JP7126590B1 - 音響コミュニケーション用送受信装置及び音響コミュニケーションシステム - Google Patents

音響コミュニケーション用送受信装置及び音響コミュニケーションシステム Download PDF

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Abstract

【課題】自動運転機械が、周囲の人物に対し、自動運転機械からの情報を伝達し、安全行動を促すことが可能となる音響コミュニケーションシステム用送受信装置を提供する。【解決手段】音響コミュニケーション用送受信装置100は、テキストをバイナリー符号化データへ変換及び可聴音高域に変調処理された音声データを生成する文字データ処理部2と、文字データに基づき音声波形を合成し、可聴音低域からなる音声波形を生成する音声データ処理部3と、変調処理された音声データと可聴音低域からなる音声波形とをミキシングする多重化ミキサー部5と、ミキシング音声波形を変調して超音波波形を生成する超音波変調部61と、超音波波形をパラメトリックスピーカー63で再生する音声再生部6と、超音波波形の伝搬方向を制御する指向性制御部7と、を備える。【選択図】図1

Description

本願は、音響コミュニケーション用送受信装置及び音響コミュニケーションシステムに関する。
近年、半導体デバイス及びセンサーの高性能化、AI技術の進歩により、機械設備の自動運転化が進んでいる。このように自動運転している機械設備を利用しながら、より効率よく、より安全な環境を構築するためには、自動化している機械設備の“意思”ともいえる動作状況を、利用者が正確かつ容易に理解することが重要と考えられる。
このような自動運転機械の中で、最も注目を浴びているものの一つに自動車がある。将来的には、ドライバーあるいは乗員の介入を、ほとんど、あるいは全く必要としない自動車が公道を走行する。しかしながら、公道上には、多数の歩行者、自転車に乗った人等の不特定多数の人物が存在している。
自動運転技術を支える技術の一つとして、自動車と外部、例えば、他の自動車あるいは道路のインフラをつなぐ通信V2X(Vehicle to X)が注目されている。このV2Xの一つとしてV2P(Vehicle to Pedestrian)がある。従来、V2Pとしては、自動車と歩行者の衝突事故を回避することを主目的として、歩行者が所持するスマートフォンなどのデバイスに自動車の接近を報知する技術に関連するものが多く開示されている。
例えば、特許文献1に記載の車両存在報知装置は、カメラ画像から歩行者の方向を認識し、その方向に音を放射可能なパラメトリックスピーカーを選択して、報知音を発生する。電動モータで走行する車両などの車両走行音の小さい車両は、歩行者が車両に気が付き難いという問題があるため、報知音を発生することで、この問題を解決できると期待できる。
また、パラメトリックスピーカーは、報知音を超音波変調した非可聴な音波を放射させるものである。この超音波が伝播途中の空気中で自己復調され、超音波が伝搬する領域でのみ報知音を聞くことができる。超音波は指向性が高いため、車両の存在を知らせたい歩行者を選択して、車両の存在を報知することが可能となるので、周囲環境の静粛性を保つことができる。
特許文献2に記載の自動車接近警告システムは、ステレオカメラあるいはレーダーセンサーを使って、検知対象の方向及び距離を測定し、特許文献1と同様に、検知対象に放音可能な複数のパラメトリックスピーカーから一つを選択して、警報音を発生する。検知対象のみに警報を出すことができるとともに、距離に応じて音量あるいは警報パターンを変更することができ、検知対象に対し、警告の度合いを通知することが可能である。
特許文献3に記載の音響装置は、自動車の鍵を使った認証あるいはカメラ画像による顔認証により個人を特定した後、通常のスピーカー、指向性の高いスピーカー等を併用して、個人認証した出力対象にのみ聞こえるように、指向性及び音量を設定して音情報を出力する。このため、特定の個人に対してのみ音情報を出力することが可能である。
特許第5428927号公報 国際公開2017/014035号公報 特開2018-165088号公報
自動車を代表とする自動運転化が進む機械設備の状態及び動作を、周囲環境に存在する人へ正確かつ容易に伝達する技術は、自動化が進む社会環境の安全性を維持するために不可欠となっている。自動車の例でいうと、人の介入を必要としない自立運転車が公道を走行するようになってきている。従来は、ドライバーは歩行者に対し、ジェスチャー、アイコンタクト、声がけ、あるいは、クラクション、パッシングなどによって、ドライバー自身の意思を伝えたり、歩行者の行動を促したりしていた。しかしながら、今後は自動運転車両と歩行者の間で、これらに替わる技術開発が重要課題である。
特許文献1に記載の車両存在報知装置は、カメラで認識した歩行者に対して、超音波を使った指向性の高いパラメトリックスピーカーで、周囲環境の静粛性を配慮しながら自動車の接近を報知するものである。しかしながら、自動運転環境下においては、報知音による自動運転車両の接近を伝達するだけでは、安全性の観点から改善の余地があると言える。自動運転車両側の運転状況の通知あるいは歩行者の安全行動を促すためには、より詳細な情報を認識しやすい形で伝達することが重要であり、特許文献1に記載の車両存在報知装置では、これには完全に対応できないという問題があった。
特許文献2に記載の自動車接近警告システムは、ステレオカメラあるいはレーダーセンサーを使って、検知対象に対し、パラメトリックスピーカーを選択し、適切な音量で警告音を再生する。特許文献1に記載の車両存在報知装置と同様に、自動車の接近を伝達するだけでは、安全性の観点から改善の余地があり、より詳細な情報を認識しやすい形で伝達することが課題として残る。
