参照)のシリンダロッド(図示せず)に接続されており、シリンダロッド(図示せず)の出没に応じて移動梁352の長手方向に摺動可能に支持されている。
雄ネジロッド355,355は、図34に示すように、上部フレーム18,18の上面であって、原木PWの搬送方向のうち水平方向に沿う方向の両端部に固定された取付台357,357,357,357に図示しない軸受を介して回転可能に支持されている。雄ネジロッド355,355の軸中心線方向の一端部は、モータM5,M5の図示しない回転軸が接続されている。
こうして構成された走行搬送装置350は、モータM5,M5により雄ネジロッド355,355を正逆回転させることにより移動梁352を当該雄ネジロッド355,355の軸中心線方向に往復移動可能である。なお、当該モータM5,M5は、図示しないロータリーエンコーダを有しており、移動梁352を所望の位置に移動させることが可能である。
当該変形例では、図9の原木回転装置駆動処理ルーチンのステップS414の処理は、原木PWの切削軸中心線と原木PWの両木口面(長手方向の両端面)との2つ交点P1,P2(図20)を、心出し用スピンドル24a,24bの回転軸中心線に沿う方向の一方側から見たときに、当該2つの交点P1,P2を結ぶ仮想直線VL1(図20)が鉛直方向を向くまで原木PWを回転させる処理となる。
また、図11の振り子搬送装置駆動処理ルーチンのステップS504の処理は、挟持アーム56,56が設定した姿勢となるように、モータM5,M5を駆動して移動梁352を雄ネジロッド355,355の軸中心線方向に移動させると共に、モータM4,M4(図3参照)を駆動して挟持アーム56,56を摺動させる処理となる。
変形例の固定搬送装置450は、図35に示すように、回転フレーム52が固定梁452に変更された点を除いて上述した本実施の形態の振り子搬送装置50と同一の構成を有している。したがって、固定搬送装置450の各構成のうち振り子搬送装置50と同一の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は重複するため省略する。固定搬送装置450は、本発明における「搬送部」に対応する実施構成の一例である。
固定搬送装置450は、長手方向の両端が上部フレーム18,18に固定された長尺状の固定梁452と、当該固定梁452の長手方向に摺動可能に当該固定梁452に取り付けられたホルダ54,54と、当該ホルダ54,54に摺動可能に支持された挟持アーム56,56と、から構成されている。
固定梁452は、図35に示すように、原木PWの搬送方向のうち水平方向に沿う方向の上流側から下流側に向かって上り傾斜を有する下面を備えている。これにより、ホルダ54,54および挟持アーム56,56は、鉛直方向に対して傾斜した状態で固定梁452に支持される。挟持アーム56,56は、その摺動軸中心線56c,56c(挟持アーム56,56の摺動方向に平行な直線であって、挟持アーム56,56の幅方向(図35の左右方向)の中心)が切削用スピンドル72a,72bの回転軸中心線を通る任意の直線に一致するように構成されている。
なお、ホルダ54,54の固定梁452への取り付け方は、上述した本実施の形態の振り子搬送装置50と同様である。即ち、ホルダ54,54は、固定梁452の長手方向の中央部を除く両端部の下面に当該固定梁452の長手方向に沿うように設けられた図示しないレールにガイド付き摺動部54a,54a(図3参照)を介して取り付けられると共に、固定梁452の長手方向のほぼ中央の下面に下方に向かって突設された図示しない支持壁に支持された流体シリンダCL3a,CL3b(図3参照)のシリンダロッド(図示せず)に接続されており、シリンダロッド(図示せず)の出没に応じて固定梁452の長手方向に摺動可能に支持されている。
また、当該変形例のレースチャージャ402では、軸受箱22a,22bに接続された流体シリンダCL2a,CL2b(図1参照)によって、当該軸受箱22a,22bを第2受取位置RP2と第2受渡位置DP2との間で往復移動される構成に変えて、原木PWの搬送方向のうち水平方向に沿う方向に延在するように上部フレーム18,18に回転可能に支持された雄ネジロッド455,455に軸受箱22a,22bをネジ係合させて、当該雄ネジロッド455,455の軸中心線方向の一端部に接続されたモータM6,M6によって、雄ネジロッド455,455を正逆回転することにより軸受箱22a,22bを第2受取位置RP2と第2受渡位置DP2との間で往復移動する構成としている。なお、モータM6,M6は、図示しないロータリーエンコーダを有している。これにより、軸受箱22a,22bの位置を知ることができ、軸受箱22a,22bを所望の位置に移動させることが可能である。したがって、当該変形例ではセンサS4は不要となる。
