JP7133315B2 - 故障予知システム - Google Patents

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Description

開示の実施形態は、故障予知方法、故障予知システムおよび故障予知プログラムに関する。
従来、機械設備につき、機械設備に設けられたセンサのセンサ値を監視することで故障予兆を検出することにより、故障の発生を予知する技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示の技術は、車両に搭載されたセンサのセンサ値と正常閾値とを比較し、この比較結果に基づいて、センサに異常が発生しているか否かを判断する。そして、センサに異常が発生していると判断された場合に、センサ値および正常閾値間の差の積算値や、異常発生継続時間などを用いて、センサの故障予兆を評価するための評価指標を算出し、かかる評価指標を用いてセンサの故障予兆を検出する。
特開2011-230634号公報
しかしながら、上述した従来技術には、駆動部を有する機械設備の故障予兆を精度よく捉えるうえで、さらなる改善の余地がある。
具体的には、上述した従来技術は、閾値を超える明確な異常状態を検出することには向いているものの、たとえば駆動部の各構成部品の経年変化などによりシステム全体の挙動に現れはするが閾値を超えるまでのセンサ値は示さない不明確な異常状態を検出することには不向きである。したがって、故障予兆を精度よく捉え、たとえば駆動部の突発的な故障や異常停止を防止するうえでは不十分である。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、駆動部を有する機械設備の故障予兆を精度よく捉えることができる故障予知方法、故障予知システムおよび故障予知プログラムを提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る故障予知システムは、エッジデバイスと、故障予知装置を備える。前記エッジデバイスは、駆動部を有する機械設備と通信可能に設けられる。前記故障予知装置は、前記エッジデバイスと通信可能に設けられる。また、前記エッジデバイスは、抽出部を備える。前記抽出部は、前記機械設備に設けられた複数のセンサのセンサデータのうち、前記機械設備の正常稼働時における正常状態分、異常発生時における異常状態分、および、任意の評価時における評価分を抽出する。また、前記故障予知装置は、第1生成部と、第2生成部と、評価部と、判定部とを備える。前記第1生成部は、前記正常状態分に基づき、前記駆動部の駆動電流の時間変動が特徴ベクトルに含まれるように機械学習を実行することによって、前記正常稼働時における前記センサ間の相関性をモデル化した正常モデルを生成する。前記第2生成部は、前記異常状態分に基づき、前記異常発生時における前記駆動電流の時間変動が特徴ベクトルに含まれるように機械学習を実行することによって、前記異常発生時における異常パターンをモデル化した異常分類モデルを生成する。前記評価部は、前記評価分を前記正常モデルへ入力することによって得られる該正常モデルの出力値に基づいて前記機械設備の正常状態からの乖離度を評価する。前記判定部は、前記乖離度に基づいて前記機械設備の故障予兆を判定し、該故障予兆ありと判定される場合に、前記評価分を前記異常分類モデルへ入力することによって得られる該異常分類モデルの出力値に基づいて前記機械設備の異常発生箇所を判定する。また、前記抽出部は、少なくとも前記駆動電流についてはマイクロ秒単位のサンプリング周期で前記センサデータを収集し、当該センサデータに対し、フィルタ処理することによって動作周波数を取り除き、かつ、リップル成分の大きさを示すものとなるように二乗平均平方根値へ変換する前処理を施す。また、前記第1生成部は、前記前処理が施された前記センサデータに基づいて前記機械学習を実行する。
実施形態の一態様によれば、駆動部を有する機械設備の故障予兆を精度よく捉えることができる。
図1Aは、実施形態に係る故障予知方法の概要説明図(その1)である。 図1Bは、実施形態に係る故障予知方法の概要説明図(その2)である。 図1Cは、実施形態に係る故障予知方法の概要説明図(その3)である。 図2は、実施形態に係る故障予知システムの構成図である。 図3は、実施形態に係る故障予知システムのブロック図である。 図4Aは、モータがサーボモータである場合のデータ収集方法の説明図(その1)である。 図4Bは、モータがサーボモータである場合のデータ収集方法の説明図(その2)である。 図5Aは、モータがインダクションモータである場合のデータ収集方法の説明図(その1)である。 図5Bは、モータがインダクションモータである場合のデータ収集方法の説明図(その2)である。 図5Cは、モータがインダクションモータである場合のデータ収集方法の説明図(その3)である。 図6Aは、前処理部のブロック図(その1)である。 図6Bは、前処理部のブロック図(その2)である。 図7Aは、第1の検証例の検証結果を示す図である。 図7Bは、第2の検証例の検証結果を示す図である。 図7Cは、第3の検証例の検証結果を示す図である。 図8は、故障予知システムが実行する処理手順を示すフローチャートである。 図9は、故障予知装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する故障予知方法、故障予知システムおよび故障予知プログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
また、以下では、故障予兆判定の対象となる機械設備を「対象装置100」と記載する。対象装置100は、モータMを含む駆動部101によって駆動する装置であるものとする。
