以下、種々の例示的実施形態について説明する。
一つの例示的実施形態において、基板処理装置が提供される。基板処理装置は、基板保持部と、前記基板保持部に保持された基板を回転させる回転駆動部と、前記基板保持部に保持された前記基板の周縁部を洗浄するブラシ部と、前記基板に対する前記ブラシ部の相対位置を移動させる移動部と、を有する。前記ブラシ部は、前記基板の周方向に沿って設けられた複数の当接部において、前記基板に対して同時に当接して洗浄を行う。
上記の基板処理装置では、基板の周方向に沿って設けられた複数の当接部において、基板に対してブラシ部が同時に当接して、洗浄が行われる。そのため、複数の当接部において基板の洗浄が同時に行われるため、従来の基板洗浄と比較して、洗浄効率が高くなる。そのため、基板に係る洗浄処理時間の短縮が可能となる。
一つの例示的実施形態において、前記移動部は、前記複数の当接部のそれぞれにおける前記基板への前記ブラシ部の押圧力を調整する押圧調整部を有する態様とすることができる。
移動部が押圧調整部を有することにより、複数の当接部のそれぞれにおいて、ブラシ部の押圧力を、基板の洗浄に適した押圧力に調整することができる。したがって、洗浄効率がさらに高くなり、洗浄処理時間のさらなる短縮が可能となる。
一つの例示的実施形態において、前記移動部は、前記基板への前記ブラシ部の押圧力を計測する圧力計測部をさらに有し、前記押圧調整部は、前記圧力計測部での押圧力の計測結果に基づいて、前記ブラシ部の押圧力を調整する態様とすることができる。
圧力計測部での押圧力の計測結果に基づいて、移動部が当接部における押圧力を調整することにより、ブラシ部の押圧力の調整をより精度良く行うことができ、洗浄処理時間の短縮をより効果的に行うことができる。
一つの例示的実施形態において、前記移動部は、前記基板に対して前記ブラシ部を一体的に移動させるブラシ移動部を有する態様とすることができる。
ブラシ部を一体的に移動させるブラシ移動部を有することにより、ブラシ部を移動させるための動作機構を小型化することができる。
一つの例示的実施形態において、前記ブラシ部は、前記基板に対応した円弧状の内面を有している態様とすることができる。
基板に対応した円弧状の内面を有するブラシ部を用いることで、複数の当接部において基板に対して同時に当接して洗浄を行う構成をより簡単な構成により実現することができる。
一つの例示的実施形態において、前記ブラシ部は、少なくとも3つの円筒状のブラシにより構成される態様とすることができる。
少なくとも3つの円筒状のブラシによりブラシ部が構成されている場合、ウエハの洗浄効果が高められるとともに洗浄処理時間の短縮効果が高められる。
一つの例示的実施形態において、前記基板の外方で前記ブラシ部を待機させる待機部を有する態様とすることができる。
ブラシ部を待機させる待機部が基板の外方に設けられている場合、ブラシ部は、待機部と基板の洗浄位置との間を往復して基板の洗浄を行うことになるため、洗浄処理時間が長くなる可能性が高い。そのため、基板の周方向に沿って設けられた複数の当接部において、基板に対して同時に当接して洗浄を行う構成を有することで、洗浄処理時間の短縮効果が高くなる。
一つの例示的実施形態において、前記基板保持部に保持された基板に対して処理液を供給する処理液供給ノズルと、前記基板に供給された前記処理液を受けるカップと、をさらに有し、前記ブラシ部は、前記カップの内面に固定され、前記移動部は、前記カップを昇降させることで、前記ブラシ部を移動させる態様とすることができる。
カップの内面にブラシ部を固定し、カップの昇降によりブラシ部を移動させる構成とした場合、ブラシ部を移動させるための移動部をカップの昇降を行う駆動部とは別途設ける必要がなく、装置の小型化が実現し得る。
一つの例示的実施形態において、基板処理方法が提供される。基板処理方法は、基板保持部に保持された基板の周縁部を洗浄する基板処理方法であって、ブラシ部により、前記基板の周方向に沿って設けられた複数の当接部において、前記基板に対して同時に当接して洗浄を行う。
上記の基板処理方法では、基板の周方向に沿って設けられた複数の当接部において、基板に対してブラシ部が同時に当接して、洗浄が行われる。そのため、複数の当接部において基板の洗浄が同時に行われるため、従来の基板洗浄と比較して、洗浄効率が高くなる。そのため、基板に係る洗浄処理時間の短縮が可能となる。
一つの例示的実施形態において、記憶媒体が提供される。記憶媒体は、上記の基板液処理方法を装置に実行させるためのプログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。
この場合、上記の基板液処理方法と同様の作用効果を奏する。本明細書において、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、一時的でない有形の媒体(non-transitory computer recording medium)(例えば、各種の主記憶装置又は補助記憶装置)や、伝播信号(transitory computer recording medium)(例えば、ネットワークを介して提供可能なデータ信号)が含まれる。
