JP7120493B2 - Rficモジュール、rficモジュールの製造方法及びrfidタグ - Google Patents

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Description

本発明は、RFIC(Radio Frequency IntegratedCircuit)モジュール、その製造方法及びそれを備えるRFID(RadioFrequencyIdentifier)タグに関する。
物品に付されたRFIDタグと、そのRFIDタグに対して読み書きするリーダライタとで構成されるRFIDシステムは、物品の情報管理システムとして用いられている。
特許文献1には、アンテナとして作用させる導体と、その導体に結合するRFICモジュールとを備えたRFIDタグが示されている。
国際公開第2016/084658号
このようなRFIDタグは、所定の情報を記憶し、かつ所定の無線信号を処理するRFICチップと、高周波信号の送受信を行うアンテナ素子(放射体)とを備え、管理対象となる種々の物品(或いはその包装材)に貼着して使用される。
管理対象である物品は様々であり、対象物はますます拡がっている。しかし、低価格の物品については、その物品に対するRFIDタグの価格割合が相対的に大きいので、RFIDタグを適用するには上記価格割合の大きさが障害となる。
本発明は、品質をより安定化させ、低価格化したRFICモジュール、その製造方法及びそれを備えるRFIDタグを提供することを目的とする。
本開示の一例としてのRFICモジュールは、絶縁性の基材と、前記基材の第1面に形成されたRFIC側端子電極と、前記基材の前記第1面に対向する第2面に形成されて、前記RFIC側端子電極と導通する放射素子側電極と、を有するフレキシブル基板と、前記RFIC側端子電極に接続されるRFICと、を備える。そして、前記フレキシブル基板の、前記RFICが搭載された面に弾性絶縁体を主要部とするフレキシブルな絶縁体層が被覆されたことを特徴とする。
上記構成によれば、RFICが搭載された基材の第1面が、弾性絶縁体を主要部とするフレキシブルな絶縁体で被覆されているので、その絶縁体の表面はほぼ平坦となる。またフレキシブルな絶縁体とフレキシブル基板の剛性により、自重ではほぼ変形しないので、フレキシブルな絶縁体の表面をマウンターノズルで吸引して、RFICモジュールを搬送できる。そのため、電子部品を搭載するパーツフィーダによる搬送とノズルでのピックアップが可能となって、RFICモジュールをアンテナ導体パターンに搭載する搭載速度が従来の2倍以上に速くなり、RFIDタグの製造コストが大きく抑えられる。
また、RFICモジュールとアンテナ導体パターン子との電気的な接合が、絶縁性接着剤を介する容量結合であれば、従来のRFIDタグで使われる数µm~数十µm厚のアルミニウム電極によるアンテナ導体パターンをPETフィルム上に形成する方法だけでなく、紙箱やプラスチック包装等数十~数百オングストローム以下の厚みしかないアルミニウム蒸着箔に所定のパターンを形成し、絶縁性接着剤でRFICモジュールを接着することでもRFIDタグが形成できる。これにより、アルミニウム電極によるアンテナ導体パターン及びPETフィルムが不要となり、RFIDタグの加工コストを下げることができる。また、PETフィルム上にアルミニウム箔によって形成されたRFIDタグは、資源リサイクルの課題がある。しかし、アルミ蒸着箔を形成した紙箱は、既に市場で資源としてリサイクルされている。従って、このアルミニウム蒸着箔をアンテナに用いたRFIDタグは、資源としてリサイクル可能である。従って、アルミニウム蒸着箔をアンテナに用いたRFIDタグによれば、環境負荷が低減する。
また、弾性絶縁体の表面に離型性の絶縁体膜が形成されていれば、RFICモジュールの放射素子側電極の形成面と、アンテナ導体パターンが形成された部材との接合強度を相対的に高めることができる。そのため、弾性絶縁体の表面に両面粘着テープ等が貼付されたときにも、RFICモジュールとアンテナ導体パターンとの間の接合部での剥離が予防でき、且つ、RFICモジュールとアンテナ導体パターンとの間の静電容量が変化しない。従って、RFIDタグの電気特性の変化を小さくすることができる。
本開示の一例としてのRFICモジュールの製造方法は、絶縁性の基材の第1面に、RFIC側端子電極を形成し、前記基材の前記第1面に対向する第2面に、前記RFIC側端子電極と導通する放射素子側電極を形成してフレキシブル基板を形成する工程と、上面に粘着層が形成された絶縁体フィルムに、前記フレキシブル基板を貼付する工程と、前記RFIC側端子電極に前記RFICを実装する工程と、弾性絶縁体を主要部とし、前記フレキシブル基板上に前記弾性絶縁体を形成する工程と、を備える。
上記製造方法により、RFICが実装された基材が、絶縁体フィルムと弾性絶縁体との間に積層された積層構造体が容易に構成され、且つ両面が平坦なRFICモジュールが構成される。
本開示の一例としてのRFICモジュールの製造方法は、絶縁性の基材の第1面に、RFICが接続される、銅箔によるRFIC側端子電極を形成し、前記基材の前記第1面に対向する第2面に、前記RFIC側端子電極と導通する、銅箔による放射素子側電極を形成することによりフレキシブル基板を形成する工程と、粘着膜が形成された支持フィルムに、前記粘着膜を介して前記フレキシブル基板を貼付する工程と、前記フレキシブル基板の前記RFIC側端子電極に低温はんだを印刷する工程と、前記RFICを、前記低温はんだを介して前記フレキシブル基板に搭載する工程と、前記支持フィルムに前記フレキシブル基板が貼付されたまま、リフローはんだ法により前記RFICを前記フレキシブル基板に実装する工程と、前記フレキシブル基板の前記RFICの実装面に弾性絶縁体を主要部とする絶縁体層を形成する工程と、前記支持フィルム、前記フレキシブル基板及び前記絶縁体層を前記RFICの実装箇所単位の個片に打ち抜く工程と、を備える。
