フィールド機器を支持面に取付けるに際しては、支持面からフィールド機器に伝わる振動ができるだけ増大しないように強固に取付けることが望ましい。
本開示の目的は、フィールド機器の耐振動性を確保しつつ支持面に取付け可能であり、構成を簡素化可能な、フィールド機器セット、ブラケット及びブラケットの製造方法を提供することにある。
幾つかの実施形態に係るフィールド機器セットは、フィールド機器と、フィールド機器を支持面に取付けるためのブラケットと、で構成されるフィールド機器セットであって、ブラケットは、屈曲板部材を有し、屈曲板部材は、支持面に取付け可能な平面状の基部壁と、基部壁に直線状の第1屈曲部を介して連なるとともに基部壁と垂直な平面状の第1壁と、基部壁に第1屈曲部と垂直な直線状の第2屈曲部を介して連なるとともに基部壁に対して第1壁と同じ側に位置し、基部壁と垂直な平面状の第2壁と、第2壁に直線状の第3屈曲部を介して連なるとともに第1壁と平行な第3壁と、を有し、第1壁及び第3壁は、所定の締結具によってフィールド機器に共締め可能な重合部を有する。このような構成によれば、第1壁及び第3壁を重合部においてフィールド機器に共締めすることにより、第1屈曲部を中心とするフィールド機器の揺動を第3壁及び第2壁によって効果的に支持するとともに、第2屈曲部を中心とするフィールド機器の揺動を第1壁によって効果的に支持することができる。したがって、このようなフィールド機器セットは、フィールド機器の耐振動性を確保しつつ支持面に取付け可能である。また、このようなフィールド機器セットは、屈曲板部材を1枚の板材のみで構成可能であるので、構成を簡素化可能である。
一実施形態に係るフィールド機器セットは、上記構成において、第3壁は、第2壁が位置する側から基部壁を越えて突出する延長部を有し、第2壁は、フィールド機器に取付け可能である。このような構成によれば、第3壁の延長部を支持面に当接させた状態で基部壁を支持面に取付けることにより、第2壁にフィールド機器を取付けた場合でも、第2屈曲部を中心とするフィールド機器の揺動を支持面に延長部で当接した第3壁によって支持することができ、耐振動性を確保することができる。
一実施形態に係るフィールド機器セットは、上記構成において、屈曲板部材は、基部壁に第2屈曲部と平行な直線状の第4屈曲部を介して連なるとともに基部壁に対して第1壁と同じ側に位置し、基部壁と垂直な平面状の第4壁と、第4壁に直線状の第5屈曲部を介して連なるとともに第1壁と平行な第5壁と、を有し、第1壁及び第5壁は、所定の締結具によってフィールド機器に共締め可能な重合部を有する。このような構成によれば、第1壁及び第5壁を重合部においてフィールド機器に共締めすることにより、第1屈曲部を中心とするフィールド機器の揺動を第5壁及び第4壁によって効果的に支持するとともに、第4屈曲部を中心とするフィールド機器の揺動を第1壁によって効果的に支持することができる。したがって、耐振動性を更に高めることができる。
一実施形態に係るフィールド機器セットは、上記構成において、第5壁は、第4壁が位置する側から基部壁を越えて突出する延長部を有し、第4壁は、フィールド機器に取付け可能である。このような構成によれば、第5壁の延長部を支持面に当接させた状態で基部壁を支持面に取付けることにより、第4壁にフィールド機器を取付けた場合でも、第4屈曲部を中心とするフィールド機器の揺動を支持面に延長部で当接した第5壁によって支持することができ、耐振動性を確保することができる。
一実施形態に係るフィールド機器セットは、上記構成において、屈曲板部材は、基部壁に第1屈曲部と平行な直線状の第6屈曲部を介して連なるとともに基部壁に対して第1壁と反対の側に位置し、基部壁と垂直な平面状の第6壁を有し、第6壁は、第3壁の延長部と同一の形状及び寸法の第1部分と、第5壁の延長部と同一の形状及び寸法の第2部分と、を有する。このような構成によれば、第3壁の延長部、第5壁の延長部、第6壁の第1部分、及び第6壁の第2部分を壁面の支持面に当接させることができるので、壁面の支持面への取付けの安定性を向上することができる。
一実施形態に係るフィールド機器セットは、上記構成において、第3壁の延長部は、第2壁の側から第4壁の側に向けて基部壁の側に傾斜する傾斜端面を有し、第5壁の延長部は、第3壁の延長部の傾斜端面と対称形状の傾斜端面を有する。このような構成によれば、第3壁の延長部の傾斜端面、第5壁の延長部の傾斜端面、第6壁の第1部分の傾斜端面、及び第6壁の第2部分の傾斜端面を支柱の支持面に当接させることができるので、支柱の支持面への取付けの安定性を向上することができる。
一実施形態に係るフィールド機器セットは、上記構成において、基部壁は、U字ボルトの両端又は一対のボルトを挿入可能な一対の丸孔と、ベルトを挿入可能な一対の長孔と、マグネット取付け用のボルトを挿入可能な丸孔と、のうちの1つである第1取付け部と、U字ボルトの両端又は一対のボルトを挿入可能な一対の丸孔と、ベルトを挿入可能な一対の長孔と、マグネット取付け用のボルトを挿入可能な丸孔と、のうちの第1取付け部と異なる他の1つである第2取付け部と、を有する。このような構成によれば、U字ボルト又は一対のボルトを用いる(支柱又は壁面等の)支持面への取付け、ベルトを用いる(支柱等の)支持面への取付け、及びマグネットを用いる(壁面等の)支持面への取付けのうちの少なくとも2種類を利用可能にすることができる。すなわち、支持面への複数種類の取付けを可能にすることができる。
一実施形態に係るフィールド機器セットは、上記構成において、基部壁は、U字ボルトの両端又は一対のボルトを挿入可能な一対の丸孔と、ベルトを挿入可能な一対の長孔と、マグネット取付け用のボルトを挿入可能な丸孔と、のうちの第1取付け部及び第2取付け部のいずれとも異なる他の1つである第3取付け部を有する。このような構成によれば、U字ボルト又は一対のボルトを用いる(支柱又は壁面等の)支持面への取付け、ベルトを用いる(支柱等の)支持面への取付け、及びマグネットを用いる(壁面等の)支持面への取付けの、3種類の取り付けを利用可能にすることができる。
