JP7113701B2 - 磁気補償装置および磁気補償方法 - Google Patents

磁気補償装置および磁気補償方法 Download PDF

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本発明は、磁気センサにより計測された磁気を補償する磁気補償装置および磁気補償方法に関する。
単一方向成分のみ感度を有する磁気センサを3つ用いて、全方位に感度を持たせるように構成された磁気センサシステムがある。以下、このように3つの磁気センサを用いた磁気センサシステムをベクトル型磁気センサと呼ぶ。ベクトル型磁気センサでは、互いに直交する3軸のそれぞれの方向に磁気センサを配置し、各軸に対応する磁気センサから得られる測定信号を合成することにより、磁場の測定結果が得られる。
ベクトル型磁気センサでは、以下に示す誤差が生じることが多い。
1)実装時の加工誤差等により、各磁気センサが感度を有する感度軸が、直交軸からずれるために発生するアライメント誤差。
2)各磁気センサのセンサ感度のばらつきにより発生する感度誤差。
これらの誤差は、雑音として磁場の測定結果に重畳される。このため、これらの誤差があると、センサの持つ感度を十分に引き出すことができない。特許文献1には、これらの誤差を補償するために、運用前に補償用のパラメータを取得しておく技術が開示されている。
特開平5-172919号公報
一方、海中又は海底の磁性体を観測するために用いることを目的として、磁力計を海洋ブイに搭載して海中に散布し、陸上、船上、航空機上等の遠隔地に設置される装置が、複数の海洋ブイから得られる磁気信号を処理する磁気計測システムがある。このような磁気計測システムにおいては、複数の海洋ブイが用いられる。これらの海洋ブイは運用終了後に海洋に投棄され、回収されない。
上記特許文献1に記載の技術では、超伝導磁力計が航空機等の移動物体に搭載されるシステムを前提としており、運用前に、地上において地磁気Hを一定にした状態で、センサブロックを色々な方向に向けることによりアライメント誤差および感度誤差といった誤差を測定しておく。上述した海洋ブイを用いた磁気計測システムに特許文献1に記載の技術を適用すると、磁力計ごとすなわち海洋ブイごとに、あらかじめアライメント誤差および感度誤差といった誤差の測定を行うことになり、運用前にこの測定のための作業工数を要する。海洋ブイを用いた磁気計測システムでは、海洋ブイが複数のこともあり、海洋ブイが複数の場合には、これらの測定を行うための作業工数が増大する。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、運用前の作業工数を抑制して誤差を補償することが可能な磁気補償装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる磁気補償装置は、磁気センサを備えるブイ部が水中に投下された後に、ブイ部から磁気センサにより検出された磁気信号を取得する取得部、磁気信号にフィルタ処理を行うフィルタと、を備える。磁気補償装置は、フィルタ処理後の磁気信号に基づいて、磁気信号の誤差を補償するための補償係数を算出する補償係数算出部と、補償係数と磁気信号とを用いて磁界を算出する磁界算出部と、を備える。フィルタは、周波数特性を変更可能な適応フィルタであり、通電開始からの経過時間に応じて周波数特性を変更する。
本発明によれば、運用前の作業工数を抑制し誤差を補償することが可能であるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる磁気計測システムの構成例を示す図 実施の形態1の直交座標系xyzと、u軸、v軸およびw軸との関係を示す図 実施の形態1のブイ部および遠隔装置のハードウェア構成例を示す図 実施の形態1のプロセッサを備える回路の構成例を示す図 実施の形態1のセンサ動揺振幅の変化の様子を示す図 実施の形態2にかかる磁気計測システムの構成例を示す図 実施の形態2のパラメータ更新を説明するための図 実施の形態3にかかる磁気計測システムの構成例を示す図 実施の形態4にかかる遠隔装置の構成例を示す図 帯域フィルタのかわりに帯域除去フィルタを用いる場合の実施の形態4の遠隔装置の構成例を示す図 帯域フィルタのかわりに適応フィルタを用いる場合の実施の形態4の遠隔装置の構成例を示す図 実施の形態4の適応フィルタの周波数特性の変更の一例を示す図 実施の形態5の運用形態の一例を示す図 実施の形態5の遠隔装置の構成例を示す図
以下に、本発明の実施の形態にかかる磁気補償装置および磁気補償方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる磁気計測システムの構成例を示す図である。図1に示すように、磁気計測システム20は、ブイ部21と遠隔装置22を備える。ブイ部21は海中に投下可能である。遠隔装置22は、例えば、航空機上、船上等のブイ部21から離れた遠隔地に配置される。図1では、ブイ部21を1つ図示しているが、ブイ部21は1つ以上であればよくブイ部21の数に制約は無い。本実施の形態の磁気計測システム20は、例えば、潜水艦等の目標を、磁気の乱れを検出することにより検知するために用いられる。
ブイ部21は、磁気センサ2A,2B,2Cを備えるセンサ部3と、磁気センサ2A,2B,2Cにより観測される電気特性を示す測定結果を、それぞれ磁場の強さを示す磁気信号に変換して出力する変換部1A,1B,1Cと、を備える。センサ部3は、ベクトル型磁気センサであり、磁気センサ2A,2B,2Cのそれぞれは単一方向に感度を有する。磁気センサ2A,2B,2Cは、例えば、MI(磁気インピーダンス:Magneto-Impedance)素子センサまたはMR(磁気抵抗効果:Magneto-Resistance effect)素子センサである。磁気センサ2A,2B,2CがMI素子センサの場合には、磁気センサ2A,2B,2Cは電気特性としてインピーダンスを示す測定結果を出力する。磁気センサ2A,2B,2CがMR素子センサの場合には、磁気センサ2A,2B,2Cは電気特性として抵抗値を示す測定結果を出力する。
