JP7121288B2 - 光伝送システム、及びキャリア監視装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光伝送システム、及びキャリア監視装置に関する。
加入者宅へ映像を配信するネットワークシステムとして、例えばFTTH(Fiber to the Home)型CATV(Cable television;ケーブルテレビ)システムが知られている。図11に、従来のFTTH型CATVシステムのネットワーク構成の一例を示す。図11に示すように、従来のFTTH型CATVシステムは、例えば、ヘッドエンドと、光送信部と、中継用アンプと、アクセス用アンプと、各々の加入者宅等に設置される光受信部と、を含んで構成される。
ヘッドエンドは、放送局から送信される映像信号を乗せた電波を地上の送信塔や人工衛星等を介して受信し、受信した電波に対して増幅等の調整を行う。そして、ヘッドエンドは、当該映像信号に基づく電気信号を光送信部へ出力する。光送信部は、取得した電気信号を光信号に変換し、当該光信号を光ファイバで構築された光伝送路へ送出する。光伝送路は、中継ネットワーク(以下、「中継NW」という。)の区間とアクセスネットワーク(以下、「アクセスNW」という。)の区間とに分けられる。中継NWは、光送信部とアクセスNWとの間をつなぐ通信ネットワークである。中継NWでは、伝送距離が長距離に及ぶ場合等において、増幅器(以下、「中継用アンプ」という。)が多段構成される。各々の中継用アンプは、増幅した光信号を、後段の他の中継用アンプへ送出したり、アクセスNW区間内の機器へ送出したり、あるいは、光カプラによって光信号を分岐させて後段の他の中継用アンプ及びアクセスNW区間内の機器の双方へ送出したりする。一方、アクセスNWは、中継NWと光信号を終端する各光受信部との間をつなぐ通信ネットワークである。アクセスNWでは、中継NWから出力された光信号を複数の加入者宅に設置された光受信部へ分配するために、一般的に、PON(Passive Optical Network;受動光ネットワーク)構成が適用される。更に、図11に示すように、PON構成による光信号の分配に伴う損失及び中継用アンプによる光信号の分岐に伴う損失等の補償を目的として、アクセスNWにおいても増幅器(以下、「アクセス用アンプ」という。)が用いられる場合がある。
上記のようなネットワーク構成を有する従来のFTTH型CATVシステムでは、光伝送方式として、例えばFM(Frequency Modulation;周波数変調)一括変換方式が用いられる(非特許文献1参照)。光送信部は、ヘッドエンドから出力された、周波数多重された多チャンネル映像の電気信号を受信し、当該電気信号を一括して1チャンネルの広帯域なFM信号に変換する。更に、光送信部は、変換されたFM信号を、強度変調によって一つの波長λからなる光信号に変換し、光伝送路へ送出する。一方、光受信部は、この波長λの光信号を受光すると、当該光信号を、電気信号への変換により広帯域FM信号に変換し、復調する。これにより、光受信部は、受光した光信号から、周波数多重された多チャンネル映像の電気信号を取り出すことができる。
従来、本国においては、上記のようなネットワーク構成及び光伝送方式によって、多チャンネルの映像配信が実現されている。配信される映像としては、BS(Broadcasting Satellites)放送及び110度CS(Communication Satellites)放送のほか、地上デジタル放送等がある。例えば、従来、BS-1チャンネルからBS-23チャンネルまでの奇数チャンネルである合計12チャンネルが、BSデジタル放送のチャンネルとして割り当てられていた。そして、上記の従来のBSデジタル放送では、人工衛星からの電波が、右旋円偏波によって地上へ送出されている。一方、2018年12月から、更に、左旋円偏波を用いて人工衛星から地上へ配信されるBS放送(中間周波数:2224~2681[MHz(メガヘルツ)])と110度CS放送(中間周波数:2748~3224[MHz])とが、新4K・8K衛星放送として開始されている。この新4K・8K衛星放送で使用される中間周波数帯は、既存放送で使用されている中間周波数帯とは異なる。そのため、既存の放送設備が新4K・8K衛星放送の中間周波数に対応していない場合等においては、既存の放送設備のみでは、新4K・8K衛星放送の配信及び視聴を実現することができない。
これに対し、既存放送の配信及び視聴に加えて更に新4K・8K衛星放送の配信及び視聴を実現する方法の一つとして、新4K・8K衛星放送に対応した中継NW及びその上位設備を、既存放送用の設備とは別に設置する方法が考えられる。図12に、この方法を用いた場合におけるネットワーク構成の一例を示す。図12に示すように、このネットワーク構成では、図11に示したネットワーク構成に加えて、新4K・8K衛星放送に対応したヘッドエンド、光送信部、中継用アンプ、及びWDM(Wavelength Division Multiplexing;波長分割多重)フィルタが新たに設置される。WDMフィルタは、既存放送用の中継用アンプから出力された光信号と新4K・8K衛星放送に対応した中継用アンプから出力された光信号とを合波し、合波された光信号(以下、「合波信号」という。)を既存のアクセス用アンプへ送出する。ここで、既存放送用の中継用アンプから出力された出力光の波長を波長λ1、及び、新4K・8K衛星放送に対応した中継用アンプから出力された出力光の波長を波長λ2とし、波長λ1と波長λ2とは互いに異なる波長であるものとする。このとき、既存放送用の光受信部は、波長λ1の光信号を受光することはできるが、波長λ2の光信号は受光することができない場合がある。このような場合において視聴者による新4K・8K衛星放送の視聴を可能にするためには、波長λ2の光信号を受光することができる光受信部を新たに設置する必要がある。なお、新たに設置される光受信部として、波長λ2の光信号だけでなく波長λ1の光信号も受光することができる光受信部が用いられるならば、視聴者は新たに設置された光受信部のみで、既存放送と新4K・8K衛星放送との双方の放送を視聴することができる。また、上記のネットワーク構成によれば、既存放送用のネットワーク設備を流用することができるため、新4K・8K衛星放送の配信及び視聴を実現するために必要となる機器の設置コストを抑制することができる。
ところで、放送局においては、まず、配信番組の構成要素である映像、音声、及びデータ等のアナログ情報が、それぞれ符号化されて、デジタル信号に変換される。そして、これら符号化された各種デジタル信号が、MPEG2-TS(Moving Picture Experts Group 2-Transport Stream)、又はMMT・TLV(MPEG Media Transport・Type Length Value)等の多重化方式によって多重化されることにより、パケットが生成される。そして、生成されたパケットに対して誤り訂正符号が付加される。そして、放送種別に応じた変調方式による変調が搬送波(キャリア)に対して施され、変調されたキャリア信号が放送局から送出される。このように、配信番組は、キャリア信号として放送局から送出されるが、当該キャリア信号の周波数や信号レベルは、映像種別や番組に応じて異なる。そのため、例えば、新4K・8K衛星放送が開始されると、当該新4K・8K衛星該放送の配信番組に応じたキャリア信号が新たに放送局から送出される。
上述したように、視聴者による新4K・8K衛星放送の視聴を可能にするためには、波長λ2の光信号を受光することができる光受信部を加入者宅に新たに設置する必要がある。更に、光受信部におけるλ2の光信号の受信レベルが、当該光受信部の最小受光感度よりも大きいレベルになるように、光伝送システムを設計する必要がある。FM一括変換方式を用いたFTTH型CATVシステムにおける光伝送では、当該最小受光感度は、FM一括変換される前の周波数多重された多チャンネル信号における、所定の周波数を持つ各キャリア信号の周波数偏移量に依存することが知られている(非特許文献1参照)。当該周波数偏移量はキャリア信号ごとに異なるため、光受信部における最小受光感度もキャリア信号ごとに異なる。したがって、光受信部におけるλ2の光信号の受信レベルが、(受信を希望する)各キャリア信号ごとの最小受光感度のうち最も悪い(大きい)値の最小受光感度よりも大きい受信レベルになるように、光伝送システムを設計する必要がある。
しかしながら、放送開始当初の新4K・8K衛星放送に対応するように最小受光感度が考慮されて光伝送システムが導入されたとしても、その後、新4K・8K衛星放送等の放送において新たなキャリア信号を用いた番組の配信が更に開始されることがありうる。このとき、新たなキャリア信号に対する最小受光感度が、従来の(放送開始当初に考慮された)キャリア信号に対する最小受光感度よりも更に悪い(大きい)値である可能性がある。この場合、放送開始当初に導入された光伝送システムのままでは、光受信部におけるλ2の光信号の受信レベルが新たなキャリア信号に対する最小受光感度に達しない場合が生じることによって、視聴者が所望の映像を視聴することができないことがあるという課題がある。
