JP7117220B2 - 原子力発電所における管閉塞方法及び装置 - Google Patents
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Description
一方、管を冷間で単に圧潰するだけでは完全に塞ぎきれなかったり、圧潰した部分にひび割れが生じたりしやすい。
本発明は、かかる事情に鑑み、原子力発電所の狭隘な作業スペースにおいて、制御棒挿入・引抜用水配管その他の各種管を冷間で閉塞して切断するのに適した技術を提供することを目的とする。
すなわち、本発明方法は、原子力発電所における管を切断するのに先立って閉塞する管閉塞方法であって、前記管が、外径27mm~34mm、厚さ3.9mm~4.5mmのステンレス鋼管であり、
曲率半径80mm~100mmの凸円筒面状の曲面押圧面をそれぞれ有する一対の曲面ダイスによって前記管を圧潰することを特徴とする。
続いて、前記曲面ダイスによる圧潰を前記扁平部に対して1又は複数回行うことにしてもよい。
アクチュエータと、受け台と、前記アクチュエータによって開閉されるダイスセットと、を備え、
前記ダイスセットが、曲率半径80mm~100mmの凸円筒面状の曲面押圧面をそれぞれ有する一対の曲面ダイスを含み、これら曲面ダイスが、前記管を挟んで前記アクチュエータと前記受け台とに互いに対峙するように設置され、
前記管が、外径27mm~34mm、厚さ3.9mm~4.5mmのステンレス鋼管であることを特徴とする。
前記一対の曲面ダイスと前記一対の平ダイスの一方が、選択的に前記ダイス開閉機構に装着されることによって前記管を挟んで開閉可能に対峙され、
かつ前記一対の平ダイスが先に選択されて開閉されることによって前記管の一部分が圧潰されて扁平部となり、
次に前記一対の曲面ダイスが選択されて1又は複数回、開閉されることによって、前記扁平部が更に圧潰されることが好ましい。
<第1実施形態>
図1は、沸騰水型の原子力発電所1を模式的、簡略的に示したものである。原子力発電所1の原子炉建屋2内に原子炉格納容器3が設けられ、原子炉格納容器3内に原子炉圧力容器4が設けられている。原子炉圧力容器4には、多数本の制御棒5が設けられている。図1においては、制御棒5を1つだけ図示する。
詳細には、2本の管9のうち1つが、制御棒挿入用水配管9Aであり、もう1つが制御棒引抜用水配管9Bである。
制御棒挿入用水配管9Aは、例えば外径34.0mm、厚さ4.5mmであり、材質はステンレス鋼(SUS316L)である。
制御棒引抜用水配管9Bは、例えば外径27.2mm、厚さ3.9mmであり、材質はステンレス鋼(SUS316L)である。
原子炉格納容器3の外壁と制御棒駆動制御ユニット8との間の管9には、開閉バルブが設けられていない。
図2に示すように、管閉塞装置10は、装置本体11と、アクチュエータ12と、駆動力源13と、ダイスセット14を備えている。
シリンダ本体12aに駆動力源13が接続されている。駆動力源13は、油圧ポンプによって構成されている。
図3に示すように、ロッド12bの先端部(下端部)と受け台11bとが上下に対向されている。
なお、アクチュエータ12は、電動式でもよい。
図4(a)及び同図(b)に示すように、上側の曲面ダイス21は、凸円筒面状の曲面押圧面21aを有している。
曲面押圧面21aの曲率半径は、80mm~100mmである。
曲面押圧面21aの軸長ひいては曲面ダイス21の長さL21は、好ましくは管9の外径より数倍大きい。
曲面押圧面21aの幅寸法W21は、好ましくはW21=45mm~50mm程度である。
曲面押圧面21aの幅方向の両側には、曲面押圧面21aより曲率半径が小さいRコーナー部21cが滑らかに連なっている。曲面ダイス21の斜面状の側面21bと曲面押圧面21aとが、Rコーナー部21cを介して連なっている。
曲面押圧面22aの曲率半径は、80mm~100mmである。
