JP7131684B2 - 搬送経路設計装置、搬送経路設計方法、及び、プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、搬送経路の搬送効率を改善する装置等に関する。
工場や倉庫などでは、荷物(電子部品、化学薬品、仕掛品、パレットなど)の搬送効率の改善のために、搬送車(AGV、フォークリフト、台車)に運ばれる荷物の移動履歴に基づいて、搬送経路や搬送手段などの設計変更がしばしば行われている。また、人手不足の深刻化により、各工程で必要とする部品や材料等を供給する作業者や、工場・倉庫のレイアウトの熟練の設計者の確保が難しくなってきている。例えば、特許文献1は、荷物の搬送コストや移動コストなどに基づいて最適な搬送経路を決定する手法を記載している。
搬送効率の改善のためには、頻繁に荷物が運ばれる搬送経路に一方向コンベアを設置して、特定方向への荷物の搬送を高速化することが考えられる。しかしながら、単に頻繁に荷物が運ばれる搬送経路を一方向コンベアに変更すると、コンベアと交差がある搬送経路を搬送車が通れなくなるという問題がある。一方、近年、一方向コンベアとは異なる、全方向コンベアが広がりつつある(例:celluveyor)。全方向コンベアは、搬送面上の任意の方向に荷物を搬送することができる。特許文献2は、モジュラー型の全方向コンベアを開示している。
国際公開 WO2018/193585 国際公開 WO2014/012861
上記の特許文献では、搬送車、一方向コンベア、及び、全方向コンベアなどの異なる搬送機器を効果的に組み合わせて搬送効率を上げる手法については述べられていない。
本発明の目的の1つは、搬送システムにおいて、荷物の搬送効率を向上させることが可能な搬送経路設計手法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明の一つの観点は、搬送経路設計装置であって、
複数の搬送経路について、搬送要求量に対して実際の搬送量を改善する基準を満たしている改善対象場所を決定する決定手段と、
前記改善対象場所を含む搬送経路が交差しているか否かに応じて、搬送経路が交差している場所に割り当てる搬送機器を決定する割当手段と、を備え
前記割当手段は、前記交差している場所において搬送経路の両方が前記基準を満たしている場合、当該交差している場所に全方向コンベアを割り当てる。
また、本発明の他の観点において、搬送経路設計装置は、
複数の搬送経路について、搬送要求量に対して実際の搬送量を改善する基準を満たしている改善対象場所を決定する決定手段と、
前記改善対象場所を含む搬送経路が交差しているか否かに応じて、搬送経路が交差している場所に割り当てる搬送機器を決定する割当手段と、
を備え、
前記割当手段は、前記交差している場所において搬送経路のうちの一方の搬送経路が前記基準を満たしていない場合、当該一方の搬送経路に迂回路があるか否かを判定し、前記迂回路がある場合に前記交差している場所に一方向コンベアを割り当て、前記迂回路が無い場合に前記交差している場所に全方向コンベアを割り当てる。
また、本発明の他の観点において、搬送経路設計装置は、
複数の搬送経路について、搬送要求量に対して実際の搬送量を改善する基準を満たしている改善対象場所を決定する決定手段と、
前記改善対象場所を含む搬送経路が交差しているか否かに応じて、搬送経路が交差している場所に割り当てる搬送機器を決定する割当手段と、
を備え、
前記割当手段は、改善候補経路と、当該改善候補経路と交わる搬送経路上で荷物搬送時に搬送車が占める領域とが交差する交差領域を算出し、前記交差領域に対して前記搬送機器を割り当てる。
また、本発明の他の観点においては、搬送経路設計方法は、
コンピュータによって、
複数の搬送経路について、搬送要求量に対して実際の搬送量を改善する基準を満たしている改善対象場所を決定し、
前記改善対象場所を含む搬送経路が交差しているか否かに応じて、搬送経路が交差している場所に割り当てる搬送機器を決定し、
前記交差している場所において搬送経路の両方が前記基準を満たしている場合、当該交差している場所に全方向コンベアを割り当てる。
また、本発明の他の観点においては、搬送経路設計方法は、
コンピュータによって、
複数の搬送経路について、搬送要求量に対して実際の搬送量を改善する基準を満たしている改善対象場所を決定し、
前記改善対象場所を含む搬送経路が交差しているか否かに応じて、搬送経路が交差している場所に割り当てる搬送機器を決定し、
前記交差している場所において搬送経路のうちの一方の搬送経路が前記基準を満たしていない場合、当該一方の搬送経路に迂回路があるか否かを判定し、前記迂回路がある場合に前記交差している場所に一方向コンベアを割り当て、前記迂回路が無い場合に前記交差している場所に全方向コンベアを割り当てる。
また、本発明の他の観点においては、搬送経路設計方法は、
コンピュータによって、
複数の搬送経路について、搬送要求量に対して実際の搬送量を改善する基準を満たしている改善対象場所を決定し、
前記改善対象場所を含む搬送経路が交差しているか否かに応じて、搬送経路が交差している場所に割り当てる搬送機器を決定し、
改善候補経路と、当該改善候補経路と交わる搬送経路上で荷物搬送時に搬送車が占める領域とが交差する交差領域を算出し、前記交差領域に対して前記搬送機器を割り当てる。
また、本発明の他の観点において、プログラムは、
複数の搬送経路について、搬送要求量に対して実際の搬送量を改善する基準を満たしている改善対象場所を決定し、
前記改善対象場所を含む搬送経路が交差しているか否かに応じて、搬送経路が交差している場所に割り当てる搬送機器を決定し、
前記交差している場所において搬送経路の両方が前記基準を満たしている場合、当該交差している場所に全方向コンベアを割り当てる処理をコンピュータに実行させる。
また、本発明の他の観点において、プログラムは、
複数の搬送経路について、搬送要求量に対して実際の搬送量を改善する基準を満たしている改善対象場所を決定し、
前記改善対象場所を含む搬送経路が交差しているか否かに応じて、搬送経路が交差している場所に割り当てる搬送機器を決定し、
前記交差している場所において搬送経路のうちの一方の搬送経路が前記基準を満たしていない場合、当該一方の搬送経路に迂回路があるか否かを判定し、前記迂回路がある場合に前記交差している場所に一方向コンベアを割り当て、前記迂回路が無い場合に前記交差している場所に全方向コンベアを割り当てる処理をコンピュータに実行させる。
また、本発明の他の観点において、プログラムは、
複数の搬送経路について、搬送要求量に対して実際の搬送量を改善する基準を満たしている改善対象場所を決定し、
前記改善対象場所を含む搬送経路が交差しているか否かに応じて、搬送経路が交差している場所に割り当てる搬送機器を決定し、
改善候補経路と、当該改善候補経路と交わる搬送経路上で荷物搬送時に搬送車が占める領域とが交差する交差領域を算出し、前記交差領域に対して前記搬送機器を割り当てる処理をコンピュータに実行させる。
本発明によれば、搬送システムにおいて、荷物の搬送効率を改善することが可能となる。
実施形態に係る搬送経路設計装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 第1実施形態の搬送経路設計装置の機能構成を示すブロック図である。 第1実施形態の搬送経路設計装置の動作例を示すフローチャートである。 レイアウト情報の例を示す。 図4のレイアウト情報が示す障害物の物理的配置を示す平面図である。 搬送経路情報の例を示す。 図6の搬送経路情報が示す搬送経路の物理的配置を示す平面図である。 搬送要求履歴情報、移動履歴情報、及び、改善候補経路情報の例を示す。 改善候補経路の物理的配置を示す平面図である。 改善候補経路及び搬送経路上の搬送車が占める領域を示す平面図である。 交差領域を示す平面図である。 改善候補経路に対する搬送機器の割り当て例を示す平面図である。 図12の割り当て例に対応する機器割当情報を示す。 改善候補経路に対する搬送機器の他の割り当て例を示す平面図である。 図14の割り当て例に対応する機器割当情報を示す。 改善案情報の例を示す。 搬送機器情報の例を示す。 評価結果情報の例を示す。 許容コスト情報の例を示す。 第2実施形態の搬送経路設計装置の機能構成を示すブロック図である。 第2実施形態の搬送経路設計装置による処理のフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