以下、図面を参照して種々の例示的実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
[基板処理システムの構成]
図1は、本実施形態に係る基板処理システムの概略構成を示す図である。以下では、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
図1に示すように、基板処理システム1は、搬入出ステーション2と、処理ステーション3とを備える。搬入出ステーション2と処理ステーション3とは隣接して設けられる。
搬入出ステーション2は、キャリア載置部11と、搬送部12とを備える。キャリア載置部11には、複数枚の基板、本実施形態では半導体ウエハ(以下ウエハW)を水平状態で収容する複数のキャリアCが載置される。
搬送部12は、キャリア載置部11に隣接して設けられ、内部に基板搬送装置13と、受渡部14とを備える。基板搬送装置13は、ウエハWを保持するウエハ保持機構を備える。また、基板搬送装置13は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウエハ保持機構を用いてキャリアCと受渡部14との間でウエハWの搬送を行う。
処理ステーション3は、搬送部12に隣接して設けられる。処理ステーション3は、搬送部15と、複数の処理ユニット16とを備える。複数の処理ユニット16は、搬送部15の両側に並べて設けられる。
搬送部15は、内部に基板搬送装置17を備える。基板搬送装置17は、ウエハWを保持するウエハ保持機構を備える。また、基板搬送装置17は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウエハ保持機構を用いて受渡部14と処理ユニット16との間でウエハWの搬送を行う。
処理ユニット16は、後述する制御装置4の制御部18の制御に応じて、基板搬送装置17によって搬送されるウエハWに対して所定の基板処理を行う。
また、基板処理システム1は、制御装置4を備える。制御装置4は、たとえばコンピュータであり、制御部18と記憶部19とを備える。記憶部19には、基板処理システム1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部18は、記憶部19に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって基板処理システム1の動作を制御する。
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御装置4の記憶部19にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
上記のように構成された基板処理システム1では、まず、搬入出ステーション2の基板搬送装置13が、キャリア載置部11に載置されたキャリアCからウエハWを取り出し、取り出したウエハWを受渡部14に載置する。受渡部14に載置されたウエハWは、処理ステーション3の基板搬送装置17によって受渡部14から取り出されて、処理ユニット16へ搬入される。
処理ユニット16へ搬入されたウエハWは、処理ユニット16によって処理された後、基板搬送装置17によって処理ユニット16から搬出されて、受渡部14に載置される。そして、受渡部14に載置された処理済のウエハWは、基板搬送装置13によってキャリア載置部11のキャリアCへ戻される。
[基板処理装置の構成]
続いて、図2を参照して、基板処理システム1が含む基板処理装置10の構成を説明する。基板処理装置10は、基板処理システム1の処理ユニット16に含まれる。
この基板処理装置10は、チャンバ21を有する。チャンバ21の中には、被洗浄基板であるウエハWを水平状態で真空吸着により吸着保持するためのスピンチャック22が設けられる。スピンチャック22は、軸22aを介してチャンバ21の下方に設けられたモータ23により回転可能となっている。また、チャンバ21内には、スピンチャック22に保持されたウエハWを覆うようにカップ24が設けられている。カップ24の底部には、排気および排液のための排気・排液管25が、チャンバ21の下方へ延びるように設けられている。チャンバ21の側壁には、ウエハWを搬入出するための搬入出口26が設けられている。なお、軸22aとカップ24の底部およびチャンバ21の底部との間には流体シール27が設けられている。
また、基板処理装置10は、洗浄液を供給する洗浄液供給機構30と、ウエハWの周縁部をブラシ洗浄する洗浄機構40とを有している。ウエハWの周縁部とは、ウエハWの端面と、ウエハWの表面および裏面のうち端面の近傍となる外周部分と、を含む領域を指す。