曲面押圧面22aの軸長ひいては曲面ダイス22の長さL22は、好ましくは管9の外径より数倍大きい。
曲面押圧面22aの幅寸法W22は、好ましくはW22=55mm~65mm程度である。
曲面押圧面22aの幅方向の両側には、曲面押圧面22aより曲率半径が小さいRコーナー部22cが滑らかに連なっている。曲面ダイス22の斜面状の肩側面22bと曲面押圧面22aとが、Rコーナー部22cを介して連なっている。
図1に示すように、好ましくは、管閉塞装置10は、原子炉格納容器3の外壁になるべく近づけて設置する。
図2に示すように、門型架台11aが切断対象の管9(例えば制御棒引抜用水配管9B)を跨ぐように、管閉塞装置10を組み立てる。該管閉塞装置10の上下の曲面ダイス21,22どうしの間に管9を通す。曲面ダイス21,22の長手方向(図2において左右方向)を、管9の管軸に対して直交するように向ける。
この結果、管9が扁平部9aの特に中央部9cにおいて閉塞される。かつ、扁平部9aにひび割れが形成されることもない。これによって、管9の内部における流体の流れが遮断される。
切断箇所9eは、好ましくは、管9における少なくとも扁平部9aの中央部9cより下流側(制御棒駆動制御ユニット8側)の部分である。これによって、扁平部9aの少なくとも中央部9cよりも上流側の部分、より好ましくは扁平部9aの大部分が、切断箇所9eよりも上流側の管部分9fに存置される。したがって、制御棒駆動用水や冷却水などの流体が管部分9fの切り口9gから漏れるのを防止できる。万が一、前記流体に放射性物質が含まれていたとしても、該放射性物質が外部に漏れるのを防止できる。
原子炉格納容器3の外壁になるべく近い位置で管9を切断することによって、原子炉格納容器3側に残置される管部分9fの長さを短くできる。
管9の加熱を要さず、冷間によって圧潰して切断できるから、作業時間を短縮でき、かつ所要エネルギーを節減できる。
<第2実施形態>
図8~図11は、本発明の第2実施形態を示したものである。第2実施形態においては、ダイスセット14が、第1実施形態(図3、図4)と同様の曲面ダイスユニット20に加えて、平ダイスユニット30を備えている。これらダイスユニット20,30の一方が、圧潰工程に応じて選択的されてダイス開閉機構19に装着されて開閉される。
<平坦圧潰工程>
図9に示すように、まず、ダイスセット14のうち平ダイスユニット30を選択してダイス開閉機構19に装着する。上側の平ダイス31をロッド12bに取り付け、かつ下側の平ダイス32を受け台11bに取り付ける。上下の平ダイス31,32どうしの間に切断対象の管9(例えば制御棒挿入用水配管9A)を通す。かつ平ダイス31,32の長手方向(図9において紙面直交方向)を、管9の管軸に対して直交するように向ける。これら平ダイス31,32の平坦押圧面31a,32aどうしを、管9を挟んで真っすぐ上下に対峙させる。
そして、図10(a)に示すように、ダイス開閉機構19によって平ダイス31,32どうしを接近方向へ作動させて平ダイスユニット30を閉止する。これによって、管9における平ダイス31,32どうし間の部分(一部分)が圧潰されて扁平部9aとなる。扁平部9aの管軸方向寸法は、平坦押圧面31a,32aの幅と実質的に等しい。
次に、平ダイスユニット30を開くことで、上下の平ダイス31,32を離間させて管9から解放する。
次いで、ダイス開閉機構19から平ダイスユニット30を取り外す。代わりに、曲面ダイスユニット20を選択してダイス開閉機構19に装着する(図3参照)。上側の曲面ダイス21をロッド12bに取り付け、かつ下側の曲面ダイス22を受け台11bに取り付ける。これら曲面ダイス21,22の曲面押圧面21a,22aどうしを、扁平部9aを挟んで真っすぐ上下に対峙させる。曲面押圧面21a,22aの中央部が、扁平部9aの一部9pと対向するように位置合わせする。
