JP7113511B2 - ブリッジ型の酸化スズ含有シートとその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ノナナールやメタン等を検知するガスセンサとして有用なブリッジ型の酸化スズ含有シートとその製造方法に関する。
酸化物材料、半導体材料、無機材料、金属材料、複合材料、有機材料、および炭素材料等の各種材料は、ガスセンサ、溶液センサ、電池材料、または人工光合成材料等として有用であり、広範囲に渡って産業利用されている。ナノメートルサイズやマイクロメートルサイズの微細構造が特性に大きな影響を及ぼすので、これらの材料は、微細構造の制御が求められている。特に、表面を反応部位とするガスセンサや溶液センサ等のデバイスでは、検知対象のガスや溶液と効果的に接触できる反応部位構造の開発が求められている。さらに、この反応部位構造には、大きい表面積、検知対象が内部まで到達する構造、高感度化等を図るための形状が求められている。
特許文献1では、酸化スズ粒子膜と、シート型酸化スズの複合材料により、ガスセンサが構築されている。このガスセンサは、肺がん患者の呼気に含まれるとの報告があるノナナール分子を対象とし、電気抵抗変化によって検知する。しかしながら、このシート型酸化スズの複合材料は、電子顕微鏡でシートがわずかに観察される程度であり、表面積の増大や微細構造の制御が課題であった。
特開2016-17760号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、表面積が大きく、ガスセンサとして有用な材料を提供することを目的とする。
本発明の酸化スズ含有シートは、複数の酸化スズのナノシート片が集合してなる中央シート部と、中央シート部の少なくとも一部の両面に付着し、中央シート部の複数のナノシート片の集合密度よりも低い集合密度で、複数の酸化スズのナノシート片が集合してなる周辺部とを有する。
本発明の酸化スズ含有素子は、基材と、基材に設けられた少なくとも一対の電極と、一対の電極に支持された酸化スズ含有シートと、を有し、酸化スズ含有シートは、一対の電極を橋脚として、基材上に架け渡されたブリッジ形状を備え、酸化スズ含有シートのうち基材から浮いている部分は、複数の酸化スズのナノシート片が集合してなる中央シート部と、中央シート部の少なくとも一部の両面に付着し、中央シート部の複数のナノシート片の集合密度よりも低い集合密度で、複数の酸化スズのナノシート片が集合してなる周辺部と、を有する構造をなしている。
本発明のガスセンサは、本発明の酸化スズ含有素子を有し、ノナナール、メタン、または水素を検知する。
本発明の酸化スズ含有シートの製造方法は、フッ化スズ含有溶液に不溶の少なくとも一対の足場を備えた基材を、酸化スズ前駆体を含有するフッ化スズ含有溶液中に浸して、一対の足場に架け渡された酸化スズ含有シートを形成する浸漬工程を有する。
本発明の酸化スズ含有素子の製造方法は、基材と、少なくとも一対の電極とを備える電極基材を、酸化スズ前駆体を含有し、基材の表面を溶かす液体中に浸して、電極基材に酸化スズ含有シートを形成する浸漬工程を有する。
本発明のある態様によれば、表面積が大きく、ガスセンサとして有用な酸化スズ含有シートまたは酸化スズ含有素子が得られる。また、本発明の他の態様によれば、ノナナール、メタン、または水素を高感度で検知するガスセンサが得られる。また、本発明の他の態様によれば、ガスセンサとして有用な酸化スズ含有シートまたは酸化スズ含有素子が簡易な方法で得られる。
試料1の断面模式的図。 試料1の断面の透過型電子顕微鏡像。 図2に示した試料1のA部分の拡大像。 図2に示した試料1のB部分の拡大像。 図2に示した試料1のA部分の高角度環状暗視野走査透過型電子顕微鏡(STEM-HAADF)像。 図2に示した試料1のB部分のSTEM-HAADF像。 図2に示した試料1のA部分の(a)白金、(b)スズ、および(c)酸素の各元素のマッピング像。 図2に示した試料1のA部分の(a)シリコン、(b)ナトリウム、および(c)フッ素の各元素のマッピング像。 図2に示した試料1のB部分の(a)シリコン、(b)スズ、および(c)酸素の各元素のマッピング像。 図2に示した試料1のB部分の(a)ナトリウムおよび(b)フッ素の各元素のマッピング像。 図2に示した試料1のC部分の(a)白金、(b)スズ、および(c)酸素の各元素のマッピング像。 図2に示した試料1のC部分の(a)チタン、(b)ナトリウム、および(c)フッ素の各元素のマッピング像。 