JP7133369B2 - シート積層体及びシート包装体 - Google Patents
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Description
このようなポップアップ式のシート積層体としては、図5に示すような、Z字状に折り畳まれたシートが、一部が重なるように積層されて形成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
長方形状に形成された複数枚のシートが積層されたシート積層体であって、
前記シートは、
当該シートの一辺と略平行な第一折り目において当該シートの一面側に折り返され、
前記第一折り目と前記一辺との間に形成された、前記一辺と略平行な第二折り目において当該シートの他面側に折り返され、
前記第二折り目と前記一辺との間に形成された、前記一辺と略平行な第三折り目において、前記第一折り目の外周を回り込むように、当該シートの前記他面側に折り返され、
前記第三折り目と前記一辺との間に形成された、前記一辺と略平行な第四折り目において、当該シートの前記一面側又は前記他面側に折り返されており、
複数の前記シートが、
前記第一折り目と、前記一辺と対向する他辺と、の間の部分において、前記他面側が上を向き、
一の前記シートの前記一辺と対向する他辺が、
二の前記シートの前記第一折り目と、前記第二折り目と、の間の部分と、
二の前記シートの前記第一折り目と、前記一辺と対向する他辺と、の間の部分と、
の間に挟まれるようにして、一の前記シートの上に二の前記シートが位置するように積層されていることを特徴とする。
本発明によれば、包装体の取出口からシートを取り出す際に、シートが連なって取り出されてしまうおそれを低減することができるシート積層体を提供することができる。
前記シートは、薬液が含浸されたウェットシートであることを特徴とする。
本発明によれば、シートがウェットシートである場合において、包装体の取出口からシートを取り出す際に、シートが連なって取り出されてしまうおそれを低減することができるシート積層体を提供することができる。
請求項1又は2に記載のシート積層体が、取出口を備えた包装体に収納されたシート包装体である。
本発明によれば、包装体の取出口からシートを取り出す際に、シートが連なって取り出されてしまうおそれを低減することができるシート包装体を提供することができる。
なお、以下においては、図3に示すように、前後方向、左右方向及び上下方向並びにX軸、Y軸及びZ軸を定めて説明する。すなわち、シート包装体100において、袋本体121に取出口121aが形成された側を上、その反対側を下、シート包装体100の平面視における長辺の一方が位置している側を後ろ、その反対側を前、後を向いた際の右手側を右、後を向いた際の左手側を左とし、前後方向に沿った軸をX軸、左右方向に沿った軸をY軸、上下方向に沿った軸をZ軸とする。
実施形態に係るシート包装体100は、シート111が複数積層されて形成されたシート積層体110が、包装体120に収納されたものである。
シート積層体110は、シート111が所定の折り方で折り畳まれた上で積層され、これらが所謂ポップアップ式に、最上部のシート111が持ち上げられた際に、次のシート111も持ち上げられるようにし、これを連続して使用することを可能としたものである。
シート111としては、特に限定はなく、一般的な長方形状のウェットティッシュー、トイレクリーナー、キッチンクリーナー等任意のものを用いることができる。
また、シート111は、例えば、ウェットティッシューであれば、目付が30~80gsm、大きさが、MD方向(抄紙機上の紙の進行方向)に100mmから200mm、CD方向(抄紙機上の紙の進行方向と直角する方向)に100mmから200mmに形成されたものが好適である。なお、目付は、JIS P 8124:2011に従って測定した坪量をいう。
また、この場合、薬液含浸率は200質量%以上、300質量%以下であることが好ましい。なお、薬液含浸率とは、薬液含浸前のシート111の質量と、含浸させる薬液の質量とを測定し、薬液含浸前のシートの質量に対する含浸させる薬液の質量の割合を算出したものをいう。
なお、シート111がウェットシートである場合の薬液の含浸は、積層前に行い、薬液が含浸されたシート111を後述のように積層してもよいし、薬液含浸前にシート111を後述のように積層した上で、これに薬液を含浸させてもよい。
シート積層体110は、複数の長方形状のシート111のそれぞれが、図1に示すように折り畳まれた状態で積層されている。
すなわち、まず、シート111は、シート111の一辺(当該辺を第一辺部111aといい、第一辺部111aと対向する辺を第二辺部111bという。)と略平行な第一折り目111eにおいて、シート111の一面側(当該面を第一面111cといい、これと反対側の面を第二面111dという。)に折り返されている。
