JP7122545B1 - 圧縮装置および圧縮装置の制御方法 - Google Patents

圧縮装置および圧縮装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

圧縮装置は、アノードおよびカソード間に電圧を印加することで、アノードガス中の水素を、電解質膜を介してカソードに移動させ、かつ圧縮する圧縮機と、前記圧縮機内の前記アノードガスの温度を調整する調整器と、前記電圧の印加により前記アノードおよび前記カソード間に流れる電流、および、カソードガスの圧力の少なくとも一方に基づき、前記調整器を制御して、前記アノードの出口の前記アノードガスの温度を調整する制御器と、を備える。

Description

本開示は、圧縮装置および圧縮装置の制御方法に関する。
近年、地球温暖化対策の一つとして、燃料電池により発電された電力でモーターを駆動して走行する、カーボンフリー燃料電池車が注目を集めている。しかし、燃料電池車の普及にあたっては、燃料となる水素ガス供給のインフラストラクチャを整え、全国に水素ステーションをいかに多く広範囲に設置できるかが課題となっている。特に水素の精製圧縮装置の大型化および膨大な設置コストなどが、水素ステーションの全国展開の障害となっている。
このため、来るべきカーボンフリー水素社会では、水素を製造することに加えて、水素ガスを高密度で貯蔵するとともに、小容量かつ低コストで輸送または利用し得る技術開発が求められている。特に、燃料供給インフラに水素を安定的に供給するために、高純度の水素ガスを精製および昇圧する様々な提案が行われている。
燃料電池車などの燃料ガスには、一般的に、数十MPaに圧縮された高圧水素ガスが用いられる。この高圧水素ガスは、例えば、水電解装置により水から電気化学反応を用いて低圧水素ガスを生成した後、機械式の圧縮装置によって水素を高圧に圧縮することで得ることができる。
これに対して、特許文献1および特許文献2には、水素を主成分とする低圧の水素含有ガスをアノードに供給するとともに、電気化学的に水素のみ電解質膜を透過させることで、カソードにおいて、水素の精製および高圧化を行い得る電気化学式の圧縮装置が提案されている。
この方式においては、低圧の水素含有ガスを圧縮するため、電解質膜を用い、電解質膜の両面には、アノードおよびカソードの電極触媒層がそれぞれ設けられている。また、電極触媒層のそれぞれには、アノード給電体およびカソード給電体がそれぞれ配設されている。そして、アノード給電体、カソード給電体および電解質膜の積層体をアノードセパレータとカソードセパレータとによって保持することで、電気化学セルが構成されている。なお、アノードセパレータには、外部からアノードに低圧の水素含有ガスを供給するとともに、アノードから外部に余剰の水素含有ガスを導出するための流路が設けられている。カソードセパレータには、カソードで圧縮された高圧のカソードガス(水素ガス)を外部に導出するための流路が設けられている。
ここで、特許文献1では、水素含有ガスを電気化学セルで圧縮する際、水蒸気の凝縮熱、電解質膜の抵抗に起因するIRロスによる発熱でセル温度が上昇すると、水素含有ガスの露点を上げることで、システムの起動時における電解質膜の加湿を適切に行い得ることが提案されている。
特許文献2では、圧縮装置の水素圧縮運転中に、アノードにおける水素含有ガスまたはカソードにおけるカソードガスの相対湿度を適時に上昇させることが提案されている。具体的には、水素圧縮運転によって電気化学セル内部に存在する水分の外部流出に起因する電解質膜の含水率低下を軽減できるように、間欠的あるいは電圧増加などを信号に基づいて、上記ガスの相対湿度を上昇させる制御が提案されている。
特許第6765060号公報 特開2019-210205号公報
本開示は、一例として、アノードガスの相対湿度を従来よりも適切に調整し得る圧縮装置および圧縮装置の制御方法を提供することを課題とする。
本開示の一態様(aspect)の圧縮装置は、アノードおよびカソード間に電圧を印加することで、アノードガス中の水素を、電解質膜を介してカソードに移動させ、かつ圧縮する圧縮機と、前記圧縮機内の前記アノードガスの温度を調整する調整器と、前記電圧の印加により前記アノードおよび前記カソード間に流れる電流、および、カソードガスの圧力の少なくとも一方に基づき、前記調整器を制御して、前記アノードの出口の前記アノードガスの温度を調整する制御器と、を備える。
本開示の一態様の圧縮装置の制御方法は、アノードおよびカソード間に電圧を印加することで、アノードガス中の水素を、電解質膜を介してカソードに移動させ、かつ圧縮するステップを備え、前記ステップにおいて、前記電圧の印加により前記アノードおよび前記カソード間に流れる電流、および、カソードガスの圧力の少なくとも一方に基づき、前記アノードの出口の前記アノードガスの温度を調整する。
本開示の一態様の圧縮装置および圧縮装置の制御方法は、アノードガスの相対湿度を従来よりも適切に調整し得る。
図1は、第1実施形態の圧縮装置の一例を示す図である。 図2は、電気化学セルにおける水素含有ガス中の水素および水(水蒸気)の流れの一例を示す図である。 図3は、第1実施形態の第1実施例の圧縮装置の電気化学セルにおける熱媒体の流れと水素含有ガスの流れの一例を示す図である。 図4は、第1実施形態の第1実施例における圧縮装置の制御例を説明するための図である。 図5Aは、第1実施形態の第1実施例における圧縮装置の第1制御例のフローチャートである。 図5Bは、第1実施形態の第1実施例における圧縮装置の第2制御例のフローチャートである。 図6Aは、第1実施形態の第2実施例における圧縮装置の第1制御例のフローチャートである。 図6Bは、第1実施形態の第2実施例における圧縮装置の第2制御例のフローチャートである。
電解質膜による電気化学式の圧縮機では、アノードの水素(H)をプロトン化してカソードに移動させ、プロトン(H)をカソードで水素(H)に戻すことでカソードガスが高圧化される。このとき、例えば、圧縮機のアノードにおけるアノードガスの相対湿度が低下すると、電解質膜のドライアップが起こる可能性がある。すると、ドライアップにより電解質膜のプロトン伝導率が低下することで、電気化学セルの拡散過電圧が上がる可能性がある。逆に、圧縮機のアノードにおけるアノードガスの相対湿度が上昇すると、アノードで凝縮水の量が増加し、アノードでフラディングが発生することで、電気化学セルの拡散過電圧が上がる可能性がある。
ここで、本開示者らは、電解質膜のドライアップまたはアノードにおけるフラッデイングが発生する可能性を低減するための実験を鋭意進めた結果、以下の本開示の一態様に想到した。なお、かかる実験の内容および結果の詳細は後で説明する。
すなわち、本開示の第1態様の圧縮装置は、アノードおよびカソード間に電圧を印加することで、アノードガス中の水素を、電解質膜を介してカソードに移動させ、かつ圧縮する圧縮機と、圧縮機内のアノードガスの温度を調整する調整器と、電圧の印加によりアノードおよびカソード間に流れる電流、および、カソードガスの圧力の少なくとも一方に基づき、調整器を制御して、アノードの出口のアノードガスの温度を調整する制御器と、を備える。
