JP7121977B2 - アクチュエータ - Google Patents
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Description
特許文献1(特開2013-236747号公報)には、内視鏡の先端部に推進補助装置(2)を設置し、内視鏡を体内に挿入した後に、推進補助装置(2)を作動させて、先端硬化部(3)を体内で前進、後退させる技術が記載されている。
従来の内視鏡では、長手方向に伸びるケーブル状、紐状の部分を体内に挿入するが、内視鏡を体内で目的の位置まで推進させる必要がある。特許文献1に記載の技術では、最初は、術者の手により送り込まれ、その後、推進補助装置(2)で推進されているが、いずれも、内視鏡の先端部に対して、後ろから押し込む形で推進させている。
したがって、後ろから押し込む形では、目的の位置までの経路が、複雑に湾曲していると、先端部が座屈して進めなくなる場合がある。また、経路に分岐がある場合には、先端部を屈曲させて進路を調整しようとしても、先端部は大きく屈曲させることが困難であり、分岐において目的の進路に進行させることが困難な場合もある。
長手方向に延び且つ内部に予め設定された圧力の流体が収容され、可撓性を有する流体収容部と、
前記流体収容部の周囲に複数配置され、内部への流体の流入出に応じて前記長手方向に伸縮可能な伸縮部と、
前記各伸縮部の一端部に支持された第1の枠体と、前記各伸縮部の他端部に支持された第2の枠体と、前記各伸縮部のそれぞれに対応して形成されて前記各伸縮部に流体が流入するための流入口と、前記第2の枠体に形成された前記流体収容部に接続される接続路と、前記接続路に対応する第1の通気部を有し前記長手方向に交差する方向に移動可能に支持された第1の弁体と、前記各流入口に対応する第2の通気部を有し前記長手方向に交差する方向に移動可能に支持された第2の弁体と、を有する関節ブロックであって、前記長手方向に沿って複数配置された前記関節ブロックと、
長手方向に対して隣接して配置された2つの関節ブロックにおいて、一方の関節ブロックの第1の枠体と、他方の関節ブロックの第1の弁体とを接続して、前記第1の枠体の前記長手方向に対する傾斜に連動して、前記傾斜の外側の前記伸縮部へ流体が流入する流入位置に前記第1の弁体を移動させる第1の連動部材と、
前記各関節ブロックの第2の枠体と前記第2の弁体とを接続して、前記伸縮部の伸縮に連動して、前記傾斜の外側の前記伸縮部の流体を封止する封止位置に前記第2の弁体を移動させる第2の連動部材と、
を備えたことを特徴とする。
前記流入位置において、傾斜の内側の前記伸縮部の内部を外気に接続する前記第2の弁体、
を備えたことを特徴とする。
前記長手方向に直交する第1の直交方向に対して、前記流体収容部を挟んで対向して配置された一対の第1の伸縮部と、
前記長手方向および前記第1の直交方向に直交する第2の直交方向に対して、前記流体収容部を挟んで対向して配置された一対の第2の伸縮部と、
前記第1の伸縮部に対応して配置され、前記第1の直交方向に沿って移動可能な各弁体と、
前記第2の伸縮部に対応して配置され、前記第2の直交方向に沿って移動可能な各弁体と、
を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、傾斜の内側の伸縮部を外気に接続することで伸縮部の内圧を大気圧にすることができ、内圧を変えるための装置を設ける場合に比べて、コストを下げることができる。
請求項3に記載の発明によれば、3次元的な動きを実現することができる。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
図2は実施例1のアクチュエータ本体の側面図である。
図1において、本発明の実施例1のアクチュエータ1は、アクチュエータ本体2と、アクチュエータ本体2を覆うカバー3とを有する。図1、図2において、アクチュエータ本体2は、全体として長手方向に伸びるケーブル状に形成されている。アクチュエータ本体2は、長手方向に沿って間隔をあけて配置された複数の関節ブロック11を有する。各関節ブロック11は、厚みのある円板状に形成されている。
なお、以下の説明において、便宜的に、長手方向の「先端側」を「上側」、長手方向の「基端側」を「下側」と表記して説明する場合がある。
図1~図3において、実施例1のアクチュエータ本体2は、チューブ6の長手方向に沿って間隔をあけて配置された複数の関節ブロック11を有する。各関節ブロック11は、全体として厚みのある円板状に形成されている。
関節ブロック11では、長手方向の先端側(上側)に、第2の枠体の一例としての第1プレート12が配置されている。第1プレート12は、円板状に形成されている。第1プレート12の円の中心部には、第1のチューブ取付部12aが上側に突出して形成されている。第1のチューブ取付部12aの中央には、第1プレート12を貫通する流路が形成されている。