幾つかの実施形態に係るブラケットは、屈曲板部材を有するブラケットであって、屈曲板部材は、U字ボルトの両端又は一対のボルトを挿入可能な一対の丸孔と、ベルトを挿入可能な一対の長孔と、マグネット取付け用のボルトを挿入可能な丸孔と、のうちの1つである第1取付け部を有する平面状の基部壁と、基部壁に直線状の第1屈曲部を介して連なるとともに基部壁と垂直な平面状の第1壁と、基部壁に第1屈曲部と垂直な直線状の第2屈曲部を介して連なるとともに基部壁に対して第1壁と同じ側に位置し、基部壁と垂直な平面状の第2壁と、第2壁に直線状の第3屈曲部を介して連なるとともに第1壁と平行な第3壁と、を有し、第1壁は、丸孔で構成される第1壁取付け部を有し、第3壁は、丸孔で構成される第3壁取付け部を有し、第1壁取付け部と第3壁取付け部とは、共通のボルトを挿入可能に重合している。このような構成によれば、基部壁の第1取付け部を支持面に取付けるとともに、第1壁取付け部と第3壁取付け部とを共通のボルトでフィールド機器に共締めすることにより、第1屈曲部を中心とするフィールド機器の揺動を第3壁及び第2壁によって効果的に支持するとともに、第2屈曲部を中心とするフィールド機器の揺動を第1壁によって効果的に支持することができる。したがって、このようなブラケットは、フィールド機器の耐振動性を確保しつつ支持面に取付け可能である。また、このようなブラケットは、屈曲板部材を1枚の板材のみで構成可能であるので、構成を簡素化可能である。
一実施形態に係るブラケットは、上記構成において、第3壁は、第2壁が位置する側から基部壁を越えて突出する延長部を有し、第2壁は、ボルトを挿入可能な丸孔で構成される第2壁取付け部を有する。このような構成によれば、第3壁の延長部を支持面に当接させた状態で基部壁の第1取付け部を支持面に取付けることにより、フィールド機器を第2壁の第2壁取付け部に取付けた場合でも、第2屈曲部を中心とするフィールド機器の揺動を支持面に延長部で当接した第3壁によって支持することができ、耐振動性を確保することができる。
一実施形態に係るブラケットは、上記構成において、屈曲板部材は、基部壁に第2屈曲部と平行な直線状の第4屈曲部を介して連なるとともに基部壁に対して第1壁と同じ側に位置し、基部壁と垂直な平面状の第4壁と、第4壁に直線状の第5屈曲部を介して連なるとともに第1壁と平行な第5壁と、を有し、第5壁は、丸孔で構成される第5壁取付け部を有し、第1壁取付け部と第5壁取付け部とは、共通のボルトを挿入可能に重合している。このような構成によれば、基部壁の第1取付け部を支持面に取付けるとともに、第1壁取付け部と第5壁取付け部とを共通のボルトでフィールド機器に共締めすることにより、第1屈曲部を中心とするフィールド機器の揺動を第5壁及び第4壁によって効果的に支持するとともに、第4屈曲部を中心とするフィールド機器の揺動を第1壁によって効果的に支持することができる。したがって、耐振動性を更に高めることができる。
一実施形態に係るブラケットは、上記構成において、第5壁は、第4壁が位置する側から基部壁を越えて突出する延長部を有し、第4壁は、ボルトを挿入可能な丸孔で構成される第4壁取付け部を有する。このような構成によれば、第5壁の延長部を支持面に当接させた状態で基部壁の第1取付け部を支持面に取付けることにより、フィールド機器を第4壁の第4壁取付け部に取付けた場合でも、第4屈曲部を中心とするフィールド機器の揺動を支持面に延長部で当接した第5壁によって支持することができ、耐振動性を確保することができる。
一実施形態に係るブラケットは、上記構成において、屈曲板部材は、基部壁に第1屈曲部と平行な直線状の第6屈曲部を介して連なるとともに基部壁に対して第1壁と反対の側に位置し、基部壁と垂直な平面状の第6壁を有し、第6壁は、第3壁の延長部と同一の形状及び寸法の第1部分と、第5壁の延長部と同一の形状及び寸法の第2部分と、を有する。このような構成によれば、第3壁の延長部、第5壁の延長部、第6壁の第1部分、及び第6壁の第2部分を壁面の支持面に当接させることができるので、壁面の支持面への取付けの安定性を向上することができる。
一実施形態に係るブラケットは、上記構成において、第3壁の延長部は、第2壁の側から第4壁の側に向けて基部壁の側に傾斜する傾斜端面を有し、第5壁の延長部は、第3壁の延長部の傾斜端面と対称形状の傾斜端面を有する。このような構成によれば、第3壁の延長部の傾斜端面、第5壁の延長部の傾斜端面、第6壁の第1部分、及び第6壁の第2部分を支柱の支持面に当接させることができるので、支柱の支持面への取付けの安定性を向上することができる。
一実施形態に係るブラケットは、上記構成において、基部壁は、U字ボルトの両端又は一対のボルトを挿入可能な一対の丸孔と、ベルトを挿入可能な一対の長孔と、マグネット取付け用のボルトを挿入可能な丸孔と、のうちの第1取付け部と異なる他の1つである第2取付け部を有する。このような構成によれば、U字ボルト又は一対のボルトを用いる(支柱又は壁面等の)支持面への取付け、ベルトを用いる(支柱等の)支持面への取付け、及びマグネットを用いる(壁面等の)支持面への取付けのうちの少なくとも2種類を利用可能にすることができる。すなわち、支持面への複数種類の取付けを可能にすることができる。
一実施形態に係るブラケットは、上記構成において、基部壁は、U字ボルトの両端又は一対のボルトを挿入可能な一対の丸孔と、ベルトを挿入可能な一対の長孔と、マグネット取付け用のボルトを挿入可能な丸孔と、のうちの第1取付け部及び第2取付け部のいずれとも異なる他の1つである第3取付け部を有する。このような構成によれば、U字ボルト又は一対のボルトを用いる(支柱又は壁面等の)支持面への取付け、ベルトを用いる(支柱等の)支持面への取付け、及びマグネットを用いる(壁面等の)支持面への取付けの、3種類の取り付けを利用可能にすることができる。
