JP7133089B2 - 荷電粒子線装置 - Google Patents

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Description

本発明は、荷電粒子線応用技術に係り、特に、収差補正器を搭載した走査電子顕微鏡、透過電子顕微鏡等の荷電粒子線装置に関する。
走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)や走査透過電子顕微鏡(STEM:Scanning Transmission Electron Microscope)などに代表される荷電粒子線装置では、分解能を向上するために収差補正器が導入されている。収差補正器のタイプの一つに、多段に設置された多極子レンズから構成され、電場ないし磁場を発生することにより複数の多極子場を合わせた多極子レンズとして、内部を通過する荷電粒子線に含まれる収差を除去するものがある。複数の電流線からの磁場を用いて多極子場を発生させる巻線型の収差補正器として特許文献1が開示されている。
特開2009-54581号公報
特許文献1では電流線を用いて多極子場を形成することにより、比較的安価な多極子補正系の収差補正器を実現可能であるが、高い機械的な位置精度、この場合は電流線の配置に高い位置精度が要求される。
この高い位置精度への要求は、多極子レンズに磁性体コアを備えさせるとともに、磁性体コアの内壁に電流線の主線部を配置するための複数の溝を設け、形成する複数の溝は、複数の溝の中心が磁性体コアの中心軸に対して軸対称に配置させることにより緩和される。この構成によれば、磁性体コアの溝の中心位置が周方向及び径方向に精度高く製作されていれば、溝の中における電流線の配置位置のずれは多極子レンズが発生させる磁場強度への影響をほとんどなくすことができる。
電子顕微鏡に用いられる電子レンズの収差の一つとして色収差があるが、電子顕微鏡の高分解能化のために色収差を補正しようとすると、磁場の他に電場を励起する必要がある。このため、電流線を用いる多極子レンズを用いた収差補正器(「巻線収差補正器」という)において、電場を励起する必要があり、多極子レンズに電場を励起するための電極を配置する必要がある。
一実施の形態である荷電粒子線装置は、1次電子線を放出する電子銃と、前記1次電子線が入射され、多段の多極子レンズを有する収差補正器と、前記収差補正器を通過した1次電子線が入射される対物レンズと、電子銃、収差補正器及び対物レンズを収容する真空容器とを有し、多極子レンズは、磁性体コアと、複数の電流線と、ワイヤ形状の複数の電極と、複数の電極を真空容器内の構造物に固定するための絶縁性の電極固定部と、電極固定部と磁性体コアの中心軸との間に設けられ、基準電位とされた導電性のシールドとを有し、複数の電流線の主線部は、磁性体コアの内壁に沿って、磁性体コアの中心軸に対して軸対称に配置され、複数の電極における磁性体コアの中心軸に平行な部分は、磁性体コアの中心軸に対して軸対称に配置されている。
色収差を補正可能な巻線収差補正器を有する荷電粒子線装置を提供する。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
多極子レンズの鳥瞰断面図(模式図)である。 多極子レンズの上面図(模式図)である。 磁性体コアに設けられる溝の中心位置の鳥瞰図(模式図)である。 電流線の鳥瞰図(模式図)である。 電場を重畳可能な多極子レンズの構成を示す図である。 電場を重畳可能な多極子レンズの構成を示す図である。 磁性体コアに非磁性スペーサを設けた多極子レンズの例である。 磁性体コアの鳥瞰断面図である。 電子線装置の構成例である。 巻線収差補正器を通過する電子ビームの軌道を示す電子光学模式図である。 巻線収差補正器を通過する電子ビームの軌道を示す電子光学模式図である。
巻線収差補正器は多段の多極子レンズを有して構成される。本実施例の多極子レンズは、磁場を発生させる電流線が磁性体コアの内壁に設けられた溝に配置される構成を有している。図1A~図1Cを用いて、本実施例の多極子レンズにおける磁場を発生させる磁性体コアと電流線の配置について説明する。図1Aは巻線収差補正器の1段分の多極子レンズの鳥瞰断面図(模式図)であり、図1Bは巻線収差補正器の1段分の多極子レンズの上面図(模式図)であり、図1Cは磁性体コアに設けられる溝の中心位置の鳥瞰図(模式図)である。磁性体コア150は純鉄やパーマロイなどの磁性材料でつくられ、円筒形状を有し、その内壁にはZ方向に延在する溝151~162が設けられている。