ブイ部21は、さらに、変換部1A,1B,1Cからアナログ信号として出力される磁気信号を、それぞれディジタル信号に変換してディジタル磁気信号5A,5B,5Cとして出力するA/D(Analog/Digital)変換器4A,4B,4Cを備える。ブイ部21は、さらに、GPS(Global Positioning System)信号を受信することにより位置情報を取得して出力するGPS部12と、A/D変換器4A,4B,4Cからそれぞれ出力される信号とGPS部12から出力される位置情報とを多重化して遠隔装置22へ送信する多重化伝送部(図では、MUXと略す)6とを備える。ここでの多重化は、例えば、あらかじめ定められた伝送形式に従って複数の信号を1つの送信信号として送信することを意味する。あらかじめ定められた形式は、例えば、あらかじめ信号ごとに時間領域または周波数領域が定められたものであってもよいし、送信信号におけるビット配置が信号ごとに定められたものであってもよい。
センサ部3の磁気センサ2A,2B,2Cは、図1に示すように、互いに概ね直交する3つの平面にそれぞれ取り付けられる。図1に示すu軸は、磁気センサ2Aが感度を有する方向を示す軸であり、図1に示すv軸は、磁気センサ2Bが感度を有する方向を示す軸であり、図1に示すw軸は、磁気センサ2Cが感度を有する方向を示す軸である。
本実施の形態の磁気計測システム20は、磁気すなわち磁束密度の大きさBを算出する。直交座標系xyzにおける磁束密度のx軸、y軸およびz軸のそれぞれの成分をBx,By,Bzとすると、磁束密度の大きさBは以下の式(1)で表すことができる。
B=√(Bx+By+Bz) ・・・(1)
センサ部3の磁気センサ2A,2B,2Cのそれぞれに対応する軸が互いに直交したままセンサ部3が直交座標系xyzに対して傾いたとする。このとき、磁気センサ2A,2B,2Cのそれぞれに対応する軸をu軸、v軸およびw軸とすると、磁束密度の大きさB’は以下の式(2)で表すことができる。u軸、v軸およびw軸からなる座標系を以下座標系uvwという。
B’=√(Bu+Bv+Bw) ・・・(2)
座標系uvwが直交座標系である場合、センサ部3が傾いたとしても、ベクトル(Bx,By,Bz)とベクトル(Bu,Bv,Bw)は、向きは異なるが、磁束密度の大きさは等しい。すなわち、(1)で得られるBとB’は等しい。以上のように、センサ部3の磁気センサ2A,2B,2Cのそれぞれに対応する軸が互いに直交したまま傾いていても磁束密度Bの大きさは同じである。一方、一般には、実装時の加工誤差等により、座標系uvwは完全に直交しない。このように、座標系uvwの直交座標系からのずれであるアライメント誤差が存在すると、上記式(2)で算出した磁束密度の大きさB’は、直交座標系xyzにおける磁束密度Bと一致しなくなる。そこで、このアライメント誤差を求めて、アライメント誤差に起因する測定結果の誤差を補償する必要がある。以下、アライメント誤差に起因する測定結果の誤差の補償をアライメント誤差の補償とも呼ぶ。
図2は、直交座標系xyzと、u軸、v軸およびw軸との関係を示す図である。図2では、w軸をz軸と一致させている。アライメント誤差がない場合には、座標系uvwが直交座標系xyzに対して全体として傾いていたとしても、この傾きを補正すれば、u軸、v軸およびw軸は、それぞれx軸、y軸およびz軸に一致する。しかしながら、アライメント誤差がある場合、直交座標系xyzに対する全体としての傾きを補正しても、u軸、v軸およびw軸と、x軸、y軸およびz軸とは一致しない。図2では、直交座標系xyzに対する全体としての傾きを除いたときの直交座標系xyzと、u軸、v軸およびw軸との関係を示している。
以下では、図2に示すように、u軸とv軸がなす角度をπ/2+αとし、v軸とw軸がなす角度をπ/2+βとし、w軸とu軸とがなす角度をπ/2+γとし、アライメント誤差をこれらのパラメータα,β,γで表す。α,β,γは、後述するように、アライメント誤差を補償するためのパラメータである。
また、磁気センサ2A,2B,2Cの各々の利得をGu,Gv,Gwとした場合、直交座標系xyzにおける磁束密度の大きさBは、以下の式(3)で表すことができ、直交座標系uvwにおける磁束密度の大きさB’は、以下の式(4)で表すことができる。
B=√(GuBx+GvBy+GwBz) ・・・(3)
B’=√(GuBu+GvBv+GwBw) ・・・(4)
各磁気センサのセンサ感度のばらつきがあると、すなわちGu=Gv=Gwでないとすると、センサ部3が全体として傾いた場合、磁束密度の大きさBと磁束密度の大きさB’は一致しなくなり、測定結果に誤差が生じる。このように、感度のばらつきによる測定結果の誤差である感度誤差は、センサ部3の傾きに依存して変化する。また、上述したアライメント誤差もセンサ部3の傾きに依存して変化する。したがって、磁束密度自体は一定であっても、センサ部3により得られた測定結果を用いて算出される磁束密度の大きさは、センサ部3の傾きに応じて変化することになる。
以下、このようにセンサ部3の傾きに依存してアライメント誤差および感度誤差を動揺雑音とも呼ぶ。本実施の形態では、センサ部3が傾くことを利用して、傾きの異なる複数の状態で得られた測定結果を用い、動揺雑音を補償するためのパラメータを算出する。動揺雑音を補償するためのパラメータは、上述したα,β,γと利得Gu,Gv,Gwである。α,β,γと利得Gu,Gv,Gwの算出方法は、例えば、特許文献1に記載の方法と同様の方法を用いることができる。
図1の説明に戻る。遠隔装置22は、ブイ部21から取得した磁気信号に基づいて、磁気センサ2A,2B,2Cの誤差を補償し、誤差を補償した磁気信号に基づいて磁界を算出する磁気補償装置である。図1に示すように、遠隔装置22は、ブイ部21より送信された多重化信号を受信し、多重化信号からディジタル磁気信号5A,5B,5Cと位置情報とを分離する多重分離部(図では、DEMUXと略す)7を備える。多重分離部7は、磁気センサ2A,2B,2Cを備えるブイ部21が水中に投下された後に、ブイ部21から磁気センサ2A,2B,2Cにより検出された磁気信号を取得する取得部である。遠隔装置22は、さらに、動揺情報算出部8、補償係数算出部9、磁界算出部10および地磁気ベクトル算出部13を備える。多重分離部7により分離されたディジタル磁気信号5A,5B,5Cは、動揺情報算出部8、補償係数算出部9および磁界算出部10に入力される。多重分離部7により分離された位置情報は、地磁気ベクトル算出部13に入力される。
地磁気ベクトル算出部13は、位置情報に基づいて地磁気ベクトルを示す地磁気ベクトル情報を算出し、動揺情報算出部8へ出力する。地磁気ベクトル算出部13は、例えば、あらかじめ位置と対応する地磁気ベクトルとをテーブル形式で保持し、このテーブルを用いて地磁気ベクトル情報を算出してもよいし、位置に基づいて地磁気ベクトル情報を算出する算出式を保持し、この算出式を用いて地磁気ベクトル情報を算出してもよい。地磁気ベクトルは、地球固定座標系などの直交座標系である基準座標系で示されている。