かかる構成によると、本態様の圧縮装置は、アノードガスの相対湿度を従来よりも適切に調整し得る。具体的には、アノード内の水分布は、アノードおよびカソード間を流れる電流、カソードに存在するカソードガスの圧力などに左右される。このため、アノードおよびカソード間に流れる電流、および、カソードガスの圧力に基づいて、アノードの出口のアノードガスの温度を調整しない場合、アノード出口における水素含有ガスの相対湿度を適切に調整することが困難となる場合がある。
しかし、本態様の圧縮装置は、上記の如く、アノードおよびカソード間に流れる電流、および、カソードガスの圧力の少なくとも一方に基づき、調整器を制御することで、このような制御を行わない場合に比べて、アノード出口におけるアノードガスの相対湿度を適切に調整することができる。その結果、本態様の圧縮装置は、圧縮機の水素圧縮動作を高効率に維持することができる。
本開示の第2態様の圧縮装置は、第1態様の圧縮装置において、電圧の印加によりアノードおよびカソード間に流れる電流が上昇すると、制御器は、調整器を制御して、アノードの出口のアノードガスの温度を上昇させてもよい。
アノードおよびカソード間に流れる電流が上昇するに連れて、カソードガスの圧力が上昇するので、アノードおよびカソード間の差圧によって、カソードからアノードに移動する水量が多くなる。すると、アノード出口における水素含有ガスの相対湿度が上昇する。これにより、アノードでフラディングが発生する可能性がある。
しかし、本態様の圧縮装置は、アノードおよびカソード間に流れる電流が上昇すると、アノードの出口のアノードガスの温度を上昇させることで、アノードでフラディングが発生する可能性を低減することができる。
本開示の第3態様の圧縮装置は、第1態様または第2態様の圧縮装置において、カソードガスの圧力が上昇すると、制御器は、調整器を制御して、アノードの出口のアノードガスの温度を上昇させてもよい。
カソードガスの圧力が上昇するに連れて、アノードおよびカソード間の差圧によって、カソードからアノードに移動する水量が多くなる。すると、アノード出口における水素含有ガスの相対湿度が上昇する。これにより、アノードでフラディングが発生する可能性がある。
しかし、本態様の圧縮装置は、カソードガスの圧力が上昇すると、アノード出口におけるアノードガスの温度を上昇させることで、アノードでフラディングが発生する可能性を低減することができる。
本開示の第4態様の圧縮装置は、第1態様から第3態様のいずれか一つの圧縮装置において、電圧の印加によりアノードおよびカソード間に流れる電流が低下すると、制御器は、調整器を制御して、アノードの出口のアノードガスの温度を低下させてもよい。
アノードおよびカソード間に流れる電流が低下するに連れて、カソードガスの圧力が低下するので、アノードおよびカソード間の差圧によって、カソードからアノードに移動する水量が少なくなる。このとき、アノードの出口のアノードガスの温度が高いままだと、電解質膜がドライアップする可能性がある。
しかし、本態様の圧縮装置は、アノードおよびカソード間に流れる電流が低下すると、アノードの出口のアノードガスの温度を低下させることで、電解質膜がドライアップする可能性を低減することができる。
本開示の第5態様の圧縮装置は、第1態様から第4態様のいずれか一つの圧縮装置において、カソードガスの圧力が低下すると、制御器は、調整器を制御して、アノードの出口のアノードガスの温度を低下させてもよい。
カソードガスの圧力が低下するに連れて、アノードおよびカソード間の差圧によって、カソードからアノードに移動する水量が少なくなる。このとき、アノードの出口のアノードガスの温度が高いままだと、電解質膜がドライアップする可能性がある。
しかし、本態様の圧縮装置は、カソードガスの圧力が低下すると、アノードの出口のアノードガスの温度を低下させることで、電解質膜がドライアップする可能性を低減することができる。
本開示の第6態様の圧縮装置は、第2態様または第3態様の圧縮装置において、制御器は、アノードの出口のアノードガスの温度の上限値を大きくしてもよい。
第2態様および第3態様の圧縮装置は、アノードおよびカソード間の差圧によって、カソードからアノードに移動する水量が増加する傾向にある。
そこで、本態様の圧縮装置は、アノードおよびカソード間に流れる電流上昇、または、カソードガスの圧力上昇に連れて、アノードの出口のアノードガスの温度の上限値を大きくすることで、アノードでフラディングが発生にくくなるようにアノード出口のアノードガスの温度を適切に制御することができる。
本開示の第7態様の圧縮装置は、第4態様または第5態様の圧縮装置において、アノードの出口のアノードガスの温度の上限値を小さくしてもよい。
第4態様および第5態様の圧縮装置は、アノードおよびカソード間の差圧によって、カソードからアノードに移動する水量が減少する傾向にある。このとき、アノードの出口のアノードガスの温度が高いと、電解質膜はドライアップしやすい。
そこで、本態様の圧縮装置は、アノードおよびカソード間に流れる電流低下、または、カソードガスの圧力低下に連れて、アノードの出口のアノードガスの温度の上限値を小さくすることで、電解質膜のドライアップが発生しにくくなるようにアノード出口のアノードガスの温度を適切に制御することができる。
本開示の第8態様の圧縮装置は、第2態様または第3態様の圧縮装置において、制御器は、調整器を制御して、アノードの入口のアノードガスの温度に対するアノードの出口のアノードガスの温度の差を上昇させてもよい。本開示の第9態様の圧縮装置は、第8態様の圧縮装置において、制御器は、上記の差の上限値を大きくしてもよい。
第2態様および第3態様の圧縮装置は、アノードおよびカソード間の差圧によって、カソードからアノードに移動する水量が増加する傾向にある。
そこで、本態様の圧縮装置は、アノードおよびカソード間に流れる電流上昇、または、カソードガスの圧力上昇に連れて、アノードの入口のアノードガスの温度に対するアノードの出口のアノードガスの温度の差を上昇させると、アノードでフラディングが発生する可能性が低減される。また、かかる温度の差の上限値を大きくすることで、アノードでフラディングが発生する可能性が低減されるようにアノードの出口のアノードガスの温度を適切に制御することができる。
本開示の第10態様の圧縮装置は、第4態様または第5態様の圧縮装置において、調整器を制御して、アノードの入口のアノードガスの温度に対するアノードの出口のアノードガスの温度の差を低下させてもよい。本開示の第11態様の圧縮装置は、第9態様の圧縮装置において、制御器は、上記の差の上限値を小さくしてもよい。
第4態様および第5態様の圧縮装置は、アノードおよびカソード間の差圧によって、カソードからアノードに移動する水量が減少する傾向にある。このとき、アノードの出口のアノードガスの温度が高いと、電解質膜はドライアップしやすい。
そこで、本態様の圧縮装置は、アノードおよびカソード間に流れる電流低下、または、カソードガスの圧力低下に連れて、アノードの入口のアノードガスの温度に対するアノードの出口のアノードガスの温度の差を低下させると、電解質膜のドライアップが発生する可能性が低減される。また、かかる温度の差の上限値を小さくすることで、電解質膜のドライアップが発生する可能性が低減するようにアノードの出口のアノードガスの温度を適切に制御することができる。
