JP7138589B2 - 地図更新システム、地図更新方法および地図更新プログラム - Google Patents
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Description
地図データは、MMSを用いた再計測によって得られたデータを用いて更新される。
一方、道路全体が作り直されることは稀有であり、道路全体において変更が生じる箇所はほんの一部分である。したがって、地図データもほんの一部分が更新される。
そのため、地図データを更新するために従来のMMSを用いて道路全体について再計測を行うと、無駄なコストが発生することとなる。
しかし、地図データを高い頻度で更新するために従来のMMSを用いて高い頻度で再計測を行うと、計測に要するコストが増大することとなる。
また、従来のMMSの代わりに安価なMMSが用いられた場合、コストを低減することはできても、地図データの精度が低下してしまう。
第1計測システムによって計測された各地点の三次元座標値を示す基盤点群と、前記第1計測システムよりも計測精度が低い第2計測システムによって計測された各地点の三次元座標値を示す参照点群を比較し、前記基盤点群と前記参照点群との差分を変化点群として抽出する変化点群抽出部と、
前記基盤点群を表す基盤点群データを前記変化点群に基づいて更新する基盤点群更新部と、を備える。
地図更新システム100について、図1から図33に基づいて説明する。
図1に基づいて、地図更新システム100の構成を説明する。
地図更新システム100は、第1計測システム110と第2計測システム120と地図生成装置130と地図サーバ140と地図更新装置200とを備える。
MMSは、計測車両の屋根に取り付けられ、道路および道路の周辺を三次元計測する。
MMSは、測位アンテナ、レーザスキャナおよび慣性計測装置(IMU)などの各種センサを備える。
第1計測システム110は、2周波観測用の測位装置(アンテナおよび受信機)を備え、2周波観測によって測位を行う。2周波観測は、第1測位信号(L1)と第2測位信号(L2)とを使用する測位である。具体的には、第1計測システム110は、RTK測位を行う。RTKはリアルタイムキネマティックの略称である。
一方、第2計測システム120は、1周波観測用の測位装置を備え、1周波観測によって測位を行う。1周波観測は、第1測位信号を使用するが第2測位信号を使用しない測位である。1周波観測の測位精度は、2周波観測の測位精度よりも劣る。具体的には、第2計測システム120は、単独測位、精密歴および精密時刻を用いた単独測位、または、DGPSによって行われた測位と、IMUおよびSLAMなどとの複合を行い、自己位置を推定する。DGPSは、Differential Global Positioning Systemの略称である。SLAMはSimultaneous Localization And Mappingの略称である。また、精密歴(GPS Precise Ephemeris)および精密時刻を用いた単独測位とは、より精度の高い軌道情報および時刻情報を用いて測位の精度を向上させる手法である。
通常、GPSには100メートル程度の誤差がある。DGPS、または、精密歴(GPS Precise Ephemeris)および精密時刻を用いた単独測位は、GPSの精度を高めるシステムであり、誤差を数メートル以内に抑えることができる。但し、RTKはセンチメートル級の精度を有するため、DGPSの測位精度はRTKの測位精度よりも劣る。
一方、第2計測システム120は、IMUとして使用されるメムスジャイロを備える。メムスジャイロの計測精度は、光ファイバジャイロの計測精度よりも劣る。メムス(MEMS)は、Micro Electro Mechanical Systemsの略称である。
第2計測システム120は、第1計測システム110のレーザスキャナよりも精度が劣るレーザスキャナを備える。
地図生成装置130は、MMSによって得られた計測データを処理することによって、三次元点群データを生成する。生成方法は、従来のMMSにおける方法と同じである。地図生成装置130は点群生成部として機能する。
三次元点群データは、計測された各地点の三次元座標値を示す三次元点群を表す。計測された各地点は、具体的には、レーザスキャナによってレーザ光が照射された各地点である。
基盤点群データ301は、第1計測システム110によって得られた計測データを処理することによって得られた三次元点群データである。基盤点群データ301が表す三次元点群を基盤点群と称する。基盤点群は、第1計測システム110によって計測された各地点の三次元座標値を示す。第1計測システム110の精度が高いため、基盤点群の絶対精度が高い。絶対精度とは、各地点の三次元座標値の精度を意味する。