特許文献3に記載の音響装置は、自動車の鍵あるいはカメラ画像によって認証した個人に対して、認証結果を音情報で伝えている。特許文献1及び2に記載されている技術と同様、自動車の接近以外の情報を音で通知するという特徴がある。自動車ユーザへの定型的な情報伝達には有効ではあるが、任意の歩行者あるいは自動車の周囲に存在する人に対して、様々な自動車状況を伝達する手段としては課題が残る。
一般の歩行者のように情報を受ける側の状況も様々である。イヤホンにて音楽を聴いている人、観光客などの日本の慣習に不慣れな人、日本語を母国語としない人、聴覚に障害がある人等、様々な人が様々な態様で通行したり、あるいは、交差点で待機したりしている。
このような人々に対して、音声で情報を伝えることは、直感的で非常に有効である。したがって、容易かつ確実に音声情報が伝わる仕組みが重要である。単純な報知音、警告音では伝わりにくい様々な情報を伝達するとともに、音声以外の情報伝達手段を同時に実現することが重要課題である。また、一般の多くの人に対して情報提供が行えるように、情報を受信する側に対して、専用あるいは特殊なデバイスを必要としないことも重要である。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、自動運転車両に代表されるような自動運転機械が、周囲の様々な状況にある人物に対して、自動運転機械の運転状況あるいは“意思”を伝達し、安全行動を促すことを可能とする音響コミュニケーション用送受信装置及び音響コミュニケーションシステムを提供することにある。
本願に開示される音響コミュニケーション用送受信装置は、
テキストが入力されるテキストデータ入力部と、
前記テキストの文字列からなる文字データをバイナリーの符号化データへ変換する符号化機能及び前記符号化データを17kHz以上20kHz以下の可聴音高域へ変調する可聴音高域変調機能を有し、変調処理された音声データを生成する文字データ処理部と、
前記文字データに基づき音声波形を合成する音声合成機能及び前記音声波形から前記可聴音高域の成分を除去する可聴音低域フィルター機能を有し、可聴音低域からなる音声波形を生成する音声データ処理部と、
前記変調処理された音声データ及び前記可聴音低域からなる音声波形を格納するデータ記憶部と、
前記変調処理された音声データ及び前記可聴音低域からなる音声波形をミキシングしてミキシング音声波形を生成する多重化ミキサー部と、
前記ミキシング音声波形を超音波帯域へ変調して超音波波形を生成する超音波変調部と、
前記ミキシング音声波形を、前記ミキシング音声波形の可聴音帯域で再生可能なスピーカー、または、前記超音波波形をパラメトリックスピーカーによって再生する音声再生部と、
前記パラメトリックスピーカーから発する前記超音波波形の伝搬方向を制御する指向性制御部と、を備える。
本願に開示される音響コミュニケーションシステムは、
上記の音響コミュニケーション用送受信装置と、
前記音響コミュニケーション用送受信装置の前記スピーカーまたは前記パラメトリックスピーカーから発せられた前記音声波形及び前記音声データを収録する音声収録部と、前記可聴音高域において予め設定された帯域に変調された前記音声データを復調する可聴音高域復調部と、復調された音声データからテキストデータへと変換する復号化部と、復号化されたテキストデータを格納するテキストデータ記憶部と、前記テキストデータ記憶部に格納された前記テキストデータを表示するテキスト表示部と、前記テキストデータから再生用の音声波形を合成する音声合成部と、前記音声合成部が生成した再生用の音声波形を再生する音声再生部と、を有し、前記スピーカーまたは前記パラメトリックスピーカーから発せられた前記音声波形及び前記音声データに含まれる情報を、テキスト及び音声のいずれか一方または両方によって確認することが可能な携帯端末と、を備える。
本開示による音響コミュニケーション用送受信装置及び音響コミュニケーションシステムによれば、自動運転車両等の自動運転機械は、周囲の様々な状況にある対象人物に対して様々な情報を音響通信によって音声及びテキストデータとして提供するので、自動運転機械と人との間の円滑かつ多様なコミュニケーションが実現できる。
実施の形態1に係る音響コミュニケーションシステムのうち、音響コミュニケーション用送受信装置の機能ブロック図である。 音声波形と音声データ(テキストデータ)からミキシング音声波形を合成することを示す図である。 音声波形と音声データとミキシング音声波形のFFTによる周波数分布を示す図である。 複数のテキストデータを多重化する様相を説明する模式図である。 4チャネル音声データとミキシング音声波形及び超音波変調の受信波形FFTによる周波数分布を示す図である。 パラメトリックスピーカーに関する変調、復調の原理を説明する図である。 パラメトリックスピーカーによる指向性と指向性制御を示す図である。 実施の形態1に係る音響コミュニケーション用送受信装置の指向性制御部の構成図である。 実施の形態1に係る音響コミュニケーションシステムの適用例を示す模式図である。 UWB通信による携帯端末位置の推定方法を説明する図である。 実施の形態1に係る音響コミュニケーションシステムの携帯端末側の構成図である。 携帯端末と自動運転車両間のコミュニケーションのシーケンスの一例を示す図である。 実施の形態2に係る音響コミュニケーションシステムの音響コミュニケーション用送受信装置の機能ブロック図である。 実施の形態2に係る音響コミュニケーションシステムの適用例を示す模式図である。 実施の形態2に係る音響コミュニケーションシステムの適用例を示す模式図である。 実施の形態2に係る音響コミュニケーションシステムの適用例を示す模式図である。 実施の形態1及び2に係る音響コミュニケーションシステムを実現するハードウェア構成を示す図である。 実施の形態1及び2に係る音響コミュニケーションシステムを実現するハードウェア構成を示す図である。
実施の形態1.
