JP7129573B2 - Nb3Sn超電導線材のための導体アセンブリ完成品及びNb3Sn超電導線材のためのサブエレメントを製造する方法 - Google Patents

Nb3Sn超電導線材のための導体アセンブリ完成品及びNb3Sn超電導線材のためのサブエレメントを製造する方法 Download PDF

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Description

本発明は、Nb3Sn超電導線材のための導体アセンブリ完成品であって、
-それぞれNb及びSnを含有し、かつそれぞれ外輪郭断面が六角形である、複数の互いに当接するサブエレメントと、
-Cuを含有し、かつ互いに当接するサブエレメントを囲む外部構造であって、外輪郭断面が円形である外部構造と、を有し、これらのサブエレメントがそれぞれ、
-Sn含有コアと、
-Cuを含有し、かつSn含有コアを囲む内部マトリックスと、
-それぞれの外輪郭断面が六角形であり互いに当接するNb含有ロッドエレメントの領域であって、特に、これらのNb含有ロッドエレメントが、それぞれNb含有コアフィラメント及びCu含有フィラメント被覆を備える領域と、
-Cuを含有し、かつNb含有ロッドエレメントの領域を囲む外部マトリックスと、を備える、Nb3Sn超電導線材のための導体アセンブリ完成品に関する。
この種の導体アセンブリ完成品は、例えば、米国特許第7,585,377号明細書から知られている。
超電導材料は、実質的にオーム損失なしに電流を通すができ、例えば、特に高い磁場強度を生成できる磁気コイルを製作するために使用される。
特に磁気コイルの製作する上で重要な超電導材料はNb3Snである。Nb3Snは塑性変形できないため、Nb3Sn超電導線材を製造するには大抵の場合、まずNbとSnを含む半完成導体を、通常はCuをマトリックス材料として作製する。半完成導体は、断面を細くする変形加工をして束ねることによって導体完成品に加工される。この導体完成品は、通常、もう一度、断面を細くする変形加工が施され、次いで、例えばコイルに巻回されることによって、所望の幾何学的形状に成形される。次に、反応熱処理で超電導Nb3Sn相が生成され、それにより導体完成品からNb3Sn超電導線材が出来上がる。したがって、Nb3Sn超電導線材の製造は、複数の工程で行われ、全体として困難なプロセスである。そこで、手順と、完成したNb3Sn超電導線材の品質に関連する反応が著しく異なる複数のルートが開発された。
いわゆるブロンズルートでは、半完成導体のNbと反応するSnが、ブロンズマトリックスを介して半完成導体に供給される。ブロンズルートは比較的簡単に実行できるが、ブロンズマトリックスのSn含有量によりNb3Sn相の生成が制限される。
「internal tin」(内部スズ)ルートでは、スズの供給源を通常、半完成導体の中心に配置し、反応熱処理において、コアからのSnがCuマトリックスを通って半完成導体のNbと反応する。「Powder in Tube」(略してPIT)と呼ばれる方法では、Sn含有粉末をNb又はNb合金からなる管片内に配置する。充填されたNb管片を、外輪郭断面が六角形であるCu含有被覆体内に配置することにより、PITエレメントが得られる。外輪郭断面が六角形であるPITエレメントは、伸線加工し、束ね、かつ外側が円弧状であるとともに内側の輪郭が六角形に形成されたPITエレメントに対応して形成されている充填エレメントで囲むことで、Cu安定化外被管内に配置することができる。反応熱処理では、PITコアにおけるSnが、周囲のNb管と直接反応する。典型的なPITプロセスが、例えば欧州特許第3062359号明細書に記載されている。また、同様の手順が欧州特許第2779258号明細書に記載されている。
「internal tin」ルートを、「Restack Rod Process」(略してRRP)法に従って行うこともできる。この場合、多数の六角形のNbフィラメント(Nb含有ロッドエレメントとも呼ばれる)が、典型的にはそれぞれNbロッドとその周囲のCuフィラメント被覆を有し、リング状に束ねられ、内側と外側がCuマトリックスで囲まれる。内側にはSnを含む中心部が配置され、外側には拡散バリアと丸いCu外被が配置される。このようにして形成されたサブエレメントは、外輪郭断面が六角形になるように伸線加工が施され、束ねられ、かつ銅マトリックスに囲まれて、線材を形成する(米国特許第7,585,377号明細書を参照)。外套管内に丸いRRPサブエレメントを束ねる方法も、独国特許出願公開第102012218222号明細書から知られている。RRPプロセスでは、通常、完成したNb3Sn超電導線材の特に高い超電導電流容量を実現できる。
実際には、比較的多くのRRPサブエレメント、例えば少なくとも54個のサブエレメントを1つの線材にまとめる場合、線材(又は導体完成品)の銅マトリックスは、外側が円形であり内側が六角形の形状に作製され、これに対応して六角形の形状に束ねられたサブエレメントがこの内側の形状に挿入される。導体完成品にもう一度断面を細くする変形加工を施すと、特に六角形の内形の角の近くで、外側のサブエレメントが著しく変形することがある。このような変形は、例えばE.Barzi et al.,「Performance of Nb3Sn RRP Strands and Cables Based on a 108/127 Stack Design」,FERMILAB-PUB-06-298-TD,4MW06の図1に見て取れる。これらの変形により、当該サブエレメントにおいて反応熱処理が希望通りに進まず、それによりこのサブエレメントにNb3Snが生成されないか、又は所望されるより少ないNb3Snしか生成されず、それに伴い電流容量が低下する。これに加えて、変形したサブエレメントからSnが制御不能に広がり、例えば線材の銅マトリックス又は他のサブエレメントのCu外被に拡散する恐れがあり、これにより線材における銅の電気抵抗が増加する可能性があり(低RRR値)、それに伴い、完成した磁石において超電導の急激な不可逆的消失(クエンチ)を回避又は軽減するための銅の保護機能が損なわれる可能性がある。
また、元は丸い外輪郭断面であったRRPサブエレメントを六角形の外輪郭断面へ変形加工した場合も、サブエレメントの内部が不均一に変形する。特に、NbフィラメントのNb材料が、六角形の角に向かって径方向外方へ移動する可能性があり、それによりサブエレメントの中心に位置するSn供給源までの距離が長くなるため、反応熱処理時にSnが十分に供給されなくなるか、又は遅れて供給され、高価なNbが超電導電流容量に何の貢献もできなくなる。これに加えて、不均一な変形(例えば拡散バリアの薄化)により、サブエレメントのSnが、反応熱処理中に所望でない領域、例えば自身のCu外被(Cu外被構造とも呼ばれる)、又は隣接するサブエレメントのCu外被の領域にも進入する可能性があり、その結果、そこでのオーム抵抗が上昇し、保護機能を損なう可能性がある。これに加えて、不均一な変形によって、Nb3Snの形成用の前駆体材料(ロッドエレメント、及び場合によってはバリア)同士が変形加工後に接触するか(filament bridging)、又は互いに接近しすぎる可能性がある。これにより、元はばらばらに離れていたNb前駆体材料内にSnが均一に拡散しにくくなり、それに加えて/もしくは、導体の組成が局所的に変化する。そのため熱処理中に、完全で化学量論的なNb3Snの形成が起こり得ず、達成可能な最大電流容量が著しく低下する。同時に、前駆体材料の相互接触により、変形加工中の導体の機械的特性が劣化し、断線の原因になる可能性がある。
Nb3Sn超電導線材用の導体完成品のより特殊な一変形形態として、Cu外套内にNaCl充填物を有するNbCuロッド及びCuロッドを束ねたものがある。NaClは水で洗い流され、Snと置き換えられる(米国特許第5,534,219号明細書を参照)。
米国特許第7,585,377号明細書 欧州特許第3062359号明細書 欧州特許第2779258号明細書 独国特許出願公開第102012218222号明細書 米国特許第5,534,219号明細書
本発明の課題は、導体断面に対して高い超電導電流容量を実現することができ、かつ保護用銅部品にSnが混入するリスクを低減することができるNb3Sn超電導線材のための導体完成品を提供することである。
上記課題は、本発明によれば、冒頭で述べたタイプの導体アセンブリ完成品において、
外部構造が、外輪郭断面及び内輪郭断面が円形である外管を備えることと、
外管と互いに当接するサブエレメントとの間に1つ又は複数の充填エレメントが配置され、1つ又は複数の充填エレメントが、外管の内面に直接又は間接的に当接するための丸い輪郭形状を径方向外方に有し、かつ互いに当接するサブエレメントに当接するための鋸歯状の輪郭形状を径方向内方に有することと、
