図面を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。以下に記載する実施の形態は、技術的に好適な種々の限定を含む。本開示の範囲は、以下に例示する形態には限定されない。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るゲームシステム1の構成を例示する平面図である。ゲームシステム1は、例えば遊技施設に設置されるコンピュータシステムである。遊技施設は、例えばゲームセンターまたはカジノ等の娯楽施設、またはショッピングセンター等の商業施設である。ゲームシステム1は、遊技施設内の利用者U(すなわちプレイヤ)にゲームを提供する。第1実施形態のゲームは、抽選を含むゲーム(以下「抽選ゲーム」という)である。なお、ゲームシステム1は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。
図1に例示される通り、第1実施形態のゲームシステム1は、4個のゲームユニット11と1個の中央ユニット12とを具備する。複数のゲームユニット11は、中央ユニット12を包囲するように周方向に配列される。
4個のゲームユニット11の各々は、複数(例えば4個)のステーション21と抽選ユニット22とを具備する。複数のステーション21の各々は、利用者Uが抽選ゲームのプレイに使用するユニットである。複数のステーション21は、抽選ユニット22を中心として円弧状に配列される。1以上の利用者Uが1個のステーション21を利用して抽選ゲームをプレイする。
図2は、第1実施形態における抽選ゲームの進行に関する説明図である。図2に例示される通り、第1実施形態の抽選ゲームは、基本ゲームと第1抽選ゲームと第2抽選ゲームとを含む。基本ゲームは、各利用者Uがステーション21を利用して定常的にプレイするゲームである。複数のステーション21の各々において基本ゲームが並列に実行される。
第1抽選ゲームは、抽選ユニット22を利用する抽選処理である。基本ゲームにおいて所定の条件が成立した1個のステーション21について、当該ステーション21に対応する抽選ユニット22を利用した第1抽選ゲームが実行される。第1抽選ゲームは、利用者Uの当選/落選を確率的に決定する抽選処理である。抽選ユニット22は、図1に例示される通り、複数のポケット221が形成された遊技面222を含む物理抽選機構である。抽選ユニット22には抽選ボールB1が供給される。複数のポケット221のうち抽選ボールB1が進入したポケット221に応じて、利用者Uの当選/落選が決定される。第1抽選ゲームの結果が当選である場合に第2抽選ゲームに移行し、第1抽選ゲームの結果が落選である場合には基本ゲームに移行する。
第2抽選ゲームは、中央ユニット12を利用する抽選処理である。第1抽選ゲームに当選した利用者Uのステーション21について、中央ユニット12を利用した第2抽選ゲームが実行される。第2抽選ゲームは、特別賞の当選/落選を確率的に決定する抽選処理である。図1に例示される通り、中央ユニット12は、抽選ユニット22と同様に、複数のポケット121が形成された遊技面122を含む物理抽選機構である。中央ユニット12には抽選ボールB2が供給される。複数のポケット121のうち抽選ボールB2が進入したポケット121に応じて、利用者Uの当選/落選が決定される。具体的には、抽選ボールB2が特定のポケット121に進入した場合に、利用者Uが特別賞に当選したと判定される。特別賞は、多数の報酬が利用者Uに付与される賞(ジャックポット)である。第2抽選ゲームの終了により基本ゲームが再開される。
図3は、ゲームシステム1の構成を例示するブロック図である。なお、第1実施形態のゲームシステム1は、実際には4個のゲームユニット11を具備するが、図3には1個のゲームユニット11のみが便宜的に図示されている。図3に例示される通り、ゲームユニット11は、複数のステーション21と抽選ユニット22とに加えて、制御装置23と記憶装置24とを具備する。
制御装置23は、ゲームユニット11の全体を制御する単数または複数のプロセッサで構成される。具体的には、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置23が構成される。なお、制御装置23の機能の一部または全部を各ステーション21に搭載してもよい。また、1個の制御装置23が複数のゲームユニット11を制御してもよい。
記憶装置24は、制御装置23が実行するプログラムと制御装置23が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。記憶装置24は、例えば磁気記録媒体もしくは半導体記録媒体等の公知の記録媒体、または、複数種の記録媒体の組合せで構成される。なお、ゲームユニット11に着脱される可搬型の記録媒体、または通信網を介した書込または読出が可能な記録媒体(例えばクラウドストレージ)を、記憶装置24として利用してもよい。
図4は、記憶装置24がステーション21毎(すなわち利用者U毎)に記憶するデータの模式図である。記憶装置24は、利用者U毎に利用者データZを記憶する。図4に例示される通り、利用者データZは、保有クレジットCと保有ポイントPaとを含む。保有クレジットCは、利用者Uが保有するクレジットの数量である。クレジットは、利用者Uによる抽選ゲームのプレイのために使用される無体の価値媒体である。保有ポイントPaは、利用者Uが保有する特典ポイントの数量である。特典ポイントは、利用者Uによる抽選ゲームのプレイに必須ではないが、利用者Uが抽選ゲームに関する特典を取得するために使用される。
図5は、複数のステーション21の各々の構成を例示するブロック図である。図5に例示される通り、第1実施形態のステーション21は、表示装置31と操作装置32と受付装置33と受付装置34と払出装置35とゲーム機構36とを具備する。なお、ステーション21は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。
表示装置31は、抽選ゲームに関する各種の画像を表示する。表示装置31は、例えば液晶パネルまたは有機EL(Electroluminescence)パネル等の表示パネルで構成される。操作装置32は、利用者Uからの指示を受付ける入力機器である。例えば利用者Uが操作する操作子、または表示装置31と一体に構成されたタッチパネルが、操作装置32として例示される。
第1実施形態のゲームシステム1においては、第1価値媒体および第2価値媒体が使用される。第1価値媒体および第2価値媒体は、相異なる種類の価値媒体である。具体的には、第1価値媒体は、各種の抽選ゲームに専用される価値媒体であり、例えばメダル(物理メダルまたは電子メダル)である。物理メダルは、円板状のトークン(メダル)等の有体の価値媒体である。電子メダルは、電子データにより実現される無体の価値媒体である。
他方、第2価値媒体は、一般社会で流通する価値媒体であり、例えば貨幣(物理貨幣または電子貨幣)である。物理貨幣は、例えば硬貨または紙幣等の有体の価値媒体(現金)である。第1実施形態における第2価値媒体は、物理貨幣の一例である100円硬貨である。電子貨幣は、電子データにより実現される無体の価値媒体である。
受付装置33は、利用者Uによる第1価値媒体の投入を受付ける。例えば、第1価値媒体として物理メダルが使用される構成においては、受付装置33は、物理メダルが投入される投入口と、投入口に対する物理メダルの投入を検出する検出器とを具備する。また、第1価値媒体として電子メダルが使用される構成においては、例えばICカード等の記録媒体との近距離無線通信により電子メダルの引出処理を実行する通信機器、または、利用者Uの電子メダル口座を管理する口座管理サーバとの通信により電子メダルの引出処理を実行する通信機器が、受付装置33として利用される。
受付装置33が受付けた第1価値媒体がクレジットに交換される。具体的には、利用者Uが受付装置33に投入した第1価値媒体の数量に応じた数値が、当該利用者Uの保有クレジットCに加算される。例えば、第1価値媒体の数量に所定の比率を乗算した数値が、保有クレジットCに加算される。第1実施形態における第1価値媒体と当該第1価値媒体から交換されたクレジットとは、「第1価値媒体」の一例である。
