<第1の実施形態>
図1~図5を用いて、本発明の第1の実施形態による照明スイッチ回路10及びそれを含む照明スイッチ2を説明する。まず、図1に、照明スイッチ2が壁面Wに取り付けられた場合の前面図を示す。照明スイッチ2は、壁面Wに設置された状態においては、外観上は通常の壁スイッチと実質的に同様である。また、図2に照明スイッチ2が壁面Wに取り付けられた場合の照明スイッチ2の側面の部分透視図を示す。
以下の説明において、壁の外側(すなわち居住空間側)から壁面Wに向かって右方向及び上方向をそれぞれx軸正方向及びy軸正方向とする。また、壁面Wに対して垂直な方向において壁の内側から外側に向かう方向をz軸正方向とする。壁面Wに垂直な視方向(z軸正方向又はz軸負方向)を平面視というものとする。また、各構成要素において、z軸正方向を向く面を前面、z軸負方向を向く面を背面というものとする。なお、各図は、説明のための模式図であり、寸法通りとは限らない。
図1(a)に示すように、照明スイッチ2は、前面にスイッチプレート100、操作スイッチ101及び102並びにセンサユニット105を有する。スイッチプレート100は枠状の平板であり、操作スイッチ101及び102並びにセンサユニット105は平面視において相互に隣接してスイッチプレート100の内周に収容されるように配置される。なお、スイッチプレート100、操作スイッチ101及び102並びにセンサユニット105をまとめて前面パネルPというものとする。
操作スイッチ101及び102には、必要に応じてインジケータ103及び104(例えばLED)がそれぞれ設けられる。インジケータ103及び104は、例えば、それぞれ操作スイッチ101及び102に対応する照明器具が点灯している場合には消灯し(又は赤色で点灯し)、当該照明器具が消灯している場合には(例えば緑色で)点灯するように構成される。センサユニット105は、本実施形態では人感センサのカバー106を有する。また、前面パネルPの適宜の位置に通信接続確認用のインジケータ107(例えばLED)が設けられる。インジケータ107は、例えば、後述する無線LANルータとの無線通信接続が確立されている場合には点灯し、それ以外の場合には消灯するように構成される。本実施形態では、インジケータ107は、センサユニット105に設けられるが、操作スイッチ101又は102に設けられてもよい。あるいは、インジケータ107は、操作スイッチ101及び102並びにセンサユニット105から独立して区分けされた領域(例えば、操作スイッチ101と操作スイッチ102の境界部、操作スイッチ102とセンサユニット105の境界部、センサユニット105の下端とスイッチプレート100の内周の間の領域など)に設けられてもよい。インジケータ107の点灯態様については後述する。
図1(b)は、図1(a)の状態から前面パネルPなどを取り外した場合の正面図を示す。図1(b)に示すように、照明スイッチ2は、固定用プレート108及び取付枠110を有する。スイッチプレート100の背面と壁面Wの間において、スイッチプレート100の背面側に固定用プレート108が収容され、壁面Wを挟んで固定用プレート108の背面側に取付枠110が取り付けられる。取付枠110は、円形孔111(4か所)及び長円孔112(2か所)に挿通されるネジなどの挿通具(不図示)によって壁面Wの前面に固定される。固定用プレート108は、ネジなどの挿通具113によって取付枠110に固定される。スイッチプレート100は、固定用プレート108に対して、不図示の爪構造などの係止部によって固定される。固定用プレート108及び取付枠110をまとめて取付部材Aというものとする。なお、各部の固定の態様は上記に限られない。また、取付枠110の枠内に一部が露出している制御基板300については後述する。
図2に示すように、照明スイッチ2は、鋼製ボックス120及びケース200をさらに有する。図2においては、取付部材Aなどの図示は省略され、鋼製ボックス120の内部が示される。スイッチプレート100の背面は壁面Wの前面Waに当接され、鋼製ボックス120は前面パネルPの背面側に取付部材Aなどによって固定される。鋼製ボックス120は、略直方体の開口金属筐体であり、上側部121、下側部122及び底部125並びに不図示の2面の側部(上側部121、下側部122及び底部125に連続する面)を有する。
ケース200は、樹脂又は金属の筐体であり、前面パネルPの背面側と鋼製ボックス120の内面とで画定される空間に設置される。ケース200は、適宜の態様で(例えば、鋼製ボックス120の底部125の内面に当接されて)前面パネルPの背面に対して固定される。
図3に、ケース200の外観を示す。図3において、(a)はz軸正負向を視方向とする正面図であり、(b)はy軸正方向を視方向とする側面図であり、(c)はx軸負方向を視方向とする側面図である。ケース200は、本体部210及び蓋部220を有する。平面視において、ケース200の外周形状は、少なくともスイッチプレート100の外周形状よりも小さく、好ましくは矩形の取付開口Wcよりも小さい。ケース200の寸法は、例えば、長さ(y軸方向長さ)が72mm、幅(x軸方向長さ)が50mm、高さ(z軸方向の長さ)が50mmである。なお、上述した図1(b)は、蓋部220が装着されていない状態での分解図である。
本体部210は、図3(b)及び(c)に示すように、前面側の主収容部211並びに背面側の配線引き込み部212及び配線引き出し部213を有する。主収容部211、配線引き込み部212及び配線引き出し部213はそれぞれ実質的に直方体であり、主収容部211に配線引き込み部212及び配線引き出し部213が結合されてもよいし、一体形成されていてもよい。主収容部211、配線引き込み部212及び配線引き出し部213は内部空間で連続しており、主収容部211は蓋部220側に開口している。配線引き込み部212においては、入力電源側の給電線L及びNが主収容部211に対して引き込まれ、配線引き出し部213においては、負荷側の給電線L1及びL2(場合によってはさらに給電線N)が収容部211から引き出される。また、鋼製ボックス120の側部121及び122にも、引き込み孔214及び不図示の引き出し孔に対応する位置に孔が設けられる。
蓋部220は、図3(a)に示すように、平面視において略平板状であり、弾性部221及び222並びにセンサ孔223を有する。弾性部221及び222は、それぞれ操作スイッチ101及び102に対応する位置に配置される。より詳細には、弾性部221は先端部221a及び基部221bを有し、基部221bは蓋部220の全体に固定され、先端部221aは基部221bを支点としてz軸方向に弾性的に可動に構成される。同様に、弾性部222は先端部222a及び基部222bを有し、基部222bは蓋部220の全体に固定され、先端部222aは基部222bを支点としてz軸方向に弾性的に可動に構成される。先端部221a及び222aは、後述する制御基板300のスイッチ素子311及び312にそれぞれ対応する位置に配置される。弾性部221について、通常時、すなわち操作スイッチ101が操作されていない状態においては、先端部221aはスイッチ素子311に接触しない。先端部221aは、操作スイッチ101の押下に応じてスイッチ素子311に作用(接触乃至は押圧)し、その押下操作終了後に基部221aを支点とする弾性部221の弾性力によって非作用位置(スイッチ素子311に接触しない位置)に戻る。これは、弾性部222についても同様である。センサ孔223は、センサユニット105のカバー106に対応する位置、すなわち後述のセンサ素子315に対応する位置に設けられる。
また、蓋部220は、図3(b)に示すように、その端部にz軸負方向に延在する4個の突起部224を有する。突起部224の各々は、蓋部220が本体部210に固定される際に本体部210の内側部又は外側部に当接し、これにより、本体部210と蓋部220が固定される。なお、突起部の数及び位置は図3に示すものに限られず、種々の態様が適用され得る。また、本体部210と蓋部220の固定態様はこれに限られず、適宜の固定手段が適用され得る。
