JP2004355147A - 工程設計装置、工程設計方法、工程設計プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】工程編成と工程レイアウトとを関連付けた好適な工程設計案の生成を可能とする。
【解決手段】工程編成案生成手段21は工程編成案を生成し、生成された工程編成案が工程レイアウト案生成手段22に与えられる。工程レイアウト案生成手段22は工程編成案に基づいて工程レイアウト案を生成することで、工程編成案と工程レイアウト案とからなる工程設計案を生成する。工程設計評価手段24は、工程設計案に対する評価を行うとともに、工程設計案が工程設計目標値を満たしていないときには工程編成案と工程レイアウト案との少なくとも一方を更新する。しかも、繰返制御手段25において工程編成案と工程レイアウト案との更新の比率を決めるから、最適な工程設計案を比較的短時間でかつ効率よく生成することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】工程編成案生成手段21は工程編成案を生成し、生成された工程編成案が工程レイアウト案生成手段22に与えられる。工程レイアウト案生成手段22は工程編成案に基づいて工程レイアウト案を生成することで、工程編成案と工程レイアウト案とからなる工程設計案を生成する。工程設計評価手段24は、工程設計案に対する評価を行うとともに、工程設計案が工程設計目標値を満たしていないときには工程編成案と工程レイアウト案との少なくとも一方を更新する。しかも、繰返制御手段25において工程編成案と工程レイアウト案との更新の比率を決めるから、最適な工程設計案を比較的短時間でかつ効率よく生成することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一部の作業ステーションを共用して複数種類の製品を生産する生産工程を対象として生産資源(設備・作業者)の配置と作業の配分とを行う工程設計装置、工程設計方法、工程設計プログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、工場での生産工程における工程編成や工程レイアウトの設計技術が種々提案されている。
【0003】
工程編成の設計技術としては、同一の作業特性を持つ作業、作業者、作業機械を1つの集合としてまとめ、作業順序ごとに工程編成を行うことが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
また、工程レイアウトの設計技術としては、生産状況の変動を考慮して生産工程のレイアウト設計を行うことが提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
【0005】
さらに、工程編成と工程レイアウトとの両者に関する設計技術には、工程編成および工程レイアウトで扱う情報を一元化することが提案されている(たとえば、特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−144802号公報
【特許文献2】
特開2001−236110号公報
【特許文献3】
特開2003−44115号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載の技術は工程編成のみを考慮したものであり、また特許文献2に記載の技術は工程編成が決定された後の工程レイアウトのみを考慮したものになっている。工程編成と工程レイアウトとは密接に関連しているものであるから、工程編成と工程レイアウトとをそれぞれ最適化することができたとしても、工程編成と工程レイアウトとを含む工程設計全体として最適な結果が得られているとは言えない。
【0008】
一方、特許文献3に記載の技術では、情報を一元化することによってプロセスの後戻りを削減し、工程レイアウトの設計結果を用いてシミュレーションにより評価を行っている。しかしながら、工程レイアウトの設計段階において、工程間の関連性の大小に基づいて工程レイアウトを決定しているものであって、搬送時間の増加による生産性の低下などの問題には対応できない。
【0009】
また、工程設計の更新には、工程レイアウトの変更と生産資源の割当の変更との2種類の要因があり、特許文献3の記載では、工程レイアウトの変更と製品の選択と切り替える方法を採用している。ここに、多品種生産では、工程が同じであっても製品別に工程レイアウトを設計し、製品別に異なる加工機を用いることがある。すなわち、生産資源の割当を変更することにより、前工程では製品別ラインになり、後工程は混流ラインになることがある。生産資源の割当と工程レイアウトとの間には密接な関係があるが、特許文献3においてはこの点について何ら考慮されていない。
【0010】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、工程編成と工程レイアウトとを関連付けた好適な工程設計案の生成を可能とし、しかも生産資源の割当と工程レイアウトとを関連付けた工程設計を可能とした工程設計装置、工程設計方法、工程設計プログラムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、工程設計装置であって、部品と工程とに類似性を有する複数種類の製品が各製品ごとにそれぞれ複数の作業ステーションを経由して生産される生産工程について、作業ステーションの少なくとも一部を共用するように工程編成と工程レイアウトとを含む工程設計を行う工程設計装置において、各製品ごとの工程の作業要素情報と生産対象である複数の製品について工程編成を評価するための工程編成評価値と生産対象である複数の製品について工程レイアウトを評価するための工程レイアウト評価値と工程設計を評価するための工程設計目標値とを格納する工程設計条件データ記憶手段と、作業要素情報により工程編成案の初期解を生成する機能と工程編成案を工程編成評価値により評価する機能と工程編成案の一部を修正する機能とを有し工程編成評価値を満たす工程編成案を生成する工程編成案生成手段と、工程編成案生成手段により生成された工程編成案および作業要素情報により工程レイアウト案の初期解を生成する機能と工程レイアウト案を工程レイアウト評価値により評価する機能と工程レイアウト案の一部を修正する機能とを有し工程レイアウト評価値を満たす工程レイアウト案を生成する工程レイアウト案生成手段と、工程編成案生成手段で生成された工程編成案と工程レイアウト案生成手段で生成された工程レイアウト案とからなる工程設計案に対して工程設計評価結果を算出して工程設計目標値と比較する工程設計評価手段と、工程設計評価結果が工程設計目標値を満たさない場合に工程編成案と工程レイアウト案と工程設計案とをそれぞれ評価する指標の少なくとも1つを用いて工程編成案と工程レイアウト案との更新の比率を決定する繰返制御手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、工程編成案の生成結果を用いて工程レイアウト案を生成することで工程設計案を生成し、この工程設計案に対する評価を行うとともに、工程設計案が工程設計目標値を満たしていないときには工程編成案と工程レイアウト案との少なくとも一方を更新することによって適正な工程設計を行うことができる。しかも、工程編成案と工程レイアウト案との更新に比率を決めるから、最適な工程設計案を比較的短時間でかつ効率よく生成することができる。しかも、工程編成案と工程レイアウト案とが関連付けられていることによって、工程編成案を決める生産資源と工程レイアウトとが関連付けられることになる。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記繰返制御手段が、工程設計案を評価する指標の目標値に対する達成率である工程設計目標達成率を算出し、工程設計目標達成率を工程レイアウト案生成手段の更新の比率に用いることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、工程設計目標達成率を工程レイアウト案生成手段から工程設計案の更新の比率に用いており、工程設計案目標達成率が低いときには工程設計案に大きな影響がある工程編成案を更新する比率が高くなり、一方、工程設計案目標達成率が高ければ工程レイアウトの変更のみになって工程設計案の大幅な更新が生じないから、工程設計案の更新を短時間で効率よく行うことが可能になる。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記繰返制御手段が、工程編成案を評価する指標の目標値に対する達成率である工程編成目標達成率と、工程レイアウト案を評価する指標の目標値に対する達成率である工程レイアウト目標達成率とをそれぞれ算出し、工程編成目標達成率と工程レイアウト目標達成率とのうち工程編成目標達成率が大きいときには工程レイアウト目標達成率を工程編成案生成手段による工程設計案の更新の比率に用い、工程編成目標達成率と工程レイアウト目標達成率とのうち工程レイアウト目標達成率が大きいときには工程編成目標達成率を工程レイアウト案生成手段による工程設計案の更新の比率に用いることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、工程編成目標達成率と工程レイアウト目標達成率との大小関係に応じて工程編成案と工程レイアウト案とのどちらを更新する比率を高くするかを設定しており、工程編成目標達成率と工程レイアウト目標達成率とのうち小さいほうが更新されやすくなるから、目標達成率の低いほうが選択されやすくなり、工程設計案の更新を短時間で効率よく行うことができる。
【0017】
請求項4の発明は、請求項2または請求項3の発明において、前記繰返制御手段が、工程編成案を評価する指標の目標値に対する達成率である工程編成目標達成率と、工程レイアウト案を評価する指標の目標値に対する達成率である工程レイアウト目標達成率とについて、それぞれ今回値と前回値とを算出し、工程編成目標達成率の今回値を工程レイアウト案生成手段において工程レイアウト案の初期解を生成しなおす比率とし、残りの比率は、工程編成目標達成率の今回値が前回値以上であるときには工程レイアウト案の一部を修正し、工程レイアウト目標達成率の今回値が前回値より大きいときには工程編成案の一部を修正し、工程レイアウト目標達成率の今回値が前回値以下であるときには工程編成案の初期解を生成しなおすように場合分けすることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、工程編成目標達成率と工程レイアウト目標達成率との前回時と今回時とを用いることによって、工程編成案に改善の余地があれば工程編成案を更新し、工程編成案に改善の余地がなければ工程レイアウト案を更新することで、工程編成案を更新する過程で局所解に陥ることを防止して効率よく短時間で好適な工程設計案を得ることができる。
【0019】
請求項5の発明は、請求項2または請求項3の発明において、前記繰返制御手段は、工程編成案を評価する指標の目標値に対する達成率である工程編成目標達成率と、工程レイアウト案を評価する指標の目標値に対する達成率である工程レイアウト目標達成率とについて、それぞれ今回値と前回値とを算出し、工程レイアウト目標達成率の今回値を工程編成案生成手段において工程レイアウト案の初期解を生成しなおす比率とし、残りの比率は、工程編成目標達成率の今回値が前回値以上であるときには工程編成案の一部を修正し、工程レイアウト目標達成率の今回値が前回値より大きいときには工程レイアウト案の一部を修正し、工程レイアウト目標達成率の今回値が前回値以下であるときには工程レイアウト案の初期解を生成しなおすように場合分けすることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、工程編成目標達成率と工程レイアウト目標達成率との前回時と今回時とを用いることによって、工程レイアウト案に改善の余地があれば工程レイアウト案を更新し、工程レイアウト案に改善の余地がなければ工程編成案を更新することで、工程レイアウト案を更新する過程で局所解に陥ることを防止して効率よく短時間で好適な工程設計案を得ることができる。
【0021】
請求項6の発明は、請求項1の発明において、前記繰返制御手段が、複数の項目をパラメータに用いて工程設計案を評価する指標を算出し、工程設計評価結果が工程設計目標値を満たさない場合に項目中から最大の悪化要因を抽出し、工程編成案と工程レイアウト案とのうち最大悪化要因に占める影響の大きいほうから工程設計案の更新が行われるように比率を設定していることを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、工程設計案から悪化要因を抽出することにより、工程編成案と工程レイアウト案とのどちらを集中的に更新すべきかを判断することができ、工程設計の悪化要因を含む工程編成または工程レイアウトを主として更新することになるから、好適な工程設計案を短時間で設計することができる。
【0023】
請求項7の発明は、請求項1の発明は、前記繰返制御手段が、工程設計案に含まれる複数の作業ステーションについて、処理時間が最大になる作業ステーションを抽出し、当該作業ステーションの処理時間について分析し、工程レイアウト案に対する処理時間の合計が全処理時間に占める割合を工程設計案の更新を工程レイアウト案から行う比率に用いることを特徴とする。
【0024】
この構成によれば、作業ステーションの処理時間を考慮しているから、処理時間が長くなると生産に大きな影響を与えるような生産工程において工程設計案の最大悪化要因が処理時間である場合に好適な工程設計案を比較的短時間で設計することができる。つまり、作業ステーション間の処理時間の不均衡によって生じる待ち時間については工程編成が原因であり、搬送時間そのものは工程レイアウトが原因であるというように作業内訳から判断することで、処理時間のバランスを向上させ、かつ搬送時間の短い工程設計が可能になる。
【0025】
