JP7136561B2 - 電波送電システム、受電機及び制御方法 - Google Patents

電波送電システム、受電機及び制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、電波送電システム、受電機及び制御方法に関する。
従来、無線電力伝送の対象となる相手装置を特定する通信システムが知られている。例えば、特許文献1には、無線電力伝送の範囲と、制御信号の通信ができる範囲とが異なる給電装置において、無線電力伝送の対象となる相手装置を特定する通信システムが開示されている。
特開2014-212603号公報
無線電力伝送を行うシステムは、さらなる改善の余地がある。
本開示は、有用性を向上可能な電波送電システム、受電機及び制御方法を提供することを目的とする。
一態様の電波送電システムは、ビームフォーミングにより電波による送電を行う送電機と、電波による受電を行う受電機と、前記送電機の送電可能範囲で電波による通信を行う通信機と、を備える。前記受電機は、電波による通信により前記通信機から信号を受信すると、前記送電機に対して、前記ビームフォーミングの方向を規定する信号を送信する。
一態様の電波送電システムは、ビームフォーミングにより電波による送電を行うとともに、送電可能範囲で電波による通信を行う送電機と、電波による受電を行う受電機と、を備える。前記受電機は、電波による通信により前記送電機から信号を受信すると、前記送電機に対して、前記ビームフォーミングの方向を規定する信号を送信する。
一態様の受電機は、電波による受電を行う受電部と、電波による通信を行う通信部と、通信機からの信号を前記通信部において受信すると、ビームフォーミングの方向を規定する信号を前記通信部から送信させる、制御部とを備える。
一態様の制御方法は、電波による受電を行う受電機が実行する制御方法であって、通信部からの信号を受信するステップと、前記通信部からの信号を受信したことに応じて、ビームフォーミングの方向を規定する信号を送信するステップと、を含む。
本開示に係る電波送電システム、受電機及び制御方法によれば、有用性を向上可能である。
一実施形態に係る電波送電システムの概略構成を示す図である。 図1の電波送電システムの概略構成を示す機能ブロック図である。 図2の電波送電システムにおける送電処理の一例を示すシーケンス図である。 図2の受電機が実行する処理の一例を示すフローチャートである。 図2の通信機が実行する処理の一例を示すフローチャートである。 図2の送電機が実行する処理の一例を示すフローチャートである。 一実施形態に係る電波送電システムの概略構成を示す図である。 図7の電波送電システムにおける送電処理の一例を示すシーケンス図である。
以下、本開示に係る一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態に係る電波送電システム1の概略構成を示す図である。電波送電システム1は、電子機器と、通信機200と、送電機300とを備える。図1では、電子機器の一例として、携帯電話機10を図示している。ただし、電子機器は、携帯電話機10に限られず、ユーザが持ち運ぶことにより位置を移動させることが可能な任意の電子機器とすることができる。例えば、電子機器は、ラジオ又は電子辞書等であってもよい。
電子機器は、受電機を内部に収容している。一実施形態では、携帯電話機10は、受電機を内部に収容している。電子機器は、例えば自機内の電池ホルダ内に、当該電池ホルダに収容可能な形状の受電機を収容していてよい。この場合、受電機は、外観が、例えば乾電池又はボタン型電池等の形状であってもよい。電子機器は、内部に収容する受電機から供給される電力によって駆動する。
図2は、電波送電システム1の概略構成を示す機能ブロック図である。電波送電システム1は、受電機100と、通信機200と、送電機300とを有する。ここでは、説明を簡潔にするため、受電機100、通信機200及び送電機300をそれぞれ1つずつ記載しているが、電波送電システム1は、受電機100、通信機200及び送電機300をそれぞれ複数有していてもよい。
まず、電波送電システム1の概要について説明する。一実施形態において、送電機300は電波による送電を行うことができる。送電機300は、ビームフォーミングにより電波による送電を行ってよい。ビームフォーミングは、電波を特定の方向に集中させる、つまりビームを向ける機能である。受電機100は、送電機300からの電波を受信することにより、電波による受電を行うことができる。
