JP6893652B2 - 移動体および探索機 - Google Patents

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Description

本発明は、流体圧を利用した移動体に関する。
地中や建物に埋設されて長い年月が経過した配管は、腐食などにより破断や亀裂の恐れがある。このため、定期的に配管内の検査を行う必要があるが、コスト面などの観点から配管を掘り起こさず、内部の映像を取得可能な装置が求められている。従来では、配管内の検査方法として、押し込み式のカメラが用いられてきた。
配管内の検査に関して、従来の押し込み式のカメラは直線状の経路に対しては有効であるものの、実際の配管によく見られる、複雑に湾曲した管内を十分に探査することが困難であった。
そのため、従来の押し込み式カメラ、ボーカメやファイバースコープでは侵入できない管路、狭隘地形内を探査することができる自走式の移動体の開発が求められている(特許文献1〜3)。自走式の移動体は、配管などの工業用管路の他、大腸管などの生体管路内での使用も期待されている。
特開2009−240713号公報 特開2012−81130号公報 特開平5−293077号公報
本発明は係る状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、複雑な管路や狭隘地形内を推進可能な移動体の提供にある。
本発明のある態様は移動体に関する。移動体は、連結部を介して直列に連結される複数の推進ユニットと、圧力コントローラと、備える。各推進ユニットは、流体の供給圧に応じて長さを制御可能に構成される推進アクチュエータと、推進アクチュエータの一端側に設けられ、流体の供給圧に応じて径方向に膨張、収縮可能に構成される第1支持アクチュエータと、推進アクチュエータの他端側に設けられ、流体の供給圧に応じて径方向に膨張、収縮可能に構成される第2支持アクチュエータと、を含む。圧力コントローラは、(i)複数の推進ユニットに含まれる複数の推進アクチュエータへの供給圧、(ii)複数の推進ユニットに含まれる複数の第1支持アクチュエータへの供給圧、および(iii)複数の推進ユニットに含まれる複数の第2支持アクチュエータへの供給圧を独立に制御可能に構成される。
各推進ユニットにおいて、進行方向の後方の支持アクチュエータを径方向に膨張させると、その部分が管路の内壁に固定される。その状態で推進アクチュエータを伸張させると、前方の支持アクチュエータが進行方向に繰り出される。続いて前方の支持アクチュエータを径方向に膨張させると、その部分が管路の内壁に固定される。この状態で、後方の支持アクチュエータの膨張および推進アクチュエータの伸張を解除すると、後方の支持アクチュエータが進行方向に引っ張られる。この動作を繰り返すことにより、各推進ユニットを進行方向に向かって移動させることができる。また、圧力制御の順序を逆にすれば、進行方向を切りかえることも可能である。
また、複数の推進ユニットは独立に推進力を発生するため、屈曲が多く、したがって抵抗の大きい複雑な管路においても、ある程度の重量物を管路内で搬送することができる。
連結部は、受動的に伸縮してもよい。複雑な管路では、隣接する推進ユニットの速度が異なる状況も生じうるが、連結部が受動的に伸縮することで、隣接する推進ユニットが相互に悪影響を及ぼすのを防止できる。
連結部は、流体の供給圧に応じて制御可能に構成されてもよい。圧力コントローラは、連結部への供給圧を制御してもよい。
移動体は、推進ユニットおよび連結部のセットを少なくともひとつ含む連結ユニットが、コネクタを介して連結可能に構成されてもよい。
移動体の長さが長くなると、圧力源から遠い推進ユニットと、圧力源に近い推進ユニットの間で、流体圧の制御遅延が発生しうる。複数の連結ユニットを継ぎ足し可能とすることで、移動体を短い状態で使用可能となるため、制御遅延の小さくできる。
本発明の別の態様は探査機に関する。探査機は、上述のいずれかの移動体を備える。探査機は、その先端にヘッドユニットを備えてもよい。ヘッドユニットには、カメラや操舵用のアクチュエータが設けられてもよい。探査機は洗浄機能を備えてもよく、この場合、ヘッドユニットには、高圧洗浄用のノズルが設けられてもよい。