酸化スズ含有シートの形成過程を示す断面模式図。 試料1(試料2A)の酸化スズ含有シートの走査型電子顕微鏡像。 試料2Bの酸化スズ含有シートの走査型電子顕微鏡像。 試料2Cの酸化スズ含有シートの走査型電子顕微鏡像。 試料2Dの酸化スズ含有シートの走査型電子顕微鏡像。 試料2Eの酸化スズ含有シートの走査型電子顕微鏡像。 実施例2の酸化スズ含有シートのノナナールに対するガスセンサ特性を示すグラフ。 実施例2の酸化スズ含有シートのメタンに対するガスセンサ特性を示すグラフ。 実施例2の酸化スズ含有シートの水素に対するガスセンサ特性を示すグラフ。 実施例2の酸化スズ含有シートのメタンに対するガスセンサ特性を示すグラフ。 実施例2の酸化スズ含有シートの水素に対するガスセンサ特性を示すグラフ。 試料3の断面模式図。 図4の透過型電子顕微鏡像をもとにした試料3の断面模式図。 試料1、試料2B、および試料3のノナナールに対するガスセンサ特性を示すグラフ。 試料1、試料2B、および試料3のメタンに対するガスセンサ特性を示すグラフ。 試料1、試料2B、および試料3の水素に対するガスセンサ特性を示すグラフ。
本発明の実施形態に係る酸化スズ含有シートは中央シート部と周辺部を備えている。中央シート部は、複数の酸化スズ(IV)SnO(以下、酸化スズ(IV)を単に酸化スズということがある)のナノシート片が集合してなる。個々のナノシート片は、面内サイズが1μm未満のシート状の片である。本実施形態の個々のナノシート片は、例えば、厚さが1~10nmであり、面内サイズが5~200nmである。ナノシート片の厚さと面内サイズは、透過型電子顕微鏡像または走査型電子顕微鏡像から算出する。透過型電子顕微鏡像または走査型電子顕微鏡像において、厚さは最も短い部分で、面内サイズは最も長い部分である。
周辺部は、中央シート部の少なくとも一部の両面に付着している。周辺部は、中央シート部の複数のナノシート片の集合密度よりも低い集合密度で、複数の酸化スズのナノシート片が集合してなる。すなわち、周辺部の複数のナノシート片の集合密度は、中央シート部の複数のナノシート片の集合密度よりも低い。酸化スズのナノシート片の集合密度の高低関係は、酸化スズ含有シートの透過型電子顕微鏡像によって判断できる。
周辺部は、中央シート部の両面の略全面に付着していることが好ましい。中央シート部の両面の略全面とは、例えば酸化スズ含有シートの透過型電子顕微鏡像による観察で、中央シート部の両面の面積の95%以上の状態をいう。一方の周辺部の厚さ、中央シート部の厚さ、および周辺部と中央シート部を合わせた全体の厚さは、例えば、それぞれ10nm~10μm、5nm~5μm、25nm~25μmである。周辺部が貴金属粒子を備えていてもよい。周辺部が貴金属粒子を備えていると、酸化スズ含有シートをガスセンサに用いたときに、水素の検知性能が向上する。
中央シート部が貴金属粒子を備えていてもよい。中央シート部が貴金属粒子を備えていると、酸化スズ含有シートをガスセンサに用いたときに、検知対象のガス濃度の変化に対するガス検知性能の変化が大きくなる。ナノシート片の面内サイズ/厚さであるアスペクト比は、10~50であることが好ましい。酸化スズ含有シートが安定して存在でき、かつ酸化スズ含有シートの表面積が大きいからである。本実施形態に係る酸化スズ含有シートは、自立構造体や、以下に記載するような基材から浮いたブリッジ型の構造体とするこができる。
本発明の実施形態に係る酸化スズ含有素子は、基材と、基材に設けられた少なくとも一対の電極と、一対の電極に支持された酸化スズ含有シートを備えている。この基材と、基材に設けられた少なくとも一対の電極を備える基板として、白金くし形電極基板や金くし形電極基板が使用できる。白金くし形電極基板または金くし形電極基板は、例えば、幅5μmの白金電極または金電極が5μmごとの間隔でガラス基板の表面にくし形に設けられている。なお、電極の幅と電極間隔は適宜変更できる。
酸化スズ含有シートは、一対の電極を橋脚として、基材上に架け渡されたブリッジ形状を備えている。酸化スズ含有シートは浮いている内側部を備えている。つまり、酸化スズ含有シートは、内側部が基材から浮いているブリッジ型の構造体である(図1参照)。このため、酸化スズ含有シートは、基材表面上に形成された酸化スズ含有膜と比べて、周囲に存在するガスと多く接触できる。また、酸化スズ含有シートは、基材表面上に形成された酸化スズ含有膜と比べて、構造体の内部までガスが透過する。したがって、本実施形態の酸化スズ含有素子は、ガスセンサ用途に適している。
