JP7120597B2 - 農作業機、耕耘爪の変形判定方法及びプログラム - Google Patents

農作業機、耕耘爪の変形判定方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、農作業機及び耕耘爪の変形判定方法に関する。
農作業用のロータリー作業機などに装備する耕耘爪は、耕耘作業の際の土壌との接触により徐々に摩耗が進行する。摩耗が進行するにしたがい、耕耘性能が低下してゆき、最終的には土壌の放擲能力や反転能力が低下して、適切な耕耘作業が行えない状態となる。そのため、農作業者は、定期的に耕耘爪の摩耗の度合いを確認し、ある程度まで摩耗が進行したら速やかに交換することで対応している。
このような耕耘爪の交換時期を判断するために、例えば特許文献1には、耕耘爪の交換の目安となる摩耗後のラインに沿う位置に、両面から視認できるリブを設ける技術が記載されている。
実用新案登録第3198032号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術の場合、結局、耕耘爪の摩耗の度合いは農作業者が目視で確認しなければならず、確認を忘れてしまったり、面倒で確認を怠ったりした場合には、耕耘爪の交換時期を逸してしまう可能性があるという問題があった。
また、ロータリー作業機で耕耘作業を行う際に、耕耘爪に土が付着する場合がある。そのような場合、特許文献1に記載された技術では、土の影響でリブが視認できず、摩耗の度合いを判断することができない場合があるという問題があった。
さらに、耕耘作業中、耕耘爪が圃場に埋没していた石等に当たり、折損もしくは屈曲してしまった場合において、特許文献1に記載された技術では、耕耘作業が終了するまで耕耘爪の異常に気付くことができないという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、農作業者の目視によらず、耕耘爪の摩耗、折損、屈曲等による形状の変化(すなわち、変形)を判定する方法を提供することを課題とする。
本発明の一実施形態における農作業機は、複数の耕耘爪を含む耕耘ロータと、前記耕耘ロータの上に配置されたシールドカバーと、前記シールドカバーに対して上下方向に回動可能に接続された整地体と、前記耕耘爪との間における磁場の大きさを検出する磁気センサと、を有する。
前記磁気センサは、ホール素子を含むホールセンサ(ホールICともいう)であってもよい。磁気センサとしてホール素子を用いる場合、前記耕耘爪の少なくとも一つは磁石を有し、前記磁気センサは、前記磁石によって生じる磁場の大きさに応じた検出信号を出力するものを用いてもよい。
前記磁気センサは、磁気抵抗効果素子を含むものであってもよい。また、磁気センサは、磁気抵抗効果素子と組み合わせてバイアス磁石を含んでもよい。磁気センサとして磁気抵抗効果素子を用いる場合、前記磁気センサは、前記耕耘爪の回転に伴い前記磁気センサに作用する磁束密度の変化に応じた検出信号を出力するものを用いてもよい。
前記磁気センサは、前記耕耘ロータと前記シールドカバーとの間に配置されていてもよい。また、前記磁気センサは、前記シールドカバーに設けられた開口部を介して前記耕耘ロータに対向して配置されていてもよい。
上述の農作業機は、前記磁気センサから出力された検出信号を受信する制御部を有していてもよい。前記制御部は、中央演算処理装置及び記憶装置を含み、前記記憶装置は、前記中央演算処理装置に、前記磁気センサから取得した検出信号に基づいて前記耕耘爪の変形を判定する処理を実行させるためのプログラムを記憶していてもよい。
また、前記記憶装置は、前記磁気センサから取得した第1検出信号の最大値を記憶し、前記プログラムは、前記中央演算処理装置に、前記記憶装置から読み出した前記第1検出信号の最大値と前記磁気センサから取得した第2検出信号の最大値とを比較する処理を実行させてもよい。
本発明の一実施形態における方法は、農作業機が有する耕耘ロータに含まれる耕耘爪の変形判定方法であって、前記耕耘爪が有する磁石により生じる磁場の大きさを、磁気センサを用いて検出信号として取得し、前記検出信号に基づいて、前記耕耘爪の変形を判定する。
また、本発明の一実施形態における方法は、農作業機が有する耕耘ロータに含まれる耕耘爪の変形判定方法であって、前記耕耘爪の回転に伴い磁気センサに作用する磁束密度の変化を、前記磁気センサを用いて検出信号として取得し、前記検出信号に基づいて、前記耕耘爪の変形を判定する。
上述の方法においても、前記磁気センサは、ホール素子を含むホールセンサ(ホールICともいう)であってもよいし、磁気抵抗効果素子を含むものであってもよい。磁気抵抗効果素子を用いる場合、磁気抵抗効果素子とともにバイアス磁石を併用することが好ましい。
上述の方法は、前記磁気センサから取得した第1検出信号の最大値を記憶装置に記憶し、前記記憶装置から読み出した前記第1検出信号の最大値と前記磁気センサから取得した第2検出信号の最大値とを比較することにより、前記耕耘爪の変形を判定するものであってもよい。
本発明の一実施形態におけるプログラムは、コンピュータに、上述の耕耘爪の変形を判定する処理を実行させる。ここでいう「コンピュータ」は、農作業機が備える制御部であってもよいし、ネットワークを介して制御部と通信する他の情報処理端末であってもよい。
