JP7115496B2 - ブラスト処理方法 - Google Patents

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Description

本開示は、ブラスト処理に用いる投射材に関する。
鋳造後の鋳造物の砂落とし、金属製品のバリ取り、錆などのスケールの除去、塗装前の下地処理、塗装剥がし、床面や壁面(例えばコンクリート道路面、軌道レール用コンクリート路床面、工場コンクリート床面、構造物コンクリート壁面、等)の表面薄層の除去などにブラスト処理が用いられている。
被処理物の材質やブラスト処理の目的に応じて、投射材(ブラスト処理における、被処理エリアに向けて投射する硬質粒子)の粒子径が選択される。この粒子径はJIS(Japanese Industrial Standards:日本工業規格)等で決定されているが、ブラスト処理能力向上の要請に応じて粒度分布を調整した投射材が提案されている。(特許文献1)
特許文献1は、ブラスト処理の目的に対応する主粒体と、主粒体より小さな径で、且つ表面清掃作用を奏する限界径以上の副粒体と、を混合した投射材を開示する。この投射材の粒度分布は、主粒体に基づく第一山(ピーク)と、前記副粒体に基づく第二山(ピーク)を少なくとも有し、第一山と第二山とが実質的な重なりがないようになっている。この投射材は、主粒体のみでブラスト処理を行う場合に比べてブラスト処理能力が高く、且つ消耗力が少ない。
近年、ブラスト処理後の被処理物の品質に対する要求が厳しくなってきている。そのため、ブラスト装置内におけるオペレーティングミックス形成後の投射材の粒度分布を適切に管理する必要があり、より管理が容易な投射材が望まれている。
なお、オペレーティングミックスとは、ブラスト装置の操業において、初期の粒度分布とは異なる安定した粒度分布のことである。ブラスト装置の操業では、所定量の投射材をブラスト装置に投入し、ブラスト処理を行うときに、投射材は、投射、回収、微粉の除去、及び投射のサイクルを繰り返す。投射を繰り返した場合、投射材は粉砕され微粉となる。このような微粉はセパレータにより選別、除去される。除去された分だけブラスト装置内の投射材量が減少するため、減少分に応じた投射材を補給する。投射材の供給、粉砕、装置外への排出を繰り返していくと、装置内の投射材の粒子径分布は初期の粒子径分布とは異なる一定の粒子径分布で安定する。オペレーティングミックスは、この安定した粒子径分布の状態を指す。
特開2001-353661号公報
以上を鑑み、本開示は、ブラスト処理を効率良く安定して行うことができる投射材及びブラスト処理方法を提供する。
本開示の一側面は、ブラスト処理を行う鉄系の投射材である。オペレーティングミックスが形成される前の投射材の粒子径分布は、二峰性を有するとともに実質的に連続し、第一の峰に対応する第一粒子群及び第二の峰に対応する第二粒子群のうち、一方が角部する形状の粒子の集合であり、他方が凸曲面で構成される形状の粒子の集合である。
本開示の一実施形態においては、第一粒子群に含まれる粒子は、角部を有する円柱形状の粒子であり、ビッカース硬さをHV400~760としてもよい。
本開示の一実施形態においては、第二粒子群に含まれる粒子は球形の粒子であり、ビッカース硬さをHV300~900としてもよい。
本開示の一実施形態においては、第一粒子群の粒子径区間を0.600mm~1.000mmとし、第二粒子群の粒子径区間を0.300mm~0.500mmとしてもよい。
本開示の一実施形態においては、第二粒子群の頻度は、第一粒子群の頻度の2倍以上としてもよい。
本開示の別の側面はブラスト処理方法である。このブラスト処理方法は、以下の(A)~(C)の工程を含む。
(A)未使用の投射材をブラスト装置に装填する工程。
(B)ブラスト装置を作動させて前記投射材の粒子径分布を一定の粒子径分布に安定させるオペレーティングミックスを形成する工程。
(C)オペレーティングミックスが形成された投射材を被処理物に向けて投射する工程。
そして、オペレーティングミックスが形成された後の粒子径分布は、第三の峰及び第四の峰を含む二峰性を有し、第三の峰に対応する粒子群の粒子径区間は、第一の峰に対応する第一粒子群の粒子径区間と実質的に同一である。
本開示の一実施形態は、オペレーティングミックスが形成された後の粒子径分布において、第二粒子群の粒子径区間に対応する頻度は、第一粒子群の粒子径区間に対応する頻度よりも小さくてもよい。