充填エレメントの全体が、径方向内方にほぼ円形の全体輪郭形状を形成することと、
を特徴とする導体アセンブリ完成品によって解決される。
本発明による導体完成品を用いることにより、RRP法によるNb3Snを含有する超電導線材を得ることができ、得られたNb3Sn超電導線材はNb3Sn含有量が特に高く、それに伴い(Nb3Sn超電導線材の断面に)特に大きい電流容量を有する。同時に、外部構造、特に外管、及びサブエレメントの外部マトリックスへのSnの混入を高い確実性で回避できる。
本発明では、互いに当接するサブエレメントの外側に、1つ又は複数の充填エレメントを当接させる。これにより、円形の外側輪郭形状が形成され、この外側輪郭形状を、断面が円形である外管の内面に直接又は間接的に(断面が円形の、そして大抵の場合は内側と外側が同様に円形の、1つ又は複数の中間構造を介して)当接させることができる。さらに、充填エレメントは径方向内方に鋸歯状であるが全体としてほぼ円形の内側輪郭形状を有し、この内側輪郭形状に、互いに当接する六角形のサブエレメントが当接する。
それによって、一方では、導体完成品において、特に外管(又は最も内側の中間構造)の内面と、互いに当接するサブエレメント全体の外側輪郭形状との間に空洞ができないようにすることができる。他方、互いに当接するサブエレメントにおいて(従来の、互いに当接するサブエレメント全体がほぼ六角形の外側輪郭形状の場合に存在するであろう)、顕著な角ができることを回避することができる。
本発明に従って提供される充填エレメントと、及び本発明による、サブエレメントのほぼ円形の配置とを使用して、導体完成品の断面を縮小する変形加工時にサブエレメントの不均一な変形を低減する、又は最小限に抑えることが可能である。本発明の範囲内では、すべてのサブエレメントは、それらの断面をほぼ均一に縮小することができ、特にそれぞれの全周にわたってすべての肉厚比をほぼ維持することができる。局所的に特に変形した、例えば顕著な角のサブエレメントは存在しない。したがって、反応アニールで意図した拡散長が維持され、設けられた拡散バリアは損傷しない。導体完成品の断面を縮小する変形加工後の反応アニールは適切に行われ、これにより、高い電流容量が達成され、(クエンチ発生時の保護機能を有する)Nb3Sn超電導線材の常電導状態で高い導電性を有する領域へのSnの混入を防ぐことができる。
互いに当接するサブエレメント全体の外側輪郭形状をほぼ円形にするためには、又は対応する形状エレメント全体の内側輪郭形状をほぼ円形にするためには、好ましくは少なくとも40個、特に好ましくは少なくとも60個、最も好ましくは少なくとも80個のサブエレメントが導体完成品にまとめられることに留意されたい。互いに当接するサブエレメント全体の外側輪郭形状がほぼ円形になるのは、特に、互いに当接するサブエレメント全体の径方向に最も突出する先端を含む最小の外接円が、互いに当接するサブエレメント全体の外縁との間に同じ大きさのさらなるサブエレメントを完全に収容できない場合である。
内面と外面がともに円形である外管は、特に安価で簡単に製造できる。1つ又は複数の充填エレメントも同様に、特にそれらの充填エレメントのそれぞれが、充填エレメント全体の丸い輪郭形状の円周のごく小さい部分、例えば、45°以下の部分円周角のみをカバーする場合に比較的安価に製造することができ、充填エレメントは、例えば固体材料を粉砕及び/又は長尺に異形圧延してもよい。導体アセンブリ完成品は、好ましくは少なくとも2個、特に好ましくは少なくとも6個、最も好ましくは少なくとも12個の充填エレメントを有する。
本発明による導体完成品の好ましい実施形態では、導体アセンブリ完成品が複数の充填エレメントを有し、互いに当接するサブエレメント全体の径方向に最も突出する先端と、充填エレメントの丸い輪郭形状とが補完し合って円形の輪郭を形成し、充填エレメントは、この円形の輪郭が最小半径を有するよう形成されている。これにより、導体アセンブリ完成品のサブエレメントの充填度(断面における面積比率)を特に大きくすることができ、したがって、その後に得られるNb3Sn超電導線材の完成品のNb3Sn充填度を特に大きくすることができる。この構成では、互いに当接するサブエレメントの最も突出する先端が、そこに集まる充填エレメントを周方向に互い分離する。
別の有利な実施形態では、1つ又は複数の充填エレメントが、内側に配置された互いに当接するサブエレメント全体を取り囲む充填エレメントリングを形成し、特に、充填エレメントリングの径方向の最小肉厚WSminにWSmin≧0.3*KLsubが適用され、ここでKLsubは六角形のサブエレメントの辺の長さである。周囲に延在する充填エレメントリングによって、この充填エレメントリングにより機能的又は構造的な課題に対処でき、同じ課題に対処するための対応する別の中間構造を省略することができる。特に、充填エレメントは、塑性変形時に外部構造(又はその一部)と、互いに当接するサブエレメントとの間に介在したり、周方向に利用可能なオーム電流路を形成したりすることができ(そのために充填エレメントを元素状態のCuから作製してもよい)、あるいは、拡散バリアとしての役割も果たす(そのために充填エレメントを、例えばNb、Ta、又はVから作製してもよい)。
この実施形態の一発展形態では、充填エレメントリングが複数の充填エレメントを有し、この充填エレメントリングにおいて周方向に隣り合う充填エレメント間の接合部の少なくとも一部、好ましくはこれらの接合部の各々が、径方向に対して斜めに延び、特に、それぞれの接合部の延在長さのうち最小延在長さVLminには、VLmin≧2*WSminが適用され、ここでWSminは、充填エレメントリングの径方向の最小肉厚であることが好ましい。斜めに接合することで、Snなどの混入物が接合部にそって拡散することを遅らせることができる(接合部に沿った拡散経路が長くなることによる)。好ましくは、VLmin≧4*WSminが適用される。これに代えて、径方向に延びる接合部を設けることもでき、この接合部は特に簡単に作製することができる。
好ましい実施形態では、1つ又は複数の充填エレメントがCuを含有する。充填エレメントに銅を用いることで、良好な変形加工性が得られ、また、比較的安価である。これに加えて、Cuはクエンチ発生時の電気的安定化に役立ち、したがって保護機能を提供することができる。このために、通常、充填エレメントには50重量%以上のCuが含まれ、特に充填エレメントは元素状態のCuで構成されていてもよい。
周方向に延在する充填エレメントリングを有する実施形態の別の発展形態では、充填エレメントリングの充填エレメントが、サブエレメントからのNbとSnが反応してNb3Snを生成する反応熱処理中にサブエレメントから外管へのSnの拡散を遮断する、又は妨げるのに適した材料から作製され、特に充填エレメントがNb、Ta、及び/又はVを含む。それによって、導体アセンブリ完成品の外部構造にSnが混入することを防ぎ、かつ外部構造、特に外側のリングについては、高いRRR値を確保し、及びそれに伴いクエンチ発生時の保護機能を高めることができる。このために、典型的には、充填エレメントは、Snの拡散を防ぐために、50重量%以上のNb、Ta及び/又はVを含有する。また、室温から800℃までの温度範囲(典型的な反応熱処理の最大範囲に相当する)において、材料を通るSnの拡散速度が外管の材料を通る拡散速度の最大1/10である場合に、その材料はSnの拡散を遮断する、又は妨げると見なすことができる。
好ましい一実施形態では、導体アセンブリ完成品が、異なる幾何学的形状を有する複数の充填エレメントを有し、特に、2種類の相違する幾何学的形状を有する全部で12個の充填エレメントが存在する。異なる幾何学的形状(形)の充填エレメントを使用することにより、大抵の場合、サブエレメントの導体完成品における充填度をより大きくすることができる。実際には、大抵の場合、異なる幾何学的形状は2、3、又は4種類で十分である。
好ましい一実施形態では、外管の内面と1つ又は複数の充填エレメントの丸い輪郭形状との間に、中間構造、特に中間管が、径方向に挟まれている。この中間構造を用いて構造的又は機能的な課題に対処でき、例えば、外管の塑性変形特性と互いに当接するサブエレメントの塑性変形特性との間の補償、周方向に延びるオーム電流経路の提供、拡散バリアの提供などが挙げられる。
この実施形態の一発展形態では、中間構造が、サブエレメントからのNbとSnが反応してNb3Snを生成する反応熱処理中に、サブエレメントから外管へのSnの拡散を遮断する、又は妨げるのに適した材料から作製され、特に、中間構造がNb、Ta、及び/又はVを含むことが好ましい。その場合、中間構造は、Snの拡散を防ぐために、典型的には50重量%以上のNb、Ta及び/又はVを含有する。また、室温から800℃までの温度範囲(典型的な反応熱処理の最大範囲に相当する)において、材料を通るSnの拡散速度が外管の材料を通る拡散速度の最大1/10である場合に、その材料はSnの拡散を遮断する、又は妨げると見なすことができる。中間構造によってSnを遮断することにより、高いRRR値を確保し、及びそれに伴い外管におけるクエンチ発生時の保護機能を高めることができる。