酸化スズ含有シートのうち基材から浮いている部分は、中央シート部と、周辺部とを有する構造をなしている。中央シート部と周辺部は、複数の酸化スズのナノシート片が集合してなる。周辺部は、中央シート部の少なくとも一部の両面に付着している。周辺部の複数のナノシート片の集合密度は、中央シート部の複数のナノシート片の集合密度よりも低い。
本実施形態の酸化スズ含有素子は、一対の電極間の電気抵抗を測定することで、ガスセンサに使用できる。本実施形態の酸化スズ含有素子のガスセンサへの適用については実施例で詳しく述べる。基材の主成分はSiOであることが好ましい。ブリッジ型の酸化スズ含有シートを備える酸化スズ含有素子が簡易に製造できるからである。本発明の実施形態に係るガスセンサは、本発明の酸化スズ含有素子を備え、ノナナール、メタン、または水素を検知する。本実施形態のガスセンサでは、一方の周辺部の厚さ、中央シート部の厚さ、および周辺部と中央シート部を合わせた全体の厚さが、それぞれ10~1000nm、5~500nm、および25~2500nmであることが好ましく、50~200nm、25~100nm、および125~500nmであることがより好ましい。
本発明の実施形態に係る酸化スズ含有シートの製造方法は、フッ化スズ含有溶液に不溶の少なくとも一対の足場を備えた基材を、酸化スズ前駆体を含有するフッ化スズ含有溶液中に浸して、一対の足場に架け渡された酸化スズ含有シートを形成する浸漬工程を備えている。この酸化スズ含有シートは、複数の酸化スズのナノシート片が集合してなる中央シート部と、中央シート部の少なくとも一部の両面に付着し、中央シート部の複数のナノシート片の集合密度よりも低い集合密度で、複数の酸化スズのナノシート片が集合してなる周辺部とを備えている。
この製造方法によれば、一対の足場間に酸化スズ含有シートを形成しながら、基材の表面を溶かして除去できる。つまり、この浸漬工程を行うことで、ブリッジ型の構造体である酸化スズ含有シートが得られる。酸化スズ前駆体としては、フッ化スズ、塩化スズ(SnCl)、塩化スズ(SnCl)、硝酸スズ、スズ酸カリウム、スズ酸ナトリウム、ジフルオロホウ酸スズ、ピロリン酸スズ、硫化スズ(SnSまたはSnS)、硫酸スズ(SnSO)、二酸化スズ水和物、塩化スズ二水和物、塩化スズ五水和物等のスズ無機塩が挙げられる。なお、酸化スズ前駆体がフッ化スズのとき、酸化スズ前駆体を含有するフッ化スズ含有溶液は、フッ化スズ含有溶液である。
本発明の実施形態に係る酸化スズ含有素子の製造方法は、基材と、少なくとも一対の電極とを備える電極基材を、酸化スズ前駆体を含有し、基材の表面を溶かす液体中に浸して、電極基材に酸化スズ含有シートを形成する浸漬工程を備えている。基材としては、この液体で除去される層を最表面に備える基材が挙げられる。例えば、この層を溶媒に溶解するポリマー層とし、この溶媒と酸化スズ前駆体を含む液体を用いて浸漬工程が行える。また、この層を酸に溶ける金属とし、酸と酸化スズ前駆体を含む液体を用いて浸漬工程を行ってもよい。また、基材自体を溶かす溶剤と酸化スズ前駆体を含む液体を用いて浸漬工程を行ってもよい。また、少なくとも表面が熱で溶ける基材を使用し、酸化スズ前駆体を含む液体を用いて、加熱しながら浸漬工程を行ってもよい。
本実施形態の酸化スズ含有素子の製造方法では、浸漬工程の後に、酸化スズ含有シートの表面の一部を貴金属粒子で覆う被覆工程をさらに備えていてもよい。酸化スズ含有シートの周辺部に貴金属粒子を備える酸化スズ含有素子が簡易に得られるからである。また、本実施形態の酸化スズ含有素子の製造方法では、浸漬工程の前に、電極基材の表面を貴金属粒子で覆う付着工程をさらに備えていてもよい。貴金属粒子を内包する酸化スズ含有シートを備える酸化スズ含有素子が簡易に得られるからである。基材の主成分がSiOであり、液体がフッ化スズ水溶液であることが好ましい。酸化スズ含有素子が簡易に得られるからである。
(実施例1)
90℃の蒸留水1000mLに、フッ化スズ(SnF)(森田化学工業株式会社製)4.35gを溶解して5mMフッ化スズ水溶液を得た。幅5μmの白金電極が5μmごとの間隔でガラス基板の表面にくし形に設けられた白金くし形電極基板をこのフッ化スズ水溶液に浸漬し、90℃で6時間保持して試料1を得た。図1に試料1の断面を模式的に示す。図1に示すように、試料1では、隣接する2つの白金電極間にまたがって酸化スズ含有シートが形成されており、酸化スズ含有シートの下方は空洞となっていた。つまり、試料1では、内側部が基材であるガラス基板から浮いているブリッジ型の構造体の酸化スズ含有シートが形成された。なお、酸化スズ含有シートの下方の空洞は、フッ化スズ水溶液によってガラス基板の上部が溶解してできた空間である。
