JP2018056198A - 基板処理方法、基板処理装置、および、記録媒体 - Google Patents

基板処理方法、基板処理装置、および、記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】スループットの低下を抑制し、かつ、基板の上面を万遍なく洗浄することができる基板処理方法、基板処理装置、および、基板処理装置に備えられたコンピュータに基板処理方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【解決手段】ブラシ31を回転状態の基板Wの上面に接触させるブラシ接触工程が実行される。ブラシ接触工程と並行して、水平に保持された基板Wの上面の中央に接触する位置と、基板Wの上面の外周に接触する位置との間でブラシ31を移動させるブラシ移動工程が実行される。基板Wと同心の円形の仮想線Lで基板Wの回転半径方向に沿って分割された複数の領域Aに設定した優先度wに基づいて、ブラシ移動工程におけるブラシ31の移動速度vが、優先度wの高い領域Aほど低くなるように設定される。
【選択図】図5B

Description

この発明は、基板を処理する基板処理方法、基板処理装置、および、基板処理装置に備えられたコンピュータに基板処理方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
処理対象になる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などの基板が含まれる。
基板を一枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置による基板処理では、基板の上面を物理的に洗浄するために、スピンチャックに保持された基板の上面をブラシで洗浄することがある。下記特許文献1に記載の基板処理方法では、回転する基板の上面にブラシを当接させ、当該ブラシを水平方向にスキャンさせることにより、基板の上面の全体を洗浄している。
2016−149470号公報
特許文献1に記載の基板処理方法では、基板の上面の汚れ方にむらがある場合などには、汚れを充分に除去できない箇所が生じるおそれがある。一方、基板の上面の全体を充分に洗浄するために、基板の上面にブラシが当接する時間を長くすることが考え得るが、これでは、基板の洗浄に要する時間が増大してしまい、スループット(単位時間当たりの基板の処理枚数)が低下するおそれがある。
そこで、この発明の1つの目的は、スループットの低下を抑制し、かつ、基板の上面を万遍なく洗浄することができる基板処理方法、基板処理装置、および、基板処理装置に備えられたコンピュータに基板処理方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することである。
この発明の一実施形態は、基板を水平に保持する基板保持工程と、前記水平に保持された基板を、鉛直方向に沿う回転軸線のまわりに回転させる基板回転工程と、前記水平に保持された基板の上面を洗浄するためのブラシを回転状態の前記基板の上面に接触させるブラシ接触工程と、前記ブラシ接触工程と並行して、前記水平に保持された基板の上面の中央に接触する位置と、当該基板の上面の外周に接触する位置との間で前記ブラシを移動させるブラシ移動工程と、前記基板の上面を当該基板と同心の円形の仮想線で複数の領域に分割し、各前記領域に優先度を設定し、前記優先度の高い前記領域ほど前記ブラシの移動速度が低くなるように前記ブラシ移動工程における前記ブラシの移動速度を設定する速度設定工程とを含む、基板処理方法を提供する。
この方法によれば、回転状態の基板と同心の円形の仮想線で基板の上面が複数の領域に分割され、各領域に優先度が設定される。ブラシ接触工程と並行して実行されるブラシ移動工程におけるブラシの移動速度は、優先度が高いほど低くなるように設定されているので、優先度が高い領域ほど長時間の洗浄が行われる。そのため、基板に付着した汚れが除去されにくい領域ほど優先度が高くなるように各領域の優先度を設定しておくことで、基板の上面において汚れが除去されにくい領域を充分に洗浄することができる一方で、基板の上面において汚れが除去されやすい領域の洗浄時間を短縮することができる。したがって、スループットの低下を抑制し、かつ、基板の上面を万遍なく洗浄することができる。
この発明の一実施形態では、前記速度設定工程が、前記基板の上面の汚染度合が高いほど高くなるように設定された前記優先度に基づいて、前記ブラシ移動工程における前記ブラシの移動速度を前記領域毎に設定する工程を含む。
この方法によれば、基板の汚染度合が高い領域ほど優先度が高い。そのため、基板の上面において汚染度合が比較的高い領域を充分に洗浄することができる一方で、基板の上面において汚染度合が比較的低い領域の洗浄時間を短縮することができる。したがって、スループットの低下を抑制し、かつ、基板の上面を万遍なく洗浄することができる。
この発明の一実施形態では、前記速度設定工程が、前記ブラシ移動工程が実行される合計時間をTとし、前記領域の数をiとし、前記回転軸線から数えてi番目の前記領域の前記優先度をwiとし、前記回転軸線から数えてi番目の前記領域における前記ブラシの移動距離をriとし、前記回転軸線から数えてi番目の前記領域における前記ブラシの移動時間をtiとし、前記回転軸線から数えてi番目の前記領域における前記ブラシの移動速度をviとして、下記式(1)および式(2)に基づいて各前記領域における前記ブラシの移動速度を設定する工程を含む。
Figure 2018056198
この方法によれば、ブラシ移動工程が実行される合計時間T、領域の数i、i番目の領域の優先度wi、および、i番目の領域におけるブラシの移動距離riを指定し、式(1)を用いることによって、i番目の領域におけるブラシの移動時間tiが算出される。そして、式(1)から算出された移動時間tiと、指定されたi番目の領域におけるブラシの移動距離riとを式(2)に代入することによって、i番目の領域におけるブラシの移動速度viが算出される。したがって、各領域におけるブラシの移動速度viは、ブラシ移動工程の開始から時間T経過後に(予め指定した時間通りに)ブラシ移動工程が終了するように設定される。よって、スループットの低下を確実に抑制することができる。
この発明の一実施形態では、前記ブラシ接触工程が、回転状態の前記基板の上面に対して前記ブラシを押し付けるブラシ押付工程を含む。また、前記基板処理方法が、各前記領域に第2の優先度を設定し、回転状態の前記基板に対する前記ブラシの押付量または押付圧を、前記第2の優先度が高い前記領域ほど高くなるように各前記領域に設定する押付状態設定工程をさらに含む。ブラシの押付量は、ブラシが基板の上面に接触した後にブラシが基板の上面の方に移動する移動量を意味する。
この方法によれば、回転状態の基板に対するブラシの押付量または押付圧は、各領域に設定された第2の優先度が高い領域ほど高い。ここで、ブラシの押付量または押付圧が高いほど、基板の上面に付着した汚れは除去されやすい。そのため、基板の上面において第2の優先度が比較的高い領域の洗浄時間を短縮することができる。その一方で、常に一定の押付量(押付圧)で基板に対してブラシを押し付ける基板処理と比較して、ブラシの消耗を抑えることができ、ブラシの長寿命化を図れる。したがって、スループットの低下を抑制し、かつ、基板の上面を万遍なく洗浄することができる。
この発明の一実施形態では、前記押付状態設定工程が、前記基板の上面の汚染度合が高いほど高くなるように設定された前記第2の優先度に基づいて、前記押付量または前記押付圧を設定する工程を含む。
