以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(システム構成)
図3は、本実施形態に係る無線電力伝送システム(非接触充電システム)の構成例を示している。図3において、送電装置(以下、「TX100」と呼ぶ。)は、ACアダプタ301及びUSBケーブル300等を用いて有線で供給される電力を、無線により、受電装置(以下、「RX200」と呼ぶ。)へ伝送する。RX200は、TX100から無線により伝送された電力を受け取り、例えばRX200の内部に備えられたバッテリを充電する。ACアダプタ301は、電源プラグ302を介して供給される商用電源の電力をTX100に適した電圧に変換して、TX100に供給する。なお、図3の構成は一例であり、これら以外の構成が用いられてもよい。例えば、有線による電力供給は、機器認証を行うことができる限りにおいてUSB以外の規格に従って行われてもよい。このため、以下では、有線による電力供給がUSB Power-Delivery規格に従って行われ、USB Power-Delivery規格がサポートするAuthentication規格に基づいて機器認証が行われるものとする。ただし、これら以外の規格が用いられてもよい。また、図3にはそれぞれ1つのTX100及びRX200が示されているが、複数のTX100が有線による電力の供給を受けて共通の1つのRX200又はそれぞれ別個のRX200に送電してもよいし、1つのTX100が複数のRX200に送電してもよい。なお、以下では、TX100とRX200との間で、WPC(Wireless Power Consortium)規格に準拠した非接触充電が行われる場合について説明するが、これに限定されず、他の規格に基づいて非接触充電が行われてもよい。
(装置構成)
続いて、図3に示す非接触充電システムにおいて利用可能な送電装置(TX100)及び受電装置(RX200)の構成例について説明する。
図1は、TX100の構成例を示すブロック図である。TX100は、WPC規格に準拠しており、さらにWPC規格のバージョン1.2.2(以下、WPC規格v1.2.2と呼ぶ。)で規定される機能を有する。ここで、TX100は、TX100と同様にWPC規格に対応したRX200の充電部に、最大15ワットの電力を出力する電力供給能力を有するものとする。TX100は、一例において、制御部101、電源部102、送電部103、通信部104、送電コイル105、表示部106、メモリ107、第一認証部108、及び第二認証部109を有しうる。
制御部101は、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の1つ以上のプロセッサを含んで構成され、TX100の全体を制御する。なお、制御部101は、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)やFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)等を含んで構成されてもよい。
電源部102は、ACアダプタ301からUSBケーブル300を介してTX100の動作のための電力供給を受け、少なくとも制御部101および送電部103が動作する電源を供給する。電源部102は、有線による電力供給機器の機器認証と電力の供給に対応可能に構成される。電源部102は、例えば図3のようにUSBケーブル300を介した電力の供給を受けるために、USB Power-Delivery規格と、接続されたUSB機器同士の機器認証を行うAuthentication規格に対応しうる。なお、TX100は、USB Power-Delivery規格以外の規格に準拠して電力の供給を受けてもよいし、Authentication規格以外の規格に従って機器認証を行ってもよい。このため、電源部102は、これらの規格以外の規格に対応可能に構成されうる。また、電源部102(又は後述の第一認証部108)は、複数の規格に対応可能に構成されてもよく、例えば電力供給元との接続形態に基づいて(例えばTX100のどの端子が用いられたかに基づいて)、使用すべき規格を判定してもよい。
送電部103は、送電コイル105を介して、RX200へ伝送される交流電圧および交流電流を発生させる。送電部103は、例えば、電源部102が供給する直流電圧を、FETを使用したハーフブリッジまたはフルブリッジ構成のスイッチング回路を用いて交流電圧に変換しうる。この場合、送電部103は、FETのON/OFFを制御するゲ-トドライバを含みうる。
通信部104は、RX200(図2の通信部204)との間で、WPC規格に基づいた非接触充電の制御に関する制御通信を行う。通信部104は、送電部103が発生する交流電圧または電流を変調し、無線電力に情報を重畳するいわゆるインバンド通信によってRX200との間での通信を行いうる。ただし、これに限られず、通信部104は、通信用の周波数帯の少なくとも一部が電力伝送用の周波数帯に含まれないアウトバンド通信によって、RX200との間での通信を行ってもよい。アウトバンド通信は、例えば、NFC、RFID、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth Low Energy等によって行われうる。
表示部106は、TX100の状態や、図3に示すようなTX100、RX200、USBケーブル300、ACアダプタ301などの機器を含む非接触充電システムの状態の情報を、ユーザが確認可能なように表示する。表示部106は、例えば、LED(Light Emitted Diode)によって構成されうるが、これに限られず、例えばLEDに代えて又はこれに追加して、スピーカ、振動発生回路、ディスプレイ等を含んで構成されてもよい。メモリ107は、TX100および図3の非接触充電システムの各要素および全体の状態を記憶する。
第一認証部108は、電源部102と、それに接続されるUSBケーブル300およびACアダプタ301についての機器認証を行う。本実施形態では、第一認証部108は、USB Authentication規格に準拠した機器認証を行うものとする。ただしこれに限られず、Qualcomm社のQuick Charge規格等の、機器認証に対応している他の規格が用いられてもよい。第二認証部109は、通信部104を介した通信によってTX100とRX200との間の機器認証を行う。本実施形態では、第二認証部109が行う機器認証をWireless Power Transfer認証又はWPT認証と呼ぶ。
なお、図1では、制御部101、電源部102、送電部103、通信部104、メモリ107、第一認証部108、第二認証部109が別個のブロックとして図解されているが、これらの内の複数の任意のブロックが同一チップ内に実装されてもよい。例えば、USB Power-Deliveryに対応した電源部102とUSB Authentication規格に対応した第一認証部108とが、USB関連チップとして同一チップ内に実装されてもよい。この場合、TX100は、制御部101とUSB関連チップとの間を、例えばGPIO(General Purpose Input/Output)やシリアル通信で接続するように構成されうる。また、例えば、第二認証部109、制御部101、メモリ107、送電部103、通信部104の内の複数の任意のブロックが同一チップ内に実装されてもよい。また、図1における1つのブロックが、複数のブロックに分割されてもよく、場合によっては複数のチップによって実装されてもよい。
図2は、RX200の構成例を示すブロック図である。RX200も、TX100と同様に、WPC規格に準拠しており、さらにWPC規格v1.2.2で規定される機能を有する。RX200は、一例において、制御部201、表示部202、受電部203、通信部204、受電コイル205、充電部206、バッテリ207、認証部208、及びメモリ209を有しうる。
制御部201は、例えばCPUやMPU等の1つ以上のプロセッサやASIC又はFPGA等を含んで構成され、RX200の全体を制御する。表示部202は、電力の供給状態や、RX200の充電状態などの情報をユーザが確認可能となるように表示する。表示部202は、本実施形態ではLEDであるものとするが、これに加えて又はこれに代えて、例えば、スピーカ、振動発生回路、ディスプレイを含んでもよい。
受電部203は、受電コイル205を介して、送電コイル105から放射された電磁波を受電し、受電によって得られる交流電圧および交流電流を、制御部201や充電部206等が動作する際に用いられる直流電圧および直流電流に変換する。なお、本実施形態では、受電部203は、充電部206に最大15ワットの電力を出力する能力を有するものとする。
通信部204は、TX100の通信部104との間で、WPC規格に基づいた非接触充電の制御に関する制御通信を行う。この制御通信は、RX200側の負荷を変動させることによってTX100とRX200との間の電力伝送の状態を変化させて、送電コイル105を流れる電流を変動させることにより情報を伝送する、負荷変調によって行われうる。なお、通信部204は、この負荷変調等のインバンド通信によって制御通信を行ってもよいし、通信用の周波数帯の少なくとも一部が電力伝送用の周波数帯に含まれないアウトバンド通信により制御通信を行ってもよい。しかしながら、これに限られるものではなく、送電部103の周波数と異なる周波数を使用するアウトバンド通信でもよい。アウトバンド通信は、上述のように、例えば、NFC、RFID、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth Low Energy等によって行われうる。
充電部206は、受電部203から供給される直流電圧と直流電流とを利用して、バッテリ207を充電する。認証部208は、通信部204を介した通信によって、TX100の第二認証部109との間のWPT認証を行う。メモリ209は、RX200および図3の非接触充電システムの各要素および全体の状態の情報を記憶する。なお、TX100またはRX200がWPT認証を含むWPC規格に対応していることを、以下では「WPC規格バージョンAに対応している」と表現する。ここで、WPC規格バージョンAは、WPC規格v1.2.2の後継の規格であり、少なくともWPT認証機能が追加されているものとする。
なお、図2では、受電部203、認証部208、制御部201、メモリ209、通信部204、充電部206が別個のブロックとして図解されているが、これらの内の複数の任意のブロックが同一チップ内に実装されてもよい。また、図2における1つのブロックが、複数のブロックに分割されてもよく、場合によっては複数のチップによって実装されてもよい。
