JP7131531B2 - 転炉排ガス処理装置のスカート位置監視・異常検知装置ならびにスカート位置監視方法およびその監視方法によるスカート位置異常検知方法 - Google Patents

転炉排ガス処理装置のスカート位置監視・異常検知装置ならびにスカート位置監視方法およびその監視方法によるスカート位置異常検知方法 Download PDF

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Description

本発明は、転炉排ガス処理装置の酸素転炉排ガス回収システム(Oxygen Converter Gas Recovery System、以下、OGという。)のスカート位置の監視・異常検知装置と、その装置を用いたスカート位置の監視方法およびその監視方法によるスカート位置異常検知方法に関する。
転炉プロセスにおいて、転炉を脱燐炉や脱炭炉として用いる場合、転炉排ガスを効率的に回収し、周囲の空気の巻き込みを低減するために、OGにはスカートが設けられている。このOGは吹錬開始と同時に炉口に近づけられる。つまり、スカートを下げた状態で吹錬している。一方、吹錬終了後出鋼する際には、炉が傾動するときにスカートと接触しないように、スカートを上げることが必要となる。したがって、OGのスカートは、吹錬ごとに上下動を繰り返すことになる。
しかしながら、高温の雰囲気の対流で巻き上がる粉塵や、スプラッシュによる地金などが、スカートと、その上部のフードとの間に堆積し、堆積物によってスカートの上昇が邪魔され、スカートの上昇限が低くなってしまうことがあった。スカートの上昇限が低くなりすぎると、炉を傾動させた際に、炉口や炉体、炉底とスカートが衝突して、出鋼や排滓ができなくなってしまう。経験的には、上記スカートとフードとの間の堆積物が少しずつ成長し、それにつれてスカートの上昇限は徐々に低くなっていくことがわかっている。
また、スカートの下降限が高くなると、スカートと転炉との間隔が不適正になるので、OGが転炉周囲の空気を吸い込んでしまい、OGの負荷が大きくなったり、効率が悪くなったりするなどの悪影響が出る。
スカートの上昇限の低下の兆候が現れた場合には、吹錬時の送酸速度を小さくして、フードへの地金付着を防止する対応が上記トラブル回避の一策である。しかしながら、これまで、スカート高さを継続的に監視する方法がなかったため、迅速な対応をとることができずにいた。
例えば、特許文献1には、転炉スカートを吊上げた時の複数の油圧シリンダーの油圧差や、CCDカメラを用いて転炉スカートの傾きを測定し、異常を判定する技術が開示されている。
また、特許文献2には、転炉の炉口監視装置として、非吹錬時と吹錬時とで輝度の変化に対応した減光フィルタを備える装置およびその装置を用いた炉口監視方法が提案されている。
特開2012-246562号公報 特開平10- 63564号公報
しかしながら、上記従来の技術には、未だ解決すべき以下のような問題があった。上記特許文献1に開示の技術は、油圧シリンダーが破損し駆動油が漏れ出すことで油圧シリンダーが転炉スカートを保持できなくなる異常の検知を目的としており、油圧シリンダーが正常であっても、地金付着等でスカートの上昇限が低下してしまう問題に対処できない。また、補助的に用いているCCDカメラもスカートの傾きの測定にしか用いていない。また、特許文献2に開示の技術は、映像監視などのプロフィール表示のみ扱っており、スカートの昇降高さの経時変化を監視できるものではない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、転炉排ガス処理装置のスカート位置の上昇限および下降限を効率的に常時監視し、スカート位置の異常を検知する装置を提供し、その装置を用いて、スカート位置の上昇限および下降限を効率的に常時監視する方法を提案し、その監視方法によりスカート位置の異常を検知する方法を提案することにある。
