JP7133957B2 - 記録装置及び吐出状態の判定方法 - Google Patents

記録装置及び吐出状態の判定方法 Download PDF

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Description

本発明は記録装置及び吐出状態の判定方法に関し、特に、例えば、複数の記録素子を備えた素子基板を組み込んだ記録ヘッドをインクジェット方式に従って記録を行うために適用した記録装置及び吐出状態の判定方法に関する。
ノズルからインク液滴を吐出させ、紙,プラスチックフィルムその他の記録媒体に付着させるインクジェット記録方式の中で、インクを吐出するために熱エネルギーを発生する記録素子を有する記録ヘッドを用いるものがある。この方式に従う記録ヘッドは、例えば、通電に応じて発熱する電気熱変換素子およびその駆動回路などを半導体製造工程と同様の工程を用いて形成できる。従って、ノズルの高密度実装が容易であり記録の高精細化が達成できるなどの利点を有する。
この記録ヘッドでは、異物や粘度が増加したインクなどによるノズルの目詰まり、インク供給経路やノズル内に混入した気泡、あるいはノズル表面の濡れ性の変化などの原因により、記録ヘッドの全部または一部のノズルでインク吐出不良が発生することがある。そのような吐出不良が発生した場合に生じる画像品位の低下を避けるために、インク吐出状態を回復させる回復動作や、他のノズルなどによる補完動作を速やかに実行することが好ましい。しかし、これらの動作を速やかに行うためには、インク吐出状態の判定やその吐出不良発生の判定を正確にかつ適時に行うことが極めて重要な課題となっている。
このような背景から、従来より、種々のインク吐出状態判定方法や補完記録方法やこれらを適用した装置が提案されている。
特許文献1は記録ヘッドからのインク吐出不良を検出するために、正常吐出時に生じる温度低下を検出する方法を開示している。特許文献1によれば、正常吐出時は検出温度が最高温度に到達した時刻から一定時間後に温度の降下速度が変化するポイント(特徴点)が出現するが、吐出不良時は出現しない。従って、この特徴点の有無を検知することで、インクの吐出状態を判定するのである。また、特許文献1は、温度検知素子をインク吐出熱エネルギーを発生させる記録素子の直下に備えた構成や、上記特徴点の有無を検知する方法として、その特徴点を温度変化の微分処理によりピーク値として検知する方法も開示している。
特開2008-000914号公報
さて、特許文献1が開示する吐出状態判定方法は、1つの記録素子の吐出状態判定に時間を要するため、記録ヘッドが備える記録素子数が多くなると吐出状態判定に要する時間が長くなる。特に、フルライン記録ヘッドのように実装する記録素子数が、シリアルプリンタに用いられる記録ヘッドの記録素子数と比べて、非常に多いため吐出状態判定に要する時間が非常に長くなるという課題がある。また、その判定精度を向上させるために、1つの記録素子に対して複数回の吐出状態判定を実行する際にも同様の課題が発生する。
さらに、吐出状態判定のために必要な判定閾値が記録素子毎に異なる場合は、記録素子毎に判定閾値を設定しながら検査する必要があるため、さらに検査時間が増大する。このように、吐出状態判定に要する時間が長くなると、その間は記録動作が実行できないため、ユーザにとっては待ち時間が長くなり、記録装置の使い勝手が低下してしまう。
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、高速にインク吐出状態を判定することが可能な記録装置及び吐出状態の判定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の記録装置は次のような構成からなる。
即ち、インクを吐出する複数のノズルと、該複数のノズルおのおのに設けられインクを加熱する複数のヒータと、該複数のヒータおのおのに対応して設けられた複数の温度検知素子とを備えた記録ヘッドを用いて記録媒体に記録を行う記録装置であって、前記複数のヒータを物理的に近接している複数のグループに分割し、該複数のグループそれぞれからインクの吐出状態を検査する対象となるノズルを1つ選択する選択手段と、前記温度検知素子から得られる温度の時間変化値と比較することにより前記選択手段によって選択されたノズルのインク吐出状態を判断するための閾値を設定する設定手段と、前記閾値の値を変化させながら、前記記録ヘッドインクの吐出状態を検査する検査手段と、前記検査手段によって選択されたノズルについて前記閾値を用いてインクの吐出状態を検査して得られた判定結果を前記記録ヘッドから受信する受信手段と、前記受信手段により受信した判定結果の結果を記憶する記憶手段と、前記複数のヒータを複数のブロックに分割し、各ブロックを時分割駆動する時分割駆動手段と、を有し、前記選択手段で検査のために選択されるノズルは、前記時分割駆動においてブロック駆動順番が同じではないノズルであることを特徴とする。
