以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
また、本明細書及び図面において、X軸、Y軸及びZ軸は、三次元直交座標系の三軸を表しており、X軸及びY軸は、互いに直交し、かつ、いずれもZ軸に直交する軸である。説明の便宜上、前後方向をX軸方向と一致させ、左右方向をY軸方向と一致させ、上下方向をZ軸方向と一致させ、重力方向(下方向)をZ軸マイナス方向と一致させているが、この対応付けは、本開示に係る液晶表示装置の製造時又は使用時における姿勢を限定するものではない。また、重力方向(下方向)をZ軸マイナス方向と一致させている。また、例えば、以下の実施の形態において、「平面視」とは、X軸方向から見ることを意味する。
また、本明細書において、平行などの要素間の関係性を示す用語、および、矩形などの要素の形状を示す用語、並びに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
(実施の形態1)
以下、図1~図8Bを用いて、本実施の形態を説明する。
[1.液晶表示装置の構成]
まずは、本実施の形態に係る液晶表示装置10の構成について、図1~図3を参照しながら説明する。液晶表示装置10は、静止画及び動画(以下、これらをまとめて画像とも記載する)を表示する表示装置である。液晶表示装置10は、例えば、液晶テレビであるがこれに限定されない。
図1は、本実施の形態に係る液晶表示装置10の外観斜視図である。図2は、図1のII-II線における、本実施の形態に係る液晶表示装置10の断面図である。図3は、本実施の形態に係る液晶表示装置10の概略構成を示す模式図である。
図1~図3に示すように、液晶表示装置10は、液晶表示部100と、制御部180と、パネルホルダ190と、光学シートユニット200と、LED基板210と、バックライトシャーシ220と、筐体230と、スタンド240とを備える。
図2に示すように、液晶表示部100は、第1表示パネル110と、第2表示パネル140とを有する。本開示における液晶表示装置10は、2枚の表示パネルが貼り合わされて構成される(具体的には、2枚の液晶パネルが貼り合わされて構成される)液晶表示部100を有する。
第1表示パネル110は、第1液晶パネル121と、第1ソースFPC122と、第1ソースドライバ123と、第1ソース基板124と、第1制御FPC125と、第1ゲートドライバ126と、第1制御基板130とを有する表示モジュールである。第1表示パネル110は、観察者に近い位置(前側)に配置されたメインパネルである第1液晶パネル121を有し、ユーザが視認する画像を表示する。なお、第1液晶パネル121、第1ソースFPC122と、第1ソースドライバ123と、第1ソース基板124とを合わせて、第1表示部120(液晶モジュール)とも記載する。また、第1表示パネル110は、上記の構成要素を全て有することに限定されず、少なくとも第1液晶パネル121を有していればよい。
第1液晶パネル121は、ユーザが視認する画像としてカラー画像を表示する。第1液晶パネル121は、液晶が封入された液晶セルを備える液晶パネルである。第1液晶パネル121には、第1ソースFPC122及び第1ゲートFPC(図示しない)が接続されている。第1ソースFPC122及び第1ゲートFPCは、例えば、異方性導電性フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)を用いた熱圧着によって第1液晶パネル121の各種信号線の電極端子と接続されている。
第1ソースFPC122には、第1ソースドライバ123が実装されており、第1ゲートFPCには、第1ゲートドライバ126が実装されている。また、第1ソースFPC122には、第1ソース基板124が接続されている。第1ソース基板124は、複数の電子部品が実装されたプリント基板(PCB:Printed Circuit Board)であり、第1制御基板130に実装された第1タイミングコントローラ131から出力された各種信号を第1ソースFPC122の第1ソースドライバ123に伝達する機能を有する。なお、第1液晶パネル121の駆動方式は、例えばIPS方式等の横電界方式であるが、これに限るものではなく、VA(Vertical Alignment)方式又はTN(Twisted Nematic)方式等であってもよい。
第1タイミングコントローラ131は、制御部180から出力される画像データと制御信号とに基づいて、第1ソースドライバ123及び第1ゲートドライバ126に出力する各種信号(画像データ信号及び第1ソースドライバ123及び第1ゲートドライバ126の駆動を制御するためのタイミング信号)を生成する。第1タイミングコントローラ131は、画像データ及びタイミング信号を第1ソースドライバ123に出力し、タイミング信号を第1ゲートドライバ126に出力する。第1ソースドライバ123には、第1ソース基板124を介して各種信号が入力される。
第1ソースドライバ123は、入力されたタイミング信号に基づいて、画像データ信号に応じたデータ電圧(データ信号)を第1液晶パネル121のソース配線(図示しない)に出力する。また、第1ゲートドライバ126は、タイミング信号に基づいて、ゲート電圧(ゲート信号)を第1液晶パネル121のゲート配線(図示しない)に出力する。これにより、カラー画像が第1液晶パネル121に表示される。
また、第1タイミングコントローラ131は、第1液晶パネル121に検査用のパターンを表示させるための信号を生成する第1パターンジェネレータ131aを有する。第1パターンジェネレータ131aは、第1タイミングコントローラ131が制御部180から検査用パターンを出力することを示す信号(図3に示すPG_EN)を取得すると、第1表示部120に対して検査用のパターンを表示するための信号を出力する。なお、本明細書においてパターンとは、模様のない表示も含む。