第1プレート12の下側(長手方向の基端側)には、第1の弁体支持部の一例としての第2プレート13が配置されている。図3C、図4において、第2プレート13は略円板状に形成されている。第2プレート13は、第1のチューブ取付部12aに形成された流路に接続される貫通孔13aが円板の中央部を貫通して形成されている。図3Cにおいて、第2プレート13の上面には、貫通孔13aから径方向の外側に伸びる第1の接続路13bが形成されている。第1の接続路13bの外端には、第1の接続口13cが形成されている。図4において、第2プレート13の下面には、案内部の一例として、貫通孔13aを囲む略U字状のガイド溝13dが形成されている。
フィードバックスライダ16の下方には、第2の弁体支持部の一例としての第3プレート17が配置されている。第3プレート17は、円板状に形成されている。第3プレート17の中央部には、貫通孔17aが形成されており、第2プレート13の貫通孔13aに接続される。第3プレート17には、フィードバックスライダ16の第2の通気口16bに対応して、第2の接続口17bが一対形成されている。第2の接続口17bは第3プレート17を長手方向に貫通して形成されている。図5において、第3プレートの下面には、各第2の接続口17bからそれぞれ伸びる溝状の第2の接続路17cが形成されている。各第2の接続路17cは、貫通孔17aの両側に対称に並んだ位置まで延びている。
図1において、実施例1のアクチュエータ1では、長手方向の最先端の関節ブロック11には、撮影部材の一例としてのカメラ19が支持されている。
また、長手方向の先端側のフィードバックスライダ16と、長手方向の基端側の第1プレート12との間は、第2の連動部材の一例としてのフィードバックワイヤ27で接続されている。フィードバックワイヤ27は、第1プレート12の長手方向に対する傾斜とフィードバックスライダ16のスライド移動とを連動させる。
図6は実施例1の作用説明図であり、図6Aはアクチュエータが長手方向に伸びている状態の模式図、図6Bは図6Aの状態から先端側の入力スライダが移動した状態の説明図、図6Cは図6Bの状態からベローズが伸縮してフィードバックスライダが移動し且つ基端側の入力スライダが移動した状態の説明図、図6Dは図6Cの状態から基端側のベローズが伸縮してフィードバックスライダが移動した状態の説明図である。
なお、図6において、作用の説明と理解の容易のため、あえて一部の部材は図示を省略したり、実物に対して不正確な表記としている部分がある。
図6A、図6Bにおいて、長手方向の先端側の関節ブロック11が、図6における左右何れかに傾いた場合(いわゆる首を振った場合)、先端側の関節ブロック11に接続された入力ワイヤ26が入力スライダ14を移動させる。具体的には、傾きの曲率半径の外側の入力ワイヤ26が入力スライダ14を引っ張る形で、入力スライダ14が、図6Bに示す流入位置にスライド移動する。
なお、図6Bの状態では、入力スライダ14が右側にスライドした状態では、フィードバックスライダ16の左側の第2の通気口16b(16b-2)が外部、すなわち、大気に接続される。したがって、左側のベローズ21(21-2)の内圧が大気圧となる。よって、左右のベローズ21の圧力差で、図6Cに示すように、ベローズ21が伸縮し、第4プレート18が長手方向に対して傾斜する。
なお、先端側の関節ブロック11が、図6B~図6Dの逆側に傾くと、同様にして、逆側に傾いていく。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
図7は実施例2のアクチュエータの説明図であり、図7Aは図2に対応する側面図、図7Bは関節ブロックの斜視図、図7Cは図3Cに対応する関節ブロックの分解図である。
図7において、実施例2のアクチュエータ1′では、実施例1の関節ブロック11とは異なる関節ブロック11′を有する。図7Cにおいて、実施例2の関節ブロック11′は、実施例1と同様の第1プレート12、第2プレート13、第1入力スライダ14、第1フィードバックスライダ16を有する。なお、実施例2では、第1入力スライダ14および第1フィードバックスライダ16が移動する方向を、第1の直交方向の一例としてのX方向(左右方向)として説明する。
第7プレート36の下面には、第7の前接続口36dから前方に弧状に延びる第7の前弧状接続路36fが形成されている。同様に、第7プレート36の下面には、第7の後接続口36eから後方に弧状に延びる第7の後弧状接続路36gが形成されている。
第7プレート36には、第6の左接続口32eに接続される第7の左接続口36jが、第7プレート36を貫通して形成されている。また、第7プレート36の下面には、第7の左接続口36jから、左斜め前方に向けて延びる第7の左接続路36kが形成されている。実施例2では、第7の左接続路36kの前端は、貫通孔36aと第7の前弧状接続路36fの前端との間の位置まで伸びている。
第8プレート37の上面には、第7の左接続路36kの下流端(前端)に接続し、第8プレート37の左端に向けて延びる第8の左接続路37bが形成されている。第8の左接続路37bの左端には、第8の左接続口37cが、第8プレート37を貫通して形成されている。