請求項8の発明は、請求項1の発明において、前記繰返制御手段が、生産リードタイムのうち目標値を超過する時間が最大になる製品を抽出し、工程レイアウトによって決まる負荷が生産リードタイムに占める割合を工程設計案の更新を工程レイアウト案から行う比率に用いることを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、生産リードタイムを考慮しているから、生産リードタイムが長くなると生産に大きな影響を与えるような生産工程において工程設計案の最大悪化要因が生産リードタイムである場合に好適な工程設計案を比較的短時間で設計することができる。たとえば、製品の重要度に従って、重要度の大きい製品を重視した工程レイアウト案を生成することができる。
【0027】
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項8の発明において、前記繰返制御手段が、作業ステーション間の搬送経路の搬送混雑度が規定値以上であるときに、工程レイアウト案を更新することを特徴とする。
【0028】
この構成によれば、搬送混雑度を考慮することによって、搬送経路を単純化した設計が可能になり、搬送時間の短縮につながるとともに、作業ステーション間でのワークの流れを管理しやすくなる。つまり、搬送経路の搬送混雑度を評価指標に加えることで、待ち時間を考慮した工程レイアウト案を生成することが可能になる。
【0029】
請求項10の発明は、請求項1ないし請求項9の発明において、前記繰返制御手段が、工程設計案が工程設計目標値を満たす場合に、生産シミュレーションを行った結果に基づいて工程設計評価データを更新することを特徴とする。
【0030】
この構成によれば、たとえば、得られた工程設計案から生成した生産工程について実際の生産計画データを用いて時間単位の詳細な生産シミュレーションを行い、時間単位での各工程設計評価データを求め、これらを統合して日単位の評価データを算出して工程評価データを更新することで工程設計案を高い精度で評価することができる。
【0031】
請求項11の発明は、部品と工程とに類似性を有する複数種類の製品が各製品ごとにそれぞれ複数の作業ステーションを経由して生産される生産工程について、作業ステーションの少なくとも一部を共用するように工程編成と工程レイアウトとを含む工程設計を行う工程設計方法において、各製品ごとの工程の作業要素情報と生産対象である複数の製品について工程編成を評価するための工程編成評価値と生産対象である複数の製品について工程レイアウトを評価するための工程レイアウト評価値と工程設計を評価するための工程設計目標値とを工程設計条件データ記憶手段に格納し、作業要素情報により工程編成案の初期解を生成する機能と工程編成案を工程編成評価値により評価する機能と工程編成案の一部を修正する機能とを有する工程編成案生成手段により工程編成評価値を満たす工程編成案を生成した後、工程編成案生成手段により生成された工程編成案および作業要素情報により工程レイアウト案の初期解を生成する機能と工程レイアウト案を工程レイアウト評価値により評価する機能と工程レイアウト案の一部を修正する機能とを有する工程レイアウト案生成手段により工程レイアウト評価値を満たす工程レイアウト案を生成し、次に、工程編成案生成手段で生成された工程編成案と工程レイアウト案生成手段で生成された工程レイアウト案とからなる工程設計案に対して工程設計評価結果を算出して工程設計目標値と比較し、工程設計評価結果が工程設計目標値を満たさない場合に工程編成案と工程レイアウト案と工程設計案とをそれぞれ評価する指標の少なくとも1つを用いて工程編成案と工程レイアウト案と工程設計案との更新の比率を決定することを特徴とする。
【0032】
この方法によれば、工程編成案の生成結果を用いて工程レイアウト案を生成することで工程設計案を生成し、この工程設計案に対する評価を行うとともに、工程設計案が工程設計目標値を満たしていないときには工程編成案と工程レイアウト案との少なくとも一方を更新することによって適正な工程設計を行うことができる。しかも、工程編成案と工程レイアウト案との更新の比率を決めるから、最適な工程設計案を比較的短時間でかつ効率よく生成することができる。
【0033】
請求項12の発明は、工程設計プログラムであって、請求項11に記載の工程設計方法をコンピュータとともに実現することを特徴とする。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明は、複数種類の製品がそれぞれ複数の作業ステーションを経由して生産される生産工程を前提としている。ここに「作業ステーション」は、作業者が作業を行う場所であって、各作業ステーションは一定の面積を持ち、必要に応じて設備が配置される。また、各製品は、一部の部品が共通化され工程にも類似性があるものとする。この種の製品としては、たとえば同種製品であって品番が異なる製品などがある。したがって、以下の説明では製品の相違は品番の相違とし、2種類の品番α,βの製品を生産する場合を例として説明する。この種の製品を生産する工程では少なくとも一部の作業ステーションが共用できるように工程設計を行うことで、生産資源を有効利用することが可能である。各品番α,βの製品の生産は日単位で切り替える場合と時間単位で切り替える場合とがあるが、以下の説明では基本的には日単位での切替を想定する。
【0035】
品番αの製品は図3にアローダイヤグラムとして示す工程で生産され、品番βの製品は図4にアローダイヤグラムとして示す工程で生産されるものとする。図3および図4においてアルファベットを丸で囲んだ部分はそれぞれ作業要素を示し、作業要素を結ぶ矢印は作業の流れの向きを示している。品番α,βである製品のそれぞれの各作業要素は、〔作業要素、作業時間、先行作業、作業者数、必要設備、工程分類〕をパラメータとして定義される。「工程分類名」は工程の種類を示す名称である。本実施形態では、各品番α,βについて、作業要素のパラメータがそれぞれ表1,2のように設定されているものとする。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
本実施形態は、図2に示す手順で工程設計を行うものであって、コンピュータを用いて図2に示す手順のプログラムを実行することにより実現される。図2に示す手順を機能ごとに分割して示すと、図1に示す構成として表すことができる。図1に示す工程設計装置は、コンピュータにおけるキーボードやマウスからなる入力手段11およびディスプレイ装置からなる出力手段12を備える入出力部1と、図2に示す手順の処理を実行する演算処理部2とにより構成される。したがって、まず図2に示す手順について説明する。
【0039】
使用者が工程設計を実行するに際しては、まず表1および表2に示した各品番α,βの製品ごとの工程(作業要素情報)を入力手段11によって入力する(S1)。つまり、図3および図4に示す情報を入力したことになる。入力された作業要素情報は、工程設計条件データ記憶手段21に格納される(S2)。
【0040】
また、工程設計のために必要な情報として、各設備a〜cに関する〔設備、台数、可能作業、サイズ〕からなる設備情報と、各作業者に関する〔作業者、可能作業〕からなる作業者情報と、各品番α,βの製品を生産する際の〔操業時間、生産数、作業ステーション数〕からなる生産情報、工程編成を評価するための〔編成効率、作業者数、設備数〕からなる工程編成目標値も入力手段11から入力され工程設計条件データ記憶手段21に格納される。なお、「可能作業」は「作業要素名」に対応し、「サイズ」は設備を設置するのに必要な寸法を意味する。また、「編成効率」は作業ステーションの作業負荷均等率、「作業者数」は作業ステーションに配置される作業者の合計数、「設備数」は作業ステーションに配置される設備の合計数を意味する。設備情報、作業者情報、生産情報、工程編成目標値の一例を表3〜6にそれぞれ示す。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】
さらに、工程設計に必要な情報として、作業ステーションの場所の広さを示す情報としての〔作業ステーション、フロア、通路〕からなるレイアウトフロア情報、工程のレイアウトを評価するための〔使用面積、近接性、搬送距離〕からなる工程レイアウト評価値も入力手段11から入力され、工程設計条件データ記憶手段21に格納される。「使用面積」は作業ステーションを設ける面積の合計、「近接性値」は作業の連続性や工程・環境などを考慮して決められる各作業ステーション間の近接性の評価値の合計、「搬送距離」は作業ステーションの間でワークが移動する道程の合計を意味する。近接性値は大きいほうがよく、搬送距離は短いほうがよい。レイアウトフロア情報および工程レイアウト評価値の一例を表7、表8にそれぞれ示す
【0046】
【表7】
【0047】
【表8】
【0048】
上述した各種情報(つまり、工程設計条件データ)が工程設計条件データとして工程設計条件データ記憶手段21に格納された状態では、図5に示す画面が出力手段12に表示される。この画面の左側には、メニュー領域D1が設けられ、メニュー領域D1内には、工程編成およびレイアウト計算を開始させる「計算実行」釦B1、レイアウトの結果を保存して処理を終了させる「終了」釦B2、工程設計を行う品番を選択するための「品番選択」釦B3が設けられる。「品番選択」釦B3は工程設計条件データ記憶手段21に情報が格納されている品番から所望の品番を選択するために設けられ、工程設計条件データ記憶手段21に格納されたすべての品番が「品番選択」釦B3の操作によってプルダウンメニューとして表示される選択肢から選択可能になっている。なお、「品番選択」釦B3では、組合せを行わない「なし」と、すべての品番を選択する「全品番」との選択も可能である。換言すれば、「品番選択」釦B3の操作によって、工程設計条件データ記憶手段21から所要のデータを読み出すことになる(S3)。
【0049】
図5に示す画面の右部には、操業時間を入力するフィールドF1、必要に応じてメッセージが表示されるフィールドF2も表示される。さらに、画面の中央部には工程設計案を表示する表示領域D2が設けられ、画面の下部には工程設計の評価値を表示する表示領域D3が設けられる。表示領域D2はフロアの形状に合わせて設定され、表示領域D2の中に作業ステーションの配置が示される。
【0050】
使用者が図5に示す画面において、「品番選択」釦B3を用いて組み合わせる品番を選択し、「計算実行」釦B1の操作(マウスを用いる場合は、カーソルを合わせてクリックする操作に相当)によって、工程編成案生成手段22が起動される。工程編成案生成手段22は、まず工程設計条件データ記憶手段21から読み込んだデータにより工程編成案の初期解を生成する(S4)。
【0051】
ところで、本発明は、工程編成と工程レイアウトとを考慮し、両者がともに設計目標を達成するような工程設計を行うことを目的にしている。そこで、まず工程編成案生成手段22(図2のS4〜S6に相当)を用いて、設計目標に相当する評価基準の範囲内になるような工程編成案を作成し、その後、この工程編成案に対して、工程レイアウト案生成手段23(図2のS7〜S9に相当)を用いて、設計目標に相当する評価基準の範囲内になるような工程レイアウト案を作成するという2段階の処理で工程設計を行っている。ただし、工程編成案生成手段22により生成した工程編成案に対して設計目標を満たすような工程レイアウト案を生成することが出来ない場合には、別の工程編成案が生成され、その工程編成案に対して工程レイアウト案を生成するという処理が繰り返される。
【0052】
この処理についてさらに詳しく説明する。上述のように、工程設計の開始が指示され工程編成の初期解(初期工程編成案)が生成される(S4)。工程編成案は、たとえば表9のように〔品番、作業要素、作業時間、必要設備、作業ステーション(WS)、工程分類、作業数、負荷〕の組からなる。「作業数」は各品番の生産数であって、表5に示した情報から得られ、「負荷」は「作業時間」と「作業数」との積であって、生産数分の作業時間を表す。また、「作業ステーション」は「作業要素」と「必要設備」と「工程分類」との情報を用いて、作業要素を分類することによって決定される。他の情報は表1および表2に示した工程設計条件データから得られる。つまり、工程編成案生成手段22は、工程を組み合わせる品番に関して、工程設計条件データに基づいて負荷を求め、さらに各作業要素を作業ステーションに分割する処理を行う。
【0053】
【表9】
【0054】
工程編成案が得られると、当該工程編成案が工程編成に関する評価基準を達成しているか否かが判定される(S6)。つまり、表6に示した工程編成評価値を評価基準とし、この評価基準が満たされているか否かが判定される。負荷については、作業ステーション別に累計され、図6に示すように、各作業ステーション別の負荷の累計値が求められる。
【0055】
一方、ステップS6において工程編成案が評価基準を達成していないときには、工程編成案の一部を修正し(S5)、修正後の工程編成案について評価基準を満たしているか否かが再度判定される(S6)。このような処理を繰り返すことによって、評価基準を満たす工程編成案が生成されると、工程レイアウト案生成手段23において、工程レイアウト案の生成がなされる。工程編成案の修正には遺伝的アルゴリズムあるいはシミュレーテッドアニーリング法のような数理的最適化手法を採用する。
【0056】
すなわち、工程編成案生成手段22において生成された工程編成案を満たすように工程レイアウト案を生成するのであって、まず初期解(初期工程レイアウト案)が生成される(S7)。工程レイアウト案は、たとえば図7のように、工程編成案で示された作業ステーションWS2,WS5,WS8,WS9の配置と搬送の向きとを示す図として生成され、さらに、この工程レイアウト案に対して工程設計評価結果が算出される。工程設計評価結果は、〔編成効率、作業者数、使用設備、近接性、搬送距離、使用面積、処理時間、設定時間超、搬送時間、αリードタイム、βリードタイム、搬送混雑度〕の各項目を含む。ここに、「処理時間」は作業ステーションにおける作業時間であり、「設定時間超」は各作業ステーションにおける処理時間が設定時間(操業時間など)を超える場合に超過分の時間の総和であり、「αリードタイム」「βリードタイム」はそれぞれ品番α,βに関する生産リードタイムであり、「搬送混雑度」は搬送経路数であり、搬送経路の逆行や交差などにより予定時間内で搬送できない場合についても考慮して決定される値である。なお、図7における工程設計評価結果の欄において括弧内は工程設計評価結果と比較すべき工程設計目標値を示している。また、図7に示す工程レイアウト案が生成されると、図8に示すように、作業時間(斜線部)と搬送時間(非斜線部)とを積み重ねた形の累計値が作業ステーションごとに求められる。
