以下、本実施形態にかかる遊技機について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は、パチスロ遊技機に本発明を適用したものである。なお、以下の説明において、パチスロ遊技機の各部の左右方向は、そのパチスロ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させる。また、パチスロ遊技機の各部の前側は、そのパチスロ遊技機に対面する遊技者に近づく側とし、パチスロ遊技機の各部の後側は、そのパチスロ遊技機に対面する遊技者に遠のく側とする。
1.パチスロ遊技機1の構造
本形態のパチスロ遊技機1は、図1に示すように、本体部2と前面扉3とを備え、両者がパチスロ遊技機1の筐体BXを構成している。具体的に、本体部2は、前面を開放した箱状をなしている。前面扉3は、本体部2の前面側に、本体部2の開放面を開閉可能に取り付けられている。具体的に、前面扉3が閉状態(図1の状態)にある場合、前面扉3によって本体部2の前側が閉鎖される構成になっている。また、パチスロ遊技機1の本体部2と前面扉3とには、前面扉3を開状態とすることを制限するロック機構が設けられており、前面扉3に設けられたキーシリンダ18への所定のキー操作によってロックが解除可能になっている。
パチスロ遊技機1は、図1および図2に示すように、前面扉3の中央部に、樹脂製の板材からなる表示パネル4を配置している。さらにパチスロ遊技機1は、表示パネル4の中央に、縦長の3つの表示窓5L、5C、5Rを左右方向に並べて配置している。具体的には、左から順に、左表示窓5L、中表示窓5C、右表示窓5Rが設けられている。表示窓5L、5C、5Rには、透明のガラス板が組み付けられており、表示窓5L、5C、5Rを通して本体部2の内部が視認可能になっている。なお、各表示窓5L、5C、5Rを区画する仕切り部位を無くし、1つの表示窓としてもよい。
パチスロ遊技機1は、本体部2の内部に、3つのリール6L、6C、6Rを収納している。各リール6L、6C、6Rは、円筒状であり、いずれも本体部2に回動可能に支持されている。具体的には各々の中心軸線がそのリール6L、6C、6Rの回転軸線となるように支持されている。また、各リール6L、6C、6Rは、その回転軸線が同一軸線上になるように配置されており、各リール6L、6C、6Rが各表示窓5L、5C、5Rに一対一で対応している。そのため、各リール6L、6C、6Rの外周面の一部が、それぞれ対応する表示窓5L、5C、5Rを通して視認可能になっている。
各リール6L、6C、6Rは、透光性を有する部材(例えば、透明な樹脂材)で構成された円筒状のドラム部を有し、そのドラム部の外周面に、同じく透光性を有する帯状のリールテープ7L、7C、7Rが1周巻き回されている。各リールテープ7L、7C、7Rには、図柄が描かれており、リール6L、6C、6Rが回動することで、リールテープ7L、7C、7Rに描かれた図柄が各表示窓5L、5C、5Rの枠内において上下方向に変動表示される構成になっている。
ここで、図3を参照して、各リール6L、6C、6Rに表示された図柄について説明する。図3中、左リールテープ7Lは左リール6Lに、中リールテープ7Cは中リール6Cに、右リールテープ7Rは右リール6Rに、それぞれ用いられる。各リールテープ7L、7C、7Rには、21個の図柄が長手方向(図3中の上下方向)に沿って一列に描かれている。なお、図3では、各リールテープ7L、7C、7Rに1~21のコマ番号を付しているが、これらのコマ番号は説明の便宜上付されたものであり、各リールテープ7L、7C、7R、さらには各リール6L、6C、6Rに実際に付されているものではない。また、各リールテープ7L、7C、7Rに描かれる図柄は21個に限るものではなく、21個よりも多くても少なくてもよい。
各リールテープ7L、7C、7Rに描かれる図柄は複数種類ある。本形態では、「赤セブン」図柄(例えば、左リールテープ7Lのコマ番号「9」)、「チェリー」図柄(例えば、左リールテープ7Lのコマ番号「2」)、「スイカ」図柄(例えば、左リールテープ7Lのコマ番号「4」)、「ベル」図柄(例えば、左リールテープ7Lのコマ番号「3」)、「リプレイ」図柄(例えば、左リールテープ7Lのコマ番号「1」)、「ブランク」図柄(例えば、左リールテープ7Lのコマ番号「6」)、の6種類の図柄がある。なお、本形態では、各リール6L、6C、6R(リールテープ7L、7C、7R)において各種図柄の数や配置順序が異なっている。また、本形態では、リールの図柄として、上記の6種類の図柄を用いたが、6種類よりも多い図柄を用いても少ない図柄(ただし2種類以上の図柄)を用いてもよい。また、図柄の数や配置順序も、図3に示した例に限定されるものではない。
また、表示窓5L、5C、5Rを通して視認可能な図柄数は、表示窓5L、5C、5Rの上下方向の長さと各図柄の上下方向の長さとによって決まる。本形態では、遊技者に視認可能な図柄数は、リール6L、6C、6Rごとに3個となっている。そのため、各リール6L、6C、6Rがいずれも停止している状態では、9個の図柄が表示窓5L、5C、5Rを通して視認可能になる。なお、図2では、各リール6L、6C、6Rがいずれも停止している状態であって、リール6L、6C、6Rに表示される図柄を、破線の丸印で示している。
各リール6L、6C、6Rは、それぞれステッピングモータ等のリール用のモータ55L、55C、55R(図4参照)に連結されている。そのため、各リール6L、6C、6Rは、各リール用のモータ55L、55C、55Rの駆動により、それぞれ独立して回動可能になっている。
また、パチスロ遊技機1は、各リール6L、6C、6Rのドラム部の内側に、バックランプ49(図5参照)を配置している。そのため、バックランプ49が点灯した場合、各リール6L、6C、6Rの外周面に表示される図柄は、バックランプ49によってリール6L、6C、6Rの内側から照らされる。
また、パチスロ遊技機1では、各リール6L、6C、6Rに表示される図柄が視認可能になる位置を結んだ1ないし複数の有効ラインが設定されている。具体的に本形態では、図2に示したように、有効ラインが一点鎖線で示されており、左リール6Lの中段図柄、中リール6Cの中段図柄、右リール6Rの中段図柄を結んだ第1ラインL1と、左リール6Lの上段図柄、中リール6Cの上段図柄、右リール6Rの上段図柄を結んだ第2ラインL2と、左リール6Lの下段図柄、中リール6Cの下段図柄、右リール6Rの下段図柄を結んだ第3ラインL3と、左リール6Lの上段図柄、中リール6Cの中段図柄、右リール6Rの下段図柄を結んだ第4ラインL4と、左リール6Lの下段図柄、中リール6Cの中段図柄、右リール6Rの上段図柄を結んだ第5ラインL5と、の5本の有効ラインが設定されている。
なお、本形態では、上述の5本のラインの全てを有効ラインとしているが、そのうち1ないし複数(最大で4本)のラインを有効ラインとしてもよい。また、例えば、左リール6Lの上段図柄、中リール6Cの中段図柄、右リール6Rの上段図柄を結んだラインや、左リール6Lの下段図柄、中リール6Cの中段図柄、右リール6Rの下段図柄を結んだラインのような、非直線のラインを有効ラインとしてもよい。また、例えば、左リール6Lの上段図柄、中リール6Cの中段図柄、右リール6Rの中段図柄を結んだラインや、左リール6Lの下段図柄、中リール6Cの中段図柄、右リール6Rの中段図柄を結んだラインのような、左右非対称のラインを有効ラインとしてもよい。
パチスロ遊技機1では、上述の有効ラインL1~L5のいずれかのライン上に、各リール6L、6C、6Rに表示される図柄が所定の組み合わせで停止した場合に、入賞が成立する。そして、入賞が成立した場合、パチスロ遊技機1は、遊技媒体である遊技メダル(単に「メダル」ともいう)を所定枚数払い出す特典や、遊技状態が遊技者に有利な状態に移行する特典を、付与する。入賞となる図柄の組み合わせおよび入賞成立時の特典については、後述する。
また、パチスロ遊技機1は、表示パネル4の下方左側に、各リール6L、6C、6Rの回動開始の指示の入力を受け付けるスタートレバー8を配置している。パチスロ遊技機1は、所定枚数(本形態では3枚)のメダルがベットされている状態でスタートレバー8が操作されると、各リール6L、6C、6Rの回動を開始し、表示窓5L、5C、5Rを通して図柄の変動表示を開始する。各リール6L、6C、6Rは、同一の回動方向であって、同一の回動速度となるように制御される。
さらにパチスロ遊技機1は、表示パネル4の下方中央であってスタートレバー8の右側に、各リール6L、6C、6Rの回動停止の指示の入力を個別に受け付けるストップボタン9L、9C、9Rを配置している。パチスロ遊技機1は、リール6Lが回動している状態でストップボタン9Lが操作されると、その操作に基づいてリール6Lの回動を停止し、図柄の変動表示を停止する。同様に、リール6Cが回動している状態でストップボタン9Cが操作されると、その操作に基づいてリール6Cの回動を停止し、図柄の変動表示を停止する。同様に、リール6Rが回動している状態でストップボタン9Rが操作されると、その操作に基づいてリール6Rの回動を停止し、図柄の変動表示を停止する。
パチスロ遊技機1は、表示パネル4の下方右側に、メダル投入口10を配置している。メダル投入口10は、1回分の遊技(スロットゲーム、あるいは単にゲームともいう)を行うためのベット操作として、メダルをパチスロ遊技機1に投入するためのものである。本体部2内のメダル投入口10から投入されたメダルの通路内には、メダルの通過を検出する投入メダル検出センサ10a(図4参照)が設けられている。投入メダル検出センサ10aは、メダルを検出している状態とメダルを検出していない状態とで異なる信号を出力するセンサであり、メダルがメダル投入口10から投入された場合、そのメダルが投入メダル検出センサ10aの検出箇所を通過する際、投入メダル検出センサ10aからメダル有りを示す信号が出力される。
パチスロ遊技機1は、表示パネル4の下方左側に、第1ベットボタン11と第2ベットボタン12とを配置している。パチスロ遊技機1は、余剰に投入した分のメダルや入賞時に払い出された分のメダルを、所定の最大枚数(本形態では50枚)になるまで仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有している。パチスロ遊技機1は、クレジット機能が有効な場合、貯留記憶されている仮想メダルの枚数を、表示パネル4内の表示窓5L、5C、5Rの下方左側に配置されたクレジット数表示器21に表示する。第1ベットボタン11は、仮想メダルを一度に所定枚数(本形態では3枚)ベットするためのボタンであり、第2ベットボタン12は、仮想メダルを1枚ずつベットするためのボタンである。遊技者は、第1ベットボタン11と第2ベットボタン12とを操作することで、クレジット機能で記憶されている仮想メダルを利用することが可能である。
また、パチスロ遊技機1は、メダル投入口10の左側であって第1ベットボタン11の右側に、演出ボタン13を配置し、さらに演出ボタン13の右側に、セレクトボタン19を配置している。セレクトボタン19は、上下左右のそれぞれの方向に対応する4つのボタンで構成される。パチスロ遊技機1は、ゲームの進行に応じて演出ボタン13およびセレクトボタン19の操作を受け付け、各ボタンへの操作に応じて演出を変更することが可能である。
パチスロ遊技機1は、スタートレバー8の左側に、清算ボタン14を配置している。清算ボタン14は、前述したクレジット機能を無効にするためのボタンである。パチスロ遊技機1は、仮想メダルが貯留記憶されている状態で清算ボタン14が操作された場合、クレジット数表示器21に表示されている枚数分のメダルを払い出す。
パチスロ遊技機1は、表示パネル4のうち各表示窓5L、5C、5Rの下方に、ストップ報知器20L、20C、20Rを配置している。具体的に、左ストップ報知器20Lは左表示窓5Lの直下に、中ストップ報知器20Cは中表示窓5Cの直下に、右ストップ報知器20Rは右表示窓5Rの直下に、それぞれ配置されている。ストップ報知器20L、20C、20Rは、アシストタイム(AT)が有効な期間中、当選した小役の入賞に必要なリール6L、6C、6Rの停止順、すなわちストップボタン9L、9C、9Rの押し順を、遊技者に報知するための表示器である。例えば、1番目に停止させるリールが中リール6Cであった場合、パチスロ遊技機1は、全てのリール6L、6C、6Rが回動中、ストップボタン9Cの操作が必要である旨を中ストップ報知器20Cによって報知する。なお、アシストタイムおよび小役の詳細については後述する。
パチスロ遊技機1は、表示パネル4のうち右表示窓5Rの下方に、投入可能表示ランプ22、再遊技表示ランプ23、および獲得枚数表示器24を配置している。投入可能表示ランプ22は、メダルが投入可能な状態であることを点灯によって報知する。再遊技表示ランプ23は、前回のゲームによって再遊技役に入賞し、自動的に1回分のゲームを行うためのベットが行われたことをランプの点灯によって報知する。獲得枚数表示器24は、遊技役の入賞に伴うメダルの払い出しの際に、払い出したメダルの枚数を表示する。また、獲得枚数表示器24は、エラーが生じた際に、エラーの情報を表示するためにも用いられる。
パチスロ遊技機1は、クレジット数表示器21の左側に、遊技開始表示ランプ25および投入枚数表示ランプ26が配置されている。遊技開始表示ランプ25は、ゲームの開始が可能であること、すなわちスタートレバー8の操作を受け付けている状態であることを点灯して報知する。投入枚数表示ランプ26は、複数のランプから構成され、ベット操作によって、ベットされたメダル数に応じた数のランプが点灯する。
パチスロ遊技機1は、表示パネル4のうち右表示窓5Rの下方右側に、特殊遊技役報知ランプ27を配置している。特殊遊技役報知ランプ27は、複数のランプから構成され、特定の遊技役(例えば後述するチェリー役やスイカ小役)に当選した場合に、当選した遊技役に対応するランプを点灯させる。
パチスロ遊技機1は、前面扉3の下部に、メダルを遊技者に払い出すためのメダル払出口30と、メダルを一定量まで貯留できる下皿31と、を配置している。メダル払出口30から払い出されたメダルは、下皿31に貯留される。
また、パチスロ遊技機1は、前面扉3の上部に、ゲームの進行に伴って点灯ないし消灯する複数の演出ランプ40と、ゲームの進行に伴って種々の効果音を出力する左右一対のスピーカ41と、遊技者に各種の情報を画面42aに表示する画像表示装置42と、を配置している。画像表示装置42は、液晶パネルの画面42aを備え、遊技の進行に伴って各種の画像演出を実行する。画像演出には、例えば、遊技状態に応じた背景画像の表示、遊技役の入賞操作を遊技者に報知する操作報知画像の表示、特定の遊技役の当選の有無を報知する当選報知画像の表示、が該当する。
また、パチスロ遊技機1は、前面扉3の裏側に、設定ボタン15および設定表示ランプ28を配置している(図4参照)。設定ボタン15は、遊技役の当選確率を調節する設定値の変更に用いる。以下、本明細書において、設定対象の記載なく「設定値」とした場合、遊技役の当選確率の調節に用いられる設定値を意味する。なお、設定ボタン15は、エラー状態や打止状態を解除するリセット機能を兼ねてもよい。設定表示ランプ28は、複数のランプで構成され、設定値に対応するランプが点灯表示される。
パチスロ遊技機1は、本体部2の内部に、メダル投入口10から投入されたメダルを貯留するメダル金庫(不図示)、メダル金庫に貯留されるメダルをメダル払出口30から払い出すためのホッパー54(図4参照)、および電源ボックス(不図示)、を配置している。
2.パチスロ遊技機1の電気的構成