幾つかの実施形態に係るブラケットの製造方法は、1枚の板材からなる屈曲板部材を有するブラケットの製造方法であって、屈曲板部材は、U字ボルトの両端又は一対のボルトを挿入可能な一対の丸孔と、ベルトを挿入可能な一対の長孔と、マグネット取付け用のボルトを挿入可能な丸孔と、のうちの1つである第1取付け部を有する平面状の基部壁と、基部壁に直線状の第1屈曲部を介して連なるとともに基部壁と垂直な平面状の第1壁と、基部壁に第1屈曲部と垂直な直線状の第2屈曲部を介して連なるとともに基部壁に対して第1壁と同じ側に位置し、基部壁と垂直な平面状の第2壁と、第2壁に直線状の第3屈曲部を介して連なるとともに第1壁と平行な第3壁と、を有し、第1壁は、丸孔で構成される第1壁取付け部を有し、第3壁は、丸孔で構成される第3壁取付け部を有し、第1壁取付け部と第3壁取付け部とは、共通のボルトを挿入可能に重合しており、1枚の板材に第1屈曲部、第2屈曲部及び第3屈曲部を設ける曲げ工程を有する。このような構成によれば、製造されるブラケットは、基部壁の第1取付け部を支持面に取付けるとともに、第1壁取付け部と第3壁取付け部とを共通のボルトでフィールド機器に共締めすることにより、第1屈曲部を中心とするフィールド機器の揺動を第3壁及び第2壁によって効果的に支持するとともに、第2屈曲部を中心とするフィールド機器の揺動を第1壁によって効果的に支持することができる。したがって、このようなブラケットは、フィールド機器の耐振動性を確保しつつ支持面に取付け可能である。また、このようなブラケットは、1枚の板材からなる屈曲板部材を用いているので、構成を簡素化可能である。また、このようなブラケットの製造方法は、1枚の板材に第1屈曲部、第2屈曲部及び第3屈曲部を設ける曲げ工程を有するので、ブラケットを容易に製造可能である。
一実施形態に係るブラケットの製造方法は、上記構成において、屈曲板部材は、基部壁に第2屈曲部と平行な直線状の第4屈曲部を介して連なるとともに基部壁に対して第1壁と同じ側に位置し、基部壁と垂直な平面状の第4壁と、第4壁に直線状の第5屈曲部を介して連なるとともに第1壁と平行な第5壁と、を有し、第5壁は、丸孔で構成される第5壁取付け部を有し、第1壁取付け部と第5壁取付け部とは、共通のボルトを挿入可能に重合しており、曲げ工程により1枚の板材に第4屈曲部及び第5屈曲部を設ける。このような構成によれば、製造されるブラケットは、基部壁の第1取付け部を支持面に取付けるとともに、第1壁取付け部と第5壁取付け部とを共通のボルトでフィールド機器に共締めすることにより、第1屈曲部を中心とするフィールド機器の揺動を第5壁及び第4壁によって効果的に支持するとともに、第4屈曲部を中心とするフィールド機器の揺動を第1壁によって効果的に支持することができる。したがって、耐振動性を更に高めることができる。また、このようなブラケットの製造方法は、曲げ工程により1枚の板材に第4屈曲部及び第5屈曲部を設けるので、ブラケットを容易に製造可能である。
一実施形態に係るブラケットの製造方法は、上記構成において、第3壁は、第2壁が位置する側から基部壁を越えて突出する延長部を有し、第2壁は、ボルトを挿入可能な丸孔で構成される第2壁取付け部を有し、第5壁は、第4壁が位置する側から基部壁を越えて突出する延長部を有し、第4壁は、ボルトを挿入可能な丸孔で構成される第4壁取付け部を有し、屈曲板部材は、基部壁に第1屈曲部と平行な直線状の第6屈曲部を介して連なるとともに基部壁に対して第1壁と反対の側に位置し、基部壁と垂直な平面状の第6壁を有し、第6壁は、第3壁の延長部と同一の形状及び寸法の第1部分と、第5壁の延長部と同一の形状及び寸法の第2部分と、を有し、曲げ工程により1枚の板材に第6屈曲部を設ける。このような構成によれば、製造されるブラケットは、第3壁の延長部、第5壁の延長部、第6壁の第1部分、及び第6壁の第2部分を壁面の支持面に当接させることができるので、壁面の支持面への取付けの安定性を向上することができる。また、このようなブラケットの製造方法は、曲げ工程により1枚の板材に第6屈曲部を設けるので、ブラケットを容易に製造可能である。
本開示によれば、フィールド機器の耐振動性を確保しつつ支持面に取付け可能であり、構成を簡素化可能な、フィールド機器セット、ブラケット及びブラケットの製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るフィールド機器セット、ブラケット及びブラケットの製造方法について、詳細に例示説明する。
まず、図1~図17を参照して、本発明の実施形態に係るフィールド機器セット及びブラケットについて、詳細に例示説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るフィールド機器セット1は、フィールド機器2と、フィールド機器2を支持面3(図11等参照)に取付けるためのブラケット4(すなわち、本実施形態に係るブラケット)と、で構成されている。ブラケット4は、屈曲板部材5を有している。より具体的に、ブラケット4は、本実施形態では、屈曲板部材5からなっている。しかし、ブラケット4は、例えば、屈曲板部材5に補強用又は防振用等の他の(鋼鉄等の金属製、又はゴム製等の)部材を固着した構成としてもよい。
フィールド機器2は、プラントにおいて用いられる機器であり、本実施形態では、圧力計、流量計、温度計等のセンサ機器として構成されている。しかし、フィールド機器2は、センサ機器以外であってもよく、例えば、流量制御弁や開閉弁等のバルブ機器、ファンやモータ等のアクチュエータ機器、プラント内の状況や対象物を撮影するカメラやビデオ等の撮像機器、プラント内の異音等を収集したり警報音等を発したりするマイクやスピーカ等の音響機器、各機器の位置情報を出力する位置検出機器、その他の機器であってもよい。プラントは、化学等の工業プラント、ガス田や油田等の井戸元やその周辺を管理制御するプラント、水力・火力・原子力等の発電を管理制御するプラント、太陽光や風力等の環境発電を管理制御するプラント、上下水やダム等を管理制御するプラント、その他のプラントであってよい。