【0057】
工程設計評価結果が得られると、表8に示した工程レイアウト評価値を用いて、当該工程レイアウト案が工程レイアウトに関する評価基準を達成しているか否かが判定される(S9)。つまり、表8に示した工程レイアウト評価値を評価基準とし、この評価基準が満たされているか否かが判定される。
【0058】
ステップS9において工程レイアウト案が評価基準を達成していないときには、工程レイアウト案の一部を修正し(S8)、修正後の工程レイアウト案について評価基準を満たしているか否かが再度判定される(S9)。工程レイアウト案の修正には工程編成案の修正と同様に遺伝的アルゴリズムあるいはシミュレーテッドアニーリング法のような数理的最適化手法を採用する。ステップS9においては、評価基準を達成する工程レイアウト案を作成可能か否かも判定され、工程レイアウト案を作成することができない工程編成案に対しては、工程編成案の作り直しを要求する(S9→S4)。この場合、工程編成の初期解を再度生成し、ステップS4からの処理をやり直すことになる。
【0059】
上述した処理を繰り返すことによって、評価基準を満たす工程レイアウト案が生成される。工程レイアウト案の生成毎に、工程設計評価手段24では図7のような工程設計評価結果が算出されており(S10)、工程設計評価結果にはそれぞれ工程設計目標値が設定されているから、工程設計目標値を評価基準として工程設計評価結果と比較する(S11)。工程設計評価結果が評価基準を満たさない場合には、繰返制御手段25において、後述する処理によって以下の4つの選択肢のいずれかを選択することにより(S12)、工程編成案作成手段22に工程編成案を再度作成させるか、もしくは工程レイアウト作成手段23に工程レイアウト案を再度作成させる。繰返制御手段25における選択肢である繰返先は、工程編成作成手段22と工程レイアウト作成手段23との2種類であって、さらに工程編成作成手段22と工程レイアウト作成手段23とにおいて、それぞれ新規に作成する場合と一部を修正する場合との2種類が選択可能になっている。要するに、図2におけるステップS12からは、ステップS4、ステップS5、ステップS7、ステップS8への4種類の選択肢が選択可能になる。4種類の選択肢のうちのどれを選択するかは、後述する繰返制御手段25において求める比率によって確率的に決定する。
【0060】
工程設計評価結果が評価基準(工程設計目標値)を満足する場合には(S11)、その工程設計案(工程編成案および工程レイアウト案)を有効とし、この工程設計案が出力手段12に出力される(S13)。表9に示した初期解から得られた工程編成案の一例を表10に示す。また、表10に対応する作業負荷を図9に示し、工程レイアウト案を図10に示し、作業ステーションの負荷を図11に示す。
【0061】
【表10】
【0062】
表10と表9との相違点は、下から5段目の作業ステーションの割当をWS2からWS5に変更している点であって、図6と図9とを比較すればわかるように、このような工程編成の修正によって作業ステーションの負荷が均等化されることになる。また、図7と図10とを比較するとわかるように、当然のことであるが、工程設計評価結果は括弧内に示す工程設計目標値を達成している。
【0063】
出力手段12には、図12に示す画面として表示される。画面上ではフロアにおける各作業ステーション(番号を伏した四角の領域)の配置が示される。また、各作業ステーションの領域においてダブルクリックを行うと、各作業ステーションの内容の詳細が示される。また、図12に示す画面において「品番選択」釦B3を操作すると、図13に示すように、「品番選択」釦B3により選択した所望の単一の品番に対応する工程が表示領域D2に表示される。
【0064】
以下では、繰返制御手段25の処理について具体的に説明する。繰返制御手段25について説明する前に、以下の説明において用いる評価指標について説明する。工程編成案と工程レイアウト案と工程設計案とをそれぞれ評価する指標を、以下のように定義する。
(1)工程編成評価指標KH
KH=W1×編成効率+W2×設備数+W3×作業者数
(2)工程レイアウト評価指標LH
LH=W4×使用面積+W5×搬送距離+W6×近接性値
(3)工程設計評価指標SH
SH=W7×処理時間+W8×設定時間超+W9×搬送混雑度+W10×搬送時間+W11×リードタイム+W12×KH+W13×LH
上述した各指標において、Wi(i=1〜14)は重み係数であって、各指標の算出に用いているパラメータの意味をあらためて確認しておくと、以下のようになる。
作業ステーション:作業者が作業を行う場所であり、各作業ステーションは一定の面積を持ち、設備も配置される。
編成効率:作業ステーションの作業負荷均等率
設備数:作業ステーションに配置された設備の合計数
作業者数:作業ステーションに配置された作業者の合計数
使用面積:フロアに対する作業ステーションの占有面積の合計
搬送距離:作業ステーション間においてワークが移動する道程の合計
近接性値:作業の連続性や工程・環境などを考慮して決定する作業ステーション間の近接性の評価値の合計値(近接性が高いほど大きくなる)
処理時間:作業時間と搬送時間の和であって各作業ステーションに必要な処理時間
設定時間超:各作業ステーションにおける処理時間が設定時間(操業時間など)を超過する場合に超過分の時間の総和
搬送混雑度:搬送経路数であって、搬送経路の逆行・交差などにより予定時間内で搬送できない場合も考慮して決定される値
リードタイム:各品番の生産リードタイムの総和
上述した各評価指標のほか、以下の値を目標値の達成率として用いる。
(1)工程編成目標達成率KT
KT=KH/(KHの目標値)
(2)工程レイアウト目標値達成率LT
LT=LH/(LHの目標値)
(3)工程設計目標達成率ST
ST=SH/(SHの目標値)
以上の準備の上で、繰返制御手段25の動作について説明する。繰返制御手段25では、以下に説明するいずれかの演算によって、工程編成案と工程レイアウト案とを各繰返先として選択する比率を決定する。
【0065】
(A)工程設計目標達成率STを用いる場合:工程編成案を更新する比率を(1−ST)とし、工程レイアウト案を更新する比率をSTとする。この場合、工程設計目標達成率STの値が目標値に近いほど(大きいほど)工程レイアウト案を更新する比率が高くなり、目標値から遠いほど工程編成案を更新する比率が高くなる。
【0066】
たとえば、図2のステップS10において得られた工程設計案について求めた工程設計目標達成率STが0.8であるとすれば、工程編成案を更新する比率を0.2とし、工程レイアウト案を更新する比率を0.8とする。ここに、工程設計目標達成率STが1以上であるときには目標値が達成されているから処理を終了する。
【0067】
(B)工程編成目標達成率KTおよび工程レイアウト目標値達成率LTを用いる場合:KT≧LTならば、工程編成案を更新する比率をLTとし、工程レイアウト案を更新する比率を(1−LT)とする。また、KT<LTならば、工程編成案を更新する比率を(1−KT)とし、工程レイアウト案を更新する比率をKTとする。この場合、工程編成目標達成率KTと工程レイアウト目標値達成率LTとのうち小さいほうが更新されやすくなる。
【0068】
たとえば、図2のステップS10において得られた工程設計案について求めた工程編成目標達成率KTが0.85、工程レイアウト目標値達成率LTが0.6であるとすれば、KT>LTであるから、工程編成案を更新する比率が0.4(=LT)、工程レイアウト案を更新する比率が0.6(=1−LT)になる。なお、工程編成目標達成率KTと工程レイアウト目標値達成率LTとはいずれも1以上であるときには1とする。
【0069】
(C)工程編成目標達成率KT(i)および工程レイアウト目標値達成率LT(j)の今回値と前回値とを用いる場合:工程編成目標達成率の現在値KT(n)と前回値KT(n−1)および工程レイアウト目標値達成率の現在値LT(m)と前回値LT(m−1)を用いる。この場合、4個の選択肢のすべてに関する比率を決定できる。
【0070】
繰返制御手段25において(A)(B)の技術を用いて工程編成案を更新するように第1段階で判断されたときに、工程編成案における改善の余地の有無があるか否かを判定し、工程編成案に改善の余地があると判断した場合には工程編成案を更新し、改善の余地がなければ工程レイアウト案を更新するように比率を決定する。つまり、工程レイアウト案の初期解を生成しなおす比率をKT(n)とし、他の3個の選択肢に分岐する比率を(1−KT(n))とする。ただし、KT(n)≧KT(n−1)ならば、工程レイアウト案の一部を修正し、LT(m)>LT(m−1)ならば、工程編成案の一部を修正し、LT(m)≦LT(m−1)ならば、工程編成案の初期解を生成しなおすように場合分けを行う。
【0071】
たとえば、工程編成目標達成率の今回値および前回値であるKT(n),KT(n−1)がそれぞれ0.85、0.7であり、工程レイアウト目標値達成率の今回値および前回値であるLT(m),LT(m−1)がそれぞれ0.6、0.55であるとすれば、工程レイアウト案の初期解を生成しなおす比率は0.85になり、他の3個の選択肢を選択する比率は0.15になる。
【0072】
同様にして、繰返制御手段25において(A)(B)の技術を用いて工程レイアウト案を更新するように第1段階で判断されたときには、工程レイアウト案における改善の余地の有無があるか否かを判定し、工程編成案に改善の余地があると判断した場合には工程レイアウトを更新し、改善の余地がなければ工程編成案を更新するように比率を決定する。つまり、工程編成案の初期解を生成しなおす比率をLT(m)とし、他の3個の選択肢に分岐する比率を(1−LT(m))とする。ただし、KT(n)<KT(n−1)ならば、工程編成案の一部を修正し、LT(m)>LT(m−1)ならば、工程レイアウトの一部を修正し、LT(m)≦LT(m−1)ならば、工程レイアウトの初期解を生成しなおすように場合分けを行う。
【0073】
たとえば、工程編成目標達成率の今回値および前回値であるKT(n)KT、(n−1)がそれぞれ0.85、0.7であり、工程レイアウト目標値達成率の今回値および前回値であるLT(m)、LT(m−1)がそれぞれ0.6、0.55であるとすれば、工程レイアウト案の初期解を生成しなおす比率は0.6になり、他の2個の選択肢を選択する比率は0.4になる。このような4分岐の処理によって、局所解に陥ることが防止される。
【0074】
(D)工程設計評価指標の中で工程設計目標値を満たさない最大悪化要因データを用いる場合:
(D−1)工程設計評価指標の各項目において、工程設計目標値に達しない項目があるときに、達成率が最小である項目を最大悪化要因とみなし、最大悪化要因に対応する部分が更新される比率を高く設定する。
【0075】
たとえば、工程設計評価指標の重み係数がすべて同じであるものとし、工程設計案が得られた時点での工程レイアウト評価指標LHの達成率が81%であって、最大悪化要因は近接性、2番目の悪化要因は搬送距離であるものとする。ここに、悪化要因に対する更新の比率をあらかじめ0.8と決めているものとする。本例では悪化要素が工程レイアウトに関わるから、工程レイアウト案を更新する比率を0.8、工程編成案を更新する比率を0.2などと設定する。
【0076】
(D−2)工程設計評価指標の各項目において、設定時間超の項目に着目し、設定時間超に対する工程編成案および工程レイアウト案の影響する割合を求め、割合の高いほうの更新される比率を高く設定する。
【0077】
たとえば、工程設計案が得られた時点で、工程設計評価データSTが0.8、重み係数の違いで最大悪化要因が設定時間超であって385であるものとする。この場合、設定時間超が最大の作業ステーション2について分析し、工程編成案に対する負荷が2335、工程レイアウト案に対する負荷が400になったとすると、2335/2735=0.85という演算を行い、工程編成案を更新する比率として0.85を採用し、工程レイアウトを更新する比率として0.15を採用する。
【0078】
(D−3)工程設計評価指標の各項目において、処理時間(作業ステーションの処理時間)の項目に着目し、処理時間に対する工程編成および工程レイアウトの影響する割合を求め、割合の高い方の更新される比率を高くする。
【0079】
たとえば、工程設計案が得られた時点で、工程設計評価データSTが0.8、重み係数の違いで最大悪化要因が処理時間であって2735であるものとする。この場合、処理時間について分析し、工程編成案に対する負荷の合計が8285、工程レイアウト案に対する負荷の合計が1600になったとすると、8285/9885=0.84という演算を行い、工程編成案を更新する比率として0.84を採用し、工程レイアウト案を更新する比率として0.16を採用する。
【0080】
(D−4)工程設計評価指標の各項目において、リードタイムの項目に着目し、リードタイムに対する工程編成および工程レイアウトの影響する割合を求め、割合の高い方の更新される比率を高くする。
【0081】
たとえば、工程設計案が得られた時点で、工程設計目標達成率STが0.8、緊急度による重み係数の違いで最大悪化要因が品番βの生産リードタイムであるものとする。つまり、生産リードタイムのうち目標値を超える時間、または生産リードタイムのうち目標値を超える部分に緊急度による重み係数を乗じた時間が最大になる品番を最大悪化要因とする。
【0082】
ここで、品番βの生産リードタイムを決定する作業ステーションを抽出し、その作業ステーションの工程編成によって決まる作業負荷の合計が2085、工程レイアウトによって決まる搬送負荷の合計が200になったとすると、2085/2285=0.91という演算を行い、工程編成案を更新する比率として0.91を採用し、工程レイアウト案を更新する比率として0.09を採用する。
