JP2022515935A - 誘導電動機の軸受故障重大度を推定する方法 - Google Patents

誘導電動機の軸受故障重大度を推定する方法 Download PDF

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Abstract

誘導電動機における軸受故障の重大度を推定するシステムが、一組の故障周波数用に設計された一組のフィルター及び一組の定量的モデルを使用する。システムは、固定子電流の測定値を受信すると、第1のフィルターを使用して固定子電流から第1の故障電流を抽出し、第1の定量的モデルを使用して第1の故障電流から第1の相互インダクタンス変動を求め、故障重大度分類器を用いて第1の相互インダクタンス変動を分類して、誘導電動機における第1のタイプの故障の重大度を判断する。同様に、システムは、第2のフィルター及び第2の定量的モデルを使用して第2のタイプの故障を分類する。システムは、誘導電動機における第1のタイプの故障の重大度及び誘導電動機における第2のタイプの故障の重大度のうちの一方又は組み合わせを出力する。

Description

本発明は、包括的には、誘導電動機に関し、より包括的には、電動機の回転要素軸受(rolling-element bearing:転がり軸受、転動体軸受)故障重大度を推定することに関する。
誘導機は、ポンプ、化学物質輸送システム、石油化学製品輸送システム、電化輸送システム等を含む様々な産業用途において広く使用されている。多くの用途において、これらの機械は、高い周囲温度、高い湿気及び過負荷等の幾つかの好ましくない条件下で稼働され、その結果、遂には、電動機が動作不良を起こす可能性があり、これによって、高いメンテナンスコスト、及び、予期しないダウンタイムに起因した深刻な金銭的損失がもたらされる。
誘導機の動作不良は、一般に、ドライブインバーター障害、固定子巻線絶縁破壊、回転子バーの損傷故障、並びに軸受故障及び軸受偏心を含む異なるカテゴリーの様々な故障に原因がある可能性がある。IEEE産業応用部門(IEEE-IAS:IEEE Industry Application Society)及び日本電機工業会(JEMA:Japan Electrical Manufacturers’ Association)によって行われた誘導機の故障の幾つかの調査によって、軸受故障は、最も一般的な故障のタイプであり、33%を越える割合を占めていることが明らかにされている。したがって、任意の電力定格を有する電動機の軸受故障を特定する軸受故障検出アルゴリズムの開発が強く要求されている。
1つのタイプの軸受故障検出は、振動解析に基づくものである。通常、変位、速度、又は加速度の形で測定される振動信号は、幾つかの欠陥又は摩耗が、疲労又は過度のラジアル負荷に起因して発生している場合には、回転要素と内部/外部レースウェイとの間のインパクトの直接的な機械的応答である。したがって、軸受故障は、振動信号を測定して幾つかの特定の信号処理技法を実行することによって検出することができる。例えば、特許文献1は、センサーと電動機回転構成要素との間のクリアランス距離の変化を監視するシステムを開示している。その場合に、クリアランス信号の周波数スペクトルが解析され、クリアランス信号のスペクトルエネルギーが指定閾値を越えている場合には、電動機の軸受故障又は不均衡があると判断することができる。同様に、特許文献2は、同じ原理に従っているが、変位の代わりに加速度を測定して振動信号を表す。
別のタイプの軸受故障検出方法は、超音波周波数レンジ内の音響雑音放射を測定し、この情報を使用して軸受故障の存在を判断する。例えば、特許文献3を参照されたい。振動信号を生成するメカニズムと同様に、高周波数超音波音響雑音信号も、軸受レースウェイ上の回転要素のインパクトによって生成される。この高周波数信号は、オーディオ検出を行うためにオーディオスペクトルに復調することもできるし、FFT周波数スペクトルに変換することもできる。その後、既知の軸受健全状態の事前に記憶されたスペクトル、回転速度及びボール数と比較することによって、軸受故障を自動的に検出することができる。
しかしながら、振動信号又は音響信号に基づく軸受故障診断の精度は、外部の機械的励振動作に起因した背景雑音による影響を受ける可能性があるとともに、その感度も、センサー取り付け位置に基づいて変化することがある。例えば、特許文献4及び特許文献5を参照されたい。したがって、軸受故障検出の代替の手法は、ほとんどの電動機制御センター又はドライブインバーターにおいて測定される誘導機固定子電流を解析することによって行われ、したがって、余分のデバイスも設置コストも招かない。
経済的節約及び単純な実施態様等の利点にもかかわらず、固定子電流兆候解析を用いて軸受故障検出を行うことは、多くの実用上の問題に遭遇する可能性がある。例えば、軸受故障兆候周波数における固定子電流の大きさは、電動機自体の異なる負荷、異なる速度、及び異なる電力定格において変動する可能性があり、したがって、任意の動作状態において故障アラームをトリガーする閾値固定子電流値を特定することが困難になる。したがって、電動機がまだ健全な状態にある間に徹底した体系的な試験が通常必要とされ、ターゲットとされる電動機が異なる負荷及び速度で動作している間に健全なデータが収集される。その上、このプロセスは、異なる電力定格を有する任意の電動機について繰り返される必要がある。このメカニズムは、特許文献6では「学習段階(Learning Stage)」として要約され、健全な状態における固定子電流は、特許文献7では「ベースライン電気信号(baseline electrical signals)」と呼ばれる。
FFTに加えて、電流兆候解析を用いた軸受故障検出の精度及び感度を高めるために、他の高度な信号処理技法及び統計的方法も適用される。例えば、特許文献8は、電動機開始過渡電流を測定し、ウェーブレット変換を適用する装置を開示している。時間関係及びスペクトル関係の双方を伝達するウェーブレット周波数サブバンドが比較され、電動機始動中に軸受欠陥によって誘発される共振に起因したRMS値の変化が検出される。微妙な軸受欠陥を検出するために、又は、全体的粗さ(general roughness)として知られている初期故障段階さえも検出するために、特許文献9は、電流雑音キャンセルの機能を有するウィナーフィルターを適用し、このアルゴリズムが組み込まれたプロセッサは、動作している電動機からリアルタイムの動作電流データを繰り返し受信し、雑音成分を除去して、動作電流データに存在するあらゆる故障成分を分離する。
しかしながら、いわゆる「学習段階」又は集約型データ取得/記憶は、存在するほとんどの最新の方法に依然として必要とされ、これらの方法は、致命的でない故障であっても検出するために大量のデータセットを必要とすることがある。加えて、軸受故障の検出は、大部分が定性的な方法で行われることから、正確な故障状態は定量化することができない。したがって、誘導電動機における軸受故障を電流兆候解析に基づいて検出する普遍的で正確かつ定量的な方法及びシステムが必要とされている。
米国特許第9574965号 米国特許出願公開第2013/0096848号 米国特許出願公開第2012/0316796号 米国特許出願公開第2014/0303913号 米国特許第9618583号 米国特許第5726905号 米国特許出願公開第2013/0049733号 米国特許第6727725号 米国特許第7777516号
幾つかの実施の形態の目的は、誘導電動機の動作における種々のタイプの故障を推定することである。加えて、又は代わりに、幾つかの実施の形態の別の目的は、誘導電動機に取り付けられた回転要素軸受の故障重大度(FS:fault severity)を、電動機電流兆候解析(MCSA:motor current signature analysis)を用いて推定する方法を提供することである。加えて、又は代わりに、幾つかの実施の形態の別の目的は、誘導電動機における固定子電流を測定するセンサーに加えて追加の測定及び/又はセンサーを必要とすることなく故障重大度を推定することである。
幾つかの実施の形態は、特定の故障周波数における故障電流の存在が或るタイプの故障を示すという認識に基づいている。一方、この特定の故障周波数における故障電流の大きさは、必ずしも故障の重大度を示さない。これは、この大きさが、電動機における負荷及び電動機速度に応じて変動するからである。そのため、故障の重大度が同じであっても、検出される故障電流の大きさは異なる可能性がある。一方、幾つかの実施の形態は、故障によって引き起こされる誘導電動機の固定子と回転子との間のエアギャップ変動の大きさが、誘導電動機のタイプを問わず誘導電動機における故障の重大度を示すとともに、エアギャップ変動の周波数が故障のタイプを示すという理解に基づいている。実際、エアギャップの正常(一定)値に対するエアギャップの変動の大きさが大きいほど、故障の重大度は大きくなる。加えて、幾つかの実施の形態は、故障のタイプが同じであり、故障の重大度が同じである場合に、誘導電動機のタイプが異なっても、エアギャップ変動は同じであるか又は少なくとも類似していることを認識している。したがって、エアギャップ変動の特定は、故障の重大度のインジケーターとしての機能を果たすことができる。そのために、電動機のタイプ又は電動機に作用する負荷を問わず、エアギャップの変動の大きさが、重大度を示し、負荷及び電動機のタイプと無関係である。しかしながら、エアギャップ変動は、測定するのが困難であり及び/又は多くのコストを要する。
幾つかの実施の形態は、相互インダクタンスの大きさを通じてエアギャップの大きさを求めることができるという認識に基づいている。具体的には、エアギャップの変動は、相互インダクタンスの変動の伝達関数を使用して求めることができる。加えて、相互インダクタンスは、電動機の定性的電気モデルを通じて故障電流の大きさに関連している。その結果、幾つかの実施の形態は、追加のセンサーを用いることなく故障電流をエアギャップ変動の大きさの表示に変換し、エアギャップ変動を事前に決定された閾値と比較して重大度を推定する。例えば、エアギャップ変動の大きさの表示は、相互インダクタンスの変動及び/又はエアギャップ変動の実際の値とすることができる。
幾つかの実施の形態は、相互インダクタンスの変動をエアギャップ変動の表示として使用するために、故障に起因した相互インダクタンスの変動を、相互インダクタンス変動の他の原因から分離する必要があるという認識に基づいている。したがって、故障電流の特性を正確に推定する必要がある。幾つかの実施の形態は、固定子電流が完全に分かっていても、特性故障電流を正確に抽出することはその大きさに起因して困難であるという認識に基づいている。その大きさは比較的小さく、基本周波数電流の大きさよりも通常30dB~40dB低く、更には50dB低い可能性もある。しかしながら、故障電流から相互インダクタンス変動を推定するには、故障電流を測定された固定子電流から正確に抽出する必要がある。
