テレビ等の受信機に配信される広告(以下、CMとも言う)には幾つかの種類がある。例えば、番組CMであれば、広告主は放送局からの放送番組等を指定してCM枠を購入する。また例えば、スポットCMであれば、広告主は新商品のキャンペーン期間等の特定期間に、放送番組を指定せずに時間帯のみを指定してCM枠を購入する。
スポットCMの場合、特定期間におけるターゲット層へのCMの接触数等の目標が設定されている。この目標を達成するために必要なCM放送回数をCMの推定視聴率から割り出し、そのCM放送回数に応じた広告費用が支払われる。
しかしながら、推定視聴率と実際のCM視聴実績とは差異があるため、目標を達成できない場合がしばしばある。これを考慮し、広告主は、目標達成に必要と予測されるよりも多数の放送番組に出稿したり、CM放送回数を増やしたりする必要があり効率が悪い。放送番組だけでなく、インターネット等のネットワークを介した動画コンテンツ向けのCMも放送番組用のCMと合わせて作成される場合もあり、プランニングの手間やコストが増大している。
一方で、近年、受信機における放送番組やネットワーク配信される動画コンテンツ等の視聴履歴の解析が行われている。本明細書においては、視聴履歴の解析結果を利用して広告の出稿効率を改善することを目的とする実施形態について説明する。
[実施形態1]
以下、図面を参照して、実施形態1について詳細に説明する。
(システムの運用例)
図1は、実施形態1にかかるシステムのアドレッサブルCM配信システムとしての運用について説明する概要図である。実施形態1のシステムは、放送波で流れる一般向けのCM枠において、特定の視聴者に対し、その視聴者の嗜好に合うCM等の、対象視聴者を特定したアドレッサブルCMを配信する。
図1に示すように、実施形態1のシステムは、例えばハイブリッドキャスト等の放送通信連携サービスに対応する受信機5000と、受信機5000を管理する管理サーバ3000とを備える。実施形態1のシステムは、1つの管理サーバ3000に対して複数の受信機5000を含んでいてよい。
受信機5000は各種の放送番組等を受信する。管理サーバ3000は、視聴者が受信機5000にて視聴した放送番組等の視聴履歴を、受信機5000を介してインターネット経由で取得して視聴者の嗜好を解析する。例えば、放送番組「a」を定期で視聴している視聴者が商品「m」に興味があるという解析結果を得た管理サーバ3000は、この解析結果を放送局1000へと提供する。
広告会社ADは、管理サーバ3000の解析結果を放送局1000から取得する。そして、商品「m」の広告主MCに放送番組「a」のCM枠をアドレッサブルCM枠として購入することを提案し、広告主MCがこれに同意すれば両者の間で契約が取り交わされる。
広告会社ADは、契約に基づき商品「m」についてのCMを放送局1000へ入稿し、放送局1000は、自身が備えるCM管理サーバを介して、アドレッサブルCMの配信に用いられるCM配信用サーバ4000へとそのCMを送信する。CM配信用サーバ4000のCMは上述の視聴者の受信機5000により受信され、商品「m」に興味を持つ視聴者へと配信される。
管理サーバ3000は、放送局1000から取得したアドレッサブルCM枠の情報に基づき、アドレッサブルCMの配信実績を受信機5000から取得し、放送局1000へと提供する。広告会社ADは、管理サーバ3000からの配信実績を放送局1000を介して取得し、必要に応じて広告主MCへと伝える。
上記のような視聴履歴の解析機能を用いれば、特定の視聴者に対し、その視聴者に未接触のスポットCMを届けることも可能である。
(システムの概略構成)
図2は、実施形態1にかかるシステムを含む全体構成を示す図である。
図2に示すように、放送局1000は、CM管理サーバを含む放送局サーバ1100、及びセキュリティ装置1200を備える。放送局1000は、電波による放送信号を送出する。放送信号は、BS放送、CS放送、地上デジタル放送等の信号を含みうる。また、放送局1000は、デジタル放送信号、アプリケーション制御情報(AIT:Application Information Table)、放送と通信の連携による提示に関する制御情報等を送出する。
アプリケーション制御情報は、放送番組と連動するアプリケーション等を実施形態1のシステムに含まれる受信機5000に対して周知するとともに、起動および終了のためのコマンド、制御情報などを含む。
アプリケーション制御情報を含むアプリケーション制御信号の伝送方法に関しては、例えば、専用のES(Elementary Stream)による伝送方式、同じデータを繰り返し送信するデータカルーセル方式、通信ネットワークのサーバ上に置かれている制御信号ファイルを取得する方式がある。後述するハイブリッドキャスト対応の受信機5000は、アプリケーション制御信号の指示にしたがって、指定されたURLからアプリケーションを取得し、アプリケーションバウンダリなどの制御を実行する。
放送局1000は、放送局サーバ1100を運営する。放送局サーバ1100は、番組タイトル、番組ID、番組概要、出演者、放送日時、その他のデータのメタデータを受信機5000に提供する。
受信機5000は、放送信号を受信して各種の放送番組および各種サービス情報を受信することができる。受信機5000は、基本機能であるデジタル放送の受信機能に加えて、放送通信機能連携サービスを実現するための機能を備える。受信機5000は、ブロードバンドネットワーク接続機能を用いて、ネットワークを介した動画コンテンツ配信サーバからの動画コンテンツを受信してもよい。
受信機5000は、ブロードバンドネットワーク接続機能に加えて次のような機能を備える。放送により送られてくるアプリケーション制御情報に応じてアプリケーションを実行する機能、放送と通信との連携による提示を行う機能等である。
受信機5000には、データ記録再生用のHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記録媒体5001を接続可能であるとともに、表示器5002、スピーカシステム5003を接続することも可能である。これらは、受信機5000に予め含まれている場合もある。
以上のように、受信機5000は、放送局1000からの放送番組および動画コンテンツ配信サーバからの動画コンテンツを受信するテレビジョン及びセットトップボックス等の受信装置として機能する。また、受信機5000は、放送局1000からの放送番組を録画するレコーダ等の録画装置として機能する。また、受信機5000は、録画番組およびブルーレイディスク等の映像コンテンツを再生する再生装置として機能する。また、受信機5000は、放送局1000からの放送番組を録画し、種々の映像コンテンツを再生する録画再生装置として機能する。