また本発明を別の側面から見れば、インクを吐出する複数のノズルと、該複数のノズルおのおのに設けられインクを加熱する複数のヒータと、該複数のヒータおのおのに対応して設けられた複数の温度検知素子とを備えた記録ヘッドを用いて記録媒体に記録を行う記録装置における吐出状態の判定方法であって、前記複数のヒータを物理的に近接している複数のグループに分割し、該複数のグループそれぞれからインクの吐出状態を検査する対象となるノズルを1つ選択する選択工程と前記温度検知素子から得られる温度の時間変化値と比較することにより前記選択工程において選択されたノズルのインク吐出状態を判断するための閾値を設定する設定工程と前記閾値の値を変化させながら、前記記録ヘッドインクの吐出状態を検査する検査工程と、前記検査工程において選択されたノズルについて前記閾値を用いてインクの吐出状態を検査して得られた判定結果を前記記録ヘッドから受信する受信工程と、前記受信工程において受信した判定結果の結果をメモリに記憶する記憶工程と、前記複数のヒータを複数のブロックに分割し、各ブロックを時分割駆動する時分割駆動工程と、を有し、前記選択工程において検査のために選択されるノズルは、前記時分割駆動においてブロック駆動順番が同じではないノズルであることを特徴とする。

本発明によれば、高速にインク吐出状態を判定することができるという効果がある。
本発明の代表的な実施例であるフルライン記録ヘッドを備えた記録装置の構造を説明するための斜視図である。 図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。 シリコン基板に形成された記録素子近傍の多層配線構造を示す図である。 図3に示す素子基板を用いた温度検知の制御構成を表すブロック図である。 記録素子に駆動パルスを印加したときの、温度検知素子から出力される温度波形とその波形の温度変化信号を表した図である。 温度検知素子が検知した温度波形信号に基づく温度変化信号(dT/dt)の波形を示す図である。 吐出状態判定を実行する際の検査ノズル設定と吐出検査閾値電圧の設定の方法を説明する図である。 吐出状態判定を実行する際の検査ノズル設定及び吐出検査閾値電圧の設定の処理を示すフローチャートである。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施例について、さらに具体的かつ詳細に説明する。
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わない。また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきものである。従って、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
またさらに、「ノズル」とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路であり、および「記録素子は」吐出口に対応して設けられ、インク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子をを指すものとして用いる。例えば、吐出口と対向する位置に記録素子が設けられることがある。
以下に用いる記録ヘッド用の素子基板(ヘッド基板)とは、シリコン半導体からなる単なる基体を指し示すものではなく、各素子や配線等が設けられた構成を差し示すものである。
さらに、基板上とは、単に素子基板の上を指し示すだけでなく、素子基板の表面、表面近傍の素子基板内部側をも示すものである。また、本発明でいう「作り込み(built-in)」とは、別体の各素子を単に基体表面上に別体として配置することを指し示している言葉ではなく、各素子を半導体回路の製造工程等によって素子板上に一体的に形成、製造することを示すものである。
<フルライン記録ヘッドを搭載した記録装置(図1)>
図1は本発明の代表的な実施例であるインクを吐出して記録を行うフルライン記録ヘッドを用いた記録装置1000の概略構成を示した図である。
図1に示されるように、記録装置1000は、記録媒体2を搬送する搬送部1と、記録媒体2の搬送方向と略直交して配置されるフルライン記録ヘッド3とを備え、複数の記録媒体2を連続的又は間欠的に搬送しながら連続記録を行うライン型記録装置である。フルライン記録ヘッド3は記録媒体の搬送方向と交差する方向に並ぶインクの吐出口を備えている。フルライン記録ヘッド3には、インク経路内の圧力(負圧)を制御する負圧制御ユニット230と、負圧制御ユニット230と連通した液体供給ユニット220と、液体供給ユニット220へのインクの供給及び排出口となる液体接続部111とを設ける。
筺体80には、負圧制御ユニット230と液体供給ユニット220と液体接続部111とが備えられる。
なお、記録媒体2は、カットシートに限らず、連続したロールシートであっても良い。
フルライン記録ヘッド(以下、記録ヘッド)3は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)のインクによるフルカラー記録が可能である。記録ヘッド3に対しては、インクを記録ヘッド3へ供給する供給路である液体供給ユニット220と、メインタンクが接続される。また、記録ヘッド3には、記録ヘッド3へ電力および吐出制御信号を伝送する電気制御部(不図示)が電気的に接続される。
また、記録媒体2はその搬送方向に長さFの距離だけ離して設けられた2つの搬送ローラ81、82を回転することにより搬送される。
