以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
〔ゲームの概要〕
まず、本実施形態に係るゲームの一例について、その概要を説明する。本実施形態に係るゲームは、ユーザが所持するオブジェクト(ゲームオブジェクト)を使用してプレイするゲームであり、例えば、対戦相手と対戦するバトルゲーム(対戦ゲーム)である。オブジェクトとは、例えば、複数のキャラクタそれぞれに対応するカードである。キャラクタとは、ゲームに登場する人物、動物、物体(例えば、乗り物)などである。カードとは、ゲームに登場するキャラクタを示す実体であって、且つ画像(テキスト、静止画像、または、動画像など)によってユーザに認識されるオブジェクトの一例である。具体的には、カードは、ゲーム内で対戦相手となる敵キャラクタと対戦を行うキャラクタを表すカードであり、ゲーム画面に画像で表示される。
なお、オブジェクトは、カードに限られるものではなく、メダルや、キャラクタそのものを表すフィギュア等他のオブジェクトであってもよく、カードと同様にゲーム画面に画像で表示されるものであってもよい。なお、カードには、キャラクタを示すもの以外に、対戦におけるキャラクタの攻撃や防御に効果を与える武器や防具を示すものも含まれてもよい。ユーザは、キャラクタを示すカードと同様に武器や防具を示すカードを所持し、所持カードの中から対戦に使用するカードを選択することもできる。
プレイに使用できるカードとしてユーザが所持しているカード(以下、「所持カード」ともいう)には、プレイ開始時点で予め初期設定として所持カードに設定されているものと、プレイを開始してからゲームの進行に応じて取得できるものがある。初期設定の所持カードは、ゲームを有利に進めるには不十分なカードであることが多く、プレイ開始後にいかに良いカードをユーザが取得できるかによって、そのユーザのゲームの進行に大きく影響する。例えば、プレイ開始後に取得できるカードは、対戦で勝利したことに基づいて報酬としてユーザに付与されたり、カード抽選(所謂、ガチャ)を行うことによりユーザに付与されたりする。
〔デッキの構成〕
ユーザは、所持している複数の所持カードの中から対戦に使用するキャラクタのカードを選択することができる。例えば、ユーザは、対戦に使用するカードを、複数の所持カードの中から予め設定された枚数(例えば、10枚)を上限に選択してデッキとして構築することができる。デッキとは、予め設定された枚数(例えば、10枚)を上限としたカードのまとまりの一単位である。ユーザにより選択されたカードが設定された一つのデッキと、対戦相手のカードが設定されたデッキとを使用して対戦が行われる。
図1は、本実施形態に係るデッキの構成例を示す図である。図示するように、一つのデッキDK1は、その中で複数のグループに区分されている。ここでは、デッキDK1は、2枚一組からなるカードの列(グループの一例)で区分されており、第1列~第5列の5列配置された構成となっている。各列には、上段と下段とに1枚ずつ最大で2枚、全列の合計では(即ち、一つのデッキには)最大で10枚のカードを対戦に使用するカードとして設定できる。ユーザは、この列によって構成される各カードの配置位置に、選択したカードを設定することで、デッキを構築することができる。なお、上段に設定されたカードが前衛としての役割を有し、下段に設定されたカードが後衛としての役割を有してもよい。
基本的には、同じカードを一つのデッキに重複して設定することはできないため、一つのデッキに10枚のカードを設定する場合、少なくとも10枚のカードをユーザが所持している必要がある。なお、一つのデッキに重複して設定できるカードが存在する仕様としてもよい。
図示するデッキDK1では、第1列の上段にカードA及び下段にカードB、第2列の上段にカードC及び下段にカードD、第3列の上段にカードE及び下段にカードF、第4列の上段にカードG及び下段にカードH、第5列の上段にカードI及び下段にカードJ、がそれぞれ2枚一組となって設定されていることを示している。
なお、デッキの各列には少なくとも1枚のカードを設定しなければならない仕様としてもよいし、デッキの各列に全てのカード(例えば、2枚とも)を設定しなければならない仕様としてもよい。また、カードを1枚も設定しない列が含まれても対戦可能とする仕様としてもよい。
また、各列に設定可能なカードの枚数の上限は2枚に限られるものではなく3枚以上であってもよい。また、各列に設定可能なカードの枚数の上限が異なってもってよく、1枚しか設定できない列が含まれてもよい。また、各列に設定可能なカードの枚数に上限が設けられなくてもよい。但し、各列に上限枚数を設けない場合でも、一つのデッキに設定可能なカードの総数は、予め設定された枚数(例えば、10枚)に制限してもよい。なお、一つのデッキに設定可能なカードの総数を制限するのに代えて、コストに制限設けてもよい。コストとは、カード毎に設定されたパラメータの一つであり、デッキにカードをセットする際、または、特定のゲーム(例えば、イベントで提供されるサブゲーム)を行う際に必要な値である。デッキにカードを設定する際にこのコストが消費されるため、コストに制限を設けることでも、デッキに無制限にカードを設定できないようにできる。
また、ユーザが設定できるデッキは一つであってもよいし、複数であってもよい。例えば、複数のデッキをユーザが設定可能な場合、複数のデッキの中から対戦に使用するデッキを対戦相手に合わせて選択できるようにしてもよい。
〔対戦仕様〕
対戦相手のデッキも同様に2枚一組からなるカードの列が5列配置されており、ユーザにより設定されたデッキと対戦相手のデッキとを使用した対戦では、それぞれのデッキの同じ列同士で対戦(列対戦)が行われる。即ち、各列に予め設定され配置または順序に相当するもの(ここでは、第1列~第5列)があり、この配置または順序同士で、1対1の列同士の対戦が行われる。
図2は、本実施形態に係る列対戦による対戦を説明する図である。図示する例では、デッキDK1は、ユーザ(デッキDK1を使用してプレイするユーザ)によりカードが設定されたデッキである。一方、デッキDK2は、対戦相手のデッキである。なお、対戦相手は、デッキDK1を使用してプレイするユーザとは異なる他のユーザであってもよいし、NPC(Non Player Character)であってもよい。つまり、対戦相手のデッキは、対戦相手のユーザによりカードが設定されたデッキであってもよいし、ユーザの操作を介さずにコンピュータの処理によりカードが設定されたデッキであってもよい。
この図2に示す例では、ユーザにより設定されたデッキDK1は、図1に示すデッキDK1に対応し、第1列にカードA及びカードB、第2列にカードC及びカードD、第3列にカードE及びカードF、第4列にカードG及びカードH、第5列にカードI及びカードJ、がそれぞれ2枚一組となって設定されている。一方、対戦相手のデッキDK2は、第1列にカードK及びカードL、第2列にカードM及びカードN、第3列にカードO及びカードP、第4列にカードQ及びカードR、第5列にカードS及びカードT、がそれぞれ2枚一組となって設定されている。この対戦では、デッキDK1の第1列とデッキDK2の第1列とが対戦し、デッキDK1の第2列とデッキDK2の第2列とが対戦し、デッキDK1の第3列とデッキDK2の第3列とが対戦し、デッキDK1の第4列とデッキDK2の第4列とが対戦し、デッキDK1の第5列とデッキDK2の第5列とが対戦する。即ち、それぞれの列に設定された2枚一組のカードのキャラクタがタッグを組んで、それぞれのデッキの同じ列同士で列対戦(タッグバトル)が行われる。
各カードにはそれぞれ攻撃力、防御力等のパラメータが存在し、攻撃側が攻撃力のパラメータを使用し、防御側は防御力のパラメータを使用して、対戦が実行される。対戦は、非同期で行われ、対戦を仕掛けた方が攻撃側、仕掛けられた方が防御側となる。なお、互いに攻撃側と防御側とを交互に行う対戦としてもよい。ここで、非同期とは、対戦者同士が操作しながら対戦が行われるのではなく、予め設定済みのデッキ同士で対戦が行わることを意味している。
具体的には、列対戦では、ある列の攻撃側の2枚のカードの攻撃力のパラメータの合計値と、その列と同じ列の対戦相手側(防御側)の2枚のカードの防御力のパラメータの合計値との比較に基づいて、各列対戦の対戦結果が判定される。この列対戦を第1~5列まで行い、各列対戦の対戦結果に基づいて、ユーザによるデッキDK1と対戦相手のデッキDK2の対戦(即ち、ユーザと対戦相手の対戦)の勝敗が確定する。例えば、各列対戦の勝利数の多い方(この例では、3勝以上)が対戦の勝利となる。
このように列毎の列対戦とその勝利数によりユーザと対戦相手の対戦の勝敗が決定するため、5列を満遍なく強くするのか、確実に3勝を狙って3列を集中的に強くするか等といった戦略を立てる必要性が生ずることになる。例えば、同じ10枚のカードであっても、デッキに設定するときの配置によって勝敗が異なる可能性が出てくることになる。また、デッキ全体で対戦する場合と比べて、列それぞれでの対戦結果が出るため、各カードの強弱が視認でき、1枚1枚のカードの存在感を増すこともできる。
なお、ユーザと対戦相手の対戦に勝利した場合、勝利した側のユーザには、ポイント等の報酬が付与されるが、同じ勝利でも列対戦の勝利数によって報酬内容を変えてもよい。例えば、列対戦が3勝の場合には3ポイント、列対戦が5勝の場合には10ポイント等としてもよい。