さらに好ましい実施形態では、サブエレメントがさらに、
-外部マトリックスを径方向外側に囲む拡散バリアと、
-Cuを含有し、かつ拡散バリアを径方向外側に囲む外被構造と、
を備えている。サブエレメントの拡散バリアによって、Snが、それが属する外被構造又は隣接するサブエレメントの外被構造に侵入することを防ぎ、最終的には導体アセンブリ完成品の充填エレメント又は外部構造の領域にまで侵入することも防ぐことができる。その場合、外部構造の領域に拡散バリアを設ける必要はない(ただし安全性を高めるために拡散バリアを設けることは可能である)。
好ましい実施形態では、導体アセンブリ完成品において、互いに当接するサブエレメントによって囲まれる中心構造が存在し、この中心構造がCuを含有し、特に、この中心構造は、外輪郭断面が六角形である1つ又は複数の中心エレメントを有する。Cuを含有する中心構造によって、変形加工挙動を改善することができる。断面が六角形の中心エレメントは、サブエレメントと一緒に特に簡単に束ねることができる。
また、本発明の範囲内には、NbSn含有超電導線材を作製する方法が含まれ、この方法は、
-上記の本発明による導体アセンブリ完成品に、断面を縮小する変形加工を施す工程と、
-変形加工が施された導体アセンブリ完成品を所望の幾何学的形状に成形し、特にコイルに巻回する工程と、
-成形された導体アセンブリ完成品に、サブエレメントからのNbとSnが反応してNb3Snを生成する反応熱処理を施す工程と、を有する。
この方法により、Nb3Sn含有超電導線材(単にNb3Sn超電導線材とも呼ばれる)を簡単に作製することができ、このNb3Sn含有超電導線材は高い電流容量を有し、かつ(常電導性の)導電性の高い領域にSnが混入することをほぼ防ぐことができる。
上記の方法の特に好ましい変形例では、
サブエレメントが、Cuを含有する外被構造を備え、この外被構造に外部マトリックスが径方向内側に直接又は間接的に当接し、
導体アセンブリ完成品のためのサブエレメントのそれぞれを作製するために、外被構造を、円形の内輪郭断面及び六角形の外輪郭断面を有するよう単独で作製し、続いてサブエレメントの残りの部分を外被構造の円形の内輪郭断面に挿入することと、
それぞれのサブエレメントに断面を縮小する変形加工を施し、本発明による上記の導体アセンブリ完成品を形成するように束ねる。六角形の外輪郭断面と円形の内輪郭断面とを有するよう単独で作製された外被構造によって、サブエレメントの断面を縮小する変形加工時にサブエレメントに不均一な変形が生じることがなく、それに伴い、均一に変形したサブエレメントを得ることができる。これらのサブエレメントでは、反応アニール後にNb3Snの面積分率が高く、かつSnの(例えば拡散バリアの損傷や肉厚が局所的に小さいことによる)径方向外方の拡散が最小限に抑えられる(これについては下記の本発明による別の方法とその変形例を参照)。また、「filament bridging」を低減することができ、そのことが達成可能な最大の超電導電流容量と変形加工性がさらに向上する。
本発明の範囲内には、
Nb3Sn超電導線材のためのサブエレメントを製造する方法であって、サブエレメントはNbとSnを含有し、外輪郭断面が六角形であり、
このサブエレメントは、
-Sn含有コアと、
-Cuを含有し、かつSn含有コアを囲む内部マトリックスと、
-それぞれの外輪郭断面が六角形であり互いに当接するNb含有ロッドエレメントの領域であって、特に、これらのNb含有ロッドエレメントが、それぞれNb含有コアフィラメント及びCu含有フィラメント被覆を備える領域と、
-Cuを含有し、Nb含有ロッドエレメントの領域を囲む外部マトリックスと、
-Cuを含有し、かつ外側マトリックスが径方向内側に直接又は間接的に当接する外被構造と、を備える方法において、
外被構造を、円形の内輪郭断面と六角形の外輪郭断面とを有するよう単独で作製することと、
続いて、サブエレメントの残りの部分を外被構造の円形の内輪郭断面に挿入する、方法がさらに含まれる。
本発明では、サブエレメントの六角形の外形を、断面を縮小する変形加工と同時に、元は円形であったサブエレメントに、例えば適切な形状の伸線加工用ダイスによって六角形の外形を付与することによって得ることは企図されていない。むしろ、本発明では、六角形の外輪郭断面及び円形の内輪郭断面を有する(外側の)外被構造をRRPサブエレメントの作製時に作製し、次いで、円形の内輪郭断面にサブエレメントの残りの部分を挿入することを企図し、それにより断面を縮小する変形加工時に六角形の外形を簡単に維持することができる。
例えば、米国特許第7,585,377号明細書、第7欄、24~28行に記載されるように、元は円形であったサブエレメントを変形加工によって六角形の外形にすると、その過程で内部構造が歪んでしまう。特に、サブエレメントの内部の材料は六角形の角に向かって移動し、六角形の長辺付近から材料が無くなる。サブエレメントのコアからのSnの拡散経路に関して、六角形の長辺付近の領域が最短の拡散経路となる。その場合、反応アニール時に、互いに当接するNb含有ロッドエレメントのNb含有領域の過剰反応、又は外部マトリックス若しくはそれどころか外被構造へのSnの径方向の広がりを阻止するために、最短の拡散経路を有するこれらの領域に合わせてプロセス制御を調整する必要がある。それによって、変形加工により六角形の角の近くの領域に移動した多くの高価なNb材料に、反応アニール中にSnが到達せず、したがって超電導電流容量に何も貢献することができない。多くの場合、わずかな不均質性でも、互いに当接するNb含有ロッドエレメント又は拡散バリアの薄肉化が六角形の長辺の近くで局所的に大きくなり、それにより(例えば自身が属する外部マトリックスと外被構造、場合によってはさらに隣接するサブエレメントの外被構造へ)局所的にSnが混入し、それによって(常電導)抵抗が少なくとも局所的に著しく上昇し、それによりクエンチ発生時の保護機能が損なわれる可能性がある。
これに対して、本発明では、サブエレメントが、外輪郭断面が六角形である外被構造をもともと(第1の断面を縮小する変形加工の前に)備えていることを想定している。内輪郭断面内が円形であるこの外被構造には、サブエレメントの残りの部分が挿入される。この複合サブエレメントに断面を縮小する変形加工を施すと、六角形の外形を保持することができる。そのため、断面を縮小する変形加工は、非常に均質に実行される。すべての肉厚比は、特にそれぞれの全周にわたってほぼ維持される。サブエレメントの、例えば六角形の角など、六角形の平坦な面とは局所的に異なった強度で変形される部分領域は存在しない(このことは不均質性の影響を受けにくくなる)。したがって、反応アニールのために予定された拡散長がどこでも保持され、設けられた拡散バリアが損傷されない。サブエレメントを有する導体完成品の断面を縮小する変形加工後の反応アニールが支障なく行われ、高い電流容量が得られ、(常電導の)導電性の高い領域へのSnの混入を防ぐことができる。
また、断面を縮小する変形加工の過程でサブエレメントがより均一に変形することで、本発明によるRRPプロセスの過程でサブエレメント内に存在するNb含有ロッドエレメントが全体的に径方向により均一に変形し、そして特に、周方向の異なった箇所で互いに異なった強度で変形することもない。反応アニール後、このように不均一に変形したNb含有ロッドエレメントがあると、いわゆる「filament bridging」が益々発生する可能性がある。超電導体断面におけるそのような結合により、サブエレメントの不均質に変形した領域においてNb3Snの均質で化学量論的な形成が困難になることから電流容量が低下する。さらに、このように形成された超電導領域では断面が局所的に大きくなり、そのことが(例えば、磁石において使用される場合)超電導循環電流を誘導しやすくなる。Nb3Snの形成が阻害され、かつ誘導循環電流の誘導が容易であることにより、熱処理後に達成可能な最大電流容量が劇的に低下する。本発明では、Nb3Sn形成のためのサブエレメントの構成要素が長い区間にわたって隔離された状態を保つことができるため、導体アセンブリ完成品における利用可能な比較的大きいNb3Sn面積分率を大きくする効果をはるかに超える電流容量の増加が達成することができる可能になるので、この「filament bridging」を著しく低減することができる。同時に、Nbロッドエレメントの結合を回避することにより、変形加工性を改善することができ、断線のリスクを減らすことができる。