まず、本実施形態に係る故障予知方法の概要について、図1A~図1Cを参照して説明する。図1A~図1Cは、実施形態に係る故障予知方法の概要説明図(その1)~(その3)である。
図1Aに示すように、対象装置100は、駆動部101を有する。駆動部101は少なくともモータMを含む。なお、モータMは複数であってもよい。また、対象装置100は、センサS-1~S-nのセンサ群を有する。センサ群は、対象装置100の挙動を示す種々の稼働データを検知し、センサデータとして出力する。
なお、センサ群の各センサS-1~S-nは、駆動部101に搭載されるか、駆動部101以外に搭載されるかを問わない。また、本実施形態では、物理的な各センサS-1~S-nが検知するものだけでなく、駆動部101がたとえば稼働データをアナログ出力する場合も広くセンシングとして捉えることとし、かかるアナログ出力された稼働データを、センサ群からのセンサデータとして説明する場合がある。
本実施形態に係る故障予知方法は、このようなセンサ群からのセンサデータに基づき、センサS-1~S-n間の相関性を把握し、かかる相関性の変化に基づいて対象装置100全体の挙動の変化を把握するものである。
具体的には、図1Bに示すように、本実施形態に係る故障予知方法では、「正常状態分」の相関性を示す各センサS-1~S-nのセンサデータを用いて機械学習を実行し(ステップS1)、正常モデル12aを生成する。なお、本実施形態では、機械学習のアルゴリズムとしてディープラーニングを用いる。ディープラーニングについては公知のため、詳細な説明は省略する。
ここで、「正常状態分」とは、対象装置100の運用初期段階などでの正常稼働時における各センサデータに基づく分を指す。かかる正常状態分のセンサデータ間の相関性に基づいて生成される正常モデル12aにより、言わば対象装置100の正常状態をモデル化することができる。
そして、本実施形態に係る故障予知方法では、図1Bに示すように、かかる正常モデル12aに対し、「評価分」の相関性を示す各センサS-1~S-nのセンサデータを入力し、その結果得られる正常モデル12aの出力値(回帰値)から相関のズレ量を算出する。そして、かかる相関のズレ量に基づき、正常状態からの乖離度を評価する(ステップS2)。
かかる正常状態からの乖離度が大きければ、故障予兆を示すとして、対象装置100の故障を予知することができる。なお、ここで「評価分」とは、たとえば対象装置100から現在進行形で出力されるリアルタイムデータに基づく分を指す。
このように、本実施形態に係る故障予知方法では、対象装置100全体の挙動をセンサS-1~S-n間の相関性によって把握し、その挙動の変化は、正常状態の相関性をモデル化した正常モデル12aの出力値により得ることができる。そして、かかる出力値に基づく正常状態からの乖離度の大きさにより、対象装置100の故障を予知する。
したがって、本実施形態に係る故障予知方法によれば、たとえば故障発生時のセンサデータに基づく機械学習により生成される予測モデルを用いた故障予知方法であれば必要となってくる、すべての故障現象のモデル化の実施などといった煩雑な工程は不要となる。すなわち、本実施形態に係る故障予知方法によれば、対象装置100の故障予兆を簡便に捉えることが可能となる。
なお、本実施形態に係る故障予知方法では、図1Aに示すように、各センサデータの時間変動、すなわち時系列の相関性を特徴ベクトル(以下、単に「ベクトル」と言う)に含めた機械学習を行い、センサデータの時間変動に現れる故障の予兆を把握可能にしている。これにより、対象装置100の故障予兆を精度よく捉えることができる。
そしてさらに、本実施形態では、これまで説明した故障予知方法に基づいて特に、対象装置100が有する駆動部101についての故障予兆を精度よく捉えることとした。具体的には、本実施形態に係る故障予知方法では、センサ群からのセンサデータは、駆動部101が有するモータMの「モータ電流」、「モータトルク」および「モータ速度」についてのものを含む。「モータ電流」については、たとえば100マイクロ秒程度で高速サンプリングされる。
そして、本実施形態に係る故障予知方法では、ステップS1(図1B参照)の機械学習に関し、主にモータMの「モータ電流」をベクトルに含めた機械学習を行う。モータMの「モータ電流」が収集できない場合には、「モータトルク」および「モータ速度」をベクトルに含めた機械学習を行う。
なお、かかる機械学習に際しては、各センサデータについて、データの特徴を残しつつもデータ量が膨大なものとならないように、必要となる所定の前処理を行う。かかる前処理の内容については、図6A等を用いた説明で後述する。また、「モータ電流」、「モータトルク」および「モータ速度」の各センサデータの収集方法については、図4A~図5Cを用いた説明で後述する。
そして、本実施形態に係る故障予知方法では、前処理されたモータ電流データ、モータトルクデータあるいはモータ速度データを学習用データセットとしたディープラーニングにより、正常モデル12aを生成する。
図1Bのニューラルネットワークに図示するように、正常モデル12aでは、正常のみを学習する分析アルゴリズムとして、たとえば「オートエンコーダ」を用いることができる。
正常モデル12aの生成後、モータ電流データのリアルタイムデータ、あるいは、モータトルクデータおよびモータ速度データのリアルタイムデータを正常モデル12aへ入力し、入力値と出力値との誤差(再構成誤差)を演算することで、正常状態からの乖離度を示すパラメータを得ることができる。そして、かかる乖離度を所定の判定閾値により判定することで、駆動部101の故障予兆を判定することができる。