〔連携効果〕
また、対戦では、上述したようにデッキにセットされたカードの攻撃力、防御力等のパラメータの合計値に加え、連携効果の影響を加味した値で勝敗が判定されてもよい。連携効果とは、デッキにセットされたカードの組合せによって発動する効果であり、例えば、攻撃力のパラメータの値を上乗せさせるポイント等である。防御側も同様に、防御力のパラメータの値を上乗せさせるポイントが連携効果として存在する。
図3は、本実施形態に係る連携効果の説明図である。図示する例では、デッキDK1に設定されたカードのうち、カードEとカードGとカードIとの3枚のカードの組合せによって連携効果を発動する。この例のように、連携効果の組合せは、同じ列内に留まらず、異なる列に設定されているカードについても有効である。つまり、一つのデッキ内に設定されているカードに連携効果の組合せがあれば、当該カードが設定されている列の区分とは関係なく連携効果を発動する。また、連携効果の対象(発動先)も、列の区分とは関係ない。連携効果の発動先は、発動要因となったその組合せのカードの場合もあれば、組合せのカード以外の場合もある。例えば、デッキ全体に効果があるものもある。或いはデッキ内に設定されているカードのうち特定の属性のカードのみに対して効果があるものもある。また、対戦相手のデッキの攻撃力や防御力のパラメータを下げる効果があるようなものもある。また、これらの効果が、所定の確率で発生するものもある。このように、列対戦は列単位で行われるが、連携効果は列単位ではなくデッキ全体へ影響することになる。このため、連携効果を発動させるカードの組合せに列区分の制限がなく自由度を与えることができる。
なお、図3に示す例では、カードEとカードGとカードIとが並んで配置されているが、並んで配置されていなくとも連携効果は発動される。デッキDK1内のどの位置に配置されていても発動条件となるカードの組合せが存在すれば、連携効果は発動される。なお、上記とは逆に、特定の配置でなければ連携効果を発動するカードの組合せがそろっても、連携効果を発動しない態様としてもよい。例えば、全列内に少なくとも1枚ずつ配置されなければ発動しない連携の組合せがあってもよい。また、連携効果を発動する組合せのカードが隣接して配置されていることを発動条件としてもよい。このように、連携効果の発動条件にカードの配置条件を加えることで、ユーザがカードを設定する際の配置についての戦略性を増すことができる。
また、図3に示す例では、3枚のカードの組合せで連携効果が発動される例を説明したが、組合せの枚数は、3枚に限定されるものではない。また、組合せの枚数によっても連携効果の内容が異なってもよい。例えば、組合せの枚数が多いほど、より大きい効果が発動されてもよい。
〔ブーストラインによる効果〕
また、ユーザは、デッキ内の特定の列に、対戦結果に影響する効果を生じさせるブーストラインを設定することができる。ブーストラインに設定されることにより、その列に設定されているカードの攻撃力や防御力等のパラメータが上昇する。例えば、ブーストラインに設定された列では、攻撃力や防御力等のパラメータが1.5倍になるなどの効果がある。上述した連携効果の発動後のパラメータに対しても、このブーストラインによる効果がさらに加わる。
図4は、本実施形態に係るブーストラインの設定例を示す図である。図示する例では、デッキDK1の第1~5列のうちの第3列がブーストラインに設定されている。また、図3に示す例と同様に、カードEとカードGとカードIとの3枚のカードは、連携効果が発動される組合せである。これにより、ブーストラインに設定されている第3列では、カードFにはブーストラインによる効果が適用され、カードEには連携効果が適用された上に、さらにブーストラインによる効果が適用される。
例えば、ユーザは、攻撃力や防御力等が弱いカードを設定した列に対して、弱点を補うためにブーストラインを設定してもよい。或いは、ユーザは、攻撃力や防御力等が強いカードを設定した列に対して、列対戦でより確実に勝てるようにするためにブーストラインを設定してもよい。このように、ブーストラインの設定は、ユーザの戦略の幅を広げる要因となる。
なお、対戦相手のデッキも同様にブーストラインの設定が可能である。また、図4に示す例では、デッキ内の列のうち一つの列にブーストラインが設定されている例を説明したが、複数の列にブーストラインの設定が可能な仕様としてもよい。また、複数の列にブーストラインの設定が可能な場合、効果が異なる複数のブーストラインが設定されてもよい。この場合、ユーザは、複数のブーストラインのいずれをどの列に設定するのが効果的かといったような戦略性を増すことができる。
また、ブーストラインが列対戦において勝利した場合、特別な報酬が付与されてもよい。例えば、列対戦の勝利数に応じた報酬の他、ブーストラインが勝利した場合に報酬が加算されるようにしてもよい。また、列毎の列対戦の勝利数により勝敗を確定する際に、ブーストラインで勝利した場合には勝利の数を2勝にカウントする等、勝利数を増してもよい。
〔システム構成〕
次に、本実施形態に係るゲームシステム1のシステム構成の概要を説明する。図5は、本実施形態に係るゲームシステム1の構成の一例を示すブロック図である。ゲームシステム1は、ユーザ端末10-1と、ユーザ端末10-2と、ユーザ端末10-3、・・・と、ゲームサーバ30とのコンピュータ装置を備えており、これらのコンピュータ装置はネットワークNWを介して接続される。ユーザ端末10-1と、ユーザ端末10-2と、ユーザ端末10-3とは同様の構成であるため、特に区別しない場合には、「-1」、「-2」等の記載を省略してユーザ端末10として説明する。ここでは3台のユーザ端末10を図示しているが、任意の台数のユーザ端末10がゲームサーバ30に接続されてもよい。
例えば、ユーザ端末10は、ユーザが利用するコンピュータ装置であり、PC(Personal Computer)、タブレットPC、スマートフォンやフィーチャーフォン等の携帯電話機、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)等が適用できる。
ゲームサーバ30は、ユーザ端末10にゲームを提供するサーバ装置である。例えば、ゲームサーバ30は、ユーザ端末10にブラウザゲームを提供するウェブサーバである。ブラウザゲームは、ゲームを実行するための専用のプログラムをユーザ端末10に導入することが不要なゲームであって、ユーザ端末10においてウェブブラウザを実行することによりウェブブラウザ上に表示されるゲーム画面でプレイすることが可能なゲームである。例えば、ゲームサーバ30は、ユーザ端末10に対するユーザの操作入力に基づいてゲームの各種の処理を実行し、ゲームの進行に応じてゲーム画面をユーザ端末10に表示させる。
次に、ユーザ端末10のハードウェア構成について説明する。
図6は、本実施形態に係るユーザ端末10のハードウェア構成の一例を示す図である。ユーザ端末10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)11と、通信部12と、入力部13と、表示部14と、記憶部15とを備え、ネットワークNWを介して接続されたゲームサーバ30や他の装置等と通信部12を介して通信を行う。これらの構成要素は、バス(Bus)を介して相互に通信可能に接続されている。CPU11は、記憶部15に記憶された各種プログラムを実行し、ユーザ端末10の各部を制御する。
通信部12は、例えば、イーサネット(登録商標)ポートやUSB等のデジタル入出力ポート、WiFi(登録商標)等の無線通信等を含んで構成される。
入力部13は、例えば、タッチパネルとしてディスプレイと一体に構成されており、ユーザの操作により各種の指示が入力される。また、入力部13は、キーボードやマウス、タッチパッドや、音声により各種の指示が入力されるマイクロホンなど、その他の入力装置であってもよい。
表示部14は、画像やテキスト等の情報を表示するディスプレイであり、例えば、液晶ディスプレイパネル、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイパネルなどを含んで構成される。
記憶部15は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含み、ユーザ端末10が処理する各種情報や画像、プログラム(ゲーム制御プログラムを含む)等を記憶する。なお、記憶部15は、ユーザ端末10に内蔵されるものに限らず、USB等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置でもよい。また、ユーザ端末10は、不図示のスピーカ、音声出力端子、カメラ、ジャイロセンサ、GPS(Global Positioning System)受信モジュールなどのハードウェア構成を含んで構成されてもよい。
次に、ゲームサーバ30のハードウェア構成について説明する。
図7は、本実施形態に係るゲームサーバ30のハードウェア構成の一例を示す図である。ゲームサーバ30は、例えば、CPU31と、通信部32と、入力部33と、記憶部35とを備え、ネットワークNWを介して接続された複数のユーザ端末10や他の装置等と通信部32を介して通信を行う。これらの構成要素は、バス(Bus)を介して相互に通信可能に接続されている。CPU31は、記憶部35に記憶されたゲーム制御プログラムを実行し、複数のユーザ端末10でプレイ可能なゲームを提供する。
