(本開示の基礎となった知見)
従来の技術では、定期的なメンテナンス業務、シーズンおよびイベント等毎に、弁当および惣菜等の、種類およびサイズが変化する。このため、使用者は、その都度、電子レンジの各操作ボタンへの加熱時間の割り当てを変更しなければならず、設定変更のための操作ボタンの押下等が何度も必要となり、非常に面倒で手間がかかる。
本開示は、上述した従来の課題を解決するものであり、ハードウェアの稼動チェック、および、加熱時間等の調理メニューの設定変更等の煩わしい入力作業等を不要とし、使用者が、簡単に、メンテナンス業務、および、被加熱物を加熱調理、一例としてその設定変更ができる、加熱調理器および加熱調理器の制御方法を提供する。
(本開示の実施の態様の一例)
本開示の態様の一例の加熱調理器は、被加熱物を収納する加熱庫と、加熱庫内を加熱する加熱部と、使用者により入力操作される操作部と、加熱庫内を撮影する撮影部と、被加熱物の加熱制御情報に対応する管理情報を、加熱制御情報に関連付けて記憶している情報蓄積部とを備えている。また加熱調理器は、撮影部により撮影された画像から、加熱制御情報を認識する認識処理部と、少なくとも、撮影部で撮影された加熱庫の庫内状態、および、被加熱物の加熱制御情報等に基づき、加熱部の制御を行う制御部と、を備えている。また加熱調理器は、認識処理部が認識した加熱制御情報に対応する管理情報を、情報蓄積部から取得し、管理情報に基づいて、制御部、加熱部、撮影部、情報蓄積部、および、認識処理部のうち、少なくともいずれかに係る設定を変更する管理情報処理部と、を備える。
このような構成により、読み取られた加熱制御情報に関連付けられて、予め登録されている管理情報に基づき、設定変更処理が行われる。これにより、加熱時間等の設定等の煩わしい入力作業等が不要となり、使用者が、簡単に、メンテナンス業務、および、食品等の被加熱物を加熱調理できる加熱調理器を得ることができる。
また、本開示の実施の形態の一例による加熱調理器は、認識処理部が、複数の加熱制御情報を認識可能であり、管理情報処理部が、複数の加熱制御情報が認識された順序に基づいて、複数の設定の変更処理を、同時または順に行ってもよい。
このような構成により、読み取られた加熱制御情報に関連付けられて、予め登録されている管理情報に基づき、複数の設定変更処理を順々に実行することが可能である。これにより、加熱時間等の設定等の煩わしい入力作業等が不要となり、使用者が、簡単に、メンテナンス業務、および、食品等の被加熱物を加熱調理できる、加熱調理器を得ることができる。
また、本開示の実施の形態の一例による加熱調理器は、管理情報処理部が、情報蓄積部に蓄積されている各々の管理情報に基づき、設定の変更の実行可否、および、優先順位のうち、少なくともいずれかを判定する設定変更判定部を有し、設定変更判定部が、判定の結果に基づいて、加熱庫に係る設定を変更してもよい。
このような構成により、読み取られた加熱制御情報に関連付けられて、予め登録されている管理情報と、予め登録されている優先順位および実行可否判定の少なくともいずれかに基づいて、複数の設定変更処理を、決められた順に実行することが可能である。これにより、加熱時間等の設定等の煩わしい入力作業等が不要となり、使用者が、簡単に、メンテナンス業務、および、食品等の被加熱物を加熱調理できる加熱調理器を得ることができる。
また、本開示の実施の形態の一例による加熱調理器は、加熱部が、設定変更判定部により判定された結果に基づいて、加熱制御を行ってもよい。
このような構成により、読み取られた加熱制御情報に関連付けられて、予め登録されている追加加熱、および、時短加熱等、加熱制御に関する管理情報に基づき、被加熱物に適した加熱制御条件で、被加熱物を加熱調理することが可能である。よって、加熱時間等の設定等の煩わしい入力作業等が不要となり、簡単に、かつ、被加熱物に適した加熱制御条件で、被加熱物を加熱調理することができる。
また、本開示の実施の形態の一例による加熱調理器は、認識処理部が、さらに、被加熱物の加熱制御情報以外の情報を認識可能であり、設定変更判定部が、情報が認識された場合、加熱制御情報に対応する管理情報よりも情報を優先して、設定を変更してもよい。
このような構成により、あらかじめ登録された特殊な記号および数字等を認識した場合、その記号および文字等を含む加熱制御情報に関連付けられて、予め登録されている管理情報と、予め登録されている実行可否判定基準とに基づいて、設定変更処理および加熱制御処理等を順に実行することが可能である。よって、加熱時間等の設定等の煩わしい入力作業等が不要となり、使用者が、簡単に、メンテナンス業務、および、食品等の被加熱物を加熱調理できる加熱調理器を得ることができる。
また、本開示の実施の形態の一例による加熱調理器は、さらに、管理情報処理部が変更した設定、および、情報蓄積部に蓄積されている管理情報のうち、少なくともいずれかに係る情報を表示可能な表示部を備えてもよい。
このような構成により、読み取られた加熱制御情報に関連付けられて、予め登録されている管理情報に基づき、設定取得処理が行われる。これにより、バージョン情報の確認、および、加熱庫内の状態の取得等の確認作業に対して、煩わしい入力作業等が不要となり、使用者にわかりやすく伝えることができる。
また、本開示の加熱調理器の制御方法は、被加熱物を収納する加熱庫と、加熱庫内を加熱する加熱部と、使用者により入力操作される操作部と、加熱庫内を撮影する撮影部と、被加熱物の加熱制御情報に対応する管理情報を、加熱制御情報に関連付けて記憶している情報蓄積部と、を備えた加熱調理器の制御方法である。そして、撮影部により撮影された画像から、加熱制御情報を認識し、認識された加熱制御情報に対応する管理情報を、情報蓄積部から取得し、管理情報に基づいて、加熱部、撮影部、情報蓄積部、および、認識処理部のうち、少なくともいずれかに係る設定を変更する方法である。