なお、以上の構成要素を任意に組み合わせたものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明のある態様によれば、複雑な管路や狭隘地形内を推進可能な移動体を提供できる。
実施の形態に係る移動体を模式的に示す図である。 図2(a)、(b)は、圧力コントローラの構成例を示す図である。 図3(a)〜(f)は、図1の移動体の動作を説明する図である。 推進アクチュエータ、第1支持アクチュエータ、第2支持アクチュエータの圧力制御のタイムチャートである。 図5(a)、(b)は、推進アクチュエータの構成例を示す図である。 図6(a)、(b)は、図5の推進アクチュエータの推進力、牽引力の測定結果を示す図である。 図7(a)〜(c)は、支持アクチュエータの構成例を示す図である。 図7の支持アクチュエータの支持力の測定結果を示す図である。 連結部の構成例を示す図である。 図10(a)は、移動体の試作機の推進力の測定結果を示す図であり、図10(b)は、推進ユニットを牽引した際に生じる摩擦抵抗の測定結果を示す図である。 図11(a)は、探索機を示す図であり、図11(b)は、探索機の運用の一例を説明する図である。 図12(a)、(b)は、コネクタの断面図である。 第2変形例に係る移動体を示す図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
1. 基本構成
1.1 全体構成
図1は、実施の形態に係る移動体2を模式的に示す図である。なお図面に示される各部材の寸法は、理解の容易化、説明の簡潔化のため適宜拡大縮小されている。
移動体2は、連結部20を介して直列に連結される複数N個(Nは2以上の整数)の推進ユニット10_1〜10_Nと、圧力コントローラ30と、備える。移動体2は、管路1内を推進する。
各推進ユニット10は、推進アクチュエータ12、第1支持アクチュエータ14、第2支持アクチュエータ16を備える。
推進アクチュエータ12は、流体の供給圧に応じて長さを制御可能に構成される。推進アクチュエータ12の直径は、その長さによらずに、管路1の内径φよりも十分に小さいことが好ましい。一例として、内径50mmの管路に対して、推進アクチュエータ12の直径は25mm以下が好ましい。一般化すると、推進アクチュエータ12の直径は、内径の1/2より小さいことが好ましい。また推進アクチュエータ12は加圧状態においても、折れ曲り可能な構造的柔軟性を有していることが望ましい。
本実施の形態では、推進アクチュエータ12は、加圧により伸張し、減圧により収縮するものとする。
第1支持アクチュエータ14は、推進アクチュエータ12の一端側に設けられ、流体の供給圧に応じて径方向に膨張、収縮可能に構成される。第2支持アクチュエータ16は、推進アクチュエータ12の他端側に設けられ、流体の供給圧に応じて径方向に膨張、収縮可能に構成される。第1支持アクチュエータ14および第2支持アクチュエータ16は、膨張状態において、管路1の内壁と接触して、内壁をグリップする。
移動体2には、3つの圧力系統(流路)34,36,38が設けられる。第1圧力系統34は、複数の推進ユニット10に含まれる複数の第1支持アクチュエータ14と接続される。第2圧力系統36は、複数の推進ユニット10に含まれる複数の第2支持アクチュエータ16と接続される。第3圧力系統38は、複数の推進ユニット10に含まれる複数の推進アクチュエータ12に接続される。
圧力コントローラ30は、3つの圧力系統34,36,38それぞれの圧力を独立に制御することにより、(i)複数の第1支持アクチュエータ14、(ii)複数の第2支持アクチュエータ16、(iii)複数の推進アクチュエータ12に供給される流体の圧力を独立に制御可能に構成される。流体は、空気(窒素)などの気体であってもよいし、水や溶液などの液体であってもよい。
図2(a)、(b)は、圧力コントローラの構成例を示す図である。図2(a)は、空気圧を利用した圧力コントローラであり、圧力コントローラ30は、空気圧源31と、バルブ33A〜33Cを備える。第1圧力系統34、第2圧力系統36、第3圧力系統38はそれぞれ、空気の供給であるチューブ32A〜32Cを含む。バルブ33A〜33Cはそれぞれ、対応するチューブ32と空気圧源31の間に設けられる。