試料1の断面の透過型電子顕微鏡(TEM)像を図2に示す。図2では図1の丸印付近を示している。図2のA部分は白金電極の端部である。図2のB部分は空中に浮いている酸化スズ含有シート部分である。図2のC部分は白金電極の中央部である。図2のA部分の拡大像を図3に示す。図3に示すように、白金電極の端部と酸化スズ含有シートがつながっている。そして、白金電極の端部の位置が、酸化スズ含有シートの中央シート部とほぼ一致している。また、白金電極上には酸化スズ膜が形成されている。酸化スズ含有シートは、多数のナノシート片から構成されている。このナノシート片は酸化スズから構成されている。
白金電極の近くに存在するナノシート片の面内サイズは、白金電極から離れて存在するナノシート片の面内サイズより大きい。また、白金電極の近くに存在するナノシート片の密度は、白金電極から離れて存在するナノシート片の密度より高い。また、白金電極上に形成された酸化スズ膜は、下面付近で、ナノシート片の密度が高く、ナノシート片の面内サイズが小さい。
図3に示すように、ナノシート片の厚さは1~10nmであり、ナノシート片の面内サイズは5~200nmであった。図3で観察される複数のナノシート片は、例えば、厚さが10nmで面内サイズが200nmから「面内サイズ/厚さ」のアスペクト比20、厚さが1nmで面内サイズが50nmからアスペクト比50、厚さが5nmで面内サイズが200nmからアスペクト比40、厚さが10nmで面内サイズが100nmからアスペクト比10であった。すなわち、ナノシート片のアスペクト比は10~50であった。
図2のB部分の拡大像を図4に示す。図4に示すブリッジ型の酸化スズ含有シートでも、ナノシート片の厚さは1~10nmであり、ナノシート片の面内サイズは5~200nmであった。図4で観察される複数のナノシート片は、例えば、厚さが10nmで面内サイズ200nmからアスペクト比20、厚さが1nmで面内サイズが50nmからアスペクト比50、厚さが5nmで面内サイズが200nmからアスペクト比40、厚さが10nmで面内サイズが100nmからアスペクト比10であった。すなわち、ナノシート片のアスペクト比は10~50であった。
図4に示すブリッジ型の酸化スズ含有シートは、図2のC部分または図3の左端部に示す白金電極上に形成された酸化スズ膜2つを下面で貼り合わせたような構造を備えている。すなわち、本実施例のブリッジ型の酸化スズ含有シートは、複数の酸化スズのナノシート片が層状に存在する中央シート部と、この層状の上下方向、つまり中央シート部の両面であって、複数の酸化スズのナノシート片が存在する周辺部を備え、中央シート部の酸化スズのナノシート片の集合密度が、周辺部の酸化スズのナノシート片の集合密度より高い。
図2のA部分の高角度環状暗視野走査透過型電子顕微鏡(Scanning TEM High-Angle Annular Dark Field:STEM-HAADF)像を図5に示す。HAADF像は、原子番号の2乗に比例するコントラスト像である。HAADF像によって、その物質を構成する元素に関する情報が得られる。図5からも、白金電極上に酸化スズ膜が形成されていることがわかる。また、空中に浮いている酸化スズ含有シートの端部が、白金電極と接合していることがわかる。また、白金電極の端部と空中に浮いている酸化スズ含有シートの下方には、ガラス基板の上部が溶解してできた空間があることが分かる。図5に示す酸化スズ含有シートでは、周辺部の一方の厚さが約100nm、中央シート部の厚さが約50nm、周辺部と中央シート部を合わせた全体の厚さが約250nmであった。
図2のB部分のSTEM-HAADF像を図6に示す。図6からも、ブリッジ型の酸化スズ含有シートの存在がわかる。この酸化スズ含有シートは、酸化スズからなるナノシート片から構成されている。図6に現れている酸化スズ含有シートを構成する各ナノシート片自体の明暗は、酸化スズ含有シートの中央部、上部、および下部で一様である。これは、各ナノシート片を構成する酸化スズの組成が均一であることを示している。