幾つかの実施の形態は、特定のタイプの故障には、故障電流の周波数の特定の値が存在するという認識に基づいている。そのような周波数は、本明細書では、故障周波数として参照される。異なるタイプの軸受故障には、異なる値の故障周波数が存在する。例えば、幾つかの実施の形態では、誘導電動機の4つの異なるタイプの故障に対して、4つの異なる故障周波数が存在する。そのために、幾つかの実施の形態は、故障周波数の特定の値について、一組の周波数フィルター及び一組の対応する定量的モデルを求める。各周波数フィルターは、固定子電流から故障周波数の故障電流を抽出するように構成され、各定量的モデルは、故障周波数の故障電流を故障周波数の相互インダクタンス変動に関係付けるように構成される。そのようにして、相互インダクタンス変動の推定の精度は、学習段階も追加のセンサーも必要とすることなく高まる。
電動機の動作中、幾つかの実施の形態は、故障周波数のそれぞれについて相互インダクタンス変動をエアギャップ変動に変換する伝達関数を試験し、相対的なエアギャップ変動の周波数及び大きさを所定の閾値と比較して、故障のタイプ及び故障の重大度の双方を求める。例えば、異なる実施態様では、故障アラーム及び/又は故障制御方法は、特定の故障周波数の相対的なエアギャップ変動の大きさが閾値を上回っているときにトリガーされる。
そのために、幾つかの実施の形態は、所定のタイプの軸受故障についてセグメント化された周波数領域において、誘導電動機における種々のタイプの軸受故障の重大度の推定を行う。例えば、各フィルターは、周波数領域において、故障のタイプに基づいて予め求められた特定の故障周波数用に構成される。同様に、定量的モデルは、同じ予め求められた故障周波数用に構成される。幾つかの実施の形態では、同じ故障周波数について求められたフィルター及び定量的モデルの各ペアが個別の検出器を形成する。セグメント化された周波数領域は、追加のセンサーを必要とすることなく、フィルター及び定量的モデルを微調整して相互インダクタンス推定の精度を高めることを可能にする。
幾つかの実施の形態は、定量的電気モデル及び伝達関数に基づいている。軸受故障重大度は2段階で推定される。第1段階の間、誘導電動機相互インダクタンスの変化が、定量的電気モデルを適用することによって、測定された固定子電流データから特定される。第2段階の間、電動機エアギャップ変位が推定される。第2段階は、2つの実施の形態によって実行することができる。一方の実施の形態は、故障周波数の単純化された余弦関数を使用して、軸受レースウェイに対する回転要素のインパクトによって生成される周期的振動パルスを表す。他方の実施の形態は、一連の故障周波数高調波を使用して、より正確な方法で振動パルスを再構成する。定量的電気モデルは、軸受故障タイプを判断するだけである特性故障周波数の単なる列挙ではなく、相互インダクタンス変動とその固定子電流応答との間の解析的関係を扱うので、定量的電気モデルは、伝達関数とともに、電動機エアギャップ変位の観点からの軸受故障重大度の推定を提供することができる。
したがって、1つの実施の形態は、誘導電動機における軸受故障の重大度を推定するシステムを開示する。該システムは、前記誘導電動機の動作中に固定子電流の測定値を受け取るように構成される入力インターフェースと、一組のフィルターを記憶するように構成されるメモリであって、各フィルターは、前記固定子電流から故障周波数の故障電流を抽出するように構成され、前記一組のフィルターは、第1の故障周波数の第1の故障電流を抽出する第1のフィルターと、第2の故障周波数の第2の故障電流を抽出する第2のフィルターとを含み、さらに前記メモリは、一組の定量的モデルであって、各定量的モデルは、前記故障周波数の前記故障電流を前記故障周波数の相互インダクタンス変動に関係付けるように構成され、該一組の定量的モデルは、前記第1の故障電流の大きさを前記第1の故障周波数の第1の相互インダクタンス変動に関係付ける第1の定量的モデルと、前記第2の故障電流を前記第2の故障周波数の第2の相互インダクタンス変動に関係付ける第2の定量的モデルとを含むものと、前記故障周波数のそれぞれについて、前記故障周波数の前記相互インダクタンス変動に基づいて、前記誘導電動機における故障の重大度を推定する少なくとも1つの故障重大度分類器と、を記憶するものと、前記固定子電流の前記測定値を受信すると、前記第1のフィルターを使用して前記固定子電流から前記第1の故障電流を抽出し、前記第1の定量的モデルを使用して前記第1の故障電流から前記第1の相互インダクタンス変動を求め、前記故障重大度分類器を用いて前記第1の相互インダクタンス変動を分類して、前記誘導電動機における第1のタイプの故障の前記重大度を判断することと、前記第2のフィルターを使用して前記固定子電流から前記第2の故障電流を抽出し、前記第2の定量的モデルを使用して前記第2の故障電流から前記第2の相互インダクタンス変動を求め、前記故障重大度分類器を用いて前記第2の相互インダクタンス変動を分類して、前記誘導電動機における第2のタイプの故障の前記重大度を判断することとを行うように構成されるプロセッサと、前記誘導電動機における前記第1のタイプの故障の前記重大度と、前記誘導電動機における前記第2のタイプの故障の前記重大度とのうちの一方又は組み合わせを出力するように構成される出力インターフェースとを備える。
別の実施の形態は、誘導電動機における軸受故障の重大度を推定する方法を開示し、該方法は、メモリに結合されたプロセッサを使用し、前記メモリは、一組のフィルターであって、各フィルターは、固定子電流から故障周波数の故障電流を抽出するように構成され、該一組のフィルターは、第1の故障周波数の第1の故障電流を抽出する第1のフィルターと、第2の故障周波数の第2の故障電流を抽出する第2のフィルターとを含むものと、一組の定量的モデルであって、各定量的モデルは、前記故障周波数の前記故障電流を前記故障周波数の相互インダクタンス変動に関係付けるように構成され、該一組の定量的モデルは、前記第1の故障電流の大きさを前記第1の故障周波数の第1の相互インダクタンス変動に関係付ける第1の定量的モデルと、前記第2の故障電流を前記第2の故障周波数の第2の相互インダクタンス変動に関係付ける第2の定量的モデルとを含むものと、前記故障周波数のそれぞれについて、前記故障周波数の前記相互インダクタンス変動に基づいて、前記誘導電動機における故障の重大度を推定する少なくとも1つの故障重大度分類器と、を記憶し、前記プロセッサは、該方法を実施する記憶された命令と結合され、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、該方法のステップを実行し、該ステップは、前記誘導電動機の動作中に固定子電流の測定値を受け取るステップと、前記第1のフィルターを使用して前記固定子電流から前記第1の故障電流を抽出し、前記第1の定量的モデルを使用して前記第1の故障電流から前記第1の相互インダクタンス変動を求め、前記故障重大度分類器を用いて前記第1の相互インダクタンス変動を分類して、前記誘導電動機における第1のタイプの故障の前記重大度を判断するステップと、前記第2のフィルターを使用して前記固定子電流から前記第2の故障電流を抽出し、前記第2の定量的モデルを使用して前記第2の故障電流から前記第2の相互インダクタンス変動を求め、前記故障重大度分類器を用いて前記第2の相互インダクタンス変動を分類して、前記誘導電動機における第2のタイプの故障の前記重大度を判断するステップと、前記誘導電動機における前記第1のタイプの故障の前記重大度と、前記誘導電動機における前記第2のタイプの故障の前記重大度とのうちの一方又は組み合わせを出力するステップとを含む。
更に別の実施の形態は、方法を実行するプロセッサによって実行可能なプログラムが具現化される非一時的コンピューター可読記憶媒体を開示し、該非一時的コンピューター可読記憶媒体は、一組のフィルターであって、各フィルターは、固定子電流から故障周波数の故障電流を抽出するように構成され、該一組のフィルターは、第1の故障周波数の第1の故障電流を抽出する第1のフィルターと、第2の故障周波数の第2の故障電流を抽出する第2のフィルターとを含むものと、一組の定量的モデルであって、各定量的モデルは、前記故障周波数の前記故障電流を前記故障周波数の相互インダクタンス変動に関係付けるように構成され、該一組の定量的モデルは、前記第1の故障電流の大きさを前記第1の故障周波数の第1の相互インダクタンス変動に関係付ける第1の定量的モデルと、前記第2の故障電流を前記第2の故障周波数の第2の相互インダクタンス変動に関係付ける第2の定量的モデルとを含むものと、前記故障周波数のそれぞれについて、前記故障周波数の前記相互インダクタンス変動に基づいて、誘導電動機における故障の重大度を推定する少なくとも1つの故障重大度分類器と、を記憶し、前記方法は、前記誘導電動機の動作中に固定子電流の測定値を受け取ることと、前記第1のフィルターを使用して前記固定子電流から前記第1の故障電流を抽出し、前記第1の定量的モデルを使用して前記第1の故障電流から前記第1の相互インダクタンス変動を求め、前記故障重大度分類器を用いて前記第1の相互インダクタンス変動を分類して、前記誘導電動機における第1のタイプの故障の前記重大度を判断することと、前記第2のフィルターを使用して前記固定子電流から前記第2の故障電流を抽出し、前記第2の定量的モデルを使用して前記第2の故障電流から前記第2の相互インダクタンス変動を求め、前記故障重大度分類器を用いて前記第2の相互インダクタンス変動を分類して、前記誘導電動機における第2のタイプの故障の前記重大度を判断することと、前記誘導電動機における前記第1のタイプの故障の前記重大度と、前記誘導電動機における前記第2のタイプの故障の前記重大度とのうちの一方又は組み合わせを出力することと、を含む。