図1Cに示されるように、各溝の中心位置151a~162aは、磁性体コア150の中心軸150aに対して軸対称に設けられている。すなわち、中心軸150aに対して、同一平面上に軸対称となるように溝151の中心位置151a及び溝157の中心位置157aが配置されている。溝の中心位置152a及び溝の中心位置158a、溝の中心位置153a及び溝の中心位置159a、溝の中心位置154a及び溝の中心位置160a、溝の中心位置155a及び溝の中心位置161a、溝の中心位置156a及び溝の中心位置162aについてもそれぞれ同様である。なお、この例では12の溝が設けられているが、溝の数に限定されない。隣接する溝の間の角度は、溝の数をkとすると、磁性体コア150の中心軸150aを回転軸として溝の数kで分割した角度(360°/k)となっている。
電流線101~112はそれぞれ、その主線部が磁性体コア150に設けられた溝151~162の中に配置されている。図2は電流線101~112だけを抜き出して、鳥瞰図(模式図)として示したものである。荷電粒子線の光軸100を中心として、電流線101~電流線112からなる12の電流線が配置される。荷電粒子線の光軸100は、磁性体コア150の中心軸150aに一致する。
図1Aに示される電流線101を例に電流線の構造を説明する。電流線101は四角形の回路形状をしており、図示しない電源から電流が供給される。電流線に付されている矢印は流れる電流の向きである。以下、図1Aに示す通り、電流線をその四角形の辺にそれぞれ対応する4つの区間に分け、それぞれを主線部121、接続部122、接続部123、戻り線部124と称する。主線部121は電流線のうち磁性体コアの溝内に配置される部分、接続部122,123は主線部121を磁性体コアの外部から溝内に導入する、または主線部121を溝内から磁性体コア外部に導出する部分、戻り線部124は電流線のうち磁性体コアの外部に配置される部分をいう。
多極子場は主線部からの磁場で形成される。図2に示した巻線レンズ(多極子レンズ)には電源を省略しているが、多極子場の励起には特定の配分で電流を流す必要がある。例えば2N極子場(Nは1以上の整数)を励起するための一つの組合せとして、電流線101~112のそれぞれに印加する電流をI1~I12とすると、基準電流ANに対して(数1)で求まる電流値の組合せをとる。
Figure 0007133089000001
(数1)は単一の多極子場を励起する電流配分を示すものである。これに対して、異なる複数の多極子場を重畳することもでき、その場合、電流線101~112はそれぞれ異なる電源に接続される。
磁性体コアを有しない従来の巻線レンズでは、主線部と戻り線部とでは電流の向きが逆になることから、戻り線部による多極子場が主線部による多極子場を弱めてしまう作用を有していた。これに対して、本実施例の巻線レンズでは、主線部121と戻り線部124との間に磁性体コア150が配置されていることにより、磁性体コアが磁気シールドの役割を果たし、戻り線部は主線部による多極子場に対して影響を与えない。
本実施例の多極子レンズの場合、励起される磁場強度は、磁性体コアの溝内に配置される電流線の主線部の位置精度の影響をほぼ受けない。従来の磁性体コアを用いない巻線収差補正器では、所望の磁場を発生させるために、電流線の配置位置には高い精度が要求されていた。これに対して、本実施例の巻線収差補正器では磁性体コアの溝の中心位置が周方向及び径方向に精度高く製作されていれば、溝の中における電流線の配置位置のずれは多極子レンズが発生させる磁場強度への影響をほとんど有しないこととなり、これは実際に多極子レンズを作製して、収差補正器を構成するときに非常に有利な特徴となる。
図3及び図4を用いて、電流線が励起する磁場に重畳して電場を励起させる電極を配置した多極子レンズを説明する。図3は多極子レンズの断面図である。図3の断面図は光軸100(中心軸150a)を含む平面での断面図である。また、図4に、図3に示すA-A線、B-B線、C-C線に沿った断面図391,392,393を示す。すなわち、図4の断面図は光軸100(中心軸150a)に垂直な平面での断面図である。