フィールド機器2は、本実施形態では、2つ以上のねじ穴(図示省略)を有する取付け面2aを有している。より具体的に、フィールド機器2は、中心軸線Oを有する大径部2bとその下方に同心状に連なる小径部2cとからなる2段柱状をなしている。大径部2bは、外周面が上方に向けて僅かに縮径する円柱状をなしており、その底部が取付け面2aとなっている。小径部2cは、上下方向に亘って同径の円柱状をなしている。しかし、フィールド機器2の形状はこのような2段柱状に限られず、例えば、小径部2cを有さずに大径部2bのみを有する円柱状又は角柱状等の柱状であってもよいし、柱状以外の形状であってもよい。
説明の便宜上、特に断らない限り、フィールド機器2について上下方向とは、中心軸線Oに沿う方向を意味し、上方とは、中心軸線Oに沿って小径部2cから大径部2bに向かう方向(図1における上方)を意味し、下方とはその反対方向を意味する。フィールド機器2は、中心軸線Oが鉛直方向に沿った姿勢でブラケット4によって支持面3に取付けられてもよいし、例えば、中心軸線Oが水平方向に沿った姿勢でブラケット4によって支持面3に取付けられてもよい。
屈曲板部材5は、1枚の板材からなっている。より具体的に、屈曲板部材5は、図10に示すような1枚の鋼鉄製の板材6を屈曲させることにより形成されている。なお、板材6は、鋼鉄製のものに限られず、鋼鉄以外の金属製のものであってもよく、金属製以外のものであってもよい。図10には、後述する第1屈曲部11、第2屈曲部21、第3屈曲部31、第4屈曲部41、第5屈曲部51、及び第6屈曲部61に対応する部分を、それぞれ、これらの符号を付した二点鎖線で示している。
図2、図3に示すように、屈曲板部材5は、支持面3(図11等参照)に取付け可能な平面状の基部壁70を有している。また、屈曲板部材5は、基部壁70に直線状の第1屈曲部11を介して連なるとともに基部壁70と垂直な平面状の第1壁10と、基部壁70に第1屈曲部11と垂直な直線状の第2屈曲部21を介して連なるとともに基部壁70に対して第1壁10と同じ側に位置し、基部壁70と垂直な平面状の第2壁20と、第2壁20に直線状の第3屈曲部31を介して連なるとともに第1壁10と平行な第3壁30と、を有している。
図1に示すように、第1壁10及び第3壁30は、所定の締結具(本実施形態ではボルト80)によってフィールド機器2に共締め可能な重合部90を有している。より具体的に、本実施形態では、第1壁10は、丸孔で構成される第1壁取付け部12(図3参照)を有しており、第3壁30は、丸孔で構成される第3壁取付け部32(図1参照)を有しており、第1壁取付け部12と第3壁取付け部32とは、共通のボルト80を挿入可能に重合している。第1壁10及び第3壁30は、第1壁取付け部12及び第3壁取付け部32に挿入されたボルト80をフィールド機器2の取付け面2aのねじ穴に締結することにより、フィールド機器2に取付け可能である。第1壁取付け部12は、それぞれ、本実施形態ではボルト80を挿入可能な6つの丸孔で構成されているが、丸孔の数は適宜増減が可能である。第3壁取付け部32は、本実施形態ではボルト80を挿入可能な3つの丸孔で構成されているが、丸孔の数は適宜増減が可能である。第1壁10及び第3壁30は、少なくともフィールド機器2に共締めされた状態において、重合部90で互いに接触する(すなわち、第1壁10の上面と第3壁30の下面とが互いに接触する)ように構成されている。
説明の便宜上、特に断らない限り、屈曲板部材5について上下方向とは、第2屈曲部21に沿う方向を意味し、上方とは、第2屈曲部21に沿って第1屈曲部11に近づく方向(図4における上方)を意味し、下方とはその反対方向を意味する。また、屈曲板部材5について前後方向とは、第3屈曲部31に沿う方向を意味し、前方とは、第3屈曲部31に沿って第2屈曲部21から遠ざかる方向(図5における下方)を意味し、後方とはその反対方向を意味する。また、屈曲板部材5について左右方向とは、第1屈曲部11に沿う方向を意味し、右方向とは、第1屈曲部11に沿って第2屈曲部21に近づく方向(図4における右方向)を意味し、左方向とはその反対方向を意味する。
図2、図3に示すように、第3壁30は、第2壁20が位置する側から基部壁70を越えて突出する延長部33を有しており、第2壁20は、フィールド機器2に取付け可能である。より具体的に、第2壁20は、ボルト80を挿入可能な丸孔で構成される第2壁取付け部22を有している。第2壁20は、ボルト80を第2壁取付け部22に挿入してフィールド機器2の取付け面2aのねじ穴に締結することにより、フィールド機器2に取付け可能である。第2壁取付け部22は、本実施形態ではボルト80を挿入可能な4つの丸孔で構成されているが、丸孔の数は適宜増減が可能である。
図2、図3に示すように、屈曲板部材5は、基部壁70に第2屈曲部21と平行な直線状の第4屈曲部41を介して連なるとともに基部壁70に対して第1壁10と同じ側に位置し、基部壁70と垂直な平面状の第4壁40と、第4壁40に直線状の第5屈曲部51を介して連なるとともに第1壁10と平行な第5壁50と、を有している。