そしてさらに、本実施形態に係る故障予知方法では、正常状態の相関性をモデル化した正常モデル12aだけでなく、過去の異常発生時のセンサデータに基づいて異常パターンをモデル化した異常分類モデル12bをあわせて用いることによって、異常発生箇所の推定まで行うこととした。
具体的には、図1Cに示すように、本実施形態に係る故障予知方法では、「異常状態分」の相関性を示す各センサS-1~S-nのセンサデータを用いて機械学習を実行し(ステップS3)、異常分類モデル12bを生成する。
ここで、「異常状態分」とは、過去の各種の異常発生時における各センサデータに基づく分を指し、図中に示すように、たとえば「ベルト異常」や「軸受異常」といった異常パターンごとでクラスタリングされている。かかる異常状態分のセンサデータに基づいて生成される異常分類モデル12bにより、言わば対象装置100の異常発生時における異常パターンをモデル化することができる。
そして、本実施形態に係る故障予知方法では、図1Cに示すように、かかる異常分類モデル12bに対し、たとえば正常モデル12aに基づいて故障予兆を示すとして判定された「評価分」のセンサデータを入力する。そして、その結果得られる異常分類モデル12bの出力値(たとえば図中の「カテゴリID」)から異常発生箇所を推定する(ステップS4)。
これにより、本実施形態に係る故障予知方法によれば、単に正常か異常かだけでなく、異常、すなわち故障予兆を示すとして判定される場合に、何が要因かまでを推定することができる。したがって、駆動部101の故障予兆を事前に把握できるにとどまらず、必要となる部品の手配や修理、交換などのメンテナンスを迅速に施すことが可能となり、駆動部101が突発的に故障したり、異常停止したりするのを防止することができる。
以下、上述した故障予知方法を適用した故障予知システム1の構成について、さらに具体的に説明する。
図2は、本実施形態に係る故障予知システム1の構成図である。図2に示すように、故障予知システム1は、故障予知装置10と、エッジデバイス30と、ゲートウェイ装置50と、対象装置100とを含む。
対象装置100が稼働する「現場」側から説明する。「現場」には、対象装置100と、エッジデバイス30と、ゲートウェイ装置50とが設けられる。対象装置100は、既に述べたように駆動部101を有する。駆動部101は、1以上のモータMを含む。
エッジデバイス30は、いわゆるモノのインターネット(IoT:Internet of Things)において「モノ」に該当する装置であって、対象装置100と通信可能に接続され、各モータMの稼働データをたとえば「高速サンプリング」で収集して上述した必要な所定の「前処理」を施す。
また、エッジデバイス30は、「前処理」後の各データをゲートウェイ装置50を介してネットワークNへ送信する。ゲートウェイ装置50は、「現場」からネットワークNへの中継装置であって、たとえばフィールドバスネットワークでエッジデバイス30と接続され、エッジデバイス30から受信した各データをネットワークNへ送信する。
このように「現場」側のエッジデバイス30で予め各センサデータを「前処理」し、データの特徴を残しつつもデータ量が膨大なものとならないようにすることで、「高速サンプリング」されたデータに基づきつつも通信負荷を抑えた故障予知を実現することが可能となる。
故障予知装置10はたとえば、いわゆるクラウドコンピューティングにおけるクラウドサーバとして提供され、「現場」側からネットワークNを介して取得した各データを蓄積する。
また、故障予知装置10は、取得した各データに基づき、「機械学習による正常モデル12aの生成」、「機械学習による異常分類モデル12bの生成」を行う。また、故障予知装置10は、生成した「正常モデル12aにより正常状態からの乖離度を評価」する。また、故障予知装置10は、生成した「異常分類モデル12bにより異常発生箇所を推定」する。
より具体的に、故障予知システム1の構成について説明する。図3は、本実施形態に係る故障予知システム1のブロック図である。なお、図3では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素を機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
換言すれば、図3に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。たとえば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
なお、図3を用いた説明では、これまでに既に述べた構成要素については、説明を簡略化するか、省略する場合がある。また、図3を用いた説明では主に、エッジデバイス30と故障予知装置10の構成について説明する。
図2と同様に、「現場」側のエッジデバイス30から説明する。図3に示すように、エッジデバイス30は、制御部31と、記憶部32とを備える。制御部31は、収集部31aと、抽出部31bと、通信部31cとを備える。抽出部31bは、前処理部31baを備える。
記憶部32は、ハードディスクドライブや不揮発性メモリ、レジスタといった記憶デバイスであって、収集データ32aと、正常学習用データセット32bと、異常学習用データセット32cと、評価用データセット32dとを記憶する。
制御部31は、エッジデバイス30の全体制御を行う。収集部31aは、対象装置100の駆動部101に関するセンサデータを所定のサンプリング周期で収集して、収集データ32aへ格納する。所定のサンプリング周期は、たとえばモータ電流の場合、100マイクロ秒程度である。また、たとえばモータトルクやモータ速度の場合、1~20ミリ秒程度である。