上記製造方法により、支持フィルムにフレキシブル基板を貼付し、この貼付されたフレキシブル基板にRFICを搭載し、更にこのRFICが搭載されたフレキシブル基板に弾性絶縁体を形成していき、最後に支持フィルムと共にRFICの実装箇所単位の個片を得ることができる。したがって、RFIDモジュールを製造する過程で、支持体やフレキシブル基板を加工用治具に貼り付けたり、引き剥がしたりする工程が無くなり、加工不良の削減やRFIDモジュールの品質安定化だけでなく、加工時間の短縮および製造コストの大幅な削減が可能となる。
本開示の一例としてのRFIDタグは、アンテナとRFICモジュールとで構成される。前記アンテナは、アンテナ基材と、当該アンテナ基材に形成されたアンテナ導体パターンとで構成され、前記RFICモジュールは、絶縁性の基材と、前記基材の第1面側に搭載されるRFICと、前記基材の前記第1面に形成されて、前記RFICが接続されるRFIC側端子電極と、前記基材の前記第1面に対向する第2面に形成されて、前記RFIC側端子電極と導通する放射素子側電極と、を備え、前記RFICが搭載された前記基材の前記第1面に弾性絶縁体を主要部とする絶縁体層が被覆され、前記絶縁体層の表面に離型性の絶縁体膜が形成される。
本発明によれば、品質をより安定化させ、低価格化したRFICモジュール、その製造方法及びそれを備えるRFIDタグが得られる。
図1Aは本発明の実施形態に係るRFICモジュール101の断面図であり、図1BはRFICモジュール101を構成する各部の断面図である。 図2Aは、アンテナ60に対するRFICモジュール101の取り付け直前の構成を示す部分断面図である。図2BはRFIDタグ201の部分断面図である。 図3はRFIDタグ付き物品301の断面図である。 図4はRFICモジュール101の製造工程を示す図である。 図5は、RFIDタグの製造途中での斜視図及び部分断面図である。 図6は、図5に続く、RFIDタグの製造途中での斜視図及び部分断面図である。 図7は、図6に続く、RFIDタグの製造途中での斜視図及び部分断面図である。 図8AはRFIDタグ201の斜視図である。図8Bは、アンテナ60に対するRFICモジュール101の搭載前段階での斜視図である。 図9は、RFIDタグ201の、RFIC2、インピーダンス整合回路及び放射素子62A,62Bの関係を示す回路図である。 図10は、インピーダンス整合回路により生じる2つの共振周波数について示す図である。 図11AはRFIDタグ202の斜視図である。図11Bは、アンテナ60に対するRFICモジュール101の搭載前段階での斜視図である。 図12はRFIDタグ202が備えるRFICモジュール102の搭載部分の拡大平面図である。 図13はRFICモジュール102の基材1に形成されている導体パターンを示す平面図である。 図14Aは図12におけるRFICモジュール102のY-Y部分の断面図であり、図14Bは図12におけるRFICモジュール102のX-X部分の断面図である。 図15Aはアンテナ60に対するRFICモジュール102の取り付け直前の構成を示す部分断面図である。図15BはRFIDタグ202の部分断面図である。 図16は、RFIDタグ202の、RFIC2、インピーダンス整合回路及び放射素子62A,62Bの関係を示す回路図である。 図17は比較例としてのRFICモジュールの断面図である。 図18は図17に示したRFICモジュールの製造工程を示す図である。 図19Aは、変形例1に係るRFICモジュール101aであり、図19Bは、変形例1に係るRFICモジュール101aを構成する各部の断面図である。
以降、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各図中には同一箇所に同一符号を付している。要点の説明又は理解の容易性を考慮して、実施形態を説明の便宜上、複数の実施形態に分けて示すが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせは可能である。第2の実施形態以降では第1の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
図1Aは本発明の実施形態に係るRFICモジュール101の断面図であり、図1BはRFICモジュール101を構成する各部の断面図である。
RFICモジュール101は、フレキシブル基板10と、RFIC2と、絶縁体層3と、支持フィルム4とを備える。フレキシブル基板10は基材1を含み、基材1は互いに対向する第1面S11及び第2面S12を有する。RFIC2は基材1の第1面S11に搭載されている。基材1の第1面S11にはRFIC2が低温はんだや導電性接着剤を介して接続されるRFIC側端子電極11A,11Bが形成されていて、第2面S12には、RFIC側端子電極11A,11Bとそれぞれ導通する放射素子側電極12A,12Bが形成されている。基材1とその両面に形成されたRFIC側端子電極11A,11Bと、放射素子側電極12A,12Bとによってフレキシブル基板10が構成されている。