続いて、図10(b)に示すように、ダイス開閉機構19によって曲面ダイス21,22どうしを接近方向へ作動させて、曲面ダイスユニット20を閉じる。これによって、扁平部9aの特に一部9pが、曲面押圧面21a,22aによって更に圧潰される。
次に、曲面ダイスユニット20を開くことで、上下の曲面ダイス21,22を離間させて管9から解放する。
次に、管閉塞装置10ひいては曲面ダイス21,22を、管9に対して管軸方向に少しだけずらす。ずらす量d20は、好ましくはd20=数mm~十数mm、より好ましくはd20=10mm程度である。
続いて、図10(c)に示すように、ダイス開閉機構19によって曲面ダイスユニット20を閉じ、扁平部9aにおける前記一部9pから少しずれた部分9qを圧潰する。
<第3回曲面圧潰工程>
さらに、ダイス開閉機構19によって曲面ダイスユニット20を一旦開いた後、再度、曲面ダイスユニット20を閉じる。これによって、前記ずれた部分9qすなわち第2回曲面圧潰工程と同じ部分9qを再度圧潰する。扁平部9aにおける数度の被圧潰部分9p,9qが最薄部となる。
図11(a)及び同図(b)に示すように、2つの被圧潰部分9p,9qは、扁平部9aの管軸方向のちょうど中央部を挟んで近接することが好ましい。図においては、2回目及び3回目の被圧潰部分9qは、1回目の被圧潰部分9pの下流側(制御棒駆動制御ユニット8側、図11において右側)に配置されているが、これに限らず、被圧潰部分9pの上流側(制御棒駆動機構6側、図11において左側)に配置されていてもよい。
切断箇所9eは、好ましくは、管9における最薄部9p,9qより下流側(制御棒駆動制御ユニット8側)の部分である。これによって、扁平部9aの少なくとも最薄部9p,9qよりも上流側の部分、より好ましくは扁平部9aの大部分が、切断箇所9eよりも上流側の管部分9fに存置される。この結果、切り口9gからの漏水ひいては放射性物質の漏れを防止できる。
例えば、閉塞対象ひいては切断対象の管は、原子力発電所の配管であればよく、制御棒挿入・引抜用水配管に限られず、非常用炉心冷却用配管などであってもよい。
<試験対象>
試験対象の管サンプルとして、福島第一原子力発電所の制御棒引抜用水配管と同等の管を用いた。具体的には外径27.2mm、厚さ3.9mmであり、材質はステンレス鋼(SUS316L)であった。
管サンプルの表面温度は、14.0℃であった。
<ダイス開閉機構19>
ダイス開閉機構19の駆動力源13としては、理研精機株式会社製、油圧ポンプMP-15Sを用いた。
アクチュエータ12として、理研精機株式会社製、油圧シリンダD10-50を用いた。加圧力は、69.8MPaであった。
ダイス開閉機構19に曲面ダイス21,22を装着した。
上側の曲面ダイス21の曲面押圧面21aの曲率半径は、100mmであった。
また、曲面押圧面21aの幅はW21=44.91mmであり、長さはL21=89.9mmであった。
下側の曲面ダイス22の曲面押圧面22aの曲率半径は、100mmであった。
また、曲面押圧面21aの幅はW21=58.11mmであり、長さはL21=89.9mmであった。
<圧潰工程>
前記曲面ダイス21,22によって管サンプルの中間部を圧潰して、扁平部9aを形成した。
試験環境温度は、18.6℃であった。
前記圧潰工程を経た管サンプルに対して水没方式の漏洩試験を行った。
詳しくは、前記管サンプルを垂直にして、下端部を水没試験容器に溜めた水に漬け、かつ上端部にエア圧を所定時間導入した。エア圧は、5kPaと10kPaの2通りとし、所定時間(エア圧導入時間)は何れのエア圧においても60秒間とした。そして、管サンプルの下端部からの気泡の有無を目視観察した。
その結果、5kPaと10kPaの何れにおいても気泡は発生せず、管サンプルが扁平部9aにおいて閉塞されたことが確認された。
扁平部9aの最薄部の厚さは、6.95mmであった。
