以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
以下の実施例では、マルチキャスト送信及びユニキャスト送信が可能な無線通信システムが開示される。後述される実施例によると、受信品質が所定の閾値未満の車両にはパケットがユニキャスト送信され、受信品質が所定の閾値以上の車両にはパケットがマルチキャスト配信される。また、受信品質が所定の閾値未満の車両にユニキャスト送信されるパケットは、相対的に高いQoS(Quality of Service)によって送信される。これにより、マルチキャスト送信によってパケットをセル内の各車両に効率的に配信しながら、受信品質の不良な車両にはパケットを確実に送信するためユニキャスト送信することが可能になる。
まず、図2を参照して、本発明の一実施例による無線通信システムを説明する。図2は、本発明の一実施例による無線通信システムの全体構成を示すブロック図である。
図2に示されるように、無線通信システム10は、車両20、基地局30、位置登録装置(Mobility Management Entity:MME)、ITS(Intelligent Transport System)サーバ50、地図情報データベース(DB)60、マルチキャスト制御装置100及びユニキャスト制御装置200を有する。無線通信システム10は、例えば、LTE V2X又は何れかのセルラ通信をサポートしてもよい。
車両20は、典型的には、自動車であるが、これに限定されず、列車、船舶、飛行機、ベルトコンベア、エスカレータなどの何れかの移動手段であってもよい。車両20は、基地局30と無線通信するための車載通信装置又はユーザ装置を含む。以降において、車両20及び当該車両20に搭載される車載通信装置又はユーザ装置は、車両20として総称される。
基地局30は、セルを介し車両20と無線接続し、マルチキャスト制御装置100及びユニキャスト制御装置200を含むコアネットワークから受信したダウンリンクデータを車両20に送信すると共に、車両20から受信したアップリンクデータをコアネットワークに転送する。
位置登録装置(MME)40は、車両20を位置登録し、車両20の在圏セルを管理する。
ITSサーバ50は、特定のエリアに関する情報(例えば、事故情報、渋滞情報)を対応するセルを提供する基地局30を介し当該エリアに位置する車両20に配信する。このため、ITSサーバ50は、各車両20の位置をトラッキングする必要があり、例えば、各車両20から位置情報を取得することによって、あるいは、各車両20が在圏するセルを把握することによって、各車両20の位置を管理する。特定のエリアに位置する車両20に当該エリアに関する情報を配信する場合、ITSサーバ50は、宛先となる当該エリアに在圏する車両20を記述した宛先リストと共に、配信対象のパケットをマルチキャスト制御装置100に提供する。
地図情報DB60は、地図情報を保持し、ITSサーバ50から取得要求に応答して、保持する地図情報を提供する。
マルチキャスト制御装置100は、ITSサーバ50から受信した配信対象のパケットをマルチキャスト送信するよう基地局30を制御する。具体的には、配信対象のパケットと配信先の車両20を示す宛先リストとを受信すると、マルチキャスト制御装置100は、宛先リストから受信品質が良好でない車両20を特定し、特定した車両20を除く車両20(マルチキャスト車両)に配信対象のパケットをマルチキャスト送信すると共に、特定した車両20(ユニキャスト車両)に配信対象のパケットをユニキャスト送信するようユニキャスト制御装置200に指示する。
ユニキャスト制御装置200は、車両20に配信対象のパケットをユニキャスト送信するよう基地局30を制御する。以下の実施例では、マルチキャスト制御装置100から車両20に配信対象のパケットをユニキャスト送信するよう指示されると、ユニキャスト制御装置200は、配信対象のパケットを当該車両20にユニキャスト送信する。
次に、図3を参照して、本発明の一実施例によるマルチキャスト送信及びユニキャスト送信をより詳細に説明する。図3は、本発明の一実施例によるマルチキャスト制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図3に示されるように、マルチキャスト制御装置100は、車両情報取得部110及び通信制御部120を有する。
車両情報取得部110は、車両20における受信品質を示す車両情報を取得する。具体的には、車両20は、車両20と基地局30との間の無線品質を測定し、車両20と基地局30との間の無線通信における受信品質が所定の閾値未満に低下すると、基地局30を介しマルチキャスト制御装置100に受信品質を報告する。車両20から受信品質を受信すると、車両情報取得部110は、受信した受信品質を当該車両20の車両情報として保持する。
通信制御部120は、受信品質が所定の閾値未満の車両20がパケットの宛先の車両20を示す宛先リストに含まれているか判断し、受信品質が所定の閾値未満の車両20を検出すると、検出した車両20にパケットをユニキャスト送信するようユニキャスト制御装置200に指示し、受信品質が所定の閾値以上の車両20にパケットをマルチキャスト送信する。具体的には、ITSサーバ50は、配信対象のパケットと共に、当該パケットの宛先の車両20を示す宛先リストをマルチキャスト制御装置100に提供する。例えば、ITSサーバ50が特定のセルに位置する車両20にパケットを配信する場合、ITSサーバ50は、当該セルに在圏する車両20を示す宛先リストを生成し、配信対象のパケットと共に当該宛先リストをマルチキャスト制御装置100に提供する。