支持フィルム4は、絶縁体フィルム41とその上面に形成されている粘着層42とで構成されている。支持フィルム4は粘着層42を介して上記フレキシブル基板10を支持する。この支持フィルムは、加工工程において搬送用部材として用いられるとともに、RFICモジュール101の部材として、フレキシブル基板10の容量結合の誘電体層、及び防湿部材の役割も果たす。
絶縁体層3は、粘着層31と、弾性絶縁体32と、この弾性絶縁体32に形成された絶縁体層33と、絶縁体層33の表面に形成された離型層34とで構成されている。弾性絶縁体32は絶縁体層3の主要部を構成する。また、絶縁体層3は、エポキシ等の弾性樹脂をフレキシブル基板10に塗布することで形成しても良い。この場合、絶縁体層3は、図1Bにおいて弾性エポキシ樹脂層32だけで形成される。この場合、絶縁体層3は、粘着層31を備えていなくてもよい。従って、RFICモジュール101を個片化した時に、粘着層31によるRFICモジュール101チップ同士の貼り付きが防止できる。この絶縁体層3はRFIC2を保護する役割を果たす。また、この絶縁体層3は、RFICモジュール101の搭載時にRFICモジュール101の平面度を高めることで、マウンターによる部品搭載を可能とする。さらに、この絶縁体層3は弾性樹脂や発泡絶縁体が主要部材なので、絶縁体層3は、弾性を有する。さらに、この絶縁体層3は弾性樹脂や発泡絶縁体が主要部材なので、RFIDタグ(後に示すRFIDタグ201)をラベル化して印字する場合に、印字ヘッドの圧力により絶縁体が凹むことで、RFIDラベルの印字がしやすくなる、という役割も果たす。
上記各部の材料は次のとおりである。
上記基材1は例えばPI(ポリイミド)やPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂であり、RFIC側端子電極11A,11B及び放射素子側電極12A,12Bは銅箔のパターンである。また、弾性絶縁体32は発泡ウレタンフォームや弾性エポキシ等である。この発泡ウレタンフォームは、内部の気泡が繋がっている連続気泡型、内部の気泡が互いに独立している独立気泡型のいずれであってもよい。また、弾性絶縁体32の弾性率が低い場合、ラベル化して印字するときに、印字ヘッドの圧力により絶縁体が凹みやすい。これにより、RFIDラベルの印字がしやすくなる。
絶縁体層33は例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂であり、離型層34は例えばSiコートの膜である。これは、シリコン系化合物の膜である。粘着層31はアクリル系糊剤やホットメルト等の感熱接着剤である。
絶縁体フィルム41は例えばPEN(ポリエチレンナフタレート)又はPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂である。粘着層42はアクリル系糊剤である。
各部の寸法は、例えば次のとおりである。
支持フィルム4の絶縁体フィルム41:6μm
支持フィルム4の粘着層42:3μm
基材1:38μm
RFIC側端子電極11A,11B、放射素子側電極12A,12B:18μm
粘着層31:7μm
弾性絶縁体32:125μm
絶縁体層33:5μm 離型層34:0.5μm
RFICモジュール101:3.2×2.5×0.22mm
RFICモジュール101は、基本的には次の方法により製造される。
[1]電極形成工程
絶縁性の基材1の第1面S11に、RFIC2が接続されるRFIC側端子電極11A,11Bを形成し、基材1の第2面S12に、RFIC側端子電極11A,11Bと導通する放射素子側電極12A,12Bを形成する。
[2]基材貼付工程
上面に粘着層42を形成した支持フィルム4に、基材1の第2面S12を貼付する。
[3]RFIC実装工程
フレキシブル基板10にはんだや導電性接着剤を塗布し、RFIC2を実装する。
[4]弾性絶縁体形成工程
第1面S31に離型層34が形成され、第2面S32に粘着層31が形成された絶縁体層3を、粘着層31を介してフレキシブル基板10に貼付し、RFIC2が実装されたフレキシブル基板10と、絶縁体層3と、支持フィルム4と、を平坦面間で貼付する。または、RFIC2が実装されたフレキシブル基板10の面上に、弾性エポキシ樹脂を印刷工法にて塗布し、熱処理して弾性エポキシ樹脂を硬化させることによって、絶縁体層3を形成しても良い。
以上の工程によって、図1Aに示したRFICモジュール101が構成される。
次に、上記RFICモジュール101を備えるRFIDタグの構成について示す。
図2Aは、アンテナ60に対するRFICモジュール101の取り付け直前の構成を示す部分断面図である。図2BはRFIDタグ201の部分断面図である。
RFIDタグ201は、RFICモジュール101、両面粘着シート5及びアンテナ60を備える。図2Aにおいて、RFICモジュール101の支持フィルム4には絶縁性の接着剤7が形成されている。この接着剤7はRFICモジュール101をアンテナ60に搭載する前処理工程、またはRFICモジュールの製造工程において、個片打ち抜きをする前に形成する。また、アンテナ60のRFICモジュール101を搭載する場所に、あらかじめ接着剤7を塗布しておいてもよい。
アンテナ60は、アンテナ基材61とそのアンテナ基材61に形成された放射素子62A,62Bとで構成されている。アンテナ基材61は例えば紙やPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂等の可撓性のある絶縁体シートである。放射素子62A,62Bは、錫ビスマス導電性ペーストやAg系やカーボン系の導電性ペースト、またはアルミニウム箔や銅箔または金属蒸着箔等の可撓性を示す薄さの導体である。
