JP6015254B2 - 粉塵堆積物の検出方法及びその検出装置 - Google Patents

粉塵堆積物の検出方法及びその検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、粉塵堆積物の検出方法及びその検出装置に関し、特に、ガスダクト内の粉塵堆積物の状態を容易に検出できるようにした粉塵堆積物の検出方法及びその検出装置に関する。
転炉では、炉内に溶銑を装入したのち、例えば炉口からランスを挿入し、溶銑浴面に近づけて酸素ガスを吹き付けると同時に、炉底から不活性ガスを吹き込み、浴を撹拌しつつ吹錬を開始する。吹錬初期は溶銑中の炭素濃度が高いので、吹き込まれた酸素は炭素と効率よく反応し、一酸化炭素となって脱炭が進む。また、脱炭により発生した一酸化炭素等のガス、即ち、オフガス(以下、OG)は、転炉の上方に配置されたOGダクトを通して吸引される。OGダクトは、一般に上部から酸素吸込みランスを装入するため、例えば特許文献1に開示されているように、転炉直上から傾斜しながら上方に延びた構造となっている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平09−118908号公報
ところで、転炉の吹錬処理は大量の粉塵、溶鋼を飛散させ、それらはOGダクトにより吸引されるが、その過程でOGダクト内の壁面に粉塵の堆積や、溶鋼の付着などが発生しやすい。壁面に粉塵等が大量に堆積すると、それらが崩落して操業中の転炉に流入したり、或いは、転炉が傾転中の場合は、転炉前の作業床に高温の粉塵が噴出したりする可能性がある。
しかし、従来は、OGダクト内の粉塵堆積物の有無を確認するには、OGダクトに取り付けられたマンホールを開放してOGダクトの内部を目視点検するしか方法がなかった。転炉工場は一般的に24時間操業であり、マンホールを開放するには、操業を長時間停止する必要がある。そのため、点検だけのためにマンホールを開放することは現実的でなく、通常は行われない。
また、粉塵堆積物の有無を確認する手段として、カメラによる監視が考えられるが、OGダクトは、高濃度の粉塵を含んだ1000℃前後の高温ガスが流れる設備である。カメラによる監視を可能とするために、OGダクトにガラス窓等を取り付けた場合、ガラス窓等の破損、劣化が激しく、光学系の機器は使用に耐えない可能性が高い。また吹錬時のオフガスは高濃度のCOガスを含有するため、操業しながらガラス窓等を保守点検する作業は、安全性の確保が難しくその実施は困難である。
そこで、この発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、転炉のガスダクト内の粉塵堆積物の状態を容易に検出できるようにした粉塵堆積物の検出方法及びその検出装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る粉塵堆積物の検出方法は、転炉の上方に配置されて該転炉からのガスが通過するガスダクト内の粉塵堆積物を検出する検出方法であって、前記ガスダクト内の壁面に配置された温度計で該ガスダクト内の温度を測定し、吹錬の開始後に前記温度計で測定される測定温度の温度変化、及び予め設定した閾値と測定温度との関係の少なくとも一方に基づいて、前記ガスダクト内の前記粉塵堆積物の状態を判定することを特徴とする。ここで、「測定温度の温度変化」として、例えば昇温速度が挙げられる。また、「予め設定した閾値」として、例えば、ガスダクト内の壁面に粉塵堆積物がほとんど堆積していない時(即ち、通常吹錬時)の吹錬開始後温度:TempHが挙げられる。
また、上記の粉塵堆積物の検出方法において、前記温度計の配置位置は、前記ガスダクトの傾斜部であることを特徴としてもよい。
また、上記の粉塵堆積物の検出方法において、前記温度計は前記ガスダクト内の壁面に沿って複数配置されており、前記複数の温度計のうちの予め設定した個数以上の温度計での測定温度が予め設定した吹錬開始温度条件を満たすと、前記吹錬の開始を検出することを特徴としてもよい。ここで、「予め設定した吹錬開始温度条件」として、例えば、吹錬開始前温度:TempL以下から吹錬開始後温度:TempH以上への温度変化が挙げられる。