[装置構成]
図1は、実施形態に係る搬送経路設計装置のハードウェア構成を示すブロック図である。搬送経路設計装置1は、コンピュータにより構成され、プロセッサ2と、メモリ3と、表示部4とを備える。搬送経路設計装置1は、データベース5、及び、記録媒体6に接続されている。データベース5は、後述するように搬送経路の設計に必要な各種の情報を記憶している。記録媒体6は、搬送経路を設計するためのプログラムを記録している。記録媒体6は、例えば不揮発性記録媒体などの非一時的な記録媒体である。搬送経路設計装置1による処理の実行時には、記録媒体6に記録されているプログラムはメモリ3に読み込まれる。また、メモリ3は、搬送経路設計装置1による搬送経路改善処理の実行中に作業メモリとして機能し、処理中に生成される各種の情報を記憶する。表示部4は、搬送経路改善処理により得られた搬送経路の改善案を表示してユーザに提示する。
[搬送機器]
本発明の搬送経路設計装置1は、工場や倉庫などに設置され、複数の異なる搬送機器を利用する搬送システムについて搬送効率の高い搬送経路を設計する。ここで、搬送機器としては、搬送車、一方向コンベア、及び、全方向コンベアが挙げられる。搬送効率は、例えば、単位時間当たりの荷物の搬送量、荷物の入荷量に対する出荷量の割合、他の搬送経路における荷物の搬送量に対する比率などにより示される。まず、各搬送機器の特徴について説明する。
搬送車の特徴は以下の通りである。
・搬送車の搬送効率は、コンベアと比べて低く、一度に運べる量は限定される。搬送車は、搬送経路を共有する他の搬送車や通行人などを避けるため、減速又は停止が必要となることがありうる。走行経路が重複した場合、搬送車の集中による混雑や、交差点での排他制御による搬送遅延が頻繁に起こりうる。交差点での排他制御では、搬送車は一般的に「減速→停止→加速」が必要となり、エネルギーを浪費してしまうとともに、搬送車は交差点の通過に時間を要するため、頻繁に渋滞の原因となる。
・搬送車に関しては、搬送経路の柔軟性は高い。搬送車自身が様々な方向に動けるため、走行可能なあらゆる場所への搬送が可能である。
・搬送車の占有領域は、その時に搬送車自身がいる領域のみである。搬送車は、通常移動しているため、常に占有する領域は無い。
一方向コンベアの特徴は、以下の通りである。
・一方向コンベアの搬送効率は、搬送車と比較して一般的に高い。
・一方向コンベアに関しては、搬送経路の柔軟性は、搬送車と比べて低い。一方向コンベアは、予め決められた搬送経路上で、多くの場合に、予め決められた方向のみに荷物を搬送することが可能である。なお、一方向コンベアの搬送経路が特定方向への分岐を含む場合もあるが、荷物が分岐用器具に高速で衝突するため、耐衝撃性がある荷物(例えば、段ボールで梱包された荷物など)の搬送以外には利用不可能である。一方、衝撃を減らすために搬送をゆっくりにすると、搬送能力が下がってしまう。なお、本実施形態では電子基板などの耐衝撃性のない物を含む様々な種類の荷物を対象とするため、一方向コンベアによる搬送経路は分岐を有しないものとする。但し、必ずしも、耐衝撃性のない物を含む様々な種類の荷物を扱う処理だけに限定されない。
・占有領域に関しては、一方向コンベアは、設置された領域を完全占有する。一方向コンベアが占有した領域は、搬送車も荷物も横切ることができない。
・一方向コンベアの新規設置コストは、全方向コンベアと比較して安い。
全方向コンベアの特徴は、以下の通りである。
・全方向コンベアの搬送効率は、搬送車と比較して一般的に高い。
・全方向コンベアに関しては、搬送経路の柔軟性は、搬送車よりも低いが、一方向コンベアよりも高い。全方向コンベアは、搬送方向を素早く柔軟に変更可能である。
・占有領域に関しては、全方向コンベアは、設置された領域を占有する。搬送車は、全方向コンベアが設置された場所を横切ることができない。一方、荷物を全方向コンベア上に配置して移動させれば、荷物自体は全方向コンベアに対して様々な方向に移動することができる。
・全方向コンベアの新規設置コストは、一方向コンベアと比較して高い。
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態について説明する。
(機能構成)
図2は、第1実施形態に係る搬送経路設計装置の機能構成を示す。本実施形態の搬送経路設計装置は、大別して、改善案作成部10と、改善案評価部20と、改善案決定部30と、改善案提示部40と、評価結果記憶部17と、最善改善案記憶部18とを備える。また、改善案作成部10は、改善候補経路決定部11と、機器割当部12と、改善案生成部13と、改善候補経路記憶部14と、機器割当情報記憶部15と、改善案記憶部16と、を備える。
改善候補経路決定部11は、入力情報として、搬送要求履歴データベース(以下、「データベース」を「DB」と記す。)51から荷物の搬送要求履歴情報D1(図8(A)を参照しながら後述)を受け取り、移動履歴DB52から荷物の移動履歴情報D2(図8(B)を参照しながら後述)を受け取り、レイアウトDB53からレイアウト情報D3(図4を参照しながら後述)を受け取り、搬送経路DB54から搬送経路情報D4(図6を参照しながら後述)を受け取る。
荷物の搬送要求履歴情報D1(図8(A)を参照しながら後述)は、荷物の搬送元から搬送先への移動の要求と、それが起きた時刻などを記録したものである。
荷物の移動履歴情報D2(図8(B)を参照しながら後述)は、荷物の実際の移動軌跡を、ある時刻における座標や滞在中の搬送経路などで表現したものである。移動履歴の記録は、一定周期で搬送車から送信されてもよく、管理サーバがある場合は管理サーバが要求してもよい。移動履歴の記録は、一定周期以外に、固定位置のマーカ(例えばQR(Quick Response)コード(登録商標)など)を通過したときなど、イベントが起きたときに記録されてもよい。また、荷物の移動軌跡と合わせて、荷物無しで移動中の搬送車の移動軌跡も記録してもよい。これは、搬送車が荷物を搬送していない場合でも、該搬送車の渋滞に影響を及ぼす場合があるためである。
レイアウト情報D3(図4を参照しながら後述)は、工場や倉庫内での物や機能の位置の情報であり、例えば搬送車が通行不可能な障害物O(Obstacle)の位置を表現したものである。障害物の形状は、例えば障害物の平面形状を示す多角形の頂点座標、障害物の輪郭を構成する直線又は曲線を規定する座標、障害物が円形である場合にはその円の中心座標及び半径などで表現される。また、特定の機能ごとにエリアが定義されている場合は、障害物をそのエリアのID(識別子、Identifier)で表現してもよい。障害物の例は、製造装置、装置オペレータの作業場所などである。また、レイアウトを複数の部分領域に分割して管理している場合は、障害物を部分領域のIDで表現してもよい。その場合、搬送車が通行可能な領域も同様に部分領域のIDで表現してもよい。さらに他の例として、レイアウトを部分領域に分割し、部分領域毎に搬送車の通行可能性をフラグによって表現してもよい。その他、ライントレースを利用する搬送車でよく使われているように、搬送車が通る搬送経路を線(始点、終点、通過点の座標や曲率などの線の形状情報など)で表しても良い。また、一方通行などの通過可能方向についての情報を付加しても良い。