一実施形態において、受電機100は、通信機200及び送電機300と、電波による通信を行うことができる。通信機200と送電機300とは、互いに関連付けられている。通信機200と送電機300とが互いに関連付けられているとは、1組の通信機200と送電機300とが、電波送電の処理を実行する装置群として機能することを言う。関連付けられた通信機200と送電機300とは、具体的には、例えば、互いの機器を特定する固有の情報を記憶部に記憶している。機器を特定する固有の情報は、例えば、各機器に固有の識別情報であってよい。
また、受電機100が、通信機200及び送電機300を関連付けてもよい。例えば、通信機200の識別情報と、送電機300の識別情報と、を関連付けて記憶した所定の管理サーバから、受電機100が、関連付けに関する情報を取得してもよい。
また、受電機100は、通信機200及び送電機300の両方と、同時に通信可能なとき、通信機200の識別情報及び送電機300の識別情報を取得し、通信機200及び送電機300とを関連付けてもよい。
互いに関連付けられた通信機200と送電機300とは、互いに近接する位置に配置されてよい。通信機200と送電機300とは、互いに隣接して配置されてよい。通信機200は、少なくとも関連付けられた送電機300による電波送電が可能な範囲で、電波による通信を行うことができる。つまり、通信機200による通信可能範囲は、関連付けられた送電機300による送電可能範囲をカバーする。通信機200の通信可能範囲は、送電機300の送電可能範囲をカバーし、かつ、送電機300の送電可能範囲に近づくように設定されていてよい。
通信機200は、一定間隔又は不定期の間隔で、所定の信号を送信する。通信機200は、例えばビーコン信号を送信する。受電機100は、通信機200が送信するビーコン信号を受信すると、通信機200に対し、電波による通信を用いて、認証を要求する信号(以下「認証要求信号」ともいう)を送信する。認証要求信号に基づいて受電機100と通信機200との間で認証が完了すると、受電機100は、送電機300に対し、電波による通信を用いて、送電を要求する信号(以下「送電要求信号」ともいう)を送信する。送電機300は、送電要求信号に基づいて、電波による送電を行うことができる。
一実施形態において、受電機100と、通信機200と、送電機300との間で送受信される信号は、同一の周波数帯に属していてよい。一実施形態において、通信機200が送信するビーコン信号は、IEEE802.11規格に沿ったものであってよい。一実施形態において、送電機300は、電波による送電を行う前に、受電機100との間で認証を行ってもよい。
次に、受電機100、通信機200及び送電機300の構成の詳細と、受電機100、通信機200及び送電機300が実行する処理の詳細について説明する。
受電機100は、電波による受電を行う。一実施形態において、受電機100は、送電機300から無線電力を受電する。具体的には、受電機100は、送電機300から、電力供給のための電磁波を受信する。受電機100は、受信した電磁波を直流電力に変換する。このようにして、受電機100は、電波による受電を行うことができる。
受電機100は、受電した電力を、自機を収容している電子機器(ここでは携帯電話機10)に供給する。受電機100は、正極端子と負極端子とを備える。正極端子は、電子機器の正極側の端子に接続される。負極端子は、電子機器の負極側の端子に接続される。受電機100は、正極端子と負極端子とを介して、電子機器に電力を供給する。
受電機100は、受電部110と、通信部120と、記憶部130と、制御部140と、蓄電部150とを備える。
受電部110は、無線電力を受電する。具体的には、受電部110は、制御部140の制御に基づき、外部から受信した電磁波に基づいて発電することにより、無線電力を受電する。受電部110は、発電した電力を、正極端子及び負極端子を介して、電子機器に供給する。正極端子と負極端子との間の電位差は、例えば電力が供給される電子機器に応じた電位差であってよい。
受電部110は、アンテナ111と整流回路112とを備える。アンテナ111は、送電機300から、電磁波を受信する。整流回路112は、アンテナ111が受信した電磁波を直流電力に変換する。整流回路112は、変換後の直流電力を、正極端子及び負極端子を介して、電子機器に供給する。
通信部120は、制御部140の制御に基づき、外部の機器と無線通信を行う。通信部120は、例えば通信機200及び送電機300と、電波による通信を行う。なお、受電機100は、通信部120の代わりに、アンテナ111を用いて無線通信を行ってもよい。通信部120は、例えば認証要求信号及び送電要求信号を送信する。
記憶部130は、半導体メモリ又は磁気メモリ等で構成されることができる。記憶部130は、各種情報や受電機100を動作させるためのプログラム等を記憶する。記憶部130は、ワークメモリとしても機能してもよい。