また、上記の粉塵堆積物の検出方法において、前記粉塵堆積物の状態の判定は、前記吹錬毎に前記温度計で測定される測定温度の温度変化、及び予め設定した閾値と測定温度との関係の少なくとも一方の予め設定した期間の平均値に基づいて行うことを特徴としてもよい。
本発明の別の態様に係る粉塵堆積物の検出装置は、転炉の上方に配置されて該転炉からのガスが通過するガスダクト内の粉塵堆積物を検出する検出装置であって、前記ガスダクト内の壁面に配置された温度計と、吹錬の開始後に前記温度計で測定される測定温度の温度変化及び予め設定した閾値に対する測定温度の少なくとも一方に基づいて、前記ガスダクト内の前記粉塵堆積物の状態を判定する判定部と、を備えることを特徴とする。
また、上記の粉塵堆積物の検出装置において、前記温度計の配置位置は、前記ガスダクトの傾斜部であることを特徴としてもよい。
また、上記の粉塵堆積物の検出装置において、前記温度計は前記ガスダクト内の壁面に沿って複数配置されており、前記複数の温度計のうちの予め設定した個数以上の温度計での測定温度が予め設定した吹錬開始温度条件を満たすと、前記吹錬の開始を検出する吹錬開始検出部、をさらに備えることを特徴としてもよい。
また、上記の粉塵堆積物の検出装置において、前記判定部は、前記吹錬毎に前記温度計で測定される測定温度の温度変化、及び予め設定した閾値と測定温度との関係の少なくとも一方の予め設定した期間の平均値に基づいて、前記粉塵堆積物の状態の判定を行うことを特徴としてもよい。
本発明の一態様によれば、転炉のガスダクト内の壁面に配置された温度計で、吹錬開始時の昇温速度と到達温度を測定することができる。そして、これら各値を吹錬毎に測定し、その測定値を基準値や閾値と比較して、その傾向(即ち、経時変化)を管理することができる。これにより、転炉のガスダクトのマンホールを開放して内部を目視で点検することなく、ガスダクト内の粉塵堆積物の状態を容易に検出することができる。このため、粉塵堆積物が大量に崩落して操業等に支障が生じる前に、ガスダクト内を適切なタイミングで清掃することが可能になる。
第1実施形態に係る粉塵堆積物の検出方法に好適な転炉設備100の構成例を示す図。 温度計20の配置例を示す図。 温度計20により測定される温度曲線の一例を示す図。 第1実施形態に係る粉塵堆積物の検出方法の手順を示すフローチャート図。 粉塵堆積物51が堆積している状態を示す図。 粉塵堆積物51の有無と温度曲線との関係を示す図。 第1実施形態の変形例を示す図。 第2実施形態に係る粉塵堆積物の検出装置200の構成例を示すブロック図。
本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する各図において、同一の構成を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
<第1実施形態>
(転炉設備の構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る粉塵堆積物の検出方法に好適な転炉設備100の構成例を示す模式図である。まず始めに、転炉設備100の構成例について説明する。
図1に示すように、転炉設備100は、例えば、転炉1と、転炉1の上部(即ち、炉口)に取り付けられたランス3と、転炉1の底部に取り付けられたガス供給管5と、転炉1の上部に配置されてオフガス(即ち、OG)を吸引するための、転炉OGダクト11と、転炉OGダクト11の鉄皮(以下、ダクト鉄皮)11aの外側に取り付けられた冷却装置17と、転炉OGダクト11を通してOGを吸引すると共に吸引したOG中の粉塵を集めて除去する集塵機19と、を備える。転炉1は傾動可能であり、その内部に溶銑が装入される。また、冷却装置17は、例えば冷媒として水を循環させる水冷管である。