RFICモジュール101は、絶縁体層3の表面がマウンターでピックアップされ、接着剤7を介してアンテナ60に貼りつけられる。この状態で、RFICモジュール101の放射素子側電極12A,12Bは、アンテナ60の放射素子62A,62Bに、支持フィルム4及び接着剤7を介してそれぞれ対向する。これにより、放射素子側電極12Aと放射素子62Aとの間、及び放射素子側電極12Bと放射素子62Bとの間にそれぞれ容量が形成される。また、RFICモジュール101はフレキシブルモジュールなので、アンテナ60が多少変形しても、放射素子側電極12Aと放射素子62Aとの間の容量、及び、放射素子側電極12Bと放射素子62Bとの間の容量、に大きな変化は生じない。従って、通信特性が安定する。
図2Bに示すように、RFICモジュール101をアンテナ60に搭載した後に、両面粘着シート5でRFICモジュール101およびアンテナ60をカバーすることによりRFIDタグ201をシール化する。つまり、物品に対してそのまま貼り付け可能なRFIDタグ201を形成する。
また、図2Bに示すように、RFICモジュール101及びアンテナ60を両面粘着シート5でカバーしてRFIDタグ201をシール化すると、両面粘着シート5とアンテナ60との間の応力により、RFICモジュール101の弾性絶縁体32が変形して、その上面の断面形状が弧を描くような形状に変形する。これにより、RFICモジュール101周りの段差がなだらかになり、RFIDタグ201に印字する時に文字のかすれが低減される。更に、熱転写プリンタによる印字の場合、印字ヘッドの圧力により、印字面が柔軟に変形できるので、文字のかすれがほとんど無くなる。
絶縁体層3は離型層34を有するため、この離型層34と両面粘着シート5との粘着力と、RFICモジュール101とアンテナ60との接着力とを比較すると、RFICモジュール101とアンテナ60との接着力の方が強い。そのため、RFIDタグ201を構成した後、RFIDタグ201の各部に外力が加わったり、湿度や温度により両面粘着シート5が膨張・収縮したりしても、アンテナ60とRFICモジュール101との位置ずれやRFICモジュールの剥がれが無く、放射素子側電極12Aと放射素子62Aとの間、及び放射素子側電極12Bと放射素子62Bとの間の容量が安定していて、RFIDタグとしての電気的特性が一定に保たれる。
図3はRFIDタグ付き物品301の断面図である。RFICモジュール101の内部構造については図示を簡略化している。このように、物品300の表面にRFIDタグ201を、両面粘着シート5を介して貼付することで、RFIDタグ付き物品301が構成される。
次にRFICモジュール101の製造方法について、その各工程の例を示す。図4はRFICモジュール101の製造工程を示す図である。また、図5、図6、図7は、RFIDタグの製造途中での斜視図及び部分断面図である。
[工程P1]
支持枠90に支持フィルム4を貼り付ける。支持枠90はステンレススチール製のリング状薄板である。支持フィルム4は、図1Bに示したとおり、絶縁体フィルム41の上面に粘着層42が形成されたフィルムである。この支持フィルム4は粘着層42を介して支持枠90の下面に貼り付く。
[工程P2]
フレキシブル基板10を支持フィルム4の上面に貼り付ける。この状態で、フレキシブル基板10は支持フィルム4を介して支持枠90に支持される。
[工程P3]
RFIC側端子電極11A,11Bの表面に低温はんだペーストSOを印刷する。この低温はんだは例えばSn-Bi系低温はんだである。
[工程P4]
RFIC2を表面実装する。
[工程P5]
窒素雰囲気のリフロー炉を通すことによって、RFIC2をはんだ付けする。
[工程P6]
フレキシブル基板10の上面に、RFIC2を覆う絶縁体層3を形成する。図1Bに示したとおり、この絶縁体層3は、例えば、弾性絶縁体32と、この弾性絶縁体32の下面に形成された粘着層31と、上面に形成された絶縁体層33と、絶縁体層33の表面に形成された離型層34とで構成する方法によって形成される。また、例えば、絶縁体層3が、弾性エポキシ樹脂を硬化させることによって構成される方法でも良い。例えば、RFIC2が実装されたフレキシブル基板10の面上に弾性エポキシ樹脂を印刷工法にて塗布する。そして、弾性エポキシ樹脂を熱処理する。結果、弾性エポキシ樹脂が硬化する。
絶縁体層3は柔軟性を有するので、フレキシブル基板10の上面に絶縁体層3を形成することによって、RFIC2の周囲を被覆し、かつ表面が平坦な弾性絶縁体層3が形成される。
[工程P7]
支持フィルム4、フレキシブル基板10及び絶縁体層3の積層体を、RFIC2の実装箇所単位の個片に打ち抜く。つまり、積層体を支持フィルム4から剥離することなく、支持フィルム4と共に、積層体全体をRFIC2の実装箇所単位で個片化する。この個片化はダイサーやレーザー等を用いて行ってもよい。また、RFICモジュール101の柔らかさを利用して金型での打ち抜き等を用いて行ってもよい。
この図4に示した製造工程は、短冊状のシート状態で加工するフローであるが、ロール状の支持フィルムをベースにして、工程P1から工程P7までを行うことで、ロールtoロールでの加工も可能である。ロールtoロールの加工であれば、製造コストを更に削減することも可能である。