本実施形態に係る非接触充電システムでは、TX100の第一認証部108が、ACアダプタ301およびUSBケーブル300と、第一の通信プロトコルを使用した機器認証(例えば、USBケーブルを介したUSB認証)を行う。また、TX100の第二認証部109は、第一の通信プロトコルと異なる媒体(例えば、送電コイル105および受電コイル205)を使用する第二の通信プロトコルを使用してRX200と機器認証を行う。本実施形態において、ACアダプタ301、USBケーブル300、TX100(電源部102)はUSB機器である。USB機器がUSB認証に対応すると共にUSB認証に成功することによって、それらの機器にUSB認証で定められた電力を印加したとしても過度の発熱等の問題が生じないことを確認することができる。すなわち、USB認証に成功した場合、ACアダプタ301からUSBケーブル300を介して、定められた電力をTX100の電源部102に供給した際に、TX100の電源部102、USBケーブル300、ACアダプタ301が過度に発熱しないと言える。
一方、電源部102、USBケーブル300、ACアダプタ301のいずれかがUSB認証に対応しない場合は、USB認証に成功することはない。この場合、USB認証に定められた電力を印加した場合に、それらの機器やケーブルのいずれかが過度に発熱する等の問題が生じうる。ここでUSB認証に非対応の機器は、USB認証規格が策定される以前の複数のバージョンのUSB規格のいずれかに対応している機器を含む。本実施形態では、USB認証規格が策定される以前の複数のバージョンのUSB規格のいずれかに対応したUSB機器をレガシーのUSB機器と呼ぶ。また、電源部102、USBケーブル300、ACアダプタ301のいずれかがUSB認証に失敗した場合は、USB認証で定められた電力を印加した場合に発熱等の問題が生じうる。ここで、USB認証に失敗するとは、USBケーブル300とACアダプタ301の少なくともいずれかが、名目的にはUSB認証に対応しているが、実際は対応していないUSB機器である可能性がある場合を含む。
また、RX200とTX100とがWPC規格バージョンAに対応しており、かつ、WPT認証に成功した場合は、RX200とTX100とが規格で定められた所定の電力のやり取りをしたとしても、それらが過度に発熱する等の問題が生じない。一方、RX200とTX100との少なくとも一方がWPC規格バージョンAに対応しない場合は、上述の定められた電力が印加された場合に、WPC規格バージョンAに対応しない装置が過度に発熱する等の問題が生じうる。ここでWPC規格バージョンAに非対応の機器には、WPC規格バージョンAより前の複数のバージョンのWPC規格のいずれかに対応している機器が含まれる。本実施形態ではWPC規格バージョンAより前の複数のバージョンのWPC規格のいずれかに対応したTXまたはRXをレガシーのTXまたはRXと呼ぶ。
また、TX100とRX200との間でのWPT認証に失敗するのは、これらの機器が名目上WPT認証に対応しているが実際は対応していない場合が含まれる。なお、WPT認証に対応している機器間でのWPT認証は必ず成功する。この場合も、WPT認証に成功しないため、上述の定められた電力を印加した場合に、過度の発熱等の問題が生じうる。
本実施形態では、USBケーブル300およびACアダプタ301がUSB認証に成功し、かつRX200およびTX100がWPT認証に成功した場合に、規格で定められる所定の電力を供給することが可能であると判断される。すなわち、過度の発熱などの問題が生じない状態で、RX200の受電部203が負荷(本実施形態では充電部206)に所定の電力(15ワット)を供給することができる。他方、TX100(電源部102)、USBケーブル300、ACアダプタ301のいずれかがUSB認証に成功しない、またはRX200とTX100のいずれかがWPT認証に成功しない場合は、所定の電力の供給に問題が生じる可能性がある。すなわち、RX200の受電部203が負荷に15ワットの所定の電力を供給した場合に、過度の発熱等の問題が生じうる。以下では、そのようなリスクを回避するために、認証に成功しない場合に、受電部203が供給する電力を所定の電力(15ワット)より小さい電力(例えば5ワット以下)に制限する。
(処理の流れ)
続いて、非接触無線通信システムで実行される処理の流れの例について説明する。図4は、本実施形態において実行される、USB認証とWPT認証とを含む処理の流れの例を示すシーケンス図である。また、図5は、本実施形態におけるGuaranteed Power(以下、GP)の設定に関して、送電装置(TX100)の制御部101によって実行される処理の流れの例を示すフローチャートである。また、図11は、GPの設定に関して、受電装置(RX200)の制御部201によって実行される処理の流れの例を示すフローチャートである。ここで、GPとは、TX100とRX200との位置関係がずれて、送電コイル105と受電コイル205との間の送電効率が低下しても、受電部203の負荷への出力電力に関してTX100が保証する電力値である。受電部203の負荷は、受電部203が電源を供給する対象であり、少なくとも充電部206を含む。例えば、GPが5ワットの場合、送受電コイルの位置関係がずれて、コイル間の送電効率が低下したとしても、受電部203が5ワットの電力を出力することができるように、TX100は送電部103を制御する。本実施形態では、認証の結果に応じて、GPが制限される。これにより、例えば認証に成功しない場合や認証に非対応の場合に、規格で規定された電力が伝送されることによる過度の発熱等の問題が生じるのを防ぐことができる。まず、USB認証およびWPT認証の結果によって、後述するNegotiationにおいて用いられるGPの制限値の例について、図6を用いて説明する。
列600の「USB認証非対応」とは、TX100の電源部102、USBケーブル300、ACアダプタ301の少なくともいずれかがUSB認証に対応していない(ただし、USB認証に対応している機器は認証に成功している)ことを示す。列601の「USB認証失敗」とは、TX100の電源部102、USBケーブル300、ACアダプタ301の少なくともいずれかが、(少なくとも名目上は)USB認証に対応しているが、USB認証に失敗したことを示す。列602の「USB認証成功」とは、TX100の電源部102、USBケーブル300、ACアダプタ301のすべてがUSB認証に成功したことを示す。また、行603は、RX200がWPT認証に対応していないことを、行604は、RX200がWPT認証に対応しているがWPT認証に失敗したことを、行605は、RX200がWPT認証に対応しておりWPT認証に成功したことを示す。なお、テーブル中の「0,2.5,5」の3種類のGPの電力値が記載されている欄については、予めそれらのうちの1つを採用するような設定が行われる。
図6によれば、USB認証に非対応(列600)である場合は、WPT認証の結果によらず、GPを5ワットに制限することで、過度の発熱等を回避するようにする。また、列600のうち、WPT認証に失敗した場合(行604)は、0ワット(送電しない)や(5ワットより小さい)2.5ワットなど、WPT認証に非対応の場合(行603)と比較して、GPを小さい値に制限してもよい。WPT認証に失敗したということは、RXが、例えば、名目上はWPT認証を実装しているが正規に実装していない、WPC規格を満たしていない偽物などである可能性があるからである。過度の発熱等の観点では、GPを5ワットに制限すればよい。一方で、WPT認証非対応であるが正規に規格を実装しているレガシーのRXよりも低いGP(0ワットまたは2.5ワット)に制限することで、WPT認証に対応していると見せかけた偽物への送電を抑制又は回避することができる。
同様に、USB認証に失敗した場合(列601)は、WPT認証の結果にかかわらず0ワット(送電しない)や(5ワットより小さい)2.5ワットなど、USB認証に非対応の場合(列600)と比較して、GPを小さい値に制限してもよい。これは、USB認証に失敗したということは、認証対象のUSB機器が、例えば、名目上はUSB認証を実装してはいるが正規に実装していない偽物である可能性があるからである。このため、USB認証非対応であるが正規に規格を実装しているレガシーのUSB機器と比較して、より低い0ワットまたは2.5ワットに制限することで、USB認証に対応していると見せかけた偽物からの電力の供給を抑制または回避することができる。
USB認証に成功した場合(列602)は、TX100の電源部102、USBケーブル300、ACアダプタ301に関して、RX200が負荷へ15ワット(TX100がRX200へ供給できるGPの最大値)を供給しても過度の発熱等が生じない。このため、TX100は、WPC認証の結果に基づいてGPの設定を行う。例えば、TX100は、WPT認証非対応の場合(行603)は上述の理由によりGPを5ワットに制限し、WPT認証に失敗した場合(行604)はGPをより低い値(0ワットまたは2.5ワット)に制限する。USB認証に成功し(列602)、WPT認証にも成功(行605)した場合は、過度の発熱等の問題が生じないと判断し、TX100は、GPの制限値としてTX100の送電能力及びRX200の受電能力の最大値である15ワットを設定する。また、RX200が、TX100の送電能力およびRX200の受電能力の最大値である15ワットを、GPとしてTX100に要求してもよい。
このように、TX100は、USB認証結果とWPT認証結果、及び、図6に示されるような設定値に基づいて、後述のNegotiationフェーズ(以下、「交渉フェーズ」と呼ぶ。)の交渉において許容できるGPの最大値を決定しうる。また、RX200は、USB認証結果とWPT認証結果、及び、図6に示されるような設定値に基づいて、交渉フェーズの交渉において、TX100に要求するGPの最大値を決定しうる。なお、USB認証とWTP認証との両方が成功した場合は、交渉フェーズの交渉において、TX100とRX200の最大能力に応じた送電電力が決定されうる。
続いて、図3の非接触充電システムの起動から送電までの処理の流れの例について、図4、図5及び図11を用いて説明する。RX200は、USB認証およびWPT認証において認証の対象となる機器のうち認証に非対応または認証に失敗した機器が1つでもあれば、TX100に対して、GPの値として大きな電力を要求しないように動作する。
まず、TX100の電源部102にUSBケーブル300とACアダプタ301が接続されると(400)、TX100の制御部101はUSB認証を行う(401、S501)。USB認証において、制御部101は、第一認証部108を動作させ、認証対象であるすべてのUSB機器(実施形態ではUSBケーブル300とACアダプタ301の両方)がUSB認証に対応しているかを判断する。第一認証部108は、すべてのUSB機器についてUSB認証を実行し、実行したすべてのUSB認証に成功した場合に、「USB認証成功」と判定する。また、本実施形態では、いずれかのUSB認証に成功しなかった場合の認証結果として「USB認証非対応」と「USB認証失敗」を設けている。第一認証部108は、USB認証に対応しているが認証に失敗した機器が1つでも存在する場合は「USB認証失敗」とする。また、第一認証部108は、認証に失敗した機器の属性に基づいて「USB認証失敗」または「USB認証非対応」のいずれかと判断するようにしてもよい。例えば、第一認証部108は、認証に失敗した機器が存在する場合に、その機器の属性を特定して、その属性に応じた判断を実行しうる。また、第一認証部108は、USB認証に成功しなかった機器がすべてUSB認証に対応していない機器である場合に「USB認証非対応」と判断する。