この実施例の記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット方式を採用している。このため、記録ヘッド3の各吐出口には電気熱変換素子(ヒータ)を備えている。この電気熱変換素子は各吐出口のそれぞれに対応して設けられ、記録信号に応じて対応する電気熱変換素子にパルス電圧を印加することによって対応する吐出口からインクを加熱して吐出する。なお、記録装置は、上述した記録媒体の幅に相当する記録幅をもつフルライン記録ヘッドを用いた記録装置に限定するものではない。例えば、記録媒体の搬送方向に吐出口を配列した記録ヘッドをキャリッジに搭載に、そのキャリッジを往復走査しながらインクを記録媒体に吐出して記録を行ういわゆるシリアルタイプの記録装置にも適用できる。
<制御構成の説明(図2)>
図2は記録装置1000の制御回路の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、記録装置1000は、主に記録部を統括するプリントエンジンユニット417と、スキャナ部を統括するスキャナエンジンユニット411と、記録装置1000の全体を統括するコントローラユニット410によって構成されている。MPUや不揮発性メモリ(EEPROMなど)を内蔵したプリントコントローラ419は、コントローラユニット410のメインコントローラ401の指示に従ってプリントエンジンユニット417の各種機構を制御する。スキャナエンジンユニット411の各種機構は、コントローラユニット410のメインコントローラ401によって制御される。
以下、制御構成の詳細について説明する。
コントローラユニット410において、CPUにより構成されるメインコントローラ401は、ROM407に格納されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM406を作業領域としながら記録装置1000の全体を制御する。例えば、ホストI/F402またはワイヤレスI/F403を介してホスト装置400から印刷ジョブが入力されると、メインコントローラ401の指示に従って、画像処理部408は受信した画像データに対して所定の画像処理を施す。そして、メインコントローラ401はプリントエンジンI/F405を介して、画像処理を施した画像データをプリントエンジンユニット417へ送信する。
なお、記録装置1000は無線通信や有線通信を介してホスト装置400から画像データを取得しても良いし、記録装置1000に接続された外部記憶装置(USBメモリ等)から画像データを取得しても良い。無線通信や有線通信に利用される通信方式は限定されない。例えば、無線通信に利用される通信方式として、Wi-Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)やBluetooth(登録商標)が適用可能である。また、有線通信に利用される通信方式としては、USB(Universal Serial Bus)等が適用可能である。また、例えば、ホスト装置400から読取命令が入力されると、メインコントローラ401は、スキャナエンジンI/F409を介してこの命令をスキャナエンジンユニット411に送信する。
操作パネル404は、ユーザが記録装置1000に対して入出力を行うためのユニットである。ユーザは、操作パネル404を介してコピーやスキャン等の動作を指示したり、記録モードを設定したり、記録装置1000の情報を認識したりすることができる。
プリントエンジンユニット417では、CPUにより構成されるプリントコントローラ419は、ROM420に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM421を作業領域とし、プリントエンジンユニット417の各種機構を制御する。
コントローラI/F418を介して各種コマンドや画像データが受信されると、プリントコントローラ419は、これを一旦RAM421に保存する。記録ヘッド3が記録動作に利用できるように、プリントコントローラ419は画像処理コントローラ422に、保存した画像データは記録データへ変換される。記録データが生成されると、プリントコントローラ419は、ヘッドI/F427を介して記録ヘッド3に記録データに基づく記録動作を実行させる。この際、プリントコントローラ419は、搬送制御部426を介して搬送ローラ81、82を駆動して、記録媒体2を搬送する。プリントコントローラ419の指示に従って、記録媒体2の搬送動作に連動して記録ヘッド3による記録動作が実行され、記録処理が行われる。
ヘッドキャリッジ制御部425は、記録装置1000のメンテナンス状態や記録状態といった動作状態に応じて記録ヘッド3の向きや位置を変更する。インク供給制御部424は、記録ヘッド3へ供給されるインクの圧力が適切な範囲に収まるように、液体供給ユニット220を制御する。メンテナンス制御部423は、記録ヘッド3に対するメンテナンス動作を行う際に、メンテナンスユニット(不図示)におけるキャップユニットやワイピングユニットの動作を制御する。