図13(a)~(e)の写真に示すように、扁平部9aの外表面には傷及びひび割れは無く、表面状態は良好であった。
実施例2における上側の曲面ダイス21の曲面押圧面21aの曲率半径は、80mmであった。また、曲面押圧面21aの幅はW21=48.57mmであり、長さはL21=89.9mmであった。
下側の曲面ダイス22の曲面押圧面22aの曲率半径は、80mmであった。また、曲面押圧面21aの幅はW21=59.82mmであり、長さはL21=89.9mmであった。
試験環境温度は、18.8℃であった。
管サンプル(外径27.2mm、厚さ3.9mm、SUS316L)の表面温度は、13.9℃であった。
加圧力は、69.7MPaであった。
それ以外の条件、試験装置構成及び試験方法は実施例1と同様であった。
圧潰工程後、実施例1と同様の漏洩試験を行ったところ、5kPaと10kPaの何れにおいても気泡は発生せず、管サンプルが扁平部9aにおいて閉塞されたことが確認された。
扁平部9aの最薄部の厚さは、6.65mmであった。
図14(a)~(e)の写真に示すように、扁平部9aの外表面には傷及びひび割れは無く、表面状態は良好であった。
試験環境温度は、10.0℃であった。
管サンプル(外径27.2mm、厚さ3.9mm、SUS316L)の表面温度は、9.1℃であった。
加圧力は、69.9MPaであった。
それ以外の条件、試験装置構成及び試験方法は実施例1,2と同様であった。
圧潰工程後、実施例1,2と同様の漏洩試験を行ったところ、5kPaと10kPaの何れにおいても気泡は発生せず、管サンプルが扁平部9aにおいて閉塞されたことが確認された。
扁平部9aの最薄部の厚さは、5.95mmであった。
図15(a)~(e)の写真に示すように、扁平部9aの外表面には傷及びひび割れは無く、表面状態は良好であった。
試験環境温度は、10.1℃であった。
管サンプル(外径27.2mm、厚さ3.9mm、SUS316L)の表面温度は、9.3℃であった。
加圧力は、69.8MPaであった。
それ以外の条件、試験装置構成及び試験方法は実施例1,2と同様であった。
圧潰工程後、実施例1,2と同様の漏洩試験を行ったところ、5kPaと10kPaの何れにおいても気泡は発生せず、管サンプルが扁平部9aにおいて閉塞されたことが確認された。
扁平部9aの最薄部の厚さは、5.85mmであった。
図16(a)~(e)の写真に示すように、扁平部9aの外表面には傷及びひび割れは無く、表面状態は良好であった。
実施例5においては、試験対象の管サンプルとして、福島第一原子力発電所の制御棒挿入用水配管と同等の管を用いた。具体的には外径34.0mm、厚さ4.5mmであり、材質はステンレス鋼(SUS316L)であった。
管サンプルの表面温度は、11.8℃であった。
試験環境温度は、12.0℃であった。
<ダイス開閉機構19>
ダイス開閉機構19は、実施例1~4と同じものを用いた。
加圧力は69.8MPaであった。
ダイス開閉機構19に先ず平ダイス31,32を装着した。
上側の平ダイス31の平坦押圧面31aは、幅W31=62mm、長さL31=89.9mmであった。
下側の平ダイス32の平坦押圧面32aは、幅W32=62mm、長さL32=89.9mmであった。
前記平ダイス31,32によって管サンプルを圧潰し、管サンプルの中間部に扁平部9aを形成した。
<第1回曲面圧潰工程>
次に、平ダイス31,32を外し、代わりに曲面ダイス21,22をダイス開閉機構19に装着した。
曲面ダイス21,22としては、実施例2と同じものを用いた。すなわち、曲面ダイス21,22の曲面押圧面21a,22aの曲率半径は、80mmであった。
曲面押圧面21a,22aの中央部を扁平部9aの一部9pに位置合わせし、曲面ダイス21,22によって扁平部9aを更に圧潰した。
<第2回曲面圧潰工程>