以下、自動運転機械として自動運転車両を例に挙げて、図面を参照して、実施の形態1に係る音響コミュニケーション用送受信装置及び音響コミュニケーションシステムを説明する。
図1には、自動運転車両に搭載される音響コミュニケーションシステム200を構成する音響コミュニケーション用送受信装置100の機能ブロック図及び音響コミュニケーションシステム200を構成する携帯端末150がそれぞれ示されている。
音響コミュニケーション用送受信装置100は、歩行者へ通知する内容をテキストとして入力するテキストデータ入力部1、このテキストを音波にのせるための文字データへと変調処理を行う文字データ処理部2、このテキストから音声波形を生成する音声データ処理部3、文字データ及び音声波形を格納する音声データ記憶部4、音声データ記憶部4に格納された文字データ及び音声波形データを多重化して一つのミキシング音声波形を生成する多重化ミキサー部5、ミキシング音声波形を再生する音声再生部6、携帯端末150の位置を追跡して音声再生部6の指向性を制御する指向性制御部7で構成されている。
テキストデータ入力部1において入力されるテキスト情報の例としては、たとえば、「車が右折します」、「お先に横断ください」など、自動運転車両側の意思表示、歩行者への優先行動などが挙げられる。
文字データ処理部2は、符号化部21及び可聴音高域変調部22で構成されている。符号化部21は、テキストデータ入力部1において入力されたテキスト情報の文字列から、バイナリーの符号化データへ符号化処理を行う。
可聴音高域変調部22は、このバイナリーの符号化データに対して可聴音帯域の高域側への変調処理を行い、変調処理された音声データを生成する。周波数帯域として、本開示では、可聴音帯域を0~20kHz、可聴音低域を0~17kHz、可聴音高域を17~20kHzにそれぞれ設定する。
なお、可聴音高域については、17~20kHzの範囲は一例であって、可聴音帯域内で
人に聞こえにくい帯域であれば任意に設定してよい。また、変調処理された音声データの周波数帯域幅は、変調する際の通信速度に依存する。したがって、通信速度については、可聴音高域に収まる範囲で任意に選択可能である。
音声データ処理部3は、音声合成部31及び可聴音低域フィルター部32で構成されている。音声合成部31はテキストデータ入力部1において入力されたテキスト情報の文字列から音声波形を合成する。可聴音低域フィルター部32は、この音声波形の可聴音高域の信号成分を除去し、可聴音低域のみの周波数成分を持つ音声波形へとフィルタリングを行う。
多重化ミキサー部5は、音声データ記憶部4に格納された文字データ処理部2において変調処理された音声データ及び音声データ処理部3において処理された可聴音低域からなる音声波形から、一つのミキシング音声波形を生成する。
図2は、テキストデータから生成された音声に対し可聴音低域フィルター部32で処理した音声波形(a)、可聴音高域側へ変調処理された音声(テキスト)データ波形(b)及び音声波形(a)と音声(テキスト)データ波形(b)とを合成したミキシング音声波形(c)の一例をそれぞれ示している。また、図3は、図2に示された音声波形(a)、音声(テキスト)データ波形(b)及びミキシング音声波形(c)の高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)による周波数分布をそれぞれ示している。なお、可聴音高域変調部22の変調方式として、周波数変調方式(FSK:Frequency Shift Keying)を採用した場合を示している。
図2(c)に示されるミキシング音声波形のFFTから、可聴音低域には音声波形が、可聴音高域には音声データがそれぞれ存在することがわかる。文字データ処理部2における可聴音高域変調部22は、通信速度を考慮しつつ変調帯域を自由に設定できる。したがって、複数の音声データを帯域が重ならないように変調することができる。
多重化ミキサー部5は、この複数の音声データを一つのミキシング音声波形へ合成することができる。図4は、複数のテキストデータを多重化した例である。図4(a)はチャンネル数が1チャネル、図4(b)はチャンネル数が2チャネル、図4(c)はチャンネル数が4チャネルの多重化の様相をそれぞれ示している。なお、ここでも可聴音高域変調部22の変調方式として周波数変調方式(FSK)を採用した場合で説明している。
バイナリーデータの2つの信号のマーク(1に相当)とスペース(0に相当)をそれぞれ2つの周波数で変調することで、マークとスペースの分布による周波数成分が表れている。異なるテキストデータを、可聴音帯域F1における可聴音高域F3を分割した異なる周波数チャネルに変調することで、複数のテキストデータを多重化して一括で送信する。音声波形は、可聴音低域フィルター部32によって、可聴音低域F2内に収まるようにフィルタリングする。
図5は、それぞれ、4チャネル音声(テキスト)データ(a)、一つの音声波形をミキシングしたミキシング音声波形(b)及び超音波変調による受信波形(c)のFFTによる周波数分布の例である。なお、可聴音高域変調部22の変調方式としてFSKを採用した場合で説明したが、他の変調方式であってもよい。
音声再生部6は、ミキシング音声波形を再生する。再生可能な周波数帯域は、可聴音帯域F1をカバーする。スピーカー62は、ミキシング音声波形をそのまま忠実に再生する。なお、スピーカー62は、ミキシング音声波形の可聴音帯域で再生可能であるようなスピーカーである。他方で、超音波変調部61は、超音波を可聴音帯域のミキシング音声波形で振幅変調(ASK:Amplitude Shift Keying)する。超音波変調後の波形、すなわち、超音波波形は、パラメトリックスピーカー63で再生される。
図6は、超音波変調とパラメトリックスピーカー63による音声再生原理を説明する図である。可聴音帯域を20kHz、超音波のキャリア波F5の周波数として、40kHzを一例として説明する。図6(a)は、変調処理された音声データと可聴音低域からなる音声波形がミキシングされた可聴音帯域のミキシング音声波形と、超音波帯域F4内の超音波のキャリア波F5の周波数の関係を示している。