通信部32は、例えば、イーサネット(登録商標)ポートやUSB等のデジタル入出力ポート、WiFi(登録商標)等の無線通信等を含んで構成され、CPU31による制御に基づいて、ネットワークNWを介して複数のユーザ端末10や他の装置と通信を行う。
入力部33は、例えば、キーボードやマウス、タッチパッドや、音声により各種の指示が入力されるマイクロホンなど、その他の入力装置である。
記憶部35は、例えば、HDD、EEPROM、RAMなどを含み、ゲーム制御プログラム、アプリケーションプログラム、ゲームに必要な各種設定情報及び履歴情報などを記憶する。なお、記憶部35は、ゲームサーバ30に内蔵されるものに限らず、USB等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置でもよい。また、記憶部35は、ゲームサーバ30とは物理的に離れた外部の記憶装置であってもよく、ゲームサーバ30とインターネットなどの通信網を介して接続されてもよい。また、ゲームサーバ30は、不図示の表示部、スピーカ、音声出力端子などのハードウェア構成を含んで構成されてもよい。
次に、図8を参照して、ゲームシステム1が備えるユーザ端末10及びゲームサーバ30の機能構成について説明する。図8は、本実施形態に係るユーザ端末10及びゲームサーバ30の構成の一例を示すブロック図である。本図において、図5~7と同様の構成には同じ符号を付している。
〔ユーザ端末10の構成〕
まず、ユーザ端末10の機能構成について説明する。ユーザ端末10は、記憶部15に記憶されているゲーム制御プログラムをCPU11が実行することにより実現される機能構成として、端末制御部110を備えている。例えば、端末制御部110は、入力受付部111と、データ授受部112と、表示制御部113とを備えている。
入力受付部111は、入力部13に対するユーザの操作を受け付ける。例えば、入力受付部111は、表示部14に表示されるゲーム画面に対してプレイするユーザの操作を入力部13を介して受け付ける。また、入力受付部111は、受け付けたユーザの操作に基づく操作情報を、通信部12を介してゲームサーバ30へ送信する。操作情報には、ゲームをプレイするユーザのユーザ情報やゲーム画面に対するプレイ操作についての情報等が含まれる。ユーザ情報とは、ユーザを識別するための識別情報(例えば、ユーザID)やパスワード、ユーザ名(ゲーム内でのユーザの名称)等である。データ授受部112は、入力受付部111が受け付けた操作情報を、通信部12を介してゲームサーバ30へ送信する。また、データ授受部112は、ユーザ端末10でプレイされるゲームのゲーム画像等を、通信部12を介してゲームサーバ30から取得する。表示制御部113は、データ授受部112がゲームサーバ30から取得したゲーム画像を表示部14に表示させる。
〔ゲームサーバ30の構成〕
次に、ゲームサーバ30の構成について説明する。ゲームサーバ30は、通信部32と、記憶部35と、サーバ制御部310と、を備えている。サーバ制御部310は、記憶部35に記憶されているプログラムをCPU31が実行することにより実現される機能構成であり、ゲームサーバ30の各部を制御する。例えば、サーバ制御部310は、ユーザ端末10でユーザがプレイするゲームのゲーム画面に表示されるゲーム画像を、通信部32を介してユーザ端末10へ送信することによりユーザ端末10の表示部14に表示させる。また、サーバ制御部310は、ユーザ端末10でプレイするユーザの操作情報を通信部32を介して取得し、該操作情報に基づいてゲームを進行させ、ユーザ端末10へ表示させるゲーム画像を更新する。また、サーバ制御部310は、ユーザ端末10でプレイするユーザのユーザ情報等を、通信部32を介して取得し、記憶部35に記憶させて管理する。なお、サーバ制御部310によるバトルゲームの対戦処理の構成について詳しくは後述する。
ここで、記憶部35に記憶される各種データについて詳しく説明する。例えば、記憶部35は、ユーザデータ記憶部351と、カードマスタデータ記憶部352と、所持カードデータ記憶部353と、デッキデータ記憶部354とを備えている。
ユーザデータ記憶部351には、ユーザ端末10においてゲームをプレイするユーザのユーザ情報が記憶される。例えば、ユーザデータ記憶部351には、ユーザ情報として、ユーザID、パスワード、及びユーザ名や、ユーザのゲームの進行度合いに基づくユーザレベル、対戦の勝敗や対戦相手の履歴情報等が関連付けられて記憶される。
カードマスタデータ記憶部352には、ゲーム内で用意されているカードのマスタデータ(カードマスタデータ)が記憶される。図9は、カードマスタデータ記憶部352に記憶されるカードマスタデータのデータ例を示す図である。図示するカードマスタデータには、カードID、用途、カード名、カード画像、レアリティ、属性、連携、キャラクタパラメータ等のカード情報が関連付けられている。
カードIDは、カードの種類毎に識別可能な識別情報である。例えば、カードの種類としては、カード名が異なるカードや、カード名が同じであってもレアリティが異なるカードは、異なる種類のカードとして識別される。用途は、ゲーム内でのカードの用途に応じた分類であり、各カードが示すものとして、キャラクタ、武器、または防具等が設定されている。カード名は、各カードの名称であって、キャラクタ、武器、防具等の名称である。カード画像は、各カードのキャラクタ、武器、防具等の態様(姿、形、名称など)の少なくとも一部を表した画像であり、例えば、カードに描かれているイラストである。レアリティは、各カードの希少度を示す指標であり、例えば、低い方から高い方へ順に1、2、3、4、5の5段階に分けられている。レアリティが高いカードほど、ユーザにとって価値が高いカードであり、攻撃力及び防御力の値が高い或いは上限値が高いカードである。ユーザは、レアリティが高いカードを使用することで、バトルを有利に進められる可能性が高くなる。また、例えば、カード抽選ではレアリティに応じてカードの選択割合が設定されてもよい。属性は、キャラクタを示すカードのキャラクタが得意とする攻撃を示す情報である。例えば、属性は、互いに優劣関係にある火、水、木のいずれかが対応付けられている。例えば、火のキャラクタには水のキャラクタが攻撃をすると大きなダメージを与えることができ、水のキャラクタには木のキャラクタが攻撃をすると大きなダメージを与えることができ、木のキャラクタには火のキャラクタが攻撃をすると大きなダメージを与えることができる。
連携には、複数のカードの組合せにより連携効果を発動する連携スキルが設定されている。図3を参照して前述したように、例えば、デッキに設定された複数のカードの中に同じ連携スキルのカードが所定毎数以上(例えば、3枚以上)存在するときに、その3枚のカードに設定されている連携スキルに対応する連携効果が発動される。連携スキルには、連携効果の発動条件や効果の内容等が関連付けられている。連携効果の発動条件とは、同じ連携スキルのカードの枚数に関する情報(例えば、3枚以上で発動等)、配置関係に関する条件(例えば、横に並んで配置されること等)等である。効果の内容とは、攻撃力や防御力のパラメータを上乗せさせるポイント数等である。なお、連携に設定される情報は、連携スキルに限らず、連携効果を発動するカードの組合せを示す情報であれば、どのような情報であってもよい。
キャラクタパラメータは、ゲームの進行に応じて値が変動する情報であり、例えば、各カード(キャラクタ)の攻撃力、防御力などが含まれる。なお、このカードマスタデータに設定されているキャラクタパラメータの値は、ユーザにカードが付与されるときの初期値である。攻撃力は、各カード(キャラクタ)の対戦における攻撃力を示す情報である。防御力は、各カード(キャラクタ)のバトルにおける防御力の値を示す情報である。これらのキャラクタパラメータは、ゲームの進行過程において、対戦の勝敗やカードの合成(複数のカードをまとめて1枚のカードにすることでキャラクタパラメータの値をアップさせること)等によって変更される。例えば、攻撃力、防御力などの値が高くなるにつれて、対戦を有利に進めることができる。
所持カードデータ記憶部353には、各ユーザが所持するカードを管理する所持カードデータが記憶される。例えば、所持カードデータには、ユーザのユーザIDと、そのユーザが所持しているカードのシリアルNo(シリアルナンバー)、カードID、カード名、カード画像、レアリティ、属性、連携、及びキャラクタパラメータ等とが関連付けられている。シリアルNoは、カード毎にユニークに付与された番号であり、ゲーム内で個々のカードを特定可能な情報である。同じカードIDのカードであっても、複数所持している場合には、それぞれに異なるシリアルNoが関連付けられる。また、この所持カードデータには、ユーザにカードが付与されたときに、そのカードのマスタデータの値(カードマスタデータ記憶部352に記憶されている初期値)が格納される。そして、ゲームの進行に応じて、この所持カードデータのキャラクタパラメータの値は随時更新される。