本発明は、上記のような技術的背景に鑑みてなされたものであり、新たなキャリア信号を用いた放送が追加された場合であっても、既存放送及び新規追加された放送の視聴を可能にする技術を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、周波数多重された第1の多チャンネル信号がFM一括変換方式によって変換された、第1の波長を有する第1の光信号を送信する第1の光送信部と、周波数多重された第2の多チャンネル信号がFM一括変換方式によって変換された、前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する第2の光信号を送信する第2の光送信部と、前記第1の光信号を取得し、取得した光信号に含まれる各キャリア信号を監視するキャリア監視機能部と、前記第1の光信号及び前記第2の光信号を取得し、取得した各光信号の信号強度をそれぞれ調整して出力する出力調整部と、前記出力調整部で信号強度がそれぞれ調整された前記第1の光信号と前記第2の光信号とを合波し、合波信号を出力する合波器と、前記合波信号を増幅する増幅器と、前記増幅器で増幅された前記合波信号に含まれる前記第1の光信号を受信する第1の光受信部と、前記増幅器で増幅された前記合波信号に含まれる前記第2の光信号を受信する第2の光受信部と、を備え、前記キャリア監視機能部は、前記第1の光信号に含まれる各キャリア信号の周波数偏移量を求め、該周波数偏移量に基づいて前記第1の光受信部における最小受光感度を算出し、前記出力調整部は、前記第1の光受信部によって受信される前記第1の光信号の信号強度が第1の所定値以上となり、かつ、前記第2の光受信部によって受信される前記第2の光信号の信号強度が第2の所定値以上となるように、取得した前記第1の光信号及び前記第2の光信号の信号強度をそれぞれ調整するとともに、前記第1の所定値を前記キャリア監視機能部の算出した前記第1の光受信部における最小受光感度に基づいて更新する光伝送システムである。
また、本発明の一態様は、上記の光伝送システムであって、前記出力調整部は、前記増幅器から出力される前記合波信号の信号強度が第3の所定値となるように、前記第1の光信号及び前記第2の光信号の信号強度をそれぞれ調整する。
また、本発明の一態様は、上記の光伝送システムであって、前記出力調整部は、前記合波器において生じる挿入損失、及び前記増幅器と前記第1の光受信部及び前記第2の光受信部との間において生じる伝送損失に基づいて、前記第1の光信号及び前記第2の光信号の信号強度をそれぞれ調整する。
また、本発明の一態様は、上記の光伝送システムであって、前記キャリア監視機能部は、さらに、前記第2の光信号を取得し、前記第2の光信号に含まれる各キャリア信号の周波数偏移量を求め、該周波数偏移量に基づいて前記第2の光受信部における最小受光感度を算出し、前記出力調整部は、さらに、前記第2の所定値を前記キャリア監視機能部の算出した前記第2の光受信部における最小受光感度に基づいて更新する。
また、本発明の一態様は、上記の光伝送システムであって、前記第1の光送信部から送信された前記第1の光信号と前記第2の光送信部から送信された前記第2の光信号とを合波する第2の合波器を更に備え、前記出力調整部は、前記第2の合波器で合波された光信号を取得し、取得した光信号を前記第1の光信号と前記第2の光信号とに分離し、分離した前記第1の光信号及び前記第2の光信号の信号強度をそれぞれ調整して出力する。
また、本発明の一態様は、上記の光伝送システムであって、前記出力調整部は、前記第1の所定値、前記合波器において生じる挿入損失、及び前記増幅器と前記第1の光受信部との間において生じる伝送損失に基づいて、前記増幅器から出力される前記合波信号に含まれる前記第1の光信号に必要とされる信号強度である第1の所要信号強度を算出し、前記第2の所定値、前記合波器において生じる挿入損失、及び前記増幅器と前記第2の光受信部との間において生じる伝送損失に基づいて、前記増幅器から出力される前記合波信号に含まれる前記第2の光信号に必要とされる信号強度である第2の所要信号強度を算出し、前記第1の所要信号強度と前記第2の所要信号強度とをそれぞれ満たすように、前記増幅器から出力される前記合波信号に含まれる前記第1の光信号及び前記第2の光信号それぞれの出力信号強度を算出し、算出されたそれぞれの前記出力信号強度になるために必要とされる、前記増幅器に入力される前記合波信号に含まれる前記第1の光信号及び前記第2の光信号のそれぞれの入力信号強度を算出し、取得した前記第1の光信号及び前記第2の光信号の信号強度の測定結果と、算出されたそれぞれの前記入力信号強度とに基づいて、取得した前記第1の光信号及び前記第2の光信号のそれぞれに対する信号強度の調整量を算出する。
また、本発明の一態様は、周波数多重された第1の多チャンネル信号がFM一括変換方式によって変換された、第1の波長を有する光信号であって、第1の光受信部へ送信される第1の光信号と、周波数多重された第2の多チャンネル信号がFM一括変換方式によって変換された、前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する光信号であって、第2の光受信部へ送信される第2の光信号とを増幅する増幅器に入力される合波信号に含まれる、前記第1の光信号及び前記第2の光信号それぞれの信号強度を調整するキャリア監視装置であって、前記第1の光信号を取得する第1の取得部と、前記第2の光信号を取得する第2の取得部と、前記第1の取得部によって取得された前記第1の光信号の信号強度を測定する第1の測定部と、前記第2の取得部によって取得された前記第2の光信号の信号強度を測定する第2の測定部と、前記第1の測定部による測定の測定結果及び前記第2の測定部による測定の測定結果に基づいて、前記第1の光受信部によって受信される前記第1の光信号の信号強度が第1の所定値以上となり、かつ、前記第2の光受信部によって受信される前記第2の光信号の信号強度が第2の所定値以上となり、かつ、前記増幅器から出力される合波信号の信号強度が第3の所定値となるように、前記第1の取得部によって取得された前記第1の光信号の信号強度及び前記第2の取得部によって取得された前記第2の光信号の信号強度に対するそれぞれの調整量を計算する調整量計算部と、前記調整量計算部によって計算されたそれぞれの前記調整量に基づいて、前記第1の取得部によって取得された前記第1の光信号の信号強度と、前記第2の取得部によって取得された前記第2の光信号の信号強度とを調整し、前記信号強度が調整された前記第1の光信号及び前記第2の光信号を出力する信号強度調整部と、前記第1の光信号又は前記第2の光信号に含まれる各キャリア信号の周波数偏移量を求め、該周波数偏移量に基づいて前記第1の光受信部又は前記第2の光受信部における最小受光感度を算出し、該最小受光感度に基づいて前記第1の所定値又は前記第2の所定値を更新するキャリア監視機能部と、を備えるキャリア監視装置である。
本発明により、新たなキャリア信号を用いた放送が追加された場合であっても、既存放送及び新規追加された放送の視聴を可能にする技術を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る新4K・8K衛星放送対応FTTH型CATVシステムのネットワーク構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る出力調整装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る出力調整装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態における光信号の信号レベルの調整量の算出処理を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係る出力調整装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態における光信号の信号レベルの調整量の算出処理を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態に係る出力調整装置の機能構成を示すブロック図である。 新4K・8K衛星放送対応FTTH型CATVシステムのネットワーク構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第5の実施形態に係る新4K・8K衛星放送対応FTTH型CATVシステムのネットワーク構成を示すブロック図である。 本発明の第5の実施形態に係る出力調整装置の機能構成を示すブロック図である。 従来のFTTH型CATVシステムのネットワーク構成の一例を示すブロック図である。 新4K・8K衛星放送対応FTTH型CATVシステムのネットワーク構成の一例を示すブロック図である。
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[ネットワーク構成]
以下、本発明の第1の実施形態に係る、新4K・8K衛星放送に対応したFTTH型CATVシステム1のネットワーク構成について説明する。図1は、当該ネットワーク構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、FTTH型CATVシステム1(光伝送システム)は、既存放送用のヘッドエンド11、光送信部12、及び中継用アンプ13と、新4K・8K衛星放送に対応したヘッドエンド21、光送信部22、及び中継用アンプ23と、出力調整装置30と、WDMフィルタ40と、アクセス用アンプ50と、既存放送用の光受信部61と、新4K・8K衛星放送に対応した光受信部62と、を含んで構成される。
ヘッドエンド11は、放送局から送信される既存放送用の映像信号を乗せた電波を地上の送信塔や人工衛星等を介して受信し、受信した電波に対して増幅等の調整を行う。そして、ヘッドエンド11は、当該映像信号に基づく電気信号を光送信部12へ送出する。光送信部12(第1の光送信部)は、受信した電気信号を波長λ1の光信号に変換し、当該光信号を光ファイバで構築された光伝送路70へ送出する。
ヘッドエンド21は、放送局から送信される新4K・8K衛星放送の映像信号を乗せた電波を地上の送信塔や人工衛星等を介して受信し、受信した電波に対して増幅等の調整を行う。そして、ヘッドエンド21は、当該映像信号に基づく電気信号を光送信部22へ送出する。光送信部22(第2の光送信部)は、受信した電気信号を波長λ2の光信号に変換し、当該光信号を光伝送路70へ送出する。ここで、波長λ1と波長λ2とは互いに異なる波長であるものとする。