例えば、ACアダプタ301のUSB認証に成功したが、USBケーブル300がUSB認証に対応していない場合、「USB認証非対応」と判定される。また、例えば、ACアダプタ301のUSB認証に成功し、USBケーブル300はUSB認証に対応しているものの認証に失敗した場合、「USB認証失敗」と判定される。また、例えば、ACアダプタ301とUSBケーブル300の両方がUSB認証に成功した場合、「USB認証成功」と判定される。制御部101は、このようなUSB認証結果をメモリ107に保持しておく(S502)。
次に、制御部101は、USB PD(USB-Power Delivery規格)のシーケンスに基づいてACアダプタ301との間でACアダプタ301から供給される電圧および電流に関する電源仕様を決定する(402)。電源電圧はTX100の内部構成により決まっているため、この場合は電流値が決定される。本実施形態では、電源部102の電圧は15Vであるとし、電源部102の出力電流は最大で3Aであるとする。ここで、TX100の制御部101は、電流値を下げる際に、図6に示されるような設定に基づいて、電流値の下げ幅を判断する。例えば、USB認証非対応の場合、図6の列600に基づいて、WPC規格の交渉フェーズ(後述)での交渉において許容されるGPの最大値は5ワットと決定される。そして、制御部101は、TX100の内部のロスを考慮して電流値を決定する。たとえば送受電コイルの位置が変化し、コイル間効率が一番低くなった時にGPである5ワットをRX200が出力するときのシステム効率を50%であるとする。この場合、電源部102が送電部103や制御部101に供給する電力は10ワット(5W×2)である。このため、電源電圧が15Vであるため、出力電流は10W/15V=0.67Aとなる。本実施形態では、USB機器がUSB認証に非対応であった場合、GPを5ワットに制限するとした。このため、電源部102がUSB PDのシーケンスに基づいてACアダプタ301と交渉して決定すべき電流値は、0.67A程度であればよい。この決定すべき電流値に基づいて、TX100の制御部101は、ACアダプタ301との間で電源仕様を決定する。他方、USB認証に成功した場合は、15ワットのGP値に対応できるように、電源仕様が2.0A(15W×2/15V)に決定される。
そして、TX100の制御部101は、送電部103を起動する(403)。送電部103の起動は、例えば、電源部102から制御部101と送電部103と通信部104との少なくともいずれかに電源を投入する、いわゆるパワーオンリセットでありうる。または、第一認証部108がTX100の制御部101と送電部103と通信部104との少なくともいずれかに不図示のリセット信号(LO:約0V)を入力することにより、これらの機能部の少なくともいずれかにリセットをかけてもよい。この場合、第一認証部108は、電源仕様が決まってGPの値が決定された後に、リセット信号をHI(例えば3.3V)にすることによって、リセットを解除する。
送電部103が起動すると、TX100はWPC規格に準拠した動作を開始する。本実施形態では、WPC規格に準拠したフェーズに加え、WPT認証を行うフェーズとしてAuthenticationフェーズ(以下、「認証フェーズ」と呼ぶ。)を定義する。認証フェーズでは、TXとRXが、WPT認証に基づいた機器認証を実行する。TXおよびRXの両方が認証フェーズに対応している場合、TXとRXは、まず、Selectionフェーズ(以下、「選択フェーズ」と呼ぶ。)の処理を実行する。そして、Pingフェーズ、及びIdentification & Configurationフェーズ(以下、「I&Cフェーズ」と呼ぶ。)に遷移し、その後に認証フェーズが実行される。さらに、認証フェーズの後に、交渉フェーズ、Calibrationフェーズ、Power Transferフェーズ(以下、「PTフェーズ」と呼ぶ。)の順で処理が実行される。
選択フェーズでは、送電部103が、送電コイル105を介してAnalog Pingを送電する(404)。Analog Pingは、送電コイル105の近傍に存在する物体を検出するための微小な電力の信号である。TX100は、Analog Pingを送電した時の送電コイルの電圧値または電流値を検出し、電圧がある閾値を下回る場合又は電流値がある閾値を超える場合に物体が存在すると判断し、Pingフェーズに遷移する。
Pingフェーズでは、TX100は、Analog Pingより大きいDigital Pingを送電する(405)。Digital Pingの大きさは、送電コイル105の近傍に存在するRX200の制御部201が起動するのに十分な電力である。RX200の制御部201は、受電コイル205を介して受電したDigital Pingによって起動すると、受電電圧の大きさをTX100へ通知し(406)、I&Cフェーズへ遷移する。また、TX100は、受電電圧値の通知を受けると、I&Cフェーズに遷移する。
I&Cフェーズでは、RX200はID PacketおよびConfiguration PacketをTX100へ送信する(407、408)。RX200が送信したConfiguration Packetに対して、TX100は、アクノリッジ(ACK)で応答する。そしてTX100およびRX200はI&Cフェーズを終了し、認証フェーズに遷移する。I&Cフェーズが終了すると、TX100とRX200は、互いにデータを送信できるようになる。ここで、RX200は、TX100に対してUSB認証結果要求を送信し(409、S1101)、TX100は、RX200に対してUSB認証結果を送信する(410、S503、S1102)。なお、ここでのUSB認証結果の通知は、USB認証される機器ごと(この場合、USBケーブル300およびACアダプタ301)の結果を含んでもよいし、USBケーブル300およびACアダプタ301の認証結果を総合した情報を含んでもよい。例えば、USBケーブル300およびACアダプタ301の両方がUSB認証に成功した場合は「USB認証成功」と通知され、いずれかがUSB認証に失敗した場合は「USB認証失敗」と通知されうる。
続いて、認証部208は、認証フェーズにおいて、TX100との間で、WPT認証処理を実行する(411、S1103)。この認証処理の認証対象は、無線電力伝送システムにおける送電装置としてのTX100である。なお、認証フェーズの詳細については後述する。制御部201は、このWPT認証の結果をメモリ209に保持する。そして、制御部201は、このWPT認証結果をTX100に通知する(412、S1104)。制御部201は、受信したUSB認証結果と、メモリ209に保持したWPT認証結果と、図6のような設定に基づいて、交渉フェーズで要求するGPの最大値を決定する(413、S1105)。
同様に、TX100の第二認証部109は、認証フェーズでWPT認証処理を実行する(411、S504)。ここでは、TX100は、RX200から自身の正当性の認証を受ける。制御部101は、WPT認証結果をRX200から受信し(412、S505)、このWPT認証結果を、メモリ107に保持する(S506)。そして、制御部101は、S502で保持したUSB認証の結果と、S506で保持したWPT認証の結果と、図6の設定に基づいて、交渉フェーズで許容できるGPの最大値を決定する(414、S507)。
その後、TX100の制御部101は、交渉フェーズでRX200との交渉によりGPを決定する(415)。ここでは、第一認証部108(USB認証)と第二認証部109(WPT認証)による機器認証の結果に基づいて送電電力の交渉が行われる。例えば、USB認証の結果が「USB認証成功」かつWPT認証の結果が「WPT認証成功」の場合は、図6に示されるようにGPの設定が15ワットまで許容される。一方、USB認証の結果が「USB認証非対応」であれば、GPは5ワットまたはそれ未満に制限される。この場合、交渉フェーズにおいて、RX200の制御部201から5ワットを超えるGPを要求された場合は、TX100の制御部101は、その要求に対してNAKを送信する。一方、制限値以下のGPが要求されれば、制御部101は、アクノリッジ(ACK)を送信する。
以上のように、TX100の制御部101は、USB認証およびWPT認証の両方の結果と図6の設定に基づいて許容できるGPの最大値を決定する。このため、複数の認証のうちのいずれかの認証が失敗した際はGPの大きさが制限され、過度の発熱等が予防することができる。また、制御部101は、全ての認証が成功した場合には、GPを、送電部103の能力の最大値に設定することができる。また、RX200は、Negotiationに先立ってTX100に対してUSB認証結果を要求し、TX100からUSB認証結果を受信する。これにより、RX200は、TX100とUSBケーブル300およびACアダプタとのUSB認証結果を考慮して、GPの最大値を決定することが可能になる。
その後、TX100の制御部101およびRX200の制御部201はCalibrationフェーズの処理を実行し(416)、PTフェーズへ遷移する。PTフェーズでは、TX100からRX200へ電力が伝送され(417)、RX200は受信した電力に基づいて負荷へ電力を供給する。このとき、RX200の制御部201は、受電電力が制限されているか否か等を示す受電状態に関する情報を表示部202に表示させてもよい(418)。制御部201は、例えば、USB認証およびWPT認証すべてが成功した場合に「高速充電中」という表示を行い、USB認証またはWPT認証のいずれかが失敗した場合に「低速充電中」や「充電中」との表示を行うように、表示部202を制御しうる。また、制御部201は、USB認証およびWPT認証が成功した場合の表示と、USB認証又はWPT認証の少なくともいずれかが失敗した場合の表示とを区別可能な別の表示を行うように表示部202を制御してもよい。これにより、TX100又はRX200のユーザがUSB認証およびWPT認証の結果が充電電力(充電速度)にどのように反映されたかを知ることができる等、利便性を向上させることができる。
また、制御部201は、410で受信したUSB認証結果およびWPT認証処理410と図6のような設定に基づいて決定したGPを要求するため、受電電力が制限された場合にその理由を予め認識することができる。このため、制御部201は、受電電力が制限されている場合には、受電電力が制限されていることを理由と共に表示部202に表示させてもよい。制御部201は、例えば、「送電器に接続しているUSB機器の問題で、低速充電中」「充電器(TX100)の問題で、低速充電中」等の表示を行うように、表示部202を制御してもよい。これにより、TX100又はRX200のユーザは、USB認証およびWPT認証の結果が充電電力(充電速度)にどのように反映されたか、及び、充電電力が制限される場合にその原因を知ることができる。そして、ユーザが、例えば、充電器が原因で充電電力が制限されていることが表示されている場合に充電器を交換することによって、充電電力の制限を解除させることができる等、さらに利便性を向上させることができる。また、ユーザに対して制限を解除するための対策を提案するような表示が行われてもよい。例えば、制御部201は、「高速充電するには充電器のUSBケーブルを取り換えてください」や「高速充電するには充電器(TX100)を取り換えてください」等の表示を行うように、表示部202を制御してもよい。また、制御部201は、USB認証結果とWPT認証結果を表示部202に表示させてもよい。例えば、「充電器(TX100)に接続されたUSBケーブルとの認証に失敗しました」や「充電器(TX100)との認証に失敗しました」等の表示が行われてもよい。