図4は、ケース200の内部構成を説明する図である。図4(a)に、ケース200の内部の側面透視図を示す。本開示において、照明スイッチ回路10は、ケース200、制御基板300、電源基板400及びコネクタ基板500を含む。ケース200の内部には、制御基板300、電源基板400及びコネクタ基板500が積層される。本実施形態では、スイッチプレート100に近い方から、制御基板300、電源基板400及びコネクタ基板500の順に配置される。制御基板300、電源基板400及びコネクタ基板500の各々は、ケース200の内壁の凹凸構造、段差などによってケース200内部に適宜固定され得る。あるいは、制御基板300、電源基板400及びコネクタ基板500同士が適宜のコネクタ、スペーサなどによって固定されて3段一体基板が形成され、その3段一体基板の一部がケース200内部に固定されてもよい。また、制御基板300と電源基板400の間には、絶縁シートが配置されることが好ましい。制御基板300、電源基板400及びコネクタ基板500の各構成を説明する前に、図5を参照して、照明スイッチ回路10の回路構成を説明する。
図5は、照明スイッチ回路10の回路構成を示す図である。図5に示すように、照明スイッチ回路10は、商用電源などの交流電源ACに給電線L及び給電線N(接地側)を介して接続される。また、照明スイッチ10は、照明器具4-1及び4-2にそれぞれ給電線L1及びL2を介して接続される。給電線Nは、照明スイッチ回路10にも照明器具4-1及び4-2にも接続される。なお、給電線Nは、適宜の態様で照明スイッチ回路10の内部を貫通するように配線されてもよい。すなわち、給電線Nは、鋼製ボックス120の内部であってケース200の外部に配されてもよいし、ケース200の配線接続部212の内部に(すなわち配線接続部212を貫通して)配されてもよい。なお、照明器具4-1及び4-2を総称して又はいずれか1つを代表して照明器具4というものとする。
制御基板300には、スイッチ素子311及び312、センサ素子315、無線モジュール320及び制御回路330が実装される。スイッチ素子311及び312の各々はマイクロスイッチからなり、以下の説明においてはマイクロスイッチ311及び312ともいう。マイクロスイッチ311及び312は、平面視において、操作スイッチ101及び102に対応する位置にそれぞれ配置され、操作スイッチ101及び102の押下操作に応じて操作信号を出力する。センサ素子315は、本実施形態では、例えば、人感センサ用の焦電型赤外センサ素子、CCD撮像素子などである。センサ素子315は、センサユニット105に対応する位置に配置され、検知エリアにける人体の在/不在を示す検知結果に応じた検知信号を出力する。
無線モジュール320は、本実施形態では、Wi-Fi(登録商標)通信を行うWi-FiSoC(システムオンチップ)であり、所定のWi-FiルータとWi-Fi規格による無線通信を行うことができる。具体的には、無線モジュール320は、操作信号及び検知信号をWi-Fiルータに送信し、Wi-Fiルータからの制御信号を受信することができる。このように、一般的に普及しているWi-Fi規格を用いることにより、すなわち、一般家庭に普及し得るWi-Fiルータを利用することにより、照明スイッチ回路10及び照明スイッチ2の汎用性が確保される。
制御回路330は、マイコン(CPU、メモリ)、各種制御IC及びその周辺回路を含み、操作信号及び検知信号を無線モジュール320に無線送信させ、無線モジュール320で受信される制御信号に応じて電源基板400へのリレー制御信号を出力する。制御回路330は、無線モジュール320のその他の信号の通信制御を実行することもできる。
また、制御回路330は、制御信号又はリレー制御信号に基づいて操作スイッチ101及び102のインジケータ103及び104を点消灯する。さらに、制御回路330は、無線モジュール320と上記無線LANルータ(Wi-Fiルータ)との間の無線通信接続(Wi-Fi接続)の状態に応じてセンサユニット105のインジケータ107を点消灯制御する。具体的には、制御回路330は、上記Wi-Fi接続が確立されている場合(Wi-Fi接続時)にはインジケータ107を緑色に点灯させ、上記Wi-Fi接続が確立されていない場合(Wi-Fi非接続時)にはインジケータ107を消灯させる。ただし、インジケータ107の点消灯の態様は上記に限られず、Wi-Fi接続時とWi-Fi非接続時との間でユーザに視認可能な態様で異なればよい。例えば、インジケータ107の点消灯状態は、Wi-Fi接続時/Wi-Fi非接続時に対して、それぞれ、第1発光色(例えば緑色)での点灯/第2発光色(例えば赤色)での点灯、点灯/点滅、点灯/明滅、明滅/消灯、点滅/消灯、消灯/(例えば赤色での)点灯、消灯/点滅、その他種々の態様が存在し得る。
また、インジケータ103又は104が、インジケータ107の機能を兼ねてもよい(この場合、別途のインジケータ107は不要となる)。例えば、インジケータ103又は104は、操作スイッチ101又は102に対応する照明器具の点消灯に応じて適宜の態様で点消灯される一方で、Wi-Fi非接続時には点滅されるようにしてもよし、別途の発光色で点灯されるようにしてもよい。また、インジケータ103又は104は、操作スイッチ101又は102に対応する照明器具の点消灯に応じて適宜の発光色で点灯される一方で、Wi-Fi非接続時には消灯されるようにしてもよいし、別途の発光色で点灯されるようにしてもよい。
電源基板400には、AC/DCコンバータ410、リレースイッチ420及びリレー駆動回路430が実装される。AC/DCコンバータ410は、交流電源ACから入力される交流電圧を直流電圧に変換し、その直流電圧を制御基板300の各回路(例えば、無線モジュール320及び制御回路330)、リレー駆動回路430などにそれぞれ動作電源として供給する。なお、上記直流電圧は、各回路において適切な電圧値となるように電圧レギュレータ回路によって再度定電圧化され得る。
リレースイッチ420は、スイッチ421及び422を有する。スイッチ421は給電線Lと給電線L1の間に接続され、スイッチ422は給電線Lと給電線L2の間に接続される。スイッチ421及び422は、リレー駆動回路430からの駆動電流によってそれぞれ開閉される。リレー駆動回路430は、制御回路330から入力されるリレー制御信号に応じてリレースイッチ420のスイッチ421及び422をそれぞれ開閉する駆動電流を生成する増幅回路である。
コネクタ基板500には、接続端子510及び515が実装される。具体的には、接続端子510は、交流電源ACからの給電線L及び給電線N(接地側)の外部配線と内部配線とをそれぞれ接続する。接続端子515は、照明器具4-1(点灯装置41a)の一方の入力端への給電線L1及び照明器具4-2(点灯装置41b)の一方の入力端への給電線L2の外部配線と内部配線とをそれぞれ接続する。また、コネクタ基板500には、温度ヒューズ、ヒューズ抵抗、バリスタ、フィルタ用コンデンサ(いわゆるXコン)などの入力回路部品が、さらに実装され得る。
図4に戻り、制御基板300、電源基板400及びコネクタ基板500の積層構成について説明する。図4(a)に示すように、制御基板300は、前面301(第1の基板面)及び背面302(第2の基板面)を有する。図4(b)に、前面301の平面図を示す。前面301には、マイクロスイッチ311及び312並びにセンサ素子315が実装される。背面302には、無線モジュール320、制御回路330(ICなどの面実装部品)などが実装される。また、背面302には、電源基板400との信号入出力のための適宜の配線(不図示)及び必要に応じてコネクタが接続されるものとする。なお、インジケータ103、104及び107の点消灯のための別途の配線が、制御基板300(制御回路330)に接続される。
図4(a)に示すように、電源基板400は、前面401及び背面402を有する。図4(c)に、背面402の平面図を示す。背面402には、AC/DCコンバータ410及びリレー駆動回路430のディスクリート部品(例えば、トランスT、コンデンサC、ヒューズFなど)並びにリレースイッチ420が実装される。前面401には、AC/DCコンバータ410及びリレー駆動回路430の面実装部品(ICなど)が実装される。また、電源基板400(例えば前面401)には、制御基板300(例えば背面302)との信号入出力のための適宜の配線(必要に応じてコネクタ)が接続される。さらに、電源基板400(例えば背面402)には、コネクタ基板500からの給電線(不図示)及び必要に応じてコネクタが接続されるものとする。
なお、前面401と背面402の配置は逆であってもよい。すなわち、前面401にAC/DCコンバータ410及びリレー駆動回路430のディスクリート部品並びにリレースイッチ420が実装され、背面402にAC/DCコンバータ410及びリレー駆動回路430の面実装部品が実装されてもよい。