本開示の第12態様の圧縮装置の制御方法は、アノードおよびカソード間に電圧を印加することで、アノードガス中の水素を、電解質膜を介してカソードに移動させ、かつ圧縮するステップを備え、上記ステップにおいて、電圧の印加によりアノードおよびカソード間に流れる電流、および、カソードガスの圧力の少なくとも一方に基づき、アノードの出口のアノードガスの温度を調整する。
これにより、本態様の圧縮装置の制御方法は、アノードガスの相対湿度を従来よりも適切に調整し得る。なお、本態様の圧縮装置の制御方法が奏する作用効果の詳細は、第1態様の圧縮装置が奏する作用効果と同様であるので説明を省略する。
本開示の第13態様の圧縮装置の制御方法は、第12態様の圧縮装置の制御方法において、電圧の印加によりアノードおよびカソード間に流れる電流が上昇すると、アノードの出口のアノードガスの温度を上昇させてもよい。
本態様の圧縮装置の制御方法が奏する作用効果は、第2態様の圧縮装置が奏する作用効果と同様であるので説明を省略する。
本開示の第14態様の圧縮装置の制御方法は、第12態様または第13態様の圧縮装置の制御方法において、カソードガスの圧力が上昇すると、アノードの出口のアノードガスの温度を上昇させてもよい。
本態様の圧縮装置の制御方法が奏する作用効果は、第3態様の圧縮装置が奏する作用効果と同様であるので説明を省略する。
本開示の第15態様の圧縮装置の制御方法は、第12態様から第14態様のいずれか一つの圧縮装置の制御方法において、電圧の印加によりアノードおよびカソード間に流れる電流が低下すると、アノードの出口のアノードガスの温度を低下させてもよい。
本態様の圧縮装置の制御方法が奏する作用効果は、第4態様の圧縮装置が奏する作用効果と同様であるので説明を省略する。
本開示の第16態様の圧縮装置の制御方法は、第12態様から第15態様のいずれか一つの圧縮装置の制御方法において、カソードガスの圧力が低下すると、アノードの出口のアノードガスの温度を低下させてもよい。
本態様の圧縮装置の制御方法が奏する作用効果は、第5態様の圧縮装置が奏する作用効果と同様であるので説明を省略する。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施形態は、いずれも上記の各態様の一例を示すものである。よって、以下で示される形状、材料、構成要素、および、構成要素の配置位置および接続形態などは、あくまで一例であり、請求項に記載されていない限り、上記の各態様を限定するものではない。また、以下の構成要素のうち、上記の各態様の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面において、同じ符号が付いたものは、説明を省略する場合がある。図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を模式的に示したもので、形状および寸法比などについては正確な表示ではない場合がある。
(第1実施形態)
以下の実施形態では、アノードガスが水素含有ガスであるとともに、カソードガスが圧縮水素である場合において、上記の圧縮機の一例として、電気化学式水素ポンプの構成および動作について説明する。
[装置構成]
図1は、第1実施形態の圧縮装置の一例を示す図である。
図1に示す例では、圧縮装置200は、電気化学式水素ポンプ100を備える。電気化学式水素ポンプ100の電気化学セルは、電解質膜10と、アノードANと、カソードCAと、を備える。電気化学式水素ポンプ100は、このような電気化学セルを複数個、積層したスタックを備えてもよい。
ここで、電気化学式水素ポンプ100は、アノードANおよびカソードCA間に電圧を印加することで、アノードANに供給される水素含有ガス中の水素を、電解質膜10を介してカソードCAに移動させ、かつ圧縮する装置である。
上記の水素含有ガスとして、図示しない水電解装置で生成された水素ガスを用いてもよいし、図示しない改質器で生成された改質ガスを用いてもよい。
なお、スタックの詳細、および、上記電圧を印加するための電圧印加器の詳細は、後で説明する。
アノードANは、電解質膜10の一方の主面に設けられている。アノードANは、アノード触媒層およびアノード給電体を含む電極である。カソードCAは、電解質膜10の他方の主面に設けられている。カソードCAは、カソード触媒層およびカソード給電体を含む電極である。これにより、電解質膜10は、アノード触媒層およびカソード触媒層のそれぞれと接触するようにして、アノードANとカソードCAとによって挟持されている。
電解質膜10はプロトン伝導性を備える膜であれば、どのような構成であってもよい。例えば、電解質膜10として、フッ素系高分子電解質膜、炭化水素系電解質膜などを挙げることができる。具体的には、電解質膜10として、例えば、Nafion(登録商標、デュポン社製)、Aciplex(登録商標、旭化成株式会社製)などを用いることができるが、これらに限定されない。
アノード触媒層は、電解質膜10の一方の主面に設けられている。アノード触媒層は、触媒金属(例えば、白金)を分散状態で担持することができるカーボンを含むが、これに限定されない。
カソード触媒層は、電解質膜10の他方の主面に設けられている。カソード触媒層は、触媒金属(例えば、白金)を分散状態で担持することができるカーボンを含むが、これに限定されない。
カソード触媒層もアノード触媒層も、触媒の調製方法としては、種々の方法を挙げることができるが、特に限定されない。例えば、カーボン系粉末としては、黒鉛、カーボンブラック、導電性を有する活性炭などの粉末を挙げることができる。カーボン担体に、白金若しくは他の触媒金属を担持する方法は、特に限定されない。例えば、粉末混合または液相混合などの方法を用いてもよい。後者の液相混合としては、例えば、触媒成分コロイド液にカーボンなどの担体を分散させ、吸着させる方法などが挙げられる。白金などの触媒金属のカーボン担体への担持状態は、特に限定されない。例えば、触媒金属を微粒子化し、高分散で担体に担持してもよい。
カソード給電体は、カソード触媒層上に設けられている。カソード給電体は、多孔性材料で構成され、導電性およびガス拡散性を備える。カソード給電体は、電気化学式水素ポンプ100の動作時にカソードCAおよびアノードAN間の差圧で発生する構成部材の変位、変形に適切に追従するような弾性を備える方が望ましい。カソード給電体の基材として、例えば、カーボン繊維焼結体などを使用することができるが、これに限定されない。
アノード給電体は、アノード触媒層上に設けられている。アノード給電体は、多孔性材料で構成され、導電性およびガス拡散性を備える。アノード給電体は、電気化学式水素ポンプ100の動作時に、上記の差圧による電解質膜10の押し付けに耐え得る程度の剛性を備える方が望ましい。アノード給電体の基材として、例えば、カーボン粒子焼結体、白金などの貴金属でコーティングしたチタン粒子焼結体などを使用することができるが、これらに限定されない。
ここで、図1には示されていないが、電気化学式水素ポンプ100の水素圧縮動作において必要となる部材および機器は適宜、設けられる。