ITSサーバ50から配信対象のパケットと共に当該宛先リストを受信すると、通信制御部120は、車両情報取得部110に保持される車両情報から受信品質が所定の閾値未満に低下した車両20を特定し、特定した車両20が宛先リストに含まれているか判断する。特定した車両20が宛先リストに検出されると、通信制御部120は、検出された車両20には配信対象のパケットをマルチキャストでなくユニキャストにより送信するため、配信対象のパケットを当該車両20にユニキャスト送信するようユニキャスト制御装置200に指示する。
当該指示を受信すると、ユニキャスト制御装置200は、マルチキャスト制御装置100によって指定された車両20に配信対象のパケットをユニキャスト送信するよう基地局30を制御する。他方、検出された車両20以外の宛先リストに示される車両20については、マルチキャスト制御装置100は、配信対象のパケットを当該車両20にマルチキャスト送信するよう基地局30を制御する。
一実施例では、検出された車両20にユニキャスト送信されるパケットは、優先的に送信されてもよい。すなわち、ユニキャスト制御装置200は、当該パケットを指定された車両20にユニキャスト送信する際、相対的に高いQoSによりパケットを送信するよう基地局30を制御してもよい。これにより、受信品質が低下している車両20に対してより確実にパケットを送信することが可能になる。
一実施例では、車両情報取得部110は、受信品質が所定の閾値未満に低下した車両20から、受信品質及び位置情報を含む車両情報を取得し、取得した位置情報を受信品質劣化位置として保持してもよい。すなわち、車両20は、受信品質が所定の閾値未満に低下すると、基地局30を介しマルチキャスト制御装置100に受信品質と共に位置情報を報告する。車両20から受信品質及び位置情報を受信すると、車両情報取得部110は、受信した受信品質及び位置情報を当該車両20の車両情報として保持する。このとき、車両情報取得部110は、受信品質が所定の閾値未満に低下した車両20から受信した位置情報を受信品質劣化位置として保持してもよい。これは、受信品質の低下が位置に起因するものであり、当該位置及びその近傍に位置した車両20の受信品質は低下すると推定できるためである。
このとき、ITSサーバ50が上述した配信対象のパケット及び宛先リストと共に、当該宛先リストの車両の移動方向及び移動速度を示すベクトル情報をマルチキャスト制御装置100に提供する場合、通信制御部120は、ベクトル情報に基づき受信品質劣化位置に移動する車両20が宛先リストにあるか判定し、受信品質劣化位置に移動する車両20を検出すると、検出した車両20にパケットをユニキャスト送信するようユニキャスト制御装置200に指示してもよい。車両20は移動しているため、車両20における受信品質は一般に経時的に変動すると考えられる。このため、車両情報取得部110によって保持されている所定の閾値未満の受信品質の車両20以外にも、受信品質が劣化していると推測される車両20が存在しうる。一例として、受信品質が劣化していると推測される車両20として、受信品質劣化位置及びその近傍に位置する車両20があげられる。ある時点における車両20の移動方向及び移動速度を示すベクトル情報が与えられると、通信制御部120は、現時点での当該車両20の位置を推定することができ、推定された現在位置が受信品質劣化位置を中心とする所定の範囲内にある車両20を検出することができる。推定された現在位置が受信品質劣化位置を中心とする所定の範囲内にある車両20を検出した場合、無線通信制御部120は、検出した車両20には配信対象のパケットをマルチキャストでなくユニキャストにより送信するため、配信対象のパケットを当該車両20にユニキャスト送信するようユニキャスト制御装置200に指示する。
当該指示を受信すると、ユニキャスト制御装置200は、当該ユニキャスト車両20に配信対象のパケットをユニキャスト送信するよう基地局30を制御する。他方、検出された車両20以外の宛先リストに示されるマルチキャスト車両20については、マルチキャスト制御装置100は、配信対象のパケットをマルチキャスト送信するよう基地局30を制御する。
あるいは、他の実施例では、ITSサーバ50は、車両20のベクトル情報の代わりに車両20の推定される現在位置をマルチキャスト制御装置100に提供してもよい。この場合、無線制御部120は、ベクトル情報から車両20の推定される現在位置を計算することなく、取得した推定される現在位置が受信品質劣化位置を中心とする所定の範囲内にある車両20を検出することができる。
次に、図4を参照して、本発明の一実施例によるパケット配信処理を説明する。図4は、本発明の一実施例によるパケット配信処理を示すシーケンス図である。
図4に示されるように、ステップS101において、車両20は、基地局30との無線通信における受信品質が所定の閾値未満となり、受信品質の劣化を検知すると、ステップS102において、検知した受信品質を基地局30を介しマルチキャスト制御装置100に報告する。
ステップS103において、マルチキャスト制御装置100は、受信品質が劣化した車両20の受信品質を示す車両情報を保持する。
ステップS104において、マルチキャスト制御装置100は、ITSサーバ50から配信対象のパケットと当該パケットの送信先を示す宛先リストとを受信する。