なお、モータ電流については、高速サンプリングすることで分解能を上げ、信号の高精度なピーク抽出を可能とすることによって、モータMが高速回転する場合であっても、モータ電流の時間変動に現れる特徴を可能な限り抽出可能にしている。
ここで、駆動部101の構成の違いによるデータ収集方法について、図4A~図5Cを用いて説明する。図4Aおよび図4Bは、モータMがサーボモータ111である場合のデータ収集方法の説明図(その1)および(その2)である。また、図5A~図5Cは、モータMがインダクションモータ114である場合のデータ収集方法の説明図(その1)~(その3)である。
まず、図4Aに示すように、駆動部101が、三相交流駆動されるサーボモータ111と、これを制御するサーボアンプ112とで構成されているものとする。かかる場合、サーボモータ111およびサーボアンプ112間のケーブル(「系統ライン」の一例に相当)に、計器用変流器(以下、「CT(Current Transformer)センサ113」と記載する)を配設することによって、収集部31aは、かかるCTセンサ113を介し、駆動部101のモータ電流に関するセンサデータを収集することができる。
なお、同図に示すように、CTセンサ113は、サーボモータ111およびサーボアンプ112間のケーブルのうちの二相分に配設されていればよい。たとえば、同図に示す例では、CTセンサ113は、U,V,Wの各相のうちのU,V相の各ケーブルに配設されており、収集部31aは、U相のモータ電流IUと、V相のモータ電流IVとを収集する。
また、同じく駆動部101がサーボモータ111とサーボアンプ112とで構成されている場合で、たとえばCTセンサ113を配設できない場合などは、図4Bに示すように、収集部31aは、サーボアンプ112からアナログ出力されるモータトルクTrqおよびモータ速度Spを収集する。
また、図5Aに示すように、駆動部101が、三相交流駆動されるインダクションモータ114と、これに直結される三相交流電源115とで構成されているものとする。かかる場合、図4Aに示したのと同様に、インダクションモータ114および三相交流電源115間のケーブルのうちの二相分、たとえばU,V相の各ケーブルに、CTセンサ113を配設することによって、収集部31aは、かかるCTセンサ113を介し、駆動部101のモータ電流IU,IVを収集する。
また、図5Bに示すように、駆動部101が、インダクションモータ114と、これを制御するインバータ116とで構成されている場合も図5Aに示したのと同様である。すなわち、インダクションモータ114およびインバータ116間のケーブルのうちの二相分、たとえばU,V相の各ケーブルに、CTセンサ113を配設することによって、収集部31aは、かかるCTセンサ113を介し、駆動部101のモータ電流IU,IVを収集する。
また、図5Cに示すように、同じく駆動部101がインダクションモータ114とインバータ116とで構成されている場合で、たとえばCTセンサ113を配設できない場合などは、図4Bに示したのと同様である。すなわち、図5Cに示すように、収集部31aは、インバータ116からアナログ出力されるモータトルクTrqおよびモータ速度Spを収集する。
図3の説明に戻り、つづいてエッジデバイス30の抽出部31bについて説明する。抽出部31bは、収集データ32aから各センサデータを抽出して必要な前処理を施し、前処理後の正常状態分に対応するデータを正常学習用データセット32bへ格納する。また、前処理後の異常状態分に対応するデータを異常学習用データセット32cへ格納する。
また、抽出部31bは、前処理後の評価分に対応するリアルタイムデータを評価用データセット32dへ格納する。なお、ここでは説明の便宜上、抽出部31bが正常状態分、異常状態分および評価分を仕分けることとしているが、抽出部31bは前処理後のデータを仕分けることなく通信部31cを介して故障予知装置10へ送信し、故障予知装置10側で正常状態分、異常状態分および評価分を仕分けさせてもよい。かかる場合、正常学習用データセット32b、異常学習用データセット32cおよび評価用データセット32dは、故障予知装置10側で記憶されることとなる。
前処理部31baは、収集データ32aから抽出された各センサデータに対し、データの特徴を残しつつもデータ量が膨大なものとならないように、必要となる所定の前処理を行う。
ここで、前処理部31baのより具体的な構成について、図6Aおよび図6Bを用いて説明する。図6Aおよび図6Bは、前処理部31baのブロック図(その1)および(その2)である。なお、図6Aには、前処理部31baへモータ電流IU,IVが入力される場合の処理の流れを、図6Bには、前処理部31baへモータ速度SpおよびモータトルクTrqが入力される場合の処理の流れを、それぞれ機能ブロックを用いて表わしている。
図6Aに示すように、前処理部31baは、LPF(Low-pass filter)301,302と、三相変換部303と、電流値算出部304と、RMS(Root Mean Square:二乗平均平方根)算出部305,307と、HPF(High-pass filter)306と、フーリエ変換部308と、速度算出部309とを有する。
LPF301,302は、入力されたモータ電流IU,IVをそれぞれ、いわゆるローパスフィルタ処理する。遮断周波数はたとえば1kHzである。三相変換部303は、LPF301,302によってフィルタ処理されたモータ電流IU,IVからモータ電流IWを推定する、すなわち二相分のモータ電流IU,IVを三相分のモータ電流IU,IV,IWへ変換する。
電流値算出部304は、モータ電流IU,IV,IWから、
Figure 0007133315000001
上記式(1)によってモータ電流値Iを算出する。
RMS算出部305は、電流値算出部304によって算出されたモータ電流値Iを、モータ電流の大きさを示すものとなるように、