幾つかの実施の形態による、誘導電動機の動作における故障のタイプ及び重大度を検出及び/又は分類するシステム100のブロック図である。 幾つかの実施の形態による、誘導電動機の動作における故障のタイプ及び重大度を検出及び/又は分類するシステム100のブロック図である。 幾つかの実施の形態による、セグメント化された周波数領域における故障推定の概略図である。 1つの実施の形態による第1の故障検出器の動作のブロック図である。 誘導電動機における種々のタイプの故障の重大度を検出するために幾つかの実施の形態によって使用されるマルチ物理モデルの変換の概略図である。 幾つかの実施の形態による、回転要素軸受の構造と、その幾何学的特徴を記述するのに使用されるパラメーターとを示す図である。 幾つかの実施の形態によって使用されるエアギャップ変動を示す概略図である。 幾つかの実施の形態による、誘導電動機に電力供給する固定子電流の信号の時間領域における例示的なプロット240を示す図である。 幾つかの実施の形態による、故障が存在する場合の周波数領域における信号のプロット250を示す図である。 幾つかの実施の形態による、幹線給電型誘導機における相互インダクタンス変動を推定する定量的電気モデルへの入力故障電流を生成する信号処理方法のフロー図である。 図3の一実施の形態の動作の例示的なプロットを実例で示す図である。 図3の一実施の形態の動作の例示的なプロットを実例で示す図である。 図3の一実施の形態の動作の例示的なプロットを実例で示す図である。 幾つかの実施の形態による、インバーター給電型誘導機における相互インダクタンス変動を推定する定量的電気モデルへの入力故障電流及び入力電圧を生成する信号処理方法のフロー図である。 幾つかの実施の形態による、相互インダクタンス変動プロファイルを推定する例示的なプロットを示す図である。 幾つかの実施の形態による、相互インダクタンス変動プロファイルを推定する例示的なプロットを示す図である。 幾つかの実施の形態による、相互インダクタンス変動プロファイルを推定する例示的なプロットを示す図である。 幾つかの実施の形態による、正規化されたエアギャップパーミアンスプロファイルを用いて時間領域における正規化されたエアギャップ変動プロファイルを求める伝達関数IIの例示的なプロットである。 幾つかの実施の形態による、正規化されたエアギャップパーミアンスプロファイルを用いて時間領域における正規化されたエアギャップ変動プロファイルを求める伝達関数IIの例示的なプロットである。 基準軸受故障重大度と、幾つかの実施の形態に従って求められた推定最大軸受故障重大度(FS)とを比較するグラフである。
システム概観
図1A及び図1Bは、幾つかの実施の形態による、誘導電動機101の動作における故障のタイプ及び重大度を検出及び/又は分類するシステム100のブロック図を示している。例えば、誘導電動機101は、回転子アセンブリ102、固定子アセンブリ104、メインシャフト106、及び2つの主軸受108を含む。この例では、誘導電動機101はかご形誘導電動機である。アセンブリ108の軸受欠陥は、そのような誘導電動機の代表的な故障であり、内部/外部軸受レースウェイに衝撃を与えるケージ欠陥、回転要素に衝撃を与える内部/外部レースウェイ欠陥、及びレースウェイに衝撃を与える回転要素欠陥を含む。
システム100は、実施の形態に応じて、様々な測定値を入力として取ることによって誘導電動機101の動作を監視及び制御するために使用することができる。例えば、誘導電動機101及びシステム100と結合されたコントローラーが、誘導電動機101の動作条件に関するデータ195を取得するように構成されたセンサー105a、105b、及び/又は105cから受信される入力に基づいて、誘導電動機の動作を制御することができる。幾つかの特定の実施の形態によれば、これらの電気信号センサーは、誘導電動機101に関する電流データ及び電圧データを取得する電流センサー及び/又は電圧センサーとすることができる。例えば、電流センサーは、誘導電動機の複数の相のうちの1つ以上から電流データを検知する。より具体的には、誘導電動機が3相誘導電動機である場合には、電流センサー及び電圧センサーは、3相誘導電動機の3つの相からの電流データ及び電圧データを検知する。幾つかの実施態様では、入力測定値195は、固定子104の電流の測定値である。
システム100は、誘導電動機101における軸受故障の重大度を推定するように構成される。誘導電動機101における軸受故障の例として、ケージ欠陥、内部/外部レースウェイ欠陥、及び回転要素欠陥がある。1つの実施の形態では、電流センサー及び電圧センサーは、誘導電動機101の固定子アセンブリ104からの固定子電流データ及び固定子電圧データをそれぞれ検出する。センサーから取得された電流データ及び電圧データは、更なる処理及び解析のためにコントローラー及び/又は故障検出モジュールに通信される。解析は、電流兆候解析(CSA:current signature analysis)を実行して、誘導電動機101内の故障を検出することを含む。幾つかの実施の形態では、故障を検出すると、システム100は、更なる検査又は修理のために誘導電動機の動作を中断する。
システム100は、システム100を他のシステム及びデバイスと接続する複数の入力インターフェース118及び出力インターフェース116を有することができる。入力インターフェース108は、誘導電動機の動作中に固定子電流の測定値を受け取るように構成される。出力インターフェースは、誘導電動機内の故障の重大度を出力するように構成される。
例えば、入力インターフェース118は、システム100を、バス126を通じてネットワーク190に接続するように適合されたネットワークインターフェースコントローラー(NIC:network interface controller)150を含むことができる。ネットワーク190を通じて、無線又は有線のいずれかで、システム100は、誘導電動機の動作の測定値の時系列サンプルを含む入力信号195を受信することができる。入力信号195の測定値は、センサー105a、105b、及び105cのうちの1つ若しくは組み合わせからの測定値、又は、誘導電動機の動作の物理的変数の測定値から得られるデータである。そのような物理的変数の例として、質量体を移動させる電動機の電流及び/又は電圧がある。時系列サンプルは、単一次元とすることもできるし、多次元、すなわち、1つのサンプルが誘導電動機の動作の種々の物理量の測定値を含むことができるものとすることもできる。
幾つかの実施態様では、システム100内のヒューマンマシンインターフェース(HMI:human machine interface)110が、システムをキーボード111及びポインティングデバイス112に接続する。ポインティングデバイス112は、とりわけ、マウス、トラックボール、タッチパッド、ジョイスティック、ポインティングスティック、スタイラス、又はタッチスクリーンを含むことができる。インターフェース110又はNIC150を通じて、システム100は、誘導電動機101の動作の測定値等のデータ、及び/又は異常検出閾値及び故障分類閾値を受信することができる。
システム100は、誘導電動機の動作の異常検出及び/又は故障分類の結果を出力するように構成された出力インターフェース116を含む。例えば、出力インターフェースは、異常検出及び故障分類の結果をレンダリングするメモリを含むことができる。例えば、システム100は、とりわけ、コンピューターモニター、カメラ、テレビ、プロジェクター、又はモバイルデバイス等のディスプレイデバイス185にシステム100を接続するように適合されたディスプレイインターフェース180にバス126を通じてリンクすることができる。システム100は、様々な動作を実行する機器165にシステムを接続するように適合されたアプリケーションインターフェース160に接続することもできる。システム100は、誘導電動機101にシステムを接続するように適合された制御インターフェース170に接続することもできる。例えば、制御インターフェース170を通じて、システム100は、異常検出及び分類の結果に基づいて誘導電動機101を制御するように構成することができる。
システム100は、記憶された命令を実行するように構成されたプロセッサ120と、このプロセッサによって実行可能な命令を記憶するメモリ140とを含む。プロセッサ120は、シングルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ、コンピューティングクラスター、又は任意の数の他の構成体とすることができる。メモリ140は、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、リードオンリーメモリ(ROM:read only memory)、フラッシュメモリ、又は他の任意の適したメモリシステムを含むことができる。プロセッサ120は、バス106を通じて1つ以上の入力デバイス及び出力デバイスに接続される。これらの命令は、誘導電動機101の動作における異常を検出及び/又は分類する方法を実施する。
幾つかの実施の形態は、特定の故障周波数における故障電流の存在が或るタイプの故障を示すという認識に基づいている。一方、この特定の故障周波数における故障電流の大きさは、必ずしも故障の重大度を示さない。これは、この大きさが、電動機における負荷及び電動機速度に応じて変動するからである。そのため、故障の重大度が同じであっても、検出される故障電流の大きさは異なる可能性がある。一方、幾つかの実施の形態は、故障によって引き起こされる誘導電動機の固定子と回転子との間のエアギャップ変動の大きさが、誘導電動機のタイプを問わず誘導電動機における故障の重大度を示すとともに、エアギャップ変動の周波数が故障のタイプを示すという理解に基づいている。実際、エアギャップの正常(一定)値に対するエアギャップの変動の大きさが大きいほど、故障の重大度は大きくなる。加えて、幾つかの実施の形態は、故障のタイプが同じであり、故障の重大度が同じである場合に、誘導電動機のタイプが異なっても、エアギャップ変動は同じであるか又は少なくとも類似していることを認識している。したがって、エアギャップ変動の特定は、故障の重大度のインジケーターとしての機能を果たすことができる。そのために、電動機のタイプ又は電動機に作用する負荷を問わず、エアギャップの変動の大きさが、重大度を示し、負荷及び電動機のタイプと無関係である。しかしながら、エアギャップ変動は、測定するのが困難であり及び/又は多くのコストを要する。
幾つかの実施の形態は、相互インダクタンスの大きさを通じてエアギャップの大きさを求めることができるという認識に基づいている。具体的には、エアギャップの変動は、相互インダクタンスの変動の伝達関数を使用して求めることができる。加えて、相互インダクタンスは、電動機の定性的電気モデルを通じて故障電流の大きさに関連している。その結果、幾つかの実施の形態は、追加のセンサーを用いることなく故障電流をエアギャップ変動の大きさの表示に変換し、エアギャップ変動を事前に決定された閾値と比較して重大度を推定する。例えば、エアギャップ変動の大きさの表示は、相互インダクタンスの変動及び/又はエアギャップ変動の実際の値とすることができる。
幾つかの実施の形態は、相互インダクタンスの変動をエアギャップ変動の表示として使用するために、故障に起因した相互インダクタンスの変動を、相互インダクタンス変動の他の原因から分離する必要があるという認識に基づいている。したがって、故障電流の特性を正確に推定する必要がある。幾つかの実施の形態は、固定子電流が完全に分かっていても、特性故障電流を正確に抽出することはその大きさに起因して困難であるという認識に基づいている。その大きさは比較的小さく、基本周波数電流の大きさよりも通常30dB~40dB低く、更には50dB低い可能性もある。しかしながら、故障電流から相互インダクタンス変動を推定するには、故障電流を測定された固定子電流から正確に抽出する必要がある。
