以下、図を参照しながら、この発明の電話システムの一実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態の電話システムは、いわゆるビジネスホンシステムを含んで構成される。ビジネスホンシステムは、簡単には主装置に複数の内線電話端末が収容されて構成されるものであり、以下に説明する実施の形態においては、例えば、会社のオフィスに構築されたものである場合を例にして説明する。
[電話システムの全体構成例]
図1は、実施の形態の電話システムを含む通信環境の例について説明するための図である。この実施の形態の電話システムは、携帯電話端末1と、発信情報管理サーバ2と、ビジネスホンシステム200とが、広域ネットワーク100を通じて接続されて構成される。ファイアウォール8は、ネットワークの結節点となる場所に設けて、コンピュータセキュリティ上の理由などにより通過させてはいけない通信を阻止するための装置である。
この実施の形態においては、発信情報管理サーバ2とビジネスホンシステム200とは同じ電話システムの構成要素であるため、共通してファイアウォール8を使用している。なお、これに限ることなく、ファイアウォールは、発信情報管理サーバ2とビジネスホンシステム200とのそれぞれの側に設けるなど、適宜の態様で設けることももちろんできる。
対応付けサーバ9は、携帯電話端末1などの携帯電話端末のメーカーなどの端末提供者側によって運用され、各携帯電話端末に固有の識別情報を割り当てて、これを管理する。これにより、例えば、所定のアプリケーションソフトを利用している携帯電話端末に対していわゆるプッシュ通知を行う場合に、対応付けサーバ9の機能によって、プッシュ通知を行うべき携帯電話端末を特定することができる。そして、その特定した携帯電話端末に対して、プッシュ通知を行うことができる。
一般外線電話端末10は、会社や家庭に設置され、目的とする相手先に電話を掛けて通話したり、自機宛ての着信に応答して通話したりすることができるものである。従って、一般外線電話端末10は、他の会社のビジネスホンシステムに接続された内線電話端末である場合もある。なお、図1等では、説明を簡単にするため、一般外線電話端末10しか示してしないが、周知のように、後述する公衆交換電話網100Cには、多数の一般外線電話端末が接続されて利用されている。
広域ネットワーク100は、例えば、IP網100A、携帯電話網100B、公衆交換電話網100Cなどの種々のものを含む。IP網100Aは、主にはインターネットであるが、インターネットに接続され、インターネットと共にIP網100Aを構成する、例えばLAN(Local Area Network)やWi-Fi(登録商標)規格の無線LANなども含む。すなわち、IP網100Aは、インターネット・プロトコル・スイート技術によって、通信が行われる通信ネットワーク全般を意味する。携帯電話網100Bは、3G(3rd Generation)規格やLTE(Long Term Evolution)規格などの音声通信網である。公衆交換電話網100Cは、PSTN(Public Switched Telephone Network)やISDN(Integrated Services Digital Network)などといった従来からの音声通話網である。なお、広域ネットワーク100の伝送媒体には、電線、無線、光ケーブルなどの種々のものを含む。
そして、この実施の形態の電話システムは、携帯電話端末1を、ビジネスホンシステム200の配下の電話端末として位置付けることができるものである。携帯電話端末1は、スマートホンなどと呼ばれる高機能携帯電話端末である。携帯電話端末1は、ビジネスホンシステム200の配下の電話端末として機能するために、内線電話端末アプリケーションソフトウェア(以下、単に内線電話アプリと記載する。)を搭載し、これを実行することができるものである。
発信情報管理サーバ2は、携帯電話端末1が、ビジネスホンシステム200の配下の電話端末として機能して目的とする相手先に電話を掛ける場合に、発信に必要になる情報を携帯電話端末1とビジネスホンシステム200との間で仲介する機能を実現する。この発信情報管理サーバ2の機能により、携帯電話端末1から目的とする相手先に電話を掛ける場合に、携帯電話端末1からではなく、ビジネスホンシステム200の配下の内線電話端末からの発信として電話を掛けることができるようにしている。
ビジネスホンシステム200は、図1に示すように、ゲートウェイ3、主装置4、内線電話端末5(1)、5(2)、…が、LAN7を通じて接続されて構成されたものである。更に、ビジネスホンシステム200には、物理的に接続されるものではないが、仮想端末6(1)、6(2)、…が接続されているものとして、主装置4において管理される。
ゲートウェイ3は、異なるネットワーク同士を接続する機能を実現するものであり、図1に示すように、公衆交換電話網100Cとビジネスホンシステム200との接続を可能にする。また、ゲートウェイ3は、後述するファイアウォール8を介して、IP網100Aとビジネスホンシステム200との接続を可能にする。また、ゲートウェイ3は、IP網100Aを通じて発信情報管理サーバ2にアクセスし、必要な情報を取得する機能も実現する。
主装置4は、通話回線を接続する端末間のアドレス解決をするものであり、LAN7に接続された配下の機器間や、LAN7に接続された機器と広域ネットワーク100に接続された機器との間に、通話回線をつなぐための小型の交換機として機能する。この実施の形態の主装置4は、SIP(Session Initiation Protocol)を利用して、電話番号をIP(Internet Protocol)アドレスと対応付けたり、相手を呼び出して繋いだりするといった呼制御を行うSIPサーバとしての機能を備える。また、主装置4は、配下の内線電話端末5(1)、5(2)、…のLED(Light Emitting Diode)の点灯・消灯の制御、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示部に表示する情報の制御など、配下の端末に対する種々の制御をも行う。なお、この実施の形態においては、以下に説明するように、ゲートウェイ3と主装置4とが協働し、ビジネスホンシステム200の電話制御装置として機能する。
内線電話端末5(1)、5(2)、…のそれぞれは、図1に示すように、LCDなどの表示部やテンキーや機能キーなどの種々の操作キーが設けられた本体部と、受話器(スピーカー)と送話器(マイクロホン)を備えたハンドセット部とかなる。内線電話端末5(1)、5(2)、…のそれぞれには、内線番号が割り当てられており、主装置4において管理されている。内線電話端末5(1)、5(2)、…のそれぞれは、オフィスの机上などに固定的に設置され、主装置4を通じて、外線通話及び内線通話を可能にする。
仮想端末6(1)、…は、使用者によって持ち運ばれて使用される携帯電話端末を、ビジネスホンシステム200の配下の電話端末として管理するために仮想的に設けられるものである。このため、主装置4においては、仮想端末6(1)、…のそれぞれごとに、内線電話番号、携帯電話番号、IPアドレスなどの識別情報を対応付けて管理している。なお、この実施の形態のビジネスホンシステム200において、仮想端末6(1)は、携帯電話端末1をビジネスホンシステム200の配下の電話端末として位置付けて管理するためのものである。従って、ビジネスホンシステム200の配下の電話端末として、複数の携帯電話端末が存在する場合には、それに対応して仮想端末6(2)、6(3)、…というように複数の仮想端末が設けられることになる。対応付けに関する情報は、携帯電話端末から例えばIP網100Aを通じて主装置4に提供することができる。
なお、内線電話端末5(1)、5(2)、…の使用者もまた、外出先においては、自分が所持する携帯電話端末を、内線電話端末として使用することもできる。この場合、携帯電話端末は、内線電話端末5(1)、5(2)、…に対応付けられるものとなる。すなわち、内線電話端末5(1)、5(2)、…のそれぞれは、使用者が所持する携帯電話端末を、ビジネスホンシステム200の配下に位置付ける仮想端末としての役割も担うことができるものである。具体的には、内線電話端末5(1)、5(2)、…の使用者が、携帯電話端末も所持する場合、内線電話端末5(1)、5(2)、…のそれぞれごとに、対応付けられる携帯電話端末の携帯電話番号やIPアドレスなどの識別情報を内線番号に対応付けて主装置4が管理する。この場合においても、対応付けに関する情報は、携帯電話端末から例えばIP網100Aを通じて主装置4に提供することができる。