例えば、一対のアノードセパレータおよびカソードセパレータのそれぞれが、アノードANおよびカソードCAのそれぞれを外側から挟んでいてもよい。この場合、アノードANに接触するアノードセパレータは、アノードANに水素含有ガスを供給するとともに、アノードANから余剰の水素含有ガスを導出するための導電性の板状の部材である。この板状の部材は、水素含有ガスが流れるサーペンタイン状のガス流路(以下、サーペンタイン流路)を備える。カソードCAに接触するカソードセパレータは、カソードCAから水素を導出するための導電性の板状の部材である。この板状の部材は、カソードCAから導出した水素が流れるガス流路を備える。
また、電気化学式水素ポンプ100では、通常、高圧の水素が外部へリークしないように、電気化学セルの両側からガスケットなどのシール材が設けられ、電気化学式水素ポンプ100の電気化学セルと一体化して予め組み立てられる。そして、この電気化学セルの外側には、これを機械的に固定するとともに、隣接する電気化学セル同士を互いに電気的に直列に接続するための上記のアノードセパレータおよびカソードセパレータが配置されている。
電気化学セルとアノードセパレータおよびカソードセパレータとを交互に重ねて、電気化学セルを10~200個程度、積層して、その積層体(スタック)を、集電板および絶縁板を介して端板で挟み、両端板を締結ロッドで締め付けるのが一般的な積層構造である。なお、この場合、アノードセパレータのそれぞれのサーペンタイン流路に適量の水素含有ガスを供給するには、アノードセパレータのそれぞれにおいて、適宜の管路から溝状の分岐経路を分岐させ、これらの下流端が、アノードセパレータのそれぞれのサーペンタイン流路に連結するように構成する必要がある。このような管路のことをマニホールドといい、このマニホールドは、例えば、スタックを構成する部材のそれぞれの適所に設けられた貫通孔の連なりにより構成されている。
また、電気化学式水素ポンプ100は、アノードANとカソードCAとの間に電圧を印加する電圧印加器を備える。電圧印加器は、アノードANとカソードCAとの間に電圧を印加することができれば、どのような構成であってもよい。具体的には、電圧印加器の高電位側端子が、アノードANに接続され、電圧印加器の低電位側端子が、カソードCAに接続されている。電圧印加器として、例えば、DC/DCコンバータ、AC/DCコンバータなどを挙げることができる。DC/DCコンバータは、電圧印加器が、太陽電池、燃料電池、バッテリなどの直流電源と接続された場合に用いられる。AC/DCコンバータは、電圧印加器が、商用電源などの交流電源と接続された場合に用いられる。また、電圧印加器は、例えば、電気化学式水素ポンプ100の電気化学セルに供給する電力が所定の設定値となるように、アノードANおよびカソードCA間に印加される電圧、アノードANおよびカソードCA間に流れる電流が調整される電力型電源であってもよい。
なお、以上の図示しない部材および機器は例示であって、本例に限定されない。
ここで、電気化学式水素ポンプ100においては、一般的に、電解質膜10は、湿潤状態で所望のプロトン伝導性を示す。このため、電気化学式水素ポンプ100の水素圧縮動作の効率を所望の値を維持するには、電解質膜10を湿潤状態に保つ必要がある。よって、従来から、高温および高湿度の水素含有ガスを電気化学式水素ポンプ100のアノードANに供給することが多い。
そこで、本実施形態の圧縮装置200は、図1に示す如く、調整器22と、制御器50と、を備える。
調整器22は、アノードANの出口の水素含有ガスの温度を調整する装置である。調整器22は、このような水素含有ガスの温度を調整することができれば、どのような構成であってもよい。
例えば、調整器22は、加熱器であっても冷却器であってもよい。加熱器は、例えば、水素含有ガスを加熱するための電気ヒーターであってもよいし、水素含有ガスと熱交換可能な加熱用の熱媒体が流れる流路を備えてもよい。冷却器は、例えば、水素含有ガスと熱交換可能な冷却用の熱媒体が流れる流路を備えてもよい。
図1に示すように、水素含有ガスの供給路および水素含有ガスの排出路が、電気化学式水素ポンプ100の適所に設けられている。
水素含有ガスの供給路の下流端は、電気化学式水素ポンプ100のアノードANと連通する箇所であれば、いずれの箇所に接続していてもよい。電気化学式水素ポンプ100が、上記のスタックを備える場合、水素含有ガスの供給路の下流端は、水素含有ガス導入用のマニホールドに連通していてもよい。また、水素含有ガスの供給路の上流端は、例えば、水素含有ガスの供給源(図示せず)に接続されていてもよい。なお、水素含有ガスの供給源として、高湿度状態の水素含有ガスを水電解で生成可能な水電解装置、高湿度状態の水素含有ガスを炭化水素化合物の改質反応で生成可能な改質器などを挙げることができるが、これらに限定されない。
水素含有ガスの排出路の上流端は、電気化学式水素ポンプ100のアノードANと連通する箇所であれば、いずれの箇所に接続していてもよい。電気化学式水素ポンプ100が、上記のスタックを備える場合、水素含有ガスの排出路の上流端は、水素含有ガス導出用のマニホールドに連通していてもよい。また、水素含有ガスの排出路は、アノードANから排出された水素含有ガスが、アノードANでリサイクルされるように延伸していてもよい。
制御器50は、電圧の印加によりアノードANおよびカソードCA間に流れる電流、および、カソードCAで圧縮される圧縮水素の圧力の少なくとも一方に基づき、調整器22を制御して、アノードANの出口の水素含有ガスの温度を調整する。
ここで、アノードANおよびカソードCA間に流れる電流は、適宜の検知器(図示せず)により検知される。この検知器は、アノードANおよびカソードCA間に流れる電流を直接検知する検知器でもよいし、この電流を間接的に検知する検知器でもよい。前者の検知器として、例えば、電流計を例示することができる。後者の検知器として、例えば、アノードANおよびカソードCA間に印加される電圧を検知する電圧計を例示することができる。
また、カソードCAで圧縮される圧縮水素の圧力は、適宜の検知器(図示せず)により検知される。この検知器は、圧縮水素の圧力を直接検知する検知器でもよいし、圧縮水素の圧力を間接的に検知する検知器でもよい。前者の検知器として、例えば、圧力計を例示することができる。後者の検知器として、例えば、アノードANおよびカソードCA間に流れる電流を検知する電流計を例示することができる。
制御器50は、例えば、演算回路(図示せず)と、記憶回路(図示せず)と、を備える。演算回路として、例えば、MPU、CPUなどを挙げることができる。記憶回路として、例えば、メモリなどを挙げることができる。制御器50は、集中制御を行う単独の制御器で構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御を行う複数の制御器で構成されていてもよい。
以上のとおり、本実施形態の圧縮装置200および圧縮装置200の制御方法は、水素含有ガスの相対湿度を従来よりも適切に調整し得る。具体的には、アノードAN内の水分布は、アノードANおよびカソードCA間を流れる電流、カソードCAに存在する圧縮水素の圧力などに左右される。このため、アノードANおよびカソードCA間に流れる電流、および、カソードCAで圧縮される圧縮水素の圧力に基づいて、アノード出口の水素含有ガスの温度を調整しない場合、アノード出口における水素含有ガスの相対湿度を適切に調整することが困難となる場合がある。