ステップS105において、マルチキャスト制御装置100は、受信した宛先リストに受信品質が劣化した車両20が含まれているか判断し、宛先リストにおいて受信品質が劣化した車両20を検出すると、検出した車両20をユニキャスト車両として選定する。
ステップS106において、マルチキャスト制御装置100は、配信対象のパケットを検出した車両20にユニキャスト送信するようユニキャスト制御装置200に指示する。
ステップS107において、マルチキャスト制御装置100は、検出した車両20以外の宛先リストの車両20には配信対象のパケットをマルチキャスト送信するよう基地局30に指示する。他方、ステップS108において、ユニキャスト制御装置200は、指示されたユニキャスト車両20に配信対象のパケットをユニキャスト送信するよう基地局30に指示する。
ステップS109において、基地局30は、マルチキャスト車両20には配信対象のパケットをマルチキャスト送信し、ユニキャスト車両20には配信対象のパケットをユニキャスト送信する。なお、基地局30は、相対的に高いQoSによりユニキャスト車両20にパケットを送信してもよい。
次に、図5を参照して、本発明の他の実施例によるパケット配信処理を説明する。図5は、本発明の他の実施例によるパケット配信処理を示すシーケンス図である。本実施例では、マルチキャスト制御装置100は、車両20から受信品質と共に位置情報を取得し、さらにITSサーバ50から配信対象のパケット及び宛先リストと共に車両20のベクトル情報を取得する。ここで、マルチキャスト制御装置100は、地図情報DB60から地図情報を取得し、取得した地図情報を用いて受信品質劣化位置から所定の範囲内に位置する車両20を検出してもよい。
図5に示されるように、ステップS201において、車両20は、基地局30との無線通信における受信品質が所定の閾値未満となり、受信品質の劣化を検知すると、ステップS202において、検知した受信品質と共に位置情報を基地局30を介しマルチキャスト制御装置100に報告する。
ステップS203において、マルチキャスト制御装置100は、受信品質が劣化した車両20の受信品質及び位置情報を示す車両情報を保持し、当該位置を受信品質劣化位置として設定する。
ステップS204において、マルチキャスト制御装置100は、ITSサーバ50から配信対象のパケット及び当該パケットの送信先を示す宛先リストと共に、宛先リスト内の各車両20のベクトル情報を受信する。他の実施例では、マルチキャスト制御装置100は、ベクトル情報の代わりにITSサーバ50により計算された各車両20の推定される現在位置を受信してもよい。
ステップS205において、マルチキャスト制御装置100は、ベクトル情報から各車両20の現在位置を推定し、受信した宛先リストに受信品質劣化位置及びその近傍に位置する車両20が含まれているか判断する。宛先リストにおいて該当する車両20を検出すると、マルチキャスト制御装置100は、検出した車両20をユニキャスト車両として選定する。
ステップS206において、マルチキャスト制御装置100は、配信対象のパケットを検出した車両20にユニキャスト送信するようユニキャスト制御装置200に指示する。
ステップS207において、マルチキャスト制御装置100は、検出した車両20以外の宛先リストの車両20には配信対象のパケットをマルチキャスト送信するよう基地局30に指示する。他方、ステップS208において、ユニキャスト制御装置200は、指示されたユニキャスト車両20に配信対象のパケットをユニキャスト送信するよう基地局30に指示する。
ステップS209において、基地局30は、マルチキャスト車両20には配信対象のパケットをマルチキャスト送信し、ユニキャスト車両20には配信対象のパケットをユニキャスト送信する。なお、基地局30は、相対的に高いQoSによりユニキャスト車両20にパケットを送信してもよい。
なお、上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、本発明の一実施の形態におけるマルチキャスト装置100、ユニキャスト装置200、ITSサーバ50、ユーザ装置20及び基地局30は、本発明の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図6は、本発明の一実施例によるマルチキャスト装置100、ユニキャスト装置200、ITSサーバ50、ユーザ装置20及び基地局30のハードウェア構成を示すブロック図である。上述のマルチキャスト装置100、ユニキャスト装置200、ITSサーバ50、ユーザ装置20及び基地局30は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。マルチキャスト装置100、ユニキャスト装置200、ITSサーバ50、ユーザ装置20及び基地局30のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