電場を励起させる電極301~312はそれぞれワイヤ形状を有しており、電極301~312のそれぞれに所定の電圧が印加されることにより、所望の電場を発生させる。ここで、巻線収差補正器が配置される真空容器350の構造物は基準電位(GND)に保たれている。このため、電極301~312はそれぞれ、電極固定部331~342により周囲の構造物から絶縁されるとともに、位置が固定されている。例えば、電極固定部は、電極を固定する溝が表面に形成された絶縁部材として構成する。この例では、光軸100が通る領域を真空に保ち、磁性体コア150が配置される領域を、例えば大気圧とするための真空隔壁351に電極固定部331~342を設けている。例えば、電極301は上側(電子源側)に設けられた第1電極固定部331a、下側(試料側)に設けられた第2電極固定部331bにより、固定されている。この例では、電極固定部331~342を電極ごとに設けているが、例えば磁性体コア150の上方と下方に位置する真空隔壁351にそれぞれ単一の絶縁部材を設け、絶縁部材に電極を配置するための溝を設けることにより、電極の位置を固定するようにしてもよい。また、電極固定部が設けられる真空隔壁351は一例であり、他の真空容器内の構造物であってもよい。
収差補正のためには、電極301~312には高い位置精度が求められる。具体的には、電極(光軸100に平行な部分)の光軸100(中心軸150a)との距離ε、光軸100(中心軸150a)から見た隣接する電極同士がなす角θが等しくなっている必要がある。この例では、12の電極が設けられ、磁性体コア150の溝の数と等しくされているが、溝の数(あるいは電流線の数)に一致していなくてもよい。隣接する電極間の角度は、電極の数をjとすると、光軸100(磁性体コア150の中心軸150a)を回転軸として電極の数jで分割した角度(360°/j)となっている。
この例では、電極の数と磁性体コアの溝の数とを等しくし、かつ電極を磁性体コアの溝に対応させて配置している。すなわち、磁性体コアの中心軸150aを挟んで対向する溝の中心で形成される平面上に、ある電極における磁性体コアの中心軸に平行な部分と他の電極における磁性体コアの中心軸に平行な部分とが、磁性体コアの中心軸に対して対称に配置されている。具体的には、溝151の中心位置151a及び溝157の中心位置157aで形成される平面上において、光軸100(中心軸150a)に対して対称となるように電極301及び電極307が配置され、溝152の中心位置152a及び溝158の中心位置158aで形成される平面上において、光軸100(中心軸150a)に対して対称となるように電極302及び電極308が配置され、溝153の中心位置153a及び溝159の中心位置159aで形成される平面上において、光軸100(中心軸150a)に対して対称となるように電極303及び電極309が配置され、溝154の中心位置154a及び溝160の中心位置160aで形成される平面上において、光軸100(中心軸150a)に対して対称となるように電極304及び電極310が配置され、溝155の中心位置155a及び溝161の中心位置161aで形成される平面上において、光軸100(中心軸150a)に対して対称となるように電極305及び電極311が配置され、溝156の中心位置156a及び溝162の中心位置162aで形成される平面上において、光軸100(中心軸150a)に対して対称となるように電極306及び電極312が配置される。
電極301~312により励起される電場は、多極子レンズにより励起される磁場に依存するため、電極301~312に印加される電圧の大きさは、多極子レンズを構成する電流線101~112に流れる電流の大きさに依存する。このため、本実施例のように、電極の数と磁性体コアの溝の数とを等しくし、かつ電極を磁性体コアの溝に対応させて配置することで巻線収差補正器の制御を容易にすることができる。ただし、数や配置が異なる場合であっても、磁場の発生位置と電場の発生位置との位置ずれを補間するように電極に印加する電圧または電流線に流す電流を制御することで、巻線収差補正器の制御は可能である。
また、本実施例においては磁性体コアの上方に第1シールド320、下方に第2シールド321を設けている。シールド320,321は光軸100(中心軸150a)を取り囲むように設けられる導電体の筒状部材であり、シールドの中心軸が光軸100(中心軸150a)に一致するように配置される。シールド320,321の電位は基準電位とされる。例えば、シールド320,321を基準電位である真空容器350の構造物に固定することにより、シールド320,321の位置決めとともに基準電位を与えることができる。
シールド320,321の役割の一つは、光軸100の近くに絶縁部材(電極固定部331~342)を配置するため、これらの絶縁部材が電子ビームから見えなくすることである。光軸100と絶縁部材との間に、基準電位とされたシールド320,321を配置することにより、絶縁部材が帯電した場合であっても、電子ビームに対して悪影響を及ぼすことはない。