しかし、本実施形態の圧縮装置200および圧縮装置200の制御方法は、上記の如く、アノードANおよびカソードCA間に流れる電流、および、カソードCAで圧縮される圧縮水素の圧力の少なくとも一方に基づき、調整器22を制御することで、このような制御を行わない場合に比べて、アノード出口における水素含有ガスの相対湿度を適切に調整することができる。その結果、本実施形態の圧縮装置200および圧縮装置200の制御方法は、電気化学式水素ポンプ100の水素圧縮動作を高効率に維持することができる。
(第1実施例)
電気化学式水素ポンプ100の電気化学セルにおける水素含有ガスが過加湿状態である場合、電気化学セルのアノード内で水の凝縮が起こる可能性がある。すると、凝縮水により、アノードANでフラディングが発生することで、水素拡散性低下による拡散過電圧が上がる可能性がある。
逆に、電気化学式水素ポンプ100の電気化学セルにおける水素含有ガスの相対湿度が低くなるほど、高プロトン伝導率の確保に必要な電解質膜10の湿潤状態を維持することが困難になる。すると、電解質膜10のドライアップが発生する可能性がある。例えば、電解質膜10の単体試験において、水素含有ガスの相対湿度が約55%を下回ると、電気抵抗が増加することが確認されている。
以上により、アノードANに供給される水素含有ガスの相対湿度を適切に調整することが、アノードANにおけるフラディング抑制および電解質膜10のドライアップ抑制を図る視点で重要である。
そこで、電気化学式水素ポンプ100のアノードANにおける水素含有ガスの相対湿度を適切に維持のための様々な実験を以下の如く行い、これらの実験結果について考察した。
まず、一例として、図2を参照しながら、電気化学セルにおける相対湿度が100%またはそれに近い状態(フル加湿)の水素含有ガスがアノードANに供給される場合であって、アノードセパレータ12に設けられたサーペンタイン流路を流れる水素含有ガス中の水素を、水素利用率が約80%程度で電気化学反応によってアノードANからカソードCAに移動する場合の水素および水(水蒸気)の流れについて、説明する。
ただし、図2において、図面を簡素化する趣旨で、マニホールド、シール部材およびガス流路などの図示を省略している。
電気化学式水素ポンプ100のアノードANに水素含有ガスが供給されるとともに、電圧印加器の電力が電気化学式水素ポンプ100に給電されると、電気化学式水素ポンプ100のアノード触媒層14において、酸化反応で水素分子が水素イオン(プロトン)と電子とに分離する(式(1))。プロトンは、電解質膜10内を伝導してカソード触媒層16に移動する。電子は電圧印加器を通じてカソードCAのカソード触媒層16に移動する。そして、カソード触媒層16において、還元反応で水素分子が再び生成される(式(2))。
アノード:H(低圧)→2H+2e・・・(1)
カソード:2H+2e→H(高圧)・・・(2)
このようにして、電気化学式水素ポンプ100では、アノードANとカソードCAとの間に電圧を印加することにより、水素含有ガス中の水素の約80%が、アノードANからカソードCAに移動することで、カソードCAのカソード給電体15で水素を圧縮する動作(水素圧縮動作)が行われる。さらに、水素含有ガス中の水素のうちのアノード給電体13およびサーペンタイン流路を通過した残りの約20%は、オフガスとしてアノードANから導出され、その後、アノードANに戻すことでリサイクルされる。
カソード給電体15で圧縮された水素(圧縮水素)は、適時に、カソードセパレータ11に設けられたガス流路を通じて外部に排出される。なお、圧縮水素の露点は、その圧力に比例して上昇するので、図2に示すように、かかる圧縮水素中の水分の大部分が液体状態になる。
[実験]
以下の実機による実験では、アノードANに供給される水素含有ガスは、図示しない加湿器(例えば、バブラー)によって加湿量が所定量となるように露点が調整される。また、アノードANにおける水素含有ガスは、調整器22によって温度が所定温度となるように調整される。
本実験例では、図3に示すように、調整器22として、熱媒体流路60を備える装置が使用された。熱媒体流路60は、水素含有ガスと熱交換可能な熱媒体(例えば、温水)が流れており、アノードセパレータの一方の主面に設けられた流路溝によって構成されている。サーペンタイン流路30は、水素含有ガスが流れており、アノードセパレータの他方の主面に設けられた流路溝によって構成されている。なお、図3では、説明の便宜上、「上」、「下」、「右」および「左」を同図の如く取っている。
ここで、図3に示す例では、熱媒体流路60の熱媒体流れの上流側から下流側に向かう第1方向300(太い実線矢印)とサーペンタイン流路30の水素含有ガス流れの上流側から下流側に向かう第2方向400(太い点線矢印)とが、同一である。
つまり、熱媒体流路60は、熱媒体導入マニホールド61と熱媒体導出マニホールド62とを連通する複数の直線部を備える。これらの直線部は、ほぼ等間隔に左右に並んで配されており、サーペンタイン流路30のうちの左右方向に延伸する複数の直線部と垂直に交差するように上下に延伸している。そして、これらの直線部内における熱媒体の上から下への流れ方向が、第1方向300と平行である。
サーペンタイン流路30は、水素含有ガス導入マニホールド31と水素含有ガス導出マニホールド32とを連通する複数の直線部および複数の折り返し部を備える。そして、複数の折り返し部内における水素含有ガスの上から下への流れ方向が、第2方向400と平行である。
以上の流路構成によって、アノードANにおけるフラディング発生を抑制することができる。これは、以下の理由による。
仮に、第1方向300と第2方向400とを逆にする場合、水素含有ガス導出マニホールド32近傍における水素含有ガスの適切な温度上昇が困難となり、その結果、水素含有ガス導出マニホールド32近傍における水素含有ガスが過加湿状態に至る可能性がある。すると、水素含有ガス中の水蒸気凝縮によって、アノードANでフラディングが発生しやすくなる。
これに対して、図3の流路構成においては、電解質膜10の抵抗に起因するIRロスに基づく発熱および水蒸気の凝縮熱を、熱媒体流路60内の熱媒体が回収しながら上流から下流に流れるので、水素含有ガス導出マニホールド32近傍における水素含有ガスと熱交換する熱媒体温度を適温に加熱することができる。このため、水素含有ガス導出マニホールド32近傍における水素含有ガスの適切な温度上昇が可能となり、その結果、水素含有ガス導出マニホールド32近傍における水素含有ガスが過加湿状態に至ることを抑制することができる。
<実験の内容および結果>
以下の如く、水素含有ガスの温度を変更した場合における電気化学セル内における電気化学セルの拡散過電圧の影響について、実機による検証実験を行った。
まず、水素含有ガスの露点、流量および温度、電気化学セルの電流密度、および圧縮装置200の水素圧縮動作を、以下の値に設定した。
なお、以下の電流(電流密度:1.0A/cm)は、電気化学式水素ポンプ100の動作が安定する最小を想定した値であり、この電流密度に見合うように、水素含有ガス流量を決定した。
・水素含有ガスの露点:49℃
・水素含有ガス流量(アノード入口):2.66NL/分;30kPa(ゲージ圧)
・水素含有ガス温度(アノード入口):50℃
・電流密度:1.0A/cm
・水素圧縮動作:水素含有ガス中の約80%の水素をカソードCAにおいて1.0MPa(ゲージ圧)まで圧縮