受付装置34は、利用者Uによる第2価値媒体の投入を受付ける。第2価値媒体として物理貨幣が使用される構成においては、受付装置34は、物理貨幣が投入される投入口と、投入口に対する物理貨幣の投入を検出する検出器とを具備する。また、第2価値媒体として電子貨幣(電子マネー)が使用される構成においては、例えばICカード等の記録媒体との近距離無線通信により電子貨幣の引出処理を実行する通信機器、または、電子決済サーバとの通信により電子貨幣の引出処理を実行する通信機器が、受付装置34として利用される。
払出装置35は、第1価値媒体(物理メダルまたは電子メダル)の払出を実行する。具体的には、利用者Uの保有クレジットCに対応する数量の第1価値媒体が、払出装置35から払出される。例えば、第1価値媒体として物理メダルが使用される構成においては、払出装置35は、物理メダルを貯留する貯留容器と、貯留容器から物理メダルを順次に排出する排出機構とを具備する。また、第1価値媒体として電子メダルが使用される構成においては、例えばICカード等の記録媒体との近距離無線通信により電子メダルの預入処理を実行する通信機器、または、利用者Uの電子メダル口座を管理する口座管理サーバとの通信により電子メダルの預入処理を実行する通信機器が、払出装置35として利用される。
図6は、ゲーム機構36の構成を例示する平面図である。第1実施形態のゲーム機構36は、制御装置23による制御のもとで基本ゲームを実行する機構である。図6においては、水平面内において相互に直交するX軸とY軸とが図示されている。X軸は、ステーション21の横方向に延在する軸線である。X軸は、利用者Uの左右の方向に沿う軸線とも換言される。他方、Y軸は、ステーション21の前後方向(奥行方向)に延在する軸線である。Y軸は、利用者Uの前後の方向に沿う軸線とも換言される。以下の説明では、Y軸に沿う一方向をY1方向と表記し、Y1方向の反対の方向をY2方向と表記する。Y1方向は中央ユニット12から利用者Uに向かう方向である。
図6に例示される通り、第1実施形態のゲーム機構36は、遊技媒体Mを利用するプッシャーゲームを抽選ゲームとして利用者Uに提供するプッシャーゲーム機構である。遊技媒体Mは、第1価値媒体としても使用される物理メダルである。第1実施形態のゲーム機構36は、固定テーブル361と可動テーブル362と投入装置363と固定壁364と供給装置365とを具備する。
固定テーブル361は、XY平面に略平行な上面を含む構造体である。固定テーブル361の上面は、前縁部361aを含む略矩形状の平坦面である。前縁部361aは、固定テーブル361のうちY1方向に位置する周縁部分であり、X軸に沿って延在する。前縁部361aのY1方向には、X軸に沿って長尺な開口(以下「落下口」という)Oが形成される。可動テーブル362は、固定テーブル361上でY軸の方向に往復する台状の構造体である。
固定テーブル361の上面および可動テーブル362の上面には複数の遊技媒体M(物理メダル)が載置される。投入装置363は、操作装置32に対する利用者Uからの指示に応じて可動テーブル362の上面に遊技媒体Mを供給する。固定壁364は、可動テーブル362の上面に対向する壁状の構造体である。可動テーブル362に載置された遊技媒体Mは、可動テーブル362がY2方向に移動する過程で固定壁364によりY1方向に押圧される。固定壁364により押圧されることで可動テーブル362上の複数の遊技媒体MがY1方向に移動し、最終的には可動テーブル362から落下する。
可動テーブル362の前面には複数の抽選孔362aが形成される。可動テーブル362から落下する複数の遊技媒体Mの一部は抽選孔362aに進入する。抽選孔362aに対する遊技媒体Mの進入を契機として通常抽選ゲームが実行される。通常抽選ゲームは、利用者Uの当選/落選を抽選により決定する抽選処理である。
供給装置365は、遊技媒体Mまたは遊技ボールBを固定テーブル361上に供給する。遊技ボールBは、遊技媒体Mとは別形状の有体物である。例えば球体が遊技ボールBとして利用される。また、供給装置365は、第2抽選ゲームにおいて利用者Uが特別賞に当選した場合に、所定の数量の遊技媒体Mを固定テーブル361上に供給する。
遊技媒体Mおよび遊技ボールBは、可動テーブル362の往復に連動してY1方向に移動し、最終的には固定テーブル361の前縁部361aから落下口Oに落下する。落下口Oに落下した遊技媒体Mの数量に応じた遊技媒体Mが払出装置35から払出される。また、遊技ボールBの落下を契機として、抽選ユニット22を利用した第1抽選ゲームが開始される。以上の説明から理解される通り、基本ゲームは、遊技媒体Mおよび遊技ボールBをY1方向に移動させて前縁部361aから落下させ、抽選孔362aに対する遊技媒体Mの落下を契機として通常抽選ゲームを実行するゲームである。
図7は、制御装置23の機能的な構成を例示するブロック図である。図7に例示される通り、制御装置23は、記憶装置24に記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(ゲーム制御部231,状況取得部232,指示受付部233,効果制御部234)を実現する。指示受付部233は、操作装置32に対する利用者からの指示を受付ける。
ゲーム制御部231は、抽選ゲームを進行する。例えば、第1実施形態のゲーム制御部231は、操作装置32に対する利用者Uからの指示に応じて投入装置363を制御することで、所定数の遊技媒体Mを固定テーブル361上に投入する。具体的には、遊技媒体Mの投入が利用者Uにより指示されると、ゲーム制御部231は、記憶装置24に記憶された利用者Uの保有クレジットCから所定の数値を減算する処理と、所定数の遊技媒体Mを投入装置353から固定テーブル361上に投入する処理とを実行する。保有クレジットCの減算は、保有クレジットCの使用に相当する。
以上の説明から理解される通り、第1実施形態のゲーム制御部231は、利用者Uによる保有クレジットCの使用と引換えに抽選ゲームを進行する。また、前述の通り、第1価値媒体と保有クレジットCとは相互に交換可能である。したがって、保有クレジットCの減算は、第1価値媒体の使用とも換言される。すなわち、ゲーム制御部231は、利用者Uによる第1価値媒体(第1価値媒体および保有クレジットC)の使用と引換えに抽選ゲームを進行する。
また、第1実施形態のゲーム制御部231は、図2を参照して前述した通り、例えば基本ゲームと第1抽選ゲームと第2抽選ゲームとを含む複数の段階の何れかに抽選ゲームを進行させる。例えば、ゲーム制御部231は、基本ゲームにおいて通常抽選ゲームを実行する。通常抽選ゲームは、利用者Uの当選/落選を確率的に決定する電子抽選である。通常抽選ゲームにおいて利用者Uが当選する確率(以下「当選確率」という)は可変に制御される。
抽選ゲームの進行の過程において、ゲーム制御部231は、図8の抽選画面311または図9の特典画面315を表示装置31に表示させる。図8の抽選画面311は、通常抽選ゲームにおいて表示装置31に表示される画面である。図8に例示される通り、通常抽選ゲームは、ビデオスロットである。抽選画面311には複数の回転部312が表示される。複数の回転部312の各々は、回転軸を共有する仮想的な円柱である。各回転部312の外周面には複数の図柄が周方向に配置される。各回転部312の複数の図柄は、複数の数字要素313(1~9)と1以上の特別要素314とを含む。
通常抽選ゲームにおいては、複数の回転部312の各々が回転し、所定の時点で順次に停止する。回転が停止した状態(以下「確定状態」という)において複数の回転部312の図柄の組合せが所定の条件を充足する場合に当選と判定され、当該条件を充足しない場合には落選と判定される。具体的には、確定状態において共通の図柄が1列に配列した場合に当選と判定される。
確定状態において複数の図柄のうちの共通の数字要素313が1列に配列する場合、所定の数量の遊技媒体Mが利用者Uに付与される。具体的には、ゲーム制御部231は、供給装置365を制御することで、所定の数量の遊技媒体Mを固定テーブル361上に供給する。他方、確定状態において複数の図柄のうち共通の特別要素314が1列に配列する場合、所定の数量の特典ポイントが利用者Uに付与される。具体的には、記憶装置24に記憶された利用者Uの保有ポイントPaに所定値が加算される。
図9の特典画面315は、保有ポイントPaに応じて利用者Uに提供される特典を表す画面である。操作装置32に対する利用者Uからの指示に応じて、特典画面315が表示装置31に表示される。なお、表示装置31とは別個の表示機器に特典画面315を表示してもよい。
