JP7135883B2 - 移動体走行システム - Google Patents

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Description

この発明は、自走可能な第1の移動体と、第1の移動体に対する追尾走行可能な第2の移動体と、を備えた移動体走行システムに関する。
移動体走行システムに関係する従来技術としては、例えば、特許文献1に開示された移動車両が知られている。特許文献1に開示された移動車両としての搬送台車は、偏平な直方体状の本体部と、本体部の下部に設けられた走行部と、駆動制御部と、ビーコン検出部と、を含んでいる。
搬送台車が追従すべき移動車両として先行する搬送台車を用意する。この先行する搬送台車は、手押し式の搬送台車と同様の構成であるが、この先行する搬送台車は、その本体部の後端に、ビーコンを備えている。このビーコンは、移動車両としての搬送台車が追尾すべきビーコンであって、所定の発光パターンの赤外光による第一の識別光を後方に向かって照射する。このような構成の搬送台車は、ハンドルを作業者の手で掴んだ状態で押動される。移動車両としての搬送台車は、搬送台車に取り付けられたビーコンからの第一の識別光を検出して、ビーコンそして搬送台車を追尾する。
特開2018-106312号公報
しかしながら、特許文献1に開示された移動車両では、移動車両としての搬送台車が先行する搬送台車から離れた位置にある場合、作業者が先行する搬送台車とともに移動車両としての搬送台車の置かれている場所まで移動する必要がある。あるいは、作業者が先行する搬送台車から離れて、移動車両としての搬送台車を取りに行き、先行する搬送台車に戻る必要がある。つまり、特許文献1に開示された移動車両では、移動車両が先行する搬送台車から離れていると、作業者が少なくとも移動車両まで移動する必要があるという問題がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、第1移動体を追尾走行すべき第2移動体が第1移動体から離れている場合でも、第2移動体へ移動することなく第2移動体を第1移動体へ追尾走行させることが可能な移動体走行システムの提供にある。
上記の課題を解決するために、本発明は、追尾対象体に対して追尾走行が可能な第1移動体と、自己位置に基づく自律走行が可能な第2移動体と、を備え、前記第2移動体は、走行駆動部と、前記走行駆動部を制御する制御部と、前記第1移動体を検出する検出部と、を備える移動体走行システムにおいて、前記制御部は、前記第1移動体の現在位置を取得し、前記第1移動体の現在位置が前記検出部の検出可能域内であるか否かを判別し、前記第1移動体の現在位置が検出可能域内であると判別するとき、前記検出部により動体を検出することが可能か否かを判別し、前記動体を検出したと判別するとき、前記動体を前記第1移動体と認識し、前記第1移動体を追尾走行するように前記走行駆動部を制御し、前記第1移動体の現在位置が検出可能域外であるとき、前記第1移動体の現在位置および前記第2移動体の自己位置に基づいて前記第1移動体を目指して自律走行するように前記走行駆動部を制御することを特徴とする。
本発明では、第2移動体の検出部が動体を検出したとき、第2移動体の制御部は、動体を第1移動体と認識し、第1移動体を追尾走行するように走行駆動部を制御する。第2移動体の検出部が動体を検出されないとき、第2移動体の制御部は、第1移動体の現在位置および第2移動体の自己位置に基づいて第1移動体を目指して自律走行するように走行駆動部を制御する。従って、第1移動体を追尾すべき第2移動体が第1移動体と離れている場合であっても、第2移動体は、動体を検出するまで、第1移動体を目指して自律走行する。その結果、例えば、第1移動体の追尾対象体が作業者である場合、作業者が、第1移動体を置いて第2移動体を取りに行ったり、第1移動体とともに第2移動体まで移動したりする必要がなく、作業者や第1移動体の移動による負担を軽減することができる。
この場合、制御部は、第1移動体の現在位置が検出可能域内であるとき、検出部により動体を検出することが可能か否かを判別する。検出可能域内において動体が検出されると、制御部は動体を第1移動体と認識し、第1移動体を追尾走行するように走行駆動部を制御する。従って、動体が第2移動体の検出可能域内に存在すると、第2移動体は第1移動体を追尾走行することができる。動体が第2移動体の検出可能域内に存在しないときは、第2移動体は、第1移動体を目指して自律走行することができる。