この方法によれば、基板の上面の汚染度合が高い領域ほど第2の優先度が高い。また、前述したように、第2の優先度が高い領域ほど押付量または押付圧が高い。そのため、汚染度合が比較的高い領域における基板の上面の洗浄時間を短縮することができる。その一方で、常に一定の押付量(押付圧)で基板に対してブラシを押し付ける基板処理と比較して、ブラシの消耗を抑えることができ、ブラシの長寿命化を図れる。したがって、スループットの低下を抑制し、かつ、基板の上面を万遍なく洗浄することができる。
この発明の一実施形態では、前記ブラシ接触工程が、回転状態の前記基板の上面に対して前記ブラシを押し付けるブラシ押付工程を含む。また、前記基板処理方法が、前記ブラシの移動速度に反比例して変化するように、回転状態の前記基板に対する前記ブラシの押付量または押付圧を設定する押付状態設定工程を含む。
この方法によれば、ブラシの移動速度に反比例して変化するように、回転状態の基板に対するブラシの押付量または押付圧が設定される。つまり、ブラシ押付工程における回転状態の基板に対するブラシの押付量または押付圧は、ブラシの移動速度が低いほど高くなる。そのため、優先度が高い領域ほど当該押付量または押付圧を高くすることができ、優先度が比較的高い領域の基板の上面の洗浄時間を短縮することができる。したがって、スループットの低下を抑制し、かつ、基板の上面を万遍なく洗浄することができる。
この発明の一実施形態では、前記基板処理方法が、前記ブラシ移動工程と並行して、前記ブラシを昇降させるブラシ昇降工程と、前記ブラシを前記基板の上面に沿わせた状態で前記ブラシ移動工程が実行されるように、前記ブラシ昇降工程における前記ブラシの鉛直方向位置を前記領域毎に設定する鉛直位置設定工程とをさらに含む。
この方法によれば、ブラシ移動工程と並行してブラシ昇降工程が実行される。ブラシを基板の上面に沿わせた状態でブラシ移動工程が実行されるように、ブラシ昇降工程におけるブラシの鉛直方向位置が領域毎に設定される。そのため、仮に基板に反りが発生していたとしても、ブラシが基板の上面に接触する状態を維持することができるので、基板の上面の洗浄のむらを抑制できる。したがって、基板の上面を一層万遍なく洗浄することができる。
この発明の他の実施形態では、基板処理装置が、基板を水平に保持する基板保持手段と、前記基板保持手段によって保持された基板を、鉛直方向に沿う回転軸線まわりに回転させる基板回転手段と、前記基板保持手段によって保持された基板の上面を洗浄するブラシと、前記基板保持手段によって保持された基板の上面に前記ブラシを接触させるブラシ接触手段と、前記ブラシを水平方向に移動させるブラシ移動手段と、前記基板回転手段、前記ブラシ接触手段および前記ブラシ移動手段を制御する制御手段とを含む。
また、制御手段が、前記水平に保持された基板を回転させる基板回転工程と、前記水平に保持された基板に前記ブラシを接触させるブラシ接触工程と、前記ブラシ接触工程と並行して、前記水平に保持された基板の上面の中央に接触する位置と、当該基板の上面の外周に接触する位置との間で前記ブラシを移動させるブラシ移動工程と、前記基板の上面を当該基板と同心の円形の仮想線で複数の領域に分割し、各前記領域に優先度を設定し、前記優先度の高い前記領域ほど前記ブラシの移動速度が低くなるように前記ブラシ移動工程における前記ブラシの移動速度を設定する速度設定工程とを実行する。
この構成によれば、回転状態の基板と同心の円形の仮想線で基板の上面が複数の領域に分割され、各領域に優先度が設定される。ブラシ接触工程と並行して実行されるブラシ移動工程におけるブラシの移動速度は、優先度が高いほど低くなるように設定されているので、優先度が高い領域ほど長時間の洗浄が行われる。そのため、基板に付着した汚れが除去されにくい領域ほど優先度が高くなるように各領域の優先度を設定しておくことで、基板の上面において汚れが除去されにくい領域を充分に洗浄することができる一方で、基板の上面において汚れが除去されやすい領域の洗浄時間を短縮することができる。したがって、スループットの低下を抑制し、かつ、基板の上面を万遍なく洗浄することができる。
この発明の他の実施形態では、優先度が、基板の上面の汚染度合が高いほど高くなるように設定されている。
この構成によれば、基板の汚染度合が高い領域ほど優先度が高い。そのため、基板の上面において汚染度合が比較的高い領域を充分に洗浄することができる一方で、基板の上面において汚染度合が比較的低い領域の洗浄時間を短縮することができる。したがって、スループットの低下を抑制し、かつ、基板の上面を万遍なく洗浄することができる。
この発明の他の実施形態では、前記制御手段が、前記ブラシ移動工程が実行される合計時間をTとし、前記領域の数をiとし、前記回転軸線から数えてi番目の前記領域の前記優先度をwiとし、前記回転軸線から数えてi番目の前記領域における前記ブラシの移動距離をriとし、前記回転軸線から数えてi番目の前記領域における前記ブラシの移動時間をtiとし、前記回転軸線から数えてi番目の前記領域における前記ブラシの移動速度をviとして、下記式(1)および式(2)に基づいて各前記領域における前記ブラシの移動速度を設定する工程を実行する。
Figure 2018056198
この構成によれば、ブラシ移動工程が実行される合計時間T、領域の数i、i番目の領域の優先度wi、および、i番目の領域におけるブラシの移動距離riを指定し、式(1)を用いることによって、i番目の領域におけるブラシの移動時間tiが算出される。そして、式(1)から算出された移動時間tiと、指定されたi番目の領域におけるブラシの移動距離riとを式(2)に代入することによってi番目の領域におけるブラシの移動速度viが算出される。したがって、各領域におけるブラシの移動速度viは、ブラシ移動工程の開始から時間T経過後に(予め指定した時間通りに)ブラシ移動工程が終了するように設定されるので、スループットの低下を確実に抑制することができる。
この発明の他の実施形態では、前記基板処理装置が、前記水平に保持された基板の上面に対して前記ブラシを押し付けるブラシ押付手段をさらに含む。また、前記制御手段が、回転状態の前記基板の上面に対して前記ブラシを押し付けるブラシ押付工程と、各前記領域に第2の優先度を設定し、回転状態の前記基板に対する前記ブラシの押付量または押付圧を、前記第2の優先度が高い前記領域ほど高くなるように各前記領域に設定する押付状態設定工程とを実行する。
この構成によれば、回転状態の基板に対するブラシの押付量または押付圧は、各領域に設定された第2の優先度が高い領域ほど高い。ここで、ブラシの押付量または押付圧が高いほど、基板の上面に付着した汚れが除去されやすい。そのため、第2の優先度が比較的高い領域の洗浄時間を短縮することができる。常に一定の押付量(押付圧)で基板に対してブラシを押し付ける基板処理と比較して、ブラシの消耗を抑えることができ、ブラシの長寿命化を図れる。したがって、スループットの低下を抑制し、かつ、基板の上面を万遍なく洗浄することができる。
この発明の他の実施形態では、制御手段が、前記基板の上面の汚染度合が高いほど高くなるように設定された前記第2の優先度に基づいて、前記押付量または前記押付圧を設定する工程を実行する。
この構成によれば、基板の上面の汚染度合が高い領域ほど第2の優先度が高い。また、前述したように、第2の優先度が高い領域ほど押付量または押付圧が高い。そのため、汚染度合が比較的高い領域における基板の上面の洗浄時間を短縮することができる。その一方で、常に一定の押付量(押付圧)で基板に対してブラシを押し付ける基板処理と比較して、ブラシの消耗を抑えることができ、ブラシの長寿命化を図れる。したがって、スループットの低下を抑制し、かつ、基板の上面を万遍なく洗浄することができる。