図6より、本実施例の酸化スズ含有シートは、厚さ方向の中央部でナノシート片の面内サイズが小さいこともわかる。また、図6より、本実施例の酸化スズ含有シートは、中央部の酸化スズのナノシート片の密度が、周辺部の酸化スズのナノシート片の密度より大きいことがわかる。また、図6より、本実施例の酸化スズ含有シートを構成するナノシート片のアスペクト比が10~50であることがわかる。
図2のA部分の各元素のマッピング像を図7および図8に示す。図7(a)の白金マッピング像(薄い色の部分が白金)から、電極が白金を含有していることがわかる。図7(b)のスズマッピング像(薄い色の部分がスズ)と図7(c)の酸素マッピング像(薄い色の部分が酸素)に示すように、白金電極上の膜からスズおよび酸素が検出されており、この膜が酸化スズを含有していることがわかる。図8(a)のシリコンマッピング像(薄い色の部分がシリコン)と図7(c)の酸素マッピング像に示すように、ガラス基板からシリコンおよび酸素が検出されており、ガラス基板が酸化ケイ素を含有していることがわかる。
図8(b)のナトリウムマッピング像(薄い色の部分がナトリウム)から、溶解によって露出したガラス基板の表面のナトリウム濃度が高いことがわかる。これは、基板がナトリウムを含有していることを示している。図8(c)のフッ素マッピング像(薄い色の部分がフッ素)に示すように、白金電極上の酸化スズ膜およびブリッジ型の酸化スズ含有シートからフッ素が検出されており、酸化スズ膜および酸化スズ含有シートがフッ素を含有していることを示している。
図2のB部分の各元素のマッピング像を図9および図10に示す。図9(a)のシリコンマッピング像(薄い色の部分がシリコン)と図9(c)の酸素マッピング像(薄い色の部分が酸素)に示すように、ガラス基板からシリコンおよび酸素が検出されており、ガラス基板が酸化ケイ素を含有していることがわかる。図9(b)のスズマッピング像(薄い色の部分がスズ)と図9(c)の酸素マッピング像に示すように、ブリッジ型の構造体からスズおよび酸素が検出されており、この構造体が酸化スズを含有していることがわかる。
図10(a)のナトリウムマッピング像(薄い色の部分がナトリウム)に示すように、溶解によって露出したガラス基板の表面のナトリウム濃度が高かった。図10(b)のフッ素マッピング像(薄い色の部分がフッ素)に示すように、この構造体、すなわちブリッジ型の酸化スズ含有シートからフッ素が検出されており、この酸化スズ含有シートがフッ素を含有していることを示している。
図2のC部分の各元素のマッピング像を図11および図12に示す。図11(a)の白金マッピング像(薄い色の部分が白金)から、電極が白金を含有していることがわかる。図11(b)のスズマッピング像(薄い色の部分がスズ)と図11(c)の酸素マッピング像(薄い色の部分が酸素)に示すように、白金電極上の膜からスズおよび酸素が検出されており、この膜が酸化スズを含有していることがわかる。
図12(a)のチタンマッピング像(薄い色の部分がチタン)に示すように、白金電極の下方であってガラス基板の上面からチタンが検出されており、ガラス基板が表面にチタンを含有していることがわかる。図12(b)のナトリウムマッピング像(薄い色の部分がナトリウム)に示すように、白金電極からナトリウムが検出されており、白金電極がナトリウムを含有していることがわかる。
図12(b)のナトリウムマッピング像に示すように、白金電極の下方であってガラス基板の上面からナトリウムが検出されており、ガラス基板が表面にナトリウムを含有していることがわかる。図12(c)のフッ素マッピング像(薄い色の部分がフッ素)に示すように、この酸化スズ膜からフッ素が検出されており、この酸化スズ膜がフッ素を含有していることを示している。図12(c)のフッ素マッピング像に示すように、白金電極からはフッ素も検出されており、白金電極がフッ素を含有していることを示している。
図13は、酸化スズ含有素子の製造工程を断面で模式的に示している。図13(a)は、白金くし形電極基板を示している。フッ化スズ水溶液にこの白金くし形電極基板を浸すと、図13(b)に示すように、薄い酸化スズ膜が白金電極とガラス基板の表面に形成される。その後、図13(c)に示すように、酸化スズ膜が成長して厚くなるとともに、酸化スズ膜の下のガラス基板が溶解する。このとき、酸化スズ膜は、両端が白金電極の表面に接合されており、中央が浮いている。そして、図13(d)に示すように、酸化スズ膜が成長してさらに厚くなり、酸化スズ膜の下のガラス基板がさらに溶解する。酸化スズ膜の成長とガラス基板の溶解がさらに進み、酸化スズ含有素子となった状態を図13(e)に示す。