本発明によれば、農作業者の目視によらず、耕耘爪の摩耗、折損、屈曲等による変形を判定することが可能となる。
第1実施形態の農作業機の構成を背面側から示す図である。 第1実施形態の農作業機の構成を左側方から示す断面図である。 第1実施形態の農作業機における耕耘爪の変形判定方法を説明するための図である。 第1実施形態の農作業機における耕耘爪の変形判定方法を説明するための図である。 第1実施形態の磁気センサから出力される検出信号の変化を説明するための波形図である。 第2実施形態の農作業機における耕耘爪の変形判定方法を説明するための図である。 第3実施形態の農作業機の構成を左側方から示す断面図である。 第4実施形態の農作業機における耕耘爪の変形判定方法を説明するための図である。 第5実施形態の磁気センサから出力される検出信号の変化を説明するための波形図である。
以下、図面を参照して本発明の農作業機及び耕耘爪の変形判定方法の実施形態について説明する。但し、本発明の農作業機及び耕耘爪の変形判定方法は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す例の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本実施の形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
本願の明細書及び特許請求の範囲において、「上」は圃場から垂直に遠ざかる方向を示し、「下」は圃場に向かって垂直に近づく方向を示す。また、「前」は作業機を基準として走行機体が位置する方向を示し、「後」は前とは180°反対の方向を示す。また、「左」は作業機を基準として走行機体が位置する方向に向かったときの左を示し、「右」は左とは180°反対の方向を示す。
〈第1実施形態〉
[農作業機の構成]
図1は、第1実施形態の農作業機100の構成を背面側から示す図である。図2は、第1実施形態の農作業機100の構成を左側方から示す断面図である。具体的には、図2は、農作業機100のエプロン(整地体とも呼ばれる。)130を通常位置に下降させた状態を左側方から示している。
本実施形態の農作業機100は、大別して、フレーム110、シールドカバー120、エプロン130、サイドプレート140、耕耘ロータ150、制御部170、磁気センサ180等を含む。
フレーム110は、トラクタ等の走行機体(図示せず)とトップマスト135及びロアリンク連結部136により接続される。フレーム110は、例えば円筒形であり、チェーンケース105に通じる内部には動力伝達軸(図示せず)を有する。この動力伝達軸は、トラクタ等の走行機体が有するPTO軸からPIC(Power Input Connection)シャフト137を経て伝達される回転動力の向きを、進行方向に対して左右方向へと切り替える役割を果たす。フレーム110内の動力伝達軸は、農作業機100の側部に配置されたチェーンケース105に接続され、このチェーンケース105内のチェーン伝達機構によって、耕耘ロータ150の回転軸152に動力が伝達される。
耕耘ロータ150は、農作業機100の幅方向に延びる回転軸152と、この回転軸152にフランジ153を介して装着された複数の耕耘爪154とで構成される。図1に示されるように、農作業機100の背面側から見た場合、複数の耕耘爪154は、左方向に湾曲した耕耘爪154L(以下「L爪154L」と記す。)と、右方向に湾曲した耕耘爪154R(以下「R爪154R」と記す。)とで構成され、回転軸152の軸方向に所定の間隔で取付けられる。さらに、本実施形態では、1つのフランジ153につき、複数本の耕耘爪154が取付けられる。なお、図2では、1つのフランジ153に対して、2本のL爪154L及び2本のR爪154Rが装着されているが、装着される耕耘爪の種類や本数はこれに限られるものではない。
図1に示されているように、農作業機100を背面側から見た場合、向かい合って配置されているR爪154R、L爪154Lは、互いの爪先がオーバーラップしている。したがって、個々のL爪154L、R爪154Rが土を掘り起こす領域の幅は、隣接するL爪154L、R爪154Rの間で一部重複している。なお、本実施形態の農作業機100においては、耕耘ロータ150は、図2において矢印155で示す方向に回転する。
シールドカバー120は、耕耘ロータ150の上方を覆うように配置される。シールドカバー120の側面には、サイドプレート140が設けられる。サイドプレート140は、チェーンケースプレート、サイドフレーム、支持フレーム等と呼ばれる場合もある。図2においては、サイドプレート140の図示が省略されている。
エプロン130は、耕耘ロータ150の後方に配置され、シールドカバー120に対して接続部160を軸として上下方向に回転可能となっている。エプロン130の重心は、接続部160よりも後方にあるため、エプロン130は自重により下降しようとする。エプロン130の先端にはステンレスの整地板132が取付けられている。整地板132はエプロン130の内側から外側に向かってループを描くように構成されている。この整地板132が耕耘ロータ150によって掘り起こされた圃場を平坦にする。