光伝送路70は、中継NW71の区間とアクセスNW72の区間とに分けられる。中継NW71は、光送信部12及び光送信部22とアクセスNWとの間をそれぞれつなぐ通信ネットワークである。中継NW71では、既存放送用の中継用アンプ13及び新4K・8K衛星放送用の中継用アンプ23がそれぞれ多段構成される。
初段の中継用アンプ13には、光送信部12から送出された波長λ1の光信号が入力される。各々の中継用アンプ13は、増幅した光信号を、後段の他の中継用アンプ13へ送出したり、アクセスNW72の区間内の出力調整装置30へ送出したりする。初段の中継用アンプ23には、光送信部22から送出された波長λ2の光信号が入力される。各々の中継用アンプ23は、増幅した光信号を、後段の他の中継用アンプ23へ送出したり、アクセスNW72の区間内の出力調整装置30へ送出したりする。
一方、アクセスNWでは、一般的に、中継用アンプ13及び中継用アンプ23から受信した光信号を複数の加入者宅へ分配するためにPON構成が適用される。
出力調整装置30(出力調整部)は、中継用アンプ13から送出された波長λ1の光信号と、中継用アンプ23から送出された波長λ2の光信号と、を取得する。出力調整装置30は、取得した双方の光信号の信号レベル(信号強度)を必要に応じてそれぞれ調整し、当該双方の光信号をWDMフィルタ40へそれぞれ調整された出力レベルで出力する。
WDMフィルタ40(合波器)は、出力調整装置30から出力された波長λ1の光信号と波長λ2の光信号とを合波し、合波信号をアクセス用アンプ50へ送出する。
アクセス用アンプ50は、PON構成による光信号の分配に伴う損失の補償等を目的として設置された増幅器である。アクセス用アンプ50は、WDMフィルタ40から送出された光信号(合波信号)を増幅する。そして、アクセス用アンプ50は、増幅された光信号を、当該アクセス用アンプ50の後段に構築されたPONを介して光受信部61及び光受信部62へ送出する。光受信部61及び光受信部62は、例えば各々の加入者宅等に設置され、それぞれ波長λ1及び波長λ2の光信号を終端する。
アクセス用アンプ50は、例えばEDFA(Erbium-Doped Fiber Amplifier;エルビウム添加ファイバ増幅器)等の光ファイバ増幅器である。この光ファイバ増幅器は、複数の波長の光信号が入力される場合であっても、一括して光信号のまま増幅することができる。また、APC(Automatic Power Control;自動パワー制御)機能が搭載された光ファイバ増幅器は、当該光ファイバ増幅器への光信号の入力レベルが変動する場合であっても、変動が許容範囲であるならば光信号の出力レベルを一定に保つように制御することができる。但し、当該APC機能は、入力される光信号が波長の異なる複数の光信号の合波信号である場合には、当該合波信号に対する出力レベルを一定にするように制御する。すなわち、入力される光信号が波長λ1の光信号と波長λ2の光信号との合波信号である場合、APC機能は、波長λ1の光信号の出力レベルと波長λ2の光信号の出力レベルとをそれぞれ一定にする制御を行うわけではない。
光受信部61(第1の光受信部)は、既存放送用の中継用アンプ13から出力された波長λ1(第1の波長)の光信号(第1の光信号)を受信することができる。また、光受信部62(第2の光受信部)は、新4K・8K衛星放送に対応した中継用アンプ23から出力された波長λ2(第2の波長)の光信号(第2の光信号)を受信することができる。なお、図1においては、図面を見易くするため、光受信部61と光受信部62とをそれぞれ1つずつ図示しているが、実際には光受信部61及び光受信部62のうち少なくとも一方が複数の加入者宅にそれぞれ設置されている。
[出力調整装置の概要]
以下、本発明の第1の実施形態に係るFTTH型CATVシステム1の出力調整装置(キャリア監視装置)30の概要について説明する。出力調整装置30は、入力された波長λ2の光信号の一部を分岐して復調処理を行うことによって、所定の周波数を持つ各キャリア信号を抽出する。出力調整装置30は、抽出された各々のキャリア信号に対して周波数偏移量をそれぞれ算出する。更に、出力調整装置30は、FM一括変換方式による変換処理を適用した場合における波長λ2の光信号に含まれる各々のキャリア信号が光受信部62によって正常に受信されるために必要となる各最小受光感度を、上記算出された各周波数偏移量を用いて算出する。
そして、出力調整装置30dは、算出された各最小受光感度のうち、最も悪い(大きい)値を、光受信部62における波長λ2の光信号についての所要最小受光感度と見なす。そして、出力調整装置30dは、光受信部62における波長λ2の光信号の受光レベルがその所要最小受光感度を満たすように、入力された波長λ2の光信号の信号レベルを適切に調整して、当該波長λ2の光信号をWDMフィルタ40へ出力する。
ここで、新規のキャリア信号が波長λ2の光信号に追加された場合、当該新規キャリア信号に対応する最小受光感度が、それまでの(すなわち、新規のキャリア信号が波長λ2の光信号に追加される前の時点における)所要最小受光感度の値よりも悪い(大きい)値である場合がある。この場合、出力調整装置30は、新規キャリア信号に対応する最小受光感度の値を新たな所要最小受光感度として更新し、更新された所要最小受光感度を満たすように、波長λ2の光信号の信号レベルを調整する。
以下、新規のキャリア信号が追加されたことを検知する方法の一例について説明する。まず、外部の制御端末(図示せず)等により、各キャリア信号についての情報(例えば、各キャリア信号の周波数等)が、出力調整装置30に予め登録される。出力調整装置30は、入力された波長λ2の光信号に含まれるキャリア信号を受信した場合、受信したキャリア信号についての情報と、上記予め登録された各キャリア信号についての情報とを比較する。
受信したキャリア信号についての情報と上記予め登録された各キャリア信号についての情報のいずれかとが一致し、かつ、出力調整装置30が当該受信したキャリア信号をこれまでに受信していなかった場合、出力調整装置30は、当該受信したキャリア信号を新規のキャリア信号と見なす。なお、出力調整装置30は、ノイズを新規キャリア信号であると誤検知しないように、受信したキャリア信号のレベルが所定値以上であることをもって当該キャリア信号を検知したとすることが望ましい。また、出力調整装置30は、新規のキャリア信号についての情報を保持することによって、以降においては、同一のキャリア信号を受信しても新規のキャリア信号であるとは見なさないようにすることができる。
上記のような方法により、出力調整装置30は、新規のキャリア信号を検知することができる。
出力調整装置30によって信号レベルの調整がなされた光信号は、WDMフィルタ40を介してアクセス用アンプへ50入力される。
なお、APC機能が搭載されたアクセス用アンプ50からの波長λ1の光信号と波長λ2の光信号それぞれの出力レベルが適切な出力レベルになるように予めシステム設計がなされていたとしても、新規のキャリア信号の追加に伴う所要最小受光感度の悪化に対処させるようにアクセス用アンプ50からの波長λ2の光信号分の出力レベルを大きくすると、必然的に、新規のキャリアが追加される以前と比べて、波長λ1の光信号分の出力レベルが小さくなってしまう。このため、出力調整装置30は、所要最小受光感度の悪化による波長λ2の光信号分の出力レベルの増大に備え、波長λ1の光信号分の出力レベルがある程度小さくなったとしても、既存放送の配信及び視聴に影響がないように予め設計がなされているものとする。
上記のような前提のもとで、出力調整装置30は、受信するキャリア信号を監視し、新規のキャリア信号を検知して当該キャリア信号の最小受光感度を認識する。そして、出力調整装置30は、光受信部62における所要最小受光感度の悪化の有無を判断し、悪化した場合であっても、新規のキャリア信号が光受信部62によって正常に受信されるように、アクセス用アンプ50から出力される波長λ1の光信号及び波長λ2の光信号の出力レベルを必要に応じて制御する。
[出力調整装置の機能構成]
以下、出力調整装置30の機能構成について説明する。図2は、出力調整装置30の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、出力調整装置30は、既存放送用の光信号分岐部311及び受光レベル測定部312と、新4K・8K衛星放送用の光信号分岐部321及び受光レベル測定部322と、設定テーブル記憶部330と、出力レベル計算部340と、出力レベル調整部350と、キャリア監視機能部370と、を含んで構成される。また、キャリア監視機能部370は、ダミーV-ONU部323と、受光感度算出部324と、を含んで構成される。
光信号分岐部311(第1の取得部)は、中継用アンプ13から送出された、既存放送用の波長λ1の光信号を取得する。光信号分岐部311は、取得した光信号を受光レベル測定部312と出力レベル調整部350とへそれぞれ出力する。光信号分岐部311は、例えば光カプラを含んで構成される。
受光レベル測定部312(第1の測定部)は、光信号分岐部311から出力された、既存放送用の波長λ1の光信号を取得する。受光レベル測定部312は、取得した光信号の受光レベルを測定する。そして、受光レベル測定部312は、測定結果を示す情報を出力レベル計算部340へ出力する。
光信号分岐部321(第2の取得部)は、中継用アンプ23から送出された、新4K・8K衛星放送用の波長λ2の光信号を取得する。光信号分岐部321は、取得した光信号を、受光レベル測定部322とダミーV-ONU部323と出力レベル調整部350とへそれぞれ出力する。光信号分岐部321は、例えば光カプラを含んで構成される。
受光レベル測定部322(第2の測定部)は、光信号分岐部321から出力された、新4K・8K衛星放送用の波長λ2の光信号を取得する。受光レベル測定部322は、取得した光信号の受光レベルを測定する。そして、受光レベル測定部322は、測定結果を示す情報を出力レベル計算部340へ出力する。