図2(b)は水圧を利用した圧力系統を示す。圧力コントローラ30は、水圧源35と、タンク37を備える。第1圧力系統34、第2圧力系統36、第3圧力系統38は、水圧源35と接続される給水側のチューブ32Dと、タンク37と接続される排水側のチューブ32E、および複数のバルブ39A〜39Cおよび39D〜39Fを備える。バルブ39Aは、給水側のチューブ32と推進アクチュエータ12の間に設けられ、バルブ39Dは、排水側のチューブ32Eと推進アクチュエータ12の間に設けられる。バルブ39Bは、給水側のチューブ32と第1支持アクチュエータ14の間に設けられ、バルブ39Eは、排水側のチューブ32Eと第1支持アクチュエータ14の間に設けられる。バルブ39Cは、給水側のチューブ32と第2支持アクチュエータ16の間に設けられ、バルブ39Fは、排水側のチューブ32Eと第2支持アクチュエータ16の間に設けられる。圧力コントローラ30は、バルブ39A〜39Fを制御することにより、推進アクチュエータ12、第1支持アクチュエータ14、第2支持アクチュエータ16それぞれに供給される水圧を制御する。
1.2 動作
図3(a)〜(f)は、図1の移動体2の動作を説明する図である。移動体2は、図3(a)〜(f)に示す第1状態φ〜第6状態φを繰り返しながら推進する。
ここでは移動体2を、図中、矢印(右)方向に推進させる場合を説明する。各推進ユニット10は同様の動作を行うため、ひとつの推進ユニット10に着目する。
図3(a)の第1状態φでは、推進ユニット10の進行方向側の支持アクチュエータ(第2支持アクチュエータ)16を径方向に膨張させる。このとき、第2支持アクチュエータ16は、管路1の内壁にグリップし、固定される。
続いて、図3(b)の第2状態φにおいて、推進アクチュエータ12を伸張させる。これにより前方の支持アクチュエータ(第1支持アクチュエータ)14が進行方向に繰り出される。
続いて、図3(c)の第3状態φにおいて、前方の支持アクチュエータ14を径方向に膨張させると、その部分が管路1の内壁に固定される。
続いて図3(d)の第4状態φにおいて、後方の支持アクチュエータ16の膨張を開場する。
続く図3(e)の第5状態φにおいて、推進アクチュエータ12の伸張を解除すると、推進アクチュエータ12が収縮し、それにともない後方の支持アクチュエータ16が、進行方向に引っ張られる。
続く図3(f)の第6状態φにおいて、後方の第2支持アクチュエータ16を径方向に膨張させ、第2支持アクチュエータ16により管路1の内壁をグリップする。
第1状態φ〜第6状態φの1サイクルにより、推進ユニット10は、ΔLだけ右方向に進む。移動体2はこの動作を繰り返すことにより、各推進ユニット10を進行方向に向かって移動させることができる。
図4は、推進アクチュエータ12、第1支持アクチュエータ14、第2支持アクチュエータ16の圧力制御のタイムチャートである。波形のハイの状態は加圧状態を、ローの状態は非加圧状態を示す。したがってハイの状態は、推進アクチュエータ12の伸張状態、第1支持アクチュエータ14、第2支持アクチュエータ16の径方向の膨張状態を表し、ローの状態は、推進アクチュエータ12の収縮状態、第1支持アクチュエータ14、第2支持アクチュエータ16の径方向の非膨張状態(膨張解除状態)を表す。
図4(b)は、圧力コントローラ30による第1圧力系統34、第2圧力系統36、第3圧力系統38の圧力制御を示すタイムチャートである。圧力コントローラ30が圧力を変化させてから、推進アクチュエータ12、第1支持アクチュエータ14、第2支持アクチュエータ16の変形が完了するまでには遅延が生ずる。そこで、圧力コントローラ30による各圧力系統の圧力変化のタイミングは、各推進ユニット10において、図4(a)の状態変化が順に発生するように最適化される。その結果、図4(b)の圧力系統の圧力と、図4(b)の対応するアクチュエータの状態の波形は必ずしも一致しないことに留意されたい。