スキャナエンジンユニット411においては、メインコントローラ401が、ROM407に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM406を作業領域としながら、スキャナコントローラ415のハードウェア資源を制御する。これにより、スキャナエンジンユニット411が備える各種機構は制御される。例えば、コントローラI/F414を介してメインコントローラ401がスキャナコントローラ415内のハードウェア資源を制御して、ユーザによってADF(不図示)に積載された原稿を搬送制御部413を介して搬送し、センサ416によって読取る。そして、スキャナコントローラ415は読取った画像データをRAM412に保存する。
なお、プリントコントローラ419は、上述のように取得された画像データを記録データに変換することで、記録ヘッド3にスキャナコントローラ415で読取った画像データに基づく記録動作を実行させることが可能である。
<温度検知素子の構成の説明(図3)>
図3はシリコン基板に形成された記録素子近傍の多層配線構造を示す図である。
図3(a)は温度検知素子306を記録素子309の下層に層間絶縁膜307を介してシート状に配置した上面図である。図3(b)は図3(a)に示した上面図における破線x-x’に沿った断面図であり、図3(c)は図3(a)に示した破線y-y’に沿った断面図である。
図3(b)に示すx-x’断面図と図3(c)に示すy-y’断面図において、シリコン基板上に積層した絶縁膜302の上にアルミニウム等からなる配線303が形成され、さらに配線303の上に層間絶縁膜304が形成される。配線303と、チタン及び窒化チタン積層膜等からなる薄膜抵抗体の温度検知素子306とが層間絶縁膜304に埋め込まれたタングステン等からなる導電プラグ305を介して電気的に接続される。
次に、温度検知素子306の下側に層間絶縁膜307が形成される。そして、配線303と、タンタル窒化珪素膜等からなる発熱抵抗体の記録素子309とが、層間絶縁膜304及び層間絶縁膜307を貫通するタングステン等からなる導電プラグ308を介して電気的に接続される。
なお、下層の導電プラグと上層の導電プラグを接続する際は、中間の配線層からなるスペーサを挟んで接続されるのが一般的である。この実施例に適用する場合、中間の配線層となる温度検知素子の膜厚が数10nm程度の薄膜のため、ビアホール工程の際、スペーサとなる温度検知素子膜に対するオーバエッチ制御の精度が求められる。また、温度検知素子層のパターンの微細化に不利にもなる。このような事情を鑑み、この実施例では層間絶縁膜304及び層間絶縁膜307を貫通させた導電プラグを採用している。
また、プラグの深さに応じて導通の信頼性を確保するために、この実施例では層間絶縁膜が一層の導電プラグ305は口径0.4μmとし、層間絶縁膜が二層を貫通する導電プラグ308ではより大きい口径0.6μmにしている。
次に、シリコン窒化膜などの保護膜310、そして保護膜310の上にタンタルなどの耐キャビテーション膜311を形成してヘッド基板(素子基板)となる。さらに、感光樹脂等からなるノズル形成材312で吐出口313が形成される。
このように、配線303の層と記録素子309の層の中間に独立した温度検知素子306の中間層を設けた多層配線構造としている。
以上の構成から、この実施例で用いる素子基板では記録素子ごとに各記録素子に対応して設けられた温度検知素子により温度情報を得ることが可能になる。
そして、その温度検知素子により検知された温度情報とその温度変化とから、素子基板の内部に設けられた論理回路(検査部)により対応する記録素子からのインク吐出状態を示す判定結果信号RSLTを得ることができる。判定結果信号RSLTは1ビットの信号であり、“1”が吐出正常を示し、“0”が吐出不良を示す。
<温度検知構成の説明(図4)>
図4は図3に示す素子基板を用いた温度検知の制御構成を表すブロック図である。
図4に示すように、プリントエンジンユニット417は、素子基板5に実装された記録素子の温度を検知するために、MPUを内蔵したプリントコントローラ419と、記録ヘッド3と接続するヘッドI/F427と、RAM421とを備える。また、ヘッドI/F427は素子基板5に送信するための種々の信号を生成する信号生成部7と、温度検知素子306が検出した温度情報に基いて素子基板5から出力される判定結果信号RSLTを入力する判定結果抽出部9とを含む。
温度検知のため、プリントコントローラ419が信号生成部7に指示を発行すると、信号生成部7は素子基板5に対して、クロック信号CLK、ラッチ信号LT、ブロック信号BLE、記録データ信号DATA、ヒートイネーブル信号HEを出力する。信号生成部7は更に、センサ選択信号SDATA、定電流信号Diref、吐出検査閾値信号Ddthを出力する。
吐出検査閾値信号Ddthは、記録ヘッド3に実装される複数の記録素子を、互いに近傍に位置する複数の記録素子からなる複数のグループに分割した記録素子群に対して閾値を設定可能であり、1カラム周期で設定値を変更可能な構成となっている。この実施例では、このグループを吐出検査閾値設定グループと呼ぶ。ここでは、説明を簡単にするために記録ヘッド3に実装される記録素子数を256個とし、互いに近傍に位置する記録素子16個ずつの16グループ毎に吐出検査閾値電圧(TH)を設定可能な構成として説明する。