また、上記の移動体走行システムにおいて、追尾対象体に対して追尾走行が可能な第1移動体と、自己位置に基づく自律走行が可能な第2移動体と、を備え、前記第2移動体は、走行駆動部と、前記走行駆動部を制御する制御部と、前記第1移動体を検出する検出部と、を備える移動体走行システムにおいて、前記制御部は、前記第1移動体の現在位置を取得し、前記第1移動体の現在位置が前記検出部の検出可能域内であるか否かを判別し、前記第1移動体の現在位置が検出可能域内であると判別するとき、前記検出部により動体を検出することが可能か否かを判別し、前記制御部は、動体を検出したと判別すると、前記動体の検出とともに取得される前記動体の検出位置と、前記第1移動体の現在位置と、を比較し、前記動体の検出位置が前記第1移動体の現在位置と略一致するとき、前記動体を前記第1移動体と認識して前記第1移動体を追尾走行するように前記走行駆動部を制御し、前記動体の検出位置が前記第1移動体の現在位置と略一致しないとき、前記第1移動体の現在位置および前記第2移動体の自己位置に基づいて前記第1移動体を目指して自律走行するように前記走行駆動部を制御する構成としてもよい。
この場合、制御部は、第1移動体の現在位置が検出部の検出可能域内であるか否かを判別して動体を検出しても、さらに、動体の検出とともに取得される第1移動体の検出位置と第1移動体の現在位置とを比較することにより、第2移動体は第1移動体をより確実に検出することができる。例えば、第1移動体の近傍に第1移動体と同様の別の移動体が存在しても、第2移動体は誤認識することなく追尾すべき第1移動体を検出して追尾走行することができる。
本発明によれば、第1移動体を追尾走行すべき第2移動体が第1移動体から離れている場合でも、第2移動体へ移動することなく第2移動体を第1移動体へ追尾走行させることが可能な移動体走行システムを提供することができる。
第1の実施形態に係る移動体走行システムの概要を示す構成図である。 第1の実施形態に係る移動体走行システムの電気的構成を示す概略図である。 作業者を追尾走行する第1移動体および第1移動体を追尾走行する第2移動体を示す平面図である。 第2無人搬送車が第1無人搬送車を追尾走行する手順を示すフロー図である。 第2無人搬送車が自律走行から第1無人搬送車の追尾走行への切り換えを説明する説明図である。 第2無人搬送車が第1無人搬送車を追尾走行する手順を示すフロー図である。 第2無人搬送車の検出有効範囲を示す平面図である。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る移動体走行システムについて図面を参照して説明する。本実施形態の移動走行体は、荷の搬送を可能とする電動式の無人搬送車であり、追尾対象体は荷役を行う作業者である。本実施形態では無人搬送車走行システムについて説明する。
図1に示すように、本実施形態の無人搬送車走行システムは、複数の無人搬送車を備える。本実施形態では、第1無人搬送車11と、第2無人搬送車12と、を備えている。本実施形態では、説明の便宜上、追尾対象体としての作業者Hを追尾走行する無人搬送車を第1無人搬送車11とし、第1無人搬送車11を追尾すべき追尾対象体として認識する無人搬送車を第2無人搬送車12とする。従って、第1無人搬送車11と第2無人搬送車12の構成は同一であるが、第2無人搬送車12は第1無人搬送車11の符号と異なる符号とする。
第1無人搬送車11は車体13を有しており、車体13の上部には荷台14が備えられている。荷台14は荷物の搭載を可能としている。車体13の前部には操舵輪15が備えられ、車体13の後部には左右一対の駆動輪16が備えられている。操舵輪15は走行時に第1無人搬送車11を操舵する車輪である。駆動輪16は第1無人搬送車11の走行のための回転力が伝達される車輪である。
車体13には、操舵輪15を操舵する操舵部としての操舵機構17と、走行駆動部としての走行用モータ18と、走行用モータ18を制御する制御部としてのコントローラ19が搭載されている。走行用モータ18は電動モータでありコントローラ19によって制御される。図2に示すように、コントローラ19は、演算処理部20および記憶部21を有する。演算処理部20は各種の演算やプログラムの実行を行う。