Figure 0007133315000002
上記式(2)によってRMS値へ変換する。
HPF306は、電流値算出部304によって算出されたモータ電流値Iを、たとえば遮断周波数1Hzでいわゆるハイパスフィルタ処理する。RMS算出部307は、HPF306によってフィルタ処理されたモータ電流値Iを、モータ電流のリップル成分の大きさを示すものとなるように、上記式(2)によってRMS値へ変換する。
そして、RMS算出部305,307によってそれぞれ算出されたRMS値は、正常学習用データセット32bまたは評価用データセット32dに対応するデータとして前処理部31baから出力される。
フーリエ変換部308は、LPF301,302によってフィルタ処理されたモータ電流IVをフーリエ変換する。なお、図示されていないが、モータ電流IUをフーリエ変換してもよい。また、ここでは、前処理部31baにモータ電流IU,IVが入力される場合の例を示しているが、モータ電流IU,IWの組み合わせや、モータ電流IV,IWの組み合わせであってもよい。
速度算出部309は、フーリエ変換部308によるフーリエ変換後のピークに基づいてモータ速度を算出する。そして、速度算出部309によって算出されたモータ速度は、正常学習用データセット32bまたは評価用データセット32dに対応するリファレンスデータとして前処理部31baから出力される。
また、LPF301,302によってフィルタ処理されたモータ電流IV(あるいはIU,IW)のうちの異常状態分に対応するものについては、異常学習用データセット32cに対応するデータとして前処理部31baから出力される。
また、図6Bに示すように、前処理部31baへモータ速度SpおよびモータトルクTrqが入力される場合、モータ速度Spは、正常学習用データセット32bまたは評価用データセット32dに対応するリファレンスデータとして前処理部31baから出力される。
また、モータトルクTrqは、モータトルクTrqの大きさを示すものとなるように、RMS算出部305によって、上記式(2)によりRMS値へ変換される。また、モータトルクTrqは、HPF306によって、たとえば遮断周波数1Hzでハイパスフィルタ処理された後、モータトルクTrqのリップル成分の大きさを示すものとなるように、RMS算出部307によって、上記式(2)によりRMS値へ変換される。
そして、RMS算出部305,307によってそれぞれ算出されたRMS値は、正常学習用データセット32bまたは評価用データセット32dに対応するデータとして前処理部31baから出力される。
また、前処理部31baへ入力されたモータトルクTrqのうちの異常状態分に対応するものについては、異常学習用データセット32cに対応するデータとして前処理部31baから出力される。
図3の説明に戻り、つづいて通信部31cについて説明する。通信部31cは、抽出部31bによって抽出された正常学習用データセット32b、異常学習用データセット32cおよび評価用データセット32dの各データをゲートウェイ装置50を介してネットワークNへ送信する。
故障予知装置10は、制御部11と、記憶部12とを備える。制御部11は、第1生成部11aと、第2生成部11bと、評価部11cと、判定部11dとを備える。
記憶部12は、ハードディスクドライブや不揮発性メモリ、レジスタといった記憶デバイスであって、正常モデル12aと、異常分類モデル12bと、評価情報12cとを記憶する。
制御部11は、故障予知装置10の全体制御を行う。第1生成部11aは、正常学習用データセット32bを取得し、これを用いたディープラーニングによる機械学習を実行して、正常モデル12aを生成する。第2生成部11bは、異常学習用データセット32cを取得し、これを用いたディープラーニングによる機械学習を実行して、異常分類モデル12bを生成する。
評価部11cは、評価用データセット32dを取得し、これを正常モデル12aへ入力して、正常モデル12aによる出力結果を受け取る。そして、評価部11cは、受け取った出力結果に基づいて故障予兆を判定するための各種評価値を算出し、評価情報12cへ格納する。評価値は、たとえば正常状態からの乖離度を含む。
判定部11dは、評価情報12cを参照して、正常状態からの乖離度が所定の判定閾値以上である場合に、故障予兆ありと判定し、かかる判定結果を評価部11cへ通知する。評価部11cは、判定部11dから故障予兆ありとの判定結果を受け取った場合に、該当するデータを異常分類モデル12bへ入力して、異常分類モデル12bによる出力結果を受け取り、判定部11dへ通知する。
そして、判定部11dは、受け取った出力結果から異常発生箇所を推定し、故障予兆があること、および、推定される異常発生箇所を、故障予知装置10に接続された表示部20等を介して報知する。このとき、判定部11dは、正常状態からの乖離度をあわせて報知してもよい。
ユーザは、たとえば「正常状態からの乖離度」を確認することで、駆動部101の異常度合いを知ることができる。また、たとえば「異常発生箇所」を確認することで、異常の原因を推定し、必要となる部品の手配や作業計画の立案、実行などを迅速に進めることができる。
次に、本実施形態の第1~第3の検証例を示す。図7Aは、第1の検証例の検証結果を示す図である。また、図7Bは、第2の検証例の検証結果を示す図である。また、図7Cは、第3の検証例の検証結果を示す図である。
なお、図7A~図7Cに示す各検証例は、三相交流駆動されるインダクションモータ114につき、U,V各相のモータ電流IU,IVをCTセンサ113によって計測した場合のものである。サンプリング周期は、100マイクロ秒とした。なお、図7Aおよび図7Bの上段には、代表的にU相のモータ電流IUの波形を示している。
