JP7132201B2 - コネクタ - Google Patents
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Description
図10に、特許文献1に開示される従来の電気コネクタ501の分解斜視図を示す。電気コネクタ501は、嵌合検知部材(CPA装置とも称す)503に加え、端子位置保証(TPA:Terminal Position Assurance)装置を備える。
(1) 相手ハウジングが係止するロック部を備えたコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングに形成されて嵌合検知部材を仮係止位置から本係止位置へガイドする案内溝と、前記嵌合検知部材から前記ロック部に接近する方向に延出した延出自由端に設けられた係合突部が、前記仮係止位置で前記ロック部に当接するアーム部と、前記案内溝に係合する前記嵌合検知部材の凸板部における後方の辺部に沿って前記凸板部から突出して形成され、前記凸板部と前記案内溝との間のクリアランスにより生じるガタを利用して、前記仮係止位置において前記ロック部に対する前記係合突部の係止代が増加する方向に前記嵌合検知部材を傾けるためのガタ詰め用突起と、を備えることを特徴とするコネクタ。
ここで、嵌合検知部材は、コネクタハウジングとの間にがたつきがあると傾く。嵌合検知部材は、傾くと、係合突部がアーム部の延出自由端に設けられているため、ロック部に対する係合突部の係止代が減少する。嵌合検知部材は、係合突部の係止代が減少すると、ロック部との係止が解除されやすくなり、意図しない本係止状態への移行が起こる場合がある。
即ち、嵌合検知部材は、凸板部を案内溝に係合することにより、案内溝に沿って摺動する。凸板部は、案内溝を摺動するために、案内溝との間に、僅かなクリアランスが必要となる。嵌合検知部材は、このクリアランスを有することにより、僅かに生じたガタによって傾斜する。嵌合検知部材は、アーム部の基端で生じた傾斜が、アーム部の先端では増幅されて、ロック部から係合突部が係止解除する方向の大きな変位として作動してしまう。
そこで、嵌合検知部材には、案内溝に係合する凸板部に、ガタ詰め用突起が形成されている。ガタ詰め用突起は、クリアランスにより生じるガタを利用して、ロック部に対する係合突部の係止代が増加する方向に、嵌合検知部材を傾ける。
これにより、嵌合検知部材は、アーム部の延出自由端に設けられた係合突部の変位が、ロック部との係止代を増大させる方向に増幅される。ロック部との係止代が増大された嵌合検知部材は、意図しない本係止状態への移行が抑制される。その結果、コネクタは、嵌合検知部材の動作信頼性を向上させることができる。
このため、嵌合検知部材は、コネクタハウジングに形成される搭載壁部が薄厚等の原因により低強度であると、搭載壁部と共に係止突起が、係止部との係止代を減少させる方向に変位する。
本構成のコネクタでは、相手ハウジングとの嵌合を解除する際、嵌合検知部材が仮係止位置に移動される。仮係止位置では、上記したように、嵌合検知部材は、係止部が係止突起に係止することのみにより抜け止めされている。嵌合検知部材は、この状態で、離脱力の一部が加わってしまうと、係止突起との係止代が不十分な場合、検知部材搭載面から離脱してしまう虞がある。
そこで、コネクタでは、搭載壁部の延出下面とコネクタハウジングとに渡って支え壁が形成される。この支え壁は、係止突起が係止部から離反する方向の搭載壁部の撓みを規制することができる。
これにより、コネクタは、嵌合検知部材が仮係止位置の状態において、コネクタ離脱力の一部が嵌合検知部材に加わっても、係止部が係止突起に強固に係止し、搭載壁部からの離脱が抑制される。その結果、コネクタは、嵌合検知部材の動作信頼性を向上させることができる。
このため、嵌合検知部材は、コネクタハウジングに形成される搭載壁部が薄厚等の原因により低強度であると、搭載壁部と共に係止突起が、係止部との係止代を減少させる方向に変位する。
本構成のコネクタでは、相手ハウジングとの嵌合を解除する際、嵌合検知部材が仮係止位置に移動される。仮係止位置では、上記したように、嵌合検知部材は、係止部が係止突起に係止することのみにより抜け止めされている。嵌合検知部材は、この状態で、離脱力の一部が加わってしまうと、係止突起との係止代が不十分な場合、検知部材搭載面から離脱してしまう虞がある。