図1に示すように、第1壁10及び第5壁50は、本実施形態では、所定の締結具(本実施形態ではボルト80)によってフィールド機器2に共締め可能な重合部91を有している。より具体的に、第5壁50は、丸孔で構成される第5壁取付け部52を有し、第1壁取付け部12と第5壁取付け部52とは、共通のボルト80を挿入可能に重合している。第1壁10及び第5壁50は、第1壁取付け部12及び第5壁取付け部52に挿入されたボルト80をフィールド機器2の取付け面2aのねじ穴に締結することにより、フィールド機器2に取付け可能である。第5壁取付け部52は、本実施形態ではボルト80を挿入可能な3つの丸孔で構成されているが、丸孔の数は適宜増減が可能である。第1壁10及び第5壁50は、少なくともフィールド機器2に共締めされた状態において、重合部91で互いに接触する(すなわち、第1壁10の上面と第5壁50の下面とが互いに接触する)ように構成されている。
図2、図3に示すように、第5壁50は、第4壁40が位置する側から基部壁70を越えて突出する延長部53を有しており、第4壁40は、フィールド機器2に取付け可能である。より具体的に、第4壁40は、ボルト80を挿入可能な丸孔で構成される第4壁取付け部42を有している。第4壁40は、ボルト80を第4壁取付け部42に挿入してフィールド機器2の取付け面2aのねじ穴に締結することにより、フィールド機器2に取付け可能である。第4壁取付け部42は、本実施形態ではボルトを挿入可能な4つの丸孔で構成されているが、丸孔の数は適宜増減が可能である。
図2、図3に示すように、屈曲板部材5は、基部壁70に第1屈曲部11と平行な直線状の第6屈曲部61を介して連なるとともに基部壁70に対して第1壁10と反対の側に位置し、基部壁70と垂直な平面状の第6壁60を有している。第6壁60は、第3壁30の延長部33と同一の形状及び寸法の第1部分62と、第5壁50の延長部53と同一の形状及び寸法の第2部分63と、を有している。
本実施形態では、第3壁30の延長部33は、第2壁20の側から第4壁40の側に向けて基部壁70の側に傾斜する傾斜端面34を有しており、第5壁50の延長部53は、第3壁30の延長部33の傾斜端面34と対称形状の傾斜端面54を有している。したがって、第6壁60の第1部分62は、第3壁30の延長部33の傾斜端面34と同一の形状及び寸法の傾斜端面64を有しており、第6壁60の第2部分63は、第5壁50の延長部53の傾斜端面54と同一の形状及び寸法の傾斜端面65を有している。
より具体的に、屈曲板部材5は、図4~図9に示す形状をなしている。図4は、屈曲板部材5の正面図であり、図5は、屈曲板部材5の上面図であり、図6は、屈曲板部材5の右側面図であり、図7は、屈曲板部材5の左側面図であり、図8は、屈曲板部材5の底面図であり、図9は、屈曲板部材5の背面図である。
本実施形態では、フィールド機器2の小径部2cの取付けスペースを形成するために、重合部90、91の前端には、円弧状の切欠き92が設けられている。また、同様の目的で、第2壁20の下部前方には、円弧状の切欠き93が設けられており、第4壁40の下部前方には、円弧状の切欠き94が設けられている。
図4に示すように、基部壁70は、U字ボルト82の両端(図11等参照)又は一対のボルト83(図15参照)を挿入可能な一対の丸孔71と、ベルト84(図15参照)を挿入可能な一対の長孔72と、マグネット85取付け用のボルト86(図16等参照)を挿入可能な丸孔73と、のうちの1つである第1取付け部74(本実施形態では、一対の丸孔71)を有している。また、基部壁70は、U字ボルト82の両端又は一対のボルト83を挿入可能な一対の丸孔71と、ベルト84を挿入可能な一対の長孔72と、マグネット85取付け用のボルト86を挿入可能な丸孔73と、のうちの第1取付け部74と異なる他の1つである第2取付け部75(本実施形態では、一対の長孔72)を有している。また、基部壁70は、U字ボルト82の両端又は一対のボルト83を挿入可能な一対の丸孔71と、ベルト84を挿入可能な一対の長孔72と、マグネット85取付け用のボルト86を挿入可能な丸孔73と、のうちの第1取付け部74及び第2取付け部75のいずれとも異なる他の1つである第3取付け部76(本実施形態では、丸孔73)を有している。
本実施形態に係るフィールド機器セット1は、図11に示すように、鉛直方向に延在する支柱7の外周面で構成される支持面3に取付け可能である。より具体的に、フィールド機器セット1は、U字ボルト82を支柱7に掛けてその両端を一対の丸孔71に通すとともに、第3壁30の延長部33、第5壁50の延長部53、第6壁60の第1部分62及び第6壁60の第2部分63を支持面3に当接させた状態で、U字ボルト82の両端にそれぞれナット82aを締結することにより、支柱7の支持面3に取付け可能である。このとき、第3壁30の延長部33、第5壁50の延長部53、第6壁60の第1部分62及び第6壁60の第2部分63は、その傾斜端面34、54、64、65で円柱外周面形状の支持面3に当接することができる。したがって、円柱外周面形状の支持面3に対する安定した取付けを可能にすることができる。また、様々な径寸法の支持面3に適応することも可能である。
フィールド機器セット1は、図11に示す例、及び後述する図12~図16にそれぞれ示す例では、フィールド機器2がブラケット4に取付けられた状態で、ブラケット4が支持面3に取付けられている。しかし、フィールド機器セット1は、ブラケット4が支持面3に取付けられてから、ブラケット4にフィールド機器2が取付けられてもよい。
支柱7は、各種プラントにおいて各種フィールド機器を設置するための支持部として通常設けられるものであり、スタンションとも称される。支柱7は、図11に示す例では円柱状をなしているが、角柱状等、円柱状以外の柱状をなしていてもよい。
フィールド機器セット1は、図1、図11に示すように、フィールド機器2がブラケット4の重合部90、91に上方から取付けられるとともに、U字ボルト82が前述した要領で用いられることにより、支柱7の支持面3に取付けられてもよいし、図12に示すように、フィールド機器2がブラケット4の重合部90、91に下方から取付けられるとともに、U字ボルト82が前述した要領で用いられることにより、支柱7の支持面3に取付けられてもよい。いずれの場合でも、フィールド機器セット1は、フィールド機器2を鉛直上向きにして、鉛直方向に延在する支柱7の支持面3に取付けることができる。しかし、フィールド機器セット1は、フィールド機器2を鉛直下向きにして、鉛直方向に延在する支柱7の支持面3に取付けられてもよい。