第1の検証例は、「モータ速度一定時」のものである。図7Aに示すように、モータ速度を一定とし、同図中の「正常期間」分を正常状態分として正常モデル12aを生成し、かかる正常モデル12aに対して「正常期間」分を含む時系列データを入力した。なお、かかる時系列データ中には意図的に故障を発生させた場合のデータが含まれている。
同図の下段に示すのは、その結果、正常モデル12aの出力値に基づいて得られた正常状態からの乖離度の推移である。かかる結果によれば、「モータ速度一定時」の「正常期間」では、正常状態からの乖離度は間違いなく判定閾値Thを超えておらず、故障予兆があるとして判定されることはないという検証結果が得られた。
一方で、正常状態からの乖離度は、閉曲線O1に囲まれた部分に示すタイミングで初めて判定閾値Thを超えている。したがって、第1の検証例で意図的に発生させた故障は、「モータ速度一定時」にCTセンサ113によって計測されたモータ電流IU,IVに基づいて、かかるタイミングで予知可能であるという検証結果が得られた。
すなわち、本実施形態によれば、駆動部101を有する対象装置100の故障予兆を、CTセンサ113によって計測されたモータ電流IU,IVに基づき、「モータ速度一定時」であっても精度よく捉えることができる。
つづいて、第2の検証例は、「モータ速度可変時」のものである。図7Bに示すように、モータ速度を可変とし、同図中の「正常期間」分を正常状態分として正常モデル12aを生成し、かかる正常モデル12aに対して「正常期間」分を含む時系列データを入力した。なお、かかる時系列データ中にも意図的に故障を発生させた場合のデータが含まれている。
同図の下段に示すのは、その結果、正常モデル12aの出力値に基づいて得られた正常状態からの乖離度の推移である。かかる結果によれば、「モータ速度可変時」の「正常期間」でも、正常状態からの乖離度は、両端のノイズ部分を除き、間違いなく判定閾値Thを超えておらず、故障予兆があるとして判定されることはないという検証結果が得られた。
一方で、正常期間外での正常状態からの乖離度は、両端のノイズ部分を除き、閉曲線O2に囲まれた部分に示すタイミングで初めて判定閾値Thを超えている。したがって、第2の検証例で意図的に発生させた故障は、「モータ速度可変時」にCTセンサ113によって計測されたモータ電流IU,IVに基づいて、かかるタイミングで予知可能であるという検証結果が得られた。
すなわち、本実施形態によれば、駆動部101を有する対象装置100の故障予兆を、CTセンサ113によって計測されたモータ電流IU,IVに基づき、「モータ速度可変時」であっても精度よく捉えることができる。
つづいて、第3の検証例は、異常発生箇所の推定について検証したものである。図7Cに示すように、異常パターン「ベルト異常」および異常パターン「軸受異常」を含む異常学習用のデータセットを用いて機械学習を実行し、異常分類モデル12bを生成した。そのうえで、評価用のデータセットとして、「ベルト異常」時データおよび「軸受異常」時データをそれぞれ異常分類モデル12bへ入力した。なお、異常パターン「ベルト異常」はカテゴリID「001」に、異常パターン「軸受異常」は同「002」に、それぞれクラスタリングされていたものとする(図1C参照)。
その結果、図7Cの閉曲線O3に囲まれた部分に示すように、異常分類モデル12bは、「ベルト異常」時データに対しては、「001」との出力値を返した。すなわち、「ベルト異常」時データに対しては、異常分類モデル12bに基づいて正確に「ベルト異常」と分類されたとの検証結果が得られた。
また、同図の閉曲線O4に囲まれた部分に示すように、異常分類モデル12bは、「軸受異常」時データに対しては、「002」との出力値を返した。すなわち、「軸受異常」時データに対しては、異常分類モデル12bに基づいて正確に「軸受異常」と分類されたとの検証結果が得られた。
すなわち、本実施形態によれば、駆動部101を有する対象装置100の異常発生箇所を、CTセンサ113によって計測されたモータ電流IU,IVに基づき、精度よく推定することができる。
次に、故障予知システム1が実行する処理手順について、図8を用いて説明する。図8は、故障予知システム1が実行する処理手順を示すフローチャートである。
図8に示すように、まず学習対象期間であるか否かが判定される(ステップS101)。学習対象期間は、対象装置100の運用初期段階などでの正常稼働中の期間(前述の「正常期間」に相当)である。
ここで、学習対象期間である場合(ステップS101,Yes)、エッジデバイス30の抽出部31bが、モータ電流を含む、モータ駆動に関する時系列データを前処理しつつ抽出する(ステップS102)。
そして、故障予知装置10の第1生成部11aが、抽出された各データの正常状態分に基づく機械学習により、正常モデル12aを生成する(ステップS103)。また、第2生成部11bが、抽出された各データの異常状態分に基づく機械学習により、異常分類モデル12bを生成する(ステップS104)。なお、学習対象期間でない場合(ステップS101,No)、ステップS105が実行される。
ステップS105では、エッジデバイス30の抽出部31bが、モータ電流を含む、モータ駆動に関するリアルタイムデータを前処理しつつ抽出する。そして、故障予知装置10の評価部11cが、抽出されたデータを入力とした正常モデル12aの出力値から、正常状態からの乖離度を算出する(ステップS106)。
そして、故障予知装置10の判定部11dが、評価部11cにより算出された乖離度が所定の判定閾値Th以上であるか否かを判定する(ステップS107)。ここで、乖離度が判定閾値Th以上である場合(ステップS107,Yes)、判定部11dは、該当のデータを入力とした異常分類モデル12bの出力値から、異常発生箇所を推定する(ステップS108)。