第2表示パネル140は、第2液晶パネル151と、第2ソースFPC152と、第2ソースドライバ153と、第2ソース基板154と、第2制御FPC155と、第2ゲートドライバ156と、第2制御基板160とを有する表示モジュールである。第2表示パネル140は、第1表示パネル110よりも観察者から遠い位置(後側)に配置されたサブパネルである第2液晶パネル151を有する。具体的には、第2液晶パネル151は、第1液晶パネル121よりも観察者から遠い位置に配置される。なお、第2液晶パネル151、第2ソースFPC152と、第2ソースドライバ153と、第2ソース基板154とを合わせて、第2表示部150(液晶モジュール)とも記載する。また、第2表示パネル140は、上記の構成要素を全て有することに限定されず、少なくとも第2液晶パネル151を有していればよい。
第2表示パネル140は、第1表示パネル110に表示されるカラー画像に対応した画像のモノクロ画像(白黒画像)を、そのカラー画像に同期させて表示する。第2液晶パネル151は、液晶が封入された液晶セルを備える液晶パネルである。第2液晶パネル151は、第2ソースFPC152及び第2ゲートFPC(図示しない)が接続されている。第2ソースFPC152及び第2ゲートFPCは、例えば、異方性導電性フィルムを用いた熱圧着によって第2液晶パネル151の各種信号線の電極端子と接続されている。
第2ソースFPC152には、第2ソースドライバ153が実装されており、第2ゲートFPCには、第2ゲートドライバ156が実装されている。また、第2ソースFPC152には、第2ソース基板154が接続されている。第2ソース基板154は、複数の電子部品が実装されたプリント基板(PCB)であり、第2制御基板160に実装された第2タイミングコントローラ161から出力された各種信号を第2ソースFPC152の第2ソースドライバ153に伝達する機能を有する。
第2タイミングコントローラ161は、制御部180から出力される画像データと制御信号とに基づいて、第2ソースドライバ153及び第2ゲートドライバ156に出力する各種信号(画像データ信号及び第2ソースドライバ153及び第2ゲートドライバ156の駆動を制御するためのタイミング信号)を生成する。第2タイミングコントローラ161は、画像データ及びタイミング信号を第2ソースドライバ153に出力し、タイミング信号を第2ゲートドライバ156に出力する。第2ソースドライバ153には、第2ソース基板154を介して各種信号が入力される。
第2ソースドライバ153は、入力されたタイミング信号に基づいて、画像データ信号に応じたデータ電圧(データ信号)を第2液晶パネル151のソース配線(図示しない)に出力する。また、第2ゲートドライバ156は、タイミング信号に基づいて、ゲート電圧(ゲート信号)を第2液晶パネル151のゲート配線(図示しない)に出力する。これにより、モノクロ画像が第2液晶パネル151に表示される。
また、第2タイミングコントローラ161は、第2液晶パネル151に検査用のパターンを表示させるための信号を生成する第2パターンジェネレータ161aを有する。第2パターンジェネレータ161aは、第2タイミングコントローラ161が制御部180から検査用パターンを出力することを示す信号(図3に示すPG_EN)を取得すると、第2表示部150に対して検査用のパターンを表示するための信号を出力する。
第1液晶パネル121及び第2液晶パネル151は、マトリクス状に区画された複数の画素によって構成されている。第1液晶パネル121の画素数と第2液晶パネル151の画素数とは同じであってもよいし異なっていてもよいが、メインパネルである第1液晶パネル121における画素数を、サブパネルである第2液晶パネル151における画素数よりも多くするとよい。
また、第1液晶パネル121を構成する複数の画素のそれぞれは、複数のサブ画素を有する。例えば、複数のサブ画素はそれぞれ、異なる色の光を出射する。本実施の形態では、複数の画素のそれぞれは3つのサブ画素を有する。具体的には、複数の画素のそれぞれは、赤色を出射するサブ画素(R画素)、緑色を出射するサブ画素(G画素)、及び、青色を出射するサブ画素(B画素)を有する。
第1液晶パネル121と第2液晶パネル151とは接着層170によって貼り合わされている。具体的には、第1液晶パネル121の裏面側の偏光板と第2液晶パネル151の前面側の偏光板とが接着層170によって接着されている。接着層170としては、例えば、光学粘着シート(OCA:Optically Clear Adhesive)等の透明接着剤を用いることができる。なお、第1液晶パネル121と第2液晶パネル151とは接着層170によって貼り合わされていることは、第1液晶パネル121と第2液晶パネル151とが重ね合わされていることに含まれる。なお、第1液晶パネル121と第2液晶パネル151とが所定の空間を開けて、第1液晶パネル121と第2液晶パネル151とが平行となるように固定されている場合も、第1液晶パネル121と第2液晶パネル151とが重ね合わされていることに含まれる。
制御部180は、外部のシステム(図示せず)から送信された入力映像信号データを受信し、所定の画像処理を実行した後、第1タイミングコントローラ131にカラー画像を表示するための画像データを出力するとともに、第2タイミングコントローラ161にモノクロ画像を表示するための画像データを出力する。また、制御部180は、第1タイミングコントローラ131と第2タイミングコントローラ161に、第1液晶パネル121で表示させるカラー画像と第2液晶パネル151で表示させるモノクロ画像とを同期させるための同期信号を含む制御信号を出力する。