制御部140は、受電機100の各機能ブロックをはじめとして、受電機100の全体を制御及び管理するプロセッサである。制御部140は、制御手順を規定したプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ又は各機能の処理に特化した専用のプロセッサで構成される。
蓄電部150は、受電機100の正極端子及び負極端子と電気的に接続され、受電部110と電気的に接続される。蓄電部150は、受電部110が受電した電力のうち、電子機器に供給されなかった電力(以下「余剰電力」という)を蓄えることができる。蓄電部150が蓄電した電力は、例えば、受電機100が送電機300からの無線電力の供給を受けない場合に、正極端子及び負極端子を介して、電子機器に供給されてよい。
通信機200は、電波による通信を行う。通信機200は、対応付けられた送電機300の送電可能範囲で電波による通信が可能であってよい。通信機200は、例えば、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントとして機能してよい。通信機200は、例えばビーコン信号を送信してよい。
通信機200は、通信部220と、記憶部230と、制御部240とを備える。
通信部220は、制御部240の制御に基づき、外部の機器と無線通信を行う。通信部220は、例えば受電機100と、電波による通信を行う。通信部220は、例えば受電機100から認証要求信号を受信する。通信部220は、例えばビーコン信号を送信する。
記憶部230は、半導体メモリ又は磁気メモリ等で構成されることができる。記憶部230は、各種情報や通信機200を動作させるためのプログラム等を記憶する。記憶部230は、ワークメモリとしても機能してもよい。
制御部240は、通信機200の各機能ブロックをはじめとして、通信機200の全体を制御及び管理するプロセッサである。制御部240は、制御手順を規定したプログラムを実行するCPU等のプロセッサ又は各機能の処理に特化した専用のプロセッサで構成される。
送電機300は、例えばホームゲートウェイ及び無線送電システム等であり、例えば屋内に設置される。送電機300は、受電機100に無線電力を送電する。具体的には、送電機300は、電力供給のための電磁波を生成する。送電機300は、生成した電磁波を、例えば同一屋内に設置される、電子機器内の受電機100に対して送信する。送電機300は、図1に示す例では、携帯電話機10内の受電機100に対して、電磁波を送信する。
送電機300は、送電部310と、通信部320と、記憶部330と、制御部340と、蓄電部350とを備える。
送電部310は、無線電力を送電する。具体的には、送電部310は、制御部340の制御に基づき、例えば配電設備等の電源から供給された電力を、電磁波として出力することにより、無線電力を送電する。
送電部310は、アンテナ311と発振器312とを備える。発振器312は、電源から供給された電力に基づき、アンテナ311から電磁波を送信することにより、無線電力を送電する。
通信部320は、制御部340の制御に基づき、外部の機器と無線通信を行う。一実施形態では、通信部320は、受電機100と通信する。送電機300は、通信部320の代わりに、アンテナ311を用いて無線通信を行ってもよい。通信部320は、例えば受電機100から送信される送電要求信号等を受信する。
記憶部330は、半導体メモリ又は磁気メモリ等で構成されることができる。記憶部330は、各種情報や送電機300を動作させるためのプログラム等を記憶する。記憶部330は、ワークメモリとしても機能してもよい。
制御部340は、送電機300の各機能ブロックをはじめとして、送電機300の全体を制御及び管理するプロセッサである。制御部340は、制御手順を規定したプログラムを実行するCPU等のプロセッサ又は各機能の処理に特化した専用のプロセッサで構成される。
蓄電部350は、電源から供給される電力を蓄えることができる。
次に、一実施形態に係る電波送電システム1における電波送電処理について説明する。図3は、電波送電システム1における電波送電処理の一例を示すシーケンス図である。図3に示す通信機200と送電機300とは、互いに関連付けられている。
電波送電システム1において、通信機200は、一定間隔又は不定期の間隔で、ビーコン信号を送信する(ステップS101)。
携帯電話機10のユーザが、携帯電話機10を持ち運ぶことにより、携帯電話機10に収容されている受電機100が通信機200の通信可能範囲に入ると、受電機100は、通信機200が送信したビーコン信号を受信する。