なお、全ての記録素子に対して固有の吐出検査閾値電圧を設定可能な構成や、1ラッチ毎に設定値を変更可能な構成も考えられるが、このような構成では、ヘッドI/F427の回路規模が増大し、大幅なコストアップは避けられない。このため、この実施例では、各グループごとに吐出検査閾値電圧(TH)を設定可能な構成を採用している。
センサ選択信号SDATAは、温度情報を検出する温度検知素子を選択する選択情報と選択された温度検知素子への通電量指定情報、判定結果信号RSLTの出力指示に関わる情報を含む。例えば、素子基板5が複数の記録素子からなる記録素子列を5列、実装する構成である場合、センサ選択信号SDATAに含まれる選択情報は列を指定する列選択情報とその列の記録素子を指定する記録素子選択情報とを含む。一方、素子基板5からはセンサ選択信号SDATAにより指定された列の1つの記録素子に対応する温度検知素子により検知された温度情報に基づく1ビットの判定結果信号RSLTが出力される。
なお、この実施例では5列分の記録素子あたり、1ビットの判定結果信号RSLTが出力される構成を採用している。従って、素子基板5が記録素子列を10列分、実装する構成では判定結果信号RSLTは2ビットとなり、この2ビット信号が1本の信号線を介してシリアルに判定結果抽出部9へと出力される。
図4から分かるように、ラッチ信号LT、ブロック信号BLE、センサ選択信号SDATAは判定結果抽出部9にフィードバックされる。一方、判定結果抽出部9は、温度検知素子が検出した温度情報に基いて素子基板5から出力される判定結果信号RSLTを受信し、ラッチ信号LTの立下りと同期して各ラッチ期間に判定結果を抽出する。そして、その判定結果が吐出不良だった場合に、判定結果に対応するブロック信号BLE、センサ選択信号SDATAをRAM421に格納する。
そして、プリントコントローラ419は、RAM421に格納された吐出不良ノズルを駆動するために用いたブロック信号BLE、センサ選択信号SDATAに基づいて、該当ブロックの記録データ信号DATAから吐出不良ノズルに対する信号を消去する。そして、代わりに不吐補完用のノズルを該当ブロックの記録データ信号DATAに追加して、信号生成部7に出力する。
<吐出状態の判定方法の説明(図5)>
図5は記録素子に駆動パルスを印加したときの、温度検知素子から出力される温度波形(センサ温度:T)とその波形の温度変化信号(dT/dt)を表した図である。
なお、図5では温度波形(センサ温度:T)は温度(℃)で示されているが、実際には温度検知素子に定電流が供給され、温度検知素子の端子間電圧(V)が検出される。この検出電圧は温度依存性があるので、図5には検出電圧を温度に変換して温度として表記されている。また、温度変化信号(dT/dt)は検出電圧の時間変化(mV/sec)として表記されている。
図5に示すように、記録素子309に駆動パルス211を印加するとインクが正常に吐出される場合(正常吐出)、温度検知素子306の出力波形は波形201のようになる。波形201が示す温度検知素子306により検知される温度の降温過程において、正常吐出時に記録素子309の界面に吐出されたインク液滴の尾引(サテライト)が落下して界面が冷却されることにより特徴点209が出現する。そして、特徴点209以降で波形201は降温速度が急激に増大する。これに対して、吐出不良の場合、温度検知素子306の出力波形は波形202のようになり、正常吐出時の波形201のように特徴点209は現れず、降温過程において降温速度は徐々に低下していく。
図5の一番下は、温度変化信号(dT/dt)を示しており、温度検知素子の出力波形201、202を温度変化信号(dT/dt)に処理した後の波形を波形203、204とする。この時の温度変化信号への変換方法はシステムに応じて適切に選択される。この実施例における温度変化信号(dT/dt)は、温度波形をフィルタ回路(この構成では1回微分)と反転アンプを通した後に出力される波形である。
さて、波形203には、波形201の特徴点209以降の最大降温速度に起因するピーク210が出現する。波形(dT/dt)203は、素子基板5に実装されたコンパレータに予め設定された吐出検査閾値電圧(TH)と比較され、吐出検査閾値電圧(TH)を上回る区間(dT/dt≧TH)で正常吐出であることを示すパルスが判定信号(CMP)213に現れる。
一方、波形202には特徴点209が現れないため降温速度も低く、波形204に現れるピークは吐出検査閾値電圧(TH)よりも低くなる。波形(dT/dt)202も、素子基板5に実装されたコンパレータに予め設定している吐出検査閾値電圧(TH)と比較される。そして、吐出検査閾値電圧(TH)を下回る区間(dT/dt<TH)では、パルスが判定信号213には現れない。
従って、この判定信号(CMP)を取得することで各ノズルの吐出状態を把握することが可能となる。この判定信号(CMP)が上述した判定結果信号RSLTになる。
<ブロック駆動順番の説明(図6)>