また、制御部180は、さらに、液晶表示装置10の表示不良等のための検査を行うことを示す信号を取得すると、第1タイミングコントローラ131及び第2タイミングコントローラ161にPG_EN信号を出力して、第1液晶パネル121及び第2液晶パネル151に検査用パターンを表示させる。
制御部180は、CPU等の演算処理回路と、ROMやRAM等のメモリとを備える制御装置である。制御部180は、CPUがメモリに格納されたプログラムを読み出して実行することにより各種の処理を実行する。
パネルホルダ190は、液晶表示部100を支持し、かつ、光学シートユニット200及びLED基板210を、バックライトシャーシ220とで挟持する。
光学シートユニット200は、複数種類の光学特性の異なるシートを重ねて構成される。光学特性の異なるシートとは、例えば、縦方向のプリズムシート、横方向のプリズムシート、及び拡散シートである。これにより、点光源であるLED(Light Emitting Diode)の配光を変えて第1液晶パネル121及び第2液晶パネル151全体にほぼ均一な配光で光を照射することができる。
LED基板210は、液晶表示装置10のバックライトの光源である複数のLEDが配置された基板である。本実施の形態では、LED基板210は、第2液晶パネル151の後側に配置される。本実施の形態において、バックライトは、LEDを光源とするLEDバックライトであるが、これに限るものではない。また、バックライトは、液晶表示部100に対面するようにLEDがLED基板210上に二次元状に配列された直下型のLEDバックライトであるが、エッジ型であってもよい。
バックライトシャーシ220は、上述のパネルホルダ190とで、光学シートユニット200及びLED基板210を挟持する。
筐体230は、液晶表示部100(具体的には、第1液晶パネル121)の前面以外の部分を覆う。筐体230は、ポリカーボネートやポリスチレン等の樹脂やアルミニウム合金等の金属が用いられる。
スタンド240は、各構成要素が収容された筐体230を支持する。
[2.検査方法]
次に、本実施の形態に係る液晶表示装置10の検査方法について、図4~図8Bを参照しながら説明する。以下では、液晶表示装置10の検査は、図1に示す組み立てられた状態で実施される例について説明するが、これに限定されない。また、以下では、液晶表示装置10に表示不良が発生しているものとして説明する。
図4は、本実施の形態に係る液晶表示装置10の検査方法を示すフローチャートである。
まず、第1パターンジェネレータ131a、及び、第2パターンジェネレータ161aの動作が開始される(S10)。具体的には、制御部180から第1パターンジェネレータ131aの動作を開始することを示すイネーブル信号(例えば、図3のPG_EN信号)を第1タイミングコントローラ131が取得することで、第1パターンジェネレータ131aの動作が開始される。第1パターンジェネレータ131aの動作とは、検査用のパターンを表示するための信号を第1液晶パネル121に出力することである。また、制御部180から第2パターンジェネレータ161aの動作を開始することを示す信号(例えば、図3のPG_EN信号)を第2タイミングコントローラ161が取得することで、第2パターンジェネレータ161aの動作が開始される。第2パターンジェネレータ161aの動作とは、検査用のパターンを表示するための信号を第2液晶パネル151に出力することである。検査用のパターンについては、後述する。
次に、各種パターンジェネレータから出力される検査用のパターンを用いて表示不良の有無等を検査する第1の検査ステップ(S20)が行われる。第1の検査ステップでは、主に表示品位への影響が大きい光漏れ(例えば、輝点など)による表示不良についての検査が行われる。第1の検査ステップの詳細について、図5~図6Bを参照しながら説明する。
図5は、本実施の形態に係る第1の検査ステップを示すフローチャートである。
第1の検査ステップでは、まず第1パターンジェネレータ131aは、第1表示パネル110に全黒のパターン(全黒表示)を表示させ、第2パターンジェネレータ161aは、第2表示パネル140に全白のパターン(全白表示)を表示させる(S21)。ステップS21は、第1表示パネル110が原因で液晶表示装置10に表示不良が発生しているか否かを検査するためのステップである。なお、全黒とは、第1液晶パネル121の透過率が実質的にゼロ(例えば、階調値がゼロ付近)であることに限定されない。全黒とは、液晶パネルの透過率の最大値の10%以下(例えば、階調値が最大値の10%以下)であることを意味する。また、全白とは、液晶パネルの透過率が最大値の90%以上(例えば、階調値が最大値の90%以上)であることを意味する。また、第1パターンジェネレータ131a及び第2パターンジェネレータ161aは、全黒及び全白表示において、表示パネルを構成する各画素に対して階調値が同じである信号を出力する。なお、ステップS21は、第1表示ステップの一例である。また、第1表示パネル110における全黒の表示は、第1のテストパターンの一例である。また、階調値は、例えば、10bitである場合、0~1023までの値となる。
次に、第1パターンジェネレータ131aは、第1表示パネル110に全白のパターンを表示させ、第2パターンジェネレータ161aは、第2表示パネル140に全黒のパターンを表示させる(S22)。ステップS22は、第2表示パネル140が原因で液晶表示装置10に表示不良が発生しているか否かを検査するためのステップである。なお、ステップS22は、第2表示ステップの一例である。また、第2表示パネル140における全黒の表示は、第2のテストパターンの一例である。