また、後述のようにUSB認証およびWPT認証が電子証明書に基づく認証処理である場合は「充電器の証明書の取得にできませんでした」や「USBケーブルの証明書は不正です」等の表示が行われてもよい。これらの表示によれば、TX100又はRX200のユーザは、USB認証およびWPT認証の結果を知ることができ、それによって充電電力(充電速度)が制限されているか否かを判定することができる。また、ユーザがUSBケーブル等を交換することによって充電電力の制限を解除させることができる等、さらに利便性を向上させることができる。
また、(USB機器ごとの)USB認証結果、WPT認証結果、充電電力、及び、充電電力を上げるための対応の4つのうちのいずれか又は複数の組み合わせが表示されてもよい。ユーザは、この表示によって電力が制限されていることを認識することで、電力が制限されない場合よりも充電に長い時間がかかることを認識し、USBケーブルやUSBアダプタをUSB認証に対応した製品に交換する等の対応をとることができる。また、この表示は、電力が制限されない場合と制限される場合とでLEDの色や点灯パタ-ンを異ならしめることによって行われてもよい。また、電力が制限されない場合と制限される場合とで、異なる音や振動を発生させることにより、ユーザに情報を提示してもよい。
また、本実施形態では、USB認証において送電電力を制限するか否かを判断した後に、WPCの送電装置を起動すると説明したが、これに限定されない。例えば、USB認証が完了する前にWPCの送電装置が起動されてもよい。例えば、WPT認証によってTX100がPTフェーズにおいて送電を開始した後に、USB認証が完了する場合に対応してもよい。この場合、例えば、WPT認証によってTX100がPTフェーズにおいて送電を開始した後に、USB認証によって送電電力を制限すべきことが判明した場合、再度Negotiationを実行することにより、送電電力が制限されてもよい。例えば、USB認証が終了した時点で、TX100がRX200に対して再度Negotiationを要求しうる。なお、TX100は、この時に、USB認証の結果と図6のような設定に基づいて許容できるGPの最大値を決定する。また、RX200が後述のAuth complete bitを定期的にTX100から取得して、Negotiationの実行を要求してもよい。この場合、RX200は、Auth complete bitがUSB認証の終了を示す「1」となった時点で、TX100に対して再度Negotiationを要求する。この構成によれば、システムの起動後、すぐに充電を開始することができる。
一方、上述のようにUSB認証において送電電力を制限するか否かを判断した後に、WPCの送電装置を起動する(WPT認証を実行する)ことによれば、Negotiationの回数が1回で済む。すなわち、この場合、TX100が交渉フェーズ(415)でGPを決定する際に、すでにUSB認証によって送電電力を制限すべきか否かが決定されているため、その後にNegotiationを実行する必要がなくなる。
ここで、図4の410においてTX100からRX200へ送信されるUSB認証結果の詳細について説明する。USB認証結果は、TX100がUSB認証(401)の結果を示すデータであり、一例において図10(b)のようなWPC規格v1.2.2のPower Transmitter Capability Packetによって送信される。例えば、図10(b)のパケット構成のうち、「Reserved」となっているBank1のbit7やbit6(1010)、またはBank2のbit7からbit2(1011)の少なくともいずれかが、USB認証結果の送信に用いられうる。TX100は、「USB認証結果を通知する機能があるか」、「USB認証が完了したか」、及び「USB認証の結果」のうちの少なくともいずれかを、これらのbitに格納して送信する。
ここでは、各情報を以下のように定義する:
USB Auth bit:「USB認証結果を通知する機能があるか」または「TX100がUSB認証に対応しているか」を示すbit。USB Auth bitが「1」の場合はTX100の第一認証部108がUSB認証機能を有することを示し、「0」の場合はTX100の第一認証部108がUSB認証機能を有しないことを示す。
Auth completion bit:USBケーブル300及びACアダプタ301とのUSB認証が終了したかを示すbit。USB complete bitが「1」の場合はTX100の第一認証部108がUSBケーブル300及びACアダプタ301とのUSB認証処理を実行して終了したことを示し、「0」の場合はそのUSB認証処理が終了していないことを示す。
USB Auth Result bit:USBケーブル300及びACアダプタ301とのUSB認証結果を示すbit。USB Auth Result bitが「1」の場合はTX100の第一認証部108がUSBケーブル300及びACアダプタ301とのUSB認証処理を実行して成功し、USBケーブル300及びACアダプタ301の正当性が確認されたことを示す。また、USB Auth Result bitが「0」の場合は、USB認証処理に成功しなかったことを示す。
なお、RX200は、USB認証結果が格納されているPower Transmitter Capability Packetを受信するために、図4の409においてUSB認証結果を要求するパケットを送信する。このパケットは、一例において、WPC規格v1.2.2で規定されているGeneral Requestパケットである。RX200は、例えば、General Requestのうち、Power Transmitter Capability Packetを要求するメッセ-ジを送信する。また、TX100は、WPC規格v1.2.2のPower Transmitter Identification Packetを拡張して、USB認証結果を送信してもよい。この場合、RX200は、General Requestのうち、Power Transmitter Identification Packetを要求するメッセ-ジを送信する。また、WPC規格v1.2.2で定義されているGeneral Requestのうち、Packet typeが未定義のReserved PacketやProprietary Packetを、USB認証結果要求パケットとして定義してもよい。
TX100は、USB認証結果要求に応答することができる場合は、USB Auth bit、USB Auth completion bit、USB Auth Result bitの少なくともいずれかを含んだパケットをRX200へ送信する。また、TX100は、USB認証結果要求に対応できない場合は、要求に対応できないことを示すPower Transmitter Data Not Available PacketをRX200へ送信する。RX200は、Power Transmitter Data Not Available Packetを受信すると、TX100がUSB認証結果をRX200に通知する機能がないものとみなす。そして、RX200は、TX100又はUSBケーブル300若しくはACアダプタ301がUSB認証に対応していないと判断する。
また、WPC規格v1.2.2で定義されているSpecific Requestのうち、Packet typeが未定義のReserved PacketやProprietary Packetが、USB認証結果要求として定義されてもよい。このとき、TX100は、USB認証結果要求に応答可能な場合は、USB Auth bit、USB Auth completion bit、USB Auth Result bitの少なくともいずれかを含んだパケットをRX200へ送信する。一方、TX100は、USB認証結果要求に対応できない場合は、要求に対応できないことを示すNot-Difined Response(ND Resp) PacketをRX200へ送信する。RX200は、ND Resp Packetを受信すると、TX100がUSB認証結果をRX200に通知する機能がないものとみなす。そして、RX200は、TX100又はUSBケーブル300若しくはACアダプタ301がUSB認証に対応していないと判断する。
また、WPC規格v1.2.2のパケットのうち、Specific RequestやGeneral Request以外のパケットがUSB認証要求に用いられてもよい。例えば、Specific RequestやGeneral Requestと異なり、Packet typeが未定義のReserved PacketやProprietary PacketがUSB認証要求として定義されうる。この時、TX100は、USB認証結果要求に対応できない場合は、要求に対応できないことを示すNot-Difined Response(ND Resp) Packetを送信する。RX200は、ND Resp Packetを受信すると、TX100がUSB認証結果をRX200に通知する機能がないものとみなす。そして、RX200は、TX100又はUSBケーブル300若しくはACアダプタ301がUSB認証に対応していないと判断する。
また、USB認証結果は、USB認証を行う機器の識別情報とその結果をそれぞれ含んでもよい。例えば、USBケーブル300がUSB認証に対応しているかを示すbitを「USB Auth bit1」と定義しうる。同様に、USBケーブル300とのUSB認証が終了したか及びUSBケーブル300とのUSB認証結果を示すbitを、それぞれ「USB Auth completion bit1」、「USB Auth Result bit1」と定義しうる。また、ACアダプタ301がUSB認証に対応しているかを示すbitを「USB Auth bit2」と定義しうる。同様に、ACアダプタ301とのUSB認証が終了したか及びACアダプタ301とのUSB認証結果を示すbitを、それぞれ、「USB Auth completion bit2」、「USB Auth Result bit2」と定義しうる。このように、USBケーブル300とACアダプタ301とのそれぞれについて、USB認証に対応しているか、USB認証が終了したか、及び、USB認証の結果の少なくともいずれかを、TX100がRX200に通知してもよい。これにより、RX200は、GPを制限する原因がUSBケーブル300にあるか、ACアダプタ301にあるかを判断することができ、上述のようにユーザへの対策を提案する表示を表示部202に行わせることができる。