【0083】
(D−5)工程設計評価指標の各項目において、(D−4)と同様に、リードタイムの項目に着目し、リードタイムに対する工程編成および工程レイアウトの影響する割合を求め、割合の高い方の更新される比率を高くする。ただし、工程レイアウトに対するリードタイムに各作業ステーションにおける中間製品の在庫の滞留時間と作業ステーション間の中間製品の搬送時間を含める。このようにリードタイムに搬送時間を含めることによって、大物製品のように搬送に時間がかかる場合に、搬送時間も考慮することで適切な工程設計が可能になる。
【0084】
たとえば、工程設計案が得られた時点で、工程設計目標達成率STが0.8、緊急度による重み係数の違いで最大悪化要因が品番βの生産リードタイムであるものとする。つまり、生産リードタイムのうち目標値を超える時間、または生産リードタイムのうち目標値を超える部分に緊急度による重み係数を乗じた時間が最大になる品番を最大悪化要因とする。
【0085】
ここで、品番βの生産リードタイムを決定する作業ステーションを抽出し、その作業ステーションの工程編成によって決まる作業負荷の合計が2085、工程レイアウトによって決まる搬送負荷の合計が250になったとする。この搬送負荷は、本来の搬送負荷である200に滞留負荷である50を加算して得られる。これらの数値を用いて(D−4)と同様に、2085/2335=0.89という演算を行い、工程編成案を更新する比率として0.89を採用し、工程レイアウト案を更新する比率として0.11を採用する。
【0086】
要するに(D−4)との相違は、リードタイムに、少なくとも各作業ステーションにおける仕掛かりの滞留時間と作業ステーション間の搬送時間とを含む点であって、作業時間を搬送時間と前後の作業ステーションのタクト差から求まる待ち時間の合計をリードタイムとすることで、工程編成により変化するリードタイムを考慮して工程設計を正確に行うことができる。
【0087】
(E)作業ステーション間の搬送混雑度を用いる場合:
(E−1)工程レイアウトにおける搬送経路の数を搬送混雑度とし、搬送混雑度が規定値より大きければ工程レイアウトの悪化要因として評価に含める。つまり、搬送混雑度が規定値よりも大きいときには工程レイアウト案生成手段23によって工程レイアウト案を更新する。
【0088】
搬送混雑度を評価するために、まず、搬送混雑度を調べる場所としてのチェックポイントPiを指定する。図15に示す例では、WS2、WS5、WS8、WS9の4個の作業ステーションがあり、a部がチェックポイントPiになる。チェックポイントPiは図示例では1個であるが、複数個設けることもできる。また、搬送混雑度の許容量(搬送許容量)を1とし、搬送混雑度は実際の搬送経路数から搬送許容量を減算した数とする。図15に示す例では、a部において搬送路が3本であるから搬送混雑度は2になる。
【0089】
図14に示すように、チェックポイントPiを指定すると(S2)、チェックポイントPiにおいて、搬送経路数から搬送許容量を減算することにより搬送混雑度を求める(S3)。チェックポイントPiを複数個設けている場合には、各チェックポイントPiの搬送混雑度を加算する(S4)。ステップS1,S6はチェックポイントPiを数えるためのカウンタであり、カウンタを用いることによりすべてのチェックポイントPiについて搬送混雑度を求めたか否かが判定される(S5)。
【0090】
上述のようにして、搬送混雑度を新たな指標として加え、搬送混雑度を0にするように工程設計案を生成することによって、混雑の少ない(搬送時間の短い)工程を設計することができる。上述のようにチェックポイントは複数設けることができ、搬送経路上だけでなく、各作業ステーションの搬入口や搬出口をチェックポイントとしてもよい。搬送混雑度は搬送経路数を用いて求める以外に、チェックポイントにおける総搬送量として総搬送距離を用いることも可能である。
【0091】
(E−2)繰返制御手段25において工程編成案の更新を選択するか工程レイアウト案の更新を選択するかについて、搬送混雑度を用いる場合に、工程レイアウトにおける搬送経路の逆流箇所の個数を搬送混雑度に含め、搬送混雑度が高ければ、工程レイアウトの悪化要因として評価に含めることもできる。
【0092】
搬送混雑度を評価するために、まず、搬送混雑度を調べる場所としてのチェックポイントPiを指定する。図17に示す例では、WS2、WS5、WS8、WS9の4個の作業ステーションがあり、a部がチェックポイントPiになる。チェックポイントPiは隣接する各一対の作業ステーション間で搬送経路が重複している部位に設定される。図示例では逆流する搬送経路はa部で示す1箇所だけになっている。つまり、搬送混雑度は1になる。言い換えると、工程レイアウト案に含まれる各作業ステーション間の搬送方向を用い、各搬送経路のうち搬送の向きが逆向きになる部分が存在する場合に、その部分の搬送距離だけ搬送混雑度を大きく算定することになる。その結果、搬送混雑度を低減するように工程レイアウト案を更新すれば、工程レイアウト案において搬送方向が互いに逆向きになる部分を除去し、ワークの流れを単純化することができる。
【0093】
基本的な処理手順は(E−1)と同様であって、図18に示すように、チェックポイントPiを指定すると(S2)、チェックポイントPiにおいて、逆流している搬送経路の数を抽出する(S3)。チェックポイントPiを複数個設けている場合には、各チェックポイントPiの搬送混雑度を加算する(S4)。ステップS1,S6はチェックポイントPiを数えるためのカウンタであり、カウンタを用いることによりすべてのチェックポイントPiについて搬送混雑度を求めたか否かが判定される(S5)。このようにして得られる搬送混雑度を新たな指標として加え、搬送混雑度を0にするように工程設計案を生成することによって、ワークが逆向きに搬送されることがなく管理の容易な工程を設計することができる。
【0094】
(E−3)繰返制御手段25において工程編成案の更新を選択するか工程レイアウト案の更新を選択するかについて、搬送混雑度を用いる場合に、工程レイアウトにおける搬送経路の交差数を搬送混雑度に含め、搬送混雑度が高ければ、工程レイアウトの悪化要因として評価に含めることもできる。
【0095】
搬送混雑度を評価するために、まず、搬送混雑度を調べる場所としてのチェックポイントPiを指定する。図19に示す例では、WS2、WS5、WS8、WS9の4個の作業ステーションがあり、a部とb部とがチェックポイントPiになる。チェックポイントPiは搬送経路が交差している部位に設定される。図示例では搬送経路が交差する部位は2箇所になっている。つまり、搬送混雑度は2になる。言い換えると、工程レイアウト案に含まれる各作業ステーション間の搬送経路に交差する部分が存在する場合に、交差する個数分だけ搬送混雑度を大きく算定することになる。その結果、搬送混雑度を低減するように工程レイアウト案を更新すれば、工程レイアウト案において搬送経路の交差部分を除去することができ、ワークの流れを単純化することができる。
【0096】
基本的な処理手順は(E−1)と同様であって、図16に示すように、チェックポイントPiを指定すると(S2)、チェックポイントPiにおいて、搬送経路が交差している個数を搬送混雑度として抽出し(S3)、各チェックポイントPiの搬送混雑度を加算する(S4)。ステップS1,S6はチェックポイントPiを数えるためのカウンタであり、カウンタを用いることによりすべてのチェックポイントPiについて搬送混雑度を求めたか否かが判定される(S5)。このようにして得られる搬送混雑度を新たな指標として加え、搬送混雑度を0にするように工程設計案を生成することによって、搬送経路が交差することがなく管理の容易な工程を設計することができる。
【0097】
(A)〜(E)として説明した技術は、繰返制御手段25における繰返先を選択する技術であって、基本的には日単位で評価している。しかしながら、1日の間に品番が変化し、また投入する部品ないし材料も変化することも多く、このような場合には時間単位での評価が必要になる。そこで、生産する品番について、製品や部品の投入順序、搬送時間・段取り時間の混み具合、設備の故障率などを考慮して工程設計案から生成した生産工程について実際の生産計画データを用いて、一般的な生産シミュレーションを行った結果に基づいて、時間帯ごとの工程設計評価データを算出し、最適化の狙いに合わせて各評価データの平均値または一部の時間帯だけでも全体に影響を与え問題となる場合には、最悪値を用いる形で統合し、これを日単位の評価データに用いるのが望ましい。
【0098】
たとえば、上述した搬送混雑度は総合的な評価であって、1日においても時間帯によって搬送混雑度が変化する。そこで、得られた工程設計案に対して、上記の生産シミュレーションを行い、工程設計評価データを更新するのが望ましい。生産シミュレーションを行えば、工程設計案を詳細かつ精度よく評価することが可能になる。
【0099】
このように、工程設計評価データを更新して、工程設計目標値を上回る場合は、このときの工程設計案を最終のものとし、工程設計目標値を下回った場合は、最大の悪化要因を抽出し、工程編成案と工程レイアウト案とのうち最大悪化要因に占める影響の大きいほうから工程設計案の更新が行われるように最適化を繰り返す。
【0100】
【発明の効果】
本発明の構成によれば、工程編成案の生成結果を用いて工程レイアウト案を生成することで工程設計案を生成し、この工程設計案に対する評価を行うとともに、工程設計案が工程設計目標値を満たしていないときには工程編成案と工程レイアウト案との少なくとも一方を更新することによって適正な工程設計を行うことができる。しかも、工程編成案と工程レイアウト案との更新の比率を決めるから、最適な工程設計案を比較的短時間でかつ効率よく生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態を示すブロック図である。
【図2】実施形態を示す動作説明図である。
【図3】実施形態におけるアローダイヤグラムの例を示す図である。
【図4】実施形態におけるアローダイヤグラムの例を示す図である。
【図5】実施形態における画面例を示す図である。
【図6】実施形態におけるデータ例を示す図である。
【図7】実施形態におけるデータ例を示す図である。
【図8】実施形態におけるデータ例を示す図である。
【図9】実施形態におけるデータ例を示す図である。
【図10】実施形態におけるデータ例を示す図である。
【図11】実施形態におけるデータ例を示す図である。
【図12】実施形態における画面例を示す図である。
【図13】実施形態における画面例を示す図である。
【図14】実施形態を示す動作説明図である。
【図15】実施形態を示す動作説明図である。
【図16】実施形態を示す動作説明図である。
【図17】実施形態を示す動作説明図である。
【図18】実施形態を示す動作説明図である。
【図19】実施形態を示す動作説明図である。
【符号の説明】
1 入出力部
2 演算処理部
11 入力手段
12 出力手段
21 工程設計条件データ記憶手段
22 工程編成案生成手段
23 工程レイアウト案生成手段
24 工程設計評価手段
25 繰返制御手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、一部の作業ステーションを共用して複数種類の製品を生産する生産工程を対象として生産資源(設備・作業者)の配置と作業の配分とを行う工程設計装置、工程設計方法、工程設計プログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、工場での生産工程における工程編成や工程レイアウトの設計技術が種々提案されている。
【0003】
工程編成の設計技術としては、同一の作業特性を持つ作業、作業者、作業機械を1つの集合としてまとめ、作業順序ごとに工程編成を行うことが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
また、工程レイアウトの設計技術としては、生産状況の変動を考慮して生産工程のレイアウト設計を行うことが提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
【0005】
さらに、工程編成と工程レイアウトとの両者に関する設計技術には、工程編成および工程レイアウトで扱う情報を一元化することが提案されている(たとえば、特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−144802号公報
【特許文献2】
特開2001−236110号公報
【特許文献3】
特開2003−44115号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載の技術は工程編成のみを考慮したものであり、また特許文献2に記載の技術は工程編成が決定された後の工程レイアウトのみを考慮したものになっている。工程編成と工程レイアウトとは密接に関連しているものであるから、工程編成と工程レイアウトとをそれぞれ最適化することができたとしても、工程編成と工程レイアウトとを含む工程設計全体として最適な結果が得られているとは言えない。
【0008】
一方、特許文献3に記載の技術では、情報を一元化することによってプロセスの後戻りを削減し、工程レイアウトの設計結果を用いてシミュレーションにより評価を行っている。しかしながら、工程レイアウトの設計段階において、工程間の関連性の大小に基づいて工程レイアウトを決定しているものであって、搬送時間の増加による生産性の低下などの問題には対応できない。
【0009】
また、工程設計の更新には、工程レイアウトの変更と生産資源の割当の変更との2種類の要因があり、特許文献3の記載では、工程レイアウトの変更と製品の選択と切り替える方法を採用している。ここに、多品種生産では、工程が同じであっても製品別に工程レイアウトを設計し、製品別に異なる加工機を用いることがある。すなわち、生産資源の割当を変更することにより、前工程では製品別ラインになり、後工程は混流ラインになることがある。生産資源の割当と工程レイアウトとの間には密接な関係があるが、特許文献3においてはこの点について何ら考慮されていない。