上記課題を解決し、上記の目的を実現するため開発した本発明は、下記の要旨構成に示すとおりである。即ち、本発明は、第一に、転炉排ガス処理装置のスカート位置を測定する測定装置を含む分散制御部と、前記スカート位置の監視手段と前記スカート位置の異常検知手段とを含むプロセス処理部と、を有する転炉排ガス処理装置のスカート位置監視・異常検知装置において、
前記分散制御部は、前記測定装置から提供されたスカートの位置情報を前記プロセス処理部に送信するとともに、収集した転炉操業情報を前記プロセス処理部に送信する機能を有し、
前記プロセス処理部は、収集した前記スカート位置情報および前記転炉操業情報を用いて、スカート位置の下降限代表値Hdおよび上昇限代表値Huを決定する処理部と、決定された前記下降限代表値Hdおよび上昇限代表値Huを記憶する記憶部と、スカート位置の監視情報を生成する監視情報生成部と、前記決定されたスカート位置の下降限代表値Hdおよび上昇限代表値Huを用いて、スカート位置の異常を判定する異常検知部と、を有することを特徴とする転炉排ガス処理装置のスカート位置監視・異常検知装置を提供する。
また、本発明は、第二に、転炉排ガス処理装置のスカートを吹錬の進行とともに昇降させる際に、スカート位置を連続的、または、間欠的に測定し、
スカートの下降を指示してから所定時間経過後のスカート位置を下降限代表値Hdとし、
スカートの上昇を指示してから所定時間経過後のスカート位置を上昇限代表値Huとし、
前記下降限代表値Hdおよび前記上昇限代表値Huを当該吹錬のスカート位置の今回値として記憶することを特徴とする転炉排ガス処理装置のスカート位置監視方法を提案する。
なお、本発明に係る転炉排ガス処理装置のスカート位置監視方法については、
a.スカート位置を連続的に測定する場合には、前記下降限代表値Hdおよび上昇限代表値Huは、予め設定した時間内の測定値の平均値から求められるスカート位置とし、
スカート位置を間欠的に測定する場合には、前記下降限代表値Hdおよび上昇限代表値Huは、予め設定した回数の測定値の平均値から求められるスカート位置とすること、
b.前記下降限代表値Hdおよび前記上昇限代表値Huが、予め設定した値の範囲を超えた場合に、前記今回値として記憶しないこと、
c.前記スカート位置を測定する測定装置を複数設置し、それぞれの測定装置から提供されたスカート位置情報を用いて決定した前記下降限代表値Hdおよび前記上昇限代表値Huを個々に、または統計処理した後に、今回値として記憶すること、
がより好ましい解決手段になり得るものと考えられる。
また、本発明は、第三に、上記いずれかの転炉排ガス処理装置のスカート位置監視方法によって記憶された、スカート位置情報に基づいて、スカート位置の異常を判定することを特徴とするスカート位置異常検知方法を提案する。
なお、本発明に係るスカート位置異常検知方法については、
d.前記スカート位置の異常を判定するに際し、複数回の吹錬のスカート位置情報を用い、スカート位置の過去値または過去値を統計処理した値と今回値との差が一定値を超えた場合に異常と判定すること、
がより好ましい解決手段になり得るものと考えられる。
以上説明したように、本発明にかかる転炉排ガス処理装置のスカート位置監視・異常検知装置によれば、転炉排ガス処理装置のスカート位置を測定する測定装置を含む分散制御部と、前記スカート位置の監視手段と前記スカート位置の異常検知手段とを含むプロセス処理部と、を有する転炉排ガス処理装置のスカート位置監視・異常検知装置において、前記分散制御部は、前記測定装置から提供されたスカートの位置情報を前記プロセス処理部に送信するとともに、収集した転炉操業情報を前記プロセス処理部に送信する機能を有し、前記プロセス処理部は、収集した前記スカート位置情報および前記転炉操業情報を用いて、スカート位置の下降限代表値Hdおよび上昇限代表値Huを決定する処理部と、決定された前記下降限代表値Hdおよび上昇限代表値Huを記憶する記憶部と、スカート位置の監視情報を生成する監視情報生成部と、前記決定されたスカート位置の下降限代表値Hdおよび上昇限代表値Huを用いて、スカート位置の異常を判定する異常検知部とを、有するので、スカート位置の上昇限および下降限を効率的に常時監視することができ、スカート位置の異常を早期に検知でき、対処可能である。