試料1の酸化スズ含有シートの表面の走査型電子顕微鏡像を図14に示す。図14より、ナノシート片の厚さは1~10nmであり、ナノシート片の面内サイズは5~200nmであった。図14で観察される複数のナノシート片は、例えば、厚さが10nmで面内サイズ200nmからアスペクト比20、厚さが1nmで面内サイズが50nmからアスペクト比50、厚さが5nmで面内サイズが200nmからアスペクト比40、厚さが10nmで面内サイズが100nmからアスペクト比10であった。すなわち、ナノシート片のアスペクト比は10~50であった。
(実施例2)
イオンスパッタ装置(日立製作所製、E-1010)を用いて、試料1を放電電流15mAで、15秒間、30秒間、45秒間、60秒間、75秒間、90秒間、または100秒間イオンスパッタ処理を行った。金属ターゲットは、金(Au)60質量%とパラジウム(Pd)40質量%を含有する合金であった。この合金ターゲットから、パラジウムおよび金が試料1に堆積する。XPS(光電子分光法)を用いて、スズのスペクトルとパラジウムのスペクトルの積分強度比と感度係数から、酸化スズ含有シート表面のスズとパラジウムの組成比(原子濃度であるatomic%の比)を算出した。その結果、パラジウム:スズは、15秒間、30秒間、45秒間、60秒間、75秒間、90秒間、100秒間のスパッタ処理で、それぞれ46:54、76:24、91:9、93:7、95:5、96:4、96:4であった。
これらの組成比は、パラジウムによる酸化スズ含有シート表面の被覆率であると考えられる。したがって、パラジウムによる酸化スズ含有シート表面の被覆率は、15秒間、30秒間、45秒間、60秒間、75秒間、90秒間、100秒間のスパッタ処理で、それぞれ46%、76%、91%、93%、95%、96%、96%と算出された。このように、様々な条件のイオンスパッタ処理によって、任意の金属を任意の割合で被覆することができる。イオンスパッタ処理を行わない試料を試料2A(試料1と同じ)とする。試料2Aは、パラジウムによる酸化スズ含有シート表面の被覆率が0%であると見積もれる。15秒間、30秒間、45秒間、100秒間のイオンスパッタ処理を行った試料を、それぞれ試料2B、試料2C、試料2D、試料2Eとする。
試料2Bの酸化スズ含有シートの表面の走査型電子顕微鏡像を図15に示す。図15に示すように、試料2Bではパラジウムが島状に観察された。試料2Cの酸化スズ含有シートの表面の走査型電子顕微鏡像を図16に示す。図16に示すように、試料2Cではパラジウムが島状に観察された。試料2Dの酸化スズ含有シートの表面の走査型電子顕微鏡像を図17に示す。図17に示すように、試料2Dではパラジウムが島状に観察された。また、図17では、酸化スズ含有シートの表面が見えない程度にまで、パラジウムによる酸化スズ含有シート表面の被覆が進んでいた。試料2Eの酸化スズ含有シートの表面の走査型電子顕微鏡像を図18に示す。図18に示すように、試料2Eではパラジウムによる酸化スズの被覆が進行することにより表面の凹凸が減少して、もはや、島状とは言えなくなった。
以下の測定条件によりセンサ特性の評価を行った。センサを測定装置にセットした後、測定前処理として、電気炉にて300℃で3時間保持した。測定中のセンサの温度は、電気炉にて300℃とした。キャリアガスは室内の空気を用いた。水素ガスおよびメタンガスは、ジーエルサイエンス株式会社製プッシュ缶を用いた。ノナナールガスは、株式会社ガステック製パーミエータ装置(パーミエーターPD-1B)を用いて調整した。ノナナールの温度は35℃とし、株式会社ガステック製のガラス管319番を使用した。測定において、空気を600秒間流した後、検知対象ガス(水素、メタン、ノナナール)を600秒間流した。その後、再び空気を600秒間流した。データ取得間隔は2秒間とした。
試料2Aから試料2Eのノナナールに対するガスセンサ特性、つまりノナナールに対する応答特性を図19に示す。図19の横軸は、パラジウムによる酸化スズ表面の被覆率である。図19の縦軸は、応答特性としてのセンサ抵抗変化率(Ra-Rg)/Raである。ここで、Raは空気中でのセンサの抵抗値で、Rgは検知対象ガス(ここではノナナール)中でのセンサの抵抗値である。ノナナールの濃度は0.85ppmとした。