さらに、シート111は、第一折り目111eと、第一辺部111aとの間に形成された、第一辺部111a及び第二辺部111bと略平行な第二折り目111fにおいて、シート111の第二面111d側に折り返されている。
さらに、シート111は、第二折り目111fと、第一辺部111aとの間に形成された、第一辺部111a及び第二辺部111bと略平行な第三折り目111gにおいて、第一折り目111eの外周を回り込むように、第二面111d側に折り返されている。
さらに、シート111は、第三折り目111gと、第一辺部111aとの間に形成された、第一辺部111a及び第二辺部111bと略平行な第四折り目111hにおいて、第一面111c側に折り返されている。
なお、第四折り目111hは、上記のように第一面111c側へと折り返されることが望ましいが、これと反対に第二面111d側へと折り畳まれるようにすることも可能である。
まず、シート111につき、第一辺部111a近傍を、第一面111c側へと折り畳んで第四折り目111hを形成したのち、第四折り目111hから第二辺部111b方向へと所定の間隔を空けた位置において、第二面111d側へと折り畳むことで、第二折り目111fを形成する。
さらに、第二折り目111fにおいて折り畳まれてシート111が二重に重なった部分を、重なった状態のままで、第四折り目111hと反対側に折り畳むことによって、第一折り目111e及び第三折り目111gをまとめて形成する。
なお、第三折り目111gを、第一折り目111eの外周を回り込むように形成するため、第二折り返し部111kの幅は、第一折り返し部111jの幅よりも大きいか同一である必要がある。
また、第四折り返し部111mは、上下方向に第一折り返し部111j及び第二折り返し部111kと重なるように形成されている必要がある。
具体的には、図2に示すように、第一辺部111a側と、第二辺部111b側と、が反対を向くように配置されたシート111が交互に重ねられることで、シート積層体110が形成されている。
また、それぞれのシート111の主部111iの第二辺部111b近傍は、最上部のシート111を除いて、一つ上部のシート111の第一折り返し部111jと、主部111iとの間に挟まれるように配置されている。
なお、この場合、下方に位置するシート111の主部111iの第二辺部111b近傍が、一つ上部のシート111の第一折り返し部111jと主部111iとの間に挟まれる幅は、下方に位置するシート111の主部111iの幅の5%から35%であることが好ましい。
ただし、これに限られず、シート積層体110をコンパクトに形成する上で望ましくないものの、第一折り目111e、第二折り目111f、第三折り目111g及び第四折り目111hが、シート111の長辺と略平行に形成され、シート111が短手方向に折り返されるようにすることも可能である。
包装体120は、図3に示すように、上面にシート111を1枚ずつ取り出す取出口121aが形成された袋本体121と、取出口121aを開閉自在に覆う蓋材122と、から構成され、図4に示すように、内部にシート積層体110が収納されて使用される。
なお、図3及び図4においては、シート積層体110を形成するシート111の第一辺部111a及び第二辺部111bが、包装体120の平面視における長手方向と略平行となる場合につき図示している。
袋本体121は、シート材により袋状に形成されている。シート材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂シートの単材若しくは複合材、又はこれら合成樹脂シートとアルミフォイル若しくは紙等を貼り合わせた複合シートを使用することができる。
また、シート材の厚みは、40μmから70μmであることが好ましい。
また、袋本体121を構成するシート材は、袋本体121の底面側で袋本体121の長手方向に沿って接合され、センターシール部121bを構成するとともに、袋本体10の長手方向の両端部で接続され、エンドシール部121c、121cを構成している。
袋本体121の上面に形成された取出口121aの形状は、特に限定されないが、図3(a)に示すように、楕円形が好ましく、かつ、引き出されるシート111に適切な抵抗を掛けるため、取出口121aの大きさは、取出口121aの長手方向に30mmから50mm、短手方向に10mmから30mmであることが好ましく、長手方向に35mmから45mm、短手方向に13mmから18mmであることがさらに好ましい。
また、長手方向が、内部に収納されたシート111の各折り目の方向と略平行となるように形成されていることが望ましい。
これによって、使用者が、第三折り返し部111l又は第四折り返し部111mを掴んでシート111を引き出してしまうことを防止できる。
蓋材122は、図3(a)に示すように、袋本体121とは別体のシート片により、取出口121aを開閉自在に覆うように構成されている。蓋材122を構成するシート片の材質としては、袋本体121を構成するシート材と同様のものを用いることができる。