次に、曲面ダイス21,22を管サンプルに対して管軸方向にd20=10mmだけずらし、曲面押圧面21a,22aの中央部を扁平部9aにおける前記一部9pから10mmずれた部分9qに位置合わせし、曲面ダイス21,22によって扁平部9aを更に圧潰した。
<第3回曲面圧潰工程>
さらに、第2回曲面圧潰工程と同じ部分9qを再度圧潰した。
その後、実施例1と同様の漏洩試験を行ったところ、5kPaと10kPaの何れにおいても気泡は発生せず、管サンプルが扁平部9aにおいて閉塞されたことが確認された。
扁平部9aの最薄部の厚さは、6.70mmであった。
図17(a)~(e)の写真に示すように、扁平部9aの外表面には傷及びひび割れは無く、表面状態は良好であった。
試験環境温度は、11.8℃であった。
管サンプル(外径34.0mm、厚さ4.5mm、SUS316L)の表面温度は、9.4℃であった。
加圧力は、69.8MPaであった。
それ以外の条件、試験装置構成及び試験方法は実施例5と同様であった。
圧潰工程後、実施例5と同様の漏洩試験を行ったところ、5kPaと10kPaの何れにおいても気泡は発生せず、管サンプルが扁平部9aにおいて閉塞されたことが確認された。
扁平部9aの最薄部の厚さは、6.55mmであった。
図18(a)~(e)の写真に示すように、扁平部9aの外表面には傷及びひび割れは無く、表面状態は良好であった。
試験環境温度は、11.8℃であった。
管サンプル(外径34.0mm、厚さ4.5mm、SUS316L)の表面温度は、9.1℃であった。
加圧力は、70.0MPaであった。
それ以外の条件、試験装置構成及び試験方法は実施例5と同様であった。
圧潰工程後、実施例5と同様の漏洩試験を行ったところ、5kPaと10kPaの何れにおいても気泡は発生せず、管サンプルが扁平部9aにおいて閉塞されたことが確認された。
扁平部9aの最薄部の厚さは、6.40mmであった。
図19(a)~(e)の写真に示すように、扁平部9aの外表面には傷及びひび割れは無く、表面状態は良好であった。
これに対し、管路端部aでは、マルテンサイトになっていた。また、圧縮方向に対し直交する方向(図20(a)の左右方向)へ結晶粒が引き延ばされていた。さらに細かな割れが形成されていたが、管の外面まで達する割れは無かった。
これに対し、管路端部cでは、マルテンサイトになっていた。また、圧縮方向に対し直交する方向(図21(a)の左右方向)へ結晶粒が引き延ばされていた。さらに細かな割れが形成されていたが、管の外面まで達する割れは無かった。
比較例1では、押圧凸部が1つだけの一山ダイスを用いた。上下一対の一山ダイスによって管サンプルを一回だけ圧潰した。
上側の一山ダイスの押圧凸部の下端面(押圧面)は、平坦であり、かつ幅15mm、長さ89.9mmであった。
下側の一山ダイスの押圧凸部の上端面(押圧面)は、平坦であり、かつ幅17mm、長さ89.9mmであった。
管サンプルは、実施例1と同仕様の管(外径27.2mm、厚さ3.9mm、SUS316L)を用いた。
管サンプルの表面温度は、8.6℃であった。
試験環境温度は、9.4℃であった。
加圧力は、69.7MPaであった。
それ以外の条件、試験装置構成及び試験方法は実施例1と同様であった。
圧潰後、実施例1と同様の漏洩試験を行ったところ、5kPaにおいて気泡が発生した。また、表面にはひび割れが出来ていた。
扁平部9aの最薄部の厚さは、3.65mmであった。
比較例2では、比較例1と同じ一山ダイスを用い、かつ管サンプルとして実施例5と同仕様の管(外径34.0mm、厚さ4.5mm、SUS316L)を用いた。
管サンプルの表面温度は、5.2℃であった。
試験環境温度は、7.2℃であった。
加圧力は、69.8MPaであった。
それ以外の条件、試験装置構成及び試験方法は実施例1と同様であった。
圧潰後、実施例1と同様の漏洩試験を行ったところ、5kPaにおいて気泡が発生した。表面にひび割れは確認されなかった。
扁平部9aの最薄部の厚さは、5.70mmであった。