受電機100は、通信機200が送信したビーコン信号を受信すると、認証要求信号を送信する(ステップS102)。
通信機200は、認証要求信号を受信すると、認証処理を実行する(ステップS103)。
ここで、認証処理の詳細について説明する。認証処理を行うにあたり、例えば通信機200の記憶部230には、予め所定の受電機100に関する情報が記憶されている。受電機100に関する情報は、例えば受電機100に固有の識別情報であってよい。通信機200の記憶部230には、例えば通信機200に対応付けられた送電機300からの電波送電を認められた受電機100の識別情報が、予め電波送電を行う事業者等により登録されることにより、記憶されている。
受電機100が送信する認証要求信号には、当該受電機100の識別情報が含まれる。通信機200は、認証要求信号を受信すると、記憶部230を参照し、認証要求信号に含まれる識別情報が、記憶部230に予め記憶された識別情報のいずれかと一致するか否かを判定する。通信機200は、認証要求信号に含まれる識別情報が、記憶部230に予め記憶された識別情報のいずれかと一致する場合、認証要求信号を送信した受電機100が予め登録された受電機100であると判定し、認証が成功したと判定する。通信機200は、認証要求信号に含まれる識別情報が、記憶部230に予め記憶された識別情報のいずれとも一致しない場合、認証要求信号を送信した受電機100が予め登録された受電機100でないと判定し、認証が失敗したと判定する。このようにして、通信機200により、認証処理が行われ、認証が成功したか失敗したかが判定される。
通信機200は、認証処理を実行すると、認証処理の結果として、認証応答信号を受電機100に送信する(ステップS104)。認証応答信号は、例えば認証が成功したか失敗したかを通知する情報を含んでよい。認証応答信号は、例えば、認証が成功したと判定された場合にのみ、認証が成功したことを通知する信号として、受電機100に送信されてもよい。
受電機100は、通信機200からの認証応答信号を受信すると、送電要求信号を送信する(ステップS105)。受電機100は、例えば通信機200における認証が成功した場合にのみ、送電要求信号を送信してもよい。送電要求信号は、後述する、ビームフォーミングの方向を規定する信号としても機能する。
送電機300は、受電機100から送電要求信号を受信すると、認証情報を要求する信号(以下「認証情報要求信号」ともいう)を、受電機100に送信する(ステップS106)。
受電機100は、認証情報要求信号を受信したことに応じて、認証情報を含む信号(以下「認証情報信号」ともいう)を、送電機300に送信する(ステップS107)。認証情報信号は、送電機300により実行される認証処理のために必要な、受電機100に関する情報を含む。認証情報信号は、例えば、受電機100の識別情報を含む。
送電機300は、認証情報信号を受信すると、認証処理を実行する(ステップS108)。送電機300が実行する認証処理は、ステップS103で通信機200が実行する認証処理と同様の処理であってよい。例えば、送電機300の記憶部330には、予め所定の受電機100の識別情報が記憶されており、送電機300は、認証情報信号を受信すると、記憶部330を参照して、認証情報信号に含まれる識別情報が、記憶部330に予め記憶された識別情報のいずれかと一致するか否かを判定することによって、認証を行ってよい。このように認証を行う場合、認証が成功しない受電機100に対して、無線電力が送電されない。そのため、例えば所定のユーザのみが無線電力の供給サービスを受けることができる場合に、無線電力の供給サービスを受けることができないユーザの受電機100に無線電力が送電されることを防止できる。
送電機300は、認証が成功したと判定した場合、無線電力の送電を行うにあたり、ビームフォーミングの方向を決定する(ステップS109)。送電機300は、受電機100からの送電要求信号を、ビームフォーミングの方向を規定する信号として用いることができる。例えば、送電機300は、アンテナ311により受信した送電要求信号が到来した方向を分析してもよい。送電機300は、送電要求信号が到来した方向を、ビームフォーミングの方向として決定することができる。
送電機300は、ステップS109で決定したビームフォーミングの方向に、無線電力を送電する(ステップS110)。受電機100は、送電機300から受信した電磁波に基づいて発電することにより、無線電力を受電できる。
次に、受電機100が実行する処理の一例について、図4のフローチャートを参照して説明する。受電機100は、例えば定期的に図4に示すフローを実行してよい。受電機100は、例えば受電機100の蓄電部150の蓄電量が所定量よりも少なくなった場合に、図4に示すフローを実行してもよい。図4のフローの開始時点において、受電機100は、通信機200の通信可能範囲外に位置するとする。