搬送経路情報D4(図6を参照しながら後述)は、荷物が運ばれる搬送経路を表したものである。例えば、搬送経路情報D4は、各搬送経路R(Route)の搬送元S(Source)、搬送先D(Destination)、通過点などを表したものである。なお、通過点の例としては、方向が変わる地点、温度センサ、湿度センサ、照度センサなどの環境条件を測定する環境設置型のセンサが設置された地点、搬送車が読み取れる位置や命令などを記したマーカが設置された地点、任意の座標などが挙げられる。
改善候補経路決定部11は、これらの入力情報に基づき、改善の必要性が高い搬送経路の少なくとも一部分、即ち、搬送経路上の地点又はエリアを特定し、それらを改善候補経路と決定する。具体的には、改善候補経路決定部11は、搬送経路上の複数の地点又はエリアについて、荷物の滞留時間、搬送時間の平均値、または、それらの値が許容値を超えた回数などの値を算出する。次に、改善候補経路決定部11は、算出された値に基づき、地点又はエリアごとの改善必要度を算出する。改善候補経路決定部11は、それらの値から改善必要度を算出する式、又は、それらの値と改善必要度との対応を示すテーブルなどを利用して改善必要度を算出する。改善必要度は、荷物の滞留時間が長いほど高くなり、搬送時間の平均値が大きいほど高くなり、または、それらの値が許容値を超えた回数が多いほど高くなる。改善候補経路決定部11は、改善必要度が所定値より大きい地点又はエリアを改善候補経路に決定する。そして、改善候補経路決定部11は、改善候補経路を示す改善候補経路情報D5(図8(C)を参照しながら後述)を改善候補経路記憶部14に記憶する。
改善候補経路情報D5は、改善の必要性が高い搬送経路を表したものである。改善候補経路情報D5は、改善候補経路である搬送経路の始点や終点、搬送経路のIDや、改善の必要度を表す数値などを含む。改善候補経路決定部11は、改善候補経路を、存在する搬送経路全体から選んでも良く、一部から選んでも良い。改善候補経路決定部11は、重要な荷物を運んでいる搬送経路を優先して改善候補経路としてもよい。改善候補経路決定部11は、特定の種類(例:高い、古い、拡張性が低い)の搬送車が使われている搬送経路を優先して改善候補経路としてもよい。
機器割当部12は、改善候補経路記憶部14から改善候補経路情報D5を読み出す。機器割当部12は、改善候補経路情報D5に基づき、各改善候補経路を高速化し、かつ、他の搬送経路を妨げないような新たな搬送機器、具体的には、一方向コンベア又は全方向コンベアの割り当てを決定する。一方向コンベア及び全方向コンベアを用いた場合、荷物の搬送速度を上げることにより搬送効率を上げることができる。具体的に、機器割当部12は、まず改善候補経路上と、それと交わる搬送経路上で、荷物搬送時の搬送車の占める領域を算出する。次に、機器割当部12は、改善候補経路と、改善候補経路と交わる搬送経路上で荷物搬送時の搬送車の占める領域との交差領域を算出する。そして、機器割当部12は、交差領域の少なくとも一部に全方向コンベアを割り当て、それ以外に一方向コンベアを割り当てる。機器割当部12は、搬送機器の割り当てを、機器割当情報D6(図13を参照しながら後述)として機器割当情報記憶部15に記憶する。機器割当情報D6は、改善候補経路に割り当てられ、他の搬送経路を妨げることなく搬送効率を向上させることが可能なコンベアの種類を表したものである。
改善案生成部13は、機器割当情報記憶部15から機器割当情報D6を読み出す。改善案生成部13は、入力された機器割当情報D6に含まれる、搬送機器を割り当てられた改善候補経路の少なくとも一部を抽出した組み合わせを、改善案として生成する。改善候補経路が4つある場合、改善案は、それら4つの改善候補のうちの1つ以上を改善対象とする組み合わせとなる。改善案生成部13は、改善案を示す改善案情報D7(図16を参照しながら後述)を改善案記憶部16に記憶する。改善案情報D7は、改善候補経路の改善の有無の組み合わせを表したものである。改善案は、改善候補経路のすべての組み合わせでもよく、一定の数以下の組み合わせでもよい。また、改善案は、特定の条件(例えば、改善する改善候補経路が3つ以下)を満たす改善候補経路の組合せでもよい。
改善案評価部20は、改善案記憶部16から改善案情報D7を読み出すとともに、搬送機器DB55から搬送機器情報D8を受け取る。搬送機器情報D8(図17を参照しながら後述)は、搬送機器とその搬送効率、新規導入に必要となるリプレースコストを示す。搬送機器は、例えば、全方向コンベア、一方向コンベア、搬送車である。なお、搬送機器ごとに、処理性能が相互に異なる複数の種類があってもよい。搬送効率は、例えば単位時間当たりに運べる荷物の数・量の平均値、最大値、最頻値などである。搬送効率として、搬送に必要なエネルギーなどを考慮してもよい。例えば、搬送効率の値を搬送に必要な電気エネルギー量で除算したり重み付けしたりした値を用いても良い。こうすると、搬送効率が高くても、それに必要な電気エネルギーが大きい場合には、搬送効率の評価が下がることになり、搬送効率をコスト面から補正することができる。リプレースコストは、例えば単位面積や単位長さや個数あたりの新規導入の値段である。これには、例えばメインテナンスコストなど、一定の期間分のランニングコストを含めてもよい。
改善案評価部20は、改善案情報D7及び搬送機器情報D8、並びに、予め用意された評価式(後述の式(1))及びコスト計算式(後述の式(2))に示された処理に従い、各改善案を評価する。具体的に、改善案評価部20は、評価式に示された処理に従い評価指標を算出し、コスト計算式に示された処理に従い所要コストを算出する。評価指標は、改善案通りに搬送機器を割り当てた場合の搬送システム全体の搬送効率を示し、例えば荷物のスループットや荷物の納期の順守率である。改善案評価部20は、算出された評価指標と所要コストとを、評価結果情報D9(図18を参照しながら後述)として評価結果記憶部17に記憶する。評価結果情報D9は、改善案ごとの、評価指標及び所要コストの計算結果である。
改善案決定部30は、評価結果記憶部17から評価結果情報D9を読み出すとともに、許容コストDB56から許容コスト情報D10(図19を参照しながら後述)を受け取る。許容コスト情報D10は、ユーザによって許容されるコストを表すものである。許容コストは、改善のレベルごとに複数あってもよい。改善案決定部30は、評価結果情報D9と許容コスト情報D10とに基づき、所要コストが許容コスト以下となる改善案のうちから、評価指標が最大となる改善案を選択する。改善案決定部30は、選択された改善案を最善の改善案D11として最善改善案記憶部18に記憶する。
改善案提示部40は、最善改善案記憶部18から最善の改善案D11を読み出す。改善案提示部40は、入力された最善の改善案D11をユーザに提示する。例えば、改善案提示部40は、最善の改善案D11における改善対象となる搬送経路と、搬送機器の割り当てを表示部4に表示する。その際、改善案提示部40は、新たにコンベアを割り当てて搬送効率を改善する部分としない部分を色分けして最善の改善案を表示してもよい。また、改善案提示部40は、AR(Augmented Reality)やVR(Virtual Reality)などを用いて、最善の改善案を直観的にわかりやすく表示しても良い。なお、許容コストを満たす改善案が存在しなかった場合には、改善案提示部40は、許容コストをどれだけ妥協すれば改善案が存在するかをレコメンドしてもよい。
図2において、改善案作成部10の改善候補経路決定部11、機器割当部12、及び、改善案生成部13、並びに、改善案評価部20、改善案決定部30は図1に示すプロセッサ2により構成することができ、改善案提示部40は表示部4により構成することができる。改善候補経路記憶部14、機器割当情報記憶部15、改善案記憶部16、評価結果記憶部17及び最善改善案記憶部18は、図1に示すメモリ3により構成することができる。また、搬送要求履歴DB51、移動履歴DB52、レイアウトDB53、搬送経路DB54、搬送機器DB55、及び、許容コストDB56は、図1に示すデータベース5により構成することができる。