この発明の他の実施形態では、前記基板処理装置が、前記水平に保持された基板の上面に対して前記ブラシを押し付けるブラシ押付手段をさらに含む。また、前記制御手段が、回転状態の前記基板の上面に対して前記ブラシを押し付けるブラシ押付工程と、前記ブラシの移動速度に反比例して変化するように、回転状態の前記基板に対する前記ブラシの押付量または押付圧を設定する押付状態設定工程を実行する。
この構成によれば、ブラシの移動速度に反比例して変化するように、回転状態の基板に対するブラシの押付量または押付圧が設定される。つまり、回転状態の基板に対するブラシの押付量または押付圧は、ブラシの移動速度が低いほど基板に対する高くなる。そのため、優先度が高い領域ほど当該押付量または押付圧を高くすることができ、優先度が比較的高い領域の基板の上面の洗浄時間を短縮することができる。したがって、スループットの低下を抑制し、かつ、基板の上面を万遍なく洗浄することができる。
この発明の他の実施形態では、前記基板処理装置が、前記ブラシを昇降させるブラシ昇降手段をさらに含む。また、前記制御手段が、前記ブラシ接触工程と並行して、前記ブラシを昇降させるブラシ昇降工程と、前記ブラシを前記基板の上面に沿わせた状態で前記ブラシ移動工程が実行されるように、前記ブラシ昇降工程における前記ブラシの鉛直方向位置を前記領域毎に設定する鉛直位置設定工程とを実行する。
この構成によれば、ブラシ移動工程と並行してブラシ昇降工程が実行される。ブラシを基板の上面に沿わせた状態でブラシ移動工程が実行されるように、ブラシ昇降工程におけるブラシの鉛直方向位置が領域毎に設定される。そのため、仮に基板に反りが発生していたとしても、ブラシが基板の上面に接触する状態を維持することができるので、基板の上面の洗浄のむらを抑制できる。したがって、基板の上面を一層万遍なく洗浄することができる。
この発明のさらに他の実施形態は、前記基板処理方法を、基板処理装置に備えられたコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。この構成によれば、前述と同様の効果を奏することができる。
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置の内部のレイアウトを説明するための図解的な平面図である。 図2は、前記基板処理装置に備えられた処理ユニットの一構成例を説明するための図解的な縦断面図である。 図3は、前記基板処理装置の主要部の電気的構成を説明するためのブロック図である。 図4は、前記基板処理装置による基板処理の一例について説明するための流れ図である。 図5Aは、前記基板処理のブラシ移動工程(図4のS6)における基板の模式的な正面図である。 図5Bは、前記基板処理のブラシ移動工程(図4のS6)における基板の模式的な平面図である。 図6は、前記基板処理装置に備えられた制御手段による各領域におけるブラシの移動速度を設定する方法の一例について説明するための流れ図である。 図7Aは、図6に示す方法で設定されたブラシの移動速度に基づいて作成されたグラフ図の一例である。 図7Bは、図6に示す方法で設定されたブラシの移動速度に基づいて作成されたグラフ図の一例である。 図8Aは、各領域における第2の優先度とブラシの押付力との関係の一例を示した表である。 図8Bは、領域毎に設定された押付圧を示したグラフ図の一例である。 図9Aは、反りが発生している基板の模式的な正面図である。 図9Bは、反りが発生している基板の模式的な正面図である。 図10は、図6に示す方法において制御手段が取得する情報の一例を示した表である。
以下では、この発明の実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置1の内部のレイアウトを説明するための図解的な平面図である。基板処理装置1は、シリコンウエハなどの基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の装置である。この実施形態では、基板Wは、円形状の基板である。
基板処理装置1は、基板Wを処理する複数の処理ユニット2と、処理ユニット2で処理される複数枚の基板Wを収容するキャリヤCをそれぞれ保持する複数のロードポートLPと、ロードポートLPと処理ユニット2との間で基板Wを搬送する搬送ロボットIRおよびCRと、基板処理装置1を制御する制御ユニット3とを含む。
基板処理装置1は、複数のロードポートLPから搬出される基板Wの状態を測定する測定ユニット4と、基板処理装置1を操作するための操作ユニット6とを含む。操作ユニット6は、基板処理に関する情報を表示する表示部(図示せず)と、基板処理に関する情報を作業者が入力するための入力部(図示せず)とを有する。
搬送ロボットIRは、キャリヤCと搬送ロボットCRとの間で基板Wを搬送する。搬送ロボットCRは、搬送ロボットIRと処理ユニット2との間で基板Wを搬送する。複数の処理ユニット2は、たとえば、同様の構成を有している。
図2は、処理ユニット2の一構成例を説明するための図解的な縦断面図である。
処理ユニット2は、一枚の基板Wを水平な姿勢で保持しながら、基板Wの中央部を通る鉛直な回転軸線a1まわりに基板Wを回転させるスピンチャック5と、基板Wの上面に脱イオン水(DIW:Deionized Water)などの処理液を供給する処理液ノズル10とを含む。処理ユニット2は、さらに、スピンチャック5を収容するチャンバ13(図1参照)を含む。図示は省略するが、チャンバ13には、基板Wを搬入/搬出するための搬入/搬出口が形成されており、この搬入/搬出口を開閉するシャッタユニットが備えられている。
スピンチャック5は、非デバイス形成面である基板Wの裏面(下面)を吸着することにより基板Wを水平に保持するバキューム式のチャックであってもよいし、基板Wを水平方向に挟むことにより基板Wを水平に保持する挟持式のチャックであってもよい。本実施形態では、スピンチャック5がバキューム式のチャックである例を示している。
スピンチャック5は、スピンベース21と、スピンベース21の下面中央に結合された回転軸22と、回転軸22に回転力を与える電動モータ23とを含む。回転軸22は回転軸線a1に沿って鉛直方向に延びている。回転軸22の上端に、スピンベース21が結合されている。スピンベース21は、水平方向に沿う円盤形状を有している。
スピンベース21の上面には、スピンベース21の上面に配置された基板Wを吸引してスピンベース21に基板Wを保持させるための複数の吸引口24が形成されている。吸引口24は、スピンベース21および回転軸22の内部に形成された吸引経路25を介して吸引管50に連結されている。吸引管50は、真空ポンプなどの吸引機構27に連結されている。吸引管50には、その経路を開閉するための吸引バルブ40が介装されている。スピンベース21および吸引機構27は、基板Wを水平に保持するための基板保持手段の一例である。
この実施形態とは異なり、吸引管50がスピンベース21および回転軸22の内部にまで延びており、吸引管50においてスピンベース21および回転軸22の内部に延びる部分が、吸引経路25を構成していてもよい。
電動モータ23によって回転軸22が回転されることにより、基板Wが回転軸線a1まわりに回転される。以下では、回転軸線a1を中心とした半径方向を回転半径方向という。回転半径方向は、基板Wの径方向でもある。また、回転半径方向の内側を単に「径方向内方」といい、回転半径方向の外側を単に「径方向外方」という。回転軸22および電動モータ23は、基板Wを回転軸線a1まわりに回転させる基板回転手段の一例である。