管理サーバ3000は、受信機5000を管理するとともに、受信機5000から視聴履歴を取得し、これを解析する。上述のように、管理サーバ3000は、視聴履歴の解析結果を放送局1000に自動送信してもよい。
また、管理サーバ3000は、放送局1000からアドレッサブルCM枠の情報を取得する。この情報には、例えば、アドレッサブルCM枠が設定された放送番組、アドレッサブルCM枠の時間帯等の情報が含まれる。管理サーバ3000は、アドレッサブルCM枠の情報に基づき、管理サーバ3000が管理する複数の受信機5000のそれぞれに適したアドレッサブルCMの情報をそれらの受信機5000に送信する。また、管理サーバ3000は、それらの受信機5000によるアドレッサブルCMの配信実績を取得する。管理サーバ3000は、配信実績を放送局1000に自動送信してもよい。
また、管理サーバ3000は、放送局1000からスポットCM枠の情報を取得する。この情報には、例えば、スポットCM枠が設定された放送番組、スポットCM枠の時間帯等の情報が含まれる。管理サーバ3000は、スポットCM枠の情報に基づき、管理サーバ3000が管理する複数の受信機5000のそれぞれに適したスポットCMの情報をそれらの受信機5000に送信する。また、管理サーバ3000は、それらの受信機5000によるスポットCMの配信実績を取得する。管理サーバ3000は、配信実績を放送局1000に自動送信してもよい。
以上のように、管理サーバ3000は、それぞれの受信機5000に適したアドレッサブルCMの情報およびスポットCMの情報をそれらの受信機5000に送信する送信装置として機能する。
また、実施形態1のシステムは、受信装置としての受信機5000及び送信装置としての管理サーバ3000を備える送受信システムとして機能する。
CM配信用サーバ4000には、放送局1000が所有するCM管理サーバ(図1参照)から、放送局1000に広告会社ADから入稿されたアドレッサブルCMが送信される。受信機5000は、CM配信用サーバ4000が保有するアドレッサブルCMのうち、所定のアドレッサブルCMを受信する。
ここで、図3を用いて、伝送路におけるストリーム及び情報について説明する。
図3は、実施形態1にかかる放送信号を伝達するための放送波伝送路2100及びハイブリッドキャスト伝送路2200における主なストリーム及び情報を示す図である。各伝送路では、映像ストリーム、音声ストリーム、アプリケーション制御情報、サービス情報が伝送される。
(受信機のハードウェア構成例)
図4は、実施形態1にかかる受信機5000のハードウェアの構成例を示す図である。図4に示すように、受信機5000は、通信コンテンツ処理部5100と、放送コンテンツ処理部5300とを有する。通信コンテンツ処理部5100は、ネットワークに接続されるハイブリッドキャスト仕様を有する。ネットワークの接続先は、例えば上述の管理サーバ3000である。放送コンテンツ処理部5300は放送波を受信する。
通信コンテンツ処理部5100は、IP通信インターフェース5101を備える。IP通信インターフェース5101を介して取り込まれたストリームは、ストリーミング受信処理部5102で受信され、復調されたストリームがデマルチプレクサ5303で元の配列状態に復元される。デマルチプレクサ5303には、DRAM処理部5104が接続されており、このDRAM処理部5104で、プログラムを動作させ、例えば、自動ダウンロードを実行させることができる。
デマルチプレクサ5303で分離された映像ストリームは映像デコーダ5311でデコードされ、音声ストリームは音声デコーダ5312でデコードされ、字幕ストリームは字幕デコーダ5313でデコードされる。
デコードされた映像データ及び字幕データは、合成器5501で合成されて表示器5002に入力される。デコードされた音声データは、合成器5502を介して、スピーカシステム5003に入力される。
放送コンテンツ処理部5300は、放送チューナ5301を備える。放送チューナ5301で受信され復調されたストリームは、デスクランブラ5302に入力される。デスクランブラ5302では、入力ストリームが、CAS(Conditional Access System)モジュール5304からの鍵でデスクランブルされる。デスクランブラ5302でデスクランブルされたストリームは、デマルチプレクサ5303に入力される。
デマルチプレクサ5303は、データ放送用のデータをデータ放送受信処理部5330に出力する。また、デマルチプレクサ5303で分離された映像ストリームは映像デコーダ5311でデコードされ、音声ストリームは音声デコーダ5312でデコードされ、字幕ストリームは字幕デコーダ5313でデコードされる。
デコードされた映像データ及び字幕データは、合成器5501で合成されて表示器5002に入力される。デコードされた音声データは、合成器5502を介して、スピーカシステム5003に入力される。
また、デマルチプレクサ5303で分離されたデータ放送信号は、データ放送受信処理部5330で受信され、データ放送エンジン5315に入力される。データ放送により送られてきた表示用信号は、合成器5501に入力されて表示器5002にて表示される。
受信機5000の全体的な動作を制御する手段として、統合制御器5200が設けられている。統合制御器5200は、アプリケーション制御部5201、セキュリティ管理部5202を有する。アプリケーション制御部5201は、アプリケーション制御情報に含まれる各種情報や制御情報に基づいて、受信機5000の各ブロックを制御する。
また、統合制御器5200は、ユーザからGUI5220等を介して録画対象の放送番組等が指定されると、映像データ、字幕データ、及び音声データ等を所定のコンテンツ保護方式を用いて暗号化し、所定の記録フォーマットに変換した後、記録媒体5001に記録させることで放送番組の録画を行う。
また、統合制御器5200は、ユーザからGUI5220等を介して再生対象の録画番組等が指定されると、記録媒体5001に記録されたデジタルの映像データ、字幕データ、及び音声データ等を読み出させ、映像デコーダ5311、音声デコーダ5312、及び字幕デコーダ5313に供給することによって録画番組の再生を行う。