シールド320,321の役割のもう一つは、電流線による磁場と電極による電場が作用する領域を揃えることである。このため、第1シールド320の下面は、磁性体コア150の上面と同じ高さ、もしくは上面よりも低い位置にあることが望ましく、同様に第2シールド321の上面は、磁性体コア150の下面と同じ高さ、もしくは下面よりも高い位置にあることが望ましい。すなわち、シールドは、その端部が磁性体コアの端部と一致する、あるいは磁性体コアの内壁と対向するように配置されることが望ましい。この場合、電場と磁場が作用する領域が等しくなり、巻線収差補正器の制御を容易にすることができる。これに対して、第1シールド320の下面が磁性体コア150の上面よりも高い位置にある、及び/または第2シールド321の上面が磁性体コア150の下面よりも低い位置にある場合には、電場と磁場が作用する領域が異なることになり、その作用領域の違いを相殺するための制御を行うことが必要になる。
なお、本実施例の多極子レンズに使用する磁性体コアは上記した形状に限られず、様々な変形が可能である。例えば、磁性体コアに設けられる溝の形状は巻きやすさを考慮して定めることが可能である。また、図5に示すように、磁性体コア150に対してZ方向に非磁性スペーサ400を設けてもよい。非磁性スペーサ400上に電流線の接続部が配置されることで、接続部により励起される6極子場強度を低下させ、Z方向の位置に求められる精度を緩和させることができる。なお、図5は磁性体コア150の上面に非磁性スペーサを設けた例であるが、上下面双方に非磁性スペーサを設けてもよい。
さらに、図6に示すように磁性体コアの上下面に達する溝を設けるのではなく、スリットを設けてもよい。スリット501は、磁性体コア550の他の部分よりも肉厚が薄くされており、スリット501の上端と下端には、磁性体コア550の内壁と外壁とを貫通する貫通孔502,503が設けられている。貫通孔502,503を通してスリット501内に電流線が配置される。この構造では、電流線の接続部の位置ずれの影響をなくし、理想的な巻線レンズによる多極子場を励起させることができる。なお、図1Aに示した磁性体コアに対して、同じ内径と外径を有する円筒形状の磁性体蓋を磁性体コアの上下に配置した上下蓋付き磁性体コアとしても、同様の効果を得ることができる。
以上説明した巻線収差補正器を組み込んだ電子線装置の構成例を図7に示す。電子銃701から放出された電子ビーム(図示せず)は、コンデンサレンズ702で平行ビームに成形され、巻線収差補正器703を通過し、コンデンサレンズ704で収束作用をうけて、対物レンズ706で試料707上に収束される。このとき収束されるスポットは、途中、走査コイル705で偏向作用を受けて、試料707上を走査される。真空容器740内は真空にされており、電子ビームは電子銃701から試料707到達まで真空状態が維持された中を進む。巻線収差補正器703では、軸上の色収差ならびに球面収差を補正する。巻線収差補正器703は電源711に接続され、電源711から出力される電圧および電流によって巻線収差補正器703内で電場あるいは磁場の多極子場が励起される。電源711はさらにシステム全体の制御を行うコンピュータ720と接続されている。巻線収差補正器703への電源711からの出力値はコンピュータ720の命令を受けて変更される。
図8A~Bは巻線収差補正器を通過する電子ビーム750の軌道を示す電子光学模式図である。巻線収差補正器703を通過する電子ビーム750は方向によって軌道が変わる。図8Aにy方向(図7における紙面に直交する方向)から見た軌道(x軌道)を、図8Bにx方向(図7における紙面の左右方向)から見た軌道(y軌道)を示す。巻線収差補正器703は4段の多極子レンズ771~774で構成されており、電子ビーム750の軌道は多極子レンズ771で励起する4極子場によってx軌道とy軌道に分離され、その後、多極子レンズ772の位置でx方向が、多極子レンズ773の位置でy方向が、それぞれ収束され、多極子レンズ774を通過後、再びx軌道とy軌道が対称な軌道(平行な軌道)になるよう多極子レンズ771~774それぞれに4極子場が励起される。このような軌道を形成させるには、多極子レンズ771及び多極子レンズ774において、磁場または電場のいずれか励起させ、多極子レンズ772及び多極子レンズ773において、磁場及び電場の双方を励起させる必要がある。本実施例の巻線収差補正器を用いることにより、色収差ならびに球面収差を補正することが可能になる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。例えば、実施例においては、多極子レンズにおいて磁場を発生させる電流線を磁性体コアの内壁に設けた溝内に配置する態様について説明しているが、溝を設けることなく、磁性体コアの内壁に沿って、複数の電流線が磁性体コアの中心軸に対して軸対称に配置されていてもよい。