処理液ノズル10は、この実施形態では、基板Wの上面の回転中心に向けて処理液を吐出するように配置された固定ノズルである。処理液ノズル10には、処理液供給源から、処理液供給管51を介して、DIWなどの処理液が供給される。処理液供給管51には、その流路を開閉するための処理液バルブ41と、処理液供給管51における処理液の流量を調節するための処理液流量調節バルブ42とが介装されている。処理液ノズル10は固定ノズルである必要はなく、少なくとも水平方向に移動する移動ノズルであってもよい。
処理液ノズル10は、DIW以外のリンス液を供給するリンス液ノズルであってもよい。リンス液とは、DIWのほかにも、炭酸水、電解イオン水、オゾン水、希釈濃度(たとえば、10〜100ppm程度)の塩酸水、還元水(水素水)などを例示できる。また、処理液ノズル10から基板Wに供給される処理液は、リンス液以外の液体であってもよく、たとえば、薬液であってもよいし、IPA等の液状の有機溶剤であってもよい。複数種の処理液が、1つ以上のノズルから基板Wに順次供給されてもよい。
処理ユニット2は、基板Wの上面を洗浄するためのブラシ31と、ブラシ31を支持するブラシアーム35と、ブラシアーム35を移動させることによりブラシ31を移動させるブラシ移動機構36と、基板Wの上面に対するブラシ31の押付量または押付力を変更する押付状態変更機構39とを含む。なお、ブラシ31の押付量とは、ブラシ31が基板Wの上面に接触した後に、ブラシ31が基板Wの上面の方に移動する移動量を意味する。
ブラシ31は、ブラシ31の上方に配置されたブラシホルダ32に保持されている。ブラシホルダ32は、ブラシホルダ32の上方に配置されたホルダ取付部33に取り付けられている。ホルダ取付部33は、ホルダ取付部33から上方に延びる支持軸34に支持されている。支持軸34は、ブラシアーム35から下方に突出している。
ブラシ31は、PVA(ポリビニルアルコール)などの合成樹脂で作成された弾性変形可能なスポンジブラシである。ブラシ31は、ブラシホルダ32から下方に突出している。ブラシ31は、ブラシホルダ32よりも下方に配置された洗浄面31aを含む。洗浄面31aは、基板Wの上面に対して上下方向に対向している。洗浄面31aは、平面視で基板Wよりも小さい。洗浄面31aは、ブラシ31が基板Wに押し付けられていない自由状態において、基板Wの上面に平行な平面であってもよいし、下方に凸の半球面であってもよい。洗浄面31aが円形の場合、洗浄面31aの直径はたとえば20mmである。ただし、洗浄面31aの大きさは、これに限られない。また、ブラシ31は、スポンジブラシに限らず、樹脂製の複数の繊維によって形成された毛束を備えるブラシであってもよい。
押付状態変更機構39は、たとえば、エアシリンダなどの、ブラシ31を鉛直方向に上下させるアクチュエータである。押付状態変更機構39は、ブラシアーム35内に配置されている。処理ユニット2は、ブラシアーム35に対して鉛直な回転軸線a1まわりにブラシ31を回転させるブラシ自転機構をブラシアーム35内に備えていてもよい。ブラシ自転機構がブラシアーム35に備えられる場合、ブラシ自転機構は、支持軸34をその中心線まわりに回転させることにより、ブラシ31を自転させる。
ブラシ移動機構36は、ブラシアーム35を水平に移動させるブラシ水平駆動機構37と、ブラシアーム35を鉛直に移動させるブラシ鉛直駆動機構38とを含む。図2は、ブラシ水平駆動機構37が、スピンチャック5の周囲に位置する鉛直なブラシ回動軸線a2まわりにブラシアーム35を回動させるブラシ旋回機構である例を示している。ブラシ水平駆動機構37は、ブラシアーム35を直線的に水平方向に移動させるブラシスライド機構であってもよい。ブラシ水平駆動機構37は、ブラシ31を水平方向に移動させるブラシ移動手段の一例である。ブラシ鉛直駆動機構38は、ブラシ31を昇降させるブラシ昇降手段の一例である。
ブラシ31は、ブラシ水平駆動機構37がブラシアーム35を移動させることにより、ブラシ31が平面視でスピンチャック5の周囲に位置する待機位置と、ブラシ31が基板Wの上面の中央に接触する中央位置との間で移動可能である。待機位置と中央位置との間の位置には、ブラシ31が基板Wの上面の外周に接触する外周位置が含まれる。基板Wの上面の中央とは、基板Wの上面と回転軸線a1とが交差する部分のことである。また、基板Wの上面の外周とは、基板Wの上面において、基板Wの周縁よりも僅かに基板Wの内側(中心側)の部分のことである。
図3は、基板処理装置1の主要部の電気的構成を説明するためのブロック図である。制御ユニット3は、コンピュータ本体67と、コンピュータ本体67に接続された周辺装置68とを含む。コンピュータ本体67は、各種の命令を実行するCPU69(central processing unit:中央処理装置)と、情報を記憶する主記憶装置70とを含む。周辺装置68は、プログラム等の情報を記憶する補助記憶装置71と、リムーバブルメディアMから情報を読み取る読取装置72と、ホストコンピュータHC等の外部装置と通信する通信装置73とを含む。
コンピュータ本体67は、補助記憶装置71、読取装置72、および通信装置73のそれぞれに接続されている。コンピュータ本体67は、さらに、搬送ロボットIRや処理ユニット2等の各装置に接続されている。コンピュータ本体67は、補助記憶装置71等のそれぞれと情報のやり取りを行う。
CPU69は、補助記憶装置71に記憶されているプログラムPや、読取装置72によってリムーバブルメディアMから読み取られたプログラムPを実行する。補助記憶装置71内のプログラムPは、制御ユニット3に予めインストールされたものであってもよいし、読取装置72を通じてリムーバブルメディアMから補助記憶装置71に送られたものであってもよいし、通信装置73を通じて外部装置から補助記憶装置71に送られたものであってもよい。
補助記憶装置71は、電力が供給されていなくても記憶を保持する不揮発性メモリーである。補助記憶装置71は、たとえば、ハードディスクドライブ等の磁気記憶装置である。補助記憶装置71は、磁気記憶装置以外の不揮発性メモリーであってもよい。
リムーバブルメディアMは、電力が供給されていなくても記憶を保持する不揮発性メモリーである。リムーバブルメディアMは、たとえば、コンパクトディスクなどの光ディスクまたはメモリーカードなどの半導体メモリーである。リムーバブルメディアMは、光ディスクおよび半導体メモリー以外の不揮発性メモリーであってもよい。リムーバブルメディアMは、プログラムPが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体の一例である。
ホストコンピュータHCは、制御ユニット3と通信を行う。ホストコンピュータHCは、基板Wに対して行われる一連の工程を示すレシピ74の識別情報を基板Wごとに制御ユニット3に指定する。
補助記憶装置71には、複数種類のレシピ74が記憶されている。レシピ74は、レシピ識別情報、基板処理条件、および基板処理手順を含む。コンピュータ本体67は、ホストコンピュータHCによって指定されたレシピ74を補助記憶装置71から読み込む。そして、コンピュータ本体67は、指定されたレシピ74に従って当該基板Wを処理ユニット2で処理する処理スケジュールを作成する。その後、制御ユニット3は、搬送ロボットIR,CR、測定ユニット4、操作ユニット6、電動モータ23、吸引機構27、ブラシ移動機構36、押付状態変更機構39およびバルブ類40〜42などの基板処理装置1の制御対象(リソース)に処理スケジュールを実行させる。
図4は、基板処理装置1による基板処理の一例を説明するための流れ図である。基板処理装置1による基板処理では、制御ユニット3によって作成された処理スケジュールに基づいて、たとえば、図4に示すように、ステップS1〜S12がこの順番で実行される。