また、整地板132の両端には可動式の延長整地板134が設けられている。延長整地板134を開くことによって整地板132とともに広い幅の範囲を整地することが可能になる。
制御部170は、図示しない中央演算処理装置(CPU)、記憶装置(メモリ)及び通信装置を含み、外部から受信した信号(例えば、リモコン信号)を処理したり、逆に、内部で生成した信号(例えば、駆動部の制御信号)を外部に送信したりする機能を有する。記憶装置は、各種データ及び各種プログラムを記憶している。中央演算処理装置は、記憶装置からプログラムを読み出して実行することにより、農作業機100が備えるアクチュエータ等の駆動部の動作を制御したり、後述する耕耘爪の変形判定処理を実行したりすることができる。
通信装置は、有線通信又は無線通信を行うための装置である。例えば、無線通信の場合は、例えば、近距離無線通信を可能とするモジュールやWiFi等の通信規格に従う無線通信を可能とするモジュールを搭載していてもよい。つまり、制御部170が備える通信装置は、ネットワーク上に接続されるサーバやユーザ端末等の情報処理端末や走行機体に搭載されたタブレットPC等の情報処理端末との間の通信を制御する機能を有していてもよい。
また、本実施形態において、制御部170は、耕耘ロータ150とシールドカバー120との間に配置された磁気センサ180と通信可能となっている。具体的には、本実施形態では、制御部170と磁気センサ180とがケーブル等により電気的に接続されている。ただし、通信方式は、有線方式に限らず、無線方式であってもよい。例えば、近距離無線通信を利用して制御部170と磁気センサ180との間の通信を行っても良い。
本実施形態では、磁気センサ180を用いて、耕耘爪154に配置された磁石10(図3参照)によって生じる磁場の大きさを検出する。具体的には、本実施形態では、磁気センサ180として、ホール素子を含むセンサ(ホールセンサ)を用いる例を示す。ホール素子とは、当該ホール素子に作用する磁場の大きさを、ホール効果を利用して電気信号に変換して出力する素子である。ホール効果とは、電流の流れているものに対し、電流に垂直に磁場をかけると、電流と磁場の両方に直交する方向に起電力が現れる現象をいう。
制御部170は、磁気センサ180から出力された検出信号を取得し、この検出信号を解析することにより、磁気センサ180と耕耘爪154との間の距離(厳密には、磁気センサ180と磁石10との間の距離)を求める。本実施形態では、このように取得した距離の変化に基づいて、耕耘爪154の変形の一例として摩耗の度合いを判定する。
本実施形態において、磁気センサ180は、図1に示されるように、農作業機100の幅方向に複数並べて配置されている。具体的には、磁気センサ180は、互いにオーバーラップするR爪154RとL爪154Lの両方から略等距離の位置(すなわち、隣接する2つのフランジ153の略中間点となる位置)に配置されている。ただし、これに限られるものではなく、磁気センサ180を配置する位置は、磁気センサ180の検出感度や磁石10の磁力の強さ等を考慮して適宜決定すればよい。
なお、耕耘ロータ150とシールドカバー120との間にゴム、樹脂、アルミニウム、ニッケル系ステンレス等の材料で形成されたカバー材が配置されていたとしても、磁力はそれらの材料を貫通して作用するため、十分な磁力を有する磁石を用いれば磁気センサ180の出力への影響は小さいと考えられる。また、図1及び図2では図示を省略しているが、磁気センサ180は、保護ケース等で囲まれていてもよい。
本実施形態において磁気センサ180として用いるホールセンサには、ラッチタイプ、スイッチタイプ、アナログ出力タイプ等、様々なタイプが存在するが、本実施形態の磁気センサ180としてはいずれのタイプを用いてもよい。また、磁石10としては、公知の如何なる磁石を用いてもよい。
ただし、磁気センサ180と耕耘爪154との間には、通常、数cmから数十cm程度の距離が空くため、できるだけ強力な磁力を有する磁石(例えばネオジム磁石)を用いることが好ましい。または、磁石10として扱いの容易なフェライト磁石を用い、磁気センサ180としてフェライト磁石の磁場を検出可能な感度を有する磁気センサを用いることが好ましい。
[耕耘爪の摩耗判定方法の構成]
本実施形態では、耕耘爪154の変形の一例として、摩耗による変形を判定する方法(摩耗判定方法)について説明する。図3及び図4は、第1実施形態の農作業機100における耕耘爪154の摩耗判定方法を説明するための図である。具体的には、図3は、耕耘爪154が摩耗する前の状態を示し、図4は、耕耘爪154が摩耗した後の状態を示している。図5は、磁気センサ180から出力される検出信号(検出電圧とも言える)の変化を説明するための波形図である。なお、図3及び図4では、耕耘爪154の一例としてR爪154Rを図示しているが、L爪154Lであっても原理は同じである。
図3において、耕耘爪154の先端付近には、磁石10が配置されている。磁石10は、耕耘爪154の表面に貼り付けて配置してもよいし、耕耘爪154に溝を設け、その内側に配置してもよい。なお、耕耘爪154に対して磁石10を貼り付けるにしても溝を設けて内側に配置するにしても、磁石10を配置する面は、耕耘爪154の使用時における表面摩耗の少ない側の面に配置することが好ましい。また、本実施形態では、刃縁部154aから峰縁部154bにかけて磁石10を配置しているが、これに限られるものではない。図3に示す矢印185は、磁石10によって生じる磁場の向きを表している。