このような方法により、読み取られた加熱制御情報に関連付けられて、予め登録されている管理情報に基づき、設定変更処理が行われる。これにより、加熱時間等の設定等の煩わしい入力作業等が不要となり、使用者が、簡単に、メンテナンス業務、および、食品等の被加熱物を加熱調理できる加熱調理器の制御方法を得ることができる。
以下、本開示の実施の形態の例を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態によって、本開示が限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
図1は、本開示の第1の実施の形態における加熱調理器100の外観を示す図である。
図1に示すように、加熱調理器100は、被加熱物である食品107を格納するための筐体111に、食品107を出し入れするためのドアパネル101が設けられている。加熱調理器100は、筐体111における、ドアパネル101の上方に、加熱情報表示部102と、選択部103とを有している。
加熱調理器100は、後述するように、食品107に応じた加熱時間を、食品107に付与されているラベル等の表示等から読み取り、読み取られた加熱時間で食品107を加熱調理する。加熱情報表示部102には、読み取られた加熱時間が表示される。
選択部103は、一例として、加熱時間が読み取られなかった場合等に、使用者が、加熱する食品107に対応するメニューを選択する「メニュー」ボタン、ならびに、加熱時間を手動で設定するための数字ボタン、「分」ボタン、および「秒」ボタンのうち、少なくともいずれかのボタンを備えている。また、選択部103は、加熱を開始するための「加熱開始ボタン」、および、加熱を中止するための「加熱停止ボタン」を備えている。また、選択部103は、加熱する食品107に対応したメニュー(メモリ番号)への切換えを行う「メニュー切換」ボタン、および、メモリを使わず、加熱時間(分・秒の入力)を手動で設置するための「数字」ボタンを備えていてもよい(図8参照)。
また、加熱調理器100は、筐体111内に、加熱庫である加熱調理庫104を備えている。加熱調理庫104には、庫内側面に設けられた照明部105と、庫内上面に設けられたカメラ106とが設けられている。カメラ106が、加熱調理庫104の庫内上部に据付けられることで、庫内上部から庫内全体を撮影することができる。カメラ106は、加熱調理器100が備える制御回路(図示せず)に電気的に接続され、制御回路によって制御されている。
加熱調理器100は、カメラ106により、加熱調理庫104に収納された食品107の撮影を行うことで、撮影された画像情報から、食品107に関連する加熱情報を検知するよう構成されている。
また、加熱調理器100は、上述したように、加熱調理庫104の庫内側面に設けられた照明部105を備えている。照明部105は、図1の例では、加熱調理庫104の側面に配置されており、庫内側面から加熱調理庫104内部全体の照明を行う。
図2は、本開示の第1の実施の形態における加熱調理器100の機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、加熱調理器100は、加熱部201と、操作部202と、撮影部203と、制御部204と、認識処理部205と、情報蓄積部206と、管理情報処理部207とを有している。
加熱部201は、例えばマグネトロン等からなり、加熱調理庫104に置かれた食品107に高周波を供給して、食品107の加熱を行う。
操作部202は、例えばタッチパネルおよび複数のキー等を有しており、使用者が、加熱時間の設定および加熱開始等を行う際に使用される。
撮影部203は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ、または、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等からなり、加熱調理庫104の内部の撮影を行う。撮影部203は、上述のカメラ106と制御回路とを有している。
制御部204は、撮影部203で撮影された加熱調理庫104の庫内状態、および、加熱対象となる食品107の加熱制御情報等に基づき、加熱部201の制御を行う。
なお、制御部204、認識処理部205、および、管理情報処理部207のうち、少なくともいずれかは、マイクロコンピュータおよびその周辺回路を備えている。制御部204、認識処理部205、および、管理情報処理部207のうち、少なくともいずれかは、マイクロコンピュータ上で動作するプログラムにより、各種制御を実行する。制御部204、認識処理部205、および、管理情報処理部207のうち、少なくともいずれかは、マイクロコンピュータおよびその周辺回路を備えていてもよい。
なお、このマイクロコンピュータおよび周辺回路は、後述する制御を行うものであれば、どのような形態であってもよい。制御部204、認識処理部205、および、管理情報処理部207のうち、少なくともいずれかは、演算処理部と、制御プログラムを記憶する記憶部とで構成されていてもよい。演算処理部としては、MPU(Micro Processing Unit)、およびCPU(Central Processing Unit)が例示される。記憶部としては、メモリが例示される。記憶部に記録されている制御プログラムが、演算処理部によって実行される。
また、制御部204、認識処理部205、および、管理情報処理部207のうち、少なくともいずれかは、ハードロジックで構成されてもよい。ハードロジックで構成すれば、処理速度の向上に有効である。各構成要素は、一つの半導体チップで構成されてもよいし、物理的に複数の半導体チップで構成されてもよい。複数の半導体チップで構成した場合には、後述する各制御を、それぞれ別の半導体チップで実現することもできる。