第1無人搬送車11における前部上面には、作業者Hが操作するための操作部としての操作パネル22が備えられている。操作パネル22はタッチパネルであり、ボタン操作による入力やデータ入力ができるほか、各種の情報を表示することができる。なお、操作パネル22は、図2に示すように、第1無人搬送車11を追尾走行すべき追尾対象体として追尾する第2無人搬送車12を呼び出すための呼出ボタン23を表示することができる。
車体13にはアンテナ25を備えた通信装置24が搭載されている。通信装置24は、通信部に相当し、コントローラ19と接続されており、上位の管理システム(図示せず)と無線通信可能である。上位の管理システムは、第1無人搬送車11および第2無人搬送車12を含む複数の無人搬送車の運行状況や荷物を管理する。そして、第1無人搬送車11は上位の管理システムを介して第2無人搬送車12と通信可能である。
車体13の前部中央には、前方に向けて測域センサ26が備えられている。本実施形態の測域センサ26は、レーザ光Lによって被検出物との距離を検出する光波距離計(LRF:Laser Range Finder)である。具体的には、測域センサ26は、レーザ光Lを出射するとともに、レーザ光を前後方向に沿って走査する二次元走査型センサである。図3に示すように、測域センサ26には、被検出物の検出可能域R1が設定されている。図3にて一点鎖線により示す検出範囲Rは平面状とされており、外形は略矩形である。図3に示すように、検出可能域R1では、測域センサ26は、被検出物との距離を検出し、コントローラ19は測域センサ26が検出した被検出物が動体であるか静止体であるかを判別する。測域センサ26は検出部に相当する。
測域センサ26は、動体を検出する動体検出センサとしての機能と、周囲の壁や柱等の走行時の第1無人搬送車11にとって障害となる障害物の位置や形状を検出する障害物センサとしての機能を備える。測域センサ26が第1無人搬送車11の検出可能域R1において一定の範囲にレーザ光Lを照射し、壁面や柱等に反射して測域センサ26に戻ってきたレーザ光を受光すると、環境情報を検出すると同時に、壁面や柱等から第1無人搬送車11までの距離を計測する。
ところで、本実施形態のコントローラ19の記憶部21には、各種データやプログラムを記憶されており、例えば、第1無人搬送車11を自律走行させるための制御プログラムが記録されている。具体的には、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)の手法に基づく、第1無人搬送車11の位置推定のアルゴリズムである。SLAMは、センサデータおよび地図データを使って自己位置推定を行う自己位置推定技術である。SLAMは、レーザレンジスキャナー等を利用して、自己位置推定と環境地図の作成とを同時に行う。そして、自己位置推定によって得られた第1無人搬送車11の自己位置に基づいて、第1無人搬送車11の走行を制御する。
また、記憶部21には、複数の無人搬送車が走行可能なエリア(以下「走行可能エリア」と表記する)の地図情報(環境地図情報)を記憶している。この地図情報では、走行可能エリアの東西方向をX軸とするとともに、走行可能エリアの南北方向をY軸としており、この地図情報は走行可能エリアにおける座標情報として作成されている。
また、記憶部21には、第1無人搬送車11が追尾すべき追尾対象体(例えば、作業者Hや別の無人搬送車)を検出したときに、第1無人搬送車11を追尾走行させるための制御プログラムが記録されている。
次に、第2無人搬送車12について説明する。第2無人搬送車12は、第1無人搬送車11と同一構成であり、車体33と、荷台34と、操舵輪35と、左右一対の駆動輪36と、を備える。車体33には、操舵機構37と、走行用モータ38と、コントローラ39と、が搭載されている。コントローラ39は、演算処理部40および記憶部41を有する。従って、第2無人搬送車12は、第1無人搬送車11と同等の機能を有する。