【0010】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、工程編成と工程レイアウトとを関連付けた好適な工程設計案の生成を可能とし、しかも生産資源の割当と工程レイアウトとを関連付けた工程設計を可能とした工程設計装置、工程設計方法、工程設計プログラムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、工程設計装置であって、部品と工程とに類似性を有する複数種類の製品が各製品ごとにそれぞれ複数の作業ステーションを経由して生産される生産工程について、作業ステーションの少なくとも一部を共用するように工程編成と工程レイアウトとを含む工程設計を行う工程設計装置において、各製品ごとの工程の作業要素情報と生産対象である複数の製品について工程編成を評価するための工程編成評価値と生産対象である複数の製品について工程レイアウトを評価するための工程レイアウト評価値と工程設計を評価するための工程設計目標値とを格納する工程設計条件データ記憶手段と、作業要素情報により工程編成案の初期解を生成する機能と工程編成案を工程編成評価値により評価する機能と工程編成案の一部を修正する機能とを有し工程編成評価値を満たす工程編成案を生成する工程編成案生成手段と、工程編成案生成手段により生成された工程編成案および作業要素情報により工程レイアウト案の初期解を生成する機能と工程レイアウト案を工程レイアウト評価値により評価する機能と工程レイアウト案の一部を修正する機能とを有し工程レイアウト評価値を満たす工程レイアウト案を生成する工程レイアウト案生成手段と、工程編成案生成手段で生成された工程編成案と工程レイアウト案生成手段で生成された工程レイアウト案とからなる工程設計案に対して工程設計評価結果を算出して工程設計目標値と比較する工程設計評価手段と、工程設計評価結果が工程設計目標値を満たさない場合に工程編成案と工程レイアウト案と工程設計案とをそれぞれ評価する指標の少なくとも1つを用いて工程編成案と工程レイアウト案との更新の比率を決定する繰返制御手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、工程編成案の生成結果を用いて工程レイアウト案を生成することで工程設計案を生成し、この工程設計案に対する評価を行うとともに、工程設計案が工程設計目標値を満たしていないときには工程編成案と工程レイアウト案との少なくとも一方を更新することによって適正な工程設計を行うことができる。しかも、工程編成案と工程レイアウト案との更新に比率を決めるから、最適な工程設計案を比較的短時間でかつ効率よく生成することができる。しかも、工程編成案と工程レイアウト案とが関連付けられていることによって、工程編成案を決める生産資源と工程レイアウトとが関連付けられることになる。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記繰返制御手段が、工程設計案を評価する指標の目標値に対する達成率である工程設計目標達成率を算出し、工程設計目標達成率を工程レイアウト案生成手段の更新の比率に用いることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、工程設計目標達成率を工程レイアウト案生成手段から工程設計案の更新の比率に用いており、工程設計案目標達成率が低いときには工程設計案に大きな影響がある工程編成案を更新する比率が高くなり、一方、工程設計案目標達成率が高ければ工程レイアウトの変更のみになって工程設計案の大幅な更新が生じないから、工程設計案の更新を短時間で効率よく行うことが可能になる。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記繰返制御手段が、工程編成案を評価する指標の目標値に対する達成率である工程編成目標達成率と、工程レイアウト案を評価する指標の目標値に対する達成率である工程レイアウト目標達成率とをそれぞれ算出し、工程編成目標達成率と工程レイアウト目標達成率とのうち工程編成目標達成率が大きいときには工程レイアウト目標達成率を工程編成案生成手段による工程設計案の更新の比率に用い、工程編成目標達成率と工程レイアウト目標達成率とのうち工程レイアウト目標達成率が大きいときには工程編成目標達成率を工程レイアウト案生成手段による工程設計案の更新の比率に用いることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、工程編成目標達成率と工程レイアウト目標達成率との大小関係に応じて工程編成案と工程レイアウト案とのどちらを更新する比率を高くするかを設定しており、工程編成目標達成率と工程レイアウト目標達成率とのうち小さいほうが更新されやすくなるから、目標達成率の低いほうが選択されやすくなり、工程設計案の更新を短時間で効率よく行うことができる。
【0017】
請求項4の発明は、請求項2または請求項3の発明において、前記繰返制御手段が、工程編成案を評価する指標の目標値に対する達成率である工程編成目標達成率と、工程レイアウト案を評価する指標の目標値に対する達成率である工程レイアウト目標達成率とについて、それぞれ今回値と前回値とを算出し、工程編成目標達成率の今回値を工程レイアウト案生成手段において工程レイアウト案の初期解を生成しなおす比率とし、残りの比率は、工程編成目標達成率の今回値が前回値以上であるときには工程レイアウト案の一部を修正し、工程レイアウト目標達成率の今回値が前回値より大きいときには工程編成案の一部を修正し、工程レイアウト目標達成率の今回値が前回値以下であるときには工程編成案の初期解を生成しなおすように場合分けすることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、工程編成目標達成率と工程レイアウト目標達成率との前回時と今回時とを用いることによって、工程編成案に改善の余地があれば工程編成案を更新し、工程編成案に改善の余地がなければ工程レイアウト案を更新することで、工程編成案を更新する過程で局所解に陥ることを防止して効率よく短時間で好適な工程設計案を得ることができる。
【0019】
請求項5の発明は、請求項2または請求項3の発明において、前記繰返制御手段は、工程編成案を評価する指標の目標値に対する達成率である工程編成目標達成率と、工程レイアウト案を評価する指標の目標値に対する達成率である工程レイアウト目標達成率とについて、それぞれ今回値と前回値とを算出し、工程レイアウト目標達成率の今回値を工程編成案生成手段において工程レイアウト案の初期解を生成しなおす比率とし、残りの比率は、工程編成目標達成率の今回値が前回値以上であるときには工程編成案の一部を修正し、工程レイアウト目標達成率の今回値が前回値より大きいときには工程レイアウト案の一部を修正し、工程レイアウト目標達成率の今回値が前回値以下であるときには工程レイアウト案の初期解を生成しなおすように場合分けすることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、工程編成目標達成率と工程レイアウト目標達成率との前回時と今回時とを用いることによって、工程レイアウト案に改善の余地があれば工程レイアウト案を更新し、工程レイアウト案に改善の余地がなければ工程編成案を更新することで、工程レイアウト案を更新する過程で局所解に陥ることを防止して効率よく短時間で好適な工程設計案を得ることができる。
【0021】
請求項6の発明は、請求項1の発明において、前記繰返制御手段が、複数の項目をパラメータに用いて工程設計案を評価する指標を算出し、工程設計評価結果が工程設計目標値を満たさない場合に項目中から最大の悪化要因を抽出し、工程編成案と工程レイアウト案とのうち最大悪化要因に占める影響の大きいほうから工程設計案の更新が行われるように比率を設定していることを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、工程設計案から悪化要因を抽出することにより、工程編成案と工程レイアウト案とのどちらを集中的に更新すべきかを判断することができ、工程設計の悪化要因を含む工程編成または工程レイアウトを主として更新することになるから、好適な工程設計案を短時間で設計することができる。
【0023】
請求項7の発明は、請求項1の発明は、前記繰返制御手段が、工程設計案に含まれる複数の作業ステーションについて、処理時間が最大になる作業ステーションを抽出し、当該作業ステーションの処理時間について分析し、工程レイアウト案に対する処理時間の合計が全処理時間に占める割合を工程設計案の更新を工程レイアウト案から行う比率に用いることを特徴とする。
【0024】
この構成によれば、作業ステーションの処理時間を考慮しているから、処理時間が長くなると生産に大きな影響を与えるような生産工程において工程設計案の最大悪化要因が処理時間である場合に好適な工程設計案を比較的短時間で設計することができる。つまり、作業ステーション間の処理時間の不均衡によって生じる待ち時間については工程編成が原因であり、搬送時間そのものは工程レイアウトが原因であるというように作業内訳から判断することで、処理時間のバランスを向上させ、かつ搬送時間の短い工程設計が可能になる。
【0025】
請求項8の発明は、請求項1の発明において、前記繰返制御手段が、生産リードタイムのうち目標値を超過する時間が最大になる製品を抽出し、工程レイアウトによって決まる負荷が生産リードタイムに占める割合を工程設計案の更新を工程レイアウト案から行う比率に用いることを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、生産リードタイムを考慮しているから、生産リードタイムが長くなると生産に大きな影響を与えるような生産工程において工程設計案の最大悪化要因が生産リードタイムである場合に好適な工程設計案を比較的短時間で設計することができる。たとえば、製品の重要度に従って、重要度の大きい製品を重視した工程レイアウト案を生成することができる。
【0027】
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項8の発明において、前記繰返制御手段が、作業ステーション間の搬送経路の搬送混雑度が規定値以上であるときに、工程レイアウト案を更新することを特徴とする。
【0028】
この構成によれば、搬送混雑度を考慮することによって、搬送経路を単純化した設計が可能になり、搬送時間の短縮につながるとともに、作業ステーション間でのワークの流れを管理しやすくなる。つまり、搬送経路の搬送混雑度を評価指標に加えることで、待ち時間を考慮した工程レイアウト案を生成することが可能になる。
【0029】
請求項10の発明は、請求項1ないし請求項9の発明において、前記繰返制御手段が、工程設計案が工程設計目標値を満たす場合に、生産シミュレーションを行った結果に基づいて工程設計評価データを更新することを特徴とする。
【0030】
この構成によれば、たとえば、得られた工程設計案から生成した生産工程について実際の生産計画データを用いて時間単位の詳細な生産シミュレーションを行い、時間単位での各工程設計評価データを求め、これらを統合して日単位の評価データを算出して工程評価データを更新することで工程設計案を高い精度で評価することができる。
【0031】
請求項11の発明は、部品と工程とに類似性を有する複数種類の製品が各製品ごとにそれぞれ複数の作業ステーションを経由して生産される生産工程について、作業ステーションの少なくとも一部を共用するように工程編成と工程レイアウトとを含む工程設計を行う工程設計方法において、各製品ごとの工程の作業要素情報と生産対象である複数の製品について工程編成を評価するための工程編成評価値と生産対象である複数の製品について工程レイアウトを評価するための工程レイアウト評価値と工程設計を評価するための工程設計目標値とを工程設計条件データ記憶手段に格納し、作業要素情報により工程編成案の初期解を生成する機能と工程編成案を工程編成評価値により評価する機能と工程編成案の一部を修正する機能とを有する工程編成案生成手段により工程編成評価値を満たす工程編成案を生成した後、工程編成案生成手段により生成された工程編成案および作業要素情報により工程レイアウト案の初期解を生成する機能と工程レイアウト案を工程レイアウト評価値により評価する機能と工程レイアウト案の一部を修正する機能とを有する工程レイアウト案生成手段により工程レイアウト評価値を満たす工程レイアウト案を生成し、次に、工程編成案生成手段で生成された工程編成案と工程レイアウト案生成手段で生成された工程レイアウト案とからなる工程設計案に対して工程設計評価結果を算出して工程設計目標値と比較し、工程設計評価結果が工程設計目標値を満たさない場合に工程編成案と工程レイアウト案と工程設計案とをそれぞれ評価する指標の少なくとも1つを用いて工程編成案と工程レイアウト案と工程設計案との更新の比率を決定することを特徴とする。
【0032】
この方法によれば、工程編成案の生成結果を用いて工程レイアウト案を生成することで工程設計案を生成し、この工程設計案に対する評価を行うとともに、工程設計案が工程設計目標値を満たしていないときには工程編成案と工程レイアウト案との少なくとも一方を更新することによって適正な工程設計を行うことができる。しかも、工程編成案と工程レイアウト案との更新の比率を決めるから、最適な工程設計案を比較的短時間でかつ効率よく生成することができる。
【0033】
請求項12の発明は、工程設計プログラムであって、請求項11に記載の工程設計方法をコンピュータとともに実現することを特徴とする。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明は、複数種類の製品がそれぞれ複数の作業ステーションを経由して生産される生産工程を前提としている。ここに「作業ステーション」は、作業者が作業を行う場所であって、各作業ステーションは一定の面積を持ち、必要に応じて設備が配置される。また、各製品は、一部の部品が共通化され工程にも類似性があるものとする。この種の製品としては、たとえば同種製品であって品番が異なる製品などがある。したがって、以下の説明では製品の相違は品番の相違とし、2種類の品番α,βの製品を生産する場合を例として説明する。この種の製品を生産する工程では少なくとも一部の作業ステーションが共用できるように工程設計を行うことで、生産資源を有効利用することが可能である。各品番α,βの製品の生産は日単位で切り替える場合と時間単位で切り替える場合とがあるが、以下の説明では基本的には日単位での切替を想定する。