認識処理部205は、撮影部203により撮影された画像から、食品ラベル等に記載されている加熱制御情報(加熱W(ワット)数および加熱時間等)に関連する情報を検出し、文字情報(加熱制御に関する情報)かどうかの解析を行う。食品ラベルの文字認識方法としては、例えば、食品ラベル内において、枠で囲まれた加熱制御情報を検出する方法、および、食品ラベルの輪郭を検出する方法のうち、少なくともいずれかが用いられてもよい。また、文字情報には、食品107の加熱制御情報だけでなく、食品全体の画像情報、これに関連する食品107の種類、ならびに、食品107の形状および賞味期限に関する情報のうち、少なくともいずれかが含まれていてもよい。
情報蓄積部206は、例えばフラッシュメモリのような不揮発性メモリからなり、認識処理部205で解析された加熱制御情報、および、加熱調理器100の制御に係る管理情報等を蓄積している。すなわち、情報蓄積部206には、加熱制御情報と管理情報とが互いに関連付けされたテーブルが蓄積されている。
加熱制御情報は、例えば、加熱量(すなわち加熱出力またはワット数)、および、その加熱量に応じた加熱時間である。
管理情報は、加熱調理器100の制御に係る情報(例えば、加熱部201、撮影部203、情報蓄積部206、および、認識処理部205のうち、少なくともいずれかに関する情報)であり、例えば、カメラ106の露光設定時間、フォーカス設定情報、照明の輝度設定情報、加熱調理器100内のクリーニング情報、加熱部201の加熱時間、および、加熱W数等のうち、少なくともいずれかを含む設定情報である。クリーニング情報とは、加熱調理庫100内のカメラ・天板・庫面等の汚れ、および、フィルターの埃、等の除去が必要な場合のクリーニング可否情報である。また、管理情報は、加熱調理器100の扉の開閉回数、および、加熱調理器100の制御に係るソフトウェアのバージョン情報等の状態情報も含む。なお、情報蓄積部206に蓄積される情報には、加熱制御情報以外に、食品107の形状情報、加熱調理器100の管理情報、カメラ106の管理情報等、並びに、加熱制御および操作に関連する情報のうち、少なくともいずれかが含まれていてもよい。
管理情報処理部207は、認識処理部205にて検出された加熱制御情報と関連付けされた、加熱調理庫104の庫内の管理情報を、情報蓄積部206より取得し、制御部204における制御指示に従って、調理メニューおよびカメラ106のパラメータ設定等の、加熱調理庫104内についての設定の変更処理を実行する。
図3および図4は、本開示の第1の実施の形態における加熱調理器100での画像認識処理における文字、ラベルおよびバーコードのうち、少なくともいずれかの認識の例を示す図である。これらの図は、認識対象となる食品ラベル302のイメージの例を示すものであり、画像認識処理におけるバーコード認識および文字認識の例を示す図である。
なお、以下の実施の形態において、バーコードは、一次元のコードに限定されず、QRコード(登録商標)等の二次元コードも含む。
図3および図4では、一例として、弁当である食品301を示している。食品301には、食品の名称および価格に関する文字情報と、加熱制御情報とが表示された食品ラベル302が貼付けられている。なお、食品ラベル302には、加熱制御情報として、加熱量、および、その加熱量に応じた加熱時間が、直接、使用者により認識される、文字および記号等の形態で表示されていてもよいし、加熱量、および、その加熱量に応じた加熱時間に応じたバーコードとして表示されていてもよい。
図4に示す例では、加熱量に応じた加熱時間は、食品ラベル302の加熱制御文字対象領域303に表示されている。加熱制御文字対象領域303には、複数の加熱量に応じた加熱時間が表示されている。具体的には、一般的な家庭用の電子レンジで加熱する場合の目安として、例えば500Wの加熱量で加熱する場合の加熱時間である2分30秒と、業務用の電子レンジで加熱する場合の目安として、例えば1500Wの加熱量で加熱する場合の加熱時間である0分45秒とが併記されている。つまり、加熱制御文字対象領域303には、例えば、「500W2分30秒 1500W0分45秒」等と表示されている。
加熱制御文字対象領域303には、所定の加熱量を表す数字である第1文字列、例えば「500」と、その加熱量の単位を表す第2文字列、例えば「W」と、その加熱量での加熱時間を表す数字である第3文字列、例えば「2」と、加熱時間の単位を表す第4文字列、例えば「分」と、その加熱量での加熱時間を表す数字である第5文字列、例えば「30」と、加熱時間の単位を表す第6文字列、例えば「秒」とが、この順に表示されている。
さらに、加熱制御文字対象領域303には、上述した所定の加熱量よりも大きい加熱量を表す数字である第7文字列、例えば「1500」と、加熱量の単位を表す第8文字列、例えば「W」と、その加熱量での加熱時間を表す数字である第9文字列、例えば「0」と、加熱時間の単位を表す第10文字列、例えば「分」と、その加熱量での加熱時間を示す数字である第11文字列、例えば「45」と、その加熱時間の単位を表す第12文字列、例えば「秒」とが、この順に表示されている。
なお、本実施の形態では、第2文字列、および、第8文字列として、熱量を表すSI単位である「W(ワット)」が用いられているが、加熱パワーの単位を表すものであれば、他の文字または単位でもよい。また、第4文字列、第6文字列、第10文字列、および、第12文字列として、時間の単位を表す文字として「分」または「秒」が用いられているが、時間の単位を表すものであれば、他の文字または単位でもよい。
また、図4に示す例では、バーコードは、食品ラベル302のバーコード対象領域304に表示されている。
図5および図6は、本開示の第1の実施の形態における加熱調理器100での画像認識処理における、設定用ラベルの一例を示す図である。具体的には、これらの図は、加熱調理庫104内における設定変更を行うための設定用ラベルのイメージの例を示すものであり、画像認識処理における文字認識の例を示す図である。
図5は、設定用ラベル401に、加熱制御情報(加熱量、加熱時間)の表示フォーマットを利用して、加熱量に該当する数字、および、その加熱量に応じた加熱時間に該当する数字の部分に、管理情報に関する情報が記載されている。