第2無人搬送車12における前部上面には、操作パネル42が備えられている。操作パネル42は、第2無人搬送車12を追尾対象体として追尾走行すべき無人搬送車を呼び出すための呼出ボタン43を表示することができる。車体33にはアンテナ45を備えた通信装置44が搭載されている。車体33の前部中央には、前方に向けて測域センサ46が備えられている。図3に示すように、測域センサ46には、被検出物の検出可能域R2が設定されている。検出可能域R2では、測域センサ46は、被検出物との距離を検出し、コントローラ39は測域センサ46が検出した被検出物が動体であるか静止体であるかを判別する。測域センサ46は検出部に相当する。
本実施形態では、第2無人搬送車12が、作業者Hを追尾走行中の第1無人搬送車11を追尾対象体とし、自律走行を経て追尾走行することが可能である。図4のフロー図における一連のステップ(S01~S08)は、第2無人搬送車12が第1無人搬送車11を追尾走行するための手順である。この一連のステップ(S01~S08)は、作業者Hが追尾走行中の第1無人搬送車11の操作パネル22から呼出ボタン23を押すことによって開始される。
作業者Hは、第1無人搬送車11の操作パネル22にて、第2無人搬送車12を追尾対象体として指定する。さらに、作業者は呼出ボタン23を押すと、第2無人搬送車12のコントローラ39は、上位の管理システムを介して無線通信により第1無人搬送車11の現在位置の取得を開始する(ステップS01を参照)。以降、コントローラ39は、第1無人搬送車11の現在位置を継続して取得する。
次に、コントローラ39は、第1無人搬送車11の現在位置が検出可能域R2内か否かを判別する(ステップS02を参照)。コントローラ39により第1無人搬送車11の現在位置が検出可能域R2内であると判別されると、コントローラ39は検出可能域R2において動体を探す(ステップS03を参照)。なお、検出可能域R2は、第2無人搬送車12が第1無人搬送車11に対する追尾走行を開始できる領域である。
一方、ステップS02において、コントローラ39により第1無人搬送車11の現在位置が検出可能域R2内でない(検出可能域R2外である)と判別されると、コントローラ39は第1無人搬送車11を目指して第2無人搬送車12を自律走行させる(ステップS04を参照)。そしてステップS01へループする。
コントローラ39は検出可能域R2において動体を探した後、動体を検出したか否かを判別する(ステップS05を参照)。コントローラ39は、測域センサ46により動体を検出したと判別すると、動体を第1無人搬送車11として認識する(ステップS06を参照)。コントローラ39が、測域センサ46により検出された動体を第1無人搬送車11として認識すると、コントローラ39は第2無人搬送車12の走行を自律走行から追尾走行に切り換える(ステップS07)。そして、第2無人搬送車12は第1無人搬送車11に対して追尾走行する(ステップS08)。なお、ステップS02において、コントローラ39が動体を検出せずと判別すると、ステップS04へ進む。
次に、本実施形態の無人搬送車走行システムによる作用について説明する。図5(a)に示すように、荷Wを搭載している第1無人搬送車11が作業者Hに追尾走行可能な状態であって、作業者Hが、荷台14の空いている第2無人搬送車12を必要とする場合について説明する。第1無人搬送車11は作業場にて走行し、第2無人搬送車12は搬送車置場にて待機している状態とする。
図5(a)に示すように、作業者Hが、第2無人搬送車12を呼び出すために、自分を追尾走行している第1無人搬送車11の操作パネル22を操作して、第2無人搬送車12を指定し、呼出ボタン23を押す。呼出ボタン23が押されると、上位の管理システムを通じて、第2無人搬送車12に呼び出し指令が伝達される。なお、第2無人搬送車12を指定については、操作パネル22に荷台の空いている全ての無人搬送車を地図とともに表示し、その中から第2無人搬送車12を指定する。
第2無人搬送車12は、呼び出し指令を受けると、上位の管理システムを介して第1無人搬送車11の現在位置の取得を開始する。これ以降、第2無人搬送車12のコントローラ39は、第1無人搬送車11の現在位置の取得を継続する。従って、第1無人搬送車11が移動しても、コントローラ39は、第1無人搬送車11の現在位置を常に認識する。