そこで、本構成のコネクタでは、嵌合検知部材が、底板部に形成した底板下面凸部を検知部材搭載面の摺接路に載置して、仮係止位置に保持される。ここで、コネクタハウジングは、検知部材搭載面を有する搭載壁部が、摺接路を挟む両側で、摺接路よりも厚肉の肉付け部となっている。搭載壁部は、この肉付け部を有することにより、搭載壁部が高強度となる。搭載壁部は、高強度となることにより、係止突起が係止部との係止代を減少させる方向に変位しにくくなる。
これにより、本構成のコネクタは、嵌合検知部材が仮係止位置の状態において、コネクタ離脱力の一部が嵌合検知部材に加わっても、係止部が係止突起に強固に係止し、搭載壁部からの離脱が抑制される。その結果、コネクタは、嵌合検知部材の動作信頼性を向上させることができる。
その結果、本構成のコネクタは、嵌合検知部材の動作信頼性を更に向上させることができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るコネクタ11の分解斜視図である。
本第1実施形態に係るコネクタ11は、コネクタハウジング13と、案内溝15(図5)と、アーム部17と、ガタ詰め用突起19(図6)と、支え壁21(図2)とを主要な構成として有する。
端子受入口25は、例えば左右方向に5つ、上下方向に2段の合計10個が設けられる。この端子受入口25のそれぞれは、コネクタハウジング13の内方に画成される端子収容室27に通じ、それぞれの端子収容室27は、後面で端子挿入口29(図5)となって開口する。つまり、コネクタハウジング13には、10個の端子収容室27が形成される。なお、端子収容室27の数や配列はこれに限定されない。
コネクタハウジング13の前面には、端子位置保証(TPA:Terminal Position Assurance)装置としてのフロントホルダ31が装着される。フロントホルダ31は、それぞれの端子受入口25と連なって通じる連通口33を有する。相手コネクタの雄端子は、この連通口33を介して端子受入口25に挿入される。フロントホルダ31には、それぞれの端子収容室27に挿入される複数のランス接触板35(図1)が突出する。ランス接触板35は、フロントホルダ31が前面に装着されると、それぞれの端子収容室27に設けられた図2に示す弾性可撓係止片37(ランスとも称す)に接触する。
CPA装置55は、左右に長い矩形状の底板部65の両側に一対の平行な起立壁部67が形成される。起立壁部67の上端には、進退操作部69が架橋される。底板部65は、両側が起立壁部67よりも外側に突出した凸板部71となる。進退操作部69は、両側が起立壁部67よりも外側に突出して垂下する垂下部73を有する。垂下部73と起立壁部67との間には、下方に開口する係合溝75が形成される。
CPA装置55は、進退操作部69が手指により把持されて底板部65が検知部材搭載面57を摺動する。CPA装置55は、一対の凸板部71が、検知部材装着部51の内面に形成された一対の案内溝15にそれぞれ挿入される。案内溝15は、CPA装置55を仮係止位置から本係止位置へガイドする。また、CPA装置55は、一対の係合溝75が、検知部材装着部51の両側でコネクタハウジング13に起立する一対の案内壁83(図4参照)に係合する。
CPA装置55は、ガタ詰め用突起19を有する。ガタ詰め用突起19は、案内溝15に係合するCPA装置55の凸板部71に形成される。一対の凸板部71は、図4に示すように、一対の起立壁部67の下部から略垂直に外側に張り出して形成される。凸板部71は、平面視でCPA装置55の摺動方向に長い矩形状となる。ガタ詰め用突起19は、この凸板部71の後方の辺部に沿って凸板部71から突出して形成される。
CPA装置55は、仮係止位置で検知部材装着部51に装着されると、ガタ詰め用突起19が案内溝15の上側溝面に接する。CPA装置55は、ガタ詰め用突起19が上側溝面に接することにより、凸板部71の後部が押し下げられる。CPA装置55は、凸板部71の後部が押し下げられることにより、図2に示すように、アーム部17が上方(矢印U方向)へ押し上げられる方向へ傾斜する。つまり、ガタ詰め用突起19は、CPA装置55の仮係止位置において、ロック部43に対する係合突部81の係止代が増加する方向にCPA装置55を傾ける(図2に示す状態)。
