JP7116417B2 - 青果物の鮮度保持方法 - Google Patents

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Description

本発明は、青果物の鮮度保持方法に関する。
青果物の鮮度は、販売価格や出荷調整、食味などに大きく影響する。このため、青果物の鮮度を保持することは、生産、流通、小売、消費のどの段階においても重要である。収穫後の青果物は、呼吸作用の代謝物として生成されるエチレンによる熟成、老化や水分の蒸散によって、鮮度が低下していく。
収穫後の青果物の鮮度の低下を防ぐべく、これまで、放散されたエチレンガスを除去しながら貯蔵する方法(例えば、特許文献1)、低温、高湿度に調節して貯蔵する方法(例えば、特許文献2)、特定波長の光を照射して貯蔵する方法(例えば、特許文献3)、鮮度保持袋に入れて貯蔵する方法(例えば、特許文献4)など、様々な方法が提案されている。
特開平1-269449号公報 特開2005-192448号公報 特開2016-26484号公報 特開2018-34878号公報
青果物は、収穫後、根からの水分供給が絶たれるため、水分損失による萎れが鮮度低下の現象として顕著に見られる。しかしながら、この青果物の水分損失を抑制する有効な方法は現状では見当たらない。
本発明は上記事項に鑑みてなされたものであり、その目的は、青果物の水分損失を抑制し、青果物の鮮度を長期間保ち得る青果物の鮮度保持方法を提供することにある。
本発明に係る青果物の鮮度保持方法は、
青果物の道管を備える部位を直交する2軸回りに回転させながら、前記青果物を擬微小重力環境にて貯蔵する、
ことを特徴とする。
また、前記擬微小重力環境は、時間平均して0.1G以下の重力を物体に与える環境であることが好ましい。
また、前記青果物が葉菜類、茎菜類又は花菜類であることが好ましい。
また、前記青果物がスプラウトであることが好ましい。
本発明に係る青果物の鮮度保持方法では、青果物の水分損失を抑制し、青果物の鮮度を長期間保ち得る。
鮮度保持装置の構成を示す断面図である。 鮮度保持装置の動作状態を示す斜視図である。 実施例におけるモヤシの貯蔵実験の状況を示す写真である。 実施例における鮮度保持装置のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の重力の経時変化を示すグラフである。 図5(A)~(C)はそれぞれ貯蔵開始日、1日目、2日目の比較例1のモヤシの写真であり、図5(D)~(F)はそれぞれ貯蔵開始日、1日目、2日目の実施例1のモヤシの写真である。 図6(A)~(C)はそれぞれ貯蔵開始日、3日目、6日目の比較例2のモヤシの写真であり、図6(D)~(F)はそれぞれ貯蔵開始日、3日目、6日目の実施例2のモヤシの写真である。 実施例1及び比較例1のモヤシの質量残存率の経時変化を示すグラフである。 実施例2及び比較例2のモヤシの質量残存率の経時変化を示すグラフである。 図9(A)~(C)はそれぞれ貯蔵開始日、3日目、5日目の比較例3のカイワレダイコンの写真であり、図9(D)~(F)はそれぞれ貯蔵開始日、3日目、5日目の実施例3のカイワレダイコンの写真である。 実施例3及び比較例3のカイワレダイコンの質量残存率の経時変化を示すグラフである。 比較例4及び比較例5のエダマメの質量残存率の経時変化を示すグラフである。
本実施の形態に係る青果物の道管を備える部位の鮮度保持方法は、青果物を擬微小重力環境にて貯蔵する方法である。青果物の道管を備える部位を擬微小重力環境にて貯蔵することにより、青果物の質量残存率が高く維持される。即ち、青果物からの水分放出が抑制され、青果物の鮮度が保たれる。
植物は、一般に、根から吸収した水を葉等の末端へと移動させ、葉や茎にある気孔から水を放出(気孔蒸散)、或いは、クチクラ層から水を放出(クチクラ蒸散)している。植物体内においては、道管を通じて水を移動させているが、擬微小重力環境下においては、その水を移動させる方向を感知できなくなり、植物の能動的な水分調節を行うことが困難になるものと考えられる。その結果、植物体内からの水分放出が抑制され、鮮度が保たれるものと考えられる。