洗浄液供給機構30は、カップ24の上方に設けられた表面側洗浄液ノズル31aとスピンチャック22に保持されたウエハWの裏面側に設けられた裏面側洗浄液ノズル31bとを有する。表面側洗浄液ノズル31aおよび裏面側洗浄液ノズル31bは、基板に対して処理液としての洗浄液を供給する処理液供給ノズルである。表面側洗浄液ノズル31aおよび裏面側洗浄液ノズル31bには、それぞれ表面側洗浄液供給配管33aおよび裏面側洗浄液供給配管33bが接続されている。表面側洗浄液供給配管33aおよび裏面側洗浄液供給配管33bの他端は、共通の洗浄液供給部32に接続されている。洗浄液供給部32から表面側洗浄液供給配管33aを介して表面側洗浄液ノズル31aからウエハWの表面中心付近に洗浄液が供給されるとともに、裏面側洗浄液供給配管33bを介して裏面側洗浄液ノズル31bからウエハWの裏面に洗浄液が供給される。表面側洗浄液供給配管33aおよび裏面側洗浄液供給配管33bには、それぞれバルブ34a,34bが設けられる。洗浄液としては、純水や薬液等を用いることができる。
洗浄機構40は、ブラシ41と、支持部42と、回動アーム43と、シャフト部44と、回動・昇降部45と、を有する。ブラシ41は、ウエハWの周縁部を洗浄する。支持部42は、ブラシ41を支持する。回動アーム43は、ブラシ41を回動させる。シャフト部44は、回動アーム43の回動軸となる回動シャフトを内蔵する。回動・昇降部45は、回動シャフトを回転させて回動アーム43を回動させる回動機構および回動アーム43を昇降させる昇降機構を内蔵する。基板処理装置10では、ブラシ41がウエハWの洗浄処理を行うブラシ部として機能する。
支持部42は、鉛直方向に延在し、その下端にブラシ41が設けられている。回動アーム43は水平に延びる筒状であって、その先端部分に支持部42が回転可能に設けられている。回動アーム43および支持部42は、ブラシ部として機能するブラシ41の相対位置を移動させる移動部として機能する。
回動アーム43は水平方向に延在し、その先端部分に支持部42が回転可能に設けられている。また、回動・昇降部45は、回動機構としての回動用モータおよび昇降機構としての昇降用モータを有している。回動用モータおよび昇降用モータが個別に駆動することにより、回動アーム43は、回動可能および昇降可能とされている。回動機構により回動アーム43を回動させ、昇降機構により回動アーム43を昇降させることにより、ブラシ41をウエハWの端面に形成されたベベルB(図3(B)参照)を含む周縁部に対して所望の押しつけ力で押しつけることが可能とされている。
ブラシ41は、スポンジ状の樹脂、または、スポンジ状の樹脂と同様に液体を保持しやすく且つ変形可能な材料により構成される。具体的には、ブラシ41は、上述したようにスポンジ状の樹脂からなり、ポリビニルアルコール(PVA)を好適に用いることができる。ブラシ41に適用可能な他の樹脂としては、ポリエチレン(PE)を挙げることができる。
また、図3(A)に示すように、ブラシ41は、スピンチャック22上に吸着保持されるウエハWに対応した円弧状の内面41aを有している。ブラシ41の内面41aが、ウエハWに当接してウエハWを洗浄する当接部として機能する。図3(A)に示すブラシ41は、内面41aに対向する外面も円弧状とされているが、外面側の形状は特に限定されない。
図3(B)に示すように、ウエハWの洗浄時には、ブラシ41の内面41aがウエハWの端面に接触する。また、回動アーム43の移動により、ブラシ41をウエハW側へさらに移動させた場合、ブラシ41の内面41aが変形し、ブラシ41の内面41aがウエハWの表面および裏面の周縁部にも接触することになる。これにより、ブラシ41を利用して、ウエハWの端面、および、ウエハWの裏面の周縁部を洗浄することができる。洗浄液が供給されてブラシ41が膨潤した状態では、ウエハWに対して密着しやすく高い洗浄効果を得ることができる。
[基板処理方法]
次に、このような基板処理装置10によりウエハWの洗浄処理を行う処理動作(基板処理方法)について説明する。
まず、ブラシ41をウエハWの外方で待機させる。より具体的には、カップ24の外側でブラシ41を待機させる。すなわち、カップ24の外側がウエハWの待機部となる。待機部には、例えば、ブラシ41から落ちる液滴等を受け止める容器等が設けられていてもよい。
ブラシ41をウエハWの外側で待機させた状態で、チャンバ21にウエハWを搬入し、スピンチャック22にウエハWを保持させる。モータ23を駆動させてスピンチャック22とともにウエハWを所定の回転数で回転させ、洗浄液ノズル31(表面側洗浄液ノズル31aおよび裏面側洗浄液ノズル31b)から洗浄液を供給する。
次に、回動・昇降部45の昇降機構により回動アーム43の高さ調節をして、ブラシ41の内面41aがウエハWの高さとなるように移動する。さらに、回動機構により回動アーム43をスピンチャック22上のウエハWに向けて回動させ、ウエハWの端面を含む周縁部に対してブラシ41の内面41aを当接させる。この結果、ブラシ41の内面41aがウエハWの周縁部を洗浄する。ブラシ41をウエハWの周縁部に対してさらに近接させると、ブラシ41の内面41aは、ウエハWの端面だけでなく、表面および裏面の周縁部と接触する。そのため、ブラシ41により回転しているウエハWの端面と、表面および裏面の周縁部と、を洗浄することになる。洗浄液が供給される状態では、ブラシ41が膨潤し、回転しているウエハWの端面ならびに裏面および表面の周縁部を効果的に洗浄することができる。