図9に例示される通り、特典画面315においては、利用者Uに提供され得る複数の特典の各々について、当該特典の名称316と、当該特典の取得に必要な保有ポイントPaの数量(以下「必要数」という)317とが表示される。各特典は、利用者Uによる保有ポイントPaの収集に対する報酬である。なお、特典の内容は任意である。例えば、抽選ゲームにおいて利用者Uに有利に作用するアイテム、抽選ゲームに登場するキャラクタ、特定のイベントに参加する権利、または、初期的には制限された機能を解放すること、等の特典が想定される。ゲーム制御部231は、利用者Uの保有ポイントPaが複数の特典の何れかの必要数317に到達した場合に、当該特典を利用者Uに付与する。利用者Uに付与された特典については、付与済であることを表す画像318が特典画面315に表示される。なお、各特典の付与毎に当該特典の必要数317が保有ポイントPaから減算される形態、または、保有ポイントPaが特典の付与により減少せずに累積的に増加する形態が想定される。
図7の状況取得部232は、現在の抽選ゲームの状況(以下「ゲーム状況」という)Qを取得する。具体的には、状況取得部232は、抽選ゲームの複数の段階のうち利用者Uが現時点でプレイしている段階を特定する。例えば、基本ゲームが実行される段階、第1抽選ゲームが実行される段階、第2抽選ゲームが実行される段階、また、表示装置31が特典画面315を表示する段階、がゲーム状況Qとして特定される。
効果制御部234は、抽選ゲームに適用される効果(以下「ゲーム効果」という)Eを制御する。ゲーム効果Eは、その適用により利用者Uが抽選ゲームを有利に進行させることが可能となる効果である。図7に例示される通り、第1実施形態の効果制御部234は、効果選択部235と効果付与部236と効果適用部237とを具備する。
効果選択部235は、相異なる複数のゲーム効果Eの何れかを選択する。第1実施形態の効果選択部235は、複数のゲーム効果Eのうち状況取得部232が取得したゲーム状況Qに応じたゲーム効果Eを選択する。効果付与部236は、利用者Uによる第2価値媒体(100円硬貨)の使用と引換えに、効果選択部235が選択した1以上のゲーム効果Eを利用者Uに付与する。具体的には、効果付与部236は、利用者Uに付与されたゲーム効果Eを記憶装置24に登録する。例えば、効果付与部236は、図4に例示される通り、利用者Uに付与されたゲーム効果Eを表す効果データDを、当該利用者Uの利用者データZに登録する。効果データDは、利用者Uに付与されたゲーム効果Eと、当該ゲーム効果Eの有効回数Nとを指定する。有効回数Nは、ゲーム効果Eが抽選ゲームに有効に適用される回数である。効果適用部237は、利用者Uに付与されたゲーム効果Eを実際に抽選ゲームに適用する。
図10は、利用者Uにゲーム効果Eを付与する処理(以下「効果付与処理」という)Saの手順を例示するフローチャートである。効果付与処理Saは、例えば所定の周期で反復される。複数のステーション21の各々について効果付与処理Saが個別に実行される。
利用者Uは、抽選ゲームのプレイ中の任意の時点において、操作装置32に対する操作によりゲーム効果Eの取得を指示できる。効果付与処理Saが開始されると、指示受付部233は、利用者Uからの指示を受付けたか否かを判定する(Sa1)。指示受付部233が利用者Uからの指示を受付けていない場合(Sa1:NO)、以降の処理は実行されずに効果付与処理Saは終了される。
指示受付部233がゲーム効果Eの取得の指示を受付けた場合(Sa1:YES)、状況取得部232は、現在のゲーム状況Qを取得する(Sa2)。効果選択部235は、当該ゲーム状況Qに対応する1以上のゲーム効果Eを選択する(Sa3)。効果選択部235によるゲーム効果Eの選択には、例えば図11に例示された参照テーブルTが使用される。参照テーブルTは、記憶装置24に記憶されている。
図11に例示される通り、参照テーブルTは、複数のゲーム状況Qの各々について、1以上のゲーム効果Eと、各ゲーム効果Eの有効回数Nとが登録されたデータテーブルである。有効回数Nはゲーム効果E毎に個別に設定される。効果選択部235は、参照テーブルTに登録された複数のゲーム効果Eのうち現在のゲーム状況Qに対応する1以上のゲーム効果Eと、当該ゲーム効果Eに対応する有効回数Nとを、記憶装置24から検索する。現在のゲーム状況Qに対応する1以上のゲーム効果Eが記憶装置24から検索された場合、効果選択部235は、当該ゲーム効果Eと有効回数Nとを選択する。
効果選択部235は、現在のゲーム状況Qに対応するゲーム効果Eが検索されたか否かを判定する(Sa4)。現在のゲーム状況Qによっては、当該ゲーム状況Qに対応するゲーム効果Eが参照テーブルTに登録されていない可能性がある。ゲーム効果Eが特定されない場合(Sa4:NO)、効果選択部235は、該当のゲーム効果Eが存在しないことを表示装置31に表示させ(Sa5)、効果付与処理Saを終了する。以上の例示の通り、効果選択部235は、抽選ゲームのゲーム状況Qに応じて、複数のゲーム効果Eの何れも選択しない場合がある。
他方、1以上のゲーム効果Eを選択した場合(Sa4:YES)、効果選択部235は、選択済の1以上のゲーム効果Eを表示装置31に表示させる(Sa6)。具体的には、効果選択部235は、図12の効果画面G(Ga,Gb,Gc,Gd)を表示装置31に表示させる。効果画面Gは、現在のゲーム状況Qに応じて選択した1以上のゲーム効果Eを利用者Uに提示する画面である。
図12に効果画面Gaとして例示される通り、現在のゲーム状況Qが基本ゲームのプレイ中の段階である場合、効果選択部235は、複数のゲーム効果Eからゲーム効果Ea1とゲーム効果Ea2とを選択する。ゲーム効果Ea1およびゲーム効果Ea2は、利用者Uによる選択の候補である。ゲーム効果Ea1は、通常抽選ゲームにおける当選確率を、当該ゲーム効果Ea1が適用されない通常の場合と比較して上昇させる効果である。また、ゲーム効果Ea2は、数字要素313の配列により通常抽選ゲームに当選した場合に利用者Uに付与される遊技媒体Mの数量を、当該ゲーム効果Ea2が適用されない通常の場合と比較して増加させる効果である。
図12に効果画面Gbとして例示される通り、現在のゲーム状況Qが第1抽選ゲームの段階である場合、効果選択部235は、ゲーム効果Ebを選択する。ゲーム効果Ebは、第1抽選ゲームにおける当選確率を、当該ゲーム効果Ebが適用されない通常の場合と比較して上昇させる効果である。なお、第1抽選ゲームの段階とは、例えば遊技ボールBが落下口Oに落下することで第1抽選ゲームの開始が確定してから、第1抽選ゲームが開始された直後(結果の確定前)までの段階である。
図12に効果画面Gcとして例示される通り、現在のゲーム状況Qが第2抽選ゲームの段階である場合、効果選択部235は、ゲーム効果Ecを選択する。ゲーム効果Ecは、第2抽選ゲームにおける特別賞(JP:ジャックポット)の当選時に供給装置365から供給される遊技媒体Mの数量を、当該ゲーム効果Ecが適用されない通常の場合と比較して増加させる効果である。
図12に効果画面Gdとして例示される通り、現在のゲーム状況Qが特典画面315の表示段階である場合、効果選択部235は、複数のゲーム効果Eからゲーム効果Ed1とゲーム効果Ed2とを選択する。ゲーム効果Ed1およびゲーム効果Ed2は、利用者Uによる選択の候補である。ゲーム効果Ed1は、特別要素314の配列により通常抽選ゲームに当選した場合に利用者Uに付与される特典ポイントの数量を、当該ゲーム効果Ed1が適用されない通常の場合と比較して増加させる効果である。ゲーム効果Ed2は、所定数の特典ポイントを利用者Uに付与する効果である。
以上の例示から理解される通り、第1実施形態の効果選択部235は、複数のゲーム効果Eのうち現在のゲーム状況Qに対応する一部を表示装置31に表示させる。換言すると、効果選択部235は、複数のゲーム効果Eのうち抽選ゲームに実際に適用され得る1以上のゲーム効果Eを表示装置31に表示させる。なお、各ゲーム効果Eの有効回数Nがゲーム効果Eとともに効果画面Gに表示されてもよい。