記録装置1000が用いる記録ヘッド3は記録素子数を増やして、記録ヘッド3の駆動周期を短くして、記録速度の高速化を図っている。このような記録ヘッドにおいて、全ての記録素子309を同時駆動すると消費電力が一時的に増大するので、これに対応するためには電源容量を大きくすることが必要になる。しかしながら、電源容量を大きくすることは、記録装置のコスト上昇につながるため、その対応策として、記録素子の駆動を時分割駆動として、同時駆動する記録素子数を削減して、瞬間的な電力消費が増大するのを抑制している。時分割駆動では、複数の記録素子を複数のブロックに分割し、あるタイミングでは各ブロックに含まれる記録素子の同時駆動数を最大で1として、分割されたブロック毎の記録素子を一定の順序に従って駆動する。このようにして、その駆動順序が一巡したときに全ての記録素子が駆動されるのである。
図6は素子基板に組み込まれた時分割駆動の制御構成を示すブロック図である。図6に示す駆動回路では、記録ヘッド3が255個の記録素子(Seg0~Seg255)を備え、これらを16個ずつの16個のブロックに分割して時分割駆動する構成を採用している。
この構成によれば、各ブロック毎に16個の記録素子が駆動される。例えば、ブロック駆動順番を0、1、2、……、13、14、15のように設定した場合は、4ビットのブロックイネーブル信号BEによって、ブロック0から15まで16個のブロックを順番に指定して駆動する。このブロック駆動順番は任意の順番に設定することが可能であり、システムに応じて適切に設定される。
記録データ信号DATAはクロック信号CLKに同期して、記録ヘッド3の素子基板5にシリアル転送される。記録データ信号DATAは16ビットシフトレジスタ321で受信された後、ラッチ信号LTの立ち上がりでラッチ回路322にラッチされる。駆動対象のブロックは、4本線のブロックイネーブル信号BEによって指定され、その指定信号はデコーダ324にて展開され、駆動対象としての指定ブロックの記録素子309を選択する。記録素子(Seg0~Seg255)は、256個のノズルのそれぞれにおける記録素子309に相当する。
図6の構成から分かるように、ブロックイネーブル信号BEと記録データ信号DATAの両方によって指定された記録素子のみがヒートイネーブル信号HEによって駆動され、対応するノズルからインク滴が吐出される。具体的には、各記録素子に対応して備えられたAND回路323に、記録データ信号DATAとデコードされたブロックイネーブル信号BEと、ラッチ信号LTが入力されたタイミングでヒートイネーブル信号HEが入力される。そして、これらの論理積がAND回路で演算され、その演算結果が記録素子309に出力される。より詳細には、ヒートイネーブル信号HEはインバータ回路325のその値が反転され、その反転されたヒートイネーブル信号HEとラッチ信号LTがAND回路326で論理積が演算され、その演算結果がAND回路323に入力される。
なお、図6では、記録素子309毎の駆動トランジスタの図示は省略している。
次に、以上の構成の記録装置において、記録ヘッドの吐出状態判定をより高速に実行できる実施例について説明する。
図7は、吐出状態判定を実行する際の検査ノズル設定と吐出検査閾値電圧の設定の方法を説明する図である。
図7において、(a)は検査対象ノズルの設定方法を模式的に示している。各カラム番号のノズルセットに設定されているノズル番号は、互いに同じではないブロック駆動順番が指定されているノズル、かつ、互いに同じではない吐出検査閾値設定グループに属するノズルである必要がある。また、ここでいうカラムとは次のように定義される。
この実施例における記録ヘッドは、複数の記録素子を複数のブロックに分割し、各ブロックを時分割駆動して記録を行う。また、複数の記録素子において、互いに物理的に近接する複数の記録素子をグループといい複数の記録素子は複数のブロックにも分割される。一つのグループは記録素子の配列方向に連続して配置される所定数の記録素子で構成され、図7に示す例では1グループ当りの記録素子の数は16個である。時分割駆動では、時分割の各ブロックでは全てのグループおのおので最大1つの記録素子が選択されて駆動される。そして、ブロック全ての駆動が完了すると全ての記録素子に対して1つの駆動機会が与えられることになる。時分割駆動では全ての記録素子に対して1つの駆動機会が与えられる期間が駆動周期であり、その1駆動周期での記録が1カラムである。
図7(a)によれば、第1カラムの検査ノズルはSeg0、Seg17、……、Seg255となり、同時に各ノズルに対応した吐出検査閾値電圧を吐出検査閾値グループ毎に設定する。以降のカラムも同様に検査ノズルセットを設定し、設定されたノズルに対応した吐出検査閾値電圧を吐出検査閾値グループ毎に設定する。
また、図7において、(b)は16カラム分(カラム番号0~15)の検査対象ノズルのノズルセットの例を示している。この例では、1カラムに16個のノズルを指定しており、この検査対象ノズルセットに従い、16カラム分検査することで全ノズルを検査することができる。この検査ノズルセットは、この実施例を説明するための一例であり、総ノズル数やブロック分割数、吐出検査閾値設定グループ数に応じて適切に設定すべきものである。
図7に示した方法から分かるように、吐出検査閾値電圧は各グループの記録素子に対して共通に設定される。各グループの記録素子は素子基板上では互いに近接しているので、半導体製造工程を用いて製造される素子基板上で、近接している記録素子や温度検知素子の特性も類似していると考えられる。従って、各グループの記録素子に対して共通に吐出検査閾値電圧が設定されても十分に高い信頼性を確保できる。