具体的には、設定用ラベル401内の加熱量の数字の箇所には、「1111」と記載されており、管理情報の識別ID1に該当する。また、加熱時間には「1分1秒」と記載されており、加熱時間の「分」の前の、数字に該当する箇所には識別ID2の情報が、加熱時間の「秒」の前の、数字に該当する箇所には識別ID3の情報が記載されている。
また、図6の例では、図4における食品ラベル302の加熱制御情報の表示フォーマットに合わせて、図5と同様の記載方法で、管理情報に関する情報が記載されている。
具体的には、設定用ラベル402には、2種類の加熱制御情報が記載されている。第1の加熱制御情報には加熱量が「0000W」、加熱時間には「0分0秒」と記載されており、これにより、通常、加熱量および加熱時間として使わない数字が用いられていることで、設定用ラベル402が設定変更用のラベルであることが簡単に判別されるようになっており、このような加熱制御情報を、そのラベルが設定用ラベルかどうかの判別チェック用に利用することができる。
また、第2の加熱制御情報には、加熱量が「1111W」、加熱時間が「1分1秒」と記載されており、加熱量の数字に該当する箇所は「1111」であり、設定用ラベル401と同様に、識別ID1の情報が記載されている。また、加熱時間の「1分1秒」も設定用ラベル401と同様に、加熱時間の「分」の数字に該当する箇所には識別ID2の情報が、加熱時間の「秒」の数字に該当する箇所には識別ID3の情報が記載されている。
なお、設定用ラベルの記載においては、使用者により、どの設定内容を変更しようとしているか認識が可能なフォーマット(例えば「調理パラメータ設定用」等の文字、および画像のうち、少なくともいずれかがラベルに表示されている)で記載されていてもよいし、加熱量と、その加熱量に応じた加熱時間とに応じたバーコードとして記載されていてもよい。
次に、加熱調理器100において、認識処理部205により、食品301の画像(例えば、図4参照)から加熱制御文字対象領域303が検出され、さらに加熱制御文字対象領域303から検出された加熱制御情報が、管理情報と関連付けられて、設定変更が行われる処理について、説明する。
図7は、本開示の第1の実施の形態における画像認識処理を示すフローチャートである。
図7において、加熱調理庫104の庫内に食品ラベル302または設定用ラベル401が投入されると、撮影部203は、加熱調理庫104の庫内の画像を撮影する(S501)。
撮影部203によって撮影された画像から、認識処理部205は、加熱対象となる食品301の加熱制御情報を検出し、取得する(S502)。
さらに認識処理部205は、検出された加熱制御情報(出力W数、加熱時間等)が、加熱しようとする食品301の正しい加熱制御情報であるかどうかを判定する(S503)。
画像認識処理の対象となる食品301の加熱制御情報が正しい加熱情報(本実施の形態では、図4に示された加熱制御文字対象領域303の事例)である場合(S503のYes)には、制御部204は、認識処理部205によって解析された加熱制御情報に基づいて、加熱制御を行う。この際、制御部204は、加熱制御情報、または、対応する管理情報に係る情報等を、加熱情報表示部102に表示する。
より具体的には、使用者は、加熱情報表示部102の表示内容から、加熱制御情報が、加熱しようとする食品301の正しい加熱制御情報であるかどうかを確認した後、使用者は、操作部202によって、その確認結果に基づき、加熱開始ボタン等の押下操作を実施することで、対象となる食品301の加熱が実行される(S507)。
これにより、加熱調理器100において、加熱制御情報に含まれる加熱量で、加熱制御情報に含まれる加熱時間の間、食品301に対する加熱調理が行われる。
ステップS503において、加熱制御情報が、設定用ラベル401の加熱制御情報であると判定された場合、または、ステップS502において取得された加熱制御情報が、加熱対象である食品301の正しい加熱制御情報でないと判定された場合(S503のNo)を想定する。この場合、まず、情報蓄積部206に蓄積された、加熱情報変換のためのテーブルにより、認識された加熱制御情報が管理情報に関連付けされていないかどうかを確認し、関連付けされている管理情報があれば、その管理情報を取得する(S504)。
ステップS505において、設定用ラベル401の加熱制御情報が、テーブルに存在する該当の管理情報であると判定された場合(S505のYes)には、制御部204の制御指示に従い、管理情報処理部207は、情報蓄積部206によって加熱制御情報に関連付けされている管理情報に基づいて、設定変更処理を行う。
具体的には、使用者は、加熱情報表示部102の表示内容(この場合には、管理情報に関連する情報が表示されている)から、加熱制御情報が、設定用ラベル401の管理情報であるかどうかを確認した後、操作部202によって、その確認結果に基づき、操作決定ボタン等の押下操作を実施する。これにより、対象となる設定変更処理が実行される(S507)。
このように、加熱調理器100において、加熱制御情報に関連付けされた管理情報に基づいて、設定変更処理が行われる。
また、加熱制御情報が、加熱対象である食品301の正しい加熱制御情報でないと判定された場合、および、該当する設定用ラベル401の設定が見つからなかった場合(S505のNo)には、操作部202にて、手動で加熱設定(例えば、加熱量および加熱時間の設定)が行われる(S506)。
手動で加熱設定が行われた場合(S506)には、使用者は、加熱しようとする食品301の正しい加熱制御情報であるかどうかを確認した後、操作部202によって、その確認結果に基づき、加熱開始ボタンを押下する。これにより、加熱調理が開始される(S507)。
なお、本実施の形態では、加熱調理の開始は、ステップS507において、加熱開始ボタンまたは操作決定ボタンが押下された後としているが、使用者の操作の負担を軽減する観点から、加熱制御情報が正しい、または、管理情報が正しいと判別できる場合(S503のYesおよびS505のYes)には、加熱調理器100は、加熱調理または設定処理を、自動的に開始するよう構成されていてもよい。