比較例3では、曲面押圧面21a,22aの曲率半径がそれぞれ70mmの曲面ダイス21,22を用い、管サンプルを一回だけ圧潰した。
管サンプルは、比較例2と同仕様の管(外径34.0mm、厚さ4.5mm、SUS316L)を用いた。
管サンプルの表面温度は、13.0℃であった。
試験環境温度は、13.0℃であった。
加圧力は、69.8MPaであった。
それ以外の条件、試験装置構成及び試験方法は実施例1と同様であった。
圧潰後、実施例1と同様の漏洩試験を行ったところ、5kPaにおいて気泡が発生した。表面にひび割れは確認されなかった。
扁平部9aの最薄部の厚さは、7.95mmであった。
2 原子炉建屋
3 原子炉格納容器
4 原子炉圧力容器
5 制御棒
6 制御棒駆動機構(CRD)
8 制御棒駆動制御ユニット(HCU)
9 管
9A 制御棒挿入用水配管(管)
9B 制御棒引抜用水配管(管)
9a 扁平部
9p 一部
9q ずれた部分
10 管閉塞装置
11 装置本体
12 アクチュエータ
13 駆動力源
14 ダイスセット
19 ダイス開閉機構
20 曲面ダイスユニット
21,22 曲面ダイス
21a,22a 曲面押圧面
30 平ダイスユニット
31,32 平ダイス
31a,32a 平坦押圧面
Claims (6)
- 原子力発電所における管を切断するのに先立って閉塞する管閉塞方法であって、前記管が、外径27mm~34mm、厚さ3.9mm~4.5mmのステンレス鋼管であり、
曲率半径80mm~100mmの凸円筒面状の曲面押圧面をそれぞれ有する一対の曲面ダイスによって前記管を圧潰することを特徴とする管閉塞方法。 - 平坦押圧面をそれぞれ有する一対の平ダイスによって前記管の一部分を圧潰して扁平部とし、
続いて、前記曲面ダイスによる圧潰を前記扁平部に対して1又は複数回行うことを特徴とする請求項1に記載の管閉塞方法。 - 前記曲面ダイスによる圧潰は、前記扁平部の一部を更に圧潰する工程と、その後、前記扁平部における前記一部からずれた部分を圧潰する工程と、前記ずれた部分を再度圧潰する工程とを含むことを特徴とする請求項2に記載の管閉塞方法。
- 前記管が、沸騰水型原子炉の制御棒挿入用水配管又は制御棒引抜用水配管であることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の管閉塞方法。
- 原子力発電所における管を切断するのに先立って閉塞する管閉塞装置であって、
ダイス開閉機構と、前記ダイス開閉機構によって開閉されるダイスセットと、を備え、
前記ダイスセットが、曲率半径80mm~100mmの凸円筒面状の曲面押圧面をそれぞれ有する一対の曲面ダイスを含み、これら曲面ダイスが前記管を挟んで開閉可能に対峙され、
前記管が、外径27mm~34mm、厚さ3.9mm~4.5mmのステンレス鋼管であることを特徴とする原子発電所における管閉塞装置。 - 前記ダイスセットが、平坦押圧面をそれぞれ有する一対の平ダイスを更に含み、
前記一対の曲面ダイスと前記一対の平ダイスの一方が、選択的に前記ダイス開閉機構に装着されることによって前記管を挟んで開閉可能に対峙され、
かつ前記一対の平ダイスが先に選択されて開閉されることによって前記管の一部分が圧潰されて扁平部となり、
次に前記一対の曲面ダイスが選択されて1又は複数回、開閉されることによって、前記扁平部が更に圧潰されることを特徴とする請求項5に記載の管閉塞装置。
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東京電力ホールディングス株式会社,柏崎刈羽原子力発電所5号機 定期検査中における制御棒1本の予期せぬ動作について,プレスリリース2016年,日本,東京電力ホールディングス株式会社,2016年04月 |
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