まず、未処理の基板Wが、搬送ロボットIR,CRによってキャリヤCから処理ユニット2に搬入され、スピンチャック5に渡される(S1)。そして、制御ユニット3は、吸引機構27を駆動し、かつ、吸引バルブ40を開くことにより、吸引機構27に基板Wを吸引させる。これにより、スピンベース21の上面に接触した状態でスピンチャック5に基板Wを水平に保持させる基板保持工程が開始される(S2)。この後、基板Wは、搬送ロボットCRによって搬出されるまでの間、水平に保持された状態で維持される。
そして、制御ユニット3は、電動モータ23を駆動して、スピンチャック5に保持された基板Wを回転させる基板回転工程を開始させる(S3)。基板回転工程は、後述するスピンドライ(S12)の開始まで継続されてもよい。
そして、制御ユニット3は、処理液バルブ41を開き、回転状態の基板Wの上面に向けてDIWなどの処理液を処理液ノズル10から供給させる。これにより、処理液供給工程が開始される(S4)。回転状態の基板Wの上面に供給された処理液は、遠心力によって基板Wの上面に沿って径方向外方に流れる。これにより、処理液が基板Wの上面の全体に行き渡る。
次に、制御ユニット3は、ブラシ水平駆動機構37を制御して、ブラシ31を待機位置から中央位置に移動させる。そして、制御ユニット3は、ブラシ鉛直駆動機構38を制御して、回転状態の基板Wの上面の中央にブラシ31の洗浄面31aを接触させるブラシ接触工程を実行する(S5)。このように、ブラシ鉛直駆動機構38は、スピンベース21によって保持された基板Wの上面にブラシ31を接触させるブラシ接触手段として機能する。
ブラシ接触工程では、制御ユニット3が押付状態変更機構39を制御して、基板Wの上面にブラシ31を押し付けていてもよい(ブラシ押付工程)。ブラシ31が基板Wに押し付けられると、ブラシ31の弾性変形により洗浄面31aが基板Wにさらに密着する。このように、押付状態変更機構39は、基板Wの上面に対して基板Wの上面を押し付けるブラシ押付手段として機能する。
その後、制御ユニット3は、ブラシ水平駆動機構37を制御して、基板Wの上面に接触した状態のブラシ31を中央位置から外周位置まで移動させるブラシ移動工程を開始させる(S6)。つまり、ブラシ接触工程と並行してブラシ移動工程が実行される。これにより、ブラシ31が基板Wの上面の全体に擦り付けられ、基板Wの上面の全体がスクラブ洗浄される。
そして、制御ユニット3は、ブラシ鉛直駆動機構38を制御して、外周位置に位置するブラシ31を上方に退避させる(S7)。これにより、ブラシ31が基板Wの上面から離れる。その後、ブラシ31を待機位置に移動させる。処理液バルブ41は、ブラシ31が基板Wから離れた後に閉じられる。これにより、基板WへのDIWの供給が停止される(S8)。その後、基板Wの回転を乾燥速度(たとえば、数千rpm)まで加速させる。これにより、基板Wに付着している純水が基板Wの周囲に振り切られ、基板Wが乾燥する(S9)。制御ユニット3は、電動モータ23を制御して、基板Wが乾燥した後に基板Wの回転を停止させる(S10)。そして、制御ユニット3は、吸引バルブ40を閉じ、その後、吸引機構27による吸引を停止させる。これにより、スピンベース21による基板Wの保持が解除される(S11)。
その後、搬送ロボットCRが、処理ユニット2に進入して、スピンチャック5から処理済みの基板Wをすくい取って、処理ユニット2外へと搬出する(S12)。その基板Wは、搬送ロボットCRから搬送ロボットIRへと渡され、搬送ロボットIRによって、キャリヤCに収納される。
このようにして、複数の基板処理工程(ブラシ移動工程やブラシ接触工程)が、レシピ74で指定された基板処理条件で、かつ、レシピ74で指定された基板処理手順で実行される。
図5Aおよび図5Bは、ブラシ移動工程(図4のS6)における基板Wの模式図である。図5Aは正面図であり、図5Bは平面図である。
ここで、図4に示した基板処理が実行される前に、制御ユニット3は、レシピ74の一部であるブラシ移動工程(図4のS6)における、ブラシ31の移動速度vを設定する(速度設定工程)。
具体的には、制御ユニット3が、回転状態の基板Wと同心の円形状の仮想線Lで回転半径方向に沿って基板Wの上面を分割する。そして、制御ユニット3は、複数の領域Aのそれぞれに優先度wを設定する。仮想線Lの中心は、平面視で、回転軸線a1と一致している。移動速度vは、領域Aと対向する位置にあるブラシ31の移動速度の回転半径方向成分のことである。領域Aと対向する位置にあるブラシ31が移動する距離の回転半径方向成分のことを移動距離rという。
回転軸線a1から数えてn(n:2以上の自然数)番目の領域Aを領域Anともいう。また、領域Anにおける優先度wを優先度wnともいい、領域A(n−1)と領域Anとの境界となる仮想線Lを仮想線Lnともいい、領域Anにおける移動距離rを移動距離rnともいう。回転軸線a1から数えてn番目の領域Anにおけるブラシ31の移動速度vを移動速度vnともいう。図5Aおよび図5Bでは、ブラシ31が、領域A1と対向する位置にある状態を示している。ブラシ31が領域Anと対向する位置とは、平面視におけるブラシ31の中心が、領域Anと対向する位置のことである。
優先度wは、基板の上面に付着したパーティクルなどの汚れが除去されにくい領域Aほど高くなるように設定されている。詳しくは、基板Wの上面の汚染度合が高いほど優先度wが高くなるように優先度wが設定されている。基板Wの上面の汚染度合が高いとは、基板Wの上面に付着した汚れの量(たとえばパーティクルの数)が多いことをいう。基板Wの上面の汚染度合が高いほど、基板Wの上面から汚れが除去されにくい。
基板Wの上面に付着したパーティクルの数は、たとえば、測定ユニット4に備えられたパーティクルカウンタなどによって、基板WがロードポートLPから処理ユニット2に搬送される間に測定される。基板Wの上面に付着したパーティクルの数は、基板処理装置1の外部に設けられたパーティクルカウンタによって事前に測定されていてもよい。また、基板処理を施す基板Wのパーティクルの数を測定するのではなく、基板処理装置1で処理される前の基板Wの汚染状態を予測して、この予測を基板Wの上面の汚染度合の指標としてもよい。
汚れが除去しにくい領域Aほど、基板Wの洗浄に長時間を要する。そのため、ブラシ移動工程(図4のS6)におけるブラシ31の移動速度vは、優先度wが高い領域Aほど低くなるように設定されている。なお、基板Wの上面では、特に外周付近に汚れが付着する量が多く、外周付近の領域Aは、中央付近の領域Aと比較して、汚染度合が高い。
また、必ずしも汚染度合が高いほど優先度wが高くなるように、優先度wが設定されている必要はない。たとえば、基板Wの上面に対する汚れ(たとえばパーティクル)の吸着度合が高い領域Aほど優先度wが高くなるように、優先度wが設定されていてもよい。基板Wの上面に対する汚れ(たとえばパーティクル)の吸着度合が高いほど、基板Wの上面から汚れが除去されにくい。
次に、各領域Aにおけるブラシ31の移動速度vの設定方法について詳細に説明する。図6は、制御ユニット3による各領域Aにおけるブラシ31の移動速度vを設定する方法の一例について説明するための流れ図である。図6では、n≧3の場合の例を示している。
まず、制御ユニット3は、レシピ情報を取得する(ステップT1)。レシピ情報とは、各種パラメータの値のことであり、たとえば、ブラシ移動工程が実行される時間の合計(合計時間T)や、基板処理の対象となる基板Wの半径Rなどが挙げられる。合計時間Tは、たとえば、5秒〜20秒程度の時間である。半径Rは、たとえば、150mmである。制御ユニット3は、これらのレシピ情報を、制御ユニット3の補助記憶装置71に記憶された情報から取得してもよいし、作業者が操作ユニット6(図2参照)の入力部に入力した情報から取得してもよい。