コネクタ11は、フロントホルダ31を未挿入としたコネクタハウジング13において、端子(図示略)が、端子挿入口29より各端子収容室27に挿入される。端子は、所定の位置に挿入されると、弾性復帰した弾性可撓係止片37が弾接して後抜けが規制される。このとき、CPA装置55は、係止部63が係止突起61に係止するとともに、係合突部81がロック部43に当接(若しくはクリアランスを有して近接)した仮係止位置となっている。
本実施形態に係るコネクタ11では、CPA装置55が、凸板部71を、コネクタハウジング13の案内溝15に係合して仮係止位置から本係止位置へ移動される。CPA装置55は、ロック部43に接近する方向に延出するアーム部17を有する。アーム部17は、延出自由端79に、係合突部81を有する。CPA装置55は、このアーム部17の係合突部81が、コネクタハウジング13のロック部43に当接することにより、本係止位置への移動が規制される。つまり、仮係止位置となる。
図8は、本発明の第2実施形態に係るコネクタにおけるコネクタハウジング87を後方上側より見た斜視図である。なお、第2実施形態において、上記第1実施形態で示した部材と同一の部材には同一の符号を付し重複する説明は省略する。 本第2実施形態に係るコネクタのコネクタハウジング87は、肉付け部85を有する。検知部材搭載面57に対向するCPA装置55の底板部65には、アーム部17の基端を接続する底板下面凸部89(図4参照)が形成される。この底板下面凸部89は、検知部材搭載面57に摺接する。この底板下面凸部89の後端面は、上記の係止部63となる。コネクタハウジング87において、搭載壁部91は、底板下面凸部89が摺接する摺接路93を挟む両側が、厚肉にした肉付け部85となっている。
CPA装置55は、コネクタハウジング97に形成される搭載壁部99が薄肉部101を有すると、搭載壁部99が低強度となる。このようなコネクタハウジング97では、搭載壁部99と共に係止突起61が、係止部63との係止代を減少させる方向に変位する。
[1] 相手ハウジングが係止するロック部(43)を備えたコネクタハウジング(13,87)と、
前記コネクタハウジング(13)に形成されて嵌合検知部材(CPA装置55)を仮係止位置から本係止位置へガイドする案内溝(15)と、
前記嵌合検知部材(CPA装置55)から前記ロック部(43)に接近する方向に延出した延出自由端(79)に設けられた係合突部(81)が、前記仮係止位置で前記ロック部(43)に当接するアーム部(17)と、
前記案内溝(15)に係合する前記嵌合検知部材(CPA装置55)の凸板部(71)に形成され、前記仮係止位置において前記ロック部(43)に対する前記係合突部(81)の係止代が増加する方向に前記嵌合検知部材(CPA装置55)を傾けるためのガタ詰め用突起(19)と、
を備えることを特徴とするコネクタ(11)。
[2] 前記コネクタハウジング(13)に形成され、前記嵌合検知部材(CPA装置55)が前記仮係止位置から前記本係止位置へ摺動される検知部材搭載面(57)を有して前記コネクタハウジング(13)から延出される搭載壁部(59)と、
前記検知部材搭載面(57)に突設され、前記嵌合検知部材(CPA装置55)の前記仮係止位置において前記嵌合検知部材(CPA装置55)を係止して前記嵌合検知部材(CPA装置55)の前記検知部材搭載面(57)からの離脱を規制する係止突起(61)と、
前記搭載壁部(59)の延出下面と前記コネクタハウジング(13)とに渡って形成される支え壁(21)と、
を備えることを特徴とする上記[1]に記載のコネクタ(11)。
[3] 前記コネクタハウジング(87)に形成され、前記嵌合検知部材(CPA装置55)を前記仮係止位置から前記本係止位置へ摺動する検知部材搭載面(57)を有して前記コネクタハウジング(87)から延出する搭載壁部(91)と、
前記検知部材搭載面(57)に対向する前記嵌合検知部材(CPA装置55)の底板部(65)に形成され、前記アーム部(17)の基端が接続されるとともに、前記検知部材搭載面(57)に摺接する底板下面凸部(89)と、