また、RX200は、USB認証結果要求を送信するか否かの判断を、TX100の属性によって決定してもよい。例えば、TX100がUSB認証結果をRX200に送信する能力を有するかどうかを判断するために、RX200は、上述のPower Transmitter Capability Packetを要求してTX100から受信する。そして、RX200は、USB Auth bitが「1」である場合に、上述のReserved PacketやProprietary Packetを利用してUSB認証要求を送信しうる。また、RX200は、USB Auth bitが「0」の場合は、USB認証要求を行わず、USB認証非対応と判断しうる。
また、RX200は、USB認証結果要求を送信するか否かをPower Transmitter Identification Packetによって決定してもよい。例えば、RX200は、TX100がUSB認証結果をRX200に送信する能力を有するか否かを判断するために、Power Transmitter Identification Packetを要求してTX100から受信する。RX200は、Power Transmitter Identification Packetに含まれる規格バージョン情報又はTX100の製造メーカを示すManufacture codeに基づき、USB認証結果要求を送信するかを判断しうる。例えば、RX200は、自装置とTX100の規格バージョンが共に特定のバージョン以上の場合、TX100がUSB認証結果要求に応答できると判断してUSB認証結果要求を送信すると決定し、そうでない場合はUSB認証結果要求を送信しないと決定する。また、RX200は、自装置とTX100の規格バージョンが共に特定のバージョン以上であり、さらにTX100のManufacture codeが自装置の値と同一の場合に、TX100がUSB認証結果要求に応答できると判断しうる。そして、RX200は、この場合に、TX100へUSB認証結果要求を送信すると決定し、それ以外の場合にはTX100がUSB認証結果要求に応答できないと判断し、USB認証結果要求を送信しないと決定しうる。
<WPT認証の動作と後方互換性>
WPC規格に従ってより大きな電力を送電する場合、上述のように過度の発熱等の問題が生じることを回避するためのWPT認証機能の規定が従来のWPC規格に追加される必要がある。ここで、WPT認証機能を有するTXは、同様のWPT認証機能を有するRXに対応可能であるのみならず、レガシーのRXとの後方互換性を確保できることが重要である。同様に、WPT認証機能を有するRXは、レガシーのTXとの後方互換性を確保することが重要である。しかしながら、レガシーのWPC規格に準拠しながらWPT認証機能を加えて後方互換性を考慮した手法は知られていない。
図7に、本実施形態のTX100の制御部101の処理の流れの例を示す。図8A~図8Bは、バージョンAのTX100またはRX200による後方互換性を説明するシーケンス図である。なお、以下では、WPT認証が、USB認証と同様に電子証明書を用いたチャレンジ・レスポンス型の機器認証であるものとして説明するが、これに限定されない。ここでは、RX200がTX100に対してチャレンジテキストを送信するイニシエータとして動作し、TX100はチャレンジテキストを暗号化してRX200に送信するレスポンダとして動作する。図9A~図9CはRX200の制御部201の処理の流れを示すフローチャートである。図10(a)は、WPC規格によるConfiguration Packetのビット構成例を示す図である。図10(b)は、上述のように、WPC規格によるPower Transmitter Capability Packetのビット構成例を示す図である。なお各図において、同一の処理に対しては、同一の符号を付与している。
まず、各処理の流れの説明に先立って、WPC規格v1.2.2に基づいたTXおよびRXのカテゴリについて説明する。GPが5ワットのTXおよびRXは、Basic Power Profile(BPP)にカテゴライズされる。また、GPが5ワットより大きく15ワット以下のTXおよびRXは、Extended Power Profile(EPP)にカテゴライズされる。さらに、WPC規格v1.2.2ではGPに関してTXとRX間で交渉(Negotiation)する機能が追加されており、EPPにカテゴライズされたTX及びRXは、Negotiation機能を有する。BPPにカテゴライズされたTXおよびRXは、Negotiation機能に対応するもの及び対応しないものに、さらにカテゴライズされる。TXは、RXがNegotiation機能を有するか否かを、RXの設定情報が記載されているConfiguration Packet(図10(a))のNeg bit(Bank4、bit7)の値によって判断することができる。Neg bitが「1」の場合はNegotiation機能を有することが示され、Neg bitが「0」の場合はNegotiation機能を有しないことが示される。本実施形態では、特に指定がない限り、レガシーのTXおよびRXはNegotiation機能を有しており、Negotiationは交渉フェーズで実行されるものとする。
WPT認証に対応したWPC規格バージョンAのTXおよびRXは、WPC規格v1.2.2に対応したレガシーのRXおよびTXと、それぞれ後方互換性を確保することが重要である。すなわち、WPC規格バージョンAに対応するTXは、バージョンAより前のWPC規格に対応するRXに対しても矛盾なく動作し、バージョンAに対応するRXは、バージョンAより前のWPC規格に対応するTXに対しても矛盾なく動作することが重要である。
そこで、本実施形態に係るバージョンAに対応するTX100およびRX200がWPC規格v1.2.2との後方互換性を有することについて、図7、図8A~8B、図9A~9Cを参照して説明する。WPC規格v1.2.2のレガシーのEPPに対応したTXおよびRXは、選択フェーズ、Pingフェーズ、I&Cフェーズ、交渉フェーズ、Calibrationフェーズ、PTフェーズの順で状態遷移する。また、レガシーのTXおよびRXのうち少なくともいずれかがNegotiation機能を有しないBPPの機器である場合は、TX及びRXは、選択フェーズ、Pingフェーズ、I&Cフェーズと遷移した後に、PTフェーズに状態遷移する。また、上述のように、TXおよびRXの両方が認証フェーズに対応している場合、TXとRXは、選択フェーズ、Pingフェーズ、I&Cフェーズの後に、認証フェーズに遷移する。そして、このTXとRXは、認証フェーズの後に、交渉フェーズ、Calibrationフェーズ、PTフェーズの順に遷移する。
認証フェーズは、例えば、交渉フェーズより先に実行される。これは、図6を用いて説明したように、WPT認証の結果によってGPの値が変わるからである。交渉フェーズにおいてTXとRXが交渉によりGPを決定した後で認証フェーズに遷移した場合、認証フェーズの結果に応じて、既に決定されたGPが再設定されうる。すなわち、GPが決定された後に、WPT認証の結果によっては、過度の発熱等の回避のためにGPを下げるための変更が行われる必要が生じうる。このようなGPの再変更が行われると、PTフェーズに遷移するまでの手順が煩雑になることや、手順に要する時間が長くなることがありうる。これに対して、交渉フェーズに先立って認証フェーズが実行されることで、認証フェーズで制限されたGPを前提に交渉フェーズでGPを決定することができる。このように、交渉フェーズに先立って認証フェーズでGPに制限を付することにより、PTフェーズに遷移するまでのGPの再設定が発生せず、速やかにPTフェーズに遷移することができる。
[TX100とRX200が共にレガシーの場合の処理]
まず、TX100及びRX200が共にレガシーのEPPに対応している場合のWPC規格v1.2.2における処理例について、図8Aの(a)を用いて説明する。なお、以下では、TX100によるUSBケーブル300およびACアダプタ301とのUSB認証は成功したものとする。本処理例では、図7、図9AのフローチャートについてはレガシーのEPPに関する部分のみが用いられる。すなわち、レガシーのTXでは、図7のS703~S708の処理が実行されず、レガシーのRXでは図9AのS903~S905及びS908の処理が実行されない。なお、図8Aの(a)では、後方互換性に関係するI&Cフェーズ以降のシーケンスのみを示している。
I&Cフェーズへは、TX100とRX200との間で選択フェーズとPingフェーズの処理の後に遷移する(S901)。I&Cフェーズでは、RX200はTX100に対してIdentification Packet(ID Packet)を送信し(S702)、TX100は、これを受信する(800、S702)。ID packetには、送信元装置(RX200)の個体識別情報のほかに、対応しているWPC規格のバージョン(この場合は「1.2.2」)を特定する情報要素が格納される。続いて、RX200は、Configuration PacketをTX100へ送信し(S901)、TX100はこれを受信する(801、S702)。WPC規格v1.2.2のConfiguration Packetは、RX200が負荷に供給可能な最大電力を特定するMaximum Power Value、及び、Negotiation機能を有するか否かを示すNeg bitを含む。ここでは、RX200は、Neg bitを、Negotiation機能を有することを示す「1」に設定したConfiguration Packetを送信する。
TX100は、RX200からID PacketおよびConfiguration Packetを受信すると、RX200がNegotiation機能を有するかを判断する(S704)。なお、上述のように、レガシーのTX100は、S703の処理を実行しない。ここでは、TX100は、RX200がNegotiation機能を有するため(S704でYES)、Configuration Packetに対してACKを送信し(S713、802)、交渉フェーズに遷移する(S709)。なお、RX200がNegotiationに対応していないBPP(Neg bitが0)の場合(S704でNO)、TX100は、ACKを送信せずにPTフェーズに遷移する(S712)。また、TX100は、自装置がBPPであり、かつ、Negotiationに対応してない場合も、ACKを送信せずにPTフェーズに遷移する。なお、この場合、GPは5ワットに制限される。
RX200は、Configuration Packetに対するACKの受信を待機する(S902)。RX200は、ACKを受信すると(S902でYES)、TX100がNegotiation機能に対応していると判断し、交渉フェーズへ遷移する(S906)。なお、ここでは、上述のようにS908の処理は実行されない。そして、RX200は、自装置が必要な電力(例えば15ワット)を要求するSpecific Requestパケットを送信する。この場合、RX200は、GPとして15ワットを要求することを示す情報要素を含んだSpecific Requestパケット(Specific Request(15W))をTX100へ送信する(803)。ここで、WPC規格v1.2.2のRX200は、Configuration Packet送信から15ms以内にACKを受信しなかった場合(S902でNO)、TX100がNegotiation機能を有しないBPPであると判断する(S909)。そして、RX200はPTフェーズへ状態遷移する(S910)。