[動作例]
次に、実施形態に係る搬送経路設計装置1の動作例を説明する。図3は、搬送経路設計装置1が実行する搬送経路改善処理のフローチャートである。この処理は、図1に示すプロセッサ2が、予め用意されメモリ3に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
まず、改善案作成部10の改善候補経路決定部11は、荷物の搬送要求履歴情報D1、荷物の移動履歴情報D2、レイアウト情報D3、及び、搬送経路情報D4を受け取る(ステップS10)。
図4は、レイアウト情報D3の例を表す。図4の例では、レイアウト情報D3は、障害物IDと、障害物の形状の頂点座標とを含む。「障害物ID」は、各障害物に付された識別子である。「障害物の形状の頂点座標」は、各障害物の位置を示す座標である。ここでは、通行不可能な障害物の形状を多角形の頂点座標で表している。図5は、図4のレイアウト情報D3における障害物O1~O10の物理的配置を表す。各障害物は、斜線の領域で表されている。
図6は、搬送経路情報D4の例を表す。図6の例では、搬送経路情報D4は、搬送経路ID、搬送元、搬送先、通過点、及び、形状を含む。「搬送経路ID」は、各搬送経路に付された識別子である。「搬送元」は、その搬送経路の始点の座標であり、「搬送先」は、その搬送経路の終点の座標である。なお、各座標は、図5に示す平面図における横方向をx座標、縦方向をy座標として規定されている。「通過点」は、搬送元の座標から搬送先の座標に至るまでの途中で、搬送機器が通過する座標を表している。「形状」は、その搬送経路を平面的に見た形状を示す。図7は、図6の搬送経路情報D4における搬送経路R1~R13の物理的配置を表す。各搬送経路は、実線の矢印で表されている。
図8(A)は、荷物の搬送要求履歴情報D1の例を表す。図8(A)の例では、荷物の搬送要求履歴情報D1は、搬送要求ID、搬送元、搬送先、要求発生時刻、荷物ID、期限、及び、搬送機器IDを含む。「搬送要求ID」は、各搬送要求に付された識別子である。「搬送元」は、搬送される荷物のある地点の座標であり、「搬送先」は、荷物の目的地の座標である。「要求発生時刻」は、搬送要求が発生した時刻である。「荷物ID」は、搬送される荷物の識別子である。「期限」は荷物の搬送を完了すべき時刻を示す。「搬送機器ID」は、荷物の搬送に使用される搬送機器の識別子である。なお、搬送機器IDは、図17を参照して後述する搬送機器情報D8により定義されている。
図8(B)は、荷物の移動履歴情報D2の例を表す。図8(B)の例では、移動履歴情報D2は、移動履歴ID、現在の座標、滞在中の搬送経路ID、時刻、搬送要求ID、及び、搬送機器IDを含む。「移動履歴ID」は、各移動履歴情報に付された識別子である。「現在の座標」は、その移動履歴情報が生成されたときの荷物の位置座標である。「滞在中の搬送経路ID」は、荷物の位置が属する搬送経路の搬送経路IDである。「時刻」は、その移動履歴情報が生成された時刻である。「搬送要求ID」は、その荷物の移動履歴の根拠となる搬送要求のIDである。「搬送機器ID」は、その荷物の搬送を行っている搬送機器のIDである。
図3におけるステップS10の後、改善候補経路決定部11は、荷物の搬送要求履歴情報D1、荷物の移動履歴情報D2、レイアウト情報D3、及び、搬送経路情報D4に基づき、荷物の滞留時間や搬送時間などの平均値、その平均値が許容値を超えた回数・割合、それらを重み付きで足し合わせた式などを用いて、地点又はエリアごとの改善必要度を算出する(ステップS20)。ここで、地点は、例えば座標である。エリアは、例えば直線や曲線の始点終点の組や、多角形の頂点座標で表される。地点やエリアは、搬送経路の少なくとも一部であってもよい。また、特定の機能ごとにエリアが分けられている場合、エリアはその単位としてもよい。また、レイアウトを部分領域に分割して管理している場合は、部分領域ごとに改善必要度を算出してもよい。
次に、改善候補経路決定部11は、改善必要度が高い地点又はエリアを特定する。例えば、改善候補経路決定部11は、改善必要度が予め決められた閾値を超える場合、その地点又はエリアの改善必要度が高いと判定する。閾値は、ユーザが入力する値でもよく、周囲の改善必要度の平均、最頻値、中間値などより一定の値又は割合以上高い値としてもよい。改善候補経路決定部11は、複数の搬送経路を含むシステムのうち、搬送経路を介して搬送する要求量に対して実際に搬送した搬送量が、改善するか否かを判定する基準を満たしている場所(エリア、地点等)を決定してもよい。改善するか否かを判定する基準は、たとえば、ある場所における搬送経路を介して搬送する要求量に対して、実際に搬送した搬送量が少ない場合に、当該ある場所を改善が必要であると判定する基準である。改善するか否かを判定する基準は、例えば、ある場所における搬送経路を介して搬送する要求量と実際の搬送した搬送量とが同程度である場合に、当該ある場所を改善が不必要であると判定する基準である。以下、地点又はエリアを「場所」と総称し、改善必要度の高い地点又はエリアを「改善対象場所」とも呼ぶ。
改善対象場所は、例えば、以下のように特定される。始めに、改善候補経路決定部11は、搬送要求に対して、搬送能力が不足している場所を抽出する。搬送要求に対して搬送能力が不足していると判断する際の基準は、例えば、その場所に入る直前での荷物の滞留時間が長いことである。なお、搬送能力が不足している場所が搬送経路そのものである場合、その基準は、搬送元で運び出されるのを待っている荷物の滞留時間が長いことである。具体的に、滞留時間の平均、最頻値、中間値などが一定の閾値以上である場合に、改善候補経路決定部11は、滞留時間が長いと判定する。この時、改善候補経路決定部11は、あるタイムウィンドウ内の滞留時間を考慮してもよい。また、改善候補経路決定部11は、滞留時間のCDF(Cumulative Distribution Function:累積分布関数)が一定の値以上になる時間が一定の閾値以上である場合に滞留時間が長いと判定してもよい。滞留時間の算出は、例えば、荷物の搬送要求履歴情報D1から得られる荷物の搬送要求が来た時刻と、荷物の移動履歴情報D2から得られる実際にその荷物の搬送が始まった時刻の差から算出できる。
次に、改善候補経路決定部11は、抽出された改善対象場所を、搬送能力が不足している要因に基づき分類し、コンベア化による高速化が必要な場所を抽出する。具体的な手法を以下に述べる。
まず、改善候補経路決定部11は、抽出された場所が、以下の条件を満たすかどうかを判定する。
<条件>:
荷物の搬送にかかる時間(搬送時間)が長い。例えば、改善候補経路決定部11は、搬送時間の平均、最頻、中間値などが一定の閾値(例えば、混雑が無い状況での搬送時間の1.3倍)以上である場合に、搬送時間が長いと判定する。この時、改善候補経路決定部11は、あるタイムウィンドウ内の搬送時間を考慮してもよい。また、改善候補経路決定部11は、搬送時間のCDFが一定の値以上になる時間が一定の閾値以上である場合に搬送時間が長いと判定してもよい。また、改善候補経路決定部11は、搬送車が搬送中に一定速度以下になっている時間の割合が一定以上である場合、又は、一定の搬送時間を超す搬送車の割合が一定以上である場合に、搬送時間が長いと判定してもよい。
次に、上記の判定結果に基づき、改善候補経路決定部11は、抽出された改善対象場所を、搬送要求に対して搬送能力が不足する要因に基づいて以下の2つの場合(ケースA)又は(ケースB)に分類する。具体的に、改善候補経路決定部11は、上記の条件を満たす場合、即ち、搬送時間が長く搬送車が低速度で搬送しており、渋滞が起きていると考えられる場合、その改善対象場所を(ケースA)と分類する。一方、改善候補経路決定部11は、上記の条件を満たさない、即ち、搬送時間が長くなっていない場合、その改善対象場所を(ケースB)と分類する。