このように、基板処理装置10のブラシ41の内面41aは、ウエハWに対応した円弧状とされている。そのため、ウエハWを洗浄する際には、内面41aとウエハWとの接点(当接部として機能する部分)はウエハの端面に沿った略帯状となる。すなわち、ブラシ41は、ウエハWの複数点(帯状の領域)において、ウエハWを同時に洗浄することになる。
[作用・効果]
基板処理装置10のブラシ41は、ウエハWに対して同時に当接して洗浄を行う領域(当接部)がウエハWの端面のうち周方向に沿って複数設けられる。そのため、ウエハWの洗浄処理時間を短縮することができる。
従来の基板処理装置では、ウエハWの端面の洗浄を行うブラシは円筒状であることが多く、回転するウエハWの端面のうち周方向に沿った1点において当接することが一般的である。基板処理装置では、ウエハWの洗浄時には少なくともウエハWが回転するため、1つの当接部においてブラシとウエハWとが当接して洗浄を行っているだけでも、ウエハWの端面を全周にわたって洗浄することができる。ただし、ウエハWとブラシとの当接部が1箇所のみである場合、ウエハWが1回転する間にウエハW端面の特定の領域がブラシに対して当接する回数は1回である。そのため、従来の構成では、洗浄を完了させるまでの所要時間の短縮化には限界があると考えられる。
また、ウエハWの洗浄を行うブラシは、使用しない間はウエハWに対して外方に設けられた待機部に移動して待機させる構成とされる場合がある。このような場合、ウエハW近傍の洗浄位置と、待機部との間でブラシを移動させるための時間が洗浄完了までの処理時間に含まれることから、処理時間がより長くなる可能性がある。
これに対して、本実施形態に係る基板処理装置10では、ウエハWに対して同時に当接して洗浄する点がウエハW端面の周方向に沿って複数設けられる。より具体的には、ブラシ41の場合には、内面41aとウエハWとの当接部が、ウエハWの周方向に沿って帯状に形成されている。この形状は、実質的にウエハWの周方向に沿って当接部が複数連続して設けられている状態である。すなわち、ウエハWの周方向に沿って設けられた複数の当接部において、ベベルBを含むウエハWの端面とブラシ41とが当接することになる。このような構成を有する場合、当接部が1箇所の場合と比較して、ウエハWが1回転する間にウエハWの端面とブラシ41とが接触する回数が増加する。したがって、従来の構成と比較して、ウエハWが1回転する間でのブラシ41による洗浄効果が高められるため、洗浄を完了させるまでの所要時間の短縮化が可能となる。また、待機部が設けられているため、従来の装置と同様にブラシ41の移動は発生するが、洗浄自体の所要時間が短くなるため、全体として処理時間の短縮化が実現される。
なお、ウエハWの周方向に沿って設けられた当接部の数は、例えば、平面視において確認することができる。例えば、図3(A)に示すように、ウエハWに対応した円弧状の内面を有するブラシ41は、平面視においてブラシ41の内面41aとウエハWとが当接する領域が連続して形成されている。このような場合、従来用いられている円筒状のブラシがウエハWを洗浄する場合に、ブラシがウエハWと当接する領域を1つの当接部として見た場合、複数の当接部に相当する領域においてブラシ41とウエハWとが当接している。このように、本実施形態では、従来用いられている円筒状のブラシがウエハWに対して当接して洗浄を行う場合に、ブラシがウエハWと当接する領域を1つの当接部として捉える。その上で、複数の当接部に対応する領域においてウエハWとブラシとが当接している場合に、複数の当接部において同時に当接している、という。
洗浄機構40のように、ウエハWに対応した円弧状の内面41aを有するブラシ41を用いる場合、複数の当接部において基板に対して同時に当接して洗浄を行う構成を1つのブラシにより、すなわち、簡単な構成によって実現することができる。したがって、基板処理装置の内部構成を複雑にすることなく、複数の当接部において基板に対して同時に当接して洗浄を行う構成を実現することができる。なお、ブラシ41は、内面41aがウエハWの円弧状に対応した形状となっているが、内面41aにおける当接部の長さ(周方向に沿った長さ)は、ウエハWの端面のうち中心角45°程度分に対応する長さとされている。ブラシ41の内面41aがウエハWの周縁部に対応した円弧状とされている場合、ブラシの内面41aにおける当接部の長さは、ウエハWの端面のうち中心角15°~60°分に対応する長さとすることができる。内面41aにおける当接部の長さを上記の範囲とすることで、ブラシ41によりウエハWの洗浄を行う際に、ブラシ41を好適に保持することができる。したがって、ブラシ41による洗浄効果が高められ、洗浄完了までの所要時間の短縮化が好適に行われる。ただし、内面41aにおける当接部の長さは上記の範囲より大きくしてもよいし、上記の範囲より小さくしてもよい。