このように、携帯電話端末1、発信情報管理サーバ2、ビジネスホンシステム200からなるこの実施の形態の電話システムにおいては、携帯電話端末1をビジネスホンシステム200の配下に位置付けることができる。また、図1では、携帯電話端末1しか示していない。しかし、複数の仮想端末6(1)、6(2)、6(3)、…が設けられることにより、複数の携帯電話端末をビジネスホンシステム200の配下に位置付けて管理することができる。また、内線電話端末5(1)、5(2)、5(3)、…に対応付けられる携帯電話端末が存在することにより、複数の携帯電話端末をビジネスホンシステム200の配下に位置付けて管理することもできる。
そして、外出先などの任意の位置からビジネスホンシステム200の配下に位置付けられる例えば携帯電話端末1を用いて、公衆交換電話網100Cに接続された例えば一般外線電話端末10に電話を掛ける場合を考える。この場合には、携帯電話端末1から電話を掛けているにも関わらず、あたかもビジネスホンシステム200の配下の内線電話端末5(1)などから電話を掛けた場合と同様の態様で電話を掛けることができるようにしている。
従って、ビジネスホンシステム200の配下に位置付けられる携帯電話端末1からは、自機の携帯電話番号を、電話を掛けた相手先に通知することなく、ビジネスホンシステム200からの着信であるようにして、電話を掛けることができる。この場合、この実施の形態の電話システムにおいては、通話に関してサービスの品質の保証がない、いわゆるベストエフォードのネットワークであるインターネットを中心とするIP網100Aを通話に用いることはない。この実施の形態の電話システムにおいては、通話には必ず、携帯電話網100Bや公衆交換電話網100Cといった、通話に関してサービスの品質の保証がある通話網を通じて通話を行うようにしている。
[携帯電話端末1から電話を掛ける場合の処理の概要]
次に、この実施の形態の電話システムにおいて、ビジネスホンシステム200の配下に位置付けられる携帯電話端末1から目的とする相手先に電話を掛ける場合の処理について説明する。なお、携帯電話端末1は、他の一般的な携帯電話端末と同様にして、目的とする相手先に自機の電話番号を通知して電話を掛けることももちろんできる。しかし、以下においては、携帯電話端末1を、ビジネスホンシステム200の配下に位置付けられた内線電話端末として機能させて、図1に示したように公衆交換電話網100Cに接続された一般外線電話端末10に電話を掛ける場合について説明する。
図2は、この実施の形態の電話システムにおいて、ビジネスホンシステム200の配下に位置付けられる携帯電話端末1から一般外線電話端末10に電話を掛ける場合の処理の概要について説明するための図である。なお、図2において、各矢印の近傍に記載されているPr1、Pr2、…は、処理の順番を示している。そして、携帯電話端末1をビジネスホンシステム200の配下の内線電話端末として用いて、目的とする相手先に電話を掛ける場合には、携帯電話端末1に搭載されている内線電話アプリを起動させる。
携帯電話端末1においては、起動させた内線電話アプリを通じて、目的とする相手先の電話番号(着信先電話番号)を入力し、例えばソフトウェアキーとして表示画面に表示されているオフフックキーを操作するなどの発信操作を行う。この場合、携帯電話端末1では、内線電話アプリにより、自機の識別情報や着信先電話番号を含む発信情報を形成して、IP網100Aを通じて発信情報管理サーバ2に送信する(処理Pr1)。発信情報管理サーバ2は、携帯電話端末1からIP網100Aを通じて送信されてきた発信情報を受信して記憶する。
次に、携帯電話端末1では、内線電話アプリにより、自機が配下に位置付けられているビジネスホンシステム200に対する発信メッセージを形成し、携帯電話網100B及び公衆交換電話網100Cを通じてビジネスホンシステム200に送信する(処理Pr2)。つまり、処理Pr2は、携帯電話端末1が、通話網を通じてビジネスホンシステム200に電話を掛ける処理である。ただし、携帯電話端末1は、ビジネスホンシステム200に予め割り当てられている、自システムの配下に位置付けられている携帯電話端末からの発信を受け付けるための専用電話番号に電話を掛ける。
ビジネスホンシステム200のゲートウェイ3は、当該専用電話番号への自システムの配下の携帯電話端末1からの着信を受け付けたとする。この場合、ゲートウェイ3は、携帯電話端末1を通じて電話を掛けたい相手先の電話番号(着信先電話番号)の提供を、IP網100Aを通じて発信情報管理サーバ2に対して要求する(処理Pr3)。当該要求には、携帯電話端末1の識別情報、例えば携帯電話番号が含まれており、発信情報管理サーバ2は、当該携帯電話番号を含む発信情報を検索する。そして。発信情報管理サーバ2は、検索して得た発信情報に含まれる着信先電話番号を、IP網100Aを通じてゲートウェイ3に提供する(処理Pr4)。
ゲートウェイ3は、発信情報管理サーバ2からの着信先電話番号の提供を受けると、携帯電話端末1からの着信を主装置4に通知すると共に、取得した着信先電話番号への発信を要求する(処理Pr5)。主装置4は、携帯電話端末1からの着信を保持する。そして、主装置4は、ゲートウェイ3からの着信先電話番号を用いて、携帯電話端末1を通じて電話を掛けたい相手先である一般外線電話端末10への発信メッセージを形成し、ゲートウェイ3を通じて公衆交換電話網100C送出する(処理Pr6)。これにより、当該発信メッセージは、公衆交換電話網100Cを通じて一般外線電話端末10に送信される。このように、処理Pr6は、ビジネスホンシステム200が、一般外線電話端末10に対して電話を掛ける処理である。
目的とする相手先である一般外線電話端末10に対して、主装置4から送信された発信メッセージに応じた着信が発生したとする。この場合、一般外線電話端末10においては、呼び出し音を放音し、発信元電話番号(ビジネスホンシステム200が発信に用いた通話回線の電話番号)をLCDに表示するなどして、着信の発生を使用者に通知する。そして、一般外線電話端末10の使用者が、当該着信に対する応答操作、即ち、オフフック操作を行ったとする(処理Pr7)。この場合、一般外線電話端末10からの応答メッセージが、公衆交換電話網100Cを通じてビジネスホンシステム200に送信されてくるので、これを主装置4がゲートウェイ3を通じて受信する。
これに応じて、主装置4は、自機が保持している携帯電話端末1からの回線(着信回線)と、自機が電話を掛けて応答を受け付けた一般外線電話端末10との間の回線(発信回線)とを接続する。ここで、着信回線は、携帯電話端末1からの発信メッセージに応じて発生した着信に基づいて保持するようにした通話回線を意味する。また、発信回線は、主装置4から電話を掛けて、接続するようにした通話回線を意味する。これにより、図2において、点線矢印で示したように、携帯電話端末1と一般外線電話端末10との間に通話回線TLが接続され、携帯電話端末1と一般外線電話端末10との間で通話ができるようになる。
この場合、携帯電話端末1は、携帯電話網100B及び公衆交換電話網100Cからなる通話網を通じては、自機が属するビジネスホンシステム200に電話を掛けただけである。また、一般外線電話端末10からみると、自機への着信はビジネスホンシステム200から掛かって来たものである。このように、携帯電話端末1から内線電話アプリを用いて電話を掛けた場合には、携帯電話端末1から電話を掛けているにも関わらず、相手先である一般外線電話端末10は、ビジネスホンシステム200から電話がかかってきたものとして着信が受け付けられる。そして、ビジネスホンシステム200の配下に位置付けられる携帯電話端末1と一般外線電話端末10との間に通話回線TLが接続されて、通話が可能にされる。
[電話システムを構成する機器の構成例]
次に、この実施の形態の電話システムを構成する携帯電話端末1と、発信情報管理サーバ2と、ビジネスホンシステム200の構成要素であるゲートウェイ3と、同じくビジネスホンシステム200の構成要素である主装置4との構成例について説明する。
<携帯電話端末1の構成例>
図3は、携帯電話端末1の構成例を説明するためのブロック図である。図3に示すように、携帯電話端末1は、通話処理系として、送受信アンテナ101A、無線通信部101、送受信信号処理部102、通話音声処理部103を備えている。通話音声処理部103には、受話器(スピーカ)104と、送話器(マイクロホン)105とが接続されている。また、携帯電話端末1は、タッチパネル106を備える。タッチパネル106は、例えばLCDなどの表示部(表示装置)106Dと、表示部106Dの表示画面に設けられたタッチセンサ106Sとかなり、表示機能と操作入力受付機能とを実現する。また、携帯電話端末1は、リンガ107を備える。リンガ107は、制御部110の制御の下、着信時において着信音を放音させるものである。この他にも、図示しないが振動により着信を通知するバイブレータなども備える。