次に、コントローラ39は、第1無人搬送車11の現在位置が検出可能域R2内に存在するか否かを判別する。このとき、第2無人搬送車12は、作業場と離れた搬送車置場にて待機していたので、コントローラ39は、第1無人搬送車11の現在位置は検出可能域R2内に存在しないと判別する。次に、コントローラ39は、第2無人搬送車12が第1無人搬送車11を目指すように、走行用モータ18および操舵機構17を制御し、図5(b)に示すように、第2無人搬送車12を自律走行させる。図における黒矢印Aは自律走行を示し、白抜矢印Cは追尾走行を示す。
第2無人搬送車12の自律走行は、第1無人搬送車11と同様にSLAMの手法に基づく。SLAMは第2無人搬送車12の自己位置推定と地図情報(環境地図情報)の作成を同時に行う。自己位置推定によって得られた第2無人搬送車12の自己位置に基づいて、第2無人搬送車12の走行を制御する。そして、第1無人搬送車11の現在位置が参照され、第2無人搬送車12が第1無人搬送車11を目指す走行経路が設定される。また、第2無人搬送車12の自律走行中は、障害物を検出するために測域センサ46が検出可能域R2にレーザ光を照射する。第2無人搬送車12の自律走行は、第1無人搬送車11は検出可能域R2内に存在すると判別されるまで継続される。
第2無人搬送車12は、自律走行によって作業場に到着し、さらに、第1無人搬送車11に接近する。図5(c)に示すように、第1無人搬送車11の現在位置が第2無人搬送車12の検出可能域R2に存在する位置まで、第2無人搬送車12が第1無人搬送車11に接近する。このとき、コントローラ39は、第2無人搬送車12の現在位置(自己位置)および通信により取得した第1無人搬送車11の現在位置に基づき、第1無人搬送車11の現在位置が検出可能域R2内に存在すると判別する。コントローラ39により第1無人搬送車11の現在位置が検出可能域R2内で存在すると判別されると、測域センサ46は検出可能域R2において動体を探す。
コントローラ39は、測域センサ46が検出可能域R2において動体を探した後、動体を検出したか否かを判別する。測域センサ46により動体が検出されるので、コントローラ39は検出された動体を第1無人搬送車11として認識する。コントローラ39は、検出された動体を第1無人搬送車11として認識すると、第2無人搬送車12の走行を自律走行から追尾走行に切り換える。そして、第2無人搬送車12は第1無人搬送車11に対して追尾走行する。第2無人搬送車12の追尾走行は、第1無人搬送車11を追尾走行させるための制御プログラムに基づいて追尾走行する。
第2無人搬送車12は第1無人搬送車11を追尾走行するため、作業者Hは第1無人搬送車11とともに第2無人搬送車12を利用できる状態となる。図5(d)に示すように、作業者Hが移動すると、第1無人搬送車11が作業者Hを動体として検出しつつ追尾走行し、第2無人搬送車12が第1無人搬送車11を動体として検出しつつ追尾走行する。従って、先頭から作業者H、第1無人搬送車11、第2無人搬送車12とする縦列走行が実現される。
このように、第2無人搬送車12が第1無人搬送車11と離れていても、作業者Hが第1無人搬送車11における呼出ボタン43を押すだけで、第2無人搬送車12は自律走行により第1無人搬送車11に近づいて第1無人搬送車11を追尾走行する。因みに、何らかの原因にて第2無人搬送車12が第1無人搬送車11を見失って追尾走行できなくなった場合は、作業者Hが再度、第1無人搬送車11の操作パネル22を操作して、第2無人搬送車12を呼び出せばよい。
なお、第1無人搬送車11を作業者Hから切り離し、第2無人搬送車12の追尾対象体を作業者Hとする場合には、第1無人搬送車11を待機させるように、第1無人搬送車11の操作パネル22を操作する。さらに、第2無人搬送車12の操作パネル22を操作して作業者Hを追尾対象体とする操作を行えばよい。
本実施形態に係る無人搬送車走行システムは、以下の作用効果を奏する。