この場合、水素含有ガスは、アノード給電体13およびサーペンタイン流路を流れるに連れて順次、水素含有ガス中の水素がカソードCAへ移動する。そして、最終的には、アノードANの出口において、水素含有ガス中の約20%の水素がオフガスとして導出される。つまり、アノードANに投入された水素含有ガス中の水素量は、アノード入口からアノード出口に向けて、100%から約20%まで順次減少する。
これに対して、水素含有ガス中の水分量は、水素同伴現象によってアノードANからカソードCAに移動する水量と、カソードCAおよびアノード間の差圧によってカソードCAからアノードANに移動する水量とのバランスによって決定される。このように、電気化学セル内の水分布は、アノードANおよびカソードCA間を流れる電流、圧縮水素の圧力などに左右される。
なお、電気化学セル内における水分布を実機で実測したところ、図2に示すように、水素含有ガス中の水分(水蒸気および液水)の約62%がカソードCAに移動するように分配され、アノードANの出口から、水素含有ガス中の水分(水蒸気)の約38%が、アノードANの出口から導出されるように分配されることが分かった。
ここで、以上の条件における電気化学セルの拡散過電圧を実測したところ、拡散過電圧上昇が確認された。このとき、アノード出口から排出される水素含有ガスの水分量の分析結果によって、アノード出口における水素含有ガスが過加湿状態であることが確認された。
そこで、水素圧縮動作の条件を変更した場合における、電気化学セル内の水分布を確認した。具体的には、カソードCAで圧縮される圧縮水素の圧力を1.0MPa、10.0MPa、20.0MPa、30.0MPaおよび40.0MPaの順に上昇させた。すると、カソードCAで圧縮される圧縮水素の圧力上昇に連れて、アノードANに供給される水素含有ガス中の全ての水分量に対する、アノードANからカソードCAに移動する水分量が減少することが確認された。そして、アノード出口から排出される水素含有ガス中の水分量が、圧縮水素の圧力に反比例して増加することが確認された。このとき、アノード出口から排出される水素含有ガスの水分量の分析結果によって、水素含有ガスが過加湿状態であることが確認された。
次に、熱媒体流路60を流れる熱媒体の流量を変更することで、アノード出口における水素含有ガスを温度上昇させた。具体的には、電気化学セル1個当たり、温度が55℃の熱媒体を0.20L/分の流量で供給する場合、アノード出口における水素含有ガスを温度が56℃であった。このとき、アノード出口における水素含有ガスが過加湿状態であることが確認され、電気化学セルに印加する電圧が不安定になった。そこで、電気化学セル1個当たり、温度が55℃の熱媒体を0.07L/分の流量で供給すると、アノード出口における水素含有ガスを温度が58℃であった。この場合、アノード出口における水素含有ガスの過加湿状態が緩和されることが確認され(相対湿度:約90%)、電気化学セルに印加する電圧が安定化した。
なお、以上の検証実験は例示であって、本例に限定されない。
<実験結果の考察>
本開示者らは、以上の拡散過電圧上昇が、アノードANにおけるフラディングに起因する現象であると考えた。そして、本開示者らは、アノードANにおけるフラディングの要因について鋭意検討した結果、アノードANおよびカソードCA間の差圧によって、カソードCAからアノードANに移動する水量が、アノード出口におけるフラディングに関与しているのではないかと推察した。そして、このような推察は、実機によるカソードCAで圧縮される圧縮水素の圧力を上昇させた実験、および、実機による熱媒体流路60を流れる熱媒体流量を変更することで、アノード出口における水素含有ガス温度を上昇させる実験で検証された。
<圧縮装置の制御例>
本実施例の圧縮装置200は、カソードCAで圧縮された圧縮水素の圧力が上昇すると、制御器50は、調整器22を制御して、アノードANの出口の水素含有ガスの温度を上昇させる。また、本実施例の圧縮装置200は、電圧の印加によりアノードANおよびカソードCA間に流れる電流が上昇すると、制御器50は、調整器22を制御して、アノードANの出口の水素含有ガスの温度を上昇させる。
ここで、調整器22が、熱媒体(例えば、温水)を利用した温度調整器である場合、アノードANに供給される水素含有ガスの圧力が上昇すると、制御器50は、かかる温度調整器を制御して、水素含有ガスとの間で熱交換する熱媒体温度を上昇させてもよい。また、制御器50は、かかる温度調整器を制御して、水素含有ガスとの間で熱交換する熱媒体の流量を低下させてもよい。
後者の制御の一例として、水素含有ガスの露点、流量および温度、電気化学セルの電流密度を、以下の値に設定した場合において、カソードCAで圧縮された圧縮水素の圧力を1.0MPaから40MPaに上昇させたとき、電気化学セル1個当たりの熱媒体の流量を0.20L/分から0.12L/分に低下させることで、アノード出口における水素含有ガスの温度が2℃上昇した。これにより、アノード出口における水素含有ガスの過加湿状態が緩和された。
・水素含有ガスの露点:49℃
・水素含有ガス流量(アノード入口):2.66NL/分;30kPa(ゲージ圧)
・水素含有ガス温度(アノード入口):50℃
・電流密度:1.0A/cm
・水素圧縮動作:水素含有ガス中の約80%の水素をカソードCAにおいて1.0MPa(ゲージ圧)まで圧縮→カソードCAにおいて40MPa(ゲージ圧)まで圧縮
図4には、水素含有ガスの露点および流量、電気化学セルの電流密度、および圧縮装置200の水素圧縮動作を以下の値に設定するとき、アノード出口における水素含有ガスの温度を変更することで、矢印で示すように、アノード出口における水素含有ガスの相対湿度が、100%から適切な数値になるように制御する例が示されている。なお、図示を省略しているが、図4の実線で示されたアノード入口における水素含有ガスの相対湿度は、アノード入口における水素含有ガスの圧力を考慮しても、約55%程度であった。この相対湿度(約55%)は、電解質膜10のドライアップもアノードANでフラディングも発生しない条件である。
・水素含有ガスの露点:49℃
・水素含有ガス流量(アノード入口):2.66NL/分;30kPa(ゲージ圧)
・水素含有ガス温度(アノード入口):50℃
・電流密度:1.0A/cm
・水素圧縮動作:水素含有ガス中の約80%の水素をカソードCAにおいて1.0MPa(ゲージ圧)まで圧縮
図5Aは、第1実施形態の第1実施例における圧縮装置の第1制御例のフローチャートである。
以下の動作は、例えば、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。以下の例では、制御器50により動作を制御する場合について、説明する。
まず、相対湿度が適正湿度範囲内にある水素含有ガスがアノードANに供給されているとき(ステップS1)、ステップS2Aにおいて、カソードCAで圧縮される圧縮水素の圧力が上昇したか否かが判定される。ここで、適正湿度範囲とは、電解質膜10のドライアップもアノードANでフラディングも発生しない湿度の範囲を意味する。
ステップS2Aで、上記圧縮水素の圧力が上昇していない場合、適時に、ステップS1以降の動作が再実行される。
ステップS2Aで、上記圧縮水素の圧力が上昇した場合、ステップS3で、アノード出口における水素含有ガスの温度を上昇させる制御が行われる。