図4(a)に示すように、コネクタ基板500は、前面501及び背面502を有する。図4(d1)に、背面502の平面図を示す。背面502には、接続端子510及び515が設けられる。接続端子510は交流電源からの給電線L及びNに接続され、接続端子515は照明器具への給電線L1、L2及びNに接続される。図4(d1)に示す場合においては、給電線Nは、コネクタ基板500上で接続端子510と接続端子515の間にパターン配線などで結線される。一方、図4(d2)に示すように、給電線Nは、コネクタ基板500上で結線されるのではなく、接続端子510から接続端子515を経由せずに照明器具4-1及び4-2に接続されてもよい。また、不図示であるが、上述した入力回路部品が、例えば前面501に実装される。なお、前面501と背面502の配置は逆であってもよく、すなわち、前面501に接続端子510及び515が実装されてもよい。また、接続端子510及び515は一体化されていてもよい。
次に、照明スイッチ2の動作を説明する。例えば、ユーザが操作スイッチ101を押下することによって、マイクロスイッチ311は操作信号を制御回路330に出力する。制御回路330は、無線モジュール320から無線LANルータ(Wi-Fiルータ)を介して所定のサーバに操作信号を転送させる。これに応じて、当該サーバは、操作信号に対応する制御信号を生成してそれを上記Wi-Fiルータを介して無線モジュール320に送信する。制御回路330は、この制御信号に基づいてリレー制御信号を生成してスイッチ421の開閉を反転する。このようにして、操作スイッチ101の操作に応じて照明器具4-1が点消灯制御される。なお、操作スイッチ102の操作に対するスイッチ422の開閉反転及び照明器具4-2の点消灯制御も上記と同様である。操作信号と制御信号の関係性については、第3の実施形態の照明スイッチシステムの説明において後述する。
また、センサ素子315が、照明器具4-1又は4-2の照明空間に対応する検知エリアにおいて人体を検知したものとする。この場合、センサ素子315は、人体を検知したことを示す検知信号(在信号)を制御回路330に出力する。制御回路330は、無線モジュール320からWi-Fiルータを介して所定のサーバに検知信号(在信号)を転送させる。これに応じて、当該サーバは、検知信号に対応する制御信号を生成してそれをWi-Fiルータを介して無線モジュール320に送信する。制御回路330は、この制御信号に基づいてリレー制御信号を生成してスイッチ421又は422の開閉を制御する。このようにして、センサ素子315の検知結果に応じて照明器具4-1又は4-2が点消灯制御される。あるいは、検知信号は、サーバにおいて、単に宅内ユーザの在/不在の情報又は在の場合にはその現在位置を取得するための信号として利用されてもよい(この場合、制御信号は生成されない)。検知信号と制御信号の関係性については、第3の実施形態の照明スイッチシステムの説明において後述する。
なお、本実施形態では、センサ素子315(センサユニット105)の検知エリアは照明器具4-1及び4-2の照明範囲に対応する領域であるものとして説明するが、この検知エリアは、照明器具4-1の照明範囲のみに対応する領域であってもよいし、照明器具4-2の照明範囲のみに対応する領域であってもよい。あるいは、検知エリアが2つの検知エリアに分割され、一方の検知エリアが照明器具4-1の照明範囲に対応する領域であり、他方の検知エリアが照明器具4-2の照明範囲に対応する領域であってもよい。
また、操作スイッチ101若しくは102の操作又はセンサ素子315の検知動作とは無関係に、無線モジュール320が上記の所定のサーバからWi-Fiルータを介して制御信号を受信した場合も、制御回路330はこの制御信号に基づいてリレー制御信号を生成してスイッチ421又は422を制御する。この場合の制御信号の生成については、第3の実施形態の照明スイッチシステムの説明において後述する。
以上のように、本発明の照明スイッチ回路10は、操作スイッチ101、102に対応して配置されたスイッチ素子311、312又はセンサユニット105に対応して配置されたセンサ素子315と、操作スイッチ101、102の操作に応じてスイッチ素子311、312から出力される操作信号又はセンサ素子315から出力される検知信号を無線LANルータ3に無線送信するとともに制御信号を無線LANルータ3から無線受信する無線モジュール320と、制御信号に基づいてリレー制御信号を出力する制御回路330と、交流電源ACから直流電圧を生成してその直流電圧を無線モジュール320及び制御回路330に供給するAC/DCコンバータ410と、交流電源ACから照明器具4への給電線を開閉するリレースイッチ420と、リレー制御信号に応じて直流電圧を用いてリレースイッチ420を開閉するリレー駆動回路430とを備える。また、本発明の照明スイッチ2は、照明スイッチ回路10と、スイッチプレート100、操作スイッチ101、102並びにセンサユニット105を含む前面パネルPと、照明スイッチ回路10と前面パネルPとを壁面Wに取り付けるための取付部材Aとを備える。
このように、照明スイッチ回路10及び照明スイッチ2によると、無線モジュール320によって受信される制御信号に応じてリレースイッチ410が照明器具4への給電線を開閉するように構成される。したがって、既設又は既存の照明器具への変更を要さずに既存の照明スイッチ回路と互換可能な多機能型の照明スイッチ回路10及び照明スイッチ2が実現される。
ここで、照明スイッチ回路10は、スイッチプレート100の背面側に配置されるケース200と、スイッチ素子311、312又はセンサ素子315、無線モジュール320及び制御回路330が実装された制御基板300と、AC/DCコンバータ410、リレースイッチ420及びリレー駆動回路430が実装された電源基板400と、給電線を電源基板に接続する接続端子510及び515が実装されたコネクタ基板500とを備え、制御基板300、電源基板400及びコネクタ基板500がケース200内で積層される。これにより、各回路及び各基板の効率的な配置が可能となり、無線通信機能などの付加機能に伴う照明スイッチ回路10の大型化が抑制され、一般的なスイッチ回路との互換性がより確保される。
また、本実施形態では、スイッチプレート100から近い順に、制御基板300、電源基板400及びコネクタ基板500が配置される。上述したように、電源基板400は制御基板300及びコネクタ基板500に直接に配線接続される必要があるが、制御基板300とコネクタ基板500とは直接に配線接続される必要はない。したがって、上記積層順とすることによって接続配線の引回しが最適化され、高い施工性の照明スイッチ回路10及び照明スイッチ2が実現される。
また、制御基板300が、スイッチ素子311、312及びセンサ素子315が実装された前面301(第1の基板面)及びその背面302(第2の基板面)を有し、無線モジュール320及び制御回路330が背面302に設けられる。これにより、制御基板300における効率的な部品配置が可能となる。また、無線モジュール320はWi-FiSoCであり、センサユニット105は人感センサである。これらにより、照明スイッチ回路10及び照明スイッチ2の高い汎用性が得られる。
またさらに、照明スイッチ2は、前面パネルPに設けられた発光可能なインジケータ107を備え、無線モジュール320と無線LANルータとの間の無線通信接続が確立されている場合と、無線通信接続が確立されていない場合との間で、制御回路330がインジケータ107の点消灯状態を異ならせるように構成される。これにより、無線通信接続状態(Wi-Fi接続状態)の容易な確認が可能となり、施工作業者及び照明ユーザにおいて、無線通信状態の確認作業が効率化される。
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、スイッチパネル100側から制御基板300、電源基板400及びコネクタ基板500が積層される構成を示したが、本実施形態では、スイッチパネル100側から制御基板300、コネクタ基板500及び電源基板400が積層される構成を示す。
図6に本実施形態による照明スイッチ回路10の内部構成を示し、図7に本実施形態による照明スイッチ2の側面の部分透視図を示す。本実施形態において、第1の実施形態と実質的に同じ構成には同じ符号を付し、その重複する説明を省略又は簡略化する。第1の実施形態における図1の前面図、図4(b)の制御基板300の平面図、図4(c)の電源基板400の平面図、図5の回路図などに現れる部分は、本実施形態においても同様である。