デッキデータ記憶部354には、ユーザが対戦に使用するデッキのデッキデータが記憶される。図10は、デッキデータ記憶部354に記憶されるデッキデータのデータ例を示す図である。図示するデッキデータには、ユーザIDと、そのユーザのデッキのデッキIDと、そのデッキを構成する列の列IDと、その列に設定されたカードのカードID(設定カードID)と、ブーストライン設定とが関連付けられている。デッキIDは、デッキを識別するための識別情報である。ユーザが1種類のデッキのみを編成可能な場合には、1人のユーザのユーザIDに1種類のデッキIDが関連付けられるが、ユーザが複数種類のデッキを編成可能な場合には、1人のユーザのユーザIDに複数種類のデッキIDが関連付けられる。ユーザが複数種類のデッキを編成可能な場合、ユーザは、編成した複数種類のデッキの中から対戦に使用するデッキを選択することになる。
列IDは、各デッキの第1~5列のそれぞれの列を識別するための識別情報である。各列には、最大で2枚のカードが設定可能なため、設定カードIDには、それぞれ1枚のカードを設定可能なスロットが2つ(スロット1、スロット2)関連付けられている。この設定カードIDのスロット1とスロット2に、各列に設定されたカードのカードIDが格納される。例えば、図1に示すデッキDK1の第1~5列のそれぞれの列IDがL1~L5であり、図1において各列の上段に配置(設定)されているカードのカードIDと下段に配置(設定)されているカードのカードIDとのそれぞれが、図10に示すスロット1とスロット2とのそれぞれに格納される。なお、カードがセットされていないスロットには、「null」を示す値が格納される。
ブーストライン設定には、各デッキの第1~5列のうちブーストラインとして設定された列を識別するための情報が設定される。図示する例では、ブーストラインに設定された列には「1」が設定され、それ以外の列には「0」が設定されている。例えば、初期値としては、全ての列に対して「0」が設定されており、ユーザによりブーストラインが設定された場合、ブーストラインが設定された列に対して「1」が設定される。
次に、サーバ制御部310によるバトルゲームの対戦処理の構成について説明する。サーバ制御部310は、操作情報取得部311と、デッキ編成部312と、ブーストライン設定部313と、対戦実行部314と、勝敗確定部315と、表示制御部316とを備えている。
操作情報取得部311は、ユーザ端末10におけるユーザの操作に基づく操作情報を、通信部32等を介してユーザ端末10から取得する。サーバ制御部310は、操作情報取得部311が取得する操作情報に基づいて、ユーザの操作に基づくゲームの各種処理を実行する。
デッキ編成部312は、ユーザの操作に基づいて、ユーザが対戦に使用可能なデッキの編成処理を行う。例えば、デッキにカードを設定することが可能なデッキ編成画面に対するユーザの操作に基づいて、ユーザが選択したカードをデッキに設定する。ここで、デッキ編成画面とは、例えば図1に示すデッキの構成例に示すように、一つのデッキにカードを設定可能な10個のスロット(図1において、カードA~カードJがそれぞれ配置されている部分)が、第1列~第5列のそれぞれに2個ずつ上下に配置されている画面である。一つのスロットには1枚のカードが設定可能であるため、各列では最大で2枚のカード、一つのデッキDK1の合計では最大で10枚のカードが設定可能である。図1に示す例では、10個のスロットにカードA~カードJが設定済みの状態を示しているが、未設定のスロットは、カードが設定されていないことが視認可能なように、ブランク表示されたり、「未設定」が表示されたりする。当該スロットに対してユーザが操作(タップ操作等)すると、設定可能なカードの選択肢が表示され、ユーザがカードを選択する操作(タップ操作等)を行うことにより、デッキ編成部312は、選択されたカードを当該スロットに設定する。また、デッキ編成部312は、設定済みのスロットに対しても同様の操作が行われることにより、当該スロットの設定を新たに選択されたカードへ変更することも可能である。具体的には、例えばデッキ編成部312は、各デッキの各列の各スロットに対して選択されたカードのカードIDを、デッキデータ記憶部354に記憶されているデッキデータの設定カードIDに格納する。
ブーストライン設定部313は、デッキ内の第1列~第5列のうちのいずれかをユーザの指示に基づいてブーストラインとして設定する。例えば、上述のデッキ編成画面において、第1列~第5列のうちのいずれかをブーストラインに設定するための操作ボタンが表示され、ブーストライン設定部313は、当該操作ボタンに対するユーザの操作に基づいて、第1列~第5列のうちの選択された列をブーストラインに設定する。具体的には、ブーストライン設定部313は、選択された列をブーストラインに設定する場合、デッキデータ記憶部354に記憶されているデッキデータのブーストライン設定を「1」に設定する。
対戦実行部314は、ユーザによりカードが設定されたデッキ(例えば、図2のデッキDK1参照)と、対戦相手のカードが設定されたデッキ(例えば、図2のデッキDK2参照)との対戦処理を実行する。具体的には、対戦実行部314は、ユーザによりカードが設定されたデッキの第1列~第5列と対戦相手のカードが設定されたデッキの第1列~第5列とが列同士で対戦する対戦処理を実行する。例えば、対戦実行部314は、この列同士の列対戦において、予め設定された各対戦の列同士の組合せに基づいて実行する。一例としては、図2を参照して説明したように、対戦実行部314は、それぞれのデッキの同じ列同士で1対1の列対戦を行う対戦処理を実行する。
なお、それぞれのデッキの同じ列同士での対戦に限らず、予め設定された他の列同士(例えば、図2に示すデッキDK1の第1列とデッキDK2の第2列、デッキDK1の第2列とデッキDK2の第3列、・・・、デッキDK1の第5列とデッキDK2の第1列、等)の対戦としてもよい。また、各列が1対1で1度ずつ対戦するのに限らず、勝利した方の列が次の対戦に残る勝ち抜き戦(勝ち残り戦)方式の対戦としてもよい。
列対戦において、例えば、対戦実行部314は、攻撃側の列に設定されているカードの攻撃力のパラメータの合計値と、防御側の列に設定されているカードの防御力のパラメータの合計値との比較に基づいて、各列対戦の対戦結果を判定する。例えば、対戦実行部314は、攻撃力のパラメータの合計値が防御力のパラメータの合計値より高い場合には攻撃側の列が勝利と判定する。反対に、対戦実行部314は、防御力のパラメータの合計値が攻撃力のパラメータの合計値より高い場合には防御側の列が勝利と判定する。
また、対戦実行部314は、列対戦の対戦処理において、前述の連携効果の影響を加味した値で勝敗を判定する。例えば、対戦実行部314は、複数の列に設定されたカードの組合せ(連携効果を発動する組合せ)に基づいて、ユーザによりカードが設定されたデッキの複数の列と対戦相手のカードが設定された複数の列との列同士の列対戦のうち少なくとも一の列対戦についての対戦結果に影響する効果を生じさせるように対戦処理を実行する。列対戦についての対戦結果に影響する効果とは、例えば、対戦で利用されるパラメータを変化させる効果である。具体的には、例えば、各列に設定されている攻撃力のパラメータの値を上乗せさせるポイント等や、防御力のパラメータの値を上乗せさせるポイント等である。
例えば、対戦実行部314は、デッキ内の各列に設定されているカードの情報を、所持カードデータ記憶部353に記憶されている所持カードデータの連携を参照し、連携効果の発動条件を満たすカードの組合せがあるか否かを判定する。具体的には、対戦実行部314は、デッキに設定されている複数のカードの中に、同じ連携スキルを有するカードが所定枚数以上(例えば、3枚以上)ある場合に連携効果の発動条件を満たすカードの組合せがあると判定し、各列に設定されている攻撃力や防御力のパラメータの値に当該連携効果の影響を加味した値で勝敗を判定する。一方、対戦実行部314は、デッキに設定されている複数のカードの中に、同じ連携スキルを有するカードが所定枚数以上(例えば、3枚以上)ない場合に連携効果の発動条件を満たすカードの組合せがないと判定し、各列に設定されている攻撃力や防御力のパラメータの値で勝敗を判定する。
また、対戦実行部314は、ユーザによりカードが設定されたデッキの複数の列のうちブーストラインが設定された列に、対戦結果に影響する効果を生じさせるように対戦処理を実行する。同様に、対戦実行部314は、対戦相手のカードが設定されたデッキの複数の列のうちブーストラインが設定された列に、対戦結果に影響する効果を生じさせるように対戦処理を実行する。対戦結果に影響する効果とは、例えば、ブーストラインに設定された列では、攻撃力や防御力等のパラメータが1.5倍になる等の効果である。また、対戦実行部314は、連携効果の発動後のパラメータに対しても、このブーストラインによる効果をさらに加味する。
勝敗確定部315は、対戦実行部314による列同士の対戦結果に基づいて、ユーザと対戦相手との勝敗(デッキ同士の勝敗)を確定する。例えば、勝敗確定部315は、列同士の対列戦による勝敗数(ユーザ側の複数の列のそれぞれと対戦側の複数の列のそれぞれとの勝敗数)に基づいて、ユーザと対戦相手との勝敗を確定する。具体的には、勝敗確定部315は、各列の列対戦の勝利数の多い方(例えば、5戦中3勝以上)を勝利とする。また、勝敗確定部315は、ユーザと対戦相手の対戦に勝利した側に、ポイント等の報酬を付与してもよい。この場合、勝敗確定部315は、同じ勝利でも列対戦の勝利数によって報酬内容を変えてもよい。