マルチキャスト装置100、ユニキャスト装置200、ITSサーバ50、ユーザ装置20及び基地局30における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述の各構成要素は、プロセッサ1001で実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、マルチキャスト装置100、ユニキャスト装置200、ITSサーバ50、ユーザ装置20及び基地局30の各構成要素による処理は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述の各構成要素は、通信装置1004で実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、マルチキャスト装置100、ユニキャスト装置200、ITSサーバ50、ユーザ装置20及び基地局30は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施例は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施例の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本明細書において基地局30によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局および/または基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MMEまたはS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)によって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MMEおよびS-GW)であってもよい。
情報等は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施例は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナル)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC)は、キャリア周波数、セルなどと呼ばれてもよい。
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素(例えば、TPCなど)は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
基地局は、1つまたは複数(例えば、3つ)の(セクタとも呼ばれる)セルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、および/または基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部または全体を指す。さらに、「基地局」、「eNB」、「セル」、および「セクタ」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本明細書で使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1および第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
無線フレームは時間領域において1つまたは複数のフレームで構成されてもよい。時間領域において1つまたは複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。サブフレームは更に時間領域において1つまたは複数のスロットで構成されてもよい。スロットはさらに時間領域において1つまたは複数のシンボル(OFDMシンボル、SC-FDMAシンボル等)で構成されてもよい。無線フレーム、サブフレーム、スロット、およびシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、およびシンボルは、それぞれに対応する別の呼び方であってもよい。例えば、LTEシステムでは、基地局が各移動局に無線リソース(各移動局において使用することが可能な周波数帯域幅や送信電力等)を割り当てるスケジューリングを行う。スケジューリングの最小時間単位をTTI(Transmission Time Interval)と呼んでもよい。例えば、1サブフレームをTTIと呼んでもよいし、複数の連続したサブフレームをTTIと呼んでもよいし、1スロットをTTIと呼んでもよい。リソースブロック(RB)は、時間領域および周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域では1つまたは複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。また、リソースブロックの時間領域では、1つまたは複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1サブフレーム、または1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つまたは複数のリソースブロックで構成されてもよい。上述した無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるシンボルおよびリソースブロックの数、および、リソースブロックに含まれるサブキャリアの数は様々に変更することができる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は上述した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。