また、ブラシ41のように、上下方向(Z方向・高さ方向:ウエハWの表面の延在面に対して直交する方向)に沿って平坦である場合、ブラシ41の内面41aとウエハWとの当接位置を上下方向に変更することができる。例えば、図3(B)では、ブラシ41の内面41aのうち中央部のやや上側にウエハWの端面が当接しているが、当接位置を変更して、図4に示すように、内面41aのうち下側に変更することもできる。当接位置は、回動・昇降部45により回動アーム43の高さ位置を変更することによって変更することができる。このように、上下位置を変更可能な形状とされている場合、ウエハWの端面との当接位置を変更しながらブラシ41による洗浄を行うことで、ブラシ41の内面41aの摩耗が特定の位置に集中することを防ぐことができる。したがって、ブラシ41の摩耗または破損を遅らせることができ、ブラシ41の使用期間を長くすることができる。
なお、ブラシ41の形状は、図3等に示したものに限定されない。例えば、ブラシ41の内面41aの高さ方向で下側に段差部を設けて、段差部よりも下側の内面は上側の内面よりも突出するような形状にすることができる。この形状は、後述の第2変形例に係る洗浄機構40Bのブラシ48と類似している。このような形状にした場合、段差部に対してウエハWの裏面が載るように、ブラシ41をウエハWに対して当接させることで、ウエハWの端面と裏面の周縁部とを同時にブラシ洗浄することができる。このように、ブラシ41の内面41aの形状についても適宜変更することができる。
(変形例)
基板処理装置10における洗浄機構40の変形例、特に、ブラシ部および移動部の変形例について、説明する。
(第1変形例)
図5は、第1変形例に係る洗浄機構を説明する図であり、第1変形例に係る洗浄機構40Aの一部を示した図である。洗浄機構40Aは、ブラシ41の形状は洗浄機構40と同様であるが、ブラシ41を支持する機構が洗浄機構40と異なる。
具体的には、洗浄機構40Aでは、ブラシ41は、外面41bにおいて支持材46によって支持されている。支持材46は、ウエハWの周方向に沿って互いに異なる位置において外面41bを支持する3つの長尺状の押圧部46a,46b,46cを含んでいる。押圧部46a,46b,46cは、それぞれ一方の端部においてブラシ41の外面41bに対して固定されている。押圧部46a,46b,46cの延在方向は、ブラシ41の内面41aをウエハWに当接した際のウエハWの径方向に対応している。また、押圧部46a,46b,46cの他方の端部は、それぞれ支持部42に対して連結されている。押圧部46a,46b,46cは、それぞれ支持部42内に設けられた押圧制御部47a,47b,47cに対して接続されていて、押圧制御部47a,47b,47cによってブラシ41に対する各押圧部46a,46b,46cの押圧力が制御される。この結果、ブラシ41の内面41aによるウエハWの端面を含む周縁部に対する押圧力が均等になるように制御される。洗浄機構40Aでは、ブラシ41がブラシ部として機能し、支持材46が移動部の一部として機能する。支持材46は、3つのブラシ48を一体的に移動させるブラシ移動部としての機能も有する。また、押圧制御部47a,47b,47cは、ブラシ部によるウエハWへの押圧力を調整する押圧調整部として機能する。
基板処理装置において、ウエハWは一方向に回転するため、ウエハWの回転方向に対してブラシ41の内面41aがどの位置にあるかによっても、ブラシ41がウエハWから受ける力も変化することが考えられる。そのため、洗浄機構40のように、ブラシ41を支持する支持部42が1つである場合、内面41aの位置によらずウエハWに対して同じ力で当接し、すなわち、同程度の洗浄効果が得られるようにブラシ41の内面41aを配置することは難しい場合がある。例えば、ブラシ41の内面41aの一部がウエハWと離間してしまうことも考えられる。このような場合、ウエハWに対するブラシ41の当接部の数が少なくなってしまい、ブラシ41の内面41aにおける当接部の数が多くなるようにブラシ41を大型化したとしても、洗浄処理の短縮を十分に行うことができないことが考えられる。
これに対して、洗浄機構40Aでは、支持材46の押圧部46a,46b,46cおよび押圧制御部47a,47b,47cを利用して、ブラシ41の外面41bからの押圧力をブラシ41の位置に応じて変化させる。洗浄機構40Aは、このような構成とすることで、ブラシ41の内面41aをウエハWに対して均等に当接させることができる。すなわち、ブラシ41の内面41aにおける当接部毎に、押圧力を細かく制御することができる。この結果、洗浄機構40Aでは、ウエハWに対するブラシ41の当接部を適切に確保することができ、洗浄処理に要する時間を短縮する効果を高めることができる。
なお、洗浄機構40Aの押圧制御部47a,47b,47cは、押圧部46a,46b,46bがそれぞれブラシ41から受ける力を押圧力として計測する圧力センサ(圧力計測部)を有していてもよい。この場合、当該圧力センサで計測された結果に基づいて、押圧制御部47a,47b,47cによる押圧の制御を行ってもよい。このような構成とした場合、実際の計測された押圧力に基づいて、押圧の制御を行うため、より精度よく押圧力の制御を行うことができる。