(1)第2無人搬送車12の測域センサ46が動体を検出したるとき、第2無人搬送車12のコントローラ39は、検出された動体を第1移動体と認識し、第1無人搬送車11を追尾走行するように走行用モータ38および操舵機構17を制御する。測域センサ46が動体を検出せずのとき、コントローラ39は、第1無人搬送車11の現在位置および第2無人搬送車12の現在位置(自己位置)に基づいて第1無人搬送車11を目指して自律走行するように走行用モータ38および操舵機構37を制御する。従って、第1無人搬送車11を追尾すべき第2無人搬送車12が第1無人搬送車11と離れている場合であっても、第2無人搬送車12は、動体を検出するまで、第1無人搬送車11を目指して自律走行する。その結果、例えば、第1無人搬送車11の追尾対象体である作業者Hが、第1無人搬送車11を置いて第2無人搬送車12を取りに行ったり、第1無人搬送車11とともに第2無人搬送車12まで移動したりする必要がない。よって、作業者Hや第1無人搬送車11の移動による負担を軽減することができる。
(2)第2無人搬送車12のコントローラ39は、第1無人搬送車11の現在位置が検出可能域R2内であるとき、測域センサ46により動体を検出することが可能か否かを判別する。検出可能域R2内において動体が検出されると、コントローラ39は動体を第1無人搬送車11と認識し、第1無人搬送車11を追尾走行するように走行用モータ38および操舵機構37を制御する。従って、動体が第2無人搬送車12の検出可能域R2内に存在すると、第2無人搬送車12は第1無人搬送車11を追尾走行することができる。動体が第2無人搬送車12の検出可能域内に存在しないときは、第2無人搬送車12は、第1無人搬送車11を目指して自律走行することができる。
(3)第2無人搬送車12が第1無人搬送車11を目指して自律走行するとき、第2無人搬送車12の検出可能域R2にて動体が検出されると、第2無人搬送車12は、自律走行から第1無人搬送車11を追尾する追尾走行に切り換わる。自律走行は追尾走行と比較して制御が複雑であることから、自律走行から追尾走行に切り換わることにより、第2無人搬送車12における走行制御は簡単となる。従って、走行用モータ38および操舵機構37の制御に対する応答を向上させることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る無人搬送車走行システムについて説明する。本実施形態は、第2無人搬送車12が第1無人搬送車11を追尾走行する手順が第1の実施形態と相違する。本実施形態では、第1の実施形態と相違する点を説明し、相違しない点については第1の実施形態の説明を援用する。
図6に示すフロー図は、第2無人搬送車12が第1無人搬送車11を追尾走行する手順である。図6のフロー図における一連のステップ(S11~S20)は、第2無人搬送車12が第1無人搬送車11を追尾走行するための手順である。この一連のステップ(S11~S20)は、作業者Hが追尾走行している第1無人搬送車11の操作パネル22から呼出ボタン23を押すことによって開始される。
作業者Hによって第1無人搬送車11の操作パネル22における呼出ボタン23が押されると、第2無人搬送車12のコントローラ39は、上位の管理システムを介して無線通信により第1無人搬送車11の現在位置の取得を開始する(ステップS11を参照)。以降、コントローラ39は、第1無人搬送車11の現在位置の取得を継続する。
次に、コントローラ39は、第1無人搬送車11の現在位置に基づいて第1無人搬送車11が検出可能域R2内か否かを判別する(ステップS12を参照)。コントローラ39により第1無人搬送車11が検出可能域R2内であると判別されると、コントローラ39は、検出可能域R2において取得した現在位置を中心とした範囲(以下、探索有効範囲)にて動体を探す(ステップS13を参照)。この範囲は、図7に示すように、検出可能域R2における探索有効範囲Eであり、探索有効範囲Eは、コントローラ39が通信により取得した第1無人搬送車11の位置を中心とする所定半径の円形の範囲である。探索有効範囲Eの半径は、予めコントローラ39に記憶されている。なお、第1無人搬送車11が検出可能域R2内である場合、第2無人搬送車12は第1無人搬送車11に対する追尾走行を開始できる。
一方、ステップS02において、コントローラ39により第1無人搬送車11が検出可能域R2内でないと判別されると、コントローラ39は第1無人搬送車11を目指して第2無人搬送車12を自律走行させる(ステップS14を参照)。そしてステップS11へループする。
コントローラ39は検出可能域R2における探索有効範囲Eにて動体を探した後、動体を検出したか否かを判別する(ステップS15を参照)。コントローラ39は、測域センサ46により動体を検出したと判別すると、検出した動体の検出位置と取得した第1無人搬送車11の現在位置とを比較する(ステップS16を参照)。一方、コントローラ39は、測域センサ46により動体を検出しないと判別すると、ステップS14へ進む。