動揺情報算出部8は、ディジタル磁気信号5A,5B,5Cおよび地磁気ベクトル情報を用いて、センサの動揺誤差に関する情報である動揺情報と、センサ部3の姿勢を示す姿勢情報とを算出する。姿勢情報は、センサ部3の姿勢すなわちセンサ部3の傾きを示す情報である。姿勢情報は、地磁気ベクトルHeの方向と大きさは一定とみなし、これに対するセンサを基準としたxyz座標系の相対位置を示したものである。相対位置を示す方法の例として、以下の2つがある。この直交座標系xyzは、上述した図2においてα,β,γの定義に用いられる座標系である。
(1)地磁気ベクトルHeと、z軸(=w軸。センサ2Cの感度方向)、x軸、及びy軸とのなす角(α、β、γ)
(2)上記xyz座標系におけるHeのベクトル座標(φx、φy、φz)
ここで、(2)は各センサから得られる磁場の大きさ(Um,Vm,Wm)にほぼ等しいため、各センサから得られる磁場の大きさ(Um,Vm,Wm)を姿勢情報として扱うことができる。また、動揺情報は、姿勢情報の時間微分と定義することができる。
補償係数算出部9は、磁気センサの動揺情報及びディジタル磁気信号5A,5B,5Cを基に、磁気センサ2A,2B,2Cの利得のばらつきを補償するためのパラメータ(Gu,Gv,Gw)とアライメント誤差を補償するためのパラメータ(α,β,γ)とを算出する。補償係数算出部9は、磁気センサ2A,2B,2Cにより検出された磁気信号に基づいて、磁気信号の誤差を補償するための補償係数を算出する。なお、補償係数算出部9におけるパラメータの算出方法は、どのような算出方法を用いてもよいが、例えば、特許文献1に記載の方法を用いることができる。なお、磁気センサ2A,2B,2Cが、例えば、MI素子センサまたはMR素子センサである場合、初期磁束は0であり、特許文献1のように初期磁束を算出する必要は無い。
スイッチ11は、補償係数算出部9と磁界算出部10との接続の有無を切り換えることができる。スイッチ11は、初期状態では、オフであり、補償係数算出部9と磁界算出部10とを接続しない状態である。スイッチ11は、補償係数算出部9により補償係数が算出されるとオンとなり、補償係数算出部9と磁界算出部10とを接続する。スイッチ11のオンとオフの制御は、遠隔装置22がユーザからの操作により行われてもよいし、補償係数算出部9が補償係数の算出を終了すると、スイッチ11をオンとするようスイッチ11を制御してもよい。
磁界算出部10は、ディジタル磁気信号5A,5B,5Cと補償係数算出部9において算出されたパラメータとを用いて、磁気センサ2A,2B,2Cの利得のばらつきとアライメント誤差とを補償した3軸合成処理を実施し、この処理により得られる3軸合成後の磁界Heを出力する。すなわち、磁界算出部10は、補償係数と磁気信号とを用いて磁界を算出する。なお、パラメータを用いた、磁気センサ2A,2B,2Cの利得のばらつきとアライメント誤差とを補償した3軸合成処理についても、どのような方法を用いてもよいが、例えば、特許文献1に記載の方法を用いることができる。
図3は、本実施の形態のブイ部21および遠隔装置22のハードウェア構成例を示す図である。図3に示すように、ブイ部21は、浮上部100、水中電子部110およびセンサ部3で構成される。浮上部100は、ブイ部21が海などの水中に投下された後に、水上に浮上する部分である。水中電子部110およびセンサ部3は、浮上部100と図示しない吊下ケーブルにより接続され、ブイ部21が投下された後に水中に沈降する。以下では、ブイ部21が海に投下される例を説明する。
浮上部100は、アンテナ101、送受信回路102、制御回路103および電源104を備える。電源104は、例えば海水電池であり、ブイ部21の各部への電源を供給する。水中電子部110は、信号変換回路111を備える。センサ部3は、増幅回路30A,30B,30Cと磁気センサ2A,2B,2Cとを備える。
センサ部3は、図1に示した磁気センサ2A,2B,2Cを備えるとともに、磁気センサ2A,2B,2Cからそれぞれ出力される信号を増幅する増幅回路30A,30B,30Cを備える。なお、増幅回路30A,30B,30Cを用いる必要のない磁気センサ2A,2B,2Cを用いる場合には、増幅回路30A、30B,30Cは不要である。図1では増幅回路30A,30B,30Cの図示を省略している。増幅回路30A,30B,30Cを備える場合、図1において、磁気センサ2A,2B,2Cから出力される信号は増幅回路30A,30B,30Cから出力される信号である。増幅回路30A,30B,30Cにより増幅された信号は、A/D変換器4A,4B,4Cを備える信号変換回路111に入力される。
図1に示した多重化伝送部6は、制御回路103、送受信回路102およびアンテナ101により実現される。図1に示したGPS部12は、送受信回路102およびアンテナ101により実現される。なお、送受信回路102およびアンテナ101とは別にGPS信号を受信するためのアンテナおよび受信機を備えていてもよい。制御回路103は、位置情報とA/D変換された信号とを多重化する。多重化された信号は送受信回路102およびアンテナ101を介して電波として放射される。
遠隔装置22は、図3に示すように、アンテナ201、送受信部202、処理回路203および表示部204を備える。
図1に示した多重分離部7は、アンテナ201、送受信部202および処理回路203により実現される。図1に示した動揺情報算出部8、補償係数算出部9、磁界算出部10および地磁気ベクトル算出部13は、処理回路203により実現される。表示部204は、ディスプレイ、液晶モニタなどであり、例えば、磁界算出部10により算出された磁界Heを表示する。
処理回路203および制御回路103は、専用のハードウェアとして構成されてもよいし、プロセッサを備えた回路であってもよい。処理回路203および制御回路103がプロセッサを備えた回路である場合、この回路は、図4に示すように、プロセッサ301およびメモリ302を備える。図4は、プロセッサを備える回路の構成例を示す図である。処理回路203および制御回路103が、プロセッサを備える回路である場合、処理回路203および制御回路103により実現される機能は、メモリ302に格納されたプログラムがプロセッサ301により実行されることにより実現される。なお、ブイ部21は一般に、運用終了後には使用されないすなわち使い捨てとなることが多い。このため、制御回路103は安価であることが望ましく、制御回路103がメモリを備える場合であっても、容量の少ない安価なメモリが用いられる。