次に、情報蓄積部206が、認識処理部205で解析された加熱制御情報と管理情報とを関連付けて蓄積する処理について、説明する。
図8は、本開示の第1の実施の形態の加熱調理器100の操作部202の一例としての、操作パネル600を示す図である。
操作パネル600は、加熱制御情報を表示するLEDによる操作表示パネル601(加熱情報表示部102に相当)、各種調理メニュー設定および特殊操作を行うための数字ボタン602(操作部202に相当)、および、認識処理部205が決定した加熱処理を開始、または、設定処理を確定するためのスタートボタン603(操作部202に相当)等から構成されている。
電子レンジ等の機器においては、加熱制御がメインであるため、各種操作を行うための表示については、操作表示パネル601が用いられる。そのため、従来の技術によれば、ほとんどのメンテナンス操作において、数字ボタン602およびスタートボタン603等を、何度も押下することで設定を行う必要があり、非常に操作負担が大きく、面倒である。
図9は、本開示の第1の実施の形態の加熱調理器100における、被加熱物の加熱制御情報と設定処理内容との関連付けに関するテーブル(加熱情報変換テーブル)の一例を示す図である。
被加熱物の加熱制御情報と設定処理内容との関連付けテーブル801は、図9に示すように、被加熱物の加熱制御文字の加熱量を識別するID1(本実施の形態では、加熱ワット数(W)に該当する値)と、加熱調理庫104内の設定処理内容とを含む。
図9において、例えば、識別ID1が「0000」の場合は、設定変更可否チェックが行われ、識別ID1が「1111」の場合は、調理パラメータの設定処理が行われる。また、設定処理だけでなく、識別ID1が「1222」の場合は、「追加加熱設定」、識別ID1が「1333」の場合は、「認識不可食品の加熱設定」等、制御部1004からの指示で、加熱制御処理も行われる。
その他、設定処理だけでなく、バージョン情報取得、カメラ撮影回数取得等の情報取得処理、カメラチェック、および、照明チェックといった、ハードウェアに対するチェック等も実施することが可能である。
なお、識別ID1としては、通常の加熱制御には使用しない数値(500Wおよび1500W等の通常の加熱量として利用される値ではないと判定できる数値)を利用して、設定処理の割り当てが行われる。また、認識処理部205にて、数字の誤認識を招かないように各数字が選択されることが、より望ましい。情報蓄積部206には、識別ID1と設定処理内容とが関連付けされて蓄積されている。
具体的には、図5の記載例では、「識別ID1」として「1111」が認識されるので、「調理パラメータ設定」の設定処理がされる。また、図6の記載例では、第1の加熱制御情報として、「識別ID1」が「0000」と認識されるので、「設定変更」が可能であると認識され、第2の加熱制御情報として、「識別ID1」が「1111」と認識されるので、「調理パラメータ設定」の設定処理がされる。
図10は、本開示の第1の実施の形態の加熱調理器100の調理パラメータ設定における、被加熱物の加熱制御情報と調理メニュー管理情報との関連付けに関するテーブルの一例を示す図である。
加熱調理器100の調理パラメータ設定における、加熱制御情報と調理メニュー管理情報との関連付けテーブル801は、図10に示すように、被加熱物の加熱制御文字の加熱量を識別するID1(本実施の形態では、加熱ワット数(W)に該当)ならびに、加熱時間を識別する、ID2(本実施の形態では、加熱時間(分)に該当)およびID3(本実施の形態では、加熱時間(秒)に該当)と、加熱調理庫104内の設定処理内容とを含む。
図10において、例えば、識別ID2が「01」、識別ID3が「01」の場合は、調理メニューID「0101」の設定処理が行われ、識別ID2が「01」、識別ID3が「02」の場合は、調理メニューID「0102」の設定処理が行われる。
なお、識別ID2および識別ID3には、通常の加熱制御には使用しない数値(例えば60よりも大きい数字等)を利用して、設定処理の割り当てを行うことが望ましい。また、認識処理部205にて数字の誤認識を招かないように、各数字を選択することが、より望ましい。情報蓄積部206には、識別ID1、識別ID2、および識別ID3と、設定処理内容とが関連付けされ、蓄積されている。
具体的には、図5の記載例では、「識別ID2」として「1」、「識別ID3」として「1」が認識されるので、調理メニューID「0101」の設定処理がされる。図6の記載例においては、第1の加熱制御情報として、「識別ID1」が「0000」と認識されるので、まずは「設定変更が可能」であると認識された上(図9参照)で、第2の加熱制御情報として、「識別ID1」が「1111」の「調理パラメータ設定」、「識別ID2」が「1」、「識別ID3」が「1」が認識されるので、調理メニューID「0101」の設定処理がされることになる。
図11は、本開示の第1の実施の形態の加熱調理器100の調理パラメータ設定における、被加熱物の調理メニュー管理情報と操作パネル600の各ボタンとの関連付けに関するテーブルの一例を示す図である。
加熱調理器100の調理パラメータ設定における被加熱物の調理メニュー管理情報と操作パネル600の各ボタンとの関連付けに関するテーブル901は、図11に示すように、「調理メニューID」、操作パネル600のボタンに該当する値(本実施の形態では、図8の数字ボタン602に該当する値)、および、加熱調理庫104内の設定処理内容を含む。
図11において、例えば、調理メニューIDが「0101」の場合は、ボタン「1」には「10秒」、ボタン「2」には「20秒」、ボタン「9」には「5分」、ボタン「0」には「10分」の調理加熱時間が、それぞれ割り当てられる。なお、ボタン割り当てに関しては、「数字」ボタンだけでなく、図8の操作パネル600にあるように、「メモリ」ボタンおよび「出力切換」ボタン等にも割り当てられていてもよい。