(ケースA)すでに搬送経路の交通容量に対して相対的に多くの搬送車が投入されており、搬送経路の交通容量に余裕が無い。これ以上搬送車を増やしても渋滞を悪化させるため、搬送効率の効率的な上昇が困難である。
(ケースB)まだ搬送経路の交通容量に余裕があるが、搬送車の数が少ないため滞留時間が長くなっている。搬送車の追加で搬送効率が向上する可能性がある。
抽出された場所がケースAに分類された場合、改善候補経路決定部11は、その場所を改善対象場所と決定し、次のステップS30に進む。一方、抽出された場所がケースBに分類された場合、コンベアの導入ではなく搬送車の台数を増加させることで経路の搬送効率改善ができる可能性があるので、改善候補経路決定部11は、その場所を、コンベア化による搬送効率改善の対象から除外する。即ち、改善候補経路決定部11は、その場所を、改善対象場所と決定しない。但し、新規の搬送車の価格が高い(高級な搬送車が必要な場合)、現場への導入コストが高いなどの理由で新規追加が難しい場合など、コンベア化による高速化の方が望ましい場合は、改善候補経路決定部11は、ケースBの場合でも、その場所を改善対象場所に含めてもよい。
次に、改善候補経路決定部11は、各搬送経路が、改善必要度の高い地点又はエリア、即ち、改善対象場所を含むか否かを判定する(ステップS30)。搬送経路が改善対象場所を含む場合(ステップS30:yes)、改善候補経路決定部11は、その搬送経路の少なくとも一部を改善候補経路に含める(ステップS40)。このとき、改善候補経路決定部11は、その搬送経路の全ての部分を改善候補経路に含めても良く、改善必要度の高い地点又はエリアを含む一部分のみを改善候補経路に含めても良い。一方、搬送経路が改善対象場所を含まない場合(ステップS30:no)、改善候補経路決定部11は、その搬送経路を改善候補経路に含めない(ステップS50)。
次に、改善候補経路決定部11は、すべての搬送経路について上記の判定が終了したか否かを判定する(ステップS60)。すべての搬送経路について判定が終了していない場合、(ステップS60:no)、改善候補経路決定部11は、ステップS30に戻り、次の搬送経路の判定を行う。一方、すべての判定すべき搬送経路について判定が終了した場合(ステップS60:yes)、改善候補経路決定部11は、次のステップS70へ進む。なお、判定すべき搬送経路は、すべての搬送経路でもよいし、特定の搬送経路を除外してもよい。また、特定の数・長さ・面積の搬送経路でもよい。また、ユーザが判定対象に含める搬送経路、又は、判定対象から除外する搬送経路を入力してもよい。
次に、改善候補経路決定部11は、得られたすべての改善候補経路を含む改善候補経路情報を改善候補経路記憶部14へ出力する(ステップS70)。図8(C)は、出力された改善候補経路情報の例を示す。また、図9は、図8(C)に示す改善候補経路の物理的配置を示す。図9においては、搬送経路を点線で示し、改善候補経路を実線の矢印で示す。この例では、4つの改善候補経路C1~C4が出力されている。なお、この例では、改善候補経路C2は搬送経路R5の全体を表し、改善候補経路C4は搬送経路R1の全体を表しているが、改善候補経路C3は搬送経路R10の一部を表し、改善候補経路C1は搬送経路R4の一部を表している。このように、同じ搬送経路の中でも、一部のみが改善候補経路となる場合がある。
次に、機器割当部12は、改善候補経路情報に基づき、改善候補経路上と、それと交わる改善候補経路でない搬送経路上で、荷物搬送時の搬送車の占める領域(footprint)を算出する(ステップS80)。この時、搬送車の占める領域は、搬送車の形状そのものでもよく、荷物が搬送車より大きい場合は荷物を含めた搬送車の占める領域としてもよい。また、搬送車の占める領域は、単純化のために四角や丸などの形にしてもよい。また、搬送車の占める領域は、誤差を考慮して一定のマージンを含む領域としてもよい。
図10は、図9の改善候補経路が与えられたときの搬送車の占める領域の物理的配置の例を示す。改善候補経路上の搬送車の占める領域を灰色の五角形で示し、改善候補経路と交わる改善候補でない搬送経路上の搬送車の占める領域を白色の五角形で表している。
次に、機器割当部12は、算出された搬送車が占める領域同士が重なる領域(以下、「交差領域」と呼ぶ。)を算出する(ステップS90)。図11は、図10に示す搬送車の占める領域の物理的配置が与えられたときの、交差領域の物理的配置の例を示す。図11の例では、交差領域を黒色の五角形で表している。交差領域は、厳密に重なっている領域でもよく、誤差を考慮して一定のマージンを含む領域としてもよい。
次に、機器割当部12は、各改善候補経路が交差領域を含むか否かを判定する(ステップS100)。各改善候補経路が交差領域を含む場合(ステップS100:yes)、処理はステップS110に進む。一方、各改善候補経路が交差領域を含まない場合(ステップS100:no)、処理はステップS140に進む。
ステップS110においては、機器割当部12は、交差領域において搬送効率を改善すべき1つ以上の搬送方向(以下、「改善方向」とも呼ぶ。)を、その交差領域を各搬送方向に通過する荷物の流量に応じて決定する。具体的には、機器割当部12は、交差領域における改善候補経路については、その搬送方向を改善方向とする。一方、機器割当部12は、改善候補経路と交わる改善対象でない搬送経路(以下、「非改善候補経路」とも呼ぶ。)については、搬送方向の流量が所定の閾値以上であるとき、その搬送方向を改善方向とする。流量は、荷物の単位時間当たりのスループット、絶対量、入荷量に対する出荷量、他の搬送経路(交差する改善候補経路を含む)で運ばれる荷物の量に対する比率、平均値、最頻地、中間値などである。あるタイムウィンドウ内の流量を考慮してもよい。
詳細には、改善候補経路同士の交差領域については、交差領域における改善方向は両方の搬送方向となる。よって、機器割当部12は、その交差領域に全方向コンベアを割り当てる。言い換えると、機器割当部12は、改善対象場所を含んでいる搬送経路が交差しているか否かに応じて、搬送経路が交差している箇所に割り当てる搬送機器を決定する。また、改善候補経路と非改善候補経路の交差領域については、非改善候補経路の搬送方向の流量を考慮する。非改善候補経路の搬送方向の流量が閾値より大きい場合、交差領域における搬送効率を改善方向は両方の搬送方向となる。よって、機器割当部12は、その交差領域に全方向コンベアを割り当てる(ステップS130)。
一方、非改善候補経路の搬送方向の流量が閾値より小さい場合、改善候補経路の搬送方向のみが改善方向となる。この場合、機器割当部12は、非改善候補経路に代替の迂回路があるか否かを判定する(ステップS120)。非改善候補経路に代替の迂回路がある場合(ステップS120:yes)、機器割当部12は、その交差領域に改善候補経路の搬送方向の一方向コンベアを割り当て、非改善候補経路については迂回路を搬送車の新たな搬送経路とする(ステップS140)。新たな搬送経路は、例えば、最短パス(Shortest Path)を生成する。これにより、交差領域を構成する搬送経路のうちの片方に荷物が滅多に流れない場合にも全方向コンベアを導入してしまうというコスト非効率的な選択を防ぐことができる。
一方、非改善候補経路に代替の迂回路が無い場合(ステップS120:no)、機器割当部12は、この交差領域にも全方向コンベアを割り当てる(ステップS130)。機器割当部12は、例えば工場や倉庫のレイアウトに起因して、そもそも代替の迂回路が存在しない場合に、代替の迂回路が無いと判定する。これに加えて、機器割当部12は、代替の迂回路が存在するものの、その代替の迂回路が搬送時間を大幅に悪化させる場合、搬送時間の要件が満たせなくなる場合など、適切な代替の迂回路が無い場合にも代替の迂回路が無いと判定してもよい。
また、ステップS100において、改善候補経路が交差領域を含まない場合(ステップS100:no)、一方向の搬送効率を改善すればよいため、機器割当部12は、その改善候補経路に一方向コンベアを割り当てる(ステップS140)。なお、機器割当部12は、交差領域を含む改善候補経路であっても、交差領域以外の領域については一方向コンベアを割り当てる。