TX100は、Specific Request(15W)を受信すると、自装置の送電能力と要求された電力量(15ワット)とを比較し、要求された電力量を送電可能であれば肯定応答(ACK)をRX200へ送信する。一方、TX100は、要求された電力量の送電を行うことができない場合は否定応答(NAK)をRX200へ送信する。ここでは、TX100は、15ワットを送電可能と判断して、GPを15ワットと決定し(S710)、ACKを送信する(804)。そして、TX100はCalibrationフェーズに遷移する(S711)。RX200は、803で送信したSpecific Requestに対して、TX100からACKを受信すると、Calibrationフェーズへ状態遷移する(S907)。Calibrationフェーズでは、TX100がRX200に送電した電力について、TX100の内部で測定した値と、RX200の内部で測定した受電電力の値との相関に基づいて、TX100が調整を行う。Calibrationフェーズが終了すると、TX100とRX200はPTフェーズへ状態遷移し、無線電力伝送を開始する(S712、S910)。
以上のように、WPC規格v1.2.2のTX100は、Neg bitによってRX200がNegotiation機能を有するEPP若しくはBPP、又はNegotiation機能を有しないBPPのいずれであるかを判断する。そして、TX100は、RX200がNegotiation機能を有するEPPまたはBPPである場合に交渉フェーズへ状態遷移して、送電電力に関する交渉を実行した後に送電を開始する。一方、TX100は、RX200がNegotiation機能を有しないBPPである場合、交渉フェーズに遷移せずにPTフェーズへ遷移して、相対的に低い電力の送電を実行する。また、WPC規格v1.2.2のRX200は、Configuration Packetの送信から15ms以内にACKを受信した場合には交渉フェーズに遷移し、ACKを受信しなかった場合にはPTフェーズへ遷移する。以上の動作により、WPC規格v1.2.2において、Negotiation機能を有するTX100およびRX200とその機能を有しないTX100およびRX200の互換性が確保される。
[TX100がバージョンA、RX200がレガシーの場合の処理]
続いて、TX100がバージョンAに対応し、RX200がレガシーの場合の処理例について、図8Aの(b)、図6、図7、図9Aを用いて説明する。なお、以下では、TX100によるUSBケーブル300およびACアダプタ301とのUSB認証は成功したものとする。なお、以下の説明の全てがWPC規格の後方互換性に関する説明であるため、TX100が第一認証部108を有しない構成であっても、以下の議論を適用することができる。
まず、処理の流れの説明に先立ち、Configuration Packet内のAuth bitについての定義を行う。図10(a)は、WPC規格v1.2.2のConfiguration Packetの構成を示す図である。なお、本実施形態での説明と関連しない部分については、説明を省略する。Configuration Packetには複数のReserved領域がある。例えば、Bank2のbit4からbit6のReserved領域1001、Bank1のbit0からbit7のReserved領域1000、Bank4のbit2からbit0のReserved領域1002である。本実施形態では、Auth bitをBank2のbit6に配置する。ただし、Auth bitの配置はこれに限られず、他のReserved領域にAuth bitが配置されてもよい。なお、WPC規格v1.2.2では、Reserved領域のビットはいずれも0である。RX200は、自装置がWPT認証に対応している場合にAuth bitに「1」を格納し、WPT認証に対応していない場合はAuth bitに「0」を格納する。なお、Auth bitが格納される位置はReserved bitであるため、この位置にAuth bitが格納されることを認識しない旧世代の規格に対応するRXであっても、この位置の値として「0」を格納することができる。
TX100は、Configuration PacketのAuth bitにより、RX200がWPT認証に対応しているか否かを判断する(S703)。本処理例では、RX200はレガシーであるため、Auth bitは「0」である。TX100は、RX200がWPT認証に対応していないと判断し(S703でNO)、交渉フェーズに遷移する。ここで、TX100は、RX200からGPとして15ワットの要求を受信した場合、要求を拒否するNAKをRX200に送信する(805)。これは、RX200がWPT認証非対応であることから、RX200における過度の発熱等の問題が生じることを回避するために、15ワットを送信するべきでないとTX100が判断するからである。
RX200は、NAKにより要求が拒否されたため、TX100が設定可能なGPの値を知るために、WPC規格v1.2.2で定められたGeneral Requestを送信する。本実施形態では、General Requestのうち、Transmitter Capability Packetを要求するメッセ-ジを、General Request(capability)と表す。TX100は、このGeneral Request(capability)を受信すると(806)、図6の設定に基づいて、WPT認証非対応(行603)でUSB認証成功(列602)に対応する5ワットを許容できるGPの最大値として決定する。そして、TX100は、Power Transmitter Capability PacketのGuaranteed Power Valueに5ワットを示す情報を格納して、これをRX200に送信する(807)。なお、Transmitter Capability Packetは、Negotiationで許容できるGPの最大値の情報を含み、WPC規格v1.2.2で定義されたパケットである。
以上のように、本実施形態で定義したAuth bitによって、WPC規格バージョンAに対応したTX100は、バージョンAより前のWPC規格に対応したレガシーRXに対しても矛盾なく動作することができる。
[TX100、RX200ともにバージョンAの場合の処理]
次に、TX100とRX200とが共にWPT認証処理に対応している場合について、図6、図7、図8Bの(e)、図9Aを用いて説明する。なお、以下では、TX100によるUSBケーブル300およびACアダプタ301とのUSB認証は成功したものとする。処理の流れの説明に先立って、WPT認証に対応したバージョンAのTX100とRX200の動作について説明する。
バージョンAのRX200は、Auth Bitに「1」を格納したConfiguration PacketをTX100に送信する。バージョンAのTX100は、Configuration PacketのAuth Bitによって、RX200がWPT認証に対応していると判断すると(S703でYES)、ACK(auth)をRX200に送信する(S705、802)。ACK(auth)は、ACKとは区別可能かつ異なるビットパタ-ンで構成されるConfiguration Packetに対するアクノリッジであり、TX100がWPT認証に対応していることを示すパケットである。TX100は、RX200がWPT認証に対応していることを特定すると、ACK(auth)を送信して認証フェーズへ遷移する(S706)。一方、RX200は、ACKではなくACK(auth)を受信すると(S902でNO、S903でYES)、TX100がWPT認証に対応していると判断する(S904)。そして、TX100は、認証フェーズへ遷移する(S905)。
図8Bの(e)の814から820は、本処理例に係るWPT認証の例である。RX200は、まず、GET_DIGESTメッセ-ジを送信し、TX100はこれを受信する(814、S707)。GET_DIGEST Packetは、TX100が持つ電子証明書に関する情報を要求するPacketである。TX100は、GET_DIGEST Packetに応答してDIGESTを送信する(815)。DIGESTは、TX100が所有する電子証明書に関する情報である。続いて、RX200は、電子証明書に関する詳細な情報を要求するGET_CETTIFICATE PacketをTX100に送信する(816)。TX100はGET_CERTIFICATE Packetに応答してCERTIFICATEをRX200へ送信する(817)。続いて、RX200は、チャレンジテキストを含むCHALLENGEメッセ-ジをTX100に送信し(818)、TX100は、チャレンジテキストを暗号化したRESPONSEをRX200に送信する(819)。RX200はRESPONSEの正当性が確認された場合に、RESULT(success)をTX100に送信し、TX100はこれを受信する(820、S708)、そして、交渉フェーズに遷移する(S709)。RESULT(success)パケットは、RESPONSEの結果により、WPT認証が成功したことを意味する。また、RESPONSEの結果、WPT認証が失敗した場合は、RX200は、RESULT(fail)をTX100に送信する。なお、RESULT(successまたはfail)は、図4の412に関して説明したWPT認証結果と同義である。
TX100は、RESULT(success)を受信すると、交渉フェーズに遷移する。また、TX100は、RESULT(success)に対する不図示のACKを送信した後に交渉フェーズに遷移するようにしてもよい。また、RX200はRESULT(success)を送信した後に、交渉フェーズに遷移する(S906)。ここで、RX200はRESULT(success)に対する不図示のACKを受信した後に交渉フェーズに遷移するようにしてもよい。交渉フェーズでは、TX100は、図6のような設定に基づいて、WPT認証成功(行605)でUSB認証成功(列602)に対応する15ワットを、許容するGPの最大値とすると決定して、Negotiationを行う。ここで、本処理例では、TX100は、GPとして15ワットをRX200から要求されたとする(803)。このとき、TX100は、上述のように許容できるGPの最大値を15ワットとしているため、要求を認めるACKをRX200に送信する(804)。
なお、RX200は、受信したRESPONSEに基づく認証に失敗した場合には、認証に失敗したことを示すRESULT(fail)をTX100へ送信する。この場合、TX100は、図6のような設定に基づいて、交渉フェーズにおいてGPの値を決定する。また、TX100は、RESULT(fail)を受信した場合に送電部103を停止して、送電を行わないようにしてもよい。