【0035】
品番αの製品は図3にアローダイヤグラムとして示す工程で生産され、品番βの製品は図4にアローダイヤグラムとして示す工程で生産されるものとする。図3および図4においてアルファベットを丸で囲んだ部分はそれぞれ作業要素を示し、作業要素を結ぶ矢印は作業の流れの向きを示している。品番α,βである製品のそれぞれの各作業要素は、〔作業要素、作業時間、先行作業、作業者数、必要設備、工程分類〕をパラメータとして定義される。「工程分類名」は工程の種類を示す名称である。本実施形態では、各品番α,βについて、作業要素のパラメータがそれぞれ表1,2のように設定されているものとする。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
本実施形態は、図2に示す手順で工程設計を行うものであって、コンピュータを用いて図2に示す手順のプログラムを実行することにより実現される。図2に示す手順を機能ごとに分割して示すと、図1に示す構成として表すことができる。図1に示す工程設計装置は、コンピュータにおけるキーボードやマウスからなる入力手段11およびディスプレイ装置からなる出力手段12を備える入出力部1と、図2に示す手順の処理を実行する演算処理部2とにより構成される。したがって、まず図2に示す手順について説明する。
【0039】
使用者が工程設計を実行するに際しては、まず表1および表2に示した各品番α,βの製品ごとの工程(作業要素情報)を入力手段11によって入力する(S1)。つまり、図3および図4に示す情報を入力したことになる。入力された作業要素情報は、工程設計条件データ記憶手段21に格納される(S2)。
【0040】
また、工程設計のために必要な情報として、各設備a〜cに関する〔設備、台数、可能作業、サイズ〕からなる設備情報と、各作業者に関する〔作業者、可能作業〕からなる作業者情報と、各品番α,βの製品を生産する際の〔操業時間、生産数、作業ステーション数〕からなる生産情報、工程編成を評価するための〔編成効率、作業者数、設備数〕からなる工程編成目標値も入力手段11から入力され工程設計条件データ記憶手段21に格納される。なお、「可能作業」は「作業要素名」に対応し、「サイズ」は設備を設置するのに必要な寸法を意味する。また、「編成効率」は作業ステーションの作業負荷均等率、「作業者数」は作業ステーションに配置される作業者の合計数、「設備数」は作業ステーションに配置される設備の合計数を意味する。設備情報、作業者情報、生産情報、工程編成目標値の一例を表3〜6にそれぞれ示す。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】
さらに、工程設計に必要な情報として、作業ステーションの場所の広さを示す情報としての〔作業ステーション、フロア、通路〕からなるレイアウトフロア情報、工程のレイアウトを評価するための〔使用面積、近接性、搬送距離〕からなる工程レイアウト評価値も入力手段11から入力され、工程設計条件データ記憶手段21に格納される。「使用面積」は作業ステーションを設ける面積の合計、「近接性値」は作業の連続性や工程・環境などを考慮して決められる各作業ステーション間の近接性の評価値の合計、「搬送距離」は作業ステーションの間でワークが移動する道程の合計を意味する。近接性値は大きいほうがよく、搬送距離は短いほうがよい。レイアウトフロア情報および工程レイアウト評価値の一例を表7、表8にそれぞれ示す
【0046】
【表7】
【0047】
【表8】
【0048】
上述した各種情報(つまり、工程設計条件データ)が工程設計条件データとして工程設計条件データ記憶手段21に格納された状態では、図5に示す画面が出力手段12に表示される。この画面の左側には、メニュー領域D1が設けられ、メニュー領域D1内には、工程編成およびレイアウト計算を開始させる「計算実行」釦B1、レイアウトの結果を保存して処理を終了させる「終了」釦B2、工程設計を行う品番を選択するための「品番選択」釦B3が設けられる。「品番選択」釦B3は工程設計条件データ記憶手段21に情報が格納されている品番から所望の品番を選択するために設けられ、工程設計条件データ記憶手段21に格納されたすべての品番が「品番選択」釦B3の操作によってプルダウンメニューとして表示される選択肢から選択可能になっている。なお、「品番選択」釦B3では、組合せを行わない「なし」と、すべての品番を選択する「全品番」との選択も可能である。換言すれば、「品番選択」釦B3の操作によって、工程設計条件データ記憶手段21から所要のデータを読み出すことになる(S3)。
【0049】
図5に示す画面の右部には、操業時間を入力するフィールドF1、必要に応じてメッセージが表示されるフィールドF2も表示される。さらに、画面の中央部には工程設計案を表示する表示領域D2が設けられ、画面の下部には工程設計の評価値を表示する表示領域D3が設けられる。表示領域D2はフロアの形状に合わせて設定され、表示領域D2の中に作業ステーションの配置が示される。
【0050】
使用者が図5に示す画面において、「品番選択」釦B3を用いて組み合わせる品番を選択し、「計算実行」釦B1の操作(マウスを用いる場合は、カーソルを合わせてクリックする操作に相当)によって、工程編成案生成手段22が起動される。工程編成案生成手段22は、まず工程設計条件データ記憶手段21から読み込んだデータにより工程編成案の初期解を生成する(S4)。
【0051】
ところで、本発明は、工程編成と工程レイアウトとを考慮し、両者がともに設計目標を達成するような工程設計を行うことを目的にしている。そこで、まず工程編成案生成手段22(図2のS4〜S6に相当)を用いて、設計目標に相当する評価基準の範囲内になるような工程編成案を作成し、その後、この工程編成案に対して、工程レイアウト案生成手段23(図2のS7〜S9に相当)を用いて、設計目標に相当する評価基準の範囲内になるような工程レイアウト案を作成するという2段階の処理で工程設計を行っている。ただし、工程編成案生成手段22により生成した工程編成案に対して設計目標を満たすような工程レイアウト案を生成することが出来ない場合には、別の工程編成案が生成され、その工程編成案に対して工程レイアウト案を生成するという処理が繰り返される。
【0052】
この処理についてさらに詳しく説明する。上述のように、工程設計の開始が指示され工程編成の初期解(初期工程編成案)が生成される(S4)。工程編成案は、たとえば表9のように〔品番、作業要素、作業時間、必要設備、作業ステーション(WS)、工程分類、作業数、負荷〕の組からなる。「作業数」は各品番の生産数であって、表5に示した情報から得られ、「負荷」は「作業時間」と「作業数」との積であって、生産数分の作業時間を表す。また、「作業ステーション」は「作業要素」と「必要設備」と「工程分類」との情報を用いて、作業要素を分類することによって決定される。他の情報は表1および表2に示した工程設計条件データから得られる。つまり、工程編成案生成手段22は、工程を組み合わせる品番に関して、工程設計条件データに基づいて負荷を求め、さらに各作業要素を作業ステーションに分割する処理を行う。
【0053】
【表9】
【0054】
工程編成案が得られると、当該工程編成案が工程編成に関する評価基準を達成しているか否かが判定される(S6)。つまり、表6に示した工程編成評価値を評価基準とし、この評価基準が満たされているか否かが判定される。負荷については、作業ステーション別に累計され、図6に示すように、各作業ステーション別の負荷の累計値が求められる。
【0055】
一方、ステップS6において工程編成案が評価基準を達成していないときには、工程編成案の一部を修正し(S5)、修正後の工程編成案について評価基準を満たしているか否かが再度判定される(S6)。このような処理を繰り返すことによって、評価基準を満たす工程編成案が生成されると、工程レイアウト案生成手段23において、工程レイアウト案の生成がなされる。工程編成案の修正には遺伝的アルゴリズムあるいはシミュレーテッドアニーリング法のような数理的最適化手法を採用する。
【0056】
すなわち、工程編成案生成手段22において生成された工程編成案を満たすように工程レイアウト案を生成するのであって、まず初期解(初期工程レイアウト案)が生成される(S7)。工程レイアウト案は、たとえば図7のように、工程編成案で示された作業ステーションWS2,WS5,WS8,WS9の配置と搬送の向きとを示す図として生成され、さらに、この工程レイアウト案に対して工程設計評価結果が算出される。工程設計評価結果は、〔編成効率、作業者数、使用設備、近接性、搬送距離、使用面積、処理時間、設定時間超、搬送時間、αリードタイム、βリードタイム、搬送混雑度〕の各項目を含む。ここに、「処理時間」は作業ステーションにおける作業時間であり、「設定時間超」は各作業ステーションにおける処理時間が設定時間(操業時間など)を超える場合に超過分の時間の総和であり、「αリードタイム」「βリードタイム」はそれぞれ品番α,βに関する生産リードタイムであり、「搬送混雑度」は搬送経路数であり、搬送経路の逆行や交差などにより予定時間内で搬送できない場合についても考慮して決定される値である。なお、図7における工程設計評価結果の欄において括弧内は工程設計評価結果と比較すべき工程設計目標値を示している。また、図7に示す工程レイアウト案が生成されると、図8に示すように、作業時間(斜線部)と搬送時間(非斜線部)とを積み重ねた形の累計値が作業ステーションごとに求められる。
【0057】
工程設計評価結果が得られると、表8に示した工程レイアウト評価値を用いて、当該工程レイアウト案が工程レイアウトに関する評価基準を達成しているか否かが判定される(S9)。つまり、表8に示した工程レイアウト評価値を評価基準とし、この評価基準が満たされているか否かが判定される。
【0058】
ステップS9において工程レイアウト案が評価基準を達成していないときには、工程レイアウト案の一部を修正し(S8)、修正後の工程レイアウト案について評価基準を満たしているか否かが再度判定される(S9)。工程レイアウト案の修正には工程編成案の修正と同様に遺伝的アルゴリズムあるいはシミュレーテッドアニーリング法のような数理的最適化手法を採用する。ステップS9においては、評価基準を達成する工程レイアウト案を作成可能か否かも判定され、工程レイアウト案を作成することができない工程編成案に対しては、工程編成案の作り直しを要求する(S9→S4)。この場合、工程編成の初期解を再度生成し、ステップS4からの処理をやり直すことになる。
【0059】
上述した処理を繰り返すことによって、評価基準を満たす工程レイアウト案が生成される。工程レイアウト案の生成毎に、工程設計評価手段24では図7のような工程設計評価結果が算出されており(S10)、工程設計評価結果にはそれぞれ工程設計目標値が設定されているから、工程設計目標値を評価基準として工程設計評価結果と比較する(S11)。工程設計評価結果が評価基準を満たさない場合には、繰返制御手段25において、後述する処理によって以下の4つの選択肢のいずれかを選択することにより(S12)、工程編成案作成手段22に工程編成案を再度作成させるか、もしくは工程レイアウト作成手段23に工程レイアウト案を再度作成させる。繰返制御手段25における選択肢である繰返先は、工程編成作成手段22と工程レイアウト作成手段23との2種類であって、さらに工程編成作成手段22と工程レイアウト作成手段23とにおいて、それぞれ新規に作成する場合と一部を修正する場合との2種類が選択可能になっている。要するに、図2におけるステップS12からは、ステップS4、ステップS5、ステップS7、ステップS8への4種類の選択肢が選択可能になる。4種類の選択肢のうちのどれを選択するかは、後述する繰返制御手段25において求める比率によって確率的に決定する。
【0060】
工程設計評価結果が評価基準(工程設計目標値)を満足する場合には(S11)、その工程設計案(工程編成案および工程レイアウト案)を有効とし、この工程設計案が出力手段12に出力される(S13)。表9に示した初期解から得られた工程編成案の一例を表10に示す。また、表10に対応する作業負荷を図9に示し、工程レイアウト案を図10に示し、作業ステーションの負荷を図11に示す。
【0061】
【表10】
【0062】
表10と表9との相違点は、下から5段目の作業ステーションの割当をWS2からWS5に変更している点であって、図6と図9とを比較すればわかるように、このような工程編成の修正によって作業ステーションの負荷が均等化されることになる。また、図7と図10とを比較するとわかるように、当然のことであるが、工程設計評価結果は括弧内に示す工程設計目標値を達成している。
【0063】
出力手段12には、図12に示す画面として表示される。画面上ではフロアにおける各作業ステーション(番号を伏した四角の領域)の配置が示される。また、各作業ステーションの領域においてダブルクリックを行うと、各作業ステーションの内容の詳細が示される。また、図12に示す画面において「品番選択」釦B3を操作すると、図13に示すように、「品番選択」釦B3により選択した所望の単一の品番に対応する工程が表示領域D2に表示される。
【0064】
以下では、繰返制御手段25の処理について具体的に説明する。繰返制御手段25について説明する前に、以下の説明において用いる評価指標について説明する。工程編成案と工程レイアウト案と工程設計案とをそれぞれ評価する指標を、以下のように定義する。
(1)工程編成評価指標KH
KH=W1×編成効率+W2×設備数+W3×作業者数
(2)工程レイアウト評価指標LH
LH=W4×使用面積+W5×搬送距離+W6×近接性値
(3)工程設計評価指標SH