ここでの青果物は、野菜、果物、山菜などの農産物であり、上述のように、青果物が体内の水を移動させる方向を感知できなくなることによって水分放出が抑制され得るという観点からして、青果物の道管を備える部位が用いられる。青果物の道管を備える部位として、根、茎、葉の部位が挙げられる。
青果物として、たとえば、キャベツ、レタス、ホウレンソウ、ハクサイなどの葉菜類、タマネギ、アスパラガス、ウドなどの茎菜類、ミョウガ、カリフラワー、ブロッコリー、食用菊などの花菜類のほか、穀類、豆類、野菜の種子を人為的に発芽させた新芽であるスプラウトなどが挙げられる。なお、スプラウトは、モヤシなどのモヤシ系、カイワレダイコンなどのカイワレ系を含む。
擬微小重力環境は、万有引力および遠心力などの慣性力が互いに打ち消され、それらの合力が1Gより小さく、0に近い環境である。具体的には、擬微小重力環境は、時間平均して1Gよりも小さい重力を物体に与える環境であり、好ましくは0.1G以下、より好ましくは0.01G以下の重力を物体に与える環境である。
上記の擬微小重力環境を生成可能であればどのような手法で行ってもよく、例えば、青果物を直行する2軸まわりに回転させ、青果物を擬微小重力環境におく手法が挙げられる。このような2軸回転まわりに回転させて擬微小重力環境を生成する装置として、図1、2に示すような青果物の鮮度保持装置1が挙げられる。この鮮度保持装置1は、回転で生じる応力を利用して地球の重力を相殺することにより、上記の擬微小重力環境を地上で実現できる。
鮮度保持装置1は、図1、2に示すように、第1回転体10、第1軸11a、11b、第1駆動装置収容部32に収容された第1駆動装置12、青果物配置部20、第2軸21a、21b、第2駆動装置収容部33に収容された第2駆動装置22、支持台30、支持部材31a、31b、加速度検出装置40、制御装置50を備える。
支持台30から支持部材31a、31bが対向して立設している。この支持部材31a、31bの間に第1回転体10、青果物配置部20等が支持されている。
第1回転体10は、第1軸11a、11bに軸支されている。第1軸11a、11bは同軸上に配置されている。第1軸11aの一端が第1回転体10と連結しており、また、他端が第1駆動装置12の出力軸12aに連結している。第1軸11bは、支持部材31bに固定されて第1回転体10が摺動可能な形態であっても、第1回転体10に固定されて支持部材31aに対して摺動可能な形態であってもよい。このような構成により、第1駆動装置12が駆動すると出力軸12aに連結した第1軸11aが回転し、第1回転体10が第1軸11a、11bまわりに回転する。
第1回転体10は、ここでは矩形の枠体であり、第1回転体10の回転領域の内側領域には、青果物配置部20が配置されて回転可能な程度の空間を有している。
第1回転体10の対向する枠それぞれに、第2軸21a、21bがそれぞれ取り付けられている。第2軸21a、21bは同軸上に配置されている。この第2軸21a、21bに青果物配置部20が取り付けられている。
第2軸21aの一端は青果物配置部20に連結しており、また、他端が傘歯車28に連結している。傘歯車28が回転すると、青果物配置部20は第1回転体10の内側領域にて回転する。第2軸21bは、一端が青果物配置部20に連結しており、また、他端は第1回転体10に摺動可能に取り付けられている。
青果物配置部20は、青果物が配置される箇所である。青果物配置部20は、ここでは箱体である。青果物配置部20には、青果物の挿入、取り出しが可能な開閉扉(不図示)を有している。また、青果物配置部20には、青果物配置部20が回転することによって青果物に衝撃が加わることを抑える緩衝材20aを備える。青果物は物理的衝撃や振動に弱いものが多いが、緩衝材20aによって青果物の損傷が抑えられる。
緩衝材20aは、箱体の内壁面に配置され、挿入される青果物と箱体との隙間を埋めて、青果物を保護できればよく、例えば、低反発ウレタンフォームやエアーパッキン、スプリングなど種々の緩衝機能を有する公知の素材が利用可能である。また、緩衝材20aは、挿入される青果物の容量に応じ、青果物配置部20と青果物との隙間を埋められる量が適宜詰められる形態であってもよい。