フィールド機器セット1は、図13に示すように、水平方向に延在する支柱7の外周面で構成される支持面3に取付け可能である。より具体的に、フィールド機器セット1は、U字ボルト82が前述した要領で用いられることにより、水平方向に延在する支柱7の支持面3に取付け可能である。図13に示す例では、フィールド機器セット1は、フィールド機器2が第2壁20に右側から取付けられることで、フィールド機器2を鉛直上向きにして支持面3に取付けられている。しかし、フィールド機器セット1は、フィールド機器2の寸法が十分に小さい場合には、フィールド機器2が第2壁20に左側から取付けられることで、フィールド機器2を鉛直下向きにして支持面3に取付けられてもよい。フィールド機器2は、図13に示す例では第2壁20に取付けられているが、第4壁40に取付けられてもよい。
フィールド機器セット1は、フィールド機器2を水平方向に向けて支持面3に取付けられてもよい。より具体的に、フィールド機器セット1は、図11に示すような鉛直方向に延在する支柱7の支持面3に取付けられる場合には、フィールド機器2が第2壁20又は第4壁40に取付けられるとともにU字ボルト82が前述した要領で用いられることにより、支柱7の支持面3に取付けられてもよい。また、フィールド機器セット1は、図13に示すような水平方向に延在する支柱7の支持面3に取付けられる場合には、フィールド機器2が重合部90、91に取付けられるとともにU字ボルト82が前述した要領で用いられることにより、支柱7の支持面3に取付けられてもよい。
フィールド機器セット1は、フィールド機器2を鉛直方向及び水平方向のいずれとも異なる方向に延在する支柱7の支持面3に取付けられてもよい。
フィールド機器セット1は、図14に示すように、ベルト84を用いることにより、支柱7の支持面3に取付け可能である。より具体的に、フィールド機器セット1は、ベルト84を一対の長孔72に通して支柱7に掛けるとともに、第3壁30の延長部33、第5壁50の延長部53、第6壁60の第1部分62及び第6壁60の第2部分63を支持面3に当接させた状態で、ベルト84を締めて留め具84aで止めることにより、支柱7の支持面3に取付け可能である。支持面3は、図14に示す例では鉛直方向に延在する支柱7の外周面で構成されているが、水平方向に延在する支柱7の外周面で構成されてもよいし、鉛直方向及び水平方向のいずれとも異なる方向に延在する支柱7の外周面で構成されてもよい。フィールド機器2は、図14に示す例では重合部90、91に上方から取付けられているが、重合部90、91に下方から取付けられてもよい。フィールド機器2は、図14に示す例では重合部90、91に取付けられているが、第2壁20又は第4壁40に取付けられてもよい。
フィールド機器セット1は、図15に示すように、一対のボルト83を用いることにより、壁面8の支持面3に取付け可能である。より具体的に、フィールド機器セット1は、一対のボルト83を一対の丸孔71に通すとともに、第3壁30の延長部33、第5壁50の延長部53、第6壁60の第1部分62及び第6壁60の第2部分63を支持面3に当接させた状態で、一対のボルト83を壁面8に設けられた一対のねじ穴83aに締結することにより、壁面8の支持面3に取付け可能である。このとき、第3壁30の延長部33、第5壁50の延長部53、第6壁60の第1部分62及び第6壁60の第2部分63は、その後端面で平面状の支持面3に当接することができる。したがって、平面状の支持面3に対する安定した取付けを可能にすることができる。
壁面8の支持面3は、図15に示す例では鉛直方向に延在しているが、水平方向に延在していてもよいし、鉛直方向及び水平方向のいずれとも異なる方向に延在していてもよい。一対のねじ穴83aは、図15に示す例では水平方向に並んでいるが、鉛直方向に並んでいてもよいし、鉛直方向及び水平方向のいずれとも異なる方向に並んでいてもよい。壁面8の支持面3は、図15に示す例では平面状をなしているが、曲面状をなしていてもよい。フィールド機器2は、図15に示す例では重合部90、91に上方から取付けられているが、重合部90、91に下方から取付けられてもよい。フィールド機器2は、図15に示す例では重合部90、91に取付けられているが、第2壁20又は第4壁40に取付けられてもよい。
フィールド機器セット1は、図16、図17に示すように、マグネット85を用いることにより、鋼鉄等の磁性体で構成される支持面3に取付け可能である。より具体的に、フィールド機器セット1は、マグネット85取付け用のボルト86を丸孔73に通してマグネット85に設けられたねじ穴85aに締結することでマグネット85を基部壁70の背面に取付けた状態で、マグネット85の磁力によって支持面3に取付け可能である。この場合、マグネット85の後端面が第3壁30の延長部33、第5壁50の延長部53、第6壁60の第1部分62及び第6壁60の第2部分63のそれぞれの後端面よりも後方に飛び出るようにマグネット85の厚みを設定することで、マグネット85を平面状の支持面3にその磁力によって貼り付けることができる。ブラケット4は本実施形態では鋼鉄製である(すなわち、磁性体である)ので、マグネット85の厚みを、このような厚みより小さく設定した場合には、第3壁30の延長部33、第5壁50の延長部53、第6壁60の第1部分62及び第6壁60の第2部分63のそれぞれの後端面を、マグネット85からの磁力によって支持面3に貼り付けることができる。マグネット85は、図15に示す例では円柱状をなしているが、その形状は適宜変更が可能である。