そして、制御ユニット3は、作業者が操作ユニット6の入力部に入力したブラシ31の移動距離r1,…,r(n−1)を取得する(ステップT2)。そして、移動距離r1,…,r(n−1)の和[r1+…+r(n−1)]が基板Wの半径Rよりも小さいか否かを判定する(ステップT3)。移動距離r1,…,r(n−1)の和[r1+…+r(n−1)]が基板Wの半径Rよりも小さくない場合(ステップT3でNo)、作業者に対してアラームが発せされ(ステップT4)、ステップT3で移動距離r1,…,r(n−1)の和[r1+…+r(n−1)]が基板Wの半径Rよりも小さいと判断されるまで、ステップT2からの処理が繰り返される。
移動距離r1,…,r(n−1)の和[r1+…+r(n−1)]が基板Wの半径Rよりも小さい場合(ステップT3でYes)、制御ユニット3は、作業者が操作ユニット6の入力部に入力した優先度w1,…,wnを取得する(ステップT5)。
そして、制御ユニット3は、ステップT1からステップT5によって取得した合計時間T、移動距離rおよび優先度wを用いて、各領域Aにおける移動速度v1,…,vnを算出する(ステップT6)。具体的には、下記の式(1)および式(2)に基づいて、各領域Aにおける移動速度v1,…,vnを算出する。
Figure 2018056198
式(1)および式(2)では、領域Aの数をi(i:自然数)とし、回転軸線a1から数えてi番目の領域Aiにおけるブラシ31の優先度をwiとし、回転軸線a1から数えてi番目の領域Aiにおけるブラシ31の移動距離rをriとする。また、式(1)および式(2)では、回転軸線a1から数えてi番目の領域Aiにおけるブラシ31の移動時間をtiとし、回転軸線a1から数えてi番目の領域Aiにおけるブラシ31の移動速度vをviとする。前述したように、Tは、ブラシ移動工程が実行される合計時間を示している。
式(1)から、移動時間tiが計算される。式(1)に示すように、移動時間tiは、優先度wiが高いほど長い。そして、式(1)で計算された移動時間tiと式(2)とに基づいて移動速度viが算出される。全ての領域Aについて移動速度viが算出されることで、移動速度v1,…,vnが得られる。
そして、制御ユニット3は、算出された移動速度v1,…,vnがブラシ水平駆動機構37の機械的な性能(スペック)の範囲内であるか否かの判断をする(ステップT7)。算出された移動速度v1,…,vnがブラシ水平駆動機構37の機械的な性能の範囲外である場合(ステップT7でNo)、作業者に対してアラームが発せられ(ステップT8)、ステップT7で算出された移動速度v1,…,vnがブラシ水平駆動機構37の機械的な性能の範囲内であると判断されるまで、ステップT5からの処理が繰り返される。
算出された移動速度v1,…,vnがブラシ水平駆動機構37の機械的な性能の範囲内である場合(ステップT7でYes)である場合、算出された移動速度v1,…,vnが保存データ75(図3参照)として補助記憶装置71などに記憶されて保存される(ステップT9)。保存データ75は、算出された移動速度v1,…,vnとともに移動時間t1,…,tnを含んでいてもよい。そして、制御ユニット3は、補助記憶装置71に記憶された保存データ75に基づいて、レシピ74内のブラシ31の移動速度vを設定する(速度設定工程)。
各領域Aにおけるブラシ31の移動速度vは、常に一定である必要はなく、たとえば、径方向外方から隣接する領域Aとの境界付近で低下するように設定されていてもよい。また、算出された移動速度v1,…,vnは、対応する領域A1…,Anにおけるブラシ31の移動速度vの最大値(ピーク値)として用いられてもよい。すなわち、径方向内方から隣接する領域Aとの境界付近でブラシ31が一時的に加速するように、移動速度vが設定されてもよい。
図7Aおよび図7Bは、図6に示す方法で設定されたブラシ31の移動速度vに基づいて作成されたグラフ図の一例である。
制御ユニット3は、保存データ75とレシピ情報とに基づいて図7Aや図7Bに示すようなグラフ図を作成してもよい。
図7Aに示すグラフ図は、ブラシ移動工程(S6)におけるブラシ31の位置とブラシ31の移動速度vとの関係を示すグラフ図の一例である。図7Aに示すグラフ図では、ブラシ31の位置を横軸としている。ブラシ31の位置とは、平面視におけるブラシ31の中心の位置のことである。横軸は、回転軸線a1の位置を原点としている。図7Aに示すグラフ図では、ブラシ31の移動速度vを縦軸としている。このグラフ図では、n=3の例を示している。このグラフ図では、保存データ75として保存された移動速度v1,v2,v3を、各領域A1,A2,A3における移動速度vの最大値として用いている。
図7Bに示すグラフ図では、ブラシ31の位置を縦軸としており、回転軸線a1の位置を基準(原点)としている。また、図7Bに示すグラフ図では、経過時間を縦軸としている。経過時間とは、ブラシ移動工程が開始されてから経過した時間のことである。ブラシ移動工程が開始される瞬間を基準(原点)としている。
制御ユニット3は、これらのグラフ図を操作ユニット6(図1参照)の表示部に表示させることができる。これにより、基板処理装置1の作業者は、各領域Aにおけるブラシ31の移動速度vを視覚的に確認することができる。
この実施形態によれば、回転状態の基板Wと同心の円形の仮想線Lで基板Wが複数の領域Aに分割され、各領域Aに優先度wが設定される。ブラシ接触工程と並行して実行されるブラシ移動工程におけるブラシ31の移動速度vは、優先度wが高いほど低くなるように設定されているので、優先度wが高い領域Aほど長時間の洗浄が行われる。そのため、基板Wに付着した汚れが除去されにくい領域Aほど優先度wが高くなるように各領域Aの優先度wを設定しておくことで、基板Wの上面において汚れが除去されにくい領域Aを充分に洗浄することができる一方で、基板Wの上面において汚れが除去されやすい領域Aの洗浄時間を短縮することができる。したがって、スループットの低下を抑制し、かつ、基板Wの上面を万遍なく洗浄することができる。
また、この実施形態によれば、基板Wの汚染度合が高い領域Aほど優先度wが高い。そのため、基板Wの上面において汚染度合が比較的高い領域Aを充分に洗浄することができる一方で、基板Wの上面において汚染度合が比較的低い領域Aの洗浄時間を短縮することができる。したがって、スループットの低下を抑制し、かつ、基板Wの上面を万遍なく洗浄することができる。
また、この実施形態によれば、ブラシ移動工程が実行される合計時間T、領域Aの数i、i番目の領域Aの優先度wi、および、i番目の領域Aにおけるブラシ31の移動距離riを指定し、式(1)を用いることによって、i番目の領域Aにおけるブラシ31の移動時間tiが算出される。そして、式(1)から算出された移動時間tiと、指定されたi番目の領域Aにおけるブラシ31の移動距離riとを式(2)に代入することによって、i番目の領域Aにおけるブラシ31の移動速度viが算出される。したがって、各領域Aiにおけるブラシの移動速度viは、ブラシ移動工程の開始から時間T経過後に(予め指定した時間通りに)ブラシ移動工程が終了するように設定される。よって、スループットの低下を確実に抑制することができる。
上述の実施形態における基板処理装置1による基板処理では、図4に示した基板処理が実行される前に、ブラシ移動工程(図4のS6)におけるブラシ31の押付力または押付圧が、制御ユニット3によって設定されていてもよい。
具体的には、制御ユニット3は、各領域Aに第2の優先度yを設定し、第2の優先度yが高い領域Aほど基板Wに対するブラシ31の押付力または押付圧が高くなるように、当該押付力または押付圧を設定する(押付力設定工程、押付圧設定工程)。