ここで、比較例としての一般的なモジュールの加工方法を用いた場合のRFICモジュールの構成と製造方法について示す。図17は比較例としてのRFICモジュールの断面図である。このRFICモジュールは、基材81にRFIC側端子電極11A,11B及び放射素子側電極12A,12Bが形成されたフレキシブル基板にRFIC2が実装され、基材81の下面に絶縁体層84、上面に絶縁体層83がそれぞれ被覆されている。基材81はPI(ポリイミド)、絶縁体層84は熱硬化性樹脂シートであり、絶縁体層83は熱硬化性樹脂である。一般的なフレキシブル基板では、配線パターン間に電位差が発生する事を想定している。従って、一般的には、基板81の下面の絶縁体層84には、防水性や耐電圧を考慮した熱硬化性樹脂が使用されている。換言すれば、一般的には、樹脂厚が厚い基板しか市販されていない。しかし、RFICモジュール101は、図13及び図16に示すように端子間に電位差が発生しない回路構成であり、且つ、パッシブ回路構成である。従って、耐水性や耐電圧を考慮しなくてよい。この為、フレキシブル基板10の下面に支持フィルム4を貼付するような簡便な方法で絶縁層を形成できる。結果、支持フィルム4の厚みも薄くできる。
図18は図17に示したRFICモジュールの製造工程を示す図である。
[工程P11]
リフロー炉に通すために、PI(ポリイミド)基板をリフロー用金属板治具に貼り付ける。この基板は、基材81と、その両面に形成された導体パターン及びレジスト層と、絶縁体層84とを備える一般的なPI(ポリイミド)フレキシブル基板である。
[工程P12]
基板にはんだを印刷する。
[工程P13]
基板にRFICを表面実装する。
[工程P14]
基板をリフロー炉に通してはんだ付けする。
[工程P21]
RFIC2が半田付けされたフレキシブル基板を上記リフロー用金属板治具から外し、はんだに含まれていたフラックスや、リフローソルダリングによって形成されたはんだボールを洗浄するため、フレキシブル基板を洗浄用の(洗浄槽に入れるための)治具にはめ、洗浄する。
[工程P31]
上記洗浄用治具からフレキシブル基板を剥がし、上記熱硬化性樹脂を塗布するための板治具に貼り付け、熱硬化性樹脂をフレキシブル基板のRFIC2の搭載面に塗布する。
[工程P32]
フレキシブル基板及び上記熱硬化性樹脂等を含む積層体を加熱・加圧することにより上記熱硬化性樹脂を硬化させて絶縁体層83を形成する。一般的な熱硬化性樹脂は剛性があるので、絶縁体層83の剛性によりRFICモジュールもフレキシブル性がほぼ無くなる。
[工程P41]
上記、板治具から上記積層体を剥がし、ダイシング用の金属治具にダイサー加工用UVテープが貼り付いた金属板に、上記積層体を貼り付ける。
[工程P42]
その後、積層体をダイサーで、積層体を個片にカットする。
[工程P43]
その後、UV照射を行って、UVテープ層を硬化させて、個片となったRFICモジュール101をUVテープから剥離し、個片分離する。
以上に示したように、一般的なモジュールの加工方法による加工方法の比較例では、処理対象の部材をシートや治具に貼って剥がす処理を何度も行う必要があり、加工途中で製品を触ることが多くなるので、製品に何度も応力がかかる。従って、はんだ断線や製品への汚れの付着やキズ等の加工不良が発生しやすい。また治具取り換え作業が多くなり、製造コストが嵩む。これに対し、本実施形態によれば、基板の貼り付け工程は一度だけであり、基板を剥がす工程は無い。また、支持フィルム4はRFICモジュール101の構成部材として残る。したがって、加工中の製品に荷重や変形応力がかかることがなく、加工不良が起きにくい。また治具変更に係る段取り時間や治具変更時の取り付け不良、又は、取り外し不良を無くせるので、製造コストを非常に低く抑えられる。
また、以上に示した例では、熱硬化性樹脂シートの硬化物である絶縁体層83でRFIC2を被覆するので、図17に示すように、RFIC2の上部に突起部が生じる。この突起部の突起高さは40μm程度である。このような突起部が形成されると、このRFICモジュールをパーツフィーダにかけた際、隣接する2つのRFICモジュールの突起部同士が係合して、RFICモジュールが正常に搬送されないおそれがある。これに対し、本実施形態によれば、突起部が小さくなり、また、なだらかになるので、表面が平坦なRFICモジュールとなって、パーツフィーダによって正常に搬送できる。
また、比較例のRFICモジュールでは、RFICモジュールの絶縁体層83が凹まないので、このRFICモジュールをラベルに入れた場合、ラベルのモジュール搭載部分に凸部ができてしまう。このラベルに印字しようとすると、凸部まわりの印字ができなくなり、ラベルに印字不可のエリアが発生する。これに対し、本実施形態では、ラベル化すると、RFICモジュール101の弾性絶縁体32は変形してチップ上面の断面形状が弧を描く。これにより、RFICモジュール101周りの段差がなだらかになり、RFIDタグ201に印字する時に文字のかすれが低減される。更に熱転写プリンタで印字する場合、印字ヘッドの圧力により柔軟に印字面が変形するので、文字のかすれがほとんど無くなり全面に文字や記号を印刷できる。