また、その装置を用いた本発明の転炉排ガス処理装置のスカート位置監視方法によれば、転炉排ガス処理装置のスカートを吹錬の進行とともに昇降させる際に、スカート位置を連続的、または、間欠的に測定し、スカートの下降を指示してから所定時間経過後のスカート位置を下降限代表値Hdとし、スカートの上昇を指示してから所定時間経過後のスカート位置を上昇限代表値Huとし、前記下降限代表値Hdおよび前記上昇限代表値Huを当該吹錬のスカート位置の今回値として記憶するので、スカートとフードとの間に溜まった堆積物等により、スカートの上昇限が低くなってしまう兆候をいち早く見つけることが可能となる。スカートの上昇不足による転炉の傾動不能がなくなり、減産を回避できる。また、転炉炉体の傾動によりスカートや周辺設備が損壊するのを回避することができる。
また、一吹錬内で、上昇限および下降限をそれぞれ時間平均値や複数の測定値の平均値とすれば、より精度高くスカートの位置を把握できるようになる。さらに、スカート位置を測定する装置を複数設置し、それぞれの測定装置から提供されたスカート位置情報を用いて決定した前記下降限Hdおよび前記上昇限Huを個々に、または統計処理した後に、今回値として記憶することとすれば、スカートの周方向での異常位置を把握したり、より精度高くスカート位置を監視したりすることができる。
上記スカートの位置の監視方法を用いて記憶された、スカート位置情報に基づいて、スカート位置の異常を判定する本発明の転炉排ガス処理装置のスカート位置異常検知方法によれば、連続してスカート位置を監視しているので、いち早く、異常を検知できる。
また、前記下降限代表値Hdおよび前記上昇限代表値Huが予め設定した値の範囲を超えた場合に今回値として記憶しないようにすれば、測定装置原因による測定異常を排除でき、スカート位置監視・異常検知の信頼性を向上させることができる。そして、測定装置の異常と判定されなかった、複数のスカート位置情報に基づいて、スカート位置の異常を判定すれば、スカートとフードとの間に溜まった堆積物等により、スカートの上昇限が低くなってしまうスカート位置の異常を精度高く検知することが可能となる。さらに異常と判定されて以降の吹錬をソフトブローに変更するなどの対策をとることにより、生産性を阻害することなく転炉操業することができる。
本発明の一実施形態に用いる装置の概要図である。 本発明の一実施形態を示す転炉排ガス処理装置のスカート位置監視・異常検知装置に用いる制御フロー図である。 本発明の一実施形態にかかるスカート位置の測定例を示す概念図である。 測定装置の異常に係る異常判定方法の一例を示すフロー図であって、(a)は上昇限Huの異常を判定するフロー図を示し、(b)は下降限Hdの異常を判定するフロー図を示す。 上記実施形態を用い、出鋼順に測定したスカート位置の上昇限Huの推移を示すグラフである。 測定装置の異常に係る異常判定方法の一例を示すフロー図である。 測定装置の異常に係る異常判定方法の一例を示すフロー図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態のスカート位置監視方法およびスカート位置異常検知方法に用いる装置の概要図である。転炉1および排ガス処理設備の酸素転炉排ガス回収システム(OG)2の一部を側面図で示している。転炉1は、吹錬時には、直立(図1の点線)しており、OG2のスカート3(以下、単に「スカート」という)は転炉1の排ガスを吸引している。吸引された排ガスは、上部のフード4を通じて回収、処理される。スカート3には、スカート位置を測定する測定装置が設けられる。ここでは、スカート位置を測定するシンクロカムなどの高さ計5を設置する。