このようにすることで、コストの高い全方向コンベアの導入を低く抑えつつ、他の搬送経路を妨げないように搬送機器を割り当てることができる。図12は、図11の搬送車の占める領域と交差領域の物理的配置から生成された搬送機器の割り当ての物理的配置を示す。図12では、コストの高い全方向コンベアの割り当て領域を濃い灰色で示し、コストの低い一方向コンベアの割り当て領域を薄い灰色で示す。
図13は、図12の場合の改善候補経路への機器割当情報を示す。「割当ID」は、搬送機器の割り当て毎に付された識別子である。「改善候補経路ID]は、その割当IDに対応する改善候補経路のIDを示す。「始点」及び「終点」は、その搬送機器を割り当てる範囲の始点及び終点の座標である。「コンベアの種類」は、改善候補経路の各領域に割り当てる搬送機器の種類を示す。なお、図13の表において、改善候補経路の座標は点で表しているが、搬送車には一定の大きさがあるため、搬送車の占める領域の交差領域としては、割当ID「A8」と「A2」が改善候補経路C1とC3の交差領域に対応し、割当ID「A10」と「A5」が改善候補経路C2とC3の交差領域に対応することに留意を要する。また、図12及び図13の例では、改善候補経路C3と非改善候補経路R6の交差領域である割当ID「A11」には適切な迂回路が無く、全方向コンベアが割り当てられている。
なお、参考のために、極端な例として、許容されるコストが非常に大きいなどの理由でコストを考慮しない場合は、他の搬送経路と交わる改善候補経路がすべて全方向コンベアになる場合があることを述べておく。この場合の搬送機器の物理的配置を図14に示し、図14の機器割当情報の例を図15に示す。なお、以下の説明は、図13を例として進める。
以上述べたように、機器割当部12は、交差領域を含む改善候補経路の少なくとも一部に全方向コンベアを割り当て(ステップS130)、交差領域を含まない改善候補経路には一方向コンベアを割り当てる(ステップS140)。これにより、機器割当部12は、コスト面で効率的に各改善候補経路を高速化し、かつ、他の搬送経路を妨げないように、搬送機器(一方向/全方向コンベア)を改善候補経路の各領域への割り当てることができる。
次に、改善案生成部13は、搬送機器を割り当てられた改善候補経路群の一部を抽出した組合せを、改善案として生成する(ステップS150)。改善案は、一部の組合せに対して生成されてもよく、すべての組合せに対して生成されてもよい。すべての組合せに対して生成した場合、組合せの個数は、2^(改善候補経路の数)(ただし、「^」は、べき乗を表す)となる。また、改善案は、組合せが所定の数に達するまで生成してもよい。また、特定の組合せを除外してもよい。例えば、特定のエリアや特定の搬送車の搬送経路を除いてもよい。一例として、導入候補の一方向コンベア3種類のうち拡張性の低い一種類を除いてもよい。他の例として、特定の領域内は変更可能性が高いのでコンベアを導入せずに搬送車のままにしておいてもよい。図16に、図13に基づきすべての組み合わせを改善案として列挙した場合の改善案情報を表す。改善案情報において、「改善案ID」は各改善案に付された識別子である。図16は、4つの改善候補経路C1~C4がある場合の改善案情報を示している。なお、図16においては比較のため、全ての改善候補経路C1~C4の改善を行わない場合の組合せを「改善案I1(現状)」として示している。
次に、改善案評価部20は、改善案生成部13が生成した改善案情報D7と、搬送機器情報D8と、予め用意された評価式及びコスト計算式に示された処理に従い、改善案ごとの評価指標及び所要コストを算出し、改善案を評価する(ステップS160)。図17は、搬送機器情報の例を示す。「搬送機器ID」は、各搬送機器に付された識別子である。「説明」は、各搬送機器の内容を示す。「平均搬送効率」は各搬送機器の平均搬送効率を示し、「リプレースコスト」は各搬送機器のリプレースコストを示す。この例は、全方向コンベア、一方向コンベア、搬送車の三種類の搬送機器に関して、平均搬送効率(例えば、単位時間当たりの搬送できる荷物の量の平均値)と、リプレースコスト(例えば、搬送車からコンベアにリプレースする際の単位長さあたりのコスト)を表す。図18は、算出した所要コストと、評価式に示された処理に従い算出した評価指標の評価結果の例を示す。図18の評価結果情報において、「改善案ID」は評価の対象となる改善案の識別子である。「所要コスト」は、各改善案が必要とするコストであり、後述のコスト計算式(2)に示された処理によって得られる。「評価指標」は、後述の評価式(1)に示された処理に従い算出された各改善案の評価指標の値を示す。
各改善案の評価は、一般的な技術を利用して行うことができる。評価式に示された処理に従い評価する評価指標は、例えば、工場・倉庫全体としての荷物のスループットや、荷物の納期の順守率などである。改善案ごとの評価指標を計算するための評価式のもっとも簡単な例は、以下の式である。改善案評価部20は、各改善案通りに搬送機器の割り当てを適用した場合の、以下の評価指標を計算する。
(評価指標)=(搬送車の平均搬送効率)×(搬送車の数量)
+(一方向コンベアの平均搬送効率)×(一方向コンベアの数量)
+(全方向コンベアの平均搬送効率)×(全方向コンベアの数量)(1)
工場や倉庫では、より正確な搬送効率の評価指標の評価を行うために、工場・倉庫のレイアウト、搬送車と周囲の環境との干渉、搬送車同士の干渉、搬送要求の到着率、搬送要求の到着パターン、搬送機器の特性(最大速度、最大加速度、クルーズ速度、信頼性など)、搬送タスクの優先制御方法などが考慮されることが多い。これらのような要素を考慮できる評価手法の他の例として、一般的な技術である搬送車をエージェントと見做したエージェントベースシミュレーション、確率ペトリネット(Stochastic Petri Net)や確率時間ペトリネット(Stochastic Time Petri Net)による搬送状態の遷移確率の解析、荷物を流体と見做した(近似した)流体シミュレーションなどが利用できる。
これらの解析・シミュレーションには一般に多くの計算資源が必要となるため、仮に改善案作成部10を使わずに、存在しうる全ての搬送経路の各領域へのコンベアの割り当ての組合せ案を網羅的に評価すると、膨大な計算資源が必要となる。本実施形態では、改善案作成部10により評価対象となる改善案数を大幅に絞ることができるため、計算の際に必要となるメモリを削減できる。また、計算量や必要なメモリが減るため、同じ計算資源でより大きい・複雑なレイアウトを評価することができる。
また、各改善案の所要コストは、例えば以下のようなコスト計算式に示された処理に従い算出される。
(所要コスト)=Σ_i(改善案に含まれる搬送機器iのリプレースコスト)
×(改善案に含まれる搬送機器iの数量)(2)
(ただし、Σ_iは、iについて総和を算出する処理を表す)
計算の仕方として、最初に全改善案の評価指標と所要コストを算出してもよい。他の方法として、先に所要コストのみを計算し、許容コスト以下のものだけ評価指標を計算してもよい。また、許容コスト内で最大の搬送効率改善を行う改善案を探したい場合は、許容コストに近い所要コストの改善案だけ抽出して計算してもよい。また、一定の搬送効率を満たす案を探したい場合は、コストが少ない方から改善案の評価指標を計算して搬送効率が閾値に到達したら計算をやめても良い。その他、計算時間が閾値を超したら計算を打ち切ってもよい。