また、第8プレート37の上面には、第7の右接続口36hに接続し、且つ、第8プレート37の右端に向けて延びる第8の右接続路37dが形成されている。第8の右接続路37dの右端には、第8の右接続口37eが、第8プレート37を貫通して形成されている。
また、実施例2では、第8の左接続口37cおよび第8の右接続口37eに対応して、第1の伸縮部の一例としての第1ベローズ21が接続されている。また、第8の前接続口37fおよび第8の後接続口37gに対応して、第2の伸縮部の一例としての第2ベローズ21′が接続されている。
なお、実施例2では、図示は省略するが、第2入力スライダ33および第2フィードバックスライダ34には、第1入力スライダ14および第1フィードバックスライダ16と同様に、長手方向に隣接する関節ブロック11′の第8プレート37および第1プレート12との間にワイヤ26,27が連結されており、各プレート37,12のY方向の傾斜に連動して各スライダ33,34がスライド移動可能に連結されている。
前記構成を備えた実施例2のアクチュエータ1′では、X方向にしか傾斜できなかった実施例1の構成に比べて、Y方向にも傾斜ができるようになっている。したがって、アクチュエータ1′がヘビが進行するように動く際に、実施例1のような2次元的な動きだけでなく、3次元的な動きも可能である。よって、人体や配管等の内部に進行しやすくなっている。
例えば、流体としてガスを使用したが、これに限定されない。例えば、人体で使用する場合は、生理食塩水等の液体を使用することも可能である。
さらに、アクチュエータ1の先端部にカメラ19を設ける構成を例示したが、これに限定されない。例えば、マジックハンドやハサミ、注射器、センサ等、アクチュエータ1を通じて遠隔で行いたい作業に応じた部材を設置することが可能である。
さらに、関節ブロック11は、複数のプレートを積層してボルト止めする構成を例示したが、これに限定されない。3Dプリンタ等を使用することで、例えば、第1プレート12と第2プレート13を一体形成する等、任意の構成を取ることが可能である。
11,11′…関節ブロック、
12…第2の枠体、
13b…接続路、
14,33…第1の弁体、
14b,33b…第1の通気部、
16,34…第2の弁体、
16b,34b…第2の通気部、
18…第1の枠体、
18c…流入口、
21…第1の伸縮部、
21,21′…伸縮部、
21′…第2の伸縮部、
22…流体収容部、
26…第1の連動部材、
27…第2の連動部材。
Claims (3)
- 長手方向に延び且つ内部に予め設定された圧力の流体が収容され、可撓性を有する流体収容部と、
前記流体収容部の周囲に複数配置され、内部への流体の流入出に応じて前記長手方向に伸縮可能な伸縮部と、
前記各伸縮部の一端部に支持された第1の枠体と、前記各伸縮部の他端部に支持された第2の枠体と、前記各伸縮部のそれぞれに対応して形成されて前記各伸縮部に流体が流入するための流入口と、前記第2の枠体に形成された前記流体収容部に接続される接続路と、前記接続路に対応する第1の通気部を有し前記長手方向に交差する方向に移動可能に支持された第1の弁体と、前記各流入口に対応する第2の通気部を有し前記長手方向に交差する方向に移動可能に支持された第2の弁体と、を有する関節ブロックであって、前記長手方向に沿って複数配置された前記関節ブロックと、
長手方向に対して隣接して配置された2つの関節ブロックにおいて、一方の関節ブロックの第1の枠体と、他方の関節ブロックの第1の弁体とを接続して、前記第1の枠体の前記長手方向に対する傾斜に連動して、前記傾斜の外側の前記伸縮部へ流体が流入する流入位置に前記第1の弁体を移動させる第1の連動部材と、
前記各関節ブロックの第2の枠体と前記第2の弁体とを接続して、前記伸縮部の伸縮に連動して、前記傾斜の外側の前記伸縮部の流体を封止する封止位置に前記第2の弁体を移動させる第2の連動部材と、
を備えたことを特徴とするアクチュエータ。 - 前記流入位置において、傾斜の内側の前記伸縮部の内部を外気に接続する前記第2の弁体、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。 - 前記長手方向に直交する第1の直交方向に対して、前記流体収容部を挟んで対向して配置された一対の第1の伸縮部と、
前記長手方向および前記第1の直交方向に直交する第2の直交方向に対して、前記流体収容部を挟んで対向して配置された一対の第2の伸縮部と、
前記第1の伸縮部に対応して配置され、前記第1の直交方向に沿って移動可能な各弁体と、
前記第2の伸縮部に対応して配置され、前記第2の直交方向に沿って移動可能な各弁体と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のアクチュエータ。
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