さらに、図17に示した一般的なPI(ポリイミド)基板を用いるRFICモジュールでは、絶縁体層84が熱硬化性樹脂シートであるので、耐熱性の糊とシート基材の厚みが必要であり、その厚みは20μm程度と厚い。そのため、放射素子側電極12A,12Bと放射素子(図2Aに示した放射素子62A,62B)との間にそれぞれ生じる容量が小さくなる。これに対し、本実施形態のRFICモジュール101では、支持フィルム4がPETフィルムであり、その厚みを例えば6μm程度に薄くできるので、放射素子側電極12A,12Bと放射素子62A,62Bとの間にそれぞれ生じる容量を大きくできる。そのことにより、RFIC2と放射素子62A,62Bとの間での、インピーダンス整合時のエネルギー伝搬効率が高まり、通信最長距離を大きくできる。なお、図17に示した構造において、上記容量を大きくするためには、放射素子側電極12A,12Bを広面積化すればよいが、その分、RFICモジュールが大型化してしまう。
次に、RFICモジュール101を備えるRFIDタグについて例示する。
図8AはRFIDタグ201の斜視図である。図8Bは、アンテナ60に対するRFICモジュール101の搭載前段階での斜視図である。RFIDタグ201はアンテナ60にRFICモジュール101を搭載することによって構成される。
アンテナ60は、アンテナ基材61と、このアンテナ基材61に形成されたアンテナ導体パターン62とで構成されている。アンテナ導体パターン62は、帯状の放射素子62A,62Bと、一部に切り欠き部CTを有するループ状の導体62aLPa,62LPb,62LPcと、を有する。図8A、図8B中、2本の破線は放射素子62A,62Bと上記ループ状の導体62aLPa,62LPb,62LPcとの境界を示す仮想の線である。ループ状の導体62aLPa,62LPb,62LPcは、インピーダンス整合のためのインダクタとして作用する。アンテナ基材61は例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂等の可撓性のある絶縁体シートである。アンテナ導体パターン62はアルミニウム箔や銅箔等の可撓性を示す薄さの導体である。
図9は、RFIC2、インピーダンス整合回路及び放射素子62A,62Bの関係を示す回路図である。図10は、インピーダンス整合回路により生じる2つの共振周波数について示す図である。
図9において、インダクタL1は導体62LPaに対応し、インダクタL2は導体62LPbに対応し、インダクタL3は導体62LPcに対応する。
図9に示す容量Caは、図2Bに示したRFICモジュール101内の放射素子側電極12Aと導体62LPaとの間に生じる容量であり、容量Cbは、放射素子側電極12Bと導体62LPbとの間に生じる容量である。
図9に示すように、RFIC2には、内部の回路及び浮遊容量等による容量Cpが存在する。図10に表れているように、RFIC2にインピーダンス整合回路が接続された状態で2つの共振が生じる。1つ目の共振は放射素子62A,62B及びインダクタL3で構成される電流経路に生じる共振であり、2つ目の共振はインダクタL1~L3、容量Ca,Cb,Cpで構成される電流経路(電流ループ)に生じる共振である。この2つの共振は、各電流経路に共有されるインダクタL3によって結合され、2つの共振にそれぞれ対応する2つの電流i1,i2は図9に示すように流れる。
これらの共振周波数特性は図10において曲線A及び曲線Bで表現される。このような共振周波数を有する2つの共振を結合させることで、図10において曲線Cで示すような広帯域の共振周波数特性が得られる。
次に、上記RFICモジュール101とは構成が異なるRFICモジュール102を備えるRFIDタグについて例示する。
図11AはRFIDタグ202の斜視図である。図11Bは、アンテナ60に対するRFICモジュール102の搭載前段階での斜視図である。
アンテナ60は、アンテナ基材61と、このアンテナ基材61に形成されたアンテナ導体パターン62とで構成されている。アンテナ導体パターン62は、帯状の放射素子62A,62Bで構成されている。
図12はRFIDタグ202が備えるRFICモジュール102の搭載部分の拡大平面図である。
RFIDタグ202は、アンテナ60と、このアンテナ60に結合するRFICモジュール102とで構成される。アンテナ60はアンテナ基材61と、このアンテナ基材61に形成された放射素子62A,62Bとで構成される。放射素子62A,62Bはダイポールアンテナを構成する。放射素子62A,62BにはRFICモジュール102が搭載される。アンテナ基材61は例えば紙やPET、PPS等の可撓性のある絶縁体シートである。放射素子62A,62Bは、錫ビスマス導電性ペーストやAg系やカーボン系導電性ペースト、またはアルミニウム箔や銅箔または金属蒸着箔等の可撓性を示す薄さの導体である。
図13はRFICモジュール102の基材1に形成されている導体パターンを示す平面図である。図13において上部は基材1の上面に形成されている導体パターンの平面図であり、図13の下部は基材1の下面に形成されている導体パターンの平面図である。
基材1の上面には、RFIC側第1端子電極51、RFIC側第2端子電極52、第1インダクタL1の主要部の導体パターンL11、及び第2インダクタL2の主要部の導体パターンL21が形成されている。RFIC側第1端子電極51は導体パターンL11の一方端に繋がっていて、RFIC側第2端子電極52は導体パターンL21の一方端に繋がっている。これら導体パターンは例えば銅箔をフォトリソグラフィによってパターンニングしたものである。
基材1の下面には、アンテナ60の放射素子62A,62Bに容量結合される放射素子側第1端子電極13A及び放射素子側第2端子電極13Bが形成されている。また、基材1の下面には、第1インダクタL1の一部の導体パターンL12、第2インダクタの一部の導体パターンL22、第3インダクタL3の導体パターン、第4インダクタL4の導体パターン及び第5インダクタL5の導体パターン(二点鎖線で囲む導体パターン)が形成されている。これら導体パターンも例えば銅箔をフォトリソグラフィによってパターンニングしたものである。