幾つかの実施の形態は、特定のタイプの故障には、故障電流の周波数の特定の値が存在するという認識に基づいている。そのような周波数は、本明細書では、故障周波数として参照される。異なるタイプの軸受故障には、異なる値の故障周波数が存在する。例えば、幾つかの実施の形態では、誘導電動機の4つの異なるタイプの故障に対して、4つの異なる故障周波数が存在する。そのために、幾つかの実施の形態は、故障周波数の特定の値について、一組の周波数フィルター及び一組の対応する定量的モデルを求める。各周波数フィルターは、固定子電流から故障周波数の故障電流を抽出するように構成され、各定量的モデルは、故障周波数の故障電流を故障周波数の相互インダクタンス変動に関係付けるように構成される。そのようにして、相互インダクタンス変動の推定の精度は、学習段階も追加のセンサーも必要とすることなく高まる。
そのために、システム100のメモリ140は、一組のフィルター131を記憶するように構成される。各フィルター131は、固定子電流195から故障周波数の故障電流を抽出するように構成される。フィルター131は、本明細書において、故障周波数の特定の値用に設計された故障周波数フィルターとも呼ばれる。例えば、一組の故障周波数フィルター131は、第1の故障周波数の第1の故障電流を抽出する第1のフィルターと、第2の故障周波数の第2の故障電流を抽出する第2のフィルターとを含む。1つの実施の形態では、誘導電動機101の5つの異なるタイプの故障のための5つまでの異なる故障周波数フィルターがある。
メモリ140は、一組の定量的モデル133も記憶するように構成される。各定量的モデルは、故障周波数の故障電流を故障周波数の相互インダクタンス変動に関係付けるように構成される。例えば、一組の定量的モデルは、第1の故障電流の大きさを第1の故障周波数の第1の相互インダクタンス変動に関係付ける第1の定量的モデルと、第2の故障電流を第2の故障周波数の第2の相互インダクタンス変動に関係付ける第2の定量的モデルとを含む。
メモリ140は、故障周波数の相互インダクタンス変動に基づいて、故障周波数のそれぞれの誘導電動機における軸受故障の重大度を推定する少なくとも1つの故障重大度分類器135も記憶するように構成される。例えば、故障重大度分類器135は、誘導電動機における軸受故障の重大度を示す相互インダクタンス変動の関数の値の一組の閾値を使用することもできるし、この一組の閾値として実装することもできる。幾つかの実施態様では、この関数は、相互インダクタンス変動を対応するエアギャップ変動に関係付ける伝達関数である。加えて、又は代わりに、故障の重大度を示す相互インダクタンス変動の値に対してこの一組の閾値を定めることができる。
そのために、幾つかの実施の形態は、所定のタイプの軸受故障についてセグメント化された周波数領域において、誘導電動機における種々のタイプの軸受故障の重大度の推定を行う。例えば、各フィルターは、周波数領域において、故障のタイプに基づいて予め求められた特定の故障周波数用に構成される。同様に、定量的モデルは、同じ予め求められた故障周波数用に構成される。幾つかの実施の形態では、同じ故障周波数について求められたフィルター及び定量的モデルの各ペアが個別の検出器を形成する。セグメント化された周波数領域は、追加のセンサーを必要とすることなく、フィルター及び定量的モデルを微調整して相互インダクタンス推定の精度を高めることを可能にする。
幾つかの実施の形態では、固定子電流の測定は、故障周波数に応じた周波数を有するセンサー105a、105b、及び105cによって行われる。例えば、固定子電流の測定値は、第1の故障周波数が第2の故障周波数よりも大きい場合には、第1の故障周波数の少なくとも2倍のサンプリングレートを用いてサンプリングされ、第2の故障周波数が第1の故障周波数よりも大きい場合には、第2の故障周波数の少なくとも2倍のサンプリングレートを用いてサンプリングされる。そのようにして、測定の複雑度は、異なるタイプの誘導電動機ごとに調整される。
図1Cは、幾つかの実施の形態による、セグメント化された周波数領域における故障推定の概略図を示している。各故障検出器は、特定の故障周波数について、固定子電流110cを処理して、その特定の故障周波数に特定の故障重大度を有する故障があるか否かを推定するように設計される。各特定の故障周波数は、誘導電動機101の特定のタイプの故障に対応する。例えば、第1の故障検出器120cは、第1のタイプの故障、すなわち第1の周波数に関連付けられた故障、の重大度125cを推定するように構成される。例えば、第1の周波数は、回転要素が外部レースウェイに衝撃を与える故障に対応し、そのため、第1の故障の重大度は、外部レースウェイ欠陥の程度又はサイズを示す。例えば、重大度の値が小さいほど、軸受レースウェイの表面上の小さな破片(spall)を示すことができる一方、重大度の値が高いほど、亀裂(crack)を示すことができる。
同様に、第2の故障検出器130cは、第2のタイプの故障、すなわち第2の周波数の故障、の重大度135cを推定するように構成され、第3の故障検出器130cは、第3のタイプの故障、すなわち第3の周波数の故障、の重大度145cを推定するように構成される。システム100は、必要な数の故障検出器を有することができる。
幾つかの実施の形態では、重大度分類器135は、各故障検出器によって決定された各故障の重大度を一組の閾値と比較する。一組の閾値は、各検出器に一意とすることもできるし、検出器の一部又は全てに共通とすることもできる。例えば、1つの実施の形態は、重大度125cを第1の閾値と比較する(150c)。重大度125cが第1の閾値よりも小さい場合には、第1の故障152cは存在せず、例えば、破砕されたレースウェイも亀裂の入ったレースウェイも存在しない。そうでない場合には(155c)、実施の形態は、重大度125cを第2の閾値と比較して(160c)、第1のタイプの故障に関する結論を下す。例えば、第1のタイプの故障の重大度125cが第2の閾値よりも小さい場合には(170c)、軸受の外部レースウェイが破砕されており、そのことの表示が出力インターフェース116によってレンダリングされる。そうでない場合には(180c)、外部レースウェイに亀裂が入っており、出力インターフェース116を使用して、誘導電動機を制御することができ、例えば、電動機の動作を停止するように命令することができる。同様に、重大度135c及び145cが同じ閾値又は異なる閾値と比較され、第2のタイプの故障及び/又は第3のタイプの故障についての結論が引き出される。加えて、様々な実施の形態では、閾値の数は、故障推定の所望の感度に基づいて異なることができる。
図1Dは、1つの実施の形態による第1の故障検出器120cの動作のブロック図を示している。他の故障検出器も同様に動作する。第1の故障検出器120cは、システム100のプロセッサ120によって実行される。固定子電流110cの測定値を受信すると、この実施の形態は、第1のフィルター150dを使用して固定子電流110cから第1の故障電流115dを抽出し(110d)、第1の定量的モデル105dを使用して第1の故障電流115dから第1の相互インダクタンス変動125dを求め(120d)、第1の相互インダクタンス変動125dの伝達関数を一組の閾値からの少なくとも1つの閾値140dと比較して、誘導電動機における第1のタイプの故障の重大度125cを分類する(130d)。
幾つかの実施の形態では、閾値140dは、相互インダクタンス変動について決定される。1つの実施の形態では、閾値の値は、分類を簡単にするために、これまでの軸受動作不良データ又は経験に基づいて定められる。代替の実施の形態では、相互インダクタンス変動の閾値は、伝達関数140dによって既定の最大許容可能エアギャップ変動から変換される。この実施の形態は、誘導電動機エンジニアにとって物理的意味を有する閾値を求めるのに有利である。そのようにして、電動機の動作中に、幾つかの実施の形態は、故障周波数のそれぞれの相互インダクタンス変動を所定の閾値と比較して、特定の故障周波数の相互インダクタンス変動の伝達関数が閾値を越えているときに、故障のタイプ及び故障の重大度の双方を求める。
問題の概観
図2Aは、誘導電動機における種々のタイプの故障の重大度を検出するために幾つかの実施の形態によって使用されるマルチ物理モデルの変換の概略図を示している。機械的観点から、軸受故障が、その軸受故障タイプ202を或る特定の故障重大度201とともに特徴付ける幾つかの特定のロケーションに現れるとき、幾つかの振動パルスが、その故障タイプ202によって単独で決まる機械特徴周波数f204を有する回転要素と軸受レースウェイとの間のインパクトによって生成される。この故障タイプは、内部/外部軸受レースウェイに衝撃を与えるケージ欠陥、回転要素に衝撃を与える内部/外部レースウェイ欠陥、及びレースウェイに衝撃を与える回転要素欠陥のうちの1つ又は組み合わせを含む。そのような振動を生成する機械的メカニズムは、解析的方程式又は有限要素解析を用いて定義することができる機械モデル203として構成することができる。軸受故障タイプとその関連付けられた振動周波数との間の関係は、既によく知られているが、振動信号強度が、異なるサイズ又は重大度の軸受故障とともにどのように変化するのかは、まだ調査中である。
図2Bは、幾つかの実施の形態による、回転要素軸受の構造と、その幾何学的特徴を記述するのに使用されるパラメーターとを示している。ケージ欠陥、外部レース欠陥、内部レース欠陥、及びボール欠陥等の種々のタイプの故障が軸受に発生する可能性がある。幾つかの実施の形態は、検討される故障タイプごとに、軸受の幾何形状及び回転の機械特性を使用する故障周波数fを、以下の式を使用して規定する。
ケージ欠陥が外部レースに衝撃を与える:
Figure 2022515935000002
ケージ欠陥が内部レースに衝撃を与える:
Figure 2022515935000003
外部レース欠陥がボールに衝撃を与える:
Figure 2022515935000004
内部レース欠陥がボールに衝撃を与える:
Figure 2022515935000005
ボール欠陥が双方のレースに衝撃を与える:
Figure 2022515935000006
ここで、ボールの数はNとして表され、ボール直径はdであり、ピッチ又はケージ直径はDである。ボールとレースウェイとの間の接点は接触角θによって特徴付けられ、fは回転子の機械的速度である。
振動信号は、電動機速度/トルク発振及び周期的エアギャップ変位を更に誘発することができ、この周期的エアギャップ変位は、伝達関数205によって同じ周波数の相互インダクタンスの周期的変動として反映することができる。この相互インダクタンスは、特徴故障周波数fとともに変化する。fを入力電圧の基本周波数とすると、|f±nf|における固定子電流の周波数成分も、軸受故障に対する応答として増加し、そのメカニズムは、定性的電気モデル206として定式化することができる。幾つかの実施の形態は、固定子電流を測定し、この固定子電流から特徴周波数成分207を抽出して、軸受故障の存在及びその故障タイプ202を検出することが可能であるという認識に基づいている。しかしながら、定性的電気モデル206は、振動信号からも固定子電流信号からもそのような故障のサイズ又は重大度を推定することができない。