ここで、ステップS21及S22における液晶表示装置10の表示について、図6A及び図6Bを参照しながら説明する。
図6Aは、第1の検査ステップにおいて、第1表示パネル110に表示不良が生じている場合の液晶表示装置10の表示を示す模式図である。図6Aでは、第1表示パネル110の第1液晶パネル121に表示不良として光漏れ部d1が生じているとする。また、第2表示パネル140には、表示不良は発生していないものとする。また、第1表示パネル110に図6Aに示すようなに表示不良が生じる原因としては、第1液晶パネル121自体に異常がある、第1タイミングコントローラ131に異常がある、及び、第1ソースFPC等のフレキシブル基板に異常があることなどが考えられる。
図6Aに示すように、ステップS21では、第1表示パネル110単体では全黒のパターン表示を行っても光漏れ部d1は他の領域に比べ光を透過する。また、第2表示パネル140は全白のパターン表示である。これにより、液晶表示装置10としては、第2表示パネル140の白表示が第1表示パネル110の光漏れ部d1を透過するので、光漏れ部d1の位置だけが白く表示される。よって、第1表示パネル110に表示不良が発生しているとわかる。
また、ステップS22において、第1表示パネル110は全白のパターン表示を行うため、光漏れ部d1は目立ちにくい。また、第2表示パネル140には表示不良は発生していないので、全面にわたって全黒のパターンが表示される。これにより、液晶表示装置10としては、全黒のパターンが表示されるので、第2表示パネル140に表示不良が発生していないことがわかる。
図6Bは、第1の検査ステップにおいて、第2表示パネル140に表示不良が生じている場合の液晶表示装置10の表示を示す模式図である。図6Bでは、第2表示パネル140の第2液晶パネル151に表示不良として光漏れ部d2が発生しているとする。また、第1表示パネル110には、表示不良は発生していないものとする。
図6Bに示すように、ステップS21において、第2表示パネル140は全白のパターン表示を行うため、光漏れ部d2は目立ちにくい。また、第1表示パネル110には表示不良は発生していないので、全面にわたって全黒のパターンが表示される。これにより、液晶表示装置10としては、全黒のパターンが表示されるので、第1表示パネル110に表示不良が発生していないことがわかる。
また、ステップS22では、第2表示パネル140単体では全黒のパターン表示を行っても光漏れ部d2の部分は他の領域に比べ光を透過する。また、第1表示パネル110は全白のパターン表示である。これにより、液晶表示装置10としては、第1表示パネル110の白表示が第2表示パネル140の光漏れ部d2を透過するので、光漏れ部d2の位置だけが白く表示される。よって、第2表示パネル140に表示不良が発生しているとわかる。
図5を再び参照して、ステップS21で異常があった場合(S23でYes)、ステップS24に進み第1表示パネル110が表示不良であると判定される(S24)。つまり、図6Aに示すような表示の場合、ステップS24において、第1表示パネル110に表示不良が発生していると判定される。ステップS23及びS24は、第1表示ステップ(S21)において、液晶表示装置10の表示が、第1表示パネル110が表示する第1のテストパターン以外の表示(例えば、光漏れ部d1など)を含む場合に、第1表示パネル110に異常があると判定する第1判定ステップの一例である。
また、ステップS21で異常がなかった場合(S23でNo)、ステップS25に進み、ステップS22で異常があったか否かの判定が行われる。ステップS22で異常があった場合(S25でYes)、ステップS26に進み第2表示パネル140が表示不良であると判定される(S26)。つまり、図6Bに示すような表示の場合、ステップS26において、第2表示パネル140に表示不良が発生していると判定される。ステップS25及びS26は、第2表示ステップ(S22)において、液晶表示装置10の表示が、第2表示パネル140が表示する第2のテストパターン以外の表示(例えば、光漏れ部d2など)を含む場合に、第2表示パネル140に異常があると判定する第2判定ステップの一例である。
また、ステップS22で異常がなかった場合(S25でNo)、第1の検査ステップの処理を終了する。
これにより、2枚の表示パネルを有する液晶表示装置10において、液晶表示装置10を分解することなく非破壊で2枚の表示パネルのどちらに表示不良が発生しているかを特定することができる。第1の検査ステップにおいて、表示不良の特定は、検査員などによる目視により行われる。なお、表示不良の特定は、専用の検査機(例えば、面内輝度計など)を用いて行われてもよい。
なお、ステップS25でNoであった場合、液晶表示部100が原因で液晶表示装置10に表示不良が発生していないと判定してもよい。
図4を再び参照して、次に第1の検査ステップで異常があった場合(S30でYes)、つまり図5においてステップS23又はS25でYesであった場合、液晶表示装置10の検査を終了する。また、第1の検査ステップで異常がなかった場合(S30でNo)、つまり図5においてステップS23及びS25でNoであった場合、さらにステップS40以降の工程が行われる。なお、ステップS30以降の工程は、行われなくてもよい。
第2の検査ステップ(S40)では、主に黒点等の遮光部による表示不良についての検査が行われる。第2の検査ステップの詳細について、図7~図8Bを参照しながら説明する。
図7は、本実施の形態に係る第2の検査ステップを示すフローチャートである。