図8Aは、各領域Aにおける第2の優先度yとブラシ31の押付力との関係の一例を示した表である。回転軸線a1から数えてn番目の領域Anにおける第2の優先度yをynともいう(図示せず)。図8Aは、n=5の例を示している。パーティクル数とは、単位面積当たりのパーティクルの個数である。
第2の優先度yは、基板Wの汚染度合が高い領域Aほど高くなるように設定されている。詳しくは、第2の優先度yは、基板Wの上面に付着したパーティクルの数が多いほど押付力が高くなるように設定される。押付力は、パーティクル数に比例して変化するように設定されていてもよい。
ブラシ押付工程では、基板Wの上面に対するブラシ31の押付力(押付圧)を、歪みゲージなどの圧力センサ(図示せず)を用いて測定することによって、ブラシ31の押付力(押付圧)を検出している。これにより、基板Wの上面に対するブラシ31の押付力(押付圧)が、押付力(押付圧)設定工程で設定された押付力(押付圧)と一致していることを確認することができる。また、制御ユニット3は、ブラシ31の洗浄面31aの表面積と押付力から押付圧を算出し、押付圧を設定することもできる。
この基板処理では、回転状態の基板Wに対するブラシ31の押付圧は、各領域Aに設定された第2の優先度yが高い領域Aほど高い。そのため、基板Wの上面において第2の優先度yが比較的高い領域Aの洗浄時間を短縮することができる。その一方で、ブラシ31を常に一定の押付圧で押し付ける基板処理と比較して、ブラシ31の消耗を抑えることができ、ブラシ31の長寿命化を図れる。したがって、スループットの低下を抑制し、かつ、基板Wの上面を万遍なく洗浄することができる。
また、この基板処理によれば、基板Wの上面の汚染度合が高いほど回転状態の基板Wに対するブラシ31の押付圧が高くなる。そのため、汚染度合が比較的高い領域Aにおける基板Wの上面の洗浄時間を短縮することができる。その一方で、ブラシ31を常に一定の押付圧で押し付ける基板処理と比較して、ブラシ31の消耗を抑えることができ、ブラシ31の長寿命化を図れる。したがって、スループットの低下を抑制し、かつ、基板Wの上面を万遍なく洗浄することができる。
この基板処理とは異なり、基板Wの上面に対する汚れ(たとえばパーティクル)の吸着度合が高い領域Aほど第2の優先度yが高くなるように、第2の優先度yが設定されていてもよい。
図8Bは、領域Aを横軸とし、各領域Aにおける基板Wに対するブラシ31の押付圧を示したグラフ図である。制御ユニット3は、図8Bのような各領域Aにおけるブラシ31の押付圧を示すグラフ図を操作ユニット6(図2参照)の表示部に表示させてもよい。これにより、作業者は、各領域Aにおける汚染度合(パーティクルの数)を視覚的に確認することができる。
また、上述の実施形態における基板処理装置1による基板処理では、制御ユニット3は、ブラシ移動工程(図4のS6)と並行して、ブラシ鉛直駆動機構38を制御して、ブラシ31を昇降させてもよい(ブラシ昇降工程)。制御ユニット3は、図4に示した基板処理が実行される前に、ブラシ昇降工程におけるブラシ31の鉛直方向位置を、領域A毎に設定していてもよい(鉛直位置設定工程)。鉛直位置設定工程では、ブラシ31を基板Wの上面に沿わせた状態でブラシ移動工程が実行されるようにブラシ31の鉛直方向位置が設定される。
図9Aに示すように、回転軸線a1から径方向外方に向かうにしたがって下方に向かうように基板Wが反っている、すなわち上反りの場合がある。この場合、基板Wの中央付近よりも基板Wの外周付近の位置の方が、鉛直方向における基板Wの上面の位置が低い。逆に、図9Bに示すように、回転軸線a1から径方向外方に向かうにしたがって上方に向かうように基板Wが反っている、すなわち下反りの場合がある。この場合、基板Wの中央付近よりも基板Wの外周付近の位置の方が、鉛直方向における基板Wの上面の位置が高い。
この基板処理では、ブラシ移動工程と並行してブラシ昇降工程が実行される。ブラシ31を基板Wの上面に沿わせた状態でブラシ移動工程が実行されるように、ブラシ昇降工程におけるブラシ31の鉛直方向位置が領域A毎に設定される。そのため、仮に基板Wに図9Aまたは図9Bに示すような反りが発生していたとしても、ブラシ31が基板Wの上面に接触する状態を維持することができるので、基板Wの上面の洗浄のむらを抑制できる。したがって、基板Wの上面を一層万遍なく洗浄することができる。
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、さらに他の形態で実施することができる。
たとえば、制御ユニット3が各領域Aにおけるブラシ31の移動速度を設定する際、補助記憶装置71に保存されたテーブル76(図3参照)を用いてもよい。テーブル76には、図10に示すように、各領域Aにおけるブラシ31の移動距離r1,…,r(n−1)と、各領域Aにおける優先度w1,…,wnとの組み合わせのパターンが複数入力されている。図6のステップT2において、制御ユニット3は、テーブル76から、各領域Aにおけるブラシ31の移動距離r1,…,r(n−1)を取得し、図6のステップT4において、制御ユニット3が、テーブル76から各領域Aにおける優先度w1,…,wnを取得してもよい。
また、図6に示す例とは異なり、n=2の場合のブラシ31の移動速度vの設定方法では、制御ユニット3は、ステップT2において移動距離r1を取得し、ステップT3において移動距離r1が基板Wの半径Rよりも小さいか否かを判断する。
また、上述の実施形態とは異なり、第2の優先度yとして、速度設定工程で設定された優先度wを用いてもよい。また、押付力(押付圧)設定工程では、回転状態の基板Wに対するブラシ31の押付力(押付圧)を、ブラシ31の移動速度vに反比例して変化するように設定してもよい。この基板処理によれば、ブラシ押付工程における回転状態の基板Wに対するブラシ31の押付圧は、ブラシ31の移動速度が低いほど高くなる。そのため、優先度wが高い領域ほど当該押付力(押付圧)を高くすることができる。優先度wが比較的高い領域Aの基板Wの上面の洗浄時間を短縮することができる。したがって、スループットの低下を抑制し、かつ、基板Wの上面を万遍なく洗浄することができる。
また、上述の実施形態とは異なり、制御ユニット3は、ブラシ31の移動速度vに反比例して変化するように押付量を設定してもよい。また、制御ユニット3は、回転状態の基板Wに対するブラシ31の押付量を、第2の優先度yの高い領域Aほど高くなるように設定する押付量設定工程を実行してもよい。要は、制御ユニット3は、回転状態の基板Wに対するブラシ31の押付力(押付圧)または押付量、すなわち押付状態を設定する押付状態設定工程を実行すればよい。
また、上述の実施形態では、ブラシ移動工程(図4のS6)において、ブラシ31を中央位置から外周位置へ向けて移動させた。しかし、上述の実施形態とは異なり、ブラシ移動工程において、ブラシ31を外周位置から中央位置へ向けて移動させてもよいし、外周位置から中央位置に向けて移動させた後に、再び外周位置に向けて移動させてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変更を行うことができる。
1 :基板処理装置
3 :制御ユニット(制御手段、コンピュータ)
21 :スピンベース(基板保持手段)
22 :回転軸(基板回転手段)
23 :電動モータ(基板回転手段)
37 :ブラシ水平駆動機構(ブラシ移動手段)
38 :ブラシ鉛直駆動機構(ブラシ接触手段、ブラシ昇降手段)
39 :押付状態変更機構(ブラシ押付手段)
A :領域
L :仮想線
M :リムーバブルメディア(記録媒体)
P :プログラム
27 :吸引機構(基板保持手段)