セキュリティ管理部5202は、アプリケーションを管理し、セキュリティ機能を実現する。例えば、セキュリティ管理部5202は、アプリケーション認証機能を持ち、認証されたアプリケーションをマネージメントアプリケーションとして扱う。また、セキュリティ管理部5202は、アクセス制御機能、提示機能、エンフォースメント機能、放送外のマネージメントアプリケーションを対象とするリボケーション機能等を備える。なお、ここではセキュリティ管理部5202の制御とアプリケーション制御部5201の制御とを分けて記載しているが、分けずに1つの管理部として制御してもよい。
アクセス制御機能は、利用が許可されたアプリケーションに対して、映像、音声、メタデータSI情報等の放送リソースや、受信機5000の映像音声出力、ネットワークインターフェース等の受信機リソースを参照可能とする。また、アプリケーションのセキュリティクラスに応じてアクセス可能な受信機API(Application Programming Interface)を制限する。
提示制御機能は、放送事業部の意図に基づき、放送動画へのオーバーレイの可否、表示領域及びサイズ、表示/非表示等のアプリケーションの表示方法を決定する。また、アプリケーションにCMやCMに関連するメッセージ等の補助情報の表示/非表示等を決定することもできる。さらに、災害報道などの緊急時において、例えばアプリケーションまたはその関連表示を一時的に非表示として、放送番組の全画面表示の制御を可能とする。
リボケーション機能は、放送事業者や利用者の利益を損なう、問題のあるアプリケーションを無効化できる機能である。
アプリケーションエンジン5130は、アプリケーションを実行するための環境を形成している。アプリケーションエンジン5130としては、ハイブリッドキャストに対応するための拡張APIを搭載した、例えばHTML5ブラウザが用いられる。
端末連携制御部5500は、外部の連携端末との連携を実行するインターフェースである。
(管理サーバの構成例)
図5は、実施形態1にかかる管理サーバ3000の機能部の構成例を示す図である。図5に示すように、管理サーバ3000は、CM情報取得部3110、CM接触機器別判定部3120、機器別CM情報生成部3130、機器別CM情報送信部3140、視聴履歴取得部3210、視聴履歴送信部3220、CM情報蓄積部3310、及び視聴履歴蓄積部3320を備える。
視聴履歴蓄積部3320は、後述する所定のCMに関するCM視聴履歴3321等の各種情報を受信機5000から取得し、視聴履歴蓄積部3320に格納する。受信機5000から取得される各種情報には、CM視聴履歴3321のほか、ライブ視聴された放送番組の種別および放送時間帯等の視聴履歴、録画された放送番組の種別および放送時間帯等の録画履歴、並びに再生された録画番組の種別および再生時間等の再生履歴等が含まれる。
視聴履歴送信部3220は、受信機5000から取得したCM視聴履歴3321等の視聴履歴を放送局1000へと送信する。
CM情報取得部3110は、放送局1000が放送するスポットCMのうち、その時点で目標接触数を達成できていないスポットCMについてのCM情報3311を取得し、CM情報蓄積部3310に格納する。CM情報3311は、放送局1000、広告主MC、または広告会社AD等から管理サーバ3000へと送信されてくる。CM情報3311には、例えば、目標接触数、CMの長さ、放送枠の一覧、キャンペーン期間等の特定期間が含まれる。目標接触数は、所定の受信機5000のユーザである視聴者がそのCMに接触したと判定されるための最小接触回数(フリークエンシ)により、視聴者がそのCMに接触したと判定された受信機5000の目標数である。所定の受信機5000における接触回数は、例えば、その受信機5000におけるそのCMの表示回数である。放送枠の一覧は、そのCMが放送されるチャンネル及び放送開始時間の情報を含む。これらの情報はスポットCM枠の購入の際に既に存在する情報であるため、広告主MC等が新たにコストをかけて生成する必要はない。
CM接触機器別判定部3120は、管理サーバ3000が管理する複数の受信機5000からのCM視聴履歴3321等を参照し、CM情報3311に対応するスポットCMを、これらの受信機5000の視聴者が接触すべき対象CMとして、個々の受信機5000における接触判定を行う。CM視聴履歴3321には、その受信機5000における視聴者へのCMの接触情報が含まれている。接触判定では、CM視聴履歴3321の接触情報に基づき、個々の受信機5000が上記の最小接触回数を満たしているか否かが判定される。CM接触機器別判定部3120は、最小接触回数を満たしていない受信機5000の一覧と、最小接触回数を満たしている受信機5000の一覧とを生成する。
機器別CM情報生成部3130は、最小接触回数を満たしていない受信機5000の一覧を参照し、一覧に含まれる受信機5000に向けて機器別CM情報3312を生成する。機器別CM情報3312は、受信機5000に向けて対象CMへの接触を要求する情報であり、CM情報3311に対応する対象CMの放送枠および最小接触回数を含む。特定の受信機5000が接触すべき対象CMが複数あるときは、それら複数の対象CMについての優先順位も機器別CM情報3312に付与する。機器別CM情報生成部3130は、生成した機器別CM情報3312をCM情報蓄積部3310に格納する。
機器別CM情報送信部3140は、生成された機器別CM情報3312をそれぞれの受信機5000に対して送信する。
なお、管理サーバ3000の上記に挙げた各機能部は単なる一例である。管理サーバ3000の所定の機能部が更に細分化された複数の機能部に分割されていてもよい。また、管理サーバ3000の上記に挙げた幾つかの機能部が統合されて1つの機能部となっていてもよい。また、管理サーバ3000が、上記に挙げた機能部を全て有していなくともよく、また、上記に挙げた機能部以外の機能部を有していてもよい。
また、管理サーバ3000の上記の各機能は、1つのサーバに集約されていてもいなくてもよい。例えば、視聴履歴取得部3210、視聴履歴送信部3220、及び視聴履歴蓄積部3320等による受信機5000のCM視聴履歴3321を収集し管理する機能と、CM情報取得部3110、CM接触機器別判定部3120、機器別CM情報生成部3130、機器別CM情報送信部3140、及び視聴履歴蓄積部3320等によるCM情報3311及び機器別CM情報3312を登録し管理する機能とは、個別のサーバに分割されていてもよい。これらのサーバが、例えばネットワーク通信を行うことで、管理サーバ3000としての機能を果たしていてもよい。