受電機100は、ビーコン信号を受信しているか否かを判定する(ステップS201)。
受電機100は、通信機200の通信可能範囲外に位置する場合、通信機200からのビーコン信号を受信できない。受電機100は、このようにビーコン信号を受信していないと判定した場合(ステップS201のNo)、ステップS201を繰り返す。
受電機100は、例えば移動等により、通信機200の通信可能範囲内に入った場合、通信機200からのビーコン信号を受信する。受電機100は、このようにビーコン信号を受信したと判定した場合(ステップS201のYes)、認証要求信号を送信する(ステップS202)。
通信機200は、認証要求信号に基づいて認証処理を実行し、認証応答信号を送信する。受電機100は、通信機200が送信した認証応答信号を受信する(ステップS203)。
受電機100は、認証応答信号に基づき、認証が成功したか否かを判定する(ステップS204)。
受電機100は、認証応答信号に基づき、認証が失敗したと判定した場合(ステップS204のNo)、このフローを終了する。この場合、受電機100は、認証に失敗した通信機200に対応付けられた送電機300に対する送電要求を行わない。また、この場合、受電機100は、再び図4のフローをスタートから実行し、認証に失敗した通信機200以外の通信機200からのビーコン信号を受信したか否かを判定してよい。
受電機100は、認証応答信号に基づき、認証が成功したと判定した場合(ステップS204のYes)、送電要求信号を送信する(ステップS205)。
送電機300は、送電要求信号に基づいて、認証情報要求信号を送信する。受電機100は、送電機300が送信した認証情報要求信号を受信する(ステップS206)。
受電機100は、認証情報要求信号を受信したことに応じて、認証情報信号を送電機300に送信する(ステップS207)。
送電機300は、認証情報信号に基づいて認証が成功すると、無線電力を送電する。受電機100は、送電機300からの無線電力を受電する(ステップS208)
受電機100は、通信機200との認証が成功した場合、一定間隔又は不定期の間隔で、継続して送電要求信号を送信してよい。送電機300は、継続して送信される送電要求信号に基づき、ビームフォーミングの方向を都度決定してよい。送電機300は、決定したビームフォーミングの方向に、無線電力を送電する。送電要求信号は、ビームフォーミングの方向を規定する信号としても用いられるため、このように受電機100が送電要求信号を送信し続けることにより、受電機100の位置が移動したとしても、送電機300は、送電要求信号に基づいて決定したビームフォーミングの方向に無線電力を送電することにより、受電機100が存在する方向に無線電力を送電しやすくなる。
なお、送電機300は、受電機100の認証が成功した場合、受電機100が送電機300の送電可能範囲内に存在する間は、繰り返し送電要求信号を受信しても、当該送電要求信号に基づいて再度認証処理を行うことなく、当該送電要求信号を、専らビームフォーミングの方向を規定する信号として用いてよい。これにより、認証が成功した受電機100については、再度の認証処理を行うという不要な処理を省略することができる。
受電機100は、通信機200における認証に成功した後、継続して送電要求信号を送信する場合、通信機200からのビーコン信号を受信したかを継続して判定してもよい。受電機100は、ビーコン信号を受信しなくなったと判定した場合、すなわちビーコン信号の検出がされなくなった場合、送電要求信号の送信を停止してよい。受電機100においてビーコン信号の検出がされなくなった場合、受電機100は、通信機200の通信可能範囲外に移動した可能性が想定される。通信機200の通信可能範囲は、関連付けられた送電機300による送電可能範囲をカバーするため、受電機100が通信機200の通信範囲外に移動したことは、送電機300による送電可能範囲外に移動したことを意味する。そのため、受電機100は、ビーコン信号を受信しなくなった場合に送電要求信号を送信し続けても、送電機300からの送電を受けられないことが想定される。そこで、このように、受電機100がビーコン信号を受信しなくなった場合に送電要求信号の送信を停止することにより、送電を受けられない可能性がある送電機300に対する送電要求信号の送信を停止することができ、送電要求信号の送信による不要な電力消費を抑えることができる。
次に、通信機200が実行する処理の一例について、図5のフローチャートを参照して説明する。