T :合計時間
W :基板
a1 :回転軸線
r :移動距離
v :移動速度
w :優先度
y :第2の優先度

Claims (15)

  1. 基板を水平に保持する基板保持工程と、
    前記水平に保持された基板を、鉛直方向に沿う回転軸線のまわりに回転させる基板回転工程と、
    前記水平に保持された基板の上面を洗浄するためのブラシを回転状態の前記基板の上面に接触させるブラシ接触工程と、
    前記ブラシ接触工程と並行して、前記水平に保持された基板の上面の中央に接触する位置と、当該基板の上面の外周に接触する位置との間で前記ブラシを移動させるブラシ移動工程と、
    前記基板の上面を当該基板と同心の円形の仮想線で複数の領域に分割し、各前記領域に優先度を設定し、前記優先度が高い前記領域ほど前記ブラシの移動速度が低くなるように前記ブラシ移動工程における前記ブラシの移動速度を設定する速度設定工程とを含む、基板処理方法。
  2. 前記速度設定工程が、前記基板の上面の汚染度合が高いほど高くなるように設定された前記優先度に基づいて、前記ブラシ移動工程における前記ブラシの移動速度を前記領域毎に設定する工程を含む、請求項1に記載の基板処理方法。
  3. 前記速度設定工程が、前記ブラシ移動工程が実行される合計時間をTとし、前記領域の数をiとし、前記回転軸線から数えてi番目の前記領域の前記優先度をwiとし、前記回転軸線から数えてi番目の前記領域における前記ブラシの移動距離をriとし、前記回転軸線から数えてi番目の前記領域における前記ブラシの移動時間をtiとし、前記回転軸線から数えてi番目の前記領域における前記ブラシの移動速度をviとして、下記式(1)および式(2)に基づいて各前記領域における前記ブラシの移動速度を設定する工程を含む、請求項1または2に記載の基板処理方法。
    Figure 2018056198
  4. 前記ブラシ接触工程が、回転状態の前記基板の上面に対して前記ブラシを押し付けるブラシ押付工程を含み、
    各前記領域に第2の優先度を設定し、回転状態の前記基板に対する前記ブラシの押付量または押付圧を、前記第2の優先度が高い前記領域ほど高くなるように各前記領域に設定する押付状態設定工程をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  5. 前記押付状態設定工程が、前記基板の上面の汚染度合が高いほど高くなるように設定された前記第2の優先度に基づいて、前記押付量または前記押付圧を設定する工程を含む、請求項4に記載の基板処理方法。
  6. 前記ブラシ接触工程が、回転状態の前記基板の上面に対して前記ブラシを押し付けるブラシ押付工程を含み、
    前記ブラシの移動速度に反比例して変化するように、回転状態の前記基板に対する前記ブラシの押付量または押付圧を設定する押付状態設定工程を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  7. 前記ブラシ移動工程と並行して、前記ブラシを昇降させるブラシ昇降工程と、
    前記ブラシを前記基板の上面に沿わせた状態で前記ブラシ移動工程が実行されるように、前記ブラシ昇降工程における前記ブラシの鉛直方向位置を前記領域毎に設定する鉛直位置設定工程とをさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  8. 基板を水平に保持する基板保持手段と、
    前記基板保持手段によって保持された基板を、鉛直方向に沿う回転軸線まわりに回転させる基板回転手段と、
    前記基板保持手段によって保持された基板の上面を洗浄するブラシと、
    前記基板保持手段によって保持された基板の上面に前記ブラシを接触させるブラシ接触手段と、
    前記ブラシを水平方向に移動させるブラシ移動手段と、
    前記基板回転手段、前記ブラシ接触手段および前記ブラシ移動手段を制御する制御手段とを含み、
    前記制御手段が、前記水平に保持された基板を回転させる基板回転工程と、前記水平に保持された基板に前記ブラシを接触させるブラシ接触工程と、前記ブラシ接触工程と並行して、前記水平に保持された基板の上面の中央に接触する位置と、当該基板の上面の外周に接触する位置との間で前記ブラシを移動させるブラシ移動工程と、前記基板の上面を当該基板と同心の円形の仮想線で複数の領域に分割し、各前記領域に優先度を設定し、前記優先度が高い前記領域ほど前記ブラシの移動速が低くなるように前記ブラシ移動工程における前記ブラシの移動速を設定する速度設定工程とを実行する、基板処理装置。
  9. 前記優先度が、前記基板の上面の汚染度合が高いほど高くなるように設定されている、請求項8に記載の基板処理装置。
  10. 前記制御手段が、前記速度設定工程において、前記ブラシ移動工程が実行される合計時間をTとし、前記領域の数をiとし、前記回転軸線から数えてi番目の前記領域の前記優先度をwiとし、前記回転軸線から数えてi番目の前記領域における前記ブラシの移動距離をriとし、前記回転軸線から数えてi番目の前記領域における前記ブラシの移動時間をtiとし、前記回転軸線から数えてi番目の前記領域における前記ブラシの移動速度をviとして、下記式(1)および式(2)に基づいて各前記領域における前記ブラシの移動速度を設定する、請求項8または9に記載の基板処理装置。
    Figure 2018056198
  11. 前記水平に保持された基板の上面に対して前記ブラシを押し付けるブラシ押付手段をさらに含み、
    前記制御手段が、回転状態の前記基板の上面に対して前記ブラシを押し付けるブラシ押付工程と、各前記領域に第2の優先度を設定し、回転状態の前記基板に対する前記ブラシの押付量または押付圧を、前記第2の優先度が高い前記領域ほど高くなるように各前記領域に設定する押付状態設定工程とを実行する、請求項8〜10のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  12. 前記制御手段が、前記基板の上面の汚染度合が高いほど高くなるように設定された前記第2の優先度に基づいて、前記押付量または前記押付圧を設定する工程を実行する、請求項11に記載の基板処理装置。
  13. 前記水平に保持された基板の上面に対して前記ブラシを押し付けるブラシ押付手段をさらに含み、
    前記制御手段が、回転状態の前記基板の上面に対して前記ブラシを押し付けるブラシ押付工程と、前記ブラシの移動速度に反比例して変化するように、回転状態の前記基板に対する前記ブラシの押付量または押付圧を設定する押付状態設定工程とを実行する、請求項8〜10のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  14. 前記ブラシを昇降させるブラシ昇降手段をさらに含み、
    前記制御手段が、前記ブラシ接触工程と並行して、前記ブラシを昇降させるブラシ昇降工程と、前記ブラシを前記基板の上面に沿わせた状態で前記ブラシ移動工程が実行されるように、前記ブラシ昇降工程における前記ブラシの鉛直方向位置を前記領域毎に設定する鉛直位置設定工程とを実行する、請求項8〜13のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  15. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板処理方法を、基板処理装置に備えられたコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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