(受信機の構成例)
図6は、実施形態1にかかる受信機5000の機能部の構成例を示す図である。図6に示すように、受信機5000は、機器別CM情報取得部5610、CM情報管理部5620、CM履歴生成部5630、CM履歴送信部5640、放送受信部5710、動画コンテンツ受信部5720、ライブ視聴処理部5730、録画処理部5740、再生処理部5750、操作受け付け部5760、CM再生情報蓄積部5810、視聴履歴蓄積部5820、及び録画番組蓄積部5830を備える。
放送受信部5710は、放送局1000からの放送信号を受信する。
動画コンテンツ受信部5720は、例えばインターネット等のネットワークを介して、動画コンテンツ配信サーバ等からの動画コンテンツを受信する。動画コンテンツ配信サーバは、例えばビデオオンデマンドのようにビデオコンテンツ等の動画コンテンツを配信するサーバである。
ライブ視聴処理部5730は、放送番組および動画コンテンツ等のライブ視聴の処理を行う。ライブ視聴とは、例えば放送番組であれば、その時点で放送中の放送番組をリアルタイムで表示することである。
録画処理部5740は、ユーザからのライブ視聴操作、録画操作および録画予約操作、並びにCM情報管理部5620からの録画予約にしたがい、CM等を含む放送番組の録画の処理を行う。録画処理部5740は、録画番組(A)5831、録画番組(B)5832・・・を録画番組蓄積部5830に格納する。
再生処理部5750は、ユーザからの再生操作にしたがい、録画番組蓄積部5830から録画番組(A)5831、録画番組(B)5832・・・を読み出して再生の処理を行う。
操作受け付け部5760は、ユーザからのライブ視聴操作、録画操作、録画予約操作、及び再生操作等の各種操作を受け付ける。
機器別CM情報取得部5610は、その受信機5000を管理する管理サーバ3000から、その受信機5000向けに生成された機器別CM情報3312を取得する。
CM情報管理部5620は、機器別CM情報3312に含まれる対象CMの放送枠の情報を参照し、録画番組蓄積部5830に格納される録画番組(A)5831、録画番組(B)5832・・・の中に対象CMが含まれているか否かを録画処理部5740に検索させる。対象CMが含まれていなかった場合には、CM情報管理部5620は、録画予約されている放送番組の中に対象CMの放送枠が含まれているか否かを録画処理部5740に検索させる。例えば対象CMの放送枠が含まれていなかった場合には、CM情報管理部5620は、録画処理部5740に対象CMの放送枠を含む放送番組を録画させる。
ただし、このとき、CM情報管理部5620は、録画処理部5740に対象CMのみを録画させてもよい。または、CM情報管理部5620は、録画処理部5740に対象CMを含む録画番組から対象CMのみを抽出して別途保存させてもよい。対象CMを別途保存する際、例えばプレビュー用のサイズまたはポータル画面への変更等の編集処理を行って、対象CMを再生するときのレスポンスを高めてもよい。対象CMを別途保存しておくことで、例えばユーザにより、対象CMを含む録画番組を未視聴のまま削除されてしまうことなどを回避することができる。
なお、その受信機5000が接触すべき対象CMが複数あり、機器別CM情報3312に各対象CMへの接触の優先順位が付与されているときは、CM情報管理部5620は、その優先順位に従って上記の処理を行う。
CM情報管理部5620は、対象CMを含む録画番組が録画番組蓄積部5830に格納された状態で、CM再生情報5811を生成してCM再生情報蓄積部5810に格納する。CM再生情報5811は、対象CMの放送枠、対象CMを含む録画番組、その録画番組中の対象CMの録画位置、および接触の有無を判定するための最小接触回数等の情報を含む。
CM情報管理部5620は、放送中の放送番組のライブ視聴操作または録画番組の再生操作等のユーザによる操作を操作受け付け部5760が受け付けると、CM再生情報蓄積部5810に格納されたCM再生情報5811を参照して、ライブ視聴されている放送番組に対象CMが含まれているか否かをライブ視聴処理部5730に判定させ、または再生されている録画番組に対象CMが含まれているか否かを再生処理部5750に判定させる。対象CMが含まれている場合には、CM情報管理部5620は、ライブ視聴処理部5730または再生処理部5750に、視聴者の対象CMへの接触の有無を判定させる。このとき、例えば、対象CMが任意の比率の時間以上、視聴または再生された場合に対象CMへの接触ありと判定される。ただし、このような判定手法は一例であり、対象CMへ接触の有無の判定手法はこれに限られない。
CM履歴生成部5630は、対象CMへの接触判定がされると対象CMへの接触があったことを示すCM接触履歴5821を生成して視聴履歴蓄積部5820に格納する。また、CM履歴生成部5630は、対象CMへの接触判定が1回なされるごとに対象CMへの接触回数をカウントアップし、接触回数が最小接触回数に到達するとCM接触完了履歴5822を生成して視聴履歴蓄積部5820に格納する。
CM履歴送信部5640は、CM接触履歴5821が生成されるごとに、CM接触履歴5821を管理サーバ3000へ送信する。また、CM履歴送信部5640は、生成されたCM接触完了履歴5822を管理サーバ3000へ送信する。
上述の管理サーバ3000の視聴履歴取得部3210は、受信機5000ごとのCM接触履歴5821およびCM接触完了履歴5822をCM視聴履歴3321として取りまとめ、視聴履歴蓄積部3320に格納する。
CM履歴送信部5640がCM接触完了履歴5822を管理サーバ3000へ送信すると、その対象CMに関するCM再生情報5811はCM情報管理部5620により破棄される。
なお、受信機5000の上記に挙げた各機能部は単なる一例である。受信機5000の所定の機能部が更に細分化された複数の機能部に分割されていてもよい。また、受信機5000の上記に挙げた幾つかの機能部が統合されて1つの機能部となっていてもよい。また、受信機5000が、上記に挙げた機能部を全て有していなくともよく、また、上記に挙げた機能部以外の機能部を有していてもよい。
(管理サーバにおけるCM接触要求処理)
次に、図7を用いて、実施形態1の管理サーバ3000における送信処理としてのCM接触要求処理の例について説明する。図7は、実施形態1にかかる管理サーバ3000におけるCM接触要求処理の手順の一例を示すフロー図である。