図6(b)は、超音波のキャリア波F5をミキシング音声波形で振幅変調した場合の周波数分布を示している。この振幅変調によりミキシング音声波形の周波数成分を含む測波帯F6が発生する。この超音波波形をパラメトリックスピーカー63で再生すると、超音波のキャリア波F5と測波帯F6の差音が空気の非線形性によって自己復調される。図6(c)は、超音波波形が自己復調される様相を示している。
なお、図5(c)は、自己復調された場合の音声波形を収録した場合の周波数成分を示しており、測波帯F6と超音波のキャリア波F5によってミキシング音声波形が復調されていることがわかる。この際に、パラメトリックスピーカーによる指向性と指向性制御を示す図7からわかるように、超音波が存在する領域でのみ音が再生される音声可聴音空間が生成される。超音波は鋭い指向性をもつため、可聴音帯域にあったミキシング音声波形も鋭い指向性を持つことになる。
指向性制御部7は、歩行者等の対象者の位置を追跡し、図7に示すように、パラメトリックスピーカー63から再生されるミキシング音声波形の音声可聴音空間を、対象者の方向に生成するように制御する。図8は、音響コミュニケーション用送受信装置100の指向性制御部7の機能ブロック図を示している。画像処理部71は、カメラ画像によって対象者を追跡する。撮像部71aが対象者を識別し、追跡部71bで識別した対象者を画像認識しながら追跡する。
また、通信処理部72における無線通信部の一例であるUWB(Ultra Wide Band)/BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信部72aは、対象者が所持する携帯端末150との無線通信を介しながら、携帯端末150の距離及び角度等の位置情報を出力し、位置推定部72bは、携帯端末150の位置情報から対象者の詳細な位置を推定する。
指向性変更部73は、画像処理部71と通信処理部72のいずれか、あるいは両方の結果に基づいて、パラメトリックスピーカー63の指向性を制御する。パラメトリックスピーカー63の指向性を制御することで、移動する対象者に対して、的確に情報を伝達できるようになる。つまり、パラメトリックスピーカー63によって的確な音響通信が実現できる。
図9は、画像処理部71による対象者の追跡の様子を説明する図である。画像処理部71の撮像部71aが撮像した歩行者の映像に対して、追跡部71bが対象者である歩行者U1を画像認識し、随時追跡しながら対象者である歩行者U1の位置座標を出力する。このように、追跡部71bは、歩行者が横断を開始する時点から横断中、横断終了まで常にモニタリングしている。
図10は、通信処理部72による携帯端末150」の位置推定方法を説明する図である。図10では無線方式としてUWB通信方式を一例をとして示しているが、BLE通信方式の場合でも同様である。また、位置座標が推定できるものであれば、別の無線方式であってもよい。携帯端末150の位置座標を推定するための情報として、無線通信部の一例であるUWB通信部72aと携帯端末150の間の距離R及び携帯端末150からUWB通信部72aへ到来する電波の到来角度θを利用する。
距離Rは、UWB通信部72aと携帯端末150との間の通信時間を計測し、通信時間を光速で除算することから、また、到来角度θは、アレイ状に並べたアンテナ間の電波の到来時間差から、それぞれ計算することができる。
図10(a)は、距離による三辺測量によって、携帯端末150の位置を推定する方法を示している。自動運転車両に2台のUWB通信部72aを一定距離dの間隔で設置する。それぞれのUWB通信部72aに対して、携帯端末150までの距離R1及びR2を計測し、R1及びR2を半径とする円周の交点として携帯端末150の位置情報を求める。
図10(b)は、到来角度θによる三角測量によって、携帯端末150の位置を推定する方法を示している。自動運転車両にアレイアンテナを有する2台のUWB通信部72aを一定距離dの間隔で設置する。それぞれのUWB通信部72aに対し、到来角度θ1、θ2を計測し、到来方向を示す線の交点から携帯端末150の位置情報を求める。
図10(c)は、距離Rと到来角度θを同時に計測して位置を推定する方法を示している。到来角度θの線分上で距離Rとなる地点を携帯端末150の位置情報として求める。
歩行者等の対象者が携帯端末150を所持している場合、音響コミュニケーション用送受信装置100からの音響通信による音声データを受信して、テキストとして確認することが可能となる。また、上述したように、自動運転車両が、無線通信によって携帯端末150の位置を推定することも可能となる。
図11は、音響コミュニケーションシステム200の一部を構成する携帯端末150の機能ブロック図を示している。音響コミュニケーション用送受信装置100のスピーカー62またはパラメトリックスピーカー63から音響通信された音声波形及び音声データは、マイク等で構成された音声収録部101で収録される。収録された音声波形は文字データ処理部102で処理され、テキストが取り出される。文字データ処理部102は、可聴音高域復調部102aと復号化部102bで構成される。
まず、可聴音高域復調部102aが可聴音高域の帯域に変調処理された音声データを復調し、バイナリーデータとして取り出す。次に、復号化部102bが、このバイナリーデータをテキスト化する。テキストデータ記憶部103に格納されたテキストは、テキスト表示部104によって、携帯端末150の画面等に表示される。歩行者は、音声が聞き取れなかった場合は、携帯端末150の画面上の文字で確認することができる。
音声合成部105は、テキストデータ記憶部103に格納されたテキストを音声波形に変換する。音声再生部106はこの合成された音声波形を携帯端末150に搭載されたスピーカーあるいはイヤホン等で再生する。これにより、歩行者が環境ノイズ等で聞き取りにくかった場合、あるいは、イヤホンで音楽を聴いていた場合などの状況においても、自動運転車両側が情報を提供することが可能となる。
携帯端末150の無線通信部の一例であるUWB/BLE通信部107は、自動運転車両に搭載された音響コミュニケーション用送受信装置100内の指向性制御部7のUWB/BLE通信部72aと無線通信を行うことによって、携帯端末150の位置計測を可能としている。