図6に示すように、ケース250の内部において、前面側から、制御基板300、コネクタ基板500及び電源基板400が、この順序で積層される。各基板の前面及び背面の使い分けは、第1の実施形態のものと同様である。すなわち、制御基板300の前面301(第1の基板面)にマイクロスイッチ311及び312並びにセンサ素子315が配置され、背面302に無線モジュール320及び制御回路330が配置される。コネクタ基板500の背面502に接続端子510及び515が配置される。電源基板400の前面401にAC/DCコンバータ410及びリレー駆動回路430の面実装部品(ICなど)が実装され、背面402にAC/DCコンバータ410及びリレー駆動回路430のディスクリート部品(トランスT、コンデンサC、ヒューズFなど)並びにリレースイッチ420が実装される。
なお、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、前面401と背面402の配置は逆であってもよい。すなわち、前面401にAC/DCコンバータ410及びリレー駆動回路430のディスクリート部品並びにリレースイッチ420が実装され、背面402にAC/DCコンバータ410及びリレー駆動回路430の面実装部品が実装されてもよい。また、コネクタ基板500において、前面501と背面502の配置は逆であってもよい。すなわち、前面501に接続端子510及び515が実装されてもよい。
ケース250は、樹脂又は金属の筐体であり、第1の実施形態のケース200に代替される。すなわち、図7に示すように、ケース250は、ケース200と同様に、前面パネルPと鋼製ボックス120とで画定される空間に収容される。不図示であるが、ケース250の側面及び鋼製ボックス120の側面において、コネクタ基板500(特に接続端子510及び515)に対応する位置に給電線L及びNの引込み孔並びに給電線L1及びL2(さらに必要に応じて給電線N)の引出し孔が設けられる。そして、本実施形態では、ケース250は第1の実施形態のケース200と同様に本体部と蓋部からなるが、ケース250の施工性、ケース250の製造コストなどの観点から、その本体部は、ケース200のように主収容部並びに配線引き込み部及び配線引き出し部からなるのではなく、1つの直方体で構成され得る。
ここで、無線モジュール320及び制御回路330は、それぞれの信頼性確保の観点から、高温下に曝されないことが好ましい。照明スイッチ回路10における主な発熱源は、AC/DCコンバータ410(特に、トランスT、トランジスタなど)である。また、無線モジュール320及び制御回路330は、第1の実施形態において上述したように制御基板300の背面302に配置される必要がある。したがって、AC/DCコンバータ410から制御基板300の背面302への熱伝導(主に輻射熱)が低減されることが好ましい。また、AC/DCコンバータ410自体についても、その信頼性確保の観点から発熱が低減されることが好ましい。
そこで、本実施形態では、電源基板400が、3枚の基板の中で最も鋼製ボックス120の底面125に近い基板として配置される。これにより、電源基板400と制御基板300との離隔距離が最大化されるので、AC/DCコンバータ410から制御基板300の背面302への輻射熱が軽減される。さらに、電源基板400と制御基板300との間にコネクタ基板500が介在することによっても、AC/DCコンバータ410から制御基板300の背面302への輻射熱が軽減される。また、電源基板400が、ケース250の中で外側に配置されることにより、AC/DCコンバータ410の放熱性も高まる。
またさらに、コネクタ基板500において金属部が露出していない場合には、コネクタ基板500自体が制御基板300と電源基板400の間の絶縁体として機能し得る。したがって、制御基板300の背面302側又は電源基板400の前面401側に絶縁シートが配置される必要がなく、照明スイッチ回路10のコストが低減し得る。ただし、電源基板400(例えば前面401)には、制御基板300(例えば背面302)との信号入出力のための適宜の配線(不図示)及びコネクタ基板500からの給電線(不図示)並びに必要に応じてコネクタが接続されるものとする。したがって、制御基板300と電源基板400とを接続する配線がコネクタ基板500を貫通又は迂回する必要がある点に留意が必要である。
以上のように、本実施形態の照明スイッチ回路10及び照明スイッチ2では、スイッチプレート100から近い順に、制御基板300、コネクタ基板500及び電源基板400が配置される。これにより、制御基板300の無線モジュール320及び制御回路330と、発熱源である電源基板400のAC/DCコンバータ410との離隔距離が最大化されるとともに、その間にコネクタ基板500が介在する。したがって、電源基板400から制御基板300への輻射熱が低減され、無線モジュール320及び制御回路330の信頼性が一層確保される。また、電源基板400が、ケース250内で最外部に配置されることにより、AC/DCコンバータ410の放熱性が向上して温度上昇が抑制され、電源基板400の温度上昇が抑制されてその信頼性が一層確保される。
<第3の実施形態>
本実施形態では、第1又は第2の実施形態の照明スイッチ2を用いた照明スイッチシステムを示す。図8に、本実施形態による照明スイッチシステム1のブロック図を示す。
図8に示すように、照明スイッチシステム1は、照明スイッチ2-1~2-m、無線LANルータ3、照明器具4-1~4-n、クラウドサーバ5及び制御端末6を含む。照明スイッチシステム1のうち、照明スイッチ2-1~2-m、無線LANルータ3及び照明器具4-1~4-nは住宅H内に配置され、これらを宅内ユニットというものとする。制御端末6は住宅Hの内部(すなわち宅内)に存在する場合もあれば、住宅Hの外部(すなわち外出先などの宅外)に存在する場合もある。実際には、1つのクラウドサーバ5に対して多数の宅内ユニット及び制御端末6が存在することが想定されているが、本実施形態では説明のために1組の宅内ユニット及び制御端末6に関して説明する。
第1及び第2の実施形態において上述したように、照明スイッチ2は、照明用の壁スイッチとして宅内に配置される。照明スイッチ2は、給電線L及びNを介して商用電源などの交流電源ACに接続されるとともに、給電線L1及びNを介して照明器具4-1に接続され、給電線L2及びNを介して照明器具4-2に接続される。以下の説明において、照明スイッチ2-1~2-mを総称して又はいずれか1つを代表して照明スイッチ2というものとし、各照明スイッチ2は実質的に同じ機能ブロックを有するものとする。また、照明器具4-1~4-nを総称して又はいずれか1つを代表して照明器具4というものとする。なお、各照明器具4は、それぞれ点灯装置とそれによって点灯される光源を有するものとする。また、宅内に存在する場合の制御端末6を宅内制御端末6といい、宅外に存在する場合の制御端末6を宅外制御端末6というものとする。
照明スイッチ2は、スイッチ部21及び22、センサ部23、無線通信回路24、制御回路25、AC/DCコンバータ26並びにリレー回路27を含む。なお、スイッチ部21及び22並びにセンサ部23をまとめてスイッチ/センサ部20という。スイッチ部21は第1及び第2の実施形態の操作パネル101及びスイッチ素子(マイクロスイッチ)311に対応し、スイッチ部22は第1及び第2の実施形態の操作パネル102及びスイッチ素子(マイクロスイッチ)312に対応する。センサ部23は、第1及び第2の実施形態のセンサユニット105及びセンサ素子315に対応する。また、無線通信回路24は第1及び第2の実施形態の無線モジュール320に対応し、制御回路25は第1及び第2の実施形態の制御回路330に対応する。AC/DCコンバータ26は第1及び第2の実施形態のAC/DCコンバータ410に対応し、リレー回路27は第1及び第2の実施形態のリレースイッチ420及びリレー駆動回路430に対応する。
スイッチ部21及び22の各々は、ユーザの押下操作を検知すると、操作信号を制御回路25に出力する。スイッチ部21及び22における操作は、それぞれ照明器具4-1及び4-2の点消灯に対応する。センサ部23は、本実施形態でも人感センサである。センサ部23は、所定の検知エリアにおける人体の在/不在を検出する。センサ部23の人感センサは、例えば、焦電型赤外線センサ、CCDイメージセンサ又はマイクロ波センサなどであり、検知エリアにおける人体の存在を検知すると在信号を制御回路25に出力し、それ以外の場合(すなわち、人体が不在の場合)には不在信号を制御回路25に出力する。なお、在信号/不在信号は、それぞれハイレベル信号/ローレベル信号であってもよいし、ローレベル信号/ハイレベル信号であってもよいし、信号出力有り/無し、信号出力無し/有りであってもよいし、UART信号であってもよい。本開示において、在信号/不在信号をまとめて検知信号というものとする。