幾つかの実施の形態は、エアギャップ変動210が、誘導電動機のマルチ物理モデルの機械部分及び電気部分を結び付けて、軸受故障タイプ及び故障重大度の双方を推定するのに適した統合されたマルチ物理モデル211を提供することができるという理解に基づいている。実際、エアギャップ変動210が、モデルの機械部分の振動と、モデルの電気部分の相互インダクタンス変動とを引き起こす可能性もあるし、エアギャップ変動が、この振動と、相互インダクタンス変動とによって引き起こされる可能性もある。加えて、故障によって引き起こされる誘導電動機の固定子と回転子との間のエアギャップ変動の大きさは、誘導電動機のタイプを問わず、誘導電動機における故障201の重大度を示す一方、エアギャップ変動の周波数は、故障のタイプを示す。
そのようにして、統合されたマルチ物理モデル211への入力は、軸受幾何形状及び瞬時の電動機速度によって併せて求められる故障周波数218とともに故障電流振幅217を含む。次に、開発された定量的電気モデル216を用いて、相互インダクタンス変動を推定することができ、この相互インダクタンス変動は、振動信号のパターンをパルス列として定式化する伝達関数II 215を用いてエアギャップ変位信号に更に変換することができる。エアギャップの中心を基準としたシャフト上の軸受取り付け位置は分かっているので、機械的振動の複雑なビーム理論又は単純な線形減衰関数のいずれかに基づく伝達関数I 214によって軸受ロケーションにおける振動強度を推量することができる。機械モデル214は、振動信号パターンと軸受故障サイズ/重大度201との間の直接的な解析的関係として構成することもできるし、その逆関数が存在しない場合には補間を用いて故障重大度201を特定することもできるし、その対応する解析的方程式を定式化することが困難であるような不規則な形状を有する軸受欠陥については逆マッピングを行うこともできる。軸受故障202のタイプは、引き続き、その関連付けられた故障電流周波数218から推量することができる。
図2Cは、幾つかの実施の形態によって使用されるエアギャップ変動を示す概略図を示している。エアギャップは、固定子220と回転子230との間の距離225である。誘導電動機における故障に起因して、エアギャップは変化し得る(235)。エアギャップ変動は、故障がない場合の誘導電動機のエアギャップ225の値と、故障がある場合の誘導電動機の変位したエアギャップ235との間の差である。換言すれば、誘導電動機におけるエアギャップ変動は、負荷又は摩擦からの半径方向力が、回転子を固定子の内径中心から引き離すようにして、固定子と回転子との間のエアギャップが一様でない状態である。故障は、固定子コアの楕円率、組み立て時における回転子又は固定子の不正確な位置決め、組み立て中の不正確な軸受の位置決め、摩耗した軸受、シャフトの反り等の多様な原因からもたらされる可能性がある。一般に、幾つかの形態のエアギャップ変動がある。すなわち、回転子が固定子の内径中心から変位しているが、それでも、それ自体の軸上で回転している静的なエアギャップ変動と、回転子が固定子の内径中心上でまだ回転しているが、それ自体の中心上で回転していない動的なエアギャップ変動と、それらを組み合わせたものとがある。
幾つかの実施の形態は、異なるタイプの故障が異なるタイプのエアギャップ変動をもたらすという認識に基づいている。異なるタイプのエアギャップ変動は、異なるタイプの相互インダクタンス変動を引き起こす。異なるタイプの相互インダクタンス変動は、異なる故障周波数を引き起こす。故障周波数を検出することによって、これらの関係を逆にして、異なるタイプの故障の重大度を明らかにすることが可能である。しかしながら、故障周波数を推定することは困難である可能性がある。
図2Dは、幾つかの実施の形態による、誘導電動機に電力供給する固定子電流の信号245の時間領域における例示的なプロット240を示している。図2Eは、幾つかの実施の形態による、故障が存在する場合の周波数領域における信号のプロット250を示している。誘導電動機に故障が存在するとき、回転子は非対称に動作し、固定子電流に基本周波数成分260及び余分の故障周波数成分270、271 fsb=(f±kf±mf)を誘導する。ここで、fは電力供給装置の基本周波数であり、fは機械特性故障周波数であり、fは機械的回転子周波数であり、k=1,2,3…は高調波周波数インデックスであり、m=0,1,2,3…は非負の整数である。
基本周波数成分260と比較すると、故障周波数成分270又は271の大きさは、一般に非常に小さく、故障周波数成分において、(f±f)成分が最も強いペアであり、故障のインジケーターとして扱うことができる。周波数(f±f)は、本明細書では故障成分の電気周波数又は故障周波数と呼ばれる。幾つかの実施の形態は、電気的特性周波数成分(f±f)を検出することによって電動機電流兆候解析(MCSA)を介して誘導電動機における故障を判断する。
しかしながら、以下の要因によって電気的特性成分を検出することは困難である。第1に、電気的特性周波数の大きさは比較的小さく、基本電力供給周波数の大きさよりも通常30dB~40dB低い。第2に、電気的特性周波数(f±f)は、電力供給装置周波数fに近い可能性があり、すなわち、基本周波数260及び故障周波数270又は271は、サブバンド又は範囲280内にある。例えば、低速を有する定常動作条件下、又は、誘導電動機が高い極カウント(pole count)を有するように設計されている条件下では、軸受ケージは、内部レース故障に対して、5Hzよりも低い機械的特性周波数fを有する場合があり、そのため、電気的特性周波数(f±f)と基本周波数fとの間の周波数差は、5Hzよりも小さい可能性があり、電気的特性周波数と基本周波数との区別が困難となる。本開示では、曖昧さを回避するために、用語「電気的特性周波数」は(f±f)として参照される一方、機械的特性周波数はfとして参照される。
そのような状況において、例えば、10秒~15秒のサンプリング時間の延長は、信号復元の解像度を高めるのを助けることができる。しかしながら、電動機電流が全測定期間の間安定した状態を維持することを確保するために、そのような延長には、ほぼ一定の負荷が必要とされる。この一定負荷要件は、多くの場合に問題となる可能性がある。なぜならば、現実には、負荷変動は特に長い測定期間では不可避であるからである。
加えて、故障周波数の大きさがより大きい場合であっても、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)によって故障周波数を正確に求めることは依然として困難である。なぜならば、電動機速度に依存する電気的特性故障周波数(f±f)は、ほとんどの場合に整数ではなく、電動機速度が変化するごとに適切なFFTウィンドウ長を再選択することに関する更なる問題が発生するからである。
解の概観
図3は、幾つかの実施の形態による、幹線給電型誘導機における相互インダクタンス変動を推定する定量的電気モデル380への入力故障電流を生成する信号処理方法のフロー図である。この実施の形態は、時間領域における誘導機に供給される固定子電流の測定値を使用する(310)。n相を有する誘導機の場合に、n-1個の相電流測定値しか必要とされない。なぜならば、第n相の電流は、キルヒホッフの電流則を用いて計算することができるからである。しかしながら、固定子電流が完全に分かっても、特性故障電流を正確に抽出するのは困難である。なぜならば、その大きさは比較的小さく、基本周波数電流の大きさよりも通常30dB~40dB低く、更には50dB低い可能性もあるからである。
本発明の実施の形態によるFFTに取って代わる1つの代替の信号処理手法が次のように説明される。パーク変換320が測定された固定子電流に対して適用され、直軸電流及び横軸電流が取得され、次に、固定子電流における最も大きな基本AC成分がDC値に変換される。これらのDC値は、低域通過フィルタリング330及び減算を実行することによって元の直軸電流及び横軸電流から容易にフィルタリング除去することができ、このプロセスはノッチフィルタリング340として表すこともできる。この実施の形態は、軸受幾何学パラメーター及びリアルタイムの電動機速度を使用して一組の電気的特性故障周波数ペア(f±f)を求める(350)。これらの複数の周波数ペアは、ノッチフィルタリング340の後に電流信号から故障電流を抽出する複数の帯域通過フィルター360を設計するために帯域通過周波数として設定される。電動機パラメーター及びグリッド電圧370が判明すると、この実施の形態は、相互インダクタンス変動を求める(390)ために、帯域通過フィルタリング360後の直軸電流及び横軸電流の二乗和平方根値を、定量的電気モデル380によって評価される入力故障電流として取る。
定量的電気モデル380は、本発明の実施の形態によれば、入力故障電流から相互インダクタンス変動を推定する(390)ように開発される。軸受故障に対する応答は、誘発されたエアギャップ変動に起因する相互インダクタンス変動と、速度振動を更にもたらす固定子電流内で増加した高調波に起因するトルク発振との組み合わせとみなすことができる。しかしながら、ほとんどの誘導機セットアップの場合に、機械的慣性が十分大きいので速度発振を抑制することができ、したがって、この影響は、後のモデル開発では無視される。
0の回転速度を有する静止基準座標系におけるかご形誘導機の数学モデルは、以下のように表すことができる。
Figure 2022515935000007
ここで、uは入力電圧であり、R及びLは電動機の抵抗及びインダクタンスであり、ωは電気的回転子速度であり、λは磁束鎖交数であり、pは微分演算子であり、下付き文字d及びqは直軸及び横軸を表し、下付き文字s、r及びmは、固定子パラメーター、回転子パラメーター、及びそれらの相互電磁パラメーターを表す。ボールド体表記のパラメーターは、振幅(フェーザーを有する)及び回転速度の双方を有するベクトル、すなわち、
Figure 2022515935000008
である。ここで、ωは同期速度である。
上記式の行列形式は、以下のように記述することができる。
Figure 2022515935000009
ここで、Uは入力であり、P(0)は、健全な誘導機のパラメトリック行列であり、X(0)は、磁束鎖交数及び電流として全ての状態変数を含む定常状態における応答行列であり、Kは、状態変数の1階導関数の行列である。