参照点群データ311は、第2計測システム120によって得られた計測データを処理することによって得られた三次元点群データである。参照点群データ311が表す三次元点群を参照点群と称する。参照点群は、第2計測システム120によって計測された各地点の三次元座標値を示す。第2計測システム120は第1計測システム110よりも精度が劣るため、参照点群は、基盤点群と比較すると絶対精度が低い。しかし、参照点群の相対精度は、基盤点群と同程度に高い。相対精度とは、地点間の距離の精度を意味する。
三次元図化データは、三次元オブジェクト群を表す。
三次元オブジェクト群は、1つ以上の三次元オブジェクトである。
三次元オブジェクトは、三次元点群に基づいてベクトル化された地物を表す。
基盤図化データ302は、基盤点群データ301を処理することによって得られた三次元図化データである。基盤図化データ302が表す三次元オブジェクト群を基盤オブジェクト群と称する。基盤オブジェクト群は、基盤点群に基づいてベクトル化された各地物を表す。
参照図化データ312は、参照点群データ311を処理することによって得られた三次元図化データである。参照図化データ312が表す三次元オブジェクト群を参照オブジェクト群と称する。参照オブジェクト群は、参照点群に基づいてベクトル化された各地物を表す。
地図生成装置130は、クラウドサーバにインストールされた統合化ソフトウェアで構成されてもよい。統合化ソフトウェアは2つのモジュールソフトウェアから成る。
地図サーバ140は、地図データを管理する。地図データは、三次元点群データと基盤図化データとの総称である。
具体的には、地図サーバ140は、基盤地図データを管理する。つまり、地図サーバ140は、基盤点群データ301と基盤図化データ302とを管理する。
地図更新装置200は、プロセッサ201とメモリ202と補助記憶装置203と通信装置204と入出力インタフェース205といったハードウェアを備えるコンピュータである。これらのハードウェアは、信号線を介して互いに接続されている。
ICは、Integrated Circuitの略称である。
CPUは、Central Processing Unitの略称である。
DSPは、Digital Signal Processorの略称である。
GPUは、Graphics Processing Unitの略称である。
RAMは、Random Access Memoryの略称である。
ROMは、Read Only Memoryの略称である。
HDDは、Hard Disk Driveの略称である。
NICは、Network Interface Cardの略称である。
USBは、Universal Serial Busの略称である。
補助記憶装置203には、さらに、OSが記憶されている。OSの少なくとも一部は、メモリ202にロードされて、プロセッサ201によって実行される。
プロセッサ201は、OSを実行しながら、地図更新プログラムを実行する。
OSは、Operating Systemの略称である。
メモリ202は記憶部290として機能する。但し、補助記憶装置203、プロセッサ201内のレジスタおよびプロセッサ201内のキャッシュメモリなどの記憶装置が、メモリ202の代わりに、又は、メモリ202と共に、記憶部290として機能してもよい。
地図更新システム100(特に地図更新装置200)の動作は地図更新方法に相当する。また、地図更新方法の手順は地図更新プログラムの手順に相当する。
地図更新装置200は、基盤点群データ301と参照点群データ311とに基づいて、(1)差分抽出および点群更新を行う。
基盤点群データ301は、三次元点群データであり、第1計測データを後処理することによって得られる。第1計測データは、第1計測システム110によって得られた三次元計測データである。
参照点群データ311は、三次元点群データであり、第2計測データを後処理することによって得られる。第2計測データは、第2計測システム120によって得られた三次元計測データである。
地図更新装置200は、比較領域毎に、基準点(GCP:Ground Control Point)に基づいて、基盤点群と参照点群を位置合わせする。比較領域は、計測された地域の一部の領域である。
そして、地図更新装置200は、比較領域毎に、基盤点群と参照点群との差分(変化点群)を求め、変化点群を抽出し、変化点群を基盤点群に重畳する。
基盤図化データ302は、三次元図化データであり、基盤点群データ301を図化処理することによって得られる。
参照図化データ312は、三次元図化データであり、参照点群データ311を図化処理することによって得られる。