利用者Uは、以上の手順で表示された効果画面Gを確認したうえで、操作装置32に対する操作により所望のゲーム効果Eを指示できる。具体的には、図12の効果画面GbまたはGcのように1個のゲーム効果Eのみが表示される場合、利用者Uは当該ゲーム効果Eを指定できる。また、図12の効果画面GaまたはGdのように複数のゲーム効果Eが表示される場合、利用者Uは所望のゲーム効果Eを選択できる。指示受付部233は、効果画面Gに対する利用者Uからの指示を受付ける(Sa7)。効果選択部235は、指示受付部233が利用者Uから受付けた指示に応じて1個のゲーム効果Eを選択する(Sa8)。すなわち、効果画面Gに1個のゲーム効果Eのみが表示される場合には当該ゲーム効果Eを選択し、複数のゲーム効果Eが表示される場合には利用者Uが指示したゲーム効果Eを選択する。
以上の説明から理解される通り、第1実施形態の効果選択部235は、現在のゲーム状況Qに応じた1以上のゲーム効果Eの選択(Sa3)と、利用者Uからの指示に応じた1以上のゲーム効果Eの選択(Sa8)とを実行する。
以上の手順でゲーム効果Eが選択されると、効果付与部236は、利用者Uによる第2価値媒体の使用と引換えに、当該ゲーム効果Eを利用者Uに付与する(Sa9,Sa10)。具体的には、効果付与部236は、受付装置34が利用者Uによる第2価値媒体の投入を受付けるまで待機する(Sa9:NO)。受付装置34が第2価値媒体を受付けると(Sa9:YES)、効果付与部236は、効果選択部235が選択したゲーム効果Eを利用者データZに登録する(Sa10)。なお、各ゲーム効果Eの取得に必要な第2価値媒体の数量(以下「必要対価」という)は、複数のゲーム効果Eについて共通してもよいし、ゲーム効果E毎に相違してもよい。必要対価(すなわち価格)がゲーム効果E毎に相違する形態においては、例えば複数のゲーム効果Eの各々について、図11の参照テーブルTに必要対価が登録される。また、必要対価がゲーム効果E毎に相違する形態においては、各ゲーム効果Eの必要対価がゲーム効果Eとともに効果画面Gに表示されてもよい。
なお、効果付与部236が利用者Uに付与したゲーム効果Eは、後述の通り、所定の条件が成立した時点で抽選ゲームに適用される。ただし、複数のゲーム効果Eのなかには、効果付与部236による付与の直後に適用されるゲーム効果Eもある。例えば、例えば図12の効果画面Gdにおけるゲーム効果Ed2(特典ポイントの付与)が利用者Uに付与された場合、効果適用部237は当該ゲーム効果Ed2を直ちに適用する。すなわち、特典ポイントの所定数が利用者Uに付与される。具体的には、利用者Uの保有ポイントPaに所定数が加算される。
以上が効果付与処理Saの具体例である。なお、以上の説明においては1回の効果付与処理Saにより1個のゲーム効果Eが利用者Uに付与される場合を想定したが、1回の効果付与処理Saにより複数のゲーム効果Eが利用者Uに付与されてもよい。また、複数回の効果付与処理Saにより、複数のゲーム効果Eが重複して利用者Uに付与される場合もある。すなわち、各利用者Uの利用者データZには、複数の効果データDが含まれる場合がある。
図13は、抽選ゲームを進行させる処理(以下「ゲーム制御処理」という)Sbの手順を例示するフローチャートである。ゲーム制御処理Sbは、例えば所定の周期で反復される。複数のステーション21の各々についてゲーム制御処理Sbが個別に実行される。
ゲーム制御処理Sbが開始されると、指示受付部233は、遊技媒体Mの投入の指示を利用者Uから受付けたか否かを判定する(Sb1)。指示受付部233が当該指示を受付けた場合(Sb1:YES)、ゲーム制御部231は、記憶装置24に記憶された利用者Uの保有クレジットCから所定数を減算する(Sb2)。そして、ゲーム制御部231は、所定数の遊技媒体Mを投入装置363により固定テーブル361上に投入する(Sb3)。すなわち、第1価値媒体の使用(Sb2)と引換えに遊技媒体Mが固定テーブル361上に投入されることで、抽選ゲームが進行する。他方、遊技媒体Mの投入の指示を指示受付部233が受付けない場合(Sb1:NO)、保有クレジットCの減算(Sb2)と遊技媒体Mの投入(Sb3)とは実行されない。
ゲーム制御部231は、固定テーブル361の前縁部361aから遊技媒体Mが落下したか否かを判定する(Sb4)。遊技媒体Mが落下口Oに落下した場合(Sb4:YES)、ゲーム制御部231は、利用者Uの保有クレジットCに所定数を加算する(Sb5)。なお、遊技媒体Mが落下した場合に、ゲーム制御部231は、所定数の遊技媒体Mを供給装置365により固定テーブル361上に供給してもよい。遊技媒体Mが落下口Oに落下しない場合(Sb4:NO)、保有クレジットCの加算(Sb5)は実行されない。
ゲーム制御部231は、可動テーブル362の抽選孔362aに遊技媒体Mが落下したか否かを判定する(Sb6)。遊技媒体Mが抽選孔362aに落下した場合(Sb6:YES)、通常抽選ゲームを含む通常抽選処理Sb7が実行される。遊技媒体Mが抽選孔362aに落しない場合(Sb6:NO)、通常抽選処理Sb7は実行されない。
図14は、通常抽選処理Sb7のフローチャートである。通常抽選処理Sb7が開始されると、効果適用部237は、通常抽選ゲームに関連する有効なゲーム効果E(Ea1,Ea2,Ed1)を利用者Uが保有するか否かを判定する(Sb71)。具体的には、有効回数Nが1以上である通常抽選ゲームのゲーム効果Eが、利用者データZに登録されているか否かが判定される。判定結果が肯定である場合(Sb71:YES)、効果適用部237は、当該ゲーム効果Eを通常抽選ゲームに適用する(Sb72)。
例えば、図12のゲーム効果Ea1が有効である場合、効果適用部237は、通常抽選ゲームの当選確率を標準的な確率から上昇させる。また、ゲーム効果Ea2が有効である場合、効果適用部237は、数字要素313の配列により通常抽選ゲームに当選した場合に利用者Uに付与される遊技媒体Mの数量を、標準的な数量を上回る数値に設定する。また、ゲーム効果Ed1が有効である場合、効果適用部237は、特別要素314の配列により通常抽選ゲームに当選した場合に利用者Uに付与される特典ポイントの数量を、標準的な数量を上回る数量に設定する。以上の手順でゲーム効果Eを適用すると、効果適用部237は、当該ゲーム効果Eの有効回数Nを1だけ減少させる(Sb73)。
他方、有効回数Nが1以上であるゲーム効果Eを利用者Uが保有しない場合(Sb71:NO)、効果適用部237は、ゲーム効果Eの適用(Sb72)および有効回数Nの減算(Sb73)を実行しない。以上の説明から理解される通り、利用者Uに付与されたゲーム効果Eの適用の結果として有効回数Nが0に到達すると、次回の通常抽選処理Sb7においては、ステップSb71の判定結果が否定(Sb71:NO)となり、結果的に当該ゲーム効果Eは適用されない。すなわち、効果適用部237は、通常抽選ゲームにゲーム効果E(Ea1,Ea2,Ed1)が適用される回数を制限する。
以上の処理が実行されると、ゲーム制御部231は、通常抽選ゲームを実行する(Sb74)。具体的には、利用者Uの当選/落選を確率的に決定する電子抽選と、抽選画面311を表示装置31に表示させる処理とを実行する。前述のゲーム効果Ea1が適用された場合には、当該ゲーム効果Ea1が適用されない場合よりも高い当選確率のもとで通常抽選ゲームが実行される。ゲーム制御部231は、通常抽選ゲームの結果が当選であるか否かを判定する(Sb75)。
通常抽選ゲームの結果が当選である場合(Sb75:YES)、ゲーム制御部231は、図柄の組合せに応じた処理を実行する(Sb76)。例えば、数字要素313の配列により通常抽選ゲームの当選が成立した場合、ゲーム制御部231は、遊技媒体Mの所定数を利用者Uに付与する。前述のゲーム効果Ea2が適用された場合には、当該ゲーム効果Ea2が適用されない場合と比較して多数の遊技媒体Mが、利用者Uに付与される。また、特別要素314の配列により通常抽選ゲームの当選が成立した場合、ゲーム制御部231は、特典ポイントを利用者Uに付与する。前述のゲーム効果Ed1が適用された場合には、当該ゲーム効果Ed1が適用されない場合と比較して多数の特典ポイントが、利用者Uに付与される。他方、通常抽選ゲームの結果が落選である場合(Sb75:NO)、遊技媒体Mまたは特典ポイントの付与が実行されることなく通常抽選処理Sb7は終了する。
以上の手順により通常抽選処理Sb7を実行すると、ゲーム制御部231は、図13に例示される通り、遊技ボールBが固定テーブル361の前縁部361aから落下したか否かを判定する(Sb8)。遊技ボールBが落下した場合(Sb8:YES)、第1抽選ゲームを含む第1抽選処理Sb9が実行される。他方、遊技ボールBが落下しない場合(Sb8:NO)、第1抽選処理Sb9は実行されない。なお、遊技ボールBの落下の回数が所定値に到達することを条件として第1抽選処理Sb9を実行してもよい。