また、携帯端末150の通常の通信手段としても利用することができる。歩行者が携帯端末150を用いて、自動運転車両に対し、情報提供あるいは交通に関する要求を送信する際に、UWB/BLE通信部107が利用される。
歩行者と自動運転車両との間のコミュニケーションのシーケンスの一例を図12で説明する。ここでは、歩行者が携帯端末150を所持している構成で説明する。まず、歩行者が接近する自動運転車両に対し、携帯端末150のアプリケーションから、道路を横断したいという要求を入力する。この要求入力は、歩行人が横断の意思を示す“手を上げる”という動作に相当する。
この要求入力をトリガとして、携帯端末150のUWB/BLE通信部107が起動し、横断要求を示す無線通信を自動運転車両に向けて、間欠的に送信(間欠要求通信)する。このとき、携帯端末150は、同時に音声収録部101を起動して自動運転車両からの音声波形を受信可能状態とする。
自動運転車両に搭載された音響コミュニケーション用送受信装置100は、指向性制御部7内の通信処理部72に設けられたUWB/BLE通信部72aにおいて、歩行者からの横断要求を受け取ると、通信処理部72に設けられた位置推定部72bに対して携帯端末150の位置推定を実行するように指示し、位置推定の結果に従って、指向性変更部73がパラメトリックスピーカー63の方向を制御する。
音響コミュニケーション用送受信装置100は、同時に、要求応答のテキストを作成し、テキストを音声波形化及び音声データ化して、音声波形と音声データをミキシング音声波形へとミキシングし、さらに、超音波変調して、音声再生部6でミキシング音声波形を再生して、再生用の音声波形を生成する。
要求応答の具体例として、「どうぞ、お通り下さい」、「ごゆっくり」などを送信する。歩行者は、自動運転車両側からの要求応答を直接聞くことができる。また、歩行者が所持する携帯端末150の音声収録部101によって収録された音声波形は復調され、携帯端末150のテキスト表示部104で、テキストとしても確認することができる。
以上、実施の形態1に係る音響コミュニケーション用送受信装置では、テキストデータ入力部と、テキストデータ入力部で入力されたテキストから、文字データを生成する文字データ処理部と、テキストデータ入力部で入力されたテキストから音声波形を合成する音声データ処理部と、文字データと音声波形を格納する音声データ記憶部と、音声データ記憶部内の文字データと音声波形をミキシングする多重化ミキサー部と、多重化ミキサー部でミキシングされたミキシング音声波形を再生する音声再生部で構成され、文字データ処理部は、テキストの文字列からバイナリーデータへ変換する符号化機能と、バイナリーデータを可聴音帯域でかつ人が聞こえにくい高域の任意の可聴音高域へ変調する可聴音高域変調機能を有し、音声データ処理部は、テキストの文字列から音声波形を合成する音声合成機能と、音声波形から可聴音高域の成分を除去する可聴音低域フィルター機能を有し、音声再生部は、ミキシング音声波形を可聴領域の低域から高域まで対応可能なスピーカー、または、ミキシング音声波形を超音波帯域へ変調した超音波波形を、指向性の強いパラメトリックスピーカーで再生することを特徴としている。
まず、テキストデータ入力部では、自動運転車両から伝達したい様々な情報がテキストで入力される。次に、文字データ処理部では入力されたテキストをバイナリーデータに符号化し、スピーカー再生及びマイク収録が可能な周波数帯域(可聴音帯域)内で、人が聞こえにくい帯域とされる高帯域側へ変調する機能を有している。一方、音声データ処理部は、入力されたテキストから音声合成機能で音声波形を生成し、この音声波形を、文字データが存在する可聴音高域の成分を除去して可聴音帯域の低域側のみとする可聴音低域フィルター処理機能を有している。多重化ミキサー部は、高域側の文字データと低域側の音声波形をミキシングする。音声再生部は、ミキシングされたミキシング音声波形を再生する。人は低域側の音声のみ聞こえる。高域側は人に聞こえることなく、携帯端末等のマイクにより収録される。音声再生部が有する超音波変調部は、ミキシング音声波形をさらに、人が聞こえない超音波キャリア周波数で超音波帯域へ振幅変調し、これを指向性の高いパラメトリックスピーカーで再生する。超音波は指向性が高く、超音波が伝達する方向の空間内で、変調前の音声波形へと自己復調される。したがって、対象者のみ存在する限定された領域のみで音声が聞き取れ、対象者が持つ携帯端末のみで音声データが収録される。
周波数帯域と変調方法の例を以下に示す。
・可聴音帯域:0~20kHz
・可聴音低域(音声データ帯域):0~17kHz
・可聴音高域(文字データ帯域):17~20 kHz、周波数変調方式(FSK)
・超音波キャリア周波数:40kHz 振幅変調方式(ASK)
また、実施の形態1に係る音響コミュニケーション用送受信装置では、文字データ処理部は、複数のテキストを、それぞれ可聴音高域内において、任意の分割された複数帯域のいずれかに音声データとして変調し、多重化ミキサー部は、音声波形と、上記の複数の音声データをミキシングして、一つのミキシング音声波形を生成することを特徴とする。異なる複数のテキスト情報を同時に送信できることから、音声合成元のテキストだけでなく、様々な情報を同時送信可能となる。例えば、他言語へ翻訳したテキストを多重化して、多言語化対応とすることができる。また、文章以外の追加情報の添付が可能である。例えば、URL(Uniform Resource Locator)を送信することで、詳細情報をインターネットで取得するように誘導することが可能となる。
また、実施の形態1に係る音響コミュニケーションシステムでは、パラメトリックスピーカーが発する超音波波形の伝搬方向を制御する指向性制御部を備えた構成とし、指向性制御部は、対象となる人を撮像する撮像部と、撮像部の映像から対象となる人物を特定して追跡し、位置情報を出力する追跡部で構成される画像処理部と、追跡部が出力する位置情報よりパラメトリックスピーカーの伝搬方向を変更する指向性変更部で構成されることを特徴とする。対象となる人物の方向をカメラで追跡し、その方向に向かってパラメトリックスピーカーの音声が伝達する方向を制御するため、対象人物が移動しても、絶えず音声と文字データを対象人物に送り続けることが可能となる。