100…光軸、101~112…電流線、121…主線部、122,123…接続部、124…戻り線部、150,550…磁性体コア、151~162…溝、301~312…電極、320…第1シールド、321…第2シールド、331~342…電極固定部、350…真空容器、351…真空隔壁、391,392,393…断面図、400…非磁性スペーサ、501…スリット、502,503…貫通孔、701…電子銃、702,704…コンデンサレンズ、703…巻線収差補正器、705…走査コイル、706…対物レンズ、707…試料、711…電源、720…コンピュータ、740…真空容器、750…電子ビーム、771~774…多極子レンズ。

Claims (8)

  1. 1次電子線を放出する電子銃と、
    前記1次電子線が入射され、多段の多極子レンズを有する収差補正器と、
    前記収差補正器を通過した前記1次電子線が入射される対物レンズと、
    前記電子銃、前記収差補正器及び前記対物レンズを収容する真空容器とを有し、
    前記多極子レンズは、磁性体コアと、複数の電流線と、ワイヤ形状の複数の電極と、前記複数の電極を前記真空容器内の構造物に固定するための絶縁性の電極固定部と、前記電極固定部と前記磁性体コアの中心軸との間に設けられ、基準電位とされた導電性のシールドとを有し、
    前記複数の電流線の主線部は、前記磁性体コアの内壁に沿って、前記磁性体コアの中心軸に対して軸対称に配置され、
    前記複数の電極における前記磁性体コアの中心軸に沿って延びる部分は、前記磁性体コアの中心軸に対して軸対称に配置されている荷電粒子線装置。
  2. 請求項1において、
    前記複数の電流線の数と前記複数の電極の数とは等しい荷電粒子線装置。
  3. 請求項1において、
    前記磁性体コアの内壁に複数の溝が設けられており、前記複数の溝の中心は前記磁性体コアの中心軸に対して軸対称に配置されており、前記複数の電流線の主線部はそれぞれ、前記磁性体コアの前記複数の溝のいずれかに配置されている荷電粒子線装置。
  4. 請求項3において、
    前記複数の電極は第1の電極及び第2の電極を含み、
    前記磁性体コアの中心軸を挟んで対向する前記溝の中心で形成される平面上に、前記第1の電極における前記磁性体コアの中心軸に平行な部分と前記第2の電極における前記磁性体コアの中心軸に平行な部分とが、前記磁性体コアの中心軸に対して対称に配置されている荷電粒子線装置。
  5. 請求項1において、
    前記シールドは、前記シールドの中心軸が前記磁性体コアの中心軸に一致するように配置された筒状部材であり、
    前記シールドは、前記シールドの端部が前記磁性体コアの端部と一致するように配置されている、あるいは前記シールドの端部が前記磁性体コアの内壁と対向するように配置されている荷電粒子線装置。
  6. 請求項3において、
    前記電流線は、前記主線部を前記磁性体コアの外部から前記溝内に導入する、または前記主線部を前記溝内から前記磁性体コアの外部に導出する接続部を有し、
    前記電流線の接続部と前記磁性体コアとの間に非磁性スペーサが配置される荷電粒子線装置。
  7. 請求項3において、
    前記電流線は、前記主線部を前記磁性体コアの外部から前記溝内に導入する、または前記主線部を前記溝内から前記磁性体コアの外部に導出する接続部を有し、
    前記多極子レンズは、前記磁性体コアの前記溝の長手方向に対向する磁性体蓋を有し、
    前記電流線の接続部は、前記磁性体コアと前記磁性体蓋との間に設けられた貫通孔内に配置される荷電粒子線装置。
  8. 請求項1において、
    前記収差補正器は4段の前記多極子レンズを有し、
    第1段及び第4段の前記多極子レンズにおいて磁場または電場のいずれか励起させ、第2段及び第3段の前記多極子レンズにおいて、磁場及び電場を励起させる荷電粒子線装置。
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