また、上記では、ブラシ41の内面41aをウエハWに対して均等に当接させるために押圧制御部47a,47b,47cによる制御を行う場合について説明した。しかし、例えば、ブラシ41の内面41aの位置に応じてウエハWに対する押圧力が互いに異なるように、押圧制御部47a,47b,47cを制御する構成としてもよい。押圧力を互いに異ならせる構成とすることで、ウエハWにおける洗浄効果を高めることも考えられる。具体的には、例えば、押圧部46aではブラシ41に対する押圧力を大きくする一方、押圧部46cではブラシ41に対する押圧力を小さくすることで、互いに異なる押圧力のブラシ41を用いてウエハWを洗浄する構成としてもよい。
(第2変形例)
図6は、第2変形例に係る洗浄機構を説明する図であり、第2変形例に係る洗浄機構40Bの一部を示した図である。洗浄機構40Bは、ブラシの形状が洗浄機構40等と異なっている。そのため、ブラシを支持する装置構成等も変更される。
図6(A)および図6(B)に示すように、洗浄機構40Bのブラシ48は、略円筒状であり、円筒状の小径部48aと、小径部48aの下方に連続して設けられた円筒状の大径部48bとを有している。小径部48aの側面および大径部48bの上面(小径部48a側の面)がウエハWに当接する当接部となる。図6(B)に示すように、ブラシ48によるウエハWの洗浄時には、小径部48aの側面はウエハWの端面に対して当接し、大径部48bの上面はウエハWの裏面の周縁部に対して当接する。洗浄機構40Bでは、ブラシ48がブラシ部として機能する。
洗浄機構40Bでは、3つのブラシ48が用いられている。3つのブラシ48それぞれが、支持部42および回動アーム43により支持される。支持部42および回動アーム43によるブラシ48の移動については、洗浄機構40と同様である。したがって、支持部42および回動アーム43が移動部として機能する。3つのブラシ48のそれぞれに対して支持部42および回動アーム43が設けられている場合、3つのブラシ48はそれぞれ独立して移動可能である。このような構成であると、3つのブラシ48について個別に適切な位置に移動してウエハWの洗浄を行うことができる。洗浄機構40と同様に、ブラシ48による洗浄処理を行わない間は、支持部42および回動アーム43を利用してウエハWに対して外方に設けられた待機部に移動して待機させる構成としてもよい。
ブラシ48は、支持部42によって回転可能に支持されていてもよい。この場合、モータ(図示せず)の駆動によりブラシ48を所定方向に回転させながらウエハWと当接する。この場合、ブラシ48による洗浄効果が高められる。
上記の洗浄機構40Bでは、3つのブラシ48を用いてウエハWの洗浄を行うことができる。1つのブラシ48によるウエハWとの当接部が1つであるとすると、洗浄機構40Bのように3つのブラシ48がウエハWの周方向に沿って配置されている場合、ウエハWの周方向に沿って当接部が3つ設けられていることになる。このように、洗浄機構40Bは、複数のブラシ48を組み合わせて構成されていてもよい。このような構成であっても、3つのブラシ48によって、3つの当接部においてウエハWを同時に洗浄することができるため、洗浄効果が高められる。
なお、洗浄機構40Bのように略円筒状のブラシ48を複数使用する場合、ブラシ48の数を変更することにより当接部の数を変更することができる。ブラシの数が3つ以上である場合、ウエハWの洗浄効果が高められるとともに洗浄処理時間の短縮効果が高められる。
(第3変形例)
図7は、第3変形例に係る洗浄機構を説明する図であり、第3変形例に係る洗浄機構40Cの一部を示した図である。洗浄機構40Cは、ブラシ48の形状は洗浄機構40Bと同様であるが、ブラシ48を支持する機構が洗浄機構40Bと異なる。
図7(A)および図7(B)に示すように、洗浄機構40Cでは、3つのブラシ48(481,482を含む)を一体的に支持する支持部51を用いている。また、洗浄機構40Bでは、3つのブラシ48それぞれについて、支持部42および回動アーム43を用いて独立して移動させる構成とされていたが、洗浄機構40Cでは、これらを支持部51により一体的に保持している。ただし、3つのブラシ48のうち両端に設けられるブラシ481,482は、押圧力の調整が可能なように、支持部51に対して可動な構成を有している。洗浄機構40Cでは、ブラシ48がブラシ部として機能する。また、支持部51がブラシ部を移動させる移動部の一部として機能する。支持部51は、3つのブラシ48を一体的に移動させるブラシ移動部としての機能を有する。洗浄機構40と同様に、ブラシによる洗浄処理を行わない間は、支持部51を用いて、ウエハWに対して外方に設けられた待機部に移動して待機させる構成としてもよい。
図7(A)に示すように、洗浄機構40Cでは、ウエハWの形状に対応した円弧状のフレームを有する支持部51が用いられる。支持部51の中央部には、3つのブラシ48のうちの1つのブラシ48が取り付けられる。なお、支持部51は、ブラシ48の上方に設けられていてもよいし、下方に設けられてもよい。
支持部51のうち円弧状のフレームの両端部には、ウエハWに対してブラシ48を当接させた際に、ウエハWの径方向に対応する方向に延びるフレーム51a,51bが設けられる。3つのブラシ48のうち両端に配置されるブラシ481,482は、それぞれフレーム51a,51b上に取り付けられ、フレーム51a,51bに沿って移動可能とされている。支持部51は、図示しない回動アームおよびに対して取り付けられる。なお、ブラシ48(481,482)は、それぞれ洗浄機構40Bと同様に回転可能な構成とすることができる。