さらに、携帯電話端末1は、制御部110と、記憶装置111と、操作部112とを備える。制御部110は、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read only memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリなどが接続されて構成されたマイクロプロセッサであり、携帯電話端末1の各部を制御する。また、制御部110は、種々のアプリケーションソフトウェアを実行するアプリケーション実行部としての機能をも有し、例えば、上述した内線電話アプリの実行もできるものである。
記憶装置111は、比較的に大容量の半導体メモリとそのドライバとからなり、データの書き込み、読み出し、変更、削除などを実現する。記憶装置の記録媒体には、種々のアプリケーションソフトウェアや処理に必要になるデータなどか記憶される他、種々の処理において途中結果を一時記憶するといった作業領域としても用いられる。操作部112は、使用者からの操作入力を受け付けて、受け付けた情報を制御部110に提供する。操作部112には、例えば、電源のオン/オフキーや幾つかのファンクションキーなどが設けられている。
そして、携帯電話端末1は、携帯電話網100Bや公衆交換電話網100Cを通じて通話を行ったり、IP網100Aを通じて種々のサーバ装置にアクセスし、データの送受信を行ったり、Webページを閲覧したり、電子メールの送受信を行ったりすることができる。まず、通話時の処理について説明する。送受信アンテナ101A及び無線通信部101は、広域ネットワーク100を通じて通信を行う機能を実現する。
送受信信号処理部102は、送受信アンテナ101A及び無線通信部101を通じて受信した通話音声データを自機において処理可能な形式に変換し、これを通話音声処理部103に供給する。また、送受信信号処理部102は、通話音声処理部103からの音声データを送信する形式のデータに変換し、これを無線通信部101及び送受信アンテナ101Aを通じて相手先に送信する。
通話音声処理部103は、送受信信号処理部102からの音声データからアナログ音声信号を形成し、これを受話器104に供給する。また、通話音声処理部103は、送話器105を通じて収音したアナログ音声信号を、デジタル音声信号に変換して、送受信信号処理部102に供給する。これにより、通話を可能にする。この場合、自機から目的とする相手先に電話を掛けて通話回線を接続し通話することもできるし、自機宛ての着信に応答して通話回線を接続し通話することもできる。
また、制御部110の制御の下、無線通信部101及び送受信アンテナ101Aを通じて、IP網100A上に設けられている種々のサーバ装置にアクセスし、情報をアップロードしたり、また、目的とする情報をダウンロードしたりできる。また、制御部110で実行される閲覧ソフト(ブラウザ)を用いることにより、無線通信部101及び送受信アンテナ101Aを通じて、IP網100A上に設けられている種々のサーバ装置において公開されているWebページにアクセスし、これを閲覧することもできる。
また、制御部110で実行されるメールソフトに応じて、電子メールを作成し、無線通信部101及び送受信アンテナ101Aを通じて、IP網100A上に設けられている目的とする相手先のメールサーバに送信できる。また、制御部110で実行されるメールソフトに応じて、無線通信部101及び送受信アンテナ101Aを通じて、IP網100A上に設けられている自己のメールサーバにアクセスし、自己宛の電子メールを取得することもできる。
そして、この実施の形態の携帯電話端末1は、内線電話機能部120を備える。内線電話機能部120は、発信通知処理部121と、発信メッセージ処理部122と、通話回線接続部123とからなり、内線電話アプリが実行された制御部110により制御される。発信通知処理部121は、内線電話アプリが実行されて、使用者によって目的とする相手先の電話番号が入力されて電話を掛けるようにされた場合に、発信情報管理サーバ2宛の発信情報を形成する。そして、発信通知処理部121は、形成した発信情報を、無線通信部101及び送受信アンテナ101Aを通じてIP網100Aに送出し、発信情報管理サーバ2に送信する処理を行う。これにより、携帯電話端末1から電話の発信操作が行われたことが発信情報管理サーバ2に通知される。
発信メッセージ処理部122は、内線電話アプリが実行されて、使用者によって目的とする相手先の電話番号が入力されて電話を掛けるようにされた場合に、自機が内線電話端末として属するビジネスホンシステム200に対する発信メッセージを形成する。そして、発信メッセージ処理部122は、形成した発信メッセージを携帯電話網100B及び公衆交換電話網100Cを通じて、ビジネスホンシステム200に送信するようにすることによって、ビジネスホンシステム200に対して電話を掛ける機能を実現する。通話回線接続部123は、自機から電話を掛けたビジネスホンシステム200から、着信応答が返ってきた場合に、無線通信部101、送受信信号処理部102、通話音声処理部103を制御して通話回線を接続し、通話ができるようにする。
この内線電話機能部120の各部の機能により、携帯電話端末1から電話を掛けているにもかかわらず、ビジネスホンシステム200の配下の内線電話端末5(1)、5(2)、…から電話を掛けた場合と同様の態様で相手先に電話を掛けることができる。なお、この実施の形態の携帯電話端末1が、ビジネスホンシステム200の配下の内線電話端末として機能して、目的とする相手先に電話を掛ける場合には、上述もしたように、内線電話アプリを起動して、電話を掛けることになる。
<発信情報管理サーバ2の構成例>
図4は、実施の形態の電話システムの発信情報管理サーバ2の構成例を説明するためのブロック図である。接続端子201Tは、IP網100Aへの接続端を構成する。通信I/F(Interface)201は、IP網100Aを通じての通信処理を行う部分である。すなわち、通信I/F201は、IP網100Aを介して送信されてくる自機宛ての信号を、自機において処理可能な形式の信号に変換してこれを取り込む。また、通信I/F201は、自機から目的とする相手先に送信する信号を、送信用の形式の信号に変換してこれをIP網100Aに送出して相手先に送信する。
制御部202は、図示しないがCPU、ROM、RAM、不揮発性メモリなどが接続されて構成されたマイクロプロセッサであり、発信情報管理サーバ2の各部を制御する。記憶装置203は、例えばハードディスクなどの記憶媒体とそのドライバとからなり、当該記憶媒体へのデータの書き込み、読み出し、変更、削除などを行う。記憶装置203は、種々のプログラムや処理に必要になるデータなどを記憶保持する他、処理の途中結果などを一時記憶する作業領域としても用いられる。
発信情報メモリ204は、携帯電話端末1などのビジネスホンシステム200の配下の携帯電話端末から送信されてくる発信情報を記憶保持する。発信情報登録部205は、制御部202の制御の下、携帯電話端末1などのビジネスホンシステム200の配下の携帯電話端末から送信されてくる発信情報を受け付けて、これを発信情報メモリ204に記録する処理を行う。図5(A)は、携帯電話端末1などビジネスホンシステム200の配下の携帯電話端末から発信情報管理サーバ2に送信される発信情報の例を説明するための図である。また、図5(B)は、発信情報管理サーバ2の発信情報メモリ204の格納データの例について説明するための図である。
内線電話アプリが実行された携帯電話端末1において、目的とする相手先の電話番号が入力されて発信操作が行われると、図5(A)に示す発信情報を形成して、上述したように発信情報管理サーバ2に送信する。発信情報は、図5(A)に示すように、区分、ユーザID、携帯電話番号、着信先電話番号からなる。区分は、外線か内線かを示す。携帯電話端末1からは、一般外線電話端末だけでなく、ビジネスホンシステム200の配下の内線電話端末5(1)、5(2)、…などにも電話を掛けることができるためである。
ユーザIDは、携帯電話端末1の使用者を特定する情報であり、この実施の形態では、ユーザIDとして例えば内線番号を用いるようにしている。携帯電話端末に割り当てられる内線番号は、ビジネスホンシステムの配下に位置付けられる携帯電話端末に固有の番号であるため、携帯電話端末の使用者を一意に特定できるためである。もちろん、ユーザIDは、内線番号ではなく、社員番号などの使用者を特定できる種々の番号を用いることもできる。携帯電話番号は、発信元の携帯電話端末1を特定することのできる情報である。また、着信先電話番号は、携帯電話端末1を通じて入力された、携帯電話端末1を通じて電話を掛けるようにした着信先を特定することのできる情報である。
図5(A)に示した構成の発信情報が、携帯電話端末1から送信されて、発信情報管理サーバ2の接続端子201T及び通信I/F201を通じて受信され、発信情報登録部205によって受け付けられる。そして、発信情報登録部205は、受け付けた発信情報を、図5(B)に示した態様で、発信情報メモリ204に登録(追加記録)する。これにより、ビジネスホンシステム200の配下に位置付けられている携帯電話端末が複数存在する場合に、どの携帯電話端末から発信情報が送信されてきているのかを管理できる。なお、発信情報管理サーバ2の発信情報メモリ204に格納された発信情報は、ゲートウェイ3からの要求に応じて、これを提供した場合には、図5(B)には図示しなかったが、削除フラグをオンにし、一定期間経過後に削除するなどといった対応が可能である。