図15は、第1抽選処理Sb9のフローチャートである。第1抽選処理Sb9が開始されると、効果適用部237は、第1抽選ゲームに関連する有効なゲーム効果Ebを利用者Uが保有するか否かを判定する(Sb91)。具体的には、有効回数Nが1以上である第1抽選ゲームのゲーム効果Ebが、利用者データZに登録されているか否かが判定される。判定結果が肯定である場合(Sb91:YES)、効果適用部237は、当該ゲーム効果Ebを第1抽選ゲームに適用する(Sb92)。具体的には、効果適用部237は、第1抽選ゲームの当選確率を標準的な確率から上昇させる。効果適用部237は、当該ゲーム効果Ebの有効回数Nを1だけ減少させる(Sb93)。
他方、第1抽選ゲームに関連する有効なゲーム効果Ebを利用者Uが保有しない場合(Sb91:NO)、効果適用部237は、ゲーム効果Ebの適用(Sb92)および有効回数Nの減算(Sb93)を実行しない。以上の説明から理解される通り、効果適用部237は、第1抽選ゲームにゲーム効果Ebが適用される回数を制限する。
以上の処理が実行されると、ゲーム制御部231は、第1抽選ゲームを実行する(Sb94)。すなわち、ゲーム制御部231は、抽選ユニット22の制御により遊技面222上に抽選ボールB1を供給し、複数のポケット221のうち抽選ボールB1が進入したポケット221に応じて利用者Uの当選/落選を決定する。
以上に説明した第1抽選処理Sb9を実行すると、ゲーム制御部231は、図13に例示される通り、第1抽選ゲームの結果が当選であるか否かを判定する(Sb10)。第1抽選ゲームの結果が当選である場合(Sb10:YES)、第2抽選ゲームを含む第2抽選処理Sb11が実行される。他方、第1抽選ゲームの結果が落選である場合(Sb10:NO)、第2抽選処理Sb11は実行されずにゲーム制御処理Sbは終了する。
図16は、第2抽選処理Sb11のフローチャートである。第2抽選処理Sb11が開始されると、効果適用部237は、第2抽選ゲームに関連する有効なゲーム効果Ecを利用者Uが保有するか否かを判定する(Sb111)。具体的には、有効回数Nが1以上である第2抽選ゲームのゲーム効果Ecが、利用者データZに登録されているか否かが判定される。判定結果が肯定である場合(Sb111:YES)、効果適用部237は、当該ゲーム効果Ecを第2抽選ゲームに適用する(Sb112)。具体的には、効果適用部237は、第2抽選ゲームにおける特別賞の当選時に供給装置365から供給される遊技媒体Mの数量を、標準的な数量を上回る数量に設定する。効果適用部237は、当該ゲーム効果Ecの有効回数Nを1だけ減少させる(Sb113)。
他方、第2抽選ゲームに関連する有効なゲーム効果Ecを利用者Uが保有しない場合(Sb111:NO)、効果適用部237は、ゲーム効果Ecの適用(Sb112)および有効回数Nの減算(Sb113)を実行しない。以上の説明から理解される通り、効果適用部237は、第2抽選ゲームにゲーム効果Ecが適用される回数を制限する。
以上の処理が実行されると、ゲーム制御部231は、第2抽選ゲームを実行する(Sb114)。すなわち、ゲーム制御部231は、中央ユニット12の制御により遊技面122上に抽選ボールB2を供給し、複数のポケット121のうち抽選ボールB2が進入したポケット121に応じて利用者Uの当選/落選を決定する。
第2抽選ゲームを実行すると、ゲーム制御部231は、当該第2抽選ゲームの結果に応じた処理を実行する(Sb115)。例えば、第2抽選ゲームの結果が特別賞の当選である場合、ゲーム制御部231は、固定テーブル361上に多数の遊技媒体M(すなわちジャックポット)を供給するように供給装置365を制御する。前述のゲーム効果Ecが適用された場合には、当該ゲーム効果Ecが適用されない場合と比較して多数の遊技媒体Mが、利用者Uに付与される。以上に説明した第2抽選処理Sb11の実行により、図13のゲーム制御処理Sbは終了する。
以上の説明から理解される通り、第1実施形態のゲーム効果Eは、抽選ゲームにおける特定の目的を達成するために必要な時間を短縮できる効果である。具体的には、抽選ゲームにおいて第1価値媒体(クレジット)または特典ポイントの所定数を利用者Uが取得するために必要な時間を短縮できる効果が、ゲーム効果Eとして例示される。また、前述のゲーム効果Ea2,EcおよびEd1は、抽選ゲームにおいて所定の条件が成立した場合に利用者Uに付与される第1価値媒体の数量を、当該ゲーム効果Eが適用されていない場合と比較して増加させる効果として包括的に表現される。所定の条件とは、通常抽選ゲームまたは第2抽選ゲーム等の抽選における当選である。
以上に説明した通り、第1実施形態においては、利用者Uによる第2価値媒体の使用と引換えに、複数のゲーム効果Eの何れかが選択的に付与および適用される。すなわち、第2価値媒体の使用と引換えに抽選ゲームに適用されるゲーム効果Eが多様化される。したがって、第2価値媒体の使用と引換えに1種類の効果のみが適用される構成と比較して、利用者Uによる第2価値媒体の使用を効果的に促進できる。第1実施形態においては特に、所定数の第1価値媒体の取得等の目的を達成するために必要な時間を短縮させるゲーム効果Eが抽選ゲームに適用される。したがって、特定の目的の達成を目指す利用者Uが第2価値媒体を使用することを有効に促進できる。
第1実施形態においては、抽選ゲームのゲーム状況Qに応じてゲーム効果Eが選択されるから、例えば抽選ゲームのゲーム状況Qに対して適切なゲーム効果Eを選択できる。具体的には、利用者Uが現時点でプレイしている段階に対して適切なゲーム効果Eを選択できる。したがって、ゲーム状況Qとは無関係にゲーム効果Eが選択される構成と比較して、利用者Uによる第2価値媒体の使用を有効に促進できる。第1実施形態においては特に、現在のゲーム状況Qによっては、効果選択部235が複数のゲーム効果Eの何れも選択しない場合がある(Sa4:NO)。したがって、現在のゲーム状況Qに応じた適切なゲーム効果Eを選択できるという効果は格別に顕著である。
また、第1実施形態においては、効果選択部235によるゲーム効果Eの選択に利用者Uからの指示が加味されるから、例えば利用者Uの意図に対して適切なゲーム効果Eを選択できる。したがって、利用者Uの意図とは無関係にゲーム効果Eが選択される構成と比較して、第2価値媒体の使用を有効に促進できる。また、効果選択部235が選択した複数のゲーム効果Eが表示装置31に表示されるから、利用者Uは、選択候補となる複数のゲーム効果を確認したうえで、所望のゲーム効果Eを指示できる。
さらに、第1実施形態においては、ゲーム効果Eが有効に適用される回数が制限される。したがって、ゲーム効果Eの種類または適用の時期等の種々の検討が重要な戦略性および興趣性の高い抽選ゲームを提供できる。
[第2実施形態]
本開示の第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各形態において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
第1実施形態においては、受付装置33に対する第2価値媒体の投入により直接的に、当該利用者Uにゲーム効果Eが付与される形態を例示した。第2実施形態においては、受付装置33に対する第2価値媒体の投入により利用者Uに効果ポイントが付与され、効果ポイントの使用により利用者Uにゲーム効果Eが付与される。効果ポイントは、利用者Uがゲーム効果Eを取得するために使用される無体の価値媒体である。
図17は、第2実施形態における利用者データZの模式図である。図17に例示される通り、第2実施形態の利用者データZは、第1実施形態と同様の要素(C,Pa,D)に加えて保有ポイントPbを含む。保有ポイントPbは、利用者Uが保有する効果ポイントの数量である。受付装置34が受付けた第2価値媒体が効果ポイントに交換される。具体的には、利用者Uが受付装置34に投入した第2価値媒体の数量に応じた数値が、当該利用者Uの保有ポイントPbに加算される。例えば、第2価値媒体の数量に所定の比率を乗算した数値が、保有ポイントPbに加算される。なお、第2実施形態においては、効果ポイントから第2価値媒体への交換は禁止される。ただし、効果ポイントから第2価値媒体への交換が許容されてもよい。