図19に示すように、パラジウムによる被覆率の増加に伴って、センサ抵抗変化率が減少する傾向が見られた。ノナナールが透過しないパラジウムによって酸化スズが被覆され、酸化スズ表面に到達するノナナールが減少したからだと考えられる。ノナナール濃度0.85ppmのとき、パラジウムによる被覆率76%におけるセンサ抵抗変化率は0.002であった。
試料2Aから試料2Eのメタンに対するガスセンサ特性を図20に示す。図20の横軸と縦軸は、図19の横軸と縦軸と同じである。メタンの濃度は5ppm、50ppm、500ppm、5000ppmの4種類とした。いずれのメタン濃度でも、パラジウムによる被覆率の増加に伴って、センサ抵抗変化率が減少する傾向が見られた。メタンが透過しないパラジウムによって酸化スズが被覆され、酸化スズ表面に到達するメタンが減少したからだと考えられる。メタン濃度5000ppmのとき、パラジウムによる被覆率76%におけるセンサ抵抗変化率は0.072であった。
試料2Aから試料2Eの水素に対するガスセンサ特性を図21に示す。図21の横軸と縦軸は、図19の横軸と縦軸と同じである。水素の濃度は5ppm、50ppm、500ppm、5000ppmの4種類とした。いずれの水素濃度でも、パラジウムによる被覆率が46%でのセンサ抵抗変化率は、パラジウムによる被覆率が0%でのセンサ抵抗変化率よりも高かった。パラジウムおよび白金が触媒として機能し、水素の酸化・燃焼反応を促進しているからだと考えられる。
また、いずれの水素濃度でも、パラジウムによる被覆率が91%でのセンサ抵抗変化率は、パラジウムによる被覆率が76%でのセンサ抵抗変化率よりも低かった。酸化スズがパラジウムおよび白金で被覆され、酸化スズの酸素の吸着サイトが減少したからだと考えられる。このように、酸化スズ含有シートへの過度の被覆は、水素に対する応答特性を急激に劣化させることを示している。水素濃度5000ppmのとき、パラジウムによる被覆率76%におけるセンサ抵抗変化率は0.992であった。
メタン濃度5000ppmでのパラジウム被覆率76%のセンサ抵抗変化率0.072に対する水素濃度5000ppmでのパラジウム被覆率76%のセンサ抵抗変化率0.992の比は、13.8であった。パラジウムによる被覆率が0%から約91%の酸化スズ含有シート(試料2Aから試料2Eに相当)は、水素に対するセンサ特性が高かった。パラジウムによる被覆率が約46%から約76%の酸化スズ含有シート(試料2Bから試料2Cに相当)は、水素に対するセンサ特性がより高かった。図21に示すように、パラジウムによる被覆率が40%から80%の酸化スズ含有シートは、水素に対するセンサ特性が特に高かった。
パラジウムによる被覆率が0%から約91%の酸化スズ含有シートは、メタンに対するセンサ抵抗変化率が低く、水素に対するセンサ抵抗変化率が高いので、メタン存在下での水素ガスセンサとして有用である。また、パラジウムによる被覆率が約46%から約91%の酸化スズ含有シートは、ノナナールに対するセンサ抵抗変化率も低いので、メタンとノナナールの少なくとも一方の存在下での水素ガスセンサとして有用である。
各濃度のメタンに対する試料2Aから試料2Eのガスセンサ特性を図22に示す。図22の横軸は、検知対象ガス(ここではメタン)の濃度である。図22の縦軸は図19の縦軸と同じである。図22に示すように、試料2Aから試料2Eのいずれの試料も、メタン濃度の増加に伴って、センサ抵抗変化率が増加する傾向が見られた。各濃度の水素に対する試料2Aから試料2Eのガスセンサ特性を図23に示す。図23の横軸と縦軸は、図22の横軸と縦軸と同じである。図23に示すように、試料2Aから試料2Eのいずれの試料も、水素濃度の増加に伴って、センサ抵抗変化率が増加する傾向が見られた。
(実施例3)
フッ化スズ水溶液に浸漬する前に、白金くし形電極基板をイオンスパッタ処理した点を除いて、実施例1と同様にして試料3を作製した。このイオンスパッタ処理は、イオンスパッタ装置(日立製作所製、E-1010)を用いて、放電電流15mAで15秒間行った。なお、金属ターゲットは、金(Au)60質量%とパラジウム(Pd)40質量%を含有する合金であった。試料3は、パラジウム粒子を内包する酸化スズ含有シートを備えている。
図24は試料3の断面を模式的に示している。酸化スズ含有シートの中央付近のPdナノ粒子は、白金くし形電極基板のイオンスパッタ処理によって形成される。また、イオンスパッタ処理した白金くし形電極基板をフッ化スズ水溶液に浸漬することによって、Pdナノ粒子の上方と下方に、酸化スズから構成されるナノシート片が形成される。また、Pdナノ粒子の上下方向へのナノシート片の形成と同時に、ガラス基板が表面から溶解する。ナノシート片はPdナノ粒子と結合している。こうして、図24に示すように、Pdナノ粒子を内包し、両端が白金電極の表面に接合されており、中央が浮いているブリッジ型の酸化スズ含有シートが得られる。