ダミーV-ONU部323は、加入者宅に設置される光受信部62に相当する機能を具備する。ダミーV-ONU部323は、光信号分岐部321から出力された波長λ2の光信号を取得する。ダミーV-ONU部323は、取得した光信号を電気信号へ変換して、FM一括変換により1チャンネルの広帯域なFM信号に変換する。ダミーV-ONU部323は、当該FM信号を復調することによって、所定の周波数を持つ各キャリア信号を抽出する。そして、ダミーV-ONU部323は、抽出された各キャリア信号を受光感度算出部324へ出力する。
受光感度算出部324は、ダミーV-ONU部323から出力された各キャリア信号を取得する。また、受光感度算出部324は、設定テーブル記憶部330に記憶された、後述する第1設定テーブルに設定されたパラメータ値を取得する。受光感度算出部324は、当該パラメータ値を用いて、各キャリア信号の周波数偏移量を算出する。更に、受光感度算出部324は、算出された周波数偏移量を用いて、各キャリア信号に対する、光受信部62における最小受光感度を算出する。受光感度算出部324は、算出された各キャリア信号の最小受光感度の値のうち最も悪い(大きい)値を示す情報(最小受光感度情報)を、設定テーブル記憶部330へ出力する。
このように、新規放送開始等に伴って新たなキャリア信号が追加された場合であっても、受光感度算出部324が、常時、定期的に、又は不定期に、キャリア信号を監視して最小受光感度等を算出することによって、新規のキャリア信号を検出することができる。そして、受光感度算出部324は、新規キャリア信号に対応する最小受光感度を算出し、設定テーブル記憶部330に記憶された、後述する第2設定テーブルを更新させることができる。
なお、周波数偏移量及び最小受光感度の算出は、非特許文献1に規定された算出式に基づいて行うことができる。また、周波数偏移量及び最小受光感度の算出は、常時実施されなくてもよく、例えば、定期的に又は不定期に実施される構成であってもよい。また、設定テーブル記憶部330への最小受光感度情報の出力は、最小受光感度が初めて算出された場合、及び、算出された最小受光感度の値が前回算出された値と異なっている(大きい)場合のみに実施されるような構成であってもよい。
設定テーブル記憶部330は、第1設定テーブルと第2設定テーブルとを記憶する。設定テーブル記憶部330は、例えば、RAM(Random Access Memory;読み書き可能なメモリ)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、及びHDD(Hard Disk Drive)等の記憶媒体、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
第1設定テーブルは、周波数偏移量及び最小受光感度の算出に必要となる各種パラメータのパラメータ値が予め設定される。当該パラメータ値は、受光感度算出部324からの要求に応じて、当該受光感度算出部324へ出力される。
第2設定テーブルは、出力レベルの調整(調整量の算出及び決定)に必要となる各種パラメータのパラメータ値が設定される。なお、第2設定テーブルに設定される各種パラメータには、例えば以下の(A)~(E)のパラメータが含まれる。
(A)アクセス用アンプ50における、光信号(合波信号)の仕様上の出力レベル又は設定上の出力レベル(第3の所定値)。
(B)光受信部61における、波長λ1の光信号の最小受光感度(第1の所定値)、及び、光受信部62における、波長λ2の光信号の最小受光感度(第2の所定値)。
(C)アクセス用アンプ50と光受信部61との間の光ファイバ伝送における、波長λ1の光信号についての伝送損失、及び、アクセス用アンプ50と光受信部62との間の光ファイバ伝送における、波長λ2の光信号についての伝送損失。
(D)WDMフィルタ40における、波長λ1の光信号についての挿入損失、及び、波長λ2の光信号についての挿入損失。
(E)光信号分岐部311における波長λ1の光信号の分岐損失、及び、光信号分岐部321における波長λ2の光信号の分岐損失。
受光感度算出部324から出力された最小受光感度情報が示す最小受光感度の値が、第2設定テーブルに設定された、上述した(B)のパラメータのパラメータ値のうち、波長λ2の光信号の最小受光感度を示す値よりも悪い(大きい)値である場合、設定テーブル記憶部330dは、当該(B)のパラメータのパラメータ値を更新する。
なお、このように(B)のパラメータのパラメータ値が更新された場合に、設定テーブル記憶部330dが、出力レベル計算部340からの設定情報の要求の有無に関わらず、当該出力レベル計算部340dへ、パラメータ値が更新されたことを示す情報(所要最小受光感度更新通知)を出力する構成であってもよい。これにより、出力レベル計算部340dは、(B)のパラメータのパラメータ値が更新されたことを速やかに認識でき、速やかに光信号の出力レベルの調整量を再計算することができる。
第2設定テーブルに設定される(A)~(E)のパラメータは、上述したように、主に、光信号の出力レベルの調整に要するパラメータである。一方、第1設定テーブルに設定されるパラメータは、上述したように周波数偏移量及び最小受光感度の算出に要するパラメータである。当該第1設定テーブルに設定されるパラメータとしては、例えば、波長λ2の光信号側の光送信部22へのキャリア信号の入力レベルの値、及び、FM一括変換信号の光変調度等の値等である。なお、第1設定テーブルに設定されるこれらのパラメータの算出方法としては、非特許文献1に規定されている方法を用いることができる。
なお、設定テーブル記憶部330に記憶された第1設定テーブル及び第2設定テーブルに対して各種パラメータのパラメータ値を予め設定するための構成としては、例えば、出力調整装置30に対して制御用インタフェース(図示せず)を介して外部制御機器(図示せず)を接続し、当該外部制御機器を介してCLI(Command Line Interface)により設定が行われるような構成にしてもよい。あるいは、例えば、第1設定テーブル及び第2設定テーブルへのパラメータ値の設定を指示するための制御フレームが予め定義され、当該制御フレームが、上位のネットワーク機器から伝送路を介して出力調整装置30へ送信されることによって設定が行われるような構成にしてもよい。但し、第2設定テーブルに設定された(B)のパラメータのパラメータ値のうち、波長λ2の光信号についての最小受光感度の値については、上述したように、受光感度算出部324から出力された最小受光感度情報に応じて更新がなされることがある。
なお、当該更新は、第2設定テーブルに設定された最小受光感度の値よりも最小受光感度情報に基づく最小受光感度の値の方が悪い(大きい)値である場合に行われるだけでなく、第2設定テーブルに最小受光感度の値が設定されていない場合にも行われる(すなわち、新規に設定される)ような構成であってもよい。
なお、本実施形態においては、2種類の波長(波長λ1及び波長λ2)の光信号を用いるFTTH型CATVシステムを想定していることから、上記(B)~(E)のパラメータについては、波長λ1の光信号と波長λ2の光信号についての各パラメータ値がそれぞれ第2設定テーブルに設定される。そのため、3種類以上の波長の光信号を用いるFTTH型CATVシステムである場合には、これら3種類の波長の光信号についての各パラメータ値がそれぞれ第2設定テーブルに設定されることが望ましい。
出力レベル計算部340(調整量計算部)は、受光レベル測定部312から出力された、既存放送用の波長λ1の光信号の受光レベルの測定結果を示す情報を取得する。また、出力レベル計算部340は、受光レベル測定部322から出力された、新4K・8K衛星放送用の波長λ2の光信号の受光レベルの測定結果を示す情報を取得する。また、出力レベル計算部340は、設定テーブル記憶部330に記憶された第2設定テーブルに設定されたパラメータ値を取得する。
そして、出力レベル計算部340は、受光レベル測定部312から取得した測定結果を示す情報、受光レベル測定部322から取得した測定結果を示す情報、及び設定テーブル記憶部330から取得したパラメータ値に基づいて、波長λ1の光信号の出力レベルに関する調整量と、波長λ2の光信号の出力レベルに関する調整量とを、それぞれ計算する。なお、当該調整量の計算方法については後述する。出力レベル計算部340は、波長λ1の光信号及び波長λ2の光信号の出力レベルに関するそれぞれの調整量の計算結果を示す情報を、出力レベル調整部350へ出力する。
出力レベル調整部350(信号強度調整部)は、出力レベル計算部340から出力された、波長λ1の光信号及び波長λ2の光信号の出力レベルに関するそれぞれの調整量の計算結果を示す情報を取得する。これにより、出力レベル調整部350は、波長λ1の光信号の出力レベルに対する調整量、及び、波長λ2の光信号の出力レベルに対する調整量をそれぞれ認識する。
また、出力レベル調整部350は、光信号分岐部311から出力された、既存放送用の波長λ1の光信号を取得し、取得した光信号をWDMフィルタ40へ出力する。ここで、出力レベル調整部350は、WDMフィルタ40へ出力する波長λ1の光信号の出力レベルに対して、上記認識した調整量に応じて増幅又は減衰する調整を行う。また、出力レベル調整部350は、光信号分岐部321から出力された、新4K・8K衛星放送用の波長λ2の光信号を取得し、取得した光信号をWDMフィルタ40へ出力する。ここで、出力レベル調整部350は、WDMフィルタ40へ出力する波長λ2の光信号の出力レベルに対して、上記認識した調整量に応じて増幅又は減衰する調整を行う。