なお、Nb含有ロッドエレメントは、好ましくはそれぞれ(典型的にはNbを含まない)フィラメント被覆を有し、その径方向の最小肉厚は、Nb含有コアフィラメントの直径の好ましくは0.025倍以上、好ましくは0.075倍以上であることに留意されたい。その場合「filament bridging」を特に効率的に食い止めることができる。
また、「powder in tube」プロセスでは、個々のPITエレメントにおいて別々のNb3Sn領域が生成されないことに留意すべきである。なぜなら、リング状に互いに当接するNb含有ロッドエレメントの代わりに1つのNb含有管が用いられ、元来、この管の均質性を変形加工によって変化させることはできず、管は反応アニール後に常にNb3Snの大きい連続した面領域が存在するからである。
好ましい方法の一変形例では、まず、少なくとも内部マトリックスと、互いに当接するNb含有ロッドエレメントの領域と、外部マトリックスとを合わせて一体の挿入部材を形成し、この一体の挿入部材を外被構造の円形の内輪郭断面に挿入する。一体の挿入部材を使用することにより、本発明による方法は簡素化され加速される。これに代えて、外被構造の円形の内輪郭断面、又は予め挿入された部材に、異なる部材を個々に順次挿入することも可能である。
外部マトリックスを径方向外側に囲み、かつ外被構造の径方向内側に直接又は間接的に当接する拡散バリアを備えてサブエレメントが作製されている変形例が有利である。拡散バリアは典型的には管状を成し、SnがSn含有コアからそれが属する外被構造や、さらには隣接する複数のサブエレメントの外被構造や外部マトリックスへと径方向に出て行くことを防止するか、又は最小限に抑えることができる。拡散バリアは、例えばNb、Ta又はVから、特に50重量%以上のNb、Ta及び/又はVから作製されてもよい。
上記の2つの変形例の発展形態として、一体の挿入部材が拡散バリアも備えることが好ましい。これにより、方法の手順がさらに簡素化される。これに代えて、拡散バリアを、まず内輪郭断面に単独で挿入し、次に内輪郭断面に配置された拡散バリアに挿入部材を挿入することもできる。
別の発展形態では、一体の挿入部材がSn含有コアも備える。これによっても、方法の手順がさらに簡素化される。あるいは、挿入部材を最初に内輪郭断面に挿入し、次にSn含有コアを内輪郭断面に配置された挿入部材に挿入してもよい。
また、本発明の範囲には、
Nb3Sn含有超電導線材を製造する方法であって、
-複数のサブエレメントを上記のように本発明に従って作製する工程と、
-作製されたサブエレメントに断面を縮小する変形加工を施す工程と、
-変形加工が施されたサブエレメントを、互いに当接し、かつCu含有外部構造によって包囲されるように束ねて、導体アセンブリ完成品を生成する工程と、
-導体アセンブリ完成品に断面を縮小する変形加工を施す工程と、
-変形加工が施された導体アセンブリ完成品を所望の幾何学的形状に成形し、特にコイルに巻回する工程と、
-成形された導体アセンブリ完成品に、サブエレメントからのNbとSnが反応してNb3Snを生成する反応熱処理を施す工程と、を有する方法も含まれる。このようにして作製されたNb3Sn超電導線材は、サブエレメントの断面を縮小する変形加工時にサブエレメントにおいて歪みがほとんど無く、かつ特に高いNb3Snの面積分率が特に高く、かつ特に高い電流容量を達成することができ、「filament bridging」も回避又は低減することができ、それに伴い電流容量がさらに向上し、変形加工性も改善される。これに加えて、Sn混入のリスクが低減される。
Nb3Sn超電導線材を製造するためのこの方法の変形例として、
導体アセンブリ完成品を形成するために前記サブエレメント(1a)を束ねる際に、内輪郭断面及び外輪郭断面が円形である外管を有する外部構造と、互いに当接するサブエレメントとの間に1つ又は複数の充填エレメントが配置され、
充填エレメントが、外管の内面に直接又は間接的に当接するための丸い輪郭形状を径方向外方に有し、かつ互いに当接するサブエレメントに当接するための鋸歯状の輪郭形状を径方向内方に有し、
充填エレメント全体が、径方向内方にほぼ円形の全体輪郭形状を形成することが好ましい。それによって、導体アセンブリ完成品の断面を縮小する変形加工時にサブエレメントの不均一な変形を回避するか、又は少なくとも減少させることができ、それによりすべてのサブエレメントにおいて反応熱処理(反応アニール)が適切に行われる。特に、導体アセンブリ完成品において外側に位置するサブエレメントの変形を回避又は低減することができ、特に不均一な凹みを起こしやすいサブエレメント全体における、顕著な角の形成が回避される。これによって、完成したNb3Sn超電導線材の超電導電流容量が増加し、Sn混入のリスクが低減される。
本発明の他の利点は、本明細書及び図面から明らかになる。同様に、上記及び下記の特徴を本発明に従ってそれぞれ単独で、又はいくつかを任意に組み合わせて使用することができる。図示及び説明される実施形態は、網羅的な列挙と解されるべきではなく、むしろ、本発明を説明するための例示的な性格を有する。
本発明による外被構造とサブエレメントの残りの部分とからNb3Sn超電導線材のためのサブエレメントを製造する様子を模式的に示す断面図である。 本発明のNb含有ロッド要素の一例を示す模式的断面図である。 図1の本発明によるサブエレメントの断面を縮小する変形加工を示す模式図である。 本発明による導体アセンブリ完成品を製造する様子を模式的に示す断面図である。 図4の本発明による導体アセンブリ完成品の断面を縮小する変形加工を示す模式図である。 本発明による変形加工が施された導体アセンブリ完成品を用いたコイルの巻回の様子を示す模式図である。 本発明によるNb3Sn超電導線材からなる超電導コイルが得られる図6のコイルの反応アニールを示す模式図である。 中間構造にサブエレメントが当接する、本発明による導体アセンブリ完成品を模式的に示す部分断面図である。 径方向に延びる接合部を有する、閉じた充填エレメントリングを形成する充填エレメントを備えた、本発明による導体アセンブリ完成品を模式的に示す部分断面図である。 斜めに延びる接合部を有する、閉じた充填エレメントリングを形成する充填エレメントを備えた、本発明による導体アセンブリ完成品を模式的に示す部分断面図である。 サブエレメントが単一の充填エレメントに挿入される、本発明による導体アセンブリ完成品の製造の様子を模式的に示す断面図である。 サブエレメントの残りの部分が外被構造に挿入され、サブエレメントが拡散バリアなしで形成されている本発明のサブエレメントを模式的に示す断面図である。 本発明により製造されたサブエレメントが組み付けられた簡単な導体アセンブリ完成品を模式的に示す断面図である。 本発明による導体アセンブリ完成品に組み付けることができる簡単なサブエレメントとその横断面を縮小する変形加工を模式的に示す断面図である。 断面を縮小する変形加工後の従来技術による導体アセンブリ完成品の断面の走査電子顕微鏡写真であり、概観画像(上)及び部分拡大画像(下)である。 充填エレメントと共に、ほぼ円形の全体輪郭形状を有するようRRPサブエレメントが配置されている、断面を縮小する変形加工後の本発明による導体アセンブリ完成品の断面の走査電子顕微鏡写真であり、概要画像(上)及び部分拡大画像(下)である。 充填エレメントと共に、ほぼ円形の全体輪郭形状を有するようサブエレメントが配置され、かつRRPサブエレメントにおいて、それぞれ外側が六角形で、内側が丸い外被構造に残りのサブエレメントが挿入された、断面を縮小する変形加工後の本発明による導体アセンブリ完成品の断面の走査電子顕微鏡写真であり、概要画像(上)及び部分拡大画像(下)である。
図1~図7は、本発明の範囲内のNb3Sn超電導線材を製造する様子全体を模式的に示し、a)サブエレメントは、本発明により外側が六角形で内側が円形である外被構造と、サブエレメントの残りの部分とから構成されるとともに、b)導体アセンブリ完成品において、互いに当接するサブエレメント全体と外管の内面との間に1つ又は(好ましくは)複数の充填エレメントが配置される。しかしながら本発明は、a)又はb)の態様のうちの1つのみを利用することによってすでに実現され得ることに留意されたい。
図1は、本発明によるNb3Sn超電導線材のサブエレメント1の製造の様子を模式的に断面図で示す。
サブエレメント1は、図1の下部を参照すると、例えば元素状態のSnの粉末を含有するSn含有コア2を備え、このSn含有コア2は典型的には円形である。Sn含有コア2は、Cuを含有する内部マトリックス3によって囲まれている。内部マトリックス3の周りには複数のNb含有ロッドエレメント4が配置されている。Nb含有ロッドエレメント4は、それぞれ外輪郭断面が六角形であり、互いに当接するとともに、内部マトリックス3をリング状に囲むように配置されている。