次に、本実施の形態の動作について説明する。ブイ部21が海上に投下されると、ブイ部21は、海面に着水すると同時に浮上部100に設けられた図示しない展開機構を展開し、電源104が各部への通電を開始する。また、センサ部3は水中に沈降する。なお、ブイ部21は、例えば遠隔装置22が搭載される航空機または船などから射出される。
センサ部3の磁気センサ2A,2B,2Cは、通電とともに磁気のセンシングを開始し、沈降中にも磁気のセンシングを行っている。磁気センサ2A,2B,2Cでは、沈降中、吊下ケーブルを中心として回転する回転運動、上下運動等により、センサ部3全体の傾きが変化することにより動揺誤差が生じる。以下、動揺誤差のことを単に動揺とも呼ぶ。センサ部3の沈降が進み、到達深度に達した後しばらくの間、動揺は継続するが、徐々に動揺の振幅は収束していく。ただし、海流等の影響により、動揺が0となることはないが、実用上は問題はない。通常、回転運動、動揺が収束する過程で、オペレーション開始すなわち磁気の観測開始となる。
図5は、センサ動揺振幅の変化の様子を示す図である。図5の横軸は時刻を示し、図5の縦軸はセンサ動揺振幅、すなわち磁気センサ2A,2B,2Cの動揺の振幅を示す。ブイ部21が海上へ投下されるとブイ部21の各部への通電が開始される。この時点では、スイッチ11はオフ(OFF)である。スイッチ11がオフの期間では、遠隔装置22は、ブイ部21から送信された多重化信号を用いて、補償係数すなわちパラメータ(Gu,Gv,Gw)およびパラメータ(α,β,γ)を算出する。ブイ部21が海上への投下からオペレーション開始までの間は、センサ部3の位置および姿勢の変動が大きく、特許文献1のセンサブロックを色々な方向に向ける期間に相当する。したがって、この間に、特許文献1と同様に、異なる複数の時刻で得られた磁気センサ2A,2B,2Cの磁気信号に基づいて評価関数を0にするパラメータを定めることができる。
このように、本実施の形態では、補償係数算出部9は、ブイ部21が水中に投下されてから運用が開始される前の間に取得された磁気信号に基づいて補償係数を算出する。
なお、ブイ部21が海上へ投下されたときに、磁気センサ2A,2B,2Cが感度を有する方向、すなわちu軸、v軸、w軸の地磁気に対する方向がわからないため、補助情報として、GPS信号により得られるブイ部21の位置情報から、ブイ部21の位置における地磁気ベクトルを算出する。これにより、u軸、v軸、w軸のおおよその方向、すなわち上述したxyz座標系と基準座標系との差異がわかる。
オペレーション開始となった時点で、スイッチ11をオンとし、それまでに算出された補償係数を用いて、遠隔装置22は、3軸合成処理を実行する。一方、スイッチ11をオンとした時点で補償係数の算出処理はやめ、それまで算出された補償係数をメモリ等に記憶することにより、補償係数は3軸合成処理において継続的に使用される。
以上のように、本実施の形態では、ブイ部21の射出後からオペレーション開始までの間で、補償係数の算出処理を実施し、オペレーション開始後に、この算出処理で得られた補償係数を用いて3軸合成処理を実行するようにした。このため、補償係数算出を行うための十分な動揺情報を確保しつつ、現物の磁気センサを用いて運用中に自動的に取得することができる。このため、運用の前に補償係数すなわちパラメータを算出するための作業を行う必要がなく、運用前の作業工数を抑制して誤差を補償することができる。
また、実際に磁気の観測が行われる環境でパラメータを算出することができるので、事前にパラメータを算出しておく場合に比べて、精度良くアライメント誤差および感度誤差を補償することができる。また、センサ部3に固有の補償係数を、センサ部3に記憶しておく必要がないため、使い捨てとなることが多いブイ部21に高価なメモリを実装する必要がなくなる。ブイ部21に補償係数を格納するためのメモリを実装しない場合には、あらかじめセンサ部3の識別情報ごとに補償係数をデータベースなどにより保持しておき、ブイ部21から遠隔装置が識別情報を取得してデータベースから補償係数を取得する方法も考えられるが、この方法の場合では、識別情報の管理および補償係数のデータベースの管理が必要となる。本実施の形態の磁気計測システムは、このような管理も不要であり、運用者にとっての使い勝手が良い。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2にかかる磁気計測システムの構成例を示す図である。図6に示すように、本実施の形態の磁気計測システム20aは、ブイ部21と遠隔装置22aを備える。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は、実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
本実施の形態の遠隔装置22aは、実施の形態1の遠隔装置22にスムージング処理部14および連続適応処理部15を追加しスイッチ11を削除する以外は、実施の形態1の遠隔装置22と同様である。本実施の形態のハードウェア構成は実施の形態1と同様であり、本実施の形態のスムージング処理部14および連続適応処理部15は、図3に示した処理回路203により実現される。
次に、本実施の動作について説明する。図7は、本実施の形態のパラメータ更新を説明するための図である。図7の横軸は時刻を示し、図7の縦軸はセンサ動揺振幅を示す。図7に示す期間401は、実施の形態1と同様に補償係数を算出する期間である。期間402は、オペレーション期間、すなわち磁気を観測する期間である。実施の形態1では、オペレーション開始前の期間で補償係数を算出し、その後は補償係数を更新していなかったが、本実施の形態では、図7に示すように、オペレーション開始前の期間で算出した補償係数を初期値とし、オペレーション期間において補償係数を更新する。