提供要求処理部206は、制御部202の制御の下、ゲートウェイ3からの着信先番号要求を受け付けて、当該要求に含まれる発信元の携帯電話端末の携帯電話番号を発信情報検索部207に通知し、発信情報の検索を依頼する。発信情報検索部207は、提供要求処理部206からの携帯電話番号に基づいて、未使用の発信情報を検索し、検索した発信情報を着信先番号提供部208に通知する。
着信先番号提供部208は、発信情報検索部207から提供を受けた発信情報に含まれる着信先電話番号を抽出し、これを含むゲートウェイ3への提供情報を形成する。そして、着信先番号提供部208は、形成した提供情報を通信I/F201及び接続端子201Tを通じてIP網100Aに送出し、ゲートウェイ3に提供する。これにより、ゲートウェイ3からの提供要求に応じて、ビジネスホンシステム200に電話を掛けてきた携帯電話端末1が、本来、電話を掛けたい相手先の電話番号である着信先電話番号をゲートウェイ3に提供できる。
なお、なんらかの原因により、目的とする発信情報が検索できなかった場合には、この結果が発信情報検索部207から制御部202に通知される。この場合、制御部202の制御により、発信元の携帯電話端末1に対して、いわゆるプッシュ通知を用いて電話の掛け直しを指示することができる。この場合には、発信元の携帯電話端末1は、ビジネスホンシステム200への発信を自機から取りやめて、主装置4が保持している自機からの着信を取り消すようにした後に、内線電話アプリを通じて再度の発信を行うことができる。
このように、発信情報管理サーバ2は、携帯電話端末1などからの発信情報の提供を受けて、これを記憶保持して管理する。そして、発信情報管理サーバ2は、ゲートウェイ3からの提供要求に応じて、目的とする発信情報を検索する。そして、発信情報管理サーバ2は、検索して発信情報から携帯電話端末1などの携帯端末が電話を掛けようとしている相手先の電話番号(着信先電話番号)を取得し、これをゲートウェイ3に対して提供することができるものである。
<ゲートウェイ3の構成例>
図6は、ゲートウェイ3の構成例を説明するためのブロック図である。接続端子301Tは、公衆交換電話網100Cへの接続端を構成する。回線I/F(Interface)301は、公衆交換電話網100Cを通じての通信処理を行う部分である。すなわち、回線I/F301は、公衆交換電話網100Cを介して送信されてくる自機宛ての信号を、自機において処理可能な形式の信号に変換してこれを取り込む。また、回線I/F301は、自機から目的とする相手先に送信する信号を、送信用の形式の信号に変換してこれを公衆交換電話網100Cに送出して相手先に送信する。
制御部302は、図示しないがCPU、ROM、RAM、不揮発性メモリなどが接続されて構成されたマイクロプロセッサであり、ゲートウェイ3の各部を制御する。制御部302は、接続端子301T及び回線I/F301を通じて、自機宛ての発信メッセージ(発呼メッセージ)を受け付ける発信メッセージ受付部としても機能する。また、制御部302は、IP網100Aを通じて送信されてくる発信情報管理サーバ2からの着信先電話番号を、接続端子304T及びLANI/F304を通じて取得する着信先番号取得部としても機能する。更に、制御部302は、自システムから目的とする相手先への発信メッセージを、公衆交換電話網100Cなどを通じて送信するように制御する発信メッセージ送信制御部としても機能する。
記憶装置303は、例えばハードディスクなどの記憶媒体とそのドライバとからなり、当該記憶媒体へのデータの書き込み、読み出し、変更、削除などを行う。記憶装置303は、種々のプログラムや処理に必要になるデータなどを記憶保持する他、処理の途中結果などを一時記憶する作業領域としても用いられる。接続端子304Tは、LAN7への接続端を構成する。LANI/F(Interface)304は、LAN7を通じての通信処理を行う部分である。すなわち、LANI/F304は、LAN7を介して送信されてくる自機宛ての信号を、自機において処理可能な形式の信号に変換してこれを取り込む。また、LANI/F304は、自機から目的とする相手先に送信する信号を、送信用の形式の信号に変換してこれをLAN7に送出して相手先に送信する。
着信先番号要求部305は、発呼メッセージ受付部として機能する制御部302が、ビジネスホンシステム200の配下に位置付けられた携帯電話端末からの専用電話番号への発信メッセージを受け付けた場合に機能する。着信先番号要求部305は、通知された発信元の携帯電話端末の携帯電話番号を含む、着信先電話番号の提供要求を形成し、回線I/F301及び接続端子301Tを通じてIP網100Aに送出し、発信情報管理サーバ2に送信する。
発信要求形成部306は、着信先番号要求部305からの着信先電話番号の提供要求に応じて、発信情報管理サーバ2から送信されてくる着信先電話番号を取得した制御部302の制御の下に機能する。この場合、制御部302は、取得した着信先電話番号を発信要求形成部306に供給し、当該着信先電話番号を用いて発信を行うことを主装置4に要求するように制御する。これに応じて、発信要求形成部306は、当該着信先電話番号を含む主装置4宛の発信要求を形成し、LANI/F304及び接続端子304Tを通じてLAN7に送出し、主装置4に送信する。ゲートウェイ機能部307は、公衆交換電話網100CとLAN7との間で送受する信号の形式を変換するなど、公衆交換電話網100CとLAN7とを接続するための種々の処理を実行する。
このように、ゲートウェイ3は、通常のゲートウェイ機能に加えて、ビジネスホンシステム200の配下に位置付けられる携帯電話端末1などからの着信に応じて、着信先電話番号を発信情報管理サーバ2から取得する機能を実現する。更に、ゲートウェイ3は、取得した着信先電話番号を含む発信要求を形成して主装置4に提供する機能を実現する。
<主装置4の構成例>
図7は、主装置4の構成例を説明するためのブロック図である。接続端子401Tは、LAN7への接続端を構成する。LANI/F401は、LAN7を通じての通信処理を行う部分である。すなわち、LANI/F401は、LAN7を介して送信されてくる自機宛ての信号を、自機において処理可能な形式の信号に変換してこれを取り込む。また、LANI/F401は、自機から目的とする相手先に送信する信号を、送信用の形式の信号に変換してこれをLAN7に送出して相手先に送信する。
制御部402は、図示しないがCPU、ROM、RAM、不揮発性メモリなどが接続されて構成されたマイクロプロセッサであり、主装置4の各部を制御する。記憶装置403は、例えばハードディスクなどの記憶媒体とそのドライバとからなり、当該記憶媒体へのデータの書き込み、読み出し、変更、削除などを行う。記憶装置403は、種々のプログラムや処理に必要になるデータなどを記憶保持する他、処理の途中結果などを一時記憶する作業領域としても用いられる。
アドレス管理DB404は、主装置4を通じて呼び出す可能性のある端末装置についてのアドレス情報を記憶保持する。具体的に、アドレス管理DB(database)404には、内線電話端末5(1)、5(2)、5(3)、…についての内線電話番号やIPアドレス、対応付けられる携帯電話端末の携帯電話番号やIPアドレス、その他、必要となる種々の情報が記憶保持される。
また、アドレス管理DB404には、仮想端末6(1)、6(2)、6(3)、…についての内線電話番号、携帯電話番号、IPアドレス、その他の必要になる種々の情報が記憶保持される。この他にも、アドレス管理DB404には、主装置4を通じて呼び出す可能性のある電話端末の電話番号やIPアドレスなども記憶保持される。アドレス管理DB404への情報の記録は、各端末からのリクエストに応じて、制御部402が行う。仮想端末6(1)、6(2)、6(3)、…についての情報は、対応する携帯電話端末や図示しない管理用PC(Personal Computer)からリクエストを出すことができる。
呼制御部405は、発着信処理部4051と通話回線接続部4052とからなる。発着信処理部4051は、LAN7を通じて送信されてくるゲートウェイ3や内線電話端末5(1)、5(2)、5(3)、…からの発信要求に応じて、相手先への発信メッセージを形成し、これを相手先に送信する処理を行う。また、発着信処理部4051は、ゲートウェイ3を通じて受信した自システムへの発信メッセージを受け付けて、内線電話端末5(1)、5(2)、5(3)、…へ着信を通知したりする処理を行う。