そして、判定部11dは、故障予兆ありおよび異常発生箇所を報知し(ステップS109)、処理を終了する。また、ステップS107の判定条件を満たさない場合も(ステップS107,No)、処理を終了する。なお、この場合において、故障予兆なしを意味する旨を判定部11dが報知してもよい。
ところで、上述してきた実施形態に係る故障予知装置10やエッジデバイス30は、たとえば図9に示すような構成のコンピュータ60によって実現される。以下、故障予知装置10を例に挙げて説明する。図9は、故障予知装置10の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ60は、CPU(Central Processing Unit)61、RAM(Random Access Memory)62、ROM(Read Only Memory)63、HDD(Hard Disk Drive)64、通信インタフェース(I/F)65、入出力インタフェース(I/F)66、およびメディアインタフェース(I/F)67を備える。
CPU61は、ROM63またはHDD64に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM63は、コンピュータ60の起動時にCPU61によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ60のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
HDD64は、CPU61によって実行されるプログラムおよび当該プログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インタフェース65は、通信ネットワーク(図2および図3に示したネットワークNに対応)を介して他の機器からデータを受信してCPU61へ送り、CPU61が生成したデータを、通信ネットワークを介して他の機器へ送信する。
CPU61は、入出力インタフェース66を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU61は、入出力インタフェース66を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU61は、生成したデータを、入出力インタフェース66を介して出力装置へ出力する。
メディアインタフェース67は、記録媒体68に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM62を介してCPU61に提供する。CPU61は、当該プログラムを、メディアインタフェース67を介して記録媒体68からRAM62上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体68は、たとえばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
たとえば、コンピュータ60が実施形態に係る故障予知装置10として機能する場合、コンピュータ60のCPU61は、RAM62上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部11の各機能を実現する。また、HDD64には、記憶部12内のデータが記憶される。コンピュータ60のCPU61は、これらのプログラムを、記録媒体68から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信ネットワークを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
上述してきたように、実施形態に係る故障予知システム1は、エッジデバイス30と、故障予知装置10とを備える。エッジデバイス30は、駆動部101を有する対象装置100(「機械設備」の一例に相当)と通信可能に設けられる。故障予知装置10は、エッジデバイス30と通信可能に設けられる。
エッジデバイス30は、抽出部31bを備える。抽出部31bは、対象装置100に設けられた複数のセンサS-1~S-nのセンサデータのうち、対象装置100の正常稼働時における正常状態分、異常発生時における異常状態分、および、任意の評価時における評価分を抽出する。
故障予知装置10は、第1生成部11aと、第2生成部11bと、評価部11cと、判定部11dとを備える。第1生成部11aは、正常状態分に基づき、駆動部101のモータ電流(「駆動電流」の一例に相当)の時間変動が特徴ベクトルに含まれるように機械学習を実行することによって、正常稼働時におけるセンサ間の相関性をモデル化した正常モデル12aを生成する。
第2生成部11bは、異常状態分に基づき、異常発生時におけるモータ電流の時間変動が特徴ベクトルに含まれるように機械学習を実行することによって、異常発生時における異常パターンをモデル化した異常分類モデル12bを生成する。
評価部11cは、評価分を正常モデル12aへ入力することによって得られる正常モデル12aの出力値に基づいて対象装置100の正常状態からの乖離度を評価する。判定部11dは、上記乖離度に基づいて対象装置100の故障予兆を判定し、故障予兆ありと判定される場合に、上記評価分を異常分類モデル12bへ入力することによって得られる異常分類モデル12bの出力値に基づいて対象装置100の異常発生箇所を判定する。
したがって、本実施形態に係る故障予知システム1によれば、駆動部101を有する対象装置100の故障予兆を精度よく捉えることができる。
(その他の実施形態)