なお、受光感度算出部324から設定テーブル記憶部330への最小受光感度情報の出力に伴って波長λ2の光信号の所要最小受光感度((B)のパラメータのパラメータ値)が更新された場合には、出力レベル計算部340が、速やかに調整量の再計算を行うことが望ましい。そこで、上述したように、設定テーブル記憶部330が、出力レベル計算部340からの設定情報の要求の有無に関わらず、当該出力レベル計算部340へ、所要最小受光感度が更新されたことを示す情報(所要最小受光感度更新通知)を出力する構成であってもよい。
あるいは、出力レベル計算部340が、設定テーブル記憶部330に対して定期的に設定情報の出力を要求し、設定テーブル記憶部330が、設定情報をその都度又は更新時のみに出力レベル計算部340へ出力する構成であってもよい。この場合、出力レベル計算部340から設定テーブル記憶部330への設定情報の出力要求の時間間隔を短くするほど、出力レベル計算部340が、より速やかに所要最小受光感度の更新を認識することができる。
上記のような構成によって出力レベル計算部340が所要最小受光感度の更新を認識した場合、出力レベル計算部340は、第1の実施形態において説明した手順1から、調整量の計算をやり直す。但し、この場合、上記手順1の計算において用いられるパラメータ値のうち、波長λ2の光信号に対応する最小受光感度の値については、更新後の値が用いられることになる。
[調整量の計算手順]
以下、出力レベル計算部340によって行われる、光信号の出力レベルの調整量の計算手順の一例について説明する。出力レベル計算部340は、以下の手順1~4に沿って計算を行う。
・手順1.アクセス用アンプ50からの波長ごとの所要出力レベルの算出
出力レベル計算部340は、光受信部61において波長λ1の光信号の受光レベルが当該光受信部61の波長λ1の光信号の最小受光感度以上となるようにするために必要となる、アクセス用アンプ50における波長λ1の光信号の所要出力レベル(第1の所要信号強度)を算出する。また、出力レベル計算部340は、光受信部62において波長λ2の光信号の受光レベルが当該光受信部62の波長λ2の光信号の最小受光感度以上となるようにするために必要となる、アクセス用アンプ50における波長λ2の光信号の所要出力レベル(第2の所要信号強度)をそれぞれ算出する。このとき、出力レベル計算部340は、上記設定テーブルに設定された(B)及び(C)のパラメータのパラメータ値に基づき、各光受信部(光受信部61及び光受信部62)それぞれの最小受光感度と、アクセス用アンプ50と各光受信部との間のそれぞれの距離に応じた伝送損失とを考慮して、それぞれの所要出力レベルを算出する。
・手順2.アクセス用アンプ50からの波長ごとの出力レベルの決定
出力レベル計算部340は、アクセス用アンプ50から出力される光信号(合波信号)の出力レベル(すなわち、波長λ1の光信号の出力レベルと波長λ2の光信号の出力レベルとの和)が、上記設定テーブルに設定された(A)のパラメータのパラメータ値(ここでは、Z[mW(ミリワット)]とする。)と等しくなるように、アクセス用アンプ50における、波長λ1の光信号の出力レベル(ここでは、X[mW]とする。)と波長λ2の光信号の出力レベル(ここでは、Y[mW]とする。)とを決定する。すなわち、Z=X+Yである。このとき、出力レベル計算部340は、波長λ1の光信号の出力レベルが上記手順1によって算出された波長λ1の光信号の所要出力レベル以上であり、かつ、波長λ2の光信号分の出力レベルが上記手順1によって算出された波長λ2の光信号の所要出力レベル以上であるという条件を満たすように、それぞれの出力レベル(出力信号強度)を決定する。
なお、上記の条件を満たす、X及びYの値の組み合わせは無数に存在しうる。用いるX及びYの値の組み合わせを決定する方法としては、例えば、手順1によって算出された波長λ1の光信号の所要出力レベル(ここでは、X’[mW]とする。)と波長λ2の光信号の所要出力レベル(ここでは、Y’[mW]とする。)との比と、Xの値とYの値との比と、を一致させるようにX及びYの値を決定する方法を用いることができる。具体的には、以下の(1)式によってX及びYの値が決定される。
X=Z×(X’/(X’+Y’))
Y=Z×(Y’/(X’+Y’)) ・・・(1)
あるいは、用いるX及びYの値の組み合わせを決定するその他の決定方法として、例えば、Yの値を波長λ2の光信号の所要出力レベルであるY’として、Xの値を、X=Z-Y’によって算出された値に決定する方法が用いられてもよい。この後者の決定方法では、波長λ2の光信号の出力レベルに対しては最低限の出力レベル(すなわち、所要出力レベル)しか割り振られないため、相対的に波長λ1の光信号の出力レベルに対してより多くの出力レベルが割り振られる。
上述したように、本実施形態におけるネットワーク構成(図1)では波長λ2の光信号が入力されることから、従来のネットワーク構成(図11)の場合と比べて、アクセス用アンプ50から出力される合波信号の出力レベルにおける、波長λ1の光信号分の出力レベルが必然的に低下する。これにより、例えば、従来のネットワーク構成から本実施形態におけるネットワーク構成へ拡張された際に(すなわち、新4K・8K衛星放送への対応がなされた際に)、従来のネットワーク構成では視聴可能であった既存放送を視聴することができなくなってしまう視聴者が発生しうる。なお、このような視聴者は、とくに信号減衰による影響が大きい遠方の視聴者により多く発生する。このような視聴者の発生を極力抑えるためには、アクセス用アンプ50から出力される合波信号の出力レベルにおいて、波長λ1の光信号分の出力レベルをより大きくする(すなわち、合波信号の出力レベルの値により近づける)ことが必要である。したがって、この後者の決定方法は、上記のような視聴者の発生を抑制することに対して有効であると言える。
・手順3.アクセス用アンプ50への波長ごとの入力レベルの決定
出力レベル計算部340は、アクセス用アンプ50へ入力される合波信号に含まれる波長λ1の光信号及び波長λ2の光信号の入力レベルをそれぞれ決定する。このとき、出力レベル計算部340は、アクセス用アンプ50から出力される波長λ1の光信号及び波長λ2の光信号分の出力レベルがそれぞれ上記手順2によって決定されたX及びYの値になるように、アクセス用アンプ50へ入力される波長λ1の光信号分及び波長λ2の光信号の入力レベル(入力信号強度)をそれぞれ決定する。ここで、アクセス用アンプ50へ入力される波長λ1の光信号及び波長λ2の光信号の入力レベルをそれぞれx[mW]及びy[mW]とすれば、出力レベル計算部340は、例えば、以下の(2)式を満たすようにx及びyの値を決定すればよい。
X:Y=x:y ・・・(2)
このように、出力レベル計算部340は、波長λ1の光信号の出力レベルと波長λ2の光信号の出力レベルとの比に一致させるように、波長λ1の光信号の入力レベルと波長λ2の光信号の入力レベルとの比を制御することによって、アクセス用アンプ50から出力される波長λ1の光信号の出力レベル及び波長λ2の光信号の出力レベルを、所望のX及びYの値に制御することができる。
なお、上記の条件を満たす、x及びyの値の組み合わせは無数に存在しうる。但し、たとえどのようなx及びyの値の組み合わせが用いられたとしても、xの値とyの値との和がアクセス用アンプ50における仕様上(又は設定上)の許容値を満たしているならば、アクセス用アンプ50から出力される光信号(合波信号)の出力レベルのうち、波長λ1の光信号分の出力レベルは上記手順2によって決定されたXの値となり、波長λ2の光信号分の出力レベルは上記手順2によって決定されたYの値となる。したがって、問題は生じない。しかしながら、後述する手順4において、取得した波長λ1の光信号の入力レベル及び波長λ2の光信号の入力レベルを、この手順3によって決定されたx及びyの値になるように調整する調整処理を行うことから、出力レベル調整部350における当該調整処理がより簡単に行えるようなx及びyの値の組み合わせが用いられることが望ましい。
具体的には、調整処理として、受光信号に対する増幅又は減衰による調整処理を用いることができるが、増幅による調整を要する場合、一般的に減衰機能と比べて相対的に装置構成が複雑である増幅機能を、出力調整装置30に対して具備させる必要が生じる。したがって、信号減衰のみで上記の調整処理を行うことができるような、x及びyの値の組み合わせを用いることが望ましい。
なお、信号減衰のみで上記の調整処理を行うことができるx及びyの値の組み合わせに決定するための具体的な決定方法として、例えば、波長λ1の光信号の出力レベルXと波長λ2の光信号の出力レベルYとの和(X+Y)が、上記設定テーブルに設定された(A)のパラメータのパラメータ値Zとなる条件を満たすとともに、x+yの値が、アクセス用アンプ50における仕様上の入力レベルの最小値となるような方法を用いることができる。
このような調整方法を用いることによって、減衰機能のみで波長λ1及び波長λ2の光信号の出力レベルを調整できる可能性がより高くなるため、出力調整装置30の装置構成の複雑化を回避し易くなる。
・手順4.調整量の算出
出力レベル計算部340は、アクセス用アンプ50へ入力される波長λ1の光信号の入力レベルと波長λ2の光信号の入力レベルとを上記手順3によって決定されたxの値とyの値とそれぞれ等しくするために必要となる、波長λ1の光信号に対する信号レベルの調整量と波長λ2の光信号に対する信号レベルの調整量とをそれぞれ算出する。ここで、出力レベル計算部340は、受光レベル測定部312から取得した波長λ1の光信号の受光レベルの値、受光レベル測定部322から取得した波長λ2の各受光レベルの値、及び、設定テーブル記憶部330から取得した上記(D)及び(E)のパラメータのパラメータ値を用いて、それぞれの調整量を算出する。出力レベル計算部340は、算出された波長λ1の光信号に対する信号レベルの調整量と波長λ2の光信号に対する信号レベルの調整量とを示す情報を、出力レベル調整部350へ出力する。