高さ計5は、スカート位置を測定して、その測定値をスカート位置情報として後述する分散制御部100に送信する。吹錬中は、スカート3を下降限8まで下降させ、転炉1の炉口6になるべく近づけて、転炉排ガスの回収効率を高めている。吹錬終了後は、スカート3を上昇限9まで上昇させ、出鋼側10や排滓側11に転炉1を傾動させたときに、たとえば、炉底7がスカート3に衝突して、設備が破損することを防止している。図1の実線は排滓時の転炉2の傾動の様子を示しており、スカート3が十分に上昇しなかった場合(実線)、これ以上転炉を傾動させると炉底7がスカート3に衝突してしまうことになる。
なお、スカート位置情報の提供手段として、シンクロカム以外にも、レーザー距離計などを例示することができる。送信手段は、電気信号を使用しても、無線通信でもよい。
ここでは、スカート位置は、スカート3の底面の位置とする。ただし、スカート位置は、スカート内であれば適宜設定してよい。
図2に本発明の第一の実施形態にかかる転炉排ガス処理装置のスカート位置監視・異常検知装置に用いる制御フロー図を示す。分散制御部100は、スカート位置高さを取得する第1のスキャン実績タグ101とその他の転炉操業情報を収集する第2のスキャン実績タグ102を有している。第1のスキャン実績タグ101は、シンクロカムからなる高さ計5の測定値、たとえば電圧をスカート位置H[mm]に変換してプロセス処理部200のスキャン実績収集部201に逐次送信する(S1)。たとえば、吹錬中は2秒ごとに送信し、吹錬間は8秒ごとに送信してもよい。第2のスキャン実績タグ102は、送酸量や転炉傾動角のほか、スカートの下降指示や上昇指示のタイミングなどの転炉操業情報を収集し、プロセス処理部200のスキャン実績収集部201に逐次送信する(S2)。
なお、ここでは、分散制御部100で測定装置の測定値をスカート位置に変換する構成としたが、スカート位置の導出は、測定装置自体で行っても、プロセス処理部200で行っても良い。また、スカート位置を直接求めることが可能な測定装置であれば、上記の変換作業は不要となり、測定値を直接プロセス処理部200に送信することも可能である。
プロセス処理部200では、分散処理系100から逐次送信された情報をスキャン実績収集部201にて収集し、時系列に整理して操業スキャン実績テーブル202を生成する(S3)。操業スキャン実績テーブル202はチャート形式に整理されて、実績締切処理部203に送信される(S4)。実績締切処理部203では、スカート位置のスキャン実績情報と、スカートの下降指示、上昇指示のタイミングなどから、当吹錬の代表値として、下降限代表値Hdや上昇限代表値Huを求める(S5)。得られた下降限代表値Hdや上昇限代表値Huは、監視画面表示用のスカート位置監視テーブル204や、転炉操業実績、転炉生産実績の記憶部207に送信される(S5)。
スカート位置監視手段としてのスカート位置監視テーブル204には、転炉の各吹錬ごとの下降限代表値Hdや上昇限代表値Huの過去値に加えて、今回値が追加される(S6)。スカート位置監視画面205では、スカート位置監視テーブル204の情報を表示するとともに、スカート位置設定テーブル206に設定された、スカート位置異常判定のためのフラグなどの情報が表示される(S7)。スカート位置異常判定手段としてのスカート位置設定テーブル206には、あらかじめ、スカート位置の異常判定のロジックや設定値、装置異常の閾値、アラーム出力の条件などが設定されており、状況に応じて、その設定値や閾値を変更できるようになっている(S8)。スカート位置の異常が判定された場合には、アラーム出力対象画面220のスカート位置異常画面221に表示ざれる。
一方、記憶部207に送られた下降限代表値Hdや上昇限代表値Huは、当該吹錬の代表値として他の転炉生産実績とともに記憶される(S9)。下降限代表値Hdや上昇限代表値Huを含む転炉生産実績はファイル転送部208に送られ(S10)、転炉生産実績ファイルデータ209として、データベース部300の転炉データベース301に送信される。