続いて、パチスロ遊技機1における電気的な構成を、図4および図5を参照しつつ説明する。パチスロ遊技機1は、主制御基板60と、サブ制御基板70と、画像制御基板80と、を備えている。主制御基板60は、本体部2に取り付けられ、遊技役の抽選、遊技状態の移行等、主として遊技利益に関する制御を行う。サブ制御基板70は、本体部2に取り付けられ、主としてゲームの進行に伴って実行される演出に関する制御を行う。画像制御基板80は、画像表示装置42に表示される画像やスピーカ41から出力される音声に関する制御を行う。
また、パチスロ遊技機1は、電源基板92を備えている。電源基板92は、主制御基板60、サブ制御基板70、および画像制御基板80に対する電力の供給制御を行い、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。
電源基板92には、バックアップ電源回路921が設けられている。バックアップ電源回路921は、パチスロ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合、すなわち主電源がOFFであったり停電が生じた場合に、後述する主制御基板60のRAM64等に対して情報の保持に必要な電力を供給する。従って、主制御基板60のRAM64等に記憶されている情報は、パチスロ遊技機1に外部から電力が供給されていない場合も、バックアップ電源回路921から電力を供給できる間、一時的に保持される。なお、各制御基板に対する専用のバックアップ電源回路をそれぞれ設けてもよい。
また、電源基板92には、電源スイッチ59、設定キースイッチ16、およびRAMクリアスイッチ17が接続されている。これらのスイッチは、電源基板92に付設され、通常、パチスロ遊技機1の前面側にいる遊技者から視認できず、遊技者が操作できない位置にある。そのため、これらのスイッチは、通常、ホールのスタッフによって操作される。パチスロ遊技機1は、電源スイッチ59が操作されると、主電源のオンオフが切り換えられる。
また、パチスロ遊技機1は、設定値の変更を許可する設定モードと、設定値の変更を許可しない非設定モードとを有し、設定キースイッチ16によってモードの切り換えが可能である。設定キースイッチ16は、第1の位置と第2の位置とに変位可能であり、設定キースイッチ16が第1の位置にある状態で起動されると、パチスロ遊技機1は設定モードで動作する。パチスロ遊技機1は、設定モード中、ゲームの実行を制限するが、設定キースイッチ16が第2の位置に切り換えられることで非設定モードに移行し、ゲームの実行制限を解除する。一方、設定キースイッチ16が第2の位置にある状態で起動されると、パチスロ遊技機1は非設定モードで動作する。この場合、設定キースイッチ16が第1の位置に切り換えられたとしても、パチスロ遊技機1は設定モードに移行しない。
また、パチスロ遊技機1は、RAMクリアスイッチ17が押下された状態で起動されると、主制御基板60のRAM64およびサブ制御基板70のRAM74を初期化する。これにより、RAM64およびRAM74に記憶されている情報が失われる。
主制御基板60には、図4に示すように、プログラムに従ってパチスロ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン61が実装されている。以下、遊技制御用ワンチップマイコン61を、遊技制御用マイコン61とする。遊技制御用マイコン61には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶したROM63、ワークメモリとして使用されるRAM64、ROM63に記憶されたプログラムを実行するCPU62、が含まれる。遊技制御用マイコン61は、I/Oポートによって構成される入出力回路69を介して他の基板等とデータの送信ないし受信を行う。入出力回路69は、遊技制御用マイコン61に内蔵されていてもよい。また、ROM63は、外付けであってもよい。
CPU62には、クロックパルスを発生させるクロックパルス発生回路(不図示)や、所定範囲内の乱数を発生させる乱数発生回路66や、乱数発生回路から生じた乱数を抽出するサンプリング回路(不図示)が接続されている。CPU62は、クロック発生回路から生じたクロックパルスに基づいて制御プログラムを実行し、乱数発生回路66にて生じた乱数をサンプリング回路に抽出させ、サンプリング回路にて抽出された乱数値を用いて、遊技役の抽選等を行う。
また、遊技制御用マイコン61には、入出力回路69を介して、各種のセンサ類、スイッチ類、および基板類が電気的に接続され、各種の信号が入力される。具体的に、遊技制御用マイコン61には、スタート検出センサ8a、投入メダル検出センサ10a、第1ベット検出センサ11a、および第2ベット検出センサ12aが接続されている。
スタート検出センサ8aは、スタートレバー8の操作の有無に応じて異なる信号を出力する。投入メダル検出センサ10aは、メダル投入口10から投入されたメダルが所定の検出箇所を通過する際に出力値が変化する信号を出力する。遊技制御用マイコン61は、この信号に基づいてメダル投入口10へのメダルの投入を判断できる。第1ベット検出センサ11aは、第1ベットボタン11の操作の有無に応じて異なる信号を出力する。第2ベット検出センサ12aは、第2ベットボタン12の操作の有無に応じて異なる信号を出力する。
また、遊技制御用マイコン61には、回動速度検出センサ50L、50C、50R、リール位置検出センサ51L、51C、51R、払出メダル検出センサ52a、およびストップボタン(SB)検出センサ91L、91C、91Rが電気的に接続されている。
回動速度検出センサ50L、50C、50Rは、リール6L、6C、6Rの回動速度を検出する。具体的に、左回動速度検出センサ50Lは、左リール6Lの回動速度が所定値に達したか否かに応じて異なる信号を出力する。中回動速度検出センサ50Cは、中リール6Cの回動速度が所定値に達したか否かに応じて異なる信号を出力する。右回動速度検出センサ50Rは、右リール6Rの回動速度が所定値に達したか否かに応じて異なる信号を出力する。
リール位置検出センサ51L、51C、51Rは、リールの基準位置(例えば、図3に示したコマ番号「1」の位置)の検出時に所定の信号を出力する。遊技制御用マイコン61は、この信号に基づいてリールの位置を判断できる。具体的に、左リール位置検出センサ51Lは、左リール6Lの基準位置を検出する。中リール位置検出センサ51Cは、中リール6Cの基準位置を検出する。右リール位置検出センサ51Rは、右リール6Rの基準位置を検出する。
払出メダル検出センサ52aは、ホッパー54から払い出されたメダルが所定の検出箇所を通過する際に出力値が変化する信号を出力する。遊技制御用マイコン61は、この信号に基づいてホッパー54から払い出されたメダルの有無を判断できる。
SB検出センサ91L、91C、91Rは、ストップボタン9L、9C、9Rの操作の有無に応じて異なる信号を出力する。具体的に、左SB検出センサ91Lは、ストップボタン9Lの操作の有無に応じて異なる信号を出力する。中SB検出センサ91Cは、ストップボタン9Cの操作の有無に応じて異なる信号を出力する。右SB検出センサ91Rは、ストップボタン9Rの操作の有無に応じて異なる信号を出力する。
また、遊技制御用マイコン61には、開閉検出センサ53a、清算検出センサ14a、および設定検出センサ15aが電気的に接続されている。開閉検出センサ53aは、前面扉3の裏側に設置され、前面扉3が開状態の場合と閉状態の場合とで異なる信号を出力する。遊技制御用マイコン61は、この信号に基づいて前面扉3が開状態か閉状態かを判断できる。清算検出センサ14aは、清算ボタン14の操作の有無に応じて異なる信号を出力する。設定検出センサ15aは、設定ボタン15の操作の有無に応じて異なる信号を出力する。
また、遊技制御用マイコン61には、ストップ報知器20L、20C、20R、クレジット数表示器21、投入可能表示ランプ22、再遊技表示ランプ23、獲得枚数表示器24、遊技開始表示ランプ25、投入枚数表示ランプ26、特殊遊技役報知ランプ27、および設定表示ランプ28、が電気的に接続され、各種の信号が出力される。遊技制御用マイコン61は、各種のランプに対して各種の制御(ランプの点灯、消灯、情報の表示)が可能である。
また、遊技制御用マイコン61には、各リール6L、6C、6Rを回動させるためのリール用のモータ55L、55C、55Rと、ホッパー54と、が電気的に接続され、制御信号が出力される。遊技制御用マイコン61は、各リール6L、6C、6Rの回動制御およびメダルの払い出し制御が可能である。
また、主制御基板60は、サブ制御基板70に対して、各種コマンドを送信する。主制御基板60とサブ制御基板70との通信は、主制御基板60からサブ制御基板70へのコマンドの送信のみが可能な単方向通信となっている。すなわち、主制御基板60とサブ制御基板70との間には、通信方向規制手段として、例えばダイオードを用いた単方向制御回路が介在している。
また、主制御基板60には、外部端子板190が電気的に接続されている。外部端子板190は、遊技制御用マイコン61から受信した信号に基づく各種の信号を、データ表示器910やホールコンピュータ900といったパチスロ遊技機1の外部に配された外部装置に対して出力する。具体的に外部端子板190には、外部出力用の複数のチャネル(CN)が設けられている。そして、各チャネル(CN)に対応するコネクタと、データ表示器910側のコネクタとはケーブルによって接続されている。各コネクタからは、それぞれ一つの信号が外部に出力される。外部端子板190では、例えば、ビックボーナス(BB)に入賞したことを示すボーナスカウント信号、パチスロ遊技機1の遊技状態を示す信号、前面扉3が開放されていることを示す扉開放信号、想定外の入賞があったことを示すセキュリティ信号、がそれぞれ別のチャネルから出力される。
サブ制御基板70には、図5に示すように、プログラムに従ってパチスロ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン71が実装されている。以下、演出制御用ワンチップマイコン71を、演出制御用マイコン71とする。演出制御用マイコン71には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM73、ワークメモリとして使用されるRAM74、ROM73に記憶されたプログラムを実行するCPU72、が含まれる。演出制御用マイコン71は、I/Oポートによって構成される入出力回路79を介して他の基板等とデータの送信ないし受信を行う。入出力回路79は、演出制御用マイコン71に内蔵されていてもよい。また、ROM73は、外付けであってもよい。
また、サブ制御基板70には、画像制御基板80、演出ランプ40、バックランプ49、演出ボタン検出センサ13a、およびセレクトボタン検出センサ19aが電気的に接続されている。そのため、サブ制御基板70には演出ボタン検出センサ13aやセレクトボタン検出センサ19aに基づく信号が入力され、画像制御基板80や各ランプにはサブ制御基板70から信号が出力される。なお、セレクトボタン19は、4つのボタンで構成される(図1参照)ため、各ボタンに対応する検出センサが設けられており、本明細書でのセレクトボタン検出センサ19aは、これらの検出センサの総称である。
画像制御基板80には、プログラムに従って画像表示装置42およびスピーカ41の出力を制御する画像制御用ワンチップマイコン81が実装されている。以下、画像制御用ワンチップマイコン81を、画像制御用マイコン81とする。画像制御用マイコン81には、演出の進行に伴って表示画像を制御するためのプログラムや、画像表示装置42に表示される静止画や動画、より具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字、記号、背景画像、などの画像データや、スピーカ41を介して出力される音声、楽曲、効果音、などの音声データを記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、が含まれる。画像制御用マイコン81は、I/Oポートによって構成される入出力回路89を介して他の基板等とデータの送信ないし受信を行う。入出力回路89は、画像制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は、外付けであってもよい。
また、画像制御基板80には、画像表示装置42やスピーカ41が電気的に接続されている。画像表示装置42やスピーカ41には、画像制御基板80からの信号が入力される。そのため、例えば、画像表示装置42は、入力された信号に基づいて、各種の画像を表示する。
サブ制御基板70の演出制御用マイコン71は、主制御基板60から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板80の画像制御用マイコン81に画像表示装置42の表示制御を行わせる。画像制御用マイコン81のCPU82は、演出制御用マイコン71からのコマンドに基づいて、ROM83から画像データや音声データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づく演出画像を画像表示装置42に表示させ、読み出した音声データに基づく音声をスピーカ41から出力させる。
なお、音声を出力する構成として、サブ制御基板70およびスピーカ41と電気的に接続される音声制御基板を備え、演出制御用マイコン71が、主制御基板60から受信したコマンドに基づいて、その音声制御基板を介して、スピーカ41に音声、楽曲、効果音等を出力させる構成でもよい。この場合、音声データは、サブ制御基板70のROM73に記憶すればよい。
演出ボタン検出センサ13aは、演出ボタン13に対応するセンサである。そのため、演出ボタン13が押下されると、演出ボタン検出センサ13aからサブ制御基板70に対して、演出ボタン13に関する信号が出力される。演出ボタン検出センサ13aから出力される信号に基づいて、サブ制御基板70は、演出ボタン13が押下されたか否かを判断できる。セレクトボタン検出センサ19aは、セレクトボタン19に対応するセンサである。そのため、セレクトボタン19が押下されると、セレクトボタン検出センサ19aからサブ制御基板70に対して、セレクトボタン19に関する信号が出力される。セレクトボタン検出センサ19aから出力される信号に基づいて、サブ制御基板70は、セレクトボタン19が押下されたか否かを判断できる。
3.パチスロ遊技機1の遊技役
続いて、パチスロ遊技機1が有する遊技役について説明する。図6は、パチスロ遊技機1が有する遊技役の種類と、各遊技役が入賞した場合のメダルの払い出し枚数と、を示している。パチスロ遊技機1は、1つの特別役であるビックボーナス(BB)役と、小役1~小役9までの9個の小役と、1つの再遊技(リプレイ)役と、の11種類の遊技役を有している。
パチスロ遊技機1は、各ゲームにおける遊技役の当否を、スタートレバー8の操作を契機に取得した役抽選乱数に基づいて決定する。具体的に、パチスロ遊技機1は、1回のゲームごとに、役抽選乱数を取得し、予めROM63に記憶された遊技役抽選テーブルを用いて遊技役の抽選を行う。パチスロ遊技機1は、カウンタIC等からなる公知のハードウェア、すなわち乱数発生回路を主制御基板60に備えている。役抽選乱数は、その乱数発生回路によって発生させたハードウェア乱数である。そして、パチスロ遊技機1は、その抽選によっていずれかの遊技役に当選したと判断すると、当選した遊技役に対応するフラグをONにする。
パチスロ遊技機1では、有効ラインL1~L5(図2参照)上に停止表示された各リール6L、6C、6Rの3つの図柄の組み合わせが、当選フラグがONになっている遊技役の図柄の組み合わせと一致した場合に、遊技役の入賞が成立して、遊技者に有利な特典(例えば、所定枚数のメダルの払い出しや遊技状態の移行)を付与する。言い換えると、当選フラグがONになっている遊技役があったとしても、その遊技役に対応する図柄が揃って入賞しなければ、パチスロ遊技機1は、遊技者に有利な特典を付与しない。なお、「メダルの払い出し」とは、メダルがメダル払出口30から払い出されることの他、クレジット機能が有効な場合はクレジット数表示器21に表示される数値が増えること、すなわち仮想メダルが増えることも含む。