表示制御部316は、ゲームの進行に基づくゲーム画像を通信部32を介して送信することにより、ユーザ端末10の表示部14にユーザがプレイするゲーム画像を表示させる。ゲーム画像とは、ゲーム内でカード抽選を行うカード抽選画面や、上述したデッキ編成画面、対戦相手及び対戦相手のデッキを選択して対戦を行う対戦画面、或いは、それらの各画面へ移行するための選択画面等に表示させるためのゲーム画像である。
例えば、表示制御部316は、ユーザが対戦相手を選択する際には、ユーザデータ記憶部351に記憶されているユーザデータを参照し、このゲームをプレイしているユーザのうちの少なくとも一部を対戦相手の選択肢として表示させる。選択肢として抽出されるユーザは、全てのユーザの中からランダムに選択されてもよいし、ユーザレベルが同等のユーザの中からランダムに選択されてもよいし、ゲーム内で所定のユーザと関連付けがされている場合(例えば、友だち関係として関連付けされている場合)には、その関連付けされているユーザの一部または全部であってもよい。対戦相手の選択肢のいずれかに対してユーザの操作(例えば、タップ操作)がされると、表示制御部316は、デッキデータ記憶部354に記憶されているデッキデータを参照して、対戦相手のデッキの情報を表示(例えば、ポップアップ表示)させる。
なお、表示制御部316は、対戦相手のデッキの情報を表示させる場合、対戦相手のデッキのヒント情報を表示させてもよい。ここで、ヒント情報とは、例えば、列対戦において対戦の進行または結果が推測可能な情報である。例えば、表示制御部316は、デッキデータ記憶部354に記憶されているデッキデータ及び所持カードデータ記憶部353に記憶されている所持カードデータを参照して、対戦相手のカードが設定された複数の列についての情報の少なくとも一部を表示させてもよい。
図11は、対戦相手のデッキのヒント情報の表示例を示す図である。図示する例では、対戦相手のデッキDK2内の複数の列に設定されたカードのうち一部のカード(第3列の上段のカードOと第5列の上段のカードSのみ)の情報が表示されていることを示している。他のカードについてのカードの情報は表示されていない。なお、ヒント情報として表示されるカードの情報は、カード名、カード画像、レアリティ、属性、連携スキル、及び攻撃力や防御力等のパラメータ等の一部または全部である。また、表示制御部316は、ブーストラインがどの列に設定されているかも表示させている。これらの情報によって、どのユーザを対戦相手として選択するのかを決めるヒントとなる。また、或いはこのヒントを元に、ユーザは、自身のデッキに設定しているカードの配置等を組みなおして対戦することもできる。
なお、上述したヒント情報の表示のさせ方や表示させる情報は一例であって、これに限られるものではない。例えば、図11に示す例では、2枚のカードの情報が表示されているが、任意の枚数のカードの情報が表示されてもよいし、カードの情報は表示されずブーストラインがどの列に設定されているかが表示されてもよい。
また、図11に示す例では、第3列の上段のカードOと第5列の上段のカードSのカードの情報が表示されているが、表示される場所は予め定められていてもよいし、都度ランダムに選択されてもよい。または、表示される場所をユーザが設定できるようにしてもよい。
また、表示制御部316は、対戦画面には、選択された対戦相手との対戦状況を示す画像や、対戦が終了した後の対戦結果を示す画像等を表示させる。対戦状況を示す画像とは、例えば、ユーザのデッキに設定されたカードのキャラクタと対戦相手のデッキに設定されたカードのキャラクタとが闘いをしている様子を表す演出画像である。なお、表示制御部316は、ユーザの操作等により、この対戦状況を示す画像の少なくとも一部を省略して、対戦結果を示す画像に移行してもよい。また、対戦結果を示す画像とは、勝敗確定部315により確定された勝敗(勝ち、負け、または引き分け等)、対戦実行部314による各列の列対戦の結果(勝ち、負け、または引き分け、列毎の攻撃力の値と列毎の防御力の値等)、対戦によって付与された報酬、等を示す画像である。
〔デッキ編成処理の動作〕
次に図12を参照して、ゲームサーバ20のサーバ制御部310が実行するデッキ編成処理の動作を説明する。図12は、本実施形態に係るデッキ編成処理の一例を示すフローチャートである。
ユーザ端末10におけるユーザの操作(デッキ編成画面への移行を指示する操作)に基づいて、サーバ制御部310は、デッキにカードを設定することが可能なデッキ編成画面の画像をユーザ端末10に表示させる(ステップS100)。
次に、サーバ制御部310は、デッキ編成画面において、ユーザによりデッキを切り替える操作がされたか否かを判定する(ステップS102)。ここで、デッキを切り替える操作とは、例えば、ユーザが複数のデッキを編成可能な場合にどのデッキの編成を行うかを切り替える操作であり、例えば、「デッキ1」、「デッキ2」、「デッキ3」、「デッキ4」、及び「デッキ5」の5種類のデッキの編成が可能な場合、それら5種類のデッキのそれぞれに対応するタブや操作ボタンに対してユーザが操作(例えば、タップ操作)することにより、操作したデッキの編成が可能な画面に切り替えることができる。
ステップS102において、デッキを切り替える操作が行われたと判定された場合(YES)、サーバ制御部310は、ユーザ端末から取得した操作情報に基づいて、ユーザが操作したデッキに切り替え(ステップS104)、ステップS100の処理に戻す。
一方、ステップS102において、デッキを切り替える操作が行われていないと判定された場合(NO)、サーバ制御部310は、デッキ編成画面において、デッキ編成の終了を選択する操作が行われたか否かを判定する(ステップS106)。デッキ編成の終了を選択する操作とは、例えば、デッキ編成画面に表示される「終了」ボタン、或いは、一つ前の画面に「戻る」ボタンに対する操作(例えば、タップ操作)等である。
ステップS106において、デッキ編成の終了を選択する操作が行われたと判定された場合(YES)、サーバ制御部310は、デッキ編成処理を終了する。一方、ステップS106において、デッキ編成の終了を選択する操作が行われていないと判定された場合(NO)、サーバ制御部310は、編成中のデッキ内のスロットを選択する操作がされたか否かを判定する(ステップS108)。スロットを選択する操作とは、例えば図1に示す例ではカードA~カードJが設定済みとなっている10個のスロットのいずれかに対する操作(例えば、タップ操作)である。なお、初期状態では、どのスロットも未設定となっている。
ステップS106において、スロットを選択する操作がされていないと判定された場合(NO)、サーバ制御部310は、ステップS100の処理に戻す。一方、ステップS106において、スロットを選択する操作がされたと判定された場合(YES)、サーバ制御部310は、スロットに設定可能なカードの選択肢が表示されるカード選択画面の画像をユーザ端末10に表示させる。例えば、サーバ制御部310は、所持カードデータ記憶部353に記憶されている所持カードデータを参照し、ユーザが所持しているカードのうち同じデッキに設定されていないカードの一部または全部について、スロットに設定可能なカードの選択肢として表示させる(ステップS110)。
次に、サーバ制御部310は、カード選択画面に表示されている「キャンセル」ボタンに対する操作(例えば、タップ操作)がされたか否かを判定する(ステップS112)。「キャンセル」ボタンに対する操作がされたと判定された場合(YES)、サーバ制御部310は、カード選択画面を終了し、ステップS108の処理に戻してデッキ編成画面においてスロットを選択する操作がされたか否かを判定する。
ステップS112において「キャンセル」ボタンに対する操作がされず(NO)、カード選択画面において選択肢の中からカードを選択する操作(例えば、タップ操作)が行われると(ステップS114)、サーバ制御部310は、選択されたカードをスロット(ステップS108で選択されたスロット)に設定する(ステップS116)。具体的には、サーバ制御部310は、デッキデータ記憶部354に記憶されているデッキデータの設定カードIDのデータを更新する。なお、サーバ制御部310は、最初(デッキ編成前)はどのスロットも未設定の状態として表示させ、カードが設定されるに従って、設定済みとなったスロットには設定されたカードの情報を表示させる。
また、デッキ編成画面において第1列~第5列のうちブーストラインに設定する列を選択する操作が行われると、サーバ制御部310は、選択された列(例えば、第3列。図3参照)をブーストラインとして設定する(ステップS118)。そして、ステップS100の処理に戻る。
なお、ブーストラインに設定する列を選択する場合、例えば、デッキ編成画面には、第1列~第5列のそれぞれにはブーストラインとして選択するための「ブーストライン選択」ボタンが表示されており、ユーザによりいずれかの列に対応する「ブーストライン選択」ボタンに対する操作(例えば、タップ操作)がされると、サーバ制御部310は、操作された列をブーストラインとして設定する。例えば、デッキ内に一つのブーストラインしか設定できない仕様の場合には、各列が排他的にブーストラインとして設定される。また、ブーストラインに設定された列は、他の列と区別可能なよう表示態様で表示される。例えば、ブーストラインに設定された列は、他の列とは異なる色で表示されたり、他の列にはないマーク(印)や枠を付して表示されたり、或いは、ブーストラインであることを示すテキスト情報や画像が表示されたりしてもよい。