次に、改善案決定部30は、評価結果情報の所要コストと評価指標に基づき、コスト制約を満たす最適な評価結果を持つ改善案を選択し、最善の改善案として決定する(ステップS170)。図19は、許容コスト情報の例を表す。「改善設計プラン」は、各改善設計プランに付された識別子である。「許容コスト」は、各改善設計プランの許容コストである。図19の例では、異なる3つの改善設計プランと、その許容コストが格納されている。改善案決定部30は、許容コスト内で、最も評価指標の値が高い改善案を選択する。図19の改善設計プランP1の場合、図18のI5を選択する。同様に、改善設計プランP2の場合、図18のI8を選択する。改善設計プランP3の場合、図18のI14を選択する。次に、改善案提示部40が、選択された最善の改善案を表示部4に表示するなどして、ユーザに提示する(ステップS180)。
なお、上記の例では、改善案提示部40は最善の改善案のみを表示部4に表示しているが、その代わりに、複数の改善案を表示してもよい。例えば、改善案提示部40は、評価結果の上位から所定数の改善案を同時に表示してもよい。
以上説明したように、本実施形態では、搬送経路設計装置は、搬送経路に関する情報、及び、荷物の搬送に関する情報の少なくとも一方に基づき、改善が必要な搬送経路の少なくとも一部分を改善候補経路として決定する。そして、搬送経路設計装置は、全方向コンベアを含む搬送機器を割り当てる機器割当情報を生成し、機器割当情報に基づいて、搬送機器が割り当てられた改善候補経路の少なくとも一部を抽出した組合せを改善案として生成する。これにより、全方向コンベアを含む搬送特性の異なる複数種類の搬送機器から構成される搬送システムにおいて、限られたコストで搬送効率を改善することが可能になる。
例えば、国際出願WO2018/038171に記載されているように、レイアウトの変更が容易なコンベアを用いるとする。また、搬送経路設計装置1は、当該コンベアを1つの搬送機器として、改善案を計画するとする。この場合に、機器割当部12は、当該コンベアをある場所に割り当てることを決定した場合に、当該コンベアに対して、当該ある場所に移動し、その後、当該ある場所にて搬送処理を実行するよう制御してもよい。 この場合に、コンベアは、制御に従い、当該ある場所に移動し、その後、当該ある場所にて搬送処理を実行する。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、搬送経路設計装置1は、機器割当情報を生成し、記憶する処理を行う。図20は、第2実施形態に係る搬送経路設計装置1xの機能構成を示すブロック図である。また、図21は、第2実施形態に係る経路設計装置1xによる処理のフローチャートである。図20に示すように、搬送経路設計装置1xは、決定部61と、割当部62とを備える。経路設計装置1xは、複数の搬送経路を有する搬送システムについて、搬送機器の割り当てを決定する。具体的に、決定部61は、複数の搬送経路について、搬送要求量に対して実際の搬送量を改善する基準を満たしている場所を改善対象場所として決定する。決定部61は、図2に示された改善候補経路決定部11が有している機能と同様な機能を用いて実現することができる。
次に、割当部62は、割り当てる搬送機器を決定する(ステップS202)。具体的には、割当部62は、ステップS201で決定された改善対象場所を含む搬送経路が交差しているか否かに応じて、搬送経路が交差している場所に割り当てる搬送機器を決定する。搬送機器の例は、一方向コンベア、全方向コンベアなどである。割当部62は、図2に示された機器割当部12が有している機能と同様な機能を用いて実現することができる。このように、第2実施形態によれば、搬送量を改善すべき改善対象場所を含む搬送経路に対して適切な搬送機器を割り当てることができる。
なお、上述した各実施形態において、2つの搬送経路が交差している例を参照しながら、搬送経路設計装置の処理について説明したが、3つ以上の搬送経路が交差していてもよい。また、図10、図11等に示された例において、搬送経路は、直交していたが、必ずしも、直交している必要はない。すなわち、搬送経路や、複数の搬送経路が交差する態様は、上述した例に限定されない。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
複数の搬送経路について、搬送要求量に対して実際の搬送量を改善する基準を満たしている改善対象場所を決定する決定部と、
前記改善対象場所を含む搬送経路が交差しているか否かに応じて、搬送経路が交差している場所に割り当てる搬送機器を決定する割当部と、
を備える搬送経路設計装置。
(付記2)
前記割当部は、前記交差している場所において搬送経路の両方が前記基準を満たしている場合、当該交差している場所に全方向コンベアを割り当てる付記1に記載の搬送経路設計装置。
(付記3)
前記割当部は、前記交差している場所において搬送経路のうちの一方の搬送経路が前記基準を満たしていない場合、当該一方の搬送経路に迂回路があるか否かを判定し、前記迂回路がある場合に前記交差している場所に一方向コンベアを割り当て、前記迂回路が無い場合に前記交差している場所に全方向コンベアを割り当てる付記1に記載の搬送経路設計装置。
(付記4)
前記決定部は、搬送経路に関する情報、及び、荷物の搬送に関する情報の少なくとも一方に基づき、前記改善対象場所を含む搬送経路の少なくとも一部分を改善候補経路として決定し、
前記割当部は、前記交差している場所に、全方向コンベア又は一方向コンベアを割り当てる機器割当情報を生成し、
前記機器割当情報に基づいて、搬送機器が割り当てられた改善候補経路の少なくとも一部を抽出した組合せを改善案として生成する改善案生成部をさらに備える付記1に記載の搬送経路設計装置。
(付記5)
搬送機器情報に基づいて各改善案を評価し、評価結果を出力する改善案評価部と、
前記評価結果に基づいて、最善の評価結果を与える改善案を最善の改善案として決定する改善案決定部と、
前記最善の改善案を提示する提示部と、
を備える付記4に記載の搬送経路設計装置。
(付記6)
前記改善案評価部は、各改善案について、前記評価結果として、所定の評価指標による評価指標及び所要コストを算出し、
前記改善案決定部は、前記所要コストが許容コスト以下となる改善案のうち、前記評価指標が最大となる改善案を前記最善の改善案と決定する付記5に記載の搬送経路設計装置。
(付記7)
前記決定部は、荷物の滞留時間の平均値、荷物の運搬時間の平均値、前記滞留時間又は運搬時間が許容値を超えた回数又は割合、それらを重み付きで足し合わせた値の少なくとも一つに基づき、前記改善対象場所を決定する付記1に記載の搬送経路設計装置。
(付記8)
前記決定部は、搬送経路上のある場所の直前における荷物の滞留時間が所定の閾値以上であり、かつ、その場所での搬送時間が所定の閾値以上である場合、その場所を改善対象場所と決定し、改善対象場所を含む搬送経路の少なくとも一部を前記改善候補経路と決定する付記4に記載の搬送経路設計装置。
(付記9)
前記割当部は、改善候補経路と、当該改善候補経路と交わる搬送経路上で荷物搬送時に搬送車が占める領域とが交差する交差領域を算出し、前記交差領域に対して前記搬送機器を割り当てる付記1に記載の搬送経路設計装置。
(付記10)
前記割当部は、前記交差領域を構成する改善候補経路及び搬送経路における荷物の流量がともに所定の閾値以上である場合に、当該交差領域に全方向コンベアを割り当て、全方向コンベアを割り当てた交差領域以外の交差領域に一方向コンベアを割り当てる付記9に記載の搬送経路設計装置。
(付記11)
前記割当部は、
前記交差領域を構成する改善候補経路の搬送方向を改善方向とし、前記交差領域を構成する前記改善候補経路以外の搬送経路のうち、荷物の流量が所定の閾値以上である搬送経路の搬送方向を前記改善方向とし、
前記交差領域において、前記改善方向が複数ある場合には当該交差領域に全方向コンベアを割り当て、前記改善方向が一つである場合には当該交差領域に一方向コンベアを割り当てる付記9に記載の搬送経路設計装置。
(付記12)
前記搬送経路に関する情報は、障害物の位置を示すレイアウト情報、及び、荷物を搬送すべき経路を示す搬送経路情報を含み、
前記荷物の搬送に関する情報は、荷物の搬送要求の履歴を示す搬送要求履歴情報、及び、荷物の実際の移動履歴を示す移動履歴情報を含む付記1に記載の搬送経路設計装置。