また、本実施形態では、磁力の発生源として磁石10を配置する例を示したが、これに限られるものではない。例えば、耕耘爪154の表面塗装に粉末状の磁石を混ぜることにより耕耘爪154が磁石で覆われた状態としてもよい。このように、如何なる構成であれ、耕耘爪154が磁石を有していればよい。
前述のように、本実施形態の農作業機100は、制御部170が磁気センサ180と電気的に接続されている。磁気センサ180は、耕耘爪154に配置された磁石10によって生じる磁場の中に置かれる。具体的には、磁気センサ180は、耕耘爪154が回転して磁石10が最もシールドカバー120に近づいたとき、磁石10によって生じる磁場の大きさを検出可能な位置に配置される。
本実施形態では、図3に示されるように、耕耘爪154が最も磁気センサ180に接近した状態、すなわち、回転する耕耘爪154と磁気センサ180との間が最小距離Lとなった状態における検出信号を用いる。実際には、耕耘爪154の回転に伴い、磁石10は、磁気センサ180に近づいたり遠ざかったりする動作を繰り返す。したがって、磁気センサ180から出力される検出信号は、図5に示されるように、極大値(最大値)を有する波形となる。
本実施形態の場合、耕耘爪154と磁気センサ180との距離が最小距離Lとなったとき、磁気センサ180に作用する磁場の大きさ(すなわち磁束密度の絶対値)は最大となり、磁気センサ180から出力される検出信号は最大値となる。この検出信号の最大値は、耕耘爪154と磁気センサ180との間の距離に応じて変化する。
例えば、図4に示されるように、耕耘爪154が摩耗することで耕耘爪154と磁気センサ180との間の距離が△Lだけ広がると、その分だけ磁気センサ180に作用する磁場の大きさが減少する。その結果、磁気センサ180から出力される検出信号の最大値も減少する。本実施形態では、このような検出信号の最大値の変化分(すなわち差分)を求めることにより、耕耘爪154の摩耗の度合いを判定することができる。つまり、磁気センサ180から出力される検出信号に基づいて、最小距離Lの変化を検出することが可能となり、耕耘爪154の摩耗の度合いを判定することが可能となる。
磁気センサ180による磁場の大きさの検出は、磁気センサ180のサイズや位置を適切に設定することにより実現することができる。特に、図1に示されるように、磁気センサ180を隣接する2つのフランジ153の略中間点となる位置に配置することが好ましい。これにより、湾曲した耕耘爪154の先端付近が磁気センサ180の近傍を通過するため、最小距離Lを短くすることができ、磁気センサ180による磁場の大きさの検出を容易にすることができる。
ここで、図5において、波形51は、耕耘爪154が摩耗する前の新品の状態にあるとき、すなわち、耕耘爪154と磁気センサ180との間の最小距離Lが「L0」である場合に取得した検出信号の波形の一例である。この場合、磁気センサ180から出力される検出信号の電圧Vの最大値が「V0」(以下「参照値V0」と呼ぶ。)であるとする。
他方、図5において、波形52は、図4に示されるように、耕耘爪154が摩耗した後の状態にあるとき、すなわち、耕耘爪154と磁気センサ180との間の最小距離Lが「L1」=「L0+△L」である場合に取得した検出信号の波形の一例である。この場合、磁気センサ180から出力される検出信号の電圧Vの最大値は、「V1」(以下「計測値V1」と呼ぶ。)であるとする。
ただし、図5に示す波形は、1本の耕耘爪154に対して1つの磁気センサ180を設けた場合を想定した理想曲線を示している。
図5に示されるように、耕耘爪154が摩耗すると、磁気センサ180との間の最小距離Lは、「L0」から「L1」に変化するとともに、磁気センサ180に作用する磁場の大きさも変化する。これにより、磁気センサ180から出力される検出信号の最大値は、参照値V0から計測値V1に変化する。したがって、磁気センサ180から出力される検出信号を解析し、検出信号の最大値の差分(すなわち、V0-V1)を求めることにより、耕耘爪154と磁気センサ180との間の最小距離Lの変化、すなわち耕耘爪154の摩耗の度合いを判定することができる。
前述の磁場の大きさ(具体的には、磁気センサ180から出力される検出信号)の変化の検出処理は、制御部170に含まれる中央演算処理装置及び記憶装置といったハードウェア資源を用いて実行することができる。本実施形態の制御部170の記憶装置には、中央演算処理装置に、以下に説明する耕耘爪の摩耗の度合いを判定させる処理を実行させるプログラムが記憶されている。本実施形態では、記憶装置から読み出した前述のプログラムを中央演算処理装置が実行することにより、磁気センサ180から出力される検出信号の最大値の変化の検出処理が行われる。ただし、前述のプログラムは、サーバ等からネットワークを介してダウンロードして実行することも可能である。
まず、中央演算処理装置は、磁気センサ180から出力された検出信号を解析して波形51で示される検出信号の最大値V0(すなわち、参照値V0)を取得し、制御部170に含まれる記憶装置に記憶しておく。