蓋材122を構成するシート片の厚みは、袋本体121を構成するシート材よりも厚く、60μmから80μmであることが好ましい。
また、蓋材122の裏面には、ポリエステル系、アクリル系、ゴム系等の感圧接着剤が塗布されており、蓋材122は、取出口121aを開閉自在に覆うように袋本体121に接着される。
実施形態に係るシート包装体100によれば、図2及び図4に示すように、上下のシート111が重なった部分において、上側のシート111の主部111i、第三折り返し部111l及び第四折り返し部111mと、第一折り返し部111j及び第二折り返し部111kとの間に、下側のシート111の主部111iの第二辺部111b近傍が挟まれる形となり、6層にシートが重なることとなる。
これによって、シート111を、主部111iを掴んで、第二辺部111b付近から包装体120の取出口121aを用いて引き出す際の抵抗が大きくなり、大きな力が掛からない限りシート111が取り出されなくなることから、一枚のシート111を取り出す際に、その直下のシート111が連なって取り出されてしまうおそれを低減できる。
したがって、この点からも、一枚のシート111を取り出す際に、その直下のシート111が連なって取り出されしまうおそれを低減できる。
従来のZ字状に折られたものにおいては、シート111全体が伸ばされた状態で取り出されることから、シート111の取り出し時に使用者が掴んだのと反対側の端部付近が、取り出し時の抵抗によって伸びてしまい易いが、本実施形態によれば、当該端部付近が折り畳まれた状態のままで取り出されるため、このようなおそれも低減できる。
以下の実施例及び比較例に係るシート包装体を用意した。
(シート積層体)
<シートの構成>
大きさ:MD方向135mm、CD方向175mmの矩形状
繊維材料:レーヨン50質量%、PET(ポリエチレンテレフタレート)50質量%
製法:スパンレースを用いて形成された不織布
目付:30gsm
薬液:精製水を99質量%以上、防腐剤を1質量%未満
薬液含浸率:230%。なお、シート積層前(シートを折った後、含浸し、積層する一枚含浸方法)に薬液を含浸した。
<積層方法>
MD方向と平行な折り目によって、第一折り目111e、第二折り目111f、第三折り目111g及び第四折り目111hを形成し、主部111iがCD方向に75mmの幅、第一折り返し部111jがCD方向に30mmの幅、第二折り返し部111kがCD方向に30mmの幅、第三折り返し部111lがCD方向に35mmの幅、第四折り返し部111mがCD方向に5mmの幅となるように、図1に示すように折り畳んだ。
このようなシート111を、下方に位置するシート111の主部111iの第二辺部111b近傍が、一つ上部のシート111の第一折り返し部111jと、主部111iとの間に、CD方向に20mmの幅で挟まれるようにして、図2に示すように、80枚積層した。
(包装体)
<袋本体>
シート材:材料PET/LLDPE、厚み62μm
形状:図3に示すピロー包装型。
大きさ:エンドシール部121c、121cを除いた平面視における長手方向の断面(図3におけるYZ面に沿った断面)において、内面側の周長が360mmとなり、平面視における短手方向の断面(図3におけるXZ面に沿った断面)において、内面側の周長が260mm
取出口:長径35mm、短径15mmの楕円形。袋本体の上面の中央に形成した。なお、蓋材を剥がして、取出口を開放状態としたものを用いた。
シートに含浸させる薬液として、アルコールを含まず、除菌作用を有するもの、具体的には、防腐剤とその溶剤、pH調整剤を10質量%未満、精製水を90質量%以上の割合で含有するものを用いた。その他の構成は、実施例1と同様である。
シートに含浸させる薬液として、アルコールを含み、除菌作用を有するもの、具体的には、エタノールとその他防腐剤を30質量%以上、精製水を70質量%未満の割合で含有するものを用いた。その他の構成は、実施例1と同様である。
(シート積層体)
<シートの構成>
実施例1と同様である。
<積層方法>
図5に示すように、MD方向と平行な2か所の折り目によって、Z字状に折り畳んだ。具体的には、中央部分がCD方向に80mmとなり、両側の折り返し部分が共にCD方向に47.5mmとなるように折り畳んだ。
このようなシート111を、図5に示すように、上方に位置するシート111の下方に折り畳まれた部分と、下方に位置するシート111の上方に折り畳まれた部分とが、CD方向に幅20mm重なるようにして、64枚積層した。
(包装体)
実施例1と同様である。
シートに含浸させる薬液を、実施例2と同様とした。その他の構成は、比較例1と同様である。
シートに含浸させる薬液を、実施例3と同様とした。その他の構成は、比較例1と同様である。
上記実施例及び比較例に係るシート包装体を用いて、以下の試験を行った。
上記実施例及び比較例のシート包装体について、取出口121aから、シート111を一枚引き出す際に要する力について測定した。