図5Bは、第1実施形態の第1実施例における圧縮装置の第2制御例のフローチャートである。
以下の動作は、例えば、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。以下の例では、制御器50により動作を制御する場合について、説明する。
まず、相対湿度が適正湿度範囲内にある水素含有ガスがアノードANに供給されているとき(ステップS1)、ステップS2Bにおいて、アノードANおよびカソードCA間に流れる電流が上昇したか否かが判定される。
ステップS2Bで、上記電流が上昇していない場合、適時に、ステップS1以降の動作が再実行される。
ステップS2Bで、上記電流が上昇した場合、ステップS3で、アノード出口における水素含有ガスの温度を上昇させる制御が行われる。
カソードCAで圧縮される圧縮水素の圧力が上昇するに連れて、アノードANおよびカソードCA間の差圧によって、カソードCAからアノードANに移動する水量が多くなる。すると、アノード出口における水素含有ガスの相対湿度が上昇する。これにより、アノードANでフラディングが発生する可能性がある。具体的には、例えば、アノード出口は、アノード入口に比べて水素含有ガスの相対湿度が高いので、アノード出口において、フラディングが発生しやすくなる。
しかし、本実施例の圧縮装置200および圧縮装置200の制御方法は、圧縮水素の圧力が上昇すると、アノード出口における水素含有ガスの温度を上昇させることで、アノードANでフラディングが発生する可能性を低減することができる。
また、アノードANおよびカソードCA間に流れる電流が上昇するに連れて、カソードCAで圧縮される圧縮水素の圧力が上昇するので、アノードANおよびカソードCA間の差圧によって、カソードCAからアノードANに移動する水量が多くなる。すると、アノード出口における水素含有ガスの相対湿度が上昇する。これにより、アノードANでフラディングが発生する可能性がある。具体的には、例えば、アノード出口は、アノード入口に比べて水素含有ガスの相対湿度が高いので、アノード出口において、フラディングが発生しやすくなる。
しかし、本実施例の圧縮装置200および圧縮装置200の制御方法は、アノードANおよびカソードCA間に流れる電流が上昇すると、アノード出口の水素含有ガスの温度を上昇させることで、アノードANでフラディングが発生する可能性を低減することができる。
本実施例の圧縮装置200および圧縮装置200の制御方法は、上記特徴以外は、第1実施形態と同様であってもよい。
(第2実施例)
本実施例の圧縮装置200は、カソードCAで圧縮された圧縮水素の圧力が低下すると、制御器50は、調整器22を制御して、アノードANの出口の水素含有ガスの温度を低下させる。また、本実施例の圧縮装置200は、電圧の印加によりアノードANおよびカソードCA間に流れる電流が低下すると、制御器50は、調整器22を制御して、アノードANの出口の水素含有ガスの温度を低下させる。
ここで、調整器22が、熱媒体(例えば、温水)を利用した温度調整器である場合、アノードANに供給される水素含有ガスの圧力が低下すると、制御器50は、かかる温度調整器を制御して、水素含有ガスとの間で熱交換する熱媒体温度を低下させてもよい。また、制御器50は、かかる温度調整器を制御して、水素含有ガスとの間で熱交換する熱媒体の流量を上昇させてもよい。
図6Aは、第1実施形態の第2実施例における圧縮装置の第1制御例のフローチャートである。
以下の動作は、例えば、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。以下の例では、制御器50により動作を制御する場合について、説明する。
まず、相対湿度が適正湿度範囲内にある水素含有ガスがアノードANに供給されているとき(ステップS1)、ステップS12Aにおいて、カソードCAで圧縮される圧縮水素の圧力が低下したか否かが判定される。
ステップS12Aで、上記圧縮水素の圧力が低下していない場合、適時に、ステップS1以降の動作が再実行される。
ステップS12Aで、上記圧縮水素の圧力が低下した場合、ステップS13で、アノード出口における水素含有ガスの温度を低下させる制御が行われる。
図6Bは、第1実施形態の第2実施例における圧縮装置の第2制御例のフローチャートである。
以下の動作は、例えば、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。以下の例では、制御器50により動作を制御する場合について、説明する。
まず、相対湿度が適正湿度範囲内にある水素含有ガスがアノードANに供給されているとき(ステップS1)、ステップS12Bにおいて、アノードANおよびカソードCA間に流れる電流が低下したか否かが判定される。
ステップS12Bで、上記電流が低下していない場合、適時に、ステップS1以降の動作が再実行される。
ステップS12Bで、上記電流が低下した場合、ステップS13で、アノード出口における水素含有ガスの温度を低下させる制御が行われる。
カソードCAで圧縮される圧縮水素の圧力が低下するに連れて、アノードANおよびカソードCA間の差圧によって、カソードCAからアノードANに移動する水量が少なくなる。このとき、アノード出口の水素含有ガスの温度が高いままだと、電解質膜10がドライアップする可能性がある。
しかし、本実施例の圧縮装置200および圧縮装置200の制御方法は、圧縮水素の圧力が低下すると、アノード出口の水素含有ガスの温度を低下させることで、電解質膜10がドライアップする可能性を低減することができる。
また、アノードANおよびカソードCA間に流れる電流が低下するに連れて、圧縮水素の圧力が低下するので、アノードANおよびカソードCA間の差圧によって、カソードCAからアノードANに移動する水量が少なくなる。このとき、アノード出口の水素含有ガスの温度が高いままだと、電解質膜10がドライアップする可能性がある。
しかし、本実施例の圧縮装置200および圧縮装置200の制御方法は、アノードANおよびカソードCA間に流れる電流が低下すると、アノード出口の水素含有ガスの温度を低下させることで、電解質膜10がドライアップする可能性を低減することができる。
本実施例の圧縮装置200および圧縮装置200の制御方法は、上記特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の第1実施例と同様であってもよい。
(第2実施形態)
本実施形態の圧縮装置200は、以下に説明する制御器50の制御内容以外は、第1実施形態の第1実施例と同様である。
制御器50は、第1実施形態の第1実施例の圧縮装置200において、アノードANの出口の水素含有ガスの温度の上限値を大きくする。
例えば、制御器50は、調整器22を制御して、アノードANの入口の水素含有ガスの温度に対するアノードANの出口の水素含有ガスの温度の差を上昇させる。このとき、かかる温度差の上限値を大きくする。
一例として、電気化学セルの電流密度が1.0A/cmであるとき、カソードCAで圧縮される圧縮水素の圧力(以下、カソードガス圧P)と、アノードANの入口の水素含有ガスの温度に対するアノードANの出口の水素含有ガスの温度の差(以下、水素含有ガスの温度差TS)とが以下の関係になるように調整器22を制御してもよい。なお、この電流(電流密度:1.0A/cm)は、電気化学式水素ポンプ100の動作が安定する最小電流を想定した値であり、この電流密度に見合うように、水素含有ガス流量を決定した。