ここから、パチスロ遊技機1が有する各遊技役について、図6を参照しつつ説明する。BB役は、その入賞によって、次回のゲームから遊技状態がBB遊技状態に移行する遊技役である。つまり、パチスロ遊技機1では、BB役の入賞がBB遊技状態への移行契機となっている。なお、パチスロ遊技機1では、有効ラインL1~L5のいずれか1ライン上に「赤セブン」図柄の3つ揃い(赤セブン-赤セブン-赤セブン)が停止表示された場合に、BB役の入賞となる。BB遊技状態については後述する。
小役1は、その入賞によって、2枚のメダルの払い出しが行われる遊技役である。なお、有効ラインL1~L5のいずれか1ライン上に「チェリー」図柄の3つ揃い(チェリー-チェリー-チェリー)が停止表示された場合に、小役1の入賞となる。小役1は、「チェリー小役」ともいう。
小役2は、その入賞によって、5枚のメダルの払い出しが行われる遊技役である。なお、有効ラインL1~L5のいずれか1ライン上に「スイカ」図柄の3つ揃い(スイカ-スイカ-スイカ)が停止表示された場合に、小役2の入賞となる。小役2は、「スイカ小役」ともいう。
小役3、小役4、および小役5は、その入賞によって、9枚のメダルの払い出しが行われる遊技役である。なお、有効ラインL1~L5のいずれか1ライン上に「ベル」図柄の3つ揃い(ベル-ベル-ベル)が停止表示された場合に、小役3~5の入賞の条件の1つを満たす。
また、小役3~5は、互いに異なる「正解押し順」が設定されている。正解押し順は、ストップボタン9L、9C、9Rの押し順、すなわちリール6L、6C、6Rの停止順である。例えば、小役3は、3つのリール6L、6C、6Rのうち、左リール6Lを1番目に停止させることが入賞の条件となる。小役4は、中リール6Cを1番目に停止させることが入賞の条件の1つとなる。小役5は、右リール6Rを1番目に停止させることが入賞の条件の1つとなる。いずれの正解押し順も、2番目および3番目に停止させるリールの順番は決められていない。つまり小役3~5の正解押し順は、3つのリール6L、6C、6Rから1番目に停止させるリールのみ遊技者に選択させる3択方式である。リール6L、6C、6Rを停止する操作が正解押し順と一致している場合、小役3~5の入賞が成立可能になる。小役3~5は、「第1の押し順ベル小役」ともいう。
なお、第1の押し順ベル小役は、3つのリール6L、6C、6Rから、1番目に停止させるリール、2番目に停止させるリール、3番目に停止させるリールを、遊技者に順に選択させる6択方式であってもよい。この場合、例えば正解押し順を報知する際、パチスロ遊技機1は、3つのリール6L、6C、6Rの回動中、1番目に停止させるリールに対応するストップ報知器を点灯させ、1番目のリールの停止後、2番目に停止させるリールに対応するストップ報知器を点灯させるとよい。また、パチスロ遊技機1は、各ストップ報知器に正解押し順を数値表示させてもよい。例えば、正解押し順が、左リール6L、中リール6C、右リール6Rの順であれば、パチスロ遊技機1は、左ストップ報知器20Lに「1」を、中ストップ報知器20Cに「2」を、右ストップ報知器20Rに「3」を、それぞれ表示させるとよい。
小役6、小役7、および小役8は、その入賞によって、1枚のメダルの払い出しが行われる遊技役である。なお、有効ラインL1~L5のいずれか1ライン上に、左から「ベル」図柄、「リプレイ」図柄、「ベル」図柄が停止表示された場合に、小役6~8の入賞の条件の1つを満たす。
小役6~8は、前述した小役3~5と同じように、互いに異なる押し順が設定されている。具体的に、小役6は、3つのリール6L、6C、6Rから左リール6Lを1番目に停止させることが入賞の条件となる。小役7は、中リール6Cを1番目に停止させることが入賞の条件となる。小役8は、右リール6Rを1番目に停止させることが入賞の条件となる。いずれの正解押し順も、2番目および3番目に停止させるリールの順番は決められていない。リール6L、6C、6Rを停止する操作が正解押し順と一致している場合、小役6~8の入賞が成立可能になる。小役6~8は、「第2の押し順ベル小役」ともいう。
なお、パチスロ遊技機1では、遊技役の抽選によって、小役3とともに、小役7および小役8が重複して当選する。同様に、小役4とともに、小役6および小役8が重複して当選する。同様に、小役5とともに、小役6および小役7が重複して当選する。そのため、例えば、小役3、7、8に重複当選した場合、回動中の3つのリール6L、6C、6Rのうち左リール6Lを1番目に停止させると、小役3の正解押し順と一致するために小役3の入賞が成立可能になる。一方で、中リール6Cを1番目に停止させると、小役3の正解押し順と一致しないため小役3の入賞が成立不可になるが、小役7の正解押し順と一致するために小役7の入賞が成立可能になる。また、右リール6Rを1番目に停止させると、小役3および小役7の正解押し順と一致しないため小役3および小役7の入賞が成立不可になるが、小役8の正解押し順と一致するために小役8の入賞が成立可能になる。小役4、小役6、小役8の重複当選、および小役5、小役6、小役7の重複当選についても同様である。
つまり、小役3~8の当選時、第1の押し順ベル小役(小役3~5)の正解押し順で各リール6L、6C、6Rが停止された場合、パチスロ遊技機1では、第1の押し順ベル小役の入賞が成立可能となる。一方、第1の押し順ベル小役の正解押し順で各リール6L、6C、6Rが停止されなかった場合、パチスロ遊技機1では、第1の押し順ベル小役の入賞が成立しない代わりに、第2の押し順ベル小役(小役6~8)の入賞が成立可能となる。なお、第1の押し順ベル小役と第2の押し順ベル小役を総称して「押し順ベル小役」ともいう。
小役9は、その入賞によって、9枚のメダルの払い出しが行われる遊技役である。なお、有効ラインL1~L5のいずれか1ライン上に「ベル」図柄の3つ揃い(ベル-ベル-ベル)が停止表示された場合に、小役9の入賞となる。小役9は、小役3~8と異なり、正解押し順は設定されておらず、ストップボタン9L、9C、9Rの押し順は問わない。小役9は、「共通ベル小役」ともいう。
リプレイ役は、その入賞によってメダルの払い出しは伴わないが、遊技者がメダルを投入することなく次回のゲームを行うことが可能になる遊技役である。なお、有効ラインL1~L5のいずれか1ライン上に「リプレイ」図柄の3つ揃い(リプレイ-リプレイ-リプレイ)が停止表示された場合に、リプレイ役の入賞となる。
パチスロ遊技機1は、ストップボタン9L、9C、9Rの操作から、対応するリール6L、6C、6Rの回動を停止させるまでの制動時間を0~190msの範囲で変更可能であり、有効ラインL1~L5のいずれか1つのライン上に、当選した遊技役に応じた図柄が停止表示され得るような制御、あるいは当選していない遊技役に応じた図柄が揃わないような制御、を行っている。具体的には、パチスロ遊技機1は、最短の制動時間(つまり0ms)で停止表示させた場合に表示窓5L、5C、5Rを通じて表示される図柄から、所定の引き込み数分(本形態では最大で4コマ分)、リールの回動方向とは逆方向に位置する図柄までの複数の図柄のうち、任意の図柄を表示窓5L、5C、5Rの枠内に引き込んで停止表示させる引込制御を行っている。
例えば、パチスロ遊技機1では、いずれのリールテープ7L、7C、7Rも複数の「リプレイ」図柄が最大で5コマおきに配置されている(図3参照)。そのため、各リール6L、6C、6Rの外周面には、引き込み数の最大値である4コマよりも大きな間隔を空けずに、「リプレイ」図柄が複数配置されていることになる。従って、リプレイ役に当選した場合には、リール6L、6C、6Rの回動中に各ストップボタン9L、9C、9Rがどのタイミングで操作されたとしても、パチスロ遊技機1は、引込制御によって「リプレイ」図柄の3つ揃いを有効ラインL1~L5のいずれか1ライン上に停止表示させることができる。つまり、パチスロ遊技機1は、リプレイ役に当選したゲームでは、引込制御によってリプレイ役を入賞させることが可能である。
同様に、「ベル」図柄についても、各リール6L、6C、6Rの外周面に、引き込み数の最大値である4コマよりも大きな間隔を空けずに、複数配置されている(図3参照)。従って、押し順ベル小役や共通ベル小役に当選した場合には、リール6L、6C、6Rの回動中に各ストップボタン9L、9C、9Rがどのタイミングで操作されたとしても、パチスロ遊技機1は、引込制御によって「ベル」図柄の3つ揃いを有効ラインL1~L5のいずれか1ライン上に停止表示させることができる。
ただし、押し順ベル小役については、正解押し順が設定されている。そのため、パチスロ遊技機1は、押し順ベル小役に当選したゲームでは、第1の押し順ベル小役の正解押し順でストップボタン9L、9C、9Rが操作された場合に、引込制御によって第1の押し順ベル小役を入賞させる図柄を停止表示させる。一方で、第2の押し順ベル小役の正解押し順でストップボタン9L、9C、9Rが操作された場合に、引込制御によって第2の押し順ベル小役を入賞させる図柄を停止表示させる。
また、「チェリー」図柄は、いずれのリールテープ7L、7C、7Rも2個しか配置されていない。さらに、2個の「チェリー」図柄同士の間隔は、5コマ以上である。そのため、各リール6L、6C、6Rの外周面に、引き込み数の最大値である4コマよりも大きな間隔が空いた状態で「チェリー」図柄が表示されていることになる。従って、チェリー小役に当選した場合、各ストップボタン9L、9C、9Rを操作するタイミング次第では、パチスロ遊技機1は、引込制御を行っても「チェリー」図柄を停止表示させることができない。つまり、チェリー小役が当選しているゲームでパチスロ遊技機1が引込制御を行ったとしても、チェリー小役を入賞させることができないこともある。
また、「スイカ」図柄は、左リールテープ7Lに3個、中リールテープ7Cに5個、右リールテープ7Rに2個、それぞれ配置されている。さらに、左リールテープ7Lおよび右リールテープ7Rにおいて、「スイカ」図柄同士の間隔は、5コマ以上である。そのため、左リール6Lおよび右リール6Rの外周面には、引き込み数の最大値である4コマよりも大きな間隔が空いた状態で「スイカ」図柄が表示されていることになる。従って、スイカ小役に当選した場合、ストップボタン9Lないしストップボタン9Rを操作するタイミング次第では、パチスロ遊技機1は、引込制御を行っても「スイカ」図柄を停止表示させることができない。つまり、スイカ小役が当選しているゲームでパチスロ遊技機1が引込制御を行ったとしても、スイカ小役を入賞させることができないこともある。
また、「赤セブン」図柄は、いずれのリールテープ7L、7C、7Rも1個しか配置されていない。従って、BB役に当選した場合、各ストップボタン9L、9C、9Rを操作するタイミング次第では、パチスロ遊技機1は、引込制御を行っても「赤セブン」図柄を停止表示させることができない。つまり、BB役が当選しているゲームでパチスロ遊技機1が引込制御を行ったとしても、BB役を入賞させることができないこともある。ただし、BB役に当選した場合、パチスロ遊技機1は、BB役の入賞が成立するまで当選状態を維持し、次回以降のゲームで入賞を成立させることが可能である。
また、抽選によってこれらの遊技役のいずれにも当選しなかった場合は「ハズレ」となり、各ストップボタン9L、9C、9Rをどのタイミングで操作しても、パチスロ遊技機1は、引込制御によって、各遊技役に係る図柄の組み合わせ以外の図柄の組み合わせが有効ラインL1~L5のいずれのライン上にも停止表示されるように引込制御を行う。なお、各リールテープ7L、7C、7Rには、遊技役の図柄の組み合わせに関係しない「ブランク」図柄が設けられている。このため、抽選結果がハズレの場合、パチスロ遊技機1は、「赤セブン」「チェリー」「スイカ」、「ベル」、「リプレイ」の各図柄に「ブランク」図柄を加えた6種類の図柄を用いて、任意の組み合わせを有効ラインL1~L5に停止表示できる。
4.パチスロ遊技機1の遊技状態
続いて、パチスロ遊技機1が有する遊技状態について説明する。パチスロ遊技機1は、図7に示すように、リプレイタイム(RT)遊技状態、ビックボーナス(BB)遊技状態、非RT遊技状態、の3種類の遊技状態がある。本形態では、これらの遊技状態のうち、非RT遊技状態が通常の遊技状態となる。
パチスロ遊技機1は、遊技状態が非RT遊技状態のときに条件Aが成立した場合、遊技状態をBB遊技状態に移行させる。本形態では、条件Aを、BB役に入賞すること、すなわち「赤セブン」図柄の3つ揃いを有効ラインL1~L5のいずれか1ラインに停止表示させること、とする。この条件Aは、BB遊技状態の開始条件でもあり、非RT遊技状態の終了条件でもある。
BB遊技状態は、通常の遊技状態である非RT遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技条件となる特別な遊技状態である。パチスロ遊技機1では、BB遊技状態の場合、非RT遊技状態と比較して、遊技者に有利な遊技役に当選し易い。図8は、パチスロ遊技機1が有する遊技役抽選テーブルを示している。パチスロ遊技機1は、スタートレバー8が操作されると、役抽選乱数を取得し、遊技役抽選テーブルを用いて遊技役の抽選を行う。パチスロ遊技機1では、押し順ベル小役に割り当てられている役抽選乱数の数が、非RT遊技状態と比較してBB遊技状態の方が多い。一方で、ハズレに割り当てられている役抽選乱数の数が、非RT遊技状態と比較してBB遊技状態の方が少ない。なお、パチスロ遊技機1は、設定値ごとの遊技役抽選テーブルをROM63に記憶している。図8に示した遊技役抽選テーブルは、1~6までの範囲内に設定される設定値のうちの1つ(例えば設定値が「6」)に用いるものを示しており、その他の設定値に用いる遊技役抽選テーブルについては記載を省略する。
さらにパチスロ遊技機1は、遊技状態がBB遊技状態のときにアシストタイム(AT)機能を有効にする。AT機能とは、当選している遊技役についての当選の報知やストップボタン9L、9C、9Rの押し順に関する報知を行う機能である。パチスロ遊技機1は、例えばリール6L、6C、6Rの回動中に報知を行う。なお、AT機能が有効になっている状態を「特別報知状態」とする。遊技状態がBB遊技状態では、AT機能が有効になっていることから、パチスロ遊技機1は、押し順ベル小役に当選した場合に、第1押し順ベル小役の正解押し順をストップ報知器20L、20C、20Rによって報知する。
このようにBB遊技状態では、押し順ベル小役が当選し易く、さらにAT機能によって第1押し順ベル小役の正解押し順が報知されるために入賞し易い。そのため、遊技者は、より多くのメダルを獲得し易い。一方で、パチスロ遊技機1では、遊技状態が非RT遊技状態の場合、ハズレが多い上に、AT機能が無効である。すなわち、非RT遊技状態では、パチスロ遊技機1は、遊技役に当選した場合に、ストップ報知器20L、20C、20Rや特殊遊技役報知ランプ27によるその当選の報知を行わない。そのため、遊技者に有利な遊技役の入賞が困難になる。従って、BB遊技状態は、非RT遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技条件といえる。
なお、BB遊技状態では、図8に示したように、押し順ベル小役および共通ベル小役以外の遊技役、つまりBB役、チェリー小役、スイカ小役、およびリプレイ役には乱数が割り当てられておらず、これらの遊技役に当選しない。そのため、毎ゲームのメダルの払い出しが期待でき、遊技者は、BB遊技状態中、多くのメダルの獲得が期待できる。