このような構成によれば、マグネット85の磁力によってフィールド機器セット1を容易に支持面3に取付けることができ、その取付け位置の変更や取外しも容易である。したがって、このようなマグネット85の磁力を用いた取付け方法は、試験的な測定等の目的で一時的な取付けが求められる場合などにおいて特に有効である。
支持面3は、図16に示す例では鉛直方向に延在しているが、水平方向に延在していてもよいし、鉛直方向及び水平方向のいずれとも異なる方向に延在していてもよい。支持面3は、図16に示す例では平面状をなしているが、曲面状をなしていてもよい。支持面3は、図16に示す例では壁面8に設けられているが、壁面以外に設けられていてもよい。フィールド機器2は、図16に示す例では重合部90、91に上方から取付けられているが、重合部90、91に下方から取付けられてもよい。フィールド機器2は、図16に示す例では重合部90、91に取付けられているが、第2壁20又は第4壁40に取付けられてもよい。
以上説明した本実施形態に係るフィールド機器セット1によれば、第1壁10及び第3壁30を重合部90においてフィールド機器2に共締めすることにより、第1屈曲部11を中心とするフィールド機器2の揺動を第3壁30及び第2壁20によって効果的に支持するとともに、第2屈曲部21を中心とするフィールド機器2の揺動を第1壁10によって効果的に支持することができる。したがって、このようなフィールド機器セット1は、フィールド機器2の耐振動性を確保しつつ支持面3に取付け可能である。また、このようなフィールド機器セット1は、1枚の板材6からなる屈曲板部材5を用いているので、構成を簡素化可能である。
本実施形態に係るフィールド機器セット1によれば、第3壁30の延長部33を支持面3に当接させた状態で基部壁70を支持面3に取付けることにより、第2壁20にフィールド機器2を取付けた場合でも、第2屈曲部21を中心とするフィールド機器2の揺動を支持面3に延長部33で当接した第3壁30によって支持することができ、耐振動性を確保することができる。
本実施形態に係るフィールド機器セット1によれば、第1壁10及び第5壁50を重合部91においてフィールド機器2に共締めすることにより、第1屈曲部11を中心とするフィールド機器2の揺動を第5壁50及び第4壁40によって効果的に支持するとともに、第4屈曲部41を中心とするフィールド機器2の揺動を第1壁10によって効果的に支持することができる。したがって、耐振動性を更に高めることができる。
本実施形態に係るフィールド機器セット1によれば、第5壁50の延長部53を支持面3に当接させた状態で基部壁70を支持面3に取付けることにより、第4壁40にフィールド機器2を取付けた場合でも、第4屈曲部41を中心とするフィールド機器2の揺動を支持面3に延長部53で当接した第5壁50によって支持することができ、耐振動性を確保することができる。
本実施形態に係るフィールド機器セット1によれば、第3壁30の延長部33、第5壁50の延長部53、第6壁60の第1部分62、及び第6壁60の第2部分63を壁面8の支持面3に当接させることができるので、壁面8の支持面3への取付けの安定性を向上することができる。
本実施形態に係るフィールド機器セット1によれば、第3壁30の延長部33の傾斜端面34、第5壁50の延長部53の傾斜端面54、第6壁60の第1部分62の傾斜端面64、及び第6壁60の第2部分の傾斜端面65を支柱7の支持面3に当接させることができるので、支柱7の支持面3への取付けの安定性を向上することができる。
本実施形態に係るフィールド機器セット1によれば、U字ボルト82又は一対のボルト83を用いる(支柱7又は壁面8等の)支持面3への取付け、ベルト84を用いる(支柱7等の)支持面3への取付け、及びマグネット85を用いる(壁面8等の)支持面3への取付けの、3種類の取り付けを利用可能にすることができる。
本実施形態に係るフィールド機器セット1は、種々の変更が可能である。本実施形態では、屈曲板部材5は、第3壁30の第3壁30の延長部33、第5壁50の延長部53及び第6壁60を有している。しかし、屈曲板部材5は、第3壁30の第3壁30の延長部33、第5壁50の延長部53及び第6壁60を有していなくてもよい。本実施形態では、屈曲板部材5は、第4壁40及び第5壁50を有している。しかし、屈曲板部材5は、第4壁40及び第5壁50を有していなくてもよい。本実施形態では、フィールド機器2の取付け面2aには、2つ以上のねじ穴が設けられている。しかし、フィールド機器2の取付け面2aに1つのみのねじ穴を設け、フィールド機器2が重合部90のみにおいて共締めされる構成としてもよい。本実施形態では、基部壁70は、第1取付け部74、第2取付け部75及び第3取付け部76を有している。しかし、基部壁70は、第1取付け部74及び第2取付け部75のみを有していてもよいし、第1取付け部74のみを有していてもよい。基部壁70は、第1取付け部74、第2取付け部75及び第3取付け部76のいずれとも異なる、支持面3に取付け可能な取付け部を、追加的に有していてもよいし、第1取付け部74、第2取付け部75及び第3取付け部76の少なくとも1つに替えて有していてもよい。第1取付け部74、第2取付け部75及び第3取付け部76は、それぞれ、基部壁70の替わりに、例えば、第2壁20又は第4壁40に設けられてもよい。本実施形態では、ベルト84を挿入可能な一対の長孔72が基部壁70に設けられている。しかし、一対の長孔72の一方が第2壁20に設けられ、一対の長孔72の他方が第4壁40に設けられてもよい。本実施形態では、屈曲板部材5は、溶接部を有していない。しかし、屈曲板部材5は、例えば、第1壁10と第3壁30との間、及び第1壁10と第5壁50との間の少なくとも一方に溶接部を有していてもよいし、第3壁30と第5壁50との間に溶接部を有していてもよいし、基部壁70と第3壁30との間及び基部壁70と第3壁30との間に溶接部を有していてもよい。