第2の検査ステップでは、第1パターンジェネレータ131a及び第2パターンジェネレータ161aは、第1表示パネル110及び第2表示パネル140に全白のパターンを表示させる(S41)。ステップS41は、第1表示パネル110及び第2表示パネル140に黒点等の表示不良が発生しているか否かを検査するためのステップである。ステップS41は、第3表示ステップの一例である。また、第1表示パネル110における全白のパターン表示は、第1のテストパターンの一例である。第2表示パネル140における全白のパターン表示は、第2のテストパターンの一例である。
ここで、ステップS41における液晶表示装置10の表示について、図8A及び図8Bを参照しながら説明する。図8A及び図8Bでは、ステップS21、S22、S41における表示を示している。
図8Aは、第2の検査ステップにおいて、第1表示パネル110に表示不良が生じている場合の液晶表示装置10の表示を示す模式図である。図8Aでは、第1表示パネル110の第1液晶パネル121に表示不良として遮光部d3が発生しているとする。また、第2表示パネル140には、表示不良は発生していないものとする。
図8Aに示すように、ステップS21では、第1表示パネル110が全黒のパターン表示を行うため、遮光部d3は目立ちにくい。また、第2表示パネル140は、全白のパターン表示である。これにより、液晶表示装置10としては、全黒のパターン表示となり、遮光部d3を検出することが難しい。
また、ステップS22では、第1表示パネル110は全白のパターン表示を行うので、当該第1表示パネル110単体では遮光部d3が現れる。また、第2表示パネル140は全黒のパターン表示である。これにより、液晶表示装置10としては、全黒のパターン表示となり、遮光部d3を検出することが難しい。
そこで、ステップS41において、第1表示パネル110及び第2表示パネル140ともに全白のパターン表示を行う。これにより、液晶表示装置10としては、第1表示パネル110の遮光部d3の部分において第2表示パネル140からの光が遮光されるので、遮光部d3の位置だけが黒く表示される。よって、第1表示パネル110に表示不良が発生しているとわかる。
図8Bは、第2の検査ステップにおいて、第2表示パネル140に表示不良が生じている場合の液晶表示装置10の表示を示す模式図である。図8Bでは、第2表示パネル140の第2液晶パネル151に表示不良として遮光部d4が発生しているとする。また、第1表示パネル110には、表示不良は発生していないものとする。
図8Bに示すように、ステップS21では、第2表示パネル140が全白のパターン表示を行うので、当該第2表示パネル140単体では遮光部d4が現れる。また、第1表示パネル110は全黒のパターン表示である。これにより、液晶表示装置10としては、全黒のパターン表示となり、遮光部d4を検出することが難しい。
また、ステップS22では、第2表示パネル140が全黒のパターン表示を行うため、遮光部d4は目立ちにくい。また、第1表示パネル110は全白のパターン表示である。これにより、液晶表示装置10としては、全黒のパターン表示となり、遮光部d4を検出することが難しい。
そこで、ステップS41において、第1表示パネル110及び第2表示パネル140ともに全白のパターン表示を行う。これにより、液晶表示装置10としては、第2表示パネル140の遮光部d4の部分において光源(例えば、バックライト)からの光が遮光されるので、遮光部d4の位置だけが黒く表示される。よって、第2表示パネル140に表示不良が発生しているとわかる。
なお、図8A及び図8Bに示すステップS41において、第1表示パネル110及び第2表示パネル140のどちらに表示不良が発生しているかの判定は、例えば、専用の検査機において当該検査機のピントの調整などにより判定可能である。具体的には、専用の検査機のピントを第1表示パネル110に合わせた状態で遮光部d3のピントが合えば、当該遮光部d3は第1表示パネル110に発生しているとわかる。また、専用の検査機のピントを第2表示パネル140に合わせた状態で遮光部d4のピントが合えば、当該遮光部d4は第2表示パネル140に発生しているとわかる。また、検査員が検査している場合、例えば、ルーペ等による確認により上記と同様に特定可能である。なお、第1表示パネル110及び第2表示パネル140のどちらに表示不良が発生しているかの判定方法は、上記に限定されない。
図7を再び参照して、ステップS41で第1表示パネル110に異常があった場合(S42でYes)、ステップS43に進み第1表示パネル110が表示不良であると判定される(S43)。つまり、図8Aに示すような表示の場合、ステップS43において、第1表示パネル110に表示不良が発生していると判定される。ステップS42及びS43は、第3表示ステップ(S41)において、液晶表示装置10の表示が、第1表示パネル110が表示する全白以外の表示(例えば、遮光部d3など)を含む場合に、第1表示パネル110に異常があると判定する第3判定ステップの一例である。
また、ステップS41で第2表示パネル140に異常がなかった場合(S42でNo)、ステップS44に進み、ステップS41で第2表示パネル140に異常があったか否かの判定が行われる。ステップS41で第2表示パネル140に異常があった場合(S44でYes)、ステップS45に進み第2表示パネル140が表示不良であると判定される(S45)。つまり、図8Bに示すような表示の場合、ステップS45において、第2表示パネル140に表示不良が発生していると判定される。ステップS44及びS45は、第3表示ステップ(S41)において、液晶表示装置10の表示が、第2表示パネル140が表示する全白以外の表示(例えば、遮光部d4など)を含む場合に、第2表示パネル140に異常があると判定する第4判定ステップの一例である。