上記第1インダクタL1の一部の導体パターンL12の一方端及び第3インダクタL3の導体パターンの一方端は上記放射素子側第1端子電極13Aに繋がっている。同様に、上記第2インダクタL2の一部の導体パターンL22の一方端及び第4インダクタL4の導体パターンの一方端は上記放射素子側第2端子電極13Bに繋がっている。第3インダクタL3の導体パターンの他方端と、第4インダクタL4の導体パターンの他方端との間には第5インダクタL5の導体パターンが繋がっている。
第1インダクタL1の導体パターンL12の他方端と第1インダクタL1の主要部の導体パターンL11の他方端とはビア導体V1を介して接続されている。同様に、第2インダクタL2の導体パターンL22の他方端と第2インダクタL2の主要部の導体パターンL21の他方端とはビア導体V2を介して接続されている。
上記RFIC側第1端子電極51及びRFIC側第2端子電極52にRFIC2が搭載されている。つまり、RFIC2の端子21がRFIC側第1端子電極51に接続されていて、RFIC2の端子22がRFIC側第2端子電極52に接続されている。
第1インダクタL1及び第3インダクタL3は基材1の異なる層にそれぞれ形成され、且つコイル開口が重なる関係に配置されている。同様に、第2インダクタL2及び第4インダクタL4は基材1の異なる層にそれぞれ形成され、且つコイル開口が重なる関係に配置されている。そして、第2インダクタL2及び第4インダクタL4と、第1インダクタL1及び第3インダクタL3とは、RFIC2の搭載位置を基材1の面に沿って挟む位置関係に配置されている。
図14Aは図12におけるRFICモジュール102のY-Y部分の断面図であり、図14Bは図12におけるRFICモジュール102のX-X部分の断面図である。絶縁体層3及び支持フィルム4等の構成は、図1に示したRFICモジュール101と同様である。
図15Aはアンテナ60に対するRFICモジュール102の取り付け直前の構成を示す部分断面図である。図15BはRFIDタグ202の部分断面図である。RFICモジュール102以外の構成は図2A、図2Bに示したRFIDタグ201と同様である。
図16は、RFIC2、インピーダンス整合回路及び放射素子62A,62Bの関係を示す回路図である。図16において、インダクタL1,L2,L3,L4,L5は図13に示したインダクタL1,L2,L3,L4,L5にそれぞれ対応する。
図16に示す容量Caは、図15Bに示したRFICモジュール102内の放射素子側第1端子電極13Aと放射素子62Aとの間に生じる容量であり、容量Cbは、放射素子側第2端子電極13Bと放射素子62Bとの間に生じる容量である。
図16に示すように、RFIC2には、内部の回路及び浮遊容量等による容量Cpが存在する。このRFIDタグ202においても、図10に示したように、RFIC2にインピーダンス整合回路が接続された状態で2つの共振が生じる。1つ目の共振は放射素子62A,62B、容量Ca,Cb及びインダクタL3,L4,L5で構成される電流経路に生じる共振であり、2つ目の共振はインダクタL1~L5及び容量Cpで構成される電流経路(電流ループ)に生じる共振である。この2つの共振は、各電流経路に共有されるインダクタL3,L4,L5によって結合され、2つの共振にそれぞれ対応する2つの電流i1,i2は図16に示すように流れる。図16の電流経路の場合、RFICモジュール102のみで一つの電流経路i2を構成し、且つ、RFICモジュール102のみで構成された一つの電流経路i2は、共振周波数を持っている。従って、アンテナ60を含む放射素子62A,62B、容量Ca,Cb及びインダクタL3,L4,L5で構成される電流経路i1の共振周波数と、通信周波数とが異なっている場合でも、通信が可能である。さらに、この図16のRFICモジュール102は、誘電体で囲まれたモジュールである。基板に形成されたインダクタパターンは2個のコイルが並列に配置されている。コイルに発生する磁界は、お互いに打ち消すように配置されている。従って、RFICモジュール102からの磁界の漏れが小さくなる。また、RFICモジュール102は、誘電体で囲まれたモジュールであるため、RFICモジュール102は、周囲の誘電率や金属等の影響を受けにくくなっている。換言すれば、RFICモジュール102は、周囲の影響による共振周波数の変動が小さくなるように構成されている。
このような共振周波数を有する2つの共振を結合させることで、図10において曲線Cで示したような広帯域の共振周波数特性が得られる。
(変形例1)
以下、変形例1に係るRFICモジュール101aについて図を参照して説明する。図19Aは、変形例1に係るRFICモジュール101aであり、図19Bは、変形例1に係るRFICモジュール101aを構成する各部の断面図である。
図19A及び図19Bに示すように、RFICモジュール101aは、粘着層31及び絶縁体層33を備えていない点で、RFICモジュール101と異なる。具体的には、RFICモジュール101aは、絶縁体層3の代わりに絶縁体層3aを備えている。絶縁体層3aは、弾性絶縁体32及び離型層34を備えている。この場合、離型層34は、弾性絶縁体32の表面に形成されている。
このようなRFICモジュール101aは、RFICモジュール101と同様の効果を奏する。また、RFICモジュール101aは、粘着層31を備えていない。従って、RFICモジュール101aを個片化した時に、粘着層31によるRFICモジュール101aのチップ同士の貼り付きが防止できる。