センサ部23の検知エリアは、照明スイッチ2の周辺領域である。あるいは、検知エリアは、照明器具4-1の照明範囲に対応する領域であってもよいし、照明器具4-2の照明範囲に対応する領域であってもよいし、照明器具4-1及び4-2の照明範囲に対応する領域であってもよい。あるいは、検知エリアが2つの検知エリアに分割され、一方の検知エリアが照明器具4-1の照明範囲に対応する領域であり、他方の検知エリアが照明器具4-2の照明範囲に対応する領域であるように構成されてもよい。本実施形態では、説明のため、センサ部23の検知エリアは照明器具4-1及び4-2の照明範囲に対応する領域であるものとする。
無線通信回路24は、制御回路25の通信制御の下で無線LANルータ3と無線通信する。具体的には、無線通信回路24は、本実施形態ではWi-Fi通信を行うためのWi-FiSoCである。
制御回路25は、スイッチ部21及び22からの操作信号並びにセンサ部23からの検知信号を無線通信回路24から無線LANルータ3に無線送信させる。なお、検知信号は、検知結果の変化(不在から在への変化又はその逆)があった場合にのみ送信されるようにしてもよいし、周期的に送信されるようにしてもよい。また、制御回路25は、無線LANルータ3から無線通信回路24を介して受信された制御信号に対応するリレー制御信号を生成してそれをリレー回路27に出力する。また、制御回路25は、無線LANルータ3に無線送信する操作信号に、現在のリレー制御信号の状態を示すリレー状態情報を含めてもよい。
AC/DCコンバータ26は、給電線L及びNから入力される交流電圧を所定値の直流電圧に変換する。この直流電圧から、無線通信回路24及び制御回路25の動作電源、リレー回路27の駆動電源などが生成される。
リレー回路27は、制御回路25からのリレー制御信号に応じて給電線Lと給電線L1の間の開閉及び給電線Lと給電線L2の間の開閉を行う。なお、不図示であるが、給電線Nは、交流電源ACから照明器具4-1及び4-2に直接的に接続される(図5参照)。
無線LANルータ3は、照明スイッチ2(無線通信回路24)及び制御端末6(通信部61)と無線接続可能に構成され、インターネットなどの通信ネットワークNを介してクラウドサーバ5(通信部51)と通信可能に構成される。無線LANルータ3と照明スイッチ2及び制御端末6とは、Wi-Fi通信によって接続される。すなわち、無線LANルータ3は、無線通信回路24のWi-FiSoCとWi-Fi通信可能なWi-Fiルータである。なお、各照明器具4は、Wi-Fi未対応であるものとする。無線LANルータ3とクラウドサーバ5とは3G、4G、LTEなどによって接続され、必要に応じて無線LANルータ3と通信ネットワークNとの間にモデムが接続されてもよい。
照明器具4-1は、点灯装置41a及び光源42aを含む。点灯装置41aの一方の入力端は交流電源ACの配線Lにリレー回路27及び給電線L1を介して接続され、他方の入力端は交流電源ACの配線N(接地側)に直接接続される。同様に、照明器具4-2は、点灯装置41b及び光源42bを含む。点灯装置41bの一方の入力端は交流電源ACの配線Lにリレー回路27及び給電線L2を介して接続され、他方の入力端は交流電源ACの配線N(接地側)に直接接続される。
点灯装置41a及び41bは、一般的な照明用安定器であり、交流電源ACからの入力交流電圧を所定の出力電流に変換してその出力電流を光源42a及び42bにそれぞれ供給する。例えば、光源42aがLEDである場合、点灯装置41aは整流回路及びDC/DCコンバータを備える電子安定器である。また、光源42aが放電灯である場合、点灯装置41aは整流回路及びDC/ACコンバータを備える電子安定器又は銅鉄コイルを備える磁気式安定器である。また、点灯装置41aと光源42aは一体化されて電球形照明器具を形成してもよい。照明器具4-1についての上記説明は照明器具4-2についても当てはまるが、照明器具4-2は照明器具4-1と同種であっても異種であってもよい。
なお、照明器具4の接続数nは、照明スイッチ2の設置数mの2倍になるとは限らない。例えば、照明スイッチ2-3及び2-4に接続された照明器具4-6のように、複数の照明スイッチ2によって点消灯される照明器具4が設置され得る。また、照明スイッチ2-mに照明器具4-nのみが接続されるように、照明スイッチ2の2つのスイッチ部のうちの一方が使用されない場合もある。あるいは、変形例として後述するように、照明スイッチ2に設けられるスイッチ部は2つとは限らない。
クラウドサーバ5は、通信部51、記憶部52、処理部53、照明制御部54、点消灯取得部55、監視通知部56及び在不在取得部57を備える。これらの各部は相互に信号及びデータのやり取りが可能な態様で接続されているものとする。通信部51は、一般的な通信装置であればよく、無線LANルータ3及び制御端末6と通信ネットワークNを介して通信可能であればよい。
記憶部52には、各受信信号及び送信信号に含まれるアドレスと、各照明スイッチ2と、各照明器具4との対応関係が予め記憶されている。さらに、記憶部52には、センサ部23の各々に対応する検出エリアを示す検出エリア情報が記憶される。また、記憶部52は、データベースとして機能し、大量のデータをビックデータとして蓄積することができる。このビックデータには、通信部51で受信された操作信号、検知信号、後述の制御指令信号、後述の各種状態信号、後述の各種要求信号の全ての記録(すなわちログ)が含まれ得る。さらに、ビックデータには、通信部51から送信された制御信号、後述の各種問合せ信号、後述の現状通知信号、後述の監視通知信号及び後述の各種通知信号の全てのログも含まれ得る。例えば、ログは、操作信号の記録である操作ログ、検知信号の記録である検知ログ、制御信号の記録である制御ログなどを含み得る。
処理部53はCPUなどで構成され、クラウドサーバ5内の各部の統括制御、通信部51の通信制御など、一般的なクラウドサーバの処理機能を実行し得る。言い換えると、処理部53は、照明制御部54、点消灯取得部55、監視通知部56及び在不在取得部57の機能以外の各種機能を実行し得る。また、処理部53は、記憶部52に蓄積されたビックデータの個数処理など、統計的処理を行うことができる。
照明制御部54は、各照明器具4の点消灯を照明スイッチ2に制御させるための制御信号を生成する。照明スイッチ2又は宅内制御端末6から無線LANルータ3を介して受信される操作信号、検知信号又は制御指令信号に基づいて照明器具4の点消灯を制御するための制御信号を生成する。なお、無線LANルータ3を通過する操作信号及び検知信号を制御指令信号とみなしてもよい。また、照明制御部54は、宅外制御端末6から受信される制御指令信号に基づいて照明器具4の点消灯を制御するための制御信号を生成する。受信信号と各照明器具4との対応関係は、記憶部52に記憶されているものとする。照明制御部54で生成された制御信号は、通信部51から無線LANルータ3を介して照明スイッチ2に送信される。
受信信号が操作信号である場合には、対応する照明器具4の点消灯が反転される。操作信号がスイッチ部21の押下を示す場合、照明制御部54は、照明器具4-1の点消灯状態を反転させるための制御信号を生成する。あるいは、照明制御部54は、スイッチ部21に対応する照明器具4-1の現状の点消灯状態を記憶部52から取得し、現状の点消灯状態を反転させる制御信号を生成してもよい。各照明器具4の現状の点消灯状態は、照明制御部54がこれまでに生成した制御信号に基づくものとなる。あるいは、操作信号がリレー状態情報を含む場合には、各照明器具4の現状の点消灯状態はリレー状態情報に基づき得る。そして、生成された制御信号は、無線LANルータ3を介して照明スイッチ2-1に送信される。
これにより、例えば、1つの照明器具4-6を制御する2つの照明スイッチ2-3及び2-4において、照明スイッチ2-3による照明器具4-6の点消灯操作とスイッチ2-4による照明器具4-6の点消灯操作の整合をクラウドサーバ5上で管理することができる。例えば、交流電源ACから照明器具4-6への給電線が、照明スイッチ2-3及び2-4の双方において開状態(リレーOFF状態)であることにより、照明器具4-6が消灯状態にある場合を想定する。ここで、照明スイッチ2-4から操作信号が送信された場合、照明制御部54は照明スイッチ2-4にリレースイッチを閉状態(リレーON状態)にするための制御信号を生成する。これにより、照明器具4-6の点消灯状態が消灯から点灯に反転する。ここで、この状態(すなわち、照明スイッチ2-3が開状態(リレーOFF状態)にあり、照明スイッチ2-4が閉状態(リレーON状態)にあることにより、照明器具4-6が点灯状態にある場合)において、照明スイッチ2-3又は2-4のいずれから操作信号が送信された場合においても、照明制御部54は照明スイッチ2-4を開状態(リレーOFF状態)にするための制御信号を生成する。これにより、照明器具4-6の点消灯状態が点灯から消灯に反転される。