上述した手順1~4によって、出力レベル計算部340は、光信号分岐部311を介して出力レベル調整部350へ入力される波長λ1の光信号に対して適用されるべき調整量、及び、光信号分岐部321を介して出力レベル調整部350へ入力される波長λ2の光信号に対して適用されるべき調整量を、それぞれ算出することができる。
なお、本実施形態では、放送用として、光送信部12及び光送信部22から波長λ1及び波長λ2の光信号がそれぞれ連続的にFTTH型CATVシステム1に対して伝送される構成を想定している。しかし、出力調整装置30における波長λ1の光信号の受光レベルと波長λ2の光信号の受光レベルとは常に一定であるとは限らず、一般的に、少なくとも受光レベルの微小な変動は常時生じうる。このような微小な変動に追従させるように、その都度、調整量を再計算させ、出力レベル調整部350による調整処理を制御させることは、出力調整装置30における負荷等の観点から現実的ではない。
そこで、出力レベル計算部340は、例えば、受光レベル測定部312及び受光レベル測定部322からそれぞれ得られる、波長λ1の光信号の受光レベル及び波長λ2の光信号の受光レベルの値が微小な変動を伴っていたとしても、ある程度の変動は誤差の範囲内であるものとして許容し、それまでの時点における(すなわち、変動前の)調整量に基づく調整を継続するようにしてもよい。
具体的には、まず、許容範囲とする変動量の値が、例えば設定テーブル記憶部330又は出力レベル計算部340が備える記憶媒体(図示せず)等に予め設定される。例えば、許容範囲として±ΔP[mW]の値が予め設定される。次に、出力レベル計算部340は、受光レベル測定部312及び受光レベル測定部322から最初に通知される波長λ1の光信号の受光レベル(ここでは、P1[mW]とする。)と波長λ2の光信号の受光レベル(ここでは、P2[mW]とする。)とを基準レベルとして、調整量をそれぞれ算出する。そして、出力レベル計算部340は、各波長についての受光レベルの変動が「P1±ΔP」及び「P2±ΔP」を満たす範囲内であり続ける限りは、許容される変動であるものと見なし、上記の調整量の算出処理を実行しない。そして、出力レベル計算部340は、受光レベルの変動が許容範囲を超えた場合に限り、その時点での受光レベルの値を新たな基準レベルとして更新し(すなわち、上記P1及びP2の値を更新し)、更新された受光レベルの値を用いて調整量を再計算するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る出力調整装置30によれば、入力された波長λ1の光信号及び波長λ2の光信号に対してそれぞれ適切な信号レベルの調整が施されて出力され、上述した所望のx及びyの値の組み合わせとなる信号レベルの光信号がアクセス用アンプ50へ入力される。そして、当該xとyの値の組み合わせとなる信号レベルで光信号がアクセス用アンプ50へ入力されるため、波長λ1の光信号及び波長λ2の光信号は、それぞれ上述した所望のX及びYの値となる出力レベルでアクセス用アンプ50から出力される。これにより、本実施形態に係る出力調整装置30によれば、波長λ1の光信号及び波長λ2の光信号は、所望の配信エリア内の加入者宅内の各光受信部が受光可能な信号レベルで確実に伝送されるため、既存放送及び新4K・8K衛星放送の双方の放送を各視聴者に視聴させることを可能にする。
また、本実施形態に係る出力調整装置30によれば、出力調整装置30が導入された後に、例えば新4K・8K衛星放送等において新規のキャリア信号を用いた配信番組が新たに追加され、これに伴って光受信部62における所要最小受光感度が悪化した場合であっても、出力調整装置30は、悪化した所要最小受光感度の値を算出し、光受信部61及び光受信部62に対して適切な信号レベルとなるように、アクセス用アンプ50から出力される波長λ1の光信号及び波長λ2の光信号の信号レベルの調整を行うことができる。これにより、本実施形態に係る出力調整装置30によれば、新規のキャリア信号を用いた配信番組が追加された場合であっても、波長λ1の光信号及び波長λ2の光信号は所望の配信エリア内の加入者宅内の光受信部61及び光受信部62によって確実に受信され、視聴者は、既存放送及び新規に追加された放送を視聴することができる。
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。
既存放送で使われていない周波数を用いた新たな放送が開始される場合、当該放送の開始日時は、本国においては例えば総務省等から、事前に広く周知されることが想定される。したがって、既存放送で使われていない新たなキャリアの映像信号が、突然、加入者宅の光送信部に入力され始める状況は生じにくいと考えられる。したがって、上述した第1の実施形態に係る出力調整装置30のキャリア監視機能部370を常時稼動させておく必要はない場合が多いと考えられる。
以上のことから、既存放送で使われていない周波数を用いた新たな放送が開始される場合に限ってキャリア監視機能部370を稼動させるようにし、キャリア監視機能部370による最小受光感度等の計算処理が完了した後に、再び当該キャリア監視機能部370の稼働を停止させるようにすることが、出力調整装置30にかかるシステム負荷等の観点から望ましいと言える。
第2の実施形態に係る出力調整装置30bのキャリア監視機能部370b(キャリア監視装置)は、キャリア監視機能(すなわち、ダミーV-ONU部323及び受光感度算出部324が有する機能)の、オン(ON)/オフ(OFF)の切換えを行うことができる構成を備える。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る出力調整装置30bの機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、キャリア監視機能部370bは、CLIによって入力された指示情報に基づいて、自己のキャリア監視機能のON/OFFの切換えを行う。入力された指示情報が、キャリア監視機能をOFFにさせる指示を示す指示情報であった場合、キャリア監視機能部370bは、ダミーV-ONU部323及び受光感度算出部324が有する機能の稼働を停止させる。一方、入力された指示情報が、キャリア監視機能をONにさせる指示を示す指示情報であった場合、キャリア監視機能部370bは、ダミーV-ONU部323及び受光感度算出部324が有する機能を稼働させる。
図4は、本発明の第2の実施形態における光信号の信号レベルの調整量の算出処理を示すフローチャートである。まず、外部の制御端末(図示せず)等により、設定テーブル(第1設定テーブル及び第2設定テーブル)に対して各パラメータのパラメータ値が設定される(ステップS10)。設定が完了し(ステップS20・Yes)、キャリア監視機能の稼働状態がOFFである場合(ステップS30・Yes)、出力レベル計算部340bは、調整量の算出処理を実行する(ステップS70)。
一方、設定が完了し(ステップS20・Yes)、キャリア監視機能の稼働状態がONである場合(ステップS30・No)、キャリア監視機能部370bは、各キャリア信号についての最小受光感度を算出し、算出された各最小受光感度の値のうち最悪値を特定する(ステップS40)。第2設定テーブルの(B)のパラメータのパラメータ値として既に設定されている所要最小受光感度の値が、上記特定された最悪値以上である場合(ステップS50・No)、出力レベル計算部340bは、調整量の算出処理を実行する(ステップS70)。
一方、第2設定テーブルの(B)のパラメータのパラメータ値として既に設定されている所要最小受光感度の値が、上記特定された最悪値未満である場合(ステップS50・Yes)、キャリア監視機能部370bは、第2設定テーブルに設定されている所要最小受光感度の値を更新し、これにより、設定テーブル記憶部330bは、出力レベル計算部340bへ所要最小受光感度の更新通知を行う(ステップS60)。そして、出力レベル計算部340bは、調整量の算出処理を実行する(ステップS70)。
なお、図4に示すフローチャートが示す処理に基づいてキャリア監視機能がONに切り替えられた場合、調整量の算出処理の完了後に、CLI等によってキャリア監視機能が再びOFFに切り替えられることが望ましい。
<第3の実施形態>
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。
上述した第2の実施形態においては、CLI等によってキャリア監視機能がOFFに切り替えられることを想定したが、このキャリア監視機能のOFF状態への切り替えを、出力レベル計算部(出力レベル計算部340c)によって自動的に実行させるようにしてもよい。
図5は、本発明の第3の実施形態に係る出力調整装置30c(キャリア監視装置)の機能構成を示すブロック図である。出力レベル計算部340cは、設定テーブル記憶部330cから出力された所要最小受光感度の更新通知を取得した場合、図5に示すように、キャリア監視機能部370cに対して、キャリア監視機能をOFFに切り替えさせるための指示を示す情報を出力する。
また、出力レベル計算部340cは、受光感度算出部324から設定テーブル記憶部330cへ出力される最小受光感度情報に基づく最小受光感度の値が、設定テーブル記憶部330cに記憶された第2設定テーブルに既に設定されている上記(B)のパラメータのパラメータ値よりも良好な(小さい)値である場合にも、キャリア監視機能部370cに対し、キャリア監視機能をOFFに切り替えさせるための指示を示す情報を出力する。例えば、キャリア監視機能がONの状態であるにもかかわらず、所定の時間経過しても設定テーブル記憶部330cから所要最小受光感度の更新通知が出力されなかった場合に、出力レベル計算部340cが、キャリア監視機能部370cに対して、キャリア監視機能をOFFに切り替えさせるための指示を示す情報を出力するような構成にしてもよい。