広告主MCまたは広告会社ADは、キャンペーン期間等の特定期間および目標接触数を設定したスポットCMを放送局1000に出稿し、放送局1000は契約に基づき出稿されたスポットCMを放送する。それに伴い、放送局1000、広告主MC、または広告会社ADは、その時点で目標接触数を到達できていないスポットCMについての情報を管理サーバ3000へと送信する。
管理サーバ3000は、以下のフローにより、CM情報3311を登録し、対象CMへの最小接触回数に満たない受信機5000に対して対象CMへの接触要求を行う。
図7に示すように、管理サーバ3000のCM情報取得部3110は、新たにCM情報3311を取得してCM情報蓄積部3310に格納する(ステップS101)。
CM接触機器別判定部3120は、CM情報3311を参照して、対象CMに対して設定された特定期間がその時点において過ぎていないことを確認し(ステップS102:Yes)、対象CMに対して設定された目標接触数が未達であることを確認したうえで(ステップS103:Yes)、管理サーバ3000が管理する複数の受信機5000について、その時点で得ている受信機5000の視聴履歴を参照して、CM情報3311に含まれる対象CMの接触判定を行う(ステップS104)。このとき、CM接触機器別判定部3120は、対象CMへの接触が完了している受信機5000の一覧と、対象CMへの接触が完了していない受信機5000の一覧とを生成する。
CM接触機器別判定部3120は、これらの一覧に基づき対象CMへの接触が完了していない受信機5000がない場合には(ステップS104:No)、処理を終了する。
対象CMへの接触が完了していない受信機5000があった場合には(ステップS104:Yes)、機器別CM情報生成部3130は、それらの受信機5000に向けて機器別CM情報3312を生成してCM情報蓄積部3310に格納する(ステップS105)。1つの受信機5000について対象CMが複数あるときは、機器別CM情報生成部3130は、機器別CM情報3312に対象CMごとの優先順位も付与する。機器別CM情報送信部3140は、生成された機器別CM情報3312を対応する受信機5000に送信する(ステップS106)。
視聴履歴取得部3210は、送信された機器別CM情報3312に基づき所定の処理を行った受信機5000から適宜、CM接触履歴5821およびCM接触完了履歴5822を取得し、CM視聴履歴3321として取りまとめて視聴履歴蓄積部3320に格納する(ステップS107)。
ステップS102~S107の処理は所定回数行われる。
すなわち、次のサイクルにおいて、CM接触機器別判定部3120は対象CMについて特定期間中であるか否かを判定する(ステップS102)。特定期間を過ぎていた場合には(ステップS102:No)処理を終了し、特定期間中であった場合には(ステップS102)、CM接触機器別判定部3120は対象CMについての目標接触数が未達であるか否かを判定する(ステップS103)。目標接触数に達していた場合には(ステップS103:No)処理を終了し、目標接触数が未達であった場合には(ステップS103:Yes)、対象CMへの接触が未達の受信機5000の有無を判定する(ステップS104)。このとき、CM接触機器別判定部3120は、ステップS107で取得されたCM視聴履歴3321に基づき、対象CMへの接触が完了している受信機5000の一覧と、対象CMへの接触が完了していない受信機5000の一覧とを更新する。対象CMへの接触が完了していない受信機5000がない場合には(ステップS104:No)、管理サーバ3000は処理を終了する。
対象CMへの接触が完了していない受信機5000があった場合には(ステップS104:Yes)、機器別CM情報生成部3130は、対象CMへの接触が完了していない受信機5000の一覧を参照して、それらの受信機5000に向けた機器別CM情報3312を更新する(ステップS105)。機器別CM情報3312の更新は、ステップS107で取得されたCM視聴履歴3321に基づき行われる。機器別CM情報送信部3140は、更新された機器別CM情報3312を受信機5000に送信し(ステップS106)、視聴履歴取得部3210はCM視聴履歴3321を取得する(ステップS107)。
このように、管理サーバ3000は、特定期間を過ぎるまで(ステップS102:No)、目標接触数に到達するまで(ステップS103:No)、または、管理サーバ3000が管理する全ての受信機5000において対象CMへの接触が完了するまで(ステップS104:No)、これらの処理を繰り返す。
ステップS102~S104のいずれかにより、ステップS102~S107の繰り返し処理が終了すると、視聴履歴送信部3220は、例えば放送局1000へCM視聴履歴3321を送信する(ステップS108)。
以上により、実施形態1の管理サーバ3000におけるCM接触要求処理が終了する。その後、CM視聴履歴3321を受信した放送局1000は、例えば広告会社ADや広告主MCに、所定のスポット広告の接触結果を通知してもよい。
(受信機における録画再生処理)
次に、図8及び図9を用いて、実施形態1の受信機5000における受信処理としての録画再生処理の例について説明する。図8は、実施形態1にかかる受信機5000における録画再生処理の手順の一例を示すフロー図である。
受信機5000は、以下のフローにより、対象CMについての機器別CM情報3312を管理サーバ3000から受信し、必要に応じて対象CMを放送局1000による放送から取得して視聴者に優先的に接触させるよう制御し、対象CMへの接触状況を管理サーバ3000に送信する。
図8に示すように、受信機5000の機器別CM情報取得部5610は、その受信機5000を管理する管理サーバ3000から、その受信機5000に向けた機器別CM情報3312を取得する(ステップS201)。
CM情報管理部5620は、録画番組蓄積部5830に格納される録画番組(A)5831、録画番組(B)5832・・・を検索し(ステップS202)、機器別CM情報3312の対象CMの放送枠の情報から、これらの録画番組の中に対象CMが存在するか否かを判定する(ステップS203)。対象CMが存在していれば(ステップS203:Yes)、ステップS205に進む。
対象CMが存在していなければ(ステップS203:No)、CM情報管理部5620は、所定の処理を行って対象CMを確保する(ステップS204)。ステップS204の所定の処理の詳細については図9を用いて後述する。