図18は、第2実施形態における効果付与処理Saの一部を例示するフローチャートである。図18に例示される通り、第2実施形態の効果付与処理Saにおいては、第1実施形態におけるステップSa9が、保有ポイントPbを使用するための処理(Sa11,Sa12)に置換される。
効果選択部235がゲーム効果Eを選択すると(Sa8)、指示受付部233は、保有ポイントPbの使用の指示を利用者Uから受付けるまで待機する(Sa11:NO)。指示受付部233が当該指示を受付けると(Sa11:YES)、効果付与部236は、保有ポイントPbから所定数を減算する(Sa12)。保有ポイントPbから減算される所定数は、利用者Uがゲーム効果Eを取得するための対価に相当する。所定値は、複数のゲーム効果Eについて共通の数値でもよいし、ゲーム効果E毎に個別に設定されてもよい。保有ポイントPbの減算(Sa12)は、利用者Uが保有する効果ポイントの使用を意味する。保有ポイントPbが減算されると、効果付与部236は、効果選択部235が選択したゲーム効果Eを利用者Uに付与する(Sa10)。すなわち、当該ゲーム効果Eの効果データDが利用者データZに追加される。
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態においては、第2価値媒体としての物理貨幣(例えば硬貨)と比較して細かい単位で効果ポイントを設定できる。したがって、第1実施形態と比較して、ゲーム効果Eの取得に必要な効果ポイントの数量を柔軟に設定できるという利点がある。例えば受付装置33が受付可能な100円硬貨の投入により、「100」の効果ポイントが利用者Uに付与される場合を想定する。第1実施形態においては、ゲーム効果Eの必要対価を100円の整数倍に設定する必要がある。第2実施形態においては、例えば「100」を下回る数量(例えば30)や「100」を上回る数量(例えば130)の効果ポイントの使用により、利用者Uにゲーム効果Eを付与できる。
なお、以上の説明から理解される通り、第1実施形態の効果付与部236は、利用者Uによる第2価値媒体の使用と引換えに、当該利用者Uにゲーム効果Eを付与する。第2実施形態の効果付与部236は、利用者Uによる効果ポイントの使用と引換えに、当該利用者Uにゲーム効果Eを付与する。第1実施形態の第2価値媒体と第2実施形態の効果ポイントとを「第2価値媒体」と包括すると、第1実施形態および第2実施形態の効果付与部236は、利用者Uによる第2価値媒体の使用と引換えに当該利用者Uにゲーム効果Eを付与する要素として包括的に表現される。
[第3実施形態]
第1実施形態においては、ゲームシステム1を構成する4個のゲームユニット11が共通の抽選ゲームを提供する形態を例示した。第3実施形態においては、ゲームシステム1を構成する4個のゲームユニット11が、相異なるタイトルの抽選ゲームを提供する形態である。例えば、第3実施形態のゲームシステム1においては、既存の4個のゲームユニット11のうち1以上のゲームユニット11が、新規なタイトルの抽選ゲームを提供するゲームユニット11に随時に交換される。各ゲームユニット11の交換の時期または交換後のタイトルは、ゲームシステム1が設置される遊技施設毎に相違する。すなわち、ゲームシステム1が提供する1以上の抽選ゲームのタイトルの組合せは、ゲームシステム1毎に相違する。
第3実施形態においては、第1実施形態と同様に、保有ポイントPa(特典ポイント)に応じた特典が利用者Uに付与される。ただし、第3実施形態のゲーム制御部231は、特典画面315(図9)に表示される特典の内容を、ゲームシステム1における各抽選ゲームのタイトルの組合せに応じて変更する。例えば、ゲームシステム1がタイトルAのゲームユニット11を含む場合には、当該タイトルAの抽選ゲームに適用される特典が特典画面315に含まれる。他方、ゲームシステム1がタイトルBのゲームユニット11を含む場合には、当該タイトルBの抽選ゲームに適用される特典が特典画面315に含まれる。
また、第1実施形態においては、保有ポイントPaが必要数317に到達することを条件として利用者Uに特典が付与される形態を例示したが、第3実施形態の特典画面315に表示される複数の特典のなかには、保有ポイントPa以外の条件の成立により利用者Uに付与される特典が含まれる。利用者Uが特典を取得するための条件は、ゲームシステム1における各抽選ゲームのタイトルの組合せに応じて変更される。例えば、ゲームシステム1がタイトルAのゲームユニット11を含む場合、当該タイトルAの抽選ゲームに関する条件の成立により利用者Uに付与される特典が、特典画面315に含まれる。例えば、当該特典は、タイトルAの抽選ゲームにおける第2抽選ゲームでの当選を条件として、利用者Uに付与される。また、例えば、ゲームシステム1がタイトルBのゲームユニット11を含む場合、当該タイトルBの抽選ゲームに関する条件の成立により利用者Uに付与される特典が、特典画面315に含まれる。例えば、当該特典は、タイトルBの抽選ゲームにおける第1抽選ゲームでの当選を条件として、利用者Uに付与される。以上の構成によれば、特定のタイトルに対応する特典を取得するためには、当該タイトルの抽選ゲームをプレイする必要がある。したがって、ゲームシステム1が提供する複数のタイトルの抽選ゲームを利用者Uがプレイすることを促進できる。また、複数のタイトルのうち特定のタイトルのみに利用者Uが集中する可能性を低減できる。
第3実施形態において、ゲームシステム1における各抽選ゲームのタイトルの組合せに応じて、効果選択部235が選択する1以上のゲーム効果Eが変化する形態も想定される。例えば、ゲームシステム1がタイトルAのゲームユニット11を含む場合と当該ゲームユニット11を含まない場合とにおいて、現在のゲーム状況Qが共通する場合でも、効果画面Gに表示される1以上のゲーム効果Eが相違する。例えば、相異なるタイトルの組合せに対応する複数の参照テーブルTが記憶装置24に記憶される。効果選択部235は、実際の各抽選ゲームのタイトルの組合せに対応する参照テーブルTを、選択的に参照することで、現在のゲーム状況Qに応じたゲーム効果Eを選択する。なお、抽選ゲームのタイトルの相異なる組合せについて、1個の参照テーブルTにゲーム状況Qとゲーム効果Eとが登録されてもよい。
[変形例]
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で併合してもよい。
(1)ゲーム効果Eの内容は前述の各形態における例示に限定されない。例えば、遊技媒体Mが落下口Oに落下した場合に利用者Uに付与されるクレジットの数量を増加させるゲーム効果Eが想定される。また、第2抽選ゲームにおける特別賞の当選確率を上昇させるゲーム効果Eも想定される。前述の通り、本開示におけるゲーム効果Eは、抽選ゲームにおける特定の目的を達成するために必要な時間を短縮できる効果として包括的に表現される。
(2)前述の各形態においては、効果選択部235が、ゲーム状況Qに応じたゲーム効果Eの選択(Sa3)と、利用者Uからの指示に応じたゲーム効果Eの選択(Sa8)とを実行する形態を例示したが、効果選択部235がゲーム効果Eを選択する方法は、以上の例示に限定されない。例えば、ゲーム状況Qに応じたゲーム効果Eの選択(Sa3)と、利用者Uからの指示に応じたゲーム効果Eの選択(Sa8)との一方は省略されてもよい。また、効果選択部235が複数のゲーム効果Eの何れかを無作為に選択する形態も想定される。以上の例示から理解される通り、効果選択部235によるゲーム効果Eの選択に、利用者Uからの指示または現在のゲーム状況Qが反映される構成は、省略されてよい。
(3)前述の各形態においては、利用者Uからの指示(Sa1:YES)を契機として図12の効果画面Gを表示したが、効果画面Gの表示の契機は以上の例示に限定されない。例えば、抽選ゲームの進行の過程において仮想的なショップが表示装置31に表示され、利用者Uのキャラクタが当該ショップに入店した場合に、当該時点におけるゲーム状況Qに応じた効果画面Gが表示されてもよい。また、抽選ゲームの進行の過程において特定の段階に到達したことを契機として、当該時点におけるゲーム状況Qに応じた効果画面Gが表示されてもよい。以上の説明から理解される通り、効果画面Gの表示について利用者Uからの指示は必須ではない。