具体的には、図5の記載例では、「識別ID2」として「1」、「識別ID3」として「1」が認識されるので、調理メニューID「0101」に書き込まれている設定処理がされる。図6の記載例においては、第1の加熱制御情報として、「識別ID1」が「0000」と認識されるので、まずは「設定変更が可能」であると認識された上で、第2の加熱制御情報として、「識別ID1」が「1111」の「調理パラメータ設定」、「識別ID2」が「1」、「識別ID3」が「1」が認識されるので、調理メニューID「0101」に書き込まれている設定処理がされる。
(第2の実施の形態)
本開示の第2の実施の形態における加熱調理器200の一例である電子レンジについて説明する。
本開示の第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の構造、機能構成および制御方法については、その説明を省略する。
本開示の第2の実施の形態の加熱調理器200が、第1の実施の形態の加熱調理器100と異なる点は、管理情報処理部1007の中に、設定変更判定部1008が設けられている点である。
具体的には、設定変更判定部1008は、特殊な加熱制御処理、複数の管理情報処理を行う際に、どの加熱制御または設定変更処理を行うかどうかを判別し、処理を行うと判定した場合は、所定の優先順位に基づいて、加熱制御または設定変更処理を行う。よって、本実施の形態では、主にこの点について説明する。
図12は、本開示の第2の実施の形態における加熱調理器200の機能構成を示すブロック図である。
図12に示すように、本開示の第2の実施の形態における加熱調理器200は、加熱部1001と、操作部1002と、撮影部1003と、制御部1004と、認識処理部1005と、情報蓄積部1006と、管理情報処理部1007と、を備えている。管理情報処理部1007は、設定変更判定部1008を有している。
認識処理部1005は、設定用ラベル401または食品ラベル302の画像(例えば、図3から図6参照)から、加熱量および加熱時間に関する情報を得る。認識処理部1005は、設定用ラベル401または食品ラベル302を識別する。
そして、認識処理部1005は、設定用ラベル401または食品ラベル302の加熱制御文字対象領域303において、文字認識を行い、加熱量および加熱時間の情報を得る。または、認識処理部1005は、食品ラベル302のバーコード対象領域304においてバーコードの認識を行い、バーコードに対応して、あらかじめ情報蓄積部1006に登録された、加熱量および加熱時間の情報を得る。
情報蓄積部1006は、認識処理部1005が認識処理を行った加熱制御文字情報と関連付けされた、管理情報を蓄積している。さらに、管理情報には、優先順位および処理実行可否等といった情報も関連付けされている。
管理情報処理部1007は、情報蓄積部1006に蓄積されている管理情報の処理実行可否および優先順位等に従って、加熱制御を行うか、設定変更行うかの判定を行う。具体的には、管理情報処理部内の設定変更判定部1008により、どの順序で、設定変更および加熱制御等を行うかの判定を行う。管理情報処理部1007は、設定変更判定部1008の判定結果に基づいて、制御部1004において、加熱制御処理および設定変更処理等を順々に実施する。
設定変更判定部1008は、各管理情報における優先順位の決定だけでなく、認識処理部において特殊な記号を認識した場合には、他に認識した加熱制御情報に対する処理は実行せずに、記号の付加された加熱制御文字情報だけの処理の実行を行ったり、加熱制御文字情報に記載されていない加熱処理および設定処理等の実行を判定したりすることも可能である。
具体的には、例えばある食品301を追加加熱したいときに、食品ラベル記載のある食品301と同時に、設定用ラベル1101が投入された場合には、設定用ラベル1101に記載された加熱情報だけが読み取られて加熱制御が行われたり、さらに特殊な記号の記載された加熱制御情報が読み取られた場合には、その加熱量にて、短時間の加熱制御が行われたりする。
なお、設定変更判定部1008は、管理情報処理部1007の一部の機能として構成されていると説明したが、管理情報処理部1007と設定変更判定部1008とは別々の機能構成としてもよいし、認識処理部1005の構成または機能の一部として構成されてもよい。また、認識処理部1005と設定変更判定部1008とは、制御部1004の構成または機能の一部として構成されていてもよい。
図13および図14は、本開示の第2の実施の形態における加熱調理器200での画像認識処理における、設定用ラベル1101,1102の一例を示す図である。
具体的には、これらの図は、加熱調理庫104内における、複数の設定変更処理を行うための設定用ラベル1101,1102のイメージの例を示すものであり、画像認識処理における文字認識の例を示す図である。
図13では、設定用ラベル1101に、加熱制御情報(加熱量、加熱時間)の表示フォーマットを利用して、加熱量に該当する数字、および、その加熱量に応じた加熱時間に該当する数字の部分に、管理情報に関する情報が記載されている。
具体的には、設定用ラベル1101には、2種類の加熱制御情報が記載されている。第1の加熱制御情報には、加熱量が「1111W」、加熱時間には「1分1秒」と記載されており、加熱量の数字に該当する箇所は「1111」であり、図9の情報変換テーブルより、識別ID1「1111」は「調理パラメータ設定」に関する処理内容が記載されている。また、加熱時間は「1分1秒」と記載されており、加熱時間の「分」の数字に該当する箇所には、識別ID2の情報「1」が、加熱時間の「秒」の数字に該当する箇所には、識別ID3の情報「1」がそれぞれ記載されており、図10の情報変換テーブルにより、調理メニューID「0101」の設定に関する設定内容が記載されている。
また、第2の加熱制御情報には、加熱量が「2222W」、加熱時間が「2分1秒」と記載されており、加熱量の数字に該当する箇所は「2222」であり、識別ID1「2222」は「カメラ撮影回数取得」に関する処理内容が記載されている。また、加熱時間の「2分1秒」も、設定用ラベル401と同様に、加熱時間の「分」の数字に該当する箇所には識別ID2の情報「2」が、加熱時間の「秒」の数字に該当する箇所には識別ID3の情報「1」がそれぞれ記載されている。