前記搭載壁部(91)に形成され、前記底板下面凸部(89)が摺接する摺接路(93)を挟む両側が厚肉にされた肉付け部(85)と、
を備えることを特徴とする上記[1]に記載のコネクタ(11)。
[4] それぞれの前記肉付け部(85)の前記摺接路(93)と反対側の外側縁部(95)が、前記摺接路(93)よりも肉厚に形成されて前記コネクタハウジング(87)の後端面に接続されることを特徴とする上記[3]に記載のコネクタ(11)。
13…コネクタハウジング
15…案内溝
17…アーム部
19…ガタ詰め用突起
21…支え壁
43…ロック部
55…CPA装置(嵌合検知部材)
57…検知部材搭載面
59…搭載壁部
61…係止突起
65…底板部
71…凸板部
79…延出自由端
81…係合突部
85…肉付け部
89…底板下面凸部
93…摺接路
95…外側縁部
Claims (4)
- 相手ハウジングが係止するロック部を備えたコネクタハウジングと、
前記コネクタハウジングに形成されて嵌合検知部材を仮係止位置から本係止位置へガイドする案内溝と、
前記嵌合検知部材から前記ロック部に接近する方向に延出した延出自由端に設けられた係合突部が、前記仮係止位置で前記ロック部に当接するアーム部と、
前記案内溝に係合する前記嵌合検知部材の凸板部における後方の辺部に沿って前記凸板部から突出して形成され、前記凸板部と前記案内溝との間のクリアランスにより生じるガタを利用して、前記仮係止位置において前記ロック部に対する前記係合突部の係止代が増加する方向に前記嵌合検知部材を傾けるためのガタ詰め用突起と、
を備えることを特徴とするコネクタ。 - 相手ハウジングが係止するロック部を備えたコネクタハウジングと、
前記コネクタハウジングに形成されて嵌合検知部材を仮係止位置から本係止位置へガイドする案内溝と、
前記嵌合検知部材から前記ロック部に接近する方向に延出した延出自由端に設けられた係合突部が、前記仮係止位置で前記ロック部に当接するアーム部と、
前記案内溝に係合する前記嵌合検知部材の凸板部に形成され、前記仮係止位置において前記ロック部に対する前記係合突部の係止代が増加する方向に前記嵌合検知部材を傾けるためのガタ詰め用突起と、
を備え、
前記コネクタハウジングに形成され、前記嵌合検知部材が前記仮係止位置から前記本係止位置へ摺動される検知部材搭載面を有して前記コネクタハウジングから延出される搭載壁部と、
前記検知部材搭載面に突設され、前記嵌合検知部材の前記仮係止位置において前記嵌合検知部材を係止して前記嵌合検知部材の前記検知部材搭載面からの離脱を規制する係止突起と、
前記搭載壁部の延出下面と前記コネクタハウジングとに渡って形成される支え壁と、
を備えることを特徴とするコネクタ。 - 相手ハウジングが係止するロック部を備えたコネクタハウジングと、
前記コネクタハウジングに形成されて嵌合検知部材を仮係止位置から本係止位置へガイドする案内溝と、
前記嵌合検知部材から前記ロック部に接近する方向に延出した延出自由端に設けられた係合突部が、前記仮係止位置で前記ロック部に当接するアーム部と、
前記案内溝に係合する前記嵌合検知部材の凸板部に形成され、前記仮係止位置において前記ロック部に対する前記係合突部の係止代が増加する方向に前記嵌合検知部材を傾けるためのガタ詰め用突起と、
を備え、
前記コネクタハウジングに形成され、前記嵌合検知部材を前記仮係止位置から前記本係止位置へ摺動する検知部材搭載面を有して前記コネクタハウジングから延出する搭載壁部と、
前記検知部材搭載面に対向する前記嵌合検知部材の底板部に形成され、前記アーム部の基端が接続されるとともに、前記検知部材搭載面に摺接する底板下面凸部と、
前記搭載壁部に形成され、前記底板下面凸部が摺接する摺接路を挟む両側が厚肉にされた肉付け部と、
を備えることを特徴とするコネクタ。 - それぞれの前記肉付け部の前記摺接路と反対側の外側縁部が、前記摺接路よりも肉厚に形成されて前記コネクタハウジングの後端面に接続されることを特徴とする請求項3に記載のコネクタ。
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