なお、当該変形例では、第2受渡位置DP2は、挟持アーム56,56の傾斜角度(鉛直線に対する傾斜角度)と同じ角度となるように回転方向に位置決めされた状態の原木PWの2つの交点P1,P2を結ぶ仮想直線VL1が、挟持アーム56,56の摺動軸中心線56c,56cに一致するまで軸受箱22a,22bを移動させた位置として規定される。
したがって、上述した本実施の形態の原木加工装置1の電子制御装置8によって実行される仮心出し用搬送装置駆動処理ルーチンのステップS306における第2受渡位置セットフラグFdp2が値1であるか否かの判定は、モータM6,M6のロータリーエンコーダから出力されるパルスの積算値を利用して求めた軸受箱22a,22bの移動距離が、原木加工装置1に供給される原木PWの直径のうち想定される最大直径以上になったか否かを判定することにより行うことができる。
当該変形例では、図9の原木回転装置駆動処理ルーチンのステップS414の処理は、仮想直線VL1が、挟持アーム56,56の摺動軸中心線56c,56cに平行となる回転角度まで原木PWを回転させる処理となる。また、図11の振り子搬送装置駆動処理ルーチンのステップS504の処理は、挟持アーム56,56が設定した姿勢となるように、モータM4,M4(図3参照)を駆動して挟持アーム56,56を摺動させる処理となる。
本実施の形態では、流体シリンダCL2a,CL2b(図1参照)によって、軸受箱22a,22bを第2受取位置RP2と第2受渡位置DP2との間で往復移動する構成としたが、これに限らない。例えば、図36および図37に例示する変形例の原木回転装置520,620に示すように、ネジ機構530,630によって、軸受箱22a,22bを第2受取位置RP2と第2受渡位置DP2との間で往復移動する構成としても良い。
変形例の原木回転装置520は、図36に示すように、流体シリンダCL2a,CL2b(図1参照)をネジ機構530に変えた点を除いて、本実施の形態の原木回転装置20と同一の構成を有している。したがって、原木回転装置520の各構成のうち原木回転装置20と同一の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は重複するため省略する。
ネジ機構530は、原木PWの搬送方向のうち水平方向に沿う方向に延在するように下部フレーム12に回転可能に支持された雄ネジロッド555,555と、当該雄ネジロッド555,555の一方の軸端部に接続されたモータM7,M7と、を有している。雄ネジロッド555,555は、軸受箱22a,22bにネジ係合されている。これにより、モータM7,M7によって雄ネジロッド555,555を正逆回転することにより軸受箱22a,22bを第2受取位置RP2と第2受渡位置DP2との間で往復移動させることができる。なお、モータM7,M7は、図示しないロータリーエンコーダを有しており、軸受箱22a,22bの位置を知ることができ、軸受箱22a,22bを所望の位置に移動させることが可能である。
また、変形例の原木回転装置620は、図37に示すように、軸受箱22a,22bが取付台634a,634bを介してレールR1上に配置されると共に雄ネジロッド555,555にネジ係合されている点を除いて上述した変形例の原木回転装置520と同一の構成を有している。したがって、原木回転装置620の各構成のうち原木回転装置520と同一の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は重複するため省略する。