以上が移動体2の動作である。この移動体2によれば、管路1内を自走させることができる。一般的に移動体の長さが長くなると、それにより管路1の壁面との摩擦が大きくなり、抵抗力が大きくなる。抵抗力の増大は移動体の推進スピードの低下を意味する。実施の形態に係る移動体2によれば、各推進ユニット10が独立して推進力を発揮し、推進ユニット10それぞれが壁面からの抵抗力を受ける。したがって各推進ユニット10の運動は独立して考えることができるため、移動体2の長さが長くなっても、言い換えれば管路1内に侵入済みの推進ユニット10の個数が増えても、移動体2の推進スピードを維持することができる。
このように複数の推進ユニット10が独立に推進力を発生するため、屈曲が多く、したがって抵抗の大きい複雑な管路においても、ある程度の重量物を管路内で搬送することができる。
また、状態変化の順序(圧力制御の順序)を逆にすれば、進行方向を切りかえることも可能である。具体的には、進行方向に対して前方となるアクチュエータを第2支持アクチュエータ16、進行方向に対して後方となるアクチュエータを、第1支持アクチュエータ14として上の説明を読み替えればよい。
本発明は、上述の説明から導かれるさまざまな装置に及ぶものであり、特定の構成に限定されるものではない。以下、本発明の範囲を狭めるためではなく、発明の本質や動作の理解を助け、またそれらを明確化するために、より具体的な構成例や変形例を説明する。
2. 具体例
以下では、空気圧を使用する移動体2の具体例について説明する。
2.1 推進アクチュエータ
図5(a)、(b)は、推進アクチュエータ12の構成例を示す図である。推進アクチュエータ12は、ゴムチューブ(ピール管)40および拘束カバー42を含む。ゴムチューブ40は、両端が閉じられており、その内部は第1圧力系統34と連通しており、流体による圧力制御が可能となっている。ゴムチューブ40に流体を流し込む(流体加圧)ことにより、ゴムチューブ40は膨張する。ゴムチューブ40自体は、流体加圧により等方的に膨張してもよい。減圧すると、ゴムチューブ40は収縮する。
ゴムチューブ40は、径方向に伸縮しない径方向膨張拘束カバー(以下、単に拘束カバーと称する)42に挿通される。拘束カバー42の自然長は、ゴムチューブ40の長さよりも十分に長く、たとえばゴムチューブ40の長さの2〜4倍としてもよい。この倍率は、推進ユニット10自体の収縮率を規定する。拘束カバー42は、たとえばヒダを有する蛇腹構造(アコーディオン構造、ベローズ構造)を有しており、図5(b)に示すように、軸方向に圧縮した状態で、その両端がゴムチューブ40と固定される。拘束カバー42はコルゲートチューブであってもよい。
図6(a)、(b)は、図5の推進アクチュエータ12の推進力、牽引力の測定結果を示す図である。測定に用いた推進アクチュエータ12は、外径8.2mm、肉厚0.9mm、長さ30mmのアメゴムチューブに、外径10mmの拘束カバー75mmを被せて製作したものである。図6(a)は圧力と推進力の関係を示し、図6(b)は自然長からの伸びと、牽引力を示す。
図6(a)、(b)から分かるように、図5の推進アクチュエータ12によれば、湾曲管内を推進可能な柔軟構造を有しながら、高い伸縮率と推力を実現できる。
2.2 支持アクチュエータ
図7(a)〜(c)は、支持アクチュエータの構成例を示す図である。第1支持アクチュエータ14および第2支持アクチュエータ16は同様に構成される。図7(a)に示すように、支持アクチュエータ14(16)は、ゴムチューブ50および弾性カバー52を備える。ゴムチューブ50は、両端が閉じられており、その内部は第2圧力系統36(もしくは第3圧力系統38)と連通しており、流体による加減圧が可能となっている。ゴムチューブ50に流体を流し込む(流体加圧)ことにより、ゴムチューブ50は膨張する。ゴムチューブ40自体は、流体加圧により等方的に膨張してもよい。
ゴムチューブ50は、周方向に伸縮可能であり、軸方向に伸びない筒状の弾性カバー52に覆われている。図7(b)に示すように、弾性カバー52は、第1方向に伸び易く、それと直交する第2方向に伸びにくい(1-way stretch)布を、2枚、筒状に貼り合わせて構成してもよい。1枚の布で筒状の弾性カバー52を作製しても構わない。図7(c)はゴムチューブ50を加圧した状態を示す。加圧によりゴムチューブ50が膨張すると、弾性カバー52は、軸方向には伸びず、周方向に伸びる。これにより支持アクチュエータ14は径方向に膨張する。