また、青果物配置部20は、上述した箱体に限られず、例えば、板状体や網状体、筒状体など、種々の形状であってもよい。そして、このような板状体等に青果物が直接、固定用紐や固定用ゴムなど種々の固定部材で固定される形態であっても、青果物を収納した箱体が固定部材で固定される形態であってもよい。
第2駆動装置22は、支持部材31bに設置されている。第2駆動装置22の出力軸22aが第1軸11a、11bと平行に設置されており、出力軸22aには、歯車23が設置されている。歯車23は、第1軸11bに摺動可能に取り付けられた歯車24と噛み合うよう設置されている。
歯車24は第1回転体10の内部に配置される傘歯車25と一体的に形成されている。歯車24及び傘歯車25には第1軸11bが貫通しており、歯車24及び傘歯車25が第1軸11bに対して摺動可能に構成されている。
第1回転体10の内部には、第2駆動装置22からの駆動力を第2軸21aへ伝達する回転力伝達部材26、27が配置されている。
回転力伝達部材26は、シャフト26bの両端に傘歯車26a、26cがそれぞれ取り付けられて構成されている。シャフト26bは、第1回転体10に摺動可能に設置されるとともに、第1軸11aに対して垂直に(第2軸21a、21bに対して平行に)設置されている。
一方、回転力伝達部材27は、シャフト27bの両端に傘歯車27a、27cがそれぞれ取り付けられて構成されている。シャフト27bは、第1回転体10に摺動可能に設置されるとともに、第1軸11aに対して平行に(第2軸21a、21bに対して垂直に)設置されている。
回転力伝達部材26の傘歯車26cは第1軸11bに取り付けられている傘歯車25と噛み合っている。また、傘歯車26aは、回転力伝達部材27の傘歯車27aと噛み合っている。また、傘歯車27cは青果物配置部20に連結している第2軸21aに取り付けられた傘歯車28と噛み合っている。
第1駆動装置12及び第2駆動装置22は、第1回転体10、青果物配置部20に回転力を供給可能な電動の駆動装置が用いられ、例えば、出力軸12a、22aの回転を高精度に制御可能なサーボモータ、ステッピングモータ等のモータが用いられる。
加速度検出装置40は、青果物配置部20の任意の位置に設置され、青果物配置部20の任意の位置の加速度を検出する。加速度検出装置40として、X軸、Y軸、Z軸の3方向の加速度をそれぞれ検出可能な3軸加速度センサが用いられる。
制御装置50は、第1駆動装置12及び第2駆動装置22のそれぞれの回転数を制御し、第1回転体10及び青果物配置部20の回転数を制御する。
制御装置50は、加速度検出装置40で検出された加速度データに基づき、第1駆動装置12及び第2駆動装置22の駆動を制御する。
なお、加速度検出装置40と制御装置50とは、無線で加速度データを通信可能な形態であることが好ましい。この場合、加速度検出装置40が無線送信部を備え、一方の制御装置50が無線受信部を備える。
また、加速度検出装置40は、内蔵の蓄電池を備え、外部から無線で電力伝送を受けて、加速度の検出及び制御装置50への送信を行い得る形態であることが好ましい。この場合、支持台30や支持部材31a、31等、任意の箇所に加速度検出装置40に電力伝送を行い得る装置を備える。電力伝送の方式として、電波方式、電磁誘導方式、電磁界共鳴方式など公知の方式が用いられ得る。
続いて、制御装置50による第1回転体10、青果物配置部20の回転制御について説明する。第1駆動装置12及び第2駆動装置22が駆動して、第1回転体10及び青果物配置部20がそれぞれ回転している間、継続的に加速度検出装置40が3軸方向の加速度を検出する。
この検出された加速度データは、制御装置50に送信される。制御装置50では、送信された加速度データに基づき、式1を用いて加速度ベクトルを算出する。加速度検出装置40が設置されている箇所を点Pとした場合、式1中のA、g、r及びωは、それぞれ、点Pにおける加速度ベクトル、点Pにおける重力加速度ベクトル、青果物配置部の中心(第1軸11a、11b及び第2軸21a、21bの交点)から点Pへの距離ベクトル及び点Pにおける角速度ベクトルを表している。
A=g+rω ・・・(式1)