次に、中央演算処理装置は、耕耘爪の摩耗判定処理を実行する旨の指示を受けると、記憶装置から、上述の耕耘爪の摩耗判定処理のためのプログラムを読み出して実行する。ただし、中央演算処理等は、特に指示を受けなくても耕耘ロータ150の動作と連動してバックグラウンドで上記プログラムを実行してもよい。
中央演算処理装置等が上記プログラムを実行すると、耕耘作業中において、磁気センサ180から出力された検出信号が解析され、波形52で示される検出信号の最大値V1(すなわち、計測値V1)が取得される。そして、記憶装置から前述の参照値V0が読み出され、取得した計測値V1と比較される。具体的には、参照値V0と計測値V1の差分「V0-V1」が演算され、その差分の演算結果に基づいて耕耘爪154の摩耗の度合いが判定される。この差分が、予め記憶装置に記憶された閾値と比較され、その閾値を上回った場合に、所定の摩耗検出レベルまで摩耗が進行したと判定される。
例えば、閾値として、第1の閾値から第3の閾値まで3つの摩耗検出レベルを記憶しておけば、3段階の摩耗のレベルを検出することが可能である。この場合、制御部170が摩耗検出レベル1に達したと判定した場合に、ユーザ端末や情報処理端末に対して、耕耘爪の耕耘性能が低下している可能性等を示唆する通知を行い、摩耗検出レベル2に達したと判定した場合に、耕耘爪154の交換時期が近付いている旨の通知を行い、摩耗検出レベル3に達したと判定した場合に、耕耘爪154の交換が必要である旨の通知を行うようにすることができる。
この場合、設定する閾値が多ければ多いほど、より細かに耕耘爪154の摩耗の度合いを判定することができる。そして、摩耗の度合いを細やかに把握することにより、摩耗の履歴を蓄積して耕耘爪154の寿命推定に利用したり、ユーザによる農作業機の使用状況の推定に利用したりすることができる。また、このような情報は、制御部170からサーバ等に送信してデータベースとして蓄積することもできる。
なお、ここでいう「摩耗検出レベル」とは、摩耗の度合いを検出したいレベルであり、所望のレベルを設定することができる。例えば、耕耘性能の低下が見込まれ、交換を促す必要性のあるレベルであったり、耕耘爪の使用限界(適切な耕耘性能を発揮し得る限界)を考慮して予測したレベルであったりすることができる。
また、例えば、予め実験的に、所定間隔で最小距離Lを変化させた場合における参照値(初期値)と計測値との差分を求め、その差分と最小距離Lとを各々関連付けて記憶しておくことにより、差分と耕耘爪154の摩耗量とを関連付けた参照テーブルを記憶装置に記憶しておくことも可能である。これにより、上述の方法で参照値V0と計測値V1との差分を求め、記憶装置に記憶された参照テーブルを参照することにより、現在の耕耘爪154の摩耗量を判定することができる。
また、磁気センサ180からの検出信号がアナログ出力の電圧値である場合、A/Dコンバータのサンプリング精度を上げることにより、ほぼ線形に近いレベルで多段階的に摩耗の度合いを判定することが可能である。
以上説明した本実施形態の耕耘爪の摩耗判定方法を実行し、耕耘爪に配置された磁石により生じる磁場の大きさを磁気センサで検出し、その検出信号を解析することにより、耕耘爪の摩耗の度合いを判定することができる。これにより、農作業者の目視によらず、耕耘爪の摩耗の度合いを判定することが可能となる。
また、本実施形態では、制御部170が、耕耘爪の摩耗の度合いが所定のレベルに達したと判定した場合に、スマートフォン等のユーザ端末、又はトラクタ等の走行機体に搭載された情報処理端末に対して、耕耘爪154の交換時期である旨の通知、耕耘爪154の耕耘性能が低下している可能性を示唆する通知、走行機体の燃費が悪化する可能性を示唆する通知など、耕耘爪の摩耗に起因して生じ得る事象に関して様々な通知を行うように構成してもよい。
また、このような通知に限らず、耕耘爪154の耕耘性能の低下を考慮して、耕耘深さの調整、耕耘ロータ150の回転速度の調整など、一定レベルまで摩耗した耕耘爪154であっても圃場に対して適切な農作業を行うことができるように、農作業機100の各種調整を行うよう制御することも可能である。
さらに、磁気センサ180の検出信号は所定間隔で最大値(ピーク値)を示すことから、その規則性を用いて回転軸152(図2参照)の回転速度や圃場への耕耘爪154の打ち込み回数を直接的に計測することも可能である。これらの回転速度や耕耘爪154の打ち込み回数に関する情報を用いれば、例えば、エプロン130やサイドプレート140に大量の土が付着した場合の回転速度の低下等の異常を検出することができる。また、前述の付着した土の影響や圃場の土質の影響等により回転軸152の回転速度の低下を検出し、その低下の度合いに応じて制御部170にて回転速度を上げるよう制御するなど、リアルタイムに回転速度を調整する制御が可能である。
また、上述の耕耘爪154の交換時期であるという情報は、制御部170から事業者のサーバ等に送信してデータベースとして蓄積することができる。このような情報を利用すれば、事業者は、農作業機(特に耕耘爪)のメンテナンス管理、農作業者への耕耘爪の配送サービス、農作業者への耕耘爪のレンタルサービス(例えば、爪軸に耕耘爪が装着された、農作業機に対して脱着可能な耕耘装置のレンタルサービスも含む)など、耕耘爪に関する多岐にわたるサービスに利用することができる。