図8は、図7の支持アクチュエータの支持力の測定結果を示す図である。測定に用いた支持アクチュエータは、外径16mm、肉厚0.9mm、長さ80mmのアメゴムチューブに、最大外径60mm、長さ80mmの弾性カバー52を被せて製作したものである。測定は、支持アクチュエータを、内径50mmの中で膨張させた状態で行った。
図8から分かるように、図7(a)の支持アクチュエータ14によれば配管径50mm以下で十分に大きな支持力(グリップ力)を発揮できる。
2.3 連結部
図9は、連結部の構成例を示す図である。連結部20は、第1圧力系統34、第2圧力系統36、第3圧力系統38に対応する3本の供給経路であるチューブ32A〜32Cを含む。好ましくはチューブ32A〜32Cはコイリングチューブであり、3本のコイリングチューブを束ねることにより、連結部20が形成される。この連結部20は、推進ユニット10の移動(推進アクチュエータ12の伸縮)に応じて受動的に伸縮する。
複雑な管路では、隣接する推進ユニット10の速度が異なる状況も生じうるが、連結部20が受動的に伸縮することで、隣接する推進ユニット10が相互に悪影響を及ぼすのを防止できる。また、流体圧の供給経路が連結部20を兼ねるため、移動体2を軽量化できる。
2.4 移動体の試作機の性能
図5の推進アクチュエータ12、図7の支持アクチュエータ14(16)、図9の連結部20を組み合わせて、移動体2を作製した。移動体2の重量は、長さが250mmの推進ユニット10と、300cmの供給経路(連結部20)を含めて、760gと非常に軽量である。
この移動体2を、内径50mmの直線状の配管内で推進(前進運動)させたところ、5回の試行の平均速度として61.1mm/sを得た。またスムーズな後退運動が可能であることも確認された。
また、500mm間隔で90度の屈曲部が設けられた3次元的な配管内で推進させたところ、5回の試行の平均速度として59.0mm/sを得た。当然ながら3次元的な配管は、鉛直管も含んでいる。またスムーズな後退運動が可能であることも確認された。
さらに、U字の屈曲部を有する配管内で推進させたところ、5回の試行の平均速度として55.2mm/sを得た。またスムーズな後退運動が可能であることも確認された。
水平管、鉛直管、湾曲管、U字管が複雑に組み合わさった配管内で推進実験を行ったところ、5回の試行の平均速度として34.6mm/sを得た。またスムーズな後退運動が可能であることも確認された。
図10(a)は、移動体2の試作機の推進力の測定結果を示す図である。横軸は推進距離(管路への侵入長)を、縦軸は移動体2の先頭部分の推進力を示す。図10(a)から、侵入長が増えても、推進力が低下しないことが確認できる。この利点は以下の比較技術との対比によってより明確となる。
比較技術として、ヘッド部分にのみ推進機構を備える移動体を考える。比較技術における推進機構はモータなどの電気的手段であってもよいし、流体圧を利用したものであってもよい。比較技術に係る移動体は、ヘッド部分から、カメラの配線や、電力供給(流体供給)のための配線が引き出される。これらの配線と配管との接触抵抗は、推進距離(侵入長)が長くなるほど大きくなり、また配線の重量も推進距離(侵入長)が長くなるほど増加する。したがって比較技術に係る移動体では、推進距離が長くなるにしたがって推進力が低下することを避けられない。実施の形態に係る移動体2では、各推進ユニット10は、長い配線のうち一部分のみを運搬していることと等価であるから、推進距離が長くなっても、それに応じて管路内の推進ユニットの個数が増加していくため、推力の低下が抑制される。
続いて、1個の推進ユニット10の最適な長さについて考察する。推進ユニット10の推力(伸長時の力)および牽引力(収縮時の力)は、圧力が増すと増加するが、ユニットの長さによらず一定である。1個の推進ユニット10が一度に通過する曲がり管(屈曲部)の個数が増すと、摩擦抵抗も増加する。図10(b)は、内径50mmのアクリル製の90°の屈曲部が500mm毎に配置された環境において、推進ユニット10を牽引した際に生じる摩擦抵抗の測定結果を示す図である。推進ユニット10の生成する牽引力がこの摩擦抵抗より小さい時、収縮できず推進不能となる。