以上のように、本実施形態のRX200は、バージョンAより前のWPC規格に対応したTXに対してのみならず、バージョンAに対応したTXに対しても矛盾なく動作することができる。
ここで、814のGET_DIGESTSから820のRESULT(success)までのパケット間の時間間隔について説明する。TX100のパケットに対するRX200の応答は、例えばWPC規格v1.2.2の交渉フェーズでは、TX100のパケットの後端から次にRX200が送信するパケットの先端まで10ms以内と規定されている。しかし認証フェーズのイニシエータ(RX200)は、TX100が送信する電子証明書に関連するパケット(DIGEST、CERTIFICATE、RESPONSE)の正当性を確認する処理を実行する必要がある。このため、認証フェーズでは、RX200はTX100の応答に対して正当性を確認する処理に時間がかかる。そこで認証フェーズでは、他のフェーズにおいて規定されているTX100のパケットを受信してからRX200が次のパケットを送信するまでの時間と比較して長い時間が設けられる。本実施形態では、この時間を50msとする。図8Bの(e)では、DIGESTからGET_CERTIFICATE、CERTIFICATEからCHALLENGE、RESPONSEからRESULT(success)までの時間として、この時間が設定される。この時間を長くすることで、RX200の制御部201が高速に動作する必要性が低下し、制御部201の消費電力の低減や低速なCPUの使用による低コスト化を実現できる。
また、認証フェーズのレスポンダ(TX100)もRX200が送信する電子証明書に関連するパケット(GET_DIGEST、GET_CERTIFICATE、CHALLENGE)に応答するための処理を実行する必要がある。このため、認証フェーズでは応答に時間がかかる。そこで、認証フェーズでは、他のフェーズにおける応答時間(Response time)と比較して長い応答時間が設けられてもよい。応答時間を長くすることで、TX100の制御部101が高速に動作する必要性が低下し、制御部101の消費電力の低減や低速なCPUの使用による低コスト化を実現できる。
なお、上述の説明では、Configuration PacketのAuth bitによってRX200がWPT認証に対応するか否かをTX100が判断するとしたが、ID Packetのバージョン情報に基づいてこの判断が行われてもよい。例えば、TX100は、RX200のバージョン情報がバージョンA(又はそれ以降のバージョン)の場合はRX200がWPT認証に対応していると判断し、バージョン情報がバージョンAより前の場合はRX200がWPT認証に対応していないと判断する。
なお、WPC規格v1.2.2のSpecific Requestのうち、Packet typeが未定義のReserved PacketやProprietary Packetが、電子証明書に関連するパケットとして定義されてもよい。またWPC規格v1.2.2のGeneral Requestのうち、Packet typeが未定義のReserved PacketやProprietary Packetが、電子証明書に関連するパケットとして定義されてもよい。また、WPC規格v1.2.2のパケットのうち、Specific RequestやGeneral Request以外のパケットが電子証明書に関連するパケットとして定義されてもよい。例えば、Specific RequestやGeneral Requestと異なり、Packet typeが未定義のReserved PacketやProprietary Packetが、電子証明書に関連するパケットとして定義されうる。電子証明書に関連するパケットは、上述のように、GET_DIGEST、GET_CERTIFICATE、CHALLENGEパケットを含む。
[TXがレガシー、RXがバージョンAの場合の処理]
続いて、TX100がレガシーであり、RX200がバージョンAに対応している場合の処理例について、図8Aの(c)、図6、及び図9Aを用いて説明する。なお、以下では、TX100によるUSBケーブル300およびACアダプタ301とのUSB認証は成功したものとする。
まず、バージョンAに対応したRX200の動作について説明する。RX200は、Configuration Packetにより、自装置がWPT認証に対応していることをTX100に通知する(800、801、S901)。しかしながら、この場合は、TX100がレガシーであるため、Auth bitを無視する。そして、TX100は、RX200がNegotiation機能に対応しているため、ACKを送信して、自身は交渉フェーズへ遷移する(S704でYES、S713、S709)。
RX200は、ACKを受信すると(802、S902でYES)、TX100がWPT認証に対応していない、レガシーのTXであると判断する(S908)。これは、RX200がWPT認証に対応しているため、TX100がWPT認証に対応している場合は、ACKではなくACK(auth)を受信するはずだからである。なお、RX200は、Configuration Packetを送信してから15ms以内にACKを受信せず(S902でNO)、かつACK(auth)も受信しない場合は(S903でNO)、処理はS909へ進む。この場合、RX200は、TX100がBPPであり、かつ、Negotiation機能に対応してないと判断して(S909)、PTフェーズへ遷移する(S910)。
RX200は、交渉フェーズにおいてGPの交渉を行うが、図6を用いて説明したように、過度な発熱等が生じることを回避するために、15ワットでの受電を回避すべきと判断する。このため、RX200は、WPT認証非対応(行603)でUSB認証成功(列602)に対応する5ワットをGPとして交渉すると判断し、Specific Request(5W)を送信する(809)。そして、RX200は、TX100からACKを受信し(810)、交渉フェーズを終了する。そして、RX200はCalibrationフェーズへ遷移し(S907)、所定の処理を実行した後、PTフェーズへ遷移する(S910)。
以上のように、WPC規格バージョンAに対応したRX200は、バージョンAより前のWPC規格に対応したTX100に対しても矛盾なく動作することができる。さらに、図8Bの(e)で説明したように、RX200はTX100がWPT認証に対応している場合でも矛盾なく動作できる。
[TXがレガシー、RXがバージョンAの場合の別の処理]
上述の説明では、バージョンAに対応しているRX200は、Configuration Packetに対するTX100からの応答に基づいてTX100がWPT認証やNegotiation機能に対応しているか否かを判断した。すなわち、RX200は、Configuration Packetの送信から15ms以内にACKとACK(auth)のどちらを受信したか、または、いずれも受信していないか、に応じて、上述の判断をする場合について説明した。ここでは、TX100がバージョンAに対応しているか否かの判断を行う別の例について、図8Bの(d)及び図9Cを用いて説明する。なお、以下では、TX100によるUSBケーブル300およびACアダプタ301とのUSB認証は成功したものとする。
RX200は、Configuration Packetに対してACKを受信すると(S902でYES)、WPT認証の実行を要求するためにAuth Reqを送信する(S913、810)。Auth Reqは、認証フェーズへ遷移し、WPT認証処理410を開始することをTX100に要求するパケットであり、例えばWPC規格v1.2.2でパケットタイプが規定されていないReserved Packetである。本実施形態では、Reserved Packetのうち、パケットヘッダが0x40のパケットをAuth Reqパケットとして定義する。バージョンAに対応したTXは、Configuration Packetに対してACKを返した後、Auth Reqパケットの受信に応じて認証フェーズへ遷移し、WPT認証を開始する。
一方、バージョンAに対応していないTXは、以下のように動作する。WPC規格v1.2.2は、交渉フェーズにおいて、TX100が非対応のパケットタイプのPacketの受信に応じてNot-Defined Response(ND Resp)パケットを送信することを規定している。なお、I&Cフェーズでは、TX100は、対応していないPacketを受信しても何も応答しないように規定されている。TX100は、802においてConfiguration Packetに対するACKを送信しているため、交渉フェーズに遷移している。したがって、レガシーであるTX100はAuth Reqのパケットに応答してND RespをRX200へ送信する(811)。RX200は、ND Respを受信すると(S914でYES)、TX100がWPT認証に対応していないと判断し(S908)、WPT認証を行わずに、交渉フェーズへ遷移する(S906)。
ここで、RX200が、送信したAuth Reqに対するND Respを受信せず(S913でNO)、ACKを受信した場合(S914でYES)は、処理はS904へ進む。この場合、RX200は、TX100がWPT認証に対応していると判断し(S904)、認証フェーズへ遷移する(S905)。なお、Auth Reqに対して、RX200がND RespもACKも受信しない場合(S914でNO)は、RX200は、TX100に対して送電の停止を要求し(S916)、選択フェーズに戻る。送電の停止の要求は、例えばEnd of Transmission Packet(ETP)を送信することにより行われる。例えばTX100の故障やTX100とRX200との間の通信品質の劣化によってWPCシーケンスを継続できない場合に、TX100に対して送電の停止を要求することによって、システムを元の状態に戻すことができる。
また、RX200は、ND RespもACKも受信しなかった場合に、Auth Reqを再送してもよい。これは、TX100がAuth Reqを正しく受信できなかった可能性があるからである。WPC規格v1.2.2では、TX100が交渉フェーズにおいてパケットを正しく受信できない場合には交渉フェーズに留まることが規定されている。このため、RX200は、Auth Reqを再送して、TX100が正しくパケットを受信できるのを待ってもよい。TX100が正しくパケットを受信できた場合、RX200は、ACKまたはND Respを受信して、シーケンスを継続することができる。なお、RX200は、Auth Reqを数回(3回など)連続で送信しても、ACKもND Respも受信しない場合に、EPTを送信するようにしてもよい。
以上のように、TX100が非対応のパケットに対して応答(ND Resp)を返す状態にある交渉フェーズの時に、RX200は、TX100がWPT認証に対応するか否かがわかるパケットを送信する。これにより、RX200は、Auth Reqに対する応答に基づいてTX100がWPT認証に対応しているか否かを判断し、WPT認証に対応していないTXに対しても矛盾なく動作することができる。