対象CMを含む録画番組が得られている状態で、CM情報管理部5620は、CM再生情報5811を生成してCM再生情報蓄積部5810に格納する(ステップS205)。
放送番組のライブ視聴操作、録画番組の再生操作、対象CMだけを抽出した録画、プレビューまたはポータル画面の再生操作等のユーザによる操作を操作受け付け部5760が受け付けると(ステップS206)、ライブ視聴処理部5730または再生処理部5750は、視聴者が接触すべき対象CMの情報についてCM情報管理部5620に問い合わせる。問い合わせを受けたCM情報管理部5620は、CM再生情報5811を参照して、対象CMの放送枠を含む放送番組、または、対象CMを含む録画番組及び対象CMの含まれる録画位置等をライブ視聴処理部5730または再生処理部5750へと送信する。
これらの情報を受け取ったライブ視聴処理部5730または再生処理部5750は、ライブ視聴中の放送番組または再生中の録画番組等に対象CMが含まれるか否かを判定する(ステップS207)。対象CMが含まれない場合には(ステップS207:No)、受信機5000はユーザによる新たな操作を待つ(ステップS206へ)。
ライブ視聴中の放送番組または再生中の録画番組等に対象CMが含まれる場合には、ライブ視聴処理部5730または再生処理部5750は、視聴者による対象CMへの接触があったか否かを判定する(ステップS208)。ライブ視聴の場合、かかる判定は、対象CMの放送枠の時間帯までライブ視聴が継続されたか否かによってなされる。録画番組の再生の場合、かかる判定は、対象CMの録画位置まで再生が継続されたか否かによってなされる。上述のように、対象CMは全体が視聴または再生されなくとも任意の比率の時間以上、視聴または再生されれば対象CMへの接触があったものと判定される。ライブ視聴または再生が対象CMの任意の比率の時間に至ることなく停止された場合には、対象CMへの接触はなかったものとして(ステップS208:No)、受信機5000はユーザによる新たな操作を待つ(ステップS206へ)。
ただし、ステップS207及びステップS208の判定は、ライブ視聴処理部5730または再生処理部5750から視聴履歴または再生履歴の情報を受け取ったうえで、CM情報管理部5620が行ってもよい。
対象CMへの接触ありと判定された場合には(ステップS208:Yes)、CM履歴生成部5630は、CM接触履歴5821を生成して視聴履歴蓄積部5820に格納する。また、CM履歴送信部5640は、CM接触履歴5821を管理サーバ3000に送信する(ステップS209)。
CM履歴生成部5630は、対象CMへの接触回数をカウントアップして最小接触回数と比較する(ステップS210)。対象CMへの接触回数が最小接触回数未満である場合には(ステップS210:No)、CM履歴生成部5630は対象CMへの接触回数のカウントアップを継続する(ステップS206へ)。
対象CMへの接触回数が最小接触回数以上となった場合には(ステップS210:Yes)、CM履歴生成部5630は、CM接触完了履歴5822を生成して視聴履歴蓄積部5820に格納する。また、CM履歴送信部5640は、CM接触完了履歴5822を管理サーバ3000に送信する(ステップS211)。
CM接触完了履歴5822が生成されると、CM情報管理部5620は、その受信機5000が目標を達成したものとして、その対象CMに関するCM再生情報5811を破棄する(ステップS212)。
以上により、実施形態1の受信機5000における録画再生処理が終了する。なお、その受信機5000が接触すべき対象CMが複数あるときは、機器別CM情報3312に付与された対象CMごとの優先順位にしたがって上記のフローを行う。優先順位にしたがう処理とは、例えば、未入手の対象CMが複数あるときに、優先順位の高い対象CMから先に確保するようにすることなどが考えられる。
次に、ステップS204の処理の詳細について説明する。
図9は、実施形態1にかかる受信機5000による対象CMを確保する処理の手順の一例を示すフロー図である。図9は、図8における録画番組蓄積部5830に格納される録画番組(A)5831、録画番組(B)5832・・・中に対象CMを含むものがなかった場合(ステップS203:No)に継続して行われる。
図9に示すように、CM情報管理部5620は、対象CMの放送枠を含む未放送番組の情報を録画処理部5740に渡す。録画処理部5740は、既に登録済みの録画予約の中に対象CMの放送枠を含む未放送番組が存在するか否かを判定する(ステップS221)。対象CMの放送枠を含む未放送番組が録画予約されていなかった場合には(ステップS221:No)、ステップS223に進む。
対象CMの放送枠を含む未放送番組が録画予約されていた場合には(ステップS221:Yes)、録画処理部5740は、その録画予約がされている未放送番組よりも早い時間帯に対象CMの放送枠が存在するか否かを判定する(ステップS222)。早い時間帯の放送枠が無い場合には(ステップS222:No)、ステップS224に進む。
早い時間帯の放送枠がある場合には(ステップS222:Yes)、録画処理部5740は、その中から最も早い時間帯の対象CMの放送枠を含む未放送番組の録画予約をする(ステップS223)。
ただし、ステップS221及びステップS222の判定は、録画処理部5740から録画予約の情報を受け取ったうえで、CM情報管理部5620が行ってもよい。
上述のいずれかのフローにおいて録画予約された未放送番組が、その未放送番組の放送時間になると対象CMを含む形で録画される(ステップS224)。
以上により、実施形態1の受信機5000におけるステップS204の処理が終了する。
上述のように、スポットCMには以下のような課題がある。例えば、広告主MCは、確実な目標到達のため、目標到達数の予測より多数の番組において、回数も増加させたうえでスポットCMを放送する必要がある。また、放送番組向けのスポットCMとは別に、ウェブ用のCM素材を作成する必要が生じる場合がありコストが増大する。ウェブ用のCM素材を作成する場合、ウェブ用CMの出稿プラン等も検討する必要がありプランニングも複雑化してしまう。
特許文献1は、キャンペーン期間(出稿期間)を過ぎたCMが含まれる録画番組を再生する際に、そのCMを最新のものに置き換えて再生する技術に関する。しかしながら、特許文献1の技術では、キャンペーン期間中のCMへの接触状況を判別することができず、広告主側の要求に合ったCM接触数の制御ができない。また、ユーザによる明示的な再生動作が伴わない限り、CMの再生が行われないため、接触数を効率的に増加させることが困難である。