上述のメンテナンス管理の一例として、例えばGNSS(全球測位衛星システム)を用いて、農作業を行おうとする圃場を判別し、耕耘爪が摩耗し易い圃場に入る際、摩耗の度合いに応じて事前に耕耘爪の交換を促すなどのサービスを提供することも可能である。耕耘爪が摩耗し易い圃場であるか否かは、予め耕耘爪の摩耗の度合いを圃場ごとに記録して圃場ごとの摩耗度(摩耗のし易さ、摩耗のし難さを示す指標)を記録しておくことにより、判別することが可能である。勿論、圃場の土質等のデータに基づいて、粘土質の場合は摩耗度が高いと判別するなど、簡易的に圃場の摩耗度を設定してもよい。
なお、本実施形態では、耕耘爪154の摩耗の度合いを制御部170に実行させる例を示したが、これに限られるものではない。例えば、磁気センサ180から出力された検出信号を、ネットワークを介して他の情報処理端末に送信し、当該他の情報処理端末で耕耘爪154の摩耗の度合いを判定してもよい。他の情報処理端末としては、例えば、サーバ、ユーザ端末、走行機体に搭載された情報処理端末を利用することができる。また、磁気センサ180から出力された検出信号の解析を、制御部170と他の情報処理端末とで分散処理することも可能である。
〈第2実施形態〉
第1実施形態では、耕耘爪154の刃縁部154aから峰縁部154bにかけて磁石10を配置した例を示したが、本実施形態では、刃縁部154aから予め想定した摩耗検出レベルまで磁石10を配置した例について図6を用いて説明する。なお、図面上、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同じ符号を用いることにより詳細な説明を省略する。
図6は、第2実施形態の農作業機における耕耘爪154の摩耗判定方法を説明するための図である。本実施形態では、図6に示されるように、磁石10の位置を刃縁部154aから予め想定した摩耗検出レベルまでに限定し、意図的に、摩耗検出レベルから峰縁部154bまでの間には磁石10が配置されない構成としている。
図6に示す構成とした場合、耕耘爪154の摩耗が進んで予め設定された摩耗検出レベルに到達すると、磁石10が消失する。すなわち、磁石10により生じる磁場が存在しなくなるため、磁気センサ180から出力される検出信号は、一定値(例えば、出力電圧0Vなど)になる。したがって、磁気センサ180の検出信号に基づいて、耕耘爪154の摩耗が摩耗検出レベルに達したことを検出することが可能である。これにより、農作業者の目視によらず、耕耘爪の摩耗の度合いを判定することが可能となる。
本実施形態は、磁石10の配置以外について第1実施形態と同じ構成を有しており、当然のことながら第1実施形態と同じ効果を奏する。それに加えて、本実施形態では、上述のとおり、耕耘爪154の摩耗が摩耗検出レベルに達したことを容易に把握することが可能である。
〈第3実施形態〉
第1実施形態では、耕耘ロータ150とシールドカバー120との間に磁気センサ180を配置する例を示したが、本実施形態では、第1実施形態とは異なる位置に磁気センサ180aを配置する例について図7を用いて説明する。なお、図面上、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同じ符号を用いることにより詳細な説明を省略する。
図7は、第3実施形態の農作業機100aの構成を左側方から示す断面図である。図7に示されるように、シールドカバー120には、開口部121が設けられている。シールドカバー120の上には、開口部121を覆うように支持部材180bが配置され、その支持部材180bによって磁気センサ180aが支持されている。このとき、本実施形態において、磁気センサ180aは、シールドカバー120に設けられた開口部121を介して耕耘ロータ150に対向して配置される。なお、開口部121及び磁気センサ180aが配置される位置は、図1に示した磁気センサ180の位置と同じである。
支持部材180bを構成する材料としては、金属材料、樹脂材料など如何なる材料を用いてもよいが、磁気センサ180aが落下しないように保持できる強度を有し、経年劣化しにくい材料を用いることが望ましい。また、支持部材180bの上面に蓋等を設けることにより、磁気センサ180aのメンテナンス性を向上させてもよい。
さらに、耕耘ロータ150側からの土の侵入等を防ぐ必要がある場合は、磁気センサ180aと開口部121との間に、開口部121を塞ぐように遮蔽部材(図示せず)を設けてもよい。この場合、遮蔽部材としては、磁力を通す材料で構成された部材を用いることができる。また、磁石10により生じる磁場の大きさをできるだけ正確に計測するために、極力磁化しない材料(例えば、ゴム、樹脂、アルミニウム、ニッケル系ステンレス等の材料)を用いることが望ましい。
本実施形態では、シールドカバー120の上に磁気センサ180aが配置されるため、耕耘ロータ150とシールドカバー120との間に十分なスペースがない場合であっても磁気センサ180aを配置することができる。また、シールドカバー120の上にあれば、磁気センサ180aのメンテナンスが容易であるという利点もある。
〈第4実施形態〉