・水素含有ガスの温度差TS=3℃(カソードガス圧P=1.0MPa)
・水素含有ガスの温度差TS=4℃(カソードガス圧P=10.0MPa)
・水素含有ガスの温度差TS=5℃(カソードガス圧P=20.0MPa)
・水素含有ガスの温度差TS=6℃(カソードガス圧P=40.0MPa)
また、一例として、電気化学セルの電流密度が2.5A/cmであるとき、カソードガス圧Pと、水素含有ガスの温度差TSとが以下の関係になるように調整器22を制御してもよい。なお、この電流(電流密度:2.5A/cm)は、電気化学式水素ポンプ100の定格運転を想定した値であり、この電流密度に見合うように、水素含有ガス流量を決定した。
・水素含有ガスの温度差TS=6℃(カソードガス圧P=1.0MPa)
・水素含有ガスの温度差TS=6.5℃(カソードガス圧P=10.0MPa)
・水素含有ガスの温度差TS=7℃(カソードガス圧P=20.0MPa)
・水素含有ガスの温度差TS=8℃(カソードガス圧P=40.0MPa)
以上の水素含有ガスの温度差TSおよびカソードガス圧Pは例示であって、本例に限定されない。
第1実施形態の第1実施例の圧縮装置200は、アノードANおよびカソードCA間の差圧によって、カソードCAからアノードANに移動する水量が増加する傾向にある。
そこで、本実施形態の圧縮装置200は、電気化学セルの電流密度の上昇、または、カソードガス圧Pの上昇に連れて、アノードANの出口の水素含有ガスの温度の上限値を大きくすることで、アノードANでフラディングが発生にくくなるようにアノード出口の水素含有ガスの温度を適切に制御することができる。
例えば、本実施形態の圧縮装置200は、電気化学セルの電流密度の上昇、または、カソードガス圧Pの上昇に連れて、水素含有ガスの温度差TSを上昇させると、アノードANでフラディングが発生する可能性が低減される。また、かかる温度差TSの上限値を大きくすることで、アノードANでフラディングが発生する可能性が低減されるようにアノード出口の水素含有ガスの温度を適切に制御することができる。
本実施形態の圧縮装置200は、上記特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の第1実施例と同様であってもよい。
(第3実施形態)
本実施形態の圧縮装置200は、以下に説明する制御器50の制御内容以外は、第1実施形態の第2実施例と同様である。
制御器50は、第1実施形態の第2実施例の圧縮装置200において、アノードANの出口の水素含有ガスの温度の上限値を小さくする。
例えば、制御器50は、調整器22を制御して、アノードANの入口の水素含有ガスの温度に対するアノードANの出口の水素含有ガスの温度の差を低下させる。このとき、かかる温度差の上限値を小さくする。
なお、電気化学セルの電流密度が1.0A/cm、および、2.5A/cmであるとき、カソードガス圧Pと、水素含有ガスの温度差TSとの間の関係の具体例については、第2実施形態で説明した内容と同様であるので省略する。
第1実施形態の第2実施例の圧縮装置200は、アノードANおよびカソードCA間の差圧によって、カソードCAからアノードANに移動する水量が減少する傾向にある。このとき、アノードANの出口の水素含有ガスの温度が高いと、電解質膜10はドライアップしやすい。
そこで、本実施形態の圧縮装置200は、電気化学セルの電流密度の低下、または、カソードガス圧Pの低下に連れて、アノードANの出口の水素含有ガスの温度の上限値を小さくすることで、電解質膜10のドライアップが発生しにくくなるようにアノード出口の水素含有ガスの温度を適切に制御することができる。
例えば、本実施形態の圧縮装置200は、電気化学セルの電流密度の低下、または、カソードガス圧Pの低下に連れて、水素含有ガスの温度差TSを低下させると、電解質膜10のドライアップが発生する可能性が低減される。また、かかる温度差TSの上限値を小さくすることで、電解質膜10のドライアップが発生する可能性が低減するようにアノード出口の水素含有ガスの温度を適切に制御することができる。
本実施形態の圧縮装置200は、上記特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の第2実施例と同様であってもよい。
なお、第1実施形態、第1実施形態の第1実施例-第2実施例、第2実施形態および第3実施形態は、互いに相手を排除しない限り、互いに組み合わせても構わない。
また、上記説明から、当業者にとっては、本開示の多くの改良および他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本開示を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本開示の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更することができる。
本開示の一態様は、アノードガスの相対湿度を従来よりも適切に調整し得る圧縮装置および圧縮装置の制御方法に利用することができる。
10 :電解質膜
11 :カソードセパレータ
12 :アノードセパレータ
13 :アノード給電体
14 :アノード触媒層
15 :カソード給電体
16 :カソード触媒層
22 :調整器
30 :サーペンタイン流路
31 :水素含有ガス導入マニホールド
32 :水素含有ガス導出マニホールド
50 :制御器
60 :熱媒体流路
61 :熱媒体導入マニホールド
62 :熱媒体導出マニホールド
100 :電気化学式水素ポンプ
200 :圧縮装置
300 :第1方向
400 :第2方向
AN :アノード
CA :カソード

Claims (5)

  1. アノードおよびカソード間に電圧を印加することで、アノードガス中の水素を、電解質膜を介してカソードに移動させ、かつ圧縮する圧縮機と、
    前記圧縮機内の前記アノードガスの温度を調整する調整器と、
    前記電圧の印加により前記アノードおよび前記カソード間に流れる電流が上昇すると、前記調整器を制御して、前記アノードの出口の前記アノードガスの温度を上昇させる制御器とを備える、圧縮装置。
  2. 前記制御器は、前記アノードの出口の前記アノードガスの温度の上限値を大きくする、請求項1に記載の圧縮装置。
  3. 前記制御器は、前記調整器を制御して、前記アノードの入口の前記アノードガスの温度に対する前記アノードの出口の前記アノードガスの温度の差を上昇させる、請求項1に記載の圧縮装置。
  4. 前記制御器は、前記差の上限値を大きくする、請求項に記載の圧縮装置。
  5. アノードおよびカソード間に電圧を印加することで、アノードガス中の水素を、電解質膜を介してカソードに移動させ、かつ圧縮するステップを備え、
    前記ステップにおいて、前記電圧の印加により前記アノードおよび前記カソード間に流れる電流が上昇すると、前記アノードの出口の前記アノードガスの温度を上昇させる、圧縮装置の制御方法。
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