本開示の一側面及び一実施形態によれば、ブラスト処理を効率良く安定して行うことができる投射材及びブラスト処理方法を提供することができる。更に、本開示の一側面及び一実施形態によれば、従来の投射材に比べて寿命の長い投射材を提供することができる。
本開示の一実施形態の投射材の粒子径分布を示す模式図である。 本開示の一実施形態で用いたブラスト装置を示す模式図である。 本開示の一実施形態におけるブラスト処理を示すフロー図である。 本開示のオペレーティングミックスの形成工程を示すフロー図である。 本開示の一実施形態のオペレーティングミックス形成後の投射材の粒子径分布を示す模式図である。
本開示の一実施形態の投射材を、図を用いて説明する。以下の説明に於いて、上下左右方向は、特に断りのない限り図における方向を指す。
また、以下の説明における粒子径は、粒子径区間の下限値を指す。粒子径区間は、JIS Z8801-1:2006に規定の試験用篩(金属製網篩)に準じる。表1に代表値を示す。
Figure 0007115496000001
本開示の一実施形態の投射材は、鉄系材料で構成されている。例えば、添加元素としてC、Mn、Siなどを含んでいてもよい。
図1は、一実施形態の投射材の粒子径分布の模式図である。粒子径分布は、粒子の大きさ(粒子径)ごとの存在比率の分布である。縦軸は頻度を示す重量分率(質量%)、横軸は粒子径(mm)を示す。粒子径分布は、例えば、頻度を直線で結ぶことにより表現されてもよい。図1に示すように、一実施形態においては、オペレーティングミックスが形成される前の投射材の粒子径分布は、二峰性を有するとともに実質的に連続し、第一の峰に対応する第一ピーク値P1及び第二の峰に対応する第二ピーク値P2を有する。即ち、一実施形態の投射材は、第一ピーク値P1に対応する第一粒子群Aと、第二ピーク値P2に対応する第二粒子群Bと、を含んで構成される。粒子群は、粒子の集合である。二峰性とは、最頻度値を頂上とする山の稜線において、山の外側に突出した箇所(峰)が2つ存在する特徴をいう。峰は、極大値である必要はなく、外側に突出した角部であればよい。最頻度値となる頂上は、2つの峰のうちの1つの峰を構成する。つまり、最頻度値となる頂上と、もう一つの峰との2つの角部が存在する分布は、二峰性を有するといえる。なお、最頻度値となる頂上が2つ存在する分布も、二峰性を有するといえる。
第一ピーク値P1に対応する粒子径D1及び第二ピーク値P2に対応する粒子径D2は、D1>D2の関係を満たす。粒子径の大きい粒子からなる第一粒子群Aは、被処理エリア全体をブラスト処理することに寄与する。しかし、第一粒子群Aは、カバレージ(単位面積当たりにおける投射材の実打痕面積)が低い。第一粒子群Aに含まれる粒子よりも粒子径の小さい粒子からなる第二粒子群Bは、第一粒子群Aよりもカバレージが高い。しかし、第二粒子群Bは、被処理エリア全体に対するブラスト処理する能力が第一粒子群Aに対して劣る。第二ピーク値P2は、第一粒子群A及び第二粒子群Bによって構成され、上述の第一粒子群Aによる効果と第二粒子群Bによる効果との双方を補完することができる。即ち、第一粒子群A及び第二粒子群Bのそれぞれの効果に対しては劣るものの、双方の機能を備えているので被処理面全体を効率よく処理することができる。第一粒子群A及び第二粒子群Bの双方を備え、且つ、第一ピーク値P1及び第二ピーク値P2を有する粒子径分布である一実施形態の投射材は、それぞれの相乗効果によりブラスト処理能力の向上と処理時間の短縮を実現することができる。
一実施形態では、第一粒子群Aに含まれる粒子を、角部を有する円柱形状の粒子としてもよい。角部によりブラスト処理能力をさらに向上することができる。さらに、従来の投射材に比べて後述のオペレーティングミックス形成前後で極値となる粒子径の変動が小さいので、より安定してブラスト処理を行うことができる。
円柱形状の粒子の一例はカットワイヤである。カットワイヤの製造方法の一例を説明する。ビレットと呼ばれる円柱状の塊状物から圧延により、所望の径のワイヤにする。圧延は、複数個のダイスを通過するようにビレットを引き抜くようにすると、応力を付与することができるので、機械的性質(例えば靱性)を向上させることができる。その後、所望の長さに直列的に切断することで投射材が得られる。