周期的エアギャップ変動をもたらし、この変動が更には相互インダクタンスの周期的変化をもたらす軸受故障を考える。周期的エアギャップ変動のパターンは、一連のフーリエ級数に分解することができるが、最も簡単な形態は、その基本成分のみを利用することである。モデルは、この前提を最初に用いて定式化することができ、最終結果は、同じモデルから同じ方法で導出された全ての高調波成分を重ね合わせたものである。このシナリオでは、更新された相互インダクタンスは以下となる。
Figure 2022515935000010
次に、新たな形態の行列Pを以下のように更新することができる。
Figure 2022515935000011
周波数領域では、相互インダクタンス変化を受ける完全な誘導機の式は、以下のように記述することができる。
Figure 2022515935000012
ここで、「+」及び「-」は、故障周波数ペアf+f及びf-fの故障成分を表し、f及びfは、それぞれ固定子電圧の基本周波数及び機械的軸受故障特性周波数である。したがって、X及びXは、周波数f+f及びf-fにおける状態変数Xである。
故障周波数ペアf+f及びf-fの完全解X及びXは以下となる。
Figure 2022515935000013
ここで、X(0)は、以下の式の解である。
Figure 2022515935000014
式(9)及び(10)は、異なる周波数領域においてもX及びXに関して結合されることを確認することができる。しかしながら、(X+X)は、一般にX(0)よりもはるかに小さく(故障周波数ペアf±fにおける固定子電流は、fにおける定格電流よりも約40dB~約50dB小さい可能性がある)、この項はΔLとも乗算されているので、その要素も、行列(P(0)-iωK)におけるそれらの対応する要素と比較してはるかに小さい。したがって、ΔLと(X+X)との積は、2次小信号項とみなすことができ、これは、安全に無視することができ、式(10)を以下の形式に更新することができる。
Figure 2022515935000015
測定することができる故障固定子電流は、状態変数行列Xに含まれ、行列(P(0)-iω±K)は、誘導機の状況下では可逆的であるので、したがって、行列(P(0)-iω±K)-1MX(0)における固定子電流に対応する行は、モデルにおいて指定されるω及びωに応じてA及びAとして抽出することができる。
ΔLはスカラーであるので、以下の結果を得ることができる。
Figure 2022515935000016
ここで、|ΣΔI|は、帯域通過フィルタリング360後の故障電流の大きさである。次に、相互インダクタンス変動を以下のように求めることができる。
Figure 2022515935000017
図4A、図4B及び図4Cは、図3の一実施の形態の動作の例示的なプロットを実例で示している。例えば、図4A、図4B及び図4Cは、310の出力に対応する、測定された固定子電流の元の形態410;340の出力に対応する、パーク変換及び低域通過フィルタリングの実行後の固定子電流の中間形態420;並びに360の出力に対応する、元の信号との減算実行、帯域通過フィルタリング及び直軸電流及び横軸電流の二乗和平方根値の取得後の固定子電流の最終故障電流形態430を示している。元の固定子電流測定値410の成分の大部分は基本周波数成分であるが、故障周波数成分430の大きさは非常に小さい可能性があり、すなわち、正確には約50dB小さい可能性がある。しかしながら、故障電流の大きさを正確に求めることは、軸受故障重大度を推定することに必須である。
グリッドに直接接続された誘導機の軸受故障重大度推定のモデルを開発することに加えて、幾つかの実施の形態は、PWMインバーターによって制御されるそれらの電動機の端子電圧推定方法も使用する。この方法は、インバーター非理想性及びそのスイッチングデッドタイムの補償も含む。この電圧推定方法は、直接的な端子電圧測定を用いると不正確さ又は誤差をももたらした、インバータースイッチング周波数がデータ取得システムの最大サンプリング周波数に接近している場合又は更には越えている場合に適用される。
図5は、幾つかの実施の形態によるインバーター給電型誘導機における相互インダクタンス変動を推定する定量的電気モデルへの入力故障電流及び入力電圧を生成する信号処理方法のフロー図を示している。この実施の形態は、時間領域における、誘導機に給電される固定子電流のn-1個の相測定値を使用する(500)。パーク変換505が測定された固定子電流に対して適用され、直軸電流及び横軸電流が取得され、次に、固定子電流における最も大きな基本AC成分がDC値に変換される。これらのDC値は、低域通過フィルタリング510及び減算を実行することによって元の直軸電流及び横軸電流から容易にフィルタリング除去することができ、このプロセスはノッチフィルタリング515として表すこともできる。この実施の形態は、軸受幾何学パラメーター及びリアルタイムの電動機速度を使用して一組の電気的特性故障周波数(f±f)を求める(520)。これらの複数の周波数ペアは、ノッチフィルタリング515の後に電流信号から故障電流を抽出する複数の帯域通過フィルター525を設計するために帯域通過周波数として設定される。
入力電圧は電圧源インバーターによって供給されるので、電圧波形の形状は、ACグリッドからの単純な50Hz又は60Hzの正弦曲線電圧ではなく、スイッチング周波数で交番している可変幅を有する矩形パルスに類似する。そのメカニズムは、一般にパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)と呼ばれる。スイッチング周波数は、データ取得システムの最大サンプリング周波数に接近することも可能であれば、この最大サンプリング周波数を越えることさえ可能であるので、直接測定を用いてこのPWM電圧を正確に測定することは非現実的になる。したがって、入力電圧は、この実施の形態では、むしろ、インバーターのデジタル信号プロセッサに組み込まれた電動機制御アルゴリズムによって生成されるデューティサイクルを測定されたDCリンク電圧540に乗算したものから推定される。しかしながら、デッドタイム効果及びインバーターの非理想性に起因して、上記2つの変数の直接乗算は通常不正確である。したがって、インバーターの非理想性及びデッドタイムの双方の補償545が、多くの場合に必要とされる。この補償は、インバーターデータシート及びファームウェア制御アルゴリズムにおいて指定されるプログラミング可能なデッドタイムからの余分の情報を必要とする。その後、直軸電流及び横軸電流は、同じパーク変換550を適用することによって計算することができる。
電動機パラメーター560によって補足されると、この実施の形態は、帯域通過フィルタリング525後の直軸電流及び横軸電流の二乗和平方根値を入力故障電流として取り、この実施の形態は、この電流を定量的電気モデル570に供給して、相互インダクタンス変動を求める(580)。
図6A、図6B及び図6Cは、幾つかの実施の形態による相互インダクタンス変動プロファイルを推定する例示的なプロットを示している。例えば、特定の軸受欠陥は、相互インダクタンス変動の一連の矩形パルス600をトリガーし、隣接するパルスの中心は、時間領域において1/f離れている。ここで、fは機械的特性軸受故障周波数である。幾つかの実施の形態は、計算を簡単にするために相互インダクタンス変動の矩形パルスを、余弦関数を使用して近似することができるという認識に基づいている。
図6A、図6B及び図6Cは、3次及び5次までの余弦高調波関数の重ね合わせと比較した0次余弦関数及び基本次数余弦関数を用いたそのような矩形相互インダクタンス変動プロファイルを推定する精度改善を実例で示す例示的なプロットであり、これらの相互インダクタンス変動高調波の大きさは、本発明の実施の形態による開発された定量的電気モデル570を通じて故障固定子電流によって求められる。図6Aでは、周波数fの0次余弦関数及び基本余弦関数を加算したもの610が、スパイクにおいて幾つかのオーバーシュートを有する矩形相互インダクタンス変動パターンを近似することができることを確認することができる。より高次の高調波成分、例えば、3次620又は5次630までの高調波成分を含めると、時間領域における相互インダクタンス変動を、この累積方法において改善された精度で大きなオーバーシュートを有することなく推定することができる。
相互インダクタンス振動パターンを表すために、多くの実施の形態では矩形形状のパルスが用いられるが、それらの正確な形状及び幅は、通常、予測及び検証するのが困難である。しかしながら、この実施の形態は、nfまでの周波数を有するn次余弦関数までのフーリエ級数項の重ね合わせに基づいて軸受故障パターン及び重大度を推定することを可能にするとともに、それらの振幅は、定量的電気モデル570を通じて対応する周波数の故障固定子電流525によって求められる。このようにして、純粋な電気的固定子電流情報を用いて相互インダクタンス変動パルスの幅及び形状の双方を再構成することができる。
時間領域では、N倍で相互インダクタンスに正比例するエアギャップパーミアンスは、外部レース軸受故障に対してケージが存在する場合に以下の形態として定義することができる。ここで、Nは固定子スロットにおける直列接続された巻数である。
Figure 2022515935000018
ここで、fは機械的特性軸受故障周波数であり、Λは故障がない場合のエアギャップパーミアンスであり、cは故障に起因した0次フーリエ級数であり、kはフーリエ級数の次数であり、nはこの重ね合わせにおけるフーリエ級数の上限であり、cは、定量的電気モデル570から得られるk次の相互インダクタンス変動である。
ディラック一般関数及びテイラー展開を適用した後、エアギャップパーミアンスの上記式は、以下のように記述することができる。
Figure 2022515935000019
電気的エアギャップパーミアンスと機械的エアギャップ振動とを結び付けるために、以下のような伝達関数IIが導入される。
Figure 2022515935000020
ここで、μは空気透磁率である。
図7A及び図7Bは、幾つかの実施の形態による、上記式に基づいて正規化エアギャップパーミアンスプロファイル710を用いて時間領域における正規化エアギャップ変動プロファイル720を求める伝達関数IIの例示的なプロットである。軸受欠陥のインパクトは、時間領域において無限個のパルス列とみなすことができる。エアギャップ長gmaxの最大変動730は、最大エアギャップ長変位として定義される。
より高次の高調波成分を含めると、時間領域における累積相互インダクタンス変動を改善された精度で推定することができ、その逆数である、軸受故障重大度として定義されるエアギャップ長変動もより良好な精度で再構成することができる。
図8は、基準軸受故障重大度と、幾つかの実施の形態に従って求められた推定最大軸受故障重大度(FS)とを比較するグラフを示している。具体的には、グラフは、回転要素軸受に関する加速エージング研究を用いた
Figure 2022515935000021