また、パチスロ遊技機1は、遊技状態がBB遊技状態のときに条件Bが成立した場合、遊技状態をRT遊技状態に移行させる。本形態では、条件Bを、BB遊技状態になってから複数のゲームを消化し、払い出されたメダルの総数が所定枚数(本形態では300枚)を超えたこと、とする。この条件Bは、RT遊技状態の開始条件でもあり、BB遊技状態の終了条件でもある。
RT遊技状態は、通常の遊技状態である非RT遊技状態よりもリプレイ役に当選する確率が高い遊技状態である。具体的には、図8に示したように、パチスロ遊技機1では、リプレイ役に割り当てられている役抽選乱数の数が、非RT遊技状態と比較してRT遊技状態の方が多く、ハズレに割り当てられている役抽選乱数の数が、非RT遊技状態と比較してRT遊技状態の方が少ない。よって、RT遊技状態では、リプレイ役が当選し易く、ハズレも引き難い。そのため、遊技者は、メダルの減りを抑えつつ複数のゲームを行うことができる。そのため、RT遊技状態は、遊技者に有利な状態の一例である。勿論、BB遊技状態も、遊技者に有利な状態の一例である。
さらにパチスロ遊技機1は、遊技状態がRT遊技状態のときにもAT機能を有効にする。そのため、パチスロ遊技機1は、RT遊技状態中に押し順ベル小役に当選した場合、BB遊技状態中と同様に、第1押し順ベル小役の正解押し順に関する報知を行う。そのため、押し順ベル小役に入賞し易く、メダルが減り難い。
また、パチスロ遊技機1は、遊技状態がRT遊技状態のときに前述の条件Aが成立した場合、遊技状態をBB遊技状態に移行させる。つまり条件Aは、RT遊技状態の終了条件でもある。
また、パチスロ遊技機1は、遊技状態がRT遊技状態のときに条件Cが成立した場合、遊技状態を非RT遊技状態に移行させる。本形態では、条件Cを、RT遊技状態になってから所定回数(本形態では30回に後述する上乗せ機能によって獲得した上乗せ回数を加えた回数)のゲームを消化したこと、とする。この条件Cは、非RT遊技状態の開始条件でもあり、RT遊技状態の終了条件でもある。
パチスロ遊技機1が有する上乗せ機能は、RT遊技中に実行できるゲームの回数を増加させる機能である。図9は、パチスロ遊技機1が有する上乗せ抽選回数テーブルを示している。パチスロ遊技機1は、RT遊技状態中にハズレを引いた場合、上乗せ回数乱数を取得し、増加させるゲーム数である上乗せ回数の抽選を行う。つまり、RT遊技状態中のハズレは、そのRT遊技状態でのゲーム数に関する上乗せ回数の抽選契機となっている。この上乗せ機能によって、遊技者は、RT遊技状態への移行時の初期のゲーム数(本形態では30回)よりも多くのゲーム数を消化することが期待でき、より多くのゲーム数を消化できることで、RT遊技状態中のBB役の当選も期待できる。すなわち、RT遊技状態であっても、RT遊技状態よりも、遊技者により有利な遊技状態であるBB遊技状態に戻ることも期待できる。なお、本形態では、上乗せ回数の種類として、5回から135回までの複数の種類があり、具体的には上乗せ回数が3桁のものが6種類、2桁のものが5種類、1桁のものが1種類ある。
5.遊技制御用マイコン61の動作
続いて、パチスロ遊技機1の主制御基板60における遊技制御用マイコン61の動作について説明する。遊技制御用マイコン61が実行する具体的な処理としては、メイン側タイマ割り込み処理と、メイン側起動処理と、がある。なお、遊技制御用マイコン61の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ、などは、RAM64に設けられる。
[メイン側タイマ割り込み処理]
遊技制御用マイコン61が実行するメイン側タイマ割り込み処理について、図10のフローチャートを参照しつつ説明する。メイン側タイマ割り込み処理は、2ms周期の割り込みパルスが入力される度に、遊技制御用マイコン61によって実行される。
メイン側タイマ割り込み処理では、遊技制御用マイコン61は先ず、各種のセンサ類や電源基板92から主制御基板60の入出力回路69に入力された信号を読み込む(S111)。遊技制御用マイコン61は、読み込まれた信号に基づくコマンドをRAM64に格納する。
S111の後、遊技制御用マイコン61は、リール用のモータ55L、55C、55Rを用いてリール6L、6C、6Rの回動を制御する(S121)。具体的には、遊技制御用マイコン61は、リール6L、6C、6Rごとに、回動の開始、定速回動の維持、回動の停止を制御する。
S121の後、遊技制御用マイコン61は、各種の表示器類、すなわちストップ報知器20L、20C、20R、クレジット数表示器21、投入可能表示ランプ22、再遊技表示ランプ23、獲得枚数表示器24、遊技開始表示ランプ25、投入枚数表示ランプ26、特殊遊技役報知ランプ27、および設定表示ランプ28の表示管理を行う(S131)。すなわち、遊技制御用マイコン61は、各種表示器類の点灯パターンを作成し、その点灯パターンに従った点灯制御を行う。
S131の後、遊技制御用マイコン61は、遊技役の入賞の種類に応じたメダルの払い出しを行うためにホッパー54を制御する(S141)。
S141の後、遊技制御用マイコン61は、RAM64の出力バッファにセットされたコマンドを、サブ制御基板70等、パチスロ遊技機1内の主制御基板60以外のデバイスに出力する(S151)。RAM64の出力バッファには、後述する各種の処理によって適宜コマンドがセットされる。
S151の後、遊技制御用マイコン61は、RAM64の外部出力バッファにセットされたコマンドに基づいて、外部端子板190を介して各種の信号を出力する(S161)。例えば、BB役の入賞が成立した場合、遊技制御用マイコン61は、ビックボーナス信号を外部装置に出力する。
S161の後、遊技制御用マイコン61は、遊技制御用マイコン61は、ウォッチドックタイマをリセットする等、その他の処理を実行する(S191)。S191の後、メイン側タイマ割り込み処理を終了する。その後、遊技制御用マイコン61は、次にCPU62に割り込みパルスが入力される度に、メイン側タイマ割り込み処理を実行する。
[メイン側起動処理]
次に、遊技制御用マイコン61が実行するメイン側起動処理について、図11のフローチャートを参照しつつ説明する。遊技制御用マイコン61は、パチスロ遊技機1の主電源がOFFからONになったことを契機に、すなわち電源スイッチ59がONになり、電源基板92を介して外部からの電力供給が開始されたことを契機に、ROM63からメイン側起動処理のプログラムを読み出して実行する。
メイン側起動処理では、遊技制御用マイコン61は先ず、電源投入後の初期動作に関する電源投入処理を実行する(S201)。電源投入処理は電源投入後に一度だけ実行され、その後は次の電源投入時まで実行されない。電源投入処理の詳細については後述する。
S201の後、遊技制御用マイコン61は、ゲームの開始を管理するゲーム開始処理を実行する(S221)。ゲームが開始されると、遊技制御用マイコン61は、遊技役の抽選を行う役決定処理を実行する(S222)。そして、遊技制御用マイコン61は、各リール6L、6C、6Rの回動を開始させるリール回動開始処理を実行する(S223)。ゲーム開始処理、役決定処理、およびリール回動開始処理の詳細については後述する。
S223の後、遊技制御用マイコン61は、各リール6L、6C、6Rの回動を個々に停止させるリール回動停止処理を実行する(S231)。そして、全てのリール6L、6C、6Rを停止させた後、遊技制御用マイコン61は、停止したリール6L、6C、6Rの表面に描かれる図柄の組み合わせを判定する停止図柄判定処理を実行する(S232)。リール回動停止処理および停止図柄判定処理の詳細については後述する。
S232の後、遊技制御用マイコン61は、停止図柄判定処理の判定結果に基づいて、メダルの払い出しを管理するメダル払出処理を実行する(S241)。メダル払出処理の詳細についても後述する。
S241の後、遊技制御用マイコン61は、遊技状態を管理する処理として、RT遊技状態管理処理(S251)と、BB遊技状態管理処理(S252)と、を実行する。RT遊技状態管理処理およびBB遊技状態管理処理の詳細についても後述する。遊技制御用マイコン61は、1回分のゲームの処理として、S221からS252までの処理を実行し、S252の後、S221に戻り、次のゲームの処理として、S221からS252までの処理を繰り返す。
[電源投入処理]
次に、図11のS201の電源投入処理について、図12のフローチャートを参照しつつ説明する。
電源投入処理では、遊技制御用マイコン61は先ず、RAM64へのアクセス制限を解除し、CPU62やRAM64の起動時の異常の有無を診断する(S301)。S301では、例えば、チェックサムによるRAM64の情報の整合性を診断する。異常が有れば、遊技制御用マイコン61は、エラーを報知し、さらにRAM64を初期化する。これにより、RAM64に記憶されていた各種の情報が失われる。例えば、遊技状態の情報が、初期値である非RT遊技状態の情報にリセットされる。なお、RAMクリアスイッチ17が押下された状態で主電源がONになった場合にも、遊技制御用マイコン61は、RAM64を初期化する。なお、RAM64を初期化した場合、遊技制御用マイコン61は、RAMの初期化を指示するRAM初期化コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする。出力バッファにセットされたRAM初期化コマンドは、サブ制御基板70に出力され、サブ制御基板70によってコマンドに応じた処理が実行される。
S301の後、遊技制御用マイコン61は、CPU62等の初期動作を行う(S302)。S302では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定を行う。
S302の後、遊技制御用マイコン61は、設定モードで動作中か否かを判断する(S311)。パチスロ遊技機1は、設定キースイッチ16が第1の位置にある状態で起動した場合に、設定モードで動作する。設定モードは、設定キースイッチ16が第2の位置に切り換えられるまで継続する。
設定モードで動作中(S311:YES)、遊技制御用マイコン61は、設定値の変更を受け付ける(S312)。設定値の変更は、設定ボタン15の操作によって可能である。また、遊技制御用マイコン61は、設定モードの終了、すなわち非設定モードへの切り換えを待つ(S313)。遊技制御用マイコン61は、設定キースイッチ16が第2の位置に切り換えられて非設定モードに移行するまで、設定値の変更を受け付ける。
一方、非設定モードで動作中の場合(S311:NO)、遊技制御用マイコン61は、バックアップされている情報に基づいて、パチスロ遊技機1の状態を電源断前の状態に復帰させる(S321)。S321では、例えば、バックアップされていた設定値をセットする。S321の後、あるいはS313にて非設定モードに切り換えられた後、遊技制御用マイコン61は、電源投入処理を終了する。
[ゲーム開始処理]
次に、図11のS221のゲーム開始処理について、図13のフローチャートを参照しつつ説明する。
ゲーム開始処理では、遊技制御用マイコン61は先ず、ゲームを開始する準備に関する処理を行う(S401)。S401では、遊技制御用マイコン61は、例えば、ゲームに用いるRAM64の所定の領域を初期化する、再遊技表示ランプ23や獲得枚数表示器24等のゲーム毎に点灯状態を管理するランプの状態を初期化する、が該当する。
S401の後、遊技制御用マイコン61は、自動ベットフラグがONか否かを判断する(S411)。自動ベットフラグは、前回のゲームでリプレイ役に入賞した場合にONになっているフラグである。つまり、自動ベットフラグがONであった場合、今回のゲームは、リプレイ役の入賞に基づくゲームとなる。
そして、自動ベットフラグがONの場合(S411:YES)、遊技制御用マイコン61は、前回のゲームでベットされたメダル数と同数のメダルを自動的にベットする(S412)。さらに遊技制御用マイコン61は、自動ベットに伴って再遊技表示ランプ23を点灯させる。さらに遊技制御用マイコン61は、メダルをベットしたことを示すベットコマンドを、RAM64の出力バッファにセットする(S413)。ベットコマンドには、ベットしたメダルの枚数の情報が含まれる。なお、出力バッファにセットされたベットコマンドは、メイン側タイマ割り込み処理(図10参照)のS151にてサブ制御基板70に送信される。サブ制御基板70の演出制御用マイコン71は、そのコマンドが入力されたことに応じて、そのコマンドに対応する処理を実行する。S413の後、遊技制御用マイコン61は、自動ベットフラグをOFFにする(S414)。
S414の後、遊技制御用マイコン61は、スタート検出センサ8aから出力された信号に基づいて、スタートレバー8が操作されたか否かを判断する(S421)。スタートレバー8が操作された場合(S421:YES)、遊技制御用マイコン61は、1回分のゲームを開始可能なメダル数がベットされているか否かを判断する(S422)。ゲームを開始可能なメダル数がベットされていない場合(S422:NO)、遊技制御用マイコン61は、S421に移行し、再度、スタートレバー8の操作等を待つ。
ゲームを開始可能なメダル数がベットされている場合(S422:YES)、遊技制御用マイコン61は、ベットされているメダル数を0に戻す(S423)。そして、遊技制御用マイコン61は、ゲーム開始処理を終了する。
一方、スタートレバー8が操作されていない場合(S421:NO)、遊技制御用マイコン61は、第1ベット検出センサ11aおよび第2ベット検出センサ12aから出力された信号に基づいて、第1ベットボタン11あるいは第2ベットボタン12が操作されたか、あるいは投入メダル検出センサ10aから出力された信号に基づいて、メダルがメダル投入口10から投入されたか、を判断する(S431)。
第1ベットボタン11あるいは第2ベットボタン12が操作された、あるいはメダルがメダル投入口10から投入された場合(S431:YES)、遊技制御用マイコン61は、ベット数および仮想メダル数を更新する(S432)。S432の後、あるいは第1ベットボタン11も第2ベットボタン12も操作されていない、さらにメダルもメダル投入口10から投入されていない場合(S431:NO)、遊技制御用マイコン61は、S421に移行し、再度、スタートレバー8の操作等を待つ。
[役決定処理]
次に、図11のS222の役決定処理について、図14のフローチャートを参照しつつ説明する。
役決定処理では、遊技制御用マイコン61は先ず、役抽選乱数RLを取得する(S501)。具体的に遊技制御用マイコン61は、主制御基板60の乱数発生回路66から生成される16ビットの乱数をサンプリング回路(不図示)によって抽出し、抽出された乱数をRAM64に読み込む。そして、その16ビットの乱数を、役抽選乱数RLとして取得する。
S501の後、遊技制御用マイコン61は、設定値に応じた遊技役抽選テーブルを参照し、S501にて作成した役抽選乱数に基づいて、遊技役のいずれかに当選したか否かを判断する(S502)。すなわち、遊技制御用マイコン61は、遊技役の抽選を行う。
遊技役のいずれかに当選した場合(S502:YES)、遊技制御用マイコン61は、当選した役に対応する遊技役当選フラグをONにする(S511)。遊技役当選フラグは、遊技役の種類ごとに設けられており、初期値はOFFであり、当選した場合にONになる。遊技役当選フラグは、当選した遊技役の入賞の有無に拘らずゲームの開始時あるいは終了時にOFFに戻されるが、BB役については入賞しなければ当選が次のゲームに持ち越されるため、入賞するまでOFFに戻されない。