したがって、本実施形態の構成によると、従来では照明スイッチ2-3と照明スイッチ2-4の間に必要であったスイッチ間配線(照明器具4-6の点灯又は消灯の別を照明スイッチ間の相互で認識するための配線)が不要であり、宅内ユニットの施工性が向上する。
受信信号が検知信号の場合には、在信号/不在信号に応じて対応の照明器具4の点消灯が決定される。検知信号が在信号である場合、照明制御部54は、照明器具4-1及び4-2を点灯するための制御信号を生成する。また、検知信号が不在信号である場合、照明制御部54は、受信される検知信号が在信号から不在信号に変化してから所定時間経過後(例えば、数秒後)に照明器具4-1及び4-2を消灯するための制御信号を生成する。上記所定時間は、任意に設定可能であり、又は複数の所定時間からの選択により設定可能である。この所定時間は、照明スイッチ2ごとに設定可能であることが好ましい。この所定時間は、照明スイッチ2の施工時にその内部回路(例えば、制御基板300に実装されたボリューム抵抗、ディップスイッチなど)の調整によって設定されてもよいし、照明スイッチ2の施工後にクラウドサーバ5から遠隔で設定されるようにしてもよい。
また、検知信号は宅内ユーザの在/不在の判別のみに使用されてもよく、この場合には照明制御部54は検知信号に対して動作しない。あるいは、照明制御部54は、夜間のみ検知信号に基づいて制御信号を生成し、昼間は制御信号を生成しないように(例えば、宅内ユーザの在/不在の判別のみに使用されるように)構成されてもよい。なお、夜間/昼間の定義は、固定の時間設定によるものであってもよいし、カレンダーに基づいて季節によって変動するものであってもよいし、別途の照度センサ(室内明るさセンサ)の検知結果と照度閾値との比較によって決定されるものであってもよい。そして、生成された制御信号は、無線LANルータ3を介して照明スイッチ2-1に送信される。このような検知信号に対する制御信号の有効化/無効化については、日、曜日、週、月、四半期、半年などの単位でのスケジューリングが可能であり、複数の照明スイッチ2に対する一括したスケジューリングも可能である。
受信信号が制御指令信号である場合には、制御指令信号の指令内容(点灯指令又は消灯指令)に応じて対応の照明器具4の点消灯が決定される。例えば、制御指令信号が照明器具4-1の点灯指令の場合には、照明制御部54は、照明器具4-1の現状の点消灯状態にかかわらず、照明器具4-1を点灯するための制御信号を生成する。逆に、制御指令信号が照明器具4-1の消灯指令の場合には、照明制御部54は、照明器具4-1の現状の点消灯状態にかかわらず、照明器具4-1を消灯するための制御信号を生成する。そして、生成された制御信号は、無線LANルータ3を介して照明スイッチ2-1に送信される。
点消灯取得部55は、制御端末6(特に宅外制御端末6)からの現状要求信号を受信すると、各照明器具4の点消灯状態を宅外制御端末6に通知するための現状通知信号を生成する。点消灯取得部55は、記憶部52に記憶されている過去ログ(操作ログ、検知ログ又は制御ログ)に基づいて現状通知信号を生成する。
あるいは、点消灯取得部55は、照明スイッチ2の制御回路25が現在出力しているリレー制御信号の状態を問い合わせるためのリレー問合せ信号を無線LANルータ3を介して各照明スイッチ2に送信するように構成されてもよい。各照明スイッチ2の制御回路25は、このリレー問合せ信号に応じて、現在のリレー制御信号の状態又はリレー開閉状態を示すリレー状態信号を無線通信回路24から無線LANルータ3を介してクラウドサーバ5に送信する。点消灯取得部55は、このリレー状態信号に基づいて現状通知信号を生成することができる。
このように過去ログの利用又はリレー問合せ/状態信号の利用により、点消灯取得部55は、宅内の各照明器具4の現状の点消灯状態を取得して現状通知信号を生成する。この現状通知信号は、通信部51から通信ネットワークNを介して制御端末6に送信される。これにより、ユーザは現状の点消灯状態を把握してから、制御すべき照明器具4の点消灯を決定することができる。過去ログが利用される場合にはクラウドサーバ5と無線LANルータ3の間の通信量の増加が回避され、リレー問合せ信号/状態信号が利用される場合にはクラウドサーバ5(記憶部52)の記憶容量の増加が回避され得る。また、リレー問合せ信号/状態信号が利用される場合には、住宅Hの停電又は無線LANルータ3の前後での通信障害が発生した場合でも、クラウドサーバ5において操作ログの整合性が維持又は回復可能となる。
監視通知部56は、記憶部52に記憶される検知エリア情報を参照して、現在又は過去の検知信号又はその変化に基づく宅内ユーザの現在位置を示す現在位置情報を取得し、現在位置情報を示す監視通知信号を生成する、監視通知信号は、通信部51から宅外制御端末6(携帯端末)に送信される。この監視通知信号の生成は、制御端末6から受信される監視要求信号に応じて行われてもよいし、周期的に行われてもよいし、検知信号の変化に応じて行われてもよい。
あるいは、在不在取得部57が、照明スイッチ2の制御回路25に現在入力されている検知信号の状態を問い合わせるためのセンサ問合せ信号を無線LANルータ3を介して各照明スイッチ2に送信するように構成されてもよい。各照明スイッチ2の制御回路25は、このセンサ問合せ信号に応じて、現在の検知信号の状態を示すセンサ状態信号を無線通信回路24から無線LANルータ3を介してクラウドサーバ5に送信する。監視通知部56は、このセンサ状態信号に基づいて監視通知信号を生成することができる。これにより、監視通知信号の網羅性及びリアルタイム性が向上し得る。なお、センサ問合せ信号は、監視要求信号に応じて送信されてもよいし、周期的に送信されてもよい。
制御端末6は、例えば、スマートフォン又はタブレットなどの携帯端末であってもよいし、ユーザの音声を認識して認識結果に応じて所定の無線信号(Wi-Fi信号)を出力する音声命令装置などのAPI機器であってもよい。制御端末6は、通信部61、CPU62、メモリ63及び入出力インターフェース(I/F)64を備える。通信部61は、無線LANルータ3及びクラウドサーバ5(通信ネットワークN及び通信部51)と通信可能な一般的な通信手段であればよい。CPU62及びメモリ63は、一般的なコンピュータを構成するプロセッサ及びメモリであり、メモリ63には必要なアプリケーションのプログラムが既にインストールされているものとし、CPU62はそのプログラムを実行可能であるものとする。制御端末6が携帯端末である場合、入出力I/F64は、タッチパネルからなる表示画面64aである。また、制御端末6がAPI機器である場合、入出力I/F64はマイク、スピーカなどのオーディオデバイス64bである。
制御端末6は、所定のアプリケーションにおいて制御指令信号、現状要求信号及び監視要求信号を送信することができ、現状通知信号、監視通知信号、その他の各種通知信号などを受信することができる。制御指令信号は、上述したように、ユーザが各照明器具4の点消灯を制御する際に使用される信号である。なお、制御指令信号は、ユーザによる制御端末6のマニュアル操作に従って送信されるものであってもよいし、ユーザが制御端末6において予め設定されたスケジュール(タイマ設定)に従って送信されるものであってもよい。宅内制御端末6とクラウドサーバ5との間で送受信される上記各信号は、無線LANルータ3及び通信ネットワークNを介して転送される。宅外制御端末6とクラウドサーバ5との間で送受信される上記各信号は、通信ネットワークNを介して直接的に通信される。
制御端末6が現状通知信号を受信した場合、CPU62は、所定のアプリケーションにおいて、現状通知信号に示される照明器具4-1~4-nの現状の点消灯状態を入出力I/F64である表示画面64aに表示させることができる。例えば、表示画面64aにおいて、宅内の地図表示(すなわち、間取り図)に現状の点消灯状態を示す表示が重ねられて表示される。これにより、制御端末6のユーザは、現状の点消灯状態を直感的に把握することができる。また、表示画面64aにおいて、宅内の部屋の名称と、それに対応する現状の点消灯状態とがテキストによってリスト表示されてもよい。これにより、現状の点消灯状態の一覧性が高まる。