オペレーション開始後、まず、補償係数算出部9から出力される補償係数であるパラメータは、パラメータの初期値(Gu0,Gv0,Gw0)、(α0,β0,γ0)として、連続適応処理部15へ入力する。本実施の形態では、多重分離部7により分離されたディジタル磁気信号5A,5B,5Cは、実施の形態1と同様に動揺情報算出部8、補償係数算出部9および磁界算出部10へ入力されるとともに、スムージング処理部14へも入力される。スムージング処理部14は、カルマンフィルタ等を用いてディジタル磁気信号5A,5B,5Cに対してスムージング処理を実施し、処理後の信号を連続適応処理部15へ出力する。また、本実施の形態では、動揺情報算出部8により算出された動揺情報および姿勢情報は、連続適応処理部15にも入力される。連続適応処理部15は、パラメータの初期値(Gu0,Gv0,Gw0)、(α0,β0,γ0)を受け取ると、磁界算出部10へ出力する。磁界算出部10は、連続適応処理部15から受け取ったパラメータとディジタル磁気信号5A,5B,5Cとを用いて実施の形態1と同様に、3軸合成処理を実施する。
連続適応処理部15は、パラメータ更新のタイミングになると、パラメータの初期値、動揺情報、姿勢情報およびスムージング処理部14から入力される信号を用いて、パラメータを更新し、更新後のパラメータ(Gu,Gv,Gw)、(α,β,γ)を磁界算出部10へ出力する。連続適応処理部15は、運用が開始された後に取得された磁気信号に基づいて、補償係数算出部9により算出された補償係数を初期値として補償係数を算出する適応処理部である。パラメータの更新はどのような方法で用いられてもよいが、(Gu0,Gv0,Gw0)、(α0,β0,γ0)を初期値として用いて、補償係数算出部9と同様に評価関数を0とするようにパラメータを求めることができる。なお、期間402では、期間401に比べて、姿勢の変動などが少ないためセンサ動揺振幅の変化に比べて相対的に動揺雑音以外の雑音が大きくなるため、動揺雑音以外の雑音の影響を受けやすくなる。そのため、スムージング処理部14によりスムージング処理を実施した後の信号を用いることで、動揺雑音以外の雑音の影響を抑制することができる。2回目以降のパラメータの更新では、連続適応処理部15は、(Gu0,Gv0,Gw0)、(α0,β0,γ0)を初期値として用いてもよいし、前回の更新で算出されたパラメータを初期値として用いてもよい。なお、スムージング処理部14は必須ではなく、スムージング処理部14を設けなくてもよい。
磁界算出部10は、連続適応処理部15から更新後のパラメータを受けとると、更新後のパラメータを用いて3軸合成処理を実施する。次にパラメータを受け取るまでの間は、連続適応処理部15では同じパラメータが用いられる。期間402におけるパラメータ更新はどのようなタイミングで行われてもよいが、例えば一定周期ごとにパラメータの更新を行うことができる。
以上のように、本実施の形態では、オペレーションの開始後に、補償係数を更新するようにした。このため、補償係数算出を行うための十分な動揺情報を確保しつつ、現物の磁気センサを用いて運用中に自動的に取得することができる。このため、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、期間402においてアライメントなどが変化する場合であっても、実施の形態1に比べて精度良く補償することができる。
実施の形態3.
図8は、本発明の実施の形態3にかかる磁気計測システムの構成例を示す図である。図8に示すように、本実施の形態の磁気計測システム20bは、ブイ部21aと遠隔装置22bを備える。実施の形態1または実施の形態2と同様の機能を有する構成要素は、実施の形態2と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1および実施の形態2と異なる点を中心に説明する。
本実施のブイ部21aは、実施の形態1および実施の形態2のブイ部21に補償係数メモリ16Aを追加する以外は、実施の形態1および実施の形態2のブイ部21と同様である。補償係数メモリ16Aは、ブイ部21aの出荷前にあらかじめ算出された補償係数の概数が格納される。算出された補償係数の有効桁数を算出された値自体から削減して概数として記憶することにより、算出された補償係数自体をメモリに記録する場合に比べメモリの容量を削減することができる。このため、補償係数メモリ16Aには、容量の少ないまたは語長の短い、廉価なメモリまたはスイッチアレイ等を用いることができる。また、この補償係数は、概数であるため、実機を用いた精度のよい測定などにより算出する必要はなく、製品検査時の測定などに基づくものでよい。したがって、この補償係数を求めるために、磁気計測システムの運用者が作業を行う必要は無い。
本実施の形態の遠隔装置22bは、実施の形態2の遠隔装置22aから補償係数算出部9を削除する以外は実施の形態2の遠隔装置22aと同様である。
次に、本実施の動作について説明する。本実施の形態では、ブイ部21aが海上に投下されて通電が開始されると、多重化伝送部6は、補償係数メモリ16Aに格納されている補償係数の概数を補償係数の初期値16Bとして、多重化伝送部6によってディジタル磁気信号5A,5B,5Cおよび位置情報と多重され、遠隔装置22bへ送信される。遠隔装置22bでは、多重分離部7が、受信した信号を分離して、分離して得られた初期値16Bを連続適応処理部15へ入力する。
連続適応処理部15は、実施の形態2の期間402における動作と同様に、入力された初期値16B、動揺情報、姿勢情報およびスムージング処理部14から入力される信号を用いて、パラメータを更新し、更新後のパラメータ(Gu,Gv,Gw)、(α,β,γ)を磁界算出部10へ出力する。2回目以降のパラメータの更新では、連続適応処理部15は、初期値16Bを初期値として用いてもよいし、前回の更新で算出されたパラメータを初期値として用いてもよい。実施の形態2では、期間402で更新処理が行われていたのに対し、本実施の形態では、上記のように通電開始後から更新処理が実施される。すなわち、本実施の形態では、連続適応処理部15は、ブイ部21aから取得された、補償係数の概数を初期値として、磁気信号に基づいて補償係数を算出する適応処理部である。
以上のように、本実施の形態では、ブイ部21aが、あらかじめ算出された補償係数の概数を保持し、通電開始後に遠隔装置22bへ送信するようにした。そして、遠隔装置22bが、受信した補償係数の概数を初期値として用いてパラメータを更新するようにした。このため、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、実施の形態1および実施の形態2に比べてオペレーションの開始を早めることができる。
実施の形態4.