図示されている実施形態では、Nb含有ロッドエレメント4は、それぞれNb含有コアフィラメント5(通常、元素状態のNb又は50重量%以上のNbを含む合金からなる丸棒)及びCu含有フィラメント被覆6(通常、元素状態のCu又は50重量%以上のCuを含む合金からなる)を有する(図2を参照)。フィラメント被覆6は、好ましくはNbを含まないが、例えば、反応アニール中の拡散挙動を改善又は調整するために、例えば、いくらかのSn又は他の添加物を含んでいてもよい。この場合、フィラメント被覆6の径方向の最小肉厚WF及びコアフィラメント5の最大直径DMは、約WF=0.36*DMであり、一般的に好ましいのはWF≧0.15*DM、さらにはWF≧0.25*DMである。
再び図1を参照して、Nb含有ロッドエレメント4はCuを含む外部マトリックス7によって囲まれている。外部マトリックス7は、円形の外側輪郭形状を有する。図示されている実施形態では、外部マトリックス7は、例えばNbから作製される拡散バリア8によって囲まれている。この拡散バリアは、反応アニール中に外部マトリックス7に侵入する可能性のあるコア2からのSnを径方向に遮断する。拡散バリア8は均一な肉厚を有し、外側が丸い形をしている。
拡散バリア8は、Cuを含有する外被構造9によって囲まれており、外被構造9は、典型的には元素状態の銅又は50重量%以上のCuを含有する合金でできている。外被構造9は、円形の内輪郭断面と六角形の外輪郭断面を有する。
サブエレメント1を作製するために、外被構造9は単独で作製され、すでにこのときに六角形の外輪郭断面及び円形の内輪郭断面を有するよう形成されている。サブエレメント1の残りの部分は、この円形の内輪郭断面又は外被構造9の内部に挿入される。その場合、図1に示すように、まず、少なくとも内部マトリックス3とNb含有ロッドエレメント4と外部マトリックス7を合わせて一体の挿入部材10を形成し、次にこの一体の挿入部材10を外被構造9に挿入することが好ましい。
図示されている実施形態では、一体の挿入部材10が、Sn含有コア2及び拡散バリア8も有しており、それによりサブエレメント1の残りの部分すべてが一緒に外被構造9に挿入される。しかしこれに代えて、例えば、まず拡散バリア8を単独で外被構造9に挿入し、次いで、挿入部材10を拡散バリア8に挿入することもできる。同様に、挿入部材10を外被構造9に挿入した後に初めてSn含有粉末コア2を挿入部材10に挿入することもできる(それぞれ詳しくは説明しない)。
次に、このようにして作製したサブエレメント1に、図3に示されるように断面を縮小する変形加工を施す。その場合、外形を保持することができ、変形加工(例えば伸線加工)が施されたサブエレメント1aは断面が同じ割合で縮小されるだけであり、その結果、外輪郭断面も六角形になる。材料の分布が断面平面内で変更する限りでは、この分布変更は径方向にのみ行われ、特にアジマス方向には行われない。ここで、材料の分布変更は主に軸方向(図示されている断面の平面に対して垂直な方向である、「引張方向」)に行われる。特に、Nb含有ロッドエレメント4の配置は六角形に強制されず、このとき、例えば六角形の長辺12の近くの拡散バリア8の薄肉化は生じない。肉厚比は全周にわたって一定のままである。さらに、Nb含有ロッドエレメント4は、それらの相対位置をサブエレメント1/1a内で維持し、特に、局所的に平らに押し潰されたり、他のNb含有ロッドエレメント4に押し付けられたりすることはない。
次に、図4の左側に示されるように、伸線加工が施された複数のサブエレメント1aが束ねられる。ここで、図中のサブエレメント1aは、ハッチングされた円を有する六角形として簡略化して示されている。
図示されている変形例では、ここでは78個のサブエレメント1aが互いに当接して配置され、中心構造13は、サブエレメント1aではなく、ここでは7つの六角形の中心エレメント14からなる。中心エレメント14はCuを含有する(そして、例えば元素状態のCu又は50重量%以上のCuを含有するCu合金からなる)。
サブエレメント1aの全体17は、径方向外側にほぼ円形の全体輪郭形状を形成し、特に径方向に最も突出するサブエレメント1aの先端16を通る(点で示された想像上の)外接円15内では、サブエレメント1aの全体17の径方向外側のどこにもさらにサブエレメントを追加することができず、追加されたサブエレメントが少なくとも部分的に外接円15の外側に位置していないと、サブエレメント1aの全体17の半径方向外側にさらなるサブエレメントを追加することはできない。
次に、導体アセンブリ完成品20を作製するために(図4の右側を参照)、サブエレメント1aの外側に複数の充填エレメント18a、18bを当接させる。図示された変形例では、充填エレメント18a、18bに2つの幾何学的形状(種類)があり、2つの幾何学的形状18a、18bは、周方向に交互に配置される。ここでは、全部で12個の充填エレメント18a、18bが使用される。
充填エレメント18a、18bは、丸い輪郭形状24を径方向外方に有し、鋸歯状の輪郭形状25を径方向内方に有する。鋸歯状の輪郭形状25は、局所的に隣接する、サブエレメント1aの全体17の外輪郭に対応する。
充填エレメント18a、18bの全体18は、径方向外方に周方向に延びる円形輪郭形状を形成する。充填エレメント18a~18bの全体18は、径方向内方に、サブエレメント1aの全体17の外側の全体輪郭形状に対応して、ほぼ円形の全体輪郭形状を形成する。
外管19は、充填エレメント18a、18bの周りに配置されている。図示されている変形例では、丸い輪郭形状24を有する充填エレメント18a、18bは、外管19の円形の内面に直接当接している。ここで、外管19は、導体アセンブリ完成品20の外部構造21を形成する。外部構造21は、Cu、好ましくは50重量%以上のCuを含有し、図示されている実施形態では、外管19は、この目的で元素状態のCuから作製されている。外管19もその外面が円形に形成されている。
図示されている変形例では、充填エレメント18a、18bの全体18は、周方向に延びる閉じた充填エレメントリング22を形成し、充填エレメント18a、18bは互いに隣接し、そこでそれぞれ短い、かつ径方向に延びる接合部23を形成する。充填エレメント18a、18bは、ここでは、Cuから、又は50重量%以上のCuを含有するCu含有合金から作製され、それによりクエンチ発生(超電導の突然の消失)時に、充填エレメント18a、18bと外管19を、後に製造するNb3Sn超電導線材を保護するためのオームバイパス電流経路として用いることができる。個々のサブエレメント1aにはすでに拡散バリアが設けられているため、Snの拡散を遮断する材料からなる中間構造はここでは必要ない(図1、参照符号8を参照)。
サブエレメント1aの全体17及び充填エレメント18a、18bの全体18が外部構造21内に配置された後、導体アセンブリ完成品20の断面を縮小する変形加工が施される(図5を参照)。この場合も、変形加工(例えば伸線加工)が施された導体アセンブリ完成品20aにおいて、断面は同じ割合で縮小されるだけである。充填エレメント18a、18bは目立った空き空間を残さず、充填エレメント18a、18bの全体18及びサブエレメント1aの全体17が実質的に回転対称に構成されるので、断面平面における材料の分布変更は実質的に均一に径方向に行われ、特にアジマス方向には行われない。ここで、材料の分布変更は、主に軸方向(図示されている断面の平面に対して垂直方向である「引張方向」)に行われる。特に、個々のサブエレメント1aが、特別に凹ませられることはなく、すべてのサブエレメントは断面積が実質的に等しく、かつ同じ割合で縮小される。サブエレメント1aにおいて、例えば拡散バリアが局所的に薄くなったり、サブエレメント1aにおけるNb含有ロッドエレメント4が局所的に押し潰されたりすることもない。すべてのサブエレメント1aについて、肉厚比は、それぞれのサブエレメントの全周にわたってほぼ一定である。
このようにして得られた、変形加工(例えば伸線加工)が施された導体アセンブリ完成品20aは、図6に示されるように、例えば巻回体30に巻き付けてコイル31を形成するなど、用途に応じて望ましい形状に成形することができる。所望される場合、変形加工が施された導体アセンブリ完成品20aを予めさらに、例えばねじる及び/又は撚り合わせることができる(詳しくは説明しない)。