また、図14においては、図13と同様の記載方法で、管理情報に関する情報が記載されている。具体的には、設定用ラベル1102には、4種類の加熱制御情報が記載されている。
第1の加熱制御情報から第4の加熱制御情報それぞれには、同じ加熱量「5111W」が記載されており、加熱量の数字に該当する箇所は「5111」であり、識別ID1「5111」は、図9の情報変換テーブルより「カメラチェック」に関する処理内容が記載されている。第1の加熱制御情報から第4の加熱制御情報の記載において、加熱時間にはそれぞれ「1分1秒」「1分2秒」「2分1秒」「2分2秒」と記載されている。
なお、設定用ラベル1101,1102の記載においては、使用者により、どの設定内容を変更しようとしているか認識が可能なフォーマット(例えば「調理パラメータ設定用」等の文字または画像がラベルに表示されているフォーマット)で記載されていてもよいし、加熱量、および、その加熱量に応じた加熱時間に応じたバーコードとして記載されていてもよい。
図15は、本開示の第2の実施の形態における画像認識処理を示すフローチャートである。
図15において、加熱調理庫104の庫内に食品301または設定用ラベル1101が投入されると、撮影部1003は、加熱調理庫104の庫内の画像を撮影する(S1201)。
撮影部1003によって撮影された画像から、認識処理部1005は、加熱対象となる食品301の加熱制御情報を検出し、取得する(S1202)。
さらに、認識処理部205は、検出された加熱制御情報(加熱量、加熱時間等)が、複数存在するかどうかを判定する(S1203)。検出された加熱制御情報が複数存在しない場合(S1203のNo)には、図7における、加熱制御情報が1つしか存在しないフロー(X)と同様になるので、ここでは処理フローの説明は割愛する。
検出された加熱制御情報が複数存在する場合(S1203のYes)には、情報蓄積部1006に蓄積されている設定変更判定テーブルより、処理順位の判定が、設定変更判定部1008にて行われる。設定変更判定部1008では、認識処理部1005にて認識された複数の加熱制御情報それぞれに関連付けされている管理情報の優先度をもとに、どの順序で設定変更および加熱制御等を行うか、または実行しないか等の判定を行う。さらに、図8の操作表示パネル601等の表示内容により、実行順序の確認および処理実行可否の確認を行う(S1204)。
実行順序に問題がない場合(S1205のYes)には、加熱制御情報が、加熱しようとする食品1403の正しい加熱制御情報であるかどうかが判定される(S1206)。
画像認識処理の対象となる食品1403の加熱制御情報が正しい加熱情報である場合(S1206のYes)には、制御部1004は、認識処理部1005によって解析された加熱制御情報に基づいて、加熱制御を行う。この際、制御部1004は、加熱制御情報および対応する管理情報に係る情報のうち少なくともいずれかを、加熱情報表示部102に表示する。
使用者は、加熱情報表示部102の表示内容から、加熱制御情報が、加熱しようとする食品1403の正しい加熱制御情報であるかどうかを確認した後、使用者は、操作部1002によって、その確認結果に基づき、加熱開始ボタン等の押下操作を実施することで、対象となる食品1403の加熱が実行される(S1208)。
これにより、加熱調理器100において、加熱制御情報に含まれる加熱量で、加熱制御情報に含まれる加熱時間の間、食品1403に対する加熱調理が行われる。
ステップS1206において、設定用ラベル1101の加熱制御情報である、または、加熱対象である食品1403の正しい加熱制御情報ではないと判定された場合(S1206のNo)には、まず情報蓄積部1006に蓄積された加熱情報変換テーブルにより、認識された加熱制御情報が、管理情報に関連付けされていないかどうかを確認して、関連付けされている管理情報があれば、その管理情報が取得される(S1207)。
ステップS1207において、制御部1004の制御指示に従い、管理情報処理部1007は、情報蓄積部1006において、加熱制御情報に関連付けされている管理情報に基づいて、設定変更処理を行う。
この際、制御部1004は、加熱制御情報、および、対応する管理情報に係る情報等を、加熱情報表示部102に表示する。
使用者は、加熱情報表示部102の表示内容から、加熱制御情報が、設定用ラベル1101の管理情報であるかどうかを確認した後、使用者は、操作部1002によって、その確認結果に基づき、操作決定ボタン等の押下操作を実施することにより、対象となる設定変更処理が実行される(S1208)。
これにより、加熱調理器200において、加熱制御情報に関連付けされた管理情報に基づいて、設定変更処理が行われる。
なお、本実施の形態では、加熱調理の開始は、S1208ステップにおいて、加熱開始または操作決定ボタンが押下された後としているが、使用者の操作の負担を軽減する観点から、加熱情報または操作管理情報が正しいと判別できる場合(S1206のYesおよびS1207)には、加熱調理器200は、加熱調理または設定処理を自動的に開始するよう構成されていてもよい。
ステップS1208の後、ステップS1209では、残処理があるか否かが判定され、残処理がある場合(S1209、Yes)には、ステップS1206に進む。残処理がない場合(S1209,No)には、処理を終了する。
図16は、本開示の第2の実施の形態の加熱調理器のカメラチェックにおける、被加熱物の加熱制御情報、ならびに、カメラ管理情報、および、それらの優先順位との関連付けに関するテーブル(設定変更判定テーブル)の一例を示す図である。