コントローラ39は、ステップS16にて取得した第1無人搬送車11の現在位置と検出した動体の検出位置とを比較した後、検出した動体の検出位置と第1無人搬送車11の現在位置と略一致するか否かを判別する(ステップS17を参照)。コントローラ39が検出した動体の検出位置と第1無人搬送車11の現在位置と略一致すると判別すると、動体を第1無人搬送車11として認識する(ステップS18を参照)。コントローラ39が動体を第1無人搬送車11として認識すると、コントローラ39は第2無人搬送車12の走行を自律走行から追尾走行に切り換える(ステップS19)。そして、第2無人搬送車12は第1無人搬送車11に対して追尾走行する(ステップS20)。なお、ステップS17において、検出した動体の検出位置と第1無人搬送車11の現在位置とが略一致せずと判別すると、ステップS14へ進む。
なお、動体の検出位置および第1無人搬送車11の現在位置の誤差等を考慮し、動体の検出位置を含む一定の許容範囲および第1無人搬送車11の現在位置を含む一定の許容範囲をそれぞれ設定している。動体の検出位置と第1無人搬送車11の現在位置と略一致とは、動体の検出位置を含む一定の許容範囲および第1無人搬送車11の現在位置を含む一定の許容範囲が重畳(一部又は全部)する状態を指す。
本実施形態の無人搬送車走行システムでは、第2無人搬送車12のコントローラ39は、取得した第1無人搬送車11の現在位置に基づいて第1無人搬送車11が検出可能域R2に存在すると判別すると、検出可能域R2における探索有効範囲Eにて動体を探す。動体を検出したと判別しても、コントローラ39は、検出した動体を直ちに第1無人搬送車11として認識せず、検出した動体の検出位置と通信により取得した第1無人搬送車11の現在位置とを比較する。そして、コントローラ39は、動体の検出位置と第1無人搬送車11の現在位置とが一致すると判別すると、動体を第1無人搬送車11として認識する。動体の検出位置と第1無人搬送車11の現在位置とが不一致であると判別すると、引き続き通信により取得した第1無人搬送車11の現在位置に基づいて第1無人搬送車11を自律走行により目指す。
従って、図7に示すように、追尾対象体である第1無人搬送車11の近傍に別の走行中の第3無人搬送車51が存在しても、第3無人搬送車51を第1無人搬送車11として検出するという誤認識は生じない。なお、図7に示す第3無人搬送車51は第1無人搬送車11と同一構成であり、別の作業者Hを追尾対象体として追尾走行している。
本実施形態によれば、第1無人搬送車11を検出しても、さらに、第1無人搬送車11の検出とともに測域センサ46により取得した第1無人搬送車11の検出位置と、通信により取得した第1無人搬送車11の現在位置と、を比較する。このことにより、第2無人搬送車12のコントローラ39は第1無人搬送車11をより確実に検出することができる。例えば、第1無人搬送車11の近傍に第1無人搬送車11と同様の第3無人搬送車51が存在しても、第2無人搬送車12は第3無人搬送車51を追尾対象体として誤認識することなく追尾すべき第1無人搬送車11を検出して追尾走行することができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
○ 上記の実施形態では、第1移動体である第1無人搬送車と第2移動体である第2無人搬送車とは同一構成であったが、これに限らない。第1移動体と第2移動体とは互いに異なる構成としてもよい。また、第1移動体および第2移動体は、無人搬送車に限定されず、少なくとも、自走可能な移動体であればよい。
○ 上記の実施形態では、第1移動体や第2移動体の車体の前部には操舵輪が備えられ、車体の後部には左右一対の駆動輪が備えられるとしたが、この限りではない。第1移動体や第2移動体は、全方向移動輪や、クローラ等の車輪以外の駆動手段を備えるようにしてもよい。
○ 上記の実施形態では、検出部としての測域センサが、動体を検出する動体検出センサとしての機能と、第2移動体にとって障害となる障害物の位置や形状を検出する障害物センサとしての機能を備えるとしたが、この限りではない。動体を検出する動体検出センサと障害物センサをそれぞれ別に備えるようにしてもよい。