地図更新装置200は、比較領域毎に、基準地物(白線または標識など)に基づいて、基盤オブジェクト群と参照オブジェクト群を比較する。
そして、地図更新装置200は、比較領域毎に、基盤オブジェクト群と参照オブジェクト群との差分(変化オブジェクト)を求め、変化オブジェクトを抽出し、変化オブジェクトを基盤オブジェクト群に重畳する。
利用者は、変化点群を変化オブジェクトと比較し、適切な方を選択する。もしくは、利用者は、変化点群と変化オブジェクトとを目視確認し、変化点群または変化オブジェクトを修正する。
地図更新装置200は、変化オブジェクトを基盤オブジェクト群に重畳する。変化オブジェクトが重畳された基盤オブジェクト群を表すデータを更新図化データと称する。
地図更新装置200は、変化点群を基盤点群に重畳し、基盤点群データ301を更新する。
地図更新装置200は、更新図化データに基づいて、基盤図化データ302を更新する。
地図更新装置200は、更新図化データを基盤点群データ301に反映する。
基盤点群データ301および基盤図化データ302は、地図サーバ140から取得され、地図更新装置200の記憶部290に記憶されているものとする。
参照点群データ311および参照図化データ312は、地図生成装置130から取得され、地図更新装置200の記憶部290に記憶されているものとする。
比較領域は、地図更新を行う対象となる地域(対象地域)の一部である。例えば、比較領域は、既定の半径を有する円領域である。比較領域は、複数の矩形状のセルが網目状に配列されて形成された領域における、最小単位のセルであってもよい。
基準点となる三次元点をマッチングポイントと称する。
マッチングポイントを中心にして特定の半径を有する円の範囲を有効範囲と称する。点線の円は、それぞれ半径が異なる有効範囲を示している。
参照点群322は、基盤点群と比較して絶対精度が低い。そして、マッチングポイントからの距離が遠いほど、参照点群322の誤差が大きい。
第1有効範囲の参照点群322は13センチメートル程度の誤差を有する。一方、第2有効範囲(第1有効範囲を除く)の参照点群322は25センチメートル程度の誤差を有し、第3有効範囲(第1有効範囲および第2有効範囲を除く)の参照点群322は50センチメートル程度の誤差を有する。
50メートル毎にマッチングポイントが設定される場合、マッチングポイント毎の有効範囲の半径は25メートルとなる。そのため、有効範囲毎の参照点群322の誤差は13センチメートル程度となる。
誤差を13センチメートル程度に抑えたい場合、領域決定部211は、50メートル間隔で、第1有効範囲に相当する比較領域を設定する。
また、比較領域が矩形状である場合、有効範囲の等価直径が第1有効範囲に相当する大きさを有してもよい。
ステップS120において、変化点群抽出部212は、基盤点群と参照点群を比較し、変化点群を抽出する。変化点群は基盤点群と参照点群との差分である。
ステップS121において、変化点群抽出部212は、基盤点群データ301から、比較領域の基盤点群データを抽出する。
さらに、変化点群抽出部212は、参照点群データ311から、比較領域の参照点群データを抽出する。
ステップS121で抽出される参照点群データが表す三次元点群を、ステップS122およびステップS123において参照点群と称する。
参照点群322は、基盤点群321と同程度に高い相対精度を有する。そのため、参照点群322が基盤点群321と違わないように見える。
重畳点群323は、基盤点群321に参照点群322を重ねることによって得られる点群である。
参照点群322は、基盤点群321と比較して絶対精度が低い。そのため、重畳点群323において、参照点群322は基盤点群321と一致しない。
ステップS122において、変化点群抽出部212は、基盤点群と参照点群を位置合わせする。
変化点群抽出部212は、重畳点群323をディスプレイに表示する。利用者は、マウスを用いて、基盤点群321に合わせるように参照点群322を移動する。変化点群抽出部212は、参照点群322の移動量に基づいて、参照点群322のそれぞれの三次元座標値を変更する。
変化点群抽出部212は、SLAMにおけるマッチングにより、基盤点群の基準点と参照点群の基準点を合わせるように基盤点群と参照点群を位置合わせしてもよい。基準点は、基準となる地点を表す三次元点である。
(1)の図は、参照点群322が基盤点群321からずれている重畳点群323を示している。
(2)の図は、参照点群322が基盤点群321と合っている重畳点群323を示している。
(1)の図において参照点群322を矢印の方向に移動させることにより、(2)の重畳点群323が得られる。