加熱調理器のカメラチェックにおける、被加熱物の加熱制御情報と調理メニュー管理情報との関連付けテーブル1301は、図16に示すように、被加熱物の加熱制御文字の加熱量を識別するID1(本実施の形態では、加熱ワット数(W)に該当)、加熱時間を識別するID2(本実施の形態では、加熱時間(分)に該当)、ID3(本実施の形態では、加熱時間(秒)に該当)、および、加熱調理庫104内の設定処理内容を含む。
図16において、例えば、識別ID2が「1」、識別ID3が「1」の場合は、カメラのシャープネス機能「ON」の設定処理が行われ、識別ID2が「1」、識別ID3が「2」の場合は、カメラのシャープネス機能「OFF」の設定処理が行われる。また、識別ID2が「2」、識別ID3が「1」の場合は、カメラの露光時間「1/200秒」の設定処理が行われ、識別ID2が「2」、識別ID3が「2」の場合は、カメラの露光時間「1/100秒」の設定処理が行われる。
なお、識別ID2および識別ID3には、通常の加熱制御には使用しない数値(60より大きい数字等)を利用して、設定処理の割り当てが行われることが望ましい。また、認識処理部1005にて数字の誤認識を招かないように、各数字が選択されることが、より望ましい。情報蓄積部1006には、識別ID1、識別ID2、および識別ID3と、設定処理内容とが関連付けされて、蓄積されている。
具体的には、図14の記載例では、4つの加熱制御文字が記載されており、それぞれ上から順に「識別ID2、識別ID3」の値は「1,1」、「1,2」「2,1」「2,2」が認識される。よって、関連付けテーブル1301より、それぞれの設定内容は、「シャープネス:ON」、「シャープネス:OFF」、「露光時間:1/200秒」、「露光時間:1/100秒」となる。さらに、それぞれの優先順位については、上から順に「1」、「2」、「100」、「101」となっているので、処理順序も「シャープネス:ON」、「シャープネス:OFF」、「露光時間:1/200秒」、「露光時間:1/100秒」の順に、設定処理が行われることになる。
なお、本記載例では、設定処理のみを、優先順位順に設定するとしているが、設定処理後に、撮影部1003による画像撮影等の制御処理が合わせて行われてもよいし、加熱制御と組み合わせて実施されてもよい。また、制御部1004の制御処理に従い、複数の設定処理について、同時に処理されてもよいし、最初の設定処理が終わるまで、次の設定処理は実行されないとしてもよい。
(第3の実施の形態)
本開示の第3の実施の形態における加熱調理器の一例である電子レンジについて説明する。本開示の第3の実施の形態では、第2の実施の形態と同様の構造、機能構成および制御方法については、その説明を省略する。
図17から図19は、それぞれ、本開示の第3の実施の形態における加熱調理器での画像認識処理における、設定用ラベル1401,1402の一例を示す図である。
具体的には、これらの図面は、加熱調理庫104内における、優先的な加熱制御処理を行うための設定用ラベル1401,1402のイメージの例を示すものであり、画像認識処理におけるバーコード認識および文字認識の例を示す図である。
図17は、加熱処理の設定用ラベル1401に、加熱制御情報(加熱量、加熱時間)の表示フォーマットを利用して、加熱量に該当する数字、および、その加熱量に応じた加熱時間に該当する数字の部分に、管理情報に関する情報が記載されている。
具体的には、設定用ラベル1401内の加熱量の数字の箇所には、「1222」と記載されており、図9の情報変換テーブルにより、識別ID1「1222」は「追加加熱設定」に該当する。また、加熱時間には「0分12秒」と記載されており、加熱時間の「分」の数字に該当する箇所には、識別ID2の情報「0」が、加熱時間の「秒」の数字に該当する箇所には、識別ID3の情報「12」がそれぞれ記載されている。追加加熱設定を行う場合には、その他に加熱制御情報の読み取りが行われていても、こちらの読み取り情報のみを優先的に行うこととしてもよい。
具体的には、認識処理部1005にて「1222W 0分12秒」と認識された場合、情報蓄積部1006に蓄積されている情報変換テーブルおよび優先度に基づき、設定変更判定部1008によって、この場合、追加加熱制御以外の複数の加熱制御情報があった場合でも、追加加熱制御情報の処理のみの処理が優先される。管理情報処理部1007は、設定変更判定部1008の処理結果に基づいて、制御部1004において、追加加熱制御を実施させる。
また、図18では、図17と同様の記載方法で、加熱処理管理情報に関する情報が記載されている。具体的には、設定用ラベル1402には、2つの特殊記号「■」に囲まれた1種類の加熱制御情報が記載されている。特殊記号「■」を除く加熱制御情報には、加熱量が「1900W」、加熱時間には「0分35秒」と記載されている。具体的な処理については、図19を用いて説明する。
図19は、食品1403に、食品ラベル1404がもともと貼り付けされている例である。さらに、図18で説明した特殊記号「■」の記載された設定用ラベル1402と同等の食品ラベル1404が、食品1403上に貼付されている。この場合、認識処理部1005にて、食品ラベル1404に記載されている加熱制御情報、および、特殊記号「■」の記載された食品ラベル1404に記載されている加熱制御情報の2つの制御情報が読み取られる。設定変更判定部1008において、特殊記号「■」が記載されている場合は、本加熱制御情報を優先して行うため、食品ラベル1404に記載されている加熱制御情報は行わず、特殊記号「■」の記載されている加熱制御情報である「1900W 0分35秒」の処理のみを行うように判別される。制御部1004は、管理情報処理部1007内の設定変更判定部1008の判定結果に基づき、「1900W 0分35秒」の加熱制御を、加熱部1001に実施させる。
このような構成により、読み取られた加熱制御情報に関連付けられて、予め登録されている追加加熱、および時短加熱等の、加熱制御に関する管理情報に基づき、被加熱物に適した加熱制御条件で、被加熱物を加熱調理することが可能である。
なお、上述した第3の実施の形態は、第1の実施の形態および第2の実施の形態のうち、少なくともいずれかと組合せて実施可能である。