第1実施形態では、磁気センサ180としてホールセンサを用いる例を示したが、本実施形態では、磁気センサ190として磁気抵抗効果素子を含むセンサを用いる例について図8を用いて説明する。なお、図面上、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同じ符号を用いることにより詳細な説明を省略する。
図8は、第4実施形態の農作業機における耕耘爪154の摩耗判定方法を説明するための図である。具体的には、図8は、耕耘爪154が摩耗する前の状態を示している。図8において、制御部170には、磁気センサ190が通信可能に接続されている。本実施形態において、磁気センサ190は、磁気抵抗効果素子190a及びバイアス磁石190bを含む。磁気抵抗効果素子190aは、当該磁気抵抗効果素子190aに作用する磁場の大きさを、外部磁場によって電気抵抗が変化するという磁気抵抗効果を利用して電気信号に変換する素子である。なお、バイアス磁石190bは必須の構成ではなく、必要に応じて適宜設ければよい。
磁気センサ190は、第1実施形態と同様に、耕耘ロータ150とシールドカバー120との間に配置されていてもよいし、第3実施形態と同様に、シールドカバー120に設けられた開口部121を介して耕耘ロータ150に対向して配置されていてもよい。ただし、磁気抵抗効果素子190aを用いる場合、なるべく耕耘爪154と磁気抵抗効果素子190aとの間の距離を短くした方が良いため、耕耘ロータ150とシールドカバー120との間に配置することが好ましい。
図8に示されるように、磁気抵抗効果素子190aは、耕耘爪154とバイアス磁石190bとの間に配置される。バイアス磁石190bにより生じる磁場の方向(すなわち、磁束密度の方向)は、矢印185で示される方向である。この構成により、磁気抵抗効果素子190aの動作点は、バイアス磁石190bの磁力によって変わり、磁束密度の変化に対して抵抗変化の割合が大きく、線形となる領域で磁気抵抗効果素子190aを使用することが可能となる。
図8に示す構成によれば、耕耘爪154が回転軸152を中心として回転し、磁性体である耕耘爪154の先端付近が磁気抵抗効果素子190aに対して平行に移動すると、磁気抵抗効果素子190aにおける磁束密度が変化する。この磁束密度の変化が、電圧の変化を示す検出信号として磁気センサ190から出力される。
このときの検出信号の最大値は、第1実施形態で説明した最小距離L、すなわち、耕耘爪154と磁気センサ190との間の距離に応じて変化する。したがって、第1実施形態で説明したように、磁気センサ190から出力される検出信号に基づいて、耕耘爪154の摩耗の度合いを判定することができる。
以上説明したとおり、本実施形態によれば、耕耘爪154の回転に伴い磁気センサ190に作用する磁束密度の変化を、磁気センサ190を用いて検出信号として取得し、その検出信号に基づいて耕耘爪の摩耗の度合いを判定することができる。これにより、農作業者の目視によらず、耕耘爪の摩耗の度合いを判定することが可能となる。
また、本実施形態は、磁気センサの構成が第1実施形態と異なることにより、耕耘爪154に磁石を配置しなくても良いという利点がある。勿論、その他の構成は第1実施形態と同じであり、磁気センサ190から取得した検出信号に基づいて耕耘爪154の摩耗の度合いを判定することにより、他のサービスまたは制御に活用するなど、第1実施形態と同じ効果を奏することができる。
〈第5実施形態〉
第1実施形態から第4実施形態では、耕耘爪154の変形の一例として、摩耗による変形を判定する方法について説明したが、摩耗による変形に限らず、折損もしくは屈曲による変形を判定することも可能である。本実施形態では、第1実施形態と同じ構造の農作業機100を用いて、耕耘爪154の折損もしくは屈曲による変形を判定する方法について図9を用いて説明する。なお、図面上、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同じ符号を用いることにより詳細な説明を省略する。
図9は、第5実施形態の磁気センサ180から出力される検出信号の変化を説明するための波形図である。図9において、波形51は、第1実施形態と同様に、耕耘爪154が摩耗する前の新品の状態にあるときに取得した検出信号の波形の一例である。波形53は、耕耘爪154が石等の障害物に当たり、折損もしくは屈曲した後の状態にあるときに取得した検出信号の波形の一例である。
波形51については、第1実施形態と同様に、磁気センサ180から出力される検出信号の電圧Vの最大値が「V0」となっている。このとき、電圧Vが最大値「V0」となる時刻(以下「最大値の検出時刻」という。)を「T0」とする。このとき、第1実施形態で述べたように、農作業者が耕耘作業を繰り返すにつれて耕耘爪154が徐々に摩耗し、検出信号の電圧Vの最大値は小さくなる。
ここで、耕耘爪154が折損等により変形すると、変形の仕方によっては最大値の検出時刻がシフトする場合がある。例えば、図9では、耕耘作業中に耕耘爪154が折損等により変形し、検出信号の最大値である電圧「V1」の測定される時刻「T1」が遅延した状態を表している。ただし、最大値の検出時刻が時間的に前方、後方のいずれにシフトするかは、耕耘爪154の変形の仕方により変化する。いずれにしても、上述の最大値の検出時刻「T1」が初期の最大値の検出時刻「T0」からずれた時点で、農作業者は、耕耘爪154が変形した可能性が高いと判定することができる。