データベース部300には、転炉データベース301を含んでおり、転炉データベース301には、転炉生産実績として、スカート位置の下降限代表値Hdや上昇限代表値Huを含んで記憶されている。
上記装置を用いた、本発明の第二の実施形態にかかる転炉排ガス処理装置のスカート位置監視方法について説明する。
図3に転炉吹錬の経過とともに昇降するスカート位置の測定結果の一例を示す。スカート位置は、シンクロカムの高さ計5により、連続的に測定されて測定値が上記のようにスカート位置H[mm]に変換されている。スカート位置の測定は、一定時間間隔ごとに間欠的に測定してもよい。前吹錬の終了後、スカート3は、上昇限9にある。吹錬の開始にあたって、転炉1は、直立位置(図1の点線)に固定される。スカート3は、下降指示の信号を受けて下降する。ここで、下降限代表値Hdとして、スカート3の下降を指示してから所定時間経過後のスカート位置を採用する。吹錬の終了後、スカート3は、上昇指示の信号を受けて上昇する。ここで、上昇限代表値Huとして、スカート3の上昇を指示してから所定時間経過後のスカート位置を採用する。下降または上昇の開始を指示してから、代表値を求めるまでの時間を遅延時間と呼び、下降時および上昇時の遅延時間をそれぞれtdおよびtuとおく。あまりに早くスカート位置を求めると、下降途中や上昇途中のスカート位置を求めることになって、正しい下降限や上昇限が得られないことになってしまう。この遅延時間td、tuは、事前にスカートの昇降装置の速度と、昇降距離から計算して求めてもよいし、スカート位置の実績から経験的に定めてもよい。なお、遅延時間td、tuは、一定の値とするが、値自体は転炉ごとに異なっていてよい。
スカートの位置を連続的に測定する場合には、下降限代表値Hdおよび上昇限代表値Huは、上記遅延時間td、tuの経過後、予め定めた一定時間の測定値を平均して求めれば、ノイズが除去されて、HdまたはHuの精度が高くなるので好ましい。この測定値を平均する時間を累積時間と呼び、下降時および上昇時の累積時間をそれぞれadおよびauとおく。一方、間欠的にスカート位置を測定する場合には、下降限代表値Hdおよび上昇限代表値Huは、上記遅延時間td、tuの経過後、予め定めた回数の測定値を平均して求めれば、ノイズが除去されて、HdまたはHuの精度が高くなるので好ましい。この測定値を平均する回数を累積回数と呼び、下降時および上昇時の累積回数をそれぞれndおよびnuとおく。
上記遅延時間td、tuや累積時間ad、au、累積回数nd、nuは、脱燐処理、脱炭処理など転炉の精錬種類ごとに定めることが好ましい。本実施形態では、実績締切処理部203に設定することができる。上記のようにして求めた下降限代表値Hdや上昇限代表値Huは、図2示す転炉排ガス処理装置のスカート位置監視・異常検知装置によって記憶され、スカート位置の監視に供される。
次に、本発明の第三の実施形態にかかる転炉排ガス処理装置のスカート位置異常検知方法について説明する。
スカートの可動適正範囲を決めておき、上記のようにして求めた下降限代表値Hdおよび上昇限代表値Huが、予め定めた適正範囲の下限Xdおよび上限Xuの範囲内にあるかを図4に示すようなフローに基づき比較し、適正範囲内にある値のみを代表値とするよう図2のプロセス処理部200で異常判定することが好ましい。一方、適正範囲外にある場合には、スカート位置の代表値として採用しないことが好ましい。ここで、測定装置の異常による測定異常として、警報を発信してもよい。一例として、図4(a)では、上昇限代表値Huの今回値を読込み(S20)、HuがXuより大きいか、または、HuがXdより小さいかを比較し(S21)、いずれかを満足する場合には、測定装置の異常として、異常信号を出力し(S22)、Huの今回値を空にする(S23)。いずれも満足しない場合には、Huの今回値として記憶する。図4(b)に示すように、下降限代表値Hdも同様に処理することが好ましい。