また、Auth Reqは、レガシーのTX100からの応答が期待される他のパケットと置き換えられてもよい。例えば、WPC規格v1.2.2で応答が期待されるパケットのうち、Packet typeが未定義のReserved Packetや、Packet typeを独自に定義できるProprietary Packetが用いられうる。応答が期待されるパケットは、例えばGeneral Request Packet、Specific Request Packetを含む。例えば、Specific Request PacketのRequestフィールドがReserved(0x05から0xEF)のパケットが用いられてもよい。この場合は、TX100は、WPT認証に対応していない場合はND Respを送信し、RX200はこれを受信する。また、General Request PacketのRequestフィールドがReservedであるパケットが用いられてもよい。この場合、TX100は、WPT認証に対応していない場合は、Requestに応答して対応できないことを示すPower Transmitter Data Not Available Packetを送信し、RX200はこれを受信する。
また、Auth Reqを送信する前に、WPT認証に対応しているかどうかを知るためのパケットが送受信されてもよい。例えば、RX200は、Genaral Request PacketでTX100の個体識別情報や規格バージョンが格納されるPower Transmitter Identification Packetを要求しうる。この場合、RX200は、Auth Reqに先立って、General Request PacketによりTX100の規格バージョンを取得する。そして、RX200は、取得したバージョンがバージョンA以降の場合に、TX100がWPT認証に対応すると判断してAuth Reqを送信することができる。一方、RX200は、取得したバージョンがバージョンAより前の場合に、TX100がWPT認証に対応していないと判断することができる。
また、RX200は、Power Transmitter Identification Packetに代えて、TX100の能力情報が格納されるPower Transmitter Capability Packetを要求してもよい。この要求は、General Request Packetで行われうる。Power Transmitter Capability Packetは、TX100が送電能力を通知するためのパケットであり、これにWPT認証を実行可能であることを示す情報を含めることができる。この場合、WPC規格v1.2.2のPower Transmitter Capability Packet(図10(b))でReservedとなっているビット1010又は1011をAuth bitとしてバージョンAで定義する。Auth bitには、WPT認証に対応する場合に「1」が書き込まれ、WPT認証に対応しない場合に「0」が書き込まれる。バージョンAに対応したTX100は、Power Transmitter Capability PacketのAuth bitに「1」を書き込む。なお、レガシーのTXは、Auth bitに対応しないため、このビットをReservedとして取り扱い、「0」を格納する。
本処理例では、RX200は、Reserved Packetに対する応答を受信するために、TX100が交渉フェーズに滞在している間に、Reserved Packetを送信するようにした。これによれば、RX200は、応答がND-RespとACKのいずれであるかによりTX100がレガシーなのかWPT認証に対応しているのかを判断することができる。なお、レガシーのTXは、I&Cフェーズに滞在中にこのようなパケットを受信したとしても、WPC規格v1.2.2の規定上応答しないことになっているため、上述の判断を行うことはできないことに留意されたい。
[TXがレガシー、RXがバージョンAの場合のさらに別の処理]
TX100がWPT認証に対応しているか否かをACK(auth)またはAuth Reqに対する応答によってRX200が判断する例について説明した。以下では、他の例について図9Bを用いて説明する。なお、以下では、TX100によるUSBケーブル300およびACアダプタ301とのUSB認証は成功したものとする。
説明に先立ち、WPT認証に対応したTX100の動作について説明する。TX100は、Configuration PacketによってRX200がWPT認証に対応していると判断すると、認証フェーズに遷移する。そして、TX100は、Configuration Packetに対するACKの後端から一定時間以内にGET_DIGESTパケットの先頭をRX200から受信する。ここで、本実施形態では、WPC規格v1.2.2のSpecific Requestのうち、Packet typeが定義されていないヘッダ番号のパケットの1つを、GET_DIGESTパケットと定義する。
RX200は、I&Cフェーズの後にGET_DIGESTを送信する(S911)。その後、RX200は、TX100がレガシーの場合にはND RESPを受信するため(S912でYES)、TX100がWPT認証に対応していないと判断し(S908)、交渉フェーズに遷移する。このように、RX200はレガシーのTX100に対して矛盾なく動作する。また、TX100がWPT認証に対応している場合、RX200はND Respを受信せず(S912でNO)、DIGESTメッセージを受信する。このため、RX200はTX100がWPT認証対応であると判断し(S904)、認証フェーズに遷移する(S905)。
また、上述の説明では、GET_DITESTパケットをSpecific Requestの1つと定義したが、これをGeneral Requestの1つと定義してもよい。例えば、General Requestのうち、Packet typeが定義されていないヘッダ番号のパケットの1つを、GET_DIGESTパケットと定義しうる。そして、TX100がレガシーの場合は、RX200は、GET_DIGESTを送信した後に(S911)、Power Transmitter Data Not Available Packetを受信する(S912でYES)。
また、GET_DITESTパケットは、WPC規格v1.2.2のパケットのうち、Specific RequestやGeneral Request以外のパケットがGET_DIGESTパケットとして用いられてもよい。例えば、Specific RequestやGeneral Requestと異なり、Packet typeが未定義のReserved PacketやProprietary Packetの1つとしてGET_DIGESTパケットが定義される。そして、TX100がレガシーの場合は、RX200は、GET_DIGESTを送信した後に(S911)、ND_RESPを受信する(S912でYES)。
以上のように、本実施形態のRX200は、TX100がレガシーである場合およびWPT認証に対応している場合に、矛盾なく動作することができる。
また、認証フェーズにおいて、TX100が所定のパケット以外のパケットをRX200から受信した場合は、送電部103の送電を停止し、選択フェーズに遷移してもよい。ここで、所定のパケットは814から820のパケットであり、GET_DIGEST、DIGEST、GET-CERTICARTE、CERTIFICATE、CHALLENGE、RESPONSE、RESULTである。認証フェーズにおいて、Signal Strength Packet、Control Error Packet、ID Packet、Configuration Packet等を受信すると、TX100は送電を停止する。ここで、Signal Strength Packetは受電した電圧の電圧値を示すパケットであり、Control Error Packet、ID Packetは電圧値の増減を要求するパケットである。そして、TX100は、選択フェーズに戻る。このように、TX100は、認証フェーズにおいて、RX200の故障等により所定のパケット以外のパケットを受信した場合に送電を停止して、システムが予期せぬ動作をすることを防ぐことができる。
以上のように、本実施形態の非接触充電システムでは、電力供給源である電源装置(ACアダプタ301)と送電装置との間でUSBプロトコルを用いた機器認証が行われ、送電装置と受電装置との間でWPCプロトコルを用いた機器認証が行われる。そして、受電装置は、USBの機器認証結果とWPCの機器認証結果とに基づいて、WPCの送電装置が送電電力を制御する。これにより、複数種類の機器認証プロトコルを実行可能な無線電力伝送において、それらの認証結果を有効に利用することができる。その結果、例えば、電源供給の経路に存在する機器において過度の発熱等の問題が生じない適切な送電制御を実現できる。
また、WPCの送電装置が受電装置に送電を開始するのに先立って、USBの認証結果に基づいてWPCの送電装置の送電電力を制限する。これにより、WPCによる送電開始後に、USB認証の結果に基づく送電電力の制限による送電電力の再交渉などが発生せず、高速な制御を実現できる。
<その他の実施形態>
本実施形態に係る無線電力伝送システムの電力伝送方式は特に限定されない。例えば、TXの共振器(共鳴素子)と、RXの共振器(共鳴素子)との間の磁場の共鳴(共振)による結合によって電力を伝送する磁界共鳴方式が用いられうる。また、電磁誘導方式、電界共鳴方式、マイクロ波方式、レ-ザ-等を利用した電力伝送方式が用いられてもよい。
また、TXおよびRXは、例えば、撮像装置(カメラやビデオカメラ等)やスキャナ等の画像入力装置や、プリンタ、コピー機、プロジェクタ等の画像出力装置であってもよい。また、TX及びRXは、ハードディスク装置やメモリ装置などの記憶装置であってもよいし、パーソナルコンピュータ(PC)やスマートフォンなどの情報処理装置であってもよい。
また、図5、図7、図9A~9C及び図11に示すフローチャ-トは、例えば、制御部101又は制御部201に電源が投入された場合に開始される。例えば、図5及び図7に示される処理はTX100のメモリ107に記憶されたプログラムを制御部101が実行することにより実現されうる。また、図9A~9C及び図11に示すフローチャ-トは、RX200のメモリ209に記憶されたプログラムを制御部201が実行することによって実現されうる。なお、図5、図7、図9A~9C及び図11のフローチャ-トで示される処理の少なくとも一部がハードウェアによって実現されてもよい。例えば、所定のコンパイラを用いて、各ステップを実現するためのプログラムからFPGA上に自動的に生成された専用回路により処理が実現されうる。また、FPGAと同様にしてGate Array回路を形成し、ハードウェアとして実現するようにしてもよい。
本発明は上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワ-ク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュ-タにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。