そこで、1組の推進ユニット10の長さを短くすれば、1個の推進ユニット10が一回の収縮動作時に遭遇する曲がり管の個数を減らすことができ、牽引力が摩擦抵抗を上回る状態を常に保持することが可能となる。一方、推進ユニット10の長さが短くなると、1サイクルの加減圧動作時における推進距離が低下し、推進効率が劣化する。そこで1個の推進ユニット10の長さは、一度の牽引動作時に遭遇する曲がり管の摩擦抵抗が牽引力を上回らない範囲において、なるべく長くするとよい。
3. 用途
続いて、移動体2の用途を説明する。移動体2は、排水管、給水管、空調関係の配管、ガス管といった狭隘経路内の探索機に好適に利用できる。図11(a)は、探索機100を示す図である。探索機100は、ヘッドユニット102、カメラ104および上述の移動体2を備える。カメラ104はヘッドユニット102に取り付けられる。ヘッドユニット102には、その他、方向制御用のアクチュエータや、高圧洗浄用のノズルなどが設けられてもよい。移動体2は、コネクタ62を介して連結ユニット60を継ぎ足し可能に構成される。ひとつの連結ユニット60は、推進ユニット10と連結部20のセットを少なくともひとつ含み、別の連結ユニット60と着脱可能となっている。連結ユニット60は、推進ユニット10と連結部20のセットをひとつ含んでいる。
図11(b)は、探索機100の運用の一例を説明する図である。この例では、ビル内の配管1が検査対象となっている。作業者は、ヘッドユニット102が推進するにしたがって、連結ユニット60を継ぎ足していく。これにより管路1の挿入口3よりも外側の部分を短くすることができる。
比較として、継ぎ足し不能に構成された移動体2が10mであったとする。そのうち5mが管路1の内部に挿入された状態では、残りの5mが挿入口3から管路1の外部にはみ出ていることとなる。この状況では、はみ出た5mは推進に寄与しないばかりか、管路1内の推進力に抗う負荷となる。さらには、圧力コントローラ30が発生する圧力は、はみ出た5mの部分にも無駄に供給されるため無駄が生ずる。
これに対して、移動体2を継ぎ足し可能に構成することで、推進に寄与しない部分を減らすことができる。
図12(a)、(b)は、コネクタ62の断面図である。図12(a)は、空気圧を用いた移動体2のコネクタ62を示す。コネクタ62は、筐体70と、その内部に収容された複数の連結部を備える。複数の連結部は、チューブ(圧力系統)32A〜32C、カメラケーブル72それぞれに対応する。さらにコネクタ62には、高圧洗浄水の供給チューブ74に対応する連結部、ヘッドユニットの操舵用の制御ライン76に対応する連結部などが設けられてもよい。
図12(b)は、水圧を用いた移動体2のコネクタ62を示す。コネクタ62は、筐体70と、その内部に収容された複数の連結部を備える。複数の連結部は、チューブ(圧力系統)32D、32E、カメラケーブル72それぞれに対応する。さらにコネクタ62には、図2(b)のバルブ39A〜39Fを制御するための制御ライン78に対応する連結部が設けられる。高圧洗浄水の供給チューブは、チューブ32Dと兼用することが可能である。コネクタ62には、洗浄ノズルの制御ライン79に対応する連結部が設けられる。
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
4. 変形例
4.1 第1変形例
実施の形態では、連結部20を受動的に伸縮可能に構成したがその限りでない。たとえば連結部20を弾性部材で構成してもよい。この場合、図3(b)の第2状態φ2において連結部20にエネルギーを蓄え、図3(d)、(e)の第4状態φから第5状態φに遷移する際に、連結部20が推進アクチュエータ12の収縮をアシストしてもよい。
4.2 第2変形例
実施の形態では、推進アクチュエータ12を、ひとつの伸縮可能なアクチュエータで構成したがその限りでない。図13は、第2変形例に係る移動体2を示す図である。推進アクチュエータ12は、長さの制御が可能な2つの推進アクチュエータ12,17を含む。