また、図1の例のように複数の高さ計5でスカート3位置を測定する場合には、個々の高さ計5の測定値から上記のように代表値を求めてもよいし、各高さ計5で測定した値を平均して、当該吹錬の代表値として求めてもよい。
次にスカート位置の異常の例について説明する。
図5に一例として、出鋼順にプロットした、スカート位置の上昇限代表値Huの推移グラフを示す。ここでは、測定装置起因の異常値等は除いている。このグラフでは、18番目の吹錬以降、スカート位置の上昇限代表値Huが低下していることがわかる。このようなグラフを転炉の操業実績情報として、たとえば、図2のスカート位置監視画面205に提供することにより、スカート位置の異常を早期に発見できる。このような上昇限Huが低下していく原因としては、スカート3とフード4との間に粉塵やスプラッシュ等が堆積し、物理的に邪魔してスカートの上昇を妨げていることが一因と考えられる。その場合にはソフトブローに変更するなどして操業条件に反映させたり、OGのメンテナンスの時期を調整したりして、出鋼不能による減産を回避することになる。
上記例では、今回値Hu(Pre)からさかのぼる5回前から9回前までの5回のHuを平均してHu(Ave)として、その差ΔHu=|Hu(Pre)-Hu(Ave)|>α1の場合に異常と判定する例を示している。実丸(●記号)を正常位置と判定し、空丸(○記号)を異常位置と判定する例を示している。このような情報をスカート位置監視画面205に表示するとともに、異常信号をアラーム出力すれば、操業への反映やメンテナンスへの反映がスムーズに行えて好ましい。
一方、下降限8については、炉口6に付着した地金付きなどで妨げられて、スカート3の下降限8が高くなってしまい、スカート3と炉口6とのすき間が大きくなりすぎ、空気を吸い込んで転炉ガスの回収効率が悪くなったり、転炉ガスが漏れたりするおそれがある。したがって、上昇限代表値Hu同様、下降限代表値Hdの変化も監視し、異常検知することが好ましい。
上記例では、過去値の平均と今回値との差を所定値と比較する例を示した。その制御フローを図6(a)(b)に示す。そのほか、スカート位置の異常判定方法には、各種判定条件を用いることができる。たとえば、図7(a)、(b)には、今回値と直前の前回値との差の絶対値が所定値を越えたかどうかで異常判定する例を示している。また、図7(c)、(d)には、今回値を含む複数の過去値の間で最大値、最小値を求め、最大値と最小値の差が所定値を越えたかどうかで異常判定する例を示している。
スカート位置の異常判定方法は、これらの判定方法の一を用いてもよいし、複数を組み合わせて判定してもよい。
なお、たとえば、ある吹錬で求められた下降限代表値Hdまたは上昇限代表値Huが前回の吹錬での当該数値よりも20%以上異なって求められた時は、測定装置に異常が発生した可能性があるので、測定装置の調査を行うなどして、適切な処置をとることが可能になる。
また、スカートを駆動するモーターの電流値等を同時にモニターするなどして、下降限代表値Hdおよび上昇限代表値Huが適正範囲の下限Xdおよび上限Xuの範囲から外れた場合に、異常の原因推定に活用しても差し支えないことは、言うまでもない。
本発明は、転炉排ガス処理装置におけるOGに具備されるスカートの昇降機構に特に適しているが、設備の移動操作とそれに対応した位置測定装置を有する制御装置全てに適用可能である。
1 転炉
2 OG(酸素転炉排ガス回収システム)
3 スカート
4 フード
5 高さ計(シンクロカム)
6 炉口
7 炉底フランジ
8 スカート下降限
9 スカート上昇限
10 出鋼側
11 排滓側
100 分散制御部(分散制御システム(DCS))
101 第1のスキャン実績タグ
102 第2のスキャン実績タグ
200 プロセス処理部(プロセスコンピュータ)
201 スキャン実績収集部
202 操業スキャン実績テーブル
203 実績締切処理部