なお、図7では第1カラムから第16カラムまでの検査を行う構成を図示しているが、この検査は連続するタイミングで実行しなくとも良く、各カラムの検査を離散的な別のタイミングで実行しても良い。この実施例によれば、少なくとも1カラム分の検査を終了すれば、記録ヘッドの全てのノズルに対する吐出状態判定を適切な閾値を用いて実行することができる。そして、記録動作の進行に伴って、離散的に16カラム分の検査を実行し、全てのノズルに対する吐出状態の判定を行えば良い。
図8は吐出状態判定を実行する際の検査ノズル設定及び吐出検査閾値電圧の設定の処理を示すフローチャートである。
まずステップS110では、検査対象カラムとしてカラム順番0(column=0)のノズルセットを設定する。次にステップS120では、設定された検査対象ノズルセットに対応する吐出判定閾値を、各吐出検査閾値設定グループに設定する。なお、各グループの吐出検査閾値電圧はEEPROMに格納されている。
さらにステップS130では、予め設定されたブロック駆動順番に従って各記録素子を駆動する。なお、最初に駆動されるのはブロック駆動順番0(blk=0)が設定されたノズルである。そして、ステップS140では、素子基板内で吐出状態の判定処理がなされ、判定結果信号RSLTを受信し、これをRAM421に、最終的にはEEPROMに格納する。
ステップS150では、全てのブロックに対する検査を終了したかどうかを調べ、未終了であれば、処理はステップS160に進み、次のブロック駆動順番(blk=blk+1)を設定する。そして、処理はステップS130に戻る。これに対して、全てのブロック駆動が終了(blk=15)したと判断されれば、処理はステップS170に進む。
なお、この時点で各グループに共通の吐出検査閾値電圧が設定されるので、別のカラムの検査は連続して実行する必要はなく、別のタイミングで行っても良い。
ステップS170では、全てのカラムに対する検査が終了したかどうかを調べ、未終了であれば、処理はステップS180に進み、次の処理対象のカラムを設定する(column=column+1)。その後、処理はステップS110に戻る。これに対して、すべてのカラム順番(column=0~15)の検査ノズルセットに対する検査が終われば処理終了となる。
従って以上説明した実施例に従えば、検査対象ノズルが多い場合や複数回繰返し吐出状態判定を実行する必要がある場合にも効率的に吐出検査を実行でき、吐出状態判定に要する時間を大幅に短縮することが可能となる。
1 搬送部、2 記録媒体、3 記録ヘッド、5 素子基板、7 信号生成部、
9 判定結果抽出部、1000 インクジェット記録装置

Claims (20)

  1. インクを吐出する複数のノズルと、該複数のノズルおのおのに設けられインクを加熱する複数のヒータと、該複数のヒータおのおのに対応して設けられた複数の温度検知素子とを備えた記録ヘッドを用いて記録媒体に記録を行う記録装置であって、
    前記複数のヒータを物理的に近接している複数のグループに分割し、該複数のグループそれぞれからインクの吐出状態を検査する対象となるノズルを1つ選択する選択手段と、
    前記温度検知素子から得られる温度の時間変化値と比較することにより前記選択手段によって選択されたノズルのインク吐出状態を判断するための閾値を設定する設定手段と、
    前記閾値の値を変化させながら、前記記録ヘッドインクの吐出状態を検査する検査手段と、
    前記検査手段によって選択されたノズルについて前記閾値を用いてインクの吐出状態を検査して得られた判定結果を前記記録ヘッドから受信する受信手段と、
    前記受信手段により受信した判定結果の結果を記憶する記憶手段と
    前記複数のヒータを複数のブロックに分割し、各ブロックを時分割駆動する時分割駆動手段と、を有し、
    前記選択手段で検査のために選択されるノズルは、前記時分割駆動においてブロック駆動順番が同じではないノズルであることを特徴とする記録装置。
  2. 前記検査手段では、少なくとも前記時分割駆動における全てのブロックに対して検査を行うことを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  3. 前記検査手段では、記録動作の進行に伴って、全てのノズルに対するインクの吐出状態の検査を行うことを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  4. 前記選択手段は、前記複数のヒータのうち、物理的に近接している複数のヒータを1つのグループとして複数のグループに分割することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記録装置。
  5. 前記選択手段が選択したインクの吐出状態を検査する対象となるノズルを示す選択信号と、前記選択手段が選択したノズルについて前記設定手段が設定した前記閾値を示す検査閾値信号とを生成する信号生成手段を含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の記録装置。