S511の後、遊技制御用マイコン61は、当選した遊技役に応じた制御図柄を決定する(S512)。制御図柄とは、当選した遊技役が入賞となる図柄のことである。例えば、リプレイ役に当選した場合には、制御図柄を「リプレイ」図柄に決定する。遊技制御用マイコン61は、ストップボタン9L、9C、9Rが操作された際、この制御図柄に応じて、引込制御を行うか否か、引込制御を行う場合は引き込みを行う図柄枚数を決定する。引込制御については後述する。なお、前述したように、BB役については入賞しなければ当選が次のゲームに持ち越される。そこで、BB役が重複して当選している場合、BB役の制御図柄と今回当選した遊技役の制御図柄が共に制御図柄に決定される。そのため、ストップボタン9L、9C、9Rの操作タイミングによっていずれか一方の遊技役が入賞可能になる。
S512の後、遊技制御用マイコン61は、ゲーム開始コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする(S513)。ゲーム開始コマンドには、当選した遊技役の情報が含まれる。なお、出力バッファにセットされたゲーム開始コマンドは、メイン側タイマ割り込み処理のS151にてサブ制御基板70に送信される。サブ制御基板70の演出制御用マイコン71は、そのコマンドが入力されたことに応じて、そのコマンドに対応する処理を実行する。S513の後、遊技制御用マイコン61は、役決定処理を終了する。
また、遊技役のいずれも当選しなかった、すなわちハズレであった場合(S502:NO)、遊技制御用マイコン61は、BB役に対応する遊技役当選フラグがONであるか否かを判断する(S515)。BB役に対応する遊技役当選フラグがONの場合(S515:YES)、前回以前のゲームでBB役に当選しており、まだ入賞が成立していない状態であるため、遊技制御用マイコン61は、制御図柄をBB役に対応する「赤セブン」図柄に決定する(S512)。一方、BB役に対応する遊技役当選フラグがOFFの場合(S515:NO)、遊技制御用マイコン61は、S513に移行し、ハズレの情報を含むゲーム開始コマンドをセットして、役決定処理を終了する。
[リール回動開始処理]
次に、図11のS223のリール回動開始処理について、図15のフローチャートを参照しつつ説明する。
リール回動開始処理では、遊技制御用マイコン61は先ず、遊技制御用マイコン61は、待機時間の経過を待つ(S601)。パチスロ遊技機1には、前回のゲームを開始してからの経過時間を計時しており、その経過時間が予め定められた待機時間(本形態では4.1秒)を経過するまで次のゲームを開始しない。そのため、遊技制御用マイコン61は、待機時間が経過するまではリールの回動を開始しない。
待機時間が経過した後、遊技制御用マイコン61は、リール6L、6C、6Rの回動を開始する(S602)。さらに遊技制御用マイコン61は、リール回動コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S603)。リール回動コマンドは、リール6L、6C、6Rごとにセットされる。そのため、リール回動コマンドには、回動を開始したリールの情報が含まれる。なお、出力バッファにセットされたリール回動コマンドは、メイン側タイマ割り込み処理のS151にてサブ制御基板70に送信される。サブ制御基板70の演出制御用マイコン71は、そのコマンドが入力されたことに応じて、そのコマンドに対応する処理を実行する。
さらに遊技制御用マイコン61は、回動速度検出センサ50L、50C、50Rからの出力信号に基づいて、各リール6L、6C、6Rの回動速度が所定の速度で安定するのを待つ(S611)。すなわち、パチスロ遊技機1は、リールの回動速度が安定するまでは、ストップボタン9L、9C、9Rの操作を受け付けない。S611の後、遊技制御用マイコン61は、リール回動開始処理を終了する。
[リール回動停止処理]
次に、図11のS231のリール回動停止処理について、図16のフローチャートを参照しつつ説明する。
リール回動停止処理では、遊技制御用マイコン61は先ず、AT機能が有効か否かを判断する(S701)。AT機能が有効であれば(S701:YES)、遊技制御用マイコン61は、当選フラグがONの遊技役が有るか否かを判断する(S711)。当選フラグがONの遊技役が有る場合(S711:YES)、遊技制御用マイコン61は、当選している遊技役がリプレイ役か否かを判断する(S712)。当選している遊技役がリプレイ役以外の場合(S712:NO)、当選している遊技役が押し順の報知が必要な遊技役か否かを判断する(S713)。
押し順の報知が必要な遊技役の場合(S713:YES)、遊技制御用マイコン61は、押し順の報知を実行しつつリールの停止操作を受け付ける押し順報知停止処理を実行する(S714)。押し順の報知が不要な遊技役の場合(S713:NO)、遊技制御用マイコン61は、当選した遊技役の報知を実行しつつリールの停止操作を受け付ける当選役報知停止処理を実行する(S715)。押し順報知停止処理および当選役報知停止処理の詳細については後述する。
一方、ATが無効の場合(S701:NO)、あるいは当選フラグがONの遊技役が無い場合(S711:NO)、あるいは当選している遊技役がリプレイ役の場合(S712:YES)、遊技制御用マイコン61は、ストップボタン9L、9C、9Rのいずれかの操作が有ったか否かを判断する(S721)。なお、以下の説明では、ストップボタン9L、9C、9Rのうち操作されたストップボタンを「ストップボタン9」とし、リール6L、6C、6Rのうちストップボタン9に対応するリールを「リール6」とする。ストップボタン9の操作が無い場合(S721:NO)、遊技制御用マイコン61は、S721に移行し、ストップボタン9L、9C、9Rの操作等を待つ。
ストップボタン9の操作が有った場合(S721:YES)、遊技制御用マイコン61は、ストップボタン9に対応するリール6が回動中か否かを判断する(S722)。リール6が停止中の場合(S722:NO)、遊技制御用マイコン61は、S721に移行し、ストップボタン9L、9C、9Rの操作等を待つ。リール6が回動中の場合(S722:YES)、遊技制御用マイコン61は、リール6を停止させるリール個別停止処理を実行する(S723)。リール個別停止処理の詳細については後述する。
S723の後、遊技制御用マイコン61は、全てのリール6L、6C、6Rが停止したか否かを判断する(S724)。回動中のリールが有る場合(S724:NO)、遊技制御用マイコン61は、S721に移行し、ストップボタン9L、9C、9Rの操作等を待つ。
全てのリール6L、6C、6Rが停止した場合(S724:YES)、あるいはS714の後、あるいはS715の後、遊技制御用マイコン61は、リール回動停止処理を終了する。
[押し順報知停止処理]
次に、図16のS714の押し順報知停止処理について、図17のフローチャートを参照しつつ説明する。
押し順報知停止処理では、遊技制御用マイコン61は先ず、当選した遊技役に応じた正解押し順を、ストップ報知器20L、20C、20Rに表示させる(S801)。本形態では、ストップ報知器20L、20C、20Rのうち、当選した第1の押し順ベル役の正解押し順となる1番目の停止リールに対応するストップ報知器を点灯させる。S801の後、遊技制御用マイコン61は、押し順報知コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする(S802)。押し順報知コマンドには、正解押し順の情報が含まれる。なお、出力バッファにセットされた押し順報知コマンドは、メイン側タイマ割り込み処理のS151にてサブ制御基板70に送信される。サブ制御基板70の演出制御用マイコン71は、そのコマンドが入力されたことに応じて、そのコマンドに対応する処理を実行する。
S802の後、遊技制御用マイコン61は、ストップボタン9L、9C、9Rのいずれかの操作が有ったか否かを判断する(S821)。ストップボタン9の操作が無い場合(S821:NO)、遊技制御用マイコン61は、S821に移行し、ストップボタン9L、9C、9Rの操作等を待つ。
ストップボタン9の操作が有った場合(S821:YES)、遊技制御用マイコン61は、操作されたストップボタン9に対応するリール6が回動中か否かを判断する(S822)。リール6が停止中の場合(S822:NO)、遊技制御用マイコン61は、S821に移行し、ストップボタン9L、9C、9Rの操作等を待つ。
リール6が回動中の場合(S822:YES)、遊技制御用マイコン61は、リール6を停止させるリール個別停止処理を実行する(S823)。リール個別停止処理は、S723と同様であり、詳細については後述する。
S823の後、遊技制御用マイコン61は、リール6に対応する押し順の報知を解除する(S824)。さらに、遊技制御用マイコン61は、押し順報知解除コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする(S825)。押し順報知解除コマンドには、押し順の報知が解除されたリールの情報が含まれる。なお、出力バッファにセットされた押し順解除報知コマンドは、メイン側タイマ割り込み処理のS151にてサブ制御基板70に送信される。サブ制御基板70の演出制御用マイコン71は、そのコマンドが入力されたことに応じて、そのコマンドに対応する処理を実行する。
S825の後、遊技制御用マイコン61は、全てのリール6L、6C、6Rが停止したか否かを判断する(S826)。回動中のリールが有る場合(S826:NO)、遊技制御用マイコン61は、S821に移行し、ストップボタン9L、9C、9Rの操作等を待つ。全てのリールが停止した場合(S826:YES)、遊技制御用マイコン61は、押し順報知停止処理を終了する。
[当選役報知停止処理]
次に、図16のS715の当選役報知停止処理について、図18のフローチャートを参照しつつ説明する。
当選役報知停止処理では、遊技制御用マイコン61は先ず、当選した遊技役を報知する(S901)。本形態では、特殊遊技役報知ランプ27に、当選した遊技役に対応するランプを点灯させる。例えば、チェリー小役に当選した場合には、特殊遊技役報知ランプ27に含まれる複数のランプのうちチェリー小役に対応するランプを点灯させる。S901の後、遊技制御用マイコン61は、当選役報知コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする(S902)。当選役報知コマンドには、当選した遊技役の情報が含まれる。なお、出力バッファにセットされた当選役報知コマンドは、メイン側タイマ割り込み処理のS151にてサブ制御基板70に送信される。サブ制御基板70の演出制御用マイコン71は、そのコマンドが入力されたことに応じて、そのコマンドに対応する処理を実行する。
S902の後、遊技制御用マイコン61は、ストップボタン9L、9C、9Rのいずれかの操作が有ったか否かを判断する(S921)。一方、ストップボタン9の操作が無い場合(S921:NO)、遊技制御用マイコン61は、S921に移行し、ストップボタン9L、9C、9Rの操作等を待つ。
ストップボタン9の操作が有った場合(S921:YES)、遊技制御用マイコン61は、操作されたストップボタン9に対応するリール6が回動中か否かを判断する(S922)。リール6が停止中の場合(S922:NO)、遊技制御用マイコン61は、S921に移行し、ストップボタン9L、9C、9Rの操作等を待つ。
リール6が回動中の場合(S922:YES)、遊技制御用マイコン61は、リール6を停止させるリール個別停止処理を実行する(S923)。リール個別停止処理は、S723と同様であり、詳細については後述する。
S923の後、遊技制御用マイコン61は、全てのリール6L、6C、6Rが停止したか否かを判断する(S924)、回動中のリールが有る場合(S924:NO)、遊技制御用マイコン61は、S921に移行し、ストップボタン9L、9C、9Rの操作等を待つ。
全てのリールが停止した場合(S924:YES)、遊技制御用マイコン61は、当選役の報知を解除する(S941)。さらに、遊技制御用マイコン61は、当選役報知解除コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする(S942)。なお、出力バッファにセットされた当選役解除報知コマンドは、メイン側タイマ割り込み処理のS151にてサブ制御基板70に送信される。サブ制御基板70の演出制御用マイコン71は、そのコマンドが入力されたことに応じて、そのコマンドに対応する処理を実行する。S942の後、遊技制御用マイコン61は、当選役報知停止処理を終了する。
[リール個別停止処理]
次に、図16のS723のリール個別停止処理について、図19のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、図17のS823のリール個別停止処理、図18のS923のリール個別停止処理についても同様である。
リール個別停止処理では、遊技制御用マイコン61は先ず、リール位置検出センサ51から出力される信号に基づいて制御図柄の位置を特定し、引き込みを行う図柄枚数を決定し、引き込みを行う図柄枚数に基づいてリール6を停止するまでの時間である制動時間を決定する(S1001)。遊技制御用マイコン61は、他のリールが停止中の場合は、停止中のリールの図柄に合わせて、制御図柄が有効ラインL1~L5のいずれか1つに揃うように制動時間を決定する。また、遊技制御用マイコン61は、有効ラインL1~L5のいずれにも制御図柄以外の遊技役の入賞図柄が揃わないように制動時間を決定する。
例えば、押し順ベル小役に当選している場合、遊技制御用マイコン61は、正解押し順でリールを停止させた場合には、有効ラインL1~L5のいずれかに第1の押し順ベル小役の制御図柄(ベル-ベル-ベル)が生じるように制動時間を決定する。一方で、正解押し順でリールを停止させなかった場合には、有効ラインL1~L5のいずれかに第2の押し順ベル小役の制御図柄(ベル-リプレイ-ベル)が生じるように制動時間を決定する。S1001の後、遊技制御用マイコン61は、制動時間の経過を待つ(S1002)。
なお、本形態では、「ベル」図柄および「リプレイ」図柄は、制動時間の最大時間が経過するまでに必ず存在するようにリールテープ7L、7C、7Rに配置されている。そのため、遊技制御用マイコン61は、制御図柄に合わせた制動時間を決定できる。一方、「チェリー」図柄、「スイカ」図柄、「赤セブン」図柄を、制御図柄とする場合、ストップボタンの操作タイミングによっては制動時間の設定範囲内では存在しないこともある。この場合、制動時間は、設定範囲内であればいずれの時間であってもよい。
S1002の後、遊技制御用マイコン61は、リール6の回動を停止させる(S1003)。そして、遊技制御用マイコン61は、リール停止コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする(S1004)。リール停止コマンドには、停止させたリールの情報も含まれる。なお、出力バッファにセットされたリール停止コマンドは、メイン側タイマ割り込み処理のS151にてサブ制御基板70に送信される。サブ制御基板70の演出制御用マイコン71は、そのコマンドが入力されたことに応じて、そのコマンドに対応する処理を実行する。S1004の後、遊技制御用マイコン61は、リール個別停止処理を終了する。
[停止図柄判定処理]
次に、図11のS232の停止図柄判定処理について、図20のフローチャートを参照しつつ説明する。
停止図柄判定処理では、遊技制御用マイコン61は先ず、有効ラインL1~L5の各停止図柄の組み合わせを取得する(S1101)。そして、遊技制御用マイコン61は、遊技役が入賞したか否かを判断する(S1102)。すなわち、有効ラインL1~L5の各停止図柄の組み合わせに、当選した遊技役の制御図柄の組み合わせと一致するものがあれば、遊技制御用マイコン61は、遊技役が入賞したと判断する。
遊技役が入賞した場合(S1102:YES)、遊技制御用マイコン61は、入賞した遊技役がBB役か否かを判断する(S1111)。また、入賞した遊技役がBB役でなければ(S1111:NO)、リプレイ役か否かを判断する(S1112)。リプレイ役に入賞した場合(S1112:YES)、遊技制御用マイコン61は、自動ベットフラグをONにする(S1114)。