図6は、本発明の第3の実施形態における光信号の信号レベルの調整量の算出処理を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートは、図4に示した第2の実施形態における光信号の信号レベルの調整量の算出処理を示すフローチャートに対し、ステップS65の処理が追加されたものである。すなわち、キャリア監視機能部370cは、ステップS40からステップ60までの一連の処理を実行した後、出力レベル計算部340cからの指示により、キャリア監視機能がOFFに切り替えられる(ステップS65)。
このように、出力レベル計算部340cがキャリア監視機能をOFFに切り替える構成を備えることにより、CLI等によってキャリア監視機能をOFFに切り替える作業が不要となり、作業効率化が図られる。
なお、出力レベル計算部340cよってキャリア監視機能がOFFに切り替えられた後は、OFFの状態を維持し、再び新たなキャリア信号を用いた放送が開始される直前に、再びCLI等によってキャリア監視機能をONに切り替えるようにすればよい。
<第4の実施形態>
以下、本発明の第4の実施形態について説明する。
上述した第1の実施形態から第3の実施形態では、キャリア監視機能が、波長λ2の光信号のみを監視の対象とする構成であるが、波長λ1の光信号のみを監視の対象とする構成、あるいは、波長λ1の光信号及び波長λ2の光信号の双方を監視の対象とする構成としてもよい。図7は、波長λ1の光信号及び波長λ2の光信号の双方を監視の対象とする出力調整装置30d(キャリア監視装置)の機能構成を示すブロック図である。
波長λ1の光信号がキャリア監視機能による監視の対象であることによって、例えば、将来的に波長λ1の光信号に新たなキャリア信号が追加されることにより所要最小受光感度が悪化した場合であっても、アクセス用アンプ50から出力される光信号の出力レベルが適切に制御されるため、視聴者による既存放送及び新規に追加された放送の視聴が可能になる。
なお、上述した第1の実施形態から第4の実施形態では、WDMフィルタ40が出力調整装置30(30b,30c,30d)の外部に備えられる構成であるものとしたが、出力調整装置30(30b,30c,30d)がWDMフィルタ40を内蔵する構成にしてもよい。この場合、WDMフィルタ40が有する機能(すなわち、波長λ1の光信号と波長λ2の光信号とを合波する機能)に相当する機能部は、出力レベル調整部350の後段に備えられる。そして、WDMフィルタ40によって合波された合波信号が、出力調整装置30(30b,30c,30d)からアクセス用アンプ50へ出力される。
<第5の実施形態>
以下、本発明の第5の実施形態について説明する。
上述した第1の実施形態から第4の実施形態においては、既存放送に加えて更に新4K・8K衛星放送の配信及び視聴を実現するためのネットワーク構成として、図12に示したネットワーク構成を想定した。そして、当該ネットワーク構成において上記課題を解決するための出力調整装置30(30b,30c,30d)について説明した。なお、図12に示したネットワーク構成は、既存の中継用アンプ13が新4K・8K衛星放送には対応していない(すなわち、波長λ2の光信号には対応していない)場合であっても、既存放送に加えて新4K・8K衛星放送の配信及び視聴を実現可能にすることができるネットワーク構成である。
一方、本実施形態では、既存の中継用アンプが波長λ1の光信号及び波長λ2の光信号の双方に対応しており、かつ、既存の光伝送路において双方の光信号が所望の信号レベルでアクセス用アンプまで到達可能なネットワーク構成であることを想定する。そして、当該ネットワーク構成において、既存放送に加えて更に新4K・8K衛星放送の配信及び視聴を実現可能にするFTTH型CATVシステムについて説明する。
図8は、本実施形態において想定するネットワーク構成の一例を示すブロック図である。図8に示すネットワーク構成では、図12に示したネットワーク構成とは異なり、中継用アンプが波長λ1の光信号及び波長λ2の光信号の双方に対応していることから、中継用アンプの前段の位置にWDMフィルタを設置可能である。これにより、図8に示すように、中継用アンプには、WDMフィルタによって合波がなされた光信号(合波信号)が入力される。このようなネットワーク構成にすることにより、新4K・8K衛星放送への対応がなされる際に、新たな中継用アンプを設置する必要がない。そのため、図8に示すネットワーク構成では、図12に示したネットワーク構成と比べて、新たに設置される機器の設置コスト等が低減される。
但し、図8に示すネットワーク構成のままでは、上述した第1の実施形態から第4の実施形態と同様の課題(すなわち、視聴者が新たなキャリア信号を用いた放送を視聴することができなくなる課題)が生じうる。したがって、本実施形態では、当該課題を解決するため、図8に示すネットワーク構成に対して出力調整装置を設置する場合について説明する。
[ネットワーク構成]
以下、本発明の第5の実施形態に係る、新4K・8K衛星放送に対応したFTTH型CATVシステム1eのネットワーク構成について説明する。図9は、当該ネットワーク構成の一例を示すブロック図である。上述した第1の実施形態から第4の実施形態と同様に、アクセス用アンプ50の前段に出力調整装置30eが設置される。但し、図9に示すように、本実施形態では、中継NWにおいて波長λ1の光信号と波長λ2の光信号とが合波された合波信号が出力調整装置30eへ伝送される。そのため、出力調整装置30eに対して入出力がなされる光信号は、いずれも波長λ1の光信号と波長λ2の光信号とが合波された合波信号である。
[出力調整装置の機能構成]
以下、本発明の第5の実施形態に係るFTTH型CATVシステム1eの出力調整装置30eの機能構成について説明する。図10は、本発明の第5の実施形態に係る出力調整装置30e(キャリア監視装置)の機能構成を示すブロック図である。図10に示すように、出力調整装置30eの機能構成は、図2に示した第1の実施形態に係る出力調整装置30の機能構成に対し、分離部300及び合波部360を更に備えている点において相違する。なお、出力調整装置30eに含まれる他の各機能ブロックが有する各機能ついては、第1の実施形態に係る出力調整装置30に含まれる各機能ブロックが有する機能と同等であるため、同一の符号を付し、説明を省略する。
分離部300は、例えばWDMフィルタ等の、光信号を分離することができるフィルタ回路を含んで構成される。分離部300は、中継用アンプ13cから送出された合波信号を、波長λ1の光信号と波長λ2の光信号とに分離する。そして、分離部300は、波長λ1の光信号を光信号分岐部311へ送出し、波長λ2の光信号を光信号分岐部321へ送出する。
合波部360は、例えばWDMフィルタ等の、光信号を合波することができるフィルタ回路を含んで構成される。合波部360は、出力レベル調整部350から送出された波長λ1の調整済みの光信号と波長λ2の調整済みの光信号とを合波する。そして、合波部360は、合波信号をアクセス用アンプ50へ送出する。
このように本実施形態においては、出力調整装置30eは、入力された合波信号を、まず分離部300(例えばWDMフィルタ)により波長λ1の光信号と波長λ2の光信号とに分離する。出力調整装置30eは、分離された双方の光信号の信号レベルの調整をそれぞれ行う。そして、出力調整装置30eは、調整済みの双方の光信号を再び合波部360(例えばWDMフィルタ)によって合波し、合波信号を出力する。
<第6の実施形態>
以下、本発明の第6の実施形態について説明する。
上述した第1の実施形態から第5の実施形態においては、キャリア監視機能は出力調整装置30(30b,30c,30d,30e)に具備されているが、当該キャリア監視機能が光送信機(例えば、図1に示す光送信部12及び光送信部22)に具備される構成であってもよい。この場合、キャリア監視機能を備える光送信機が、新規のキャリア信号の検知、及び最小受光感度の算出等を実行する。そして、光送信機は、算出された最小受光感度の値を、出力調整装置へ通知する。
なお、当該通知の方法としては、例えば、光送信機によって算出された最小受光感度の値を示す情報を通知するための制御フレームを予め定義しておき、当該フレームによって、光送信機から出力調整装置へ通知する方法を用いることができる。なお、当該通知を受けた後の出力調整装置の動作は、上述した第1の実施形態から第5の実施形態における、設定テーブル記憶部330(330b,330c,330d,330e)が受光感度算出部324から最小受光感度情報を取得した後の動作と同様である。
このように、第6の実施形態によれば、出力調整装置を、キャリア監視機能を備えず、単に、入力された波長λ1の光信号及び波長λ2の光信号のそれぞれの信号レベルを調整して出力する機能のみを備えるように構成することができる。
以上説明したように、上述した各実施形態に係る出力調整装置30(30b,30c,30d,30e)は、複数の多チャンネル映像信号をそれぞれFM一括変換して得られた、波長が異なる複数の光信号を、一括して増幅する光アクセスネットワーク用の増幅器(アクセス用アンプ50)からの複数の出力光信号を、それぞれ適切なレベルに調整する。そして、出力調整装置30(30b,30c,30d,30e)は、波長が異なる複数の光信号のうち少なくとも1つについて、多チャンネル映像信号の各キャリア信号における周波数偏移量を求め、当該周波数偏移量に基づき、光受信部における最小受光感度を算出するとともに、波長が異なる複数の光信号の信号レベルをそれぞれ測定する。そして、出力調整装置30(30b,30c,30d,30e)は、測定結果に基づき、増幅器から出力される複数の光信号について、信号レベルの総和が仕様上(又は、設定上)の出力レベルを満たし、かつ、加入者宅に設置された光受信部まで伝送された後の信号レベルがそれぞれ最小受光感度を満たすような、所要の信号レベルをそれぞれ算出する。そして、出力調整装置30(30b,30c,30d,30e)は、算出された所要の信号レベルに応じて複数の光信号の信号レベルをそれぞれ調整して、当該光信号を増幅器へ出力する。