次に、所望の形状に成形された導体アセンブリ完成品20a、ここではコイル31に反応熱処理(反応アニールとも呼ばれる)が施されるが、そのために導体アセンブリ完成品が典型的には炉32内に配置される(図7を参照)。反応熱処理には、典型的には複数の熱処理段階(しばらくの間、大抵は数時間、一定の温度に保たれる温度プラトー)、例えば、約210°の温度プラトー、約350℃~400℃の別の温度プラトー、及び約650~750℃の温度プラトーが用意されている。熱処理中、サブエレメントのSn含有コアからSnがサブエレメントのNb含有ロッドエレメントへ拡散してNb3Snが生成され、換言すると、変形加工が施され、かつ所望の形状に成形された導体アセンブリ完成品20aからNb3Sn超電導線材33が作られる。その際、サブエレメント及びNb含有ロッドエレメントによって予め定められたNb3Snゾーンが形成され、これらのゾーンは、断面において全体的に又は部分的に互いに分離されており、それぞれ、その長手軸線(線材の延在方向)に沿って電流を超電導的に流すことができ、全体として、特に高い電流強度の電流を超電導的に流すことができる。
図8は、本発明の導体アセンブリ完成品20の一変形例を模式的に断面図で示し、導体アセンブリ完成品20の扇形部分のみが示されている(これは図9及び図10にも当てはまる)。
図8に示される変形例では、サブエレメント1aの径方向に最も突出する先端16と、充填エレメント18a、18bの外側の丸い輪郭形状24とが互いに補完し合って円弧状の輪郭40を形成する。この円弧状の輪郭40は、最大数の先端16を通過すると同時に、すべてのサブエレメント1aを取り囲むことが可能な最小の半径を有する。周方向に交互に連続する充填エレメント18a、18bは、ここでは交互に異なる幾何学的形状を有しそれぞれ先端16によって互いに分離される。この構成は特にコンパクトであり、最終的なNb3Sn超電導線材におけるNb3Snの特に高い面積分率を実現する。
図示されている構成では、外管19と充填エレメント18a、18bとの間に管状の中間構造41が、配置されている。この管状の中間構造41は、ここでは、Snが外管19に向けて内側から外側へ拡散することを阻止するか、又は少なくとも妨害する材料から作製され、このために中間構造は、Nb、Ta又はV、あるいはこれらの元素ベースの合金から形成されることが好ましい。
図9に示される本発明の導体アセンブリ完成品20の変形例は、周方向に延在する充填エレメントリング22を形成する充填エレメント18a、18bを有する。充填エレメントリング22の径方向の最小肉厚WSminは、ここでは、サブエレメント1aの辺の長さKLsubとほぼ同じ大きさであり、すなわちWSmin=KLsubである。充填エレメントリング22の十分に大きい、かつ最小限の肉厚によって、導体アセンブリ完成品において、充填エレメントリングが、例えばSnの径方向外方の拡散を付加的に妨げる機能や(そのためには充填エレメント材料を適切に選択しなければならない)、例えば物体間に介在し、好ましい変形挙動を行う機能を確実に担うことができる。
図9に示される実施形態では、充填エレメント18a、18b間の接合部42は径方向に延びており、それにより充填エレメントリング22を特に簡単に作製することができる。
しかしながら本発明による導体アセンブリ完成品20では、図10に示されるように、充填エレメントリング22の周方向に隣接する充填エレメント18a、18b間に、径方向RRに対して斜めに延びる接合部43を設けることも可能である。一般的に、固体材料よりも接合部において、Snは迅速に拡散し得る。斜めの接合部43を設けることにより、接合部43の長さをより長くすることができ、したがって接合部43に沿った拡散を遅らせることができる。図示されている変形例では、導体アセンブリ完成品20のすべての接合部43のうち最小の延在長さVLminは、充填エレメントリング22の径方向の最小肉厚WSminの約5倍の長さ、すなわちVLmin=5*WSminである。
図11は、本発明による導体アセンブリ完成品20を組み立てる様子を示しており、束ねられた、互いに当接するサブエレメント1aは、単一の、かつ周方向に延在する充填エレメント18cに挿入され、この充填エレメント18cは外側に周方向に延びる丸い輪郭形状24、及び内側にサブエレメント1aの全体17の外輪郭に対応する鋸歯状の輪郭形状25を有する。したがって充填エレメント18cは、閉じた充填エレメントリング22も形成する。導体アセンブリ完成品20を得るために、充填エレメント18cは、ここでは外管19の内面に直接配置される。
単一の充填エレメント18cを作製することは、充填エレメント1aの全体17を共同で包囲する一連の充填エレメントを作製するよりも難しいが、複数の充填エレメントを同時に取り扱う必要がないため、サブエレメント1aと充填エレメント18cとを合体することはより簡単である。また、Snが迅速に拡散する経路を形成し得る接合部が充填エレメント間に形成されることを回避できる。
図12は、Nb含有ロッドエレメント4を囲む外部マトリックス7に外被構造9が内面で直接当接する本発明のサブエレメント1を示す。ここでは、Sn含有コア2、内部マトリックス3、Nb含有ロッドエレメント4、及び外部マトリックス7からなる一体の挿入部材は、外側が六角形で内側が丸い外被構造9に挿入されている。
この構成には拡散バリアが無い。その結果、完成したNb3Sn超電導線材においてNb3Snの面積分率をより高くすることができるが、同時に、Sn含有コア2からのSnの拡散が可能な限りNb含有ロッドエレメント4の領域を越えて進行しないように反応アニールを行わなければならない。本発明の範囲内で、サブエレメント1の断面を縮小する変形加工を施す場合も、導体アセンブリ完成品の断面を縮小する変形加工を施す場合も、サブエレメント1の形状を良好にコントロールすることが可能であり、したがって、Snの拡散のコントロールは、反応アニールのプロセス制御により拡散バリアなしでも原理的に可能である。
しかしより安全性を高めるために、導体アセンブリ完成品の外部構造の領域に拡散バリア(例えば、Snの拡散を妨げる追加の構造、又はSnの拡散を妨げる充填エレメントリング、図4、図8、図9を参照)を設けることができ、特にNb3Sn超電導線材の用途が、例えば配線又はコイル巻回時など、導体アセンブリ完成品を強く曲げる必要がある(及びそれに伴い線材断面の不均一な歪みが生じる)場合に、このような拡散バリアを設けることができる。
サブエレメントの残りの部分が挿入される外側が六角形で内側が円形の外被構造によって、すでに、電流容量が十分に向上し、かつ(常電導性の)高い導電性を有する領域で起こり得るSn混入に対する安全性が達成されている場合、導体アセンブリ完成品50のより簡単な構造を選択して、充填エレメントを使用しないこともできる(図13を参照)。この場合、束ねられたサブエレメント1aは、内輪郭断面が円形の外管52に直接挿入され、サブエレメント1aの周りに自由空間(空の空間)51が残る。この場合、外管52は、導体アセンブリ完成品50の外部構造53を形成する。
導体アセンブリ完成品のサブエレメントの周りに充填エレメントを使用することによってすでに電流容量が十分に向上し、かつ(常電導性の)高い導電性を有する領域で起こり得るSn混入に対する安全性が達成されている場合、サブエレメント60のより簡単な構造を選択することもできる(図14を参照)。この場合、Nb含有ロッドエレメント4を、外側が円形の外部マトリックス61のみで囲む。次に、断面を縮小する変形加工の際に、外部マトリックス61の外径を六角形に成形する(変形加工(伸線加工)が施されたサブエレメント60aを参照)。
図15は、従来技術による断面を縮小する変形加工後の導体アセンブリ完成品の一例を示す。作製時には、内輪郭断面が六角形の外部構造に、RRPサブエレメントを六角形に配置して挿入していた。RRPエレメントは、予め、断面を縮小する変形加工により円形の断面から六角形の断面に変形加工されている。
概観画像(上)では、エッジ部分及び、とりわけ角の部分のRRPサブエレメントが強く変形しているのがよくわかる。角の部分のサブエレメントは非常に大きく変形しており、Sn含有コア(それぞれのサブエレメントの中央の明色の領域)がほぼ三角形の構造になっている。典型的な角の部分のサブエレメントの拡大画像(下)において、Nb含有ロッドエレメントの大部分が変形して、それぞれの断面がほぼ楕円形になり、平均アスペクト比が概算で約1.5~2であり、Nb含有ロッドエレメントの少なからぬ部分(とりわけ三角形のSn含有コアの上角)では最大で約3の格段に大きいアスペクト比が得られることも見て取れる。互いに当接するNb含有ロッドエレメントの領域の「径方向の」厚さと拡散バリア(図において明色で、Nb含有ロッドエレメントの領域の周りに配置されている)の厚さは大きく変化する。
図16は、断面を縮小する変形加工後の本発明による導体アセンブリ完成品を示し、ほぼ円形の全体輪郭形状を有するよう配置されたRRPサブエレメントは、充填エレメントが追加され、かつ丸い内輪郭断面を有する外管に挿入されている。RRPエレメントは、予め、断面を縮小する変形加工により円形の断面から六角形の断面に変形加工されている。