また、実施の形態1に係る音響コミュニケーションシステムでは、パラメトリックスピーカーが発する超音波波形の伝搬方向を制御する指向性制御部を備えた構成とし、指向性制御部は、携帯端末の無線通信部と無線通信を行いながら携帯端末を所持する人の位置を推定するための情報を生成する機能を有する無線通信部と、無線通信部が出力する情報から人の推定位置を算出する位置推定部で構成される通信処理部と、推定位置が出力する位置情報よりパラメトリックスピーカーの伝搬方向を変更する指向性変更部で構成されることを特徴とする。
携帯端末の線通信部との間による無線通信によって、携帯端末の位置、すなわち、携帯端末を所持している人物の位置を推定する。指向性変更部は、人物の推定位置に向けてパラメトリックスピーカーの音声が伝達する方向を制御するため、対象人物が移動しても、絶えず音声と文字データを対象人物に送り続けることが可能となる。また、携帯端末との間で無線通信が可能なため、携帯端末を所持する人物が、自動運転車両等の自動運転機械に対し、音響によるコミュニケーションの開始を要求することが可能となる。
実施の形態2.
図13は、実施の形態2に係る音響コミュニケーションシステム200aを構成する、歩行者が所持する携帯端末150及び自動運転車両に搭載される音響コミュニケーション用送受信装置100aの機能ブロック図である。音響コミュニケーション用送受信装置100aの音声データ処理部3aの構成が、実施の形態1に係る音響コミュニケーション用送受信装置100の構成の中の音声データ処理部3と異なるのみで、他の構成は同一である。
音声データ処理部3aは、音声ファイル33と可聴音低域フィルター部32とで構成される。実施の形態1に係る音響コミュニケーションシステム200では、入力されたテキストから生成された音声合成の結果を音声波形としているが、実施の形態2に係る音響コミュニケーションシステム200aでは、上述とは異なる様々な音声ファイルを音声波形として用いることができる。たとえば、報知音あるいは音楽ファイルを同時に送信することが可能となる。
実施の形態2に係る音響コミュニケーションシステム200の適用例を図14から図16を用いて説明する、図14及び図15は、自動運転車両と歩行者による適用例である。図14は、自動運転車両U3が、歩道上の歩行者U1と歩行者U2のうち横断歩道を横断しようとしている歩行者U1を識別して、歩行者U1に対し、自動運転車両U3に搭載された音響コミュニケーション用送受信装置100aのパラメトリックスピーカー63の指向性を制御して、自動運転車両U3が接近する報知音、あるいは、「お通りください」などの合成音を再生する様相を示している。
図15は、図12で示したコミュニケーションのシーケンスの一例を示している。歩行者U1は、自動運転車両U3に対し、携帯端末150を用いて、横断の意思を無線によって要求送信する。この要求を受け取った自動運転車両U3に搭載された音響コミュニケーション用送受信装置100aは、指向性制御部7内の画像処理部71及び通信処理部72において歩行者U1を追跡しながら、パラメトリックスピーカー63から歩行者U1に向けて音声データを含む超音波波形を送信する。つまり、音声データを音響通信する。
歩行者U1は、音声として聞くことで、あるいは音響通信された音声データにより、自動運転車両U3が要求を受け入れたことを携帯端末150の画面で確認してから横断する。また、音声データには、例えば、英語によるテキストも多重化されている。歩行者U1は、音声波形のチャネルを選択することで、英語のテキストを携帯端末150のテキスト表示部104に表示して確認することができる。また、復調したテキストを音声合成して、イヤホンで聞くことも可能であり、携帯端末150が音楽再生中あるいは通話中でも、自動運転車両U3から送られた情報を確認することができる。
図16は工作機械と作業者との間における音響コミュニケーションの一例である。作業者は携帯端末150を所持している。自動運転機械の一例である音響コミュニケーション用送受信装置100aを搭載する工作機械は、作業者に対して、スピーカー62で「携帯端末をかざして、URLのマニュアルを参照」などの音声メッセージを再生する。作業者は、パラメトリックスピーカー63に携帯端末150をかざして、URLコードを音響通信にて受信し、URLコードをクリックして詳細なマニュアルを参照することができる。
以上、自動運転機械として、主に自動運転車両の適用例について説明したが、本開示は、これに限らず様々な自動運転機械と人との間の音響コミュニケーションに利用できる。
以上、実施の形態2に係る音響コミュニケーションシステムでは、スピーカーが再生する音声波形を受信する人が携帯端末を所持する構成とし、携帯端末は音声波形を収録する音声収録部と、可聴音高域の任意の帯域に変調された音声データを復調する可聴音高域復調部と、復調された音声データからテキストへ変換する復号化部と、復号化されたテキストデータを格納するテキストデータ記憶部と、テキストデータ記憶部に格納されたテキストデータを表示するテキスト表示部と、テキストデータから音声波形を合成する音声合成部と、音声合成部が生成した音声波形を再生する音声再生部で構成し、スピーカーが送信した情報を携帯端末の画面上でテキストとして、あるいは、音声として確認できることを特徴とする。携帯端末の可聴音高域復調部は、音声収録部で収録した音声波形の中から、所望の周波数帯域の音声波形を復調し、復号化部が音声データへ復号化する。テキスト表示部は、復号化されたテキストを携帯端末の画面に表示する。
以上の構成により、音声を聞き漏らした場合、あるいは、聴覚に障害のある人でも、送信されている情報を取得、認識でき、適切な対応をとることが可能である。また、音声合成部は受信したテキストデータから音声波形を合成し、音声再生部がこれを再生する。イヤホン等で音楽などを聴いているような場合、あるいは、画面を参照していない状況においても、テキスト情報を音声として再生することで情報を認識できるようになる。