リプレイ役でもない場合(S1112:NO)、入賞した遊技役はメダルの払い出しを伴う遊技役(小役1~9)であることから、遊技制御用マイコン61は、払出フラグをONにする(S1115)。払出フラグは、メダルの払い出しが必要なことを示すフラグであり、メダルの払い出しが必要な遊技役に入賞するとONになり、メダルの払い出しが行われるとOFFになる。また、遊技制御用マイコン61は、払出枚数をRAM64の所定の記憶領域に記憶する(S1116)。
S1114あるいはS1116の後、あるいは遊技役が入賞しなかった場合(S1102:NO)、遊技制御用マイコン61は、BB役の当選フラグがONか否かを判断する(S1131)。BB役は、当選したゲームで入賞しなかった場合にも、次回以降のゲームで入賞するまでBB役が当選した状態が継続する。そのため、BB役の当選フラグがONの場合(S1131:YES)、遊技制御用マイコン61は、BB役以外の遊技役の当選フラグをOFFにして(S1133)、BB役が当選した状態を維持する。
一方、BB役の当選フラグがOFFの場合(S1131:NO)、遊技制御用マイコン61は、今回のゲームで入賞した遊技役の当選フラグをOFFにする(S1132)。また、入賞した遊技役がBB役の場合も(S1111:YES)、遊技制御用マイコン61は、入賞した遊技役であるBB役の当選フラグをOFFにする(S1132)。
S1132あるいはS1133の後、遊技制御用マイコン61は、入賞した遊技役に応じた入賞報知コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする(S1134)。なお、出力バッファにセットされた入賞報知コマンドは、メイン側タイマ割り込み処理のS151にてサブ制御基板70に送信される。サブ制御基板70の演出制御用マイコン71は、そのコマンドが入力されたことに応じて、そのコマンドに対応する処理を実行する。S1134の後、遊技制御用マイコン61は、停止図柄判定処理を終了する。
[メダル払出処理]
次に、図11のS241のメダル払出処理について、図21のフローチャートを参照しつつ説明する。
メダル払出処理では、遊技制御用マイコン61は先ず、払出フラグがONか否かを判断する(S1201)。払出フラグがOFFであれば(S1201:NO)、メダルの払い出しが必要な遊技役に入賞していないため、遊技制御用マイコン61は、メダル払出処理を終了する。
払出フラグがONであれば(S1201:YES)、遊技制御用マイコン61は、クレジット機能が有効か否かを判断する(S1211)。クレジット機能が有効な場合(S1211:YES)、仮想メダルの利用が可能であることから、遊技制御用マイコン61は、現在の仮想メダルの枚数と今回のメダルの払出枚数との合計が仮想メダルの上限(本形態では50枚)を超えるか否かを判断する(S1212)。合計が上限を超えない場合(S1212:NO)、遊技制御用マイコン61は、今回のメダルの払い出し枚数を全て仮想メダルの枚数に加算する(S1213)。
一方、合計が上限を超える場合(S1212:YES)、遊技制御用マイコン61は、今回のメダルの払出枚数のうち仮想メダルの上限まで仮想メダルに加算する(S1214)。そして、遊技制御用マイコン61は、残りの枚数分のメダルを、ホッパー54を用いて払い出す(S1215)。また、クレジット機能が無効な場合も(S1211:NO)、遊技制御用マイコン61は、今回の払出枚数分のメダルを、ホッパー54を用いて払い出す(S1215)。
S1213あるいはS1215の後、遊技制御用マイコン61は、払出枚数の情報を含む払出コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする(S1221)。なお、出力バッファにセットされた払出コマンドは、メイン側タイマ割り込み処理のS151にてサブ制御基板70に送信される。サブ制御基板70の演出制御用マイコン71は、そのコマンドが入力されたことに応じて、そのコマンドに対応する処理を実行する。さらに、遊技制御用マイコン61は、払出フラグをOFFにする(S1222)。S1222の後、遊技制御用マイコン61は、メダル払出処理を終了する。
[RT遊技状態管理処理]
次に、図11のS251のRT遊技状態管理処理について、図22のフローチャートを参照しつつ説明する。
RT遊技状態管理処理では、遊技制御用マイコン61は先ず、現在の遊技状態がRT遊技状態か否かを判断する(S1301)。現在の遊技状態がRT遊技状態の場合(S1301:YES)、遊技制御用マイコン61は、RT遊技状態でのゲーム回数を上乗せするRT上乗せ処理を行う(S1302)。RT上乗せ処理の詳細は後述する。
S1302の後、遊技制御用マイコン61は、RT回数カウンタを1つ減算する(S1303)。RT回数カウンタは、RT遊技状態で実行可能なゲームの残り回数を示す情報である。そこで、遊技制御用マイコン61は、RT回数カウンタが0になったか否かを判断する(S1311)。
RT回数カウンタが0になった場合(S1311:YES)、遊技制御用マイコン61は、遊技状態を非RT遊技状態に移行させる(S1312)。具体的に遊技制御用マイコン61は、現在の遊技状態を記憶するRAM64の記憶領域に、非RT遊技状態を示す情報を記憶する。さらに遊技制御用マイコン61は、非RT移行コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする(S1313)。なお、出力バッファにセットされた非RT移行コマンドは、メイン側タイマ割り込み処理のS151にてサブ制御基板70に送信される。サブ制御基板70の演出制御用マイコン71は、そのコマンドが入力されたことに応じて、そのコマンドに対応する処理を実行する。
さらに遊技制御用マイコン61は、AT機能を無効にする(S1314)。そして、遊技制御用マイコン61は、AT無効コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする(S1315)。なお、出力バッファにセットされたAT無効コマンドは、メイン側タイマ割り込み処理のS151にてサブ制御基板70に送信される。サブ制御基板70の演出制御用マイコン71は、そのコマンドが入力されたことに応じて、そのコマンドに対応する処理を実行する。
S1315の後、あるいはRT回数カウンタが0になっていない場合(S1311:NO)、あるいは現在の遊技状態がRT遊技状態でない場合(S1301:NO)、遊技制御用マイコン61は、RT遊技状態管理処理を終了する。
[RT上乗せ処理]
次に、図22のS1302のRT上乗せ処理について、図23のフローチャートを参照しつつ説明する。
RT上乗せ処理では、遊技制御用マイコン61は先ず、遊技役のいずれかの当選フラグがONか否かを判断する(S1351)。パチスロ遊技機1では、BB役に当選しておらず、遊技役の抽選においてハズレであった場合に上乗せ回数の抽選を行う。そこで、遊技役のいずれの当選フラグもOFFであった場合、すなわち遊技役の抽選においてハズレであり、BB役にも当選していない場合(S1351:NO)、遊技制御用マイコン61は、上乗せ回数乱数を取得する(S1352)。
S1352の後、遊技制御用マイコン61は、図9に示したような上乗せ抽選テーブルを参照し、取得した上乗せ抽選乱数に基づいて上乗せ回数の抽選を行い、いずれかの上乗せ回数に当選したか否かを判断する(S1353)。
上乗せ回数に当選した場合(S1353:YES)、遊技制御用マイコン61は、上乗せ報知コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする(S1354)。なお、出力バッファにセットされた上乗せ報知コマンドは、メイン側タイマ割り込み処理のS151にてサブ制御基板70に送信される。サブ制御基板70の演出制御用マイコン71は、そのコマンドが入力されたことに応じて、そのコマンドに対応する処理を実行する。
さらに遊技制御用マイコン61は、当選した上乗せ回数をRT回数カウンタに加算する(S1355)。そして、遊技制御用マイコン61は、更新されたRT回数カウンタの情報を含むRTカウンタコマンドを、RAM64の出力バッファにセットする(S1356)。なお、出力バッファにセットされたRTカウンタコマンドは、メイン側タイマ割り込み処理のS151にてサブ制御基板70に送信される。サブ制御基板70の演出制御用マイコン71は、そのコマンドが入力されたことに応じて、そのコマンドに対応する処理を実行する。
S1356の後、あるいは上乗せ回数に当選しなかった場合(S1353:NO)、あるいは遊技役のいずれかの当選フラグがONの場合(S1351:YES)、遊技制御用マイコン61は、RT上乗せ処理を終了する。
[BB遊技状態管理処理]
次に、図11のS252のBB遊技状態管理処理について、図24のフローチャートを参照しつつ説明する。
BB遊技状態管理処理では、遊技制御用マイコン61は先ず、現在の遊技状態がBB遊技状態か否かを判断する(S1401)。現在の遊技状態がBB遊技状態でなければ(S1401:NO)、遊技制御用マイコン61は、BB役に入賞しているか否かを判断する(S1411)。BB役に入賞していない場合(S1411:NO)、遊技制御用マイコン61は、BB遊技状態管理処理を終了する。
一方、BB役に入賞している場合(S1411:YES)、遊技制御用マイコン61は、遊技状態をBB遊技状態に移行させる(S1412)。具体的に遊技制御用マイコン61は、現在の遊技状態を記憶するRAM64の記憶領域に、BB遊技状態を示す情報を記憶する。さらに遊技制御用マイコン61は、BB移行コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする(S1413)。なお、出力バッファにセットされたBB移行コマンドは、メイン側タイマ割り込み処理のS151にてサブ制御基板70に送信される。サブ制御基板70の演出制御用マイコン71は、そのコマンドが入力されたことに応じて、そのコマンドに対応する処理を実行する。
S1413の後、遊技制御用マイコン61は、BB払出カウンタに0をセットする(S1414)。BB払出カウンタは、BB遊技状態で払い出されたメダルの枚数を示す情報である。そのため、BB払出カウンタは、BB遊技状態への移行時に、初期値である0がセットされる。
S1414の後、遊技制御用マイコン61は、AT機能が有効になっているか否かを判断する(S1421)。AT機能が有効になっていない場合(S1421:NO)、遊技制御用マイコン61は、AT機能を有効にする(S1422)。そして、遊技制御用マイコン61は、AT有効コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする(S1423)。なお、出力バッファにセットされたAT有効コマンドは、メイン側タイマ割り込み処理のS151にてサブ制御基板70に送信される。サブ制御基板70の演出制御用マイコン71は、そのコマンドが入力されたことに応じて、そのコマンドに対応する処理を実行する。S1423の後、あるいはAT機能が有効になっている場合(S1421:YES)、遊技制御用マイコン61は、BB遊技状態管理処理を終了する。
一方、現在の遊技状態がBB遊技状態であれば(S1401:YES)、遊技制御用マイコン61は、払出フラグがONか否か、すなわち今回のゲームで払出しが必要な遊技役に入賞したか否かを判断する(S1431)。払出フラグがONの場合(S1431:YES)、遊技制御用マイコン61は、今回のゲームの入賞によって払い出されるメダルの枚数を、BB払出カウンタに加算する(S1432)。例えば、図6に示したように、当選した遊技役が共通ベルであれば9枚のメダルの払い出しが有り、払出フラグがONになる。一方、例えば、当選した遊技役がリプレイ役であればメダルの払い出しが無く、払出フラグがOFFになる。
パチスロ遊技機1は、所定枚数のメダルの払い出しによってBB遊技状態を終了させる。そのため、遊技制御用マイコン61は、BB払出カウンタが所定枚数(本形態では300枚)を超えたか否かを判断する(S1441)。BB払出カウンタが所定枚数を超えた場合(S1441:YES)、遊技制御用マイコン61は、BB終了コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする(S1442)。なお、出力バッファにセットされたBB終了コマンドは、メイン側タイマ割り込み処理のS151にてサブ制御基板70に送信される。サブ制御基板70の演出制御用マイコン71は、そのコマンドが入力されたことに応じて、そのコマンドに対応する処理を実行する。
さらに遊技制御用マイコン61は、遊技状態をRT遊技状態に移行させる(S1443)。具体的に遊技制御用マイコン61は、現在の遊技状態を記憶するRAM64の記憶領域に、RT遊技状態を示す情報を記憶する。さらに遊技制御用マイコン61は、RT移行コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする(S1444)。なお、出力バッファにセットされたRT移行コマンドは、メイン側タイマ割り込み処理のS151にてサブ制御基板70に送信される。サブ制御基板70の演出制御用マイコン71は、そのコマンドが入力されたことに応じて、そのコマンドに対応する処理を実行する。
S1444の後、遊技制御用マイコン61は、RT回数カウンタに初期値となる30をセットする(S1445)。S1445の後、あるいはBB払出カウンタが所定枚数を超えていない場合(S1441:NO)、あるいは払出フラグがOFFの場合(S1431:NO)、遊技制御用マイコン61は、BB遊技状態管理処理を終了する。
6.演出制御用マイコン71の動作
続いて、パチスロ遊技機1のサブ制御基板70における演出制御用マイコン71の動作について説明する。演出制御用マイコン71が実行する具体的な処理としては、サブ側タイマ割り込み処理と、サブ側起動処理と、がある。なお、演出制御用マイコン71の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ、などは、RAM74に設けられる。
[サブ側タイマ割り込み処理]
演出制御用マイコン71が実行するサブ側タイマ割り込み処理について、図25のフローチャートを参照しつつ説明する。サブ側タイマ割り込み処理は、2ms周期の割り込みパルスが入力される度に、演出制御用マイコン71によって実行される。
サブ側タイマ割り込み処理では、演出制御用マイコン71は先ず、各種のセンサ類や各種の基板類からサブ制御基板70の入出力回路79に入力された信号を読み込む(S4111)。演出制御用マイコン71は、読み込まれた信号に基づくコマンドをRAM74に格納する。
S4111の後、演出制御用マイコン71は、各種の表示器類、すなわち演出ランプ40、およびバックランプ49の表示制御を行う(S4121)。すなわち、演出制御用マイコン71は、各種表示器類の点灯パターンを作成し、その点灯パターンに従った点灯制御を行う。
S4121の後、演出制御用マイコン71は、RAM64の出力バッファにセットされたコマンドを、画像制御基板80等、パチスロ遊技機1内の主制御基板60およびサブ制御基板70以外のデバイスに出力する(S4151)。RAM74の出力バッファには、後述する各種の処理によって適宜コマンドがセットされる。
S4151の後、演出制御用マイコン71は、ウォッチドックタイマをリセットする等、その他の処理を実行する(S4191)。この他、例えば、パチスロ遊技機1が可動体およびその可動体を変位させるためのモータを備える場合には、その可動体を動作させるための可動体駆動データを作成し、その可動体駆動データに従うモータ制御を行ってもよい。S4191の後、サブ側タイマ割り込み処理を終了する。