(付記13)
コンピュータによって、
複数の搬送経路について、搬送要求量に対して実際の搬送量を改善する基準を満たしている改善対象場所を決定し、
前記改善対象場所を含む搬送経路が交差しているか否かに応じて、搬送経路が交差している場所に割り当てる搬送機器を決定する搬送経路設計方法。
(付記14)
複数の搬送経路について、搬送要求量に対して実際の搬送量を改善する基準を満たしている改善対象場所を決定する決定機能と、
前記改善対象場所を含む搬送経路が交差しているか否かに応じて、搬送経路が交差している場所に割り当てる搬送機器を決定する割当機能と
をコンピュータに機能させる搬送経路設計プログラムが格納された記録媒体。
以上、実施形態及び実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
1 搬送経路設計装置
2 プロセッサ
3 メモリ
4 表示部
5 データベース
10 改善案作成部
11 改善候補経路決定部
12 機器割当部
13 改善案生成部
20 改善案評価部
30 改善案決定部
40 改善案提示部

Claims (13)

  1. 複数の搬送経路について、搬送要求量に対して実際の搬送量を改善する基準を満たしている改善対象場所を決定する決定手段と、
    前記改善対象場所を含む搬送経路が交差しているか否かに応じて、搬送経路が交差している場所に割り当てる搬送機器を決定する割当手段と、
    を備え
    前記割当手段は、前記交差している場所において搬送経路の両方が前記基準を満たしている場合、当該交差している場所に全方向コンベアを割り当てる搬送経路設計装置。
  2. 複数の搬送経路について、搬送要求量に対して実際の搬送量を改善する基準を満たしている改善対象場所を決定する決定手段と、
    前記改善対象場所を含む搬送経路が交差しているか否かに応じて、搬送経路が交差している場所に割り当てる搬送機器を決定する割当手段と、
    を備え、
    前記割当手段は、前記交差している場所において搬送経路のうちの一方の搬送経路が前記基準を満たしていない場合、当該一方の搬送経路に迂回路があるか否かを判定し、前記迂回路がある場合に前記交差している場所に一方向コンベアを割り当て、前記迂回路が無い場合に前記交差している場所に全方向コンベアを割り当てる搬送経路設計装置。
  3. 複数の搬送経路について、搬送要求量に対して実際の搬送量を改善する基準を満たしている改善対象場所を決定する決定手段と、
    前記改善対象場所を含む搬送経路が交差しているか否かに応じて、搬送経路が交差している場所に割り当てる搬送機器を決定する割当手段と、
    を備え、
    前記割当手段は、改善候補経路と、当該改善候補経路と交わる搬送経路上で荷物搬送時に搬送車が占める領域とが交差する交差領域を算出し、前記交差領域に対して前記搬送機器を割り当てる搬送経路設計装置。


  4. 前記決定手段は、搬送経路に関する情報、及び、荷物の搬送に関する情報の少なくとも一方に基づき、前記改善対象場所を含む搬送経路の少なくとも一部分を改善候補経路として決定し、
    前記割当手段は、前記交差している場所に、全方向コンベア又は一方向コンベアを割り当てる機器割当情報を生成し、
    前記機器割当情報に基づいて、搬送機器が割り当てられた改善候補経路の少なくとも一部を抽出した組合せを改善案として生成する改善案生成手段をさらに備える請求項1に記載の搬送経路設計装置。
  5. 搬送機器情報に基づいて各改善案を評価し、評価結果を出力する改善案評価手段と、
    前記評価結果に基づいて、最善の評価結果を与える改善案を最善の改善案として決定する改善案決定手段と、
    前記最善の改善案を提示する提示手段と、
    を備える請求項4に記載の搬送経路設計装置。
  6. 前記改善案評価手段は、各改善案について、前記評価結果として、所定の評価指標による評価指標及び所要コストを算出し、
    前記改善案決定手段は、前記所要コストが許容コスト以下となる改善案のうち、前記評価指標が最大となる改善案を前記最善の改善案と決定する請求項5に記載の搬送経路設計装置。
  7. 前記決定手段は、搬送経路上のある場所の直前における荷物の滞留時間が所定の閾値以上であり、かつ、その場所での搬送時間が所定の閾値以上である場合、その場所を改善対象場所と決定し、改善対象場所を含む搬送経路の少なくとも一部を前記改善候補経路と決定する請求項4に記載の搬送経路設計装置。
  8. コンピュータによって、
    複数の搬送経路について、搬送要求量に対して実際の搬送量を改善する基準を満たしている改善対象場所を決定し、
    前記改善対象場所を含む搬送経路が交差しているか否かに応じて、搬送経路が交差している場所に割り当てる搬送機器を決定し、
    前記交差している場所において搬送経路の両方が前記基準を満たしている場合、当該交差している場所に全方向コンベアを割り当てる搬送経路設計方法。
  9. コンピュータによって、
    複数の搬送経路について、搬送要求量に対して実際の搬送量を改善する基準を満たしている改善対象場所を決定し、
    前記改善対象場所を含む搬送経路が交差しているか否かに応じて、搬送経路が交差している場所に割り当てる搬送機器を決定し、
    前記交差している場所において搬送経路のうちの一方の搬送経路が前記基準を満たしていない場合、当該一方の搬送経路に迂回路があるか否かを判定し、前記迂回路がある場合に前記交差している場所に一方向コンベアを割り当て、前記迂回路が無い場合に前記交差している場所に全方向コンベアを割り当てる搬送経路設計方法。
  10. コンピュータによって、
    複数の搬送経路について、搬送要求量に対して実際の搬送量を改善する基準を満たしている改善対象場所を決定し、
    前記改善対象場所を含む搬送経路が交差しているか否かに応じて、搬送経路が交差している場所に割り当てる搬送機器を決定し、
    改善候補経路と、当該改善候補経路と交わる搬送経路上で荷物搬送時に搬送車が占める領域とが交差する交差領域を算出し、前記交差領域に対して前記搬送機器を割り当てる搬送経路設計方法。
  11. 複数の搬送経路について、搬送要求量に対して実際の搬送量を改善する基準を満たしている改善対象場所を決定し、
    前記改善対象場所を含む搬送経路が交差しているか否かに応じて、搬送経路が交差している場所に割り当てる搬送機器を決定し、
    前記交差している場所において搬送経路の両方が前記基準を満たしている場合、当該交差している場所に全方向コンベアを割り当てる処理をコンピュータに実行させるプログラム。
  12. 複数の搬送経路について、搬送要求量に対して実際の搬送量を改善する基準を満たしている改善対象場所を決定し、
    前記改善対象場所を含む搬送経路が交差しているか否かに応じて、搬送経路が交差している場所に割り当てる搬送機器を決定し、
    前記交差している場所において搬送経路のうちの一方の搬送経路が前記基準を満たしていない場合、当該一方の搬送経路に迂回路があるか否かを判定し、前記迂回路がある場合に前記交差している場所に一方向コンベアを割り当て、前記迂回路が無い場合に前記交差している場所に全方向コンベアを割り当てる処理をコンピュータに実行させるプログラム。
  13. 複数の搬送経路について、搬送要求量に対して実際の搬送量を改善する基準を満たしている改善対象場所を決定し、
    前記改善対象場所を含む搬送経路が交差しているか否かに応じて、搬送経路が交差している場所に割り当てる搬送機器を決定し、
    改善候補経路と、当該改善候補経路と交わる搬送経路上で荷物搬送時に搬送車が占める領域とが交差する交差領域を算出し、前記交差領域に対して前記搬送機器を割り当てる処理をコンピュータに実行させるプログラム。
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