加速度検出装置40では、3軸方向のそれぞれの方向の加速度データが得られ、制御装置50では、得られたそれぞれの加速度データから点Pにおける第1軸11a、11bまわりの角速度ベクトル(ω1)、第2軸21a、21bまわりの角速度ベクトル(ω2)、並びに重力加速度ベクトル(g)が成分解析される。また、第1軸11a、11bまわりの角速度ベクトル(ω1)及び第2軸21a、21bまわりの角速度ベクトル(ω2)から点Pにおける角速度ベクトル(ω)が解析され、式1に基づいて点Pにおける加速度ベクトルを算出する。なお、上記の解析は任意の手法で行い得る。また、任意の点における第1軸11a、11bまわりの角速度ベクトル(ω1)、第2軸21a、21bまわりの角速度ベクトル(ω2)は、回転数検出装置による検出に基づく形態であっても、第1駆動装置12及び第2駆動装置22の回転数から算出する形態であってもよい。
そして、第1回転体10及び青果物配置部20が回転している最中、継続して点Pの加速度ベクトルが算出され、所定時間あたり(例えば、10分間)の加速度ベクトルの積分が擬微小重力状態(およそ1/10G)となるように、フィードバックして第1駆動装置12及び第2駆動装置22の駆動を制御する。これにより、擬似的に微小重力環境を生成させ得る。例えば、第1回転体10の角速度と青果物配置部20の角速度の比を特定の比とし、第1回転体10及び青果物配置部20をそれぞれ等角速度で回転させるよう、第1駆動装置12及び第2駆動装置22の駆動を制御してもよい。
この鮮度保持装置1の青果物配置部20に青果物を配置し、鮮度保持装置1を駆動させることで、青果物の水分放出を抑制し、青果物の鮮度を保持して貯蔵することができる。
なお、青果物からの水分放出をより抑制すべく、湿度の高い環境、例えば、相対湿度50%~80%に維持した状態で青果物を貯蔵することがより好ましい。
モヤシ、カイワレダイコン、エダマメについて、微小重力環境下にて貯蔵し、質量残存率を検証した。なお、モヤシについては、相対湿度を変えて2回行った。
(実施例1、比較例1:モヤシの貯蔵実験)
使用したモヤシは以下の通りである。
・緑豆モヤシ(商品名、株式会社サラダコスモ宇都宮工場製)
・製造日:2017年11月26日
・入手日:2017年11月28日
モヤシをポリエチレン製容器(フィックスボックス(商品名:アズワン株式会社製))に入れ、密閉した。なお、発酵を回避するため、ポリエチレン製容器の2箇所に切れ目を入れた。
擬微小重力生成装置として、対象物を直行する2軸回りに回転させて擬微小環境を生成するグラビテ(商品名、株式会社スペース・バイオ・ラボラトリーズ製)を使用した。モヤシを入れたポリエチレン製容器を、擬微小重力生成装置に配置した。
擬微小重力生成装置を23℃、RH30%に維持した貯蔵庫内に置き、モヤシの貯蔵実験を行った。そして、貯蔵開始日、1日目、2日目の重量を測定し、質量残存率を求めた。
また、比較例1として、擬微小重力生成装置を入れた貯蔵庫内にモヤシをおき、上記と同様に質量残存率を求めた。
(実施例2、比較例2:モヤシの貯蔵実験)
使用したモヤシは以下の通りである。
・ふじみ野モヤシ(商品名、サイキ食品株式会社)
・製造日:2017年12月9日
・入手日:2017年12月11日
実施例2においては、25℃、RH66%に維持した環境下で、実施例1と同様にモヤシの貯蔵を行った。そして、貯蔵開始日、1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目のモヤシの重量を測定し、質量残存率を求めた。
また、比較例2として、上記と同様に、擬微小重力生成装置を入れた貯蔵庫内にモヤシをおき、質量残存率を求めた。
実施例1、2、及び、比較例1、2の貯蔵実験の様子を図3に示す。また、擬微小重力生成装置による重力の経時変化を図4に示す。
実施例1及び比較例1のモヤシの写真を図5に、実施例2及び比較例2のモヤシの写真を図6に示す。また、実施例1及び比較例1のモヤシの質量残存率の結果を図7に、実施例2及び比較例2のモヤシの質量残存率の結果を図8に示す。
擬微小重力環境下で貯蔵した実施例1、実施例2のモヤシの外観を見ると、それぞれ、比較例1、比較例2に比べ、太さが保たれていることがわかる。そして、擬微小重力環境下で貯蔵した実施例1、実施例2のモヤシの質量についても、それぞれ、比較例1、比較例2に比べ、有意に保持されていることがわかる。また、実施例1に比べ、相対湿度が高い条件で行った実施例2では、モヤシの質量が長期間保持されていることがわかる。