上記の構成を備えることによって、上述した各実施形態に係るFTTH型CATVシステムによれば、加入者宅に設置された光受信部において、それぞれFM一括変換された複数の光信号に含まれる複数の多チャンネル映像信号が、それぞれ適切に受信される。これにより、視聴者は、新たなキャリア信号を用いた放送が追加された場合であっても、既存放送及び新規放送の視聴を行うことができる。
上述した実施形態における出力調整装置30(30b,30c,30d,30e)が備える受光感度算出部324、設定テーブル記憶部330(330b,330c,330d,330e)及び出力レベル計算部340(340b,330c,340d,340e)の一部又は全部を、コンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。更に「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、更に上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、PLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されるものであってもよい。
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明してきたが、上記実施形態は本発明の例示に過ぎず、本発明が上記実施形態に限定されるものではないことは明らかである。したがって、本発明の技術思想及び要旨を逸脱しない範囲で構成要素の追加、省略、置換、及びその他の変更を行ってもよい。
1,1c…FTTH型CATVシステム、11,21…ヘッドエンド、12,22…光送信部、13,13e,23…中継用アンプ、30,30b,30c,30d,30e…出力調整装置、40…WDMフィルタ、50…アクセス用アンプ、61,62…光受信部、70…光伝送路、71…中継NW、72…アクセスNW、300…分離部、311,321…光信号分岐部、312,322…受光レベル測定部、323…ダミーV-ONU部、324…受光感度算出部、330,330b,330c,330d,330e…設定テーブル記憶部、340,340b,340c,340d,340e…出力レベル計算部、350…出力レベル調整部、360…合波部、370,370b,370c…キャリア監視機能部

Claims (7)

  1. 周波数多重された第1の多チャンネル信号がFM一括変換方式によって変換された、第1の波長を有する第1の光信号を送信する第1の光送信部と、
    周波数多重された第2の多チャンネル信号がFM一括変換方式によって変換された、前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する第2の光信号を送信する第2の光送信部と、
    前記第1の光信号を取得し、取得した光信号に含まれる各キャリア信号を監視するキャリア監視機能部と、
    前記第1の光信号及び前記第2の光信号を取得し、取得した各光信号の信号強度をそれぞれ調整して出力する出力調整部と、
    前記出力調整部で信号強度がそれぞれ調整された前記第1の光信号と前記第2の光信号とを合波し、合波信号を出力する合波器と、
    前記合波信号を増幅する増幅器と、
    前記増幅器で増幅された前記合波信号に含まれる前記第1の光信号を受信する第1の光受信部と、
    前記増幅器で増幅された前記合波信号に含まれる前記第2の光信号を受信する第2の光受信部と、
    を備え、
    前記キャリア監視機能部は、
    前記第1の光信号に含まれる各キャリア信号の周波数偏移量を求め、該周波数偏移量に基づいて前記第1の光受信部における最小受光感度を算出し、
    前記出力調整部は、
    前記第1の光受信部によって受信される前記第1の光信号の信号強度が第1の所定値以上となり、かつ、前記第2の光受信部によって受信される前記第2の光信号の信号強度が第2の所定値以上となるように、取得した前記第1の光信号及び前記第2の光信号の信号強度をそれぞれ調整するとともに、前記第1の所定値を前記キャリア監視機能部の算出した前記第1の光受信部における最小受光感度に基づいて更新する
    光伝送システム。
  2. 前記出力調整部は、
    前記増幅器から出力される前記合波信号の信号強度が第3の所定値となるように、前記第1の光信号及び前記第2の光信号の信号強度をそれぞれ調整する
    請求項1に記載の光伝送システム。
  3. 前記出力調整部は、
    前記合波器において生じる挿入損失、及び前記増幅器と前記第1の光受信部及び前記第2の光受信部との間において生じる伝送損失に基づいて、前記第1の光信号及び前記第2の光信号の信号強度をそれぞれ調整する
    請求項1又は請求項2に記載の光伝送システム。
  4. 前記キャリア監視機能部は、
    さらに、前記第2の光信号を取得し、前記第2の光信号に含まれる各キャリア信号の周波数偏移量を求め、該周波数偏移量に基づいて前記第2の光受信部における最小受光感度を算出し、
    前記出力調整部は、
    さらに、前記第2の所定値を前記キャリア監視機能部の算出した前記第2の光受信部における最小受光感度に基づいて更新する
    請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の光伝送システム。
  5. 前記第1の光送信部から送信された前記第1の光信号と前記第2の光送信部から送信された前記第2の光信号とを合波する第2の合波器を更に備え、
    前記出力調整部は、
    前記第2の合波器で合波された光信号を取得し、取得した光信号を前記第1の光信号と前記第2の光信号とに分離し、分離した前記第1の光信号及び前記第2の光信号の信号強度をそれぞれ調整して出力する
    請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の光伝送システム。
  6. 前記出力調整部は、
    前記第1の所定値、前記合波器において生じる挿入損失、及び前記増幅器と前記第1の光受信部との間において生じる伝送損失に基づいて、前記増幅器から出力される前記合波信号に含まれる前記第1の光信号に必要とされる信号強度である第1の所要信号強度を算出し、
    前記第2の所定値、前記合波器において生じる挿入損失、及び前記増幅器と前記第2の光受信部との間において生じる伝送損失に基づいて、前記増幅器から出力される前記合波信号に含まれる前記第2の光信号に必要とされる信号強度である第2の所要信号強度を算出し、
    前記第1の所要信号強度と前記第2の所要信号強度とをそれぞれ満たすように、前記増幅器から出力される前記合波信号に含まれる前記第1の光信号及び前記第2の光信号それぞれの出力信号強度を算出し、
    算出されたそれぞれの前記出力信号強度になるために必要とされる、前記増幅器に入力される前記合波信号に含まれる前記第1の光信号及び前記第2の光信号のそれぞれの入力信号強度を算出し、
    取得した前記第1の光信号及び前記第2の光信号の信号強度の測定結果と、算出されたそれぞれの前記入力信号強度とに基づいて、取得した前記第1の光信号及び前記第2の光信号のそれぞれに対する信号強度の調整量を算出する
    請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の光伝送システム。
  7. 周波数多重された第1の多チャンネル信号がFM一括変換方式によって変換された、第1の波長を有する光信号であって、第1の光受信部へ送信される第1の光信号と、周波数多重された第2の多チャンネル信号がFM一括変換方式によって変換された、前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する光信号であって、第2の光受信部へ送信される第2の光信号とを増幅する増幅器に入力される合波信号に含まれる、前記第1の光信号及び前記第2の光信号それぞれの信号強度を調整するキャリア監視装置であって、
    前記第1の光信号を取得する第1の取得部と、
    前記第2の光信号を取得する第2の取得部と、
    前記第1の取得部によって取得された前記第1の光信号の信号強度を測定する第1の測定部と、
    前記第2の取得部によって取得された前記第2の光信号の信号強度を測定する第2の測定部と、
    前記第1の測定部による測定の測定結果及び前記第2の測定部による測定の測定結果に基づいて、前記第1の光受信部によって受信される前記第1の光信号の信号強度が第1の所定値以上となり、かつ、前記第2の光受信部によって受信される前記第2の光信号の信号強度が第2の所定値以上となり、かつ、前記増幅器から出力される合波信号の信号強度が第3の所定値となるように、前記第1の取得部によって取得された前記第1の光信号の信号強度及び前記第2の取得部によって取得された前記第2の光信号の信号強度に対するそれぞれの調整量を計算する調整量計算部と、
    前記調整量計算部によって計算されたそれぞれの前記調整量に基づいて、前記第1の取得部によって取得された前記第1の光信号の信号強度と、前記第2の取得部によって取得された前記第2の光信号の信号強度とを調整し、前記信号強度が調整された前記第1の光信号及び前記第2の光信号を出力する信号強度調整部と、
    前記第1の光信号又は前記第2の光信号に含まれる各キャリア信号の周波数偏移量を求め、該周波数偏移量に基づいて前記第1の光受信部又は前記第2の光受信部における最小受光感度を算出し、該最小受光感度に基づいて前記第1の所定値又は前記第2の所定値を更新するキャリア監視機能部と、
    を備えるキャリア監視装置。
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