(4)前述の各形態においては、有効回数Nが0に減少するまでゲーム効果Eが反復的に適用される形態を例示したが、ゲーム効果Eの回数を制限するための構成は、以上の例示に限定されない。例えば、効果付与部236によるゲーム効果Eの付与(Sa10)から所定の時間が経過するまで、ゲーム効果Eが反復的に適用される形態も想定される。ゲーム効果Eが有効に適用される時間を制限する構成においては、結果的にゲーム効果Eの適用の回数が制限される。したがって、有効回数Nが0に到達するまでゲーム効果Eが適用される前述の各形態の構成と、ゲーム効果Eが適用される時間を制限する構成とは、効果適用部237がゲーム効果Eの適用の回数を制限する構成として包括的に表現される。
(5)第2実施形態においては、効果ポイントの使用により利用者Uにゲーム効果Eが付与される形態を例示したが、利用者Uが効果ポイントをゲーム効果Eの取得以外の用途に使用できる形態も想定される。例えば、ゲーム効果Eの取得後に残存する保有ポイントPbと引換えに、利用者Uに各種の特典が付与される形態も想定される。例えば、保有ポイントPbと引換えに、抽選ゲームにおいて使用されるアイテム等の各種の特典が利用者Uに付与される。
なお、保有ポイントPbと交換される対象はアイテムに限定されない。例えば、効果ポイントとは別種のポイント(例えば前述の特典ポイント)に保有ポイントPbが交換されてもよい。以上の形態によれば、保有ポイントPbの使用後に残存した効果ポイントを利用者Uが有効に利用できる。したがって、効果ポイントを取得するために利用者Uが第2価値媒体(例えば物理貨幣)を消費することが促進される。
(6)状況取得部232が取得するゲーム状況Qの内容は、前述の各形態における例示に限定されない。例えば、利用者Uが抽選ゲームのプレイにより取得した第1価値媒体の数量、または、利用者Uが抽選ゲームにおいて使用した第1価値媒体の数量も、現在のゲーム状況Qとして例示される。
(7)前述の各形態においては、特別要素314の配列により通常抽選ゲームに当選した場合に利用者Uに特典ポイントを付与したが、特典ポイントの付与の条件は、以上の例示に限定されない。例えば、第1抽選ゲームまたは第2抽選ゲームにおいて当選した場合に、利用者Uに特典ポイントが付与されてもよい。また、抽選ゲームにおいて設定される各種の目標(ミッション)を利用者Uが達成した場合に、当該利用者Uに特典ポイントが付与されてもよい。
(8)前述の各形態においては、遊技媒体Mを移動させるプッシャーゲームを例示したが、本開示が適用されるゲームの種類は、以上の例示に限定されない。例えば、円板に形成された複数のポケットの何れかにボールを進入させるルーレット型の抽選ゲーム、仮想的な複数の競走馬を競走させた順位を抽選により決定する抽選ゲーム等、任意の種類の抽選ゲームに本開示は適用される。また、本開示が適用されるゲームについて抽選は必須の要件ではない。すなわち、抽選を必要としない任意のゲームに、本開示は適用される。
(9)前述の各形態においては、効果選択部235がゲーム効果Eを選択(Sa3,Sa8)してから、利用者Uによる第2価値媒体の投入を受付ける形態を例示したが、利用者Uによる第2価値媒体の投入を受付けてから、効果選択部235がゲーム効果Eを選択してもよい。すなわち、利用者Uが第2価値媒体を使用することを条件として、ゲーム効果Eの選択が実行されてもよい。例えば、図10の効果付与処理Saにおいて、利用者Uによる指示の受付(Sa1)またはゲーム状況Qの取得(Sa2)の前に、第2価値媒体を利用者Uから受付ける処理(Sa9)を実行してもよい。
(10)前述の各形態においては、第2価値媒体を受付ける受付装置34がステーション21に搭載された形態を例示したが、受付装置34は、事後的にステーション21に設置される外付け型の装置でもよい。また、受付装置34が設置されていないステーション21においては、前述の各形態において例示したゲーム効果Eに関する各種の処理を実行しない形態も想定される。すなわち、前述の効果付与処理Sa等のゲーム効果Eに関する処理を実行するか否かが、受付装置34の有無に応じて制御されてもよい。
(11)前述の各形態に係るゲームシステム1の機能は、制御装置23を構成する1以上のプロセッサと記憶装置24に記憶されたプログラムとの協働により実現される。以上のプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体も除外されない。また、配信装置が通信網を介してプログラムを配信する構成では、当該配信装置においてプログラムを記憶する記憶装置が、前述の非一過性の記録媒体に相当する。
[付記]
以上の記載から、例えば以下のように本開示の好適な態様が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の符号を便宜的に括弧書で併記するが、本開示を図示の態様に限定する趣旨ではない。
[付記1]
本開示のひとつの態様(付記1)に係るゲームシステム(1)は、利用者(U)による第1価値媒体の使用と引換えにゲームを進行するゲーム制御部(231)と、相異なる複数のゲーム効果(E)のうち1以上のゲーム効果(E)を選択する効果選択部(235)と、前記第1価値媒体とは別種の第2価値媒体の前記利用者(U)による使用と引換えに、当該利用者(U)に前記1以上のゲーム効果(E)を付与する効果付与部(236)と、前記1以上のゲーム効果(E)を前記ゲームに適用する効果適用部(237)とを具備する。以上の態様においては、利用者(U)による第2価値媒体の使用と引換えに、複数のゲーム効果(E)のうち1以上のゲーム効果(E)が選択的に付与および適用される。したがって、第2価値媒体の使用と引換えに1種類の効果のみが適用される構成と比較して、利用者(U)による第2価値媒体の使用を効果的に促進できる。
「価値媒体(第1価値媒体,第2価値媒体)」は、ゲームのプレイのために使用される価値を有する有体または無体の媒体である。有体の価値媒体は、例えば物理メダル(トークンコイン)、貨幣(コイン)またはチケットである。無体の価値媒体は、例えば電子メダル、電子貨幣(電子マネー)またはポイントである。第1価値媒体と第2価値媒体とは相異なる種類の価値媒体である。例えば第1価値媒体は物理メダルまたは電子メダルであり、第2価値媒体は物理貨幣または電子貨幣(すなわち通貨)である。第1価値媒体は、ゲームに専用される代用貨幣であり、第2価値媒体は実貨幣(法定通貨)であるとも換言される。第1価値媒体と第2価値媒体とが別種であるとは、各価値媒体が表す価値の実体的な意義が相違することを意味する。したがって、同種の通貨における相異なる金額の硬貨は、通貨としての実体的な意義が共通するから、価値媒体としては同種である。すなわち、同種の通貨における相異なる金額の硬貨は、第1価値媒体と第2価値媒体との関係には該当しない。
「第2価値媒体の使用」は、利用者(U)がゲーム効果(E)の取得のために第2価値媒体を消費することを意味する。例えば、第2価値媒体の使用の結果として直接的に利用者(U)にゲーム効果(E)が付与される形態が想定される。また、第2価値媒体の使用により利用者(U)に別種の価値媒体が付与され、当該価値媒体の消費により利用者(U)にゲーム効果(E)が付与される形態も想定される。すなわち、利用者(U)が第2価値媒体を使用した場合に、当該第2価値媒体から交換される価値媒体を介して間接的に利用者(U)にゲーム効果(E)が付与されてもよい。第2価値媒体から交換される価値媒体を「第2価値媒体」と解釈してもよい。
「ゲーム効果(E)」は、その適用により利用者(U)がゲームを有利に進行させることが可能となる効果を意味する。具体的には、ゲームにおける特定の目的を達成するために必要な時間を短縮できる効果が、「ゲーム効果(E)」の典型例である。ゲームにおける特定の目的とは、例えば所定数の配当または得点の取得である。
効果選択部(235)が1以上のゲーム効果(E)の選択に加味する要素は任意である。例えば、ゲームの状況(Q)に応じて1以上のゲーム効果(E)を選択する形態、または利用者(U)からの指示に応じて1以上のゲーム効果(E)を選択する形態が想定される。また、効果選択部(235)は、複数のゲーム効果(E)から確率的(すなわち無作為)に1以上のゲーム効果(E)を選択してもよい。
効果選択部(235)による1以上のゲーム効果(E)の選択が、第2価値媒体の使用を条件として実行されるか否かは不問である。例えば、ひとつの態様においては、第2価値媒体の使用を条件とせずに効果選択部(235)が選択した1以上のゲーム効果(E)が、第2価値媒体の使用を条件として利用者(U)に付与される。他の態様においては、第2価値媒体の使用を条件として、効果選択部(235)による1以上のゲーム効果(E)の選択と、効果付与部(236)による当該1以上のゲーム効果(E)の付与とが実行される。