第2推進アクチュエータ17の一端は第2支持アクチュエータ16と接続される。第3支持アクチュエータ18は、第2推進アクチュエータ17の他端に設けられる。
これにより、推進ユニット10当たりのグリップ力および推進力を高めることができる。
また図1において、ひとつの推進アクチュエータ12を、直列に接続された複数のアクチュエータで構成してもよい。
4.3 第3変形例
実施の形態では連結部20を能動的に収縮する部材としたがその限りでなく、連結部20を、供給圧力に応じて長さの制御可能な部材としてもよい。たとえば連結部20を、推進アクチュエータ12と同様に構成し、圧力コントローラ30によって連結部20への供給圧力を制御するようにしてもよい。
この場合、連結部20も推進力を発揮することになるため、移動体2の単位長さ当たりの重量が重くなるような用途や、配管の内壁からの抵抗が大きな用途で有効である。
4.4 第4変形例
実施の形態では、工業用管路内の移動体を説明したが、生体管路内においても移動体2は有用である。
実施の形態にもとづき、具体的な用語を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
1…管路、2…移動体、10…推進ユニット、12…推進アクチュエータ、14…第1支持アクチュエータ、16…第2支持アクチュエータ、20…連結部、30…圧力コントローラ、31…空気圧源、32…チューブ、33…バルブ、34…第1圧力系統、36…第2圧力系統、38…第3圧力系統、40…ゴムチューブ、42…拘束カバー、50…ゴムチューブ、52…弾性カバー、60…連結ユニット、62…コネクタ、100…探索機、102…ヘッド、104…カメラ。

Claims (6)

  1. 連結部を介して直列に連結される複数の推進ユニットと、圧力コントローラと、備え、
    各推進ユニットは、
    流体の供給圧に応じて長さを制御可能に構成される推進アクチュエータと、
    前記推進アクチュエータの一端側に設けられ、流体の供給圧に応じて径方向に膨張、収縮可能に構成される第1支持アクチュエータと、
    前記推進アクチュエータの他端側に設けられ、流体の供給圧に応じて径方向に膨張、収縮可能に構成される第2支持アクチュエータと、
    を含み、
    前記圧力コントローラは、前記複数の推進ユニットに含まれる複数の前記推進アクチュエータへの供給圧、前記複数の推進ユニットに含まれる複数の前記第1支持アクチュエータへの供給圧、前記複数の推進ユニットに含まれる複数の前記第2支持アクチュエータへの供給圧を独立に制御可能に構成され、
    前記連結部は、隣接する推進ユニットが相互に影響を及ぼさないように、前記推進ユニットの移動に応じて受動的に伸縮することを特徴とする移動体。
  2. 前記連結部は、前記複数の推進アクチュエータへの圧力供給のためのチューブ、前記複数の第1支持アクチュエータへの圧力供給のためのチューブ、前記複数の第2支持アクチュエータへの圧力供給のためのチューブをコイル状に巻回して形成されることを特徴とする請求項に記載の移動体。
  3. 前記連結部は、流体の供給圧に応じて長さを制御可能に構成され、
    前記圧力コントローラは、前記連結部への供給圧を制御することを特徴とする請求項1に記載の移動体。
  4. 前記推進ユニットおよび前記連結部のセットを少なくともひとつ含む連結ユニットが、コネクタを介して連結可能に構成されることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の移動体。
  5. 前記推進ユニットは、
    一端が前記第2支持アクチュエータと接続される第2推進アクチュエータと、
    前記第2推進アクチュエータの他端に設けられる第3支持アクチュエータと、
    をさらに含むことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の移動体。
  6. 請求項1からのいずれかに記載の移動体を備えることを特徴とする探索機。
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