また、実施の形態2に係る音響コミュニケーション用送受信装置では、上述の音声データ処理部を、任意の音声波形を格納する音声ファイルと、この音声波形に対し、可聴音帯域の高域成分を除去する可聴音低域フィルター機能を有した構成とすることを特徴としている。音声波形は、入力されたテキストから生成した波形以外の任意の音声波形を指定することができる。例えば、自動運転車両の接近を示す合成音、あるいは、音楽波形でもよい。なお、音声データ帯域、文字データ帯域、キャリア波等の周波数帯域あるいは変調方式については、上述の周波数帯域、変調方式の例と同様である。
また、実施の形態2に係る音響コミュニケーションシステムでは、携帯端末をスマートフォン等の携帯情報端末で構成することを特徴とする。BLE通信方式あるいはUWB通信方式では、高い測距精度、測角精度を得ることができるとともに、アンテナを小型化することができる。そのため、自動運転車両等の自動運転機械に設置する通信処理部の設置が容易である。スマートフォンでは、BLE通信方式あるいはUWB通信方式の実装の標準化が進んでいる。また、可聴音帯域の音声を収録する機能も標準的に実装されている。そのため、通信のためのデバイスを新たに追加することなく、スマートフォンが内蔵するデバイスを制御するアプリケーションを組み込みだけで、音響コミュニケーションに対応した携帯端末を得ることができる。
以上に説明した実施の形態1及び2に係る音響コミュニケーション用送受信装置と音響コミュニケーションシステムの各構成要素はコンピュータを用いて構成することができ、また、コンピュータがプログラムを実行することで実現される。すなわち、実施の形態1及び2に係る音響コミュニケーション用送受信装置と音響コミュニケーションシステムは、たとえば、図17に示す処理回路800により実現される。処理回路800には、CPU、DSP(DigitalSignal Processor)等のプロセッサが適用され、記憶装置に格納されるプログラムを実行することで各部の機能が実現される。
なお、処理回路800には、専用のハードウェアが適用されても良い。処理回路800が専用のハードウェアである場合、処理回路800は、たとえば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、または、これらを組み合わせたもの等が該当する。
実施の形態1及び2に係る音響コミュニケーション用送受信装置と音響コミュニケーションシステムは、構成要素の各々の機能が個別の処理回路で実現されても良いし、それらの機能がまとめて単一の処理回路で実現されても良い。
図18には、処理回路800がプロセッサを用いて構成されている場合におけるハードウェア構成を示している。この場合、実施の形態1及び2に係る音響コミュニケーション用送受信装置と音響コミュニケーションシステムの各部の機能は、ソフトウェア等(ソフトウェア、ファームウェア、または、ソフトウェアとファームウェア)との組み合わせにより実現される。ソフトウェア等はプログラムとして記述され、メモリ802に格納される。処理回路800として機能するプロセッサ801は、メモリ802(記憶装置)に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、このプログラムは、実施の形態1及び2に係る音響コミュニケーション用送受信装置と音響コミュニケーションシステムの構成要素の動作の手順をコンピュータに実行させるものである。
図18に示す構成において、メモリ802は、たとえば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)及びそのドライブ装置等、または、今後使用されるあらゆる記憶媒体であっても良い。
以上、実施の形態1及び2に係る音響コミュニケーション用送受信装置と音響コミュニケーションシステムの各構成要素の機能が、ハードウェア及びソフトウェア等のいずれか一方で実現される構成について説明した。しかしながら、これらに限られるものではなく、実施の形態1及び2に係る音響コミュニケーション用送受信装置と音響コミュニケーションシステムの一部の構成要素を専用のハードウェアで実現し、別の一部の構成要素をソフトウェア等で実現する構成であっても良い。
たとえば、図17及び図18に示すように、一部の構成要素については専用のハードウェアとしての処理回路800でその機能を実現し、他の一部の構成要素についてはプロセッサ801としての処理回路800が、メモリ802に格納された実施の形態1及び2に係る音響コミュニケーション用送受信装置と音響コミュニケーションシステムの動作をコンピュータ等で実行させるためのプログラムを読み出して実行することによって、その機能を実現することが可能である。
さらに、図18に示すように、実施の形態1及び2に係る音響コミュニケーション用送受信装置と音響コミュニケーションシステムの各機能部等が用いる設定データは、ソフトウェアの一部、すなわち、実施の形態1及び2に係る音響コミュニケーション用送受信装置と音響コミュニケーションシステムの動作をコンピュータ等で実行させるためのプログラム804が記憶されている記録媒体803からメモリ802にインストールされても良い。
以上のように、実施の形態1及び2に係る音響コミュニケーション用送受信装置と音響コミュニケーションシステムは、ハードウェア、ソフトウェア等、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
本開示は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 テキストデータ入力部、2 文字データ処理部、3、3a 音声データ処理部、4 音声データ記憶部、5 多重化ミキサー部、6 音声再生部、7 指向性制御部、21 符号化部、22 可聴音高域変調部、31、105 音声合成部、32 可聴音低域フィルター部、33 音声ファイル、61 超音波変調部、62 スピーカー、63 パラメトリックスピーカー、71 画像処理部、71a 撮像部、71b 追跡部、72 通信処理部、72a、107 UWB/BLE通信部、72b 位置推定部、73 指向性変更部、100、100a 音響コミュニケーション用送受信装置、101 音声収録部、102 文字データ処理部、102a 可聴音高域復調部、102b 復号化部、103 テキストデータ記憶部、104 テキスト表示部、106 音声再生部、150 携帯端末、200、200a 音響コミュニケーションシステム、F1 可聴音帯域、F2 可聴音低域、F3 可聴音高域、F4 超音波帯域、F5 キャリア波、F6 測波帯