を示し、故障重大度は、幾つかの実施の形態に従って基本余弦関数に基づいて再構成されるエアギャップ長の変動のパーセンテージ変化に関して測定される。
その後、エアギャップ変動のパーセンテージに基づく故障重大度(FS)のインジケーターを監視することができる。
Figure 2022515935000022
このFSインジケーターは、定量的電気モデル570及び監視された固定子電流データ500を通じて特定され、所定の閾値又は一組の閾値と比較され、故障重大度が分類される。
例示的な実施の形態
パラメーターの特定:所与の誘導機の軸受故障検出の方法を実施する1つの実施の形態は、最初に、機械の電気パラメーター、供給電圧情報、及び設置された軸受の幾何学的パラメーターを特定する。
以下の電気パラメーターが、この実施の形態によって、電気モデルの入力に使用される。
Figure 2022515935000023
ここで、R:固定子抵抗、R:回転子抵抗、L:固定子抵抗、L:回転子抵抗、L:固定子と回転子との間の相互インダクタンス、及びω:回転子速度である。
供給電圧について、情報は、機械の電力供給装置のタイプに依存する。電力が電力グリッドから直接供給されるとき、電圧はACグリッド電圧である。例えば、図5について説明される実施態様に関して、電力が電圧源インバーターによって供給されるとき、入力電圧は、インバーターのデジタル信号プロセッサに組み込まれた電動機制御アルゴリズムによって生成されるデューティサイクルを測定されたDCリンク電圧540に乗算したものから推定される。しかしながら、デッドタイム効果及びインバーターの非理想性のために、上記2つの変数の直接乗算は不正確なものとなる可能性がある。したがって、インバーターの非理想性及びデッドタイムの双方の補償545が、多くの場合に必要とされる。この補償は、インバーターデータシート及び制御アルゴリズムにおいて指定されるプログラミング可能なデッドタイムからの余分の情報を必要とする。その後、入力電圧の基本周波数fが特定される。
設置された軸受について、以下の式に従って機械的特性故障周波数を特定するには、幾何学的パラメーター(ボールの数N、ボール直径d、及びピッチ又はケージ直径D)及び電動機回転周波数fを知る必要がある。
ケージ欠陥が外部レースに衝撃を与える:
Figure 2022515935000024
ケージ欠陥が内部レースに衝撃を与える:
Figure 2022515935000025
外部レース欠陥がボールに衝撃を与える:
Figure 2022515935000026
内部レース欠陥がボールに衝撃を与える:
Figure 2022515935000027
ボール欠陥が双方のレースに衝撃を与える:
Figure 2022515935000028
監視される固定子電流の周波数成分は、|f±nf|における電気的特性周波数を含む。ここで、fは誘導電動機の基本周波数であり、fは上記で特定された故障周波数のうちの1つであり、nは整数である。
データ取得:必要なパラメーターを特定した後、時間領域における固定子電流の測定データが故障検出に必要とされる。n相を有する誘導機の場合に、n-1個の相電流測定値しか必要とされない。なぜならば、第n相の電流は、キルヒホッフの電流則を用いて計算することができるからである。一般的に使用される3相機械の場合には、2相電流測定値しか必要とされないが、幾つかの実施態様は、3相全ての測定値を使用することができる。
信号処理:測定された時間領域固定子電流信号は、その後、パーク変換のステップ505、低域通過フィルタリングのステップ510、及びノッチフィルタリングとしての減算の実行のステップ515を含む本発明において提案される方法等の様々な信号処理技法を用いて周波数領域に変換される。
故障電流信号の抽出:監視される各機械的特性故障周波数fについて、帯域通過フィルタリングのステップ525が実行され、電気的特性故障周波数ペア(f±f)における故障電流振幅ΔIの合計が抽出される。
相互インダクタンス変動の特定:各機械的特性故障周波数fについて、電気的特性故障周波数ペア(f±f)における故障電流振幅ΔIの合計と、ステップ560において特定された機械の電気パラメーターとが定量的電気モデル570に供給され、相互インダクタンス変動ΔLを以下のように特定することができる。
Figure 2022515935000029
ここで、A及びAは、それぞれ(f+f)及び(f-f)における定量的電気モデル570のシステム行列である。
エアギャップ変動の推定:各機械的特性故障周波数fについて、相互インダクタンスに正比例するエアギャップパーミアンスΛ(t)を以下のように推定する。
Figure 2022515935000030
ここで、cは、kfの故障周波数において以前のステップで特定された正規化相互インダクタンス変動ΔL/Lである。そして、Nの係数を乗算する。ここで、Nは、固定子スロットにおける直列接続された巻数である。fは機械的特性軸受故障周波数であり、Λは故障がない場合のエアギャップパーミアンスであり、cは故障に起因した0次フーリエ級数であり、kはフーリエ級数の次数であり、nはこの重ね合わせにおけるフーリエ級数の上限である。
特定されたエアギャップパーミアンスΛ(t)に基づいて、対応するエアギャップ変動g(t)は、以下の式に従って特定される。
Figure 2022515935000031
ここで、μは空気透磁率であり、gは故障がない場合のエアギャップ長であり、cは故障に起因した0次フーリエ級数であり、kはフーリエ級数の次数であり、nはこの重ね合わせにおけるフーリエ級数の上限である。
故障重大度の推定及び分類:次に、エアギャップ変動のパーセンテージに基づく故障重大度(FS)のインジケーターを監視することができる。時間の関数としてのFS信号は、以下の式に従って求めることができる。
Figure 2022515935000032
得られたFS信号は、その後、事前に設定された閾値と比較され、故障タイプごとに故障重大度が分類される。
例えば、外部レース故障に対する回転要素について、0.25%が、健全な軸受と軽症の故障を有する軸受との間の閾値として設定され、0.5%が、軽症の故障を有する軸受と重症の故障を有する軸受との間の閾値として設定される。本発明における全ての技法及び方法を適用すると、推定される故障重大度及び故障分類結果は以下の表となる。
Figure 2022515935000033
加えて、又は代わりに、1つの実施の形態は、FS(t)をエアギャップパーミアンスの関数として求める。なぜならば、エアギャップパーミアンスは、エアギャップ変動に直接マッピングすることができるからである。この実施の形態では、FS(t)=(Λ(t)-Λ)/Λとなる。
加えて、又は代わりに、1つの実施の形態は、FS(t)を相互インダクタンス変動の関数として求める。なぜならば、相互インダクタンス変動は、エアギャップパーミアンスに直接マッピングすることができるからである。この実施の形態では、FS(t)=ΔL/Lとなる。
本発明の上記の実施の形態は数多くの方法のいずれかにおいて実現することができる。例えば、それらの実施の形態は、ハードウェア、ソフトウェア又はその組み合わせを用いて実現することができる。ソフトウェアにおいて実現されるとき、そのソフトウェアコードは、単一のコンピューター内に設けられるにしても、複数のコンピューター間に分散されるにしても、任意の適切なプロセッサ、又はプロセッサの集合体において実行することができる。そのようなプロセッサは集積回路として実現することができ、集積回路構成要素内に1つ以上のプロセッサが含まれる。しかしながら、プロセッサは、任意の適切な構成の回路を用いて実現することができる。
また、本明細書において概説される種々の方法又はプロセスは、種々のオペレーティングシステム又はプラットフォームのいずれか1つを利用する1つ以上のプロセッサ上で実行可能であるソフトウェアとしてコード化することができる。さらに、そのようなソフトウェアは、幾つかの適切なプログラミング言語及び/又はプログラミングツール若しくはスクリプト記述ツールのいずれかを用いて書くことができ、フレームワーク又は仮想機械上で実行される実行可能機械語コード又は中間コードとしてコンパイルすることもできる。通常、プログラムモジュールの機能は、種々の実施の形態において望ましいように、組み合わせることもできるし、分散させることもできる。
また、本発明の実施の形態は方法として具現することができ、その一例が提供されてきた。その方法の一部として実行される動作は、任意の適切な方法において順序化することができる。したがって、例示的な実施の形態において順次の動作として示される場合であっても、例示されるのとは異なる順序において動作が実行される実施の形態を構成することもでき、異なる順序は、幾つかの動作を同時に実行することを含むことができる。
本発明は、包括的には、誘導電動機に関し、より詳細には、電動機の回転要素軸受(rolling-element bearing:転がり軸受、転動体軸受)故障重大度を推定することに関する。
システム100は、システム100を他のシステム及びデバイスと接続する複数の入力インターフェース118及び出力インターフェース116を有することができる。入力インターフェース118は、誘導電動機の動作中に固定子電流の測定値を受け取るように構成される。出力インターフェースは、誘導電動機内の故障の重大度を出力するように構成される。
同様に、第2の故障検出器130cは、第2のタイプの故障、すなわち第2の周波数の故障、の重大度135cを推定するように構成され、第3の故障検出器140cは、第3のタイプの故障、すなわち第3の周波数の故障、の重大度145cを推定するように構成される。システム100は、必要な数の故障検出器を有することができる。

Claims (15)

  1. 誘導電動機における軸受故障の重大度を推定するシステムであって、
    前記誘導電動機の動作中に固定子電流の測定値を受け取るように構成される入力インターフェースと、
    一組のフィルターを記憶するように構成されるメモリであって、各フィルターは、前記固定子電流から故障周波数の故障電流を抽出するように構成され、前記一組のフィルターは、第1の故障周波数の第1の故障電流を抽出する第1のフィルターと、第2の故障周波数の第2の故障電流を抽出する第2のフィルターとを含み、さらに前記メモリは、
    一組の定量的モデルであって、各定量的モデルは、前記故障周波数の前記故障電流を前記故障周波数の相互インダクタンス変動に関係付けるように構成され、該一組の定量的モデルは、前記第1の故障電流の大きさを前記第1の故障周波数の第1の相互インダクタンス変動に関係付ける第1の定量的モデルと、前記第2の故障電流を前記第2の故障周波数の第2の相互インダクタンス変動に関係付ける第2の定量的モデルとを含むものと、
    前記故障周波数のそれぞれについて、前記故障周波数の前記相互インダクタンス変動に基づいて、前記誘導電動機における故障の重大度を推定する少なくとも1つの故障重大度分類器と、