上記の洗浄機構40Cを用いてウエハWを洗浄する際には、まず、ブラシ48のうち中央のブラシをウエハWの端面に対して当接させる。このとき、図7(A)に示すように、中央のブラシ48を支持する円弧状のフレームをウエハWの端面に対向するように配置する。次に、図7(B)に示すように、フレーム51a,51bに沿って、ブラシ481,482を移動させて、ウエハWの端部に対してブラシ481,482を当接させる。この状態でブラシ481,482によりウエハWを洗浄する。
上記の洗浄機構40Cにおいても、洗浄機構40Bと同様に3つのブラシ48を用いてウエハWの洗浄を行うことができる。洗浄機構40Cのように3つのブラシ48がウエハWの周方向に沿って配置されている場合、ウエハWの周方向に沿って当接部が3つ設けられていることになる。このように、洗浄機構40Cでは、3つのブラシ48によって、3つの当接部においてウエハWを同時に洗浄することができるため、洗浄効果が高められる。
また、洗浄機構40Cは、3つのブラシ48が1つの支持部51により支持されているが、ブラシ481,482がフレーム51a,51bに沿って移動可能とされていることにより、ウエハWに対する押圧力を調整することが可能とされている。これにより、駆動機構等を減らしながらも、3つの当接部それぞれに応じた押圧力の調整を可能としている。洗浄機構40Bのように、ブラシ48毎に個別の回動アームに対して取り付けられた構成とした場合、3つの当接部について個別に押圧力の調整が可能となる。ただし、各ブラシ48を個別に移動させるための駆動部などが多数必要となり、洗浄機構が大型化する可能性がある。これに対して洗浄機構40Cは、回動アームを複数設けることに代えて、回動アームに固定される1つの支持部51を用いている。また、1つの支持部51に対して3つのブラシ48を取り付けながら、両端のブラシ481,482については、フレーム51a,51bを利用してウエハWとの距離を調整可能(すなわち、押圧力を調整可能)としている。このため、洗浄機構の大型化を防ぎながら、3つのブラシそれぞれを個別に調整することが可能となる。
(第4変形例)
図8は、第4変形例に係る洗浄機構を説明する図であり、第4変形例に係る洗浄機構40Dの一部を示した図である。洗浄機構40Dは、洗浄機構40Cと比較して、ブラシ48を連結するフレームの形状が異なる。
図8(A)および図8(B)に示すように、洗浄機構40Dでは、3つのブラシ48(481,482を含む)が支持部となるフレーム52a,52bにより連結されている。具体的には、中央のブラシ48と一端側のブラシ481とはフレーム52aにより連結され、中央のブラシ48と他端側のブラシ482とはフレーム52bにより連結される。この結果、3つのブラシ48は一体化されている。中央のブラシ48の上方または下方には、支持部等を介して回動アーム43を連結させることができる。なお、ブラシ48を連結するフレーム52a,52bは、それぞれ、水平方向(すなわち、ウエハWの延在方向)に沿って中央のブラシ48を軸として回動可能とされている。したがって、図8(A)に示すように、3つのブラシ48を例えば直線状に並べることもできるし、V字形状をなすように配置することもできる。フレーム52a,52bを回動させるための駆動部は、例えば、フレーム52a,52bに対して取り付けてもよいし、回動アーム43に対して取り付けてもよい。洗浄機構40Dでは、ブラシ48がブラシ部として機能する。また、回動アーム43およびフレーム52a,52bが移動部の一部としてとして機能する。回動アーム43は、ブラシ部を一体的に移動させるブラシ移動部としての機能も有する。
上記の洗浄機構40Dを用いてウエハWを洗浄する際には、まず、ブラシ48のうち中央のブラシをウエハWの端面に対して当接させる。次に、図8(B)に示すように、フレーム52a,52bを回動させることで、ウエハWの端部に対してブラシ481,482を当接させる。この状態で、ブラシ481,482によりウエハWを洗浄する。
上記の洗浄機構40Dにおいても、洗浄機構40B,40Cと同様に3つのブラシ48を用いてウエハWの洗浄を行うことができる。洗浄機構40Dでは、3つのブラシ48によって、3つの当接部においてウエハWを同時に洗浄することができるため、洗浄効果が高められる。
また、洗浄機構40Dは、3つのブラシ48がフレーム52a,52bにより回動可能に連結された状態とされている。フレーム52a,52bが回動可能であるため、両端のブラシ481,482はウエハWに対する押圧力を調整することが可能とされている。これにより、駆動機構等を減らしながらも、3つの当接部それぞれに応じた押圧力の調整を可能としている。この点は、洗浄機構40Cと同様である。
また、洗浄機構40Dでは、ウエハWを洗浄する位置にブラシ部を移動させた際に、ウエハWの径方向に延びるフレーム(支持材)が設けられていない。したがって、ウエハWの洗浄位置におけるブラシ部の大型化を防ぐことができる。