ここで、第一粒子群Aの粒子径が大きすぎると、被処理面を必要以上に粗面化したり、必要以上に切削したりする。また、第一粒子群Aの粒子径が小さすぎると、被処理面全体に対する処理効率が悪い。更に、後述のオペレーティングミックスの形成をも考慮し、一実施形態では、第一ピーク値P1に対応する粒子径D1を0.600mm~0.850mm(即ち、実際の粒子径で0.600mm~1.000mm)としてもよい。
第一粒子群Aの硬さが硬すぎると被処理面が必要以上に粗面化したり、粒子自体の寿命が低下したりする。これに対して、第一粒子群Aの硬さが柔らかすぎると十分にブラスト処理を行うことができない。ブラスト処理の効率と寿命を考慮して、第一粒子群Aのビッカース硬さをHV400~760に調整してもよい。
第一粒子群Aを鉄系材料で製造することにより、上述のビッカース硬さを熱処理で調整することができる。
一実施形態では、第二粒子群Bに含まれる粒子を、球状の粒子としてもよい。球状とは、概略で球の形状となることであり、一例として凸曲面で構成される形状である。第一粒子群Aで打痕が形成されなかった領域に対して、均等に打痕を形成することができる。また、粒子の曲面が衝突することで、被処理面を必要以上に粗面化することなくブラスト処理を行うことができる。
球状の粒子の一例はショットである。ショットの製造方法の一例を説明する。この粒子は水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、ディスクアトマイズ法、等で製造される。例えば、水アトマイズ法を例に、製造方法を説明する。原料となる金属を溶解した溶湯を滴下させ、その際に高圧水を噴射することで球状粒子を得る。その後、熱処理で硬さの向上と靱性の付与を行い、第二粒子群Bが得られる。
ここで、第二粒子群Bの粒子径が大きすぎると、被処理面に対するカバレージ向上の効果が低い。また、第二粒子群Bの粒子径が小さすぎると、被処理面全体に対する処理効率が悪い。更に、後述のオペレーティングミックスの形成をも考慮し、一実施形態では、第二ピーク値P2に対応する粒子径D2を0.300mm~0.425mm(即ち、実際の粒子径で0.300mm~0.500mm)としてもよい。
第二粒子群Bの硬さが硬すぎると被処理面が必要以上に粗面化したり、粒子自体の寿命が低下したりする。これに対して、第二粒子群Bの硬さが柔らかすぎると十分にブラスト処理を行うことができない。ブラスト処理の効率と寿命を考慮して、第二粒子群Bのビッカース硬さをHV300~900に調整してもよい。
第二粒子群Bを鋳鋼で製造することにより、上述のビッカース硬さを熱処理で調整することができる。
なお、第一粒子群Aに含まれる粒子を球状の粒子とし、第二粒子群Bに含まれる粒子を円柱形状の粒子としてもよい。つまり、第一粒子群A及び第二粒子群Bのうち、一方が角部する形状の粒子の集合であり、他方が凸曲面で構成される形状の粒子の集合であればよい。
次に、一実施形態の投射材を使用して、ブラスト処理を行う方法について説明する。
まず、一実施形態のブラスト処理に用いたブラスト装置を、図2を参照して説明する。ブラスト装置01は、投射材の貯留及び定量供給を行うホッパ10、投射材を投射するインペラユニット20、投射材を循環させる循環装置30、投射材を含む粒子群から、再使用可能な投射材とそれ以外の粒子(これらを総じて、以降「投射材等」と記す)とに分離するセパレータ40、集塵装置50、集塵装置50による吸引力を調整するダンパ60、投射室70、及び、ブラスト装置の作動を制御する制御装置(図示せず)を含む。
ホッパ10は、投射材が貯留される貯留部11と、貯留部11の下部に設けられるカットゲート12とを備える。カットゲート12は、貯留部11からインペラに向かう経路にある開口部の面積を可変するための部材であり、一定量の投射材をインペラユニット20に供給することができる。
インペラユニット20は、ホッパ10から供給された投射材を回転するブレードにより加速して、投射室70内に設けられた載置台71に載置された被処理物Wへ投射する。これにより、ブラスト処理が行われる。
循環装置30は、スクリューコンベア31と、バケットエレベータ32と、を備える。スクリューコンベア31によってブラスト処理後の投射材等をバケットエレベータ32に案内する。そして、投射材等はバケットエレベータによってブラスト装置01の上方に搬送され、セパレータ40に供給される。また、バケットエレベータ32には投射材補給口33が設けられており、ブラスト装置01に投射材を補給することができる。