ステップS123において、変化点群抽出部212は、基盤点群と参照点群を比較し、変化点群を抽出する。変化点群は、基盤点群と参照点群との差分である。また、参照点群は、ステップS122において位置合わせされたものである。
変化点群抽出部212は、基盤点群には含まれるが参照点群には含まれない地物の三次元点群を基盤点群から抽出する。
変化点群抽出部212は、基盤点群には含まれないが参照点群には含まれる地物の三次元点群を参照点群から抽出する。
例えば、変化点群抽出部212は、立方体形状を成し微小サイズを有する検査領域を設定する。そして、変化点群抽出部212は、検査領域において同じ3次元位置に該当する部分の点群の密度差を算出する。密度差が所定の閾値範囲に含まれない場合、変化点群抽出部212は変化があると判定する。微小サイズは、例えば、点群の位置誤差の精度に応じて設定される。微小サイズは、例えば、8倍(2の3乗)の容積にするとよい。
第1計測システム110による計測時から第2計測システム120による計測時までの間に、電柱が新たに設置された。電柱は地物の一例である。
基盤点群321には電柱の三次元点群が含まれないが、参照点群322には電柱の三次元点群が含まれる(白枠の中を参照)。
変化点群抽出部212は、参照点群322から電柱の三次元点群を抽出する。抽出された電柱の三次元点群が変化点群である。
基盤点群321には電柱の三次元点群が含まれるが、参照点群322には電柱の三次元点群が含まれない。
この場合、変化点群抽出部212は、基盤点群321から電柱の三次元点群を抽出する。抽出された電柱の三次元点群が変化点群である。
ステップS130において、変化オブジェクト抽出部214は、基盤オブジェクト群と参照オブジェクト群を比較し、変化オブジェクトを抽出する。変化オブジェクトは、基盤オブジェクト群と参照オブジェクト群との差分である。
ステップS131において、変化オブジェクト抽出部214は、基盤図化データ302から、比較領域の基盤図化データを抽出する。
さらに、変化オブジェクト抽出部214は、参照図化データ312から、比較領域の参照図化データを抽出する。
ステップS131で抽出される参照図化データが表す三次元オブジェクト群を、ステップS132およびステップS133において参照オブジェクト群と称する。
変化オブジェクト抽出部214は、重畳オブジェクト群をディスプレイに表示する。重畳オブジェクト群は、基盤オブジェクト群と参照オブジェクト群を重ねることによって得られる三次元オブジェクト群である。利用者は、マウスを用いて、基盤オブジェクト群に合わせるように参照オブジェクト群を移動する。変化オブジェクト抽出部214は、参照オブジェクト群の移動量に基づいて、参照オブジェクト群のそれぞれの三次元座標値を変更する。
変化オブジェクト抽出部214は、基盤オブジェクト群の基準オブジェクトと参照オブジェクト群の基準オブジェクトを合わせるように基盤オブジェクト群と参照オブジェクト群を位置合わせしてもよい。基準オブジェクトは、基準地物を表す三次元オブジェクトである。例えば、基準地物は白線または標識である。
具体的には、変化オブジェクト抽出部214は、以下のように変化オブジェクトを抽出する。
変化オブジェクト抽出部214は、基盤オブジェクト群には含まれるが参照オブジェクト群には含まれない地物の三次元オブジェクトを基盤オブジェクト群から抽出する。
変化オブジェクト抽出部214は、基盤オブジェクト群には含まれないが参照オブジェクト群に含まれる地物の三次元オブジェクトを参照オブジェクト群から抽出する。
ステップS140において、基盤点群更新部213は、変化点群に基づいて、基盤点群データ301を更新する。
また、基盤図化更新部215は、変化オブジェクトに基づいて、基盤図化データ302を更新する。
第1計測システム110による計測時から第2計測システム120による計測時までの間に、電柱が新たに設置された。
基盤点群321には電柱の三次元点群が含まれないが、参照点群322には電柱の三次元点群が含まれる。
重畳点群323において、基盤点群321と参照点群322との差分は、電柱の三次元点群である(白枠の中を参照)。
電柱の三次元点群は、参照点群322から抽出されて基盤点群321に追加される。
ステップS141において、変化修正部216は、変化点群と変化オブジェクトとを比較し、比較結果に基づいて変化点群と変化オブジェクトとの少なくともいずれかを修正する。
変化点群の位置と変化オブジェクトの位置がずれている場合、変化修正部216は、変化点群の位置に合わせて変化オブジェクトの位置を修正する。
変化点群が表す地物の姿勢と変化オブジェクトが表す地物の姿勢がずれている場合、変化修正部216は、変化点群に合わせて変化オブジェクトを修正する。