また、ステップS41で第2表示パネル140に異常がなかった場合(S44でNo)、第2の検査ステップの処理を終了する。つまり、第1表示パネル110及び第2表示パネル140に異常がなかった場合、第2の検査ステップを終了する。
図4を再び参照して、次に第2の検査ステップで異常があるか否かの確認が行われる(S50)。第2の検査ステップで異常があった場合(S50でYes)、つまり図7においてステップS42又はS44でYesであった場合、液晶表示装置10の検査を終了する。また、第2の検査ステップで異常がなかった場合(S50でNo)、つまり図7においてステップS42及びS44でNoであった場合、液晶表示装置10に発生した表示不良は第1表示パネル110及び第2表示パネル140に起因する表示不良ではないと判定される(S60)。例えば、液晶表示装置10の表示不良は、制御部180等の制御回路が原因であると判定されてもよい。
なお、上記では、第1のテストパターンは、全黒のパターンである例について説明したが、これに限定されない。第1のテストパターン及び第2のテストパターンの少なくとも一方は、例えば、市松表示、及び、市松表示の白表示及び黒表示を反転した市松反転の表示の2つの表示を含んでいてもよい。また、第1のテストパターンは、全赤、全緑、及び全青のパターンであってもよい。
なお、上記では、第1のテストパターン及び第2のテストパターンはともに、同じパターン(具体的には、全黒のパターン)である例について説明したが、これに限定されない。第1のテストパターンと第2のテストパターンとは、異なるパターンであってもよい。
なお、上記実施の形態における液晶表示装置10の検査方法は、液晶表示装置10の製造時に実施されてもよい。例えば、第1表示パネル110と、第1表示パネル110に重ね合わせられた第2表示パネル140とを備える液晶表示装置10を準備するステップと、上記の検査方法により液晶表示装置10を検査するステップとを含む液晶表示装置10の製造方法として実現されてもよい。準備するステップでは、例えば、図1に示す液晶表示装置10の完成品を準備してもよいし、筐体230に組み込まれる前の液晶表示部100単体を準備してもよい。また、検査するステップは、当該液晶表示部100に専用の検査機からPG_EN信号を入力することで実施されてもよい。また、専用の検査機は、検査用の光源を有していてもよい。
[3.効果など]
以上のように、本実施の形態に係る液晶表示装置10の検査方法は、第1表示パネル110と、第1表示パネル110に重ね合わせられた第2表示パネル140とを備える液晶表示装置10の検査方法であって、第2表示パネル140に全白のパターンを表示させるとともに、第1表示パネル110に第1のテストパターンを表示させる第1表示ステップ(S21)と、第2表示パネル140に第2のテストパターンを表示させるとともに、第1表示パネル110に全白のパターンを表示させる第2表示ステップ(S22)とを含む。
これにより、第1表示パネルが全白のパターン表示を行っているときの液晶表示装置10の表示から、第2表示パネルに表示不良が発生しているか否かを判定することができる。また、第2表示パネルが全白のパターン表示を行っているときの液晶表示装置10の表示から、第1表示パネルに表示不良が発生しているか否かを判定することができる。よって、本実施の形態に係る液晶表示装置10の検査方法によれば、2つの表示パネルを有する液晶表示装置10において、表示不良が発生している表示パネルを特定することができる。
また、第1のテストパターン及び第2のテストパターンは、全黒のパターンである。
これにより、全黒のパターンであることで、第1表示パネル110及び第2表示パネル140に発生している光漏れによる表示不良を効果的に検出することができる。
また、第1表示ステップ、及び、第2表示ステップにおいて表示不良が検出されなかった場合、さらに、第1表示パネル110、及び、第2表示パネル140に全白のパターンを表示させる第3表示ステップ(S41)を含む。
これにより、黒点等の遮光部による表示不良が発生している場合であっても、当該表示不良を検出することができる。
また、液晶表示装置10は、さらに、光源(例えば、LED基板210を有するバックライト)を備える。そして、第2表示パネル140は、光源側に配置されている。
これにより、液晶表示装置10が組み立てられた状態であっても、第1表示パネル110及び第2表示パネル140のどちらに表示不良が発生しているかを検出することができる。
また、以上のように、本実施の形態に係る液晶表示装置10は、第1表示パネル110と、第1表示パネル110に重ね合わせられた第2表示パネル140とを備える液晶表示装置10である。第1表示パネル110は、第1液晶パネル121と、第1液晶パネル121に検査用の第1のテストパターンを表示させる第1パターンジェネレータ131aとを有する。第2表示パネル140は、第2液晶パネル151と、第2液晶パネル151に検査用の第2のテストパターンを表示させる第2パターンジェネレータ161aとを有する。そして、第1パターンジェネレータ131aは、第2液晶パネル151が全白のパターンを表示しているときに、第1液晶パネル121に第1のテストパターンを表示させ、第2パターンジェネレータ161aは、第1液晶パネル121が全白のパターンを表示しているときに、第2液晶パネル151に第2のテストパターンを表示させる。
これにより、2つの表示パネルを有していても表示不良が発生している表示パネルを特定することができる液晶表示装置10を実現することができる。
(実施の形態2)
以下、図9及び図10を用いて、本実施の形態を説明する。なお、本実施の形態では、実施の形態1との相違点を中心に説明する。また、液晶表示装置10の構成は、実施の形態1と同様であり、説明を省略する。本実施の形態では、実施の形態1の検査方法と第2の検査ステップが異なる。