バケットエレベータ32とセパレータ40との間にはパンチングメタル41が配置されており、投射材等から粗大な粒子(例えばバリ)を予め除去することができる。パンチングメタル41を通過した投射材等に対して、再使用可能な投射材とそれ以外の粒子とに分離する処理を行う。一実施形態では、風力式にて行った。投射材等はエプロン状に落下される。セパレータ40は集塵装置50と接続されており、集塵装置50の作動により発生した気流を落下方向と水力方向に当てることにより、再使用可能な投射材とそれ以外の粒子とに選別する。重い粒子である再使用可能な投射材は更に落下を続け、ホッパ10に供給される。一方、軽い粒子であるその他の粒子は、集塵装置50に吸引され回収される。
ダンパ60は、セパレータ40から集塵装置50に向かう経路に設けられており、投射材等に当てられる気流の風量や風速を制御する。ダンパ60により、分級精度を調整できるので、後述のオペレーティングミックスを形成、維持することができる。
図示しない制御装置は、上述のブラスト装置01を構成する各要素を制御する。制御装置は、例えば、パーソナルコンピュータなどの各種演算装置、プログラマルロジックコントローラ(PLC)及びデジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのモーションコントローラ、高機能携帯端末、及び高機能携帯電話等を用いることができる。
続いて、このブラスト装置01によるブラスト処理方法の工程を、更に図3を参照して説明する。
<S1:投射材の装填>
ブラスト装置01を起動させた後、未使用の投射材が投射材補給口33よりブラスト装置01に装填する。
<S2:オペレーティングミックスの形成>
ブラスト装置01の作動により、投射材の投射、微粉の装置外排出、及び、補給を繰り返し行う一連の操作を行う。その結果、ブラスト装置01内の投射材の粒子径分布は、未使用の投射材の粒子径分布とは異なる一定の粒子径分布で安定する。即ち、オペレーティングミックスが形成された状態となる。投射材は、オペレーティングミックス形成後の装置内投射材の粒子径分布を、効率的なブラスト処理が行えるように管理することが重要である。
図4は、オペレーティングミックス形成工程(ステップS2)を示す説明図である。オペレーティングミックスを形成するためには、まず、ステップS21において、例えば被処理物Wと同様の材質からなるダミーワークを用意し、ステップS22においてブラスト装置01を起動し、ダミーワークに鋳物の研掃時と同様の条件により投射材を投射し、微粉の装置外排出、補給を繰り返し行う一連の操作を行う。この結果、ブラスト装置01内の投射材の粒子径分布は、未使用の投射材の粒子径分布とは異なる粒子径分布となる。なお、ダミーワークを使用せず、投射材を空打ちしてもよい。
ステップS23では、後述するステップS5と同様の判断を行い、投射材を補給する場合にはステップS25に進み、その後ステップS23に戻る。投射材を補給しない場合にはステップS24に進む。
続くステップS24では、投射時間がオペレーティングミックスを形成するためにあらかじめ設定される相当時間に到達したか否かを判断する。投射時間が相当時間に到達した場合にはステップS26に進み、到達していない場合にはステップS23に戻る。
続くステップS26では、投射材をサンプリングして粒子径分布を測定し、所望のオペレーティングミックスが形成されているか否かの評価を行う。投射材のサンプリングは、カットゲート12、バケットエレベータ32、セパレータ40から行うことができる。所望のオペレーティングミックスが形成されていると判断した場合(ステップS27:良好)には、ステップS28に進み、投射を終了する。次に、ステップS29でダミーワークを回収し、オペレーティングミックス形成工程が完了する。
所望のオペレーティングミックスが形成されてないと判断した場合(ステップS26:不良)には、ステップS27に進み、ダンパ60の開度を調整した後に、ステップS22に戻る。ステップS27では、例えば、小径の粒子が多い場合には、ダンパ60の開度を上げて、風量を増大させることにより除去するなどを行うことができる。
なお、オペレーティングミックス形成工程完了後、テストピースに対してブラスト処理を行い、所望のブラスト処理能力を有している粒子径分布となっているか否かを確認する工程を設けてもよい。