次に、図18を参照して、本発明の実施形態に係るブラケットの製造方法について、詳細に例示説明する。
本実施形態では、図1~図17を用いて説明したフィールド機器セット1におけるブラケット4を製造する場合について説明する。しかし、本実施形態に係るブラケットの製造方法は、前述した種々の変更を行ったブラケット4を製造する場合にも適用可能である。
本実施形態に係るブラケットの製造方法においては、図18に示すように、まず、打ち抜き工程S1が行われる。打ち抜き工程S1は、所望の寸法の板材から、屈曲板部材5の展開形状をなす図10に示すような1枚の板材6を、プレス機等によって打ち抜いて得る工程である。本実施形態では、打ち抜き工程S1により、1枚の板材6に、第1壁取付け部12、第2壁取付け部22、第3壁取付け部32、第4壁取付け部42、第5壁取付け部52、第1取付け部74、第2取付け部75及び第3取付け部76が設けられる。
本実施形態に係るブラケットの製造方法においては、打ち抜き工程S1に次いで、曲げ工程S2が行われる。曲げ工程S2は、1枚の板材6に第1屈曲部11、第2屈曲部21及び第3屈曲部31を設ける工程である。本実施形態では、曲げ工程S2により、1枚の板材6に第4屈曲部41、第5屈曲部51及び第6屈曲部61も設けられる。曲げ工程S2においては、板材6にベンディングマシン等によって曲げ加工を施すことで、第1屈曲部11~第6屈曲部61を設けることができる。第1屈曲部11~第6屈曲部61を設ける順序は適宜設定が可能である。
本実施形態に係るブラケットの製造方法によれば、曲げ工程S2により1枚の板材6に第1屈曲部11~第6屈曲部61を設けるので、ブラケット4を容易に製造可能である。
前述した本実施形態は、本発明の実施形態の一例にすぎず、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
また、前記の実施形態に係るフィールド機器セットは、以下に記載するようなフィールド機器セットの実施形態として用いることもできる。また、以下に記載するフィールド機器セットの実施形態の変形例を図19~図20に示す。この変形例は、第1壁を有しておらず、第3壁が延長部を有しておらず、第5壁も延長部を有していない。なお、図19~図20において、図1~図18を用いて説明した実施形態における構成要素に対応する構成要素には、同一の符号を付している。
フィールド機器と、フィールド機器を支持面に取付けるためのブラケットと、で構成されるフィールド機器セットであって、ブラケットは、支持面に取付け可能な支持面取付け部と、フィールド機器に取付け可能なフィールド機器取付け部と、を有し、支持面取付け部は、U字ボルトの両端又は一対のボルトを挿入可能な一対の丸孔と、ベルトを挿入可能な一対の長孔と、マグネット取付け用のボルトを挿入可能な丸孔と、のうちの1つである第1取付け部と、U字ボルトの両端又は一対のボルトを挿入可能な一対の丸孔と、ベルトを挿入可能な一対の長孔と、マグネット取付け用のボルトを挿入可能な丸孔と、のうちの第1取付け部と異なる他の1つである第2取付け部と、を有する、フィールド機器セット。このような構成によれば、支持面への複数種類の取付けを可能にすることができる。
このようなフィールド機器は、上記構成において、支持面取付け部は、U字ボルトの両端又は一対のボルトを挿入可能な一対の丸孔と、ベルトを挿入可能な一対の長孔と、マグネット取付け用のボルトを挿入可能な丸孔と、のうちの第1取付け部及び第2取付け部のいずれとも異なる他の1つである第3取付け部を有する構成であってもよい。
このようなフィールド機器は、上記構成において、ブラケットは、屈曲板部材を有し、屈曲板部材は、支持面取付け部を備える平面状の基部壁と、基部壁に直線状の第1屈曲部を介して連なるとともに基部壁と垂直な平面状の第1壁と、基部壁に第1屈曲部と垂直な直線状の第2屈曲部を介して連なるとともに基部壁に対して第1壁と同じ側に位置し、基部壁と垂直な平面状の第2壁と、第2壁に直線状の第3屈曲部を介して連なるとともに第1壁と平行な第3壁と、を有し、第1壁及び第3壁は、所定の締結具によってフィールド機器に共締め可能な重合部をフィールド機器取付け部の一部として有する構成であってもよい。また、屈曲板部材は1枚の板材からなっていてもよい。
このようなフィールド機器は、上記構成において、第3壁は、第2壁が位置する側から基部壁を越えて突出する延長部を有し、第2壁は、フィールド機器取付け部の他の一部を有する構成であってもよい。
このようなフィールド機器は、上記構成において、屈曲板部材は、基部壁に第2屈曲部と平行な直線状の第4屈曲部を介して連なるとともに基部壁に対して第1壁と同じ側に位置し、基部壁と垂直な平面状の第4壁と、第4壁に直線状の第5屈曲部を介して連なるとともに第1壁と平行な第5壁と、を有し、第1壁及び第5壁は、所定の締結具によってフィールド機器に共締め可能な重合部をフィールド機器取付け部の更なる他の一部として有する構成であってもよい。
このようなフィールド機器は、上記構成において、第5壁は、第4壁が位置する側から基部壁を越えて突出する延長部を有し、第4壁は、フィールド機器取付け部の更なる他の一部を有する構成であってもよい。
このようなフィールド機器は、上記構成において、屈曲板部材は、基部壁に第1屈曲部と平行な直線状の第6屈曲部を介して連なるとともに基部壁に対して第1壁と反対の側に位置し、基部壁と垂直な平面状の第6壁を有し、第6壁は、第3壁の延長部と同一の形状及び寸法の第1部分と、第5壁の延長部と同一の形状及び寸法の第2部分と、を有する構成であってもよい。
このようなフィールド機器は、上記構成において、第3壁の延長部は、第2壁の側から第4壁の側に向けて基部壁の側に傾斜する傾斜端面を有し、第5壁の延長部は、第3壁の延長部の傾斜端面と対称形状の傾斜端面を有する構成であってもよい。