変化点群が表す地物の形状と変化オブジェクトが表す地物の形状が相違する場合、変化修正部216は、変化点群に合わせて変化オブジェクトを修正する。
但し、変化修正部216は、変化点群と変化オブジェクトが合うように変化点群と変化オブジェクトとの両方を修正してもよい。
まず、変化修正部216は、変化点群と変化オブジェクトを重畳してディスプレイに表示する。例えば、MMSにはカメラが搭載され、カメラで各領域を撮影して得られた画像群が記憶部290に記録される。変化修正部216は、比較領域の画像を画像群から選択し、比較領域の画像をディスプレイに表示する。そして、変化修正部216は、比較領域の画像に変化点群と変化オブジェクトとを重畳する。
次に、利用者は、変化点群と変化オブジェクトとの少なくともいずれかを修正するために修正指示を地図更新装置200に入力する。
そして、変化修正部216は、修正指示を受け付け、受け付けた修正指示に従って変化点群と変化オブジェクトとの少なくともいずれかを修正する。
変化点群の位置(または姿勢)と変化オブジェクトの位置(または姿勢)がずれている場合、利用者は、変化点群に合わせて変化オブジェクトを修正するための修正指示を地図更新装置200に入力する。但し、変化点群および変化オブジェクトが表す地物が基準地物である場合、利用者は、基準地物の連続性または規則性を考慮し、変化点群と変化オブジェクトとのうちのいずれか正しい方を選択する。そして、利用者は、正しい方に合わせて他方を修正するための修正指示を地図更新装置200に入力する。
変化点群が表す地物の形状と変化オブジェクトが表す地物の形状が相違する場合、利用者は、変化点群に合わせて変化オブジェクトを修正するための修正指示を地図更新装置200に入力する。例えば、利用者は、変化オブジェクトの相違部分を手動で修正する。
重畳点群331は、基盤点群と参照点群を重畳して得られる三次元点群である。重畳点群331において、横断歩道の三次元点群が変化点群332である。
変化点群332は、基盤オブジェクト群と参照オブジェクト群を重畳して得られる三次元オブジェクト群である。重畳オブジェクト群333において、横断歩道の三次元オブジェクトが変化オブジェクト334である。
変化点群332と変化オブジェクト334とを比較すると、互いの位置がずれている。
変化修正部216は、変化オブジェクト334の位置を変化点群332の位置に合わせて修正する。
ステップS142において、基盤点群更新部213は、変化点群に基づいて基盤点群データ301を更新する。
具体的には、基盤点群更新部213は、地図サーバ140と通信し、地図サーバ140の基盤点群データ301を更新する。
変化点群が基盤点群から抽出された場合、基盤点群更新部213は、変化点群を基盤点群データ301から削除する。
変化点群が参照点群から抽出された場合、基盤点群更新部213は、変化点群を基盤点群データ301に追加する。
具体的には、基盤図化更新部215は、地図サーバ140と通信し、地図サーバ140の基盤図化データ302を更新する。
変化オブジェクトが基盤オブジェクト群から抽出された場合、基盤図化更新部215は、変化オブジェクトを基盤図化データ302から削除する。
変化オブジェクトが参照オブジェクト群から抽出された場合、基盤図化更新部215は、変化オブジェクトを基盤図化データ302に追加する。
具体的には、基盤点群更新部213は、地図サーバ140と通信し、地図サーバ140の基盤点群データ301を更新する。
基盤点群更新部213は、変化オブジェクトに対応する三次元点群を生成する。生成される三次元点群を反映点群と称する。
変化オブジェクトが基盤オブジェクト群から抽出され、且つ、反映点群と合致する三次元点群が基盤点群データ301に含まれる場合、基盤点群更新部213は、反映点群と合致する三次元点群を基盤点群データ301から削除する。
変化オブジェクトが参照オブジェクト群から抽出され、且つ、反映点群と合致する三次元点群が基盤点群データ301に含まれない場合、基盤点群更新部213は、反映点群を基盤点群データ301に追加する。
ステップS150において、領域決定部211は、対象地域に対する地図更新が終了したか判定する。
対象地域に対する地図更新が終了した場合、地図更新方法の処理は終了する。
対象地域に対する地図更新が終了していない場合、処理はステップS110に進む。
図17から図21に基づいて、第2計測システム120の構成を説明する。
図17は正面図であり、図18は左側面図であり、図19は右側面図であり、図20は背面図である。
具体的には、センサ群は、GPSアンテナ121とレーザスキャナ122とIMU123とカメラ群(124A~124D)とで構成される。