制御端末6が監視通知信号を受信した場合、CPU62は、所定のアプリケーションにおいて、監視通知信号に示される宅内ユーザの現在位置を入出力I/F64である表示画面64aに表示させることができる。例えば、表示画面64aにおいて、宅内の地図表示(すなわち、間取り図)に宅内ユーザの現在位置を示す表示が重ねられて表示される。これにより、宅外ユーザは、宅内ユーザの現在位置を直感的に把握することができる。また、表示画面64aにおいて、宅内ユーザの現在位置がテキスト表示されてもよい。これにより、宅内ユーザの現在位置が大きな文字で表示可能となり、その視認性が向上する。あるいは、宅内ユーザの現在位置のテキスト表示が、他の情報を表示する画面とともに別途の領域に表示されてもよく、これにより表示画面64aにおける情報性が維持される。
照明スイッチシステム1によると、以下の種々の機能(1)スイッチ操作/検知機能、(2)宅内遠隔操作機能、(3)宅外遠隔操作機能、(4)宅内ユーザ見守り機能などが実現される。図9~図12に、上記各機能の信号フロー図を示す。なお、各図において、無線LANルータ3及び制御端末6とクラウドサーバ5との間に存在する通信ネットワークNの図示は、省略されている。また、各図において単一の照明スイッチ2が示される場合でも、同様の処理が複数の照明スイッチ2に対して成り立つ。
(1)スイッチ操作/検知機能
図9は、照明スイッチシステム1におけるスイッチ操作/検知機能、すなわち、宅内ユーザが直接的に照明スイッチ2に作用する場合の信号フローである。ここでは、スイッチ部21若しくは22が操作され、又はセンサ部23によって検知エリアにおける人体の出入りが検知されるものとする。
ステップS10において、照明スイッチ2(スイッチ/センサ部20)が、操作信号又は検知信号を制御回路25に出力する。
ステップS11において、照明スイッチ2(制御回路25及び無線通信回路24)が操作信号又は検知信号を無線LANルータ3に無線送信し、ステップS12において、無線LANルータ3が操作信号又は検知信号をクラウドサーバ5に送信する。
ステップS13において、クラウドサーバ5(照明制御部54及び記憶部52)が、操作信号又は検知信号に応じた制御信号を生成する。
ステップS14において、クラウドサーバ5(通信部51)が制御信号を無線LANルータ3に送信し、ステップS15において、無線LANルータ3が制御信号を照明スイッチ2(無線通信回路24)に無線送信する。
ステップS16において、照明スイッチ2(制御回路25)が、制御信号に応じたリレー制御信号を生成する。これにより、リレー回路27の開閉が制御され、対応の照明器具4が点灯又は消灯される。
また、ステップS18において、クラウドサーバ5(処理部53及び通信部51)が、操作信号、検知信号又は制御信号に基づく情報を含む通知信号を制御端末6(特に、宅外制御端末6)に送信するように構成されてもよい。操作信号に基づく情報は、例えば、宅内のいずれの照明器具4に対する操作が行われたのかを示す。検知信号に基づく情報は、例えば、宅内のいずれの検知エリアにおいて人体の存在又は不在が検知されたのかを示す。制御信号に基づく情報は、例えば、いずれの照明器具4が点灯されたのか又は消灯されたのかを示す。
(2)宅内遠隔操作機能
図10は、照明スイッチシステム1における宅内遠隔操作機能、すなわち、宅内制御端末6から照明器具4を点消灯制御する機能を説明するフロー図である。ここでは、特に、API機器である宅内制御端末6がユーザによって利用される状況が想定される。
ステップS20において、制御端末6がユーザ操作(オーディオデバイス64bへの発声など)又はタイマ設定に応じて制御指令信号を無線LANルータ3に送信し、ステップS21において、無線LANルータ3が制御指令信号をクラウドサーバ5に送信する。
ステップS22において、クラウドサーバ5(照明制御部54及び記憶部52)が、制御指令信号に応じた制御信号を生成する。
ステップS23において、クラウドサーバ5(通信部51)が制御信号を無線LANルータ3に送信し、ステップS24において、無線LANルータ3が制御信号を照明スイッチ2(無線通信回路24)に無線送信する。
ステップS25において、照明スイッチ2(制御回路25)が、制御信号に応じたリレー制御信号を生成する。これにより、リレー回路27の開閉が制御され、対応の照明器具4が点灯又は消灯される。
(3)宅外遠隔操作機能
図11は、照明スイッチシステム1における宅外遠隔操作機能、すなわち、宅外制御端末6から照明器具4を点消灯制御する機能を説明するフロー図である。ここでは、例えば、外出中のユーザが携帯端末から制御指令信号を発信する状況が想定される。なお、ステップS30~S38は省略されてもよく、この場合、処理はステップS40から始まる。
ステップS30において、制御端末6が、ユーザ操作又はタイマ設定に応じて現状要求信号をクラウドサーバ5に送信する。
ステップS31において、クラウドサーバ5(点消灯取得部55及び記憶部52)が、記憶部52に記憶されているログ(操作ログ、検知ログ又は制御ログ)に基づいて、照明器具4-1~4-nの現状の点消灯状態を取得する。
あるいは、ステップS32において、クラウドサーバ5(点消灯取得部55、記憶部52及び通信部51)が、リレー制御信号の状態を問い合わせるためのリレー問合せ信号を無線LANルータ3に送信する。そして、ステップS33において、無線LANルータ3が、リレー問合せ信号を照明スイッチ2-1~2-mに送信する。
これに応じて、ステップS34において、照明スイッチ2-1~2-m(無線通信回路24及び制御回路25)が、現在のリレー制御信号の状態を示すリレー状態信号を無線LANルータ3に送信する。そして、ステップS35において、無線LANルータ3が、リレー状態信号をクラウドサーバ5に送信する。
ステップS36において、クラウドサーバ5(点消灯取得部55)が、リレー状態信号に基づいて照明器具4-1~4-nの現状の点消灯状態を取得する。
ステップS37において、クラウドサーバ5(点消灯取得部55及び通信部51)は、ステップS31又はS36で取得された現状の点消灯状態を示す現状通知信号を制御端末6に送信する。
ステップS38において、制御端末6が、現状通知信号に応じた情報を入出力I/F64(表示画面64a)に表示する。これにより、ユーザは現状の点消灯状態を把握したうえで制御指令信号を決定することができる。
ステップS40において、制御端末6が、制御指令信号をクラウドサーバ5に送信する。
ステップS41において、クラウドサーバ5(照明制御部54)が、制御指令信号に応じた制御信号を生成する。
ステップS42において、クラウドサーバ5(通信部51)が制御信号を無線LANルータ3に送信し、ステップS43において、無線LANルータ3が制御信号を照明スイッチ2に無線送信する。
また、ステップS44において、クラウドサーバ5(処理部53及び通信部51)が、制御指令信号を受け付けた旨の通知信号(ACK信号)を制御端末6に送信するように構成されてもよい。
ステップS45において、照明スイッチ2(制御回路25)が、制御信号に応じたリレー制御信号を生成する。これにより、リレー回路27の開閉が制御され、対応の照明器具4が点灯又は消灯される。
(4)宅内ユーザ見守り機能
図12は、照明スイッチシステム1における宅内ユーザ見守り機能、すなわち、携帯端末などの宅外制御端末6によって宅内ユーザの現在位置を監視する機能を説明するフロー図である。なお、監視対象の宅内ユーザとして、独居老人、留守番の子供、室内飼育のペットなどが例示される。また、広義の宅内ユーザとして、空き巣などの侵入者も含まれ得る。
前提として、事前のステップS50において、照明スイッチ2-1~2-mのうちのk個(k≦m)が、検知信号を無線LANルータ3に送信する。そして、ステップS51において、無線LANルータ3が、これらの検知信号をクラウドサーバ5に送信する。
ステップS60において、制御端末6が、ユーザ操作に応じて監視要求信号をクラウドサーバ5に送信する。クラウドサーバ5は、ステップS67の前に、以下のステップS61又はステップS62~S66を実行する。
ステップS61において、クラウドサーバ5(監視通知部56及び記憶部52)が、監視要求信号に応じて、検知信号に基づいて、宅内ユーザの現在位置を示す監視通知信号を生成する。なお、クラウドサーバ5(監視通知部56)は、定期的に、又は検知信号の変化に応じて、監視通知信号を生成するようにしてもよい。この場合、ステップS60は省略され得る。