〔対戦処理の動作〕
次に図13を参照して、ゲームサーバ30のサーバ制御部310が実行する対戦処理の動作を説明する。図13は、本実施形態に係る対戦処理の一例を示すフローチャートである。
ユーザ端末10におけるユーザの操作(対戦画面への移行を指示する操作)に基づいて、サーバ制御部310は、対戦相手の候補となる他のユーザの選択肢が表示される対戦相手選択画面の画像をユーザ端末10に表示させる(ステップS200)。対戦相手の選択肢のいずれかに対してユーザにより操作(例えば、タップ操作)がされると、サーバ制御部310は、デッキデータ記憶部354に記憶されているデッキデータを参照して、操作された選択肢のデッキの情報を表示(例えば、ポップアップ表示)させる。例えば、サーバ制御部310は、図11に示すように、対戦相手のカードが設定された複数の列についての情報の少なくとも一部を、ユーザが対戦相手を選択する際のヒント情報として表示させる。
次に、サーバ制御部310は、対戦相手が決定されたか否かを判定する(ステップS202)。例えば、対戦相手選択画面には、対戦相手の候補となる他のユーザの選択肢のそれぞれに対応して「対戦相手決定」ボタンが表示されている。そして、「対戦相手決定」ボタンのいずれかに対してユーザにより操作(例えば、タップ操作)がされた場合、サーバ制御部310は、対戦相手が決定されたと判定し(YES)、操作された「対戦相手決定」ボタンに対応する選択肢を対戦相手として決定する。そして、ステップS204の処理に進む。
一方、「対戦相手決定」ボタンのいずれに対してもユーザにより操作(例えば、タップ操作)がされない場合、サーバ制御部310は、対戦相手が決定されていないと判定し(NO)、引き続き対戦相手選択画面の画像をユーザ端末10に表示させる(ステップS200)。
ステップS202において対戦相手が決定されたと判定された場合(YES)、サーバ制御部310は、デッキデータ記憶部354に記憶されているデッキデータを参照し、ユーザ自身が対戦に使用するデッキに関する情報をユーザ端末10に表示させる。デッキに関する情報とは、図12に示すデッキ編成処理において編成されたデッキの各列に設定されたカードの情報である。なお、複数のデッキが編成されている場合には、対戦に使用するデッキを選択可能な「デッキ選択」ボタンが表示され、当該「デッキ選択」ボタンへの操作により、使用するデッキを切り替えることができる。「デッキ選択」ボタンに対するユーザの操作(例えば、タップ操作)に基づいて、サーバ制御部310は、対戦に使用するデッキを選択する(ステップS204)。
次に、サーバ制御部310は、対戦開始の指示がされたか否かを判定する(ステップS206)。例えば、ユーザにより対戦開始の指示を示す操作(例えば、「対戦開始」ボタンに対するタップ操作)がされた場合(YES)、サーバ制御部310は、ステップS208の処理に進む。一方、ユーザにより対戦開始の指示を示す操作(例えば、「対戦開始」ボタンに対するタップ操作)がされない場合(NO)、デッキの選択をやり直しが可能であり、サーバ制御部310は、「デッキ選択」ボタンに対するユーザの操作(例えば、タップ操作)に基づいて、対戦に使用するデッキを選択する(ステップS204)。
ステップS206において対戦開始の指示を示す操作がされると、サーバ制御部310は、ステップS200で選択された対戦相手のデッキの各列に設定されたカードの情報、及びステップS204で選択されたデッキの各列に設定されたカードの情報を参照し、連携効果の条件が満たされている場合には、連携効果に基づいて攻撃力や防御力等パラメータを変更する(ステップS208)。
また、サーバ制御部310は、ブーストラインに設定されている列に設定されたカードの攻撃力や防御力等のパラメータを変更する(ステップS210)。
次に、サーバ制御部310は、ステップS208及びS210によるパラメータの変更も加味して、各列に設定されたカードの攻撃力や防御力のパラメータに基づいて、各列の列同士の対戦結果を判定する。例えば、サーバ制御部310は、攻撃力のパラメータの合計値が防御力のパラメータの合計値より高い場合には攻撃側の列が勝利と判定する。反対に、サーバ制御部310は、防御力のパラメータの合計値が攻撃力のパラメータの合計値より高い場合には防御側の列が勝利と判定する(ステップS212)。
そして、サーバ制御部310は、ステップS210において判定された列同士の対戦結果に基づいて、ユーザと対戦相手との勝敗(デッキ同士の勝敗)を確定する。例えば、サーバ制御部310は、各列の列対戦による勝敗数(ユーザ側の複数の列のそれぞれと対戦側の複数の列のそれぞれとの勝敗数)に基づいて、ユーザと対戦相手との勝敗を確定する。具体的には、サーバ制御部310は、各列の列対戦の勝利数の多い方(例えば、5戦中3勝以上)を勝利とする(ステップS214)。
なお、勝敗確定部315は、ユーザと対戦相手の対戦に勝利した側に、ポイント等の報酬を付与してもよい。この場合、勝敗確定部315は、同じ勝利でも列対戦の勝利数によって報酬内容を変えてもよい。
〔実施形態のまとめ〕
以上説明してきたように、本実施形態によるゲームサーバ30(ゲーム装置の一例)は、対戦実行部314と、勝敗確定部315とを備えている。対戦実行部314は、ユーザにより複数のカード(オブジェクトの一例)が設定可能な列(グループの一例)を含む複数の列(第1グループの一例)と、対戦相手の一または複数のカードがそれぞれに含まれる列を含む複数の列(第2グループの一例)とが列同士で対戦する対戦処理を実行する。勝敗確定部315は、対戦実行部314による列同士の対戦結果に基づいて、ユーザと対戦相手との勝敗を確定する。そして、対戦実行部314は、ユーザにより複数のカードが設定可能な列を含む複数の列(第1グループの一例)、及び対戦相手の一または複数のカードがそれぞれに含まれる列を含む複数の列(第2グループの一例)のそれぞれに設定されたブーストライン(特定グループの一例)に対戦結果に影響する効果を生じさせるように対戦処理を実行する。対戦結果に影響する効果とは、例えば、対戦で利用されるパラメータを変化させる効果である。
これにより、ゲームサーバ30は、設定するカードの種類(強さ等)だけではなく、どの列にどのようなカードの組合せで配置するかが対戦相手との勝敗に影響する要因となるため、対戦相手を意識した駆け引き的な要素が増し、戦略性を高めることができる。例えば、ブーストラインに、攻撃力や防御力等が弱いカードを設定して弱点を補うことや、反対に、攻撃力や防御力等が強いカードを設定してより強くすることもできるため、ユーザの戦略の幅を広げることができる。また、デッキ全体で対戦する場合と比べて、列それぞれでの対戦結果が出るため、各カードの強弱が視認でき、1枚1枚のカードの存在感を増すこともできる。
なお、本実施形態では、デッキが複数のグループで区分されている列として、複数の列によって区分されている例を説明したが、これに限られるものではない。グループは、列に限らず、チーム、或いは班等としてもよい。また、一つ一つのデッキをグループと見なして、ユーザの複数のデッキと対戦相手の複数のデッキとがデッキ同士で対戦した対戦結果に基づいて、ユーザと対戦相手との勝敗が確定する構成としてもよい。この場合、特定グループは、複数のデッキのうちの特定のデッキ(例えば、ブーストデッキ)としてもよい。
例えば、対戦実行部314は、ユーザにより複数のカード(オブジェクトの一例)が設定可能な列(グループの一例)を含む複数の列(第1グループの一例)と、対戦相手の一または複数のカードがそれぞれに含まれる列を含む複数の列(第2グループの一例)とが列同士で対戦する対戦処理を、予め設定された各対戦の列同士の組合せに基づいて実行する。
これにより、ゲームサーバ30は、予め設定された列同士の組合せで各対戦が行われるため、ユーザは、対戦相手の各列に設定されているカードを意識しながら、自身のカードをその列に設定するかを考えることとなり、戦略性を高めることができる。
また、勝敗確定部315は、列(グループの一例)同士の対戦による、ユーザにより複数のカード(オブジェクトの一例)が設定可能な列(グループの一例)を含む複数の列(第1グループの一例)のそれぞれと、対戦相手の一または複数のカードがそれぞれに含まれる列を含む複数の列(第2グループの一例)のそれぞれとの勝敗数に基づいて、ユーザと対戦相手との勝敗を確定する。
これにより、ゲームサーバ30は、予め設定された列同士の各対戦の勝敗数により対戦相手との勝敗を確定するため、5列を満遍なく強くするのか、3勝を狙って3列を集中的に強くするか等といった戦略性を高めることができる。例えば、同じ10枚のカードであっても、デッキに設定するときの配置によって勝敗が異なる可能性が出てくることになるため、対戦相手を意識した駆け引き的な要素が増し、戦略性を高めることができる。
なお、勝敗確定部315は、列同士の各対戦の勝敗数による方法以外で、ユーザと対戦相手との勝敗を確定してもよい。例えば、勝敗確定部315は、列同士の各対戦を所定の基準で評価してポイント化し、その合計値に基づいてユーザと対戦相手との勝敗を確定してもよい。所定の基準とは、例えば、時間、量、達成度、大きさ、美しさ等の評価基準であってもよい。また、勝敗確定部315は、列同士の各対戦の勝敗数と、列同士の各対戦を所定の基準で評価してポイント化した合計値との両方に基づいて、ユーザと対戦相手との勝敗を確定してもよい。