通話回線接続部4052は、発着信処理部4051の機能により、自機から発信メッセージを送信することにより電話を掛けた相手先から応答メッセージが戻ってきた場合に、内線電話端末などの発信元と着信先との間に通話回線を接続する。また、通話回線接続部4052は、発着信処理部4051の機能により、自機への発信メッセージに応じて、内線電話端末などに着信を通知し、応答操作が行われた場合に、発信元と着信先である内線電話端末との間に通話回線を接続する。これにより通話が行うようにされる。このように、通話回線接続部4052は、自機から電話を掛けて通話回線を接続するようにしたり、自機への着信に応じて通話回線を接続したりして、通話を行えるようにする処理を行う。
端末制御部406は、配下の内線電話端末5(1)、5(2)、5(3)、…のLEDの点灯/消灯制御やLCDへの表示制御、着信音の出力制御など、自機に接続された内線電話端末などの種々の制御を行う。従って、例えば、発信に使用されている電話回線の通知、着信が発生している電話回線の通知、発信時の着信先に関する情報や着信時の発信元に関する情報のLCDへの表示、また、着信音の放音の指示など、種々の制御が端末制御部406により行われる。
そして、主装置4は、携帯電話端末1が電話を掛けたい相手先の電話番号である着信先電話番号をゲートウェイ3から提供を受け、これを用いて当該相手先(この実施の形態では一般外線電話端末10)に電話を掛ける。そして、相手先が応答すれば、携帯電話端末1からの着信回線と、主装置4と一般公衆電話端末との間の発信回線とを接続して、通話を行えるようにする。
上述した構成の携帯電話端末1、発信情報管理サーバ2、ゲートウェイ3及び主装置4を含むビジネスホンシステム200のそれぞれが機能する。これにより、外出先の携帯電話端末1からでも、あたかも内線電話端末5(1)などから電話を掛ける場合と同様の態様で、一般外線電話端末10などに電話を掛けることができる。
[携帯電話端末1から外線電話を掛ける場合の電話システムの動作]
図8は、携帯電話端末1から一般外線電話端末10に電話を掛ける場合のこの実施の形態の電話システムの動作について説明するためのシーケンス図である。携帯電話端末1から目的とする一般外線電話端末10に電話を掛ける場合には、上述したように、携帯電話端末1において、内線電話アプリを起動させる。そして、携帯電話端末1の表示部に表示された外線ボタンを押下し、目的とする相手先の電話番号(着信先電話番号)を入力して発信ボタンを押下操作するといった発信操作を行う(ステップS0)。
すると、携帯電話端末1は、発信情報を生成し、IP網100Aを通じて発信情報管理サーバ2に送信する(ステップS1)。発信情報は、図5(A)を用いて説明したように、区分、ユーザID、携帯電話番号、着信先電話番号からなるものであり、この場合の区分は「外線」である。発信情報管理サーバ2は、携帯電話端末1からの発信情報を受信して記憶保持する。携帯電話端末1は、さらに、自機が属するビジネスホンシステム200に割り当てられている専用電話番号への発信メッセージを形成し、携帯電話網100B及び公衆交換電話網100Cへ送出して、ビジネスホンシステム200に電話を掛ける(ステップS2)。
携帯電話端末1からの発信メッセージに応じた専用電話番号への着信を受け付けたゲートウェイ3は、着信先番号要求を形成し、IP網100Aを通じて発信情報管理サーバ2に送信する(ステップS3)。ここで、着信先番号要求は、携帯電話端末1の携帯電話番号を含み、携帯電話端末1を通じて電話を掛けたい相手先の電話番号(着信先電話番号)の提供を要求するものである。当該着信先番号要求に応じて、発信情報管理サーバ2は、当該携帯電話番号を含む発信情報を検索し、検索した発信情報に含まれる区分及び着信先電話番号を含む着信先番号通知を形成して、要求元のゲートウェイ3に送信してくる(ステップS4)。ゲートウェイ3は、発信情報管理サーバ2からの着信先番号通知を受信して区分及び着信先電話番号を取得する。
着信先電話番号を取得したゲートウェイ3は、携帯電話端末1からの自システムへの着信を通知すると共に、着信先電話番号により特定される相手先への外線発信を要求する発信要求を形成し、LAN7を通じて主装置4に送信する(ステップS5)。主装置4は、ゲートウェイ3からの発信要求を受け付けると、まず、携帯電話端末1からの着信を保持する。そして、主装置4は、受信した発信要求に含まれる着信先電話番号を用いて発信メッセージを形成し、ゲートウェイ3を通じて、公衆交換電話網100Cに送出して、目的とする相手先の一般外線電話端末10に電話を掛けるようにする(ステップS6)。
主装置4からの発信メッセージに応じた着信が発生した一般外線電話端末10では、リンガを鳴動させるなどして着信があることが使用者に通知する。これに応じて、着信先の一般外線電話端末10の使用者が応答操作(オフフック操作)を行うと(ステップS7)、一般外線電話端末10は、応答メッセージを形成し、発信元の主装置4に対して送信する(ステップS8)。当該応答メッセージは、公衆交換電話網100Cを通じて送信され、ゲートウェイ3が受信してLAN7を通じて主装置4に提供される。
一般外線電話端末10からの応答メッセージを受信した主装置4は、保持している携帯電話端末1からの着信回線と、自機が電話を掛けて応答を受け付けた一般外線電話端末10との間の発信回線とを接続する(ステップS9)。これにより、図2において、点線矢印で示したように、携帯電話端末1と一般外線電話端末10との間に通話回線TLが接続され、携帯電話端末1と一般外線電話端末10との間で通話ができるようになる。
このように、携帯電話端末1は、外出先からでも、ビジネスホンシステム200の配下に位置付けられる内線電話端末として機能するようにして、目的とする相手先に外線電話を掛けることができる。携帯電話端末1からの発信であっても、主装置4を介しての発信となり、ビジネスホンシステム200が収容している電話回線の電話番号が、着信先に通知される。これにより、当該目的とする相手先においては、ビジネスホンシステム200の配下の電話端末からの発信であると認識して、当該発信に応じた自機への着信に応答することができる。
[携帯電話端末1から内線電話を掛ける場合の電話システムの動作]
また、この実施の形態において、ビジネスホンシステム200の配下に位置付けられる携帯電話端末1は、ビジネスホンシステム200の配下の内線電話端末5(1)、5(2)、5(3)、…などへ内線電話を掛けることもできる。図9は、携帯電話端末1からビジネスホンシステム200の配下の内線電話端末5(1)、5(2)、5(3)、…のいずれかに内線電話を掛ける場合のこの実施の形態の電話システムの動作について説明するためのシーケンス図である。なお、図9においては、内線電話端末5(1)、5(2)、5(3)、…を総称して内線電話端末5と記載している。
そして、携帯電話端末1からビジネスホンシステム200の配下の内線電話端末5に内線電話を掛ける場合においても、図8に示した外線電話を掛ける場合のステップS1~ステップS5までの処理は、ほぼ同様に行われることになる。すなわち、携帯電話端末1からビジネスホンシステム200の配下の内線電話端末5へ内線電話を掛ける場合にも、内線電話アプリを起動させる。そして、表示画面に表示された内線ボタンを押下し、目的とする相手先となる内線電話端末の内線番号を入力して発信操作を行うようにする(ステップS0)。
すると、携帯電話端末1は、発信情報を生成し、IP網100Aを通じて発信情報管理サーバ2に送信する(ステップS1)。発信情報は、図5(A)を用いて説明したように、区分、ユーザID、携帯電話番号、着信先電話番号からなるものである。そして、この場合の区分は「内線」であり、着信先電話番号は、目的とする内線電話端末の内線番号になる。発信情報管理サーバ2は、携帯電話端末1からの発信情報を受信して記憶保持する。携帯電話端末1は、さらに、自機が属するビジネスホンシステム200に割り当てられている専用電話番号への発信メッセージを形成し、携帯電話網100B及び公衆交換電話網100Cへ送出して、ビジネスホンシステム200に電話を掛ける(ステップS2)。
携帯電話端末1からの発信メッセージに応じた専用電話番号への着信を受け付けたゲートウェイ3は、着信先番号要求を形成し、IP網100Aを通じて発信情報管理サーバ2に送信する(ステップS3)。ここで、着信先番号要求は、携帯電話端末1の携帯電話番号を含み、携帯電話端末1を通じて電話を掛けたい相手先の電話番号(着信先電話番号)の提供を要求するものである。当該着信先番号要求に応じて、発信情報管理サーバ2は、当該携帯電話番号を含む発信情報を検索し、検索した発信情報に含まれる区分及び着信先電話番号を含む着信先番号通知を形成して、要求元のゲートウェイ3に送信してくる(ステップS4)。ゲートウェイ3は、発信情報管理サーバ2からの着信先番号通知を受信して区分及び着信先電話番号を取得する。この場合の区分は「内線」であり、着信先電話番号は目的とする内線電話端末の内線番号である。