図9は、本実施の形態に係る第2の検査ステップを示すフローチャートである。なお、図9において、図7と同様のステップにおいては、図7と同様の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。なお、ステップS21では、第1のテストパターンとして、全黒のパターンが表示されていたとする。
図9に示すように、実施の形態1と異なる点は、第2の検査ステップがステップS43の後に第3の検査ステップS140を含む点である。以下において、第3の検査ステップを中心に説明する。図7に示すステップS43において、第1表示パネル110が表示不良と判定され、その表示不良が第1液晶パネル121によるものであった場合、その表示不良が第1液晶パネル121を構成するR画素、G画素、及び、B画素のどのサブ画素の欠陥により発生しているかを全白のパターンで特定することは難しい。そこで、第1表示パネル110の表示不良がR画素、G画素、及び、B画素のどのサブ画素の異常により発生しているかを特定するために第3の検査ステップが行われる。第3の検査ステップについて、図10を参照しながら説明する。
図10は、本実施の形態に係る第3の検査ステップを示すフローチャートである。
図10に示すように、第3の検査ステップでは、第1表示パネル110において、R画素、G画素、B画素をそれぞれ点灯させる。具体的には、第3の検査ステップでは、まず第1表示パネル110を全赤のパターン表示とし、第2表示パネル140を全白のパターン表示とする(S141)。つまり、ステップS141では、第1液晶パネル121を構成するR画素、G画素、及び、B画素のうち、R画素のみを点灯(透過)させる。これにより、R画素において欠陥が発生しているか否かを検査することができる。
次に、第1表示パネル110を全緑のパターン表示とし、第2表示パネル140を全白のパターン表示とする(S142)。つまり、ステップS142では、第1液晶パネル121を構成するR画素、G画素、及び、B画素のうち、G画素のみを点灯させる。これにより、G画素において欠陥が発生しているか否かを検査することができる。
次に、第1表示パネル110を全青のパターン表示とし、第2表示パネル140を全白のパターン表示とする(S143)。つまり、ステップS143では、第1液晶パネル121を構成するR画素、G画素、及び、B画素のうち、B画素のみを点灯させる。これにより、B画素において欠陥が発生しているか否かを検査することができる。なお、ステップS141~S143は、第4表示ステップの一例である。
そして、ステップS141~S143の表示結果から、R画素、G画素、B画素のいずれの異常であるかを判定する(S144)。ステップS144は、第4表示ステップ(S141~S143)において、液晶表示装置10の表示が、第1表示パネル110が表示する全赤、全緑、及び、全青の表示のそれぞれにおいて、当該表示以外の表示(例えば、欠陥による黒表示など)を含む場合に、当該表示を形成しているサブ画素に異常があると判定する第5判定ステップの一例である。ステップS144では、例えば、第1表示パネル110の表示が全赤である場合に、液晶表示装置10の表示として当該全赤以外の表示(例えば、黒表示)を含むとき、R画素に異常があると判定する。
なお、第4表示ステップは、全赤、全緑、及び、全青の表示の少なくとも1つを含んでいればよい。
以上のように、本実施の形態に係る液晶表示装置10の検査方法は、第2表示パネル140に全白のパターンを表示させるとともに、第1表示パネル110に全赤、全緑、全青のパターンの少なくとも1つを表示させる第4表示ステップをさらに含む。
これにより、第1表示パネル110の第1液晶パネル121に異常がある場合、当該異常がR画素、G画素、及び、B画素のどのサブ画素の欠陥によって発生しているかを特定することができる。
(実施の形態3)
以下、図11~図15Bを用いて、本実施の形態を説明する。なお、本実施の形態では、実施の形態1との相違点を中心に説明する。また、液晶表示装置10の構成は、実施の形態1と同様であり、説明を省略する。本実施の形態では、実施の形態1の検査方法と第2の検査ステップが異なる。
図11は、本実施の形態に係る第2の検査ステップを示すフローチャートである。なお、図11において、図7と同様のステップにおいては、図7と同様の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
図11に示すように、実施の形態1と異なる点は、第2の検査ステップがステップS44でNoである場合に、第4の検査ステップ(S240)を含む点である。以下において、第4の検査ステップを中心に説明する。なお、ステップS22では、第2のテストパターンとして、全黒のパターンが表示されていたとする。
第4の検査ステップは、第1の検査ステップ及びステップS41において、第1表示パネル110及び第2表示パネル140に異常がない場合に実施される。第4の検査ステップは、第1表示パネル110及び第2表示パネル140の異常の有無を、第1の検査ステップ及びステップS41とは異なる表示を用いてさらに検査するためのステップである。第4の検査ステップについて、図12~図15Bを参照しながら説明する。
図12は、本実施の形態に係る第4の検査ステップを示すフローチャートである。図13は、第4の検査ステップにおいて、第1表示パネル110及び第2表示パネル140に表示させる表示の一例を示す模式図である。
図12に示すように、第4の検査ステップでは、まず第1表示パネル110に全白のパターンを表示させ、第2表示パネル140に市松のパターンを表示させる(S241)。つまり、ステップS241では、第2液晶パネル151を構成する各画素のうち一部を黒表示、他の一部を白表示させる。