また、ゲームサーバ30は、ブーストライン設定部313(特定グループ設定部の一例)を備え、ユーザにより複数のカード(オブジェクトの一例)が設定可能な列(グループの一例)を含む複数の列(第1グループの一例)のうちのいずれかをユーザの指示に基づいてブーストライン(特定グループの一例)として設定する。
これにより、ゲームサーバ30は、ブーストラインをどの列に設定するかをユーザが選択できるため、ユーザの戦略の幅を広げることができる。
なお、本実施形態では、ブーストラインをどの列とするかをユーザが任意に設定できるものとしたが、これに限られるものではなく、ブーストラインは予め設定された列(例えば、第1列等)に固定化されてもよい。この場合、ブーストラインが対戦相手と同じ列になることにより、最も強い列(エースライン)同士の対戦が実現しやすくなる。
また、対戦実行部314は、ユーザにより複数のカード(オブジェクトの一例)が設定可能な列(グループの一例)を含む複数の列(第1グループの一例)に設定されたカードの組合せ(例えば、同じ連携スキルを有するカードの組合せ)に基づいて、当該複数の列と、対戦相手の一または複数のカードがそれぞれに含まれる列を含む複数の列(第2グループの一例)との列同士の対戦のうち少なくとも一の対戦についての対戦結果に影響する連携効果を生じさせるように対戦処理を実行する。ここで、カード(オブジェクトの一例)の組合せとは、例えば、特定のカード(特定のオブジェクトの一例)による組合せ、即ち、特定のカードID(特定のオブジェクトIDの一例)による組合せであってもよいし、或いは、カード(オブジェクトの一例)に設定されたパラメータ(属性、連携スキル等)による組合せであってもよい。また、少なくとも一の対戦についての対戦結果に影響する連携効果を生じさせるとは、列の区分には関係なくデッキに設定された全てのカードのうち連携効果の対象となるカードに連携効果を発動することにより、少なくとも一の列対戦についての対戦結果に影響することをいう。
これにより、ゲームサーバ30は、列対戦は列単位で行われるが、連携効果は列の区分には関係なく発動するため、連携効果を発動させるカードの組合せに列区分の制限がなく自由度を与えることができる。
また、対戦実行部314は、ユーザにより予めカード(オブジェクトの一例)が設定された複数の列(第1グループの一例)と、当該ユーザとは異なる他のユーザにより予めカードが設定された複数の列(第2グループの一例)との対戦処理を、他のユーザの操作を介入せずに実行可能である。
これにより、ゲームサーバ30は、予めカードが設定された列同士の列対戦が非同期に行われるため、プレイするタイミングに制約がなく自由度が高い。
また、ゲームサーバ30は、表示制御部316を備え、ユーザが対戦相手を選択する際に、対戦相手のカード(オブジェクトの一例)が設定された複数の列(第2グループの一例)についての情報の少なくとも一部を表示させる。ここで、複数の列(第2グループの一例)についての情報とは、例えば、列対戦において対戦の進行または結果が推測可能な情報(例えば、ヒント情報)である。
これにより、ゲームサーバ30は、ユーザが対戦相手を選択する際に、対戦相手のカードの情報の少なくとも一部をヒント情報として表示することができる。ユーザは、このヒント情報を参考にして、どのユーザを対戦相手として選択するのかを決めることができる。また、ユーザは、このヒント情報を参考にして、自身のデッキに設定しているカードの配置等を組みなおして対戦することもできる。
[変形例]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
例えば、上記実施形態では、ブーストラインに対戦結果が有利となるような効果(例えば、攻撃力や防御力等のパラメータが1.5倍)を生じさせる例を説明したが、ブーストラインに代えて特定の列に対戦結果が不利となるような効果(例えば、攻撃力や防御力等のパラメータが1/2倍)を生じさせてもよい。この場合も、どの列にどのようなカードの組合せで配置するかが対戦相手との勝敗に影響する要因となるため、対戦相手を意識した駆け引き的な要素が増し、戦略性を高めることができる。
また、上記実施形態では、連携に関する情報が、カードの情報の一つとしてカードマスタデータに記憶されている例(図9参照)を説明したが、カードの情報とは別に管理されてもよい。例えば、ゲームサーバ30は、カードの情報が格納されているカードマスタデータとは別に、連携に関する情報(連携データ)が格納されたテーブル情報を備え、当該テーブル情報を対戦の際に参照して連携効果を対戦結果に反映させてもよい。
図14は、カードの情報とは別に連携データが格納されたテーブル情報のデータ例を示す図である。図示する連携データのテーブル情報では、連携IDと、発動条件と、連携スキルとが関連付けられている。連携IDは、連携の種類を識別するための識別情報である。発動条件は、連携効果を発動するカードの組合せを示しており、該当するカードのカードIDが格納されている。図示する例では、例えば、カードIDが「CA1」、「CA2」、「CA3」の3枚のカードの組合せにより(1つのデッキに設定された場合に)、連携ID「RK1」により識別される連携効果が発動される。連携スキルには、その連携効果を発動する連携スキルの名称と、効果の内容(例えば、攻撃力や防御力のパラメータを値に上乗せさせるポイント等)とが格納されている。
ゲームサーバ30(対戦実行部314)は、上記テーブル情報に格納されている各発動条件を順次参照し、デッキ内に設定されているカードの中に発動条件を満たす組合せがあるか否かを判定し、発動条件を満たす組合せがある場合には、その連携効果の影響を加味して列対戦の勝敗を判定する。
なお、連携効果の発動数には上限があってもよい。例えば、ゲームサーバ30(対戦実行部314)は、デッキ内の発動条件を満たすカードの組合せの数が上限を超えた場合、発動数が上限を超えない範囲となるように、発動条件を満たす連携の中から発動対象とする連携効果を抽選で決定してもよい。
また、上記実施形態では、ブーストラインを例にして、特定の列(グループの一例)に列対戦の対戦結果に影響する効果を生じさせる例を説明したが、このように、特定の列に対して対戦結果に影響する効果を生じさせる構成はなくてもよい。
また、上記実施形態において、連携効果とは別にリーダー効果が存在してもよい。リーダー効果とは、リーダーに設定されたカードがそのカードに設定された効果を発動するものである。発動する効果としては連携効果と同様に特定のパラメータを変化させるもの等である。なお、リーダーとなるカードは、デッキに設定されたカードの中からユーザが任意に選択できるようにしてもよいし、デッキ内の予め設定されたスロット(例えば、第1列の上段等)に配置されたカードであってもよい。
また、上記実施形態において、列内の配置(上段、下段)によって対戦結果に影響する効果を生じさせてもよい。例えば、上段に設定されたカードの攻撃力等のパラメータを1.2倍等としてもよい(下段は1倍)。或いは、対戦相手からのパラメータダウンの連携効果の影響を受けるのは上段(前衛としての役割)のカードのみ、等としてもよい。
また、上記実施形態では、攻撃用として使用されるカードと防御用として使用されるカードとは共通のカードであって同一のデッキに設定されるが、デッキを攻撃専用のデッキと防御専用のデッキとに分離して、攻撃専用のデッキには攻撃用のカードが、防御専用のデッキには防御用のカードが、それぞれ設定されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、攻撃用として使用されるカードと防御用として使用されるカードとは共通のカードであって、同一のデッキに設定された各カードには、攻撃側のときに使用される攻撃用のパラメータと、防御側のときに使用される防御用のパラメータとがそれぞれ設定されているが、攻撃側と防御側とを区別する概念がなくてもよい。例えば、同一のデッキに設定された各カードに攻撃用にも防御用にも利用される共通のパラメータが設定されており、攻撃または防御に関わらず、その共通のパラメータが対戦に使用されてもよい。
なお、上記実施形態では、予め設定済みのデッキ同士による対戦が非同期に行われる例を説明したが、非同期に行われる対戦に限られるものではなく、ユーザと対戦相手のユーザ同士が操作しながら対戦が行われる同期対戦(例えば、ユーザも対戦相手もオンラインでプレイするオンラインゲーム)であってもよい。
また、上述の端末制御部110またはサーバ制御部310の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより端末制御部110またはサーバ制御部310としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
また、上述の端末制御部110またはサーバ制御部310の一部または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
また、上記実施形態におけるサーバ制御部310が備える各部の少なくとも一部をユーザ端末10が備えてもよい。即ち、上記実施形態では、ユーザ端末10におけるユーザの操作に基づいてゲームサーバ30がデッキの編成処理や対戦処理を実行する構成を説明したが、デッキの編成処理や対戦処理の少なくとも一部をユーザ端末10で実行してもよい。例えば、本実施形態では、ゲームを実行するための専用のプログラムをユーザ端末10に導入することなくウェブブラウザ上でプレイ可能なブラウザゲームの例を説明したが、ユーザ端末10にゲームを実行するための専用のプログラムを導入して、該専用のプログラムがゲーム処理の少なくとも一部を実行するゲーム(例えば、ネイティブゲーム)であってもよい。