図1に示すように、転炉OGダクト11は鉛直方向(例えば、図1のY軸方向)に対して傾斜した傾斜部を有する。上述したように、この傾斜部の内側の底面11bに粉塵堆積物や、溶鋼の付着などが発生しやすい。そこで、本発明の第1実施形態では、この傾斜部の内側の底面11bに予め、底面11b付近の温度を測定可能な接触式温度計(以下、温度計)20を取り付けておく。温度計20は、例えば熱電対を用いるのが容易且つ安価であるため好ましい。温度計20として熱電対を用いる場合は、その測温部20aをダクト鉄皮11aの内側に出し、その端子部20bをダクト鉄皮11aの外側に出すように、熱電対を鉄皮貫通部に通す。そして、鉄皮貫通部に通された熱電対を例えばコンプレッション・フィッティング等でダクト鉄皮11aに固定しておく。
この温度計20は、傾斜部の底面11bに沿って複数設けることが好ましい。例えば図1に示すように、複数の温度計20は、底面11bの転炉1側の端部からその反対側の端部にかけて、等間隔に配置するとよい。これにより、粉塵堆積物等が発生し易い底面11bの、長さ方向(即ち、OGガスの吸引方向)に沿う広い範囲で、温度を測定することが可能となる。また、例えば図2に示すように、複数の温度計20は、平面視で底面11bの長さ方向及び、これと直交する幅方向にそれぞれ等間隔に配置してもよい。
(検出方法)
次に、上記の転炉設備100において粉塵堆積物を検出する方法について説明する。
図3は、温度計20により測定される温度曲線の一例を示す図である。
本発明の第1実施形態では、転炉OGダクト11に配置された複数の温度計20を用いて、転炉OGダクト11内の温度を一定周期:Time1で測定する。そして、一定周期:Time1毎の測定値から転炉1での吹錬開始を検出すると共に、吹錬開始直後の昇温速度:TempV−nと、昇温の到達温度:TempA−nとを測定する。なお、符号の末尾に記載した「−n」は、複数の温度計20のうちのn番目の温度計で測定されたことを意味する。以下、図3を参照して、より具体的に説明する。
[基準値、閾値の設定]
吹錬開始時の昇温速度の基準値として、基準昇温速度:TempVを設定する。この基準昇温速度:TempVは、転炉OGダクト11に粉塵堆積物がほとんど堆積していないとき(即ち、通常吹錬時)に、吹錬開始直後の一定時間:Time1×Mの間に通常測定される昇温速度[℃/(Time1×M)]である。一定時間:Time1×Mは、一定周期:Time1のM倍(M:1以上の整数)の時間である。基準昇温速度:TempVは、複数の温度計20間で共通の値とする。
なお、基準昇温速度:TempVには、例えば昇温速度の過去の測定値であって、通常吹錬時の測定値、若しくは通常吹錬時の複数の測定値の平均値を用いるとよい。特に、測定値の平均値:TempV.aveを基準昇温速度とする場合は、TempV.aveの標準偏差σを考慮して、基準昇温速度に幅を持たせることができる。例えば、基準昇温速度として、TempV.ave±3σを設定することができる。
また、吹錬開始を検出するための閾値として、通常吹錬時の吹錬開始前温度:TempLと、通常吹錬時の吹錬開始後温度:TempHをそれぞれ設定する。吹錬開始前温度:TempLは、通常吹錬時の吹錬開始前に通常測定される温度よりも若干高い温度を設定する。また、吹錬開始後温度:TempHは、通常吹錬時の吹錬開始後に通常測定される温度よりも若干低い温度を設定する。これらの閾値は、複数の温度計20間で共通の値とする。なお、吹錬開始前温度:TempL及び吹錬開始後温度:TempHは、例えば過去の通常吹錬時の測定値を参考に設定するとよい。
[温度測定、判定]