通信機200は、一定間隔又は不定期の間隔でビーコン信号を送信する(ステップS301)。
通信機200は、受電機100からの認証要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS302)。
通信機200は、受電機100からの認証要求信号を受信していないと判定した場合(ステップS302のNo)、ステップS301に移行する。通信機200は、ステップS302において、受電機100からの認証要求信号を受信したと判定するまで、ステップS301とステップS302とを繰り返す。
通信機200は、受電機100からの認証要求信号を受信したと判定した場合(ステップS302のYes)、受電機100から受信した認証要求信号に含まれる識別情報を用いて、認証処理を実行する(ステップS303)。
通信機200は、ステップS303で実行した認証処理の結果としての認証応答信号を、受電機100に送信する(ステップS304)。
通信機200は、図5のフローを繰り返し実行してよい。
次に、送電機300が実行する処理の一例について、図6のフローチャートを参照して説明する。
送電機300は、受電機100からの送電要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS401)。
送電機300は、受電機100からの送電要求信号を受信していないと判定した場合(ステップS401のNo)、受電機100からの送電要求信号を受信したと判定するまで、ステップS401を繰り返す。
送電機300は、受電機100からの送電要求信号を受信したと判定した場合(ステップS401のYes)、送電要求信号を送信した受電機100に対し、認証情報要求信号を送信する(ステップS402)。
受電機100は、認証情報要求信号に基づいて、認証情報信号を送信する。送電機300は、受電機100が送信した認証情報信号を受信する(ステップS403)。
送電機300は、受電機100から受信した認証情報信号に含まれる識別情報を用いて、認証処理を実行する(ステップS404)。
送電機300は、ステップS404の認証処理において、認証が成功したか否かを判定する(ステップS405)。
送電機300は、認証が失敗したと判定した場合(ステップS405のNo)、無線電力を送電することなく、このフローを終了する。この場合、送電機300は、認証が失敗したことを示す信号を、受電機100に送信してもよい。
送電機300は、認証が成功したと判定した場合(ステップS405のYes)、送電要求信号に基づき、ビームフォーミングの方向を決定する(ステップS406)。
送電機300は、ステップS406で決定したビームフォーミングの方向に、無線電力を送電する(ステップS407)。
このように、一実施形態に係る電波送電システム1では、通信機200がビーコン信号を送信する。受電機100は、通信機200からのビーコン信号を受信すると、送電要求信号を送信する。送電機300は、送電要求信号に基づき、受電機100に無線電力を送電する。通信機200の通信可能範囲は、送電機300の送電可能範囲をカバーするため、受電機100は、通信機200のビーコン信号を受信していなければ、送電機300の送電可能範囲外に位置していることとなる。そのため、受電機100は、通信機200のビーコン信号を受信できない範囲に位置するときに送電要求信号を送信しても、無線電力の送電を受けることはできない。これに対し、上記実施形態で説明したように、受電機100が通信機200からのビーコン信号を受信した場合に、送電要求信号を送信する場合、受電機100は、送電機300からの無線電力の供給を受け得る。そのため、電波送電システム1によれば、受電機100が、送電機300の送電可能範囲外で給電要求信号を送信することを防止できる。そのため、受電機100が不要な送電要求信号を送信することによる電力消費を抑えることができる。このようにして、電波送電システム1によれば、受電機100の電力消費を抑えることができるため、受電機100を搭載した電子機器のユーザにとって、有用性が高まる。
上記実施形態では、受電機100と通信機200との間、及び、受電機100と送電機300との間で認証が行われると説明したが、認証は、必ずしも行われなくてもよい。例えば、受電機100と通信機200との間で認証が行われない場合、受電機100は、通信機200からビーコン信号を受信すると、送電要求信号を送信してもよい。例えば、受電機100と送電機300との間で認証が行われない場合、送電機300は、受電機100から送電要求信号を受信すると、当該受電機100に対し、無線電力の送電を行う。この方法は、例えば、送電機300を公共の場所に設置させ、送電機300によって任意の電子機器に電力を供給する場合等に使用することができる。