Claims (9)

  1. テキストが入力されるテキストデータ入力部と、
    前記テキストの文字列からなる文字データをバイナリーの符号化データへ変換する符号化機能及び前記符号化データを17kHz以上20kHz以下の可聴音高域へ変調する可聴音高域変調機能を有し、変調処理された音声データを生成する文字データ処理部と、
    前記文字データに基づき音声波形を合成する音声合成機能及び前記音声波形から前記可聴音高域の成分を除去する可聴音低域フィルター機能を有し、可聴音低域からなる音声波形を生成する音声データ処理部と、
    前記変調処理された音声データ及び前記可聴音低域からなる音声波形を格納するデータ記憶部と、
    前記変調処理された音声データ及び前記可聴音低域からなる音声波形をミキシングしてミキシング音声波形を生成する多重化ミキサー部と、
    前記ミキシング音声波形を超音波帯域へ変調して超音波波形を生成する超音波変調部と、
    前記ミキシング音声波形を、前記ミキシング音声波形の可聴音帯域で再生可能なスピーカー、または、前記超音波波形をパラメトリックスピーカーによって再生する音声再生部と、
    前記パラメトリックスピーカーから発する前記超音波波形の伝搬方向を制御する指向性制御部と、
    を備える音響コミュニケーション用送受信装置。
  2. テキストが入力されるテキストデータ入力部と、
    前記テキストの文字列からなる文字データをバイナリーの符号化データへ変換する符号化機能及び前記符号化データを17kHz以上20kHz以下の可聴音高域へ変調する可聴音高域変調機能を有し、変調処理された音声データを生成する文字データ処理部と、
    スピーカーで再生可能な音声波形を予め格納した音声ファイルと、前記音声波形から可聴音帯域の高域成分を除去する可聴音低域フィルター機能とを有し、可聴音低域からなる音声波形を生成する音声データ処理部と、
    前記変調処理された音声データ及び前記可聴音低域からなる音声波形を格納するデータ記憶部と、
    前記変調処理された音声データ及び前記可聴音低域からなる音声波形をミキシングしてミキシング音声波形を生成する多重化ミキサー部と、
    前記ミキシング音声波形を超音波帯域へ変調して超音波波形を生成する超音波変調部と、
    前記ミキシング音声波形を、前記ミキシング音声波形の可聴音帯域で再生可能なスピーカー、または、前記超音波波形をパラメトリックスピーカーによって再生する音声再生部と、
    前記パラメトリックスピーカーから発する前記超音波波形の伝搬方向を制御する指向性制御部と、
    を備える音響コミュニケーション用送受信装置。
  3. 前記文字データ処理部は、複数のテキストを、可聴音高域内において予め設定された帯域に分割された複数の周波数チャネルの音声データにそれぞれ変調する機能をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の音響コミュニケーション用送受信装置。
  4. 前記多重化ミキサー部は、前記音声波形と前記周波数チャネルへ変調された複数の音声データとをミキシングすることによりミキシング音声波形を生成する機能をさらに有することを特徴とする請求項3に記載の音響コミュニケーション用送受信装置。
  5. 前記指向性制御部は、
    人物を撮像する撮像部と、
    前記撮像部で取得された映像から対象となる人物を特定して追跡し、前記人物の位置情報を出力する追跡部を有する画像処理部と、
    前記ミキシング音声波形を再生するために前記パラメトリックスピーカーが選択された場合に、前記人物の位置情報に基づき前記パラメトリックスピーカーから発する前記超音波波形の伝搬方向を変更する指向性変更部と、
    を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の音響コミュニケーション用送受信装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の音響コミュニケーション用送受信装置と、
    前記音響コミュニケーション用送受信装置の前記スピーカーまたは前記パラメトリックスピーカーから発せられた前記音声波形及び前記音声データを収録する音声収録部と、前記可聴音高域において予め設定された帯域に変調された前記音声データを復調する可聴音高域復調部と、復調された音声データからテキストデータへと変換する復号化部と、復号化されたテキストデータを格納するテキストデータ記憶部と、前記テキストデータ記憶部に格納された前記テキストデータを表示するテキスト表示部と、前記テキストデータから再生用の音声波形を合成する音声合成部と、前記音声合成部が生成した再生用の音声波形を再生する音声再生部と、を有し、前記スピーカーまたは前記パラメトリックスピーカーから発せられた前記音声波形及び前記音声データに含まれる情報を、テキスト及び音声のいずれか一方または両方によって確認することが可能な携帯端末と、
    を備える音響コミュニケーションシステム。
  7. 前記指向性制御部は、前記携帯端末と無線通信することによって前記携帯端末を所持する人物の位置を推定するための情報を生成する無線通信部をさらに有し、前記無線通信部が出力する情報から前記人物の推定位置を算出することを特徴とする請求項6に記載の音響コミュニケーションシステム。
  8. 前記無線通信の方式が、BLE通信方式またはUWB通信方式のいずれかであることを特徴とする請求項7に記載の音響コミュニケーションシステム。
  9. 前記携帯端末が、スマートフォンであることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の音響コミュニケーションシステム。
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