[サブ側起動処理]
次に、演出制御用マイコン71が実行するサブ側起動処理について、図26のフローチャートを参照しつつ説明する。演出制御用マイコン71は、パチスロ遊技機1の主電源がOFFからONになったことを契機に、すなわち電源スイッチ59がONになり、電源基板92を介して外部からの電力供給が開始されたことを契機に、ROM73からサブ側起動処理のプログラムを読み出して実行する。
サブ側起動処理では、演出制御用マイコン71は先ず、初期動作を行う(S4201)。具体的にS4201では、演出制御用マイコン71は、例えば、スタックの設定、定数設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定、を行う。また、S4201では、遊技制御用マイコン61からRAM初期化コマンドを受信していた場合、演出制御用マイコン71は、RAM74を初期化する。これにより、RAM74に記憶されていた各種の情報が失われる。なお、S4201は、電源投入後に一度だけ実行され、その後は次の電源投入時まで実行されない。
S4201の後、演出制御用マイコン71は、各種の基板類から受信したコマンドを解析するサブ側受信コマンド解析処理を実行する(S4221)。S4221の詳細については後述する。S4221の後、演出制御用マイコン71は、各種の演出制御を行う(S4222)。具体的に演出制御用マイコン71は、画像表示装置42およびスピーカ41から出力する演出パターンや、演出ランプ40およびバックランプ49の点灯パターンを決定する。S4222以降、演出制御用マイコン71は、S4221に戻り、S4221~S4222を繰り返す。
[サブ側受信コマンド解析処理]
次に、図26のS4221のサブ側受信コマンド解析処理について、図27のフローチャートを参照しつつ説明する
サブ側受信コマンド解析処理では、演出制御用マイコン71は先ず、主制御基板60からゲーム開始コマンドを受信したか否かを判断する(S4301)。ゲーム開始コマンドは、遊技役の抽選が行われたことを契機に、主制御基板60から出力される。ゲーム開始コマンドには、当選した遊技役の情報ないしハズレの情報が含まれる。
主制御基板60からゲーム開始コマンドを受信した場合(S4301:YES)、演出制御用マイコン71は、ゲーム開始コマンドに基づいて当選役を解析し(S4401)、当選役に従った当該ゲームの演出シナリオを、変動演出パターン乱数に従って選択する(S4402)。変動演出パターン乱数は、サブ制御基板70の乱数発生回路76から生成され、サンプリング回路(不図示)によって抽出される。演出シナリオには、例えば、画像表示装置42に特定の演出画像を表示させる演出や、特定の効果音をスピーカ41から出力する演出が含まれる。なお、特定の予告演出が開始されている場合に、その予告演出に従った演出シナリオを選択する構成であってもよい。
S4402の後、演出制御用マイコン71は、選択された演出シナリオに従う当該ゲームの演出を開始する(S4403)。例えば、演出制御用マイコン71は、演出ランプ40やバックランプ49を適切なタイミングで点灯させる。さらに演出制御用マイコン71は、各演出を画像表示装置42やスピーカ41に実行させるための各種のコマンドを、RAM74の出力バッファにセットする(S4404)。なお、出力バッファにセットされたコマンドは、サブ側タイマ割り込み処理のS4151にて画像制御基板80に送信される。画像制御基板80の画像制御用マイコン81は、そのコマンドが入力されたことに応じて、そのコマンドに対応する処理を実行する。
S4404の後、あるいは主制御基板60からゲーム開始コマンドを受信していない場合(S4301:NO)、演出制御用マイコン71は、ゲーム開始コマンドの他に受信したコマンドに基づく処理を行う(S4399)。例えば、リール回転コマンドを受信した場合には、所定のタイミングでバックランプ49を点灯させ、リール停止コマンドを受信した場合には、バックランプ49を消灯する。S4399の後、演出制御用マイコン71は、サブ側受信コマンド解析処理を終了する。
7.パチスロ遊技機1の特徴部
以下、本形態のパチスロ遊技機1の特徴部を説明する。本形態のパチスロ遊技機1の特徴の1つは、RT遊技状態中、上乗せ回数の抽選を行った際の抽選結果を示す上乗せ報知演出にある。より具体的には、図9に示した上乗せ抽選回数テーブルを用いた上乗せ回数の抽選の結果、上乗せ回数に当選した場合(ハズレ以外の場合)の、当選した上乗せ回数の種類を報知する際の演出態様にある。なお、上述したように、上乗せ回数の抽選は、遊技制御用マイコン61によって行われ、その抽選結果の演出の制御は、演出制御用マイコン71によって行われる。
図28は、RT遊技状態中の上乗せ回数の抽選の結果、上乗せ回数に当選した場合の上乗せ報知演出の流れを示している。パチスロ遊技機1は、図28(A)に示すようなリール6L、6C、6Rが全て停止している状態において、スタートレバー8の操作を受け付ける。なお、パチスロ遊技機1は、リール6L、6C、6Rが全て停止している状態において、メダルの投入やベット操作も受け付ける。
パチスロ遊技機1は、RT遊技状態中、画像表示装置42に、RT遊技状態用のRT演出画像G40を表示させる。また、RT演出画像には、RT遊技状態が終了するまでの残りゲーム数を表示する残ゲーム数表示画像G41が含まれる。演出制御用マイコン71は、主制御基板60から送信されるRTカウンタコマンドに基づいて、RT遊技状態が終了するまでの残りゲーム数をカウントしており、そのカウント値によって示される数値を残ゲーム数表示画像G41にて表示する。
パチスロ遊技機1は、図28(B)に示すように、メダルが所定枚数(本形態では3枚)ベットされている状態でスタートレバー8が操作されると、役抽選乱数を取得し、その役抽選乱数に基づいて遊技役の抽選を行う。さらにパチスロ遊技機1は、全てのリール6L、6C、6Rの回動を開始する。すなわち、取得した役抽選乱数に基づくゲームを開始する。図28中の各リール6L、6C、6Rの「↓」は図柄の変動中を意味する。
また、パチスロ遊技機1は、RT遊技状態中の遊技役の抽選においてハズレを引いた場合、上乗せ回数乱数を取得し、上乗せ回数の抽選を行う。演出制御用マイコン71は、主制御基板60から送信される上乗せ報知コマンドを受信することによって、上乗せ回数の抽選にて上乗せ回数に当選したこと、さらには当選した上乗せ回数の種類(すなわち上乗せされるゲーム数)を取得できる。パチスロ遊技機1は、上乗せ回数の抽選において上乗せ回数に当選した場合(ハズレ以外の場合)、上乗せ報知演出を開始する。
上乗せ報知演出では、パチスロ遊技機1は、図28(B)に示したように、画像表示装置42に、RT遊技状態でのゲーム数の上乗せ(ゲーム数を増やすこと)が確定したことを示す上乗せ確定画像G42を表示させる。
さらにパチスロ遊技機1は、図28(B)に示したように、画像表示装置42に、3つのリール6L、6C、6Rにそれぞれ対応する演出リール画像G43を変動表示させる。演出リール画像G43は、リール6Lに対応する演出リール画像G43L、リール6Cに対応する演出リール画像G43C、リール6Rに対応する演出リール画像G43Rによって構成される。各演出リール画像G43L、G43C、G43Rの表示は、それぞれ対応するリール6L、6C、6Rの動作に連動している。例えばリール6Lが変動表示中の場合、演出リール画像G43Lも変動中を意味する表示となる。演出リール画像G43Lは、リール6Lとは異なり、0~9の数値が描かれている。他のリール6C、6Rに対応する演出リール画像G43C、G43Rも同様である。
さらにパチスロ遊技機1は、図28(B)に示したように、画像表示装置42に、ストップボタン9を操作することを示す操作指示画像G44を表示させる。操作指示画像G44は、リール6Lに対応する操作指示画像G44L、リール6Cに対応する操作指示画像G44C、リール6Rに対応する操作指示画像G44Rによって構成され、さらに演出リール画像G43と関連付けて表示される。本形態では、演出リール画像G43Lの上側に操作指示画像G44Lが表示される。他の演出リール画像G43C、G43Rに関連付けられた操作指示画像G44C、G44Rも同様に上側に表示される。
本形態では、演出リール画像G43L、G43C、G43Rを用いて、ストップボタン9L、9C、9Rの操作に応じて、当選した上乗せ回数の位の値をそれぞれ表示することになる。具体的には、演出リール画像G43Lが百の位の表示、演出リール画像G43Cが十の位の表示、演出リール画像G43Rが一の位の表示、にそれぞれ対応している。操作指示画像G44L、G44C、G44Rには、それぞれ対応する位を示唆する文字ないしマークが含まれることから、例えば操作指示画像G44Lでは、ストップボタン9Lを操作することによって、増加するゲーム数のうち百の位の値が表示されることが示唆される。
パチスロ遊技機1は、画像表示装置42に、上乗せ確定画像G42、演出リール画像G43、操作指示画像G44を表示させた後、ストップボタン9L、9C、9Rの操作を受け付け、上述したように各ストップボタン9L、9C、9Rの操作に応じて、上乗せ回数の抽選において当選した上乗せ回数の位をそれぞれ表示する。操作順は不問であり、遊技役の抽選ではハズレを引いていることから、どの順に操作されたとしても遊技者に不利益は生じない。以下の説明では、上乗せ回数の抽選において上乗せ回数が「130回」に当選したものとして説明する。また、演出制御用マイコン71は、主制御基板60から送信されるリール停止コマンドを受信することによって、ストップボタンが操作されたこと、さらには操作されたストップボタン9の種類を判断できる。
例えば、ゲームの開始後、ストップボタン9L(左ストップボタン)が操作された場合、パチスロ遊技機1は、図28(C1)に示すように、リール6Lの停止制御を行い、さらに上乗せ回数の抽選において当選した上乗せ回数のうち、百の位の値を演出リール画像G43Lに停止表示する。これにより、遊技者には、上乗せ回数のうち百の位のみが開示されることになる。
リール6Lが停止した後、例えばストップボタン9C(中ストップボタン)が操作された場合、パチスロ遊技機1は、図28(D1)に示すように、リール6Cの停止制御を行い、さらに上乗せ回数の抽選において当選した上乗せ回数のうち、十の位の値を演出リール画像G43Cに停止表示する。その後、ストップボタン9R(右ストップボタン)が操作された場合、パチスロ遊技機1は、図28(E)に示すように、リール6Rの停止制御を行い、さらに上乗せ回数の抽選において当選した上乗せ回数のうち、一の位の値を演出リール画像G43Rに停止表示する。これにより、遊技者の操作に応じて、当選した上乗せ回数(図28の例では「130回」)が、百の位の値の「1」、十の位の値の「3」、一の位の値の「0」の順に、1つずつ開示される。百の位の値を開示することで、遊技者は上乗せ回数が3桁なのか否か、すなわち上乗せ回数の大小を知る(1以上の数字が表示されれば3桁が確定し、表示されなければ2桁以下が確定する)ことができる。従って、百の位を最初に開示することで、遊技者は上乗せ回数の大小をゲームの序盤に知ることができる。
ストップボタン9L、9C、9Rの操作順は遊技者による任意の順である。そのため、ゲーム開始後、例えばストップボタン9Rが最初に操作された場合、パチスロ遊技機1は、図28(C2)に示すように、一の位の値を演出リール画像G43Rに停止表示する。その後、例えばストップボタン9Cが操作された場合、図28(D2)に示すように、十の位の値を演出リール画像G43Cに停止表示する。その後、ストップボタン9Lが操作されることで、図28(E)に示すように、百の位の値を演出リール画像G43Lに停止表示する。これにより、遊技者の操作に応じて、当選した上乗せ回数(図28の例では「130回」)が、一の位の値の「0」、十の位の値の「3」、百の位の値の「1」の順に、1つずつ開示される。一の位の値や十の位の値を開示したとしても、遊技者は最終的に上乗せ回数が3桁なのか否か、すなわち上乗せ回数の大小を知ることができない(例えば十の位と一の位とを開示して「30」と表示されたとしても、百の位を開示しないと「30」なのか「130」なのかを知ることができない)。従って、百の位を最後に開示することで、遊技者は上乗せ回数の大小をゲームの終盤に知ることができる。
また、例えばゲーム開始後、ストップボタン9Cが最初に操作された場合、パチスロ遊技機1は、図28(C3)に示すように、十の位の値を演出リール画像G43Rに停止表示する。その後、例えばストップボタン9Rが操作された場合、図28(D3)に示すように、一の位の値を演出リール画像G43Cに停止表示する。その後、ストップボタン9Lが操作されることで、図28(E)に示すように、百の位の値を演出リール画像G43Lに停止表示する。これにより、遊技者の操作に応じて、当選した上乗せ回数(図28の例では「130回」)が、十の位の値の「3」、一の位の値の「0」、百の位の値の「1」の順に、1つずつ開示される。このように開示する順序は遊技者の任意の順であり、遊技者のその時の気分に応じて変えることができる。
ストップボタン9L、9C、9Rが全て操作された後、パチスロ遊技機1は、図28(F)に示すように、上乗せ回数の抽選において当選した上乗せ回数が、RT遊技状態が終了するまでの残りゲーム数に追加されることを示す追加報知画像G45を、画像表示装置42に表示させる。その際、残ゲーム数表示画像G41も表示させ、残ゲーム数表示画像G41には上乗せされた残りゲーム数が表示される。
図28には、上乗せ回数の抽選において上乗せ回数が「130回」に当選した場合であって、百の位、十の位、一の位、の全てで数値が表示される場合の、演出の流れを示しているが、当選する上乗せ回数には、「10回」や「5回」等、百の位や十の位が存在しない回数もある(図9参照)。そのため、例えば上乗せ回数の抽選において上乗せ回数が「5回」に当選した場合、パチスロ遊技機1は、図29に示すように、まずストップボタン9Lが操作された場合、図29(C4)に示すように、百の位に対応する演出リール画像G43Lを非表示にする。これにより、遊技者には、百回以上の上乗せが生じないことが示唆されることになる。
リール6Lが停止した後、例えばストップボタン9Cが操作された場合、パチスロ遊技機1は、図29(D4)に示すように、十の位に対応する演出リール画像G43Cを非表示にする。これにより、遊技者には、十回以上の上乗せが生じないことが示唆されることになる。その後、ストップボタン9Rが操作された場合、パチスロ遊技機1は、図29(E4)に示すように、上乗せ回数の抽選において当選した上乗せ回数のうち、一の位の値を演出リール画像G43Rとして画像表示装置42に停止表示させる。このように存在しない位の場合に、対応する演出リール画像G43を非表示とすることで、遊技者は、上乗せされるゲーム数を推測しやすい。
なお、パチスロ遊技機1は、上乗せ報知演出において、存在しない位の場合に、対応する演出リール画像G43を非表示とせず、例えば「0」を表示してもよい。存在しない位の演出リール画像G43を非表示とすると、例えば上乗せ回数の抽選において上乗せ回数が「5回」に当選した場合であって、最初にストップボタン9Cが操作された場合、百の位も存在しないことが遊技者に分かってしまうが、「0」と表示することで、百の位の期待感を維持できる。一方、存在しない位を非表示とすることで、当選した上乗せ回数を遊技者が早期に推測できる。
また、パチスロ遊技機1は、ストップボタン9Lが百の位の表示、ストップボタン9Cが十の位の表示、ストップボタン9Rが一の位の表示、にそれぞれ対応し、各ストップボタン9L、9C、9Rの操作に応じて、それぞれ対応する値を演出リール画像G43に表示しているが、演出リール画像G43を停止表示させる契機は、ストップボタン9の操作に限るものではない。例えば、セレクトボタン19(図1参照)の操作に応じて、演出リール画像G43を停止表示させてもよい。