一実施形態では、オペレーティングミックス形成後のブラスト装置01内の粒子径分布が、図5に示すように、第三の峰に対応する第三ピーク値P3及び第四の峰に対応する第四ピーク値P4を有し、第三ピーク値P3に対応する粒子径D3が第一ピーク値P1に対応する粒子径D1と実質的に同一であるように制御される。なお、粒子径はD3>D4>D2の関係を満たす。第三ピーク値P3に対応する粒子径D3及び第四ピーク値P4に対応する粒子径D4の粒子を増加させることで、ブラスト処理能力が向上する。また、粒子径D2の頻度が、従来の投射材におけるオペレーティングミックス形成後のブラスト装置内の粒子径分布(図中の一点鎖線)に比べて大きくなるように制御されている。従来の投射材に比べて粒子径D2の頻度が上昇しているので、カバレージの向上に貢献する。
また、粒子径D3に隣接する粒子径D5(D5>D3)における頻度P5及びD2における頻度P6が、従来の投射材におけるオペレーティングミックス形成後のブラスト装置内の粒子径分布(図中の一点鎖線)に比べて大きくなり、かつ全体としてブロードな粒子径分布(二峰性)となるように制御されている。粒子径D5の頻度P5を上昇させることで、被処理エリア全体のブラスト処理を更に促進させ、また粒子径D2の頻度P6を上昇させることで、被処理エリア全体のカバレージの向上を更に促進させることができる。ただし、比較的小さい粒子径の頻度が大きすぎると、相対的に粒子径D3及び粒子径D4の粒子の割合が減少するので、ブラスト処理の効率が低下する。そこで、オペレーティングミックス形成後のブラスト装置内の粒子径分布において、粒子径D5の頻度P5を粒子径D3及び粒子径D4の頻度(P3、P4)よりも小さくし、且つ粒子径D3及び粒子径D4の頻度(P3、P4)のうち最大となる頻度に対して粒子径D2の頻度P6を1/2以下となるように制御してもよい。
未使用の投射材において、第一ピーク値P1に対応する粒子径D1を0.600mm~0.850mm(即ち、実際の粒子径で0.600mm~1.000mm)、第二ピーク値P2に対応する粒子径D2を0.300mm~0.425mm(即ち、実際の粒子径で0.300mm~0.500mm)とすると、上述のオペレーティングミックス形成後の粒度分布の調整が容易である。
また、未使用の投射材において、第二ピーク値P2を第一ピーク値P1の2倍以上とすると、上述のオペレーティングミックス形成後の粒度分布の調整が容易である。
<S3:被処理物のセット>
研掃対象の被処理物Wを投射室70内の載置台71に載置する。
<S4:投射材を投射>
オペレーティングミックスが形成されている状態で、被処理物Wに向けて投射材を投射することにより、被処理物W表面のブラスト処理を行う。
<S5:過負荷の判定>
投射材を投射中のインペラユニット20の電流計の負荷電流値により投射材を補給するか否かを判断する。負荷電流値があらかじめ設定した電流値より大きくかつ所定の変動値以下である場合には投射材を補給しないと判断してステップS6に進む。負荷電流値があらかじめ設定した電流値以下または所定の変動値を超えた場合には投射材を補給すると判断してステップS7に進む。
<S6:投射材の補給>
所定量の新たな投射材をショット補給口13aより補給し、ステップS5に戻る。投射材は、バケットエレベータの負荷などを勘案して設定した所定量分補給する。これにより、所望のオペレーティングミックスを維持することができる。
<S7:処理時間の判定>
投射時間が被処理物Wの研掃を行うためにあらかじめ設定される設定時間に到達したか否かを判断する。投射時間が設定時間に到達した場合にはステップS8に進み、到達していない場合にはステップS5に戻る。
<S8:投射の終了>
循環装置30の作動を停止し、投射を終了する。
<S9:被処理物の回収>
投射室70の扉を開放し、被処理物Wを取り出す。
<S10:処理状態の確認>
目視などにより被処理物Wの処理状態を評価し、ブラスト処理が完了しているか否かを判断する。ブラスト処理が完了していると判断した場合(ステップS10:良好)には一連の操作を終了する。ブラスト処理が完了していないと判断した場合(ステップS10:処理不測)には、ステップS3に戻る。
上述のブラスト処理方法によれば、オペレーティングミックス形成後の投射材の粒子径分布を、ブラスト処理に適した分布とすることができるので、このブラスト処理方法は、処理エリア全体に対するブラスト処理能力とカバレージとを共に向上させることができる。
次に、一実施形態のショットの効果を確認するための試験を行った結果について説明する。
一実施形態の投射材(実施例)として、D1=0.600mm、D2=0.425mmである投射材を準備した。また、比較のために、粒子径0.6mmに極値を有する略球形状の投射材(比較例)を準備した。