電波送電システム1において、通信機200と送電機300とが互いに無線による通信を行い、認証処理の結果を共有してもよい。この場合、通信機200と送電機300とは、その双方が受電機100の認証を行う必要がなく、例えば通信機200のみが認証を行い、認証結果を、送電機300に送信することにより、送電機300と共有することができる。
電波送電システムは、必ずしも受電機100と、通信機200と、送電機300とを備えていなくてもよい。図7は、一実施形態に係る電波送電システム2の概略構成を示す図である。図7に示す電波送電システム2は、受電機100を内部に備える携帯電話機10と、送電機400とを備える。
電波送電システム2の携帯電話機10が備える受電機100は、図1の電波送電システム1が備える受電機100と同様の構成及び機能を有するため、ここでは詳細な説明を省略する。
電波送電システム2が備える送電機400は、図1の電波送電システム1が備える通信機200と送電機300との双方の機能を有する。例えば、送電機400は、例えば、一定間隔又は不定期の間隔で、ビーコン信号を送信する。送電機400は、例えば、受電機100から受信した認証要求信号に基づいて、認証処理を実行する。送電機400は、例えば、受電機100から受信した送電要求信号に基づいて、ビームフォーミングの方向を決定し、電波による送電を行う。送電機400は、電波送電が可能な範囲で、電波による通信を行うことができる。つまり、送電機400による通信可能範囲は、自身の送電可能範囲をカバーする。
送電機400は、通信機200と、送電機300の機能を有する送電モジュールと、が接続されて実現されてもよい。
図8は、図7の電波送電システム2における送電処理の一例を示すシーケンス図である。
電波送電システム2において、送電機400は、一定間隔又は不定期の間隔で、ビーコン信号を送信する(ステップS501)。
携帯電話機10のユーザが、携帯電話機10を持ち運ぶことにより、携帯電話機10に収容されている受電機100が送電機400の通信可能範囲に入ると、受電機100は、送電機400が送信したビーコン信号を受信する。
受電機100は、送電機400が送信したビーコン信号を受信すると、認証要求信号を送信する(ステップS502)。
送電機400は、認証要求信号を受信すると、認証処理を実行する(ステップS503)。認証処理の詳細は、例えば図3のステップS103で説明した内容と同じであってよい。
送電機400は、認証処理を実行すると、認証処理の結果として、認証応答信号を受電機100に送信する(ステップS504)。送電機400は、認証が成功したと判定した場合にのみ、認証応答信号を送信してもよい。
受電機100は、送電機400からの認証応答信号を受信すると、認証が成功していた場合、送電要求信号を送信する(ステップS505)。
送電機400は、受電機100から送電要求信号を受信すると、ビームフォーミングの方向を決定する(ステップS506)。例えば、送電機400は、送電要求信号が到来した方向を分析してもよい。送電機400は、送電要求信号を、ビームフォーミングの方向を規定する信号として用いて、送電要求信号が到来した方向を、ビームフォーミングの方向として決定する。
送電機400は、ステップS506で決定したビームフォーミングの方向に、無線電力を送電する(ステップS507)。受電機100は、送電機400から受信した電磁波に基づいて発電することにより、無線電力を受電できる。
このように、電波送電システム2によっても、電波送電システム1と同様の理由で、受電機100が、送電機400の送電可能範囲外で給電要求信号を送信することを防止できる。そのため、受電機100が不要な送電要求信号を送信することによる電力消費を抑えることができる。このようにして、電波送電システム2によっても、受電機100の電力消費を抑えることができるため、受電機100を搭載した電子機器のユーザにとって、有用性が高まる。
電波送電システム2においても、受電機100は、ビーコン信号を受信しなくなったと判定した場合、送電要求信号の送信を停止してよい。受電機100がビーコン信号を受信しなくなった場合に送電要求信号の送信を停止することにより、送電を受けられない可能性がある送電機400に対する送電要求信号の送信を停止することができ、送電要求信号の送信による不要な電力消費を抑えることができる。