図4は、本発明の第1実施形態に係る粉塵堆積物の検出方法の手順を示すフローチャート図である。上記のように、温度計20を予め配置すると共に、基準昇温速度:TempV、吹錬開始前温度:TempL及び通常吹錬時の吹錬開始後温度:TempHをそれぞれ設定した後、転炉1で吹錬を開始する。即ち、転炉1内に溶銑を装入したのち、炉口からランス3を挿入し、溶銑浴面に近づけて純酸素ガスを吹き付けると同時に、炉底から不活性ガス、炭酸ガス、又は、純酸素ガス及び冷却ガス等を吹き込み、浴を撹拌しつつ吹錬を開始する。吹錬初期は溶銑中の炭素濃度が高いので、吹き込まれた酸素は炭素と効率よく反応し、一酸化炭素となって脱炭が進む。また、脱炭により発生した一酸化炭素等のOGは、転炉OGダクト11を通して転炉1外へ排出される。また、複数の温度計20による温度の測定を開始する(ステップS10)。
次に、吹錬の開始を温度計20による温度測定で検出する(ステップS20)。例えば、複数の温度計20がそれぞれ温度:Temp−n(n=1〜Nの整数)を測定し、測定値を記録する。Temp−nの測定と記録は一定周期:Time1毎に行う。次に、一定時間:Time1×Mの間に、温度:Temp−nが吹錬開始前温度:TempL以下から吹錬開始後温度:TempH以上に上昇した(即ち、予め設定した吹錬開始温度条件を満たした)温度計20を抽出する。そして、抽出した温度計20の全個数に対する割合が予め設定した値(例えば、20〜60%)以上となったときに、その時間を、吹錬開始時間:Time−sとして検出する。
次に、吹錬開始時間:Time−s(即ち、吹錬開始直後)における、転炉OGダクト11内の昇温速度及び到達温度をそれぞれ測定する(ステップ30)。例えば、吹錬開始時間:Time−sにおいて、各温度計20が測定した温度:Temp−nを、各温度計20の到達温度:TempA−nとする。そして、この到達温度:TempA−nと、吹錬開始直前(即ち、吹錬開始時間:Time−sから一定時間:Time1×Mだけ遡った時間)に各温度計20が測定した温度:TempB−nとから、各温度計20の昇温速度:TempV−nを算出する。即ち、昇温速度:TempV−nは、下記の式(1)で示される。
TempV−n=(TempA−n−TempB−n)/(Time1×M)…(1)
なお、Time1は、例えば30〜60秒程度が好ましい。その理由は、Time1が短すぎると、吹錬開始の検出が各温度計20で揃わず、吹錬開始時間:Time−sの検出が困難になる。また、Time1が長すぎると、Temp−Anが毎回昇温し切った値となり、吹錬開始時の昇温速度を適切に算出できないおそれがある。Time1×Mは、例えば60秒〜180秒程度である。
次に、各温度計20で測定された昇温速度:TempV−nを、基準昇温速度:TempVと比較する。同様に、各温度計20で測定された到達温度:TempA−nを、吹錬開始後温度:TempHと比較する(ステップ40)。
そして、これらの比較の結果から、各温度計20の昇温速度:TempV−nは基準昇温速度:TempVに近い値(例えば、TempV.ave±3σの範囲内)であり、到達温度:TempA―nは吹錬開始後温度:TempHよりも高い場合は、粉塵堆積物はほとんど無い(即ち、通常吹錬である)と判定する(ステップ50)。一方、各温度計20の昇温速度:TempV−nは基準昇温速度:TempVから離れた値(例えば、TempV.ave±3σの範囲外)であり、或いは、到達温度:TempA―nは吹錬開始後温度:TempHよりも低い場合は、粉塵堆積物が有ると判定する(ステップ60)。
例えば図5に示すように、粉塵堆積物51が温度計20の上に堆積している場合、OGと温度計20との間の熱伝導が阻害されるため、温度計20により測定される温度は低下する。その結果、各温度計20で測定される昇温速度:TempV−nは基準昇温速度:TempVと比較して低下する。例えば図6に示すように、粉塵堆積物51がほとんどない通常吹錬時の温度曲線Aと比較して、粉塵堆積物51が有るときの温度曲線Bは昇温の傾きが小さくなる。また、粉塵堆積物51が著しく多い場合には、温度曲線Cに示すように、到達温度:TempA−nも低下する。この原理に基づき、昇温速度:TempV−n及び到達温度:TempA―nの少なくとも一方が顕著に低下した場合、その温度計20による測定位置には粉塵堆積物が有ると判定する。