図9は、本発明の実施の形態4にかかる遠隔装置の構成例を示す図である。本実施の形態のブイ部21は実施の形態1および実施の形態2と同様であるため図示および説明を省略する。図9に示すように、本実施の形態の遠隔装置22cは、実施の形態2の遠隔装置22aに帯域フィルタ17A,17B,17Cを追加する以外は、実施の形態2の遠隔装置22aと同様である。実施の形態1または実施の形態2と同様の機能を有する構成要素は、実施の形態2と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1および実施の形態2と異なる点を中心に説明する。
磁気信号にフィルタ処理を行うフィルタの一例である帯域フィルタ17A,17B,17Cは、磁気センサ2A,2B,2Cにおけるアライメント誤差等の変動の周波数帯域の信号を通過させ、他の周波数帯域の信号を通過させないBPF(Band Pass Filter:バンドパスフィルタ)である。アライメント誤差等の変動の周波数帯域は、ブイ部21の構造による各軸の特性から、あらかじめおおよそ予測できる。このため、帯域フィルタ17A,17B,17Cにおける通過帯域をこの予測に基づいて設定しておく。u軸,v軸,w軸のそれぞれで特性が異なることも考えられるため、帯域フィルタ17A,17B,17Cの通過帯域はそれぞれ異なっていてもよい。本実施の形態では、帯域フィルタ17A,17B,17Cを用いることにより、地磁気変動に由来する低周波成分、他の雑音成分等を除去することができ、補償係数の算出精度を向上させることができ、また補償係数の収束時間を短縮させることができる。
本実施の形態では、多重分離部7から出力されるディジタル磁気信号5A,5B,5Cは、それぞれ帯域フィルタ17A,17B,17Cに入力される。帯域フィルタ17A,17B,17Cを通過した信号は動揺情報算出部8、補償係数算出部9およびスムージング処理部14に入力される。動揺情報算出部8、補償係数算出部9およびスムージング処理部14は、実施の形態2で多重分離部7から入力されるディジタル磁気信号5A,5B,5Cのかわりに、帯域フィルタ17A,17B,17Cを通過した信号を用いて、実施の形態2と同様の動作を実施する。一方、磁界算出部10には、実施の形態2と同様に、多重分離部7から出力されるディジタル磁気信号5A,5B,5Cが入力される。
また、アライメント誤差などを補償するための補償係数の算出に用いる動揺の成分とは異なる、特定の周波数の成分が磁気センサ2A,2B,2Cの出力信号に含まれることが明らかな場合、この特定の周波数の成分を除去する帯域除去フィルタ(BEF:Band Elimination Filter)を用いてもよい。帯域除去フィルタも磁気信号にフィルタ処理を行うフィルタの一例である。図10は、帯域フィルタ17A,17B,17Cのかわりに帯域除去フィルタを用いる場合の遠隔装置の構成例を示す図である。図10に示した遠隔装置22dは、帯域フィルタ17A,17B,17Cのかわりに帯域除去フィルタ17D,17E,17Fを備える以外は、図9に示した遠隔装置22cと同様である。帯域除去フィルタ17D,17E,17Fは、上述したように特定の周波数の成分を除去する。
特定の周波数の一例としては、地磁気の乱れに相当する周波数成分が挙げられる。補償係数の算出に当たって地磁気は一定であることを前提としているため、地磁気の乱れは補償係数の算出の上で雑音になる。このため、図10に示した遠隔装置22dは、雑音除去のために、帯域除去フィルタ17D,17E,17Fを備えている。また、磁気計測システムが、目標を検出するためのシステムである場合、目標に対応する目標信号が含まれたまま補償係数を算出すると、磁界算出部10における処理において目標信号自体を消してしまうような補償処理が行われる可能性がある。このため、目標探知性能維持の観点から、帯域除去フィルタ17D,17E,17Fにより目標信号の周波数帯を除去するようにしてもよい。
また、一般に、オペレーションのフェーズごとに、すなわちオペレーション開始からの経過時間とともにセンサ動揺の周波数特性が変化する。このため、フィルタの周波数特性を適応的に変更することが可能な適応フィルタを用いてもよい。適用フィルタも、磁気信号にフィルタ処理を行うフィルタの一例である。図11は、帯域フィルタ17A,17B,17Cのかわりに適応フィルタを用いる場合の遠隔装置の構成例を示す図である。図11に示した遠隔装置22eは、帯域フィルタ17A,17B,17Cのかわりに適応フィルタ17G,17H,17Jを備える以外は、図9に示した遠隔装置22cと同様である。適応フィルタ17G,17H,17Jは、上述したように特定の周波数の成分を除去する。
適応フィルタ17G,17H,17Jは、周波数特性を変更可能なフィルタである。例えば、通電開始からの経過時間に応じて、適応フィルタ17G,17H,17Jの周波数特性を変更して、通過させる周波数帯を変更する。これにより、磁気センサ2A,2B,2Cの動揺の周波数の時間的な変化に応じて、適応フィルタ17G,17H,17Jの周波数帯を変更することができ、より適切に動揺の周波数成分を抽出することができる。図12は、適応フィルタ17G,17H,17Jの周波数特性の変更の一例を示す図である。図12に示した例では、期間401は、補償係数の初期値を算出する期間であり、期間402aはオペレーションを行う期間である。通電開始後の特性#1使用区間では、適応フィルタ17G,17H,17Jの周波数特性を特性#1に設定し、次の特性#2使用区間では、適応フィルタ17G,17H,17Jの周波数特性を特性#2に設定する。その後、特性#3使用区間では、適応フィルタ17G,17H,17Jの周波数特性を特性#3に設定し、特性#4使用区間では、適応フィルタ17G,17H,17Jの周波数特性を特性#4に設定する。図12に示した例では、時間の経過とともに、適応フィルタ17G,17H,17Jが通過させる帯域幅が狭くなっていっている。これは、時間の経過とともにセンサの動揺が収まり、動揺の周波数帯が狭くなることに対応させているためである。なお、適応フィルタ17G,17H,17Jの周波数特性は、それぞれ異なっていてもよい。
適応フィルタのフィルタ特定の更新については、例えば、オペレーション開始から、一定の時間間隔で行われる。また、オペレータの終了は、一般に、オペレータの裁量によって決定される。オペレーションフェーズでは、適応フィルタのフィルタ特性は原則一定の時間間隔で更新し続けられるが、フィルタ特性が安定すれば、オペレータは途中で適応フィルタのフィルタ特定の更新を停止させてもよい。また、適応フィルタのフィルタ特定の更新のタイミングについても、オペレータの裁量によって変更されてもよい。
なお、本実施の形態では、実施の形態2の遠隔装置に各フィルタを追加する例を説明したが、実施の形態1または実施の形態3の遠隔装置に同様に各フィルタを追加してもよい。
以上のように、本実施の形態では、遠隔装置が、ブイ部から受信したディジタル磁気信号にフィルタ処理を実施し、フィルタ処理後の信号を用いて補償係数を算出するようにした。これにより、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、補償係数の算出精度を実施の形態1より向上させることができる。
実施の形態5.