着信先電話番号を取得したゲートウェイ3は、携帯電話端末1からの自システムへの着信を通知すると共に、着信先電話番号である内線番号により特定される内線電話端末への内線発信を要求する発信要求を形成し、LAN7を通じて主装置4に送信する(ステップS5)。主装置4は、ゲートウェイ3からの発信要求を受け付けると、まず、携帯電話端末1からの着信を保持する。そして、主装置4は、受信した発信要求に含まれる内線番号により特定される内線電話端末5に対する着信メッセージを形成して、当該内線電話端末5にLAN7を通じて送信する(ステップS11)。
主装置4からの着信メッセージに応じて着信が発生した内線電話端末5では、リンガを鳴動させるなどして着信があることが使用者に通知する。これに応じて、着信先の内線電話端末5の使用者が応答操作(オフフック操作)を行うと(ステップS12)、当該内線電話端末5は、応答メッセージを形成し、LAN7を通じて主装置4に対して送信する(ステップS13)。
内線電話端末5からの応答メッセージを受信した主装置4は、保持している携帯電話端末1からの回線(着信回線)と、応答メッセージを受け付けた内線電話端末5との間の回線(内線回線)とを接続する(ステップS14)。これにより、携帯電話端末1と内線電話端末5との間に通話回線が接続され、携帯電話端末1と内線電話端末5との間で通話ができるようになる。
このように、携帯電話端末1は、外出先からでも、ビジネスホンシステム200の配下に位置付けられる内線電話端末として機能するようにして、同じくビジネスホンシステム200の配下の内線電話端末に内線電話を掛けることができる。携帯電話端末1からの発信であっても、内線番号を使用し、主装置4を介してビジネスホンシステム200の配下の内線電話端末5に対して内線電話を掛けるようにすることができる。
なお、携帯電話端末1からビジネスホンシステム200の配下に位置付けられる他の携帯電話端末に内線電話を掛けるようにしたい場合もある。この場合には、図8のシーケンス図を用いて説明した処理とほぼ同様の処理により、ビジネスホンシステム200の配下に位置付けられる携帯電話端末間において内線電話を掛けるようにすることができる。ただし、主装置4は、携帯電話端末に割り当てられている内線番号を含む発信要求が提供された場合には、アドレス管理DB404を参照し、着信先となる携帯電話端末の携帯電話番号を取得し、これを用いて当該携帯電話端末に電話を掛けることになる。
[電話システムを構成する各装置での処理]
次に、図8、図9のシーケンス図を用いて説明したように動作するこの実施の形態の電話システムを構成する携帯電話端末1、発信情報管理サーバ2、ゲートウェイ3、主装置4のそれぞれにおいて行われる処理について説明する。
<携帯電話端末1の処理>
図10は、実施の形態の電話システムの携帯電話端末1で行われる処理を説明するためのフローチャートである。図10に示す処理は、タッチパネル106を通じて表示されたメニューから内線電話アプリが選択されて、制御部110において当該内線電話アプリが実行された場合に、制御部110の制御の下に実行される。
内線電話アプリが実行されると、制御部110は、外線/内線区分や着信先電話番号などの発信に必要になる情報の入力を受け付けるための入力画面を表示部106Dに表示し、タッチパネル106を通じて当該情報の入力操作を受け付ける(ステップS101)。制御部110は、発信ボタンが押下されると、発信に必要になる情報の全てが入力されたか否か(OKか否か)を判別する(ステップS102)。
ステップS102の判別処理において、入力情報が不足している(OKではない)と判別した時には、ステップS101において所定の終了操作を受け付けたか否かを判別する(ステップS103)。ステップS103の判別処理において、所定の終了操作を受け付けたと判別したときには、制御部110は、表示部106Dに表示されている入力画面を消去して元の状態に戻すなどの所定の終了処理を行って(ステップS104)、当該内線電話アプリを終了させる。また、ステップS103の判別処理において、所定の終了操作を受け付けていないと判別したときには、制御部110は、ステップS101からの処理を繰り返す。
そして、ステップS102の判別処理において、入力情報は不足していない(OKである)と判別したとする。この場合、制御部110は、発信通知処理部121を制御して、発信情報を形成し、IP網100Aを通じて発信情報管理サーバ2に送信する処理を行う(ステップS105)。なお、発信情報は、ステップS101において受け付けた情報と、自機の不揮発性メモリに記憶保持している自機に割り当てられている内線番号や携帯電話番号を含むものであり、図5(A)を用いて説明した構成を有するものである。
次に、制御部110は、発信メッセージ処理部122を制御して、自機が属する(配下に位置付けられている)ビジネスホンシステム200に対する発信メッセージを形成して送出することにより、電話を掛ける処理を実行する(ステップS106)。このステップS106の処理は、携帯電話端末1が自機の例えば不揮発性メモリに記憶保持している専用電話番号を用いて、ビジネスホンシステム200に対して電話を掛ける処理である。
そして、制御部110は、応答メッセージが返信されて来たか否かを判別する(ステップS107)。ステップS107の判別処理において、応答メッセージが送信されてきたと判別したときには、制御部110は、通話回線接続部123を制御して、通話回線を接続する(ステップS108)。これにより、この実施の形態では電話を掛けた相手先である一般外線電話端末10との間で通話回線が接続され、通話を行うことができるようにされる。
この後、制御部110は、使用者からの操作入力を受け付けるようにし(ステップS109)、オンフック操作が行われたか否かを判別する(ステップS110)。ステップS110の判別処理において、オンフック操作は行われていないと判別したときには、ステップS109からの処理を繰り返すようにする。ステップS110の判別処理において、オンフック操作がされたと判別した時には、表示部106Dの表示を元に戻すなどの所定の終了処理を行って(ステップS111)、当該内線電話アプリを終了する。
また、ステップS107の判別処理において、応答メッセージは送信されてきていないと判別したときには、制御部110は、使用者からの操作入力を受け付けるようにする(ステップS112)。この後、制御部110は、ステップS112において、オンフック操作を受け付けたか否かを判別する(ステップS113)。ステップS113の判別処理において、オンフック操作は受け付けていないと判別したときには、ステップS107からの処理を繰り返すようにする。ステップS113の判別処理において、オンフック操作を受け付けたと判別した時には、表示部106Dの表示を元に戻すなどの所定の終了処理を行って(ステップS111)、当該内線電話アプリを終了する。
このように、携帯電話端末1の使用者は、内線電話アプリを実行して、電話を掛けるために必要な情報を入力するという操作を行う。これにより、携帯電話端末1で実行される内線電話アプリの機能によって、発信情報を発信情報管理サーバ2に登録し、ビジネスホンシステム200を介して、目的とする相手先に電話を掛けることができる。
<発信情報管理サーバ2の処理>
図11は、実施の形態の電話システムの発信情報管理サーバ2で行われる処理を説明するためのフローチャートである。発信情報管理サーバ2の制御部202は、常時、図11に示す処理を実行している。そして、制御部202は、接続端子201T及び通信I/F201を通じて、自機宛ての要求や発信情報など(以下、要求等と記載する。)を受信するようにし(ステップS201)、自機宛ての要求等を受信したか否かを判別する(ステップS202)。
ステップS202の判別処理において、自機宛ての要求等は受信していないと判別した時には、ステップS201からの処理を繰り返すようにする。ステップS202の判別処理において、自機宛ての要求等を受信したと判別したとする。この場合、制御部202は、受信した要求等は、携帯電話端末からの図5(A)に示した構成の発信情報か否かを判別する(ステップS203)。ステップS203の判別処理において、受け付けた要求等が発信情報であると判別したとする。この場合、制御部202は、発信情報登録部205を制御し、携帯電話端末からの当該発信情報を受け付けて、これを発信情報メモリ204に記録する処理を行う(ステップS204)。この後、制御部202は、ステップS201からの処理を繰り返す。
また、ステップS203の判別処理において、受け付けた要求等は携帯電話端末からの発信情報ではないと判別したときには、制御部202は、受け付けた要求等は、着信先番号の提供要求(着信先番号要求)か否かを判別する(ステップS205)。ステップS205の判別処理において、受け付けた要求等は、着信先番号要求であると判別したとする。この場合、制御部202は、提供要求処理部206を制御して、発信元の携帯電話端末の携帯電話番号を抽出し、これを発信情報検索部207に供給して発信情報の検索を依頼する(ステップS206)。