取付台634a,634bは、図37に示すように、側面視(雄ネジロッド555,555の軸中心線方向および鉛直方向の両方に直交する方向から見た場合)略L字状を有している。取付台634a,634bは、ガイド付き摺動部633a,633bを介してレールR1上に配置されている。また、取付台634a,634bは、鉛直方向に延在するレールR6,R6を有している。軸受箱22a,22bは、ガイド付き摺動部623a,623bを介して当該レールR6,R6に係合されている。また、軸受箱22a,22bは、取付台634a,634bに固定されたモータM9の図示しない回転軸に一体に接続された雄ネジロッド655,655にネジ係合されている。即ち、軸受箱22a,22bは、モータM9が雄ネジロッド655,655を正逆回転することにより、取付台634a,634bに対して鉛直方向に往復移動が可能な態様で取付台634a,634bに設置されている。なお、軸受箱22a,22bは、前側フレーム14に設置されたモータM8,M8の図示しない回転軸に一体に接続された雄ネジロッド555,555にネジ係合されており、モータM8,M8が雄ネジロッド555,555を正逆回転することにより、取付台634a,634b上において雄ネジロッド555,555の軸中心線方向に往復移動される。なお、モータM8,M8,M9,M9は、図示しないロータリーエンコーダを有しており、軸受箱22a,22bの位置を知ることができ、軸受箱22a,22bを所望の水平方向(雄ネジロッド555,555の軸中心線方向)および所望の鉛直方向(雄ネジロッド655,655の軸中心線方向)の位置に移動させることが可能である。
当該変形例の原木回転装置620によれば、軸受箱22a,22bは、第2受取位置RP2と第2受渡位置DP2との間で往復移動されるのみならず、鉛直方向への往復移動が可能であるため、心出し用スピンドル24a,24bから振り子搬送装置50の挟持アーム56,56への原木PWの受渡しの際に、挟持アーム56,56を摺動させる必要がなくなる。このため、挟持アーム56,56をホルダ54,54に対して摺動不能に固定する構成とすることが可能となる。
本実施の形態では、連結梁17の長手方向に沿って等間隔に配置した複数のレーザ測長器17aにより原木PWの外周面までの距離を測定することによって、原木PWの外周形状の測定する構成としたが、これに限らない。例えば、図38に示すように、複数のレーザ測長器17aに変えて1つのラインレーザ717と、当該ラインレーザ717が照射している原木PWの箇所を撮影するカメラ718と、を備え、当該カメラ718によって撮影した画像を基に原木PWの外周形状を測定する構成としても良い。
本実施の形態では、仮心出し用搬送装置40を原木回転装置20の鉛直方向下方に配置する構成としたが、これに限らない。例えば、仮心出し用搬送装置40を原木回転装置20の鉛直方向上方に配置する構成や、原木回転装置20の水平方向における原木PWの搬送方向の上流側に仮心出し用搬送装置40を配置する構成としても良い。
本実施の形態では、心出し用スピンドル24a,24bによって原木PWを1回転させて、原木PWの切削軸中心線を算定すると共に、当該算定した切削軸中心線に応じた回転角度αに原木PWを位置決めした後に(ステップS406~S410)、軸受箱22a,22bを第2受渡位置DP2に向けて移動させる(ステップS412)構成としたが、心出し用スピンドル24a,24bによって原木PWを1回転させて、原木PWの切削軸中心線を算定すると共に、当該算定した切削軸中心線に応じた回転角度αに原木PWを位置決めしながら、軸受箱22a,22bを第2受渡位置DP2に向けて移動させる構成としても良い。当該構成によれば、第1および第2切削用スピンドルへの単位時間当たりの原木の供給本数をより一層増加することができる。
本実施の形態および上述した変形例では、原木加工装置1は、原木PWから単板を剥き出すベニヤレース6を備える構成としたが、これに限らない。例えば、原木加工装置1は、ベニヤレース6に代えて、原木PWの外周の凹凸部分を排除する加工機を備える構成としても良い。この場合、加工機は、ナイフ74に代えて、回転駆動されるカッターを備える。
本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものである。したがって、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。なお、本実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下に示す。