  6. 前記検査手段による1回の検査で前記選択された1つのノズルからのインクの吐出状態が検査されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の記録装置。
  7. 前記記録ヘッドは、前記複数の温度検知素子を用いて前記複数のノズルのインク吐出状態を検査する検査部を備え、
    前記検査部は、前記複数のノズルから前記選択信号により選択されたノズルに設けられるヒータに対応する温度検知素子から得られるノズルの吐出状態を示す温度情報と、前記検査閾値信号が示す閾値とを比較し、該比較の結果に基づいて、前記選択されたノズルの吐出状態を判定することを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  8. 前記検査手段は、前記記録ヘッドに設けられた回路であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の記録装置。
  9. 前記ヒータは、前記ヒータに加えられた電力を熱エネルギーに変換する電気熱変換素子であることを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  10. 前記記録ヘッドは前記記録媒体の幅に相当する記録幅をもつフルライン記録ヘッドであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の記録装置。
  11. インクを吐出する複数のノズルと、該複数のノズルおのおのに設けられインクを加熱する複数のヒータと、該複数のヒータおのおのに対応して設けられた複数の温度検知素子とを備えた記録ヘッドを用いて記録媒体に記録を行う記録装置における吐出状態の判定方法であって、
    前記複数のヒータを物理的に近接している複数のグループに分割し、該複数のグループそれぞれからインクの吐出状態を検査する対象となるノズルを1つ選択する選択工程と、
    前記温度検知素子から得られる温度の時間変化値と比較することにより前記選択工程において選択されたノズルのインク吐出状態を判断するための閾値を設定する設定工程と、
    前記閾値の値を変化させながら、前記記録ヘッドインクの吐出状態を検査する検査工程と、
    前記検査工程において選択されたノズルについて前記閾値を用いてインクの吐出状態を検査して得られた判定結果を前記記録ヘッドから受信する受信工程と、
    前記受信工程において受信した判定結果の結果をメモリに記憶する記憶工程と
    前記複数のヒータを複数のブロックに分割し、各ブロックを時分割駆動する時分割駆動工程と、を有し、
    前記選択工程において検査のために選択されるノズルは、前記時分割駆動においてブロック駆動順番が同じではないノズルであることを特徴とする吐出状態の判定方法。
  12. 前記検査工程において、少なくとも前記時分割駆動における全てのブロックに対して検査を行うことを特徴とする請求項11に記載の吐出状態の判定方法。
  13. 前記検査工程において、記録動作の進行に伴って、全てのノズルに対するインクの吐出状態の検査を行うことを特徴とする請求項12に記載の吐出状態の判定方法。
  14. 前記選択工程において、前記複数のヒータのうち、物理的に近接している複数のヒータを1つのグループとして複数のグループに分割することを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の吐出状態の判定方法。
  15. 前記選択工程において選択したインクの吐出状態を検査する対象となるノズルを示す選択信号と、前記選択工程において選択したノズルについて前記設定工程において設定した前記閾値を示す検査閾値信号とを生成する信号生成工程を含むことを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の吐出状態の判定方法。
  16. 前記検査工程における1回の検査で前記選択された1つのノズルからのインクの吐出状態が検査されることを特徴とする請求項11乃至15のいずれか1項に記載の吐出状態の判定方法。
  17. 前記記録ヘッドは、前記複数の温度検知素子を用いて前記複数のノズルのインク吐出状態を検査する検査部を備え、
    前記検査部は、前記複数のノズルから前記選択信号により選択されたノズルに設けられるヒータに対応する温度検知素子から得られるノズルの吐出状態を示す温度情報と、前記検査閾値信号が示す閾値とを比較し、該比較の結果に基づいて、前記選択されたノズルの吐出状態を判定することを特徴とする請求項15に記載の吐出状態の判定方法。
  18. 前記検査部は、前記記録ヘッドに設けられた回路であることを特徴とする請求項17に記載の吐出状態の判定方法。
  19. 前記ヒータは、前記ヒータに加えられた電力を熱エネルギーに変換する電気熱変換素子であることを特徴とする請求項18に記載の吐出状態の判定方法。
  20. 前記記録ヘッドは前記記録媒体の幅に相当する記録幅をもつフルライン記録ヘッドであることを特徴とする請求項11乃至19のいずれか1項に記載の吐出状態の判定方法。
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