(第5変形例)
図9は、第5変形例に係る洗浄機構を説明する図であり、第5変形例に係る洗浄機構40Eの一部を示した図である。洗浄機構40,40A~40Dでは、洗浄機構はカップ24とは別体である場合について説明したが、洗浄機構40Eは、カップ24と一体化されている。
図9(A)および図9(B)に示すように、洗浄機構40Eは、カップ24の内面に対して固定されている。ブラシ53は、カップ24の内面において、水平方向(スピンチャック22上のウエハWの延在方向)に沿って、すなわち、同じ高さ位置となるように帯状に設けられる。なお、帯状のブラシ53は連続して設けられる必要は無く、例えば、所定の間隙を有して複数のブラシ53が並べられることで、破線状にブラシ53が配置されていてもよい。洗浄機構40Eでは、ブラシ53がブラシ部として機能する。なお、ブラシ53は、内面の形状がウエハWの外形に対応した形状とされている。この点は、洗浄機構40のブラシ41と同様である。
カップ24には、高さ位置を変更するための駆動部54が設けられている。カップ24は、駆動部54から延びる支柱54aに対して取り付けられる。駆動部54の駆動によって支柱54aに対するカップ24の高さ位置が変更される。これにより、カップ24の高さ位置が変更される。また、カップ24の高さ位置を変更することにより、カップ24に取り付けられたブラシ53の高さ位置も変化し、ブラシ53とスピンチャック22上のウエハWとの相対位置も変化する。駆動部54は、ブラシ部を移動させる移動部としての機能を有する。なお、従来からカップ24に取り付けられている昇降装置がある場合には、これを駆動部54として適用することができる。
洗浄機構40Eでは、ウエハWを回転させた状態で、ブラシ53の高さ位置を変更することにより、図9(B)に示すように、ウエハWの端面および裏面の周端部がブラシ53の内面と当接する。これにより、ブラシ53によるウエハWの洗浄が行われる。
上記の洗浄機構40Eでは、ブラシ53が帯状である場合、ブラシ53の内面とウエハWとの当接部が、ウエハWの周方向に沿って帯状に形成される。この形状は、洗浄機構40と同じく、実質的にウエハWの周方向に沿って当接部が複数連続して設けられている状態である。したがって、従来の構成と比較して、ウエハWが1回転する間でのブラシ53による洗浄効果が高められるため、洗浄を完了させるまでの所要時間の短縮化が可能となる。
さらに、洗浄機構40Eの場合、ブラシ53を使用しない時間帯は、カップ24を昇降させてブラシ53をウエハWから離間させた状態として、待機する。したがって、他の洗浄機構のようにブラシ53を待機部に移動して待機する場合と比較して、ブラシの移動時間を短縮することができる。したがって、洗浄完了までの一連の動作に係る所要時間を短縮することができる。また、カップ24の昇降は、駆動部54により行われるが、ブラシ53のための回動アームおよび回動・昇降部等が不要となるため、駆動機構の小型化およびコストダウンなどが可能となる。
また、ブラシ53が上下方向(Z方向・高さ方向:ウエハWの表面の延在面に対して直交する方向)に沿って平坦である場合、ブラシ53の内面とウエハWとの当接位置を上下方向に変更することができる。このように、ブラシ53の内面が上下位置を変更可能な形状とされている場合、ウエハWの端面との当接位置を変更しながらブラシ53による洗浄を行うことで、ブラシ53の内面の摩耗が特定の位置に集中することを防ぐことができる。したがって、ブラシ53の摩耗または破損を遅らせることができ、ブラシ53の使用期間を長くすることができる。ただし、ブラシ53は内面が平坦でなくてもよく、例えば、ブラシ48のように、小径部と大径部とを有する構成であってもよい。
[その他]
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
例えば、第1変形例において、洗浄機構40Aの押圧制御部47a,47b,47cは、押圧部46a,46b,46bがそれぞれブラシ41から受ける力を計測する圧力センサを有していてもよい点について説明している。この構成は、洗浄機構40A以外の洗浄機構に対して適用してもよい。
また、これらの例に限らず、ブラシの形状、洗浄部の形態、洗浄部の数は任意であり、得ようとする洗浄機能に応じて適宜設定することができる。
また、上記実施形態では、ウエハの周縁部を洗浄する洗浄機構のみを説明したが、ウエハの表面または裏面を洗浄する洗浄機構を別途有していてもよい。
また、上記実施形態では、被処理基板として半導体ウエハを適用した場合について示したが、これに限るものではなく、例えば液晶表示装置用ガラス基板に代表されるフラットパネル表示装置用基板等、他の基板にも適用可能である。
以上の説明から、本開示の種々の実施形態は、説明の目的で本明細書で説明されており、本開示の範囲及び主旨から逸脱することなく種々の変更をなし得ることが、理解されるであろう。したがって、本明細書に開示した種々の実施形態は限定することを意図しておらず、真の範囲と主旨は、添付の特許請求の範囲によって示される。