[付記2]
付記1の具体例(付記2)において、前記ゲームの状況(Q)を取得する状況取得部(232)、をさらに具備し、前記効果選択部(235)は、前記複数のゲーム効果(E)から前記ゲームの状況(Q)に応じて前記1以上のゲーム効果(E)を選択する。以上の態様においては、ゲームの状況(Q)に応じて1以上のゲーム効果(E)が選択されるから、例えばゲームの状況(Q)に対して適切な1以上のゲーム効果(E)を選択できる。したがって、ゲームの状況(Q)とは無関係に1以上のゲーム効果(E)が選択される構成と比較して、利用者(U)による第2価値媒体の使用を有効に促進できる。
「ゲームの状況(Q)」は、例えば、ゲームに関する進行の状況、または利用者(U)によるゲームのプレイの状況を含む。前者の状況は、例えば、複数の段階(ステージ)の何れかに選択的に進行するゲームにおいて、利用者(U)がプレイしている現在の段階である。また、利用者(U)によるゲームのプレイの状況は、例えば利用者(U)がゲームにより取得した遊技媒体の数量等である。
[付記3]
付記2の具体例(付記3)において、前記効果選択部(235)は、前記ゲームの状況(Q)に応じて、前記複数のゲーム効果(E)の何れも選択しない場合がある。以上の態様においては、ゲームの状況(Q)によっては、効果選択部(235)が複数のゲーム効果(E)の何れも選択しない場合がある。したがって、ゲームの状況(Q)に応じた適切なゲーム効果(E)を選択できるという効果は格別に顕著である。
[付記4]
付記2または付記3の具体例(付記4)において、前記ゲームは、前記利用者(U)によるプレイに応じて複数の段階の何れかに進行し、前記ゲームの状況(Q)は、前記複数の段階のうち利用者(U)がプレイしている段階である。以上の態様においては、利用者(U)が現時点でプレイしている段階に対して適切なゲーム効果(E)を選択できる。したがって、現在の段階とは無関係に1以上のゲーム効果(E)が選択される構成と比較して、利用者(U)による第2価値媒体の使用を有効に促進できる。
「複数の段階」は、ゲームにおいて順次に展開される場面(ステージ)または状態を意味する。複数の段階の一例である「場面」としては、例えば、定常的に反復される通常の抽選ゲームが実行される場面,多量の価値媒体を取得可能な特定の抽選ゲームが実行される場面が例示される。また、複数の段階の一例である「状態」としては、利用者(U)による価値媒体の使用(例えばベット)を待機する場面,物理抽選機構による物理抽選が実行される状態,または表示装置に特定の画像が表示される状態が例示される。複数の段階の各々に遷移する順番は任意である。
[付記5]
付記1から付記4の何れかの具体例(付記5)において、前記利用者(U)による指示を受付ける指示受付部(233)、をさらに具備し、前記効果選択部(235)は、前記複数のゲーム効果(E)の一部または全部から、前記利用者(U)による指示に応じて前記1以上のゲーム効果(E)を選択する。以上の態様においては、1以上のゲーム効果(E)の選択に利用者(U)からの指示が加味されるから、例えば利用者(U)の意図または嗜好に対して適切な1以上のゲーム効果(E)を選択できる。したがって、利用者(U)の意図とは無関係に1以上のゲーム効果(E)が選択される構成と比較して、第2価値媒体の使用を有効に促進できる。
[付記6]
付記5の具体例(付記6)において、前記効果選択部(235)は、前記複数のゲーム効果(E)のうち2以上のゲーム効果(E)を表示装置(31)に表示させ、前記指示受付部(233)は、前記表示装置(31)による表示に対する前記利用者(U)からの指示を受付ける。以上の態様によれば、利用者(U)が、選択候補となる複数のゲーム効果(E)を確認したうえで、所望のゲーム効果(E)を指示できる。
[付記7]
付記1から付記5の何れかの具体例(付記7)において、前記効果選択部(235)は、前記1以上のゲーム効果(E)を表示装置(31)に表示させる。以上の態様によれば、利用者(U)がプレイするゲームに適用され得る1以上のゲーム効果(E)を利用者(U)が確認できる。
[付記8]
付記1から付記7の何れかの具体例(付記8)において、前記複数のゲーム効果(E)は、前記ゲームにおいて特定の目的を達成するために必要な時間を短縮させる効果を含む。以上の態様によれば、特定の目的を達成するために必要な時間を短縮させるゲーム効果(E)がゲームに適用されるから、特定の目的の達成を目指す利用者(U)が第2価値媒体を使用することを有効に促進できる。
[付記9]
付記8の具体例(付記9)において、前記複数のゲーム効果(E)は、前記ゲームにおいて所定の条件が成立した場合に利用者(U)に付与される遊技価値の数量を、当該ゲーム効果(E)が適用されていない場合と比較して増加させる効果を含む。以上の態様によれば、所定数の遊技価値を取得するために必要な時間が短縮されるから、遊技価値の取得を目指す利用者(U)が第2価値媒体を使用することを有効に促進できる。
「遊技価値」は、利用者(U)がゲームにおいて取得可能な価値である。例えばゲームに使用される前述の第1価値媒体が遊技価値として利用者(U)に付与される。また、第1価値媒体または第2価値媒体とは別種の遊技価値(例えばポイント)が利用者(U)に付与される。
「遊技価値の数量を増加させる」とは、ゲーム効果(E)が適用されていない場合の遊技価値の数量と比較して、利用者(U)に付与される遊技価値の数量を所定の比率(例えば+20%)または増加量(例えば+200枚)だけ増加することを意味する。
「所定の条件」は、ゲームに関する任意の条件である。例えば、抽選を含むゲームにおいては、当該抽選における当選が「所定の条件」として例示される。また、ゲームの進行により利用者(U)に遊技価値が付与されるゲームにおいては、当該遊技価値が所定数に到達することが「所定の条件」として例示される。また、複数の段階の何れかに選択的に進行するゲームにおいては、当該ゲームが特定の段階に進行することが「所定の条件」として例示される。すなわち、ゲームの状況(Q)が特定の状況に遷移することが「所定の条件」として例示される。
[付記10]
付記9の具体例(付記10)において、前記ゲームは抽選を含み、前記所定の条件は、前記抽選における当選である。以上の態様によれば、利用者(U)が抽選により所定数の遊技価値を取得するために必要な時間が短縮されるから、抽選による遊技価値の取得を目指す利用者(U)が第2価値媒体を使用することを有効に促進できる。
[付記11]
付記1から付記7の何れかの具体例(付記11)において、前記効果適用部(237)は、前記1以上のゲーム効果(E)が適用される回数(N)を制限する。以上の態様によれば、1以上のゲーム効果(E)が有効に適用される回数(N)が制限される。したがって、ゲーム効果(E)の種類または適用の時期等の種々の検討が重要な戦略性および興趣性の高いゲーム提供できる。
「抽選ゲームの回数(N)を制限する」とは、ゲームを構成する複数回の抽選ゲームの全部にわたり1以上のゲーム効果(E)が有効に適用されるわけではないことを意味する。ゲーム効果(E)が適用される抽選ゲームの回数(N)の制限は、抽選ゲームの回数(N)を所定の範囲内に制限する形態のほか、1以上のゲーム効果(E)が有効に適用される期間を制限する形態により実現される。
[付記12]
本開示のひとつの態様(付記12)に係るゲームシステム(1)の動作方法は、利用者(U)による第1価値媒体の使用と引換えにゲームを進行し、相異なる複数のゲーム効果(E)のうち1以上のゲーム効果(E)を選択し、前記第1価値媒体とは別種の第2価値媒体の前記利用者(U)による使用と引換えに、当該利用者(U)に前記1以上のゲーム効果(E)を付与し、前記1以上のゲーム効果(E)を前記ゲームに適用する。
[付記13]
本開示のひとつの態様(付記13)に係るプログラムは、利用者(U)による第1価値媒体の使用と引換えにゲームを進行するゲーム制御部(231)、相異なる複数のゲーム効果(E)のうち1以上のゲーム効果(E)を選択する効果選択部(235)、前記第1価値媒体とは別種の第2価値媒体の前記利用者(U)による使用と引換えに、当該利用者(U)に前記1以上のゲーム効果(E)を付与する効果付与部(236)、および、前記1以上のゲーム効果(E)を前記ゲームに適用する効果適用部(237)、としてコンピュータシステムを機能させる。