SH=W7×処理時間+W8×設定時間超+W9×搬送混雑度+W10×搬送時間+W11×リードタイム+W12×KH+W13×LH
上述した各指標において、Wi(i=1〜14)は重み係数であって、各指標の算出に用いているパラメータの意味をあらためて確認しておくと、以下のようになる。
作業ステーション:作業者が作業を行う場所であり、各作業ステーションは一定の面積を持ち、設備も配置される。
編成効率:作業ステーションの作業負荷均等率
設備数:作業ステーションに配置された設備の合計数
作業者数:作業ステーションに配置された作業者の合計数
使用面積:フロアに対する作業ステーションの占有面積の合計
搬送距離:作業ステーション間においてワークが移動する道程の合計
近接性値:作業の連続性や工程・環境などを考慮して決定する作業ステーション間の近接性の評価値の合計値(近接性が高いほど大きくなる)
処理時間:作業時間と搬送時間の和であって各作業ステーションに必要な処理時間
設定時間超:各作業ステーションにおける処理時間が設定時間(操業時間など)を超過する場合に超過分の時間の総和
搬送混雑度:搬送経路数であって、搬送経路の逆行・交差などにより予定時間内で搬送できない場合も考慮して決定される値
リードタイム:各品番の生産リードタイムの総和
上述した各評価指標のほか、以下の値を目標値の達成率として用いる。
(1)工程編成目標達成率KT
KT=KH/(KHの目標値)
(2)工程レイアウト目標値達成率LT
LT=LH/(LHの目標値)
(3)工程設計目標達成率ST
ST=SH/(SHの目標値)
以上の準備の上で、繰返制御手段25の動作について説明する。繰返制御手段25では、以下に説明するいずれかの演算によって、工程編成案と工程レイアウト案とを各繰返先として選択する比率を決定する。
【0065】
(A)工程設計目標達成率STを用いる場合:工程編成案を更新する比率を(1−ST)とし、工程レイアウト案を更新する比率をSTとする。この場合、工程設計目標達成率STの値が目標値に近いほど(大きいほど)工程レイアウト案を更新する比率が高くなり、目標値から遠いほど工程編成案を更新する比率が高くなる。
【0066】
たとえば、図2のステップS10において得られた工程設計案について求めた工程設計目標達成率STが0.8であるとすれば、工程編成案を更新する比率を0.2とし、工程レイアウト案を更新する比率を0.8とする。ここに、工程設計目標達成率STが1以上であるときには目標値が達成されているから処理を終了する。
【0067】
(B)工程編成目標達成率KTおよび工程レイアウト目標値達成率LTを用いる場合:KT≧LTならば、工程編成案を更新する比率をLTとし、工程レイアウト案を更新する比率を(1−LT)とする。また、KT<LTならば、工程編成案を更新する比率を(1−KT)とし、工程レイアウト案を更新する比率をKTとする。この場合、工程編成目標達成率KTと工程レイアウト目標値達成率LTとのうち小さいほうが更新されやすくなる。
【0068】
たとえば、図2のステップS10において得られた工程設計案について求めた工程編成目標達成率KTが0.85、工程レイアウト目標値達成率LTが0.6であるとすれば、KT>LTであるから、工程編成案を更新する比率が0.4(=LT)、工程レイアウト案を更新する比率が0.6(=1−LT)になる。なお、工程編成目標達成率KTと工程レイアウト目標値達成率LTとはいずれも1以上であるときには1とする。
【0069】
(C)工程編成目標達成率KT(i)および工程レイアウト目標値達成率LT(j)の今回値と前回値とを用いる場合:工程編成目標達成率の現在値KT(n)と前回値KT(n−1)および工程レイアウト目標値達成率の現在値LT(m)と前回値LT(m−1)を用いる。この場合、4個の選択肢のすべてに関する比率を決定できる。
【0070】
繰返制御手段25において(A)(B)の技術を用いて工程編成案を更新するように第1段階で判断されたときに、工程編成案における改善の余地の有無があるか否かを判定し、工程編成案に改善の余地があると判断した場合には工程編成案を更新し、改善の余地がなければ工程レイアウト案を更新するように比率を決定する。つまり、工程レイアウト案の初期解を生成しなおす比率をKT(n)とし、他の3個の選択肢に分岐する比率を(1−KT(n))とする。ただし、KT(n)≧KT(n−1)ならば、工程レイアウト案の一部を修正し、LT(m)>LT(m−1)ならば、工程編成案の一部を修正し、LT(m)≦LT(m−1)ならば、工程編成案の初期解を生成しなおすように場合分けを行う。
【0071】
たとえば、工程編成目標達成率の今回値および前回値であるKT(n),KT(n−1)がそれぞれ0.85、0.7であり、工程レイアウト目標値達成率の今回値および前回値であるLT(m),LT(m−1)がそれぞれ0.6、0.55であるとすれば、工程レイアウト案の初期解を生成しなおす比率は0.85になり、他の3個の選択肢を選択する比率は0.15になる。
【0072】
同様にして、繰返制御手段25において(A)(B)の技術を用いて工程レイアウト案を更新するように第1段階で判断されたときには、工程レイアウト案における改善の余地の有無があるか否かを判定し、工程編成案に改善の余地があると判断した場合には工程レイアウトを更新し、改善の余地がなければ工程編成案を更新するように比率を決定する。つまり、工程編成案の初期解を生成しなおす比率をLT(m)とし、他の3個の選択肢に分岐する比率を(1−LT(m))とする。ただし、KT(n)<KT(n−1)ならば、工程編成案の一部を修正し、LT(m)>LT(m−1)ならば、工程レイアウトの一部を修正し、LT(m)≦LT(m−1)ならば、工程レイアウトの初期解を生成しなおすように場合分けを行う。
【0073】
たとえば、工程編成目標達成率の今回値および前回値であるKT(n)KT、(n−1)がそれぞれ0.85、0.7であり、工程レイアウト目標値達成率の今回値および前回値であるLT(m)、LT(m−1)がそれぞれ0.6、0.55であるとすれば、工程レイアウト案の初期解を生成しなおす比率は0.6になり、他の2個の選択肢を選択する比率は0.4になる。このような4分岐の処理によって、局所解に陥ることが防止される。
【0074】
(D)工程設計評価指標の中で工程設計目標値を満たさない最大悪化要因データを用いる場合:
(D−1)工程設計評価指標の各項目において、工程設計目標値に達しない項目があるときに、達成率が最小である項目を最大悪化要因とみなし、最大悪化要因に対応する部分が更新される比率を高く設定する。
【0075】
たとえば、工程設計評価指標の重み係数がすべて同じであるものとし、工程設計案が得られた時点での工程レイアウト評価指標LHの達成率が81%であって、最大悪化要因は近接性、2番目の悪化要因は搬送距離であるものとする。ここに、悪化要因に対する更新の比率をあらかじめ0.8と決めているものとする。本例では悪化要素が工程レイアウトに関わるから、工程レイアウト案を更新する比率を0.8、工程編成案を更新する比率を0.2などと設定する。
【0076】
(D−2)工程設計評価指標の各項目において、設定時間超の項目に着目し、設定時間超に対する工程編成案および工程レイアウト案の影響する割合を求め、割合の高いほうの更新される比率を高く設定する。
【0077】
たとえば、工程設計案が得られた時点で、工程設計評価データSTが0.8、重み係数の違いで最大悪化要因が設定時間超であって385であるものとする。この場合、設定時間超が最大の作業ステーション2について分析し、工程編成案に対する負荷が2335、工程レイアウト案に対する負荷が400になったとすると、2335/2735=0.85という演算を行い、工程編成案を更新する比率として0.85を採用し、工程レイアウトを更新する比率として0.15を採用する。
【0078】
(D−3)工程設計評価指標の各項目において、処理時間(作業ステーションの処理時間)の項目に着目し、処理時間に対する工程編成および工程レイアウトの影響する割合を求め、割合の高い方の更新される比率を高くする。
【0079】
たとえば、工程設計案が得られた時点で、工程設計評価データSTが0.8、重み係数の違いで最大悪化要因が処理時間であって2735であるものとする。この場合、処理時間について分析し、工程編成案に対する負荷の合計が8285、工程レイアウト案に対する負荷の合計が1600になったとすると、8285/9885=0.84という演算を行い、工程編成案を更新する比率として0.84を採用し、工程レイアウト案を更新する比率として0.16を採用する。
【0080】
(D−4)工程設計評価指標の各項目において、リードタイムの項目に着目し、リードタイムに対する工程編成および工程レイアウトの影響する割合を求め、割合の高い方の更新される比率を高くする。
【0081】
たとえば、工程設計案が得られた時点で、工程設計目標達成率STが0.8、緊急度による重み係数の違いで最大悪化要因が品番βの生産リードタイムであるものとする。つまり、生産リードタイムのうち目標値を超える時間、または生産リードタイムのうち目標値を超える部分に緊急度による重み係数を乗じた時間が最大になる品番を最大悪化要因とする。
【0082】
ここで、品番βの生産リードタイムを決定する作業ステーションを抽出し、その作業ステーションの工程編成によって決まる作業負荷の合計が2085、工程レイアウトによって決まる搬送負荷の合計が200になったとすると、2085/2285=0.91という演算を行い、工程編成案を更新する比率として0.91を採用し、工程レイアウト案を更新する比率として0.09を採用する。
【0083】
(D−5)工程設計評価指標の各項目において、(D−4)と同様に、リードタイムの項目に着目し、リードタイムに対する工程編成および工程レイアウトの影響する割合を求め、割合の高い方の更新される比率を高くする。ただし、工程レイアウトに対するリードタイムに各作業ステーションにおける中間製品の在庫の滞留時間と作業ステーション間の中間製品の搬送時間を含める。このようにリードタイムに搬送時間を含めることによって、大物製品のように搬送に時間がかかる場合に、搬送時間も考慮することで適切な工程設計が可能になる。
【0084】
たとえば、工程設計案が得られた時点で、工程設計目標達成率STが0.8、緊急度による重み係数の違いで最大悪化要因が品番βの生産リードタイムであるものとする。つまり、生産リードタイムのうち目標値を超える時間、または生産リードタイムのうち目標値を超える部分に緊急度による重み係数を乗じた時間が最大になる品番を最大悪化要因とする。
【0085】
ここで、品番βの生産リードタイムを決定する作業ステーションを抽出し、その作業ステーションの工程編成によって決まる作業負荷の合計が2085、工程レイアウトによって決まる搬送負荷の合計が250になったとする。この搬送負荷は、本来の搬送負荷である200に滞留負荷である50を加算して得られる。これらの数値を用いて(D−4)と同様に、2085/2335=0.89という演算を行い、工程編成案を更新する比率として0.89を採用し、工程レイアウト案を更新する比率として0.11を採用する。
【0086】
要するに(D−4)との相違は、リードタイムに、少なくとも各作業ステーションにおける仕掛かりの滞留時間と作業ステーション間の搬送時間とを含む点であって、作業時間を搬送時間と前後の作業ステーションのタクト差から求まる待ち時間の合計をリードタイムとすることで、工程編成により変化するリードタイムを考慮して工程設計を正確に行うことができる。
【0087】
(E)作業ステーション間の搬送混雑度を用いる場合:
(E−1)工程レイアウトにおける搬送経路の数を搬送混雑度とし、搬送混雑度が規定値より大きければ工程レイアウトの悪化要因として評価に含める。つまり、搬送混雑度が規定値よりも大きいときには工程レイアウト案生成手段23によって工程レイアウト案を更新する。
【0088】
搬送混雑度を評価するために、まず、搬送混雑度を調べる場所としてのチェックポイントPiを指定する。図15に示す例では、WS2、WS5、WS8、WS9の4個の作業ステーションがあり、a部がチェックポイントPiになる。チェックポイントPiは図示例では1個であるが、複数個設けることもできる。また、搬送混雑度の許容量(搬送許容量)を1とし、搬送混雑度は実際の搬送経路数から搬送許容量を減算した数とする。図15に示す例では、a部において搬送路が3本であるから搬送混雑度は2になる。
【0089】
図14に示すように、チェックポイントPiを指定すると(S2)、チェックポイントPiにおいて、搬送経路数から搬送許容量を減算することにより搬送混雑度を求める(S3)。チェックポイントPiを複数個設けている場合には、各チェックポイントPiの搬送混雑度を加算する(S4)。ステップS1,S6はチェックポイントPiを数えるためのカウンタであり、カウンタを用いることによりすべてのチェックポイントPiについて搬送混雑度を求めたか否かが判定される(S5)。
【0090】
上述のようにして、搬送混雑度を新たな指標として加え、搬送混雑度を0にするように工程設計案を生成することによって、混雑の少ない(搬送時間の短い)工程を設計することができる。上述のようにチェックポイントは複数設けることができ、搬送経路上だけでなく、各作業ステーションの搬入口や搬出口をチェックポイントとしてもよい。搬送混雑度は搬送経路数を用いて求める以外に、チェックポイントにおける総搬送量として総搬送距離を用いることも可能である。
【0091】
(E−2)繰返制御手段25において工程編成案の更新を選択するか工程レイアウト案の更新を選択するかについて、搬送混雑度を用いる場合に、工程レイアウトにおける搬送経路の逆流箇所の個数を搬送混雑度に含め、搬送混雑度が高ければ、工程レイアウトの悪化要因として評価に含めることもできる。
【0092】