[粉塵堆積物の除去]
上記のように粉塵堆積物が有ると判定した場合は、吹錬後に転炉1の操業を一旦停止する(ステップ70)。そして、転炉OGダクト11に取り付けられたマンホールを開放して、内部に堆積した粉塵堆積物を除去する(ステップ80)。ステップ50又はステップ80の後は、例えばステップ10に戻る。
この第1実施形態では、転炉OGダクト11が本発明の「ガスダクト」に対応し、傾斜部の内側の底面11bが本発明の「壁面」に対応している。
(第1実施形態の効果)
本発明の第1実施形態は、以下の効果を奏する。
(1)転炉OGダクト11内の壁面に配置された複数の温度計20で、吹錬開始時のOGダクト11内の昇温速度:TempV−nと到達温度:TempA−nを測定することができる。そして、これら各値を吹錬毎に測定し、その測定値を基準昇温速度:TempVと吹錬開始後温度:TempHと比較して、傾向を管理することができる。これにより、転炉OGダクト11のマンホールを開放して内部を目視で点検することなく、転炉OGダクト11内の粉塵堆積物の状態を容易に検出することができる。このため、粉塵堆積物が大量に崩落して操業等に支障が生じる前に、転炉OGダクト11内を適切なタイミングで清掃することが可能になる。
(2)また、複数の温度計20による測温位置は、転炉OGダクト11内で最も粉塵堆積物が発生しやすい傾斜部の底面11bである。これにより、粉塵堆積物の存在をより早期に検出することができる。
(3)また、複数の温度計20のうちの予め設定した個数以上の温度計(例えば、20〜60%)が、吹錬開始前温度:TempL以下から吹錬開始後温度:TempH以上への温度変化を測定することによって吹錬の開始を検出する。これにより、吹錬開始を検出するための温度計を別途設ける必要がない。また、複数の温度計20による温度測定のタイミングを吹錬開始のタイミングに合わせる(同期させる)必要もない。これにより、粉塵堆積物の検出装置の簡素化に寄与することができる。
(4)また、接触式温度計20に熱電対を用いる場合、その測温部20aをダクト鉄皮11aの内側に出し、その端子部20bをダクト鉄皮11aの外側に出すように、熱電対を鉄皮貫通部に通す。そして、鉄皮貫通部に通された熱電対を例えばコンプレッション・フィッティング等でダクト鉄皮11aに固定する。これにより、熱電対の断線等の故障時にも1〜2分程度で交換が可能である。熱電対は、吹錬の合間で十分に交換可能であり、操業に影響を与えることなく、保守点検と機能維持が可能である。
(変形例)
(1)本実施形態では、各温度計20で測定された昇温速度:TempV−n、及び、到達温度:TempA―nについて、一定時間Time2毎の平均値を算出して、平均昇温速度:TempV.ave−n、平均到達温度:TempA.ave―nとしてもよい。そして、これらを一定時間Time2毎に基準値と比較して、傾斜部の底面11bでの粉塵堆積物の状態を判定してもよい。Time2は、基準上適切な値としてよく、例えば1日(24時間)に設定する。つまり、昇温速度:TempV−n、及び、到達温度:TempA―nを少なくとも1日1回確認して、その日々のトレンドを基準するようにしてもよい。このような場合であって、上記の第1実施形態の効果(1)〜(4)と同様の効果を奏する。
(2)また、本実施形態では、上記の平均昇温速度:TempV.ave−n、平均到達温度:TempA.ave―nに基づいて、基準昇温速度:TempV、吹錬開始前温度:TempL、吹錬開始後温度:TempHをそれぞれ設定、更新してもよい。これにより、昇温速度:TempV−nと到達温度:TempA−nの正常、異常を最新の傾向と比較して検出することができる。