図8のフローにおいて、送電機400は、ステップS503で認証処理を実行した後、認証応答信号を受電機100に送信しなくてもよい。この場合、送電機400は、認証が成功したと判定した場合に、ステップS506でビームフォーミングの方向を決定してよい。この場合、ビームフォーミングの方向は、ステップS502における認証要求信号に基づいて決定されてよい。すなわち、認証要求信号が、ビームフォーミングの方向を規定する信号として使用される。例えば、送電機400は、アンテナ311により受信した認証要求信号が到来した方向を分析してもよい。送電機400は、認証要求信号が到来した方向を、ビームフォーミングの方向として決定する。これにより、電波送電システム2は、ステップS504における送電機400からの認証応答信号の送信と、ステップS505における受電機からの送電要求信号の送信とを省略することができる。
本開示を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
1、2 電波送電システム
10 携帯電話機
100 受電機
110 受電部
111 アンテナ
112 整流回路
120 通信部
130 記憶部
140 制御部
150 蓄電部
200 通信機
220 通信部
230 記憶部
240 制御部
300、400 送電機
310 送電部
311 アンテナ
312 発振器
320 通信部
330 記憶部
340 制御部
350 蓄電部

Claims (12)

  1. ビームフォーミングにより電波による送電を行う送電機と、
    電波による受電を行う受電機と、
    前記送電機の送電可能範囲で電波による通信を行う通信機と、
    を備え、
    前記受電機は、電波による通信により前記通信機からビーコン信号を受信すると、前記送電機による送電可能範囲内であると判定し、前記送電機に対して、前記ビームフォーミングの方向を規定する信号を送信する、
    電波送電システム。
  2. 前記受電機は、前記ビーコン信号が検出されなくなると、前記送電機による送電可能範囲外であると判定し、前記ビームフォーミングの方向を規定する信号の送信を停止する、
    請求項1に記載の電波送電システム。
  3. 前記受電機は、前記通信機との間で認証が成功すると、前記ビームフォーミングの方向を規定する信号を送信する、請求項1又は請求項2に記載の電波送電システム。
  4. ビームフォーミングにより電波による送電を行うとともに、送電可能範囲で電波による通信を行う送電機と、
    電波による受電を行う受電機と、
    を備え、
    前記受電機は、電波による通信により前記送電機からビーコン信号を受信すると、前記送電機に対して、前記ビームフォーミングの方向を規定する信号を送信する、
    電波送電システム。
  5. 前記受電機は、前記ビーコン信号が検出されなくなると、前記ビームフォーミングの方向を規定する信号の送信を停止する、
    請求項4に記載の電波送電システム。
  6. 前記送電機は、前記受電機との間で認証が成功すると、前記受電機に対し、前記電波による送電を行う、請求項4又は請求項5に記載の電波送電システム。
  7. 前記送電機は、前記ビームフォーミングの方向を規定する信号に基づき、前記受電機に対し、前記電波による送電を行う、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の電波送電システム。
  8. 前記受電機が受信する前記ビーコン信号と、前記ビームフォーミングの方向を規定する信号とは、同一の周波数帯に属する、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の電波送電システム。
  9. 前記ビーコン信号は、IEEE802.11規格に沿ったものである、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の電波送電システム。
  10. 電波による受電を行う受電部と、
    電波による通信を行う通信部と、
    通信機からのビーコン信号を前記通信部において受信すると、送電機による送電可能範囲内であると判定し、ビームフォーミングの方向を規定する信号を前記通信部から送信させる、制御部と
    を備える、受電機。
  11. 前記受電部は、受信した電磁波に基づいて発電することにより、前記電波による受電を行う、請求項10に記載の受電機。
  12. 電波による受電を行う受電機が実行する制御方法であって、
    通信からのビーコン信号を受信するステップと、
    前記通信からの前記ビーコン信号を受信したことに応じて、送電機による送電可能範囲内であると判定し、ビームフォーミングの方向を規定する信号を送信するステップと、
    を含む、制御方法。
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