あるいは、ステップS62において、クラウドサーバ5(在不在取得部57)が、監視要求信号に応じて、検知信号の状態を問い合わせるためのセンサ問合せ信号を照明スイッチ2-1~2-mに無線送信する。そして、ステップS63において、無線LANルータ3が、センサ問合せ信号を照明スイッチ2-1~2-mに無線送信する。
ステップS64において、照明スイッチ2-1~2-m(制御回路24)が、入力されている検知信号を示すセンサ状態信号を無線LANルータ3に送信する。そして、ステップS65において、無線LANルータ3が、センサ状態信号をクラウドサーバ5に送信する。
ステップS66において、クラウドサーバ5(監視通知部56)が、受信されたセンサ状態信号が示す検知信号の状態に基づいて監視通知信号を生成する。
なお、ステップS62~S66が実行される場合には、ステップS50及びS51は前提とならない。
ステップS67において、クラウドサーバ5(通信部51)が、監視通知信号を制御端末6に送信する。
ステップS68において、制御端末6が、監視通知信号に応じた情報、すなわち宅内ユーザの現在位置情報を入出力I/F64(表示画面64a)に表示する。なお、有効な検知信号がなく、現在位置情報が存在しない場合には、宅内ユーザが存在しない旨が表示され得る。
以上のように、照明スイッチシステム1は、第1又は第2の実施形態の照明スイッチ2と、操作信号又は検知信号を無線モジュール320(無線通信回路24)から無線受信するとともに制御信号を無線モジュール320(無線通信回路24)に無線送信する無線LANルータ3と、操作信号又は検知信号に応じて制御信号を生成する照明制御部54及び操作信号又は検知信号を無線LANルータ3から通信ネットワークNを介して受信するとともに制御信号を通信ネットワークNを介して無線LANルータ3に送信する通信部51を含むクラウドサーバ5とを備える。
これにより、上記のように既設又は既存の照明器具への変更を要さずに既存の照明スイッチ回路と互換可能な多機能型の照明スイッチ2が用いられるので、導入容易な照明スイッチシステム1が実現される。
ここで、通信部51は、照明器具4の点消灯を指示する制御指令信号を宅内制御端末6から無線LANルータ3及び通信ネットワークNを介して受信し、照明制御部54は、制御指令信号に対応する制御信号を生成するように構成され得る。これにより、宅内制御端末6及びクラウドを用いる遠隔操作機能を有するシステムとして、照明スイッチ2を利用して低コストな構成で宅内全域に容易に適用可能な照明スイッチシステム1が実現される。
また、通信部51は、照明器具4の点消灯を指示する制御指令信号を宅外制御端末6(携帯端末)から通信ネットワークNを介して受信し、照明制御部54は、制御指令信号に対応する制御信号を生成するように構成され得る。これにより、携帯端末及びクラウドを用いる遠隔操作機能を有するシステムとして、照明スイッチ2を利用して低コストな構成で宅内全域に容易に適用可能な照明スイッチシステム1が実現される。
また、照明スイッチシステム1は、複数の第1又は第2の実施形態の照明スイッチ2と、検知信号を無線モジュール320(無線通信回路24)から無線受信する無線LANルータ3と、センサユニット105及びセンサ素子315を有する照明スイッチ2に対応する検知エリアを示す検知エリア情報を記憶する記憶部52、検知エリア情報を参照して検知信号に対応する宅内の位置を示す現在位置情報を含む監視通知信号を生成する監視通知部56及び検知信号を無線LANルータ3から通信ネットワークNを介して受信するとともに監視通知信号を通信ネットワークNを介して携帯端末に送信する通信部51を含むクラウドサーバ5とを備え得る。
これにより、上述のように、既設又は既存の照明器具への変更を要さずに既存の照明スイッチ回路と互換可能な多機能型の照明スイッチ2が用いられるので、導入容易な照明スイッチシステム1が実現される。特に、クラウド及び携帯端末を用いる宅内ユーザ見守り機能を有するシステムとして、照明スイッチ2を利用して低コストな構成で宅内全域に容易に適用可能な照明スイッチシステム1が実現される。
<変形例>
以上に本発明の好適な実施形態を示したが、本発明は、例えば以下に示すように種々の態様に変形可能である。
(1)スイッチプレート100内の配置に関する変形
上記各実施形態では、照明スイッチ2(照明スイッチ回路10)が、上から順に、操作スイッチ101(スイッチ素子311)、操作スイッチ102(スイッチ素子312)及びセンサユニット105(センサ素子315)を備える配置を示した。ただし、これらの配列及び組合せは、これに限られない。例えば、上から操作スイッチ101(スイッチ素子311)、センサユニット105(センサ素子315)及び操作スイッチ102(スイッチ素子312)が配列されてもよい。あるいは、上からセンサユニット105(センサ素子315)、操作スイッチ101(スイッチ素子311)及び操作スイッチ102(スイッチ素子312)が配列されてもよい。また、照明スイッチ2(照明スイッチ回路10)は、1個の操作スイッチ(1個のスイッチ素子)及び2個のセンサユニット(2個のセンサ素子)を備えてもよい。
また、宅内ユーザ見守り機能を実施しない場合には、センサユニット(センサ素子)は設けられなくてもよい。言い換えると、センサユニット(センサ素子)がなくても操作スイッチ(スイッチ素子)が設けられていれば、スイッチ操作/検知機能のうちの操作機能、宅内遠隔操作機能及び宅外遠隔操作機能は実施可能である。また、スイッチ操作/検知機能を実施しない場合には、操作スイッチ(スイッチ素子)は設けられなくてもよい。言い換えると、操作スイッチ(スイッチ素子)がなくてもセンサユニット(センサ素子)が設けられていれば、スイッチ操作/検知機能のうちの検知機能、宅内遠隔操作機能、宅外遠隔操作機能及び宅内ユーザ見守り機能は実施可能である。
また、照明スイッチ2(照明スイッチ回路10)は、2個の操作スイッチ(2個のマイクロスイッチ)のみを備えてもよいし、1個の操作スイッチ(1個のマイクロスイッチ)及び1個のセンサユニット(1個のセンサ素子)を備えてもよいし、2個のセンサユニット(2つのセンサ素子)のみを備えてもよい。またさらに、照明スイッチ2(照明スイッチ回路10)は、1個の操作スイッチ(1個のマイクロスイッチ)のみを備えてもよいし、1個のセンサユニット(1個のセンサ素子)のみを備えてもよい。
また、照明スイッチ2(照明スイッチ回路10)は、適宜の組合せで合計4~6個(例えば2列)の操作スイッチ(マイクロスイッチ)、センサユニット(センサ素子)及び/又は空ユニット(パネルのみ)を備えてもよい。例えば、照明スイッチ2(照明スイッチ回路10)は、4個の操作スイッチ(4個のマイクロスイッチ)、1個のセンサユニット(1個のセンサ素子)及び1個の空ユニットを備え得る。この場合、照明スイッチ回路10は、第1及び第2の実施形態と同様の回路構成を有するが、第1及び第2の実施形態のように3枚の基板に分けて積層されなくてもよい。
(2)スイッチ素子311及び312に関する変形
上記各実施形態では、スイッチ素子311及び312としてマイクロスイッチを示したが、操作スイッチ101及び102の操作に応じて操作信号が出力されるものであれば、タッチセンサなど、他の種類のスイッチであってもよい。
(3)センサ素子315に関する変形
上記各実施形態では、センサ素子315(センサユニット105)が人感センサである構成を示したが、センサ素子に温度センサ、音センサ、振動センサなどが採用されてもよい。例えば、温度センサによって検知される熱によって人体の有無を判別してもよいし、音センサ又は振動センサによって人体の動きを検知してもよい。
(4)通信規格に関する変形
上記各実施形態では、無線モジュール320又は無線通信回路24と無線LANルータ3とがWi-Fi通信を行う構成を示したが、同様の無線通信機能を実現可能なものであれば、現存する又は将来に開発される他の通信規格が採用されてもよい。
(5)直接制御機能の付加
上記各実施形態では、操作信号又は検知信号が照明スイッチ2から無線LANルータ3を介してクラウドサーバ5に送信され、これに応じて制御信号がクラウドサーバ5から無線LANルータ3を介して照明スイッチ2に送信され、制御信号に基づいて制御回路330(25)においてリレー制御信号が出力される構成を示した。一方、通信障害時などの状況に応じて、照明スイッチ2において制御回路330(25)が操作信号又は検知信号から直接にリレー制御信号を出力する機能が設けられてもよい。