○ 上記の実施形態では、探索有効範囲は通信により取得される第1移動体の現在位置を中心とする所定半径の円形の範囲としたが、これに限らない。探索有効範囲は、通信により取得した第1移動体の現在位置を含む範囲であって、第2移動体の検出可能域内に設定される範囲であればよく、探索有効範囲の大きさや形は、第1移動体の大きさや形状等の条件によって適宜設定すればよい。
○ 第1移動体である第1無人搬送車と第2移動体である第2無人搬送車は、上位の管理システムと通信するとしたが、この限りではない。例えば、第1移動体と第2移動体が直接通信する構成であってもよい。
○ 上記の実施形態では、作業者を追尾する第1移動体を操作することにより、第2移動体を第1移動体へ向かわせて第1移動体を追尾走行する例について説明したが、これに限らない。例えば、第1移動体を追尾走行する第2移動体を操作することにより、作業者を追尾走行する第1移動体を作業者から切り離して指定の帰還位置に戻すとともに、第3移動体を呼び出して第3移動体が第2移動体を目指すようにしてもよい。この場合、第2移動体の追尾対象体は作業者となる。
11 第1無人搬送車(第1移動体としての)
12 第2無人搬送車(第2移動体としての)
13、33 車体
14、34 荷台
15、35 操舵輪
16、36 駆動輪
17、37 操舵機構
18、38 走行用モータ(走行駆動部としての)
19、39 コントローラ(制御部としての)
20、40 演算処理部
21、41 記憶部
22、42 操作パネル
23、43 呼出ボタン
24、44 通信装置
25、45 アンテナ
26、46 測域センサ(検出部としての)
R1 検出可能域
R2 検出可能域
E 探索有効範囲

Claims (2)

  1. 追尾対象体に対して追尾走行が可能な第1移動体と、
    自己位置に基づく自律走行が可能な第2移動体と、を備え、
    前記第2移動体は、
    走行駆動部と、
    前記走行駆動部を制御する制御部と、
    前記第1移動体を検出する検出部と、を備える移動体走行システムにおいて、
    前記制御部は、前記第1移動体の現在位置を取得し、
    前記第1移動体の現在位置が前記検出部の検出可能域内であるか否かを判別し、
    前記第1移動体の現在位置が検出可能域内であると判別するとき、前記検出部により動体を検出することが可能か否かを判別し、
    前記動体を検出したと判別するとき、前記動体を前記第1移動体と認識し、前記第1移動体を追尾走行するように前記走行駆動部を制御し、
    前記第1移動体の現在位置が検出可能域外であるとき、前記第1移動体の現在位置および前記第2移動体の自己位置に基づいて前記第1移動体を目指して自律走行するように前記走行駆動部を制御することを特徴とする移動体走行システム。
  2. 追尾対象体に対して追尾走行が可能な第1移動体と、
    自己位置に基づく自律走行が可能な第2移動体と、を備え、
    前記第2移動体は、
    走行駆動部と、
    前記走行駆動部を制御する制御部と、
    前記第1移動体を検出する検出部と、を備える移動体走行システムにおいて、
    前記制御部は、前記第1移動体の現在位置を取得し、
    前記第1移動体の現在位置が前記検出部の検出可能域内であるか否かを判別し、
    前記第1移動体の現在位置が検出可能域内であると判別するとき、前記検出部により動体を検出することが可能か否かを判別し、
    前記制御部は、動体を検出したと判別すると、
    前記動体の検出とともに取得される前記動体の検出位置と、前記第1移動体の現在位置と、を比較し、
    前記動体の検出位置が前記第1移動体の現在位置と略一致するとき、前記動体を前記第1移動体と認識して前記第1移動体を追尾走行するように前記走行駆動部を制御し、
    前記動体の検出位置が前記第1移動体の現在位置と略一致しないとき、前記第1移動体の現在位置および前記第2移動体の自己位置に基づいて前記第1移動体を目指して自律走行するように前記走行駆動部を制御することを特徴とする移動体走行システム。
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