204 スカート位置監視テーブル
205 スカート位置監視画面
206 スカート位置設定テーブル
207 記憶部(転炉生産実績ファイル)
209 生産実績ファイルデータ
220 アラーム出力対象画面
221 スカート位置異常画面
300 データベース部
301 転炉データベース
Hd 下降限代表値
Hu 上昇限代表値
td 下降遅延時間
tu 上昇遅延時間
ad 下降累積時間
au 上昇累積時間
nd 下降累積回数
nu 上昇累積回数

Claims (7)

  1. 転炉排ガス処理装置のスカート位置を測定する測定装置を含む分散制御部と、前記スカート位置の監視手段と前記スカート位置の異常検知手段とを含むプロセス処理部と、を有する転炉排ガス処理装置のスカート位置監視・異常検知装置において、
    前記分散制御部は、前記測定装置から提供されたスカートの位置情報を前記プロセス処理部に送信するとともに、収集した転炉操業情報を前記プロセス処理部に送信する機能を有し、
    前記プロセス処理部は、収集した前記スカート位置情報および前記転炉操業情報を用いて、スカート位置の下降限代表値Hdおよび上昇限代表値Huを決定する処理部と、決定された前記下降限代表値Hdおよび上昇限代表値Huを、測定装置原因による測定異常を排除したうえで記憶する記憶部と、スカート位置の監視情報を生成する監視情報生成部と、前記決定されたスカート位置の下降限代表値Hdおよび上昇限代表値Huを用いて、スカート位置の異常を判定する異常検知部と、を有することを特徴とする転炉排ガス処理装置のスカート位置監視・異常検知装置。
  2. 転炉排ガス処理装置のスカートを吹錬の進行とともに昇降させる際に、スカート位置を連続的、または、間欠的に測定し、
    スカートの下降を指示してから所定時間経過後のスカート位置を下降限代表値Hdとし、スカートの上昇を指示してから所定時間経過後のスカート位置を上昇限代表値Huとし、測定装置原因による測定異常を排除したうえで前記下降限代表値Hdおよび前記上昇限代表値Huを当該吹錬のスカート位置の今回値として記憶することを特徴とする転炉排ガス処理装置のスカート位置監視方法。
  3. スカート位置を連続的に測定する場合には、前記下降限代表値Hdおよび上昇限代表値Huは、予め設定した時間内の測定値の平均値から求められるスカート位置とし、
    スカート位置を間欠的に測定する場合には、前記下降限代表値Hdおよび上昇限代表値Huは、予め設定した回数の測定値の平均値から求められるスカート位置とすることを特徴とする請求項2に記載の転炉排ガス処理装置のスカート位置監視方法。
  4. 前記下降限代表値Hdおよび前記上昇限代表値Huが、予め設定した値の範囲を超えた場合に、前記今回値として記憶しないことを特徴とする請求項2または3に記載の転炉排ガス処理装置のスカート位置監視方法。
  5. 前記スカート位置を測定する測定装置を複数設置し、それぞれの測定装置から提供されたスカート位置情報を用いて決定した前記下降限代表値Hdおよび前記上昇限代表値Huを個々に、または統計処理した後に、今回値として記憶することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の転炉排ガス処理装置のスカート位置監視方法。
  6. 請求項2~5のいずれか1項に記載の転炉排ガス処理装置のスカート位置監視方法によって記憶された、スカート位置情報に基づいて、スカート位置の異常を判定することを特徴とする転炉排ガス処理装置のスカート位置異常検知方法。
  7. 前記スカート位置の異常を判定するに際し、複数回の吹錬のスカート位置情報を用い、スカート位置の過去値または過去値を統計処理した値と今回値との差が一定値を超えた場合に異常と判定することを特徴とする請求項6に記載の転炉排ガス処理装置のスカート位置異常検知方法。
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