GPSアンテナ121は、Global Positioning System(GPS)で使用されるアンテナであり、衛星測位で使用されるアンテナ(測位アンテナ)の具体例である。
レーザスキャナ122は、各地点までの距離方位を計測する装置である。
IMU123は、慣性計測装置である。
カメラ群は、1つ以上のカメラ124である。
GPSアンテナ121およびレーザスキャナ122は、筐体400の上部の外側に配置される。
IMU123およびカメラ群は、筐体400の内部に配置される。
筐体400の前方右側には、カメラ124A用の窓410Aが設けられている(図17および図18を参照)。
筐体400の前方左側には、カメラ124B用の窓410Bが設けられている(図17および図19を参照)。
筐体400の後方左側には、カメラ124C用の窓410Cが設けられている(図20および図21を参照)。
筐体400の後方右側には、カメラ124D用の窓410Dが設けられている(図18および図20を参照)。
具体的には、それぞれのカメラ124の傾きは、複数段階で調整することが可能である。
例えば、それぞれのカメラ124の傾きを2段階で調整することが可能である。傾きを調整することが可能な段数がカメラ124毎に異なってもよい。例えば、前向きのカメラ(124A,124B)と後ろ向きのカメラ(124C,124D)とで、傾きを調整することが可能な段数が異なってもよい。
コンピュータ491は、プロセッサおよびメモリなどのハードウェアを備え、インストールされた計測プログラムを実行する。例えば、コンピュータ491は、以下のように動作する。
コンピュータ491は、計測プログラムに従って、センサ群または個々のセンサを制御する。
コンピュータ491は、コントローラ420の操作に従って、センサ群または個々のセンサを制御する。
コンピュータ491は、センサ群によって得られたデータを通信装置492を用いて外部へ送信する。
コンピュータ491は、通信装置492を用いて外部のコンピュータから遠隔操作データを受信する。そして、コンピュータ490は、遠隔操作データに従って、センサ群または個々のセンサを制御する。
具体的には、通信装置492は、センサ群、個々のセンサまたはコンピュータ491を遠隔操作するために外部のコンピュータと通信を行う。
具体的には、電源装置499は、センサ群、コンピュータ491、通信装置492およびコントローラ420などに電力を供給する。
コントローラ420は、スタートボタン、ストップボタンおよび十字ボタンなどを備える。
コントローラ420は、センサ群、個々のセンサ、コンピュータ491、通信装置492および電源装置499を操作するために使用される。
ディスプレイ421は、コンピュータ491によって制御され、第2計測システム120の状態を表示する。
具体的には、ディスプレイ421は、センサ群、個々のセンサ、コンピュータ491、通信装置492および電源装置499の状態を表示する。
インタフェース430は、ケーブルインタフェースおよび入出力インタフェースである。
ケーブルインタフェースは、ケーブルを通すための開口部、または、ケーブルが接続されるコネクタである。例えば、ケーブルインタフェース430には、電源ケーブルが配線される。この電源ケーブルは、シガーライターソケットに接続され、シガーライターソケットから得られる電力を電源装置499に与える。
入出力インタフェースは、外部機器が接続されるポートである。
カメラ124Aは、筐体400の内部において、窓410Aに向けて配置される(図22および図23を参照)。
カメラ124Bは、筐体400の内部において、窓410Bに向けて配置される(図22および図23を参照)。
カメラ124Cは、筐体400の内部において、窓410Cに向けて配置される(図24および図25を参照)。
カメラ124Dは、筐体400の内部において、窓410Dに向けて配置される(図24および図25を参照)。
第2計測システム120の使用時、筐体400の背面板は、留め金具409によって筐体400の側面板に留められている(図24を参照)。留め金具409を外すことによって、筐体400の背面板を開けることができる(図25を参照)。
筐体400の背面板が開閉するため、第2計測システム120のメンテナンスが容易である。
それぞれの棚には、IMU123、カメラ群、コンピュータ491、通信装置492または電源装置499などが置かれる。
図26は、第2計測システム120の配線図である。
第2計測システム120は、図26に示す要素を備える。
CPU(2)は、カメラ(1~4)によって得られた画像を処理するためのプロセッサである。
CPU(1)およびCPU(2)は、コンピュータ291に相当する。
「LCD」は、ディスプレイ421である。