(3)また、本実施形態では、例えば図7に示すように、転炉OGダクト11内の傾斜部であって、底面11bと対向する上面にも熱電対等の温度計25を配置してもよい。本発明者の知見によれば、底面11bと比べて上面には粉塵堆積物が堆積し難い。このため、温度計25で転炉OGダクト11内の温度を測定することによって、底面11bに粉塵堆積物が堆積している場合でも、温度を変動少なく測定することができる。例えば温度計20と同様に、温度計25も温度の測定及び記録を一定周期:Time1毎に行うことによって、吹錬開始時間:Time−sをさらに精度良く検出することも可能である。
(4)また、本実施形態では、温度計20は複数ではなく、1つでもよい。このような場合であっても、(温度計20を複数配置した場合と比べて測温可能な範囲は狭まるものの)上記の第1実施形態の効果(1)(2)(4)と同様の効果を奏する。
(第2実施形態)
(検出装置)
本発明の実施形態では、上述した粉塵堆積物の検出方法の少なくとも一部を検出装置が行っても良い。第2実施形態では、この点について説明する。
図8は、本発明の第2実施形態に係る粉塵堆積物の検出装置200の構成例を示すブロック図である。この検出装置200は、転炉OGダクト11内の粉塵堆積物を検出する検出装置である。図8に示すように、検出装置200は、例えば、温度計20と、この温度計20から送信されてくる温度情報に基づいて各種の処理を行う制御部210と、制御部210で行った処理の結果を表示するモニター230とを備える。温度計20と制御部210との間及び制御部210とモニター230との間はそれぞれ、例えば有線又は無線で接続されている。
また、制御部210は、その機能として、例えば温度情報入力部211と、温度情報格納部213と、吹錬開始検出部215と、測定値算出部217と、測定値格納部219と、基準値等格納部221と、判定部223と、判定結果格納部225と、判定結果出力部227とを有する。
温度情報入力部211は、例えば熱電対等の温度計20から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換(即ち、AD変換)して、吹錬開始検出部215及び測定値算出部217で読み込み可能な信号に変換する。温度情報格納部213は、例えば熱電対等の複数の温度計20が出力する温度情報を格納する。吹錬開始検出部215は、温度情報格納部213に格納された温度情報に基づいて、吹錬開始時間:Time−sを検出する。測定値算出部217は、温度情報格納部213に格納された温度情報に基づいて、吹錬開始時間:Time−s、昇温速度:TempV−n、到達温度:TempA−n等の測定値を算出する。測定値格納部219は、測定値算出部217が算出した測定値を格納する。基準値等格納部221は、上述した基準昇温速度:TempV、吹錬開始前温度:TempL、吹錬開始後温度:TempHなどの基準値、閾値を格納する。
判定部223は、測定値格納部219に格納された測定値と、基準値等格納部221に格納された基準値とに基づいて、粉塵堆積物の状態を判定する。判定結果格納部225は、判定部223による判定結果を格納する。判定結果出力部227は、判定結果格納部225に格納された判定結果を画像表示信号に変換してモニター230に出力する。
温度情報格納部213と、測定値格納部219と、基準値等格納部221と、判定結果格納部225は、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、又はハードディスクなどの磁気記録装置、或いはDRAMなどの揮発性メモリで構成されている。これら温度情報格納部213と、測定値格納部219と、基準値等格納部221と、判定結果格納部225は、同一の記憶装置で構成されていてもよいし、異なる記憶装置で構成されていてもよい。
また、測定値算出部217と判定部223は、例えば同一の又は異なるCPU(Central Processing Unit)で構成されている。温度情報入力部211と、判定結果出力部227は、例えば入出力インターフェースで構成されている。