また、図9に示されるように、波形53は、波形51に対して立ち上がり部分56及び立ち下がり部分57にもシフトが見られる。これら立ち上がり部分56及び立ち下がり部分57のシフト量は耕耘爪154の変形の度合いに応じて変化するものであり、同じ量である場合もあるし、異なる量である場合もある。
なお、耕耘爪154の折損等による変形は、最大値の検出時刻「T1」のシフトとして現れるとは限らない。例えば、耕耘爪154が上下方向(圃場に対して垂直な方向)に屈曲し、単に磁石10の位置が磁気センサ180から遠ざかった場合、磁気センサ180から出力される検出信号の最大値は、時間的にはほとんどシフトせず、最大値のみが小さくなる場合もあり得る。この場合、急激に最大値が小さくなるため、農作業者は、耕耘爪154が折損等によって変形した可能性が高いと判定することができる。
以上のように、本実施形態によれば、磁気センサ180から出力される検出信号の時間的なシフトを検出することにより、耕耘爪154の折損等による変形を判定することが可能である。本実施形態では、第1実施形態の農作業機100を例に挙げて説明したが、第2実施形態から第4実施形態のいずれの農作業機でも同様の効果を得ることができる。
以上、本発明について図面を参照しながら説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、各実施形態の農作業機及び耕耘爪の摩耗判定方法を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。さらに、上述した各実施形態は、相互に矛盾がない限り適宜組み合わせが可能であり、各実施形態に共通する技術事項及び該技術事項が奏する効果については、明示の記載がなくても各実施形態に含まれる。
また、上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
51、52、53…波形、100、100a…農作業機、105…チェーンケース、110…フレーム、120…シールドカバー、121…開口部、130…エプロン、132…整地板、134…延長整地板、135…トップマスト、136…ロアリンク連結部、137…PICシャフト、140…サイドプレート、150…耕耘ロータ、152…回転軸、153…フランジ、154…耕耘爪、154L…L爪、154R…R爪、154a…刃縁部、154b…峰縁部、170…制御部、180、180a…磁気センサ、180b…支持部材、190…磁気センサ、190a…磁気抵抗効果素子、190b…バイアス磁石

Claims (8)

  1. 磁性体である複数の耕耘爪を含む耕耘ロータと、
    前記耕耘ロータの上に配置されたシールドカバーと、
    前記シールドカバーに対して上下方向に回動可能に接続された整地体と、
    磁気抵抗効果素子を含む磁気センサと、
    を有し、
    前記磁気センサは、前記耕耘爪の回転に伴い前記磁気センサに作用する磁束密度の変化に応じた検出信号を出力する、農作業機。
  2. 前記磁気センサは、前記耕耘ロータと前記シールドカバーとの間に配置される、請求項1に記載の農作業機。
  3. 前記磁気センサは、前記シールドカバーに設けられた開口部を介して前記耕耘ロータに対向して配置される、請求項1に記載の農作業機。
  4. 前記磁気センサから出力された検出信号を受信する制御部を有し、
    前記制御部は、中央演算処理装置及び記憶装置を含み、
    前記記憶装置は、前記中央演算処理装置に、前記磁気センサから取得した検出信号に基づいて、前記耕耘爪の変形を判定する処理を実行させるためのプログラムを記憶する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の農作業機。
  5. 前記制御部は、中央演算処理装置及び記憶装置を含み、
    前記記憶装置は、前記磁気センサから取得した第1検出信号の最大値を記憶し、
    前記プログラムは、前記中央演算処理装置に、前記記憶装置から読み出した前記第1検出信号の最大値と前記磁気センサから取得した第2検出信号の最大値とを比較する処理を実行させる、請求項に記載の農作業機。
  6. 農作業機が有する耕耘ロータに含まれる耕耘爪の変形判定方法であって、
    磁性体である前記耕耘爪の回転に伴い磁気抵抗効果素子を含む磁気センサに作用する磁束密度の変化を、前記磁気センサを用いて検出信号として取得し、前記検出信号に基づいて、前記耕耘爪の変形を判定する、耕耘爪の変形判定方法。
  7. 前記磁気センサから取得した第1検出信号の最大値を記憶装置に記憶し、
    前記記憶装置から読み出した前記第1検出信号の最大値と前記磁気センサから取得した第2検出信号の最大値とを比較することにより、前記耕耘爪の変形を判定する、請求項に記載の耕耘爪の変形判定方法。
  8. コンピュータに、請求項6又は7に記載された耕耘爪の変形判定方法を実行させるためのプログラム。
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