SW(1~3)は、コントローラ420が有するスイッチである。
CA(1~4)は、カメラ(124A~124C)である。
J(1)とJ(2)とのそれぞれは、電源ケーブルが接続されるケーブルインタフェースである。電源入力は二重化されている。
「F」はヒューズであり、「D」はダイオードである。
「AR」はアレスタであり、「FL」はフィルタである。
「TB」は、端子台である。
アンテナ(1)は、第1周波(L1)の測位信号を受信するためのアンテナである。
GPS(2)は、第2周波(L2)の測位信号を受信する受信機である。
アンテナ(2)は、第2周波(L2)の測位信号を受信するためのアンテナである。
アンテナ(1)およびアンテナ(2)は、GPSアンテナ101に相当する。
GPS(1)、GPS(2)、アンテナ(1)およびアンテナ(2)は、2周波観測によって測位を行う測位装置を構成する。
GPS(1)およびアンテナ(1)は、1周波観測によって測位を行う測位装置を構成する。
「HUB」は、スイッチングハブである。
「SSD」は、ソリッドステートドライブであり、記憶装置の具体例である。
「MT」は、モバイルルータであり、通信装置492の具体例である。
「LAN」は、ローカルエリアネットワークである。第2計測システム120は、LANポートを備える。例えば、LANポートを介して第2計測システム120にリモートデスクトップが接続される。
「USB」は、ユニバーサルシリアルバスである。第2計測システム120は、USBポートを備える。
図27は側面図であり、図28は正面図であり、図29は平面図である。
第2計測システム120は、計測車両500の屋根に取り付けられる。具体的には、第2計測システム120は、アタッチメント510を用いて、計測車両500のキャリア501に固定される。
レーザスキャナ122は、前方(特に上側)に位置する各地点までの距離方位を計測する。さらに、レーザスキャナ122は、後方(特に下側)に位置する各地点までの距離方位を計測する。
カメラ群は、前方および後方を撮影する。
図30は側面図であり、図31は正面図であり、図32は背面図であり、図33は平面図である。
利用者は、キャリーカート600を背負って計測現場に移動する。または、利用者は、キャリーカート600を引いて計測現場に移動する。
計測現場において、利用者は、第2計測システム120を起動する。そして、利用者がキャリーカート600を背負いながら移動することによって、計測が行われる。または、利用者がキャリーカート600を引きながら移動することによって、計測が行われる。
以下のような工夫により、地図更新をより低コストで行うことができる。さらに、地図が更新される部分(白線または標識など)をより簡便に検出することができる。
・地図更新のために、より安価なMMSを用いて計測を行う。簡易なMMSの絶対精度は通常のMMSに劣るが、簡易なMMSの相対精度は局所部分では正しい。
・地図更新のために標識または白線などを自動検出技術によって検出する。そして、変化がない近傍部分を基準にしてずれ量を求め、一致しない部分から差分を抽出する。
・差分に基づいて地図が更新される。但し、差分が重要なものであれば、通常のMMSによる再計測が行われてもよい。
地図更新装置200は、複数の装置で実現されてもよい。
地図更新装置200の要素である「部」は、「処理」または「工程」と読み替えてもよい。
Claims (10)
- 第1計測システムによって計測された各地点の三次元座標値を示す基盤点群と、前記第1計測システムよりも計測精度が低い第2計測システムによって計測された各地点の三次元座標値を示す参照点群を比較し、前記基盤点群と前記参照点群との差分を変化点群として抽出する変化点群抽出部と、
前記基盤点群を表す基盤点群データを前記変化点群に基づいて更新する基盤点群更新部と、
前記基盤点群に基づいてベクトル化された各地物を表す基盤オブジェクト群と、前記参照点群に基づいてベクトル化された各地物を表す参照オブジェクト群を比較し、前記基盤オブジェクト群と前記参照オブジェクト群との差分を変化オブジェクトとして抽出する変化オブジェクト抽出部と、
前記基盤オブジェクト群を表す基盤図化データを前記変化オブジェクトに基づいて更新する基盤図化更新部と、
前記変化点群と前記変化オブジェクトとを比較し、比較結果に基づいて前記変化点群と前記変化オブジェクトとの少なくともいずれかを修正する変化修正部と、
を備え、
前記基盤点群更新部は、前記変化点群が修正された場合に修正後の変化点群に基づいて前記基盤点群データを更新し、
前記基盤図化更新部は、前記変化オブジェクトが修正された場合に修正後の変化オブジェクトに基づいて前記基盤図化データを更新する