この検出装置200では、温度計20が図7のステップ10で説明した温度測定(開始)を行う。また、吹錬開始検出部215が、ステップ20で説明した吹錬開始時間:Time−sの検出を行う。さらに、測定値算出部217が、ステップ30で説明した昇温速度:TempV−n、到達温度:TempA−nの算出を行う。また、判定部223が、ステップ40、50、60で説明した粉塵堆積物の状態判定を行う。
(第2実施形態の効果)
本発明の第2実施形態は、第1実施形態の効果(1)〜(4)と同様の効果を奏する。
また、第2実施形態によれば、図4に示したフローチャートのステップ10、20、30、40、50、60を検出装置200が自動で行う。これにより、オペレータの作業負荷を軽減することができる。
(変形例)
第2実施形態においても、第1実施形態で説明した変形例(1)〜(4)を適用してよい。
1 転炉
3 ランス
5 ガス供給管
11 ダクト
11a ダクト鉄皮
11b 底面
17 冷却装置
19 集塵機
20 温度計
20a 測温部
20b 端子部
51 粉塵堆積物
100 転炉設備
200 検出装置
210 制御部
211 温度情報入力部
213 温度情報格納部
215 吹錬開始検出部
217 測定値算出部
219 測定値格納部
221 基準値等格納部
223 判定部
225 判定結果格納部
227 判定結果出力部
230 モニター

Claims (4)

  1. 転炉の上方に配置されて該転炉からのガスが通過するガスダクト内の粉塵堆積物を検出する検出方法であって、
    前記ガスダクト内の壁面に配置された温度計で該ガスダクト内の温度を測定し、
    前記ガスダクト内に粉塵堆積物がほとんど堆積していない通常吹錬時において、吹錬開始後から目的の吹錬開始温度に昇温していると推定されるまでの時間である一定時間、前記温度計配置位置での前記一定時間で推定される昇温速度である基準昇温速度、及び前記温度計配置位置での吹錬中と推定される昇温到達温度を、それぞれ予め設定し、
    吹錬の開始後から前記一定時間に前記温度計で測定される測定温度の昇温速度と前記基準昇温速度との関係、及び前記昇温到達温度と前記一定時間経過後の測定温度との関係の少なくとも一方に基づいて、前記ガスダクト内の前記粉塵堆積物の状態を判定し、
    前記温度計は前記ガスダクト内の壁面に沿って複数配置され、
    前記複数の温度計のうちの予め設定した個数以上の温度計での測定温度が前記昇温速度到達温度以上である吹錬開始温度条件を満たすと、前記吹錬の開始として検出することを特徴とする粉塵堆積物の検出方法。
  2. 前記温度計の配置位置は、前記ガスダクトの傾斜部であることを特徴とする請求項1に記載の粉塵堆積物の検出方法。
  3. 転炉の上方に配置されて該転炉からのガスが通過するガスダクト内の粉塵堆積物を検出する検出装置であって、
    前記ガスダクト内の壁面に配置された温度計と、
    前記ガスダクト内に粉塵堆積物がほとんど堆積していない通常吹錬時における、吹錬開始後から目的の吹錬開始温度に昇温していると推定されるまでの時間を一定時間と、前記温度計配置位置での前記一定時間で推定される昇温速度を基準昇温速度と、前記温度計配置位置での吹錬中と推定される温度を昇温到達温度とし、
    吹錬の開始後から前記一定時間に前記温度計で測定される測定温度の昇温速度と前記基準昇温速度との関係、及び前記昇温到達温度と前記一定時間経過後の測定温度の少なくとも一方に基づいて、前記ガスダクト内の前記粉塵堆積物の状態を判定する判定部と、を備え
    前記温度計は前記ガスダクト内の壁面に沿って複数配置されており、
    前記複数の温度計のうちの予め設定した個数以上の温度計での測定温度が前記昇温速度到達温度以上である吹錬開始温度条件を満たすと、前記吹錬の開始を検出する吹錬開始検出部、をさらに備えることを特徴とする粉塵堆積物の検出装置。
  4. 前記温度計の配置位置は、前記ガスダクトの傾斜部であることを特徴とする請求項3に記載の粉塵堆積物の検出装置。
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