これらの投射材の寿命を評価した。投射材100gを寿命試験装置(Ervin社製の「The Test Ervin Machine」)に投入し、投射速度60m/sで鋼材(HRC65)に向けて投射した後、投射材を篩で分級して小径粒子を除去する。そして、全量が100gとなるように未使用の投射材を追加し、同様に寿命試験装置を作動させる。この操作を繰り返し、初期に投入した投射材が全て入れ替わった時の投射回数(サイクル)を寿命値とした。
比較例は3.411サイクルであった。これに対し、一実施形態の投射材である実施例は、5389サイクルであった。これは、一実施形態の投射材は従来の投射材に比べて約160%の寿命を有していることが示された。
次に、これらの投射材を用いてブラスト処理を行った結果について説明する。クロム鋼鋼材(JIS G4104:4104に規定のSCR420)に対して、50kg/mの投射密度でブラスト処理を行った。
ブラスト処理後、カバレージの評価を行った。カバレージの評価は、クロム鋼材にブラスト処理を行ったものを使用した。指定エリアに対する打痕が占める面積を、マイクロスコープにて観察し算出した。比較例のカバレージが70%であったのに対し、実施例のカバレージは90%であり、一実施形態の投射材は被処理物全体を効率よくブラスト処理できることが示された。
本開示の一実施形態の投射材は、鋳造後の鋳造物の砂落とし、金属製品のバリ取り、錆などのスケールの除去、塗装前の下地処理、塗装剥がし、床面や壁面(例えばコンクリート道路面、軌道レール用コンクリート路床面、工場コンクリート床面、構造物コンクリート壁面、等)の表面母層の除去、などあらゆるブラスト処理に好適に用いることができる。
01…ブラスト装置、10…ホッパ、20…インペラユニット、30…循環装置、40…セパレータ、50…集塵装置、60…ダンパ、70…投射室、W…被処理物。

Claims (5)

  1. ブラスト処理を行う鉄系の未使用の投射材をブラスト装置に装填する工程であって、オペレーティングミックスが形成される前の前記投射材の粒子径分布は二峰性を有するとともに実質的に連続し、第一の峰に対応する粒子群の粒子径区間は、第二の峰に対応する粒子群の粒子径区間よりも大きく、第二の峰に対応する粒子群の粒子径区間に対応する頻度は、第一の峰に対応する粒子群の粒子径区間に対応する頻度よりも大きい、前記工程と、
    前記ブラスト装置を作動させて前記投射材の粒子径分布を一定の粒子径分布に安定させるオペレーティングミックスを形成する工程と、
    前記オペレーティングミックスが形成された前記投射材を被処理物に向けて投射する工程と、
    を含み、
    前記オペレーティングミックスが形成された後の粒子径分布は、第三の峰及び第四の峰を含む二峰性を有し、
    前記第三の峰に対応する粒子群の粒子径区間は、前記第一の峰に対応する粒子群の粒子径区間と実質的に同一であり、
    前記オペレーティングミックスが形成された後の粒子径分布において、前記第二の峰に対応する粒子群の粒子径区間に対応する頻度は、前記第一の峰に対応する粒子群の粒子径区間に対応する頻度よりも小さい、
    ブラスト処理方法。
  2. オペレーティングミックスが形成される前の前記投射材において、第一の峰に対応する粒子群及び第二の峰に対応する粒子群のうち、一方が角部する形状の粒子の集合であり、他方が凸曲面で構成される形状の粒子の集合である、請求項1に記載のブラスト処理方法。
  3. オペレーティングミックスが形成される前の前記投射材において、前記第一の峰に対応する粒子群に含まれる粒子は、角部を有する円柱形状の粒子であり、ビッカース硬さがHV400~760である、請求項1又は2に記載のブラスト処理方法。
  4. オペレーティングミックスが形成される前の前記投射材において、前記第二の峰に対応する粒子群に含まれる粒子は、球形の粒子であり、ビッカース硬さがHV300~900である、請求項1~3のいずれか一項に記載のブラスト処理方法。
  5. 前記第一の峰に対応する粒子群の粒子径区間は0.600mm~1.000mmであり、前記第二の峰に対応する粒子群の粒子径区間は0.300mm~0.500mmである、請求項1~のいずれか一項に記載のブラスト処理方法。
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