ところで、上述した実施形態では、モータ電流、モータトルクおよびモータ速度をベクトルに含めた機械学習を実行し、その結果生成された正常モデル12aにより、駆動部101の挙動の正常状態からの乖離度を評価する例を挙げたが、さらに振動をベクトルに含めてもよい。
また、上述した実施形態の場合に加えて、さらに温度や対象装置100の位置など、正常状態からの乖離度を評価するのに資すると考えられる他パラメータを機械学習のベクトルに含むこととしてもよい。これにより、駆動部101を有する対象装置100の故障予兆を精度よく捉えるのに、より資することができる。
また、上述した実施形態では、機械学習のアルゴリズムとしてディープラーニングを用いるものとしたが、用いるアルゴリズムを限定するものではない。したがって、SVM(Support Vector Machine)のようなパターン識別器を用いたサポートベクタ回帰等の回帰分析手法により機械学習を実行し、正常モデル12aを生成してもよい。また、ここで、パターン識別器はSVMに限らず、たとえばアダブースト(AdaBoost)などであってもよい。また、ランダムフォレストなどを用いてもよい。
また、上述した実施形態では、駆動部101の駆動源が基本的に回転モータであるものとしたが、リニアモータであってもよい。かかる場合、駆動部101の駆動力は、トルクでなく推力に対応することとなる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 故障予知システム
10 故障予知装置
11a 第1生成部
11b 第2生成部
11c 評価部
11d 判定部
12a 正常モデル
12b 異常分類モデル
30 エッジデバイス
31b 抽出部
31ba 前処理部
32b 正常学習用データセット
32c 異常学習用データセット
32d 評価用データセット
100 対象装置
101 駆動部
111 サーボモータ
112 サーボアンプ
113 CTセンサ
114 インダクションモータ
115 三相交流電源
116 インバータ
M モータ

Claims (5)

  1. 駆動部を有する機械設備と通信可能に設けられたエッジデバイスと、
    前記エッジデバイスと通信可能に設けられた故障予知装置と
    を備え、
    前記エッジデバイスは、
    前記機械設備に設けられた複数のセンサのセンサデータのうち、前記機械設備の正常稼働時における正常状態分、異常発生時における異常状態分、および、任意の評価時における評価分を抽出する抽出部
    を備え、
    前記故障予知装置は、
    前記正常状態分に基づき、前記駆動部の駆動電流の時間変動が特徴ベクトルに含まれるように機械学習を実行することによって、前記正常稼働時における前記センサ間の相関性をモデル化した正常モデルを生成する第1生成部と、
    前記異常状態分に基づき、前記異常発生時における前記駆動電流の時間変動が特徴ベクトルに含まれるように機械学習を実行することによって、前記異常発生時における異常パターンをモデル化した異常分類モデルを生成する第2生成部と、
    前記評価分を前記正常モデルへ入力することによって得られる該正常モデルの出力値に基づいて前記機械設備の正常状態からの乖離度を評価する評価部と、
    前記乖離度に基づいて前記機械設備の故障予兆を判定し、該故障予兆ありと判定される場合に、前記評価分を前記異常分類モデルへ入力することによって得られる該異常分類モデルの出力値に基づいて前記機械設備の異常発生箇所を判定する判定部と
    を備え、
    前記抽出部は、
    少なくとも前記駆動電流についてはマイクロ秒単位のサンプリング周期で前記センサデータを収集し、当該センサデータに対し、フィルタ処理することによって動作周波数を取り除き、かつ、リップル成分の大きさを示すものとなるように二乗平均平方根値へ変換する前処理を施し、
    前記第1生成部は、
    前記前処理が施された前記センサデータに基づいて前記機械学習を実行する
    ことを特徴とする故障予知システム。
  2. 前記第1生成部および前記第2生成部は、
    前記センサデータに基づき、前記駆動部の駆動速度の時間変動および該駆動速度に対応する前記駆動部の駆動力の時間変動が特徴ベクトルに含まれるように機械学習を実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載の故障予知システム。
  3. 前記第1生成部は、オートエンコーダを用いて前記正常モデルを生成し、
    前記評価部は、
    前記正常モデルの入力値と出力値との誤差を前記機械設備の正常状態からの前記乖離度として算出し、
    前記判定部は、
    前記乖離度が所定の判定閾値以上である場合に、前記故障予兆ありと判定する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の故障予知システム。
  4. 前記駆動電流は、
    前記駆動部が有する系統ラインの途中に配設される変流器によって計測される
    ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の故障予知システム。
  5. 前記系統ラインは、三相交流方式における三相の各系統ラインであって、
    前記変流器は、
    前記三相のうちの二相分の前記系統ラインに配設され、
    前記抽出部は、
    前記変流器によって計測される前記二相分の前記駆動電流から残り一相分の前記駆動電流を推定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の故障予知システム。
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