具体的には、デジタルフォースゲージ(IMADA、DS2-200N)を、包装体内のシート111の平面視において取出口121aと重なる部分に接続し、当該状態でシート111を垂直方向に引っ張って引き出す際に掛かった力の最大値を、実施例については1~80枚目まで、比較例については1~64枚目までそれぞれのシート111につき測定し、その平均値を求めた。
上記実施例及び比較例に用いられたシート包装体について、シート111同士が張り付く力について測定した。
具体的には、シート積層体を包装体から取り出した上で、デジタルフォースゲージ(IMADA、DS2-200N)を、シート111の、包装体に包装されていた際に取出口121aと平面視において重なっていた部分に接続し、当該状態でシート111を垂直方向に引っ張って、一つ下のシートから引き剥がす際に掛かった力の最大値を、実施例については1~79枚目まで、比較例についてはい1~63枚目までそれぞれのシート111につき測定し、その平均値を求めた。
上記実施例及び比較例に用いられたシート包装体について、シートを複数枚連続して取り出し、その際に連なって取り出されてしまう確率を算出した。
具体的には、各シート包装体について、上面を抑えず、平面視における長手方向の一端部近傍を平面視における短手方向の両側から挟み込むようにして片手で押さえた状態(一側面に親指があたり、これと対向する他の側面に中指及び人さし指が当たり、これらで挟み込む状態)で、一枚ずつシート111を引き出した。
具体的には、シート111が実施例については80枚、比較例については64枚収納された状態から、1枚ずつ、実施例については80枚、比較例については64枚引き出した。
なお、1枚取り出したときにその下のシートがつながって出てきて、2枚目のシートが、包装体から完全に取り出されてしまった場合に、連なって取り出されたと判断し、このようなシートの数を数えた。
また、2回の試験を行い、その平均を連なって取り出された枚数とした。したがって、例えば1回目が1枚、2回目が0枚であれば、連なって取り出された枚数は、0.5枚ということとなる。
試験の結果を表Iに示す。
実施例と比較例との比較から、薬液が精製水99%のものの場合、アルコールを含まず除菌作用を有するものの場合、アルコールを含み除菌作用を有するものの場合のいずれの場合においても、シート積層体を、図1及び図2に示す折り方で作成することによって、従来のZ折りで作成した場合と比較して、シート引き出し時に要する力が強くなると共に、シート同士の張り付く力は弱くなっている。
したがって、一枚のシートを引き出す際に、引き出すシートによって、その下のシートが張り付いて引っ張られる力は弱くなる一方、下のシートが連なって引き出されるために要する力は強くなることから、シートが連なって引き出され難くなることが分かる。
また、実際の引き出し試験においても、薬液が精製水99%のものの場合、アルコールを含まず除菌作用を有するものの場合、アルコールを含み除菌作用を有するものの場合のいずれの場合においても、シート積層体を、図1及び図2に示す折り方で作成することによって、従来のZ折りで作成した場合と比較して、連なって取り出される確率を大幅に低減できることが分かる。
110 シート積層体
111 シート
111a 第一辺部
111b 第二辺部
111c 第一面
111d 第二面
111e 第一折り目
111f 第二折り目
111g 第三折り目
111h 第四折り目
120 包装体
121a 取出口
Claims (3)
- 長方形状に形成された複数枚のシートが積層されたシート積層体であって、
前記シートは、
当該シートの一辺と略平行な第一折り目において当該シートの一面側に折り返され、
前記第一折り目と前記一辺との間に形成された、前記一辺と略平行な第二折り目において当該シートの他面側に折り返され、
前記第二折り目と前記一辺との間に形成された、前記一辺と略平行な第三折り目において、前記第一折り目の外周を回り込むように、当該シートの前記他面側に折り返され、
前記第三折り目と前記一辺との間に形成された、前記一辺と略平行な第四折り目において、当該シートの前記一面側又は前記他面側に折り返されており、
複数の前記シートが、
前記第一折り目と、前記一辺と対向する他辺と、の間の部分において、前記他面側が上を向き、
一の前記シートの前記一辺と対向する他辺が、
二の前記シートの前記第一折り目と、前記第二折り目と、の間の部分と、
二の前記シートの前記第一折り目と、前記一辺と対向する他辺と、の間の部分と、
の間に挟まれるようにして、一の前記シートの上に二の前記シートが位置するように積層されていることを特徴とするシート積層体。 - 前記シートは、薬液が含浸されたウェットシートであることを特徴とする請求項1に記載のシート積層体。
- 請求項1又は2に記載のシート積層体が、取出口を備えた包装体に収納されたシート包装体。
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