これに応じて、発信情報検索部207は、提供要求処理部206からの携帯電話番号に基づいて、該当する発信情報を検索して抽出し、区分と着信先電話番号を含む情報を要求元のゲートウェイ3に提供する処理を行う(ステップS207)。この後、ステップS201からの処理を繰り返すようにする。なお、ステップS205の判別処理において、受け付けた要求等は、着信先番号要求ではないと判別したとする。この場合、制御部202は、受信した要求等に応じた処理を実行し(ステップS208)、この後、ステップS201からの処理を繰り返すようにする。
このように、発信情報管理サーバ2は、ビジネスホンシステム200の配下に位置付けられる携帯電話端末からの発信情報の提供を受けて、これを管理することができる。また、発信情報管理サーバ2は、ゲートウェイ3からの要求に応じて、ビジネスホンシステム200の配下に位置付けられる携帯電話端末を通じて電話を掛けようとしている相手先の電話番号などの情報を提供することができる。
<ゲートウェイ3の処理>
図12は、実施の形態の電話システムのゲートウェイ3で行われる自システムへの着信処理を説明するためのフローチャートである。ゲートウェイ3の制御部302は、常時、図12に示す処理を実行している。そして、制御部302は、接続端子301T及び回線I/F301を通じて、自機宛ての着信(発信メッセージ)を受信するようにし(ステップS301)、自機宛ての着信が発生したか否かを判別する(ステップS302)。
ステップS302の判別処理において、自機宛ての着信は発生していないと判別した時には、制御部302は、ステップS301からの処理を繰り返すようにする。また、ステップS302の判別処理において、自機宛ての着信が発生したと判別したとする。この場合、制御部302は、当該着信はビジネスホンシステム200の配下に位置付けられる携帯電話端末が内線電話端末として発信する場合に用いる専用電話番号への着信か否かを判別する(ステップS303)。
ステップS303の判別処理において、専用電話番号への着信ではないと判別したときには、制御部302は、通常の着信処理を行う(ステップS304)。通常の着信処理は、配下の内線電話端末5(1)、5(2)、5(3)、…へ着信を通知して、応答があった場合に通話回線を接続する処理となる。
また、ステップS303の判別処理において、専用電話番号への着信であると判別したときには、制御部302は、着信先番号要求部305を制御し、着信先番号要求を形成して、発信情報管理サーバ2へ送信する処理を実行する(ステップS305)。これに応じて発信情報管理サーバ2からは、外線/内線区分や着信先電話番号を含む着信先番号通知が送信されてくるので、ゲートウェイ3の制御部302は、接続端子301T及び回線I/F301を通じてこれを受信(取得)する(ステップS306)。
この後、制御部302は、発信情報管理サーバ2からの着信先番号通知の区分を参照し、着信先は外線か否かを判別する(ステップS307)。ステップS307の判別処理において、着信先は外線であると判別したとする。この場合、制御部302は、着信先番号通知に含まれる着信先電話番号を発信要求形成部306に供給し、主装置4に対して、当該着信先に発信するように要求する(ステップS308)。この後、制御部302は、ステップS301からの処理を繰り返す。
また、ステップS307の判別処理において、着信先は外線ではないと判別したとする。この場合、制御部302は、着信先番号通知に含まれる着信先電話番号(内線番号)を発信要求形成部306に供給し、主装置4に対して、供給された内線番号により特定される配下の内線電話端末に対して着信があることを通知するように要求する(ステップS309)。この後、制御部302は、ステップS301からの処理を繰り返す。
このように、ゲートウェイ3は、ビジネスホンシステム200の配下に位置付けられる携帯電話端末から専用電話番号への着信を契機として、発信元の携帯電話端末を通じて電話を掛けようとしている相手先の電話番号などを発信情報管理サーバ2から取得できる。そして、取得した情報を元にして、主装置4に対し、目的とする相手先に対して電話を掛けて、通話回線を接続するように依頼できる。
<主装置4の処理>
図13は、実施の形態の電話システムの主装置4で行われる処理を説明するためのフローチャートである。主装置4の制御部402は、常時、図13に示す処理を実行している。そして、制御部402は、接続端子401T及びLANI/F401を通じて、自機宛ての要求等を受信するようにし(ステップS401)、自機宛ての要求等を受信したか否かを判別する(ステップS402)。
ステップS402の判別処理において、自機宛ての要求等を受信していないと判別した時には、制御部402は、ステップS401からの処理を繰り返すようにする。また、ステップS402の判別処理において、自機宛ての要求等を受信したと判別したとする。この場合、制御部402は、受信した要求等は、ゲートウェイ3からの外線発信または内線発信の要求か否かを判別する(ステップS403)。ステップS403の判別処理は、ゲートウェイ3からの要求に含まれる発信情報の区分(外線/内線)に対応する情報に基づいて行うことができる。また、外線電話番号と内線番号とは桁数が通常は異なっているので、着信先電話番号の桁数に基づいて、外線発信か内線発信かの判別を行うようにすることもできる。
ステップS403の判別処理において、受信した要求等は、ゲートウェイ3からの外線発信または内線発信の要求ではないと判別したとする。この場合には、制御部402は、呼制御部405や端末制御部406を制御して当該要求に応じた通常の呼制御等を行う(ステップS404)。また、ステップS403の判別処理において、受信した要求等は、ゲートウェイ3からの外線発信または内線発信の要求であると判別したとする。この場合、制御部402は、さらにゲートウェイ3からの当該要求は、外線発信を要求するものか否かを判別する(ステップS405)。ステップS405の判別もまた、ゲートウェイ3からの要求に含まれる発信情報の区分(外線/内線)に対応する情報に基づいて行うことができる。
ステップS405の判別処理において、受信したゲートウェイ3からの要求は、外線発信を要求するものであると判別したとする。この場合、制御部402は、発着信処理部4051を制御し、目的とする相手先の一般外線電話端末に電話を掛ける処理を行う(ステップS406)。具体的に、発着信処理部4051は、ゲートウェイ3からの要求に含まれる着信先電話番号を用いて発信メッセージを形成し、これをゲートウェイ3を通じて公衆交換電話網100Cに送出して目的とする相手先の一般外線電話端末に電話を掛ける。
ステップS405の判別処理において、受信したゲートウェイ3からの要求は、外線発信を要求するものではないと判別したとする。この場合、ゲートウェイ3からの要求は、内線発信であるので、制御部402は、発着信処理部4051を制御し、目的とする相手先であるビジネスホンシステム200の配下の内線電話端末5に着信を通知する処理を行う(ステップS407)。具体的に、発着信処理部4051は、ゲートウェイ3からの要求に含まれる内線番号により特定される内線電話端末5に対する着信メッセージを形成し、これを当該内線電話端末5にLAN7を通じて送信し、着信を通知する。
そして、ステップS404、ステップS406、ステップS407の各処理に後においては、制御部402は、電話を掛けたり着信を通知したりした、相手先からの応答メッセージを受信したか否かを判別する(ステップS408)。ステップS408の判別処理において、相手先からの応答メッセージを受信したと判別した時には、制御部402は、通話回線接続部4052を制御して、発信元と着信先との間に通話回線を接続する(ステップS409)。これにより、発信元と着信先との間で、接続された通話回線を通じて通話を行うことができる。
この後、制御部402は、通話が終了したか否かを判別する(ステップS410)。ステップS410の判別処理は、発信元または着信先の電話端末において、例えば、オフフックされるなどの終話操作がなされることにより送信される切断トーンの有無によって、通話が終了したか否かを判別できる。ステップS410の判別処理において、通話は終了していないと判別したときには、ステップS410の判別処理を繰り返し、通話が終了するのを待つ。ステップS410の判別処理において、通話は終了したと判別したときには、制御部402は、通話のために保持している通話回線を解放し(ステップS411)、ステップS401からの処理を繰り返す。