    を記憶するものと、
    前記固定子電流の前記測定値を受信すると、前記第1のフィルターを使用して前記固定子電流から前記第1の故障電流を抽出し、前記第1の定量的モデルを使用して前記第1の故障電流から前記第1の相互インダクタンス変動を求め、前記故障重大度分類器を用いて前記第1の相互インダクタンス変動を分類して、前記誘導電動機における第1のタイプの故障の前記重大度を判断することと、前記第2のフィルターを使用して前記固定子電流から前記第2の故障電流を抽出し、前記第2の定量的モデルを使用して前記第2の故障電流から前記第2の相互インダクタンス変動を求め、前記故障重大度分類器を用いて前記第2の相互インダクタンス変動を分類して、前記誘導電動機における第2のタイプの故障の前記重大度を判断することとを行うように構成されるプロセッサと、
    前記誘導電動機における前記第1のタイプの故障の前記重大度と、前記誘導電動機における前記第2のタイプの故障の前記重大度とのうちの一方又は組み合わせを出力するように構成される出力インターフェースと、
    を備える、システム。
  2. 各定量的モデルは、前記故障周波数の一組の振動関数のフーリエ級数を使用して前記故障周波数の前記相互インダクタンス変動を近似し、前記フーリエ級数における各振動関数の周波数は、前記故障周波数の倍数であり、前記フーリエ級数における各振動関数の振幅は、前記故障周波数における前記故障電流の大きさの関数であり、それによって、前記第1の定量的モデルは、前記第1の故障電流の前記大きさの前記関数の振幅を有する前記第1の故障周波数の倍数の振動関数を使用して前記第1の相互インダクタンス変動を近似し、前記第2の定量的モデルは、前記第2の故障電流の前記大きさの前記関数の振幅を有する前記第2の故障周波数の倍数の振動関数を使用して前記第2の相互インダクタンス変動を近似する、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記故障周波数の倍数の前記一組の振動関数は、前記故障周波数の倍数の一組の余弦関数である、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記故障周波数の倍数の前記一組の余弦関数は、1次余弦関数のみを含む、請求項3に記載のシステム。
  5. 前記固定子電流の前記測定値は、前記第1の故障周波数が前記第2の故障周波数よりも大きい場合には、前記第1の故障周波数の少なくとも2倍のサンプリングレートを用いてサンプリングされ、前記第2の故障周波数が前記第1の故障周波数よりも大きい場合には、前記第2の故障周波数の少なくとも2倍のサンプリングレートを用いてサンプリングされる、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記固定子電流から前記故障周波数の前記故障電流を抽出するために、各フィルターは、前記固定子電流の前記測定値のパーク変換を行って、変換された固定子電流を生成し、前記変換された固定子電流から前記固定子電流の基本成分をフィルタリングして、固定子電流残差を生成し、帯域通過フィルターを使用して前記固定子電流残差から前記故障周波数を抽出して、前記故障周波数の前記故障電流を生成するように構成される、請求項1に記載のシステム。
  7. 前記相互インダクタンス変動の伝達関数は、前記相互インダクタンス変動を前記誘導電動機の固定子と回転子との間のエアギャップのパーミアンスにマッピングし、それによって、一組の閾値は、前記エアギャップの前記パーミアンスの一組の値を指定する、請求項1に記載のシステム。
  8. 前記相互インダクタンス変動の伝達関数は、前記相互インダクタンス変動を前記誘導電動機の固定子と回転子との間のエアギャップの長さプロファイルにマッピングし、それによって、一組の閾値は、前記エアギャップの前記長さプロファイルの最大変動の一組の値を指定する、請求項1に記載のシステム。
  9. 前記故障重大度分類器は、前記第1の相互インダクタンス変動及び前記第2の相互インダクタンス変動の伝達関数を一組の閾値からの少なくとも1つの閾値と比較して、前記誘導電動機における前記第1のタイプの故障及び前記第2のタイプの故障の前記重大度を判断する、請求項1に記載のシステム。
  10. 前記第1の相互インダクタンス変動の前記伝達関数が第1の閾値よりも小さいときは、前記誘導電動機は、前記第1のタイプの故障を有せず、前記第1の相互インダクタンス変動の前記伝達関数が第2の閾値よりも小さいときは、前記誘導電動機は、該誘導電動機の動作の継続を可能にする前記第1のタイプの故障を有し、前記第1の相互インダクタンス変動の前記伝達関数が前記第2の閾値よりも大きいときは、前記プロセッサは、前記誘導電動機の前記動作を停止するように構成される、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記プロセッサは、前記誘導電動機におけるエアギャップ変動の周波数の関数及び前記エアギャップ変動の大きさの関数を含む前記エアギャップ変動の関数を求め、前記エアギャップ変動の前記周波数から前記故障のタイプを判断し、前記エアギャップ変動の前記大きさから前記故障の前記重大度を判断するように構成される、請求項1に記載のシステム。
  12. 誘導電動機における軸受故障の重大度を推定する方法であって、
    該方法は、メモリに結合されたプロセッサを使用し、前記メモリは、一組のフィルターであって、各フィルターは、固定子電流から故障周波数の故障電流を抽出するように構成され、該一組のフィルターは、第1の故障周波数の第1の故障電流を抽出する第1のフィルターと、第2の故障周波数の第2の故障電流を抽出する第2のフィルターとを含むものと、一組の定量的モデルであって、各定量的モデルは、前記故障周波数の前記故障電流を前記故障周波数の相互インダクタンス変動に関係付けるように構成され、該一組の定量的モデルは、前記第1の故障電流の大きさを前記第1の故障周波数の第1の相互インダクタンス変動に関係付ける第1の定量的モデルと、前記第2の故障電流を前記第2の故障周波数の第2の相互インダクタンス変動に関係付ける第2の定量的モデルとを含むものと、前記故障周波数のそれぞれについて、前記故障周波数の前記相互インダクタンス変動に基づいて、前記誘導電動機における故障の重大度を推定する少なくとも1つの故障重大度分類器と、を記憶し、前記プロセッサは、該方法を実施する記憶された命令と結合され、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、該方法のステップを実行し、該ステップは、
    前記誘導電動機の動作中に固定子電流の測定値を受け取るステップと、
    前記第1のフィルターを使用して前記固定子電流から前記第1の故障電流を抽出し、前記第1の定量的モデルを使用して前記第1の故障電流から前記第1の相互インダクタンス変動を求め、前記故障重大度分類器を用いて前記第1の相互インダクタンス変動を分類して、前記誘導電動機における第1のタイプの故障の前記重大度を判断するステップと、
    前記第2のフィルターを使用して前記固定子電流から前記第2の故障電流を抽出し、前記第2の定量的モデルを使用して前記第2の故障電流から前記第2の相互インダクタンス変動を求め、前記故障重大度分類器を用いて前記第2の相互インダクタンス変動を分類して、前記誘導電動機における第2のタイプの故障の前記重大度を判断するステップと、
    前記誘導電動機における前記第1のタイプの故障の前記重大度と、前記誘導電動機における前記第2のタイプの故障の前記重大度とのうちの一方又は組み合わせを出力するステップと、
    を含む、方法。
  13. 前記相互インダクタンス変動の伝達関数は、前記相互インダクタンス変動を前記誘導電動機の固定子と回転子との間のエアギャップのパーミアンスにマッピングし、それによって、一組の閾値は、前記エアギャップの前記パーミアンスの一組の値を指定する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記第1の相互インダクタンス変動からエアギャップ変動の第1の重大度関数を求めることと、
    前記第2の相互インダクタンス変動からエアギャップ変動の第2の重大度関数を求めることと、
    前記第1の重大度関数及び前記第2の重大度関数を一組の閾値と比較して、前記第1のタイプの故障及び前記第2のタイプの故障の重大度を判断することと、
    を更に含む、請求項12に記載の方法。
  15. 方法を実行するプロセッサによって実行可能なプログラムが具現化される非一時的コンピューター可読記憶媒体であって、該非一時的コンピューター可読記憶媒体は、一組のフィルターであって、各フィルターは、固定子電流から故障周波数の故障電流を抽出するように構成され、該一組のフィルターは、第1の故障周波数の第1の故障電流を抽出する第1のフィルターと、第2の故障周波数の第2の故障電流を抽出する第2のフィルターとを含むものと、一組の定量的モデルであって、各定量的モデルは、前記故障周波数の前記故障電流を前記故障周波数の相互インダクタンス変動に関係付けるように構成され、該一組の定量的モデルは、前記第1の故障電流の大きさを前記第1の故障周波数の第1の相互インダクタンス変動に関係付ける第1の定量的モデルと、前記第2の故障電流を前記第2の故障周波数の第2の相互インダクタンス変動に関係付ける第2の定量的モデルとを含むものと、前記故障周波数のそれぞれについて、前記故障周波数の前記相互インダクタンス変動に基づいて、誘導電動機における故障の重大度を推定する少なくとも1つの故障重大度分類器と、を記憶し、
    前記方法は、
    前記誘導電動機の動作中に固定子電流の測定値を受け取ることと、
    前記第1のフィルターを使用して前記固定子電流から前記第1の故障電流を抽出し、前記第1の定量的モデルを使用して前記第1の故障電流から前記第1の相互インダクタンス変動を求め、前記故障重大度分類器を用いて前記第1の相互インダクタンス変動を分類して、前記誘導電動機における第1のタイプの故障の前記重大度を判断することと、
    前記第2のフィルターを使用して前記固定子電流から前記第2の故障電流を抽出し、前記第2の定量的モデルを使用して前記第2の故障電流から前記第2の相互インダクタンス変動を求め、前記故障重大度分類器を用いて前記第2の相互インダクタンス変動を分類して、前記誘導電動機における第2のタイプの故障の前記重大度を判断することと、
    前記誘導電動機における前記第1のタイプの故障の前記重大度と、前記誘導電動機における前記第2のタイプの故障の前記重大度とのうちの一方又は組み合わせを出力することと、
    を含む、非一時的コンピューター可読記憶媒体。
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