例えば、セレクトボタン19の左ボタンを百の位の表示、セレクトボタン19の下ボタンを十の位の表示、セレクトボタン19の右ボタンを一の位の表示、にそれぞれ対応させる。この場合、図30(B0)に示すように、画像表示装置42に、上乗せ確定画像G42、演出リール画像G43、操作指示画像G44、をそれぞれ表示させる。そして、操作指示画像G44には、セレクトボタン19の操作を示唆する画像を含ませる。例えば、操作指示画像G44Lにはセレクトボタン19の左ボタンの画像を含ませ、操作指示画像G44Cにはセレクトボタン19の下ボタンの画像を含ませ、操作指示画像G44Rにはセレクトボタン19の右ボタンの画像を含ませる。これにより、遊技者にセレクトボタン19の操作を示唆することができる。
そして、パチスロ遊技機1は、ゲーム開始後、セレクトボタン19の左ボタンが操作された場合、パチスロ遊技機1は、図30(C0)に示すように、上乗せ回数の抽選において当選した上乗せ回数のうち、百の位の値を演出リール画像G43Lに表示する。これにより、遊技者には、上乗せ回数のうち百の位のみが開示されることになる。
その後、例えばセレクトボタン19の下ボタンが操作された場合、パチスロ遊技機1は、図30(D0)に示すように、上乗せ回数の抽選において当選した上乗せ回数のうち、十の位の値を演出リール画像G43Cに表示する。その後、セレクトボタン19の右ボタンが操作された場合、パチスロ遊技機1は、図30(E)に示すように、上乗せ回数の抽選において当選した上乗せ回数のうち、一の位の値を演出リール画像G43Rに表示する。これにより、遊技者の操作に応じて、当選した上乗せ回数(図30の例では「130回」)が、百の位の値の「1」、十の位の値の「3」、一の位の値の「0」の順に、1つずつ開示される。セレクトボタン19のうち左ボタン、下ボタン、右ボタンが全て操作された後、パチスロ遊技機1は、図30(F)に示すように、追加報知画像G45を、画像表示装置42に表示させる。
なお、セレクトボタン19の操作と、リール6の制御とは連動していない。そのため、対応するセレクトボタン19が操作されるまでの間、演出リール画像G43は変動表示している必要はなく、例えば図30(B0)に示したように、「?」を固定表示してもよい。また、セレクトボタン19が操作されることなく、全てのストップボタン9が操作された場合には、図30の(C0)から(E)までの演出は省略し、追加報知画像G45を画像表示装置42に表示させる。
このようにセレクトボタン19であっても上乗せ報知演出、すなわち3つのボタン操作で上乗せ回数のうちの百の位、十の位、一の位、をそれぞれ報知する演出を実現することができる。ただし、セレクトボタン19を操作することは、遊技者にとって面倒に感じることもある。そのため、先に説明したストップボタン9によって上乗せ報知演出を行う方が、上乗せ回数の報知のための操作がゲームの操作と兼用しているため、遊技者にとって操作性が良く、面倒に感じ難い。
8.実施の形態の効果
本実施の形態にかかるパチスロ遊技機1では、ストップボタン9L、9C、9Rの操作に応じて、それぞれ操作されたストップボタンに対応する演出リール画像G43を停止表示し、上乗せ回数の抽選において当選した上乗せ回数のうち、そのストップボタンに対応する位を開示することで、例えばストップボタン9L、9C、9Rを左から順に操作した場合には、大きい位の値から開示されることになり、数値が表示された場合には、百の位が早期に確定し、遊技者は早くから優越感に浸ることができる。一方、ストップボタン9L、9C、9Rを右から順に操作した場合には、小さい位の値から開示されることになり、最後の操作まで百回以上の上乗せか否かが確定されず、遊技者の期待感を最後の操作まで維持できる。
9.変形例
本実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、本実施の形態に記載された数値(抽選回数、各種テーブルの値、上限等)は例示であって、適宜選択すればよい。また、リールの数も例示であって、2個でもよいし、4個以上であってもよい。
また、実施の形態のパチスロ遊技機1では、遊技役として、BB役、チェリー小役、スイカ小役、押し順ベル小役、共通ベル小役、リプレイ役、を有しているが、これらは例示であって、これら全てを備える必要はない。また、これら以外の遊技役を備えていてもよい。また、実施の形態のパチスロ遊技機1では、BB遊技状態中、BB役、チェリー小役、スイカ小役、およびリプレイ役に当選しない構成になっているが、これらに当選する構成であってもよい。
また、実施の形態のパチスロ遊技機1は、遊技状態にRT遊技状態を設けているが、RT遊技状態を設けずに、BB遊技状態と通常遊技状態(実施の形態では非RT遊技状態)との2つの遊技状態を設けた構成であってもよい。また、BB遊技状態を設けず、RT遊技状態と非RT遊技状態との2つの遊技状態を設けた構成であってもよい。すなわち、パチスロ遊技機1は、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)への入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機であってもよく、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であってもよく、これらを組み合わせた構成であってもよい。
また、実施の形態では、上乗せ回数の抽選においてゲーム数の上乗せに当選した場合に、本発明の演出を適用しているが、ハズレであった場合(ゲーム数が上乗せされない場合)も含めて、本発明の演出を適用してもよい。例えば、ハズレであった場合、上乗せされるゲーム数を0Gと表示すればよい。
また、実施の形態では、RT遊技状態中の役抽選においてハズレであった場合に上乗せ回数の抽選を行っているが、ハズレであった場合に限るものではなく、特定の役に当選した場合にも上乗せ回数の抽選を行ってもよいし、遊技役の抽選結果にかかわらず、毎回のゲームで上乗せ回数の抽選を行ってもよい。ただし、入賞に正解押し順が設定されている押し順役(実施の形態では小役3~5)において上乗せ回数の抽選を行ってしまうと、ストップボタン9L、9C、9Rの押し順が制限されてしまい、上乗せ回数の位の表示順を遊技者の好みで選び難い。そのため、入賞に正解押し順が設定されていない非押し順役(実施の形態では小役3~5以外)において、上乗せ回数の抽選を行うとよい。すなわち、押し順役に当選していない時に上乗せ回数の報知に関する本発明の演出を適用し、押し順役に当選している時には上乗せ回数の報知に関する本発明を適用しないとよい。
また、実施の形態では、RT遊技状態中に上乗せ回数の抽選を行い、その抽選にて当選した場合に本発明の演出を適用しているが、上乗せ回数の抽選結果の報知時に限るものではない。例えば、実施の形態では、RT遊技状態の初期ゲーム数が30Gの固定値であるが、この初期ゲーム数をRT遊技状態の開始時に抽選によって決定する構成であれば、その初期ゲーム数の抽選結果の報知時に本発明の演出を適用してもよい。
また、実施の形態では、上乗せ回数の抽選時のゲームにおいて本発明の演出を適用しているが、必ずしも抽選時のゲームに適用しなくてもよい。例えば、RT遊技状態の初期のゲーム数である30G内に上乗せ回数の抽選に当選した場合であってもその抽選結果を報知せず、RT遊技状態での30G目で延長可能か否かを報知する構成であれば、その30G目に本発明の演出を適用し、延長可能なゲーム数を報知してもよい。
また、実施の形態では、左側に位置するストップボタン9Lを百の位に対応させ、中央に位置するストップボタン9Cを十の位に対応させ、右側に位置するストップボタン9Rを一の位に対応させているが、これに限るものではない。各ストップボタン9L、9C、9Rをそれぞれ別の位に対応させてもよい。また、ゲームごとにランダムに対応させてもよい。そして、どのストップボタンがどの位に対応しているかを画像表示装置42に表示させることで、遊技者は上乗せ回数の位の表示順を遊技者の好みで選ぶことができる。ただし、実施の形態のように、数値の桁の並びとストップボタンの並びとを一致させることで、遊技者が演出を把握し易い。
また、実施の形態に開示されている任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる、または並列に実行できる。
また、実施の形態に開示されている処理は、主として主制御基板60の遊技制御用マイコン61のCPU62、サブ制御基板70の演出制御用マイコン71のCPU72、および画像制御基板80の画像制御用マイコン81のCPU82によって実行されるが、例えば、単一の制御基板による単一あるいは複数のCPUによって実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、遊技制御用マイコン61、演出制御用マイコン71、画像制御用マイコン81の少なくとも1つにおいて複数のCPUによって実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、遊技制御用マイコン61、演出制御用マイコン71、あるいは画像制御用マイコン81に加え、他のハードウェアとの組み合わせで実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理のうち、遊技制御用マイコン61、演出制御用マイコン71、あるいは画像制御用マイコン81の処理の一部を、他のマイコンが実行してもよい。つまり、遊技制御用マイコン61、演出制御用マイコン71、画像制御用マイコン81、これらを包含した1つのマイコン、他のハードウェアと組み合わせ、これらすべて各種の処理を実行する手段の一例である。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
また、実施の形態のパチスロ遊技機1の機能を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、および当該コンピュータプログラムを格納する、コンピュータによる読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
10.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下に示す構成の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
先ず、第1の構成にかかる遊技機(パチスロ遊技機1)は、第1のボタンと、第2のボタンと、第3のボタンと、を備えるボタン群(ストップボタン9L、9C、9R、セレクトボタン19)と、レバー(スタートレバー8)と、前記レバーが操作されたことを契機に、複数種類ある役の抽選に用いる抽選情報を取得し、前記抽選情報に基づいて前記複数種類の役に対する抽選を行う抽選手段(遊技制御用マイコン61、S501、S502)と、遊技状態を、第1の状態(非RT状態)と、前記第1の状態よりも遊技者に有利な第2の状態(RT状態)と、に制御可能であり、前記抽選手段による抽選の結果に基づいて遊技状態を制御する遊技状態制御手段(遊技制御用マイコン61、S1312、S1443)と、遊技状態が前記第2の状態において、前記第2の状態でのゲーム数が増加することを報知する報知手段(演出制御用マイコン71、画像表示装置42、上乗せ報知演出)と、を備え、前記報知手段は、前記第1のボタン(ストップボタン9L)が操作されたことに応じて、増加するゲーム数のうち百の位の数値を表示(演出リール画像G43L)し、前記第2のボタン(ストップボタン9C)が操作されたことに応じて、増加するゲーム数のうち十の位の数値を表示(演出リール画像G43C)し、前記第3のボタン(ストップボタン9R)が操作されたことに応じて、増加するゲーム数のうち一の位の数値を表示(演出リール画像G43R)することを特徴としている。
パチスロ遊技機では、ボーナスゲーム等、遊技者に有利な遊技期間である有利期間の延長を報知することがある。そして、遊技者に有利期間の延長を報知する場合、例えばレバーの操作を契機に、延長されるゲーム数(遊技期間)を画面に表示するといったような報知態様が知られている。しかしながら、このような報知態様は単純であり、改善の余地がある。
前述の第1の構成によれば、増加する上乗せ回数を表示する際、その上乗せ回数の各位(桁)に対応するボタンを設け、遊技者の操作順にその位に対応する数値が表示される。これにより、例えば、上乗せ回数の大小を最後まで残して楽しみたい遊技者は小さい位から操作すればよく、反対に直ぐに上乗せ回数の大小を知りたい遊技者は大きい位から操作すればよいことになる。この構成によれば、遊技者に上乗せ回数の報知手順が委ねられ、遊技者の好みで報知演出を行うことができる。
また、第1の構成の遊技機は、第1のリールと、第2のリールと、第3のリールと、を備えるリール群(リール6L、6C、6R)であって、前記リール群の各リールには、複数種類の図柄が表示され、前記第1のリールは前記第1のボタンに対応し、前記第2のリールは前記第2のボタンに対応し、前記第3のリールは前記第3のボタンに対応しており、さらに、前記リール群の各リールが停止した状態で前記レバーが操作された場合に、その操作を契機に取得した前記抽選情報に基づくゲームとして、前記リール群の各リールの回動を開始させる回動開始手段(遊技制御用マイコン61、S602)と、前記リール群のリールの少なくとも1つが回動中に前記ボタン群の各ボタンのうちその回動中のリールに対応するボタンが操作された場合に、その操作されたボタンに対応するリールの回動を、前記抽選手段での抽選結果に基づいて停止させる回動停止手段(遊技制御用マイコン61、S721、S821、S921、S1003)と、を備え、前記複数のリールが全て停止することで、前記抽選情報に基づく前記ゲームを終了させるとよい。リール停止用のボタンを用いて上乗せ回数を表示させることで、上乗せ回数の報知のための操作を、ゲームの操作と兼用させることができ、遊技者にとって操作性が良い。
また、前記複数種類の役には、遊技者が得られる利益が、前記ボタン群の各ボタンの操作順によって異なる押し順役(押し順ベル小役)と、前記ボタン群の各ボタンの操作順によらない非押し順役(押し順ベル小役以外)とがあり、前記報知手段は、前記抽選手段によって前記押し順役に当選していない場合(ハズレ、共通ベル小役、チェリー小役、スイカ小役、リプレイ役)に、増加するゲーム数を報知する可能性があり、前記抽選手段によって前記押し順役に当選している場合には報知しないとよい。リール停止用のボタンと兼用すると、押し順役の場合に遊技者の都合でボタンの操作順を変更し難い。そのため、押し順役に当選していない場合に、上乗せ回数の報知を行うことで、遊技者の不利益を回避できる。
また、前記抽選手段は、遊技状態が前記第2の状態において、前記複数種類の役に対する抽選の他、前記第2の状態でのゲーム数を増加させる抽選(上乗せ回数の抽選)を行うことがあり、前記報知手段は、前記第2の状態でのゲーム数を増加させる前記抽選に当選した場合に、増加するゲーム数を報知するとよい。ゲームの度に上乗せ抽選を行うことで、ゲームの興趣性が向上する。
また、前記ボタン群の各ボタンは、前記第1のボタン、前記第2のボタン、前記第3のボタン、の順に左側から配置されているとよい。上乗せ回数の数値の並びと、位の対応するボタンの並びと、が同じであることで、遊技者が操作の意味を把握し易い。
また、前記報知手段は、前記第1のボタンの操作が百の位の表示を、前記第2のボタンの操作が十の位の表示を、前記第3のボタンの操作が一の位の表示を、それぞれ行うことを示唆する操作示唆画像(操作指示画像G44)を表示するとよい。操作の意味を示唆することで、遊技者が演出を把握し易い。