図13は、本発明にかかる実施の形態5の運用形態の一例を示す図である。図14は、本実施の形態の遠隔装置22fの構成例を示す図である。本実施の形態のブイ部21は実施の形態1および実施の形態2と同様であるため図示および説明を省略する。ただし、本実施の形態の磁気計測システムでは、ブイ部21は複数である。複数のブイ部21の一例として、図13では、ブイ部21-1~21-3を示している。ブイ部21の数は、図13に示した例に限定されない。実施の形態1から実施の形態4と同様の機能を有する構成要素は、実施の形態2と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1から実施の形態4と異なる点を中心に説明する。
図13に示すように、本実施の形態では、まず、ブイ部21-1を航空機などの機体から海上に投下する。次に、ブイ部21-2が機体から投下され、さらにその次にブイ部21-3が機体から投下される。航空機は例えば遠隔装置22fが搭載される航空機であるが、遠隔装置22fが搭載される機体とブイ部21-1~21-3を投下する機体は異なっていてもよい。本実施の形態では、ブイ部21-2,21-3よりも先に投下されるブイ部21-1をリファレンスブイとして用いて、リファレンスブイの動揺情報に基づいて補償係数を算出する。
図14に示すように、本実施の形態の遠隔装置22fは、実施の形態4の遠隔装置22cに動揺情報算出部8Bを追加し、動揺情報算出部8のかわりに動揺情報算出部8Cを備える以外は、実施の形態4の遠隔装置22cと同様である。
次に、本実施の形態の動作について説明する。ブイ部21に実装される磁気センサ2A,2B,2Cの動揺の要因は、大別して
(1)ブイ部21固有の振動
(2)海域または海流に由来する振動
に分類される。(1)はブイ部21の投下後、時間経過に伴い減衰する傾向にあるが、(2)はオペレーション中も継続する。
リファレンスブイであるブイ部21-1は、ブイ部21-2,21-3よりも先に投下されるため、ブイ部21-2,21-3より(1)の動揺が収束している。このため、ブイ部21-1では、動揺全体における上記(2)の比率がブイ部21-2,21-3より高い。一方、上記(2)の成分は海域または海流に由来するためブイ部21-1~21-3の間で類似した値になると想定される。また、(1)の成分はブイ部21-1~21-3の構造に由来するため、ブイ部21投下後のセンサ動揺成分は概算で予測可能である。一方、(2)は予測することが難しい。
これらのことから、遠隔装置22fでは、動揺情報算出部8Bが、ブイ部21-1から受信したディジタル磁気信号5A,5B,5Cを用いて、リファレンスブイの動揺情報をリファレンス情報として算出し、算出したリファレンス情報を動揺情報算出部8Cに出力する。ディジタル磁気信号5A,5B,5Cは、多重分離部7が受信して分離して動揺情報算出部8Bに出力してもよいし、多重分離部7とは別に、リファレンスブイのディジタル磁気信号5A,5B,5Cを受信する送受信手段を設けてもよい。例えば、ブイ部21ごとに異なる周波数または異なる時間帯で信号を送信することとし、多重分離部7が、ブイ部21-1とブイ部21-2の両方の信号を受信して、周波数または時間帯ごとにこれらの信号を分離してもよい。
多重分離部7は、ブイ部21-2から受信した信号を分離し、実施の形態4と同様に、ブイ部21-2のディジタル磁気信号5A,5B,5Cを、帯域フィルタ17A,17B,17Cにそれぞれ出力するとともに磁界算出部10へ出力する。また、ブイ部21-2から受信した信号から分離した位置情報を地磁気ベクトル算出部13へ出力する。動揺情報算出部8Cは、リファレンス情報と帯域フィルタ17A,17B,17Cからそれぞれ出力される信号とを用いてブイ部21-2の動揺情報を算出する。具体的には、動揺情報算出部8Cは、ブイ部21-2の動揺情報を実施の形態4と同様に算出した後、リファレンス情報を用いて動揺情報を補正し、補正した後の動揺情報を補償係数算出部9および連続適応処理部15へ出力する。具体的には、磁気雑音である(2)の成分すなわちリファレンス情報をブイ部21-2の動揺情報から差し引くことで、磁気雑音を取り除いたブイ部21-2の動揺情報を算出することができる。以上の処理により、ブイ部21-2の動揺情報の算出精度を高めることができる。遠隔装置22fは、ブイ部21-3についても同様に、ブイ部21-1の情報を用いて、ブイ部21-3の動揺情報を算出することができる。
以上のように、本実施の形態では、ブイ部21として、第1のブイ部であるブイ部21-1、第2のブイ部であるブイ部21-2,21-3を含む。そして、遠隔装置22fは、第2のブイ部より先に水中に投下され第1のブイ部から取得した磁気信号であるリファレンス信号の変動をリファレンス情報として算出するリファレンス情報算出部である動揺情報算出部8Bを備える。また、動揺情報算出部8Cは、リファレンス情報に基づいて、ブイ部21-2から取得した磁気信号の変動を補正する。適応処理部である連続適応処理部15は、動揺情報算出部8Cにより補正された磁気信号の変動に基づいてブイ部21-2に対応する補償係数を算出する。