(実施例3、比較例3:カイワレダイコンの貯蔵実験)
カイワレダイコンについて、25℃、RH66%の環境で行う以外、実施例1と同様に貯蔵を行った。使用したカイワレダイコンは以下の通りである。
・かいわれ(商品名、三和農林株式会社(埼玉県))
・製造日:不明
・入手日:2018年1月15日
そして、貯蔵開始日、1日目、2日目、3日目、4日目、5日目のカイワレダイコンの重量を測定し、質量残存率を求めた。
また、比較例3として、上記と同様に、擬微小重力生成装置を入れた貯蔵庫内にカイワレダイコンをおき、質量残存率を求めた。
実施例3及び比較例3のカイワレダイコンの写真を図9に示す。また、実施例3及び比較例3のカイワレダイコンの質量残存率の結果を図10に示す。
擬微小重力環境下で貯蔵した実施例3のカイワレダイコンの外観を見ると、比較例3に比べ、萎れが抑えられていることがわかる。そして、擬微小重力環境下で貯蔵した実施例3のカイワレダイコンの質量についても、比較例3に比べ、有意に保持されていることがわかる。
実施例1~3の結果から、植物は根から葉の方向に水を移動させ、茎や葉から水を放出するが、擬微小重力環境では、植物が水を移動させる方向を感知できなくなり、蒸散が抑制された結果として、質量残存率が高く維持されたものと考えられる。
(比較例4、比較例5:エダマメの貯蔵実験)
比較例4として、エダマメ(群馬県産、入手日:2018年7月13日、収穫日:不明)について、25℃、RH30%の環境で行う以外、実施例1と同様に貯蔵を行った。
そして、貯蔵開始日、1日目、3日目、6日目、9日目のエダマメの重量を測定し、質量残存率を求めた。
また、比較例5として、上記と同様に、擬微小重力生成装置を入れた貯蔵庫内にエダマメをおき、質量残存率を求めた。
比較例4及び比較例5のエダマメの質量残存率の結果を図11に示す。図11を見ると、比較例4と比較例5とでは、有意差は見られなかった。エダマメは子実であり、道管を備えないことから、重力を感知する能力がなく、微小重力環境による水分放出の影響が生じなかったものと考えられる。
以上のように、擬微小重力環境下にて青果物の道管を備える部位を貯蔵することにより、水分放出が抑制され、鮮度が保たれることを立証した。
以上説明したように、青果物の鮮度保持方法、及び、青果物の鮮度保持装置は、青果物の水分放出を抑制し、鮮度を保って貯蔵することができる。したがって、青果物の出荷までの貯蔵や流通、小売の際の貯蔵など、青果物の収穫から消費に至るまでの様々な段階にて利用可能である。
1 鮮度保持装置、 10 第1回転体、 11a、11b 第1軸、 12 第1駆動装置、 12a 出力軸、 20 青果物配置部、 20a 緩衝材、 21a、21b 第2軸、 22 第2駆動装置、 22a 出力軸、 23 歯車、 24 歯車、 25 傘歯車、 26 回転力伝達部材、 26a 傘歯車、 26b シャフト、 26c 傘歯車、 27 回転力伝達部材、 27a 傘歯車、 27b シャフト、 27c 傘歯車、 28 傘歯車、 30 支持台、 31a、31b 支持部材、 32 第1駆動装置収容部、 33 第2駆動装置収容部、 40 加速度検出装置、 50 制御装置

Claims (4)

  1. 青果物の道管を備える部位を直交する2軸回りに回転させながら、前記青果物を擬微小重力環境にて貯蔵する、
    ことを特徴とする青果物の鮮度保持方法。
  2. 前記擬微小重力環境は、時間平均して0.1G以下の重力を物体に与える環境である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の青果物の鮮度保持方法。
  3. 前記青果物が葉菜類、茎菜類又は花菜類である、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の青果物の鮮度保持方法。
  4. 前記青果物がスプラウトである、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の青果物の鮮度保持方法。
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