充填エレメントを使用することにより、従来技術と比べて、エッジ部分の、とりわけ角の部分のRRPサブエレメントの変形が格段に低減され、そのことが概観画像(上)及び典型的な角の部分のサブエレメントの拡大画像(下)においてはっきりと見て取れる。拡大画像(下)に見て取れるように、Sn含有コアにはわずかな楕円形の歪みがあるだけである。個々のNb含有ロッドエレメントは、大部分が顕著には歪んでおらず、Nb含有ロッドエレメントは、概算で約1.1~1.2の平均アスペクト比を有し、個々のNb含有ロッドエレメントにおけるアスペクト比も最大約1.5である。Nb含有ロッドエレメントの領域の「径方向の」厚さと拡散バリアの厚さ(図において明色)は、実質的に付与された六角形の形状に応じて異なる。
最後に、図17は、断面を縮小する変形加工後の本発明による導体アセンブリ完成品を示す。ここで、ほぼ円形の全体輪郭形状を有するよう配置されたRRPサブエレメントは、充填エレメントが追加され、かつ丸い内輪郭断面を有する外管に挿入されており、RRPサブエレメントにおいて、外側が六角形で内側が円形の外被構造に残りのサブエレメントが予め挿入されている。
この場合も充填エレメントを使用することにより、従来技術と比べて、エッジ部分の、とりわけ角の部分のRRPサブエレメントの変形が格段に低減され、そのことが概観画像(上)及び典型的な角の部分のサブエレメントの拡大画像(下)においてはっきり見て取れる。Sn含有コアはほぼ円形のままである。それぞれのRRPサブエレメントのために、外側が六角形で内側が円形の、かつ充填される外被構造を使用することによって、それぞれのRRPサブエレメントの断面を縮小する変形加工時にNb含有ロッドエレメントの変形を最小限に抑えることができる。それに対応して、導体完成品においても個々のNb含有ロッドエレメントの断面がほとんど歪まない。Nb含有ロッドエレメントの領域の「径方向の」厚さと拡散バリアの厚さはごくわずかに変化するだけであり、これはRRPサブエレメントの不均一な変形が小さいことに対応する。
要約すると、本発明は、RRP法によるNb3Sn超電導線材(33)の製造において、導体アセンブリ完成品(20;50)を用いることを提案し、この製造において、六角形のRRPサブエレメント(1a;60a)を断面がほぼ円形の束にまとめ、充填エレメント(18a~18c)と一緒に内側及び外側が円形の外管(19;52)内に配置する。充填エレメント(18a~18c)は、内方に、六角形のサブエレメント(1a;60a)に当接させるための鋸歯状の輪郭形状(25)を形成し、外方に、外管内に直接又は間接的に当接させるための丸い輪郭形状(24)を形成する。それによって、導体アセンブリ完成品(20、50)の断面を縮小する変形加工時にサブエレメント(1a、60a)の不均一な変形、特に凹みが最小限に抑えられる。RRPサブエレメント(1;60)の作製において、本発明は、これらのRRPサブエレメント(1;60)を、断面を縮小する変形加工の前に、外側が六角形で内側が丸い外被構造(9)を用いて作製し、この外被構造にサブエレメント(1;60)の残りの部分が挿入されること、特に六角形のNb含有ロッドエレメント(4)がリング状の配置されており、これらが外側は外部マトリックス(7、61)、内側が内部マトリックス(3)によって囲まれていることを提案する。次のサブエレメント(1;60)の断面を縮小する変形加工時に、再び不均一な変形、特にアジマス方向の材料の分布変更が最小限に抑えられる。全体として、高い超電導電流容量を有しつつ、常電導領域におけるSnが混入するリスクを最小限に抑え、及びそれに伴いクエンチ発生時の保護機能が良好なNb3Sn超電導線材(33)を実現することができる。
1(変形加工が施されていない)サブエレメント
1b(変形加工が施された)サブエレメント
2 Sn含有コア
3 内部マトリックス
4 Nb含有ロッドエレメント
5 Nb含有コアフィラメント
6 Cu含有フィラメント被覆
7 外部マトリックス
8 拡散バリア
9 外被構造
10 一体の挿入部材
11 六角形の角
12 六角形の長辺
13 中心構造
14 中心エレメント
15 外接円
16 先端
17 サブエレメントの全体
18 充填エレメントの全体
18a-b 充填エレメント
18c(単一の)充填エレメント
19 外管
20(変形加工が施されていない)導体アセンブリ完成品
20a(変形加工が施された)導体アセンブリ完成品
21 外部構造
22 充填エレメントリング
23 接合部
24 丸い輪郭形状
25 鋸歯状の輪郭形状
30 巻回体
31 コイル
32 炉
33 Nb3Sn超電導線材
40 円弧状の輪郭
41 中間構造
42 接合部
43 斜めの接合部
50 導体アセンブリ完成品(充填エレメントなし)
51 自由空間
52 外管
53 外部構造
60(変形加工が施されていない)サブエレメント(外側が六角形で内側が円形の外被構造なし)
60a(変形加工が施された)サブエレメント(外側が六角形で内側が円形の外被構造なし)
61 外部マトリックス
DM コアフィラメントの直径
KLsub 六角形のサブエレメントの辺の長さ
VLmin 斜めの接合部の最小延在長さ
WF フィラメント被覆の(最小)肉厚
WSmin 充填エレメントリングの最小肉厚

Claims (22)

  1. Nb3Sn超電導線材(33)のための導体アセンブリ完成品(20)であって、
    -それぞれNb及びSnを含有し、かつそれぞれ外輪郭断面が六角形である、複数の互いに当接するサブエレメント(1a;60a)と、
    -Cuを含有し、かつ前記互いに当接するサブエレメント(1a;60a)を囲む外部構造(21)であって、外輪郭断面が円形である外部構造(21)と、を有し、
    前記サブエレメント(1a、60a)がそれぞれ、
    -Sn含有コア(2)と、
    -Cuを含有し、かつ前記Sn含有コア(2)を囲む内部マトリックス(3)と、
    -それぞれの外輪郭断面が六角形であり互いに当接するNb含有ロッドエレメント(4)の領域であって、前記Nb含有ロッドエレメント(4)が、それぞれNb含有コアフィラメント(5)及びCu含有フィラメント被覆(6)を備える領域と、
    -Cuを含有し、かつ前記Nb含有ロッドエレメント(4)の前記領域を囲む外部マトリックス(7;61)と、を備える導体アセンブリ完成品(20)において、
    前記外部構造(21)が、外輪郭断面及び内輪郭断面が円形である外管(19)を備えることと、
    前記外管(19)と前記互いに当接するサブエレメント(1a、60a)との間に1つ又は複数の充填エレメント(18a~18c)が配置され、前記1つ又は複数の充填エレメント(18a~18c)は、前記外管(19)の内面に直接又は間接的に当接するための丸い輪郭形状(24)を径方向外方に有し、かつ前記互いに当接するサブエレメント(1a;60a)に当接するための鋸歯状の輪郭形状(25)を径方向内方に有することと、
    前記互いに当接するサブエレメント(1a、60a)の外側に、前記1つ又は複数の充填エレメント(18a~18c)を当接させ、かつ前記1つ又は複数の充填エレメント(18a~18c)の径方向外方の前記丸い輪郭形状(24)に前記外管(19)を直接又は間接的に当接させることと、
    前記充填エレメント(18a~18c)の全体(18)が、径方向内方にほぼ円形の全体輪郭形状を形成することと、を特徴とする導体アセンブリ完成品(20)。
  2. 前記導体アセンブリ完成品(20)が前記充填エレメント(18a~18b)を複数有し、前記互いに当接するサブエレメント(1a;60a)の全体(17)の径方向に最も突出する先端(16)と、前記充填エレメント(18a~18b)の前記丸い輪郭形状(24)とが補完し合って円形の輪郭(40)を形成し、前記充填エレメント(18a~18b)は、前記円形の輪郭(40)が最小半径を有するよう形成されていること、を特徴とする、請求項1に記載の導体アセンブリ完成品(20)。
  3. 前記1つ又は複数の充填エレメント(18a~18c)は、前記互いに当接するサブエレメント(1a;60a)の全体(17)が内側に配置されて周方向に延在する充填エレメントリング(22)を形成することを特徴とする、請求項1に記載の導体アセンブリ完成品(20)。
  4. 前記充填エレメントリング(22)の径方向の最小肉厚WS min にWS min ≧0.3*KL sub が適用され、ここでKL sub は六角形の前記サブエレメント(1a;60a)の辺の長さであることを特徴とする、請求項3に記載の導体アセンブリ完成品(20)。
  5. 前記充填エレメントリング(22)が前記充填エレメント(18a~18b)を複数有し、前記充填エレメントリング(22)において周方向に隣り合う充填エレメント(18a~18b)間の接合部(43)の少なくとも一部が、径方向に対して斜めに延びることを特徴とする、請求項3又は請求項4に記載の導体アセンブリ完成品(20)。