地図更新システム。 - 前記変化修正部は、前記変化点群の位置と前記変化オブジェクトの位置がずれている場合に前記変化点群の位置に合わせて前記変化オブジェクトの位置を修正する
請求項1に記載の地図更新システム。 - 前記変化修正部は、前記変化点群が表す地物の姿勢と前記変化オブジェクトが表す地物の姿勢がずれている場合に前記変化点群に合わせて前記変化オブジェクトを修正する
請求項1または請求項2に記載の地図更新システム。 - 前記変化修正部は、前記変化点群が表す地物の形状と前記変化オブジェクトが表す地物の形状が相違する場合に前記変化点群に合わせて前記変化オブジェクトを修正する
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の地図更新システム。 - 前記基盤点群更新部は、さらに、前記変化オブジェクトに基づいて前記基盤点群データを更新する
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の地図更新システム。 - 前記第1計測システムが、2周波観測によって測位を行い、
前記第2計測システムが、1周波観測によって測位を行う
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の地図更新システム。 - 前記第1計測システムが、光ファイバジャイロを備え、
前記第2計測システムが、メムスジャイロを備える
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の地図更新システム。 - 前記第1計測システムが、レーザスキャナを備え、
前記第2計測システムが、前記第1計測システムに備わるレーザスキャナよりも精度が劣るレーザスキャナを備える
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の地図更新システム。 - 変化点群抽出部が、第1計測システムによって計測された各地点の三次元座標値を示す基盤点群と、前記第1計測システムよりも簡易な計測を行う第2計測システムによって計測された各地点の三次元座標値を示す参照点群を比較し、前記基盤点群と前記参照点群との差分を変化点群として抽出し、
基盤点群更新部が、前記基盤点群を表す基盤点群データを前記変化点群に基づいて更新し、
変化オブジェクト抽出部が、前記基盤点群に基づいてベクトル化された各地物を表す基盤オブジェクト群と、前記参照点群に基づいてベクトル化された各地物を表す参照オブジェクト群を比較し、前記基盤オブジェクト群と前記参照オブジェクト群との差分を変化オブジェクトとして抽出し、
基盤図化更新部が、前記基盤オブジェクト群を表す基盤図化データを前記変化オブジェクトに基づいて更新し、
変化修正部が、前記変化点群と前記変化オブジェクトとを比較し、比較結果に基づいて前記変化点群と前記変化オブジェクトとの少なくともいずれかを修正する
地図更新方法であり、
前記基盤点群更新部は、前記変化点群が修正された場合に修正後の変化点群に基づいて前記基盤点群データを更新し、
前記基盤図化更新部は、前記変化オブジェクトが修正された場合に修正後の変化オブジェクトに基づいて前記基盤図化データを更新する
地図更新方法。 - 第1計測システムによって計測された各地点の三次元座標値を示す基盤点群と、前記第1計測システムよりも計測精度が低い第2計測システムによって計測された各地点の三次元座標値を示す参照点群を比較し、前記基盤点群と前記参照点群との差分を変化点群として抽出する変化点群抽出部と、
前記基盤点群を表す基盤点群データを前記変化点群に基づいて更新する基盤点群更新部と、
前記基盤点群に基づいてベクトル化された各地物を表す基盤オブジェクト群と、前記参照点群に基づいてベクトル化された各地物を表す参照オブジェクト群を比較し、前記基盤オブジェクト群と前記参照オブジェクト群との差分を変化オブジェクトとして抽出する変化オブジェクト抽出部と、
前記基盤オブジェクト群を表す基盤図化データを前記変化オブジェクトに基づいて更新する基盤図化更新部と、
前記変化点群と前記変化オブジェクトとを比較し、比較結果に基づいて前記変化点群と前記変化オブジェクトとの少なくともいずれかを修正する変化修正部として
コンピュータを機能させるための地図更新プログラムであって、
前記基盤点群更新部は、前記変化点群が修正された場合に修正後の変化点群に基づいて前記基盤点群データを更新し、
前記基盤図化更新部は、前記変化オブジェクトが修正された場合に修正後の変化オブジェクトに基づいて前記基盤図化データを更新する
地図更新プログラム。
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