本実施例では、イオンスパッタの被処理物が実施例2と異なるものの、実施例2と同様の条件でイオンスパッタ処理を行っている。このため、イオンスパッタ処理直後の被処理物のパラジウムによる被覆率と、堆積するパラジウムのサイズは、実施例2と同様であると考えられる。したがって、試料2Bと同様に、試料3のパラジウムによる被覆率は46%と見積もれる。図25は、図4の透過型電子顕微鏡像をもとにして、試料3の断面を模式的に示している。
濃度0.85ppmのノナナールに対する試料1、試料2B、および試料3のガスセンサ特性を図26に示す。図26の横軸と縦軸は、図22の横軸と縦軸と同じである。図26に示すように、試料1、試料2B、試料3の順でセンサ抵抗変化率が高かった。すなわち、試料1、試料2B、試料3の順で、ノナナールに対するセンサ感度が高かった。
濃度が5ppm、50ppm、500ppm、および5000ppmのメタンに対する試料1および試料2Bのガスセンサ特性と、50ppm、500ppm、および5000ppmのメタンに対する試料3のガスセンサ特性を図27に示す。図27の横軸と縦軸は、図22の横軸と縦軸と同じである。
図27に示すように、メタン濃度が50ppmおよび500ppmのとき、試料1、試料2B、試料3の順でセンサ抵抗変化率が高かった。すなわち、メタン濃度が50ppmおよび500ppmのときは、試料1、試料2B、試料3の順で、メタンに対するセンサ感度が高かった。また、図27に示すように、メタン濃度増加に対するセンサ抵抗変化率の増加(グラフの傾きに相当)は、試料3、試料2B、試料1の順で高い傾向が見られた。特に、試料3のメタン濃度増加に対するセンサ抵抗変化率の増加が高かった。
濃度が5ppm、50ppm、500ppm、および5000ppmの水素に対する試料1、試料2B、および試料3のガスセンサ特性を図28に示す。図28の横軸と縦軸は、図22の横軸と縦軸と同じである。試料1、試料2B、および試料3は、水素濃度の増加に伴ってセンサ抵抗変化率も増加した。すなわち、試料1、試料2B、および試料3は、水素に対するセンサとして機能していた。
水素濃度5ppmの低濃度では、試料2B、試料1、試料3の順でセンサ抵抗変化率が高かった。すなわち、水素濃度5ppmでは、試料2B、試料1、試料3の順で、水素に対するセンサ感度が高かった。また、図28に示すように、水素濃度増加に対するセンサ抵抗変化率の増加(グラフの傾きに相当)は、試料3、試料1、試料2Bの順で高い傾向が見られた。特に、試料3のメタン濃度増加に対するセンサ抵抗変化率の増加が高かった。

Claims (4)

  1. 基材と、前記基材に設けられた少なくとも一対の電極と、前記一対の電極に支持された酸化スズ含有シートとを備え酸化スズ含有素子を有し、メタンとノナナールの少なくとも一方の存在下で使用する水素ガスセンサであって、
    前記酸化スズ含有シートは、前記一対の電極を橋脚として、前記基材上に架け渡されたブリッジ形状を備え、
    前記酸化スズ含有シートのうち前記基材から浮いている部分は、複数の酸化スズのナノシート片が集合してなる中央シート部と、前記中央シート部の少なくとも一部の両面に付着し、前記中央シート部の複数のナノシート片の集合密度よりも低い集合密度で、複数の酸化スズのナノシート片が集合してなる周辺部とを備え、
    前記周辺部が、被覆率46%以上91%以下でパラジウムに覆われている水素ガスセンサ
  2. 請求項1において、
    前記基材の主成分がSiOである水素ガスセンサ
  3. 請求項1または2水素ガスセンサの製造方法であって、
    前記基材と、前記少なくとも一対の電極とを備える電極基材を、酸化スズ前駆体を含有し、前記基材の表面を溶かす液体中に浸して、前記電極基材に前記酸化スズ含有シートを形成する浸漬工程と、
    前記浸漬工程の後、前記酸化スズ含有シートの表面の一部をパラジウムで覆う被覆工程と、
    を有する水素ガスセンサの製造方法。
  4. 請求項において、
    前記基材の主成分がSiOであり、
    前記液体がフッ化スズ水溶液である水素ガスセンサの製造方法。
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