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形及び変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
Ca,Cb…容量
Cp…寄生容量
L1~L4…インダクタ
S11…第1面
S12…第2面
S31…第1面
S32…第2面
SO…低温はんだペースト
V1,V2…ビア導体
1…基材
2…RFIC
3…絶縁体層
4…支持フィルム
5…両面粘着シート
7…接着剤
10…フレキシブル基板
11A,11B…RFIC側端子電極
12A,12B,13A,13B…放射素子側電極
31…粘着層
32…弾性絶縁体
33…絶縁体層
34…離型層
41…絶縁体フィルム
42…粘着層
51…RFIC側第1端子電極
52…RFIC側第2端子電極
60…アンテナ
61…アンテナ基材
62…アンテナ導体パターン
62A,62B…放射素子
62LPa,62LPb,62LPc…導体
81…基材
83,84…絶縁体層
90…支持枠
101,101a,102…RFICモジュール
201,202…RFIDタグ
300…物品
301…RFIDタグ付き物品

Claims (10)

  1. 絶縁性の基材と、前記基材の第1面に形成されたRFIC側端子電極と、前記基材の前記第1面に対向する第2面に形成されて、前記RFIC側端子電極と導通する放射素子側電極と、を有するフレキシブル基板と、
    前記RFIC側端子電極に接続されるRFICと、
    を備え、
    前記フレキシブル基板の、前記RFICが搭載された面に弾性絶縁体を主要部とするフレキシブルな絶縁体層が被覆された、
    RFICモジュール。
  2. 前記放射素子側電極があるフレキシブル基板の第2面に、粘着層を介して絶縁体フィルムの第1面が貼付された、
    請求項1に記載のRFICモジュール。
  3. 前記弾性絶縁体は、弾性樹脂を主要部とする絶縁体層である、
    請求項1又は請求項2に記載のRFICモジュール。
  4. 前記弾性絶縁体は、発泡絶縁体を主要部とする絶縁体層である、
    請求項1又は請求項2に記載のRFICモジュール。
  5. 前記絶縁体フィルムにおいて、前記第1面に対向する第2面に、絶縁性接着剤が形成されている、
    請求項2に記載のRFICモジュール。
  6. 前記弾性絶縁体を主要部とする絶縁体層の表面に離型層が形成された、
    請求項1から請求項5のいずれかに記載のRFICモジュール。
  7. 前記弾性絶縁体は前記フレキシブル基板の、前記RFICの搭載面に接着する接着層を介して前記フレキシブル基板に貼付されている、
    請求項1から請求項6のいずれかに記載のRFICモジュール。
  8. 絶縁性の基材の第1面に、RFIC側端子電極を形成し、前記基材の前記第1面に対向する第2面に、前記RFIC側端子電極と導通する放射素子側電極を形成してフレキシブル基板を形成する工程と、
    上面に粘着層が形成された絶縁体フィルムに、前記フレキシブル基板を貼付する工程と、
    前記RFIC側端子電極にRFICを実装する工程と、
    弾性絶縁体を主要部とし、弾性絶縁体層の第2面を、前記フレキシブル基板側にして、前記弾性絶縁体層、前記フレキシブル基板及び前記絶縁体フィルムを平坦面間で貼付する工程と、
    を備える、
    RFICモジュールの製造方法。
  9. 絶縁性の基材の第1面に、RFICが接続される、RFIC側端子電極を形成し、前記基材の前記第1面に対向する第2面に、前記RFIC側端子電極と導通する、放射素子側電極を形成することによりフレキシブル基板を形成する工程と、
    粘着膜が形成された支持フィルムに、前記粘着膜を介して前記フレキシブル基板を貼付
    する工程と、
    前記フレキシブル基板の前記RFIC側端子電極にはんだを印刷する工程と、
    前記RFICを、前記はんだを介して前記フレキシブル基板に搭載する工程と、
    前記支持フィルムに前記フレキシブル基板が貼付されたまま、リフローはんだ法により前記RFICを前記フレキシブル基板に実装する工程と、
    前記フレキシブル基板の前記RFICの実装面に弾性絶縁体を主要部とする絶縁体層を形成する工程と、
    前記支持フィルム、前記フレキシブル基板及び前記絶縁体層を前記RFICの実装箇所単位の個片に打ち抜く工程と、
    を備える、
    RFICモジュールの製造方法。
  10. アンテナとRFICモジュールとを備えるRFIDタグであって、
    前記アンテナは、アンテナ基材と、当該アンテナ基材に形成されたアンテナ導体パターンとで構成され、
    前記RFICモジュールは、
    絶縁性の基材と、
    前記基材の第1面側に搭載されるRFICと、
    前記基材の前記第1面に形成されて、前記RFICが接続されるRFIC側端子電極と、
    前記基材の前記第1面に対向する第2面に形成されて、前記RFIC側端子電極と導通する放射素子側電極と、
    を備え、
    前記RFICが搭載された前記基材の前記第1面に弾性絶縁体を主要部とする絶縁体層が被覆され、
    前記絶縁体層の表面に離型性の絶縁体膜が形成された、
    RFIDタグ。
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