なお、以上の説明では、実施の形態4の遠隔装置22cに動揺情報算出部8Bを追加し、動揺情報算出部8のかわりに動揺情報算出部8Cを備える例を説明したが、同様に、実施の形態4の遠隔装置22d,22eに動揺情報算出部8Bを追加し、動揺情報算出部8のかわりに動揺情報算出部8Cを備えるようにしてもよい。また、実施の形態1から実施の形態3の遠隔装置に、同様に、動揺情報算出部8Bを追加し、動揺情報算出部8のかわりに動揺情報算出部8Cを備えるようにしてもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1A,1B,1C 変換部、2A,2B,2C 磁気センサ、3 センサ部、4A,4B,4C A/D変換器、6 多重化伝送部、7 多重分離部、8,8B,8C 動揺情報算出部、9 補償係数算出部、10 磁界算出部、11 スイッチ、12 GPS部、13 地磁気ベクトル算出部、14 スムージング処理部、15 連続適応処理部、16A 補償係数メモリ、17A,17B,17C 帯域フィルタ、17D,17E,17F 帯域除去フィルタ、17G,17H,17J 適応フィルタ、20,20a,20b 磁気計測システム、21,21-1~21-3,21a ブイ部、22,22a,22b,22c,22d,22e,22f 遠隔装置。

Claims (11)

  1. 磁気センサを備えるブイ部が水中に投下された後に、前記ブイ部から前記磁気センサにより検出された磁気信号を取得する取得部と、
    前記磁気信号にフィルタ処理を行うフィルタと、
    前記フィルタ処理後の前記磁気信号に基づいて、前記磁気信号の誤差を補償するための補償係数を算出する補償係数算出部と、
    前記補償係数と前記磁気信号とを用いて磁界を算出する磁界算出部と、
    を備え
    前記フィルタは、周波数特性を変更可能な適応フィルタであり、通電開始からの経過時間に応じて前記周波数特性を変更することを特徴とする磁気補償装置。
  2. 前記補償係数算出部は、
    前記ブイ部が水中に投下されてから運用が開始される前の間に取得された前記磁気信号に基づいて前記補償係数を算出することを特徴とする請求項1に記載の磁気補償装置。
  3. 運用が開始された後に取得された前記磁気信号に基づいて、前記補償係数算出部により算出された前記補償係数を初期値として補償係数を算出する適応処理部を備えることを特徴とする請求項1に記載の磁気補償装置。
  4. 前記ブイ部から取得された、前記補償係数の概数を初期値として、前記磁気信号に基づいて前記補償係数を算出する適応処理部を備えることを特徴とする請求項1に記載の磁気補償装置。
  5. 前記磁気信号に対してスムージング処理を行うスムージング部を備え、
    前記適応処理部は、前記スムージング処理後の前記磁気信号に基づいて前記補償係数を算出することを特徴とする請求項3または4に記載の磁気補償装置。
  6. 前記磁気信号にフィルタ処理を行うフィルタを備え、
    前記補償係数算出部は、前記フィルタ処理後の前記磁気信号に基づいて前記補償係数を算出し、
    前記スムージング部は、前記フィルタ処理後の前記磁気信号に対して前記スムージング処理を実施することを特徴とする請求項5に記載の磁気補償装置。
  7. 前記フィルタは、バンドパスフィルタであることを特徴とする請求項6に記載の磁気補償装置。
  8. 前記フィルタは、帯域除去フィルタであることを特徴とする請求項6に記載の磁気補償装置。
  9. 前記ブイ部は第1のブイ部と第2のブイ部を含み、
    前記第2のブイ部より先に水中に投下され前記第1のブイ部から取得した磁気信号であるリファレンス信号の変動をリファレンス情報として算出するリファレンス情報算出部と、
    前記リファレンス情報に基づいて、前記第2のブイ部から取得した前記磁気信号の変動を補正する動揺情報算出部と、
    を備え、
    前記適応処理部は、前記動揺情報算出部により補正された前記磁気信号の変動に基づいて前記第2のブイ部に対応する前記補償係数を算出することを特徴とする請求項5からのいずれか1つに記載の磁気補償装置。
  10. 磁気センサを備えるブイ部が水中に投下された後に、前記ブイ部から前記磁気センサにより検出された磁気信号を取得する取得部と、
    前記磁気信号に基づいて、前記磁気信号の誤差を補償するための補償係数を算出する補償係数算出部と、
    前記補償係数と前記磁気信号とを用いて磁界を算出する磁界算出部と、
    運用が開始された後に取得された前記磁気信号に基づいて、前記補償係数算出部により算出された前記補償係数を初期値として補償係数を算出する適応処理部と、
    前記ブイ部は第1のブイ部と第2のブイ部を含み、前記第2のブイ部より先に水中に投下され前記第1のブイ部から取得した磁気信号であるリファレンス信号の変動をリファレンス情報として算出するリファレンス情報算出部と、
    前記リファレンス情報に基づいて、前記第2のブイ部から取得した前記磁気信号の変動を補正する動揺情報算出部と、
    を備え
    前記適応処理部は、前記動揺情報算出部により補正された前記磁気信号の変動に基づいて前記第2のブイ部に対応する前記補償係数を算出することを特徴とする磁気補償装置。
  11. 磁気センサを備えるブイ部により取得された磁気信号に基づいて磁界を算出する遠隔装置における磁気補償方法であって、
    前記ブイ部が水中に投下された後に、前記ブイ部から前記磁気センサにより検出された前記磁気信号を取得する取得ステップと、
    前記磁気信号に、周波数特性を変更可能な適応フィルタを用いてフィルタ処理を行うフィルタ処理ステップと、
    前記フィルタ処理後の前記磁気信号に基づいて、前記磁気信号の誤差を補償するための補償係数を算出する補償係数算出ステップと、
    前記補償係数と前記磁気信号とを用いて前記磁界を算出する磁界算出ステップと、
    を含み、
    前記フィルタ処理ステップでは、通電開始からの経過時間に応じて前記周波数特性を変更することを特徴とする磁気補償方法。
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