図13のステップS241に示すように、第1表示パネル110は全白のパターンを表示し、第2表示パネル140は、市松のパターンを表示する。これにより、液晶表示装置10としては、第2表示パネル140の黒領域が光源からの光を遮光するので、市松のパターン表示となる。なお、市松パターンの黒領域及び白領域はそれぞれ、複数の画素により形成される。
図12を再び参照して、次に、第1表示パネル110に市松のパターンを表示させ、第2表示パネル140に全白のパターンを表示させる(S242)。つまり、ステップS242では、第1液晶パネル121を構成する各画素のうち一部を白表示、他の一部を黒表示させる。
図13のステップS242に示すように、第1表示パネル110は市松のパターンを表示し、第2表示パネル140は、全白のパターンを表示する。これにより、液晶表示装置10としては、第1表示パネル110の黒領域が光源からの光を遮光するので、市松のパターン表示となる。
第1表示パネル120が市松のパターンである場合、第1表示パネル120が全黒のパターンである場合に比べ、表示の異常を検出しやすくなる場合がある。市松のパターンを表示することで、例えば、線状の表示異常(例えば、ライン欠陥)を検出しやすくなる。ライン欠陥とは、例えば、図14に示す白い線状のライン結果l1及び黒い線状のライン欠陥l2などである。なお、第2表示パネル140においても同様である。ステップS241及びS242は、第5表示ステップの一例である。なお、第5表示ステップは、ステップS241及びS242の少なくとも一方を含んでいればよい。以下においては、第5表示ステップは、ステップS241及びS242の両方を含むものとして説明する。
そして、ステップS242の後に、ステップS243以降の処理が行われるが、ステップS243~S246は、図7におけるステップS42~S45と同様であり、説明を省略する。
ステップS243及びS244は、第5表示ステップ(S242)において、液晶表示装置10の表示が、第1表示パネル110が表示する市松以外の表示(例えば、ライン欠陥など)を含む場合に、第1表示パネル110に異常があると判定する第6判定ステップの一例である。また、ステップS245及びS246は、第5表示ステップ(S241)において、液晶表示装置10の表示が、第2表示パネル140が表示する市松以外の表示(例えば、ライン欠陥など)を含む場合に、第2表示パネル140に異常があると判定する第7判定ステップの一例である。
なお、第1表示パネル110及び第2表示パネル140は、市松の表示をすることに限定されない。例えば、図15Aに示すような縦ストライプ表示、又は、図15Bに示すような横ストライプ表示であってもよい。また、第1表示パネル110及び第2表示パネル140に表示させるパターンは、矩形状のパターンでなくてもよい。
なお、第4の検査ステップ(S240)は、ステップS44でNoの場合に実施されることに限定されない。例えば、第4の検査ステップ(S240)は、図11に示すステップS42の後に行われてもよい。この場合、第4の検査ステップ(S240)は、ステップS241及びS242のうちステップS241を含んでいればよい。また、例えば、第4の検査ステップ(S240)は、ステップS44の後に行われてもよい。この場合、第4の検査ステップ(S240)は、ステップS241及びS242のうちステップS242を含んでいればよい。
以上のように、本実施の形態に係る液晶表示装置10の検査方法は、第1表示パネル110及び第2表示パネル140の一方に全白のパターンを表示させるとともに、他方に市松のパターンを表示させる第5表示ステップ(例えば、S241)をさらに含む。
これにより、市松のパターンを表示する表示パネル(第1表示パネル110及び第2表示パネル140の少なくとも一方)における表示不良をより高精度に検出することができる。市松のパターンを表示させることで、例えば、線状の表示異常(例えば、ライン欠陥)を検出しやすくなる。
(その他の実施の形態)
以上、実施の態様に係る液晶表示装置の検査方法及び製造方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
例えば、上記実施の形態における液晶表示装置は、第1表示パネル及び第2表示パネルのみで構成されていてもよい。
また、上記実施の形態において、第1表示パネルがカラー画像を表示し、第2表示パネルがモノクロ画像を表示する構成としたが、これに限らない。例えば、第1表示パネルがモノクロ画像を表示し、第2表示パネルがカラー画像を表示する構成であってもよい。
また、上記実施の形態では、第1表示パネル及び第2表示パネルの一方が表示不良であると判定していたが、第1表示パネル及び第2表示パネルとも表示不良であると判定されてもよい。例えば、図5においてステップS21及びS22の表示のときの両方に異常があった場合、第1表示パネル及び第2表示パネルとも表示不良と判定されてもよい。
また、上記実施の形態では、全黒のパターン等のテストパターンが、液晶パネルの全画面に表示されている例について説明したが、これに限定されない。テストパターンは、液晶パネルの一部の領域にのみ表示されていてもよい。また、この場合、全白パターンは、液晶パネルのうちテストパターンに対応する領域(例えば、テストパターンと重なる領域)にのみ表示されていてもよい。
また、上記実施の形態のフローチャートで説明された処理の順序は、一例である。複数の処理の順序は変更されてもよいし、複数の処理は並行して実行されてもよい。
その他、上記実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。