搬送混雑度を評価するために、まず、搬送混雑度を調べる場所としてのチェックポイントPiを指定する。図17に示す例では、WS2、WS5、WS8、WS9の4個の作業ステーションがあり、a部がチェックポイントPiになる。チェックポイントPiは隣接する各一対の作業ステーション間で搬送経路が重複している部位に設定される。図示例では逆流する搬送経路はa部で示す1箇所だけになっている。つまり、搬送混雑度は1になる。言い換えると、工程レイアウト案に含まれる各作業ステーション間の搬送方向を用い、各搬送経路のうち搬送の向きが逆向きになる部分が存在する場合に、その部分の搬送距離だけ搬送混雑度を大きく算定することになる。その結果、搬送混雑度を低減するように工程レイアウト案を更新すれば、工程レイアウト案において搬送方向が互いに逆向きになる部分を除去し、ワークの流れを単純化することができる。
【0093】
基本的な処理手順は(E−1)と同様であって、図18に示すように、チェックポイントPiを指定すると(S2)、チェックポイントPiにおいて、逆流している搬送経路の数を抽出する(S3)。チェックポイントPiを複数個設けている場合には、各チェックポイントPiの搬送混雑度を加算する(S4)。ステップS1,S6はチェックポイントPiを数えるためのカウンタであり、カウンタを用いることによりすべてのチェックポイントPiについて搬送混雑度を求めたか否かが判定される(S5)。このようにして得られる搬送混雑度を新たな指標として加え、搬送混雑度を0にするように工程設計案を生成することによって、ワークが逆向きに搬送されることがなく管理の容易な工程を設計することができる。
【0094】
(E−3)繰返制御手段25において工程編成案の更新を選択するか工程レイアウト案の更新を選択するかについて、搬送混雑度を用いる場合に、工程レイアウトにおける搬送経路の交差数を搬送混雑度に含め、搬送混雑度が高ければ、工程レイアウトの悪化要因として評価に含めることもできる。
【0095】
搬送混雑度を評価するために、まず、搬送混雑度を調べる場所としてのチェックポイントPiを指定する。図19に示す例では、WS2、WS5、WS8、WS9の4個の作業ステーションがあり、a部とb部とがチェックポイントPiになる。チェックポイントPiは搬送経路が交差している部位に設定される。図示例では搬送経路が交差する部位は2箇所になっている。つまり、搬送混雑度は2になる。言い換えると、工程レイアウト案に含まれる各作業ステーション間の搬送経路に交差する部分が存在する場合に、交差する個数分だけ搬送混雑度を大きく算定することになる。その結果、搬送混雑度を低減するように工程レイアウト案を更新すれば、工程レイアウト案において搬送経路の交差部分を除去することができ、ワークの流れを単純化することができる。
【0096】
基本的な処理手順は(E−1)と同様であって、図16に示すように、チェックポイントPiを指定すると(S2)、チェックポイントPiにおいて、搬送経路が交差している個数を搬送混雑度として抽出し(S3)、各チェックポイントPiの搬送混雑度を加算する(S4)。ステップS1,S6はチェックポイントPiを数えるためのカウンタであり、カウンタを用いることによりすべてのチェックポイントPiについて搬送混雑度を求めたか否かが判定される(S5)。このようにして得られる搬送混雑度を新たな指標として加え、搬送混雑度を0にするように工程設計案を生成することによって、搬送経路が交差することがなく管理の容易な工程を設計することができる。
【0097】
(A)〜(E)として説明した技術は、繰返制御手段25における繰返先を選択する技術であって、基本的には日単位で評価している。しかしながら、1日の間に品番が変化し、また投入する部品ないし材料も変化することも多く、このような場合には時間単位での評価が必要になる。そこで、生産する品番について、製品や部品の投入順序、搬送時間・段取り時間の混み具合、設備の故障率などを考慮して工程設計案から生成した生産工程について実際の生産計画データを用いて、一般的な生産シミュレーションを行った結果に基づいて、時間帯ごとの工程設計評価データを算出し、最適化の狙いに合わせて各評価データの平均値または一部の時間帯だけでも全体に影響を与え問題となる場合には、最悪値を用いる形で統合し、これを日単位の評価データに用いるのが望ましい。
【0098】
たとえば、上述した搬送混雑度は総合的な評価であって、1日においても時間帯によって搬送混雑度が変化する。そこで、得られた工程設計案に対して、上記の生産シミュレーションを行い、工程設計評価データを更新するのが望ましい。生産シミュレーションを行えば、工程設計案を詳細かつ精度よく評価することが可能になる。
【0099】
このように、工程設計評価データを更新して、工程設計目標値を上回る場合は、このときの工程設計案を最終のものとし、工程設計目標値を下回った場合は、最大の悪化要因を抽出し、工程編成案と工程レイアウト案とのうち最大悪化要因に占める影響の大きいほうから工程設計案の更新が行われるように最適化を繰り返す。
【0100】
【発明の効果】
本発明の構成によれば、工程編成案の生成結果を用いて工程レイアウト案を生成することで工程設計案を生成し、この工程設計案に対する評価を行うとともに、工程設計案が工程設計目標値を満たしていないときには工程編成案と工程レイアウト案との少なくとも一方を更新することによって適正な工程設計を行うことができる。しかも、工程編成案と工程レイアウト案との更新の比率を決めるから、最適な工程設計案を比較的短時間でかつ効率よく生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態を示すブロック図である。
【図2】実施形態を示す動作説明図である。
【図3】実施形態におけるアローダイヤグラムの例を示す図である。
【図4】実施形態におけるアローダイヤグラムの例を示す図である。
【図5】実施形態における画面例を示す図である。
【図6】実施形態におけるデータ例を示す図である。
【図7】実施形態におけるデータ例を示す図である。
【図8】実施形態におけるデータ例を示す図である。
【図9】実施形態におけるデータ例を示す図である。
【図10】実施形態におけるデータ例を示す図である。
【図11】実施形態におけるデータ例を示す図である。
【図12】実施形態における画面例を示す図である。
【図13】実施形態における画面例を示す図である。
【図14】実施形態を示す動作説明図である。
【図15】実施形態を示す動作説明図である。
【図16】実施形態を示す動作説明図である。
【図17】実施形態を示す動作説明図である。
【図18】実施形態を示す動作説明図である。
【図19】実施形態を示す動作説明図である。
【符号の説明】
1 入出力部
2 演算処理部
11 入力手段
12 出力手段
21 工程設計条件データ記憶手段
22 工程編成案生成手段
23 工程レイアウト案生成手段
24 工程設計評価手段
25 繰返制御手段
Claims (12)
- 部品と工程とに類似性を有する複数種類の製品が各製品ごとにそれぞれ複数の作業ステーションを経由して生産される生産工程について、作業ステーションの少なくとも一部を共用するように工程編成と工程レイアウトとを含む工程設計を行う工程設計装置において、各製品ごとの工程の作業要素情報と生産対象である複数の製品について工程編成を評価するための工程編成評価値と生産対象である複数の製品について工程レイアウトを評価するための工程レイアウト評価値と工程設計を評価するための工程設計目標値とを格納する工程設計条件データ記憶手段と、作業要素情報により工程編成案の初期解を生成する機能と工程編成案を工程編成評価値により評価する機能と工程編成案の一部を修正する機能とを有し工程編成評価値を満たす工程編成案を生成する工程編成案生成手段と、工程編成案生成手段により生成された工程編成案および作業要素情報により工程レイアウト案の初期解を生成する機能と工程レイアウト案を工程レイアウト評価値により評価する機能と工程レイアウト案の一部を修正する機能とを有し工程レイアウト評価値を満たす工程レイアウト案を生成する工程レイアウト案生成手段と、工程編成案生成手段で生成された工程編成案と工程レイアウト案生成手段で生成された工程レイアウト案とからなる工程設計案に対して工程設計評価結果を算出して工程設計目標値と比較する工程設計評価手段と、工程設計評価結果が工程設計目標値を満たさない場合に工程編成案と工程レイアウト案と工程設計案とをそれぞれ評価する指標の少なくとも1つを用いて工程編成案と工程レイアウト案との更新の比率を決定する繰返制御手段とを備えることを特徴とする工程設計装置。
- 前記繰返制御手段は、工程設計案を評価する指標の目標値に対する達成率である工程設計目標達成率を算出し、工程設計目標達成率を工程レイアウト案生成手段の更新の比率に用いることを特徴とする請求項1記載の工程設計装置。
- 前記繰返制御手段は、工程編成案を評価する指標の目標値に対する達成率である工程編成目標達成率と、工程レイアウト案を評価する指標の目標値に対する達成率である工程レイアウト目標達成率とをそれぞれ算出し、工程編成目標達成率と工程レイアウト目標達成率とのうち工程編成目標達成率が大きいときには工程レイアウト目標達成率を工程編成案生成手段による工程編成案の更新の比率に用い、工程編成目標達成率と工程レイアウト目標達成率とのうち工程レイアウト目標達成率が大きいときには工程編成目標達成率を工程レイアウト案生成手段による工程レイアウト案の更新の比率に用いることを特徴とする請求項1記載の工程設計装置。
- 前記繰返制御手段は、工程編成案を評価する指標の目標値に対する達成率である工程編成目標達成率と、工程レイアウト案を評価する指標の目標値に対する達成率である工程レイアウト目標達成率とについて、それぞれ今回値と前回値とを算出し、工程編成目標達成率の今回値を工程レイアウト案生成手段において工程レイアウト案の初期解を生成しなおす比率とし、残りの比率は、工程編成目標達成率の今回値が前回値以上であるときには工程レイアウト案の一部を修正し、工程レイアウト目標達成率の今回値が前回値より大きいときには工程編成案の一部を修正し、工程レイアウト目標達成率の今回値が前回値以下であるときには工程編成案の初期解を生成しなおすように場合分けすることを特徴とする請求項2または請求項3記載の工程設計装置。
- 前記繰返制御手段は、工程編成案を評価する指標の目標値に対する達成率である工程編成目標達成率と、工程レイアウト案を評価する指標の目標値に対する達成率である工程レイアウト目標達成率とについて、それぞれ今回値と前回値とを算出し、工程レイアウト目標達成率の今回値を工程編成案生成手段において工程レイアウト案の初期解を生成しなおす比率とし、残りの比率は、工程編成目標達成率の今回値が前回値以上であるときには工程編成案の一部を修正し、工程レイアウト目標達成率の今回値が前回値より大きいときには工程レイアウト案の一部を修正し、工程レイアウト目標達成率の今回値が前回値以下であるときには工程レイアウト案の初期解を生成しなおすように場合分けすることを特徴とする請求項2または請求項3記載の工程設計装置。
- 前記繰返制御手段は、複数の項目をパラメータに用いて工程設計案を評価する指標を算出し、工程設計評価結果が工程設計目標値を満たさない場合に項目中から最大の悪化要因を抽出し、工程編成案と工程レイアウト案とのうち最大悪化要因に占める影響の大きいほうから工程設計案の更新が行われるように比率を設定していることを特徴とする請求項1記載の工程設計装置。
- 前記繰返制御手段は、工程設計案に含まれる複数の作業ステーションについて、処理時間が最大になる作業ステーションを抽出し、当該作業ステーションの処理時間について分析し、工程レイアウト案に対する処理時間の合計が全処理時間に占める割合を工程設計案の更新を工程レイアウト案から行う比率に用いることを特徴とする請求項1記載の工程設計装置。
- 前記繰返制御手段は、生産リードタイムのうち目標値を超過する時間が最大になる製品を抽出し、工程レイアウトによって決まる負荷が生産リードタイムに占める割合を工程設計案の更新を工程レイアウト案から行う比率に用いることを特徴とする請求項1記載の工程設計装置。
- 前記繰返制御手段は、作業ステーション間の搬送経路の搬送混雑度が規定値以上であるときに、工程レイアウト案を更新することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の工程設計装置。
- 前記繰返制御手段は、工程設計案が工程設計目標値を満たす場合に、生産シミュレーションを行った結果に基づいて工程設計評価データを更新することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の工程設計装置。
- 部品と工程とに類似性を有する複数種類の製品が各製品ごとにそれぞれ複数の作業ステーションを経由して生産される生産工程について、作業ステーションの少なくとも一部を共用するように工程編成と工程レイアウトとを含む工程設計を行う工程設計方法において、各製品ごとの工程の作業要素情報と生産対象である複数の製品について工程編成を評価するための工程編成評価値と生産対象である複数の製品について工程レイアウトを評価するための工程レイアウト評価値と工程設計を評価するための工程設計目標値とを工程設計条件データ記憶手段に格納し、作業要素情報により工程編成案の初期解を生成する機能と工程編成案を工程編成評価値により評価する機能と工程編成案の一部を修正する機能とを有する工程編成案生成手段により工程編成評価値を満たす工程編成案を生成した後、工程編成案生成手段により生成された工程編成案および作業要素情報により工程レイアウト案の初期解を生成する機能と工程レイアウト案を工程レイアウト評価値により評価する機能と工程レイアウト案の一部を修正する機能とを有する工程レイアウト案生成手段により工程レイアウト評価値を満たす工程レイアウト案を生成し、次に、工程編成案生成手段で生成された工程編成案と工程レイアウト案生成手段で生成された工程レイアウト案とからなる工程設計案に対して工程設計評価結果を算出して工程設計目標値と比較し、工程設計評価結果が工程設計目標値を満たさない場合に工程編成案と工程レイアウト案と工程設計案とをそれぞれ評価する指標の少なくとも1つを用いて工程編成案と工程レイアウト案と工程設計案との更新の比率を決定することを特徴とする工程設計方法。
- 請求項11に記載の工程設計方法をコンピュータとともに実現することを特徴とする工程設計プログラム。
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