また、ステップS408の判別処理において、相手先からの応答メッセージを受信していないと判別したとする。この場合、制御部402は、発信元の電話端末において、オフフックされて、発信が終了するようにされたか否か(発信が断念されたか否か)を判別する(ステップS412)。このステップS412の判別処理は、発信もとからの切断トーンの有無によって判別可能である。ステップS412の判別処理において、発信が終了するようにされていないと判別した時には、制御部402は、ステップS408からの処理を繰り返し、着信先からの応答メッセージの到来を待つようにする。
また、ステップS412の判別処理において、発信が終了するようにされたと判別した時には、制御部402は、発着信処理部4051を制御して、着信先を呼び出すようにする処理を終了させる(ステップS413)。そして、制御部402は、ステップS401からの処理を繰り返す。
このように、主装置4は、ビジネスホンシステム200の配下に位置付けられる携帯電話端末1からの着信に応じたゲートウェイ3からの要求に応じて、主装置4からアクセスして目的とする相手先との間に通話回線を接続するように機能する。これにより、例えば、外出先の携帯電話端末1から目的とする相手先に電話を掛ける場合であっても、ビジネスホンシステム200の配下の内線電話端末から電話を掛ける場合と同様の態様で、相手先に電話を掛けることができる。
[実施の形態の効果]
この実施の形態の電話システムにおいては、ビジネスホンシステム200の配下に位置付けられる携帯電話端末1において、内線電話ソフトを起動して目的とする相手先に対して電話を掛けることができる。この場合、ビジネスホンシステム200から離れた外出先の任意の場所から携帯電話端末1を用いて電話を掛けても、ビジネスホンシステム200の配下の内線電話端末から電話を掛けた場合と同様の態様で目的とする相手先に電話を掛けることができる。
すなわち、携帯電話端末1を用いて電話を掛けても、ビジネスホンシステム200から目的とする相手先に電話を掛けるようにすることができる。従って、携帯電話端末1の携帯電話番号を相手に通知することもない。また、目的とする相手先(着信先)においても、携帯電話端末1からではなく、ビジネスホンシステム200から電話がかかってきていると認識できるので、安心して電話に応答することができる。
また、通話は必ず、例えば携帯電話網や公衆交換電話網などの高品位に、かつ、安定して音声による通話が可能な通話網を通じて行うようにされる。従って、通話により良好に重要事項の伝達を行うことができる。また、携帯電話端末1は、自機が配下に位置付けられているビジネスホンシステム200に電話を掛けているだけである。この携帯電話端末1からビジネスホンシステム200への着信を契機として、ゲートウェイ3と主装置4とが協働して電話制御装置として機能し、目的とする相手先に電話を掛け、携帯電話端末1と相手先との間に通話回線を接続している。
このため、従来のように、携帯電話端末1から直接に目的とする相手先(実施の形態では一般外線電話端末10)に電話を掛けるようにした場合に比べ、通話にかかるコストを低減させることができる場合がある。すなわち、携帯電話端末1は、予め決められた専用電話番号に電話を掛ける場合、携帯電話会社との契約により、通話コストを安価にすることができる場合がある。また、ビジネスホンシステム200から目的とする相手先に電話を掛ける経路は、主に公衆交換電話網100Cが使用されるので、携帯電話網100Bを使用する場合に比べて通信コストを安価にできるためである。
[変形例]
なお、上述した実施の形態では、ビジネスホンシステム200の配下の携帯電話端末1は、内線電話ソフトによってビジネスホンシステム200に収容されている電話回線の内の所定の電話番号(専用電話番号)に電話を掛けるものとして説明した。しかし、これに限るものではない。例えば、ゲートウェイ3において、ビジネスホンシステム200の配下に位置付けられる携帯電話端末の携帯電話番号を記憶保持しておく。そして、ゲートウェイ3は、記憶保持している携帯電話番号を含む発信メッセージを受信した場合に、発信情報管理サーバ2に着信先番号の提供を要求するようにしてもよい。
また、ゲートウェイ3において、ビジネスホンシステム200の配下に位置付けられる携帯電話端末の携帯電話番号を記憶保持しておく。そして、ビジネスホンシステム200の配下の携帯電話端末1は、内線電話ソフトによってビジネスホンシステム200に収容されている電話回線の内の所定の電話番号(専用電話番号)に電話を掛けるようにする。そして、ゲートウェイ3は、当該専用電話番号宛ての発信メッセージが、記憶保持している携帯電話番号を含むものである場合に、発信情報管理サーバ2に着信先番号の提供を要求するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、ゲートウェイ3と主装置4とで電話制御装置としての機能を実現するようにしたが、これに限るものではない。ゲートウェイ3の機能と主装置4の機能を併せ持つ1つの電話制御装置を構成することもできる。
また、発信情報管理サーバ2は、インターネット上にいわゆるクラウドシステムの一部として設けることができる。また、発信情報管理サーバ2は、DMZ(Demilitarized Zone)等と呼ばれるインターネットとビジネスホンシステム200との中間につくられる中間ネットワーク上に設けることができる。また、発信情報管理サーバ2は、ビジネスホンシステム200のLAN7に接続するようにして、LAN7を通じてアクセスできるようにしてもよい。
[その他]
上述した実施の形態の説明からも分かるように、請求項の携帯電話端末の受付手段の機能は、携帯電話端末1のタッチパネル106が実現し、請求項の携帯電話端末の発信通知処理手段の機能は、携帯電話端末1の発信通知処理部121が実現している。また、請求項の携帯電話端末の発信メッセージ処理手段の機能は、携帯電話端末1の発信メッセージ処理部122が実現し、請求項の携帯電話端末の通信回線接続手段の機能は、携帯電話端末1の通話回線接続部123が実現している。
また、請求項の発信情報管理サーバの発信情報記憶手段の機能は、発信情報管理サーバ2の発信情報メモリ204が実現している。請求項の発信情報管理サーバの発信情報登録手段の機能は、発信情報管理サーバ2の発信情報登録部205が実現し、請求項の発信情報管理サーバの提供要求処理手段の機能は、発信情報管理サーバ2の提供要求処理部206が実現している。また、請求項の発信情報管理サーバの発信情報検索手段の機能は、発信情報管理サーバ2の発信情報検索部207が実現し、請求項の発信情報管理サーバの着信先番号提供手段の機能は、発信情報管理サーバ2の着信先番号提供部208が実現している。
また、請求項の電話制御装置の着信先番号要求手段の機能は、ゲートウェイ3の着信先番号要求部305が実現し、請求項の電話制御装置の着信先番号取得手段の機能は、主に制御部302が実現している。また、請求項の電話制御装置の発信処理手段の機能は、主装置4の発着信処理部4051が実現し、請求項の電話制御装置の通話回線接続手段の機能は、主装置4の通話回線接続部4052が実現している。また、請求項の電話制御装置の発信要求形成手段の機能は、ゲートウェイ3の発信要求形成部306が実現している。また、請求項の電話制御装置の発信要求取得手段の機能は、主装置4の主に制御部402が実現している。
また、携帯電話端末1の内線電話機能部120を構成する発信通知処理部121、発信メッセージ処理部122、通話回線接続部123の各機能は、制御部110において実行されるソフトウェアによって制御部110の機能として実現することもできる。また、発信情報管理サーバ2の発信情報登録部205、提供要求処理部206、発信情報検索部207、着信先番号提供部208の各機能は、制御部202において実行されるソフトウェアによって制御部202の機能として実現することもできる。
また、ゲートウェイ3の着信先番号要求部305、発信要求形成部306、ゲートウェイ機能部307の各機能は、制御部302において実行されるソフトウェアによって制御部302の機能として実現することもできる。また、主装置4の呼制御部405を構成する発着信処理部4051、通話回線接続部4052の各機能は、制御部402において実行されるソフトウェアによって制御部402の機能として実現することもできる。
また、図10のフローチャートに示した処理を実行するソフトウェアを構成し、これを携帯電話端末に搭載する。これにより、この発明の電話システムの携帯電話端末1を実現することができる。また、図11のフローチャートに示した処理を実行するソフトウェアを構成し、これをサーバ装置に搭載する。これにより、この発明の電話システムの発信情報管理サーバ2を実現することができる。
また、図12のフローチャートに示した処理を実行するソフトウェアを構成し、これをゲートウェイに搭載する。これにより、この発明の電話システムのゲートウェイ3を実現することができる。また、図13のフローチャートに示した処理を実行するソフトウェアを構成し、これを主装置に搭載する。これにより、この発明の電話システムの主装置4を実現することができる。