実施形態1のシステムでは、管理サーバ3000で生成された機器別CM情報3312により、接触数が目標に満たないスポットCMを指定して接触を促すことができる。また、受信機5000に対象CMを含む録画番組等を確保させることで、視聴者に、優先的に対象CMに接触させることができる。これらの処理により、受信機5000の通常利用を妨げることもない。また、管理サーバ3000が受信機5000における対象CMへの接触履歴を収集して管理することで、目標の達成度合いを把握することができる。
このように、実施形態1のシステムでは、接触数が目標に満たないスポットCMについて、ウェブCM等を併用することなく接触数を向上させることができ、CM作成等のコストを下げることができる。
また、実施形態1のシステムでは、接触数が目標に満たないスポットCMについて、スポットCMの購入に付随する情報を管理サーバ3000に登録させるだけで、特別な手数をかけることなく接触数の向上を図ることができる。
また、実施形態1のシステムでは、目標に満たない受信機5000に対し、新たにCMコンテンツを用意して配信することなく、対象CMへの接触を促すことができる。
また、実施形態1のシステムでは、対象CMへの接触結果を容易に集計することが可能になる。
なお、上述の実施形態1では、受信機5000が放送局1000から放送される対象CMを確保することとしたが、これに限られない。例えば、放送局1000は、目標接触数を到達できていないスポットCMを放送するのみならず、CM配信用サーバ4000に格納してもよい。受信機5000は、機器別CM情報3312にしたがって、CM配信用サーバ4000内のスポットCMのうち、その受信機5000における最小接触回数が未達の対象CMをCM配信用サーバ4000からダウンロードするようにしてもよい。あるいは、管理サーバ3000が、CM情報3311にしたがって、それぞれの受信機5000の対象CMをCM配信用サーバ4000から取得し、それぞれの受信機5000に配信するようにしてもよい。
[実施形態2]
以下、図面を参照して、実施形態2について詳細に説明する。実施形態2のシステムでは、放送番組のライブ視聴時および動画コンテンツの視聴時に対象CMへの接触を促す。
(システムの構成例)
図10は、実施形態2にかかるシステムを含む全体構成を示す図である。図10に示すように、実施形態2のシステムも実施形態1のシステムと同様の構成を備える。つまり、実施形態2のシステムでは、放送局1000から放送信号を受信した受信機5000aが、放送番組等のライブ視聴可能に構成される。また、実施形態2のシステムでは、動画コンテンツ配信サーバ2000から、インターネット等のネットワークを介して動画コンテンツを受信した受信機5000aが、動画コンテンツの視聴可能に構成される。
動画コンテンツ配信サーバ2000は、受信機5000aに対して、ビデオコンテンツ等の動画コンテンツを配信するサーバである。また、動画コンテンツ配信サーバ2000は、ウェブサイト上の一部または全体を用いてCMコンテンツを表示させる素材を配信する。
(受信機の構成例)
図11は、実施形態2にかかる受信機5000aの機能部の構成例を示す図である。図11に示すように、受信機5000aは、実施形態1の受信機5000の構成に加えて、CM取得部5910、CM差し替え部5920、及びCM蓄積部5840を備える。
CM取得部5910は、対象CMを確保する。
具体的には、CM取得部5910は、録画番組蓄積部5830に格納される録画番組(A)5831、録画番組(B)5832・・・を検索し、機器別CM情報3312の対象CMの放送枠の情報から、これらの録画番組の中に対象CMが存在するか否かを判定する。
CM取得部5910は、対象CMが存在していなければ、図9に示すフローと同様のフローを行って、対象CMを含む未放送番組のうち、最も早い時間帯に対象CMの放送枠を有する未放送番組を録画する。
CM取得部5910は、このようにして得た録画番組の中から対象CMを抽出し、CM(A)5841、CM(B)5842・・・等としてCM蓄積部5840に格納する。CM蓄積部5840は、例えばキャッシュを一時的に記録するDRAM処理部5104等のハードウェア構成により実現され、CM(A)5841、CM(B)5842・・・等を一時的に格納する。これにより、CM(A)5841、CM(B)5842・・・等は、ユーザに意識されることなく、録画番組の中から抽出されて格納され、必要に応じて更新されることもできる。
CM差し替え部5920は、視聴中の放送番組および動画コンテンツ並びに再生中の録画番組に含まれるCMを対象CMに差し替える。
具体的には、CM差し替え部5920は、ライブ視聴中の放送番組に差し替えを許可されたCM枠が含まれる場合には、そのCMを、CM取得部5910が確保した対象CMに差し替える。差し替えを許可されたCM枠とは、すなわち、上述のアドレッサブルCM枠である(図1参照)。
CM差し替え部5920によるCMの差し替えは、例えば、アドレッサブルCMの配信技術を用いて行われる。具体的には、放送番組の本編が開始されると、受信機5000aにおいて、アドレッサブルCMの配信に関するハイブリッドキャストアプリケーションが非表示状態で起動される。放送信号に含まれ、一般向けのCM開始を予告するイベントメッセージが受信されると、ハイブリッドキャストアプリケーションは、放送動画に重ねて透明画面等を表示する。これにより、放送番組本編の視聴を妨げない。放送信号に含まれるCM開始を示すイベントメッセージが受信されると、取得した対象CMが放送CMに重ねて再生される。対象CMの再生が終了するタイミングで、放送信号に含まれるCM終了を示すイベントメッセージが受信され、放送番組の本編が再開する。
また、CM差し替え部5920は、視聴中の動画コンテンツ及び再生中の録画番組に含まれるCMを、CM取得部5910が確保した対象CMに差し替える。動画コンテンツ及び録画番組に含まれるCM位置は、動画コンテンツの中から画像認識等により検出され、そのCM位置に合わせて対象CMが再生される。
対象CMが再生されると、上述の実施形態1と同様、対象CMへの接触があったものと判定され、CM履歴生成部5630がCM接触履歴5821およびCM接触完了履歴5822を生成し、CM履歴送信部5640がこれらを管理サーバ3000へと送信する。