  6. 前記接合部(43)のそれぞれの延在長さのうち最小延在長さVL min には、VL min ≧2*WS min が適用され、ここでWS min は、前記充填エレメントリング(22)の径方向の最小肉厚であることを特徴とする、請求項5に記載の導体アセンブリ完成品(20)。
  7. 前記1つ又は複数の充填エレメント(18a~18c)がCuを含有することを特徴とする、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の導体アセンブリ完成品(20)。
  8. 前記充填エレメントリング(22)の前記充填エレメント(18a~18c)は、前記サブエレメント(1a;60a)からのNbとSnが反応してNb3Snを生成する反応熱処理中に前記サブエレメント(1a;60a)から前記外管(19)へのSnの拡散を遮断する、又は妨げるのに適した材料から作製されることを特徴とする、請求項3~請求項6のいずれか1項に記載の導体アセンブリ完成品(20)。
  9. 前記導体アセンブリ完成品(20)が、異なる幾何学的形状を有する前記充填エレメント(18a~18b)を複数有することを特徴とする、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の導体アセンブリ完成品(20)。
  10. 前記外管(19)の内面と前記1つ又は複数の充填エレメント(18a~18c)の前記丸い輪郭形状(24)との間に、中間構造(41)としての中間管が、径方向に挟まれていることを特徴とする、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の導体アセンブリ完成品(20)。
  11. 前記中間構造(41)は、前記サブエレメント(1a;60a)からのNbとSnが反応してNb3Snを生成する反応熱処理中に前記サブエレメント(1a;60a)から前記外管(19)へのSnの拡散を遮断する、又は妨げるのに適した材料から作製されことを特徴とする、請求項10に記載の導体アセンブリ完成品(20)。
  12. 前記サブエレメント(1a;60a)は、さらに、
    -前記外部マトリックス(7;61)を径方向外側に囲む拡散バリア(8)と、
    -Cuを含有し、かつ前記拡散バリア(8)を径方向外側に囲む外被構造(9)と、を備えることを特徴とする、請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の導体アセンブリ完成品(20)。
  13. 前記導体アセンブリ完成品(20)において、前記互いに当接するサブエレメント(1a;60a)によって囲まれる中心構造(13)が存在し、前記中心構造(13)がCuを含有することを特徴とする、請求項1~請求項12のいずれか1項に記載の導体アセンブリ完成品(20)。
  14. NbSn含有超電導線材(33)を作製する方法であって、
    -請求項1~請求項13のいずれか1項に記載の導体アセンブリ完成品(20)に断面を縮小する変形加工を施し、変形加工後導体アセンブリ完成品(20a)を得る工程と、
    前記変形加工導体アセンブリ完成品(20a)を所望の幾何学的形状に成形する工程と、
    -成形された前記変形加工後導体アセンブリ完成品(20a)に、前記サブエレメント(1a;60a)からのNbとSnが反応してNb3Snを生成する反応熱処理を施す工程と、を有する方法。
  15. ブエレメント(1)、Cuを含有する外被構造(9)を備え、前記外被構造(9)に前記外部マトリックス(7)が径方向内側に直接又は間接的に当接するよう構成され
    前記導体アセンブリ完成品(20)のための前記サブエレメント(1)のそれぞれを作製するために、前記外被構造(9)を、円形の内輪郭断面及び六角形の外輪郭断面を有するよう単独で作製し、続いて前記サブエレメント(1)の残りの部分を前記外被構造(9)の前記円形の内輪郭断面に挿入することと、
    前記サブエレメント(1)のそれぞれに断面を縮小する変形加工を施し、請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の導体アセンブリ完成品(20)を形成するように束ねることと、を特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. Nb3Sn超電導線材(33)のためのサブエレメント(1)を製造する方法であって、前記サブエレメント(1)はNbとSnを含有し、外輪郭断面が六角形であり、
    前記サブエレメント(1)は、
    -Sn含有コア(2)と、
    -Cuを含有し、かつ前記Sn含有コア(2)を囲む内部マトリックス(3)と、
    -それぞれの外輪郭断面が六角形であり互いに当接するNb含有ロッドエレメント(4)の領域であって、前記Nb含有ロッドエレメント(4)が、それぞれNb含有コアフィラメント(5)及びCu含有フィラメント被覆(6)を備える領域と、
    -Cuを含有し、前記Nb含有ロッドエレメント(4)の前記領域を囲む外部マトリックス(7)と、
    -Cuを含有し、かつ前記外部マトリックス(7)が径方向内側に直接又は間接的に当接する外被構造(9)と、を備える方法において、
    前記外被構造(9)を、円形の内輪郭断面と六角形の外輪郭断面とを有するよう単独で作製することと、
    続いて、前記サブエレメント(1)の残りの部分を前記外被構造(9)の前記円形の内輪郭断面に挿入することと、を特徴とする方法。
  17. まず、少なくとも前記内部マトリックス(3)と、前記互いに当接するNb含有ロッドエレメント(4)の前記領域と、前記外部マトリックス(7)とを合わせて一体の挿入部材(10)を形成し、前記一体の挿入部材(10)を前記外被構造(9)の前記円形の内輪郭断面に挿入することを特徴とする、請求項16に記載の方法。
  18. 前記サブエレメント(1)は、前記外部マトリックス(7)を径方向外側に囲み、かつ前記外被構造(9)の径方向内側に直接又は間接的に当接する拡散バリア(8)を備えて作製されていることを特徴とする、請求項16又は請求項17に記載の方法。
  19. 前記サブエレメント(1)は、前記外部マトリックス(7)を径方向外側に囲み、かつ前記外被構造(9)の径方向内側に直接又は間接的に当接する拡散バリア(8)を備えて作製されており、
    前記一体の挿入部材(10)が前記拡散バリア(8)も備えることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
  20. 前記一体の挿入部材(10)は、前記Sn含有コア(2)も備えることを特徴とする、請求項17又は請求項19に記載の方法。
  21. Nb3Sn含有超電導線材(33)を製造する方法であって、
    -複数のサブエレメント(1)を請求項16~請求項20のいずれか1項に従って作製する工程と、
    -作製された前記サブエレメント(1)に断面を縮小する変形加工を施し、変形加工後サブエレメント(1a)を得る工程と、
    前記変形加工サブエレメント(1a)を、互いに当接し、かつCu含有外部構造(21;53)によって包囲されるように束ねて、導体アセンブリ完成品(20;50)を形成する工程と、
    -前記導体アセンブリ完成品(20、50)に断面を縮小する変形加工を施し、変形加工後導体アセンブリ完成品(20a)を得る工程と、
    前記変形加工導体アセンブリ完成品(20a)を所望の幾何学的形状に成形する工程と、
    -成形された前記変形加工後導体アセンブリ完成品(20a)に、前記変形加工後サブエレメント(1a)からのNbとSnが反応してNb3Snを生成する反応熱処理を施す工程と、を有する方法。
  22. 前記導体アセンブリ完成品(20)を形成するために前記変形加工後サブエレメント(1a)を束ねる際に、内輪郭断面及び外輪郭断面が円形である外管(19)を有する外部構造(21)と、互いに当接する前記変形加工後サブエレメント(1a)との間に1つ又は複数の充填エレメント(18a~18c)が配置され、
    前記充填エレメント(18a~18c)が、前記外管(19)の内面に直接又は間接的に当接するための丸い輪郭形状(24)を径方向外方に有し、かつ互いに当接する前記変形加工後サブエレメント(1a)に当接するための鋸歯状の輪郭形状(25)を径方向内方に有し、
    前記充填エレメント(18a~18c)の全体(18)が、径方向内方にほぼ円形の全体輪郭形状を形成することを特徴とする、請求項21に記載の方法。
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