また、ネイティブゲームの場合には、記憶部35が備えるユーザデータ記憶部351と、カードマスタデータ記憶部352と、所持カードデータ記憶部353と、デッキデータ記憶部354の一部、または、各記憶部に記憶されているデータの一部は、ユーザ端末10の記憶部15にも記憶されてもよい。例えば、記憶部35に記憶されているデータのうちユーザ毎にユニークなデータは、各ユーザのユーザ端末10のそれぞれの記憶部15に記憶されてもよい。つまり、ゲームサーバ30には、登録された全てのユーザのデータが記憶され、各ユーザ端末10には、各ユーザのデータが記憶されてもよい。この場合、ゲームサーバ30に記憶されているデータとユーザ端末10に記憶されているデータとは、所定の契機で同期が行われる。
[付記]
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を便宜的に括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
(付記1)本発明の一態様に係るゲーム装置(30)は、ユーザにより複数のオブジェクト(例えば、カード)が設定可能なグループ(例えば、列)を含む複数の第1グループと、対戦相手の一または複数のオブジェクトがそれぞれに含まれるグループを含む複数の第2グループとがグループ同士で対戦する対戦処理を実行する対戦実行部(314、S212)と、前記対戦実行部によるグループ同士の対戦結果に基づいて、前記ユーザと前記対戦相手との勝敗を確定する勝敗確定部(315、S214)と、を備え、前記対戦実行部は、前記複数の第1グループ及び前記複数の第2グループのそれぞれに設定された特定グループ(例えば、ブーストライン)に前記対戦結果に影響する効果を生じさせるように前記対戦処理を実行する(S210)。
付記1の構成によれば、ゲーム装置は、単に設定するオブジェクト(例えば、カード)の種類(強さ等)だけではなく、どのグループ(例えば、列)にどのようなオブジェクトの組合せで配置するかが対戦相手との勝敗に影響する要因となるため、対戦相手を意識した駆け引き的な要素が増し、戦略性を高めることができる。例えば、特定グループ(例えば、ブーストライン)に、攻撃力や防御力等が弱いオブジェクトを設定して弱点を補うことや、反対に、攻撃力や防御力等が強いオブジェクトを設定してより強くすることもできるため、ユーザの戦略の幅を広げることができる。また、グループそれぞれでの対戦結果が出るため、各オブジェクトの強弱が視認でき、1つ1つのオブジェクトの存在感を増すこともできる。
(付記2)また、本発明の一態様は、付記1に記載のゲーム装置であって、前記対戦実行部は、前記複数の第1グループと前記複数の第2グループとがグループ同士で対戦する対戦処理を、予め設定された各対戦のグループ同士の組合せに基づいて実行する。
付記2の構成によれば、ゲーム装置は、予め設定されたグループ(例えば、列)同士の組合せで各対戦が行われるため、ユーザは、対戦相手の各グループに設定されているオブジェクト(例えば、カード)を意識しながら、自身のオブジェクトをそのグループに設定するかを考えることとなり、戦略性を高めることができる。
(付記3)また、本発明の一態様は、付記2に記載のゲーム装置であって、前記勝敗確定部は、前記グループ同士の対戦による前記複数の第1グループのそれぞれと前記複数の第2グループのそれぞれとの勝敗数に基づいて、前記ユーザと前記対戦相手との勝敗を確定する。
付記3の構成によれば、ゲーム装置は、予め設定されたグループ(例えば、列)同士の各対戦の勝敗数により対戦相手との勝敗を確定するため、全てのグループを満遍なく強くするのか、過半数の勝利を狙って最低限過半数となる数のグループを集中的に強くするか等といった戦略性を高めることができる。例えば、同じオブジェクト(例えば、カード)であっても、設定するときの配置によって勝敗が異なる可能性が出てくることになるため、対戦相手を意識した駆け引き的な要素が増し、戦略性を高めることができる。
(付記4)また、本発明の一態様は、付記1から付記3のいずれか一に記載のゲーム装置であって、前記複数の第1グループのうちのいずれかをユーザの指示に基づいて前記特定グループとして設定する特定グループ設定部(313、S118)、を備える。
付記4の構成によれば、ゲーム装置は、特定グループ(例えば、ブーストライン)をどのグループ(例えば、列)に設定するかをユーザが選択できるため、ユーザの戦略の幅を広げることができる。
(付記5)また、本発明の一態様は、付記1から付記4のいずれか一に記載のゲーム装置であって、前記対戦実行部は、前記複数の第1グループに設定されたオブジェクトの組合せに基づいて、前記複数の第1グループと前記複数の第2グループとのグループ同士の対戦のうち少なくとも一の対戦についての前記対戦結果に影響する効果を生じさせるように対戦処理を実行する(S208)。
付記5の構成によれば、ゲーム装置は、グループ(例えば、列)同士の対戦はグループ単位で行われるが、連携効果はグループの区分には関係なく発動するため、連携効果を発動させるオブジェクト(例えば、カード)の組合せにグループによる区分の制限がなく自由度を与えることができる。
(付記6)また、本発明の一態様は、付記1から付記5のいずれか一に記載のゲーム装置であって、前記対戦実行部は、前記ユーザにより予めオブジェクトが設定された前記複数の第1グループと前記ユーザとは異なる他のユーザにより予めオブジェクトが設定された前記複数の第2グループとの対戦処理を、前記他のユーザの操作を介入せずに実行可能である。
付記6の構成によれば、ゲーム装置は、予めオブジェクト(例えば、カード)が設定されたグループ(例えば、列)同士の対戦が非同期に行われるため、プレイするタイミングに制約がなく自由度が高い。
(付記7)また、本発明の一態様は、付記1から付記6のいずれか一に記載のゲーム装置であって、前記ユーザが前記対戦相手を選択する際に、前記対戦相手のオブジェクトが設定された前記複数の第2グループについての情報の少なくとも一部を表示させる表示制御部(316、S200)、を備える。
付記7の構成によれば、ゲーム装置は、ユーザが対戦相手を選択する際に、対戦相手のオブジェクト(例えば、カード)の情報の少なくとも一部をヒント情報として表示することができる。ユーザは、このヒント情報を参考にして、どのユーザを対戦相手として選択するのかを決めることができる。また、ユーザは、このヒント情報を参考にして、自身が設定しているオブジェクトの配置等を組みなおして対戦することもできる。
(付記8)また、本発明の一態様に係るゲームシステム(1)は、ユーザにより複数のオブジェクト(例えば、カード)がそれぞれに設定可能なグループ(例えば、列)を含む複数の第1グループと、対戦相手の一または複数のオブジェクトがそれぞれに含まれるグループを含む複数の第2グループとがグループ同士で対戦する対戦処理を実行する対戦実行部(314、S212)と、前記対戦実行部によるグループ同士の対戦結果に基づいて、前記ユーザと前記対戦相手との勝敗を確定する勝敗確定部(315、S214)と、を備え、前記対戦実行部は、前記複数の第1グループ及び前記複数の第2グループのそれぞれに設定された特定グループ(例えば、ブーストライン)に前記対戦結果に影響する効果を生じさせるように前記対戦処理を実行する(S210)。
付記8の構成によれば、ゲームシステムは、単に設定するオブジェクト(例えば、カード)の種類(強さ等)だけではなく、どのグループ(例えば、列)にどのようなオブジェクトの組合せで配置するかが対戦相手との勝敗に影響する要因となるため、対戦相手を意識した駆け引き的な要素が増し、戦略性を高めることができる。例えば、特定グループ(例えば、ブーストライン)に、攻撃力や防御力等が弱いオブジェクトを設定して弱点を補うことや、反対に、攻撃力や防御力等が強いオブジェクトを設定してより強くすることもできるため、ユーザの戦略の幅を広げることができる。また、グループそれぞれでの対戦結果が出るため、各オブジェクトの強弱が視認でき、1つ1つのオブジェクトの存在感を増すこともできる。
(付記9)また、本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、付記1から付記7のいずれか一項に記載のゲーム装置として機能させるためのプログラムである。
付記9の構成によれば、プログラムは、単に設定するオブジェクト(例えば、カード)の種類(強さ等)だけではなく、どのグループ(例えば、列)にどのようなオブジェクトの組合せで配置するかが対戦相手との勝敗に影響する要因となるため、対戦相手を意識した駆け引き的な要素が増し、戦略性を高めることができる。例えば、特定グループ(例えば、ブーストライン)に、攻撃力や防御力等が弱いオブジェクトを設定して弱点を補うことや、反対に、攻撃力や防御力等が強いオブジェクトを設定してより強くすることもできるため、ユーザの戦略の幅を広げることができる。また、グループそれぞれでの対戦結果が出るため、各オブジェクトの強弱が視認でき、1つ1つのオブジェクトの存在感を増すこともできる。