実施形態2のシステムでは、ユーザによる対象CMの視聴または再生を待たず、自動で対象CMの再生を行うことで、よりいっそう効率的に接触数の増加を図ることができる。これにより、対象CMの目標到達率を向上させることができる。
なお、上述の実施形態2においても、放送局1000が目標接触数未達のスポットCMをCM配信用サーバ4000に格納し、受信機5000aが直接、その受信機5000aにおける対象CMを取得し、あるいは、管理サーバ3000が各々の受信機5000aの対象CMを取得して受信機5000aに配信するようにしてもよい。
[実施形態3]
以下、図面を参照して、実施形態3について詳細に説明する。実施形態3のシステムでは、視聴者が所有する情報端末等の外部機器との連携を図る。
(システムの構成例)
図12は、実施形態3にかかるシステムを含む全体構成を示す図である。図12に示すように、実施形態3のシステムでは、受信機5000bの視聴者が所有する情報端末6000が、ネットワークを介して受信機5000bに紐づけられている。
情報端末6000は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、他の受信機等の外部機器であり、少なくともネットワーク通信機能と動画コンテンツ再生機能とを有する。
(受信機の構成例)
図13は、実施形態3にかかる受信機5000bの機能部の構成例を示す図である。図13に示すように、受信機5000bは、実施形態1の受信機5000の構成に加えて、CM取得部5910、CM送信部5930、CM蓄積部5840、及び端末情報蓄積部5850を備える。
端末情報蓄積部5850には、受信機5000bの視聴者が所有する情報端末(A)5851、情報端末(B)5852・・・等の情報が格納されている。これらの情報は、例えば、受信機5000bに接続される表示器5002等に表示されたQRコード(登録商標)等の二次元コード、または数ケタの数字コード等を用いてユーザが登録することができる。
CM取得部5910は、実施形態2と同様に対象CMを確保し、CM(A)5841、CM(B)5842・・・等としてCM蓄積部5840に格納する。CM蓄積部5840は、上述のように、例えばDRAM処理部5104等のハードウェア構成により実現され、CM(A)5841、CM(B)5842・・・等を一時的に格納する。
CM送信部5930は、対象CMが確保されると、端末情報蓄積部5850に格納された情報端末(A)5851、情報端末(B)5852・・・等の情報を参照して、受信機5000bに関連付けられた情報端末6000に、ネットワークを介して対象CMを送信する。
(情報端末の構成例)
図14は、実施形態3にかかる情報端末6000の機能部の構成例を示す図である。図14に示すように、情報端末6000は、動画コンテンツ受信部6110及び動画視聴処理部6120を備える。
動画コンテンツ受信部6110は、例えば、受信機5000bからの対象CM及び動画コンテンツ配信サーバからの動画コンテンツ等を受信する。
動画視聴処理部6120は、受信された受信機5000bからの対象CM及び動画コンテンツ配信サーバからの動画コンテンツ等の視聴の処理を行う。
実施形態3のシステムでは、視聴者の情報端末6000に対象CMを送信することで、よりいっそう効率的に接触数の増加を図ることができる。これにより、対象CMの目標到達率を向上させることができる。
なお、上述の実施形態3においても、放送局1000が目標接触数未達のスポットCMをCM配信用サーバ4000に格納し、受信機5000bが直接、その受信機5000bにおける対象CMを取得し、あるいは、管理サーバ3000が各々の受信機5000bの対象CMを取得して受信機5000bに配信するようにしてもよい。
以上のように、上述の実施形態1~3のシステムでは、例えば、管理サーバ3000により、接触数が目標に満たないスポットCMを指定して接触を促すことができる。また、受信機5000により、視聴者に優先的に対象CMに接触させることができる。これらの処理により、受信機5000の通常利用を妨げることもない。
実施形態1~3のシステムでは、例えば、接触数が目標に満たないスポットCMについて、ウェブCM等を併用することなく接触数を向上させることができ、CM作成等のコストを下げることができる。
実施形態1~3のシステムでは、例えば、接触数が目標に満たないスポットCMについて、スポットCMの購入に付随する情報を管理サーバ3000に登録させるだけで、特別な手数をかけることなく接触数の向上を図ることができる。
実施形態1~3のシステムでは、例えば、目標に満たない受信機5000に対し、新たにCMコンテンツを用意して配信することなく、対象CMへの接触を促すことができる。
実施形態1~3のシステムでは、例えば、対象CMへの接触結果を容易に集計することが可能になる。
実施形態1~3のシステムでは、例えば、ユーザによる対象CMの視聴または再生を待たず、自動で対象CMの再生を行うことで、よりいっそう効率的に接触数の増加を図ることができる。これにより、対象CMの目標到達率を向上させることができる。
実施形態1~3のシステムでは、例えば、視聴者の情報端末6000に対象CMを送信することで、よりいっそう効率的に接触数の増加を図ることができる。これにより、対象CMの目標到達率を向上させることができる。
[その他の実施形態]
上述の実施形態1~3では、例えば放送番組および動画コンテンツの視聴、または録画番組の再生時に、対象CMへの接触を促すこととしたが、受信機5000,5000a,5000b等の有する映像再生機能を用いたブルーレイディスク等の映像再生時にも、対象CMへの接触を促してもよい。
また、上記実施形態に示した各構成要素を、コンピュータのハードディスク装置などのストレージにインストールしたプログラムで実現してもよく、また上記プログラムを、コンピュータ読取可能な電子媒体に記憶しておき、プログラムを電子媒体からコンピュータに読み取らせることで本発明の機能をコンピュータが実現するようにしてもよい。電子媒体としては、例えばCD-ROM等の記録媒体やフラッシュメモリ、リムーバブルメディア等が含まれる。さらに、ネットワークを介して接続した異なるコンピュータに構成要素を分散して記憶し、各構成要素を機能させたコンピュータ間で通信することで実現してもよい。
本発明の実施形態について説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。